JP2003253630A - 道路用安全装置及び道路用安全システム - Google Patents

道路用安全装置及び道路用安全システム

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JP2003253630A
JP2003253630A JP2002216912A JP2002216912A JP2003253630A JP 2003253630 A JP2003253630 A JP 2003253630A JP 2002216912 A JP2002216912 A JP 2002216912A JP 2002216912 A JP2002216912 A JP 2002216912A JP 2003253630 A JP2003253630 A JP 2003253630A
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JP
Japan
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vehicle
road safety
collision
safety device
power generation
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JP2002216912A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Sakai
康弘 坂井
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JIGYO SOZO KENKYUSHO KK
USC Corp
Jigyo Sozo Kenkyusho KK
Original Assignee
JIGYO SOZO KENKYUSHO KK
USC Corp
Jigyo Sozo Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路上あるいは道路近辺での工事現場、ある
いは故障車両の現場等に居る作業者等を、進入してきた
車両による事故から守るための安価で安全な装置及びシ
ステムを提供することを課題とする。 【解決手段】 道路用安全装置2は、車両71の進路を
誘導するために道路7に設置される車両誘導体10に取
り付けるための装置であって、圧電素子21と衝突部材
22を具備し車両誘導体10への車両の衝突により衝突
部材22が圧電素子21に衝突して発電する発電部材2
0を備え、この発電部材20の電力により車両71の衝
突を報知する。そして、道路用安全システム1では、道
路用安全装置2と、道路用安全装置2から発信される信
号を受信する受信装置5とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の進入を遮断
して道路上や道路近辺等の領域で作業する作業者を保護
するための装置及びシステムに関する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】道路において各種の工事等を行う場合に
は、工事現場に車両が誤って進入することで、現場で作
業する作業者や進入した車両の双方に、ケガや被害が発
生することが心配される。そのため、工事現場等では、
その手前にあらかじめ車両誘導体として、矢印板やカラ
ーコーン(赤や黄色等に着色された三角錐の置物)等が
設置され、車両が工事現場に入って来ないように進路変
更が促される。また、道路において車両の故障等が発生
した場合にも、故障車両に対処する作業者(運転者等)
や、故障車両そのものを保護するために、道路の手前に
停止表示器材(三角停止板)が設置され、他の車両が衝
突しないようにその進路変更が促される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、矢印板
やカラーコーン、停止表示器材等の車両誘導体は、外観
に光を反射する素材が用いられたり目立つ彩色等が施さ
れたりして視認性を高めているものの、車両の運転者が
これらを見落として気づくのが遅れ、誤って工事現場や
故障車両の現場に進入することがある。工事現場や故障
車両の作業者は作業に集中しており、また作業による騒
音や付近を走行する車両の走行音が大きいことも多い。
そのため、作業者が進路を間違った車両に気づくのが遅
れて、事故が引き起こされる事態が頻繁に発生してい
る。
【0004】また、より確実に車両の進入を防ぐため
に、工事現場等では車両を誘導するために警備員を配置
する場合もあるが、人件費が掛かるという問題もあっ
た。
【0005】このような課題を考慮して、本発明は、道
路上あるいは道路近辺での工事現場、あるいは故障車両
の現場等に居る作業者等を、進入してきた車両による事
故から守るための安価で安全な装置及びシステムを提供
することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の道路用安全装置は次のような手段を採用す
る。
【0007】すなわち、請求項1では、車両の進路を誘
導するために道路に設置される車両誘導体に取り付ける
ための装置であって、圧電素子と衝突部材を具備し車両
誘導体への車両の衝突により衝突部材が圧電素子に衝突
して発電する発電部材を備え、この発電部材の電力によ
り車両の衝突を報知する。
【0008】この手段では、道路上の工事現場等で車両
の進入を防ぐために設けられる車両誘導体に発電部材が
備えられる。そして、車両が誤って車両誘導体に衝突し
接触したり転倒させたりすると、車両誘導体が加振され
発電部材の衝突部材が圧電素子に衝突する。これにより
発電部材が自己発電し、発生した電力を用いて車両が車
両誘導体に衝突したことを外部に知らせる。
【0009】また、請求項2では、請求項1記載の道路
用安全装置において、車両誘導体への車両の衝突を、音
を出すことで報知することを特徴とする。
【0010】この手段では、車両が車両誘導体に衝突す
ると、外部に認知されやすい音が発生するので、衝突し
た車両の存在に気づきやすくなる。
【0011】また、請求項3では、請求項1または2記
載の道路用安全装置において、車両誘導体への車両の衝
突を、信号を発信することで報知することを特徴とす
る。
【0012】この手段では、車両が車両誘導体に衝突す
ると、信号を発信するので、車両誘導体から離れた位置
でも、衝突した車両の存在に気づきやすくなる。
【0013】また、請求項4では、請求項1から3のい
ずれかに記載の道路用安全装置において、弾性を有する
