JP4595700B2 - 電気光学装置、駆動方法および電子機器 - Google Patents
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そこで、画素毎に1ビットを記憶するスタティックメモリ回路を内蔵させるとともに、当該メモリ回路に記憶されたビットにしたがって画素をオンまたはオフさせる技術が提案された(特許文献1参照)。この技術では、メモリ回路のリフレッシュが不要となるので、静止画を表示するであれば、駆動回路等を動作させないで済み、その分、低消費電力化を図ることが可能となる。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、画素毎にメモリ回路を有する構成において、階調表示を可能とする電気光学装置、その駆動方法および電子機器を提供することにある。
さらに、本発明において、前記メモリ回路は、スタティック型である構成が望ましい。
なお、本発明は、電気光学装置のみならず、電気光学装置の駆動方法としても、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
実施形態に係る電気光学装置は、電気光学素子として液晶素子を有する液晶装置であって、各種トランジスタや画素電極が形成された素子基板と、共通電極が形成された対向基板とが互いに電極形成面が対向するように、一定の間隙を保って貼付され、この間隙にTN(twisted nematic)型の液晶が挟持された構成となっている。
この図に示されるように、電気光学装置10の表示領域100では、320行のワード線311が、それぞれ行(X)方向に延在する一方、240対のビット線211および相補ビット線213が列(Y)方向に延在するように設けられている。画素110は、320行のワード線311と240列のビット線211(相補ビット線213)との交差に対応して設けられる。このため、本実施形態では、画素110は縦320行×横240列でマトリクス状に配列することになるが、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
サンプル・ホールド回路250は、Hレベルとなったサンプリング信号に対応する列のビット線211に対し、上位制御回路から供給されるデータビットDbをサンプリングして供給するとともに、当該データビットDbを論理反転して、対応する列の相補ビット線213に供給する一方、それ以外のビット線211および相補ビット線213については、ハイインピーダンス状態とするものである。
このときのデータビットDbは、YアドレスAdyで指定された行と、XアドレスAdxで指定された列との交差に対応する画素110の表示内容を指定する1ビットのデータである。
ここで便宜的に、表示領域100において、左から数えてj列目のビット線211に供給されるビットをXjと表記し、j列目の相補ビット線213に供給されるビットを/Xjと表記する。なお、jは、画素110の位置する列を一般的に示す場合の記号であって、1≦j≦240を満たす整数である。
このうち、メモリ回路120は、nチャネル型TFT(薄膜トランジスタ)122、124と、NOT回路126、128を備える。TFT122については、そのソースがビット線211に接続され、そのドレインがNOT回路126の入力端に接続され、そのゲートがワード線311に接続されている。NOT回路126の出力端は、NOT回路128の入力端に接続され、NOT回路128の出力端は、NOT回路126の入力端に帰還されている。
ここで、NOT回路126の入力端(NOT回路128の入力端)がメモリ回路120の正転出力端Q(i.j)であり、NOT回路128の入力端(NOT回路126の入力端)がメモリ回路120の反転出力端/Q(i.j)である。
このような構成のメモリ回路120は、ワード線311に供給された行選択信号WiがHレベルになると、TFT122、124が同時にオンして、ビット線211に供給されたビットXjを正転出力端Q(i,j)にて保持する一方、当該ビットXjを論理反転した/Xjを反転出力端/Q(i,j)にて、それぞれ保持する構成となっている。
ここで、トランスミッションゲート143、145は、正転制御ゲートがHレベル(反転制御レベルがLレベル)であるときに、入力端および出力端の間がオン(導通状態)となるものである。
したがって、メモリ回路120の正転出力端Q(i,j)がHレベルである場合、トランスミッションゲート143、145はそれぞれオン、オフとなり、信号Vonが画素電極118に印加される一方、正転出力端Q(i,j)がLレベルである場合、トランスミッションゲート143、145はそれぞれオフ、オンとなり、信号Voffが画素電極118に印加される構成となっている。
