JP4432694B2 - 電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Description
従来の電気光学装置では、表示内容に関係なく、1垂直走査期間(フィールド)毎に各画素の状態を書き換えるので、各画素を駆動する駆動回路やその制御回路などによって電力が消費されて、低消費電力化を阻害する要因があった。
このため、走査線とデータ線との交差部分に設けられる画素回路に、走査線が選択されたときにデータ線の電圧を保持するメモリ回路を持たせるとともに、メモリ回路に保持された内容に応じて、ノーマリーホワイトモードであれば交流駆動のための黒信号線、または、オフとさせる白信号線のいずれかを選択して画素電極に印加する構成が提案されている(特許文献1参照)。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画素回路内にメモリ回路を持たせた構成において、さらなる低消費電力化を図ることが可能な電気光学装置、電気光学装置の駆動方法および電子機器を提供することにある。
なお、本発明は、電気光学装置の補正方法、および、電気光学装置としても概念することができる。さらに、本発明における電子機器は、上記電気光学装置を表示部として備えるので、装置全体として低消費電力化を図ることが可能となる。
図に示されるように、この電気光学装置10では、画素回路200が、横方向(X方向)に延設された360本の走査線102と、縦方向(Y方向)に延設されたデータ線112a、112bの480組との各交差に対応して縦360行×横480列のマトリクス状に配列している。この画素回路200の配列領域が表示領域200aとなる。
また、この電気光学装置10では、各走査線102と平行になるようにフレーム信号線104、108の対がX方向に延設されて、それぞれ第1フレーム信号および第2フレーム信号が供給されている。ここで、1行目から360行目までのフレーム信号線104に供給される第1フレーム信号を、それぞれFa−1、Fa−2、Fa−3、…、Fa−360と表記し、同様に、1行目から360行目までのフレーム信号線108に供給される第2フレーム信号を、それぞれFb−1、Fb−2、Fb−3、…、Fb−360と表記する。
また、制御回路12は、後述するようにフレーム信号分配回路18に対して、図示しない外部回路から供給されるフレーム信号Fa、Fbの分配を行ブロック毎に指定する。
Xドライバ16は、選択された走査線102に位置する画素1行分の表示データを、データ線112aを介して、画素回路200に供給するものである。ここで、1列目から480列目までのデータ線112aに供給される表示データを、それぞれX−1、X−2、X−3、…、X−480と表記する。なお、Xドライバ16は、表示データX−1、X−2、X−3、…、X−480とは、それぞれ論理反転の関係にある/X−1、/X−2、/X−3、…、/X−480とについても、それぞれ1列目から480列目のデータ線112aと組をなすデータ線112bに供給する。なお、信号の記号前に「/」は、反転を示す。
この図に示されるように、1行目から360行目までのフレーム信号線108には、フレーム信号Fbが、第2フレーム信号Fb−1、Fb−2、…、Fb−360として共通に供給される。一方、フレーム信号線104は、1〜4行、5〜8行、…、357〜350行というように4行毎に同一系列の信号が供給されるようにブロック化されている。
ここで、1〜4行、5〜8行、…、357〜350行を、それぞれ1、2、…、90番目のブロックとすると、各ブロックにおけるフレーム信号Fa、Fbの選択は、制御回路12による選択信号Ct−1、Ct−2、…、Ct−90によって指定される。そして、各ブロックに設けられるスイッチ180は、入力端aに供給されるフレーム信号Fa、または、フレーム信号Fbのいずれか一方を、制御回路12による選択信号にしたがって選択して、第1フレーム信号としてフレーム信号線104に供給する構成となっている。
一方、nチャネル型のトランジスタ214のゲートは、i行目の走査線102に接続され、そのソースは、j列目のデータ線112bに接続されている。このトランジスタ214のドレインは、インバータ回路226の出力端、インバータ回路228の入力端、トランスファーゲート232の負入力端、および、トランスファーゲート234の正入力端にそれぞれ接続されている。
インバータ回路226の出力は、インバータ回路228の入力に帰還される一方、インバータ回路228の出力は、インバータ回路226の入力に帰還されているので、i行目の走査線102が選択されて、トランジスタ212(214)がオンしたときに、データ線112a(112b)を介して供給された表示データX−j(/X−j)は、トランジスタ212(214)がオフしたときでも、インバータ回路226、228によって保持・記憶される構成となっている。このため、本実施形態では、インバータ回路226、228によって一種のメモリ回路が構成されている。
ここで、トランスファーゲート232の正入力端は、インバータ回路228の出力端(インバータ回路226の入力端)に接続され、トランスファーゲート234の正入力端は、インバータ回路226の出力端(インバータ回路228の入力端)に接続されているので、トランスファーゲート232、234は互いに排他的にオンする結果、第1フレーム信号Fa−i、または、第2フレーム信号Fb−iのいずれか一方が選択されて、画素電極242に印加される構成となっている。
