以下に、本発明の原理及び実施例を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の原理を示す図である。
図1に示される本発明によるシステムは、ユーザコンピュータ511、出力端末512、及びサービス業者サーバ513乃至515を含み、これらが互いにインターネット等のネットワークを介して接続される。ユーザコンピュータ511は、ユーザが自宅或いはオフィスなどで使用するパーソナルコンピュータ等である。出力端末512は、印刷機能及び通信機能に加え更に複写機能等を備えてもよい出力端末、或いはコンピュータにプリンタが接続された印刷システム等である。出力端末512は、例えばコンビニエンスストア等、ユーザがアクセスし易い多数の場所に設置する。サービス業者サーバ513乃至515は、ユーザにサービスを提供するサービス業者のサーバコンピュータであり、例えば、画像情報、音声情報、動画情報等を配信するサービスを提供する。
ユーザコンピュータ511のユーザが、例えばプリンタを所有していない場合がある。またプリンタを所有しているが所有するコンピュータにない機能(例えばカラー印刷機能)を使用したい場合、或いは所有するプリンタにない高画質で印刷データを印刷したい場合等がある。このような場合、ユーザは、印刷データ及び印刷依頼を含む電子メールを作成し、ユーザコンピュータ511を介して出力端末512に作成した電子メールを送信する。出力端末512は、印刷データ及び印刷依頼を含む電子メールを受信すると、メール送信者に対して、データを受信して印刷可能状態にあることを電子メールで通知する。
通知メールを受信したユーザは、例えばコンビニエンスストア等の出力端末512が設置された場所に赴き、出力端末512に識別子を入力する。この識別子は、ユーザがユーザコンピュータ511から出力端末512に送信した電子メールに含まれる情報に基づくものであり、例えば電子メールアドレス等を識別子(識別情報)として使用する。電子メールアドレスを識別子として使用する場合には、ユーザは、出力端末512を直接操作して電子メールアドレスを入力する。これに応答して、出力端末512は、入力された電子メールアドレスに対応する印刷データを印刷する。
識別情報としては、電子メールに含まれる情報或いはその情報に基づくものであれば良く、様々な形態が考えられる。例えば、電子メールの本文に書き込まれる特別な文字列で、識別情報を認識する方法などがある。即ち、例えば文字列"Identifier="で始まる行の右辺を識別子として使用すると規定すれば、Identifier=taro@company.comの文字列が含まれる場合の識別子はtaro@company.comであり、またIdentifier=9758の文字列が含まれる場合の識別子は9758である。
このようにして、例えばプリンタを所有しないユーザが、所望の場所に設置された出力端末512に電子メールを送信することで、印刷データを印刷することができる。この場合、出力端末512においては、ユーザが電子メールアドレス等の識別情報を入力して初めて印刷されるので、印刷結果を他人に見られることはない。また識別情報は、電子メールに含まれる情報に基づいているので、予め暗証番号やパスワード等を登録しておく必要がなく、不特定多数の利用者がプリンタを使用する構成に適している。更に出力端末512で暗証番号やパスワード等を管理する負担がない。
上記の印刷依頼は、ユーザから送信する電子メールに含まれる印刷データに対する印刷依頼ではなく、サービス業者サーバ513乃至515が提供する印刷データに対する印刷依頼であっても良い。例えば、サービス業者サーバ513が地図を出版する業者であるとする。ユーザコンピュータ511のユーザは、インターネットを介してサービス業者サーバ513に、所望の地図の印刷データの配送依頼を電子メールで送信する。サービス業者サーバ513は、データ配送依頼の電子メールを受け取ると、依頼された地図のデータとユーザを示す識別情報とを電子メールとして、出力端末512に送信する。またサービス業者サーバ513は、ユーザ(ユーザコンピュータ511のユーザ)に対して、印刷データが出力端末512に配送済みで印刷可能状態にあることを、電子メールで通知する。
通知メールを受信したユーザは、例えばコンビニエンスストア等の出力端末512が設置された場所に赴き、出力端末512に識別子を入力する。例えば電子メールアドレスを識別子として使用する場合には、ユーザは、出力端末512を直接操作して電子メールアドレスを入力する。これに応答して、出力端末512は、入力された電子メールアドレスに対応する印刷データを印刷する。
サービス業者サーバ513乃至515に対する印刷依頼は、ユーザコンピュータ511からではなく、出力端末512をユーザが操作することにより行っても良い。このような機能を設けると、例えば自社のサーバに必要な文書を予め用意しておけば、出張先や顧客先近くの任意の出力端末でインターネット回線を介して文書を入手して印刷することが可能となり、大量の書類等を持ち歩く必要がなくなる。
また上記説明では、印刷データをプリンタ等の印刷機器で出力する構成としたが、データは印刷データに限られず、また出力の形態も印刷という形態に限られない。例えば、音楽ディジタルデータをアナログデータとしてカセットテープに録音するという形態で出力してもよく、動画ディジタルデータをアナログデータとしてビデオテープに録画するという形態で出力してもよい。例えば、サービス業者サーバ513乃至515からディジタルデータを取り寄せて、アナログデータとして出力することになる。この場合、ユーザ所有となるのはアナログ形式のデータであるので、ディジタルデータが出回り高品質なコピーが無制限に作成されることを防止して、著作権を保護することが可能となる。
また或いは、配送された音楽ディジタルデータを出力端末12からその場で音声として出力してもよく、動画ディジタルデータを出力端末12においてその場で動画表示して出力してもよい。
本発明の実施の形態を図2〜図4を参照して説明する。図2は本発明による出力端末の第1実施例の構成図、図3は第1実施例のデータ蓄積動作のフローチャート、図4は第1実施例の蓄積データ出力動作のフローチャートである。
