JP4428941B2 - 自動車の経済運転評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車の経済運転を支援する経済運転評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1には、エンジンから駆動輪に伝達される駆動力から走行抵抗を減じた値を過剰駆動力として演算し、運転者に対して表示する技術が開示されている。過剰駆動力が正の場合は車両は加速状態にあり、過剰駆動力が極端に大きい場合は無駄な駆動力を働かせているといえるため、運転者あるいは評価装置は、過剰駆動力を参照することで、燃料消費量を抑えるためには速やかなシフトアップあるいはアクセルペダル戻し操作が必要であると判断することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−227711
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】
通常、交差点やきついカーブにおけるコーナリング時には運転者はアクセルペダルの踏み込み量を増大させ、車両の駆動力を増大させる。これはコーナリング時に車両に作用する抵抗(コーナリング抵抗)が増大することを受けたものであり、スムーズなコーナリングを行うために必要な駆動力の増加である。
【0005】
しかしながら、上記従来技術ではコーナリング抵抗を考慮せずに走行抵抗を演算していたため、コーナリング時にアクセルペダルの踏み込み量が増大されて駆動力が増大されると、実際には駆動力を無駄に増大させていないにもかかわらず、過剰駆動力が増大したと判断されて運転者に警告が発せられてしまい、適切な評価が行われているとはいえなかった。
【0006】
本発明は、従来技術のかかる技術的課題を鑑みてなされたものであり、コーナリング時においても過剰駆動力を正しく演算し、経済運転の評価がより適切に行えるようにすることを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】
エンジンと変速機を備えた車両に適用され、前記車両の駆動力から前記車両に作用する走行抵抗を減じて過剰な駆動力を演算し、演算された過剰駆動力を経済運転の評価に用いる経済運転評価装置において、
前記車両の操向輪の舵取り角を検出する手段と、
前記検出された操向輪の舵取り角及び前記操向輪の舵取り角がゼロのときの転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和に基づき前記車両に作用するコーナリング抵抗を次式:
Rc=(1/cosθw−1)・R
Rc:コーナリング抵抗
R :転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和
θw:舵取り角
により演算する手段と、
前記走行抵抗を前記転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和に前記コーナリング抵抗を加算することで演算する手段と、
を備える。
【0008】
【作用及び効果】
本発明によれば、コーナリング抵抗を考慮して走行抵抗が演算され過剰駆動力が演算されるので、コーナリング時に運転者がアクセルペダルを踏み込んでもそれが過大な駆動力を作用させていると判定されることがなくなり、より適切な運転状態の評価が可能となる。特に、コーナリング抵抗が無視できない程度にまで大きくなる低速、大きな舵角でのコーナリング時(交差点、きついカーブ)において適切な評価が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る経済運転評価装置を備えた車両の概略構成を示したものである。エンジン1はコモンレール式のディーゼルエンジンである。燃料タンクから供給される燃料は高圧燃料ポンプで昇圧された後コモンレールに蓄えられ、電子制御式インジェクタを駆動することでエンジン1の各シリンダ内に噴射される。エンジン1の燃料噴射量、噴射タイミングはエンジンコントロールユニット10からエンジン1に入力される燃料噴射パルスにより制御され、エンジン1の動力は、変速機2、プロペラシャフト3、終減速装置4を介して駆動輪6に伝達される。
【0011】
また、車両には、車両の運転状態を評価する評価ユニット12が取り付けられている。評価ユニット12は、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェースの他、車両の前後左右上下の6方向の加速度を検出する加速度センサ21、車両の高度を検出する高度センサ22、車両の傾斜角を検出する傾斜センサ23を内蔵しており、これらセンサの検出信号が入力される。
【0012】
