JP4424566B2 - アルカリ可溶性接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集積回路又は太陽電池用のウエハを製造する際のウエハ研磨工程、レンズを製造する際の研磨工程、液晶基板用ガラスを平坦化処理する際のガラス研磨工程などにおいて、研磨用の定盤にウエハまたはガラスなどの基板を一時的に接着固定するために用いられるアルカリ可溶性接着剤として有用なアルカリ可溶性樹脂、その製造方法、およびアルカリ可溶性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路または太陽電池の製造に使用するシリコンまたはガリウム砒素などからなるウエハは、このウエハの構成材料のインゴットを薄板状にスライスした後、このスライスしたものを研磨することによって製造されている。
【0003】
また、レンズを製造する際の研磨工程及び液晶基板用のガラス等のように、平坦化処理を要するガラスもその研磨工程が必要である。このようなウエハ、またはレンズ、ガラスの研磨工程においては、ウエハまたはレンズ、ガラスをアルミナセラミック等の研磨用定盤に固定するために種々の樹脂を接着剤として使用している。
【0004】
この場合にウエハまたは、レンズ、ガラスは約110℃の温度で接着剤を介して定盤に加熱圧着される。この研磨用定盤に固定されたウエハまたはレンズ、ガラスは研磨液を使用して研磨布などによって鏡面研磨される。そして、研磨後のウエハまたはレンズ、ガラスは室温以下に冷却された後、鋭利なスクレバーなどによって定盤から剥離され、ウエハに付着した接着剤はアルカリまたは溶剤により洗浄し、除去される。
【0005】
このようなウエハまたはレンズ、ガラスの研磨工程に使用される接着剤としては、従来グリコールフタレート系ワックス、エポキシ系ワックス、ケトン系ワックスがある(特開昭61−16477号公報および特開昭63−27576号公報)。このような接着剤は、研磨後にトリクロロエチレン等のハロゲン系有機溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等の可燃性溶剤で洗浄し、除去されるが、これらの溶剤は大気汚染や自然環境の破壊など環境衛生上大きな問題点がある。また、可燃性溶剤の使用に際しては、防災上、防爆設備を設けなければならず、設備コスト上も問題点がある。
【0006】
また、半導体業界においては、コストダウン並びに技術革新のテンポが早く、例えばコストダウンの観点からは、200mmφから300mmφへとシリコンウエハーの大口径化が要請され、加工性がより困難となるものであり、また、ファインパターン化の観点からは0.25μmから0.18μmへと配線パターンの微細化とか、更に、高密度化の観点からは16Mビットから64Mビットへと高集積化をそれぞれ指向した技術開発が活発化している。
【0007】
このように、半導体デバイスの微細化が進むにつれ、様々な汚染(パーティクル、金属イオン、腐食性イオン、有機物、酸化膜等)が半導体の信頼性、製造歩留りに大きな影響を及ぼしている。この内、金属イオン汚染によるデバイス特性の劣化にはpn接合リークの問題があり、また、腐食性イオンによる劣化も大きい。そのためシリコンウエハー用仮着接着剤にあっても、その金属イオンや腐食性イオン含有量を低減し、より高純度のものが求められている。
【0008】
そこで、本出願人等は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂に一価、または2価のアルコールを付加し、水酸基を形成した後、更にカルボン酸無水物を反応させたアルカリ可溶性接着剤について先に出願した(特開平7−331216号公報、特開平9−67424号公報)が、前者にあっては、仮留め接着剤として要求される表面平滑性に優れるが、軟化点が下がりやすく、難があり、また、後者にあっては、軟化点が上がりやすく、また、表面平滑性には難があるなど、仮留め接着剤としてさらに適したアルカリ可溶性接着剤の提供が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分子内にカルボキシル基を有する化合物で成り、有機溶剤を使用することなく、洗浄除去可能なアルカリ水溶液可溶性の樹脂化合物であり、環境衛生対応型であって、接着性、接着強度、塗膜性、表面平滑性、軟化点の制御性に優れるアルカリ可溶性樹脂、その製造方法、およびアルカリ可溶性接着剤の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題解決のため、鋭意検討した結果、アルカリ可溶性接着剤に使用される樹脂の構成に検討を加えることにより、これらの課題を解決し、さらに得られる接着層の接着力及び剥離性が適切で、耐水性及びアルカリ洗浄性等も良好な結果