図2において、1、2及び3は、それぞれFAX回線網、インターネット回線網及び有線LAN回線網と接続され、該回線網よりデータの受信及び送信を行う送受信部、4は親展用蓄積部4A、出力用蓄積部4B及び保管用蓄積部4Cで構成され、データを蓄積する蓄積部、5は入出力制御部、6はフォーマット変換部、7は入力部、8はディジタルデータの入出力を行うインタフェース(I/O)、9は表示部、10はスキャナ、11は印刷部、12は音声出力部、13は出力変換部及び17は処理を行うプロセッサ(CPU)である。
次に、図3を参照して、蓄積部4へのデータの蓄積動作について説明する。なお図3は送受信部2と接続されたインターネット回線よりデータの受信が生じた場合を示している。
ステップS10では、入出力制御部5は、送受信部2にインターネット回線網より受信が有ったか否かを判定し、判定がYESとなるまで待機する。
ステップS11では、入出力制御部5は、受信されたデータに親展用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS12に移る。
なお親展用識別子としては送信元を特定できる送信元識別子、送信先を特定できる送信先識別子又はこれら両方を識別子としてもよく、又はパスワードでもよい。
ステップS12では、入出力制御部5は、受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。
ステップS11での判定がNOの場合はステップS13に移り、入出力制御部5は、受信したデータに保管用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS14に移り、保管用蓄積部4Cに受信したデータを蓄積する。この保管用蓄積部4Cは、図1に示されるサービス業者サーバ513乃至515等からインターネット回線上のディジタル文書を入手して、出力端末12に印刷する場合等に、入手したディジタル文書を格納しておくための記憶部である。
またステップS13での判定がNOの場合はステップS15に移り、入出力制御部5は、出力用蓄積部4Bに受信したデータを蓄積する。
なお以上の説明はインターネットを対象としたものであるが、FAX及び有線LANの場合はFAX文及びLANの転送データの先頭に識別子を付加し、図3で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
また、入力部7で入力して生成されたデータ、I/O8を介して入力されたデータ及びスキャナ10でスキャンされたデータ等の識別子が付加されていないデータに対しては、入力部7より、これらのデータの蓄積に先だって識別子を入力させて図3で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
次に図4を参照して、蓄積部4よりのデータの出力動作を説明する。なお図4は親展用蓄積部4Aよりの出力動作を示している。
ステップS20では、入出力制御部5は、識別子として送信先識別子が付加されているデータが有るか否かを判定し、送信先識別子が有るものに対してはステップS21に移って送信先を読取る。
ステップS22では、入出力制御部5は、ステップS21で読取った送信先がFAX回線網、インターネット回線網又は有線LAN回線網のいずれに属するものであるかを判定し、判定された回線網に対応してフォーマット変換部6に指令して親展用蓄積部4Aより読出したデータをフォーマット変換する。
ステップS23では、入出力制御部5は、対応する送受信部1、2又は3に指令して、フォーマット変換されたデータを送出する。
また、ステップS20での判定がNOの場合、すなわち送信先の識別子がないデータに対しては、ステップS24に移って入力部7より識別子を入力させる。
ステップS25では、入出力制御部5は、ステップS24で入力された識別子と同じ識別子が付加されているデータが有るか否かを判定し、一致する識別子が有る場合はステップS26に移る。
ステップS26では、入出力制御部5は、ファイルより出力変換を読取り、印刷の場合はステップS27に移って印刷部11で蓄積データの印刷を行う。
なお印刷するデータがFAXの場合は出力変換部13で帯域圧縮を解除させ、また符号文データの場合は出力変換部13で符号を文字のドットデータに展開して印刷部11で印刷が行われる。
またステップS26での出力変換が音声の場合はステップS28に移り、音声データが帯域圧縮されていれば出力変換部13で帯域圧縮を解除し、アナログ信号に変換して音声出力部12に出力する。
またステップS26での出力変換が画像の場合はステップS29に移り、入出力制御部5は、動画であるか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS30に移り、動画プログラムを立上げ、ステップS31に移って、動画又は静止画を表示部9で表示させ、ステップS32に移って出力されたファイルの削除が行われる。
なおファイルの削除は後で説明するようにファイルよりデータが読出されてから所定時間後に削除されるために、出力したデータを持帰りたい場合はI/O8に例えばテープ等のアナログ記録媒体を接続してコピーすることもできる。
以上説明したように、送信先識別子があるファイルは自動的にファイルデータが中継され、その他のファイルに対してはパスワードに対応する識別子を入力させ、識別子が一致するものに対してのみ出力ができるようにしているため、機密を保護することができる。
以上は親展用蓄積部4Aに蓄積されているデータの出力を説明したが、出力用蓄積部4Bに蓄積されているデータに対しては、入出力制御部5は、図4で説明したステップS20〜S24をスキップして、自動的にステップS25〜S32を実行する。即ち、出力端末が受信したディジタルデータは、自動的に印刷、音声再生、或いは動画再生されることになる。この際、例えば印刷の場合等には、出力結果を他人に見られてしまうという問題があるが、ユーザは、出力端末の設置場所で印刷を指示してから印刷が終了するまでの時間を待つ必要がない。
また保管用蓄積部4Cに蓄積されているデータに対しては、ステップS20〜S23をスキップして、ステップS24で識別子が入力され、ステップS25〜S32が実行される。なおステップS24での識別子の入力に際しては、蓄積されているファイルの識別子を表示部9に表示させて、ユーザに選択させるようにしてもよい。
このように識別子を表示させて選択させるようにしたことにより、蓄積されているファイルのデータが公表を対象にするデータの場合、容易に必要なものを表示又は印刷出力することができる。
以上説明した実施例は本発明の出力端末をファクシミリ装置に装着した場合を想定したものであるが、プリンタ、ディジタル複写機又はそれにファクシミリ及びプリンタ機能を合せた複合機、又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に装着してもよい。
