JP4424915B2 - 記録再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランダムアクセスが可能である記録媒体に圧縮AV信号(圧縮されたデジタル映像・音声信号)の記録及び再生を行う記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル圧縮されたAV信号(映像・音声信号)である圧縮AV信号をハードディスク装置や光ディスク装置などの記録メディアを用いて記録及び再生する記録再生装置が登場している(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図面を参照しながら、従来の記録再生装置の一例について説明する。図12は従来の記録再生装置の一例を示すブロック図である。但し、この図は、映像信号に対する処理を行う手段のみを示しており、音声信号に対する処理を行う手段を省略している。
【0004】
図12において、201はアナログ入力端子であり、アナログ映像信号が入力される。202はアナログ/デジタル変換手段であり、アナログ映像信号をデジタル映像信号に変換する。203は圧縮手段であり、デジタル映像信号を圧縮して圧縮映像信号とする。204は圧縮映像信号に誤り訂正符号などを付加して記録用のビットストリームを生成するビットストリーム生成手段、205は記録用バッファ、206は記録用バッファ205から読み出されたビットストリームに対して記録に最適な変調を施す記録変調手段、207は制御手段、208はランダムアクセスが可能な記録媒体を内蔵する記録メディア(記録再生装置本体)であるハードディスク装置である。
【0005】
また、209はハードディスク装置208から読み出されたビットストリームに施されている変調を元に戻す再生復調手段、210は再生用バッファ、211は再生用バッファ210から読み出されたビットストリームを伸張して元のデジタル映像信号に復元する復元手段、212は表示用メモリ手段、213はデジタル映像信号をアナログ映像信号に変換するデジタル/アナログ変換手段、214はアナログ出力端子であり、アナログ映像信号を出力する。
【0006】
制御手段207は、記録用バッファ205と再生用バッファ210からのビットストリームの読み出し、およびハードディスク装置208による記録媒体へのビットストリームの書き込み処理と読み出し処理を制御する。
【0007】
また、215はデジタル入出力端子、216はデジタルインターフェイスであり、デジタル映像信号の入出力が行われる。
続いて、当該従来の記録再生装置の動作について説明する。但し、通常は映像信号に同期した音声信号も同時に処理される。
【0008】
記録時(録画時)は、アナログ入力端子201より入力されたアナログ映像信号が、アナログ/デジタル変換手段202でデジタル映像信号に変換される。通常のテレビジョン信号の場合、サンプリング周波数は14.3MHzなどが用いられる。デジタル映像信号は圧縮手段203により圧縮処理が施される。圧縮方式としてはMPEG2圧縮方式が広く用いられており、圧縮後のビットレートは数Mbps程度である。圧縮映像信号は、ビットストリーム生成手段204により誤り訂正符号などが付加され記録用のビットストリームとなる。記録用ビットストリームは、記録用バッファ205に蓄積され、記録変調手段206により記録に最適な変調が施された後、ハードディスク装置208内蔵の記録媒体である磁気ディスクに書き込まれる。ハードディスク装置208は、通常、記録セクタ単位で書き込みを行うため、記録セクタがヘッドの位置まで回転する時間分バッファリングが必要となる。このディスクの回転待ちのために記録用バッファ205が設置されている。記録用バッファ205からの読み出しと、ハードディスク装置208による書き込み処理は、制御手段207により同期を取って制御される。
【0009】
再生時は、ハードディスク装置208から読み出されたビットストリームに対し、再生復調手段209により復調処理を施し、記録時にかけられた変調を元に戻す。元に戻されたビットストリームは、再生用バッファ201に一旦蓄積された後、誤り訂正などの処理が行われ、復元手段211に入力される。復元手段211は、記録時に圧縮手段203により施された圧縮処理の逆の処理である伸張処理を施し、デジタル映像信号を復元する。復元されたデジタル映像信号は、表示用メモリ手段212にフレーム単位で蓄積され、デジタル/アナログ変換手段213でアナログ映像信号に変換され、アナログ出力端子214から出力される。
【0010】
なお、圧縮手段203の直後や復元手段211の直前の圧縮映像信号をデジタルインターフェイス216を介してデジタル入出力端子215から入出力すれば、圧縮映像信号を直接他の機器とやり取りすることができる。
【0011】
記録メディアとしてハードディスク装置を用いた場合、上述の記録(録画)と再生を同時に行うなどのメリットが得られる。このような構成の記録再生装置が、近年、商品化されている。
【0012】
しかしながら、上述したような構成の従来の記録再生装置は、記録メディアを取り出すことができないため、例えば図13に示すように、特定の部屋で記録した圧縮AV信号を別の部屋で再生することができないなどの問題を有していた。
【0013】
また、記録中に記録媒体の空き領域がなくなってしまった場合、それ以上記録することができないという問題を有していた。
【0014】
【非特許文献1】
村瀬 薫、中村 和彦、津賀 一宏、「光ディスクの標準化動向」、映像情報メディア学会誌、映像情報メディア学会、平成11年10月20日、第53巻、第10号、p.1355−1359
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、他の記録再生装置との間で無線通信を可能とし、圧縮AV信号と制御信号の送信や受信を行えるようにすることにより、他の記録再生装置に対し、圧縮AV信号の記録や圧縮AV信号の再生と送信などの動作を行わせることができる記録再生装置を提供することを目的とする。このようにすれば、例えば、特定の部屋で記録した圧縮AV信号を別の部屋に設置されている他の記録再生装置へ送信して記録させることができるので、その別の部屋で該圧縮AV信号を視聴することが可能となる。また、記録中に空き領域がなくなり記録が不可能となった場合でも、自動的に他の記録再生装置に継続して分散記録させることができる。また、他の記録再生装置に圧縮AV信号の再生と送信を指示し、分散記録された圧縮AV信号を自動的に結合再生することもできる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の記録再生装置は、ランダムアクセスが可能記録媒体へ録画するとき、AVパケットに所定の信号処理を施すことで生成した圧縮AV信号を前記記録媒体に記録し、前記記録媒体に記録された圧縮AV信号を再生するとき、前記記録媒体から読み出した圧縮AV信号に所定の信号を処理を施すことでAVパケットを生成する記録再生装置であって、無線ネットワークを介して他の記録再生装置へAVパケットと制御信号送信する動作もしくは無線ネットワーク介して他の記録再生装置からAVパケットと制御信号を受信する動作の少なくとも一方を行う双方向無線通信手段を具備し、かつ、前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置に対し動作を指示する制御信号を送信する動作指示手段、もしくは、前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