JP6031877B2 - 接着物の製造方法、接着剤パターンの形成方法、及び接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、接着物の製造方法、接着剤パターンの形成方法、及び接着剤に関する。
パターン化した接着剤層(以下、接着剤パターンという場合もある。)を得る方法として、(1)基材上に接着剤を印刷する方法、(2)接着フィルムを打ち抜く方法、(3)基材上に感光性を付与した接着剤層を設け、露光及び現像により接着剤層をパターン化する方法が知られている。(3)の方法に用いられる感光性接着剤組成物としては、例えば下記特許文献1〜3にポリイミド化合物を含有する感光性接着剤組成物が開示されている。
特開平5−197159号公報 特開平5−040340号公報 特許第4375481号
上記(1)の方法は、版の掃除が必要なため連続作業性が低く、またこの手法では端部まで平坦性を保つことは極めて難しく、接着剤と被着体との界面にボイドが発生しやすく、未接着部分の発生により十分な接着強度が得られないことがある。
上記(2)の方法は、打ち抜きの際にかかる応力によって切断付近のフィルムが変形し、パターンの平坦性が低下する。特に微細な接着剤パターンを形成する場合や弾性率の低い接着フィルムを用いる場合、この平坦性の低下は無視できず、接着剤と被着体との界面にボイドが発生して十分な接着強度が得られないことがある。
上記(3)の方法で用いられる感光性接着剤組成物は、パターン化のために現像液を浸透しやすい性質を有している。そのため、現像工程において除去されない部分の接着剤組成物も一部が現像液によって溶解し、パターンの表面に微少な凹凸が発生しやすい傾向がある。この場合、十分な平坦性が得られにくく、接着剤と被着体との界面にボイドが発生して十分な接着強度が得られないことがある。
更に、接着剤パターンにおいては、パターン表面の平坦性のみならずパターンの断面形状も良好であることが求められる。例えば、微細加工性の点からはパターン側面が被着体に対してより直角に近い形状になることが望ましい。
本発明は、良好なパターン形状を有し、十分な接着強度で被着体同士を接着することができる接着剤パターンを形成するための接着剤、それを用いた接着物の製造方法及び接着剤パターンの形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、第1の被着体と第2の被着体とが接着剤パターンを介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、第1の被着体上に、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を設ける工程と、接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程と、接着剤パターンに第2の被着体を貼り合わせる工程と、を備える接着物の製造方法を提供する。


式(I)中、nは2〜20の整数を示す。
本発明の接着物の製造方法によれば、上記特定のポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を上記特定のエッチング液でエッチングすることにより十分なエッチング速度が得られ、接着剤層の不要な部分を短時間で溶解させることができる。これにより、平坦なパターン表面と良好な断面形状を有する接着剤パターンを形成することができ、被着体同士が十分な接着強度で接着された接着物を得ることができる。また、本発明は、十分なエッチング速度が得られることから、側面が被着体に対してより直角に近い形状を有する接着剤パターンを形成することができ、微細加工性の点においても優れる。
本発明の接着物の製造方法において、エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを含むことが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンは、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含むことが好ましい。


式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。


式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、上記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び上記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。
接着強度の観点から、上記接着剤は、熱硬化成分を更に含有することが好ましい。
本発明はまた、基材上に、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を設ける工程と、接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程と、を備える接着剤パターンの形成方法を提供する。


式(I)中、nは2〜20の整数を示す。
本発明の接着剤パターンの形成方法によれば、上記特定のポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を上記特定のエッチング液でエッチングすることにより十分なエッチング速度が得られ、接着剤層の不要な部分を短時間で溶解させることができる。これにより、平坦なパターン表面と良好な断面形状を有する接着剤パターンを形成することができる。また、本発明は、十分なエッチング速度が得られることから、側面が被着体に対してより直角に近い形状を有する接着剤パターンを形成することができ、微細加工性の点においても優れる。
本発明の接着剤パターンの形成方法において、エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを含むことが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンは、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含むことが好ましい。


式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。


式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、上記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び上記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。
接着強度の観点から、上記接着剤が熱硬化成分を更に含有することが好ましい。