次に、図5〜図7を参照して、本発明の第2の実施例を説明する。図5は本発明による出力端末の第2実施例の構成図、図6は蓄積管理部の構成、図7は第2実施例の動作フローチャートである。
第2の実施例の構成は、図5に示されるように、図1で説明した第1の実施例の構成に蓄積管理部14が追加される。
第2の実施例は第1の実施例で説明した蓄積部4に蓄積されているデータの管理を行わせるものである。
追加した管理部14は、図6に示されるように基準時間発生部14A、MAXTIME0(MT0)記録部14B、MAXTIME1(MT1)記録部14C、及び型(TYPE)時間(T)記録部14Dで構成される。
MT0には予めデータが蓄積されてから削除するまでの時間、例えばMT0=24時間が、MT1にはデータが読出されたものに対して削除するまでの時間、例えばMT1=1時間が記録されており、これらの値は入力部7より入力して変更することができる。
次に、図7を参照して、蓄積管理部14の動作を説明する。
ステップS40では、蓄積部4にデータの蓄積が完了したことを検知するとステップS41に移って、蓄積されたファイルに対する型時間記録部14DのTYPE及びTを共に0にセットする。
ステップS42では、基準時間発生部14Aで基準時間T0、例えばT0=10分経過したか否かを判定し、判定がYESとなるまで待機する。
ステップS43では、型時間記録部14Dに記録されている時間Tの値にT0を加算して再記録する。
ステップS44では、型時間記録部14Dの型TYPEが0であるか否かを判定する。
なお後述するようにTYPE=0の場合は蓄積部4よりデータが読出されたことが無い場合を、またTYPE=1は読出されたことが有る場合を示している。
ステップS44での判定がYESの場合はステップS45に移り、ステップS43で加算された時間TがMAXTIME0記録部14Bに記録されている値であるMT0より大か否かを判定し、判定がYESの場合はステップS46に移り当該ファイルを削除する。
すなわち、MT0時間内に1度も読出しが行われなかったファイルを削除する。
ステップS45の判定がNOの場合はステップS47に移り、蓄積部4に蓄積されている当該ファイルよりの出力(読出)が有ったか否かを判定し、読出しが無かった場合はステップS42に移り、ステップS42〜S47が繰返される。
またステップS47での判定がYESの場合はステップS48に移り、型時間記録部14Dの型のTYPEの値を1に、時間Tを0にセットし、ステップS42に移り、ステップS42〜S44が実行される。
ステップS44の判定がNO、すなわちファイルよりの読出しが行われたものに対してはステップS49に移り、型時間記録部14Dに記録されている時間TがMAXTIME1記録部14Cに記録されている時間MT1(=1時間)より大か否かを判定し、判定がYESの場合はステップS50に移って当該ファイルを削除する。
すなわち読出しが行われたファイルに対しては読出が行われてからMT1時間経過したものは削除する。
ステップS49での判定がNOの場合はステップS51に移り、再度ファイルよりの読出しが行われたか否かを判定し、判定がNOの場合はステップS42に移り、ステップS42〜S44及びステップS49〜S51が繰返される。
またステップS51での判定がYESの場合はステップS52に移り、型時間記録部14Dの時間Tを0にリセットし、ステップS42に移り、ステップS42〜S44及びS49〜S52が繰返される。
すなわち、ファイルより読出しが再度行われた場合は、ファイルの削除を再度延長するようにしている。
なお実施例ではMAXTIME0記録部14B及びMAXTIME1記録部14Cに記録させるMT0及びMT1を入力部7より入力させるようにしていたが、蓄積部4の残り蓄積容量(データの蓄積が可能な容量)を検出し、検出された容量に応じてMT0,MT1又はMT0とMT1の双方を変更するようにしてもよい。
次に、図8〜図10を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。
図8は本発明による出力端末の第3実施例の構成図、図9は著作権情報の具体例、図10は第3実施例の動作フローチャートである。
第3の実施例は、図8に示されるように、図5で説明した第2実施例の構成に著作権管理部15が付加される。
次に、図10を参照して、第3実施例の動作を説明する。
ステップS60では、著作権管理部15は、蓄積部4よりデータが読出され、印刷部14で印刷するデータに著作権情報が記録されているか否かを判定し、記録されていない場合はステップS61に移って通常の印刷動作を実行する。
またステップS60で著作権情報が記録されている場合はステップS62に移り、著作権情報を表示部9に表示する。
著作権情報としては、図9に示されるように、著作権が設定されていることを示す〔CopyrightInfo〕に続いて著作者と著作年を示すString、著作権利用料金を示すPrice、本発明の出力端末が設置されている店頭のPointofSale(POS)端末に入力可能な品種コードを示すPOSCode、及び著作権情報及び決裁済を印刷する位置を示すPrint等によって構成される。
ステップS63では、Printで示される位置を変更したい場合はステップS64に移って入力部7より入力して変更する。
ステップS65では、印刷部11で印刷した印刷物に図10で説明したString,Price及びPOSCodeをPrintで示される位置に印刷する。
ステップS66ではPriceで示される著作権利用料金を表示すると共に図示しないメモリに利用料金を記録する。
次に、図11〜図14を参照して、本発明による出力端末の第4実施例を説明する。図11は第4実施例の構成図、図12は第4実施例に用いられる蓄積部4の構成図、図13は第4実施例に用いられる蓄積データ保護部の構成図、図14は第4の実施例の動作フローチャートである。
第4の実施例は、図11に示されるように、図8で示される第3の実施例の構成に蓄積データ保護部16が追加される。
蓄積部4は膨大なデータが蓄積されることもあり、これらの蓄積データを電源が断となっても蓄積しておく必要があることから、例えば磁気ディスク装置で構成される。
また蓄積部4を出力端末より取りはずして蓄積されているデータを勝手に読取り出すことを保護する必要がある。