置から受けた指示に応じて動作する制御手段の少なくとも一方を具備するとともに、他の記録再生装置に行った指示の内容もしくは他の記録再生装置から受けた指示の内容の少なくとも一方を保存する保存手段を具備し、前記双方向無線通信手段は、前記無線ネットワークの基準時刻に同期したタイマー手段を具備し、かつ、前記タイマー手段を基に時間軸復元用のタイムスタンプをAVパケット毎に付加して、そのタイムスタンプが付加されたAVパケットを前記無線ネットワークへ送信する手段、もしくは、前記無線ネットワークから受信したAVパケット毎に付加されている時間軸復元用のタイムスタンプ及び前記タイマー手段を基に時間軸を復元して、受信したAVパケットを出力する手段の少なくとも一方を具備し、前記記録媒体から圧縮AV信号を再生するときに前記保存手段を参照することを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項2記載の記録再生装置は、請求項1記載の記録再生装置であって、録画時に前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置に対し記録可能であるか否かを問い合わせる制御信号を送信する確認手段を具備し、問い合わせた結果を参照して録画動作を行わせる記録再生装置を自動的に選択することを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項3記載の記録再生装置は、請求項1もしくは2のいずれかに記載の記録再生装置であって、放送信号を受信する放送信号受信手段を具備し、受信した放送信号を他の記録再生装置に録画させることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項4記載の記録再生装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の記録再生装置であって、指定時刻に録画動作の開始および停止を行うためのタイマー録画手段と、記録媒体の残りの記録容量を監視する監視手段とを具備し、前記動作指示手段は、録画予約時に残りの記録容量が不足している場合、他の記録再生装置に対して録画予約を指示することを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項5記載の記録再生装置は、請求項4記載の記録再生装置であって、前記動作指示手段は、録画予約時に残りの記録容量が不足している場合、他の記録再生装置に対し、その不足分の録画予約を指示することを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項6記載の記録再生装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の記録再生装置であって、複数の記録再生装置に分散して記録された圧縮AV信号を再生する場合、前記動作指示手段が他の記録再生装置に対して圧縮AV信号の再生および送信を指示し、分散して記録された一連の圧縮AV信号を順次連続して受信し再生することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項7記載の記録再生装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の記録再生装置であって、他の記録再生装置に記録された圧縮AV信号を再生中に、特殊再生動作の指示を受けると、前記動作指示手段が、現在再生動作中の他の記録再生装置に対し、前記特殊再生動作の指示を転送することを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項8記載の記録再生装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の記録再生装置であって、前記双方向無線通信手段は、伝送帯域の確保が可能であり、AVパケットを送信するとき、あらかじめ伝送帯域の確保を行うことを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項記載の記録再生装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載の記録再生装置であって、前記双方向無線通信手段独立した無線接続アダプタ装置として構成し、前記無線接続アダプタ装置との接続手段を具備し、前記無線接続アダプタ装置を前記接続手段で接続して用いることを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項10記載の記録再生装置は、請求項記載の記録再生装置であって、IEEE1394高速シリアルバスを具備し、前記無線接続アダプタ装置とデジタル信号で接続されることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項11記載の記録再生装置は、請求項記載の記録再生装置であって、AVパケットを復元してデジタルAV信号とする復元手段及びデジタルAV信号をアナログAV信号に変換するデジタル/アナログ変換手段、もしくは、アナログAV信号をデジタルAV信号に変換するアナログ/デジタル変換手段及びデジタルAV信号を圧縮してAVパケットとする圧縮手段の少なくとも一方を具備し、前記無線接続アダプタ装置とアナログ信号で接続されることを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項12記載の記録再生装置は、請求項11記載の記録再生装置であって、前記無線接続アダプタ装置との間で赤外線を用いて制御信号の送信もしくは受信の少なくとも一方を行うことを特徴とする。
【0041】
以上のように、本発明によれば、他の記録再生装置との間で無線通信が可能となり、他の記録再生装置と圧縮AV信号や制御信号をやり取りできるので、他の記録再生装置に対し、圧縮AV信号の記録や圧縮AV信号の再生と送信などの動作を行わせることができる。そのため、例えば、特定の部屋で記録した圧縮AV信号を別の部屋に設置されている他の記録再生装置へ送信して記録させることができ、その別の部屋で該圧縮AV信号を視聴することが可能となる。
【0042】
更に、記録中に空き領域がなくなり記録が不可能となった場合でも、自動的に他の記録再生装置に継続して分散記録させることができる。また、タイマー録画予約についても自動的に複数の記録再生装置に分散させることができる。また、分散記録された圧縮AV信号を自動的に順次連続して再生することができる。また、特殊再生を行うことも可能である
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしも以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0044】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1による記録再生装置の構成、および複数の記録再生装置が無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図である。なお、ここでは、3台の記録再生装置からなるシステムを例に説明するが、無論、2台以上であればよく、3台に限るものではない。また、第1の記録再生装置1、第2の記録再生装置2、第3の記録再生装置3は同じ構成を有している。そこで、記録再生装置の構成について、第1の記録再生装置1を用いて説明する。なお、第2の記録再生装置2、第3の記録再生装置3には、図が煩雑となることを避けるために復元手段、表示手段の接続、およびリモコンを図示していないが、通常は第1の記録再生装置1と同様であり、専用のリモコンにより独立して記録・再生・視聴ができるようになっている。