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明のアルカリ可溶性接着剤は、下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるエポキシ樹脂(A)と、下記一般式(3)で示される芳香族モノカルボン酸を70mol%以上含有するモノカルボン酸化合物(B)とを、エポキシ樹脂(A)におけるエポキシ基に対して80mol%以上の割合でモノカルボン酸類(B)を反応させて得られる反応生成物に、更にカルボキシル基を2個以上有するポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸無水物を反応させて得られる、軟化点が40〜130℃であり、また、酸価が50〜200mgKOH/gである反応生成物(C)を、ケトン系有機溶剤に溶解してなる、研磨用定盤に基板を一時的に接着固定するために用いられるものである。
【化4】
Figure 0004424566
(式中、−O−R1 −O−、−O−R2 −O−は、2価フェノール残基を表し、また、k、lは0以上の整数を表す。)
【化5】
Figure 0004424566
(式中、−O−R3 −、−O−R4 −は1価フェノール残基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。また、Y、Zは水素原子、ハロゲン原子、グリシジルエーテル基、アルキル基、アリル基、又はアラルキル基を表し、アルキル基、アリル基、及びアラルキルのときにはグリシジル置換基を有していてもよく、両者は同一でも異なっていてもよい。m、nは0以上の整数を表す。)
【化6】
Figure 0004424566
(式中、P、Qは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、水酸基を表す。)
【0018】
また、本発明のアルカリ可溶性接着剤は、上記のアルカリ可溶性接着剤に、シリコン系、ポリシロキサンフルオロカーボン、フッ素系、アセチレングリコール系から選ばれる界面活性剤が添加されたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のアルカリ可溶性接着剤は、上記のアルカリ可溶性接着剤に、ジシクロヘキシルフタレート、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸から選ばれた溶融粘度低下剤が添加されたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明のアルカリ可溶性接着剤は、上記のアルカリ可溶性接着剤において、含有されるK、Ca、Mg、Al、Ni、Sn、Zn、Cu、Fe、Cr、Pbから選ばれる各金属の含有量が50ppb以下であることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂について説明する。化合物(C)(以下、アルカリ可溶性樹脂ともいう)は、少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(A)のエポキシ基にモノカルボン酸化合物(B)を付加することにより、水酸基が生成してヒドロキシル基含有樹脂となり、このヒドロキシル基に更にカルボキシル基を2個以上有するポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸無水物を反応させることにより生成するもので、その軟化点が40〜130℃、好ましくは60〜90℃であり、酸価が50〜200mgKOH/g、好ましくは70〜130mgKOH/gのポリカルボン酸樹脂である。
【0022】
軟化点が40℃より低い場合は、接着剤としては室温でのウエハの剥離が困難となる。軟化点が130℃より高いと被接着材と研磨用の定盤との接着力が劣る問題点がある。酸価が50mgKOH/gより小さいと、アルカリ溶液での洗浄溶解性に劣り、酸価が200mgKOH/gより大きいと耐水性に劣る問題点がある。
【0023】
本発明で使用される少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(A)としては、上記一般式(1)に示されるビスフェノール型エポキシ樹脂、または上記一般式(2)に示されるノボラック型エポキシ樹脂、すなわち、フェノール化合物とアルデヒド類やケトン類との縮合反応により得られるノボラック型フェノール樹脂とエピクロルヒドリン等のハロヒドリン類との反応より得られるものが挙げられる。
【0024】
一般式(1)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。また、これらエポキシ樹脂は、本発明の特性を損なわない範囲でエポキシ基の一部がフェノール化合物、アミン化合物、カルボン酸類、イソシアネート化合物等で変性されたものも使用できる。
