JP4427155B2 - 水槽濾過装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば金魚や熱帯魚等の水棲生物の鑑賞飼育用水槽の水底部にセットし、エアーポンプより供給される空気を気泡として放出する際のエアーリフト効果を利用して、水を吸引濾過する水槽濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の水槽濾過装置は、濾材を装填した濾過ケースに直立状の排出パイプを設け、エアーポンプより供給される空気を気泡として内部に放出し、この気泡が排出パイプを通って上方へ排出される際のエアーリフト効果により、当該排出パイプ内に上昇水流を発生させ、この上昇水流の発生に伴う濾過ケース内の負圧によって水槽内の汚れた水を吸引し、濾材を通して浄化して該排出パイプから吐出するようになっている。
【0003】
しかして、従来の水槽濾過装置では、濾材として濾過ケース内の下部に砂利の如き粒状物の充填層を設けると共に上部に不織布等の多孔質マットを配置し、ケース底面に設けた吸引孔より吸入した水を粒状物充填層に透過させる一方、ケース上部に設けた吸引孔より吸入した水を多孔質マットに透過させることにより、それぞれ浄化した水を排出パイプで合流させて外部へ吐出する構成としたものが汎用されている(例えば特公昭60−7932号公報、特公平6−75457号公報、特開平10−75685号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の水槽濾過装置にあっては、濾過ケースの底部側と上部側からの吸入水を各々単一の濾材で濾過するために浄化能率が低く、とりわけ底部側の吸入水には水槽底部に沈積した糞や残餌等の汚物が多く含まれていることから、粒状物充填層の粒子間を通るだけでは汚れを充分に除去できず、汚物を含んだまま排出パイプから吐出され、水槽内に汚れを拡散させてしまうという難点があった。また、この種の濾過装置では、ある程度の期間を経て濾材に目詰まりを生じた場合、濾過ケースを水中から引き上げて清掃や濾材交換を行うことになるが、前記従来の構成においては、濾過ケースの引き上げの際に粒状物充填層の粒子間に溜まっていた汚泥が内部の水と一緒にケース底部の吸引孔から流出し、この汚泥によって水槽内の水が汚れてしまうという問題もあった。
【0005】
この発明は、上述の事情に鑑みて、気泡を放出する際のエアーリフト効果によって水を吸引濾過する水槽濾過装置として、浄化能率が高く、汚れの酷い水槽底部近くから吸入した水を効率よく濾過し、充分に浄化して水槽中に吐出できる上、清掃や濾材交換のために濾過ケースを水中から引き上げる際、内部に溜まった汚泥の流出を生じないものを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る水槽濾過装置は、通水孔のない底壁部及び周壁部を有する底トレイと、上壁部及び周壁部を有して底トレイ上に外嵌する上部カバーとからなる濾過ケース内に、多数の通水孔を設けた水平仕切り板の中央に直立状の排出パイプを一体形成した仕切り部材が収容され、その排出パイプの上部が上部カバーの上壁部中央に設けた開口部より外側へ突出すると共に、該排出パイプ内で気泡を放出する気泡発生手段を備え、底トレイ内が仕切り部材の水平仕切り板によって上側の濾材充填室と下側の下流室とに区画され、この下流室が前記排出パイプ内に連通する一方、濾材充填室に濾材の異なる上下2層の濾材層が設けられ、上部濾材層と上部カバーの上壁部との間に上流室が構成されると共に、底トレイと上部カバーの相互の周壁部間に、下端を外部に開放して上端を上流室に連通させた吸水路が設けられ、前記気泡発生手段にて放出される気泡の上昇に伴って排出パイプ内に生じる上昇水流により、前記吸水路から吸入された水が前記2層の濾材層を順次透過して下流室及び排出パイプを経て上方へ吐出されるように構成されている。
【0007】
この水槽濾過装置では、底トレイと上部カバーの周壁部間に構成される吸水路の下端が吸入口となり、糞や残餌等による汚れの多い水槽底部近くの水を吸入するが、この水を上下2層の濾材層を通して濾過するため、含まれる汚れが効率よく除去されて清澄な浄化水として水槽中に戻されることになる。また、底トレイの底壁部には吸水口がないから、清掃や濾材交換のために濾過ケースを水中から引き上げる際、該ケースを極端に傾けたり上下を逆にしたりしない限り、内部に溜まった汚泥が流出することはない。
【0008】