本発明はまた、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液によってパターニングされた接着剤パターンを形成するための接着剤であって、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有する接着剤を提供する。


式(I)中、nは2〜20の整数を示す。
本発明の接着剤によれば、上記特定のポリイミド化合物を含有することにより、上記特定のエッチング液でエッチングして接着剤パターンを形成する用途において、十分なエッチング速度が得られ、接着剤層の不要な部分を短時間で溶解させることができる。これにより、平坦なパターン表面と良好な断面形状を有する接着剤パターンを形成することができ、被着体同士が十分な接着強度で接着された接着物を得ることができる。また、本発明の接着剤は、十分なエッチング速度が得られることから、側面が被着体に対してより直角に近い形状を有する接着剤パターンを形成することができ、微細加工性の点においても優れる。
本発明の接着剤は、エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有する第1のジアミンを含むことが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンにおける第1のジアミンの合計含有量が全ジアミンに対し40モル%以上であることが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含むことが好ましい。


式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。


式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、上記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び上記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。
本発明の接着剤は、接着強度の観点から、熱硬化成分を更に含有することが好ましい。
本発明によれば、良好なパターン形状を有し、十分な接着強度で被着体同士を接着することができる接着剤パターンを形成するための接着剤、それを用いた接着物の製造方法及び接着剤パターンの形成方法を提供することができる。
本発明に係る接着剤を備える接着剤シートの好適な実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係る接着物の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 本発明に係る接着物の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 本発明に係る接着物の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 実施例1のフィルム状接着剤をエッチングしたときの断面写真である。 比較例1のフィルム状接着剤をエッチングしたときの断面写真である。
図1は、本発明に係る接着剤を備える接着剤シートの好適な実施形態を示す模式断面図である。図1の(a)に示される接着剤シート10、本発明に係る接着剤をフィルム状に形成してなるフィルム状接着剤1と、支持フィルム2とが積層された構造を有する。図1の(b)に示される接着剤シート12、支持フィルム2と、本発明に係る接着剤をフィルム状に形成してなるフィルム状接着剤1と、保護フィルム3とが積層された構造を有する。
支持フィルム2としては、フィルム状接着剤を製造するときの加熱・乾燥条件に耐えるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエーテルナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、等が挙げられる。これらのフィルムは、シリコーン系やシリカ系の離型剤で処理されたものであってもよい。
支持フィルム2の厚みは、加熱・乾燥時の変形抑制と作業性の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。一方で、厚みが厚すぎるとロール状にした際の巻き始めの段差が大きくなり、接着剤に段差が転写する不具合が発生する傾向にあるため、厚みは300μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、60μm以下であることがより好ましい。
保護フィルム3としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエーテルナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、等が挙げられる。
保護フィルム3の厚みは、作業性の観点から、5〜300μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、15〜60μmが更により好ましい。
上記支持フィルム2及び保護フィルム3は、フィルム状接着剤或いはその後形成される接着剤パターンの表面に平坦性を持たせる観点から、平坦性を有することが好ましい。例えば、PETのような基材は静電気による密着が高いため、作業性を向上するために平滑剤を使用している場合がある。平滑剤の種類や濃度によっては、接着剤に微少な凹凸を転写し平坦性を下げる場合がある。したがって、平滑剤を使用していない基材や、平滑剤の少ない基材を支持フィルム或いは保護フィルム3として使用することが好ましい。またPEなどの基材は柔軟性に優れる点で好ましいが、ラミネート時にロール痕などが接着剤層表面に転写しないよう、基材厚さや、基材密度を選択することが好ましい。
フィルム状接着剤1は、本発明に係る接着剤をフィルム状に形成してなる。以下、本発明に係る接着剤の実施形態について説明する。
本実施形態の接着剤は、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物(以下、本発明に係るポリイミド化合物という場合もある。)を含有する。


式(I)中、nは2〜20の整数を示す。
上記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物であれば特には制限されないが、例えば、エチレンビストリメリテート二無水物、トリメチレンビストリメリテート二無水物、テトラメチレンビストリメリテート二無水物、ペンタメチレンビストリメリテート二無水物、ヘキサメチレンビストリメリテート二無水物、ヘプタメチレンビストリメリテート二無水物、オクタメチレンビストリメリテート二無水物、ノナメチレンビストリメリテート二無水物、デカメチレンビストリメリテート二無水物、ドデカメチレンビストリメリテート二無水物、ヘキサデカメチレンビストリメリテート二無水物、オクタデカメチレンビストリメリテート二無水物等が挙げられる。吸湿性、柔軟性、溶剤可溶性及び耐熱性のバランスの観点から、デカメチレンビストリメリテート二無水物を用いることが好ましい。上記の酸無水物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、無水トリメリット酸モノクロライド及び対応するジオールから合成することができる。
