JP2009209729A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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大祐 石井
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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の始動時にバルブ制御を実施しつつ、始動電流を抑制することを目的とする。
【解決手段】排気弁早閉じ制御は、バルブ34,36のマイナスオーバーラップ期間中に気筒内に残留した排気ガスを圧縮し、吸気系に排気ガスの吹き返しを生じさせる。この場合、内燃機関の始動時に排気弁早閉じ制御を実行すると、フリクションが増大するので、モータ44への始動電流が過大になり易い。このため、ECU50は、始動中の機関回転数に応じて内燃機関の運転状態を判定する。そして、始動当初は排気弁早閉じ制御を禁止しておき、始動電流が許容電流値以下となるような運転状態に移行したときに、排気弁早閉じ制御を開始する。これにより、始動時には、モータ44への始動電流を抑制しつつ、排気弁早閉じ制御を実施することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、バルブタイミングを可変に設定する可変動弁機構を搭載した内燃機関の制御装置に関する。
従来、例えば特許文献1(特開2001−355462号公報)に開示されているように、可変動弁機構を備えた内燃機関の制御装置が知られている。この種の従来技術による内燃機関の制御装置では、内燃機関が低回転、低負荷運転を行っているときに、排気弁早閉じ制御を実行する構成としている。
排気弁早閉じ制御では、可変動弁機構を作動させることにより、排気バルブの閉弁タイミングを進角させる。これにより、吸気上死点の近傍では、吸気バルブと排気バルブの両方が閉弁状態となる期間(所謂マイナスオーバーラップ期間)が生じるか、または既存のマイナスオーバーラップ期間が延長されるようになる。
マイナスオーバーラップ期間中には、気筒内に残留した排気ガスがピストンの上昇動作により圧縮されて高温となる。このため、従来技術では、排気弁早閉じ制御により高い温度の残留排気ガスを生じさせ、この残留排気ガスを内部EGRガスとして利用することにより、燃焼性を改善するようにしている。
特開2001−355462号公報
ところで、従来技術では、排気弁早閉じ制御により、マイナスオーバーラップ期間中に気筒内の残留排気ガスを圧縮する構成としている。この排気弁早閉じ制御では、マイナスオーバーラップ期間が終了して吸気バルブが開弁すると、気筒内から吸気系に向けて残留排気ガスの吹き返しが生じる。従って、排気弁早閉じ制御を内燃機関の始動時に実施すれば、排気ガスの吹き返しを利用して排気エミッションを改善することができる。
しかしながら、始動時に排気弁早閉じ制御を実行すると、残留排気ガスを気筒内で圧縮するときのポンピングロスにより、クランキング中のフリクションが増大する。この結果、クランク軸を回転させるスタータの負荷が増大し、バッテリからスタータに供給される始動電流が大きくなり易い。始動電流が必要以上に大きくなると、バッテリやスタータに余分な負荷がかかる虞れがあり、また電力を無駄に消費することになる。このため、従来技術では、始動時に排気弁早閉じ制御を実施するのが難しいという問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関を始動させるときに、始動時バルブ制御手段を作動させても、始動電流を抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
第1の発明は、電源から始動電流が供給されることにより内燃機関を始動させる始動手段と、
内燃機関の吸気バルブと排気バルブのうち、少なくとも一方のバルブタイミングを可変に設定する可変動弁機構と、
前記可変動弁機構によりバルブタイミングを制御し、内燃機関の始動時に前記吸気バルブと前記排気バルブとが吸気上死点の近傍で閉弁状態となるマイナスオーバーラップ期間を生じさせる始動時バルブ制御手段と、
内燃機関の始動時に前記始動時バルブ制御手段が作動しても、前記始動電流が許容電流値以下に収まる運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
前記始動電流の通電を開始してから前記運転状態に移行するまでの期間中は、前記始動時バルブ制御手段の作動を禁止するバルブ制御禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、第1の発明において、前記運転状態判定手段は、内燃機関の機関回転数が回転判定値以上となったときに前記運転状態に移行したと判定する回転数判定手段であり、前記回転判定値は、前記始動時バルブ制御手段が作動しても前記始動電流が前記許容電流値以下に収まる最小の回転数である構成としている。
