JP4430603B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関するものである。
機関停止要求(運転者によるイグニッションスイッチのオフ操作等)がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行う内燃機関の制御装置が、従来、提案されている。
例えば、特許文献1に記載のものでは、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を変更する可変バルブ機構を備える内燃機関にあって、上述したような機関停止の遅延制御を実行するようにしている。
同特許文献1に記載の内燃機関は、機関出力を利用して駆動される油圧ポンプを備えており、同油圧ポンプにて発生する油圧を利用して上記可変バルブ機構は駆動される。そして、機関停止の遅延制御開始後に可変バルブ機構を駆動し、バルブ特性を次回の機関始動時に適した特性に変更しておくことにより、次回の機関始動時における機関の始動性等を向上させるようにしている。
このように、機関出力は車両の走行駆動源として利用される他、上記油圧ポンプ、さらには車載用空調機(エアーコンディショナ)の圧縮機の駆動にも利用される。
他方、機関のアイドル運転時には、実際の機関回転速度が目標回転速度となるように吸入空気量を調整するアイドル回転速度制御が行われるのであるが、そうしたアイドル運転中に上記圧縮機が駆動される場合には、同圧縮機の駆動負荷による機関出力の低下を補うために吸入空気量の増量補正が行われる。この増量補正では、圧縮機の駆動負荷に応じた補正量にて吸入空気量が増量補正され、こうした吸入空気量の増量補正に伴う燃料噴射量の増量によって、圧縮機の駆動負荷の分だけ機関出力は増大される。
特開2002−357136号公報
ところで、車載空調機の空調スイッチがオフ操作され、これにより圧縮機の駆動を停止させる際には、同圧縮機の保護や同圧縮機の駆動停止による機関出力変動の抑制等を図るために、駆動負荷を徐々に低下させていく徐変処理が行われることがある。
こうした駆動負荷の徐変処理が行われる場合にあって、空調スイッチのオフ操作等による圧縮機の停止要求と同時に上記増量補正を中止すると、圧縮機の駆動負荷がまだ残っているにもかかわらず機関出力は低下し、機関回転速度は一時的に低下してしまうおそれがある。そのため、圧縮機の停止要求時から所定の遅延期間が経過した時点、すなわち圧縮機の駆動負荷が十分低下した時点で吸入空気量の増量補正を中止するといった増量中止遅延処理を実行することが望ましい。
しかし、上述したような機関停止の遅延制御が実行される内燃機関において、そのような増量中止遅延処理を実行すると、新たに以下のような不都合が発生するおそれがある。
すなわち、イグニッションスイッチのオフ操作によって圧縮機の駆動負荷が速やかに低下する場合にあって、そのオフ操作を圧縮機の停止要求とみなし、前記増量中止遅延処理の実行を開始すると、圧縮機の駆動負荷は低下しているにもかかわらず、吸入空気量の増量補正が所定の期間だけ継続して行われる。
ここで、機関停止の遅延制御が行われる内燃機関では、同遅延制御が行われない内燃機関と異なり、イグニッションスイッチがオフ操作された後も、機関運転はある程度の期間継続して行われる。そのため、機関停止の遅延制御実行中に上述したような状況、すなわち圧縮機の駆動負荷は低下しているにもかかわらず吸入空気量の増量補正は継続して行われる状況が生じてしまうと、圧縮機の駆動負荷が低下しているにもかかわらず、機関出力は増大されている期間が生じてしまい、機関回転速度が吹き上がるといった不都合が生じてしまう。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関停止の遅延制御が行われる内燃機関にあって、遅延制御実行中の機関回転速度の吹き上がりを好適に抑制することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、機関の停止要求がなされてから実際に機関の停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行うとともに、機関のアイドル運転時にあって車載空調機の圧縮機が駆動されるときには同圧縮機の駆動負荷に応じた補正量にて吸入空気量を増量補正する内燃機関の制御装置において、前記車載空調機の空調スイッチのオフ操作により前記圧縮機の駆動を停止させる際には、同圧縮機の駆動負荷を徐々に低下させる負荷徐変手段と、前記空調スイッチのオフ操作時から所定の遅延期間経過後に前記吸入空気量の増量補正を中止させる増量中止遅延手段と、イグニッションスイッチのオフ操作と同時に前記吸入空気量の増量補正を中止させる増量中止手段とを備えることをその要旨とする。
同構成では、アイドル運転時において車載空調機の圧縮機が駆動されるときには、吸入空気量が増量補正され、これにより機関出力は増大されて圧縮機の駆動負荷による機関出力の低下が補われる。
また、空調スイッチのオフ操作によって圧縮機が停止されるときには、その駆動負荷を徐々に低下させる徐変処理が実行されることにより、同圧縮機の保護やその駆動停止による機関出力変動の抑制等が図られる。
そして、空調スイッチのオフ操作により上記駆動負荷の徐変処理が行われる場合には、同空調スイッチのオフ操作時から所定の遅延期間経過後に、すなわち圧縮機の駆動負荷が十分低下していると判断できる時点で吸入空気量の増量補正は中止される。こうした増量中止遅延処理が実行されることにより、空調スイッチのオフ操作時における圧縮機の駆動負荷の低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、上記駆動負荷の徐変処理中における機関回転速度の一時的な低下が抑えられる。
