JP4432244B2 - 平板積層型電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板積層型電池に関し、詳しくは、電池特性に優れ、加熱、外部破壊試験などにおける安全性が高められた平板積層型電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池は通常、正極、負極及び電解質層を有する単位電池要素を基本として形成される。この単位電池要素を積層して形成される電池要素は、例えばリチウム二次電池の分野において広く用いられている。これらの電池要素は長尺に形成したものを捲き回したり、平板状に形成したものを積層することにより容量を確保している。捲回あるいは積層によって平板状に形成した電池要素を平板状ケースに収納してなる平板状電池は、例えばリチウム二次電池の分野において公知である。特に平板状ケースとしてラミネートフィルムを用いた電池は軽量であることから今後の採用が見込まれる。
【0003】
電池においては、外部破壊試験の一つとして、釘刺し試験、すなわち、平板状ケースの厚さ方向に所定サイズの釘を侵入させて電池を破壊させ、その際、温度上昇、発煙、発火などの現象を観察し、それにより、外部から電池が破壊された場合の安全性を評価する試験が行なわれる。また外部破壊試験の別の試験として、外部衝撃試験、すなわち、落下、落槌などにより電池に外部から衝撃を与え、その際、温度上昇、発煙、発火などの現象を観察し、電池の安全性を評価する試験が行なわれる。さらに環境試験の一つとして、加熱試験、すなわち、電池を所定温度に加熱し、その際、温度上昇、発煙、発火などの現象を観察し、それにより、電池の安全性を評価する試験も行なわれる。
【0004】
従来、上記のような試験における安全性を高める方法として、電解液の材料を工夫する等の提案がなされているが、斯かる方法では電池性能が相対的に劣るという問題があり、別の方法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、電池性能を損なわずして、外部破壊試験、環境試験などにおける安全性が高められた平板積層型電池を提供することにある。また、本発明の他の目的は、製造が容易であり、サイクル特性、レート特性などの電池特性に優れた平板積層型電池を提供することにある。本発明の更に他の目的は、小型かつ軽量であり、体積エネルギー密度や重量エネルギー密度に優れた平板積層型電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、単位電池要素が積層されて形成されてなる電池要素の最外側及びそれより1つ内側に位置する電極の集電体の厚さを、これより内側に位置する電極の集電体の厚さよりも厚く形成すると、熱容量が上がりかつ機械的強度も向上し、上記目的が達成できることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、下記(1)〜(5)に存する。
(1)集電体と電極材料層とから形成される電極と、電解質層とを有する単位電池要素が積層されてケースに収納されてなる電池において、最外側及びそれより1つ内側に位置する電極の集電体の厚さが、これより内側に位置するいずれの電極の集電体の厚さよりも厚く形成された集電体であることを特徴とする平板積層型電池。
(2)厚く形成された集電体が、導電性箔を複数枚積層することにより形成されてなることを特徴とする(1)に記載の平板積層型電池。
(3)厚く形成された集電体の厚みが20μm以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の平板積層型電池。
(4)電解質層が非流動性電解質より形成されることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の平板積層型電池。
(5)単位電池要素がリチウム二次電池であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の平板積層型電池。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施例について説明する。図1は本発明の平板積層型電池の一例の要部の模式的説明図、図2は積層された電池要素のタブ構造の説明図、図3は積層され且つ平板状ケースに収納された電池要素の端子構造の説明図、図4は平板積層型電池の外観の一例の説明図である。
【0008】
なお、図1において、各要素は、見易さの便宜上、実際とは異なり、分離して記載されている。また、図1は、電池の下側の一方のみを示し、上側を省略してある。
【0009】
本発明の電池の基本的構成は、従来の電池と同様であり、正極、負極及び電解質層を有する単位電池要素がケースに収納されて成る。斯かる電池の代表例としては、リチウム二次電池が挙げられる。よって、以下の説明は上記のリチウム二次電池に基づいて行なう。
【0010】