弾性部材が備えられ、弾性部材は発電部材に取り付けら
れて、車両の衝突により衝突部材が圧電素子への衝突を
繰り返すよう発電部材を振動させることを特徴とする。
【0014】この手段では、一度外力として車両誘導体
に振動が加えられると、弾性部材の弾性により発電部材
が振動状態に入り、圧電素子への衝突部材の衝突が繰り
返され発電が連続して発生する。これにより、一度の衝
突で大きな電力を発電部材に発生させることができる。
【0015】また、請求項5では、請求項4記載の道路
用安全装置において、弾性部材はバネ定数に方向性を有
する弾性体からなり、弾性部材の最も小さいバネ定数の
方向を、衝突部材が圧電素子に衝突する方向と一致させ
るよう発電部材に取り付けられることを特徴とする。
【0016】この手段では、弾性部材は、衝突部材が圧
電素子に衝突する方向に最も変位しやすく、その他の方
向へは変位しにくくなる。そのため、任意の方向から外
力が加わったときに、圧電素子への衝突部材の衝突を妨
げる動きが抑制されるとともに、圧電素子へ衝突部材が
衝突する方向への動きに転換されやすくなる。
【0017】また、請求項6では、請求項4記載の道路
用安全装置において、発電部材では複数の振動方向に対
して発電可能となるよう圧電素子と衝突部材が配置され
ていることを特徴とする。
【0018】この手段では、発電部材は弾性部材により
振動状態となって自己発電するが、その際単一の振動方
向に対して発電するのではなく、複数の振動方向に対応
して発電できるよう発電部材の中の圧電素子と衝突部材
が配置されているため、外力に対する発電の効率が向上
される。
【0019】また、請求項7では、請求項6記載の道路
用安全装置において、発電部材では衝突部材と圧電素子
がハウジングに収納され、複数のハウジングが交差して
組まれて弾性部材に取り付けられていることを特徴とす
る。
【0020】この手段では、複数のハウジングが交差し
て組まれているため、単一の振動方向だけでなく、複数
の振動方向に対してハウジング内の衝突部材が圧電素子
と衝突し発電が行われる。また、衝突部材と圧電素子を
組にしてハウジング内に収納し、この組をハウジングご
と交差させて組み立てているため、振動時に各衝突部材
が互いにその動きを邪魔しあうことなく発電が行われ
る。
【0021】また、請求項8では、請求項1から7のい
ずれかに記載の道路用安全装置において、全体がケース
に収納され、このケースごと車両誘導体に装着されるこ
とを特徴とする。
【0022】この手段では、ケースごと装着できるた
め、既存の車両誘導体に後付けすることが可能となる。
【0023】また、請求項9では、請求項8記載の道路
用安全装置において、ケースには車両誘導体に着脱自在
に装着するための連結部材が設けられることを特徴とす
る。
【0024】この手段では、状況に応じて必要な車両誘
導体にのみ取り付けたり、外して車両誘導体を交換した
りすることが可能となる。
【0025】また、上記課題を解決するために、本発明
の道路用安全システムは次のような手段を採用する。
【0026】すなわち、請求項10では、請求項3から
9のいずれかに記載の道路用安全装置と、前記道路用安
全装置から発信される信号を受信し警報を発する受信装
置とが備えられる
【0027】この手段では、受信装置が車両の進入を避
けて作業する作業者の近傍に設置され、車両誘導体に取
り付けられた道路用安全装置が道路上の適切な位置に設
置される。そして、車両が車両誘導体に衝突すると、車
両誘導体に取り付けられた道路用安全装置から発信され
た信号が受信装置に受信され、車両誘導体に車両が衝突
し作業者の方向へ車両が進行する可能性があることが警
報で作業者に知らされる。
【0028】また、請求項11では、請求項10記載の
道路用安全システムにおいて、受信装置は、信号の受信
を音と光の少なくとも一方によって警報を発することを
特徴とする。
【0029】この手段では、作業者の近傍に設置された
受信装置が信号を受信すると、警報として音と光の少な
くと一方で作業者に警報する。これにより作業者が作業
中であっても、車両が車両誘導体に衝突したことに対し
て気づきやすくなる。
【0030】また、請求項12では、請求項10または
11記載の道路用安全システムにおいて、道路用安全装
置を取り付けた車両誘導体と受信装置とは離間して配置
されることを特徴とする。
【0031】この手段では、道路用安全装置が信号を発
信するため、受信装置を離間して設置することが可能と
なる。道路用安全装置と受信装置とはできるだけ離して
設置するほうが、作業者が退避するための時間が確保で
きるため、作業者の安全性が高められる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(1)
として、道路用安全装置及び道路用安全システムについ
て、図面に基づいて説明する。図1は実施の形態(1)
の道路用安全システムの説明図、図2は実施の形態
(1)の道路用安全装置の構成図、図3は実施の形態
(1)の道路用安全装置の発電部材の断面図、図4は実
施の形態(1)の発電部材の動作の説明図、図5は実施
の形態(1)の道路用安全装置の回路のブロック図、図
6、7は実施の形態(1)の道路用安全装置の回路図で
ある。
【0033】本発明の道路用安全装置2は、車両71の
進路を誘導するために道路7に設置される車両誘導体1
0に取り付けるための装置であって、圧電素子21と衝
突部材22を具備し車両誘導体10への車両の衝突によ
り衝突部材22が圧電素子21に衝突して発電する発電
部材20とを備え、この発電部材20の電力により車両
71の衝突を報知する。
【0034】実施の形態(1)では、報知のために車両
の衝突を知らせる信号を発信する発信部32が備えられ
ている。発信される信号は、ここでは無線信号(電波信
号)を発信するが、そのほかに超音波信号、光信号、赤
外線信号、音波信号等でもよい。そして、本発明の道路
用安全システム1には、上記道路用安全装置2と、道路
用安全装置2から発信される信号を受信する受信装置5
とが備えられている。
【0035】車両誘導体10とは、工事現場、あるいは
故障車両の現場等のように道路7上やその近辺で、作業
者73が車両71の進入を遮断して作業を行うときに、
その領域(以降、代表して工事現場72として説明す
る)に車両71が進入してこないよう、工事現場72の
近くや手前の道路7に設置される部材である。この車両
誘導体10の外観や形状には種々の形態があるが、一般
的には矢印板やカラーコーン(赤や黄色等に着色された
三角錐の置物)、停止表示器材(三角停止板)、誘導用