【0025】
一般式(2)で示されるノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらエポキシ樹脂は、本発明の特性を損なわない範囲でエポキシ基の一部がフェノール化合物、アミン化合物、カルボン酸類、イソシアネート化合物等で変性された物も使用できる。
【0026】
次に、上述した少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(A)と、モノカルボン酸化合物(B)と反応させる。
【0027】
モノカルボン酸化合物(B)としては、アルキルモノカルボン酸類、アルケニルモノカルボン酸類、芳香族モノカルボン酸類等が挙げられ、具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、セバシン酸、オレイン酸等のアルキルモノカルボン酸類、ソルビン酸等のアルケニルモノカルボン酸類、また、グリコール酸、クエン酸、等のヒドロキシル基含有モノカルボン酸類等が挙げられ、特に限定されないが、好ましくは、上記一般式(3)で示される芳香族カルボン酸であり、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸等が例示される。
【0028】
モノカルボン酸化合物(B)の使用量は、少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(A)におけるエポキシ基の80mol%以上、すなわち、エポキシ基1molに対してカルボキシル基が0.8〜1.5molの範囲が好ましい。
【0029】
エポキシ基に対するモノカルボン酸の使用量が80mol%より少ないと得られる樹脂の軟化点が高くなり、接着性に劣ったり、また製造時にゲル化を起こしやすい等の問題点がある。
【0030】
また、使用されるモノカルボン酸としては、上記のモノカルボン酸類を混合して使用してもよいが、その場合、モノカルボン酸の70mol%以上、好ましくは100mol%〜80mol%を、上記一般式(3)で示される芳香族モノカルボン酸として反応させるとよい。使用するモノカルボン酸にあって、一般式(3)で示される芳香族カルボン酸を70mol%より少ない量を用いると接着力が強くなりすぎたり、耐水性に劣る問題点がある。本発明で使用されるモノカルボン酸化合物(B)としては、上記条件を満たしていれば特に制限は無い。 少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(A)とモノカルボン酸化合物(B)との反応にあたっては、必要に応じて触媒を使用しても良い。
【0031】
触媒として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アミン類、イミダゾール類、第4アンモニウム塩類、フォスフィン類、フォスフォニウム塩類等が挙げられる。これらの触媒量は、カルボン酸類100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲であるが、反応生成物中の金属イオン量を低減させるには、好ましくは、アミン類、イミダゾール類、第4級アンモニウム塩類、フォスフィン類、フォスフォニウム塩類等である。
【0032】
また、反応温度としては、50〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜130℃であり、反応時間は0.5〜50時間であり、より好ましくは0.5〜30時間である。この反応の際に、芳香族炭化水素系、ケトン系、アルコール系、エステル系、エーテル系等の有機溶剤を使用してもよい。
【0033】
上記のような方法により得られたヒドロキシル基含有樹脂にポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸無水物を反応させて、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂を合成する。ポリカルボン酸および/又はポリカルボン酸無水物としては、具体的には、フタル酸、マレイン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸およびこれらの無水物等が挙げられる。これらポリカルボン酸および/またはポリカルボン酸無水物の添加量は、酸価で50〜200mgKOH/gになる量であればよく、必要に応じて触媒を使用してもよい。
【0034】
触媒としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アミン類、イミダゾール類、第4級アンモニウム塩類、フォスフィン類、フォスフォニウム塩類等を使用してもよいが、反応生成物中の金属イオン量を低減させるには、好ましくは、アミン類、イミダゾール類、第4級アンモニウム塩類、フォスフィン類、フォスフォニウム塩類等である。これらの触媒量は、ポリカルボン酸およびポリカルボン酸類100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲である。