一方、同構成では、イグニッションスイッチがオフ操作されると機関停止の遅延制御が開始されるのであるが、同イグニッションスイッチのオフ操作と同時に吸入空気量の増量補正を中止するようにしている。従って、同イグニッションスイッチのオフ操作によって圧縮機の駆動負荷が速やかに低下する場合であっても、当該イグニッションスイッチのオフ操作時における同駆動負荷の低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、これにより機関停止の遅延制御実行中における機関回転速度の吹き上がりを好適に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記増量中止遅延手段は、前記空調スイッチのオフ操作直前での前記駆動負荷に基づいて前記遅延期間を設定することをその要旨とする。
前記負荷徐変手段によって圧縮機の駆動負荷を徐々に低下させる場合にあって、吸入空気量の増量補正を中止しても機関回転速度が一時的に低下しない程度にその駆動負荷が低下するまでの時間は、空調スイッチのオフ操作直前における圧縮機の駆動負荷が高いときほど長くなる。そこで、同構成では、空調スイッチのオフ操作時から吸入空気量の増量補正を中止させるまでの上記遅延期間を、同空調スイッチのオフ操作直前における圧縮機の駆動負荷に基づいて設定するようにしており、同構成によれば、その遅延期間を適切に設定することができるようになる。なお、圧縮機の駆動負荷は、同圧縮機の吐出圧などといった冷媒の圧力等に基づいて把握することができる。
このような駆動負荷に基づく上記遅延期間の設定に際しては、請求項3に記載の発明によるように、前記遅延期間は、前記空調スイッチのオフ操作直前での前記駆動負荷が高いときほど長くなるように設定される、といった構成を採用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、前記増量中止遅延手段は、前記負荷徐変手段による前記駆動負荷の低下速度に基づいて前記遅延期間を設定することをその要旨とする。
前記負荷徐変手段によって圧縮機の駆動負荷を徐々に低下させる場合にあって、吸入空気量の増量補正を中止しても機関回転速度が一時的に低下しない程度にその駆動負荷が低下するまでの時間は、同負荷徐変手段による駆動負荷の低下速度が速いときほど短くなる。そこで、同構成では、空調スイッチのオフ操作時から吸入空気量の増量補正を中止させるまでの上記遅延期間を、圧縮機の駆動負荷の低下速度に基づいて設定するようにしており、同構成によれば、その遅延期間を適切に設定することができるようになる。なお、駆動負荷の低下速度は、圧縮機の駆動負荷を調整する調整部材の動作状態や、冷媒の圧力変化速度等に基づいて把握することができる。
このような駆動負荷の低下速度に基づく上記遅延期間の設定に際しては、請求項5に記載の発明によるように、前記遅延期間は、前記駆動負荷の低下速度が速いときほど短くなるように設定される、といった構成を採用することができる。
他方、圧縮機の駆動負荷を徐々に低下させる際には、請求項6に記載の発明によるように、前記圧縮機は可変容量型圧縮機であり、前記負荷徐変手段は、前記駆動負荷の低下に際して、前記可変容量型圧縮機の容量を徐々に減少させる容量徐変処理を行う、といった構成を採用することにより、駆動負荷の徐変処理を実施することができる。
以下、本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図10を併せ参照して説明する。
図1は、本実施形態の制御装置が適用される可変バルブ機構付きのエンジン1についてその構成を示している。
この図1に示されるように、エンジン1の燃焼室12には、吸気通路13及び吸気ポート13aを通じて空気が吸入されるとともに、同吸気通路13に設けられた燃料噴射弁14から吸入空気量に応じた燃料が噴射供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ15による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン16は往復動される。このピストン16の往復動は、コネクティングロッド21を介してクランクシャフト22に伝達され、同クランクシャフト22は回転される。このクランクシャフト22には、車載空調機(いわゆるエアーコンディショナ)の圧縮機80a、オルタネータ80b、油圧ポンプ80c等のいわゆる補機80が駆動連結されており、これら補機80は機関出力を利用して駆動される。
圧縮機80aは、冷媒の吐出圧を任意に変更することのできる斜板式の可変容量型圧縮機であり、その基本的な構造を図2に示す。
この圧縮機80aは、ハウジング181、駆動軸182、斜板183、シリンダボア184、ピストン185、抽気通路186、給気通路187、吸入側逆止弁188a、吐出側逆止弁188b、制御弁189等にて構成されている。
ハウジング181には、機関出力を利用して回転される駆動軸182が軸支されている。ハウジング181内には、傾斜角度を変更可能な斜板183が配設されており、この斜板183は駆動軸182とともに一体回転される。このようにハウジング181内にあって斜板183が配設されている空間はクランク室190となっている。
またハウジング181内には複数のシリンダボア184が形成されており、同シリンダボア184にはそれぞれピストン185が摺動可能に配設されている。このシリンダボア184内にあって、ピストン185の往復動により拡大・縮小される空間は、冷媒を吸入・圧縮する圧縮室191になっている。この圧縮室191には、吸入通路192及び吸入側逆止弁188aを介して冷媒が吸入され、同圧縮室191にて圧縮された冷媒は、吐出側逆止弁188b及び吐出通路193を介して冷媒通路に吐出される。