【0045】
図1において、4はランダムアクセスが可能な記録媒体を内蔵する記録メディア(記録再生装置本体)である第1のハードディスク装置である。なお、ここでは記録メディアとしてハードディスク装置を用いて説明するが、これに限るものではない。
【0046】
5は選択された周波数の放送信号を受信する第1のチューナー手段(放送受信手段)である。なお、ここではBSデジタル放送に代表されるMPEG2−TS(トランスポートストリーム)方式による放送信号(圧縮AV信号)を受信するものとする。6は圧縮AV信号を復元してデジタルAV信号とする第1の復元手段である。現在放送中の番組を視聴する場合、第1のチューナー手段5により選択された放送信号(圧縮AV信号)は第1の復元手段6に入力される。第1の復元手段6は第1のチューナー手段5からの圧縮AV信号をデジタルAV信号に復元する。復元されたデジタルAV信号のうちデジタル映像信号は表示手段7へ出力され、デジタル音声信号はスピーカー等の音声出力装置(図示せず)へ出力される。なお、表示手段7には、図12に示す表示用メモリ手段212、デジタル/アナログ変換手段213が内蔵されている。
【0047】
8は第1の記録再生信号処理手段であり、入力される圧縮AV信号に対して所定の信号処理を施すとともに、第1のハードディスク装置4による記録媒体への書き込み処理と読み出し処理を制御する。
【0048】
10は第1の無線手段であり、他の記録再生装置2、3が具備する無線手段18、25との間でアンテナ13、20、27を介して無線による信号の送信動作、受信動作を行う。11は第1の制御手段であり、リモコン12から送信される赤外線コマンドや他の記録再生装置から送信される制御信号による指示に応じた動作を行い当該第1の記録再生装置を制御する。また、第1の制御手段11は、他の記録再生装置2、3に対する動作の指示を行う(動作指示手段)。この第1の記録再生装置1においては、双方向無線通信手段は、第1の同期手段9、第1の無線手段10、アンテナ13からなり、後述するように圧縮AV信号と制御信号の送信動作および受信動作を行う。なお、第1の同期手段9については後述する。
【0049】
以上のように、第1の記録再生装置1は、ハードディスク装置4、チューナー手段5、復元手段6、記録再生信号処理手段8、同期手段9、無線手段10、制御手段11、アンテナ13により構成されている。
【0050】
続いて、現在放送中の番組を録画する動作について説明する。第1の制御手段11は、リモコン12から録画を指示する赤外線コマンドを受信すると、この指示に応じて動作し、受信中の放送信号(圧縮AV信号)がハードディスク装置4内蔵の記録媒体に記録されるように当該第1の記録再生装置1の制御を行う。つまり、第1のチューナー手段5にて受信中の放送信号(圧縮AV信号)が第1の記録再生信号処理手段8に入力されて、所定の信号処理が施された後、第1のハードディスク装置4内蔵の記録媒体へ書き込まれるようにする。なお、放送信号受信手段がアナログAV信号を受信するチューナー手段である場合には、受信した放送信号をアナログ/デジタル変換し且つ圧縮して圧縮AV信号とした後、第1の記録再生信号処理手段8へ入力する構成を加えればよい。
【0051】
続いて、再生動作について説明する。このとき利用者は録画済番組一覧表から番組を選択し再生の指示を出すのが通常である。第1の制御手段11は、リモコン12から再生を指示する赤外線コマンドを受信すると、この指示に応じて動作し、選択番組が再生されるように当該第1の記録再生装置1の制御を行う。つまり、第1のハードディスク装置4から選択番組に対応する圧縮AV信号(ビットストリーム)が読み出されて、第1の記録再生信号処理手段8により所定の信号処理が施された後、第1の復元手段6へ入力されるようにする。第1の復元手段6は、この圧縮AV信号からデジタルAV信号を復元し、上述したように、デジタル映像信号を表示手段7へ出力し、デジタル音声信号を図示しない音声出力装置へ出力する。
【0052】
このような記録再生装置1、2、3が無線手段とアンテナを用いて無線接続されるシステムの動作について、図2、3を用いて説明する。図2は録画時の装置間連携記録動作のタイムチャートを示す図、図3は制御手段11、15、22の構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
まず、録画動作(記録動作)について、記録再生装置1、2、3が別々の部屋A、B、Cに設置されており、利用者が部屋Aにおいてリモコン12を用い記録再生装置1に現在視聴中の番組を録画する指示を出す場合を例に説明する。このとき、利用者は現在視聴中の番組を図2に示す時刻aから時刻dまで録画するものとする。
【0054】
第1の記録再生装置1の制御手段11はリモコン12から録画を指示する赤外線コマンドを受信すると、この指示に応じて動作し、受信中の放送信号がハードディスク装置4内蔵の記録媒体に記録されるように当該第1の記録再生装置1の制御を行う。具体的には、図3に示すように、第1の赤外線受光手段31が、受信した赤外線コマンドを信号に変換して第1のCPU32へ渡す。第1のCPU32はその指示の内容を解読し、第1の制御I/F手段35、入出力端子37を介して、第1の記録再生信号処理手段8に録画を指示する制御信号を出力する。もしくは、第1の赤外線受光手段31から受けた信号をそのまま転送する。第1の記録再生信号処理手段8は、この制御信号を受けて、第1のチューナー手段5から入力される放送信号に対して所定の信号処理を施すとともに、ハードディスク装置4を制御し記録媒体にこの所定の信号処理後の放送信号(圧縮AV信号)が書き込まれるようにする。このとき、第1のCPU32は、第1の時計手段34を参照し、当該第1の記録再生装置において時刻aから番組の録画を開始したことを第1のメモリ手段33に保存する(保存手段)。また、第1のCPU32は第1の記録再生信号処理手段8を介して第1のハードディスク装置内蔵の記録媒体の残り記録容量(空き容量)を常に監視し続けている(監視手段)。
【0055】
図2に示すように、時刻aから録画を行った結果、時刻bで第1のハードディスク装置4内蔵の記録媒体に空き領域がなくなった場合(残りの記録容量が不足した場合)、第1のCPU32はこれ以上記録を継続することが不可能であると判断し、他の記録再生装置に対して記録可能であるか否かの確認を行う(確認手段)。つまり、第2の制御I/F手段36を介して、他の記録再生装置2、3に現在記録を行うことができるか否かを問い合わせるコマンド(制御信号)を第1の無線手段10を用いて送信する。
【0056】
この問い合わせコマンドを受信した第2の記録再生装置2および第3の記録再生装置3は、自機のハードディスク装置14、21が記録可能な状態であるか否かを判断し、第1の記録再生装置1にその結果を応答する。問い合わせコマンドを受信した記録再生装置の動作について、第2の記録再生装置2を用いて以下に説明する。
【0057】
アンテナ20を介して第2の無線手段18で受信したコマンド(制御信号)は、第2の制御手段15内蔵のCPUでその種類が判断される。現在記録可能な状態であるか否かを問い合わせるコマンドだと判断した場合、この問い合わせに応じて、記録可能なら「YES」、不可なら「NO」の返事を第2の無線手段18を用いて第1の記録再生装置1へ送り返す。なお、このとき記録可能容量などを同時に送り返してもよい。