【0035】
また、反応温度としては、50〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜130℃であり、反応時間は0.5〜100時間であり、より好ましくは0.5〜30時間である。この反応の際に、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系、エーテル系等の有機溶剤を使用してもよい。
【0036】
このようにして得られる本発明のアルカリ可溶性樹脂は、接着性、接着強度、塗膜性、表面平滑性、耐水性、剥離特性、軟化点の制御性に優れるが、特に、アルカリ可溶性接着剤等として使用される場合には、表面平滑性、耐水性と共に接着強度と剥離性のバランスに優れる。すなわち、研磨工程においては、被研磨材料を強固に保持し、研磨時のずれを起こしにくく精度の高い研磨が可能であると共に、研磨後に被研磨材料を定盤等から引き剥がしが容易で、良好な剥離性を有している。
【0037】
また、一般式(1)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂を出発物質とするアルカリ可溶性樹脂(X)は特に接着強度が優れ、更に一般式(2)で示されるノボラック型エポキシ樹脂を出発物質とするアルカリ可溶性樹脂(Y)は、特に易剥離性に優れる。従って、これら両者を混合して用いることによりそれぞれ単独のアルカリ可溶性樹脂を用いたアルカリ可溶性接着剤とは、異なった特性を得ることが可能であり、幅広い用途や広範な要求に対して容易に対応可能である。
【0038】
アルカリ可溶性樹脂(X)とアルカリ可溶性樹脂(Y)の混合に際して、両樹脂の特性を最大限に引き出すためには、アルカリ可溶性樹脂(X)/アルカリ可溶性樹脂(Y)(重量比)=90:10〜50:50、好ましくは80:20〜70:30とするとよく、これにより、接着性に優れるとともにスクレバー剥離に優れるものを得ることができる。
【0039】
次に、本発明のアルカリ可溶性接着剤について説明する。アルカリ可溶性接着剤には、必要に応じて、シリコン系、ポリシロキサンフルオロカーボン、フッ素系、アセチレングリコール等の界面活性剤を1種または2種以上の混合するとよい。添加量は、アルカリ可溶性接着剤全体量に対して0.1重量%〜2重量%である。これらの界面活性剤を添加することにより、塗布膜の平滑性に優れるものとでき、Rmaxが0.05μm以下とでき、特に、シリコンウエハー研磨に際して優れたアルカリ可溶性接着剤とできる。
【0040】
また、溶融粘度低下剤を必要に応じて添加するとよい。溶融粘度低下剤は、アルカリ可溶性樹脂の軟化点を低下させないで溶融粘度を低下させる機能を有するものであり、例えばシリコンウエハーを定盤に貼りつけるに際してその貼り付け精度を向上させることができる。
【0041】
溶融粘度低下剤としては、融点が40℃〜70℃の例えばジシクロヘキシルフタレート、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等が例示され、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して3〜35重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲で添加されるとよい。
【0042】
本発明のアルカリ可溶性樹脂と、上記した各添加剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のエーテル系溶剤等にそれぞれ単独にまたは、混合した溶剤に溶解され、樹脂溶液とし、アルカリ可溶性接着剤とされる。
【0043】
形成用組成物における樹脂濃度は、10〜50重量%が好ましい。樹脂濃度が10重量%未満だと、十分な接着力のある接着層を形成することが難しく、また、50重量%より多いと接着力が強すぎたり、均一な接着層となりにくい等の問題点がある。
【0044】
また、本発明者等は、形成用組成物における溶剤により、塗布膜の平滑性に影響を与えることを見いだした。特に、溶剤として、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤を主成分として使用することにより、塗布膜の平滑性に優れるものとでき、Raが0.01μm以下とでき、また、Rmaxが0.11μm以下のものとでき、特に、シリコンウエハー研磨に際して優れたアルカリ可溶性接着剤とできる。このとき、Raは粗さ曲線の中心粗さ、Rmaxは粗さ曲線の最大高さである。
【0045】