評価ユニット12には、この他、エンジンコントロールユニット10からの噴射パルス幅、回転速度センサ31で検出されたエンジン1の回転速度、ギヤポジションセンサ32で検出された変速機2のギヤポジション、舵角センサ33で検出されたステアリング8の舵角、アクセルセンサ34で検出されたアクセル操作量、スロットルセンサ(図示せず)で検出されたエンジン1のスロットル開度、車速センサ36で検出された車速が入力される。舵角センサ33はステアリングギヤボックス15に取り付けられ、操向輪7の舵取り角(向き)を機械的に検出する。なお、アクセル操作量、スロットル開度はエンジンコントロールユニット10から得るようにしてもよく、変速機2が自動変速機の場合はギヤポジションを変速機コントロールユニットから得るようにしてもよい。また、車両にアンチロックブレーキシステムが取り付けられている場合は、アンチロックブレーキシステムから車速を得るようにしてもよい。
【0013】
評価ユニット12は、上記各種信号に基づき、車両の運転状態を演算、分析し、その結果を評価ユニット12内のメモリに記録するとともに、運転席に取り付けられたLCD等で構成される表示ユニット13に表示する。評価ユニット12が演算する運転状態としては、車両の駆動力、車両に作用する走行抵抗、燃費、車両の総質量などであり、評価ユニット12は、演算された運転状態に基づき、駆動力、ギヤポジションが経済運転の見地から適切かどうかを評価し、適切でない場合は運転者に経済運転を促す警告メッセージを表示ユニット13に表示したり、警告音を発したりする。以下、評価ユニット12が行う処理について詳しく説明する。
【0014】
1.運転状態の演算
(1) 駆動力の演算
車両の駆動力Fを演算する場合、評価ユニット12は、まず、図2に示すエンジン回転速度と燃料噴射パルス幅に対するエンジントルクの関係を規定するマップを参照して、エンジン1のトルクTe[N・m]を演算する。そして、この演算したエンジントルクTeを用いて、次式(1):
【0015】
【数1】
Figure 0004428941
【0016】
により車両の駆動力F[N]を演算する。式(1)中、itはギヤポジションセンサ32で検出された変速機2のギヤポジションに対応するギヤ比、ifは終減速装置4の減速比、ηtは変速機2から駆動輪6までの伝動効率、Rd[m]は駆動輪6の有効半径である。なお、エンジントルクTeは、エンジン回転速度とスロットル開度(あるいはアクセル操作量)に対するエンジントルクの関係を規定する図3に示すマップを用意しておき、このマップを参照して演算するようにしても良い。
【0017】
(2) 走行抵抗の演算
また、評価ユニット12は車両に作用する走行抵抗Rを演算する。ここでの走行抵抗Rとは加速時に車両に作用する加速抵抗(車両を加減速させる際に作用する慣性力による抵抗)を除いた値を指す。舵角センサ33で検出される舵角θsがゼロの状態で走行中は、後述するコーナリング抵抗Rcが作用しないので、走行抵抗Rは、次式(2):
【0018】
【数2】
Figure 0004428941
【0019】
で示すように、転がり抵抗Rr、空気抵抗R1、勾配抵抗Rsの和として演算される。
【0020】
そして、転がり抵抗Rr、空気抵抗Rl、勾配抵抗Rsは、それぞれ式(3)、(4)、(5):
【0021】
【数3】
Figure 0004428941
【0022】
【数4】
Figure 0004428941
【0023】
【数5】
Figure 0004428941
【0024】
で表すことができる。式中のμrは転がり抵抗係数、M[kg]は車両総質量、g[m/s2]は重力加速度、ρ[kg/m3]は空気の密度、Cdは空気抵抗係数、A[m2]は車両の前面投影面積、v[m/s]は車速センサ36で検出される車両の秒速、θは傾斜センサ33で検出される車両の傾斜角度である。
【0025】
転がり抵抗Rrを演算するには正確な転がり抵抗係数μrが必要であり、また、空気抵抗Rlを演算するには正確な空気密度ρ、空気抵抗係数Cd、前面投影面積Aが必要であるところ、これらの値を正確に知ることは難しい。そこで、評価ユニット12は、以下に示すこれらの値を用いない演算によって転がり抵抗Rr、空気抵抗Rlを求める。
【0026】
まず、評価ユニット12は、平坦路で走行中に、ギヤシフト時等で変速機2のクラッチが切れている、あるいは変速機2がニュートラル状態にあってエンジン1の動力が駆動輪6に伝達されていない状態で、かつブレーキが作用していない(ブレーキペダルが踏み込まれていない)状態で減速するときの車両の減速度を計測し、これに車両総質量Mをかけて車両に作用する走行抵抗Rを演算する。車両の減速度は微少時間での車速の変化量から求めても良いし、加速度センサ21で検出した値を用いても良い。このような状況では、勾配抵抗Rsが作用していないので、演算された走行抵抗Rは転がり抵抗Rrと空気抵抗Rlの和となる。