第3の発明によると、第2の発明において、内燃機関のフリクションと相関があるパラメータに応じて、前記回転判定値を補正するフリクション対応補正手段を備える構成としている。
第4の発明によると、第3の発明において、前記フリクション対応補正手段は、内燃機関を冷却する冷却水の温度が低いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正する水温対応補正手段を備える構成としている。
第5の発明は、第3または第4の発明において、前記フリクション対応補正手段は、内燃機関を潤滑するオイルの粘度が高いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正するオイル粘度対応補正手段を備える構成としている。
第6の発明は、第2乃至5の発明において、前記電源の電圧が低いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正する電圧対応補正手段を備える構成としている。
第1の発明によれば、運転状態判定手段は、始動時バルブ制御手段が作動しても、始動電流が許容電流値以下となるような運転状態を判定することができる。この判定を用いれば、バルブ制御禁止手段は、始動電流が十分に減少してから始動時バルブ制御手段を作動させることができ、それまでは始動時バルブ制御手段の作動を禁止することができる。
これにより、内燃機関の始動時には、始動時バルブ制御手段が作動することで始動電流が過大となるのを確実に回避することができる。また、始動電流が十分に減少してからは、始動時バルブ制御手段を円滑に作動させることができる。従って、始動時の排気エミッションを改善しつつ、内燃機関の電気系統を過大な電流から保護することができる。また、始動時の消費電力を抑制し、省エネルギ化を図ることができる。
第2の発明によれば、機関回転数が回転判定値よりも低いときには、始動時バルブ制御手段により始動電流が過大となる運転状態だと判定することができる。また、機関回転数が回転判定値以上となったときには、始動時バルブ制御手段が作動しても問題ない運転状態に移行したと判定することができる。しかも、機関回転数を用いて判定を行うことにより、電流センサ等を利用しなくても、これらの判定を確実かつ容易に行うことができる。
第3の発明によれば、フリクション対応補正手段は、各種の原因により内燃機関のフリクションが増大するにつれて、回転判定値が高くなるように適切な補正を行うことができる。つまり、フリクションが大きく、始動電流が増大し易い運転状態では、始動時バルブ制御手段の作動を高い回転数領域まで禁止することができる。従って、内燃機関の運転履歴や周囲の環境等に応じて始動時のフリクションが変化しても、始動電流が確実に許容電流値以下となってから始動時バルブ制御手段を作動させることができる。
第4の発明によれば、冷却水温が低い場合には、内燃機関を潤滑するオイルの粘度が高くなり、フリクションが増大する。この場合、水温対応補正手段は、冷却水温に応じてフリクションの状態を把握することができ、フリクションが増大するにつれて回転判定値を適度に高くすることができる。従って、周囲の環境が変化しても、始動電流が確実に許容電流値以下となってから始動時バルブ制御手段を作動させることができる。
第5の発明によれば、高粘度オイルの使用時には、フリクションが増大するので、これに対応して回転判定値を適度に高くすることができる。従って、オイルの粘度が変わる場合でも、始動電流が確実に許容電流値以下となってから始動時バルブ制御手段を作動させることができる。
第6の発明によれば、電源の性能が劣化している場合や、充電量が不足している場合には、始動時バルブ制御手段の作動を高い回転数まで禁止することができる。これにより、始動時バルブ制御手段による始動電流の増加を可能な限り抑えることができ、電源の劣化や充電不足等に対して適切に対処することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図6を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1は、実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図を示している。本実施形態のシステムは、例えば多気筒型の内燃機関10を備えており、その各気筒内には、ピストン12との間に燃焼室14が設けられている。また、各気筒のピストン12は、内燃機関10のクランク軸16に連結されている。また、内燃機関10は、クランク軸16の回転角(クランク角)を検出するためのクランク角センサ18を備えている。