本発明のアルカリ可溶性接着剤においては、K、Ca、Mg、Al、Ni、Sn、Zn、Cu、Fe、Cr、Pbから選ばれる各金属の含有量が50ppb以下、好ましくは20ppb以下とすることにより、特に、シリコンウエハー研磨に際して不純金属の残留による半導体のデバイス機能の低下を防ぐことができる。
【0046】
本発明のアルカリ可溶性樹脂を、ウエハまたはレンズ、ガラスの研磨工程に使用されるアルカリ可溶性接着剤として使用する場合には、上述した形成用組成物をウエハー、レンズ、ガラス等の研磨面の裏側に塗布し、乾燥後、研磨定盤上に加熱溶融状態で圧着される。研磨工程終了後、ウエハ、レンズ、ガラスは定盤上からスクレバー剥離され、付着している接着剤は洗浄剤によって溶解除去される。このような洗浄剤としては、水酸化アンモニウム系水溶液、アルカノールアミン水溶液等のアミン系水溶液等の有機アルカリ水溶液、その他に水酸化ナトリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液、ケイ酸塩等の無機アルカリ水溶液が挙げられる。
【0047】
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、分子内にカルボキシル基を有する化合物で成り、有機溶剤を使用することなく、洗浄除去可能なアルカリ水溶液可溶性の樹脂化合物であり、環境衛生対応型樹脂化合物である。また、アルカリ可溶性樹脂を使用したアルカリ可溶性接着剤は、接着性、接着強度、塗膜性、表面平滑性、軟化点の制御性に優れたものとでき、また、得られる接着層における接着力及び剥離性が適切で、耐水性及びアルカリ洗浄性等も良好な結果が得られる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、実施例中「部」は重量部を表す。
【0049】
(実施例1)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−128、エポキシ当量187g/eq)760部、電気伝導度が17×10-2MΩ・mの純水より再結晶し乾燥した安息香酸439.6部、温度40℃、真空度66.7KPaの条件で精留した酢酸24部、メチルエチルケトン50部を仕込み、窒素気流下100℃まで昇温した。メチルエチルケトン10部に溶解したトリフェニルホスフィン2.4部を発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後、110〜120℃で酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は6時間であった。
【0050】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水トリメリット酸62.5部、メチルエチルケトンより再結晶した乾燥したテトラヒドロ無水フタル酸347部を仕込み、115〜120℃で3時間反応させた。反応終了後、排出冷却固化し目的とするアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の物性を下記表1に示す。
【0051】
(実施例2)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−128、エポキシ当量187g/eq)760部、電気伝導度が17×10-2MΩ・mの純水より再結晶し乾燥した安息香酸487.5部、メチルエチルケトン55部を仕込み、窒素気流下100℃まで昇温した。メチルエチルケトン10部に溶解したトリフェニルホスフィン2.4部を発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後、110〜120℃で酸価が2mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は8時間であった。
【0052】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥したテトラヒドロ無水フタル酸381.1部、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水マレイン酸69.3部を仕込み、115〜120℃で4時間反応させた。反応終了後、排出冷却固化し目的とするアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の物性を下記表1に示す。
【0053】
(実施例3)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製YDPN−638、エポキシ当量179g/eq)760部、電気伝導度が17×10-2MΩ・mの純水より再結晶し乾燥した安息香酸362.6部、温度40℃、真空度66.7KPaの条件で精留した酢酸76.4部、メチルエチルケトン60部を仕込み、窒素気流下100℃まで昇温した。メチルエチルケトン10部に溶解したトリフェニルホスフィン2.4部を発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後、110〜120℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は10時間であった。