本実施形態に係るポリイミド化合物においては、一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物を全酸無水物に対して30モル%以上の割合でジアミンと反応させている。このポリイミド化合物には、エッチング液による求核攻撃を受ける官能基として、イミド基とエステル結合とが十分な割合で含まれる。これにより、ポリイミド化合物はエッチング液による分解反応が進みやすく且つエッチング液への溶解性が良好となり、接着剤のエッチング速度を十分に高めることが可能となる。また、一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物を上記の割合で反応させることによりポリイミド化合物は溶剤へ溶解性及び低温での流動性が良好となり、接着剤はワニスの調製が可能であるとともに、フィルム状に形成した場合には低温での貼付けが可能となる。
エッチング液への溶解速度向上の観点から、酸無水物には一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対して35モル%以上含まれることがより好ましい。
本実施形態においては、酸無水物に含まれる全テトラカルボン酸二無水物の割合が40モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更により好ましい。
更に、上記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸二無水物に対し70モル%以上に割合で含まれることが好ましい。この場合、フィルム状に形成した接着剤を基材に接合するときの温度を十分低くすることができる。
上記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物と併用できるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフイド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態において用いられるジアミンとしては、エッチング液への溶解性を良好なものとする観点から、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンが好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンは、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましい。本実施形態においては、シロキサン結合を有するアミンを全ジアミンに対し40モル%以上含むことがより好ましく、エーテル結合を有するアミンを全ジアミンに対し40モル%以上含むことが更により好ましい。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含むことが好ましい。


式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。
式(II)中のQ、Q及びQは、エッチング速度向上の観点から、炭素数1〜5のアルキレン基であることが好ましい。また、式(II)中のnは、柔軟性、溶剤可溶性、耐熱性の観点から1〜40であることが好ましく、溶剤可溶性と耐熱性のバランスの観点から1〜15であることがより好ましい。


式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。
式(III)中のR及びRは、柔軟性の観点からプロピル基であることが好ましい。式(III)中のR、R、R及びRは、加工性を考慮してフィルム状接着剤の硬化後の室温付近の弾性率を0.05GPa以上とする観点から、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。
上記一般式(II)又は上記一般式(III)で表されるジアミンを用いることで、ポリイミド化合物における親水性基の割合を増加させることができ、エッチング液への溶解速度を更に向上させることができる。
上記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミンは市販品を用いることができ、そのような市販品としては、例えば、サン テクノケミカル(株)製の「ジェファーミン D−230」、「D−400」、「D−2000」、「D−4000」、「ED−600」、「ED−900」、「ED−2001」、「EDR−148」(以上商品名)、BASF(製)の「ポリエーテルアミンD−230」、「D−400」、「D−2000」(以上商品名)などが挙げられる。これらの中でも、柔軟性とエッチング速度とのバランスが優れている点で、D−400、D−2000を用いることが好ましい。
一般式(III)で表されるシロキサンジアミンとしては、例えば、式中のnが1のとき、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン等が挙げられ、nが2のとき、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンが挙げられる。
エッチング速度をより向上させる観点から、上記ジアミンが、上記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び上記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含むことが好ましく、エッチング速度の向上と、保存安定性との両立の観点から、40〜90モル%含むことがより好ましく、エッチング速度の更なる向上の観点から、50〜90モル%含むことが更により好ましい。
本実施形態においては、ジアミンが上記以外のジアミンを含んでいてもよい。例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパンが挙げられる。
酸無水物とジアミンとの縮合反応は、有機溶媒中で行うことができる。この場合、酸無水物とジアミンとは、酸無水物とアミンとの官能基数が等しい、又はほぼ等しくなるように用いるのが好ましく、各成分の添加順序は任意である。
有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、m−クレゾール、o−クロルフェノール等が挙げられる。
