JP4425864B2 - 表面上に色彩を適用する耐変色性物品、及び表面上に色彩を適用する物品において変色を低減する方法 - Google Patents

表面上に色彩を適用する耐変色性物品、及び表面上に色彩を適用する物品において変色を低減する方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面上に色彩を適用する物品及び方法に関し、より詳細には、物品が適用される表面からの異質の染料及び色素のような外因性薬剤の移動の結果として生じる変色に耐える、表面に色彩を適用する物品と、変色の原因である外因性薬剤の移動を緩和又は防止する方法とに関する。
ドライカラー成分のような視覚的に知覚可能な色彩効果の薄シートが、色彩を適用するために、結合層、通常は接着剤によって、表面に接着固定されることがある。塗料コーティング中の色素のような、表面中若しくは表面上に存在する外部由来の物質又は剤は、結合層中に可溶化(すなわち、溶解)し、視覚的に知覚可能な色彩効果のシートに透過物として移動することがある。視覚的に知覚可能な色彩効果のシート中に、表面に由来し、シートに移動した、特定の外因性薬剤が存在すると、物品によって提供される色彩効果の変色をまねくことがある。例えば、変色は、結合層によって一部が可溶化され、続いて結合層を通って視覚的に知覚可能な色彩効果のシートへと移動する、一般的な壁塗料中に見られる有機色素によって引き起こされることがある。例えば、表面からのモノアゾ系色素の移動によって、シートが黄変することがある。しばしば、視覚的に知覚可能な色彩効果のシートには、物品からの外因性薬剤の揮発及び放出を妨げ、それによってシート中の外因性薬剤の蓄積及びそれに付随した変色を早めることのある、トップコートが含まれる。視覚的に知覚可能な色彩効果のシート中の外因性薬剤の濃度、したがって変色度は、物品の寿命を通じて増大する。高温、並びに、エチレングリコール、凝集助剤、及び水のような、塗料中の低分子量の構成成分は、外因性薬剤の移動を加速させることがあり、それが同様に変色を加速させる。
本発明の原理によれば、外因性薬剤を含有する表面に視覚的に知覚可能な色彩効果を伝える物品が提供される。物品には、一般に、視覚的に知覚可能な色彩効果のシートと、シートによって保持された、シートを表面に結合させることが可能な結合剤と、取り外し可能にシートを覆う剥離可能なライナーとが含まれる。本発明の一態様では、物品に、シートと結合剤との間に位置するバリア層を含めてよい。バリア層は、表面からシートへの外因性薬剤の移動を低減するのに有効である。様々な特定の実施形態では、バリア層に、ガラスコーティングされたポリマー、セラミックコーティングされたポリマー、ケイ酸ナトリウム含有組成物、アニオン性層及びカチオン性層の少なくとも一方、又はナノ複合材を含めてよい。バリア層には、所望により、不織布材料、金属化された材料、セルロース系材料、及び/又はポリマー層を組み込んでもよい。
バリア層の代わりに、又はバリア層に加えて、物品のシート、結合剤、接合層、及び/若しくはバリア層に、外因性薬剤を捕捉して表面からシートへの外因性薬剤の移動を低減することが可能な、スカベンジャー材料を含めてもよい。さらに他の代替的な諸実施形態では、物品のシート、結合剤、接合層、及び/又はバリア層に、表面からシートへの外因性薬剤の移動を低減するように外因性薬剤を修飾可能な、中和剤を含めてよい。本発明のさらに他の実施形態では、外因性薬剤を含有する表面に視覚的に知覚可能な色彩効果を伝える物品において、当該物品の結合剤が、外因性薬剤について、表面中の外因性薬剤の溶解度とは大きく異なる溶解度を有する。本発明のさらに他の実施形態では、結合剤が変色を抑制する。
本発明によれば、視覚的に知覚可能な色彩効果を伝える層状物品の変色を防止且つ低減する方法が提供される。当該方法には、外因性薬剤を含有する表面への適用のために層状物品を適合させる工程と、層状物品の1つ以上の層にバリア層、スカベンジャー材料、及び/若しくは中和剤を追加することによって、又は、層状物品の1つ以上の層中の外因性薬剤の溶解度を、表面中の外因性薬剤の溶解度とは大きく異なったものに調節することによって、表面から視覚的に知覚可能な色彩効果を提供する層状物品の部分への外因性薬剤の移動を低減するように層状物品を修飾する工程とが含まれる。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の諸実施形態を示しており、以上で与えた本発明の概要及び以下で与える諸実施形態の詳細な説明と相まって、本発明の原理を説明する働きをする。
本発明は、色彩を提供する材料が、物品が適用される表面から色彩をもたらす物品の部分への外因性薬剤の移動、拡散、若しくはブルーミングの結果として生じる変色を起こさないように保護される、表面上に色彩を適用する物品及び方法を目的とする。本明細書で使用する時、用語「色彩」は、色彩効果、すなわち、色覚の相違を指すために使用される。特定の一実施形態では、色彩効果は、実質上永久的な色彩効果であり、すなわち、日常的な接触や軽度の洗浄などによって除去されず、又は顕著に減少しない色彩効果である。ゆえに、実質上永久的な色彩効果は、チョーク若しくはクレヨンによって提供されるような、容易に除去又は低減され得る一時的な色彩効果とは区別される。用語「色彩成分」は、本明細書では、色彩効果を提供する本発明の物品の構成要素を指すために使用される。また、トップコート若しくはオーバーコートを色彩層の上に適用してもよい。使用時に、物品がさらに他の機能的効果を表面に提供できることを理解すべきである。物品の主要な機能は、色彩又は他の美的効果の提供だけに制限されない。
用語「表面」は、本明細書では、色彩成分をその上に受け取ることが可能な対象物若しくは基材のいずれかの外層又は境界を指すために使用される。適した表面は、ほぼ二次元的且つ平坦なものであってよく、又はほぼ三次元的で曲線や傾斜部分などを含んだものであってよい。一実施形態では、本発明の物品及び方法を使用して色彩成分が適用される表面は、建築表面、すなわち、建物、建物の備品(すなわち、設備)、家具などの表面を含む。建築物の表面は、建物内の内表面であってよく、又は建物の外側部分の外表面であってよい。ほぼ三次元的な建築表面には、繰形(例えば、窓若しくは戸口周辺の繰形)、床板、設備、家具、床、調理台などのような二次元的表面の縁部処理を含めることができる。建築表面は、永久的に設置されたものであってよく、又は一時的に設置されたもの若しくは移動可能なものであってよい。本発明の製品は、さらに、物品の表面に適用して、それらに同一又は異なる建築表面の質感及び/又は外観を与えることもできる。例えば、本発明の製品を使用して、設備、家具、及び他の建築物品に色彩層を適用することができる。本発明の物品及び方法を使用して色彩を適用するのに適した他の表面は、本開示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
図1を参照すると、本発明によれば、表面16上に色彩を適用する物品10は、ドライカラー成分のような視覚的に知覚可能な色彩効果のシート12と、接着剤のような結合剤14と、シート12を覆う剥離可能なライナー18と、結合剤14の間に配置されたバリア層20とを含む。シートには、これらに限定するものではないが、ポリマー類、例えば、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリフッ化ビニリデン類、ポリアクリレート類、セルロース系材料など、並びにそれらのブレンド及びコポリマー類を含め、いずれか適した材料で形成されたトップコート15を含めてよい。結合剤は、物品10の環境周囲温度でシート12を表面16に接着可能ないずれかの物質である。本発明の特定の諸実施形態では、シート12は、厚さが約0.084mm(0.0033インチ又は3.3mil)以下であってよい。