しかして、このような水槽濾過装置において、請求項2の発明のように、上部カバーの周壁部の複数箇所に上下方向に沿う畝状の外向き膨出部が形成され、各膨出部の内側が前記吸水路をなす構成を採用すれば、吸水路がダクト状になり、吸入する水の流速が速くなるから、水槽底部に沈積した汚物を水と一緒に吸込み易くなる。また、請求項3の発明のように、上部カバーが前記上流室に臨む上部吸水口を有してなる構成を採用すれば、この上部吸水口から吸入された水も上下2層の濾材層を透過することになるから、沈降せずに水中に漂う汚物やゴミも吸引して確実に除去できる。
【0009】
一方、このような水槽濾過装置において、請求項4の発明のように、吸水路が少なくとも排出パイプを挟んだ両側に設けられてなる構成とすれば、濾過ケース内部での処理水の流れが偏らず、濾材層の濾過能力を効率よく発揮できる。更に、請求項5の発明のように、上部カバーの上壁部の内面側に、前記開口部を中心として放射状に配置した複数条の隔壁が一体突設され、これら隔壁によって前記上流室が複数の分流室に区画されると共に、各分流室に前記吸水路が連通してなる構成とすれば、各分流室に被処理水が流入するから、濾材層全体で無駄なく最大限の濾過能力を発揮できると共に、前記隔壁が上部濾材層の浮き上がりを防止する押さえとしても機能する。
【0010】
上部濾材層と下部濾材層の濾材は、異なるものであれば特に制約はないが、汚れの濾過除去性、通水性、汚れを分解消費するバクテリアの繁殖性等を充分に確保する観点から、請求項6の発明のように、上部濾材層を濾過除去性の高い多孔質マットとして、下部濾材層を通水抵抗の小さい粒状物充填層からなる構成とすることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施例に係る水槽濾過装置について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図6において、(1)は上部カバー、(2)は底トレイ、(3)は仕切り部材、(4A)は不織布等の多孔性マットからなる上部濾材層、(4B)は砂利等の粒状物充填層からなる下部濾材層、(5)はエアーストーン、(6)はスノコ板、(7)は送気チューブ接続用のエルボ部材である。なお、上部カバー(1)、底トレイ(2)、仕切り部材(3)及びエルボ部材(7)は、いずれも硬質透明合成樹脂の一体成形物からなる。
【0012】
上部カバー(1)は、上壁部(1a)と、その周縁より垂下する周壁部(1b)とで、平面視略正方形で下方に開いた箱形をなしている。この上壁部(1a)は、中央に円形の開口部(11)を有すると共に、図4及び図5に示すように、裏面側に該開口部(11)を中心として放射状に配置した複数条(図では8条)の隔壁(12)…が突設されている。また周壁部(1b)は、四周の各側面に左右一対の上下方向に沿う畝状の外向き膨出部(13)(13)を有し、一方の対向する両側面の各中央位置には、下縁から上方へ向かう一対の細い切欠部(14)(14)の間で構成した係止片(15)を有し、この係止片(15)の外面側に略半円状に膨出した掛止突起(15a)が設けられ、他方の対向する両側面の各中央位置には、下縁側に半円形切欠部(16)を有すると共に、この半円形切欠部(16)のやや上位から上壁部(1a)の周縁部に達する複数本(図では4本)のスリット状の上部吸引口(17)…を備えている。
【0013】
底トレイ(2)は、通水孔のない底壁部(2a)と、その周縁より立ち上がる周壁部(2b)とで、平面視略正方形で上方に開いた箱形をなし、底壁部(2a)の周縁が周壁部(2b)の下端より外側へ若干突出してカバー受け部(2c)を構成している。そして、底壁部(2a)の内面側には、中央位置で直立した空気吐出管(21)と、この空気吐出管(21)の下端部から周壁部(2b)に至る水平管状の通気路(22)と、この通気路(22)位置を除いて上部カバー(1)の隔壁(17)…に対応した放射状に配置する複数本(図では7本)の条片(23)…とが一体形勢されている。また周壁部(2b)の四周の内、一方の対向する両側面の各中央部が凹面部(24)となり、この凹面部(24)の上縁に上下に透通するスリット孔(25a)を備えた係止枠(25)が設けてある。
【0014】