内燃機関の各気筒は、吸入空気が燃焼室14に向けて流通する吸気通路20と、燃焼室14から排気ガスが流出する排気通路22とを備えている。吸気通路20には、吸入空気量を検出するエアフローメータ24と、吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ26とが設けられている。スロットルバルブ26は、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ28により駆動される。
また、内燃機関の各気筒は、吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁30と、混合気に点火する点火プラグ32と、燃焼室14を吸気通路20に対して開,閉する吸気バルブ34と、燃焼室14を排気通路22に対して開,閉する排気バルブ36とを備えている。吸気バルブ34の開,閉タイミング(バルブタイミング)は、吸気VVT38により可変に設定される。排気バルブ36の開,閉タイミングは、排気VVT40により可変に設定される。これらのVVT(Variable Valve Timing system=可変バルブタイミング機構)38,40は、本実施の形態の可変動弁機構を構成している。
また、VVT38,40は、例えば特開2003−293711号公報等に記載されているような公知の技術を用いて構成されている。そして、吸気VVT38は、後述のECU50から入力される指令信号に応じて吸気バルブ34の位相(開弁タイミング及び閉弁タイミング)を進角または遅角させる。また、排気側のVVT40も同様に、ECU50の指令信号に応じて排気バルブ36の位相を進角または遅角させる。
一方、内燃機関10は、例えば始動時の暖機状態等を把握するために冷却水の温度を検出する水温センサ42と、始動手段としてのスタータモータ44(以下、単にモータ44と称す)とを備えている。モータ44は、電源となるバッテリ46から始動電流が供給されることによりクランク軸16を回転駆動し、内燃機関を始動させるものである。
また、本実施の形態のシステムは、内燃機関10の運転状態を制御するためのECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、例えばROM、RAM等の記憶回路を有するマイクロコンピュータにより構成されている。そして、ECU50は、バッテリ46から通電を受けることにより、バッテリ電圧を監視しつつ作動する。
ECU50の入力側には、クランク角センサ18、エアフローメータ24、水温センサ42等を含むセンサ系統が接続されている。ECU50の出力側には、スロットルモータ28、燃料噴射弁30、点火プラグ32、VVT38,40等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
そして、ECU50は、内燃機関の運転状態をセンサ系統により検出しつつ、各アクチュエータを駆動することにより運転制御を実施する。この運転制御には、VVT38,40を用いて行われる通常のバルブタイミング制御、排気弁早閉じ制御、及び早閉じ禁止制御も含まれている。以下、これらの制御について説明する。
(通常のバルブタイミング制御)
図2は、通常のバルブタイミング制御(以下、通常制御と称す)におけるバルブリフト量とクランク角との関係を示している。この通常制御は、例えば内燃機関の加速運転時などに実施されるものである。図2に示すように、通常制御では、吸気上死点の近傍でバルブ34,36の開弁期間が重なり合うオーバーラップ期間が設けられている。
(排気弁早閉じ制御)
図3は、排気弁早閉じ制御におけるバルブリフト量とクランク角との関係を示している。排気弁早閉じ制御は、例えば内燃機関の始動時、減速運転時などに、必要に応じて実施されるものである。図3に示すように、排気弁早閉じ制御では、例えば排気VVT40により排気バルブ36の開弁期間を進角させる。
これにより、吸気上死点の近傍では、排気バルブ36が閉弁してから吸気バルブ34が開弁するまでの間に、両方のバルブが閉弁状態となるマイナスオーバーラップ期間が生じる。このマイナスオーバーラップ期間中には、燃焼室14内に残された排気ガスがピストン12により圧縮されて高温・高圧状態となる。そして、吸気バルブ34の開弁時には、高温・高圧の残留排気ガスが燃焼室14から吸気通路20(吸気ポート)に向けて吹き返すようになる。
従って、例えば内燃機関の始動時には、排気弁早閉じ制御を実行すれば、高温の吹き返しガスにより吸気ポートを温めたり、噴射燃料の気化を促進することができる。また、吸気ポートの近傍では、噴射燃料に対して排気ガスの吹き返しが衝突するので、この衝突により噴射燃料を微粒化することができる。従って、排気弁早閉じ制御によれば、始動時に良好な混合気を形成することができ、排気エミッションを改善することができる。