第4の実施例は蓄積部4に蓄積されているデータを勝手に読出すことを保護するためのものである。
このため蓄積部4には、図12に示されるように、パスワード記録部4D及び許可部4Eが追加される。
パスワード記録部4Dにはパスワードが記録される。
許可部4Eは電源がオンとなる毎に、後で説明する蓄積データ保護部16より転送されるパスワードとパスワード記録部4Dに記録されているパスワードとを比較し、一致したときのみ、以後のデータの読出及び書込を許可する。
蓄積データ保護部16は、図14に示されるように、パスワード記録部16A、設定時間記録部16B、基準時間発生部16C、暗号化部16D、乱数発生部16E及び制御部16Fで構成される。
次に、図14を参照して、第4の実施例の動作を説明する。
なお動作の開始は蓄積部4の電源がオンになる毎に開始される。
ステップS70では、制御部16Fは、パスワード記録部16Aに記録されている暗号化されたパスワードを読出し、ステップS71に移って暗号化部16Dにより復号してパスワードを得、ステップS72に移って蓄積部4に転送する。
ステップS73では、蓄積部4の許可部4Eは転送されたパスワードとパスワード記録部4Dに記録されているパスワードとが一致するか否かを判定する。一致しない場合は不一致を蓄積データ保護部16に転送し、処理を終了する。また一致するときはステップS75に移って蓄積部4への以後のデータを書込又は読出を許可し、ステップS76に移ってパスワード一致を蓄積データ保護部16に返送する。
ステップS77では、蓄積データ保護部16の制御部16Fは、基準時間発生部16Cで発生している基準時間より設定時間記録部16Bに記録されている設定時間との差の時間Tを算出し、ステップS78に移って算出された時間Tが所定時間T1より大か否かを判定し、判定がNOの場合は処理を終了する。
判定がYESの場合はステップS79に移り、乱数発生部16Eで乱数を発生させて新パスワードを生成し、ステップS80に移って、新パスワードがステップS71で復号したパスワードと一致した場合は再度ステップS79に移って新パスワードを生成させる。
ステップS81では、制御部16Fは、新パスワードを蓄積部4に転送する。
ステップS82では、許可部4Eは、転送された新パスワードをパスワード記録部4Dに記録し、ステップS83に移って蓄積データ保護部16に記録OKを返送する。
ステップS84では、制御部16Fは、記録OKが返送されると新パスワードを暗号化部16Dで暗号化し、ステップS85に移ってパスワード記録部16Aに記録し、ステップS86に移って基準時間発生部16Cで発生している基準時間を設定時間記録部16Bに記録して処理を終了する。
以上説明したように、本発明によればデータ転送方法が異なる回線によって転送されたデータ及び入力されたデータを、指定された転送先に転送又は印刷出力することができる。
また、以上のように対処できるためコストや設置スペースを低減することができる。
上記実施の形態では、例えば印刷データを印刷する出力端末は、ユーザが印刷依頼の電子メールを送信した先の出力端末である。従って例えば、ユーザが位置Aにある出力端末に印刷依頼をしたつもりが、誤って位置Bにある出力端末に印刷依頼してしまった場合等には、位置Aに印刷物を取りにいっても、印刷データが配信されておらず印刷出来ないという問題が生じる。これが例えば、会社の同一ビル内で2階に印刷データを送るつもりが8階に送ってしまったといった場合には、再度自分のコンピュータに戻って電子メール送信先を確認して、8階に取りに行くなどの対処が可能である。しかし自宅から誤ったコンビニエンスストアに送信してしまった場合等には、印刷データを送信したつもりのコンビニエンスストアに出向いて過ちに気が付いたのでは、対処するのに手間と時間がかかってしまう。以下の実施の形態では、このような過ちに容易に対処できるシステムを提供する。
本発明の更なる実施の形態を図15〜図17を参照して説明する。図15は本発明による出力端末の実施例の構成図、図16は本実施例のデータ蓄積動作のフローチャート、図17は転送動作のフローチャートである。
図15において、1、2及び3は、それぞれFAX回線網、インターネット回線網及び有線LAN回線網と接続され、該回線網よりデータの受信及び送信を行う送受信部、4は親展用蓄積部4A、出力用蓄積部4B及び保管用蓄積部4Cで構成され、データを蓄積する蓄積部、5は入出力制御部、6はフォーマット変換部、7は入力部、8はディジタルデータの入出力を行うインタフェース(I/O)、9は表示部、10はスキャナ、11は印刷部、12は音声出力部、13は出力変換部、20は転送用識別子送出部及び17は処理を行うプロセッサ(CPU)である。
次に、図16を参照して、蓄積部4へのデータの蓄積動作について説明する。
なお図16は送受信部2と接続されたインターネット回線よりデータの受信が生じた場合を示している。
ステップS10では、入出力制御部5は、送受信部2にインターネット回線網より受信が有ったか否かを判定し、判定がYESとなるまで待機する。
ステップS11では、入出力制御部5は、受信されたデータに親展用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS12に移る。
なお親展用識別子としては送信元を特定できる送信元識別子、送信先を特定できる送信先識別子又はこれら両方を識別子としてもよく、又はパスワードでもよい。
ステップS12では、入出力制御部5は、受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。
ステップS11での判定がNOの場合はステップS13に移り、入出力制御部5は、受信したデータに保管用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS14に移り、保管用蓄積部4Cに受信したデータを蓄積する。
またステップS13での判定がNOの場合はステップS15に移り、入出力制御部5は、受信されたデータが転送用識別子であるか否かを判定し、判定がNOの場合はステップS16に移り、出力用蓄積部4Bに受信したデータを蓄積し、また判定がYESの場合はステップS17に移り、受信した転送用識別子を図示しないメモリに記録する。
なお以上の説明はインターネットを対象としたものであるが、FAX及び有線LANの場合はFAX文及びLANの転送データの先頭に識別子を付加し、図16で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