の人形、柵、看板等である。なお、ここでいう車両は、
自動車、二輪車、自転車を含んでいる。
【0036】受信装置5は、工事現場72で作業する作
業者73の近傍に設置される。道路用安全装置2から
は、空中を伝搬する信号が発信されるので、受信装置5
と道路用安全装置2を取り付けた車両誘導体10とは離
間して設置できる。受信装置5と道路用安全装置2との
距離が離れる程、作業者73が避難する時間が確保でき
るため、車両誘導体10は必要な範囲で、できるだけ受
信装置5とは離間して設置されることが望ましい。ま
た、受信装置5は作業者73の移動に合わせて持ち運ぶ
ことができる。
【0037】また、受信装置5は、ここでは工事現場7
2に1台設置し、作業者73が複数いてもこの1台で報
知するよう構成している。しかし、この受信装置5を携
帯型の小さいサイズに構成し、作業者73各人が携帯し
てそれぞれに個別に報知するようにしてもよい。個別に
携帯していると警報をいつも近くで聞けるので、騒音等
で警報を聞き逃すことを防止することができる。
【0038】道路用安全装置2には、発電部材20を支
持する基部41と、弾性を有し発電部材20と基部41
とを連結するとともに、車両71の衝突により衝突部材
22が圧電素子21への衝突を繰り返すよう発電部材2
0を振動させる弾性部材42とが備えられている。
【0039】発電部材20の構成を、図3を用いて説明
する。箱形のハウジング23の内部の相対する壁側にそ
れぞれ取り付けた圧電素子21に、ハウジング23の内
部で転動する衝突部材22が衝突するように構成されて
いる。衝突部材22はボールからなっている。圧電素子
21は、PZT系の2枚の板形の圧電セラミックス板2
11、212を分極が互いに逆になるように接合するこ
とにより、直列に接続された発電構成として分極による
打ち消しが防止されて発電性能が高められるようになっ
ている。また、圧電素子21は、板形のクッション材2
5の中央部分または両端部に接着剤24(接着以外の固
着方法でもよい)で部分的に接着され、クッション材2
5は接着剤24でハウジング23に固定されている。従
って、圧電セラミックス板211、212の振動が継続
されて発電性能が高められるとともに、衝突部材22の
衝突の衝撃から圧電素子21が保護される。そして、圧
電素子21の表裏面に形成された膜状の電極(図示され
ていない)には、リード線261〜264がそれぞれ接
続されて後述する回路部30に引き出される。また、圧
電素子21の表面(衝突部材22が衝突する面)には衝
突部材22の衝撃から圧電素子21を保護する薄板形の
プロテクタ27が固着されている。また、相対する圧電
素子21の間には、衝突部材22の転動移動の方向を規
制して正確に圧電素子21のプロテクタ27が固着され
た部分に衝突するように案内するガイド28が設けられ
ている。ガイド28としてここでは筒状のガイドを示し
ているが、仕切り板でもよい。
【0040】各部の素材としては、まず圧電セラミック
ス板211、212には、チタンジルコン酸亜鉛系の素
材が好適であるがこれに限定されるものではない。ま
た、この圧電セラミックス板211、212は、振動を
長く持続してより多くの発電を得るために、できるだけ
硬くQ値が高い物の方が望ましい。具体的にはQ値は1
000以上が好ましく、さらにはQ値が2000以上の
ものであることがより好ましい。クッション材25の素
材としては、合成樹脂材、ゴム材、あるいはこれらをス
ポンジ状にした軟質材料が適しているが、具体的には、
発泡ポリエチレン等が好適である。衝突部材22の素材
としては、その圧電素子21を破壊しない程度に重量が
重い方が発電効率がよく、具体的にはタングステンや鉄
等が好適である。また、プロテクタ27の素材として
は、硬い金属あるいは合成樹脂等が適しており、具体的
にはリン青銅やステンレス等が好適で、加工性の良いリ
ン青銅が使いやすい。
【0041】なお、発電部材20の構成及び圧電素子2
1の発電のさせ方は、上述に限定されるものではない。
この実施の形態(1)では、発電部材20の圧電素子2
1が対向した2箇所に設けられ、衝突部材22が圧電素
子21、21間で往復運動するように構成されている
が、圧電素子21を1箇所または3箇所以上設けてもよ
い。また、例えば、本発明者が特開2001−1453
75号公報に示した2つの衝突部材を用いる構成や、衝
突部材をバネ材で吊り下げる構成等も適用できる。ま
た、単層の圧電セラミックス板211にこれと歪み変形
量が釣り合うよう厚み調整された金属板を貼り合わせ
て、金属板側から衝突部材22を衝突させて発電する構
成を適用してもよい。
【0042】弾性部材42は、その両端が発電部材20
及び基部41とに適切な手段(接着や溶着等)により固
定されている。また、弾性部材42はバネ定数に方向性
を有する弾性体からなっており、弾性部材42が有する
バネ定数の中で最も小さいバネ定数の方向を、衝突部材
22が圧電素子21に衝突する方向(以降、衝突方向と
記載する)と一致させるよう発電部材20に取り付けら
れている。すなわち、弾性部材42が有するX、Y、Z
方向のバネ定数のうち、最も小さいバネ定数を有する方
向をX方向とすると、図2中に示すようにこの矢印X方
向を、衝突方向(図2中の矢印W方向)と一致するよう
に弾性部材42を発電部材20に取り付けている。な
お、図2中では、発電部材20の下側を弾性部材42で
連結しているが、発電部材20と基部41との位置関係
は、弾性部材42の最も小さいバネ定数が衝突方向と一
致するよう取り付けることができればこれに限定されな
い。発電部材20の横側や上側に弾性部材42を取り付
けて基部41と連結してもよい。
【0043】また、弾性部材42の衝突方向と一致する
方向のバネ定数は、車両誘導体10への車両71の衝突
により生じる外力と整合して発電部材20の振動の周期
をできるだけ小さくするものが選択されている。発電部
材20の振動の周期を小さくすることによって、単位時
間あたりの圧電素子21への衝突部材22の衝突回数を
増加させ、全体としての発電量を増加させることができ
る。周期を小さくするには、発電部材20の質量を小さ
く、バネ定数を大きくすることが求められるが、短時間
でエネルギーをたくさん消費するので、外力も大きくな
ければならない。あらかじめ想定される外力に合わせ
て、その外力で加振、加圧できる範囲で、できるだけ振
動の周期を小さくするバネ定数が選ばれる。また、実施
の形態(1)では、外力が車両誘導体10に加えられる
ため、発電部材20、基部41、弾性部材42の全体に
同時に加えられる。この場合には発電部材20と弾性部