【0054】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水トリメリット酸90.1部、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水マレイン酸220.3部を仕込み、110〜115℃で4時間反応させた。反応終了後、排出冷却固化し目的とするアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の物性を下記表1に示す。
【0055】
(比較例1)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−128、エポキシ当量187g/eq)760部を仕込み、窒素気流下100℃まで昇温した。温度40℃、真空度66.7KPaの条件で精留した酢酸241部にトリフェニルホスフィン2.4部を溶解し、発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後、120〜130℃で酸価が1mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は4時間であった。
【0056】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水トリメリット酸309部を仕込み、115〜120℃で3時間反応させた。反応終了後、排出冷却固化し目的とするアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の物性を下記表1に示す。
【0057】
(比較例2)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−128、エポキシ当量187g/eq)760部、ビスフェノールA 33.5部を仕込み、120℃まで昇温し、ビスフェノールAを溶解した。更に、トリフェニルホスフィン0.1部を投入し、150〜160℃でエポキシ当量が210g/eqまで反応させた。反応時間は1.5時間であった。
【0058】
次いで、電気伝導度が17×10-2MΩ・mの純水より再結晶し乾燥した安息香酸277.4部、温度40℃、真空度66.7KPaの条件で精留した酢酸89.5部を投入し、内容物が120℃になった時点でメチルエチルケトン60部に溶解したトリフェニルホスフィン2.4部を発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後、110〜120℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は5時間であった。
【0059】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水トリメリット酸179部を仕込み、115〜120℃で3時間反応させた。反応終了後、排出冷却固化し目的とするアルカリ可溶性樹脂を得た。得られた樹脂の物性を下記表1に示す。
【0060】
(比較例3)
攪拌機、コンデンサー、窒素パージ管を付けた2リットルセパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(東都化成(株)製YD−128、エポキシ当量187g/eq)760部、電気伝導度が17×10-2MΩ・mの純水より再結晶し乾燥した安息香酸297.5部、温度40℃、真空度66.7KPaの条件で精留した酢酸36.6部を投入し、内容物が120℃になった時点で、メチルエチルケトン60部に溶解したトリフェニルホスフィン2.4部を発熱に注意しながら1時間でセパラブルフラスコに投入した。その後110〜120℃で酸価が3mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応時間は3時間であった。
【0061】
次に、メチルエチルケトンより再結晶し乾燥した無水トリメリット酸179部を仕込み、115〜120℃で反応させたところゲル化したため、反応を中止した。
【0062】
【表1】
Figure 0004424566
但し、軟化点、酸価は、150℃、6.7×102 Paの真空下で30分間、溶剤成分を留去し、固形化した樹脂の特性値であり、また、軟化点は環球式での測定値である。
【0063】
(実施例4)
実施例1で得たアルカリ可溶性樹脂8部と、実施例3で得たアルカリ可溶性樹脂2部を混合し、アルカリ可溶性樹脂とした。
【0064】
(実施例5)