反応温度は80℃以下が好ましく、0〜50℃がより好ましい。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇する。この場合、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が生成する。ポリイミド樹脂は、上記で得られる反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は120℃〜250℃で熱処理する方法や化学的方法を用いて行うことができる。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去してもよい。化学的方法で脱水閉環させる場合は、閉環剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いる。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、酸無水物1モルに対し、それぞれ1〜16モルの範囲で使用するのが好ましい。
本発明に係るポリイミド化合物は熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また本発明に係るポリイミド化合物は、フィルム形成性、熱時の弾性率の観点から重量平均分子量が5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましく、20000以上であることが更により好ましい。一方で、ワニスの取り扱い性や貼り付け時の流動性の観点から、重量平均分子量が400000以下であることが好ましく、200000以下であることがより好ましく、150000以下であることがより好ましい。なお、ポリイミド化合物の重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)における分離サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(展開溶媒が有機溶媒が好ましい点でゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー製高速GPCシステム(高速液体クロマトグラフィー)「HLC−8320GPC」(商品名))を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量のことを指す。展開溶媒はポリマーが溶解する溶媒であることが好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、またはトルエンなどが用いられる。
更に本発明に係るポリイミド化合物は、貼り付け性の観点からガラス転移温度Tgが0〜200℃であることが好ましく、20〜180℃であることがより好ましく、30〜150℃であることが更により好ましい。なお、ポリイミド化合物のガラス転移温度Tgとは、粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いてフィルムを測定したときのtanδのピーク温度を指す。より具体的には以下のとおりである。作製したフィルムサンプルを、動的粘弾性装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、商品名:RSA3)を用いて、引っ張りモード、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、測定温度−50°〜300℃の条件で測定した時のtanδのピーク温度をTgとして評価した。
本実施形態の接着剤は、接着強度の観点から、熱硬化成分を含有することが好ましい。熱硬化成分としては、熱硬化性樹脂及び硬化剤が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された熱硬化性樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂等が挙げられる。中でも、高温において優れた接着力を持たせることができる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ましく、取り扱い性及びポリイミドとの相溶性の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。これら熱硬化性樹脂は単独で又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、第3級アミン、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物等が挙げられる。
本実施形態の接着剤は、接着性の観点から、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂を含有することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含む化合物が挙げられ、硬化性や硬化物特性の点からフェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が好ましく用いられる。このような樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールFもしくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂の配合量は、本発明に係るポリイミド化合物100質量部に対して好ましくは1〜100質量部、より好ましくは5〜60質量部である。エポキシ樹脂の配合量が上記の範囲内であると、エッチング速度を大きく損なうことなく接着性を向上させることができる。
フェノール樹脂としては、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらは、2種以上を併用してもよい。
フェノール樹脂の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは2〜150質量部、より好ましくは50〜120質量部である。フェノール樹脂の配合量が上記の範囲内であると十分な硬化性が得られやすくなる。
本実施形態の接着剤は、必要に応じて、硬化促進剤、無機フィラー、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系添加剤等を含有することができる。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂を硬化させるために用いられる化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が用いられる。これらは、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.1〜20質量部である。硬化促進剤の配合量が上記の範囲内であると保存安定性を十分維持しながら十分な硬化性を得ることができる。
無機フィラーとしては、接着剤に低熱膨張性、低吸湿率を付与する目的で添加されるものが挙げられ、具体的には例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機絶縁体を単独又は2種以上混合して用いることができる。熱伝導の観点から、窒化ホウ素であることが好ましい。