画素電極242と対向電極244との間を通過する光は、液晶層246に印加される電圧実効値がゼロであれば、液晶分子の捻れに沿って約90度旋光する一方、当該電圧実効値が大きくなるにつれて、液晶分子が電界方向に傾く結果、その旋光性が消失する。このため、例えば透過型において、入射側と背面側とに、配向方向に合わせて偏光軸が互いに直交する偏光子をそれぞれ配置させた場合、画素電極242に印加される電圧と対向電極244の電圧Vcomとの論理レベルが互いに同一であれば、光の透過率が最大となって白色(オフ)表示になる一方、両電圧の論理レベルが互いに反転の関係にあれば、光の透過率が最小となって黒色(オン)表示になる(ノーマリーホワイトモード)。
この電気光学装置10は、図4(a)に示されるように、すべての画素を用いて表示を行う全画面表示モードと、図4(b)に示されるように、一部の画素を用いて表示を行う部分表示モードとを有する。このため、各モードに分けて説明することにする。
この図に示されるように、外部回路から供給されるフレーム信号Fa、Fbの論理レベルは、互いに排他的であって、かつ、ともに1垂直走査期間(1F)毎に反転する。また、対向電極244に印加される電圧Vcomは、モードにかかわらずフレーム信号Fbと同一論理の信号である。
このため、フレーム信号分配回路18では、すべてのスイッチ180が図3において実線で示されるように入力端aを選択するので、第1フレーム信号Fa−1〜Fa−360のすべては、図5(a)に示されるようにフレーム信号Faと同一になる。
ここで、i行j列の画素回路200において、表示データX−jとしてHレベル(表示データ/X−jとしてLレベル)がインバータ回路226、228によって保持されている場合、トランスファーゲート232がオンし、トランスファーゲート234がオフするので、画素電極242には、第1フレーム信号Fa−iが印加される。また、対向電極244に印加される電圧Vcomは、フレーム信号Faとは論理レベルが反転関係にあるフレーム信号Fbと同一信号である。このため、当該画素回路200における液晶素子240は、黒色(オン)表示となる。
一方、i行j列の画素回路200において、表示データX−jとしてLレベル(表示データ/X−jとしてHレベル)がインバータ回路226、228によって保持されている場合、トランスファーゲート232がオフし、トランスファーゲート234がオンするので、画素電極242には、第2フレーム信号Fb−iが印加される。このため、当該画素回路200における液晶素子240は、白色(オフ)表示となる。
例えば、図4(b)に示されるように、上から数えて81〜180行目の走査線102に位置する画素を表示させる一方、1〜80行目および181〜360行目の走査線102に位置する画素を非表示とするような場合、制御回路12は、表示ブロックに対応する選択信号Ct−21〜Ct−45については入力端aを選択させ、非表示ブロックに対応する選択信号Ct−1〜Ct−20およびCt−46〜Ct−90については入力端bを選択させるような内容とさせる。
また、部分表示モードは、ブロックの画素に対し、表示に寄与させる表示モードとさせるか、表示に寄与させない非表示モードとさせるかについて、第1および第2フレーム信号の論理レベルを互いに反転の関係にさせるか同一の関係にさせるかによって指定しているモードである、と言い換えることもできる。
ところで、非表示にかかる画素、例えば1行目の画素回路200において、表示データX−jとしてHレベルがインバータ回路226、228によって保持されている場合、トランスファーゲート232、234がそれぞれオン、オフするので、画素電極242には、第1フレーム信号Fa−1が印加される一方、表示データX−jとしてLレベルがインバータ回路226、228によって保持されている場合、トランスファーゲート232、234がそれぞれオフ、オンするので、画素電極242には、第2フレーム信号Fb−1が印加される。他の非表示ブロックに属する行の画素回路200についても同様である。
ただし、上述したように、非表示ブロックにおいて、第1フレーム信号Fa−1〜Fa−81、Fa−181〜Fa−360と、第2フレーム信号Fb−1〜Fb−81、Fb−181〜Fb−360とは同一論理レベルとなるので、インバータ回路226、228による表示データの保持内容にかかわらず、当該画素回路200における液晶素子240は、白色(オフ)表示となる。
詳細には、図6(a)に示されるように、全画面表示モードにおける電気光学装置10の消費電力Pallは、液晶層の充放電で消費される電力Pbと、それ以外で消費される電力Paとに大別することができる。このうち、電力Pbは、オン画素の総数Nに比例して増加するので、ノーマリーホワイトモードであれば、黒色画素が増加する表示となるにつれて電力が消費される。
これに対して、本実施形態において、部分表示モードとした場合、非表示ブロック(非表示行)が多いほど、画素が強制的にオフ表示とされて、その分、液晶層246の充放電が抑えられて、低消費電力化を図ることができる。実施形態にあっては、全360行のうち、表示ブロックは25(表示行数は100)となるので、図6(b)に示されるように、液晶層の充放電で消費される電力Pbを、おおよそ100/360に抑えることが可能となる。