材42とでできる固有振動と基部41の固有振動とを共
振させるように弾性部材42を発電部材20と基部41
とに取り付けている。この取り付けは、発電部材20の
総質量等の諸条件と整合を図ることで、寄生振動による
振動の減衰を減らすことができる。あるいは、発電部材
20及び弾性部材42の質量に比べて基部41の質量を
十分大きくガッチリした構成にすることによっても、寄
生振動による振動の減衰を減らすことができる。
【0044】実施の形態(1)では、弾性部材42に用
いる弾性体として板バネを用いている。板バネはバネ定
数に方向性を有する弾性体であり、保有するバネ定数の
中で一方向が特に小さなバネ定数を有している。そのた
め、この最も変位し易い方向(X方向)を衝突方向(W
方向)に一致させるよう発電部材20に取り付けてい
る。また板バネはX方向のバネ定数に比べて、Y、Z方
向のバネ定数が無限大に近い。そのため弾性部材42に
外力が加えられても、衝突方向に交差するY、Z方向
(圧電素子の設けられていないハウジング23の側面に
衝突部材22が衝突する方向や、発電部材20が上下に
変位する方向等)への変位が生じないため、衝突部材2
2の衝突方向への動きを邪魔する振動を発生しにくい。
また、X方向のみが柔らく変位しやすいため、任意の方
向から外力が加えられたときにX方向への動きに転換さ
れやすい。このように、板バネは衝突方向への振動を発
生させるのに好適である。
【0045】弾性部材42には、上述の板バネの他に、
ゴム材(シリコンゴム等)やゲル材(熱可逆性エラスト
マー等)、また発泡材や低ヤング率Ti合金(弾性変形
の大きいTi合金)を用いてもよい。これらゴム材やゲ
ル材は、縦横高さの形状を変えることでバネ定数に方向
性をもたせたり、バネ定数を変えたりすることができ
る。また弾性部材42にコイルバネを用いてもよいが、
この場合には、衝突部材22が衝突方向のみに移動する
よう発電部材20の動きを規制して発電部材20を支持
することが望ましい。
【0046】なお、発電部材20の圧電素子21の発電
効率が高く、衝突部材22による衝突が繰り返されなく
ても発信に十分なだけの発電量が得られる場合には、弾
性部材42を省略してもよい。その場合には、発電部材
20は弾性を有しない適切な手段で基部41に固定され
る。
【0047】基部41は、車両誘導体10の任意の部位
である。本来の車両誘導体10を構成する部位と兼用す
る場合や、また発電部材20を取り付けるために車両誘
導体10に新たに設ける場合がある。なお、車両誘導体
10の素材が、信号を遮断する金属等の場合に発信部3
2を車両誘導体10の内部に取り付けると、信号が受信
装置5に受信されなくなるので、少なくとも発信部32
は車両誘導体10の外側に取り付けなければならない。
もちろん発電部材20、弾性部材42も合わせて適切な
ケースで覆って外側に取り付けてもよい。車両誘導体1
0の素材が信号を透過させる素材(プラスチックやゴム
等)の場合には、発信部32を初めとするその他の部は
内側、外側のいずれに設けても良い。この実施の形態で
は、車両誘導体10が信号を透過させる素材であると
し、基部41を車両誘導体10の内側に新たに設けて、
発電部材20、弾性部材42、発信部32(回路部3
0)を内側に取り付けている。
【0048】次に、図5〜図7を用いて防犯システム1
の回路について説明する。図5のブロック図に示すよう
に発電部材20の出力が回路部30に取り出される。回
路部30には、発電部材20で発生した交流電力を整流
して充電する充電部31と上述の発信部32とが備えら
れている。
【0049】回路部30の充電部31には、整流手段3
11と充電手段312と判定手段313と放電スイッチ
手段314とが備えられている。整流手段311は、発
電部材20で出力された交流電力を整流して脈流にする
手段である。充電手段312は、整流手段311により
得られた脈流を直流として充電する手段である。判定手
段313は、充電手段312の充電量を圧電素子21の
発電のタイミングに応じて間欠的に監視し判定する手段
である。この手段では、充電量は監視の際にごく少量消
費されるが、間欠的に監視しているので監視による電力
の消費を抑え、充電量への影響を低減させている。放電
スイッチ手段314は、判定手段313により充電手段
312の充電量が発信可能なレベルに達したことが判定
された時に、充電手段312の放電を開始させ、後段の
発信部32に電力を供給する手段である。
【0050】発信部32には、通信制御手段321と信
号スイッチ手段322と信号発生手段323と放電停止
手段324とが備えられている。通信制御手段321
は、通信に必要な動作を行う手段であり、この手段は充
電部31から電力が供給されることで開始される。この
手段では、動作の開始により信号スイッチ手段322を
ONさせるように働くとともに、発信のためのデータを
信号発生手段323に渡す。信号スイッチ手段322
は、通信制御手段321によりONされて、信号発生手
段323に電力を供給する手段である。信号発生手段3
23は、通信制御手段321より受け取った発信のため
のデータを信号に変換して発信する。放電停止手段32
4は、充電部31からの電力の供給を停止させるように
放電スイッチ手段314を動作させる手段である。この
手段は、通信制御手段321が発信のために必要なデー
タを全て信号発生手段323に渡し終わったら、通信制
御手段321により動作させられる。
【0051】図6、図7を用いてさらに説明する。図
6、図7は連続した回路図であり、S点、+点、−点に
より接続される。整流手段311はダイオードD1〜D
6により全波整流の回路が形成されており、発電部材2
0で出力された交流電力をここで整流し脈流として後段
に出力する。発電部材20から取り出された4本のリー
ド線261〜264のうちリード線262、263が結
線され、3本のリード線が6個のダイオードD1〜D6
に接続されている。なお、ここでは、リード線262、
263を結線してダイオードの数を削減する回路を形成
しているが、リード線262、263を結線せずに8個
のダイオードに接続して全波整流の回路を形成してもよ
い。
【0052】充電手段312は、コンデンサC1を備え
ている。このコンデンサは充電電池に代替してもよい。
整流手段311で整流された脈流は、コンデンサC1に
直流として逐次充電され、衝突部材22が圧電素子21
に衝突して発電を繰り返すたびにコンデンサC1の両端
の電圧が高くなる。
【0053】放電スイッチ手段314には、自己保持型
電流スイッチが用いられている。実施の形態(1)で