ピストン185の両端にあって圧縮室191側とは反対の端部、すなわち上記クランク室190側の端部は、上記斜板183が摺動可能に係合されており、同斜板183の傾斜角度に応じてピストン185のストローク量は変化するようになっている。すなわち、斜板183の傾斜角度に応じて冷媒の圧縮量が変化し、もって吐出圧が変化するようになっている。
他方、ハウジング181には、抽気通路186及び給気通路187が適宜形成されている。この抽気通路186を介して、圧縮室191に吸入される冷媒の一部が上記クランク室190に導入される。また、給気通路187を介して、圧縮室191にて圧縮された冷媒の一部が上記クランク室190に導入される。
この給気通路187には、制御電流値IAに応じてその開度が調整される制御弁189が設けられており、クランク室190への圧縮冷媒の導入量は、この制御弁189の開度制御を通じて調整される。ちなみに、運転者によってイグニッションスイッチがオフ操作されると、制御弁189の駆動回路への電源が遮断され、同制御弁189は全開状態になる。
この圧縮機80aでは、圧縮室191内を往復動するピストン185の両端面にあって、圧縮室191側とは反対の面(以下、背圧面という)、すなわちクランク室190側の面に付与される圧力が増大すると、圧縮室191側のピストン端面と背圧面側(クランク室190側)のピストン端面との圧力差が小さくなる。このように圧力差が小さくなると、斜板183の傾斜角度は小さくなって同圧縮機80aの容量は減少し、当該圧縮機80aの吐出圧は減少する。
逆に、クランク室190側の面に付与される圧力が減少すると、圧縮室191側のピストン端面と背圧面側(クランク室190側)のピストン端面との圧力差が大きくなり、これにより斜板183の傾斜角度は大きくなって同圧縮機80aの容量は増大し、同圧縮機80aの吐出圧は増大する。
上記背圧面に付与される圧力の調整は、同背圧面側に導入される圧縮冷媒の量を可変設定することにより行われる。すなわち、制御電流値IAに応じた制御弁189の開度制御を通じて行われる。ちなみに、この制御電流値IAは制御弁189の開度を示す値、すなわち圧縮機80aの駆動負荷を調整する調整部材の動作状態を示す値になっている。
先の図1に示す吸気通路13内には、吸入空気量を調整するためのスロットルバルブ27が設けられており、このスロットルバルブ27の開度は同バルブを開閉するモータ等の駆動制御を通じて調整される。
上記吸気ポート13aと燃焼室12との連通及び遮断は、吸気バルブ19の開閉動作によって行われ、排気ポート18aと燃焼室12との連通及び遮断は、排気バルブ20の開閉動作によって行われる。これら吸気バルブ19及び排気バルブ20は、クランクシャフトの回転が伝達される吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの回転に伴って開閉動作される。
エンジン1のシリンダヘッド11aには、吸気バルブ19のバルブ特性を可変とする可変バルブ機構5が備えられている。この可変バルブ機構5は、吸気バルブ19のバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構51、及び吸気バルブ19の最大リフト量VL及び作用角INCAMを可変とする作用角可変機構53から構成されている。なお、吸気バルブ19の作用角INCAMは、該吸気バルブ19の開弁期間に一致する値である。
バルブタイミング可変機構51は、油圧ポンプ80cの油圧により駆動される機構であって、吸気バルブ19を駆動するカムシャフトとエンジン1のクランクシャフトとの相対回転位相が同機構の駆動を通じて変更されることにより吸気バルブ19のバルブタイミングINVTは変更される。このバルブタイミングINVTの変更により、吸気バルブ19の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCはそれぞれ同じクランク角度だけ、進角または遅角される。すなわち、図3に示すように、吸気バルブ19の開弁期間IVOTが一定に維持された状態で、開弁時期IVO及び閉弁時期IVCが進角側、あるいは遅角側に変更される。このバルブタイミングINVTが遅角されると、吸気バルブ19の開弁時期IVOは遅角側に移行し、バルブオーバラップ量は減少する。
作用角可変機構53は、吸気バルブ19の作用角INCAM、即ち開弁期間IVOTとバルブリフト量の最大値である最大リフト量VLとを変更する機構であり、電動モータによって駆動される。換言すればオルタネータ80bにて発生する電力(実際にはオルタネータ80bの駆動によって充電されるバッテリの電力)を利用して駆動される。そして、作用角可変機構53が駆動されると、図4に示すように、吸気バルブ19の最大リフト量VLは、最も大きい最大リフト量VLである上限リフト量VLmaxから最も小さい最大リフト量VLである下限リフト量VLminまでの間で連続的に変更される。また、この最大リフト量VLの連続的な変更に同期して、吸気バルブ19の作用角INCAMも連続的に変更される。すなわち、上限リフト量VLmaxにおいて作用角INCAMは最大となり、最大リフト量VLが小さくなるほど作用角INCAMも小さくなっていく。そして、下限リフト量VLminにおいて作用角INCAMは最小となる。
一方、エンジン1にはその機関運転状態を検出するための各種センサが設けられている。例えば、クランク角センサ90によってクランクシャフトの回転位相、すなわちクランク角が検出され、その検出信号に基づいて機関回転速度NEが算出される。また、アクセルセンサ91によってアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量ACCP)が検出され、スロットルセンサ92によってスロットルバルブ27の開度(スロットル開度TA)が検出される。また、圧力センサ93によって圧縮機80aから吐出される冷媒の圧力、即ち吐出圧COMPが検出され、吸入空気量センサ94によって燃焼室12に導入される吸入空気量GAが検出される。また、作用角センサ95によって、吸気バルブ19の作用角INCAMの現状値、換言すれば作用角可変機構53の動作位置が検出され、バルブタイミングセンサ96によって、吸気バルブ19のバルブタイミングINVTの現状値が検出される。また、イグニッションスイッチ(以下、IGスイッチという)97のオン状態及びオフ状態によって、運転者による機関停止要求がなされているか否かが検出される。そして、空調スイッチ98のオン状態及びオフ状態によって、運転者による車載空調機の稼働要求がなされているか否か、換言すれば圧縮機80aの駆動・停止要求がなされているか否かが検出される。