【0058】
第2の記録再生装置2と第3の記録再生装置3から返ってきた返事は、アンテナ13を介して第1の無線手段10で受信され、第2の制御I/F手段36を介して第1のCPU32へ送られる。第1のCPU32はこの確認した結果を参照してどちらの装置に継続録画の指示を出すか選択する。
【0059】
第1のCPU32は、第2の記録再生装置2に録画動作を行わせる判断をした場合、第1の記録再生装置1にて録画を行っていた番組を第2の記録再生装置2が受信するための放送チャンネル切り替えコマンド、および録画を指示する録画コマンドからなる制御信号を第2の記録再生装置2へ第1の無線手段10を用いて送信する。また、第1のCPU32は、第1の時計手段34を参照し、当該第1の記録再生装置において時刻bまで番組の録画が行われ、第2の記録再生装置2に対して時刻bから番組の録画を開始するよう指示したことを第1のメモリ手段33に保存する(保存手段)。
【0060】
第2の記録再生装置2の制御手段15内蔵のCPUは、受信した制御信号(放送チャンネル切り替えコマンドおよび録画コマンド)を解読し、その指示に応じて動作する。つまり、第2のチューナ手段19を制御してチャンネルを切り替え、放送信号が第2のハードディスク装置14内蔵の記録媒体に記録されるようにする。また、第2の制御手段15内蔵のCPUは、第2の制御手段15内蔵の時計手段を参照し、第1の記録再生装置1からの指示に応じて、当該第2の記録再生装置において時刻bから番組の録画を開始したことを第2の制御手段15内蔵のメモリ手段に保存する(保存手段)。
【0061】
さらに時間が経過し、時刻cにおいて第2の記録再生装置2の空き容量がなくなった場合には、第3の記録再生装置3に継続して記録を行う。このとき、第2の記録再生装置2が、空き容量がなくなったことを第1の記録再生装置1へ伝え、第1の記録再生装置1が第3の記録再生装置3に録画を指示する。もしくは、第2の記録再生装置2が第3の記録再生装置3に録画を指示し、この指示の内容を第1の記録再生装置1へ伝える。
【0062】
なお、録画する装置が切り替わるタイミングは、図2に示すように空き容量がなくなる直前に上記の動作を行うことにより、オーバーラップ記録期間を設けるのがよい。
【0063】
また、記録再生装置2、3が、自機のチューナー手段を使わずに、第1の記録再生装置1が第1の無線手段10を用いて送信した圧縮AV信号を受信して記録するようにしてもよい。
【0064】
以上のように、本実施の形態1によれば、他の記録再生装置との間で無線通信(圧縮AV信号や制御信号の送受信動作)が可能となり、他の記録再生装置を制御することができるので、特定の記録再生装置だけでは記録容量が不足する場合でも、他の記録再生装置を用いて自動的に記録を継続することが可能となる。
【0065】
続いて、当該システムにおけるタイマー録画の予約時の動作について、利用者が部屋Aにおいてリモコン12を用い第1の記録再生装置1にタイマー録画を予約する場合を例に説明する。このとき、利用者は図2に示す時刻aから時刻dまで録画を予約するものとする。なお、第1の記録再生装置1においては、指定時刻に録画動作の開始および停止を行うためのタイマー録画手段は、第1の制御手段11内に具備された第1のCPU32と第1のメモリ手段33と第1の時計手段34からなる。
【0066】
利用者は部屋Aにおいてリモコン12を用い時刻aから時刻dまでの録画予約を指示する。第1の制御手段11内蔵の赤外線受光手段31は、リモコン12から送信された録画予約を指示する赤外線コマンドを受信すると、信号に変換して第1のCPU32へ渡す。第1のCPU32はその指示の内容を解読すると、まず、第1のハードディスク装置4の空き容量、第1のメモリ手段33に保存されている他のタイマー録画予約の状況、記録するビットストリームのデータレート(以下、記録レートと称す。)などから、自機のハードディスク装置4において記録可能な時刻の判断を行う。そして、自機で記録できる分については自機に対してタイマー録画の予約を行う。ここでは、時刻aから時刻bまで自機で記録でき、時刻aから時刻bをタイマー録画時間(指定時刻)としてタイマー録画を予約する。
【0067】
第1のCPU32は、自機で記録不可能な時刻のタイマー録画予約が可能か否か他の記録再生装置に確認する(確認手段)。つまり、第1のCPU32は、第2の制御I/F手段36を介して、他の記録再生装置2、3に対し、当該第1の記録再生装置1では記録不可能な時刻のタイマー録画予約が可能か否かを問い合わせるコマンド(制御信号)を第1の無線手段10を用いて送信する。
【0068】
この問い合わせコマンドを受信した第2の記録再生装置2および第3の記録再生装置3は、自機のハードディスク装置14、21がその時刻にタイマー録画が可能であるか否かを判断し、第1の記録再生装置1にその結果を応答する。問い合わせコマンドを受信した記録再生装置の動作について、第2の記録再生装置2を用いて以下に説明する。
【0069】
アンテナ20を介して第2の無線手段18で受信したコマンド(制御信号)は、第2の制御手段15内蔵のCPUでその種類が判断される。ある時刻にタイマー録画が可能か否かを問い合わせるコマンドだと判断した場合、この問い合わせに応じて、まず第2のハードディスク装置14の空き容量、第2の制御手段15内蔵のメモリ手段に保存されている他のタイマー録画予約の状況、記録レートなどから、その時刻のうちのタイマー録画が可能な時刻を第2の無線手段18を用いて第1の記録再生装置1へ送り返す。
【0070】
第2の記録再生装置2と第3の記録再生装置3から返ってきた返事は、アンテナ13を介して第1の無線手段10で受信され、第2の制御I/F手段36を介して第1のCPU32へ送られる。第1のCPU32はこの確認した結果を参照していずれの装置にどの時刻のタイマー録画予約を指示するかについて判断する。
【0071】
例えば、第2の記録再生装置2に時刻bから時刻cまでの録画を予約させ、第3の記録再生装置3に時刻cから時刻dまでの録画を予約させる判断をした場合、第1のCPU32はそれぞれに対してタイマー録画チャンネルとタイマー録画時間からなる制御信号を第1の無線手段10を用いて送信する。また、第1のCPU32は、時刻aから時刻bまでのタイマー録画予約を自機に対して行い、時刻bから時刻cまでのタイマー録画予約を第2の記録再生装置2に対して指示し、時刻cから時刻dまでのタイマー録画予約を第3の記録再生装置3に対して指示したことを第1のメモリ手段33に保存する(保存手段)。
【0072】
タイマー録画チャンネルとタイマー録画時間からなる制御信号を受信した第2の記録再生装置2と第3の記録再生装置3は、それぞれの制御手段15、22内蔵のCPUにより、指示されたタイマー録画予約を行う。また、それぞれの制御手段15、22内蔵のCPUは、それぞれの制御手段15、22内蔵のメモリ手段にこの指示された内容を保存する(保存手段)。
【0073】
このようにして、時刻aからdのタイマー録画の予約を複数の記録再生装置に分散する。
なお、記録再生装置2、3が、自機のチューナー手段を使わずに、第1の記録再生装置1が第1の無線手段10を用いて送信した圧縮AV信号を受信して記録するようにしてもよい。
【0074】
以上のように、本実施の形態1によれば、他の記録再生装置との間で無線通信(圧縮AV信号や制御信号の送受信動作)が可能となり、複数の記録再生装置にタイマー録画の予約を分散させることができるので、特定の記録再生装置だけでは記録容量不足であったり、タイマー録画の先約がある場合であっても、他の記録再生装置を用いて予約録画を行うことが可能となる。