実施例1で合成したアルカリ可溶性樹脂を、下記表2の組成の溶媒を使用し、固形分濃度30重量%の樹脂溶液を調製した。
【0065】
得られた樹脂溶液をスピンナー(1H−DX−2、ミカサ(株)製)を使用して4インチガラスウエハー、滴下量2cc、1段階500rpm、2秒、2段階3000rpm、3秒で塗布し、100℃、1分で乾燥させた。
【0066】
得られた塗布膜について、表面粗さ計(サーフコム574A(東京精密(株)製)を使用して、ウエハーの中心より4cm付近の所と中心点を結ぶ線に垂直になるように測定距離20mmを測定し、粗さ曲線の中心線平均粗さ(Ra)、粗さ曲線の最大高さ(Rmax)を得た。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0004424566
表2中、MEKはメチルエチルケトン、IPAはイソプロパノール、MIBKはメチルイソブチルケトンであり、VGは最良、Pは不良であることを示す。
【0068】
この結果より、ケトン系溶剤を使用すると塗膜面の平滑性に有効であることがわかる。
【0069】
次に、実施例1で合成したアルカリ可溶性樹脂46.7重量%、メチルエチルケトン(SC−2−ブタノン、電子工業用、和光純薬工業(株)製)32.5重量%、イソプロパノール(SC−2−プロパノール、電子工業用、和光純薬工業(株)製)20.8重量%の組成の樹脂溶液を調製した。
【0070】
この樹脂溶液における金属含有量を、ICP質量分析計(住化分析センター委託)を使用して測定した結果、鉄分12ppb、Al分1ppb、Ni分1ppb、Mg分1ppb、Ca分9ppb、K分5ppb、Zn分6ppb、Cu分1ppb、Cr分2ppb、Pb分1ppb以下、Sn分1ppb以下であり、集積回路等におけるウエハーの研磨作業に適した接着剤であることが判明した。
【0071】
更に、実施例1で合成したアルカリ可溶性樹脂に対して、ジシクロヘキシルフタレート(DCHP、融点61℃)を5重量%の割合で添加し、120℃に加温し混練した。
【0072】
得られた接着剤の軟化点を、自動軟化点測定機「ASP−MG、ASP−MG4、メイテック(株)製、環球法(JIS K2207)」で測定した結果を下記表3に示す。
【0073】
また、溶融粘度を、ビスコブロックVTB−400(B型粘度計、トキメック(株)製)をHMローターNo.3、6rpmの条件で下記表3の温度に変化させて測定した。その結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
Figure 0004424566
溶融粘度の単位は、mPa・sである。
【0075】
この結果より、DCHPやステアリン酸等の添加剤を加えることにより、固形分の軟化点を下げることなく、溶融粘度を低下させることが可能であることがわかる。
【0076】
(実施例6)
実施例1で合成したアルカリ可溶性樹脂を下記表4の組成の溶媒に溶解すると共に、該溶液全量に対して、下記表4の界面活性剤を下記表4の割合(重量%)で添加し、固形分濃度30重量%の樹脂溶液を調製した。その樹脂溶液の粘度は2.6mPa・s(25℃)であった。
【0077】
得られた樹脂溶液をスピンナー(1H−DX−2、ミカサ(株)製)を使用して4インチガラスウエハー、滴下量2cc、1段階500rpm、2秒、2段階3000rpm、3秒で塗布し、100℃、1分で乾燥させた。
【0078】
得られた塗布膜について、表面粗さ計(サーフコム574A(東京精密(株)製)を使用して、ウエハーの中心より4cm付近の所を中心にして横になるように測定距離20mmで測定し、粗さ曲線の中心線粗さ(Ra)、粗さ曲線の最大高さ(Rmax)を得た。その結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
Figure 0004424566
表中、MEKはメチルエチルケトン、IPAはイソプロパノール、SN−EX5165はサンノプコ(株)製のシリコン系界面活性剤、EFKA34はエフカケミカルズ(株)製のポリシロキサンフルオロカーボン界面活性剤、FC−431は、3M(株)製のフッ素系界面活性剤、サーフィノール61はエアープロダクツジャパン(株)製のアセチレングリコール界面活性剤である。また、VGは最良、Gは良い、Fは普通である。
【0080】
この結果より、有効な界面活性剤を添加することにより、より平滑な塗布面が得られることがわかる。
【0081】
(実施例7)
(剥離性の確認)
実施例1〜実施例4、比較例1、比較例2でそれぞれ得たアルカリ可溶性樹脂を、メチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度30重量%の樹脂溶液をそれぞれ調製した。
【0082】