無機フィラーの配合量は、本発明に係るポリイミド化合物100質量部に対して好ましくは1〜8000質量部、より好ましくは5〜4000質量部である。無機フィラーの配合量が上記の範囲内にあることで十分な低熱膨張性、低吸湿性が得られ、さらに熱時接着性を向上させることができる傾向にある。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、及びポリエトキシジメチルシロキサンが挙げられる。
チタン系カップリング剤としては、R’−Ti(OR)2又は3で示されるチタン化合物で、R’が加水分解基、Rがカルボン酸型又はピロリン酸型の化合物が挙げられ、カルボン酸型としてはKR TTS、ピロリン酸型としてはKR 38S(全て、味の素社製、商品名)などが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、アルキルグリコシドのような低分子系、ポリエチレングリコールやポリビニルアルコールのような高分子系が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、メガファック(DIC社製、商品名)、ノベック(3M社製、商品名)、サーフロン(AGC社製、商品名)等が挙げられる。
シリコーン系添加剤としては、接着性向上のためエポキシ基やアミノ基、メルカプト基を含有する密着助剤(KP−390、KP−391、KP−392、全て信越シリコーン社製、商品名)や、消泡剤(KP−330、信越シリコーン社製、商品名)、レべリング剤(KP−326、信越シリコーン社製、商品名)が挙げられる。
フィルム状接着剤1は、以下のようにして形成することができる。まず、本発明に係るポリイミド化合物、必要に応じて、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂等を有機溶媒に溶解する。ここで用いられる有機溶媒は、上記材料を均一に溶解又は混練できるものであれば特に制限はなく、そのようなものとしては例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン等が挙げられる。次いで、必要に応じて、硬化促進剤、無機フィラー及び添加剤等を加え、混合する。この場合、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミルなどの分散機を適宜組み合せて、混練を行ってもよい。
こうして得たペースト状混合物を、例えばポリプロピレン製シート等の支持フィルム2上に均一に塗布し、使用した溶媒が充分に揮散する条件、例えば、60〜200℃の温度で0.1〜30分間加熱することにより、フィルム状接着剤1を形成することができる。
上述した本実施形態に係る接着剤、フィルム状接着剤及び接着剤シートは、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液によってパターニングされた接着剤パターンを形成するために用いることができる。
次に、本実施形態に係る接着剤を用いた接着物の製造方法について説明する。
本実施形態の接着物の製造方法は、第1の被着体と第2の被着体とが接着剤パターンを介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、第1の被着体上に、本実施形態に係る接着剤からなる接着剤層を設ける工程と、接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程と、接着剤パターンに第2の被着体を貼り合わせる工程と、を備える。
図2〜4は、本発明に係る接着物の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。以下、これらの図面に基づいて接着物の製造方法の各工程を説明する。
図2の(a)は、第1の被着体4上に本実施形態に係る接着剤からなる接着剤層1を設ける工程を示す。
第1の被着体としては、ガラス基板、透明樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート・スチレン樹脂、透明ABS樹脂、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン、などのスチレン系特殊透明樹脂)、SiウェハなどのSi基板、有機基板、金属基板、セラミック基板などが挙げられる。
接着剤層1は、例えば、液状若しくはぺースト状の接着剤を第1の被着体上に塗布する、又は予め作製したフィルム状接着剤を第1の被着体上にラミネートすることにより形成することができる。フィルム状接着剤を第1の被着体上にラミネートする場合は、上述したフィルム状接着剤を備える接着剤シートを用いることができる。
液状若しくはぺースト状の接着剤の塗布方法としては、例えば、スピナー法、スプレー法、浸漬法など公知の方法が挙げられる。塗布後の乾燥条件としては、200℃未満、好ましくは10〜150℃で1分〜40分間の条件が挙げられる。
フィルム状接着剤のラミネート方法としては、例えば、ロールラミネート、真空ラミネートなど公知の方法が挙げられる。ラミネートの条件としては、ラミネート温度がフィルム状接着剤のガラス転移温度(Tg)以上且つ熱硬化成分が反応しない温度が好ましく、10℃〜180℃の範囲で、ロール圧力0.001N/cm以上、ロール速度0.01mm/s以上の条件が挙げられる。
本実施形態においては、フィルム状接着剤を被着体に加熱圧着してラミネートすることにより接着剤層1を形成することが好ましい。その理由として、液状又はペースト状の接着剤と比較して、接着剤層を形成する工程数が少ない、可使期間が長い、ブリードが少ない、平坦性が高いなどが挙げられる。これにより、精密加工性を向上させることができる。
図2の(b)は、接着剤層1の所定部分をエッチングするために接着剤層1の第1の被着体4と接する面とは反対側の面上にレジスト5を設ける工程を示す。本実施形態においては、感光性樹脂組成物からなる層にマスク6を介して露光し現像することにより、接着剤層の所定の部分をエッチングから保護する保護層としてレジストを設けている。
なお、接着剤層の所定の部分をエッチングから保護するための保護層として、レジスト以外のものを用いてもよい。エッチング液によって影響を受けないものが好ましく、例えば、鉄、銅、銀、ニッケル、パラジウムなどの金属、及びこれらの金属を含む合金或いは金属酸化物などが挙げられる。合金としては、42アロイリードフレーム、SUSなどが挙げられる。尚、これらを所定の部分に保護層として設ける場合、一般的な方法により行うことができる。
レジスト5は、例えば、液状若しくはぺースト状の感光性樹脂組成物を接着剤層1上に塗布する、又は予め作製したドライフィルムレジストを接着剤層1上にラミネートすることにより形成することができる。
液状若しくはぺースト状の感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スピナー法、スプレー法、浸漬法など公知の方法が挙げられる。塗布後の乾燥条件としては、200℃未満、好ましくは10〜150℃で1分〜40分間の条件が挙げられる。