また、入力部7で入力して生成されたデータ、I/O8を介して入力されたデータ及びスキャナ10でスキャンされたデータ等の識別子が付加されていないデータに対しては、入力部7より、これらのデータの蓄積に先だって識別子を入力させて図16で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
なお蓄積部4よりのデータの出力動作、即ち親展用蓄積部4Aに蓄積されているデータの出力、出力用蓄積部4Bに蓄積されているデータの出力、及び保管用蓄積部4Cに蓄積されているデータの出力に関しては、前記第1実施例の場合と同様であるので動作説明を省略する。
次に、図17を参照して、転送用識別子送出部20の動作を説明する。
第1実施例でも説明したように、ユーザは本発明の入力部7より識別子を入力し、入力識別子に対応するファイルを親展用蓄積部4Aからサーチし、サーチされた蓄積データを出力する。
しかし誤って別の出力端末にデータを送信してしまった場合には、ユーザが使用している出力端末からこのデータを出力させることができない。
転送用識別子送出部20は、誤って別の出力端末に蓄積されたデータを、使用中の出力端末に転送させるために、転送用識別子を自動的に送出する。
図17のステップS24(図4のステップS24に対応)において、識別子が入力されると、ステップS25(図4のステップS25に対応)で親展用蓄積部4Aより対応するファイルをサーチし、ステップS50に移る。
ステップS50では、転送用識別子送出部20は、ステップS25で一致するファイルが有るか否かを判定し、一致するファイルが有る場合は図4のステップS26に移り、図4で説明したステップS26〜S32が実行される。
ステップS50で一致するファイルが無い場合はステップS51に移り、表示部9に対応するファイル無しを表示し、ステップS52に移って他の出力端末よりデータを転送させるか否かを表示させる。
この表示に応答して、操作者が入力部7より「転送させない」を入力すると動作が終了する。
また「転送させる」を入力するとステップS53に移り、転送用識別子にステップS24で入力した識別子及び正規の転送先である自出力端末のアドレスを付加して、例えばインターネットに送出する。
なお転送用識別子の送出先としては、例えばオフィスならばオフィス内に設置されている出力端末のアドレスを予め記録させておき、記録されている全てのアドレスに対して転送用識別子を送出する。
また転送用識別子を送出して他の出力端末に蓄積されているデータを転送させ、転送したデータを直ちに印刷部11より出力させたい場合には、前述したように、転送されたデータを出力用蓄積部4Bに蓄積させるようにすればよい。このためには、親展用識別子及び保管用識別子を転送データに付加しない旨の指示を、識別子及び正規の転送先である自出力端末のアドレスに加えて、前述した転送用識別子に付加するようにすればよい。転送されるデータに親展用識別子及び保管用識別子の何れもが付加されていない場合には、図16において説明したように、転送されたデータは出力用蓄積部4Bに蓄積され、直ちに印刷部11より印刷出力される。
なお本実施例では、転送用識別子の送出は出力端末より行っていたが、送受信部1、2又は3と接続される例えばパーソナルコンピュータ等、転送用識別子が入力できる装置であれば、どのような装置からでも転送用識別子を送出することができる。またこの場合、データを転送させる転送先を指定することによって、目的とする出力端末より印刷することができる。
上記実施例では、任意の出力端末に送信されたデータを、任意の出力端末に転送して出力できる構成としたが、この構成では転送用識別子を全ての出力端末に対して送出することになり、出力端末や回線に対する負荷が大きい。このような構成の代わりに、例えば、1つの出力端末だけを電子メールによる印刷依頼の宛先として公開する構成にしても良い。この場合、公開された出力端末はマスター機として機能し、全ての印刷依頼及び印刷データはこのマスター機に蓄積される。このマスター機にインターネット回線を介して接続される出力端末を、例えば全国チェーンのコンビニエンスストアの各店にスレーブ機として設置しておけば、全国何処に設けられたスレーブ機からでも、マスター機に送信され格納された印刷データを入手して、印刷することが可能になる。
次に図16のステップS17で、転送用識別子が記録された場合の動作を、図18を参照して説明する。
転送用識別子が受信されると、以下に説明するように、転送用識別子に付加されたデータに基づき、対象であるファイルのデータを正規の送信先に転送する。
転送用識別子に付加されるデータは、図17で説明したように、蓄積部4に蓄積されているデータの識別子及び正規の送信先とで構成される。
図18において、送受信部1、2又は3より転送用識別子が受信されると転送動作が開始され、ステップS40で、入出力制御部5は、親展用蓄積部4Aに蓄積されているデータの識別子と受信した転送用識別子に付加された識別子とが一致するものをサーチする。
ステップS41では、サーチして一致するファイルが有る場合は、蓄積されているデータを転送用識別子に付加された正規の送信先(転送先)に対応する回線へのフォーマット変換をフォーマット変換部6で行い、ステップS42に移って、対応する回線網と接続されている送受信部1、2又は3より出力し、ステップS43に移って、転送したファイルを削除する。
以上説明した本実施例は本発明の出力端末がファクシミリ装置に装着した場合を想定したものであるが、プリンタ、ディジタル複写機又はそれにファクシミリ及びプリンタ機能を合せた複合機、又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に装着してもよい。
以上説明したように、本発明によればデータ転送方法が異なる回線によって転送されたデータ及び入力されたデータを、指定された転送先に転送又は印刷出力することができる。
また、以上のように対処できるためコストや設置スペースを低減することができる。
また誤ってデータが蓄積されても遠隔地より正規の送信先に容易に転送することができる。
