JP4424890B2 - 接近警報装置取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレータ利用者がエスカレータのインレット部に異常接近したことを報知する接近警報装置取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エスカレータ利用者がエスカレータのインレット部に異常接近したとき、エスカレータを自動的に停止させる機能を設け、エスカレータ利用者がインレット部に接近した際の安全を確保する方策がとられている。しかし、エスカレータが急激に停止した場合、他のエスカレータ利用者にとって予期しない停止でもあり、必ずしも好ましい状況とは言えない。
【0003】
そこで、エスカレータ利用者の手などがインレット部に接近した場合、異常接近である旨を警報し、インレット部への異常接近を回避する接近警報装置が考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上のような従来技術では、異常接近の検知範囲があまりにも広過ぎた場合、警報が頻繁に発生する恐れがあり、エスカレータ利用者に不安感を与えることが予想される。従って、異常接近に対する検知範囲は、エスカレータのインレット部付近のごく狭い限られた領域に限定するのが望ましいが、このようなごく限られた領域に限定して検知範囲を設定するのは非常に困難である。例えばインレット部への接近を検知するセンサがインレット部真下の床部またはエスカレータのデッキボード上部から床方向を臨むように取付けられるが、床部に取付けられたセンサの上側方向には手摺ベルトやインレットゴム等が存在し、デッキボードに付設されたセンサの臨む方向には床面が存在し、誤検知する可能性がある。
【0005】
また、エスカレータに付設される用品は、エスカレータの各機種に応じて構造、寸法等が異なることから、各エスカレータごとに最適な装置取付位置やセンサの感度を調整する必要があるが、これらの調整作業に多大な時間が必要になる。
【0006】
さらに、接近警報装置の取付位置の調整に対しては、エスカレータ本体の取付スペースが限定されているので自由度が少なく、調整による効果が比較的薄い。一方、センサ感度の調整にあっても、全体の感度が下がって上下の検知範囲が狭まくなることから誤動作を防止することが可能であるが、センサの正面方向および横方向の検知範囲も同時に狭まくなるので、本来必要とする検知範囲が得にくくなる問題がある。
【0007】
接近警報装置本来の機能は、全ての方向からのエスカレータ利用者の進入に対して均一に検知するのが理想であるが、現状の検知範囲では、手摺ベルト中心を基準とする上下方向および左右方向が非対称の状態にあり、均一な検知が難しい状況にある。
【0008】
そこで、これらの問題点を改善するためには、取付位置や感度の調整だけでなく、センサ構成、装置筐体構造等を含めてあらゆる方向から検討を加える必要がある。
【0009】
本発明は、接近警報装置の現地での取り付け作業やエスカレータの分解作業を短縮し、かつ、取付け後の接近警報装置の取り外し難い構造として盗難防止に貢献する接近警報装置取付構造を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係わる接近警報装置取付構造は、エスカレータのインレットと床面との間のエスカレータ構造物の所定高さであって、当該エスカレータ構造物の設置高さ方向に対して垂直方向となる水平方向ラインにそって、超音波を送信する2個の送信センサ及びこれら2個の送信センサの間に配置され、前記インレットと床面との空間部分となるインレット部に異常接近する検知対象物からの反射波を受信する受信センサを有する接近検知センサと、この接近検知センサの送・受信時間から前記検知対象物の異常接近と判断された場合、警告音または警告メッセージを生成し外部に出力する警報情報処理手段とを設けた接近警報装置の取付構造であって、
前記エスカレータ構造物の面部に取付けられた取付部材の複数個所に突出され、それぞれ先端に膨出部をもつ支持体と、前記接近警報装置の裏面側に前記各支持体に対応する位置関係をもって形成されただるま穴部と、前記支持体に前記接近警報装置の裏面側に形成された各だるま穴部を引っかけたとき、前記取付部材と前記接近警報装置との隙間に、当該接近警報装置の取り外しを規制するために挿入されるプレートとを備え、
前記エスカレータ構造物が左右に取り外し分離可能な2つスカートガードパネルであり、各パネルに前記取付部材を構成する2つの取付体を個別に取付け、これら各々の取付体面部に少なくとも1つの支持体を突出させ、前記2つスカートガードパネルの分離に伴ない、前記2つの取付体も同時に分離する取付構造である。
【0018】
この発明は以上のような構造とすることにより、取付部材に突出させた支持体に接近警報装置の裏面側に形成された各だるま穴部を引っかけたとき、前記取付部材と前記接近警報装置との隙間に、当該接近警報装置の取り外しを規制するプレートを挿入することにより、接近警報装置の取り外し時に先にプレートを取外さない限り、接近警報装置を取り外すことが難しく、しかもプレートが外部から見難い状態で挿入すれば、益々接近警報装置の取り外しが困難となり、盗難の防止に大きく貢献する。