ドライフィルムレジストのラミネート方法としては、例えば、ロールラミネート、真空ラミネートなど公知の方法が挙げられる。ラミネートの条件としては、0〜180℃で0.001N以上、ロール速度0.01mm/s以上が挙げられる。
本実施形態においては、ドライフィルムレジストを接着剤層上に加熱圧着してラミネートすることによりレジスト層を形成することが好ましい。その理由として、液状又はペースト状の感光性樹脂組成物と比較して、レジスト層を形成する工程数が少ない、可使期間が長い、ブリードが少ない、平坦性が高いなどが挙げられる。これにより、精密加工性を向上させることができる。
ドライフィルムレジストとしてはドライフィルムレジストがアルカリ水溶液により現像可能であり、且つアルカリ水溶液で剥離可能であることが好ましい態様である。このようなアルカリ水溶液による現像及びアルカリ水溶液での剥離を行うことにより、使用済み有機溶剤の処理の問題がない利点がある。
ドライフィルムレジストは、具体的には、高分子バインダー、単官能、及び/又は多官能モノマー、光重合開始剤、その他添加剤の配合により得られ、通常、それらの混合溶液をフィルムのような基材に塗布して製造することができる。
高分子バインダーは、ドライフィルムレジストの形態を保持する目的、また、現像性を付与する目的などでドライフィルムレジストに混入され、いわゆる、ドライフィルムレジストの骨組に当たる成分である。このような高分子バインダーとしては、主にアクリル系樹脂を用いることができ、その他にもポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリアリルアミン等を用いることができる。また、ドライフィルムレジストとして形状を保持する観点から、高分子バインダーの重量平均分子量は、6000以上であることが好ましく、現像性の観点から重量平均分子量が100000以下であることが好ましい。
高分子バインダーには、現像性を付与するために、アルカリ現像の場合は酸性の官能基、酸現像の場合は塩基性の官能基を導入することができる。酸性の官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基が挙げられる。塩基性の官能基としては、アミノ基が挙げられる。
多官能モノマーおよび単官能モノマーは、紫外線等が照射されることにより光重合開始剤が発生させたラジカルにより、高分子バインダーや他の多官能モノマーと反応し、架橋構造を形成することで、ドライフィルムレジストの溶解性を減少させる働きがある。
上記のモノマーの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ジ(pーヒドロキシフェニル)プロパンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、及びウレタン基を含有する多官能(メタ)アクリレート、ビスフェノールAを構造中に含んだ多官能メタクリレート又はアクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、電磁波、特に、紫外線を吸収し、解裂、及び/又は他分子からの水素引きぬきを行い、ラジカルを発生させるものが挙げられ、例えば、2−エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2ーベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノンなどのキノン類;ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン類;ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等のビイミダゾール化合物;チオキサントン類とアルキルアミノ安息香酸の組み合わせ、例えば、エチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2ークロルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、イソプロピルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合わせ、また、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体とミヒラーズケトンとの組み合わせ;9−フェニルアクリジン等のアクリジン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−o−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(ο−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシムエステル類等が挙げられる。
その他添加剤としては、照射された電磁波の吸収効率を高める色素や、ドライフィルム自体に柔軟性を与える可塑剤、等が挙げられる。
ドライフィルムレジストは、アルカリ水溶液により現像と剥離が行えるものが好ましいが、エッチング液に耐性を持ちレジスト層をウェットエッチングしている間、パターン形状を保持することができるものであれば、特に制限はない。
アルカリ水溶液により現像・剥離が行えるものとしては、旭化成工業株式会社製サンフォートシリーズ(商品名)、ニチゴーモートン社製ALPHOシリーズ(商品名)、LAMINARシリーズ(商品名)、日立化成工業製レイテックシリーズ(商品名)などが挙げられる。また、市販の乳酸現像・乳酸剥離タイプのドライフィルムレジスト SFP−00GI−25AR(商品名:新日鐵化学株式会社製)なども使用可能である。
露光はフォトリソグラフィ方式など公知の方法により行うことができ、マスクを介した露光以外に直接描画法を用いることもできる。レジストの現像液は、レジストの種類に応じて適宜選択され、例えば、溶剤、アルカリ現像液などを用いることができるが、廃液処理の点からアルカリ現像が好ましい。なお、レジストは、レジストの露光・現像法によらず、印刷法により形成してもよい。
こうして、図2の(c)に示されるように、接着剤層1の所定の部分をエッチングから保護する保護層としてレジスト5が形成される。
次に、接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程が行われる。
本実施形態においては、取扱い性の観点から、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液を用いることが好ましい。
アルカリ性化合物としては、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物及び4級アンモニウムハイドロオキサイドのうちの1種又は2種以上を用いることができる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムが挙げられる。4級アンモニウムハイドロオキサイドとしては、水酸化テトラメチルアンモニウム(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウムが挙げられる。