しかしながら、排気弁早閉じ制御を実行すると、残留排気ガスを燃焼室14内で圧縮することになるから、このときのポンピングロスによりフリクションが増大する。従って、始動時には、クランク軸16を回転させるモータ44の負荷が増大し、バッテリ46からモータ44に供給される始動電流が大きくなるという問題が生じる。
(始動時の早閉じ禁止制御)
上述した問題を踏まえて、本実施の形態では、始動時に排気弁早閉じ制御を実行するものの、モータ44への通電を開始してから特定の運転状態に移行するまでの期間中には、排気弁早閉じ制御を禁止する構成としている。
この場合、特定の運転状態とは、排気弁早閉じ制御を実行しても、始動電流が許容電流値以下に収まる運転状態である。また、許容電流値とは、例えばモータ44、バッテリ46及びその配線等の電流容量に応じて予め設定されているもので、電気系統を過大な電流から保護するための制限値である。
また、特定の運転状態に移行したか否かの判定は、機関回転数の大小に応じて実施される。即ち、モータによるクランキング動作中において、機関回転数が所定の回転判定値よりも低いときには、排気弁早閉じ制御を実行すると、前述したように始動電流が許容電流値を超えてしまう。従って、この場合には排気弁早閉じ制御を禁止する。
一方、クランキング動作により機関回転数が回転判定値以上に上昇したときには、排気弁早閉じ制御を実行しても、後述の理由により始動電流が許容電流値以下に収まるようになる。従って、この場合には、排気弁早閉じ制御を実行することができる。
次に、上述した回転判定値と許容電流値との関係について説明する。図4は、内燃機関の始動中における機関回転数と始動電流との関係を示す説明図である。この図中において、黒色の棒グラフは通常制御での始動電流を示し、白色の棒グラフは排気弁早閉じ制御での始動電流を示している。
モータ44のクランキング動作により、例えば30rpm程度の低い回転数でクランク軸16が回転しているときには、ピストン12の往復運動等により慣性力が生じても、この慣性力はクランク軸16の回転運動に殆ど影響しない。従って、モータ44は、クランク軸16をフリクションに抗して回転させるために、大きな駆動トルクを発生する必要がある。この結果、始動電流は、図4に示すように、比較的大きな電流値となる。
特に、始動時に排気弁早閉じ制御を行う場合には、ポンピングロスによりフリクションが増大するので、モータ44は、より大きな駆動トルクを発生する必要が生じる。このため、排気弁早閉じ制御における始動電流は、通常制御の場合と比べて大きくなり、電気系統の許容電流値を超えてしまう。
しかし、何れの制御においても、機関回転数が上昇すると、ピストン12等の慣性力がクランク軸16に作用し、フリクションの一部が慣性力により打消されるようになる。この慣性力は、機関回転数が上昇するほど大きくなるので、フリクションの影響は徐々に小さくなり、これに伴って始動電流も減少する。
しかも、排気弁早閉じ制御では、機関回転数が特定の回転数以上に上昇すると、排気ガスの吹き返しが強くなる影響でポンピングロスが小さくなり、通常制御の場合よりも始動電流が大きく減少するという特徴がある。
図5は、排気弁早閉じ制御と通常制御の各々について、圧縮行程における気筒内の最大圧力と、機関回転数との関係を示すものである。この図において、例えば30rpm程度の低回転数では、吸気行程の時間が比較的長いので、吸入空気量に対する吹き返しの影響は小さなものとなる。従って、排気弁早閉じ制御と通常制御とを比較した場合に、この回転数では吸入空気量に大差がないので、最大圧力もほぼ等しくなる。このため、始動電流は、ポンピングロスの分だけ排気弁早閉じ制御の方が大きくなる。
これに対し、例えば機関回転数が110rpm〜130rpm程度の回転数以上、好ましくは120rpm以上に上昇すると、排気弁早閉じ制御では、噴き返しの影響により吸入空気量が減少する。この結果、排気弁早閉じ制御では、圧縮行程の最大圧力が通常制御よりも小さくなり、その分だけポンピングロスも減少する。従って、排気弁早閉じ制御における始動電流は、通常制御の場合と大差ない電流値まで大きく減少し、許容電流値以下に収まるようになる。
そこで、本実施の形態では、回転判定値を、例えば110rpm〜130rpm、好ましくは120rpmに設定している。上述したように、この回転判定値よりも小さな回転数では、始動電流が許容電流値を超えてしまうことになる。従って、回転判定値とは、内燃機関のフリクションが一定の基準状態である前提において、排気弁早閉じ制御を実行しても始動電流が許容電流値以下に収まるような最小の回転数である。