【0075】
なお、ここでは他の記録再生装置に容量の不足する分だけ、現在放送中の番組を録画させる例と、タイマー録画予約を分散させる例について説明したが、無論、全て他の記録再生装置に録画させるようにしてもよい。
【0076】
続いて、当該システムにおける再生動作について、上述したように分散して別々の記録再生装置に録画された番組を、部屋Aに設置された表示手段で視聴する場合を例に説明する。
【0077】
利用者は部屋Aにおいてリモコン12を用い第1の記録再生装置1に番組を再生する指示を出す。このとき利用者は録画済番組一覧表から番組を選択し再生の指示を出すのが通常である。第1の記録再生装置1の制御手段11内蔵のCPU32は、その指示の内容を解読し、まず第1のメモリ手段33を参照してどの記録再生装置から再生すべきかを判断する。ここでは、時刻aからbにかけて放送された分については第1の記録再生装置1で再生し、時刻bからcにかけて放送された分については第2の記録再生装置2に再生させ、時刻cからdにかけて放送された分については第3の記録再生装置3に再生させる判断がなされる。
【0078】
次に、第1のCPU32は、選択番組のうち時刻aからbにかけて放送された分に対応する圧縮AV信号(ビットストリーム)が第1のハードディスク装置4から読み出されて、第1の記録再生信号処理手段8により所定の信号処理が施された後、第1の復元手段6へ入力されるようにする。第1の復元手段6は、この圧縮AV信号からデジタルAV信号を復元し、上述したように、デジタル映像信号を表示手段7へ出力し、デジタル音声信号を図示しない音声出力装置へ出力する。
【0079】
選択番組のうち時刻aからbにかけて放送された分を再生すると、第1のCPU32は、第2の記録再生装置2に対し、選択番組のうち時刻bからcにかけて放送された分の再生を指示する再生コマンド、およびその再生した圧縮AV信号の当該第1の記録再生装置1への送信を指示する送信コマンドからなる制御信号を第1の無線手段10を用いて送信する。
【0080】
第2の記録再生装置2の制御手段15内蔵のCPUは、受信した制御信号に応じて動作し、該当する圧縮AV信号が第2のハードディスク装置14から読み出され、第1の記録再生装置1へ送信されるように制御する。
【0081】
第2のハードディスク装置14から読み出された圧縮AV信号は第2の記録再生信号処理手段16で所定の信号処理が施されてAVパケットとなり、第2の同期手段17へ入力される。第2の同期手段17は入力されるAVパケット毎にタイムスタンプを付加して第2の無線手段18へ出力する。第2の無線手段18はアンテナ20を介して第1の記録再生装置1へこのAVパケットを送信する。アンテナ13を介して第1の無線手段10で受信されたAVパケットは、第1の同期手段9に入力される。第1の同期手段9はAVパケットに付加されているタイムスタンプを利用して時間軸を復元する。時間軸が復元されたAVパケットは第1の記録再生信号処理手段8を介して第1の復元手段6に入力される。この場合、第1の記録再生信号処理手段8は時間軸が復元されたAVパケットを第1の復元手段6に渡す動作のみを行っている。
【0082】
図4は各記録再生装置の同期手段9、17、24の構成の一例を示すブロック図である。図4において、41、42はAVパケットの入出力端子であり、入出力端子41が記録再生信号処理手段との接続端子であり、入出力端子42が無線手段との接続端子である。43、44はスイッチであり、AVパケットを送信するときには上側に入れられ、受信するときには下側に入れられる。まず、AVパケットを送信する上側の構成について説明する。
【0083】
45は無線ネットワークの基準時刻と同期してクロックをカウントするタイマー手段、46は入出力端子41にAVパケットが入力された瞬間のタイマー手段45の示す値をラッチして一時的に記憶するラッチ手段、47はラッチ手段46によりラッチされた値を時間軸復元用のタイムスタンプとしてAVパケットに付加するタイムスタンプ付加手段、48は一旦AVパケットを蓄える送信バッファである。本実施の形態1においては、タイムスタンプをAVパケットに付加する手段は、ラッチ手段46とタイムスタンプ付加手段47からなる。
【0084】
入出力端子41にAVパケットが入力されると、この入力された瞬間のタイマー手段45の示す値がラッチ手段46によりラッチされる。タイムスタンプ付加手段47は、ラッチ手段46でラッチされた値をタイムスタンプとして該AVパケットに付加する。タイムスタンプの付加された該AVパケットは一旦送信バッファ48に蓄えらた後、スイッチ44を介して入出力端子42から出力され、無線手段によりアンテナを介して無線伝送される。
【0085】
図5は、タイムスタンプを用いた時間軸の復元を説明するための図である。図5(a)に示すように入出力端子41にAVパケットが入力されると、図5(b)に示すようにタイムスタンプが付加される。図5(c)に示すように、無線区間においては、タイムスタンプが付加されたAVパケット複数個が1つの無線パケットで伝送される。これは無線区間での伝送効率を向上させるためである。図5(d)は受信側で時間軸が復元された後の時系列を示している。いずれも、横軸は時間軸である。
【0086】
このように無線区間で失われた時間軸を復元するためにタイムスタンプを用いている。以下、時間軸を復元するための同期手段の構成について説明する。
受信側の無線手段で受信されたAVパケットは、同期手段に入力される。スイッチ43、44は、AVパケットを受信するときには下側に入れられる。
【0087】
図4において、49はAVパケットに付加されたタイムスタンプを分離するタイムスタンプ分離手段であり、タイムスタンプはタイムスタンプバッファ50へ格納され、AVパケットはAVパケットバッファ51に格納される。
【0088】
52はタイムスタンプバッファ50へ格納されたタイムスタンプ値に固定オフセット値を加えた値と、タイマー手段45の示す値とを比較する比較手段であり、タイマー手段45の示す値がタイムスタンプ+固定オフセットの値に一致した瞬間にAVパケットバッファ51からAVパケットを出力させる。固定オフセットは、タイムスタンプで示される時刻から所定時間経過後にAVパケットバッファ51からAVパケットを読み出すためのものであり、その最適値は、無線区間及び処理系全体でのAVパケットの遅延時間と、AVパケットバッファのバッファ量から、AVパケットバッファがオーバーフローしないように決められる。なお、受信側のタイマー手段は、無線ネットワークの基準時刻と同期して送信側のタイマー手段と誤差範囲で同一の時刻を刻む必要がある。
【0089】
以上のように、受信したAVパケットを一旦バッファリングしてタイムスタンプ値+固定オフセット値後にAVパケットバッファから読み出すことにより、図5(d)に示すように時間軸を復元することができる。このような時間軸の復元処理は、MPEG2−TS方式による動画伝送などで有効である。
【0090】
このように、第1の記録再生装置1における時刻aからbにかけて放送された分の再生に連続して、時刻bからcにかけて放送された分が第2の記録再生装置2から送信され、再生される。そして、同様に、時刻bからcにかけて放送された分の再生に連続して、時刻cからdにかけて放送された分が第3の記録再生装置3から送信され、再生される。このようにして、分散して記録された一連の圧縮AV信号を順次連続して受信し再生することが可能となる。