仕切り部材(3)は、多数の長孔状の通水孔(31)…を有する水平仕切り板(3a)と、その周縁より立ち上がる周壁部(3b)とで、平面視略正方形の篩枡形をなし、水平仕切り板(3a)の中央に直立状の排出パイプ(30)が一体形成されると共に、該排出パイプ(30)の根元から周壁部(3b)に至る半径方向に沿って、該水平仕切り板(3a)の底面側が断面半円形に凹んだ通気路外嵌部(35)を有している。そして、周壁部(3b)の四周の内、一方の対向する両側面の各中央部が底トレイ(2)の凹面部(24)に対応した凹面部(32)をなし、他方の対向する両側面の上縁には内向きに突出した左右一対の押さえ片(33)(33)を有し、また周壁部(3b)の四周の各内面側中央には受け片(34)が突設されている。
【0015】
エアーストーン(5)は、硬質合成樹脂発泡体等よりなる多孔質中空軸状で、上端が閉塞している。またスノコ板(6)は、略正方形の平板状をなす半硬質合成樹脂成形物からなり、中央の円形穴(61)と、多数の長孔状の通水孔(62)…と、片面側の周縁部に設けられて仕切り部材(3)の押さえ片(33)が嵌合する凹部(63)…を有している。更に上部濾材層(4A)を構成する多孔性マットにも、中央に円形穴(41)が形成されている。
【0016】
しかして、水槽濾過装置の組み立ては、底トレイ(2)の空気吐出管(21)にエアーストーン(5)の下部を挿嵌させると共に、エルボ部材(7)の一端側を通気路(22)の開口部に挿嵌させる一方、仕切り部材(3)の水平仕切り板(3a)上に下部濾材層(4B)を構成する砂利等の粒状物を載せ、その上にスノコ板(6)を周縁が押さえ片(33)…と受け片(34)との間に挟まれるように配置し、この仕切り部材(3)を通気路外嵌部(35)が通気路(22)に被さるように底トレイ(2)に内嵌させ、その上に更に上部濾材層(4A)の多孔性マットを載せた上で、底トレイ(2)に上部カバー(1)を外嵌して濾過ケース(10)を構成する。このとき、上部カバー(1)の両側の各係止片(15)を底トレイ(2)のスリット孔(25a)に挿嵌させ、その係止突起(15a)を係止枠(25)下縁に係合させると共に、半円形切欠部(16)をエルボ部材(7)の挿嵌部に合わせる。なお、各構成部材は、このような組み立てを行えるように寸法設定されている。
【0017】
かくして組み立てられた水槽濾過装置は、図2及び図3に示すように、濾過ケース(10)内に収容した仕切り部材(3)の排出パイプ(30)の上部が上部カバー(1)の開口部(11)から外側へ突出し、仕切り板(3a)によって底トレイ(2)の内部が上側の濾材充填室(20a)と下側の下流室(20b)とに区画されており、濾材充填室(20a)にはスノコ板(6)を介して積層した上部濾材層(4A)と下部濾材層(4B)とからなる2層構造の濾材層(4)が排出パイプ(30)の周囲を取り巻くように配置し、下流室(20b)は排出パイプ(30)内に連通している。また、上部濾材層(4A)の上面と上部カバー(1)の上壁部(1a)との間には、上流室(18)が構成されている。
【0018】
一方、上部カバー(1)と底トレイ(2)の相互の周壁部(1b)(2b)間には、上部カバー(1)の各外向き膨出部(13)の内側部分で上下方向に沿うダクト状の吸水路(8)を構成している。そして、各吸水路(8)は、下端で外部に開放すると共に、上端で上流室(18)に連通している。また、上部カバー(1)に設けた上部吸水孔(17)…は、その上部が上流室(18)に臨んでいる。
【0019】
ここで、上部カバー(1)の上壁部(1a)の内面側に突設されて放射状に配置した隔壁(12)…は、上部濾材層(4A)の多孔性マットを押さえて浮き上がりを阻止すると共に、濾過ケース(10)内の上部に上流室(18)の空間を確保するスペーサーとして機能しているが、同時に上流室(18)を図4に示すように複数(図では8つ)の分流室(18a)…に区画している。しかして、各分流室(18a)には、それぞれ吸水路(8)の1本が連通している。また、底トレイ(2)の底壁部(2a)の上面側に設けた条片(23)…は、仕切り部材(3)の受けをなすが、上部カバー(1)側の隔壁(12)…と同様に、濾過ケース(10)内の下部に下流室(20b)の空間を確保するスペーサーとして機能し、且つ該下流室(20b)を上流室(18)側と同様に区画している。
【0020】
このような構成の水槽濾過装置では、エルボ部材(7)にエアーポンプの送気チューブを接続し、水棲生物の鑑賞飼育用水槽の水底部にセットして該エアーポンプを作動させると、通気路(22)を通ってエアーストーン(5)内部に供給される空気が当該エアーストーン(5)の表面から細かい気泡として外部へ放出され、これら気泡の上昇に伴って排出パイプ(30)の内側空間(19)に上昇水流を生じるため、濾過ケース(10)内が負圧となる。これにより、外部の水が吸水路(8)…及び上部吸水孔(17)…より上流室(18)内に吸入され、この吸入された全ての水が上部濾材層(4A)及び下部濾材層(4B)を順次透過する過程で浄化され、下流室(20b)から排出パイプ(30)内に入って上方外部へ吐出される。