【0027】
図4に示すように、異なる2つの車速v1、v2についてそれぞれ減速時の走行抵抗Rを求め、これらの値をR1、R2とすれば、R1、R2は次式(6)、(7):
【0028】
【数6】
Figure 0004428941
【0029】
【数7】
Figure 0004428941
【0030】
で表される(車速と転がり抵抗と空気抵抗との関係式)。式(6)、式(7)の右辺第2項の(1/2)・ρ・Cd・Aは一定値であるので、これをCとおくと、式(6)、式(7)は、次式(8)、(9):
【0031】
【数8】
Figure 0004428941
【0032】
【数9】
Figure 0004428941
【0033】
と書き直すことができる。v1、v2、R1、R2がわかっているので、これら式(8)、(9)を連立させて解けば、一定値C、転がり抵抗Rr(=M・g・μr)を求めることができ、
【0034】
【数10】
Figure 0004428941
【0035】
【数11】
Figure 0004428941
【0036】
となる。このようにして転がり抵抗Rrを求めることができ、空気抵抗Rlは、求めた一定値Cにそのときの車速vの二乗を掛ければ求めることができる。なお、勾配抵抗Rsは、傾斜センサ23で検出された車両の傾斜角θ、車両総質量Mを式(5)に代入すれば簡単に演算することができる。
【0037】
次に、ステアリング8が切られているとき、すなわち舵角センサ33で検出されるステアリング8の舵角θsがゼロでないときの走行抵抗Rの演算方法について説明する。舵角θsがゼロでないときは、上記した転がり抵抗Rr、空気抵抗Rl、勾配抵抗Rsに加えコーナリング抵抗Rcが車両に作用する。特に、低速、大きな舵角でのコーナリング時においてはコーナリング抵抗Rcが走行抵抗として無視できないほど大きくなる。
【0038】
図5はコーナリング抵抗を説明するための図であり、後輪駆動の2輪モデルを示している。ここでは転がり抵抗Rr、空気抵抗Rl、勾配抵抗Rsからなる走行抵抗Rが操向輪7に作用すると仮定する。
【0039】
ステアリングギヤボックス15のギヤ比をγとすると、操向輪7の舵取り角θwはステアリング8の舵角θsをギヤ比γで割った値となる。舵取り角θwがゼロのときは走行抵抗Rと駆動力Fは同一線上で作用するので、走行抵抗Rに対抗して走行するためには-Rの駆動力を発生させればよい。しかしながら、舵取り角θwがゼロでないときは走行抵抗Rの向きと駆動力Fの向きが一致せず、走行抵抗Rに対抗して走行するためには、図5に示すように、旋回中心向きの力Rinと走行抵抗Rの合力R'に対抗する駆動力F'(=-R')が必要となる。
【0040】
ここで、走行抵抗R、旋回中心方向力Rin、合力Rの間には、次式(12):
【0041】
【数12】
Figure 0004428941
【0042】
の関係がある。したがって、舵取り角θwがゼロでないときは、走行抵抗RがΔR=R’−R=(R/cosθ)−R=[(1/cosθ)−1]・Rだけ増加し、この増加分ΔRがコーナリング抵抗Rcとなる。すなわち、コーナリング抵抗Rcは、操向輪7の舵取り角θwに基づき、次式(13):
【0043】
【数13】
Figure 0004428941
【0044】
により演算することができる。
【0045】
評価ユニット12は、コーナリング時の上記走行抵抗の増加を考慮し、ステアリング8の舵角θsがゼロでないときは、式(2)で演算される走行抵抗Rに式(13)で演算されるコーナリング抵抗Rcを加えたものを走行抵抗Rとして演算する。
【0046】
(3) 車両総質量の演算
上記走行抵抗の演算では演算過程で車両総質量Mを用いている。この車両総質量Mの値としては、評価ユニット12のセットアップ時に運転者が入力する値(車検証に記載されている値、カタログ値等)を当初用いるが、車両総質量Mはその後の荷物の積み下ろし、燃料の消費、補給、乗車人数の変化によって変化するものである。そこで、評価ユニット12は車両総質量Mを随時演算によって求め、上記走行抵抗の演算に用いる車両総質量Mの値を更新する。更新は車両総質量が変化する可能性の高い車両が停車したタイミングで行うのが好適である。
【0047】
車両総質量Mの演算を行うにあたり、評価ユニット12は、その準備として、車両総質量Mが判明している状態(例えば、空車状態で車検証に記載されている値を車両総質量Mとみなすことができる状態)での走行データに基づき各ギヤポジションでの回転部分の等価慣性質量Mrを予め演算し、メモリに記憶しておく。回転部分の等価慣性質量Mrはエンジン1、動力伝達系、車輪等の回転部分の相当質量であり、変速機2のギヤポジションに応じて変化する。図6はギヤポジションに応じて回転部分の等価慣性質量Mrが変化する様子を示したものであり、ギヤポジションがロー側(低速側)になるほど等価慣性質量Mrは大きくなる。