また、スカートガードパネルの分離に伴い、各パネルに対応する取付体も同時に分離可能であるので、エスカレータを分解する際、取り外し作業の妨げにならず、迅速に保守作業を進めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係わる接近警報装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1はエスカレータに接近警報装置を取付けたときのエスカレータのインレット部と当該接近警報装置との位置関係を説明する図である。
【0021】
同図において1はエスカレータ利用者を運ぶエスカレータであって、このエスカレータ1は、欄干2に巻装される無端状の手摺ベルト3の回転駆動に伴い、連結された複数の踏段(図示せず)を斜め上方向または斜め下方向に連続的に移動させることにより、エスカレータ利用者を例えば下階から上階方向または上階から下階方向に運ぶ機能をもっている。
【0022】
このエスカレータ1では、エスカレータ上側乗り場および下側乗り場の両側でそれぞれ手摺ベルト3が湾曲状に回り込んでデッキボードなどの据付け構造物4内部に入り込む構成となっている。
【0023】
この据付け構造物4に入り込む手摺ベルト3真下の近傍に設置されるインレット5と乗り場床面6との間の適宜な部分、例えばエスカレータ据付け構造物4のインレット部対面部分には接近検知センサ7をもつ接近警報装置8が取付けられている。なお、接近警報装置8は、インレット部との対面部分であれば、例えばインレット5の底面部に取付けてもよい。ここで、インレット部とは、構造物4に入り込む手摺ベルト3部分と床面6との空間部分を意味する。9は利用者の接近を検知する検知範囲、10はエレベータ利用者等の検知対象物であって、例えば人間の手、足などが含まれる。
【0024】
図2は本発明に係る接近検知センサ7の一実施の形態を示す構成図である。
【0025】
この接近検知センサ7は、例えば据付け構造物4に取付けられる接近警報装置8の装置筐体11の所定高さの水平方向ラインにそって、超音波を送信する送信センサ7a、超音波を受信する受信センサ7bおよび超音波を送信する送信センサ7cが配列されている。すなわち、装置筐体11面上にあって手摺ベルト3の幅方向中心に位置するように受信センサ7bが設けられ、当該受信センサ7bの両側にほぼ等しい距離を隔てて対称な位置に送信センサ7a,7cが配列されている。
【0026】
これらセンサ7a〜7cのうち、受信センサ7bは装置筐体11の前面平坦面に取付けられ、一方、複数の送信センサ7a,7cは装置筐体11の前面平坦面の左右方向に所要の角度αをもって形成された傾斜面部12に取付けられている。
【0027】
前記受信センサ7bの両側に形成された所要角度αの傾斜面部12に送信センサ7a、7cを取付けた理由は、ユーザの要望に応じて手摺ベルト3の横方向幅寸法が種々異なることに伴い、この手摺ベルト3の横幅よりも必要な領域まで検知範囲を拡げるためである。この傾斜面部12の傾斜角度αは、実際には10度程度の角度に設定されるが、手摺ベルト3の横幅寸法その他ユーザの要求によって任意の角度に設定できるものである。例えば手摺ベルト3の横方向幅寸法が比較的広い場合、装置筐体11の横方向の寸法も大きくできるので、装置筐体11の前面平坦面に送受信センサ7a〜7cの順序で配置してもよい。何れにせよ、受信センサ7bに対し、その左右両側に2つの送信センサ7a,7cを配置したのは、例えば手摺ベルト3の左右方向に対称に検知範囲を拡大し、手摺ベルト左右からの人体の接近を等しく検知する為である。
【0028】
なお、前述する接近検知センサ7を構成する各送受信センサ7a〜7cが装置筐体11の前面部分に取付けた例を説明したが、例えば図3(a)に示すように装置筐体11の前面平坦部分全体に凹陥部13を形成し、前述同様にその凹陥部13の平坦面に受信センサ7b、当該凹陥部13の平坦面に対して所要の角度αに形成された傾斜面部14にそれぞれ送信センサ7a,7cを取り付けるか、或いは図3(b)に示すように装置筐体11の前面部分のうち、各送受信センサ72a〜7cの取付部分のみ、超音波の送受信範囲の影響を考慮しつつ断面台形状の個別的な凹陥部13a、13b、13cを形成し、これら凹陥部13a、13b、13cにそれぞれ該当する送受信センサ7a〜7cを取付けてもよい。このように装置筐体11に凹陥部13(13a、13b、13c)を形成した理由は、エスカレータ利用者が足などをぶっつける悪戯等からセンサ7a〜7cを保護するためである。
【0029】
また、装置筐体11の前面部分には、受信センサ7bの上下部には指向性板15,16が例えば着脱自在の取付けられている。これら指向性板15,16は、エレベータ利用者が比較的近づく難い受信センサ7bの真上および真下に配置することにより、手摺ベルト3,インレット5の他、床面6からの反射波を再反射させるか、吸収させることにより、上記構成部材からの反射を遮断し、ひいては検知誤差を未然に回避することにある。なお、指向性板15,16としては、例えば電波吸収材で形成するか、または電波吸収粉末剤を塗布すれば、より超音波の送受信波を吸収遮断させることが可能である。
【0030】