エンジン1の各種制御は、電子制御装置60によって行われる。この電子制御装置60はマイクロコンピュータを中心に構成されており、上述したような各センサの検出信号がそれぞれ取り込まれる。そして、それら信号に基づいて電子制御装置60の中央処理装置(CPU)は、メモリに記憶されているプログラムや制御データ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を行う。
例えば、上記各種センサ等にて検出される機関運転状態に基づいて点火プラグ15や燃料噴射弁14の駆動を制御する。また、アクセル操作量ACCP等に基づいてスロットルバルブ27の開度目標値を設定し、その設定された開度目標値となるように同スロットルバルブ27の開度制御を行う。また、吸気バルブ19のバルブ特性(バルブタイミングINVTや作用角INCAM)が機関運転状態等に応じた特性となるように、上記バルブタイミング可変機構51及び作用角可変機構53の駆動を制御する。また、エンジン1のアイドル運転時には、実際の機関回転速度が目標回転速度、すなわちアイドル回転速度となるように吸入空気量を調整するアイドル回転速度制御を実行する。そして、圧縮機の吐出圧COMPが所定の目標圧となるように前記制御弁189の開度、換言すればその制御電流値IAを制御する。
ところで、運転者によりIGスイッチ97がオフ状態にされる、すなわち運転者による機関停止要求がなされ、これにより速やかに燃料噴射や燃料点火が停止される、すなわち機関の運転が停止されると、バルブタイミング可変機構51の動力源である油圧の発生、及び作用角可変機構53の動力源である電力の発電は停止される。従って、機関停止直前のバルブ特性のまま可変バルブ機構5は停止される。ここで、機関停止がなされた後のバルブ特性は、機関停止直前のバルブ特性、すなわち機関運転中に設定された特性になっており、必ずしも機関始動に適した特性になっているとは限らない。そのため、場合によっては、次回の機関始動時における始動性等が低下してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、機関停止要求がなされてから実際に機関停止が実行されるまでの時間を遅延させる機関停止の遅延制御を行うようにしている。そして、この遅延制御の開始後に、すなわち油圧の発生及び電力の発電がなされているうちにバルブタイミング可変機構51及び作用角可変機構53を駆動して、バルブ特性(バルブタイミング及び作用角)を予め設定された機関始動時用の特性に変更するようにしている。
図5は、上記遅延制御の処理手順を示している。この遅延処理は、電子制御装置60により所定期間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、IGスイッチ97が「OFF」にされたか否かが判定される(S100)。そして、IGスイッチ97が「ON」である場合には(S100:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、IGスイッチ97が「OFF」にされた場合には(S100:YES)、IGスイッチ97が「OFF」にされてから所定時間RTが経過しているか否かが判定される(S110)。なお、所定時間RTとしては、IGスイッチ97が「OFF」にされた時点でのバルブタイミングINVTを機関始動時用のバルブタイミングに変更するために必要とされる十分な時間が予め設定されている。
そして、所定時間RTが未だ経過していない場合には(S110:YES)、上記遅延制御が実行される。すなわち、IGスイッチ97が「OFF」にされていても、燃料噴射及び燃料点火は継続して実行される。そして、この遅延制御の実行中にバルブタイミング可変機構51及び作用角可変機構53が駆動されて、吸気バルブ19のバルブ特性(バルブタイミングINVT及び作用角INCAM)は予め設定された機関始動時用の特性に変更される。
一方、所定時間RTが経過している場合には(S110:NO)、吸気バルブ19のバルブ特性を予め設定された機関始動時用の特性に変更する処理が完了したと判断され、遅延制御を終了させるために燃料噴射及び燃料点火が中止される。すなわちエンジン1は停止されて(S130)、本処理は一旦終了される。
こうした遅延制御が開始されると、吸気バルブ19のバルブタイミング及び作用角はそれぞれ機関始動時用の特性に変更される。
他方、エンジン1のアイドル運転時には、上記アイドル回転速度制御が行われるのであるが、そうしたアイドル運転中に上記圧縮機80aが駆動される場合には、同圧縮機80aの駆動負荷Lによる機関出力の低下を補うために、吸入空気量の増量補正が行われる。この増量補正では、圧縮機80aの駆動負荷Lに応じた増大補正量DHにて吸入空気量が増量補正され、こうした吸入空気量の増量補正に伴う燃料噴射量の増量によって、圧縮機80aの駆動負荷Lの分だけ機関出力は増大される。
なお、駆動負荷Lは冷媒の圧力、すなわち上記圧力センサ93により検出される吐出圧COMPが大きくなるほど増大するため、本実施形態では吐出圧COMPが高いときほど吸入空気量の増大補正量DHは大きくなるようにしている。