本発明で定義される電池要素は、正極、負極及び電解質層を有する。また、正極及び負極の少なくとも一方の電極は、集電体上に電極材料層を形成して構成される。リチウム二次電池の場合、電極材料層は、主として活物質とバインダーから構成される。電解質層は正極及び負極間に存在させられる。電解質層は、液状電解質層と非流動性電解質層とに大別され、前者は、主としてリチウム塩と非水系溶媒(カーボネート類など)からなる電解液にて構成され、後者は、電解液のゲルや固体電解質から構成される。そして、電解液のゲルは、通常電解液をポリマーによってゲル化してなる。電解質層は、例えばポリエチレン多孔膜などのセパレータに上記の成分を含浸させて形成してもよい。非流動性電解質の使用は電解質の漏洩防止の観点から好ましい。特に、後述するラミネートフイルムからなるケースを併用した場合は、安全性を高めた上で電池の一層の小型・軽量化が可能となるだけでなく、後述する最外側及びそれより1つ内側に位置する電極の集電体を厚くする効果も顕著となる。また、イオン導電性の面では、非流動性電解質の中でも電解液のゲルが好ましい。
【0011】
本発明において、前記の各要素の構成材料は、従来公知の電池において知られている材料から任意に選択することが出来る。また、各種の条件も適宜選択することが出来る。例えば、集電体の材料としては、アルミニウム、ニッケル、銅、SUS(ステンレス)等の金属を用いた導電性箔が挙げられる。集電体の厚さは通常0.1〜100μmである。特に、正極集電体としてはアルミニウムが好適であり、負極集電体としては銅が好適である。
【0012】
リチウム二次電池においては、電極材料層は、通常活物質及びバインダーからなり、必要に応じて導電剤も含有される。正極活物質としては、例えば、コバルト、ニッケル、マンガンの群から選ばれる1種以上の金属とリチウムとの複合酸化物が挙げられる。負極活物質としては、例えば、グラファイト、コークス等の炭素質物質が挙げられる。これらは通常1〜30μmの粒径で使用される。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマーが挙げられる。導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛や、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材料を挙げることができる。電極は、これら材料を乳鉢等を用いて混粘した後に集電体に圧着することにより形成することができる。また、これら材料を溶解させた塗料を集電体上に塗布・乾燥することによって電極材料層を形成することもできる。この場合、用いられる溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。上記のバインダーの使用量は、活物質100重量部に対し、通常0.1〜30重量部であり、上記の溶媒の使用量は、塗料中の濃度として通常10〜90重量%である。
【0013】
電解液を構成するリチウム塩(支持電解質)としては、LiPF、LiClO等が挙げられ、溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類やガンマブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトンを使用することが好ましい。また、支持電解質の電解液中の濃度は通常0.5〜2mol/Lである。
【0014】
ゲル状電解質(ポリマー電解質)の調製に使用する重合性モノマーとしては、熱、紫外線、電子線などによって重合可能なモノマー、すなわち、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などの官能基を有する各種のモノマーが挙げられ、加熱溶融液用のポリマーとしては、前述のフッ素樹脂、CN基含有ポリマーの他、ポリメタクリル酸などのアクリル誘導体系ポリマー、ポリ酢酸ビニル等のポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有ポリマーが挙げられる。
【0015】
電池要素を収納するケースの材料としては、例えば、金属層とその両面に配置された合成樹脂層から構成されるラミネートフィルム等の可撓性フイルムが挙げられる。ラミネートフィルムの場合、金属としてはアルミニウム、外層合成樹脂としてはポリアミドやポリエステル、内層合成樹脂としてはポリエチレンやポリプロピレンが好適である。ラミネートフィルムは、ガスバリア性が良好であり、しかも、軽量・薄型化できるため、電池のエネルギー密度向上の点で好適である。さらに、従来最も汎用的に使用されている金属缶に比べると、上記ラミネートフィルムは釘刺し等に対して強度が劣る傾向にあるため、ラミネートフィルムを使用した場合の本発明の効果は特に顕著である。
【0016】
本発明の電池は、平板状の単位電池要素を積層した平板積層型である。
【0017】