は、相補トランジスタを用いており、PNPトランジス
タTr1とNPNトランジスタTr2とを組み合わせて
いる。この放電スイッチ手段314では、b点に、c点
の電圧より約0.6V(Tr1により決まる値)低い電
圧が印加されると、Tr1がONとなりほぼ同時にTr
2がONとなる。このように放電スイッチ手段314が
ON状態となると、c点とd点の間はきわめて低いイン
ピーダンスとなる。そして、充電手段312のコンデン
サC1に貯めた電力を放電し、きわめて少ないロスで通
信制御手段321に供給する。そして、このON状態
は、自己保持状態となり放電停止するまで継続する。
【0054】判定手段313は、コンデンサC2、C3
と抵抗R1、R2を備えている。C3は誤動作防止用に
設けたものである。コンデンサC2と抵抗R1は、圧電
素子21からの出力である図6中に示すa点と放電スイ
ッチ手段314の図7中に示すb点との間に設けられて
いる。そして、この時定数で充電量の判定の際にb点に
電圧を印加する時間を決めている。a点には衝突部材2
2が圧電素子21に衝突する度に交流電力が発生する
が、この電圧は、コンデンサC1の両端の電圧にダイオ
ードD6の順方向の電圧を加えた値である。そして、コ
ンデンサC1が充電により電圧上昇するとともにa点の
交流電圧も上昇する。つまり、a点ではコンデンサC1
両端の直流電圧にほぼ比例した交流電圧が、衝突部材2
2が衝突するたびに、すなわち間欠的に得られる。そし
てこのa点での交流電圧は、抵抗R1とコンデンサC2
の時定数で決めたごく短時間だけb点に印加される。b
点の電圧は抵抗R1、R2の分配比により決められ、上
述したようにb点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V
(Tr1により決まる値)低い電圧の値を超えると放電
スイッチ手段314がONとなる。ここでは、b点の電
圧は「c点の電圧×(1−R2/(R1+R2))」で
示されるため、このb点の電圧がc点の電圧よりも約
0.6V低い電圧「c点の電圧−約0.6V」と等しく
なった時が判定の閾値となり、これをもって充電量のレ
ベルを判定する。そのため、R1とR2を調整すること
で放電を開始させる充電量を発信可能なレベルに調整す
ることができる。このレベルは発信する信号に応じて任
意に設定される。なお、ここではリード線264側にa
点を設けているが、リード線261側や、接続されたリ
ード線262、263側に設けてもよい。また、ここで
は2つの圧電素子のうち、一方の圧電素子21が発電す
るタイミング毎に判定を行うよう構成しているが、双方
の圧電素子21が発電するタイミングで判定を行った
り、あるいは、圧電素子21が発電するタイミングのn
回毎(nは任意の数)に判定を行ったりするよう構成し
てもよい。
【0055】通信制御手段321は、通信制御回路32
11とコンデンサC7と抵抗R8とFET1を備えてい
る。コンデンサC7は動作安定用に設けたものである。
抵抗R8とFET1は通信制御回路3211と信号スイ
ッチ手段322を低消費電力でインターフェースするた
めのレベル変換に設けたものである。充電部31からの
放電により通信制御回路3211に電力が供給される
と、通信制御回路3211の内部で発信に必要な手順が
実行される。なお、通信制御回路3211は消費電力の
小さいものである。
【0056】信号スイッチ手段322は、PNPトラン
ジスタTr4と抵抗R6、R7とコンデンサC6を備え
ている。信号発生回路3231が比較的大電力を必要と
するために、この信号スイッチ手段322では大電力用
トランジスタスイッチTr4を使って、信号発生回路3
231に電力を供給するよう構成している。信号スイッ
チ手段322では、通信制御回路3211からの発信開
始の指令がFET1を通って、抵抗R7を通ってトラン
ジスタTr4をONさせると、信号発生手段323で発
信を開始させるよう動作する。
【0057】信号発生手段323は、信号発生回路32
31とアンテナ3232を備えており、信号スイッチ手
段322により電力が供給されると、通信制御回路32
11から受け取った発信のためのデータを無線信号に変
換してアンテナ3232から発信する。
【0058】放電停止手段324は、PNPトランジス
タTr3と抵抗R4、R5とコンデンサC4、C5とを
備えている。コンデンサC4、C5は、誤動作防止用に
設けている。この手段では、通信制御回路3211が発
信のために必要なデータを信号発生回路3231に送出
し終えたら、通信制御回路3211から抵抗R4を通し
てトランジスタTr3をONさせる信号を出力する。ト
ランジスタTr3がONとなると放電スイッチ手段31
4の自己保持は解除となり、コンデンサC1に貯まって
いた電力の放電は停止して、発信動作は終了する。
【0059】一方、受信装置5は、図5に示すように道
路用安全装置2からの信号を受信する受信部51と、信
号を受信したことを周囲に報知する警報部52とを備え
ている。警報部52は、音や光のいずれか一方または双
方により、受信装置5の近傍に居る作業者73に、車両
71が迫っていることを警報する。そのため警報部52
は工事音や車の走行音に負けない程度の大きな音や明確
な光で知らせる警報であることが望ましい。ここでは、
サイレンを鳴らすとともに、光が点滅するように設定し
ている。
【0060】このように構成された実施の形態(1)の
動作について工事の現場を例に説明する。まず、工事現
場72で作業する作業者73が、工事の開始に備えて、
道路用安全装置2を取り付けた車両誘導体10を工事現
場72の手前の道路5や周囲に設置する。一方、受信装
置5は作業者73が作業する近傍に設置される。
【0061】そして、通常は、車両誘導体10の誘導に
従って車両71は工事現場72を避けた進路を走行す
る。ところが、車両誘導体10の存在に気づかない車両
71や、あるいは運転操作を誤った車両71等が、車両
誘導体10に衝突すると、車両誘導体10は転倒させら
れたり、単に揺らされたり、あるいは押し進められたり
する。これにより、車両誘導体10に取り付けられた道
路用安全装置2が振動させられる。すると、図4に示す
ように発電部材20が振動し、この振動は弾性部材42
により継続されて、発電部材20の内部では、衝突部材
22が圧電素子21への衝突を繰り返す。発生した電力
は、発電部材20から回路部30に入力される。回路部
30では、圧電素子21が発電するたびにその出力から
交流電圧を取り出し、これを判定手段313に用いて充
電量を判定している。このような充電量の間欠的な監
視、判定は、充電量が増加するタイミングで効率よく判