なお、この指向性板15,16は、装置筐体11の前面部分に着脱自在に取付けられるが、例えば装置筐体11と一体に形成してもよい。エスカレータ利用者による悪戯等を考えた場合、より強固に取付けるのが望ましいが、例えばエスカレータの設置構造等の状況に応じて突き出し長さの異なる指向性板15,16を適宜選択的に取り付け、反射波などの遮断状況を試みる必要があるので、着脱自在に取付けた方が好ましい。また、前記図3(b)に示すように、特に受信センサ7bに対応する凹陥部13bを適宜な深さに形成すれば、指向性板15,16のもつ機能を果たすことが可能となり、当該指向性板15,16を省略するか、或いはより突出し長さを短くした指向性板15,16を用いることにより実現可能である。
【0031】
従って、以上のような接近検知センサの実施の形態によれば、受信センサ7bの両側に所定距離隔てて送信センサ7a,7cを配列したので、手摺ベルト3を中心に左右方向に対称に超音波を送信することができ、しかも異常接近する検知対象物からの反射波を中央の受信センサ7bで受信するので、左右対称な検知領域をもつ検知範囲を設定し、検知対象物の異常接近を検知することができる。
【0032】
また、受信センサ7bの上下部に所要面積の指向性板15,16を配置したので、両送信センサ7a,7cから送信された送信波のうち、受信センサ7bの上部側に存在する手摺ベルト、インレットゴム等、また受信センサ7bの下部側に存在する床面等から反射されてくる反射波が各指向性板15,16で再反射され、または吸収されるので、誤検知を大幅に低減できる。
【0033】
さらに、受信センサ7bの取付け面に対し、当該取付け面の左右方向に所定の傾斜角度の傾斜面部12を形成し、これら傾斜面部12に各送信センサ7a,7cを取付けるので、手摺ベルト3の左右方向に対称に検知範囲を広げることができ、例えば手摺ベルトのコンパクト化により横幅が狭くなった場合でも、検知範囲を低下させずに検知対象物10の異常接近を容易に検知できる。
【0034】
さらに、前記各送受信センサ7a〜7cの取付け面を凹陥部13に形成するとともに、この凹陥部13内の受信センサ7bの取付け面に対し、当該取付け面の左右方向に配列する前記送信センサ7a,7cの取付け面が所定の傾斜角度の傾斜面部14に形成したので、外部からの衝突によるセンサ7a〜7cの破損を未然に防止でき、しかも前述する指向性板と同様の機能も併せもつことができる。
【0035】
次に、図4は本発明に係る接近警報装置の一実施の形態を示す電気的な構成図である。
【0036】
この接近警報装置8は、検知対象物10がインレット部に接近することを検知する前記接近検知センサ7の他、設定データ記憶部21、メッセージデータ記憶部22および所定のプログラムに基づいて検知対象物の接近状態を判断し、所要とするメッセージを生成し出力するCPUで構成された接近処理制御部23が設けられている。
【0037】
接近検知センサ7は、図2に示すごとく送信センサ7a,7cから超音波を送信し、異常接近する検知対象物10等からの反射波を受信センサ7bで受信する機能をもっている。これら送受信センサ7a〜7cの配置および取付けなどは前述した通りであり、図1ないし図3の説明に譲る。
【0038】
設定データ記憶部21は、異常接近と判定するための送・受信時間データの他、必要に応じて受信レベル等の判定用データの他、異常接近時に所要の信号に変換出力するための設定データが記憶され、さらに所定の周期ごとに超音波の総受信時間をカウントするためのタイマメモリなどが設けられている。
【0039】
前記メッセージデータ記憶部22は、異常接近状態を検知したときのディジタル的なメッセージデータ、例えば検知対象物として人体が検知されたとき、「危険です、離れてください」とか、人体以外が検知されたとき、「危険です、所持品を離してください」とか、或いは人体および人体以外のものを含んで共通のメッセージデータなどが格納されている。
【0040】
なお、これら設定データ記憶部21およびメッセージデータ記憶部22は、それぞれ個別的に記載したが、同一の記憶媒体にエリア分けして各データを格納してもよい。
【0041】
さらに、接近処理制御部23は、各送受信センサ7a〜7cの出力から人体による異常接近を判断する異常接近判断手段231と、この判断手段231から人体等の異常接近と判断されたとき、メッセージデータ記憶部22から人体、人体以外のもの、或いは共通のメッセージデータを取出しメッセージを生成するメッセージ生成手段232と、例えば設定データ記憶部21に設定される出力設定データに応じて所要の警報情報に変換処理する警報情報処理手段233とで構成されている。
【0042】
この警報情報処理手段233は、メッセージを音声信号として出力する場合には音声変換手段を含み、この変換手段で変換された音声信号である警報信号を音声発生器24から出力し、また画像情報として出力する場合には例えばドットマトリクスメモリおよび表示制御手段を含み、メッセージをドットマトリクスメモリに配列し、表示制御手段にてCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示部25に警報情報を表示し、さらにエスカレータの停止を必要とする場合には停止制御信号に変換し、エスカレータ制御部等の停止回路26に送出する。
【0043】
27は処理上必要なデータを設定したり、処理途中のデータを格納するデータバッファである。
【0044】
次に、以上のような装置の動作について図面を参照して説明する。
【0045】