剥離可能なライナー18は、取り外し可能であり、シート12を表面16に適用するのと同時に、又は適用した後で除去されるように、意図され、適合されている。通常、剥離可能なライナー18は、シート12からライナー18を剥ぎ取ることによって取り外される。剥離可能なライナー18は、例えば剥離可能なライナーがフィルム形態のときに、且つ/又は、製造、保管、及び使用時の物品の取り扱いを容易にするために、シート12に構造的支持及び/若しくは強度を与えており、所望により、シート12に仕上げをもたらすために使用してもよい。代表的な物品10については、同一出願人による特許出願第10/324,237号(commonly-assigned Application Serial No.10/324,237)、名称「表面上に色彩を適用する物品及び方法(Articles and Methods for Applying Color on Surfaces)」に記載されており、その開示の全体を本明細書に参考として組み込む。
本明細書では、「垂直」「水平」「下」「上」などのような用語は、基準系を構築するために一例として言及するものであって、制限を目的としたものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な基準系を使用してよいことが理解される。
引き続き図1を参照すると、バリア層20は、予防的なバリア層20であってよく、着色されるべき表面16に由来する、図1に図示され参照番号21で標示された異質の(例えば、外部由来の)物質若しくは剤のシート12への、これらに限定するものではないが拡散及び移動を含めたメカニズムによる移動をなくし、又は少なくとも大幅に遅延させる働きをする。外因性薬剤21は、それがシート12中に有限の濃度で存在することから異物となる剤、又はシート12中に普通に存在する剤の既存の濃度を増大させることによって異物と見なされる剤と理解される。そのような外因性薬剤21の1つは、物品10が適用される前に表面16上に存在し、又は表面16を覆い、結合剤14がそれによって機械的に連結されて物品10を表面16に結合させる、既存の塗料層のような既存の層中に存在する有機色素又は染料である。
バリア層20は、外因性薬剤21の通過又は浸透に対する不透過性又は不浸透性バリアを画定することによって移動を阻止し、妨害し、ないしは別の方法で防止して、変色の発生を防止するなど、物品12の特性の低下を防止又は軽減する、物理的バリアとして作用してよい。別法として、バリア層20は、色彩のようなシート12の特性が、少なくとも表面16に色彩を与える物品10の寿命にわたって、知覚できるほどには作用を受けないように、外因性薬剤21の移動速度を減速又は遅延させてもよい。バリア層20の厚さ及び特性は、所望の阻止又は遅延をもたらすように調節される。バリア層20は、厚さが約0.064mm(2.5mil又は0.0025インチ)以下であり、本発明の特定の諸実施形態では、バリア層20は、0.025mm(0.1mil又は0.001インチ)以下の薄さであってよい。
バリア層20は、図1では、物品10の層状構造に識別可能な層、階層、又は薄層として組み込まれたものとして示されている。本発明の代替的な実施形態では、バリア層20と同一の特性を特徴とするバリア層20aを、結合剤14の構成要素として組み込んでもよい。さらに他の代替的な実施形態では、バリア層20と同一の特性を特徴とするバリア層20bを、シート12の構成要素として組み込んでもよい。バリア層20a及び20bは、それぞれ、結合剤14又はシート12の厚さの中に配置された、層、階層、又は薄層として分離させてよく、或いは、結合剤14又はシート12のうち対応するものの厚さ全体を通じて一様に配置してもよい。バリア層20、20a、及び20bは、個別に使用してよく、又は任意の順列若しくは組み合わせで物品10に組み込んでよい。各バリア層20、20a、及び20bは、本明細書に記載した候補材料の2つ又はそれ以上と組み合わせてよい。本明細書に記載したバリア層20の特性は、バリア層20a及び20bに等しく当てはまるものと理解される。
一般に、バリア層20に必要な特徴及び特性は、とりわけ、外因性薬剤21の個性及びバリア層20内でのその輸送メカニズムに左右される。幾つかの因子が、バリア層20のような材料内での外因性薬剤21のような剤の輸送特性に影響を与えることで知られている。ポリマー鎖を1つに保持する力の強度が増大するにつれて外因性薬剤の移動が減少すると考えられているので、バリア層20を形成するポリマーの化学的性質は、輸送に影響を与える。ポリマー主鎖は、鎖間に働く力を決定する際の重要な因子であると認識されている。剤を移動又は浸透させるには、ポリマー鎖がわきに移動するか、又は開かなければならない。ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、エステル、及びアミド結合を含んだポリマー類が、バリア層20のための代表的な候補材料であるが、本発明は、それだけに限定されない。一般に、物品10が適用される表面16の環境周囲温度条件を上回るガラス転移温度を有するいずれのポリマーも、鎖間に加わる十分な強度の力を有する。
バリア層20内での外因性薬剤21の輸送に影響を与える他の因子は、バリア層20を形成するポリマーの、水分に対する影響の受けやすさである。
そのバリア特性が水素結合に依存する、極性材料のバリア特性は、水の存在下では低下する。水は、ポリマーを膨張させ、それが鎖間に加わる力を低減させ、浸透を可能にする。そのような極性結合を特徴とするポリマー類には、これらに限定するものではないが、エステル類及びシアノが含まれる。
バリア層20内での外因性薬剤21の輸送に作用するさらに他の因子は、バリア層20を構成するポリマーのパッキング度、結晶化度、及び配向性である。バリア層20の結晶化度が増大すると、自由体積が減少するので、バリア特性が改善される。配向性が増大すると、剤が移動するための経路がより曲がりくねった経路になるので、やはりバリア特性が改善される。ただし、結晶化度及び配向性の増大につれて、材料の剛性も増大し、それが物品10の可撓性を低減する。
バリア層20内での外因性薬剤21の輸送に影響を与えるさらに他の因子は、シート12又は結合剤14と接触するポリマー表面の性質である。親水性若しくは疎水性表面及び/又は極性若しくは非極性表面は、表面16からの外因性薬剤21の移動を防止し、或いは少なくとも低減又は遅延させることができる。
バリア層20内での外因性薬剤21の輸送に影響を与える他の因子は、添加剤及び変性剤の存在である。添加剤は、通常、鎖間に加わる力を低減する働きをして、ポリマー類を可撓性にし、したがって浸透を増大させる。バリア特性が不十分なポリマーを、許容可能なバリア特性を有するポリマーとブレンドすると、不十分なバリア材料のバリア性が増大する。
本発明の特定の一実施形態では、バリア層20は、約3重量%〜約40重量%の水ガラス又はケイ酸ナトリウム(Na2Si42)、約3重量%〜約40重量%のポリマー、及び約20重量%〜約24重量%の水という組成を有する。バリア層としてのケイ酸ナトリウムの使用については、米国特許第1,365,715号及び同第5,460,855号に記載されており、それらの開示の全体を本明細書に参考として組み込む。組成中のポリマーは、そのようなバリア層20に可撓性を与え、水の存在は、組成物を希釈して、コーティング適用プロセスを容易にする。ケイ酸ナトリウムは、高温で、砂とソーダ灰(すなわち、炭酸ナトリウム)とを様々な比率で組み合わせ、又は融合させることによって製造される。
本発明の他の特定の実施形態では、バリア層20には、外因性薬剤21を捕捉又は捕獲可能な、アニオン性層及びカチオン性層のうちの少なくとも一方が含まれる。そのようなアニオン性層及びカチオン性層を物品10に組み込むのに適した技術の1つは、シート12を水性分散体でコーティングすることによる。適したカチオン性及びアニオン性の水性分散体については、米国特許第6,576,327号に記載されており、その開示の全体を本明細書に参考として組み込む。特定のカチオン性及びアニオン性の水性分散体は、例えば、BASFアクチエンゲゼルシャフト(ドイツ、ルートヴィッヒスハーフェン(Ludwigshafen))から、商品名ACRONAL(登録商標)、BUTONAL(登録商標)、STYROFAN(登録商標)、及びPROPIOFAN(登録商標)として市販されている。アニオン性層は、正に帯電した外因性薬剤21を捕捉するのに有効であり、カチオン性層は、負に帯電した外因性薬剤21を捕捉するのに有効である。外因性薬剤21の帯電状態に関わらず、帯電した外因性薬剤の粒子すべてがシート12へと移動しないように捕捉且つ固定されるように、しばしば、バリア層20を、空間的に隔てられたアニオン性層及びカチオン性層から成る二層又は多層構造によって構成してよい。