【0091】
なお、他の記録再生装置が再生中に、早送り、巻き戻し、一時停止、コマ送りなどのいわゆる特殊再生が指示された場合、第1の制御手段11のCPU32は、リモコン12から受信した特殊再生コマンドを解読し、現在再生中の記録再生装置にこの特殊再生コマンドを転送する。
【0092】
また、無線手段は、伝送帯域の確保が可能であり、再生されたAVパケットを無線送信するときには伝送帯域の確保をあらかじめ行うことにより、高品質の映像伝送を実現する。
【0093】
また、いずれの記録再生装置にどの圧縮AV信号が記録されているのかという録画情報は、いずれの記録再生装置に保存されてもよく、その記憶領域も制御手段11、15、22内のメモリ手段に限るものではない。再生時は、利用者から再生を指示された記録再生装置が録画情報を参照して記録再生装置を選択する。例えば、利用者が操作している装置とは別の記録再生装置に録画情報が保存されている場合には、その記録再生装置からその録画情報を送信させるなどして参照する。
【0094】
以上のように、本実施の形態1によれば、他の記録再生装置との間で無線通信(圧縮AV信号や制御信号の送受信動作)が可能となり、他の記録再生装置を制御することにより、複数の記録再生装置に分散して記録された圧縮AV信号を連続してあたかも唯一の装置に記録されているかの如く再生することができる。また、特殊再生コマンドを再生動作中の記録再生装置に適切に転送することにより、特殊再生を行うこともできる。このように、あたかも手元の装置を操作しているが如くの操作性を実現することが可能になる。
【0095】
(実施の形態2)
続いて、本実施の形態2による記録再生装置と無線接続アダプタ装置、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムについて説明する。
【0096】
図6は、本実施の形態2による記録再生装置と無線接続アダプタ装置の構成、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図である。なお、前述した実施の形態1と同じ構成を有する部材には同一の番号を付記して、説明を省略する。
【0097】
本実施の形態2では、前述した実施の形態1において記録再生装置に内蔵されていたアンテナ及び無線手段及び同期手段(双方向無線通信手段)を独立したアダプタ形式とし、記録再生装置が無線接続アダプタ装置をインターフェイス(接続手段)を介して用いるように構成されている。また、本実施の形態2では、接続手段としてIEEE1394高速シリアルバス(以下、単にIEEE1394と称す。)を用い、記録再生装置と無線接続アダプタ装置との間をデジタル信号で接続する。
【0098】
図6において、点線枠内が無線接続アダプタ装置、枠外が双方向無線通信手段を内蔵しない記録再生装置である。63乃至66が無線接続アダプタ装置と記録再生装置を接続するためのIEEE1394である。これらのIEEE1394を介してコマンド(制御信号)とAVパケットの受け渡しが行われる。IEEE1394は双方向のデジタルインターフェイスであるので、前述した実施の形態1で説明した機能を実現することができる。
【0099】
この構成を取ることにより、双方向無線通信手段を内蔵しない記録再生装置に、双方向無線通信手段の機能を付加することができる。
また、インターフェース(接続手段)としてIEEE1394を用いる無線接続アダプタ装置は、IEEE1394により接続された複数の記録再生装置間の通信を制御する制御手段を有するので、IEEE1394により複数の記録再生装置を接続しておけば、無線接続アダプタ装置を一つ追加するだけで、複数の記録再生装置がこの無線接続アダプタ装置を共有して使用することができる。例えば、図7に示すように、表示手段(チューナー内蔵)71、記録再生装置(HDD)72、73をIEEE1394を介して無線接続アダプタ装置74に接続し、同様に、表示手段(チューナー内蔵)75、記録再生装置(HDD)76、77をIEEE1394を介して無線接続アダプタ装置78に接続すれば、接続されているすべての記録再生装置間で、前述の実施の形態1で説明した機能を実現することができる。また、IEEE1394を用いることにより、伝送帯域を確保することができるため、実効帯域の低下による画質劣化・コマ落ちなども防ぐことができる。
【0100】
以上のように、本実施の形態2によれば、実施の形態1において記録再生装置に内蔵していたアンテナ及び無線手段及び同期手段(双方向無線通信手段)を独立させ、IEEE1394で接続することにより、アンテナ及び無線手段及び同期手段(双方向無線通信手段)を内蔵しない従来の記録再生装置を流用することができる。さらに、複数の記録再生装置を跨いだ高品質な無線伝送が可能になる。
【0101】
(実施の形態3)
続いて、本実施の形態3による記録再生装置と無線接続アダプタ装置、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムについて説明する。
【0102】
図8、9は、本実施の形態3による記録再生装置と無線接続アダプタ装置の構成、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図である。なお、前述した実施の形態2と同じ構成を有する部材には同一の番号を付記して、説明を省略する。但し、図9に示す記録再生装置と無線接続アダプタ装置が、図6に示す記録再生装置と無線接続アダプタ装置と同等の送受信機能を持つのに対し、図8に示す記録再生装置と無線接続アダプタ装置は上段が送信機能のみ、下段が受信機能のみに特化されている。
【0103】
図8、9において、点線枠内が無線接続アダプタ装置、枠外が双方向無線通信手段を内蔵しない記録再生装置である。前述した実施の形態2ではIEEE1394を用いてデジタル信号により記録再生装置と接続アダプタ装置を接続したが、本実施の形態3では、AV信号をアナログ信号により接続し、コマンド(制御信号)を赤外線により接続する。この構成を取ることにより、IEEE1394が内蔵されていないアナログ入出力のみの記録再生装置にも、双方向無線通信手段の機能を付加することができる。
【0104】
なお、図8、9においては、下段に示す記録再生装置のみが表示手段と接続されているが、無論、すべての記録再生装置が表示手段と接続されていてもよい。続いて、圧縮AV信号を送信するための構成について説明する。図8、9に示すように、記録再生装置側には、圧縮AV信号を復元してデジタルAV信号とする復元手段と、この復元手段からのデジタルAV信号をアナログAV信号に変換するデジタル/アナログ変換手段(D/A変換手段)とが設けられており、このアナログAV信号を無線接続アダプタ装置へ出力する構成となっている。また、無線接続アダプタ装置側には、記録再生装置から入力されたアナログAV信号をデジタルAV信号に変換するアナログ/デジタル変換手段(A/D変換手段)と、このアナログ/デジタル変換手段からのデジタルAV信号を圧縮して圧縮AV信号(AVパケット)にする圧縮手段とが設けられており、このAVパケットが同期手段へ入力される構成となっている。
【0105】