先ず、動作が開始すると、接近処理制御部23は、データバッファ27などに格納される不要なデータをクリアする初期化処理を実施した後、接近処理制御部23ないし異常接近判断手段231は、所定の周期ごとに送信センサ7a,7cを駆動し、送信センサ7a,7cから超音波を発生させて手摺ベルト3下部のインレット部に送信する。これら送信センサ7a,7cは、受信センサ7bの前面平坦面に対し、所要の傾斜角度αの傾斜面部12に取付けられ、かつ、受信センサ7bを中心とする対称な位置に設置されているので、各送信センサ7a,7cから送信された超音波は、図5(a)に示すように手摺ベルト3を中心とし、傾斜角度α分に応じた手摺ベルト3の左右方向に広がりをもって対称的に送信される。その結果、送信センサ7a,7cの送信範囲は、α=0のときに比べて左右方向に拡大し、同図(b)に示すように検知範囲9も同様に左右方向に拡大する。しかも、受信センサ7bを中心とする対称な位置に送信センサ7a,7cが配置されていない場合に比べ、同図(b)に示すように左右方向(横方向)に対称な検知範囲9を確保できる。
【0046】
各送信センサ7a,7cから送信された超音波T1,T2は、検知対象物10が存在する場合、当該検知対象物10で反射されて反射波R1となり、受信センサ7bで受信する。このとき、異常接近判断手段231は、超音波の送信タイミングで設定データ記憶部21のタイマメモリを起動するので、超音波送信後に反射されてくる反射波の受信までの受信時間をカウントすることができる。よって、異常接近判断手段231は、反射波の受信時間と予め定める判定用時間とを比較し、反射波の受信時間が判定用時間以内である場合、検知対象物10が異常接近していると判断する。
【0047】
一方、各送信センサ7a,7cから送信された超音波T1,T2は、検知対象物10が存在しない場合、図6に示すようにそのまま床面6に到達した後、床面からの反射波R2となって受信センサ7bの方向へ反射される。このとき、反射波R2は受信センサ7bの下部に指向性板16が取付けられているので、当該反射波R2で再度反射されるか、或いは吸収されることから、受信センサ7bに受信されることがないか、仮に斜め方向から反射波を受信したとしても、検知対象物10が存在する場合に比べて受信時間が長くなり、判定用時間を越える結果となり、誤検知となることがなくなる。すなわち、受信センサ7bの真下の床面6から反射される最も受信時間が短い反射波は指向性板16で反射されるか、或いは吸収されてしまう。
【0048】
また、同様に接近警報装置8の上方向に送信された超音波送信波T1,T2は、検知対象物10である人体の手などが存在しない場合、そのまま手摺ベルト3またはインレット5に到達した後、反射波R3となって受信センサ7bの方向に反射される。この場合においても、受信センサ7bの上部に指向性板15が取付けられているので、再度反射されるか、あるいは吸収されるために、受信センサ7bに受信されることがなくなる。図7(a)はインレット部正面側から接近検知センサ7を見たときの超音波の送受信範囲,ひいては横方向の検知範囲9であり、同図(b)は側方から見たときの概略的な検知範囲9を示すものである。
【0049】
そこで、接近警報装置8としては、以上述べたように接近処理制御部23の異常接近判断手段231が検知対象物10の異常接近と判断すると、メッセージ生成手段232に通知する。このメッセージ生成手段232は、検知対象物10が異常接近しているので、メッセージデータ記憶部22から例えば「危険です、離れてください」というディジタルメッセージデータを選択し、警報情報処理手段233に送出する。
【0050】
この警報情報処理手段233は、予め音声発生器24のみの警報である場合、さらに表示部25にも表示するとか、或いは音声発生器24からの警報とエスカレータの停止制御とを必要とする場合などがある。或いは全部の出力手段を用いて出力することも考えられるので、それらの出力手段に適用する信号変換を実施し、警報を出力する。
【0051】
また、音声発生器24から音声メッセージとブザー音とを交互に発生するようにすれば、エスカレータ利用者は音声メッセージから異常接近であることが的確に把握でき、一方、ブザー音から非常に危険であることを知ることができる。
【0052】
従って、以上のような実施の形態によれば、検知対象物10がインレット部に異常接近したとき、接近検知センサ7は当該検知対象物10からの反射波を受信するが、このとき判断手段231は、信号の送受信時間と予め設定される判定用時間とを用いて、検知対象物10の異常接近を判断し、メッセージ生成手段232にてメッセージを生成し、その生成されたメッセージを音声発生器24等から出力するので、エスカレータ利用者がインレット部に異常接近したとき、メッセージ内容から異常接近状態を確実に把握でき、エスカレータ利用者により安心を与えつつインレット部から離すことができる。
【0053】
また、接近検知センサ7としては、エスカレータ1のインレット部の所定高さ水平方向ライン上に、超音波を送信する複数の送信センサ7bおよび当該両送信センサ7a,7c間の等距離中央位置に配列されインレット部に異常接近する検知対象物からの反射波を受信する受信センサ7bを配列することにより、前述同様に手摺ベルト3を中心に左右方向に対称に超音波を送信でき、受信センサ7bでは、左右対称性を有する検知範囲を確保することができる。
【0054】
また、警報情報処理手段233としては、異常接近によるメッセージを音声メッセージに変換して報知するか、或いはメッセージ生成手段232により生成されるメッセージに基づき、音声メッセージと警報ブザー音とを交互に出力すれば、エスカレータ利用者に対して最適なメッセージを提供でき、メッセージ内容から異常接近状態を確実に理解でき、エスカレータ利用者に安心を与えつつインレット部から離すことが可能である。