以上の実施形態においては、電子メールで送信した印刷データは、受信した出力端末で所定のフォーマットに従って単に印刷するに過ぎない。従って、カラー印刷でなければ内容を認識しがたい特定のページだけをカラープリンタで印刷して、残りのページをコストの安いモノクロプリンタで印刷することで、全体のランニングコストを下げるといった処理をすることが出来ない。また会社内で使用するシステムにおいて、例えば1つの文書のうちで、一部のページは全支社に配布する必要があり、拠点となる支社では全ページを出力する必要がある場合等が考えられるが、この場合には、全支社の出力端末宛には特定のページだけ送付して、拠点となる支社の出力端末宛には全てのページを送付するといった具合に、ディジタル文書を予め分割して各支社に配送する必要がある。
以下の実施例では、1つの文書データを1つの電子メールで送信するだけで、各出力端末に指定の形式で出力させることが可能な構成について説明する。
本発明の更なる実施の形態を図19及び図20を参照して説明する。図19は本発明による出力端末の実施例の構成図、図20は本実施例のデータ蓄積動作のフローチャートである。
図19において、1、2及び3は、それぞれFAX回線網、インターネット回線網及び有線LAN回線網と接続され、該回線網よりデータの受信及び送信を行う送受信部、4は親展用蓄積部4A、出力用蓄積部4B及び保管用蓄積部4Cで構成され、データを蓄積する蓄積部、5は入出力制御部、6はフォーマット変換部、7は入力部、8はディジタルデータの入出力を行うインタフェース(I/O)、9は表示部、10はスキャナ、11は印刷部、12は音声出力部、13は出力変換部、21は処理定義記録部、22は関連転送先記録部、23は最適ルート選択部、及び17は処理を行うプロセッサ(CPU)である。
次に、図20を参照して、蓄積部4へのデータの蓄積動作について説明する。
なお図20は送受信部2と接続されたインターネット回線よりデータの受信が生じた場合を示している。
ステップS10では、入出力制御部5は、送受信部2にインターネット回線網より受信が有ったか否かを判定し、判定がYESとなるまで待機する。
ステップS11では、入力制御部5は、受信したデータに処理指示書が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS12に移って処理指示書を図示しないメモリに記録する。
ステップS13では、入出力制御部5は、受信されたデータに親展用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS14に移る。なお親展用識別子としては送信元を特定できる送信元識別子、送信先を特定できる送信先識別子又はこれら両方を識別子としてもよく、又はパスワードでもよい。
ステップS14では、入出力制御部5は、受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。
ステップS13での判定がNOの場合はステップS15に移り、入出力制御部5は、受信したデータに保管用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS16に移り、保管用蓄積部4Cに受信したデータを蓄積する。
またステップS15での判定がNOの場合はステップS17に移り、入出力制御部5は、出力用蓄積部4Bに受信したデータを蓄積する。
なお以上の説明はインターネットを対象としたものであるが、FAX及び有線LANの場合はFAX文及びLANの転送データの先頭に識別子を付加し、図20で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
また、入力部7で入力して生成されたデータ、I/O8を介して入力されたデータ及びスキャナ10でスキャンされたデータ等の識別子が付加されていないデータに対しては、入力部7より、これらのデータの蓄積に先だって識別子を入力させて図20で説明したと同様の動作を行わせて蓄積部4にデータを蓄積させる。
なお蓄積部4よりのデータの出力動作、即ち親展用蓄積部4Aに蓄積されているデータの出力、出力用蓄積部4Bに蓄積されているデータの出力、及び保管用蓄積部4Cに蓄積されているデータの出力に関しては、前記第1実施例の場合と同様であるので動作説明を省略する。
次に図20のステップS12で処理指示書が記録された場合について説明する。
図21に示すように、本社の端末コンピュータ51より全15頁のディジタル文書を送信することで、本社の出力端末52のカラー印刷装置で全文2部を印刷し、本社の出力端末53のモノクロ印刷装置で全文10部を印刷し、東京都内の顧客先の出力端末54に全文1部を送信し、札幌支社の出力端末55に1頁と3頁を1部送信し、札幌支社の出張所の出力端末56に1頁を1部送信し、札幌支社の出張所の出力端末57に1頁と10頁を1部送信するとする。
このような場合には、本社の端末コンピュータ51が、図22に示すような処理指示書をディジタル文書データに例えばファイルとして添付して、カラー印刷装置を備えた出力端末52に電子メールとして送出する。
図22に示すように、処理指示書は、行番号1、5、8、11、及び18の括弧〔〕内に転送先のアドレスが記載され、これに続くPrint=以下に印刷頁及び部数が記載されている。なおPrint=(1−15)*2は1頁より15頁までを2部印刷、Print=(1,3)*1は1頁と3頁を1部印刷することを示している。
またPrintに続く"Transfer="以下には転送先のアドレスが記載されている。
本社の出力端末52は、端末コンピュータ51よりディジタル文書及び図22に示す処理指示書を受信すると、処理指示書から自分自身の電子メールアドレスが括弧内に記載された文字列で始まる行を探す。この場合は行番号1が、自分自身の電子メールアドレスが括弧内に記載された文字列で始まる行である。この行番号1の次の行から、別の電子メールアドレスで始まる行番号5[monor@company.com]の前の行までの処理、即ち行番号2及び3に規定される処理が、出力端末52で実行する対象である。まず行番号2の指示に従って、自出力端末のカラー印刷装置を用いて、ディジタル文書の1〜15頁を2部印刷する。
更に出力端末52は、行番号3のTransferに記載されたアドレスmono@company.com宛に、処理指示書及びディジタル文書を電子メールとして転送する。同様にTransferに記載されたアドレスshisha@sapporo.company.com宛に、処理指示書及びディジタル文書を電子メールとして転送する。
Transferに記載された最後のアドレス03−4444−5555"G4FAX"は、G4FAXへのFAX転送を示す。電子メールの場合は転送先が処理指示書を解釈できるが、FAX機ではこれが不可能なので、転送元で処理指示書を解釈する。即ち、処理指示書から[03−4444−5555]のセクションを行番号8に見つけて、行番号9のPrint(1−15)*1を解釈して、解釈した内容でディジタル文書のFAX送信を実行する。