例えば、上流のアニオン性層は、正に帯電した外因性薬剤の粒子を捕捉し、負に帯電した外部由来の粒子を通過させ、それらの粒子が、表面16からより遠くにある下流のカチオン性層によって捕捉されることになる。別法として、二層又は多層構造のカチオン性層を、アニオン性層の上流に配置してもよい。別法として、アニオン性層又はカチオン性層のいずれかを、結合剤14の構成要素として提供し、又は混合してもよく、アニオン性層又はカチオン性層の他方が、別個の層として提供される。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20は、ガラスコーティングされたポリマーである。適したガラスコーティングされたポリマーには、これらに限定するものではないが、酸化アルミニウムコーティングされたポリエチレンテレフタレートポリマー類及びコポリマー類、酸化アルミニウムコーティングされたポリプロピレンポリマー類及びコポリマー類、酸化アルミニウムコーティングされたナイロンポリマー類及びコポリマー類、並びにこれらの材料の組み合わせが挙げられる。このようなガラスコーティングは、通常、透明な無機材料である。このようなガラスコーティングは、例えば、プラズマベースの蒸着法によって適用してよい。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20は、セラミックコーティングされたポリマーである。適したコーティング材料の1つは、酸化ケイ素(SiOx)であり、これは、化学量論的又は非化学量論的であってよく、前駆体源としてシランを使用する化学蒸着法によって付着させてよい。適したセラミックコーティングされた材料には、これらに限定するものではないが、酸化ケイ素コーティングされた配向ポリプロピレン、酸化ケイ素コーティングされたポリエチレンテレフタレート、酸化ケイ素コーティングされた配向ポリビニルアルコール、酸化ケイ素コーティングされたポリプロピレン、酸化ケイ素コーティングされたポリエチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20は、外因性薬剤21がシート12に到達するためにうまく通らなければならない曲がりくねった経路を作り出す、ナノクレイ系複合材料又は塑性ナノ複合材である。ナノクレイ系複合材料は、ナノクレイ小板状粒子、個々の小板状粒子のタクトイド、タクトイドの凝集体、又はこれらの混合物をポリマーホストマトリックス中に分散させることによって形成される。ナノクレイ小板状粒子は、平面的な寸法が当該構造の厚さよりも著しく大きい、複数の隣接結合層の形態を有するシート状構造に構成される。本発明の特定の諸実施形態では、ホストポリマー樹脂に組み込まれるナノクレイは、約0.5重量%より多くてよい。本発明の他の諸実施形態では、ホストポリマー樹脂に組み込まれるナノクレイは、約0.5重量%〜約25重量%の範囲であってよい。いずれにしても、ナノクレイの組み込み量は、ホストポリマー樹脂を貫通する曲がりくねった経路を画定するのに十分である。個々の小板状粒子は、厚さが約2nm未満で、直径が約10nm〜約5000nmの範囲であってよい。
ナノクレイ小板状粒子は、いずれか適した有機又は無機材料で構成されてよく、特に、フィロシリケートで構成されてよい。本発明で使用するのに適した天然フィロシリケート類には、これらに限定するものではないが、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、雲母、バーミキュライト、ベントナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、マガディアイト、及びケニヤアイトのようなスメクタイト粘土類が挙げられる。本発明で使用するのに適した合成フィロシリケート類には、これらに限定するものではないが、合成雲母、合成サポナイト、及び合成ヘクトライトが挙げられる。合成又は天然フィロシリケート類は、フッ素化によって、又は有機カチオンの添加によって、修飾してよい。本発明で使用するのに適したフィロシリケート類は、ナノコア・インコーポレーテッド(Nanocor,Inc.)(イリノイ州アーリントン・ハイツ(Arlington Heights))を含め、様々な供給元から市販されている。マトリックスに適したホストポリマー樹脂には、これらに限定するものではないが、ポリアミドポリマー類及びコポリマー類、ポリエチレンテレフタレートポリマー類及びコポリマー類、ポリプロピレンポリマー類及びコポリマー類、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。ナノクレイ小板状粒子は、天然、合成、及び修飾フィロシリケート類から得られるものであってよく、これらフィロシリケート類は、有機カチオン類の組み込みを可能にするように処理してよい。
本発明で使用するのに適した他のナノクレイ系ポリマー材料は、ナイロン6を主体とする、ハネウェル(Honeywell)から市販のAEGISナノ複合材バリア樹脂である。
ナノ複合材で使用するのに適した他の無機小板状粒子には、厚さ約3μm〜10μm、直径約4μm〜17μmの、アルミニウム又は亜鉛小板が挙げられる。これらの無機小板状粒子は、前述したいずれかのポリマーホストマトリックスに約0.1重量%〜3.5重量%の量で与えてよい。代表的なアルミニウム小板は、エックハート・アメリカL.P.(Eckhart America L.P.)(ケンタッキー州ルイビル(Louisville))から商品名METALURE(登録商標)で、アルミニウム色素分散体として市販されている。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20又はシート12は、曲がりくねった経路を画定する結晶化度を有するポリマーによって形成される。外因性薬剤21の移動に利用可能な構成ポリマーの自由体積が小さくなるように、バリア層20を形成するポリマーは、表面16に適用されるときの物品10の温度よりも高いガラス転移温度をもつべきである。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、結合剤14又はシート12は、外因性薬剤21について、表面16中の外因性薬剤21の溶解度とは大きく異なる溶解度を有してよい。結果として、外因性薬剤21は、表面16から結合剤14へと容易には移動しなくなる。結合剤14への外因性薬剤の進入が妨げられる場合、その後の結合剤14からシート12への移動は起こり得ない。この場合、結合剤14がバリア層20として働いている。結合剤14中の外因性薬剤21の溶解度は、結合剤14の構成分子間の結合強度を修正するように接着剤の化学的性質を変えることによって、変化させてよい。
シート12とバリア層20との間の接着、及び/又は結合剤14とバリア層20との間の接着を改善するには、適切な表面を、コロナ処理、表面積を増大させる標的表面の粗面化、標的表面の膨張、分子間混合又は相互拡散、結合剤の直接コーティング、共有結合又は分子間結合をもたらすための官能化ポリマーを含めた積層化の間の熱又は圧力の適用、エンボス加工やブラッシング若しくは他の機械的方法による、又は粒子の添加若しくは溶媒エッチングによる1つ以上の層の表面積の増大、並びにこれらの組み合わせのいずれかによって表面処理してよい。コロナ処理は、例えば、シート12を1対の離隔された電極間に通過させながら、当該シート12を高電圧コロナ放電に曝すものである。