【0055】
さらに、警報情報処理手段233としては、異常接近によるメッセージを音声信号および表示信号に変換し、それぞれ音声発生器24および表示部25から出力すれば、エスカレータ利用者が異常接近状態を容易に知ることができる。
【0056】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、エスカレータ1のインレット下部に接近警報装置8が設置され、エスカレータ利用者の手などがインレット5に接近したとき、音声発生器24から利用者に対して十分に聞き取れる音量の警告音または警告メッセージをを出力する構成となっている。
【0057】
しかし、インレット5に接近する人は、大人に限らず、幼児や子供などが接近する可能性も考えられる。特に幼児の場合、警告音または警告メッセージの内容が理解できず、その場に留まることもありうる。このことは、幼児や子供が接近した際は、本人への警告だけではなく、周囲の保護者或いは第三者に対しても異常接近を認識させ、幼児や子供に対して注意させることが必要である。
【0058】
周囲の保護者や第三者に知らせるためには、音声発生器24の音量を大きくすれば良い。しかし、音声発生器24から近距離に位置する人の耳元などで大音量の警告音を発することは、難聴などの障害を引き起こすことも考えられ、その障害を回避するためには大音量の警告音または警告メッセージを出力するのが難しい。
【0059】
従って、出来れば、インレット5に接近した人が十分に聞き取れる警告音量であり、しかも近距離での大音量の発報を抑制でき、同時にエスカレータ周囲の保護者や第三者に対しても異常接近を認識させるような接近警報システムであることが望ましい。
【0060】
図8は以上のような要望を満たすために実現された本発明に係わる接近警報システムの一実施の形態を示す構成図である。なお、図8(a)はエスカレータのインレット部分の側面図、図8(b)はエスカレータ両側のインレット下部にそれぞれ接近警報装置8a,8bを設置した例である。なお、図8において図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0061】
この図において、エスカレータ1両側にはそれぞれ手摺ベルト3が掛け渡され、かつ、エスカレータ1のデッキボードなどの据付け構造物4に入り込むインレット5に人手が引き込まれるのを回避するためのインレット安全装置31が設置されている。このエスカレータ両側のインレット5下部ないしインレット安全装置31の下部には接近警報装置8a,8bが設置されている。
【0062】
つまり、エスカレータ1の乗場32から見て左右両側のインレット5下部ないしインレット安全装置31の下部に左右1ペアを構成するように接近警報装置8a,8bが設置されている。
【0063】
また、エスカレータ1の上下階に接近警報装置を設置する場合、エスカレータ1の下階両側と上階側両側とにそれぞれ接近警報装置を設置するので、合計4台の接近警報装置が設置される。
【0064】
さらに、図9に示すように、エスカレータ1が2台並列に設置されている場合、各エスカレータ1にそれぞれ1ペアづつ設置されるので、1つの乗場に合計4台の接近警報装置8a,8b,8c,8dが設置される。
【0065】
因みに、エスカレータ1両側に接近警報装置8a,8bを設置した場合、各接近警報装置8a,8bの関係は図10に示すような構成となる。なお、接近警報装置8a,8bの内部構成は前述する図4とほぼ同一であるので、詳しくは図4の説明に譲る。
【0066】
すなわち、この接近警報システムは、接近警報装置8aから出力される音声信号が接近警報装置8b内、或いは接近警報装置8bの設置個所側に取付けられる音声発生器24bに入力され、また接近警報装置8bから出力される音声信号が接近警報装置8a内、或いは接近警報装置8aの設置個所側に取付けられる音声発生器24aから入力される構成となっている。
【0067】
次に、以上のような接近警報装置8a、8bを設置した例のシステムの動作について説明する。
【0068】
今、人体が接近警報装置8a側の検知範囲に接近した場合、接近センサ7aにより人体の接近を検知する。この接近センサ7aにより人体の接近を検知し、接近処理制御部23a内で前述する所定の判断基準によって異常接近と判断された場合、接近警報装置8b側に設置される音声発生器24aから警告音または警告メッセージが出力される。これらの基本動作は図4の説明に譲る。
【0069】
従って、 本発明の一実施形態としての接近警報システムは、異常接近を検知した接近警報装置は、自装置では発報が行われず、ペアとなっているもう一方の装置側の音声発生器から警報を発することになる。
【0070】
従って、以上のような実施の形態では、例えば幼児や子供が接近した際、例えば周囲の保護者或いは第三者に対して異常接近を認識させることができ、幼児や子供に対して注意させることが可能となる。しかも、大音量の警告音または警告メッセージを出力することなく、周囲の保護者や第三者に知らせることが可能である。
【0071】