本社の出力端末52からディジタル文書と処理指示書とを受信した札幌支社の出力端末55は、処理指示書から自分自身の電子メールアドレスが括弧内に記載された文字列で始まる行を探す。この場合は行番号11が見つかるので、その後に続く行番号12及び13の処理を実行する。まず行番号12に従って、印刷装置より1頁と3頁を1部印刷する。また行番号13にはTransfer=が記載されているので、記載されている夫々のアドレスに対して、送信及び転送処理を実行する。
なお処理指示書と共に転送されるディジタル文書のデータとしては、Print=に記載された頁のみを転送するようにすれば、転送時間を短くすることができると共に、回線使用料金を少なくすることができる。
また図22に示すように、多くの転送先アドレスを記載する必要があるが、これらのアドレスをディジタル文書の送信者が全て覚えているのは困難であるので、容易に覚えることができる略記号で記載すると便利である。
そこで、本発明においては、図23の行番号3及び5に示されるように略記号で転送先を記載する。
このような略記号で転送先が記載されている場合は、出力端末52に処理定義記録部21を設け、図24に示すように、略記号に対する正規のアドレスを記録しておき、略記号を正規のアドレスに変更する。
また、図22の行番号3及び13で示されるように、何処に設置されている装置より転送させるかも記載する必要があるが、この指定は最適転送ルートである図21に示される構成を理解している者以外には記載できない。
また図22の行番号3に記載されているFAX電話番号03−4444−5555を、行番号13に記載されているFAX電話番号011−222−3333と誤って、図25に示されるように記載してしまう可能性もある。
そこで本発明では、図26の行番号3及び4に示されるように、転送ルートを意識することなく、全ての転送先のアドレスを最初の装置に対するTransfer=に記載するようにしてもよい。
図26で示されるような処理指示書が転送された場合は、最適ルート選択部23は、転送先(アドレス)の位置、データの転送が可能か否か、印刷装置の仕様等を参照して、図26の処理指示書を、最適転送ルートを明示した図22に示す処理指示書に変更する。
また、図21に示されるように、出力端末52にはcolor@company.comのインターネット回線アドレスと03−6666−7777のFAX回線の番号(アドレス)でアクセス可能であり、図27に示すように、各回線よりのアドレスを関連転送先記録部22に記録させ、最適なルートを選択するよう処理指示書を変更する。
次に、図28を参照して、処理指示に基づく動作を説明する。
図20のステップS12で処理指示書が記録されるとステップS40が実行される。
図28のステップS40では、入出力制御部5は、記録されている処理指示書の中のTransferに転送先として、図23で説明したように、略記号で記載された処理定義が記載されているか否かを判定し、判定がNOの場合はステップS42に移る。
ステップS40での判定がYESの場合は、ステップS41に移り、図24で説明した処理定義記録部21の記録を参照して略記号の転送先を正規の転送先(アドレス)に変更する。
ステップS42では、最適ルート選択部23は、処理指示書に記載された転送ルートが最適であるか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS44に移る。
ステップS42での判定がNO、すなわち、例えば処理指示書が図25及び図26で説明したものに対しては、ステップS43に移り、関連転送先記録部22の記録を参照して、図22に示す最適転送ルートで転送されるようTransferの転送先を変更する。
ステップS44では、入出力制御部5は、蓄積部4より転送させるファイルをサーチし、ステップS45に移って転送先に対応する回線へのフォーマット変換を行い、ステップS46に移って対応する回線と接続されている送受信部1、2又は3より蓄積されているディジタル文書を送出する。
なお送出に際しては本発明の入力装置が装着されている装置、例えば図21で示す札幌支社の出力端末55及び福岡支社の出力端末58に対しては、必要とする処理指示書が添付されて電子メールが転送される。
また出力端末53のモノクロ印刷装置に対しては、図22の処理指示の行番号6で1〜15頁を10部となっているので、1〜15頁のデータを10回送出して印刷させる。
ステップS47で、入出力制御部5は、未転送先が有るか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS44に移り、未転送先に対してステップS44〜S47を実行する。
未転送先が無い場合は、ステップS48に移って転送したデータに関するファイルを削除する。
以上説明した実施例は本発明の出力端末がファクシミリ装置に装着した場合を想定したものであるが、プリンタ、ディジタル複写機又はそれにファクシミリ及びプリンタ機能を合せた複合機、又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置に装着してもよい。
以上説明したように、本発明によればデータ転送方法が異なる回線によって転送されたデータ及び入力されたデータを、指定された転送先に転送又は印刷出力することができる。
また、以上のように対処できるためコストや設置スペースを低減することができる。
上記実施例に於いて、親展用識別子として例えば電子メールアドレスを用いる場合、同一の送信元から送信された印刷データは同一の識別子で印刷されることになる。従って例えば、あるユーザの電子メールアドレスを知っている第三者が、その電子メールアドレスを識別子として出力端末に入力すると、全ての印刷データを印刷することが出来てしまうことになり、セキュリティーが低いという問題がある。
以下の実施例では、簡便な方法でセキュリティーを高める構成について説明する。
本発明の更なる実施の形態を図29及び図30を参照して説明する。図29は本発明による出力端末の実施例の構成図、図30は本実施例のデータ蓄積動作のフローチャートである。図29において、前述の実施例と同一の構成要素は、同一の参照番号で参照される。