この回転判定値によれば、機関回転数が回転判定値よりも低いときには、排気弁早閉じ制御により始動電流が過大となる運転状態だと判定することができる。また、機関回転数が回転判定値以上となったときには、排気弁早閉じ制御を実行しても問題ない運転状態に移行したと判定することができる。しかも、機関回転数を用いて判定を行うことにより、電流センサ等を利用しなくても、これらの判定を確実かつ容易に行うことができる。
これにより、始動時には、排気弁早閉じ制御を行うことで始動電流が過大となるのを確実に回避することができる。また、機関回転数が回転判定値以上となってからは、始動電流を許容電流値以下に収めつつ、排気弁早閉じ制御を円滑に実行することができる。従って、始動時の排気エミッションを改善しながらも、電気系統を過大な電流から保護することができる。また、始動時の消費電力を抑制し、省エネルギ化を図ることができる。
一方、内燃機関の運転状態や環境等に応じてフリクションが増減すると、モータ44への始動電流もフリクションに応じて変化する。また、フリクションが一定でも、バッテリ46の性能や充電状態によっては、通常よりも始動電流を抑えた方が良い場合もある。
このため、本実施の形態では、フリクションと相関があるパラメータに応じて回転判定値を補正するフリクション対応補正制御と、バッテリ電圧に応じて回転判定値を補正する電圧対応補正制御とを実施する構成としている。前記パラメータの一例としては、内燃機関の冷却水温、オイル粘度等が挙げられる。以下、これらの補正制御について説明する。
(水温対応補正制御)
この補正制御は、内燃機関を冷却する冷却水の温度を水温センサ42により検出し、この冷却水温に応じて回転判定値を補正する。より詳しく述べると、冷却水温が低いほど、回転判定値を高くする。具体例としては、例えば冷却水温、バッテリ電圧、オイル粘度等の基準状態に対応して120rpmに設定されている回転判定値を、低水温時には150rpmに変更するものである。
ここで、冷却水温が低い場合には、内燃機関を潤滑するオイルの粘度が高くなり、フリクションが増大する。この結果、始動電流は、例えば暖機状態での始動時と比べて大きくなり、通常であれば許容電流値以下となる回転数でも、許容電流値を超える虞れがある。
これに対し、水温対応補正制御によれば、冷却水温に応じてフリクションの状態を把握することができ、フリクションが増大するにつれて回転判定値を適度に高くすることができる。これにより、例えばフリクションが大きい低温始動時には、排気弁早閉じ制御を高い回転数領域まで禁止することができる。従って、内燃機関の運転履歴や周囲の環境等に応じて始動時のフリクションが変化しても、始動電流が確実に許容電流値以下となってから排気弁早閉じ制御を開始することができる。
(オイル粘度対応補正制御)
この補正制御は、内燃機関を潤滑するオイルの粘度に応じて回転判定値を補正するものである。高粘度のオイルを使用している場合には、低粘度オイルの場合と比較してフリクションが増大する。従って、本実施の形態では、使用オイルの粘度が高いほど、回転判定値を高くする。補正量の具体例を挙げれば、水温対応補正制御の場合と同様に、基準状態で120rpmに設定された回転判定値を、高粘度オイルの使用時には150rpmに補正する。なお、これらの数値は一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
このオイル粘度対応補正制御によれば、高粘度オイルの使用時には、回転判定値を適度に高くすることができる。従って、オイルの粘度が変わる場合でも、始動電流が確実に許容電流値以下となってから排気弁早閉じ制御を開始することができる。
なお、オイル粘度の検出方法としては、例えばオイル粘度センサにより直接的に検出したり、水温や新規オイルの補給状態等に応じて既知のオイル粘度を補正して求める方法などが挙げられる。これらの検出方法は、例えば特開平1−66468号公報、特表2003−526784号公報等に記載されているように、一般的に公知な手法である。
(電圧対応補正制御)
この補正制御は、ECU50においてバッテリ46の電圧を検出し、このバッテリ電圧に応じて回転判定値を補正する。具体的には、バッテリ電圧が低いほど、回転判定値を高くする構成としている。補正量の具体例については、水温対応補正制御の場合と同様に設定してもよく、またこれとは別個の補正量を用いてもよい。
従って、電圧対応補正制御によれば、バッテリ性能が劣化している場合や、充電量が不足している場合には、排気弁早閉じ制御を高い回転数まで禁止することができる。これにより、排気弁早閉じ制御による始動電流の増加を可能な限り抑えることができ、バッテリ46の劣化や充電不足等に対して適切に対処することができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