得られたそれぞれの溶液をスピンナー(1H−DX−2、ミカサ(株)製)を使用して4インチシリコンウエハー、滴下量2cc、1段階500rpm、2秒、2段階3000rpm、3秒で塗布し、ホットプレート( ULTRA HOTPLATE HI-400、(株)井内盛栄堂製) 上で100℃、1分間乾燥させた。
【0083】
次いで、予め120℃に加熱しておいたセラミック定盤へ、樹脂溶液を塗布したシリコンウエハーを貼付けた。貼付け後、室温まで冷却し、鋭利なスクレバーの先をセラミック定盤とウエハーとの間に入れ、セラミック定盤からウエハーを剥離した。その時の剥がれ具合の結果を表5に示す。
【0084】
(引張剪断接着強さ)
次に、幅15mm、長さ100mm、厚み1.5mmのステンレス製試験片を100℃に加熱し、溶融した実施例1〜実施例4、比較例1、比較例2でそれぞれ得たアルカリ可溶性樹脂を、試験片先端部15mm、長さ10mmに塗布して2つの試験片を貼り合わせた後、室温にまで放冷した。次いで水温25℃の恒温水槽中に20分間浸漬した後、毎分25mmの速さで引張試験機(ストログラフR−1、(株)東洋精機製作所製)を用い、引張剪断接着強さ(MPa)を測定した。測定結果を表5に示す。
【0085】
(洗浄性の確認)
実施例1〜実施例4、比較例1、比較例2でそれぞれ得たアルカリ可溶性樹脂のメチルエチルケトン溶液を溶剤乾燥後の樹脂膜厚が2μmになるようにそれぞれガラス板に塗布、乾燥し、25℃の0.1重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液中に10秒間それぞれ浸漬し、洗浄性の度合いを試験した。結果を表5に示す。
【0086】
(耐水性の確認)
実施例1〜実施例4、比較例1、比較例2でそれぞれ得たアルカリ可溶性樹脂のメチルエチルケトン溶液を溶剤乾燥後の樹脂膜厚が2μmになるようにそれぞれガラス板に塗布、乾燥し、25℃の水中に10秒間それぞれ浸漬し、塗膜の耐水性を試験した。結果を表5に示す。
【0087】
【表5】
Figure 0004424566
但し、VGは非常に良い、Gは良い、Fは普通、Pは悪いを示す。
【0088】
この結果より、エポキシ基に対するモノカルボン酸の使用量と、使用したモノカルボン酸中の芳香族モノカルボン酸量の比率を定めることで、耐水性と共に接着性と剥離性のバランスに優れるアルカリ可溶性樹脂が得られることがわかった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で示されるエポキシ樹脂(A)と、下記一般式(3)で示される芳香族モノカルボン酸を70mol%以上含有するモノカルボン酸化合物(B)とを、エポキシ樹脂(A)におけるエポキシ基に対して80mol%以上の割合でモノカルボン酸類(B)を反応させて得られる反応生成物に、更にカルボキシル基を2個以上有するポリカルボン酸及び/又はポリカルボン酸無水物を反応させて得られる、軟化点が40〜130℃であり、また、酸価が50〜200mgKOH/gである反応生成物(C)を、ケトン系有機溶剤に溶解してなる、研磨用定盤に基板を一時的に接着固定するために用いられるアルカリ可溶性接着剤。
    Figure 0004424566
    (式中、−O−R1 −O−、−O−R2 −O−は、2価フェノール残基を表し、また、k、lは0以上の整数を表す。)
    Figure 0004424566
    (式中、−O−R3 −、−O−R4 −は1価フェノール残基を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。また、Y、Zは水素原子、ハロゲン原子、グリシジルエーテル基、アルキル基、アリル基、又はアラルキル基を表し、アルキル基、アリル基、及びアラルキルのときにはグリシジル置換基を有していてもよく、両者は同一でも異なっていてもよい。m、nは0以上の整数を表す。)
    Figure 0004424566
    (式中、P、Qは同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、水酸基を表す。)
  2. 請求項1に記載のアルカリ可溶性接着剤に、シリコン系、ポリシロキサンフルオロカーボン、フッ素系、アセチレングリコール系から選ばれる界面活性剤が添加されたことを特徴とするアルカリ可溶性接着剤。
  3. 請求項1に記載のアルカリ可溶性接着剤に、ジシクロヘキシルフタレート、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸から選ばれた溶融粘度低下剤が添加されたことを特徴とするアルカリ可溶性接着剤。
  4. 請求項1に記載のアルカリ可溶性接着剤において、含有されるK、Ca、Mg、Al、Ni、Sn、Zn、Cu、Fe、Cr、Pbから選ばれる各金属の含有量が50ppb以下であることを特徴とするアルカリ可溶性接着剤。
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