図29において、1、2及び3は、それぞれFAX回線網、インターネット回線網及び有線LAN回線網と接続され、該回線網よりデータの受信及び送信を行う送受信部、4は親展用蓄積部4A、出力用蓄積部4B及び保管用蓄積部4Cで構成され、データを蓄積する蓄積部、5Aは入出力制御部、6はフォーマット変換部、7は入力部、8はディジタルデータの入出力を行うインタフェース(I/O)、9は表示部、10はスキャナ、11は印刷部、12は音声出力部、13は出力変換部、17は処理を行うプロセッサ(CPU)である。本実施例に於いては入出力制御部5Aが、送信側で設定する送信側設定親展用識別子と受信側で設定する受信側設定親展用識別子と、何れか一方或いは両方を親展用識別子として用いて、親展制御を実行する構成となっている。
次に、図30を参照して、蓄積部4へのデータの蓄積動作について説明する。
なお図30は送受信部2と接続されたインターネット回線よりデータの受信が生じた場合を示している。
ステップS10では、入出力制御部5Aは、送受信部2にインターネット回線網より受信が有ったか否かを判定し、判定がYESとなるまで待機する。
ステップS11では、入出力制御部5Aは、受信されたデータに親展用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS12に移る。なお親展用識別子としては、送信元を特定できる例えば電子メールアドレス等の送信側親展用識別子を使用してよい。
ステップS12では、入出力制御部5Aの動作モードを判別する。動作モードには、送信側親展用識別子のみを使用するモード、受信側親展用識別子のみを使用するモード、送信側親展用識別子及び受信側親展用識別子を使用するモードがある。
送信側親展用識別子のみを使用するモードの場合は、ステップS13で、入出力制御部5Aは、送信側親展用識別子と共に受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。ここで親展用蓄積部4Aに格納するファイルには、例えば、データフィールドと、送信側親展用識別子を格納するフィールドと、受信側親展用識別子を格納するフィールドが含まれる。従ってこの場合は、例えば送信元の電子メールアドレスtaro@company.comが送信側親展用識別子フィールドに格納され、受信した例えばディジタル文書等のデータがデータフィールドに格納され、受信側親展用識別子フィールドは初期状態の値(例えば0)のままとされる。
受信側親展用識別子のみを使用するモードの場合には、ステップS14で、入出力制御部5Aは、受信側親展用識別子を生成する。例えば、電子メールを受信した年月日と時分秒を組み合わせて数字を生成し、生成した数字を受信側親展用識別子とする。一桁違いの番号で別のデータと取り違えることがないように、生成した数字から一定の法則で計算したチェックデジットを付加しても良い。このような数字の生成方法は、従来から数多く提案されている何れの方法でもよく、本発明においては特定の方法に限定されるものではない。
次にステップS15で、入出力制御部5Aは、生成した受信側親展用識別子例えば「052643」を、送信元に電子メールで返送する。更にステップS16で、入出力制御部5Aは、生成した受信側親展用識別子と共に受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。例えば生成した数字「052643」が受信側親展用識別子フィールドに格納され、受信した例えばディジタル文書等のデータがデータフィールドに格納され、送信側親展用識別子フィールドは初期状態の値(例えば0)のままとされる。
送信側親展用識別子及び受信側親展用識別子を使用するモードの場合には、ステップS17で、入出力制御部5Aが受信側親展用識別子を生成する。その後ステップS18で、入出力制御部5Aは、生成した受信側親展用識別子例えば「052643」を、送信元に電子メールで返送する。更にステップS19で、入出力制御部5Aは、送信側親展用識別子と、生成した受信側親展用識別子と、受信したデータを親展用蓄積部4Aに蓄積する。例えば送信元の電子メールアドレスtaro@company.comが送信側親展用識別子フィールドに格納され、生成した数字「052643」が受信側親展用識別子フィールドに格納され、受信した例えばディジタル文書等のデータがデータフィールドに格納される。
上記ステップS11での判定がNOの場合はステップS20に移り、入出力制御部5Aは、受信したデータに保管用識別子が付加されているか否かを判定し、判定がYESの場合はステップS21に移り、保管用蓄積部4Cに受信したデータを蓄積する。
またステップS20での判定がNOの場合はステップS22に移り、入出力制御部5Aは、出力用蓄積部4Bに受信したデータを蓄積する。
なお蓄積部4よりのデータの出力動作、即ち親展用蓄積部4Aに蓄積されているデータの出力、出力用蓄積部4Bに蓄積されているデータの出力、及び保管用蓄積部4Cに蓄積されているデータの出力に関しては、前記第1実施例の場合と略同様である。
即ち、送信側親展用識別子のみを使用するモードの場合には、第1実施例の場合と全く同様に、例えば自分の電子メールアドレスtaro@company.comを送信側親展用識別子として出力端末に入力することで、印刷依頼をした文書データを印刷出力することができる。また受信側親展用識別子のみを使用するモードの場合には、例えば出力端末から返送された受信側親展用識別子「052643」を出力端末に入力することで、印刷依頼をした文書データを印刷出力することができる。また送信側親展用識別子及び受信側親展用識別子を使用するモードの場合には、例えば送信側親展用識別子である電子メールアドレスtaro@company.comと、出力端末から返送された受信側親展用識別子「052643」を出力端末に入力することで、印刷依頼をした文書データを印刷出力することができる。
この際、出力端末が受信するデータは印刷データに限られず、また出力の形態も印刷という形態に限られない。例えば、音楽ディジタルデータをアナログデータとしてカセットテープに録音するという形態で出力してもよく、動画ディジタルデータをアナログデータとしてビデオテープに録画するという形態で出力してもよい。また或いは、配送された音楽ディジタルデータを出力端末からその場で音声として出力してもよく、動画ディジタルデータを出力端末においてその場で動画表示する等して出力してもよい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載される範囲内で自由に変形・変更が可能なものであると意図される。