本発明は、本明細書に記載した様々な種類のバリア層20のいずれも、単独で又は適合性のある組み合わせで使用し得ることを企図している。例えば、バリア層20を、ナノクレイ系複合材料の薄層及びケイ酸ナトリウムを含有する薄層を含めた2層構造によって構成してよい。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20には、さらに、バリア層20と協働して表面16からシート12への外因性薬剤21の移動を低減する、ポリマーのシート又はフィルムを含んでよい。ポリマーフィルムは、また、バリア層20とは異なる物品10の層状構造中の薄層として、或いはシート12中若しくは結合剤14内に配置された薄層として提供してもよい。様々な実施形態では、ポリマーシート又はフィルムは、ポリ塩化ビニリデンポリマー類及びコポリマー類、ポリビニルアルコールポリマー類及びコポリマー類、エチレンビニルアルコールポリマー類及びコポリマー類、ポリクロロトリフルオロエチレンポリマー類及びコポリマー類、アクリロニトリルメタクリレートポリマー類及びコポリマー類、ポリアクリロニトリルポリマー類及びコポリマー類、芳香族ポリアミドポリマー類及びコポリマー類、非晶質ポリアミドポリマー類及びコポリマー類、ポリエチレンテレフタレートポリマー類及びコポリマー類、ポリ塩化ビニルポリマー類及びコポリマー類、ポリフッ化ビニリデンポリマー類、液晶ポリマー類及びコポリマー類、ポリスチレン、ポリエチレン、アクリル、スチレン−アクリルコポリマー類、アルキド、ポリウレタン、ポリプロピレンポリマー類及びコポリマー類、配向ポリプロピレンポリマー類及びコポリマー類、セルロース系ポリマー類、コポリマー類、及びコーティング類、脂肪族ポリエステル類、ポリヒドロキシアルコナール類、ポリカプロラクトン類、ポリ乳酸、並びにこれらの組み合わせから成る群から選択される。ポリマーフィルムは、外因性薬剤21による侵入を妨げて、バリア層20が外因性薬剤21のシート12への移動を阻止又は制限するのを助ける。本発明は、物品10の層状構造において異なったポリマー層が必要ないように、シート12又は結合剤14に、列挙したポリマー類の1つを構成成分として含め得ることを企図している。
バリア層20においてポリマーフィルムとして使用するのに適した代表的なポリビニリデン(PVDC)ポリマーは、ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)(ミシガン州ミッドランド)から商品名SARANとして市販されている。ポリビニルアルコール(PVA)の代表的な市販供給元には、クラリアント・ゲーエムベーハー(Clariant GmbH)(ドイツ、フランクフルト)、及びE.I.デュポン・ド・ヌムール&カンパニー(E.I.Du Pont De Nemours & Co.)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))が挙げられる。代表的なエチレンビニルアルコールコポリマー類は、株式会社クラレ(Kuraray Co.,Ltd.)(日本、倉敷市)から商品名エバール(EVAL)(登録商標)として、また、日本合成化学工業株式会社(Nippon Gohsei)(日本、大阪)から商品名ソアノール(SOARNOL)(登録商標)として市販されている。適したポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE:polycholorotrifluoroethylene)の1つは、ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド(Honeywell International Inc.)(ニュージャージー州モリス郡区(Morris Township))から商品名ACLAR(登録商標)として市販されている。適したアクリロニトリルメタクリレートコポリマーは、BP,p.l.c.(英国ロンドン)から商品名BAREX(登録商標)として市販されている。代表的な芳香族ポリアミドは、三菱ガス化学アメリカ(Mitsubishi Gas Chemical America Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク)から商品名MDX6として市販されており、また、ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド(Honeywell International Inc.)(ニュージャージー州モリス郡区(Morris Township))及びBASFアクチエンゲゼルシャフト(ドイツ、ルートヴィッヒスハーフェン(Ludwigshafen))のような供給元からも市販されている。本発明で使用するのに適した非晶質ポリアミドは、E.I.デュポン・ド・ヌムール&カンパニー(E.I.Du Pont De Nemours & Co.)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))から商品名SELAR(登録商標)PAとして市販されている。代表的な液晶ポリマーは、チコナ(ニュージャージー州サミット(Summit))から商品名VECTRAN(登録商標)として市販されている。
ポリマーフィルムのポリマー(類)、コポリマー(類)、又は(コ)ポリマーブレンド(類)は、所望により、合成時に、又は非可逆的化学反応によって、隣接する鎖を互いに接合させることによって架橋させてもよい。架橋は、架橋した鎖に共有結合する付加原子又は分子によって達成してよい。架橋は、また、より弱い化学的相互作用、結晶子の一部、またさらには物理的もつれによって達成してもよい。架橋は、物品23が結合する表面16からシート12への外因性薬剤21の移動に対する、バリア層20の抵抗性を改善する作用をすることがある。ポリマーフィルムは、熱に曝されると軟化し、室温まで冷却されるとその元の状態に戻る熱可塑性樹脂、又は、加熱されると不可逆的に凝固する熱硬化性樹脂のいずれかから形成してよい。熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂とは対照的に、架橋することで知られている。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20には、さらに、1つ以上の熱可塑性ポリマー類で構成される、個々の合成繊維、長繊維、糸、短繊維長ポリマー繊維の絡み合った構造を有するウェブから成る、不織布ウェブを組み込んでよい。不織布ウェブは、また、物品10の層状構造中の、バリア層20とは異なる薄層として提供してもよく、或いはシート12若しくは結合剤14の薄層又は分散構成要素として提供してもよい。不織布ウェブは、例えば、メルトブローイング法、スパンボンディング法、及びボンデッドカードウェブ法のような多くの方法によって形成してよい。一般に、スパンボンド不織布ウェブは、平均直径が通常約10〜20μmの絡み合った長繊維の圧密構造又はシートから形成され、メルトブローン不織布ウェブは、平均直径が一般に10μmよりも小さい繊維の圧密構造又はシートから形成される。不織布ウェブは、スパンボンド層及びメルトブローン層の組み合わせを特徴とする多層の積層体から構成してよい。不織布ウェブを形成するために使用される一般的な熱可塑性ポリマー類には、これらに限定するものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンのようなポリオレフィン類、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン10、及びナイロン12のようなポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリスチレン類、熱可塑性エラストマー類、フルオロポリマー類、ビニルポリマー類、並びにこれらのブレンド及びコポリマー類が挙げられる。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20には、さらに、木材パルプ繊維、綿(セルロース)繊維、レーヨン(再生セルロース)繊維、アセテート(セルロースアセテート)繊維、及びトリアセテート(セルローストリアセテート)繊維のようなセルロース系繊維の絡み合った集合体又は固まりから形成される、セルロース系不織布材料を含めてよい。セルロース系不織布材料は、また、物品10の層状構造中の、バリア層20とは異なる薄層として提供してもよく、或いはシート12若しくは結合剤14の薄層又は分散構成要素として提供してもよい。不織布材料は、また、例えば水流交絡によって形成される、セルロース系繊維と熱可塑性又は合成繊維若しくは長繊維との複合ブレンドで特徴付けてもよい。不織布材料は、また、熱可塑性繊維及び長繊維の1つ以上のウェブ並びにセルロース系繊維の1つ以上のウェブを1つに積層化したものから構築してもよい。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20には、さらに、金属化コーティング若しくは箔から形成される金属化フィルム、及び、所望により、金属化コーティング若しくは箔がそれに積層化される単プライのポリマーフィルムを組み込んでよい。