JP4427219B2 - 録音及び再生方法と設備 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、音、特に音楽を、少なくとも部分的にステレオ録音及び再生技術を使用して、録音及び再生する方法に関するものである。
【0002】
(背景技術)
国際特許明細書 95/35015による発明が、本発明に最も近い。ここでの方法及び機器は、音の録音及び再生ため既に明らかなもので、四つのマイクが垂直平面に位置する四方形のコーナーを画定するように配置されている。録音を再生するため、マイクの一つに合わせてラウドスピーカーの配置が必要である。それとは別に、二つの垂直平面における八個のマイクの形態と、ラウドスピーカーの対応した形態が提案される。
【0003】
四個のマイクまたはラウドスピーカーの前記第一形態の各々により、オーディオイメージの録音及び再生が、左から右と上から下の方角だけに可能である。録音の両方の形態は固定、すなわちそれらの形態は、垂直平面を表現するもので、特定のチャンネルの再生を遅らせることによって、シュミレートしなければならない。数は、ラウドスピーカーの数に関連して固定されたものである。従って、区別された特定の楽器、または合唱隊のオーケストラの数パートを、再生チャンネルのように、より多くの録音チャンネルで、録音することを可能にするか、それを提供する。
【0004】
(発明の開示)
これは本発明の出発点であり、その目的は、特に音楽再生に関して、自然な感じにできるだけ近づけた、三次元サウンド再現を可能にすることである。
【0005】
本発明はこの目的を、少なくとも2+2+2録音及び再生技術を採用したタイプの方法によって、達成し、それによって対応した多数のチャンネルを利用して、自然な音、リアルな三次元サウンドイメージを、左から右へ、前から後ろへ、そして上から下へ、創り出す。
【0006】
本発明は、例えばオーケーストラ内の単独の声、独唱者、歌手などを高度な識別フォームで、自然なサウンドの三次元再現を可能にする。この場合、再生中に聴取者がまさにコンサート場にいる、ほぼコンサートルームにいるように感じることができ、聴取者は最高のサウンドを得るため、部屋の単一位置にいる必要はなく、聴取者は部屋のエリア内で移動することができ、聴取者の位置を変えても、なお三次元サウンドを得ることができる。
【0007】
本発明の改良点は、従属請求項で明らかにしている。
【0008】
これに関して、少なくとも6チャンネルを使用した録音技術と、少なくとも六つのラウドスピーカーによる再生技術を応用することは利点であり、二つのラウドスピーカーを、ユーザーの水平聴取平面から、本発明によって提案されるように、特に上方へ物理的に偏倚させて配置する。この場合、上方向にのみ偏倚させることができる補助的な対のラウドスピーカーに、本発明を制限する必要はなく、適切であれば、幾分か下方へ偏倚させることで、室内の周囲環境により、同様なサウンドイメージを生じさせることもできる。
【0009】
本発明は二つの補助フロントラウドスピーカーを、部屋の壁に向かって約90°の角度で傾かせて配置させることもできる。複数のラウドスピーカーが、本質的に矩形の部屋にあれば、表面の領域の視点から、狭い方の端壁の一方の領域に、複数のラウドスピーカーを備え、補助的な対のラウドスピーカーが、長手方向の壁を方を向いて、それらのサウンドの放出が壁から聴取者に反射して戻る、このタイプのセットアップは、特別な利点がある。
【0010】
もしそのようなセットアップが不可能であれば、補助ラウドスピーカーを、反射によって作られる仮のセットアップ配置の位置に、配置させることも可能である。最終的に、本発明がそれら二つのラウドスピーカーを、特に上方向だけでなく、二つのフロントラウドスピーカーの側方に、物理的に偏倚させて配置する。
【0011】
これに関連して、本発明による手順は付加的に増設することが可能であり、従って本発明は、六つのチャンネルだけを使用するのではなく、再現方法に対応させて少なくとも八つのチャンネルを備えることができる。
【0012】
その方法を実行する設備は、チャンネル再生ユニット、2+2+2ラウドスピーカー構成をした制御ユニットを備え、2+2+2ラウドスピーカー構成は、特に聴取者の前方の右側と左側に二つのメインラウドスピーカーを、聴取者の後方の右側と左側に二つのラウドスピーカーを、メインラウドスピーカーの上に二つのラウドスピーカーを備え、それらメインラウドスピーカーの上の二つのラウドスピーカーの放射軸線が、前記メインラウドスピーカーに対して外方向へ90°向けて配置される。録音中、既知のステレオ再現に必要な技術に加えて、3Dサウンドを録音し、遠近に対応する補助マイクが使用され、それによってミックス録音が、少なくとも六個のオーディオトラックで行われる。
【0013】
音声の様々なラウドスピーカーに、単独のマイク信号を配信することによって、サウンドの仮想的なソースを生じさせる。
【0014】
既に上記で示したように、“DVDオーディオシステム”がこの場合、再現のため使用することができ、CD録音で利用可能な二つのチャンネルだけでなく、むしろ八つのチャンネルを使用できる、数倍の容量空間を備える。この場合、DVDシステムは、複数のオーディオチャンネルに同時に伝送する機会を提供する。この際“ドルビー・サラウンド”方法が5+1チャンネルを使用する、すなわち一つの音響平面で再現するにも関わらず、六つのチャンネルを使用することは、明らかである。