次に、他の接近警報システムとしては、例えば図9に示すように、2つのエスカレータが並列に設置されている場合、接近警報装置の台数は4台となる。この場合、例えば接近警報装置8aからの音声信号が接近警報装置8d側の音声発生器に入力し、また接近警報装置8dからの音声信号が接近警報装置8a側の音声発生器に入力するように接続すれば、接近した本人からさらに遠い位置での発報が可能になり、音声発生器の音量を更に増大させることが可能である。
【0072】
他の接近警報装置例えば8bからの音声信号は接近警報装置8d側の音声発生器、接近警報装置例えば8cの音声信号は接近警報装置8a側に設置される音声発生器に入力するごとく接続する。
【0073】
さらに、エスカレータの上下階に接近警報装置が設置されている場合、下階側の接近警報装置からの音声信号は上階側の接近警報装置側の音声発生器、また上階側の接近警報装置からの音声信号は下階側の接近警報装置側の音声発生器に入力するように接続することも可能である。
【0074】
このような実施の形態によれば、予め人通りの多い方の階が分っていれば、そちらの階に発報し、第三者に気づかれやすくすることも可能である。
【0075】
また、インレット5ないしインレット安全装置31付近に接近した人に対しては、音声発生器の音量を十分聞き取れるレベルまで増大させておくか、または自装置の音声発生器にも同時に接続しておくことも可能である。これは図9においても同様に自装置の音声発生器にも同時に接続しておくことも可能である。
【0076】
従って、以上のように接近警報装置の音声信号を他の接近警報装置側に設置される音声発生器に入力するようにすれば、接近警報装置の設置台数が増えるごとに、音声信号の出力先の選択肢が増え、効率よく異常接近の音声信号を周囲の保護者或いは第三者に認識させることができる。また、接近した本人に対しては、耳元などに大音量の発報をするのを防止でき、難聴などの障害が生じる可能性もなくなる。
【0077】
さらに、接近警報装置内または近傍に音声発生器を設置したが、例えば別途、エスカレータ1の接近警報装置の設置場所以外のエスカレータの所要個所またはエスカレータ周辺近傍に警告する専用の音声発生器を設けてもよい。このことは、例えば音声発生器をエスカレータだけでなく、建屋側に設置することも可能となり、保護者や第三者に最適な位置で警告を発することができる。、
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、インレット下部近傍に位置するエスカレータ1のデッキボードなどの据付け構造物(例えばスカートガードパネルと呼ぶ)4に接近警報装置8を設置する例について述べたが、例えば既設のエスカレータ1に接近警報装置8を取付ける際、エスカレータ部品を加工する必要が生じる。この接近警報装置8の取付け作業は、現地作業となるだけでなく、無理な姿勢や時間の制約を受ける作業であり、特にエスカレータ構造物に穴あけ加工する際の位置決めなどに非常に手間がかかる。
【0078】
また、通常のエスカレータ保守作業時、エスカレータの一部を分解する必要があるが、接近警報装置8が取り付けられている場合、通常のエスカレータの分解作業以上に時間を要する。一方、接近警報装置8が容易に着脱可能となっていれば、接近警報装置8の盗難などの恐れがでてくる。
【0079】
従って、通常の保守作業時のエスカレータの分解性を維持し、接近警報装置の現地での取り付け作業時間を短縮し、なおかつ外部から接近警報装置が取り外し難い構造であることが望ましい。
【0080】
図11および図12は以上のような要望を満たすために実現された本発明に係わる接近警報装置取付構造の一実施の形態を示す図である。図11はスカートガードパネル4などに接近警報装置が取付けられた状態を示す図、図12は接近警報装置の取付分解斜視図である。なお、接近警報装置の内部構成及び設置の形態は、図4、図8〜図11の説明に譲る。
【0081】
図12に示すエスカレータ1の部品としては、スカートガードパネル4、インレット安全装置31、手摺ベルト3等があるが、接近警報装置8は、インレット5下部ないしインレット安全装置31下部のスカートガードパネル4に固定される取付部材41にプレート42を介して取付けられる。
【0082】
通常、エスカレータ1のスカートガードパネル4は、保守時の分解性を考慮し、左右に分離する2つのスカートガードパネル4a,4bとによって構成されている。
【0083】
前記取付部材41は、スカートガードパネル4a,4bと同様に分離可能な2つの例えば矩形状取付体41a、41bからなり、これら2つの取付体41a、41bは左右に分離されるパネル4a,4bにそれぞれ個別に取付け固定される。なお、この取付体41a、41bは、強力両面テープ、接着剤その他ボルトによる締結等によって取付けられる。
【0084】
さらに、これら2つの取付体41a、41bからなる面には例えば逆三角形を構成するごとく3ヶ所に取付ボルト43x,43y,43zが取り付けられている。一例として、取付体41aの上部ほぼ中央部分に取付ボルト43x、取付体41bの上部ほぼ中央部分に取付ボルト43y、取付体41a、41bの何れか一方の下部の取付体分離ラインに近い個所に取付ボルト43zが取り付けられている。これら取付体41a、41bの上下部にそれぞれ取付ボルトを取り付けてもよい。これら取付ボルトの取付形態は特に限定されるものではなく、またボルトである必要がない。また、取付体41a、41bは同じ大きさである必要が無い。
【0085】