【0048】
ここで、駆動力F、走行抵抗R、車両総質量M、回転部分の等価慣性質量Mr、車両加速度α[m/s]の間には次式(14):
【0049】
【数14】
Figure 0004428941
【0050】
の関係があるので、これを次式(15):
【0051】
【数15】
Figure 0004428941
【0052】
のように書き直し、これに基づき回転部分の等価慣性質量Mrを演算する。すなわち、加速時の総慣性質量M'(=(F-R)/α)を求め、総慣性質量M'から車両総質量Mを減じて回転部分の等価慣性質量Mrを演算する。上記の通り、回転部分の等価慣性質量Mrは変速機2のギヤポジションに応じて変化するので、回転部分の等価慣性質量Mrの演算は各ギヤポジションについて行う。
【0053】
そして、現在の車両総質量Mを演算する場合には、車両総質量Mが積荷の変化等により変化してもギヤポジションが同じであれば回転部分の等価慣性質量Mrは変わらないことから、次式(16):
【0054】
【数16】
Figure 0004428941
【0055】
により総慣性質量M'(=M+Mr)を演算し、総慣性質量M'から予め求めておいた現在のギヤポジションでの回転部分の等価慣性質量Mrを減じれば、現在の車両総質量Mを演算することができる。
【0056】
(4) 燃費の演算
燃費は図2あるいは図3を参照して求めたエンジン1のトルクTeと回転速度センサ31で検出したエンジン1の回転速度Neに基づき、次式(17):
【0057】
【数17】
Figure 0004428941
【0058】
によりエンジン出力Le[kW]を演算するとともに、図8に示すマップを参照して燃料消費率BSFC[g/kW・h]を演算する。微小時間Δt(h)における燃料消費量ΔQf[g]は、エンジン出力Le、燃料消費率BSFCを用いて、次式(18):
【0059】
【数18】
Figure 0004428941
【0060】
により演算することができ、これを燃料の比重(例えば0.74)で割れば微小時間Δtで消費した燃料の体積ΔQf[cc]を求めることができる。そして、ΔQf[cc]を走行時間で積分すれば、その走行に消費した燃料量Q[cc]を求めることができ、走行距離[km]を燃料消費量Q[cc]で割って1000を掛ければ燃費[km/l]を演算することができる。演算した燃料消費量Q、燃費は数値形式、グラフ形式で表示ユニット13に表示される。
【0061】
2.運転状態の評価
(1) 駆動力が適切かどうかの評価
評価ユニット12は、駆動力Fから走行抵抗Rを減じて得られる過剰駆動力Fexと、この演算された過剰駆動力Fexの走行抵抗Rに対する割合である過剰駆動力率Rfex[%](=Fex/R×100)を演算し、演算した過剰駆動力Fexと過剰駆動力率Rfexを表示ユニット13に表示する。そして、過剰駆動力率Rfexが所定値、例えば40%を超える場合は運転者に対して駆動力が過大である旨の警告メッセージを発し、運転者に早期のシフトアップあるいはアクセルペダル戻し操作を行うよう促す。過剰駆動力Fex、過剰駆動力率Rfexの表示形式は、具体的な数値を表示する形式の他、運転者が過剰駆動力の大小を視覚的に理解できるグラフ形式等であってもよい。
【0062】
なお、ここでは過剰駆動力率が所定値に達したときに運転者に警告メッセージを発するようにしたが、所定の速度、例えば、60[km/h]で走行するのに必要なエンジントルクTe0を求め、このTe0の1.4倍(40%増し)のエンジントルクTe40を維持するのに必要な燃料噴射パルス幅We40(パルス幅しきい値)を図7に示すようなテーブルを参照して求め、現在の燃料噴射パルス幅We0がWe40を超える場合に運転者に対して駆動力が過大である旨の警告メッセージを発するようにしてもよい。
【0063】
また、一定車速で走行しているにもかかわらず、燃料噴射パルス幅の変動幅が大きい場合(例えば、変動幅がその車速を維持するのに必要な燃料噴射パルス幅の5%を超える場合)に運転者に対して警告を発するようにしてもよい。これは、一定車速で走行しているにもかかわらず、燃料噴射パルス幅の変動幅が大きい場合は、過大な駆動力を作用させているとはいえないものの、運転者の運転技術が未熟であるためにアクセル操作量一定で車速を維持することができず、燃料を無駄に消費していると判断されるからである。
【0064】
(2) ギヤポジションが適切かどうかの評価