また、本実施形態では、空調スイッチ98がオフ操作され、これにより圧縮機80aの駆動を停止させる際には、同圧縮機80aの保護や同圧縮機80aの駆動停止による機関出力変動の抑制等を図るために、圧縮機80aの駆動負荷Lを徐々に低下させていく徐変処理を行うようにしている。この駆動負荷の徐変処理では、空調スイッチ98がオフ操作されると、可変容量型の圧縮機80aについてその容量が徐々に減少していくように容量徐変処理が行われる。より具体的には、吐出圧COMPが徐々に低下していくように制御弁189の開度調整がなされ、これにより駆動負荷Lは徐々に低下されていく。
こうした駆動負荷Lの徐変処理が行われる場合にあって、空調スイッチ98のオフ操作による圧縮機80aの停止要求と同時に吸入空気量の増量補正を中止すると、駆動負荷Lがまだ残っているにもかかわらず機関出力は低下し、機関回転速度は一時的に低下してしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、圧縮機80aの停止要求時から所定の遅延期間が経過した時点、すなわち圧縮機80aの駆動負荷Lが十分低下していると判断できる時点で吸入空気量の増量補正を中止するといった増量中止遅延処理を実行するようにしている。
図6に、電子制御装置60によって実行される増量中止遅延処理の手順を示す。
本処理が開始されるとまず、空調スイッチ98が「OFF」にされたか否かが判定される(S200)。そして、空調スイッチ98が「ON」である場合には(S200:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、空調スイッチ98が「OFF」にされた場合には(S200:YES)、空調スイッチ98がオフ操作される直前の吐出圧COMP及び現在の制御電流値IAに基づいて圧縮機駆動フラグACFのオフ時間OFTが設定される(S210)。この圧縮機駆動フラグACFは、空調スイッチ98が「ON」にされたとき、換言すれば圧縮機80aの駆動が開始されるときに「1」に設定される。また、空調スイッチ98のオフ操作によって上記駆動負荷Lの徐変処理が開始され、その処理開始時点から上記オフ時間OFTが経過した時点、換言すれば駆動負荷Lがある程度低下したと判断できる時点で「0」に設定される。
本実施形態では、圧縮機80aの駆動停止に際して、駆動負荷Lの徐変処理を実行するようにしているため、空調スイッチ98がオフ操作された時点で圧縮機80aが停止したと判断することはできない。そこで、電子制御装置60は、圧縮機駆動フラグACFの値が「0」に設定されている場合、すなわち圧縮機80aの駆動は停止しているとみなすことができる程度に同圧縮機80aの駆動負荷Lが低下している場合には、圧縮機80aは停止していると判断する。ちなみに、圧縮機駆動フラグACFの値が「1」に設定されている場合には、電子制御装置60は圧縮機80aが駆動していると判断する。このように圧縮機駆動フラグACFは、電子制御装置60が圧縮機80aの駆動状態を判断するために設けられている。
一方、オフ時間OFTは、以下のような態様にて設定される。
まず、駆動負荷Lの徐変処理が開始されてから圧縮機80aの駆動負荷Lがある程度低下するまでに要する時間は、空調スイッチ98がオフ操作される直前の吐出圧COMPが高いときほど長くなる。そこで図7(A)に示すように、オフ時間OFTは、同吐出圧COMPが高いときほど長くなるように設定される。
また、駆動負荷Lの徐変処理が開始されてから圧縮機80aの駆動負荷Lがある程度低下するまでに要する時間は、同駆動負荷Lの低下速度が速いときほど短くなる。こうした駆動負荷Lの低下速度は、駆動負荷Lの徐変処理中における制御電流値IAの値が大きいときほど速くなるため、図7(B)に示すように、オフ時間OFTは、制御電流値IAが大きいときほど短くなるように設定される。
次に、空調スイッチ98が「OFF」にされてから、換言すれば駆動負荷Lの徐変処理が開始されてからオフ時間OFTが経過したか否かが判定され(S220)、オフ時間OFTが経過していない場合には(S220:NO)、このステップS220での判定処理が繰り返し行われる。
一方、オフ時間OFTが経過した場合には(S220:YES)、上述したように圧縮機駆動フラグACFが「0」に設定される(S230)。
ここで、圧縮機駆動フラグACFが「0」に設定された時点で、駆動負荷Lはある程度低下しているのであるが、この時点で吸入空気量の増量補正を中止すると、未だ残っている駆動負荷Lにより機関回転速度が若干低下するおそれがある。そこで、圧縮機駆動フラグACFが「0」に設定された時点よりもさらに駆動負荷Lが低下した時点で、吸入空気量の増量補正を中止するべく、ステップS240及びステップS250の処理が行われる。
このステップS240では、圧縮機駆動フラグACFが「0」に設定されてから待機時間WTが経過したか否かが判定され、待機時間WTが経過していない場合には(S240:NO)、同ステップS240での判定処理が繰り返し行われる。この待機時間WTには、圧縮機駆動フラグACFが「0」に設定された時点を基準にして、吸入空気量の増量補正を中止しても機関回転速度の低下が生じない程度に駆動負荷Lが低下するまでに要する時間が設定されている。
そして、待機時間WTが経過した場合には(S240:YES)、吸入空気量の増量補正を中止するべく、前記増大補正量DHは「0」に設定され(S250)、本処理は終了される。
図8に、アイドル運転時において空調スイッチ98がオフ操作された後の駆動負荷Lの低下態様、及び上記増量中止遅延処理による吸入空気量の増量補正中止態様を示す。
この図8に示すように、時刻t1において空調スイッチ98がオフ操作されると、駆動負荷Lの徐変処理が開始され、圧縮機80aの駆動負荷Lは徐々に低下されていく。また、時刻t1直前の吐出圧COMPに基づいて圧縮機駆動フラグACFのオフ時間OFTが設定される。