本発明の平板積層型電池は、例えば、図2及び図3に示すように、正極、負極及び電解質層を有する単位電池要素が厚さ方向に積層されてなる電池要素(10)が平板状ケース(40)に収納されてなる。そして、例えば図4に示す様な外観を有する。図2〜図4中、符号(6)及び(7)は相互に集合してなる電極タブ、(20)及び(30)は電極タブに接合した、ケース外部に電流を取り出すための取り出し端子である。平板積層型電池を用いる場合は、単位電池要素が3組以上積層された構造であることが好ましく、5組以上積層された構造であることがより好ましく、10組以上積層された構造であることが特に好ましく、20組以上積層された構造であることが最も好ましい。3組以上積層されると、釘刺し試験等において発熱量が大きくなるため、本発明の効果が顕著となる。
【0018】
本発明の電池は、単位電池要素が積層されて電池ケースに収納されてなるが、最外側及びそれより1つ内側に位置する電極の集電体が、これより内側に位置するいずれの電極の集電体の厚さよりも厚くなっていることを特徴する。要するに、例えば、平板積層型電池においては、一方又は両方の最外側に位置する集電体の厚さを厚くする必要があり、通常、両方の最外側に位置する集電体を厚くするのが好ましい。
【0019】
以下にこのような電池の具体例を、図1に例示する電池を用いて説明する。
【0020】
図1に例示した電池は、平板積層型電池において、厚さ方向の最外側(図1中下側)に位置する単位電池要素の正負極の集電体に、内部に位置する単位電池要素の集電体よりも厚い金属箔を用いている例である。図1中、符号(1)は正極集電体、(1a)は(1)より厚い正極集電体、(2)は主として正極活物質と導電性物質とバインダーとから構成される正極材料層、符号(3)は負極集電体、符号(3a)は(3)より厚い負極集電体、(4)は主として負極活物質とバインダーとから構成される負極材料層、(5)は、セパレータの空隙中にポリマー電解質が存在してなる電解質層、(41)は、ラミネートフィルムから構成された平板状ケース(40)の金属層、(42)は金属層(41)の両面に配置された合成樹脂層、(10a)、(10b)、(10c)は単位電池要素である。
【0021】
図1においては、最外側の単位電池要素(10a)における正極集電体(1a)及び負極集電体(3a)は、電池要素(10)の最外側の電極及びそれより1つ内側の電極の集電体をそれぞれ構成しており、これらの集電体の厚さは、それより内側に存在する他の正極集電体(1)及び(3)のいずれよりも厚く形成されている。図1に例示した電池の場合、図示された下側には、電池要素として正極が位置しているが、負極を位置させてもよい。また、上記の集電体が厚く形成された電池要素は、図示が省略された上側にも形成するのが好ましい。そして、電池要素(10)の最上面と最下面とを同極にしても異極にしてもよい。
【0022】
上記のように構成された図1に示す電池において、外側に位置する電池要素の集電体が内部に位置する電池要素の集電体より厚いことは、次のように作用する。
【0023】
例えば釘刺し試験において、平板状ケース(40)の厚さ方向に所定サイズの釘を侵入させた場合、平板状ケース(40)内の電池要素(10)は変形・破壊され、正極と負極との間が短絡し、その個所で発熱が生じる。この際、従来の電池においては、短絡が生じた電極に存在する活物質により、連鎖的に反応熱が発生する結果、激しい発熱となり、発煙・発火に結びつく。
【0024】
これに対し、本発明の電池においては、上記のような外部破壊の際は、最初に集電体が厚く形成されている電池要素が破壊される。破壊された電池要素は正極と負極との間が短絡し、その個所で発熱が生じるが集電体の厚みが厚いため、これまでの電池と比較して熱容量が大きく、熱伝導性にも優れている。従って、短絡によって発生した熱は速やかに吸収、拡散されるため短絡部の温度上昇が抑制される。温度が活物質の分解温度以下に抑制されれば連鎖反応は生じず、激しい発煙、発火には至らない。
【0025】
更なる作用として例えば、外部衝撃試験において、平板状ケース(40)に対して金属片を衝突させた場合、衝突箇所、あるいはその内部の電池要素(10)は変形・破壊され、正極と負極との間が短絡し、その個所で発熱が生じることがある。この際、従来の電池においては、短絡が生じた電極に存在する活物質により、連鎖的に反応熱が発生する結果、激しい発熱となり、発煙・発火に結びつく。
【0026】
これに対し、本発明の電池においては、金属片が平板状ケースの平板部等に衝突貫通した場合は、上述と同様の機構が作用し電池の発煙発火が抑制される。また、電池要素の集電体のうち外側に位置する集電体の厚みが厚くなることにより、衝撃をうける集電体の厚みが厚く強化される結果、電池内部への貫通確率自体を減じることができる。さらに、金属片が平板状ケースの側面に衝突した場合も外側に位置する強化された集電体が保護壁の役割を果たし、衝撃を受け止めるため電池内部へのダメージを減少することができる。
【0027】
別なる作用として例えば、加熱試験、過充電試験において、円筒捲回型電池の温度が上昇した場合、従来の電池においては、内部での放熱が十分に行われない結果、わずかに発生した熱が蓄熱し温度上昇を引き起こし、連鎖的に反応熱が発生する結果、激しい発熱となり、発煙・発火に結びつく。
【0028】