定される。その上、判定のために無駄な電力を消費する
ことが大幅に抑制されるので、発信に必要な電力を素早
く充電して発信部32に供給できる。これにより一度の
衝突でも大きな発電量が得られ、車両誘導体10に車両
71が衝突したタイミングで発信部32から信号が発信
される。そして、この発電された電力により発信部32
から空中を伝搬する信号が発信される。
【0062】受信装置5では、道路用安全装置2からの
信号を受信部51で受信すると、警報部52でサイレン
が鳴って光が点滅し周囲に警報を発する。これにより工
事現場72の作業者73は、遠隔に設置された車両誘導
体10に車両5が衝突し、工事現場72にその車両5が
進入する可能性があることを知ることができる。そし
て、状況に応じて車両5の進行を阻止したり、作業者7
3が安全な位置に退避したりして、事故の発生を未然に
防ぐことができる。
【0063】このように、本発明の道路用安全システム
1では、工事現場72で作業する作業者71や、道路上
に停車した故障車両の対処作業をする作業者71(運転
者)等に、作業者71のすぐ近くの受信装置5により、
接近する車両の存在をいち早く気づかせることができる
ため、安心して作業することが可能となる。また、道路
用安全装置2は簡単な構成で安価にできるため、導入に
必要な経費を抑えることができる。
【0064】次に、本発明の実施の形態(2)として道
路用安全装置について説明する。図8は実施の形態
(2)の道路用安全装置の構成図である。なお実施の形
態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細を省略す
る。
【0065】この実施の形態では、1つの車両誘導体1
0に2つの道路用安全装置2を取り付けている。道路用
安全装置2のそれぞれの発電部材20には、弾性部材4
2が最も小さいバネ定数の方向を、衝突部材22が圧電
素子21に衝突する方向と一致させるように取り付けら
れている。そして、それぞれの発電部材20どうしで
は、お互いの振動方向が異なるように車両誘導体10に
配置されている。すなわち、一方の道路用安全装置2
(道路用安全装置201とする)は、図8に示すように
X方向に振動しやすいよう取り付けられ、他方の道路用
安全装置2(道路用安全装置202とする)は、Y方向
に振動しやすいよう取り付けられている。図8では、道
路用安全装置201、202を上下に配置しているが、
横に並べて配置してもよい。
【0066】道路用安全装置201は、Y方向に完全に
一致した振動が外力として加えられるとY方向には弾性
部材42のバネ定数が無限大であるため、発電部材20
の振動が発生せず、発信部32からも信号が発信されな
い。実際には車両誘導体10に車両71が衝突すると転
がったりバウンドしたりするため、一方向の振動だけし
か発生しないことはほとんど無いと考えられる。また、
道路用安全装置201は、外力にわずかでもX方向の成
分が含まれていると、この方向のバネ定数が極端に小さ
いため、衝突部材22をW方向に振動させることができ
る。しかしながら、この実施の形態(2)のように、振
動方向の異なる道路用安全装置2を組み合わせることに
よって、どの方向から衝突されてもさらに確実に衝突に
よる信号を発生させることができる。すなわちこの構成
により、車両誘導体10が全方向からの衝突に対し高い
感度で信号を発信することができる。その他の作用、効
果は実施の形態(1)と同様である。
【0067】次に、本発明の実施の形態(3)として道
路用安全装置について説明する。図9は実施の形態
(3)の道路用安全装置の構成図、図10は実施の形態
(3)の道路用安全装置の変形例の構成図である。なお
実施の形態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細
を省略する。
【0068】実施の形態(3)の道路用安全装置2は、
発電部材2が複数の振動方向に対して発電可能に設けら
れていることを特徴としている。
【0069】この実施の形態では、弾性部材42にコイ
ルバネを用いている。発電部材20の構成は、実施の形
態(1)の図3と同様に、ハウジング23に衝突部材2
2と圧電素子21やその他の部材が収納されているが、
実施の形態(3)では、このハウジング23が複数交差
して組まれて1つの発電部材20を構成している。図9
では、2つのハウジング23(ハウジング231、23
2と記載)が、90°ずらして十字型に重ねられて固定
され、その交点に垂直にコイルバネの一端が取り付けら
れて基部41と連結されている。
【0070】ハウジング231の内部では、衝突部材2
2が衝突方向として矢印Wx方向に運動し、ハウジング
232では衝突部材22が衝突方向として矢印Wy方向
に運動し、それぞれが独立して圧電素子21に衝突する
よう構成されている。弾性部材42はコイルバネであ
り、その一端に図9に示すように発電部材20が取り付
けられているため、外力が加えられると発電部材20が
自由端として運動し、コイルバネのZ方向だけでなく、
X方向やY方向の成分を有する任意の方向に変位可能で
ある。従って発電部材20では、X方向の外力Pxが加
えられると、ハウジング231の衝突部材22がWx方
向に転動し、圧電素子21に衝突して発電し、Y方向の
外力Pyが加えられると、ハウジング232の衝突部材
22がWy方向に転動し、圧電素子21に衝突して発電
する。また、X方向とY方向を合成した外力Pxyが加
えられると、ハウジング231、232の衝突部材2
2、22が、それぞれガイド28(図9には図示してい
ない)に案内されたWx方向とWy方向に独立して転動
し発電する。すなわち、X方向とY方向の成分を有する
外力が加えられると、ハウジング231、232のいず
れか一方、または双方が発電する。もちろんこれらの発
電は弾性部材42の弾性によって振動状態が続くため
に、連続して発電が行われる。また、弾性部材42に
は、外力と整合して振動の周期を小さくするバネ定数を
有するコイルバネが選択されている。
【0071】このように発電部材20では、圧電素子2
1と衝突部材22を収納したハウジング23が複数交差
して設けられているため、複数の方向の振動に対して発
電可能となり、外力Pに対する発電効率が大幅に向上す
る。
【0072】なお、実施の形態(3)では、2つのハウ
ジング23により発電部材20を構成しているが、3つ
以上のハウジング23を交差するよう組み合わせてもよ
い。交差の形は十字型に限定するものではなく、全体と
して三角や四角に形成してもよい。また例えば、図9の