金属化フィルムは、また、バリア層20とは異なる物品10の層状構造中の薄層として提供してもよく、或いは、シート12内に配置された薄層若しくは結合剤14の薄層として提供してもよい。適した金属化フィルムには、これらに限定するものではないが、金属化ポリエチレンテレフタレートポリマー類及びコポリマー類、金属化ポリプロピレンポリマー類及びコポリマー類、金属化ポリアミドポリマー類及びコポリマー類、金属箔、並びに、例えば複数の層が積層体に積み重ねられた形態の、これらの材料の組み合わせが挙げられる。金属化フィルムは、気相金属化、又は、ポリマーフィルムの少なくとも1つの平坦な表面上への、金属、例えば、アルミニウムや、金、銀、及び銅などの他の金属の化学蒸着のような方法によって形成してよい。金属化フィルムは、物品10を積層構造として形成する製作過程に導入してよい。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、バリア層20には、さらに可撓性セルロース系材料を組み込んでよい。可撓性セルロース系材料は、また、バリア層20とは異なる物品10の層状構造中の薄層として提供してもよく、或いはシート12若しくは結合剤14の一部分として提供してもよい。セルロース系材料は、構成要素としてセルロース又はセルロース誘導体を有する任意の材料である。適したセルロース系材料には、これらに限定するものではないが、紙、ブチレートラッカーでコーティングされた紙、綿、典型的な木材パルプ類、非木質セルロース系繊維、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、レーヨン、サーモメカニカル木材パルプ、化学木材パルプ、剥離化学木材パルプ、トウワタ、バクテリアセルロース、及びこれらの組み合わせが挙げられる。また、繊維を、架橋させ、スルホン化し、マーセル化し、熱処理し、熱可塑性の安定化繊維と混合し、又は湿潤強度剤で処理してもよい。コフォーム、並びに共蒸着された熱可塑性繊維及び木質繊維の他の混合物を含め、様々な繊維の混合物を使用することができる。セルロースアセテートは、無水酢酸を使用してアセテートフレークを形成するように加工された木材パルプから作製される。セルロースアセテートは、0.025mm〜0.13mm(0.001インチ〜0.005インチ)の範囲にわたる多種多様な厚さで製造され、普通は透明である。セルロースアセテートブチレートは、紙又は強化木材パルプに適用し得る、光学的に透明なラッカーである。
セルロース系材料は、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、サテンホワイト、バライト、雲母、酸化亜鉛、プラスチック色素、又は、主としてカオリナイト(水和ケイ酸アルミニウム(Al2Si25(OH)4))で構成されるカオリン粘土色素を含有する、従来のいずれかの有色層又はコーティングでコーティングしてよい。有色コーティングは、これらに限定するものではないが、デンプン、タンパク質、スチレンブタジエン分散体又は格子、ポリビニルアセテート及び格子、並びにアクリル格子を含め、結合剤中の色素材料の水性懸濁液又は分散体としてシート12に適用される。有色コーティングが存在すると、セルロース系材料に対する付加的なバリア効果に寄与し、セルロース系材料のバリア効果を強化し、又は、層12への外因性薬剤21の移動を妨害若しくは遅延させるのに有効なバリア効果をセルロース系材料に与えることがある。一般に、そのような有色コーティングは、厚さが約20μm〜約80μmの範囲にある。有色コーティングは、例えば可溶性の金属塩を含有する表面処理によって、そのバリア特性を増大させるように修飾してよい。
本発明は、物品10に、バリア層20に加えて、本明細書に記載したような、バリア層20と協働して表面16からシート12への外因性薬剤21の移動を低減又は防止する、スカベンジャー材料32(図2)及び/又は中和剤46(図3)を組み込み得ることを企図している。スカベンジャー材料32及び/又は中和剤46は、異なった層として提供してよく、又は、シート12、結合剤14、及びバリア層20を含め、層状物品10の1以上の薄層に含めてよい。物品10内に配置されたスカベンジャー材料32は、ゼオライト類、メソポーラスゼオライト類、高表面積カーボンブラック類、DGBカーボンブラック類、ポリカチオン分子類、ポリビニルピロリドンポリマー類及びコポリマー類、シクロデキストリン化合物類、活性炭、カチオン性炭素類、カチオン性不活性材料類、アニオン性材料類、酸化マグネシウム、活性アルミナ、混合金属酸化物類、金属酸化物類のナノ粒子、ココヤシ系炭素類、木質系炭素類、カーボンナノチューブ類、カーボンナノファイバー類、イオン交換樹脂類、移染防止剤類、並びにこれらの材料の組み合わせ、ブレンド、若しくは混合物から選択される材料であってよい。
図1Aを参照すると、物品10は、さらに、図1Aに描かれるようにシート12とバリア層20との間に配置された1つ以上の接合層22、及び/又は、結合剤14とバリア層20との間に配置された1つ以上の接合層(図示していないが、接合層22に類似)を含んでよい。本発明は、1つ以上の接合層22が、バリア層20の働きをし得る、又はバリア層20を含有し得ることを企図している。各接合層22の少なくとも一部分を形成する典型的な材料には、官能化ポリオレフィン類、エチレンアクリレート、エチレンビニルアセテート、官能化アクリル類、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン類、ポリエトキシレート、並びにこれらの組み合わせ、ブレンド、及びコポリマー類が挙げられる。各接合層22は、また、本明細書に記載したような、バリア層20と協働して表面16からシート12への外因性薬剤21の移動を低減又は防止する、スカベンジャー材料32(図2)及び/又は中和剤46(図3)を含有してよい。
類似の参照番号が図1における類似の機構を指す図2を参照すると、本発明の他の実施形態によれば、表面16上に色彩を適用する物品23は、視覚的に知覚可能な色彩効果のシート24と、結合剤26と、剥離可能なライナー30とを含む。シート24は、シート12に類似で、トップコート25を薄層として含んでよく、結合剤26は、結合剤14に類似であり、剥離可能なライナー30は、剥離可能なライナー18と同一である。
本発明の原理によれば、表面16上の物品23の寿命にわたって、外因性薬剤21がシート24の着色のような特性に作用し得ないように、物品23に、さらに、物品23が適用される表面16から移動した外因性薬剤21を吸収又は捕捉することが可能な、参照番号32によって図示されたスカベンジャー材料が含まれる。スカベンジャー材料32は、外因性薬剤21のシート24への拡散、移動、若しくはブルーミングなどによる移動を阻止又は防止するのに有効な形で、捕捉、吸収、吸着、又は捕獲することによって、外因性薬剤21を取り除き、それが物品23の特性の低下を防止する。例えば、スカベンジャー材料32の作用は、シート24における変色の発生をなくすことがある。別法として、少なくとも表面16上に存在する間の物品23の寿命にわたって、色彩のようなシート24の特性が知覚できるほどには作用を受けないように、スカベンジャー材料32は、単に、捕捉又は吸収によって外因性薬剤21の移動を減速又は遅延させるだけでもよい。スカベンジャー材料32は、表面16に由来する外因性薬剤21のシート24への衝突を緩和し、低減し、若しくはなくすのに有効な濃度及び/又は場所で存在する。スカベンジャー材料32は、これらに限定するものではないが、印刷、押し出し、共押し出し、コーティング、噴霧、及びこれらの技術の組み合わせを含めた様々な技術によって、適用してよい。
本発明の様々な特定の諸実施形態では、スカベンジャー材料32は、ポリカチオン分子類、ポリビニルピロリドンポリマー類及びコポリマー類、シクロデキストリン化合物類、活性炭、カチオン性炭素類、カチオン性不活性材料類、アニオン性材料類、酸化マグネシウム、活性アルミナ、混合金属酸化物類、金属酸化物類のナノ粒子、ココヤシ系炭素類、木質系炭素類、カーボンナノチューブ類、カーボンナノファイバー類、イオン交換樹脂類、移染防止剤類、並びにこれらの材料の組み合わせ、ブレンド、又は混合物から選択される材料である。スカベンジャー材料32には、所望により、ゼオライト類、メソポーラスゼオライト類、高表面積カーボンブラック類、及び/又はDGBカーボンブラック類から選択される、少なくとも1つの追加的なスカベンジャー成分を組み込んでもよい。