図6は、本実施の形態のシステム動作を実現するために、ECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図6に示すルーチンは、内燃機関の始動時に繰り返し実行されるものである。
内燃機関の始動時には、まずバッテリ46の電圧を検出し、この検出値を電圧の基準値と比較することにより、バッテリ電圧が基準値以上であるか否かを判定する(ステップ100)。この基準値は、正常なバッテリの出力電圧に対応して予め設定されており、ECU50に記憶されている。
また、水温センサ42により冷却水温を検出し、この検出値が予め記憶した基準値以上であるか否かを判定する(ステップ102)。この基準値は、実験等により求められた水温と始動電流との関係に応じて予め設定されている。さらに、ECU50は、内燃機関に低粘度オイルが使用されているか否かを判定する(ステップ104)。
上述したステップ100〜104の判定が全て成立したときには、バッテリ電圧、冷却水温及びオイル粘度が基準状態となっている。このため、回転判定値は、例えば120rpm程度の比較的低い値に設定される(ステップ106)。なお、基準状態での回転判定値、及びその補正量等は、ECU50に予め記憶されている。
一方、ステップ100〜104の何れかにおいて、判定が不成立のときには、回転判定値を、例えば150rpm程度の高い値に補正する(ステップ108)。この場合、回転判定値の補正量は、実験等により求められた各パラメータと始動電流との関係に応じて予め設定されている。
次に、クランク角センサ18により機関回転数を検出し(ステップ110)、機関回転数が回転判定値以上になったか否かを判定する(ステップ112)。この判定が成立したときには、クランキングにより機関回転数が十分に上昇し、始動電流が許容電流値以下に収まるような運転状態に移行したと判断される。そこで、排気VVT40により排気弁早閉じ制御を実行する(ステップ114)。
一方、ステップ112の判定が不成立のときには、まだ機関回転数が十分に上昇していないので、排気弁早閉じ制御を禁止し、通常のバルブタイミング制御を実施する。以上の処理を行うことにより、始動電流を適度に抑制しつつ、排気エミッションを改善することができる。
なお、前記実施の形態では、図6中のステップ114が始動時バルブ制御手段の具体例を示している。また、ステップ112は、運転状態判定手段(回転数判定手段)の具体例を示し、ステップ116は、バルブ制御禁止手段の具体例を示している。さらに、ステップ102〜108は、フリクション対応補正手段の具体例を示している。この場合、ステップ104,106,108は水温対応補正手段の具体例であり、ステップ104,106,108はオイル粘度対応補正手段の具体例である。また、ステップ100,106,108は、電圧対応補正手段の具体例を示している。
また、実施の形態では、クランキング時の始動電流が許容電流値以下となるか否かを、機関回転数の大小に応じて判定する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば機関回転数以外のパラメータを用いて判定を行う構成としてもよい。また、本発明は、例えば始動電流を直接的または間接的に検出し、その電流値に応じて判定を行う構成としてもよい。
また、実施の形態では、回転判定値の補正に用いるパラメータとして、冷却水温、オイル粘度及びバッテリ電圧を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば内燃機関の吸気温度や排気温度を検出し、その検出結果に応じて回転判定値を補正する構成としてもよい。また、例えば機関回転数の上昇率等に応じて内燃機関のフリクションを算出し、フリクションの大きさに応じて回転判定値を補正する構成としてもよい。さらに、本発明は、上述した冷却水温、オイル粘度、気温等に限らず、フリクションと相関がある各種のパラメータを用いて回転判定値の補正を行うことができる。
また、実施の形態では、具体的な回転判定値として、110〜130rpm、好ましくは120rpmを例示した。また、補正後の回転判定値としては、150rpmを例示した。しかし、本発明において、これらの数値は一例に過ぎず、回転判定値及びその補正量は、任意に設定してよいものである。
また、実施の形態では、回転判定値を高,低2段階の値に切換えることにより補正を行う構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばパラメータと回転判定値とのマップデータ等を用いることにより、回転判定値をパラメータに応じて連続的に変化させる構成としてもよい。