なお、特に図示はしないが、両基板の各対向面には、液晶分子の長軸方向が両基板間で例えば約90度連続的に捻れるようにラビング処理された配向膜がそれぞれ設けられる一方、両基板の各背面側には配向方向に応じた偏光子がそれぞれ設けられる。このため、画素電極118と共通電極108との間を通過する光は、両電極間の電圧実効値がゼロであれば、液晶分子の捻れに沿って約90度旋光する一方、当該電圧実効値が大きくなるにつれて、液晶分子が電界方向に傾く結果、その旋光性が消失する。このため、例えば透過型において、入射側と背面側とに、それぞれ偏光軸が配向方向に一致するように偏光子を配置させると、当該電圧実効値がゼロに近ければ、光の透過率が最大となる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する光量が減少して、ついには透過率が最小になる(ノーマリーホワイトモード)。
Xアドレスデコーダ240、サンプル・ホールド回路250およびYアドレスデコーダ350は、(VddL、Gnd)を電源電圧とする。このため、本実施形態において行選択信号Wiや、ビットXj、/Xjでは、Hレベルが電位VddLであり、Lレベルが接地電位Gndとなる低振幅論理信号となる。
一方、上位制御回路から、表示領域100に供給される信号Von、Voff、Lcomは、いずれもHレベルが電位VddHであり、Lレベルが接地電位Gndとなる高振幅論理信号である。
また、本実施形態において、低振幅論理の電位VddLは、電圧(VddH、Gnd)を電源とするNOT回路126および128の閾値電圧よりも、高くなるように設定されている。
なお、本実施形態において、Xアドレスデコーダ240や、サンプル・ホールド回路250、Yアドレスデコーダ350および画素110における構成素子は、すべて低温ポリシリコンプロセスにより同時に形成することが可能である。
まず、電気光学装置10では、各画素110のメモリ回路120に、データビットが記憶された状態が前提となるので、このメモリ回路120へのデータビットの記憶動作について説明する。
本実施形態では、メモリ回路120に対するデータビットの記憶動作は、画素毎に実行される。ここで例えばi行j列の画素のデータビットを記憶させる場合、上位制御回路は、i行目を指定するYアドレスAdyとともに、j列目を指定するXアドレスAdxを出力し、さらに、記憶させるべきデータビットDbを出力する。
一方、i行目を指定するYアドレスAdyによって、Yアドレスデコーダ350は、行選択信号WiだけをHレベルとする。
反転出力端/Q(i、j)の電位がVddLからVddHに上昇しても、電位VddL、VddHの電位は、いずれもNOT回路128の閾値電圧を超えているので、正転出力端Q(i,j)の電位Gndに影響を与えることはない。
なお、ここでは、メモリ回路120において、データビットを書き換える前における正転出力端Q(i、j)および反転出力端/Q(i,j)の状態がそれぞれH、Lレベルである場合に、それぞれL、Hレベルのデータビットに書き換える動作について説明したが、正転出力端Q(i、j)および反転出力端/Q(i,j)の状態がそれぞれL、Hレベルである場合に、それぞれH、Lレベルのデータビットに書き換える動作についても互いの関係が逆転するだけの同様な動作となる。
なお、i行目に位置する画素110のうち、j列目以外の画素のについては、ビット線211および相補ビット線213がそれぞれハイインピーダンス状態であるので、TFT122、124がオンするものの、メモリ回路120において記憶されたデータビットに影響を与えることはない。
また、行選択信号WiがLレベルとなっても、書き込まれたデータビットは、NOT回路126、128によって保持され続けることになる。
また、表示内容が変更されるときにも、変更後の表示内容を規定するデータビットDbが、XアドレスAdxおよびYアドレスAdyとともに上位制御回路から供給されて、メモリ回路120に保持されたデータビットが書き換えられる。
まず、i行j列の画素110のメモリ回路120において、正転出力端Q(i,j)がLレベルに保持された場合(すなわち、反転出力端/Q(i,j)にHレベルが保持された場合)、トランスミッションゲート143、145はそれぞれオフ、オンするので、当該画素の画素電極118には、図4に示されるように、共通電極108と同一論理の関係にある信号Voffが印加される。このため、液晶素子150に印加される電圧VLC、ここでは、画素電極118の電位から共通電極108の電位を差し引いた電圧がゼロとなるので、ノーマリーホワイトモードであれば、当該画素は、対応する色において最も明るい状態(オフ状態)となる。
一方、i行j列の画素110のメモリ回路120において、正転出力端Q(i,j)がHレベルに保持された場合(すなわち、反転出力端/Q(i,j)にLレベルが保持された場合)、トランスミッションゲート143、145はそれぞれオン、オフするので、当該画素の画素電極118には、図4に示されるように、共通電極108と論理反転の関係にある信号Vonが印加される。このため、液晶素子150に印加される電圧VLCが2Vccとなるので、ノーマリーホワイトモードであれば、当該画素は、対応する色において最も暗い状態(オン状態)となる。