【0015】
本発明による方法及び本発明による設備は、サウンドイメージを右から左へ、前から後ろへ、上から下への方向で再現し、このシステムは増設することができるという利点を有している。従来の立体音響効果に加えて、四つ、六つ、またはそれ以上のラウドスピーカーを使用することができ、システムを2+2+2+2システムに増設することができ、すなわちシステムが総計で八つの伝送チャンネルを備えて動作する。
【0016】
本発明は、サウンドボディの“高域”も再現することは注目に値する。ゆえに一例として、オーケストラが貝の形をした複数のステージ上で段になって座る。底部には、弦楽器があって、その直ぐ後方に木管楽器、そして金管楽器と打楽器があって、合唱隊とオルガンがそれの後ろに配置される。
【0017】
全体のオルガンは、室内の様々なポイントに配置された種々のオルガンから成り、一例として聴取者の近くに合唱隊とオルガンを、その上または後ろにグレートオルガン、スエルオルガン、ペダルオルガン、そして最後に天井から反響することができる交唱オルガン(antiphonal organ)がある。室内楽でも、どの演奏者が立ち上がっているか、座っているのか聞くことが可能である。
【0018】
コンサートルームにおける聴取者が、サウンドを発する物から出るサウンドを直接受けるだけでなく、側壁、天井などからの反射も受けて、聴取者が付加的に、現在いる部屋のサイズについての認知を強める。これに関して、本発明は、実際の状態を再現するのに適している。既知のステレオ録音などは、それらの“3Dサウンド”を含むが、それらは単一平面上に戻され、またこの一平面においても再現される。この平面は、ラウドスピーカーベースの後ろで、単一寸法で配置される。
【0019】
本技術状態における5.1録音方法において、この前記“3D-サウンド”は、単一平面での明瞭度(definition)によって再現される。
【0020】
本発明による手順により、複数のマイクも別々に配置される。本発明による遠近マイクは、楽器の近くまたは後方に普通の支持マイクとして配置されないで、遠近に対応させるため、大きく距離をあけて、配置され、その場合、本発明による2+2+2サウンド録音は、そのマイクの位置からミキサーコンソールで行うことができる。
【0021】
これに関して本発明は、好ましくは聴取者からの対応するベース幅(d)に関連させるため、二つのメインラウドスピーカーの間の距離を提供する。それは二等辺三角形を、二つのメインラウドスピーカーを各々、理想的な聴取位置に対し30°の角度で作るように、またシンプルなステレオ再現に適切にすることである。二つの頂部ラウドスピーカーは、理想的には耳のレベルの上、すなわち耳とメインラウドスピーカーに対する平面の上のベースの幅の半分の高さにあるべきである。もし聴取エリアにおけるラウドスピーカーからの距離が2mであれば、例えば補助フロントスピーカーが、それら平面の上1mの高さに配置されるべきである。この場合、バックラウドスピーカーを有利には、二つのフロントスピーカーのように、できるだけ聴取者から同じ距離にし、もしこれが達成されれば、短い距離にも適応することができ、少なくなった距離は位置を傾斜させることによって、壁及び/または天井からの反響を補償できる。
【0022】
この場合、補助ラウドスピーカーは、可能であれば聴取者から部屋の各壁へ向けるべきである。もしこれが不可能であれば、実際の配置を確実にし、補助ラウドスピーカーを配置させ、これの手段は、メインラウドスピーカーに関し両方とも、側方にできれば後方及び垂直に向けて偏倚させる。
【0023】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の別の特徴及び詳細を、以下の記載と図面を参照して示す。
【0024】
普通に符号1で示した部屋に、聴取者1aと、図1及び図2に例示した、六つのラウドスピーカー、すなわち各々聴取者1aの方を向いた、左側のメインラウドスピーカー2及び右側のメインラウドスピーカー1と、二つのバックラウドスピーカー4及び5と、ラウドスピーカー2及び3の上に配置され且つ、図2に示されているように、メインラウドスピーカー2及び3に対して90°外を向いて配置された、二つの補助ラウドスピーカー6及び7とが配置している。
【0025】
これは、サウンド再現が図1において点線で示された聴取平面8で示すことができるが、更に基本的に自然のサウンドイメージに対応した三次元サウンド再現が可能である。
【0026】
部屋1の中を、例えば後方ラウドスピーカーに近い位置から、ラウドスピーカー2、3、6、7に近い別の位置へ移動している、聴取者1aは、まさに聴取席にいるように、オーケストラまたはオルガンが聴取者の前に広く高く迫るように、知覚している。 同時に、この前記聴取者は、常にミュージシャンが録音中にいた場所に配置することができ;オーケストラの中の他のミュージシャンのように、遠く近く、より右にまたは左に、より高いまたはより低い位置になれる。
【0027】
図3は、複数の録音マイクの可能は配置を示しており、マイク9及び10は、3Dサウンドを通常は符号11によって示されたミキサーコンソールへ送る、非指向性マイクを表しており、これらのマイク9及び10は、想像の聴取者(完成した録音の聴取者が位置すべき標準的な聴取位置と仮定される位置)の前又は後ろに配置される。また、これらのマイク9及び10は、部屋の天井から吊り下げることができる。