また、実施の形態では、水温対応補正制御、オイル粘度対応補正制御及び電圧対応補正制御において、同一の補正を行う構成とした。しかし、本発明では、これらの補正制御において、それぞれ異なる補正を行う構成としてもよい。即ち、例えば一つの補正制御では、回転判定値を高,低2段階に切換える構成とし、他の補正制御では、回転判定値をパラメータに応じて連続的に変化させる構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、始動時バルブ制御手段として、排気バルブ36の閉弁タイミングを進角させる排気弁早閉じ制御を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば吸気バルブ34の開弁タイミングを遅角させる吸気弁制御により、始動時バルブ制御手段を実現させる構成としてもよい。また、この吸気弁制御と排気弁早閉じ制御とを組合わせる構成としてもよい。このため、本発明では、2つのVVT38,40は必ずしも必要ではなく、VVT38,40のうち少なくとも始動時バルブ制御手段に必要なVVTが設置されていればよい。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体図である。 通常のバルブタイミング制御におけるバルブリフト量とクランク角との関係を示す説明図である。 排気弁早閉じ制御におけるバルブリフト量とクランク角との関係を示す説明図である。 内燃機関の始動中における機関回転数と始動電流との関係を示す説明図である。 圧縮行程における気筒内の最大圧力と、機関回転数との関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 クランク角センサ
20 吸気通路
22 排気通路
24 エアフローメータ
26 スロットルバルブ
28 スロットルモータ
30 燃料噴射弁
32 点火プラグ
34 吸気バルブ
36 排気バルブ
38,40 VVT(可変動弁機構)
42 水温センサ
44 モータ(始動手段)
46 バッテリ(電源)
50 ECU

Claims (6)

  1. 電源から始動電流が供給されることにより内燃機関を始動させる始動手段と、
    内燃機関の吸気バルブと排気バルブのうち、少なくとも一方のバルブタイミングを可変に設定する可変動弁機構と、
    前記可変動弁機構によりバルブタイミングを制御し、内燃機関の始動時に前記吸気バルブと前記排気バルブとが吸気上死点の近傍で閉弁状態となるマイナスオーバーラップ期間を生じさせる始動時バルブ制御手段と、
    内燃機関の始動時に前記始動時バルブ制御手段が作動しても、前記始動電流が許容電流値以下に収まる運転状態であるか否かを判定する運転状態判定手段と、
    前記始動電流の通電を開始してから前記運転状態に移行するまでの期間中は、前記始動時バルブ制御手段の作動を禁止するバルブ制御禁止手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記運転状態判定手段は、内燃機関の機関回転数が回転判定値以上となったときに前記運転状態に移行したと判定する回転数判定手段であり、前記回転判定値は、前記始動時バルブ制御手段が作動しても前記始動電流が前記許容電流値以下に収まる最小の回転数である請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 内燃機関のフリクションと相関があるパラメータに応じて、前記回転判定値を補正するフリクション対応補正手段を備えてなる請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記フリクション対応補正手段は、内燃機関を冷却する冷却水の温度が低いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正する水温対応補正手段を備えてなる請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記フリクション対応補正手段は、内燃機関を潤滑するオイルの粘度が高いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正するオイル粘度対応補正手段を備えてなる請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記電源の電圧が低いほど、前記回転判定値を高い回転数に補正する電圧対応補正手段を備えてなる請求項2乃至5のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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JP2018044496A (ja) * 2016-09-15 2018-03-22 いすゞ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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