これに対し、本発明の電池においては、外側の集電体の厚みが厚いため、その分熱伝導特性に優れ内部の熱を外部に放散しやすい。このため電池の温度上昇を減じることができ、蓄熱による熱暴走反応の開始を減じることができる。
【0029】
正極集電体を厚くするには、前述のように単に厚い集電体を用いてもよいし、複数の導電性箔を積層して厚くしてもよい。導電性箔を積層する際の正極集電体の構成は、その厚みが下記条件を満たす限り特に制限されないが、通常、金属箔や合金箔が使用される。具体的には、正極集電体と同様の材料が使用されることが好ましく、アルミニウムが特に好ましい。内部の集電体に対する厚みの増加幅としては、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、通常200μm以下、好ましくは100μm以下の範囲である。特に内部の集電体に対して2倍以上5倍以下とすることが好ましい。本発明においては、厚くする集電体の総厚みは、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることが特に好ましく、50μm以上とすることが最も好ましく、一方、250μm以下であることが好ましく、100μm以下とすることが特に好ましく、80μm以下とすることが最も好ましい。厚みの増加幅が厚すぎる場合は、相対的に電極材料層の厚さが薄くなり過ぎる結果、電池全体の容量が低下し、薄すぎる場合は本発明の効果も不十分となり易い。
【0030】
負極集電体の厚さを厚くする場合も、その方法及び厚みの増加幅は正極集電体のものと同様とすればよい。すなわち、金属箔を積層して厚みを増加させる場合は、負極集電体と同様の材料を用いることが好ましく、銅を用いることが最も好ましい。
【0031】
尚、本発明においては、厚く設けた集電体を最外側及びその1つ内側のみでなく、電池要素の内部にまで設けてもよい。集電体の厚みを増加させる領域を内側の電池要素に設ければ、その分熱容量及び機械的強度が増加するので、本発明の効果が顕著になるが、集電体の厚みの増加は、相対的に電極材料層の厚さを薄くすることになるため、電池の容量低下を招くことになる。このため、厚く設けた集電体を電池要素内部にまで設ける場合は、集電体の積層数の半分程度にとどめることが好ましい。厚く設けた集電体は正極、負極の一方であってもよく、双方に設けても良い。双方に設ける方が安全性、特性の向上の面からは好ましい。
【0032】
前集電体の厚み増加部は金属箔により集電体の厚みを増加させる他に、金属箔以外の薄膜部材を併せて用いても良い。従って、本発明において「集電体を厚くする」という場合、それ自体の厚さを増したり、金属箔等を集電体に積層することによって厚さを増すことのみならず、上記のように薄膜部材及び金属箔等を積層することにより厚さを増すことも含まれる。薄膜部材としては有機、無機の薄膜が利用でき、その形態としては独立の薄膜フィルムや基板上に、例えば塗布や蒸着、スパッタリング等により形成された薄膜、集電体上に直接形成された薄膜を用いることができる。これらの薄膜部材は電子伝導性であっても電子絶縁性であっても良い。これらの中では電子絶縁性平板部材が特に好ましい。電子絶縁性平板部材の構成材料としては、電子絶縁性を有する限り特に制限されず、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の合成樹脂が使用される。また、その厚さは、通常0.1μm以上、好ましくは10μm以上、通常200μm以下、好ましくは100μm以下である。これらは独立した薄膜として積層されるものであっても、接着剤などによってラミネートされた形態であってもよい。
【0033】
また、薄膜部材の構成材料は、多孔性部材であってもよい。多孔性部材の場合は空隙が液体、特に好ましくは電解液で充填されていることが好ましい。液体で充填されていれば、その分熱容量が大きくなるため本発明の効果が顕著となる。このような電子絶縁性部材は熱容量、熱伝導性に優れるものであることが特に好ましい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例においては、次の評価及び試験を行なった。
【0035】
(1)電池容量:C/2の電流密度で4.1Vまで定電流充電した後、4.1Vの電圧でC/25の電流密度まで定電圧充電することによって充電させた電池について、0.2Cの電流密度で2.7Vまで定電流放電して測定する。尚、1Cとは、電池の定格容量を1時間で放電できるような電流値をいう。
【0036】
(2)外部破壊試験:平板状ケースの厚さ方向に直径2.5mmの釘を侵入させて電池を破壊させ、その際の挙動を観察する。そして、変化なし(釘が貫通するのみ)、発煙、発火に区分して評価した。
【0037】
実施例1先ず、以下の表1及び2の配合組成に従い、各成分を混練機により2時間処理して、正極塗料及び負極塗料を調製した。また、以下の表3の配合組成に従い、各成分を混合攪拌して溶解し電解質塗料を調製した。
【0038】
【表1】
Figure 0004432244
【0039】
【表2】
Figure 0004432244
【0040】
【表3】