求核剤としては、ルイス塩基が好ましく、具体的には、アルコール、フェノール系溶剤、アミノアルコール、脂肪族アミン、アミド等が挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
フェノール系溶剤としては、フェノール、アミノフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロルフェノール、p−クロルフェノール、p−ブロムフェノール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,4−キシレノール、2,4−ジクロルフェノール、2,4,6−トリクロルフェノール等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノヘキサノール、アミノシクロヘキサノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等が挙げられる。
脂肪族アミンとしては、プロピルアミン、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン等のNH−R11−NH(R11は炭素数1以上のアルキレン基)で示されるアミン化合物、ピペラジン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルトリメチレンジアミン等が挙げられる。
アミドとしては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピルアミド、N,N−ジエチルベンズアミド等のR21−CO−N(R22)(R23)(R21は水素原子又は炭素数1以上のアルキル基又はフェニル基、R22及びR23は炭素数1以上のアルキル基)で示されるアミド化合物;ジエチルカルバマジン;N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン等の下記一般式(A)で示されるアミド化合物が挙げられる。


式(A)中、R24は炭素数1以上のアルキル基、R25は炭素数1以上のアルキレン基を示す。
求核剤は、均一にエッチングするためにエッチング後も本発明に係るポリイミド化合物を溶解させた状態でも液が均一で安定であることが望ましいため、水との親和性の観点から、アルコールやアミノアルコールなど親水性の官能基を有する化合物であることがより好ましい。
本実施形態に係るエッチング液は、上記アルカリ性化合物を15〜40質量%及び上記求核剤を10〜40質量%含むことが好ましい。
ヒドラジン系エッチング液としては、ヒドラジンや、ヒドラジン誘導体単独、又は、水、ヒドラジン若しくはヒドラジン誘導体、水酸化アルカリ金属からなるもの、さらにこれらにアミン、アルコールを添加したもの等が挙げられる。
エッチング液には、界面活性剤等を含有させてもよい。
エッチング液は、10〜90℃の範囲で使用することが好ましい。エッチング液の組成、接着剤の組成、接着剤の厚さ、パターン形状により最適な使用温度は異なるが、60〜90℃がより好ましく、70〜85℃がより好ましい。エッチング装置としては当業者で知られる機能・構造を有する装置を用いることができる。
上記の工程を経て、第1の被着体4上に接着剤パターン1aが形成される(図2の(d)を参照)。図3では、レジストパターンが除去された接着剤パターン付被着体20が示されている。レジストパターンの除去は、例えば、レジストの現像液や剥離液に浸しレジストを膨潤させることにより行うことができる。第1の被着体がガラス基板である場合、接着剤パターン付被着体20は接着剤パターン付ガラス基板とすることができる。また、第1の被着体がSi基板である場合、接着剤パターン付被着体20は接着剤パターン付Si基板とすることができる。
次に、接着剤パターン1aに第2の被着体を貼り合わせる工程が行われる。
第2の被着体としては、ガラス基板、透明樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メチルメタクリレート・スチレン樹脂、透明ABS樹脂、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン、などのスチレン系特殊透明樹脂)、SiウェハなどのSi基板、有機基板、金属基板、セラミック基板などが挙げられる。
第2の被着体の貼付は、熱板上で加重をかけながら圧着する方法など公知の方法により行うことができる。また圧着時の温度条件は10℃〜200℃の間が好ましい。
その後、接着剤パターンを熱硬化させることにより、第1の被着体4と第2の被着体6とが接着剤パターン1aを介して貼り合わされている十分な接着強度を有する接着物30を得ることができる(図4を参照)。
接着剤パターンの硬化温度は60〜300℃が好ましく、室温の安定性と硬化速度の関係から80℃以上がより好ましく、電子部材部品の変形や省エネの点から200℃以下がより好ましい。
接着物は、温度85℃湿度85%環境下に48時間置いた後の260℃における接着強度が0.3MPa以上であることが好ましい。
本発明により得られる接着物としては、第1の被着体及び第2の被着体の組合せがガラス基板及びSi基板である固体撮像素子、透明樹脂及びSi基板である固体撮像素子、透明樹脂及びセラミック基板であるMEMS素子が挙げられる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリイミド化合物の合成>
(合成例1:PIV−1)
温度計、攪拌機、塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(以下「BAPP」と記す)20.5g(0.05モル)、脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、商品名「B−12」)(以下「B−12」と記す)10.2g(0.05モル)及びジメチルアセトアミド100gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、デカメチレンビストリメリテート二無水物(以下「DBTA」と記す)51.4g(0.10モル)を少量ずつ添加した。添加終了後、氷浴中で3時間、更に室温で4時間反応させた後、無水酢酸25.5g(0.25モル)及びピリジン19.8g(0.25モル)を添加し、2時間室温で攪拌した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−1を得た。