スカベンジャー材料32は、図2では、物品23の層状構造中に識別可能な層、階層、又は薄層として拘束された、又は組み込まれたものとして示されている。本発明の代替的な実施形態では、スカベンジャー材料32と同一の特性を特徴とするスカベンジャー材料32aを、結合剤26の構成要素として組み込んでもよい。さらに他の代替的な実施形態では、やはりスカベンジャー材料32aと同一の特性を特徴とするスカベンジャー材料32bを、シート24の構成要素として組み込んでよい。スカベンジャー材料32a及び32bは、それぞれ、結合剤26又はシート24の厚さの中に配置された、層、階層、又は薄層として分離させてよく、或いは、結合剤26又はシート24のうち対応するものの厚さ全体を通じて一様に配置してもよい。スカベンジャー材料32、32a、及び32bは、個別に使用してよく、又は任意の順列若しくは組み合わせで物品23に組み込んでよい。各スカベンジャー材料32、32a、及び32bは、本明細書に記載した候補材料の2つ又はそれ以上と組み合わせてよい。本明細書に記載したスカベンジャー材料32の特性は、スカベンジャー材料32a及び32bを代表するものと理解される。
本発明の一実施形態では、前述したように、本発明によるスカベンジャー材料32は、移染防止剤であってよい。移染防止剤は、物品23の機能的寿命にわたって、シートへの染料の移動を防止する、又はシート24への染料の移動を遅延させるのに有効な量で、シート24又は結合剤26のいずれかに存在してよい。一般に、移染防止剤は、組成の約0.01重量%〜約10重量%の範囲の量で存在する。適した移染防止剤類には、これらに限定するものではないが、染料ポリビニルピロリドンポリマー類、ポリアミンN−オキシドポリマー類、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー類、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ類、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。代表的な移染防止剤類については、同一出願人による米国特許第5,633,225号に記載されており、その開示の全体を本明細書に参考として組み込む。
本発明の他の実施形態では、前述したように、スカベンジャー材料32は、その多孔度が高いことから、物品23が適用される表面16から移動した外因性薬剤21を吸収可能である、活性炭であってよい。活性炭は、粒子の形態、繊維の形態、ナノチューブの形態、結合剤、溶媒、インク、及び活性炭粒子を含有するインクの形態、並びにこれら様々な形態の混合のいずれかで提供してよい。粒子、繊維、及びナノチューブの形態では、平均粒子サイズは、約3μm〜約70μmの範囲にあってよく、好ましくは約12.5μm以下の範囲にある。インクの形態は、いずれか従来の印刷技術によって異なった層として適用してよく、或いは、結合剤26中に分散させて、印刷、押し出し、共押し出し、コーティング、噴霧、及びこれらの技術の組み合わせのような技術によって適用してもよい。
活性炭の適した粒子形態は、カルゴン・カーボン・コーポレーション(Calgon Carbon Corp.)(ペンシルベニア州ピッツバーグ)、ミードウェストバコ・コーポレーション(MeadWestvaco Corp.)の特殊化学部門(Specialty Chemicals Division)(バージニア州コビントン(Covington))、及びカーボケム・インコーポレーテッド(Carbochem Inc.)(ペンシルベニア州アードモア(Ardmore))を含め、様々な供給元から市販されている。本発明を実施する際に有用な可能性のある活性炭の特定の粒子形態には、カルゴン・カーボンADPココヤシ系活性炭、RGC木質系活性炭(WAC)、RGC WAC +PVAm、ニューチャーSN−30(WAC)、及びニューチャーSA−1500(WAC)(ミードウェストバコ(MeadWestvaco)より)、並びにカーボケムCA−10(WAC)が挙げられる。
本発明の他の実施形態では、前述したように、スカベンジャー材料32は、置換された又は誘導体化されたものであってよいシクロデキストリン化合物を含有する、シート27に適用されたコーティングを含んでよい。一般に、シクロデキストリンは、a−1,4結合によって結合した、少なくとも5つ、好ましくは少なくとも6つのグルコピラノース単位から成る、環式オリゴ糖である。そのようなシクロデキストリン系バリア層20の1つは、当該組成の残部を成す熱可塑性希釈剤中に溶解又は分散した、約0.1重量%〜約60重量%のシクロデキストリン化合物で構成された、押し出しフィルムコーティングである。押し出しフィルムコーティングは、その厚さが約0.0075mm(0.3mil)〜約0.038mm(1.5mil)の範囲にあり得るが、シート24と結合剤26との間の場所で積層体として物品23の構造に含められる。シクロデキストリン化合物は、また、デンプン、加工デンプン、セルロース、変性セルロース、及びフィルム形成ポリマー類のような不活性キャリア又はフィルム形成剤(例えば、結合剤)を用いて水又は他の溶媒で生成されるシクロデキストリン化合物の溶液又は分散液で、シート24を溶液コーティングすることによって、適用してもよい。水又は溶媒が除去された後に残るフィルムは、1平方メートル当たり約0.1グラム〜1平方メートル当たり約0.6グラムのシクロデキストリンを含有すべきである。そのようなシクロデキストリン化合物類を組み込んだスカベンジャー材料32は、国際出願PCT/US99/08017号(International Application Number PCT/US99/08017)に記載されている。
本発明の他の実施形態では、前述したように、スカベンジャー材料32は、イオン交換樹脂を含んでよい。イオン交換樹脂類は、ポリマー主鎖に永久的に結合した帯電断片又は固定イオンを含有するポリマー樹脂である。
類似の参照番号が図1A及び図2における類似の機構を指す図2Aを参照すると、物品23は、さらに、シート24と結合剤26との間に配置された1つ以上の接合層22及び/又はバリア層20を含んでよい。1つ以上の接合層22、スカベンジャー材料32、及びバリア層20は、別個の薄層として識別可能な場合、物品23の厚さ内にいずれか適切な順序で配置してよい。(1又は複数の)接合層は、スカベンジャー材料32を含有してよく、又は、層物品23の他の薄層中のスカベンジャー材料32の他の部分と協働して表面16からシート12への外因性薬剤21の移動を低減若しくは防止する、スカベンジャー材料32の一部分を含有してよい。バリア層20は、本明細書に記載した候補バリア層20のいずれであってもよい。別法として、物品23のバリア層20は、本明細書に記載した、ポリマー、セルロース系材料、不織布材料、又は金属化フィルムから形成してもよい。
図3を参照すると、本発明の他の実施形態によれば、表面16上に色彩を適用する物品36は、視覚的に知覚可能な色彩効果のシート38と、シート38の片方の表面42上の、接着剤のような結合剤40と、剥離可能なライナー44とを含む。シート38は、シート12及び24に類似で、トップコート45を異なった薄層として含んでよく、結合剤40は、結合剤14及び26に類似であり、剥離可能なライナー44は、剥離可能なライナー18及び30と同一である。
物品36には、さらに、表面16から移動した外因性薬剤21の化学結合を破壊可能な、参照番号46によって図示された中和剤が含まれる。中和剤46は、シート38への拡散を阻止又は防止するのに有効な形で外因性薬剤21の化学結合を破壊して、変色の発生の防止又は軽減など、物品36の特性の低下(例えば、色彩の変色)を防止する。別法として、中和剤46は、シート38の特性が、少なくとも物品36の機能的寿命にわたって、知覚できるほどには作用を受けないように、外因性薬剤21の移動を減速又は遅延させてもよい。中和剤46は、表面16からシート36への外因性薬剤21の移動を低減する、若しくはなくすのに有効な、濃度及び/又は場所で存在する。