評価ユニット12は、図9に示すような、車速とその車速を維持するのに必要なエンジントルクの関係、車速とエンジン回転速度の関係をギヤポジション毎に規定したテーブルを予め用意しておく。図9に示すテーブルでは、3速ギヤと4速ギヤのデータのみが示されているが、実際には他のギヤポジションのデータも格納されている。評価ユニット12は、このテーブルを用い、ギヤポジションが適切かどうかの評価を次のように行う。以下の説明では、例として、3速ギヤで走行している場合に3速ギヤで走行することが適切かどうか(4速ギヤにシフトアップほうがよいかどうか)の評価について説明する。
【0065】
評価ユニット12は、まず、図9に示すテーブルを参照して、3速ギヤで走行する場合のエンジントルクTe3及びエンジン回転速度Ne3、4速ギヤで走行する場合のエンジントルクTe4及びエンジン回転速度Ne4をそれぞれ演算する。そして、図10に示すマップを参照して、エンジントルクTe3及びエンジン回転速度Ne3で走行する場合の燃料噴射パルス幅We3、エンジントルクTe4及びエンジン回転速度Ne4で走行する場合の燃料噴射パルス幅We4をそれぞれ演算する。
【0066】
さらに、燃料噴射パルス幅と1回当たりの燃料噴射量には図11に示すような関係があるので、3速ギヤ、4速ギヤで走行した場合の燃料噴射パルス幅We3、We4に基づき、図11に示すテーブルを参照して、3速ギヤで走行した場合の1回当たりの燃料噴射量δQ3[mm3]、4速ギヤで走行した場合の1回当たりの燃料噴射量δQ4[mm3]をそれぞれ演算する。3速ギヤ、4速ギヤで走行した場合の単位時間当たりの燃料噴射量ΔQ3[mm3]、ΔQ4[mm3]は、1回当たりの燃料噴射量δQ3、δQ4を、次式(19):
【0067】
【数19】
Figure 0004428941
【0068】
のδQに代入することより演算することができる。式中のNeはエンジン回転速度、nはエンジン1のシリンダ数である。エンジン1が2サイクルエンジンの場合は式(19)の右辺の最初の係数が1/2ではなく1となる。
【0069】
このようにして3速ギヤで走行した場合、4速ギヤで走行した場合の単位時間当たりの燃料消費量ΔQ3、ΔQ4をそれぞれ演算し、ΔQ4の方がΔQ3のよりも小さい場合は4速ギヤにシフトアップすることで燃料消費量を低減できることから、評価ユニット12は警告メッセージを発する等して運転者にシフトアップ操作を促す。
【0070】
なお、ここでは単位時間当たりの燃料消費量ΔQ3、ΔQ4を求めて、これらを比較することによってシフトアップの要否を判断したが、ΔQ3、ΔQ4はそれぞれδQ3・Ne3、δQ4・Ne4に比例することから、δQ3・Ne3とδQ4・Ne4とを比較することによってシフトアップの要否を判断するようにしてもよい。あるいは、さらに簡略化して、シフトアップした場合(あるいはシフトダウンした場合)の単位時間当たりの燃料消費量を演算し、これを上記式(17)、式(18)で演算される現在の燃料消費量と比較し、シフトアップ(あるいはシフトダウン)することによって燃料消費量を現在の燃料消費量よりも少なくことができる場合に変速操作を運転者に促すようにしても良い。
【0071】
また、ここでは車速に対応するエンジン回転速度を図9に示すテーブルを参照して求めたが、車速とエンジン回転速度は比例関係にあることから、車速、変速機2のギヤポジションに対応する変速比、終減速装置4の減速比、駆動輪6の有効半径に基づきエンジン回転速度を演算するようにしてもよい。
【0072】
また、変速機2が自動変速機の場合は、上記運転者に対して変速操作を促すことに代えて変速機コントロールユニットが変速機2のギヤポジションを自動的に変更するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る経済運転評価装置を備えた車両の概略構成図である。
【図2】エンジン回転速度と燃料噴射パルス幅に対するエンジントルクの関係を規定するマップである。
【図3】エンジン回転速度とスロットル開度(又はアクセル操作量)に対するエンジントルクの関係を規定するマップである。
【図4】平坦路走行時の車速と走行抵抗(転がり抵抗と空気抵抗の和)の関係を示したテーブルである。
【図5】コーナリング抵抗を説明するための図であり後輪駆動の二輪モデルを示している。
【図6】ギヤポジションと総慣性質量、回転部分の等価慣性質量の関係を示したテーブルである。
【図7】燃料噴射パルス幅とエンジントルクの関係を規定したテーブルである。
【図8】エンジン回転速度とエンジントルクに対する燃料消費率の関係を規定したマップである。
【図9】車速に対するエンジン回転速度の関係、及び、車速とその車速を維持するのに必要なエンジントルクの関係を規定したテーブルである。
【図10】エンジン回転速度とエンジントルクに対する燃料噴射パルス幅の関係を規定したマップである。