Figure 0004432244
【0041】
次いで、エクストルージョン型のダイコータにより、厚さ20μmのアルミニウム製タブ付正極集電体上に正極塗料を、厚さ20μmの銅製タブ付負極集電体上に負極塗料を塗布した後に乾燥し、活物質がバインダーによって集電体の片面に結着された多孔質膜を得た。次いで、ロールプレス(カレンダー)により、上記の各多孔質膜に圧密処理を施した後、所定のサイズに裁断し、平板状の正極と負極とした。
【0042】
次いで、上記の正極と負極とに電解質塗料を塗布し、別途に調製した電解質塗料含浸高分子多孔質フイルムを間に挟んで積層し、90℃で30分間加熱することにより電解質を非流動化した。そして、正極、負極及び非流動性の電解質層を有する平板状の単位電池要素を得た。
【0043】
次いで、得られた単位電池要素20個を負極集電体が上下の最外面となる順序で交互に積層した。このように積層した単位電池要素を下面から順に、「単位電池要素1」、「単位電池要素2」・・「単位電池要素19」、「単位電池要素20」と呼ぶ。単位電池要素1の下面には厚さ20μmの銅箔を積層した。単位電池要素1と2の間には厚さ20μmのアルミニウム箔を積層した。単位電池要素20の上面には厚さ20μmの銅箔を積層した。単位電池要素19と20の間には厚さ20μmのアルミニウム箔を積層した。次に、積層体に電流を取り出す端子を接続することにより、電池要素とした。
【0044】
その後、アルミニウム層とその両面に配置された合成樹脂層から構成されるラミネートフィルムをプリフォーム成形した平板状ケースに、上記の組み立て品を収納して真空シールして平板状電池とした。そして、平板状ケースの外側において、正極の端子とラミネートフィルム中のアルミニウム層とを導線で接続した。得られた電池の評価及び試験結果を表4に示す。
【0045】
比較例1実施例1において、アルミニウム箔と銅箔の積層を省略した以外は、実施例1と同様にして平板状電池を得た。得られた電池の評価及び試験結果を表4に示す。
【0046】
実施例2実施例1において、単位電池要素の積層順序を正極が上下の最外面となる順序で交互に積層した。単位電池要素1の下面には厚さ20μmのアルミニウム箔を2枚積層した。単位電池要素1と2の間には厚さ35μmの銅箔を積層した。単位電池要素20の上面には厚さ20μmのアルミニウム箔を2枚を積層した。単位電池要素19と20の間には厚さ35μmの銅箔を積層した。それ以外は、実施例1と同様にして平板状電池を得た。
【0047】
実施例3実施例1において、厚さ20μmのアルミニウム製タブ付正極集電体を厚さ40μmのアルミニウム製タブ付正極集電体に、厚さ20μmの銅製タブ付負極集電体を厚さ35μmの銅製タブ付負極集電体に変更した。アルミニウム箔と銅箔の積層は省略された。それ以外は、実施例1と同様にして平板状電池を得た。
【0048】
【表4】
Figure 0004432244
【0049】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、電池性能を損なわずして、外部破壊試験などにおける安全性が高められた電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平板積層型電池の一例の要部の模式的説明図
【図2】 積層された電池要素のタブ構造の説明図
【図3】 積層され且つ平板状ケースに収納された電池要素の端子構造の説明図
【図4】 電池の外観の一例の説明図
【符号の説明】
1:正極集電体
1a:厚くした正極集電体
2:正極材料層
3:負極集電体
3a:厚くした負極集電体
4:負極材料層
5:電解質層
6:電極タブ
7:電極タブ
10:電池要素
20:取り出し端子
30:取り出し端子
40:平板状ケース
41:金属層
42:合成樹脂層

Claims (5)

  1. 集電体と電極材料層とから形成される電極と、電解質層とを有する単位電池要素が積層されてケースに収納されてなる平板積層型電池において、最外側及びそれより1つ内側に位置する電極の集電体が、これより内側に位置するいずれの電極の集電体の厚さよりも厚く形成された集電体であることを特徴とする平板積層型電池。
  2. 厚く形成された集電体が、導電性箔を複数枚積層することにより形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の平板積層型電池。
  3. 厚く形成された集電体の厚みが20μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の平板積層型電池。
  4. 電解質層が非流動性電解質より形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の平板積層型電池。
  5. 単位電池要素がリチウム二次電池であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の平板積層型電池。
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