中和剤46は、図3では、物品36の層状構造中に識別可能な層、階層、又は薄層として拘束された、又は組み込まれたものとして描かれている。本発明の代替的な実施形態では、中和剤46と同一の特性を特徴とする中和剤46aを、結合剤40の構成要素として組み込んでもよい。さらに他の代替的な実施形態では、やはり中和剤46aと同一の特性を特徴とする中和剤46bを、シート38の構成要素として組み込んでよい。中和剤46a及び46bは、それぞれ、結合剤40又はシート38の厚さの中に配置された、層、階層、又は薄層として分離させてよく、或いは、結合剤40又はシート38のうち対応するものの厚さ全体を通じて一様に配置してもよい。中和剤46、46a、及び46bは、個別に使用してよく、又は任意の順列若しくは組み合わせで物品36に組み込んでよい。各中和剤46、46a、及び46bは、本明細書に記載した候補材料の2つ又はそれ以上と組み合わせてよい。本明細書に記載した中和剤46の特性は、中和剤46a及び46bを代表するものと理解される。
本発明の特定の一実施形態では、中和剤46は、物品36が適用される表面16に由来する外因性薬剤21に関連した色彩を中和する、漂白化合物である。漂白化合物は、洗濯、硬質表面洗浄、自動食器洗い、又は義歯洗浄目的で知られる酸化剤のいずれであってもよい。本発明で使用するのに適した漂白化合物類には、これらに限定するものではないが、ハロゲン漂白剤、例えば、次亜ハロゲン酸塩類、例えば、次亜塩素酸塩漂白剤、酸素漂白剤、過酸化漂白剤、水素化ホウ素ナトリウム、過酸類、及びこれらの混合物が挙げられる。漂白化合物は、外因性薬剤21の化学結合を破壊する働きをするので、外因性薬剤21は、もはや、シート38を変色させる恐れのある知覚可能な色彩を呈さなく、又は示さなくなる。
他の特定の実施形態では、中和剤46は、シート38又はトップコート45(存在する場合)中に組み込まれる、蛍光増白剤若しくは蛍光増白剤である。当該技術分野の技術者には公知のように、蛍光増白剤は、白色の織物をより明るく見えるようにするために一般に使用される、無色の蛍光染料である。蛍光増白剤は、表面16に適用されたときに物品36を照明する人工光又は自然光に含有される紫外光のような、約300nm〜約430nmの波長範囲にある紫外光に曝されると、約400nm〜約500nmの波長範囲にある可視光を放出することによって、機能的に作用する。蛍光増白剤は、シート38内の活性化部位を競り合うことによって、外因性薬剤21のような染料又は色素と干渉を起こす。蛍光増白剤は、外因性薬剤21が呈する色彩を視覚的にマスクする働きをする。蛍光増白剤は、ビニレン、イミノ、2−ピラゾリング−1,3−ジイル、1,4−フェニレン、2,5−フランジイル、2,5−チオフェンジイル、フェニル、フール−2−イル、ピラゾール−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,4−ナフチレン、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル4,7−クマリンジイル、ナフタ[1,2−d]トリアゾール−2−イル、ナフタルイミド、ピレン−1−イル、及びこれらの組み合わせが1つに結合したものの中から選択されるビルディングブロックから構築される発色団として、分子的に構造化される。適した蛍光増白剤については、ウルマン(Ullmann)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Industrial Chemistry)、第18A巻、153〜176頁に列挙されており、その開示の全体を本明細書に参考として組み込む。
本発明のさらに他の特定の実施形態では、中和剤46は、物品36が適用される表面16から移動した外因性薬剤21を変色させる働きをする、シート38又は結合剤40のいずれかに添加されるpH調節剤である。pH調節剤は、外因性薬剤21の化学結合を破壊するので、外因性薬剤21は、視覚的に知覚可能な色彩を示す、ないしは他の形で呈することができなくなり、又は少なくとも、外因性薬剤21が視覚的に知覚可能な固有の色彩を呈する能力が大幅に低下する。pH調節剤は、シート38に添加される場合、シート38を構成する(1つ又は複数の)材料のいずれとも化学的に適合性のある、且つ/又は、結合剤40に添加される場合、結合剤40を特徴付ける(1つ又は複数の)材料と化学的に適合性のある、いずれの酸性又はアルカリ性物質であってもよい。
類似の参照番号が図1A及び図3における類似の機構を指す図3Aを参照すると、物品36は、さらに、シート38と結合剤40との間に配置された1つ以上の接合層22及び/又はバリア層20を含んでよい。バリア層20及び/又は(1つ又は複数の)接合層22は、また、所望により、中和剤46と相まって作用する、本明細書に記載のスカベンジャー材料32(図2)を含有してもよい。任意のスカベンジャー材料32は、また、物品36の層状構造中の異なった薄層として提供してもよく、或いは、シート38又は結合剤40の一部分として提供してもよい。別法として、スカベンジャー材料32を、物品23の層状構造中の異なった薄層として含めてもよく、且つ/又は、物品23のシート24及び/若しくは結合剤26中の構成要素若しくは薄層として含めてもよい。物品36のバリア層20は、本明細書に記載したバリア層20のいずれであってもよく、或いは、ポリマー、セルロース系材料、不織布材料、又は金属化フィルムから選択される材料から形成してもよい。物品36中のスカベンジャー材料32は、ゼオライト類、メソポーラスゼオライト類、高表面積カーボンブラック類、DGBカーボンブラック類、ポリカチオン分子類、ポリビニルピロリドンポリマー類及びコポリマー類、シクロデキストリン化合物類、活性炭、カチオン性炭素類、カチオン性不活性材料類、アニオン性材料類、酸化マグネシウム、活性アルミナ、混合金属酸化物類、金属酸化物類のナノ粒子、ココヤシ系炭素類、木質系炭素類、カーボンナノチューブ類、カーボンナノファイバー類、イオン交換樹脂類、移染防止剤類、並びにこれらの材料の組み合わせ、ブレンド、若しくは混合物から選択される材料であってよい。
本発明は、物品36に、バリア層20(図1)、スカベンジャー材料32(図2)、及び中和剤46(図3)を、可能ないずれかの順列又は組み合わせで含め得ることを企図している。したがって、バリア層20、スカベンジャー材料32、及び/又は中和剤46は、表面16からシート38への外因性薬剤21の移動を集合的に低減又は防止する働きをする、個々の貢献をすることがある。本発明の特定の諸実施形態では、個々の貢献は、単独では、外因性薬剤21の移動における所望の防止又は低減を達成するのに十分ではないことがあるが、集合的には、個々の貢献が所望の効果をもたらす。本発明は、また、目標とする、外因性薬剤21の移動における所望の防止又は低減を提供するために、2種類以上のバリア層20、2種類以上のスカベンジャー材料32、及び/又は2種類以上の中和剤46を組み合わせて提供し得ることを企図している。
バリア層20(図1)、スカベンジャー材料32(図2)、又は中和剤46(図3)は、対応する物品10、23、又は36の平面上に均質若しくは均一に配置してよい。別法として、バリア層20、スカベンジャー材料32、又は中和剤46の量若しくは密度が物品の水平面上で空間依存性をもつように、バリア層20、スカベンジャー材料32、又は中和剤46を不均質なパターンで配置してもよい。例えば、バリア層20、スカベンジャー材料32、又は中和剤46が、物品の特定の領域には存在しなくてよく、物品の水平面を横切る濃度若しくは厚さ勾配を有してよく、物品の水平面内の異なる場所では異なる濃度若しくは厚さで存在してよい(すなわち、物品の周縁部付近で濃度若しくは厚さがより大きい)などである。パターン内の濃度若しくは厚さは、意図的に又はランダムに調節してよく、物品の水平面内のすべての領域で、バリア層20、スカベンジャー材料32、又は中和剤46の濃度又は厚さがゼロ以外であってよい。
色彩の変化/安定性は、以下の手順に従って測定される。1辺が7.62cmの正方形試料を提供する。気泡及び皺をなくすように注意して、試料を、硬質の裏板上に接着させて据え付ける。上を覆う支持層又は剥離可能なライナーを試料から除去し、色彩層を露出させる。