そして、時刻t1からオフ時間OFTが経過すると、駆動負荷Lはある程度低下したものと判断されて、圧縮機駆動フラグACFの値は「1」から「0」に変更される(時刻t2)。
次に、圧縮機駆動フラグACFの値が「0」に設定されてから待機時間WTが経過すると(時刻t3)、吸入空気量の増量補正を中止しても機関回転速度の低下が生じない程度に駆動負荷Lは十分低下していると判断され、吸入空気量の増大補正量DHは「0」に設定される。この吸入空気量の増量補正中止により、機関出力は圧縮機80aの停止時に応じた出力に調整され、機関回転速度はアイドル回転速度に維持される。
このように、空調スイッチ98のオフ操作により上記駆動負荷Lの徐変処理が行われる場合には、同空調スイッチ98のオフ操作時から遅延期間DLT(=オフ時間OFT+待機時間WT)が経過した後に、吸入空気量の増量補正は中止される。こうした吸入空気量の増量中止遅延処理が実行されることにより、空調スイッチ98のオフ操作時における圧縮機80aの駆動負荷Lの低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、上記駆動負荷Lの徐変処理中における機関回転速度の一時的な低下が抑えられるようになる。
なお、上記オフ時間OFTは、吐出圧COMP及び制御電流値IAに基づいて可変設定される値であるため、このオフ時間OFTに前記待機時間WTが加算された上記遅延期間DLTも、実質的には吐出圧COMP及び制御電流値IAに基づいて可変設定される。
ところで、上述したような機関停止の遅延制御が実行されるエンジン1において、上記増量中止遅延処理を実行すると、以下のような不都合が発生するおそれがある。
すなわち、IGスイッチ97がオフ操作されると、前記制御弁189の駆動回路への電源が遮断されるため、上述したような駆動負荷Lの徐変処理を実行することができなくなる。また、この駆動回路への電源遮断により制御弁189の開度は全開になるため、IGスイッチ97のオフ操作によって圧縮機の駆動負荷が速やかに低下する。こうしたIGスイッチの97のオフ操作を圧縮機80aの停止要求とみなし、前記増量中止遅延処理の実行を開始すると、圧縮機80aの駆動負荷Lはすでに低下しているにもかかわらず、吸入空気量の増量補正は上記遅延期間DLTだけ継続して行われる。
ここで、機関停止の遅延制御が行われるエンジン1では、同遅延制御が行われないエンジンと異なり、IGスイッチ97がオフ操作された後も、機関運転は前記所定時間RTだけ継続して行われる。そのため、機関停止の遅延制御実行中に上述したような状況、すなわち圧縮機80aの駆動負荷Lは低下しているにもかかわらず吸入空気量の増量補正は継続して行われる状況が生じてしまうと、駆動負荷Lが低下しているにもかかわらず、機関出力は増大されている期間が生じてしまい、機関回転速度が吹き上がるといった不都合が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、IGスイッチ97がオフ操作された場合には、そのオフ操作と同時に吸入空気量の増量補正を中止する増量中止処理を実行することにより、機関停止の遅延制御実行中における上記機関回転速度の吹き上がりを抑制するようにしている。
図9に、上記増量中止処理の処理手順を示す。なお、本処理は、電子制御装置60によって所定期間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、IGスイッチ97が「OFF」にされたか否かが判定される(S300)。そして、IGスイッチ97が「ON」である場合には(S300:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、IGスイッチ97が「OFF」にされた場合には(S300:YES)、吸入空気量の増量補正を中止するべく、前記増大補正量DHは「0」に設定され(S310)、本処理は一旦終了される。
図10に、アイドル運転時においてIGスイッチ97がオフ操作された後の駆動負荷Lの低下態様、及び上記増量中止処理による吸入空気量の増量補正中止態様を示す。
この図10に示すように、時刻t1においてIGスイッチ97がオフ操作されると、機関停止の遅延処理が開始されるとともに、圧縮機80aの駆動負荷Lは速やかに低下する。
ここで、IGスイッチ97のオフ操作と同時に先の図8に示した増量中止遅延処理を開始すると、同図10に二点鎖線にて示すように、IGスイッチ97のオフ操作時(時刻t1)から遅延期間DLTが経過するまで(時刻t3)、増大補正量DHの値は保持され、吸入空気量の増量補正が継続される。従って、駆動負荷Lが低下しているにもかかわらず、機関出力は増大され(二点鎖線にて図示)、機関回転速度が吹き上がるといった不都合が生じてしまう。
一方、本実施形態では、IGスイッチ97のオフ操作時には、先の図9に示した増量中止処理を実行するようにしており、同IGスイッチ97のオフ操作と同時に吸入空気量の増大補正量DHは「0」に設定される(時刻t1)。こうした吸入空気量の増量補正中止により、機関出力は圧縮機80aの停止時に応じた出力に調整され、機関回転速度はアイドル回転速度に維持される。
このように、本実施形態では、IGスイッチ97がオフ操作されると機関停止の遅延制御が開始されるのであるが、同IGスイッチ97のオフ操作と同時に吸入空気量の増量補正を中止するようにしている。従って、IGスイッチ97のオフ操作によって圧縮機80aの駆動負荷Lが速やかに低下する場合であっても、同IGスイッチ97のオフ操作時における駆動負荷Lの低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、これにより機関停止の遅延制御実行中における機関回転速度の吹き上がりが抑制される。
以上説明したように、本実施形態によれば、次の効果が得られるようになる。