このようなオンまたはオフのいずれかの表示が、メモリ回路120の保持状態に応じて、各画素110において実行されて、所定の画像が表示されることとなる。
なお、電源回路については、低振幅論理の電圧(VddL、Gnd)を昇圧して、高振幅論理の電圧(VddH、Gnd)を生成する構成が望ましい。
さらに、液晶素子150はノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において最も暗い状態となるノーマリーブラックモードとしても良い。
また、実施形態では、オンオフの2値的な表示としたが、例えばRGBの3原色でカラー表示する構成としても良い。
さらに、電気光学素子としては、液晶素子のほかに、EL(エレクトロルミネッセンス)素子や、電気泳動素子、電子放出素子、デジタルミラー素子などや、プラズマディスプレイなどにも適用可能である。すなわち、本発明は、オンまたはオフを指示する2値的なデータビットをメモリ回路に記憶する電気光学装置のすべてに適用可能である。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を表示装置として有する電子機器について説明する。図5は、実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す斜視部である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置10の表示領域100を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、表示領域100以外の構成要素については外観としては現れない。
Claims (5)
- ワード線と、
ビット線と、
前記ビット線と対応する相補ビット線と、
前記ワード線と前記ビット線の交差に対応して設けられた画素と、
前記画素毎に、前記ワード線が選択されたとき、前記ビット線に供給された低振幅論理の第1ビットを高振幅論理にて保持し、前記第1ビットを論理反転して前記相補ビット線に供給された低振幅論理の第2ビットを高振幅論理にて保持するメモリ回路と、
供給される信号にしたがった表示となり前記画素に対応した電気光学素子と、
前記電気光学素子をオンにするオン信号と前記メモリ回路に保持された第1ビットが供給される第1トランスミッションゲートと、前記電気光学素子をオフにするオフ信号と前記メモリ回路に保持された第2ビットが供給される第2トランスミッションゲートとを有し、前記第1ビットの論理レベルが一方であり前記第2ビットの論理レベルが他方である場合、前記オン信号を前記第1トランスミッションゲートから前記電気光学素子へ供給し、前記第2ビットの論理レベルが前記一方であり前記第1ビットの論理レベルが前記他方である場合、前記オフ信号を前記第2トランスミッションゲートから前記電気光学素子へ供給する選択回路と、
を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 前記メモリ回路は、
供給された前記第1ビットを論理反転するNOT回路と、供給された前記第2ビットを論理反転するNOT回路を有し、
前記NOT回路の閾値電圧は、前記低振幅論理の高位側の論理レベルに相当する電圧よりも低く設定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記複数のワード線のいずれかを選択するワード線駆動回路と、
前記ワード線選択回路に選択されたワード線に対応する画素に、前記第1ビットを、前記ビット線を介して供給し、前記第2ビットを、前記相補ビット線を介して供給するビット線駆動回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。 - ワード線とビット線との交差に対応して設けられた画素と、供給される信号にしたがった表示となり前記画素に対応した電気光学素子とを有する電気光学装置の駆動方法であって、
前記画素毎に、
前記ワード線が選択されたとき、前記ビット線に供給された低振幅論理の第1ビットを高振幅論理にて保持し、前記第1ビットを論理反転して相補ビット線に供給された低振幅論理の第2ビットを高振幅論理にて保持し、
前記電気光学素子をオンにするオン信号と前記保持された第1ビットとを第1トランスミッションゲートへ供給し、
前記電気光学素子をオフにするオフ信号と前記保持された第2ビットとを第2トランスミッションゲートへ供給し、
前記第1ビットの論理レベルが一方であり前記第2ビットの論理レベルが他方である場合、前記オン信号を前記第1トランスミッションゲートから前記電気光学素子へ供給し、前記第2ビットの論理レベルが前記一方であり前記第1ビットの論理レベルが前記他方である場合、前記オフ信号を前記第2トランスミッションゲートから前記電気光学素子へ供給する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の電気光学装置を備える
ことを特徴とする電子機器。
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