この図において、ビットB3、B2、B1からなる3ビットの表示データX−jは、3本のデータ線112を介して供給される。また、3つのトランジスタ212はゲートがi行目の走査線102に共通接続されて、当該走査線102が選択されたときに、3ビットの表示データX−jを取り込む。メモリ回路220は、取り込まれた3ビットの表示データX−jを保持して、D/A変換回路230に供給する。D/A変換回路230は、メモリ回路220によって保持された3ビットの表示データX−jをアナログ信号に変換して画素電極242に印加する。
このとき、D/A変換回路230は、第1フレーム信号Fa−iおよび第2フレーム信号Fb−iの論理レベルが互いに反転の関係にあって表示モードが指定されている場合、電圧Vcom(第2フレーム信号Fb−i)がLレベルであれば、Lレベルを基準としてアナログ信号をHレベル方向(正極性方向)に極性変換し、電圧Vcom(第2フレーム信号Fb−i)がHレベルであれば、Hレベルを基準としてアナログ信号をLレベル方向(負極性変換)に極性変換する一方、第1フレーム信号Fa−iおよび第2フレーム信号Fb−iの論理レベルが互いに同一であって非表示モードが指定されている場合、保持された表示データX−jとは無関係に、当該第2フレーム信号Fb−iを画素電極242に印加するような構成であれば良い。
また、実施形態にあっては、画素回路200において表示データの書き換えが必要となった場合に、当該画素回路200に対応する走査線102を選択することによって、当該画素回路200を含む1行分の書き換えを実行したが、X方向、Y方向にそれぞれアドレス指定することによって、画素回路200を単位として書き換える構成としても良い。
実施形態にあっては、フレーム信号Fa、Fbを1垂直走査期間毎にレベル反転することにより液晶素子240を交流駆動したが、本発明は、これに限られず、例えば、2垂直走査期間以上の期間でレベル反転する構成としても良い。
また、実施形態においては、電気光学装置を透過型としたが、反射型としても良い。さらに、電気光学素子としては、液晶素子のほかに、エレクトロルミネッセンス素子や、電気泳動素子、電子放出素子、デジタルミラー素子などや、プラズマディスプレイなどの画素回路にも適用可能である。
図において、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、電気光学装置10を備えるものである。この構成においては、必要に応じてその前面にフロントライトが設けられる。
Claims (4)
- 走査線とデータ線との交差に対応して画素回路が配列し、
前記画素回路の各々に、第1フレーム信号および第2フレーム信号をそれぞれ供給するフレーム信号分配回路を有する電気光学装置であって、
前記画素回路は、メモリ回路と、スイッチ回路と、対向電極と、画素電極とを含み、
前記メモリ回路は、前記走査線が選択されたときに前記データ線に供給されたデータを記憶し、
前記スイッチ回路は、前記メモリ回路に記憶されたデータに応じて前記第1フレーム信号または前記第2フレーム信号のいずれかを選択して、前記画素電極に印加し、
前記対向電極は、前記画素電極と電気光学材料を介して対向し、当該対向電極には、所定の周期で極性反転する電圧が印加され、
前記フレーム信号分配回路は、
全画面表示モードであるときに前記画素回路の各々に対し、または、部分表示モードであるときに前記画素回路のうち、表示にかかる画素回路に対し、
前記第1フレーム信号を、前記対向電極に印加される電圧に対して反転したレベルの電圧とし、
前記2フレーム信号を、前記対向電極に印加される電圧と同一レベルの電圧とし、
前記部分表示モードであるときに前記画素回路のうち、非表示にかかる画素回路に対し、
前記第1フレーム信号および第2フレーム信号を、それぞれ前記対向電極に印加される電圧と同一レベルの電圧とする
ことを特徴とする電気光学装置。 - 互いに隣接する複数の走査線、複数のデータ線、または、複数の画素回路をブロックとして、
前記非表示モードであるときに、前記表示にかかる画素回路または前記非表示にかかる画素回路が前記ブロック毎に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 走査線とデータ線との交差に対応して画素回路が配列し、
前記画素回路は、メモリ回路と、スイッチ回路と、対向電極と、画素電極とを含み、
前記メモリ回路は、前記走査線が選択されたときに前記データ線に供給されたデータを記憶し、
前記スイッチ回路は、前記メモリ回路に記憶されたデータに応じて第1フレーム信号または第2フレーム信号のいずれかを選択して、前記画素電極に印加し、
前記対向電極は、前記画素電極と電気光学材料を介して対向する電気光学装置の駆動方法であって、
当該対向電極に対し、所定の周期で極性反転する電圧を印加し、
全画面表示モードであるときに前記画素回路の各々に対し、または、部分表示モードであるときに前記画素回路のうち、表示にかかる画素回路に対し、
前記第1フレーム信号を、前記対向電極に印加される電圧に対して反転したレベルの電圧とし、
前記2フレーム信号を、前記対向電極に印加される電圧と同一レベルの電圧とし、
前記部分表示モードであるときに前記画素回路のうち、非表示にかかる画素回路に対し、前記第1フレーム信号および第2フレーム信号を、それぞれ前記対向電極に印加される電圧と同一レベルの電圧とする
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1または2に記載の電気光学装置を表示部に有することを特徴とする電子機器。
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