JP4427008B2 - 圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法及び圧縮気体除湿装置 - Google Patents
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Description
しかし、この容量制御弁90の方式は冷凍サイクル中に設置する機械式の流体弁であることから、構造上複雑であり、故障が多い。また、調整が必要となり、全体装置としてコストアップとなる。さらに、運転条件の全域で凍結防止を行うことは容易でない。
この装置によれば、熱負荷の低下を、外気温度センサー及び露点温度センサーの測定値の低下により予知し、制御装置から圧縮気体除湿装置の冷凍用圧縮機及び凝縮器ファンの運転を停止させる信号が出力される。これにより、熱負荷の過小な場合における冷却器(熱交換器)の凍結や露点の上昇が防止されるとともに消費電力が大幅に節減される効果がある。なお、この装置では、容量制御弁が併用されている。
しかしながら、外気温度センサー及び露点温度センサーによる検出情報は、圧縮気体除湿装置の冷媒に関する直接的な検出データではなく、圧縮気体除湿装置の状態を必ずしも正確に検出しているとはいえない。このため、熱交換器の凍結を運転条件の全域で確実に防止することは難しく、容量制御弁が併用されているものと考えられる。
そこで本発明の目的は、容量制御弁を具備しないで熱交換器の凍結を適切に防止でき、製造コストや保守管理に係るコストを低減できると共に、エネルギー消費を低減できる圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法及び圧縮気体除湿装置を提供することにある。
本発明にかかる圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法の一形態によれば、コンプレッサーによって圧縮された圧縮気体を冷凍サイクルによって冷却された冷媒と熱交換して冷却することで、該圧縮気体中の水分を結露させて除去すべく、冷凍用圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン、膨張器及び熱交換器を備える圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法であって、前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報と、前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報とに基づいて、熱交換器の凍結を防止するように前記冷凍用圧縮機及び前記凝縮器ファンの運転を制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法の一形態によれば、前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報に基づいて前記冷凍用圧縮機を制御し、前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報及び前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報に基づいて前記凝縮器ファンの運転を制御することを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる圧縮気体除湿装置の一形態によれば、前記制御装置は、前記吸込温度センサーによる検出温度に基づいて前記冷凍用圧縮機の運転を制御し、前記吸込温度センサー及び前記凝縮温度センサーによる検出温度に基づいて前記凝縮器ファンの運転を制御することを特徴とすることができる。
この圧縮気体除湿装置は、コンプレッサー(図示せず)によって圧縮された圧縮気体を、冷凍サイクルによって冷却された冷媒と熱交換して冷却することで、その圧縮気体中の水分を結露させて除去する。基本構成として、冷凍用圧縮機10、凝縮器20、凝縮器ファン30、膨張器40及び熱交換器50を備える。これらの基本構成は冷凍機と同様である。なお、凝縮器20に図示された矢印は空気流を表現している。また、冷媒の低圧側の配管には蒸発器55の部分を除いて断熱材92が巻かれている。
また、この熱交換器50には、膨張器40を通って膨張された冷媒が導入される蒸発器55が設けられている。蒸発器55では、冷媒の断熱膨張によって気化熱が奪われることで冷却され、圧縮空気が熱交換されて冷却されることで結露が生じて除湿がなされる。この蒸発器55を構成する導管の外側には、熱交換を効率良く行うべく伝熱フィン(図示せず)が取り付けられている。
例えば、40℃、相対湿度100%、0.7MPaの圧縮空気が空気入口51から熱交換器50内へ導入された場合に、30℃、相対湿度30%、露点10℃、0.7MPaの圧縮空気を空気出口52から吐出できる。
なお、以上の熱交換器50の構造は公知技術であり、詳細な説明を省略する。
この吸込温度センサー60によれば、管路65を形成する配管の外側に貼り付けることで設置でき、簡単に装着できる。また、機械的な動作部がないため故障しにくい。このため、製造コストや保守管理コストを低く抑えることができる。