次に、圧縮AV信号を受信するための構成について説明する。図8、9に示すように、無線接続アダプタ装置側には、同期手段により時間軸の復元された圧縮AV信号(AVパケット)を復元してデジタルAV信号とする復元手段と、この復元手段からのデジタルAV信号をアナログAV信号に変換するデジタル/アナログ変換手段(D/A変換手段)とが設けられており、このアナログAV信号を記録再生装置へ出力する構成となっている。また、記録再生装置側には、無線接続アダプタ装置から入力されたアナログAV信号をデジタルAV信号に変換するアナログ/デジタル変換手段(A/D変換手段)と、このアナログ/デジタル変換手段からのデジタルAV信号を圧縮して圧縮AV信号(AVパケット)にする圧縮手段とが設けられており、このAVパケットが記録再生信号処理手段へ入力される構成となっている。
【0106】
このような構成とすることにより、前述した実施の形態1で説明した機能を実現することができる。
なお、通常一系統のアナログ伝送では双方向伝送は困難であるので、双方向伝送を実現するためには、図9に示すように、スイッチを介して並列に受信系と送信系を備える必要がある。
【0107】
また、図8、9の下段に示すように、無線接続アダプタ装置から出力されるアナログAV信号を直接アナログ映像信号とアナログ音声信号に分離して表示手段と音声出力装置へ出力する構成としてもよい。
【0108】
続いて、コマンド(制御信号)を送受信するための構成について、図10、11を用いて説明する。図10は記録再生装置の制御手段(例えば、図9の下段に示す第4の制御手段88)の構成の一例を示すブロック図であり、図11は無線接続アダプタ装置の制御手段(例えば、図9の下段に示す第5の制御手段87)の構成の一例を示すブロック図である。
【0109】
図10、11に示すように、記録再生装置と無線接続アダプタ装置の各制御手段には赤外線受光手段と赤外線発光手段が設けられており、赤外線を用いて記録再生装置と無線接続アダプタ装置間のコマンド(制御信号)の双方向伝送を行っている。
【0110】
具体的には、記録再生装置の第2の赤外線受光手段108は、リモコンからの赤外線コマンドを受信すると、信号に変換して第2のCPU109へ渡す。第2のCPU109はその内容を解読し、他の記録再生装置への指示コマンドであった場合には、第1の赤外線発光手段107によりこの赤外線コマンドが発光されるようにする。この赤外線コマンドは無線接続アダプタ装置の第3の赤外線受光手段115により信号に変換され、第3のCPU116へ渡される。第3のCPU116はその内容を解読し、他の記録再生装置への指示コマンドであった場合には、第4の制御I/F手段119および入出力端子120を介して無線手段へ送信する。同様に、無線手段により受信したコマンドは、無線接続アダプタ装置の制御手段により赤外線に変換され、記録再生装置の制御手段へ送信される。記録再生装置の第2のCPU109はその内容を解読し、他の記録再生装置からの指示コマンドであった場合には、その指示の内容に従って動作する。
【0111】
このように、赤外線受光手段と赤外線発光手段を備えることにより、IEEE1394を用いた双方向のコマンド伝送と同等の機能が実現できる。
以上のように、本実施の形態3によれば、実施の形態1において記録再生装置に内蔵していたアンテナ及び無線手段及び同期手段(双方向無線通信手段)を独立させ、アナログ信号と赤外線で接続することにより、アンテナ及び無線手段及び同期手段(双方向無線通信手段)を内蔵せず、かつアナログ入出力対応の従来の記録再生装置を流用することができる。
【0112】
なお、実施の形態1乃至3で説明した記録再生装置や無線接続アダプタ装置の一部もしくは全部の手段や機能は、表示手段(表示装置)や、表示手段に接続されたセットトップボックスなどの放送信号受信装置内部に具備させても構わない。
【0113】
また、実施の形態1乃至3で説明した記録再生装置や無線接続アダプタ装置の一部もしくは全部の手段や機能をコンピュータにより実行可能なプログラム(情報集合体を含む。)により実行させても構わない。
【0114】
また、実施の形態1乃至3では、放送信号を用いて説明を行ったが、無論、放送信号に限るものではなく、直接他の機器とやり取りされる圧縮AV信号やデジタルAV信号、アナログAV信号についても同様である。
【0115】
また、無線通信により圧縮AV信号や制御信号を記録再生装置間で双方向に送受信する例を説明したが、無論、これに限らず、送信機能又は受信機能のいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。例えば、ある特定の記録再生装置で記録した圧縮AV信号を他の記録再生装置で視聴する機能のみでよい場合には、該特定の記録再生装置に圧縮AV信号と制御信号の送信機能を設け、他の記録再生装置には受信機能のみを設けるだけでもよい。
【0116】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、他の記録再生装置との間で無線通信が可能となり、他の記録再生装置と圧縮AV信号や制御信号をやり取りできるので、他の記録再生装置に対し、圧縮AV信号の記録や圧縮AV信号の再生と送信などの動作を行わせることができる。そのため、例えば、特定の部屋で記録した圧縮AV信号を別の部屋に設置されている他の記録再生装置へ送信して記録させることができ、その別の部屋で該圧縮AV信号を視聴することが可能となる。
【0117】
更に、記録中に空き領域がなくなり記録が不可能となった場合でも、自動的に他の記録再生装置に継続して分散記録させることができる。また、タイマー録画予約についても自動的に複数の記録再生装置に分散させることができる。また、分散記録された圧縮AV信号を自動的に順次連続して再生することができる。また、特殊再生を行うことも可能である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による記録再生装置の構成、および複数の記録再生装置が無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1による録画時の装置間連携記録動作のタイムチャートを示す図
【図3】本発明の実施の形態1による記録再生装置の制御手段の構成の一例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1による記録再生装置の同期手段の構成の一例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1によるタイムスタンプを用いた時間軸の復元を説明するための図
【図6】本発明の実施の形態2による記録再生装置と無線接続アダプタ装置の構成、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2による複数の記録再生装置をIEEE1394により一台の無線接続アダプタ装置に接続したシステムの一例を示す図
【図8】本発明の実施の形態3による記録再生装置と無線接続アダプタ装置の構成、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3による記録再生装置と無線接続アダプタ装置の構成、および複数の記録再生装置が無線接続アダプタ装置により無線を介して接続されるシステムの構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態3による記録再生装置の制御手段の構成の一例を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態3による無線接続アダプタ装置の制御手段の構成の一例を示すブロック図
【図12】従来の記録再生装置の一例を示すブロック図
【図13】従来の問題点を説明するための図
【符号の説明】
1、2、3 記録再生装置
4、14、21 ハードディスク装置(記録メディア)
5、19、26 チューナー手段