構成に衝突部材22がWz方向に転動するハウジング2
3を付加して、弾性部材42のZ方向の振動でも発電す
るよう構成してもよい。
【0073】この実施の形態(3)の変形例として、1
つのハウジング23内に複数の衝突方向を有する衝突部
材22を収納した形態を図10に示す。箱型のハウジン
グ23の内部には、X方向、Y方向の対向する4つの壁
面にそれぞれ圧電素子21が配置され、これらの圧電素
子21に衝突する1つの衝突部材22が収納されてい
る。また、衝突部材22が圧電素子21の中央に衝突す
るよう案内するためにガイド28として曲面を形成した
仕切り板が設けられている。すなわち、図9では、複数
の振動方向に対して複数の衝突部材22が異なる平面を
独立して運動したが、図10では、複数の振動方向に対
して1つの衝突部材22が同一平面を運動し発電する。
図10のように外力Pxが加えられると、衝突部材22
はWx方向に転動し、外力Pyが加えられると、衝突部
材22はWy方向に転動する。またX方向とY方向を合
成した外力Pxyが加えられると、衝突部材22はガイ
ド28の曲面に促されて、いずれかの圧電素子21に衝
突する。これにより弾性部材4により発電部材2が複数
の振動方向に対して発電可能となり、発電効率が向上す
る。
【0074】次に、本発明の実施の形態(4)として道
路用安全装置について説明する。図11〜図13は実施
の形態(4)の道路用安全装置の構成図である。なお実
施の形態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細を
省略する。
【0075】実施の形態(4)の道路用安全装置2は、
全体がケース43に収納されケース43ごと車両誘導体
10に装着されることを特徴としている。すなわち、ケ
ース43の内側の一面を基部41とし、発電部材20、
回路部30(発信部32)、弾性部材42がケース43
に内蔵されている。ケース43の素材には、信号を透過
させる素材が用いられている。これにより既存の車両誘
導体10に後付で道路用安全装置2を取り付けることが
可能となる。
【0076】また、この実施の形態では、ケース43に
は車両誘導体10に着脱自在に装着するための連結部材
が設けられている。この連結部材の形状は車両誘導体1
0の種類に応じて適宜選択される。図11では、三角錐
の車両誘導体10に応じてリング状の連結部材44を用
いている。この連結部材44の形状にすることで、三角
錐の車両誘導体10の上方からはめ込むだけで、容易に
取り付けができる。
【0077】図12では、柵形状の車両誘導体10に応
じて、フック状の連結部材45を用いている。この連結
部材45の形状にすることで、柵の任意の位置に引っ掛
けることで、容易に取り付けることができる。
【0078】図13では、停止表示器材(三角停止板)
である車両誘導体10に応じて、クリップ状の連結部材
46と、これに繋がれたロープ状の連結部材47を用い
ている。ロープ状の連結部材47によりこの車両誘導体
10と道路用安全装置2の距離を離すことができる。停
止表示器材(三角停止板)である車両誘導体10は、高
速道路等で単独で設置されることが多いため、車両71
が見逃して高速で衝突し、衝突時に道路用安全装置2自
体が、車両誘導体10と一緒に破損する可能性が高い。
これを防止するために、ロープ状の連結部材47により
道路用安全装置2を、車両71を避けた位置(路肩等)
に離して設置することができる。これにより、車両誘導
体10が衝突により受けた衝撃で、ロープ状の連結部材
47が引っ張られ、道路用安全装置2に外力が加えられ
て発電部材20を発電させることができる。また、クリ
ップ状の連結部材46で挟むことにより、容易に停止表
示器材(三角停止板)に着脱することができる。
【0079】連結部材の形状は図11〜図13に限定す
るものではなく、この他にねじ止め等で車両誘導体10
に連結しても良い。また、連結部材を省略し、ケース4
3ごと既存の車両誘導体10に後付固定する構造にして
もよい。
【0080】このように構成することで、既存の車両誘
導体10への着脱が容易に実施でき、工事現場72の規
模や道路7の形状等の諸条件に合わせて、必要な個数の
車両誘導体10にのみ道路用安全装置2を後付すること
ができる。これにより、既存の車両誘導体10を利用す
ることで、導入のための経費を節減できる。その他の作
用、効果は実施の形態(1)と同様である。
【0081】次に、本発明の実施の形態(5)として道
路用安全装置について図面に基づいて説明する。図14
は実施の形態(5)の回路のブロック図である。なお、
実施の形態(1)と同様の説明には同一符号を付し詳細
を省略する。
【0082】実施の形態(5)の道路用安全装置2は、
実施の形態(1)と同様に車両71の進路を誘導するた
めに道路7に設置される車両誘導体10に取り付けるた
めの装置であって、圧電素子21と衝突部材22を具備
し車両誘導体10への車両の衝突により衝突部材22が
圧電素子21に衝突して発電する発電部材20が備えら
れ、この発電部材20の電力により車両71の衝突を報
知するが、報知のために車両の衝突を音で知らせる発音
部33が備えられていることを特徴としている。
【0083】図14に示すように、発電部材20で発生
した電力は図3と同様にリード線261〜264で回路
部30に取り出される。そして回路部30では、発電部
材20で発生した交流電力を整流して充電する充電部3
1、充電された電力により音を発生する発音部33が備
えられている。発音部33では、実施の形態(1)の発
信部32の信号発生の動作を適用し、信号発生に変えて
音を発生させている。
【0084】発音部33で発生する音は、遠隔の作業者
73にも車両誘導体10への車両71の衝突を知らせる
ために、例えば衝突音や破裂音等のようにその他の騒音
に負けないように認識性を高くすることが望ましい。こ
のように構成することで、実施の形態(1)と比較して
受信装置5が不要となり、さらに構成を簡略化すること
が可能となる。その他の作用、効果は実施の形態(1)
と同様である。
【0085】なお、上述の実施の形態(1)と(5)を
組み合わせて、道路用安全装置2で音により報知しなが
ら信号を発信し、受信装置5でも警報を発するように構
成してもよい。また。実施の形態(5)に実施の形態
(2)〜(4)を組み合わせて実施してもよい。さら
に、報知のために必要とする電力に応じて、発電部材2
0を複数設けて、衝突時に自己発電する全体の発電量を
高めてもよい。
【0086】
【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明の道路