前記プレート42は、例えば長方形の平面板体の上部にL字状の折り曲げ部42aが形成され、折り曲げ部42a以外の平面板体にはプレート挿入端側に開口をもつ所要の長さの切欠部42bが形成されている。
【0086】
前記接近警報装置8は、図12(b)に示すごとくその装置背面側に、2つの取付体41a、41b面に取付けた取付ボルト43x、43y、43zに対応する個所にそれぞれだるま穴8x、8y、8zが設けられている。
【0087】
次に、以上ようにスカートガードパネル4a,4bに接近警報装置8を取付ける手順について説明する。
【0088】
(1) スカートガードパネルパネル4a,4bに対して、それぞれ取付体41a、41bを取付ける。この取付体41a、41bは、前述するように強力両面テープ、接着剤その他ボルトによる締結等により取付ける。
【0089】
(2) 次に、これら取付体41a、41bの取付ボルト43x、43y、43zに対し、接近警報装置8の背面側のだるま穴8x、8y、8zをそれぞれ引っかけるようにして取付ける。
【0090】
(3) 引き続き、2つの取付体41a、41b面と接近警報装置8との隙間に、接近警報装置8側方からプレート42を挿入する。プレート42は、その折り曲げ部42aの下面と接近警報装置8の上面が接するように横からスライドさせれば、切欠部42b内に取付ボルト43x,43yが自動的に入るようになっている。
【0091】
以上のようにして、取付体41a、41b、接近警報装置8、プレート42の順番に取りつける。
【0092】
(4) 次に、エスカレータから接近警報装置8を取り外す場合、接近警報装置8を上方に引き上げ、取付体41a、41bの取付ボルト43x、43y、43zから外す必要があるが、プレート42が挿入されたままの状態では、接近警報装置8上面がプレート42の折り曲げ部42aの下面と干渉し、上方向に移動させることができない。接近警報装置8を取り外す場合、必ず最初にプレート42を取り外さなければならない。
【0093】
また、プレート42を取り外す際、プレート42を上に引き上げた場合には、プレート42の切欠部42bが取付ボルト43x,43yと干渉し、上方向に移動させて外すことはできない。従って、プレート42を外すには、必ず横方向、かつ、右側から左側にスライドさせなければ取り外すことができない。
【0094】
なお、スカートガードパネル4a,4bに接近警報装置8を取付け場合の寸法関係の概要について説明する(図13参照)。
【0095】
今、接近警報装置8の幅寸法が4Lとすれば、プレート42の幅寸法は4Lよりも短い3Lとする。このような寸法関係にすれば、プレート42の側面は接近警報装置8の横幅からはみ出すことがなく完全に装置裏側に隠れるので、接近警報装置8の側面から指でプレート42を押出すことができず、また横方向へスライドするプレート42の取り外し構造も外部から発見しにしい。
【0096】
一方、エスカレータの保守時にスカートガードパネル4a,4bを取り外す際、所要の順序に従ってプレート42−接近警報装置8を取り外せば、取付体41a,41bは、そのままスカートガードパネル4a,4bに取付けたままの状態でよい。その理由は、スカートガードパネル4a,4bの分離に対し、取付部材41を構成する取付体41aがパネル4a側、取付体41bがパネル4b側に取付けられているので、パネル4a,4bの分離に伴い、取付体41a、取付体41bも同時に分離できるためである。再度組立てる際も、同様にパネル4a,4bに取付体41a、取付体41bを取付けた状態で組立てが可能である。
【0097】
なお、以上のような取付構造とすれば、接近警報装置8の盗難を防ぐことが可能であるが、さらに盗難し難くい状態にする場合、取付ボルト43x、43y、43zの長さ調整によってプレート42を挿入する隙間を狭くし、プレート42が外し難くすることも可能である。また、予め適正な隙間寸法が分っていれば、決まった長さのアングルやスタッドボルトなどを、取付具に設置しておいてもよい。また、プレート42の折り曲げ部42aの折り曲げ角度を90°以下(例えば89°)程度にしておけば、更に外し難くなり、盗難防止の効果が上がる。
【0098】
従って、以上のような接近警報装置取付構造の実施の形態によれば、2つの取付体41a、41b面と接近警報装置8との隙間に、接近警報装置8側方からプレート42を挿入する取付構造としたので、所定の順序を踏まないと、接近警報装置8を取り外すことができなくなり、接近警報装置の盗難を防止することが可能となる。しかも、プレート42の折り曲げ部42aの下面が接近警報装置の上面に接し、かつ、プレート42の切欠部42b内にパネル4a,4bの取付ボルト43x、43yが入り込んでいるので、接近警報装置8を上に動かそうとしても、完全に動きが規制され、取り外しが非常に難しい状態となる。さらに、接近警報装置の裏側にプレート42が隠れた状態となっているので、取り外しが非常に困難である。
【0099】
仮に、取り外しに成功したとしても、それまでに相当な時間を費やすことが予想され、かつ、この間には接近警報装置8が作動し警告発報が連続的に行われているので、事実上盗難は不可能となる可能性が高い。
【0100】
一方、所定の取り外し順序を踏むことにより、特別な工具を必要とせず、容易に取り外すことが可能となり、保守員が多大な時間を要せずに接近警報装置やエスカレータの保守作業を行うことができる。
【0101】