【図11】燃料噴射パルス幅と1回当たりの燃料噴射量の関係を規定したテーブルである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…変速機、6…駆動輪、7…操向輪
8…ステアリング、10…エンジンコントロールユニット
12…評価ユニット、13…表示ユニット
21…加速度センサ、23…傾斜センサ、
31…回転速度センサ、32…ギヤポジションセンサ、
33…舵角センサ、34…アクセルセンサ、36…車速センサ

Claims (8)

  1. エンジンと変速機を備えた車両に適用され、前記車両の駆動力から前記車両に作用する走行抵抗を減じて過剰な駆動力を演算し、演算された過剰駆動力を経済運転の評価に用いる経済運転評価装置において、
    前記車両の操向輪の舵取り角を検出する手段と、
    前記検出された操向輪の舵取り角及び前記操向輪の舵取り角がゼロのときの転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和に基づき前記車両に作用するコーナリング抵抗を次式:
    Rc=(1/cosθw−1)・R
    Rc:コーナリング抵抗
    R :転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和
    θw:舵取り角
    により演算する手段と、
    前記走行抵抗を前記転がり抵抗、空気抵抗及び勾配抵抗の和に前記コーナリング抵抗を加算することで演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする経済運転評価装置。
  2. 前記車両のステアリングの舵角を検出する手段を備え、
    前記操向輪の舵取り角を検出する手段が、前記検出されたステアリングの舵角に基づき前記操向輪の舵取り角を検出する手段であることを特徴とする請求項1に記載の経済運転評価装置。
  3. 前記エンジンの燃料噴射パルス幅を検出する手段と、
    前記検出したエンジンの燃料噴射パルス幅から前記エンジンのトルクを演算し、演算した前記エンジンのトルクから前記車両の駆動力を演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の経済運転評価装置。
  4. 所定車速を維持するのに必要な前記エンジンのトルクを演算し、この所定車速を維持するのに必要な前記エンジンのトルクに1よりも大きな値を掛けて得られるトルクを発生させるのに必要な燃料噴射パルス幅をパルス幅しきい値として演算する手段と、
    現在の燃料噴射パルス幅が前記パルス幅しきい値よりも大きい場合に過剰な駆動力を発生させていると判断して運転者に警告を発する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の経済運転評価装置。
  5. 一定車速で走行しているときの燃料噴射パルス幅の変動幅が所定値を超える場合に運転者に警告を発する手段を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の経済運転評価装置。
  6. 前記エンジンの回転速度と燃料噴射パルス幅に対する燃料消費率の関係を規定したマップと、
    前記エンジンの回転速度と燃料噴射パルス幅から前記マップを参照して得られる燃料消費率に基づき前記エンジンの燃料消費量を演算する手段と、
    前記演算した燃料消費量を運転者に対して表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれかひとつに記載の経済運転評価装置。
  7. 所定の車速を維持するのに必要な燃料噴射パルス幅を前記変速機の変速前後についてそれぞれ演算する手段と、
    前記演算した変速前後の燃料噴射パルス幅に基づき、変速後の燃料消費量が変速前の燃料消費量よりも少なくなると判断されるときは運転者に前記変速機の変速操作を促す手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3から6のいずれかひとつに記載の経済運転評価装置。
  8. 所定の車速を維持するのに必要な燃料噴射パルス幅を前記変速機の変速前後についてそれぞれ演算する手段と、
    前記演算した変速前後の燃料噴射パルス幅に基づき、変速後の燃料消費量が変速前の燃料消費量よりも少なくなると判断されるときは前記変速機のギヤポジションを自動的に変更する手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項3から6のいずれかひとつに記載の経済運転評価装置。
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