用安全装置及び道路用安全システムは、道路上あるいは
道路近辺で車両の進入を遮断して作業する作業者に、誤
って接近する車両をいち早く知らせることができ、作業
の安全性を大きく向上させることができる。
【0087】また、きわめて簡単な構成であるため、導
入に際してのコストを低減でき、作業者にとっての高い
安全性を低コストで実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態(1)の道路用安全システムの説
明図である。
【図2】 実施の形態(1)の道路用安全装置の構成図
である。
【図3】 実施の形態(1)の道路用安全装置の発電部
材の断面図である。
【図4】 実施の形態(1)の発電部材の動作の説明図
である。
【図5】 実施の形態(1)の道路用安全装置の回路の
ブロック図である。
【図6】 実施の形態(1)の道路用安全装置の回路図
である。
【図7】 実施の形態(1)の道路用安全装置の回路図
である。
【図8】 実施の形態(2)の道路用安全装置の構成図
である。
【図9】 実施の形態(3)の道路用安全装置の構成図
である。
【図10】 実施の形態(3)の道路用安全装置の変形
例の構成図である。
【図11】 実施の形態(4)の道路用安全装置の構成
図である。
【図12】 実施の形態(4)の道路用安全装置の構成
図である。
【図13】 実施の形態(4)の道路用安全装置の構成
図である。
【図14】 実施の形態(5)の道路用安全装置の回路
のブロック図である。
【符号の説明】
1 道路用安全システム 10 車両誘導体 2 道路用安全装置 20 発電部材 21 圧電素子 22 衝突部材 211、212 圧電セラミックス 22 衝突部材 23 ハウジング 24 接着剤 25 クッション材 261〜264 リード線 27 プロテクタ 28 ガイド 30 回路部 31 充電部 32 発信部 33 発音部 41 基部 42 弾性部材 43 ケース 44〜47 連結部材 5 受信装置 51 受信部 52 警報部 7 道路 71 車両 72 工事現場 73 作業者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D064 AA11 AA14 AA21 BA03 BA04 CA02 CA03 CA04 CA07 DA01 EA02 EA03 EA04 EA13 EB01 EB38 FA05 2D101 CA11 EA05 FA11 FA12 FA23 FA31 GA29 GA32 HB06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の進路を誘導するために道路に設置
    される車両誘導体に取り付けるための装置であって、圧
    電素子と衝突部材を具備し車両誘導体への車両の衝突に
    より衝突部材が圧電素子に衝突して発電する発電部材を
    備え、この発電部材の電力により車両の衝突を報知する
    道路用安全装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の道路用安全装置におい
    て、車両誘導体への車両の衝突を、音を出すことで報知
    することを特徴とする道路用安全装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の道路用安全装置
    において、車両誘導体への車両の衝突を、信号を発信す
    ることで報知することを特徴とする道路用安全装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の道路
    用安全装置において、弾性を有する弾性部材が備えら
    れ、弾性部材は発電部材に取り付けられて、車両の衝突
    により衝突部材が圧電素子への衝突を繰り返すよう発電
    部材を振動させることを特徴とする道路用安全装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の道路用安全装置におい
    て、弾性部材はバネ定数に方向性を有する弾性体からな
    り、弾性部材の最も小さいバネ定数の方向を、衝突部材
    が圧電素子に衝突する方向と一致させるよう発電部材に
    取り付けられることを特徴とする道路用安全装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の道路用安全装置におい
    て、発電部材では複数の振動方向に対して発電可能とな
    るよう圧電素子と衝突部材が配置されていることを特徴
    とする道路用安全装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の道路用安全装置におい
    て、発電部材では衝突部材と圧電素子がハウジングに収
    納され、複数のハウジングが交差して組まれて弾性部材
    に取り付けられていることを特徴とする道路用安全装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の道路
    用安全装置において、全体がケースに収納され、このケ
    ースごと車両誘導体に装着されることを特徴とする道路
    用安全装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の道路用安全装置におい
    て、ケースには車両誘導体に着脱自在に装着するための
    連結部材が設けられることを特徴とする道路用安全装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項3から9のいずれかに記載の道
    路用安全装置と、前記道路用安全装置から発信される信
    号を受信し警報を発する受信装置とが備えられる道路用
    安全システム。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の道路用安全システム
    において、受信装置は、信号の受信を音と光の少なくと
    も一方によって警報を発することを特徴とする道路用安
    全システム。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の道路用安
    全システムにおいて、道路用安全装置を取り付けた車両
    誘導体と受信装置とは離間して配置されることを特徴と
    する道路用安全システム。
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