(1)機関の停止要求がなされてから実際に機関の停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御が行われるとともに、アイドル運転時にあって車載空調機の圧縮機80aが駆動されるときには同圧縮機80aの駆動負荷に応じた補正量にて吸入空気量が増量補正されるエンジン1において、次のような制御を行うようにしている。
まず、空調スイッチ98のオフ操作によって圧縮機80aが停止されるときには、その駆動負荷Lを徐々に低下させる徐変処理を実行するようにしており、これにより圧縮機80aの保護やその駆動停止による機関出力変動の抑制等を図ることができる。
また、空調スイッチ98のオフ操作により上記駆動負荷Lの徐変処理が行われる場合には、空調スイッチ98のオフ操作時から遅延期間DLTが経過した後に、すなわち圧縮機80aの駆動負荷Lが十分低下していると判断できる時点で吸入空気量の増量補正は中止するようにしている。こうした増量中止遅延処理を実行することにより、空調スイッチ98のオフ操作時における圧縮機80aの駆動負荷Lの低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、駆動負荷Lの徐変処理中における機関回転速度の一時的な低下が抑えられるようになる。
一方、IGスイッチ97がオフ操作される場合には、そのオフ操作と同時に吸入空気量の増量補正を中止するようにしている。従って、IGスイッチ97のオフ操作によって圧縮機80aの駆動負荷Lが速やかに低下する場合であっても、当該IGスイッチ97のオフ操作時における駆動負荷Lの低下態様にあわせて機関出力は低下するようになり、これにより機関停止の遅延制御実行中における機関回転速度の吹き上がりを好適に抑制することができるようになる。
(2)吸入空気量の増量補正を中止する際の上記遅延期間DLTを、空調スイッチ98のオフ操作直前での圧縮機80aの駆動負荷Lが高いときほど長くなるように、その駆動負荷Lに基づいて設定するようにしている。より具体的には、空調スイッチ98のオフ操作直前での吐出圧COMPが高いときほど、遅延期間DLTを構成する前記オフ時間OFTが長くなるように当該オフ時間OFTを設定するようにしており、これにより遅延期間DLTを適切に設定することができるようになる。
(3)また、上記遅延期間DLTを、駆動負荷Lの低下速度が速いときほど短くなるように、その低下速度に基づいて設定するようにもしている。より具体的には、駆動負荷の徐変処理中における制御電流値IAが大きいときほど、遅延期間DLTを構成する前記オフ時間OFTが短くなるように当該オフ時間OFTを設定するようにしており、これによっても遅延期間DLTを適切に設定することができるようになる。
(4)車載空調機の圧縮機として、可変容量型の圧縮機80aを備えるようにしており、空調スイッチ98のオフ操作に伴う駆動負荷Lの徐変処理に際しては、同圧縮機80aの容量を徐々に減少させる容量徐変処理を行うようにしている。より具体的には、吐出圧COMPが徐々に低下していくように制御弁189の開度調整を行うようにしており、これにより、駆動負荷Lの徐変処理を確実に実施することができるようになる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・前記オフ時間OFTを吐出圧COMPのみ、または制御電流値IAのみに基づいて設定するようにしてもよい。
・駆動負荷Lの低下速度を冷媒の圧力の変化速度等、例えば吐出圧COMPの変化速度等に基づいて把握するようにしてもよい。
・吐出圧COMPや制御電流値IAに基づいて前記遅延期間DLTを直接設定するようにしてもよい。
・圧縮機80aの駆動負荷Lを示す値として、同圧縮機80aから吐出される冷媒の圧力を参照するようにしたが、この他の部位における冷媒の圧力を参照するようにしてもよい。
・空調スイッチ98のオフ操作によって上記駆動負荷Lの徐変処理が開始され、その処理開始時点から駆動負荷Lがある程度低下したと判断できる時点までの時間として、前記オフ時間OFTを設定するようにした。この他、空調スイッチ98のオフ操作によって上記駆動負荷Lの徐変処理が開始され、その処理開始時点から駆動負荷Lが十分低下したと判断できる時点、すなわち吸入空気量の増量補正を中止しても機関回転速度の低下が生じない程度に駆動負荷Lが低下したと判断できる時点までの時間として、前記オフ時間OFTを設定するようにしてもよい。この場合には、オフ時間OFTが前記待機時間WTを含むことになる、すなわちオフ時間OFTと前記遅延期間DLTとが一致することになり、その待機時間WTの設定を省略することができる。
・上記圧縮機80aは、いわゆる斜板式の可変容量型圧縮機であったが、この他の可変容量型圧縮機であっても本発明は同様に適用することができる。
・上記圧縮機80aは、可変容量型の圧縮機であった。この他、圧縮室の容量が固定されたいわゆる固定容量型圧縮機でも、以下のような態様でその駆動負荷を調整することにより本発明は同様に適用することができる。
すなわち、クランクシャフトから固定容量型圧縮機への機関出力の伝達やその伝達解除は、クラッチ機構の係合及び係合解除によってなされるのであるが、同クラッチ機構の係合度合を調整することにより固定容量型圧縮機の駆動負荷を調整することは可能である。そこで、空調スイッチ98がオフ操作された後は、クラッチ機構の係合度合を徐々に低下させるようにすることで、駆動負荷を徐々に低下させることができる。あるいは冷媒の圧力を調整する圧力弁を車載空調機の配管系に設け、空調スイッチ98がオフ操作された後は、同圧力弁の開度調整を通じて徐々に冷媒の圧力を低下させるようにすることで、駆動負荷を徐々に低下させることもできる。このように固定容量型圧縮機であっても駆動負荷の徐変処理を実施することは可能であり、上記実施形態と同様な態様にて本発明を適用することができる。