【0028】
複数のステレオメインマイクロホンは、その一つが示されており、符号12によって示され、通常はステージの前方のエリアに配置され、そこには例えば、第一位置13に弦楽器、第二位置14に木管楽器、更に上の位置15に金管楽器、位置16に打楽器、位置17の後方に合唱隊とできればオルガンを配置することができる。この場合、“遠近マイク”が使用され、その一つだけが示されており、18a〜18cによって図面し示されている。それらのマイクからの上方は、ミキサーコンソールに送られ、そこで処理される。
【0029】
オーケストラまたは合唱隊などの規模によって、異なるタイプの多数のマイク11、12、18a〜19eを、録音のために用いている。
【0030】
図4はグレートオルガン、例えば教会内のオルガンまたはコンサートルーム内のオーケストラオルガンの場合の録音マイクの可能な位置を示している。符号19で示されたオルガン演奏者は、そのような楽器に関して通常のキーデスクに座り、オルガンの個々の要素はこの場合、単に象徴的に示されている。
【0031】
図面は、合唱オルガン20、チェストオルガン21、グレートオルガン22、スエルオルガン23、24、及び交唱オルガン25を示している。またステレオメインマイクは、参照符号12で示され、この場合遠近マイクは、符号18c及び18eによって示され、また各場所に一つだけ示しており、それらは単にセットアップの一選択肢である。
【0032】
図1及び図2は、距離を表している。従ってステレオ録音に関して最高の着席位置は、聴取者1aとメインラウドスピーカー2及び3によって形成される正三角形の頂点であることが分かり、図2において、この三角形の辺が“a、b、d”によって示され、聴取平面8の距離が、図2において“o”で示されている。
【0033】
図1で明らかなように、補助フロントスピーカー6及び7とメインラウドスピーカー2及び3との間の最高の高さは、それらの間の水平距離の半分、すなわちh=1/2・dであり、この寸法は[欠落]図1に示されている。
【0034】
一例として、部屋壁を向いた補助トップラウドスピーカー6及び7に関する他の位置は、部屋壁がない位置で、図面2において、6´及び7´によって示されており、バックラウドスピーカー4及び5に関する別のセットアップ配置は、4´及び5´によって示されている。
【0035】
当然、本発明による記載例の実施例は、基本的な概念の範囲内で、多くの点で変えることもできる。従って、ラウドスピーカー2及び3の位置を、少し下方へ偏倚させることができ、そして聴取位置に対して多少上へ傾けることもできる。また補助ラウドスピーカー6及び7に応用して、セットアップ配置の意図を考慮できるように、それらを任意に垂直平面から前方または後方へ少し偏倚させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 サウンド再現用の部屋の簡単な側面図。
【図2】 まなり簡略化して示した部屋の平面図。
【図3】 オーケストラ用にマイクを配置した側面図。
【図4】 グレートオルガン用にマイクを配置した側面図。

Claims (3)

  1. 少なくとも六チャンネルの録音技術を使用して録音した自然で、現実的な三次元サウンドイメージを、少なくとも六チャンネルの再生技術と、二つを聴取者の後方に、四つを聴取者の前方に配置した少なくとも六個のラウドスピーカーとを使用して再生する方法であって、
    二つのラウドスピーカー(4,5)を、聴取者の右後ろと左後ろに配置し、
    二つのメインラウドスピーカ(2,3)を、聴取者の右前及び左前に配置し、
    二つのラウドスピーカー(6,7)を、聴取者の右前及び左前であって、前記メインスピーカー(2,3)に対して垂直に偏倚し、かつ、その音響放射方向が、メインラウドスピーカ(2,3)の音響放射方向に対して約90°の角度をなして部屋の壁に対向して外側に向くように配置することによって、
    データキャリアから前記三次元サウンドイメージを再生するための少なくとも六つのラウドスピーカー(2,3,4,5,6,7)を2+2+2の形態で配置し、
    聴取者の位置と前記メインラウドスピーカ(2,3)の位置とを結ぶ線が正三角形を形成するように、前記メインラウドスピーカ(2,3)を配置すると共に、
    前記二つのラウドスピーカー(6,7)を、聴取者の耳のレベル(o)上のメインスピーカー(2,3)間のベース幅(d)の半分の距離と等しい高さ(h)、メインラウドスピーカ(2,3)よりも上方に配置した
    ことを特徴とする三次元サウンドイメージの再生方法。
  2. 物理的に、二つのラウドスピーカー(6、7)が、二つのメインラウドスピーカ(2,3)に対して上方向だけでなく、側方にも偏倚されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の再生方法。
  3. ラウドスピーカー(6,7)が、反射室の壁がない仮想位置(6’、7’)に、聴取位置の方向に向けて配置される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の再生方法。
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