【0021】
ここで、吸水路(8)…は下端の吸入口が水槽底部近くに位置するから、水底に沈積した糞や残餌等による汚れの多い水を吸入するが、この水を上下2層の濾材層を通して濾過するため、含まれる汚れは効率よく除去され、清澄な浄化水として水槽中に戻される。特に、この実施例構成では、吸水路(8)…がダクト状をなすため、吸入する水の流速が速く、水槽底部に沈積した汚物を水と一緒に吸込み易く、且つ吸水路(8)を設けるための上部カバー(1)及び底トレイ(2)の構造が簡素になる。また、上部吸水孔(17)…からの吸入により、沈降せずに水中に漂う汚物やゴミも確実に除去される。
【0022】
更に、この実施例構成では、上流室(18)が上部カバー(1)の上壁部(1a)の内面側の放射状に配置する隔壁(2)…によって複数の分流室(18a)…に区画され、各分流室(18a)ごとに吸水路(8)が連通していることから、濾過ケース(10)内での処理水の流れが偏らず、2層構成の濾材層(4)は各分流室(18a)に対応した全ての領域で濾過を行うことになり、濾材層(4)全体で無駄なく最大限の濾過能力を発揮できる。
【0023】
一方、長期の使用によって濾過濾材層(4)に目詰まりを生じたり、内部の汚物量が一杯になった場合、濾過ケース(10)を水中から引き上げて清掃や濾材交換を行うことになるが、底トレイ(2)の底壁部には吸水孔がなく、また吸水路(8)…も上部でケース(10)内部に連通しているから、この引き上げ時に、該ケース(10)を極端に傾けたり上下を逆にしたりしない限り、内部に溜まった汚泥が流出することはなく、従来のもののように引き上げ時に流出した汚泥が拡散して水を汚すといった問題を生じない。
【0024】
なお、上記実施例では濾過ケース(10)の四周の各側面に吸水路(8)を左右一対ずつ設けているが、この吸水路(8)の数と配置は実施例以外に種々設定できる。しかして、ケース(10)内での処理水の偏りを抑え、濾材層(4)による汚物の濾過除去のバランスをとる上で、吸水路(8)は少なくとも排水パイプ(30)を挟んだ両側に設けることが推奨される。この点は上部吸水孔(17)ついても同様である。また上部濾材層(4A)と下部濾材層(4B)の濾材については、異なるものであれば特に制約はないが、汚れの濾過除去性、通水性、汚れを分解消費するバクテリアの繁殖性等を充分に確保する観点から、前記実施例のように、上部濾材層(4A)に不織布等の濾過除去性の高い多孔質マットを用い、下部濾材層(4B)を水抵抗の小さい砂利等の粒状物充填層とすることが好適である。
【0025】
一方、前記実施例で図示した濾過装置は、エアーリフト効果による吸引力を高めるために、排出パイプ(30)を濾過ケース(10)から僅かに突出した短いものとし、その上端部を縮径すると共に、エアーストーン(5)の上端を該排出パイプ(30)の上端に接近させているが、該排出パイプ(30)は従来同様に濾過ケース(10)から大きく突出する長いものとしてもよい。また、前記実施例では上部濾材層(4A)と下部濾材層(4B)との間にスノコ板(6)を介在させているが、このようなスノコ板(6)は省略可能である。その他、この発明においては、上部カバー(1)及び底トレイ(2)の外形と両者の係合構造、吸水路(8)の流路断面形状、仕切り部材(3)の仕切り板(3a)における通水孔(31)…の形状と配置構成等、細部構成については実施例以外に種々設計変更可能である。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、例えば金魚や熱帯魚等の水棲生物の鑑賞飼育用水槽の水底部にセットし、エアーポンプより供給される空気を気泡として放出する際のエアーリフト効果によって水を吸引濾過する水槽濾過装置として、濾過ケースの上部カバーと底トレイの側壁部間に設けた吸水路から吸入される水を上下2層の濾材層に通すことから、浄化能率が高く、汚れの酷い水槽底部近くから吸入した水を効率よく浄化して充分な清澄水として水槽中に吐出できる上、清掃や濾材交換のために濾過ケースを水中から引き上げる際、内部に溜まった汚泥の流出を生じず、取扱い性に優れるものが提供される。
【0027】