硬質の裏板を次のように準備する。ドライウォールで作製された板を提供する。板を、ベーア・コーポレーション(Behr Corporation)からベーア・プレミアム・プラスPVAドライウォール・プライマー&シーラー73番白色ラテックスとして入手可能であるような市販の下塗り剤で塗装する。乾燥したら、49.3グラム/リットルの色素を有する塗料で板を塗装する。適した塗料は、ベーア(Behr)から、ベーア・プレミアム・プラス・インテリア・セミ−グロス・エナメル・パステル・ベース3500番として市販されている。塗装は、約6.35mmの毛を有する人工ラムスキン・ローラによって達成してよい。板を水平な表面上に配置し、表面に均一且つ平らな下塗り剤/塗料のコーティングができるまで、下塗り剤/塗料を塗装する。コーティングとコーティングの間には、24時間、50%RH、20℃に置く。比色計によって試料の基準L*A*B測定を実施して、ASTM試験方法E1164に従って豊富な色彩を測定し、E308に従って色彩の測定値をL.a.b.スケールに変換する。パルス・キセノン・アーク・ランプを備えたミノルタCM508d比色計が、設定:2°/C;SCE;試料領域8mmで適していることが判明した。基準測定値を取得した後、試料を60℃試験オーブン内に置く。1時間ごとに試料を取り出し、再びL*A*B*について前述のように試験する。連続測定間で、記録されるB*の変化(ΔB*と呼ぶ)が10%未満になるまで、1時間ごとの試験を実施する。
本発明による物品10は、ASTM標準D2805に従って測定される不透明度が、少なくとも99、好ましくは少なくとも99.3、より好ましくは少なくとも99.5であってよい。さらに、このような物品は、押さえの直径が5mmの拘束荷重8.74グラムの下で測定される厚さが、0.084mm未満、好ましくは0.076mm未満、より好ましくは0.064mm未満、より好ましくは0.05mm未満、より好ましくは0.04mm未満であってよい。このように作製される物品10は、不透明度と厚さとの比が1mm当たり少なくとも40、好ましくは少なくとも50、より好ましくは少なくとも55になる。
(実施例1)
10gのハンサ・イエロー(モノアゾ)色素及び2−プロパノール(IPA)の溶液を調製した。分光光度計を使用して、10ppm溶液の吸光度曲線中のピークを見つけた。第1吸収ピークは、波長約404nmで観察された。それに続く吸光度の読み取りは、すべて404nmで実施した。検量線のために、2ppm、4ppm、6ppm、8ppm、及び10ppm溶液の、404nmにおける吸光度を決定した。様々な種類の活性炭(直径約45〜63μm)を10ppmの溶液に添加し、それを攪拌プレート上で連続的に攪拌した。炭素を含まない溶液を対照試料として使用した。30分後、60分後、及び120分後に、試料としてアリコートを取り出した。試料を遠心分離にかけて炭素を除去し、分光光度計を使用して吸光度を取得した。結果を図4に提示する。
一番上の曲線は、対照試料の吸収を表しており、それよりも下の4つの曲線は、様々な種類の活性炭の添加後の吸収を表している。図4から、ハンサ・イエロー色素の404nmピークを特徴付ける吸光度が、溶液中の活性炭の存在によって大幅に低下することが明らかである。具体的には、吸光度は、活性炭の作用によって、少なくとも5倍、1桁を超えて低下する。吸光度の低下が最小のものから吸光度の低下が最大のものへと順に挙げれば、溶液中の具体的な活性炭は、それぞれ、ミードウェストバコSA−1500木質系活性炭、木質系活性炭、ココヤシ系活性炭、及びミードウェストバコRGC木質系活性炭であった。
活性炭は、その多孔度が高いので、ハンサ・イエロー(モノアゾ)色素を吸収するのに有効である。図4には示していないが、溶液に添加される炭素の量を増加させると、溶液から除去される黄色色素の量が増加することが観察された。その結果として、外因性薬剤が、色彩シートと物品が適用される表面との間に配置される場合、スカベンジャー材料として働くことによって外因性薬剤の移動を停止させるのに有効になる。結果として、外因性薬剤が色彩シートに進入する前に、移動する外因性薬剤を活性炭が捕捉するので、色彩シートは、変色しなくなる。
前述の手順に従って、さらに36個の試料を作製し、試験した。その結果を以下の表1に示す。
Figure 0004425864
Figure 0004425864
「発明を実施するための最良の形態」において引用したすべての文書は、関連部分において参考として本明細書に組み込まれるが、いかなる文書の引用も、本発明に関する先行技術であることの容認と考えるべきではない。
本発明の特定の諸実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
本発明の一実施形態による、表面に色彩を適用する物品の概略図。 本発明の一実施形態による、図1に類似の概略図。 本発明の代替的な実施形態による、表面に色彩を適用する物品の概略図。 本発明の一実施形態による、図2に類似の概略図。 本発明の他の代替的な実施形態による、表面に色彩を適用する物品の概略図。 本発明の一実施形態による、図3に類似の概略図。 モノアゾ色素を含有する、様々な種類の活性炭を添加した溶液と、添加していない溶液の、吸光度を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 外因性染料または色素を含有する建築表面に視覚的に知覚可能な色彩効果を伝える物品であって、前記物品は:
    視覚的に知覚可能な色彩効果のシートと;
    前記シート上に保持され、前記シートを建築表面に結合する結合剤と;
    外因性染料または色素を捕捉して表面から前記シートへの外因性染料または色素の移動を低減する働きをすることが可能なスカベンジャー材料とを含み、
    前記物品は、0.084mm未満の厚さを有し、
    前記スカベンジャー材料は、ポリビニルピロリドンポリマー類及びコポリマー類、シクロデキストリン化合物類、活性炭、カチオン性炭素類、ココヤシ系炭素類、木質系炭素類、カーボンナノチューブ類、カーボンナノファイバー類、イオン交換樹脂類、並びにこれらの組み合わせから成る群から選択され、
    前記スカベンジャー材料は、以下の(a)および(b):
    (a)前記結合剤または前記シートの厚さの中に配置された、層、階層、又は薄層として分離された配置、または
    (b)前記結合剤または前記シートの一方の厚さ全体を通じて一様な配置
    の少なくとも1つの位置に存在する
    ことを特徴とする物品。
  2. バリア層及び接合層の少なくとも1つをさらに含み、前記スカベンジャー材料は、前記シート、前記結合剤、前記バリア層、及び前記接合層の少なくとも1つに存在することを特徴とする、請求項1に記載の物品。
  3. 前記シートに、前記スカベンジャー材料と協働して建築表面から前記シートへの外因性染料または色素の移動を低減する、ゼオライト、メソポーラスゼオライト、高表面積カーボンブラック、及びDGBカーボンブラックの少なくとも1つがさらに含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記スカベンジャー材料は、粒子、繊維、ナノチューブ、インク、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される形態で提供される活性炭であることを特徴とする、請求項3に記載の物品。
  5. 外因性染料または色素を含有する建築表面に視覚的に知覚可能な色彩効果を伝える物品であって、前記物品は:
    視覚的に知覚可能な色彩効果のシートと、
    前記シート上に保持され、前記シートを建築表面に結合する結合剤と
    を含み;
    前記物品は、0.084mm未満の厚さを有し、
    建築表面から前記シートへの外因性染料または色素の移動を低減するのに有効な外因性染料または色素を修飾する働きをする中和剤によって特徴づけられ、
    前記中和剤は、以下の(a)および(b):
    (a)前記結合剤または前記シートの厚さの中に配置された、層、階層、又は薄層として分離された配置、または
    (b)前記結合剤または前記シートの一方の厚さ全体を通じて一様な配置
    の少なくとも1つの位置に存在し、
    前記中和剤は、漂白化合物、蛍光増白剤およびpH調節剤からなる群から選択される
    物品。
  6. 前記中和剤は、漂白化合物、蛍光増白剤、pH調節剤、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の物品。
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