なお、この吸込温度センサー60に替えて、図3に示すように熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間の管路65に設置されて冷媒の圧力を検出する蒸発圧力計62を用い、検出信号を出力するようにしてもよい。これは、熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間の冷媒は飽和状態にあって、所定の温度に対して所定の圧力が対応する状態となっており、温度か圧力のどちらか一方の検出情報が分かれば、その際の冷媒の状態を一義的に検出できるためである。
この凝縮温度センサー70によれば、管路75を形成する配管の外側に貼り付けることで設置でき、簡単に装着できる。また、機械的な動作部がないため故障しにくい。このため、製造コストや保守管理コストを低く抑えることができる。
なお、この凝縮温度センサー70に替えて、図3に示すように凝縮器20と膨張器40の間の管路75に設置されて冷媒の圧力を検出する凝縮圧力計72を用い、検出信号を出力するようにしてもよい。これは、凝縮器20と膨張器40の間の冷媒は飽和状態にあって、所定の温度に対して所定の圧力が対応する状態となっており、温度か圧力のどちらか一方の検出情報が分かれば、その際の冷媒の状態を一義的に検出できるためである。
本形態例の制御装置80は、検出温度の信号を受けるべく吸込温度センサー60及び凝縮温度センサー70に電気的に接続されており、制御信号を出力するように冷凍用圧縮機10及び凝縮器ファン30に電気的に接続されている。
そして、この制御装置80によれば、吸込温度センサー60と凝縮温度センサー70から入力された検出信号に基づいて演算処理を行い、制御信号を出力して冷凍用圧縮機10及び凝縮器ファン30を同時に制御する。
また、この制御装置80は、吸込温度センサー60及び凝縮温度センサー70による二点の検出温度に基づいて凝縮器ファン30の運転を制御するとよい。これによれば、冷凍用圧縮機10と凝縮器ファン30の制御条件を好適に関連付けて、冷凍サイクル全体を好適に制御できる。また、凝縮器ファン30については、運転のON、OFFを頻繁に繰り返すような制御をしても差し支えがなく、二点の検出温度に基づいて緻密な制御ができる。
先ず、電源スイッチが投入されて制御装置80よって始動制御が開始され、熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間における冷媒の温度が所定の設定値以上のときに冷凍用圧縮機10(図2中、「Comp.」と記す。)の運転を開始する。同時に、制御装置80は、凝縮器20と膨張器40の間における冷媒の温度が所定の設定値以上のときに凝縮器ファン30(図2中、「Fan.」と記す。)の運転を開始するように制御する。
次に、通常運転中において制御装置80よって2温度制御が開始され、熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間における冷媒の温度が第1の設定値以上のときに冷凍用圧縮機10を運転すると共に第1の設定値より低い第2の設定値以下のときに冷凍用圧縮機10を停止する。
また、熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間における冷媒の温度が第1の設定値より低く第2の設定値より高い第3の設定値以上で且つ凝縮器20と膨張器40の間における冷媒の温度が第4の設定値以上のときに凝縮器ファン30を運転すると共に第4の設定値より低い第5の設定値以下のときに凝縮器ファン30を停止する。
さらにまた、熱交換器50と冷凍用圧縮機10の間における冷媒の温度が第3の設定値より低く且つ凝縮器20と膨張器40の間における冷媒の温度が第4の設定値より低い第6の設定値以上のときに凝縮器ファン30を運転すると共に第6の設定値より低い第7の設定値以下のときに凝縮器ファン30を停止する。
なお、以上の2温度制御でも、冷凍用圧縮機10と凝縮器ファン30の制御が同時に行われる。
先ず、電源スイッチが投入されて制御装置80よって始動制御が開始され、吸込温度センサー60(図2中、「STS」と記す。)による検出温度が15℃以上のときに冷凍用圧縮機10(図2中、「Comp.」と記す。)の運転を開始する。同時に、制御装置80は、凝縮温度センサー70(図2中、「CTS」と記す。)による検出温度が35℃以上のときに凝縮器ファン30の運転を開始するように制御する。
次に、通常運転中において制御装置80よって2温度制御が開始され、制御装置80は、吸込温度センサー60(STS)による検出温度が15℃以上のときに冷凍用圧縮機10を運転すると共に0℃以下のときに冷凍用圧縮機10を停止する。
また、吸込温度センサー60(STS)による検出温度が10℃以上で且つ凝縮温度センサー70(CTS)による検出温度が35℃以上のときに凝縮器ファン30を運転すると共に30℃以下のときに凝縮器ファン30を停止する。
さらにまた、吸込温度センサー60(STS)による検出温度が10℃以下で且つ凝縮温度センサー70(CTS)による検出温度が30℃以上のときに凝縮器ファン30を運転すると共に25℃以下のときに凝縮器ファン30を停止する。
また、以上に説明した2温度制御を行うことで、運転全域で緻密且つ適切に凍結防止を行うことができる。これは、この2温度制御によれば、凍用圧縮機10と凝縮器ファン30の制御を、その制御条件を関連付けて同時に行うことができ、冷凍サイクルの全体制御を好適に行うことができるためである。
これにより、伝熱フィン間に氷が付着して閉塞することによる問題を解消でき、除湿処理された圧縮気体を好適に供給できる。