6 復元手段
7 表示手段
8、16、23 記録再生信号処理手段
9、17、24 同期手段
10、18、25 無線手段
11、15、22 記録再生装置の制御手段
12 リモコン
13、20、27 アンテナ
31 赤外線受光手段
32 CPU
33 メモリ手段
34 時計手段
35、36 制御I/F手段
37、38 入出力端子
41、42 入出力端子
43、44 スイッチ
45 タイマー手段
46 ラッチ手段
47 タイムスタンプ付加手段
48 送信バッファ
49 タイムスタンプ分離手段
50 タイムスタンプバッファ
51 AVパケットバッファ
52 比較手段
61、62 無線接続アダプタ装置
63、64、65、66 IEEE1394高速シリアルバス
71、75 表示手段
72、73、76、77 記録再生装置(HDD)
74、78 無線接続アダプタ装置
81、82、95、96 無線接続アダプタ装置
83、89、100 復元手段
84、90、97、101 デジタル/アナログ変換手段(D/A変換手段)
85、91、98、102 アナログ/デジタル変換手段(A/D変換手段)
86、92、99、103 圧縮手段
87、93 無線接続装置アダプタ装置の制御手段
88、94 記録再生装置の制御手段
104、105、106 スイッチ
107 赤外線発光手段
108 赤外線受光手段
109 CPU
110 メモリ手段
111 時計手段
112 制御I/F手段
113 入出力端子
114 赤外線発光手段
115 赤外線受光手段
116 CPU
117 メモリ手段
118 時計手段
119 制御I/F手段
120 入出力端子
201 アナログ入力端子
202 アナログ/デジタル変換手段
203 圧縮手段
204 ビットストリーム生成手段
205 記録用バッファ
206 記録変調手段
207 制御手段
208 ハードディスク装置(記録メディア)
209 再生復調手段
210 再生用バッファ
211 復元手段
212 表示用メモリ手段
213 デジタル/アナログ変換手段
214 アナログ出力端子
215 デジタル入出力端子
216 デジタルインターフェース

Claims (12)

  1. ランダムアクセスが可能な記録媒体へ録画するとき、AVパケットに所定の信号処理を施すことで生成した圧縮AV信号を前記記録媒体に記録し、前記記録媒体に記録された圧縮AV信号を再生するとき、前記記録媒体から読み出した圧縮AV信号に所定の信号を処理を施すことでAVパケットを生成する記録再生装置であって、
    無線ネットワークを介して他の記録再生装置へAVパケットと制御信号を送信する動作もしくは無線ネットワーク介して他の記録再生装置からAVパケットと制御信号を受信する動作の少なくとも一方を行う双方向無線通信手段を具備し、
    かつ、前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置に対し動作を指示する制御信号を送信する動作指示手段、もしくは、前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置から受けた指示に応じて動作する制御手段の少なくとも一方を具備するとともに、
    他の記録再生装置に行った指示の内容もしくは他の記録再生装置から受けた指示の内容の少なくとも一方を保存する保存手段を具備し、
    前記双方向無線通信手段は、前記無線ネットワークの基準時刻に同期したタイマー手段を具備し、かつ、前記タイマー手段を基に時間軸復元用のタイムスタンプをAVパケット毎に付加して、そのタイムスタンプが付加されたAVパケットを前記無線ネットワークへ送信する手段、もしくは、前記無線ネットワークから受信したAVパケット毎に付加されている時間軸復元用のタイムスタンプ及び前記タイマー手段を基に時間軸を復元して、受信したAVパケットを出力する手段の少なくとも一方を具備し、
    前記記録媒体から圧縮AV信号を再生するときに前記保存手段を参照することを特徴とする記録再生装置。
  2. 請求項1記載の記録再生装置であって、録画時に前記双方向無線通信手段を用いて他の記録再生装置に対し記録可能であるか否かを問い合わせる制御信号を送信する確認手段を具備し、問い合わせた結果を参照して録画動作を行わせる記録再生装置を自動的に選択することを特徴とする記録再生装置。
  3. 請求項1もしくは2のいずれかに記載の記録再生装置であって、放送信号を受信する放送信号受信手段を具備し、受信した放送信号を他の記録再生装置に録画させることを特徴とする記録再生装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の記録再生装置であって、指定時刻に録画動作の開始および停止を行うためのタイマー録画手段と、記録媒体の残りの記録容量を監視する監視手段とを具備し、前記動作指示手段は、録画予約時に残りの記録容量が不足している場合、他の記録再生装置に対して録画予約を指示することを特徴とする記録再生装置。
  5. 前記動作指示手段は、録画予約時に残りの記録容量が不足している場合、他の記録再生装置に対し、その不足分の録画予約を指示することを特徴とする請求項4記載の記録再生装置。
  6. 複数の記録再生装置に分散して記録された圧縮AV信号を再生する場合、前記動作指示手段が他の記録再生装置に対して圧縮AV信号の再生および送信を指示し、分散して記録された一連の圧縮AV信号を順次連続して受信し再生することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の記録再生装置。
  7. 他の記録再生装置に記録された圧縮AV信号を再生中に、特殊再生動作の指示を受けると、前記動作指示手段が、現在再生動作中の他の記録再生装置に対し、前記特殊再生動作の指示を転送することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の記録再生装置。
  8. 前記双方向無線通信手段は、伝送帯域の確保が可能であり、AVパケットを送信するとき、あらかじめ伝送帯域の確保を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の記録再生装置。
  9. 前記双方向無線通信手段を独立した無線接続アダプタ装置として構成し、前記無線接続アダプタ装置との接続手段を具備し、前記無線接続アダプタ装置を前記接続手段で接続して用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の記録再生装置。
  10. IEEE1394高速シリアルバスを具備し、前記無線接続アダプタ装置とデジタル信号で接続されることを特徴とする請求項9記載の記録再生装置。
  11. AVパケットを復元してデジタルAV信号とする復元手段及びデジタルAV信号をアナログAV信号に変換するデジタル/アナログ変換手段、もしくは、アナログAV信号をデジタルAV信号に変換するアナログ/デジタル変換手段及びデジタルAV信号を圧縮してAVパケットとする圧縮手段の少なくとも一方を具備し、前記無線接続アダプタ装置とアナログ信号で接続されることを特徴とする請求項9記載の記録再生装置。
  12. 前記無線接続アダプタ装置との間で赤外線を用いて制御信号の送信もしくは受信の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項11記載の記録再生装置。
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