請求項2の発明によれば、上記の水槽濾過装置において、吸入水の流速が速いダクト状の吸水路を備えるため、水槽底部に沈積した汚物を水と一緒に効率よく吸込んで濾過除去できると共に、吸水路を設けるための上部カバー及び底トレイの構造が簡素になり、これら部材を安価に製作できるという利点がある。
【0028】
請求項3の発明によれば、上記の水槽濾過装置として、濾過ケースの上部からも吸水して上下2層の濾材層に通して浄化するとができ、もって沈降せずに水中に漂う汚物やゴミも吸引して確実に除去できるものが提供される。
【0029】
請求項4の発明によれば、上記の水槽濾過装置において、少なくとも排水パイプを挟んだ両側に吸水路を有することから、濾過ケース内部での処理水の流れが偏らず、濾材層の濾過能力を効率よく発揮できるという利点がある。
【0030】
請求項5の発明によれば、上記の水槽濾過装置において、濾過ケース内の上部の処理水が流入する上流室が隔壁によって複数の分流室に区画され、各分流室に吸水路が連通していることから、濾材層全体で無駄なく最大限の濾過能力を発揮できるという点がある。
【0031】
請求項6の発明によれば、上記の水槽濾過装置として、汚れの濾過除去性、通水性、汚れを分解消費するバクテリアの繁殖性等を充分に確保できるものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る水槽濾過装置を示し、(A)図は平面図、(B)図は正面図、(C)図は右側面図である。
【図2】図1(A)図におけるII−II線断面図である。
【図3】図1(A)図におけるIII −III 線断面図である。
【図4】図2におけるIV-IV 線断面図である。
【図5】同水槽濾過装置の上部カバーと上部濾材層の多孔性マットとスノコ板を示す分解斜視図である。
【図6】同水槽濾過装置の仕切り部材と底トレイを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1…上部カバー
1a…上壁部
1b…側壁部
2…底トレイ
2a…底壁部
2b…側壁部
3…仕切り部材
3a…水平仕切り板
4…濾材層
4A…上部濾材層
4B…下部濾材層
5…エアーストーン(気泡発生手段)
8…吸水路
10…濾過ケース
11…開口部
12…隔壁
13…外向き膨出部
17…上部吸水孔
18…上流室
18a…分流室
19…内部空間
20a…濾材充填室
20b…下流室
30…排出パイプ
31…通水孔
Claims (6)
- 通水孔のない底壁部及び周壁部を有する底トレイと、上壁部及び周壁部を有して底トレイ上に外嵌する上部カバーとからなる濾過ケース内に、多数の通水孔を設けた水平仕切り板の中央に直立状の排出パイプを一体形成した仕切り部材が収容され、その排出パイプの上部が上部カバーの上壁部中央に設けた開口部より外側へ突出すると共に、該排出パイプ内で気泡を放出する気泡発生手段を備え、
底トレイ内が仕切り部材の水平仕切り板によって上側の濾材充填室と下側の下流室とに区画され、この下流室が前記排出パイプ内に連通する一方、濾材充填室に濾材の異なる上下2層の濾材層が設けられ、上部濾材層と上部カバーの上壁部との間に上流室が構成されると共に、底トレイと上部カバーの相互の周壁部間に、下端を外部に開放して上端を上流室に連通させた吸水路が設けられ、
前記気泡発生手段にて放出される気泡の上昇に伴って排出パイプ内に生じる上昇水流により、前記吸水路から吸入された水が前記2層の濾材層を順次透過して下流室及び排出パイプを経て上方へ吐出されるように構成されてなる水槽濾過装置。 - 上部カバーの周壁部の複数箇所に上下方向に沿う畝状の外向き膨出部が形成され、各膨出部の内側が前記吸水路をなす請求項1記載の水槽濾過装置。
- 上部カバーが前記上流室に臨む上部吸水口を有してなる請求項1又は2に記載の水槽濾過装置。
- 吸水路が少なくとも排出パイプを挟んだ両側に設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の水槽濾過装置。
- 上部カバーの上壁部の内面側に、前記開口部を中心として放射状に配置した複数条の隔壁が一体突設され、これら隔壁によって前記上流室が複数の分流室に区画されると共に、各分流室に前記吸水路が連通してなる請求項1〜4のいずれかに記載の水槽濾過装置。
- 上部濾材層が多孔質マットからなり、下部濾材層が粒状物充填層からなる請求項1〜5のいずれかに記載の水槽濾過装置。
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