また、本形態例の圧縮気体除湿装置によれば、容量制御弁を用いない方式のため、製造コストや保守管理に係るコストを低減できると共に、エネルギー消費を大幅に低減できる。
また、冷凍用圧縮機10を一旦停止させた後、吸込温度センサー60による検出温度が運転の条件を満した場合で且つ停止時から所定の時間が経過した場合に冷凍用圧縮機10を再運転させるように制御するとよい。所定の時間とは、例えば、図2に示すように3分間以上程度とすることができる。
このように制御することで、冷凍用圧縮機10の故障を防止できる。
20 凝縮器
30 凝縮器ファン
40 膨張器
50 熱交換器
51 空気入口
52 空気出口
55 蒸発器
60 吸込温度センサー
62 蒸発圧力計
70 凝縮温度センサー
72 凝縮圧力計
80 制御装置
90 容量制御弁
Claims (2)
- コンプレッサーによって圧縮された圧縮気体を冷凍サイクルによって冷却された冷媒と熱交換して冷却することで、該圧縮気体中の水分を結露させて除去すべく、冷凍用圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン、膨張器及び熱交換器を備える圧縮気体除湿装置について、前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報と、前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報とに基づいて、熱交換器の凍結を防止するように前記冷凍用圧縮機及び前記凝縮器ファンの運転を制御する圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法において、
前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報に基づいて前記冷凍用圧縮機を制御し、前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報及び前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力の少なくとも一方の検出情報に基づいて前記凝縮器ファンの運転を制御する圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法であって、
前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力が第1の設定値以上のときに前記冷凍用圧縮機を運転すると共に前記第1の設定値より低い第2の設定値以下のときに該冷凍用圧縮機を停止し、
前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力が前記第1の設定値より低く前記第2の設定値より高い第3の設定値以上で且つ前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力が第4の設定値以上のときに前記凝縮器ファンを運転すると共に前記第4の設定値より低い第5の設定値以下のときに該凝縮器ファンを停止し、
前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間における冷媒の温度又は圧力が前記第3の設定値より低く且つ前記凝縮器と前記膨張器の間における冷媒の温度又は圧力が前記第4の設定値より低い第6の設定値以上のときに前記凝縮器ファンを運転すると共に前記第6の設定値より低い第7の設定値以下のときに該凝縮器ファンを停止することを特徴とする圧縮気体除湿装置における熱交換器の凍結防止方法。 - コンプレッサーによって圧縮された圧縮気体を冷凍サイクルによって冷却された冷媒と熱交換して冷却することで、該圧縮気体中の水分を結露させて除去すべく、冷凍用圧縮機、凝縮器、凝縮器ファン、膨張器及び熱交換器を備え、
前記熱交換器と前記冷凍用圧縮機の間の管路に配設されて冷媒の温度を検出する吸込温度センサーと、
前記凝縮器と前記膨張器の間の管路に配設されて冷媒の温度を検出する凝縮温度センサーと、
前記熱交換器の凍結を防止するように前記吸込温度センサーと前記凝縮温度センサーによる検出温度に基づいて前記冷凍用圧縮機及び前記凝縮器ファンの運転を制御する制御装置とを具備する圧縮気体除湿装置において、
前記制御装置は、
前記吸込温度センサーによる検出温度に基づいて前記冷凍用圧縮機の運転を制御し、前記吸込温度センサー及び前記凝縮温度センサーによる検出温度に基づいて前記凝縮器ファンの運転を制御するものであって、
前記吸込温度センサーによる検出温度が第1の設定値以上のときに前記冷凍用圧縮機を運転すると共に前記第1の設定値より低い第2の設定値以下のときに該冷凍用圧縮機を停止し、
前記吸込温度センサーによる検出温度が前記第1の設定値より低く前記第2の設定値より高い第3の設定値以上で且つ前記凝縮温度センサーによる検出温度が第4の設定値以上のときに前記凝縮器ファンを運転すると共に前記第4の設定値より低い第5の設定値以下のときに該凝縮器ファンを停止し、
前記吸込温度センサーによる検出温度が前記第3の設定値より低く且つ前記凝縮温度センサーによる検出温度が前記第4の設定値より低い第6の設定値以上のときに前記凝縮器ファンを運転すると共に前記第6の設定値より低い第7の設定値以下のときに該凝縮器ファンを停止するように制御することを特徴とする圧縮気体除湿装置。
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