また、スカートガードパネル4a,4bの分離に伴い、取付体41a、取付体41bも同時に分離可能な構造となっているので、エスカレータを分解する際、取り外し作業の妨げにならず、迅速に保守作業を進めることができる。
【0102】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば取付部材41は分離するように2つの取付体41a、取付体41bで構成したが、2つの分離しない一体の構成のものでも良い。これは例えばスカートガードパネル4a,4bが左右に分離できない場合等に適用できる。
【0103】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば接近警報装置の現地での取り付け作業やエスカレータの分解作業を短縮でき、かつ、取付け後の接近警報装置の取り外し難い構造として盗難防止に大きく貢献できる接近警報装置取付構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る接近警報装置を適用するエスカレータのインレット部分を説明する図。
【図2】 本発明に係る接近検知センサの一実施の形態を示す図であって、同図(a)は上面図、同図(b)は正面図。
【図3】 本発明に係る接近検知センサの他の実施の形態を示す上面図。
【図4】 図1に示接近警報装置の内部構成を示すブロック図。
【図5】 送受信センサによる送受信状態を説明する図であって、同図(a)は各送信センサによる送信波の伝播状態を示す図、同図(b)は受信センサによる検知範囲を示す図。
【図6】 検知対象物が存在したいときの送受信波の状態を説明する図。
【図7】 受信センサによる検知範囲を説明する図。
【図8】 本発明に係わる接近警報システムの一実施の形態を説明するエスカレータのインレット部近傍の側面図及び乗場から見た接近警報装置の設置した図。
【図9】 エスカレータ2台を並列に配置させた場合の接近警報装置の設置図。
【図10】 エスカレータ両側に接近警報装置を設置したときの各装置からの音声信号と音声発生器との関係を説明する図。
【図11】 本発明に係わる接近警報装置取付構造を示す図。
【図12】 本発明に係わる接近警報装置の取付手順を説明する分解斜視図。
【図13】 接近警報装置とフレーとの寸法関係を説明する図。
【符号の説明】
1…エスカレータ
3…手摺ベルト
4…スカートガードパネル(4a,4b:パネル)
5…インレット
6…床面
7…接近検知センサ
7a,7c…送信センサ
7b…受信センサ
8(8a〜8d)…接近警報装置
9…検知範囲
10…検知対象物
12,14…傾斜面部
13…凹陥部
22…メッセージデータ記憶部
23…接近処理制御部
24(24a,24b)…音声発生器
25…表示部
31…インレット安全装置
41…取付部材(41a,41b:取付体)
42…フレーム
43x,43y,43z…取付ボルト
231…異常接近判断手段
232…メッセージ生成手段
233…警報情報処理手段

Claims (4)

  1. エスカレータのインレットと床面との間のエスカレータ構造物の所定高さであって、当該エスカレータ構造物の設置高さ方向に対して垂直方向となる水平方向ラインにそって、超音波を送信する2個の送信センサ及びこれら2個の送信センサの間に配置され、前記インレットと床面との空間部分となるインレット部に異常接近する検知対象物からの反射波を受信する受信センサを有する接近検知センサと、この接近検知センサの送・受信時間から前記検知対象物の異常接近と判断された場合、警告音または警告メッセージを生成し外部に出力する警報情報処理手段とを設けた接近警報装置の取付構造であって、
    前記エスカレータ構造物の面部に取付けられた取付部材の複数個所に突出され、それぞれ先端に膨出部をもつ支持体と、
    前記接近警報装置の裏面側に前記各支持体に対応する位置関係をもって形成されただるま穴部と、
    前記支持体に前記接近警報装置の裏面側に形成された各だるま穴部を引っかけたとき、前記取付部材と前記接近警報装置との隙間に、当該接近警報装置の取り外しを規制するために挿入されるプレートとを備え、
    前記エスカレータ構造物が左右に取り外し分離可能な2つスカートガードパネルであり、各パネルに前記取付部材を構成する2つの取付体を個別に取付け、これら各々の取付体面部に少なくとも1つの支持体を突出させ、前記2つスカートガードパネルの分離に伴ない、前記2つの取付体も同時に分離するようにしたことを特徴とする接近警報装置取付構造。
  2. 請求項1に記載の接近警報装置取付構造において、
    前記プレートは、平面板体上部にL字状の折り曲げ部が形成され、この折り曲げ部以外の平面板体にプレート挿入端側に開口をもつ切欠部が形成されてなり、
    装置側方から前記隙間へのプレート挿入の際、前記折り曲げ部の下面と前記接近警報装置の上面とが接し、かつ、前記切欠部内に所要数の取付体が係合するようにしたことを特徴とする接近警報装置取付構造。
  3. 請求項1に記載の接近警報装置取付構造において、
    前記プレートの横幅は前記接近警報装置の横幅よりも短く形成したことを特徴とする接近警報装置取付構造。
  4. 請求項2に記載の接近警報装置取付構造において、
    前記プレートの折り曲げ部の折り曲げ角度は90°以下(0°を含まない)に形成したことを特徴とする接近警報装置取付構造。
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