・上記各実施形態における機関の停止要求とは、運転者によるIGスイッチ97の「OFF」操作であった。このほか、アイドル運転時などにおいて自動的に機関停止がなされるアイドルストップ機能付きの内燃機関や、内燃機関とモータとを備えるハイブリット車両の内燃機関にあっては、当該内燃機関の自動停止要求も上記停止要求とすることができる。すなわち、アイドルストップ機能付きの内燃機関、あるいはハイブリット車両の内燃機関の制御装置にも本発明を同様に適用することができる。
・上記実施形態における可変バルブ機構5は、吸気バルブ19のバルブ特性を変更するために設けられていたが、排気バルブ20のバルブ特性を変更するために設けられている場合であっても、本発明は同様に適用することができる。また、上記可変バルブ機構5は、バルブタイミング可変機構51及び作用角可変機構53から構成されていたが、バルブタイミング可変機構51のみを備える場合、あるいは作用角可変機構53のみを備える場合であっても本発明は同様に適用することができる。また、可変バルブ機構は、上記可変バルブ機構5に限られるものではなく、吸気バルブ19や排気バルブ20といった機関バルブのバルブ特性を可変とする機構であればよい。
・可変バルブ機構5を備えていない内燃機関にも、本発明は同様に適用することができる。要は、機関停止の遅延制御が実行される内燃機関であれば、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる内燃機関の制御装置を具体化した一実施形態について、これが適用されるエンジンの構成を示す概略図。 斜板式の可変容量型圧縮機について、その基本的な構造に示す模式図。 同実施形態のバルブタイミング可変機構によって可変とされる吸気バルブのバルブタイミングについてその変更態様を示す模式図。 同実施形態の作用角可変機構によって可変とされる吸気バルブの作用角及び最大リフト量についてその変更態様を示す模式図。 同実施形態における機関停止の遅延処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態における吸入空気量の増量中止遅延処理についてその手順を示すフローチャート。 (A)は、圧縮機の吐出圧に応じたオフ時間の設定態様を示すグラフ。(B)は、制御弁の制御電流値に応じたオフ時間の設定態様を示すグラフ。 増量中止遅延処理の作用を示すタイミングチャート。 同実施形態における吸入空気量の増量中止処理についてその手順を示すフローチャート。 増量中止処理の作用を示すタイミングチャート。
符号の説明
1…エンジン、5…可変バルブ機構、11a…シリンダヘッド、12…燃焼室、13…吸気通路、13a…吸気ポート、14…燃料噴射弁、15…点火プラグ、16…ピストン、18a…排気ポート、19…吸気バルブ、20…排気バルブ、21…コネクティングロッド、22…クランクシャフト、27…スロットルバルブ、51…バルブタイミング可変機構、53…作用角可変機構、60…電子制御装置、80…補機、80a…圧縮機、80b…オルタネータ、80c…油圧ポンプ、90…クランク角センサ、91…アクセルセンサ、92…スロットルセンサ、93…圧力センサ、94…吸入空気量センサ、95…作用角センサ、96…バルブタイミングセンサ、97…イグニッションスイッチ(IGスイッチ)、98…空調スイッチ、181…ハウジング、182…駆動軸、183…斜板、184…シリンダボア、185…ピストン、186…抽気通路、187…給気通路、188a…吸入側逆止弁、188b…吐出側逆止弁、189…制御弁、190…クランク室、191…圧縮室、192…吸入通路、193…吐出通路。

Claims (6)

  1. 機関の停止要求がなされてから実際に機関の停止が実行されるまでの時間を遅延させる遅延制御を行うとともに、機関のアイドル運転時にあって車載空調機の圧縮機が駆動されるときには同圧縮機の駆動負荷に応じた補正量にて吸入空気量を増量補正する内燃機関の制御装置において、
    前記車載空調機の空調スイッチのオフ操作により前記圧縮機の駆動を停止させる際には、同圧縮機の駆動負荷を徐々に低下させる負荷徐変手段と、
    前記空調スイッチのオフ操作時から所定の遅延期間経過後に前記吸入空気量の増量補正を中止させる増量中止遅延手段と、
    イグニッションスイッチのオフ操作と同時に前記吸入空気量の増量補正を中止させる増量中止手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記増量中止遅延手段は、前記空調スイッチのオフ操作直前での前記駆動負荷に基づいて前記遅延期間を設定する
    請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記遅延期間は、前記空調スイッチのオフ操作直前での前記駆動負荷が高いときほど長くなるように設定される
    請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記増量中止遅延手段は、前記負荷徐変手段による前記駆動負荷の低下速度に基づいて前記遅延期間を設定する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記遅延期間は、前記駆動負荷の低下速度が速いときほど短くなるように設定される
    請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記圧縮機は可変容量型圧縮機であり、
    前記負荷徐変手段は、前記駆動負荷の低下に際して、前記可変容量型圧縮機の容量を徐々に減少させる容量徐変処理を行う
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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