(合成例2:PIV−2)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、BAPP16.4g(0.04モル)、ポリシロキサンジアミン(信越シリコーン製、商品名「KF−8010」)(以下「KF−8010」と記す)104.76g(0.06モル)、及びジメチルアセトアミド150gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、4,4’−オキシジフタル酸無水物(以下「ODPA」と記す)35.9g(0.07モル)及びDBTA20g(0.03モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、Nガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−2を得た。
(合成例3:PIV−3)
温度計、攪拌機、塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、商品名「D−400」)(以下「D−400」と記す)14g(0.035モル)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン(信越化学製、商品名「LP−7100」)(以下「LP−7100」と記す)22.6g(0.065モル)、BAPP3.97g(0.02モル)及びジメチルアセトアミド100gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA35.9g(0.07モル)及びDBTA19.9g(0.03モル)を少量ずつ添加した。添加終了後、氷浴中で3時間、更に室温で4時間反応させた後、無水酢酸25.5g(0.25モル)及びピリジン19.8g(0.25モル)を添加し、2時間室温で攪拌した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−3を得た。
(合成例4:PIV−4)
温度計、攪拌機、塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、商品名「D−2000」)(以下「D−2000」と記す)2.0g(0.001モル)、LP−7100を34.4g(0.099モル)及びジメチルアセトアミド100gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、ODPA35.9g(0.07モル)及びDBTA19.9g(0.03モル)を少量ずつ添加した。添加終了後、氷浴中で3時間、更に室温で4時間反応させた後、無水酢酸25.5g(0.25モル)及びピリジン19.8g(0.25モル)を添加し、2時間室温で攪拌した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−4を得た。
(合成例5:PIV−5)
温度計、攪拌機、塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、BAPP20.5g(0.05モル)、B−12を10.2g(0.05モル)及びジメチルアセトアミド150gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、エチレンビストリメリテート二無水物(以下「EBTA」と記す)41g(0.10モル)を少量ずつ添加した。添加終了後、室温で3時間反応させた後、キシレン30gを加え、Nガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水とともにキシレンを協沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−5を得た。
(合成例6:PIV−6)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、LP−7100を10.4g(0.03モル)、1,12−ジアミノドデカン(以下「DDO」と記す)14g(0.07モル)及びジメチルアセトアミド150gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、DBTA13.3g(0.02モル)、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(以下「BPADA」と記す)41.6g(0.08モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、Nガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−6を得た。
(合成例7:PIV−7)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、D−2000を60g(0.03モル)、DDOを14g(0.07モル)及びジメチルアセトアミド150gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、BPADA52g(0.1モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、Nガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−7を得た。
(合成例8:PIV−8)
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、DDOを20g(0.1モル)及びジメチルアセトアミド150gをとり、攪拌した。ジアミンの溶解後、フラスコを氷浴中で冷却しながら、BPADA52g(0.1モル)を少量ずつ添加した。室温で3時間反応させたのち、キシレン30gを加え、Nガスを吹き込みながら150℃で加熱し、水と共にキシレンを共沸除去した。その反応液を水中に注ぎ、沈澱物を濾過により採り、乾燥してポリイミド化合物PIV−8を得た。
表1に、ポリイミド化合物を合成したときの仕込み比(モル比)をまとめて示す。表1中の仕込み比の数値は、テトラカルボン酸二無水物全体及びジアミン全体をそれぞれ基準としたときの数値(モル%)である。なお、表1中の各記号は以下の化合物を示す。
<テトラカルボン酸二無水物>
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸無水物(マナック社製、分子量310.21)
DBTA:デカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成製、分子量522.5)
BPADA:4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(黒金化成製、分子量520.49)
EBTA:エチレンビストリメリテート二無水物(新日本理化製、分子量410)
<ジアミン>
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(黒金化成製、分子量410.51)
B−12:脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、分子量204.31)
KF−8010:ポリシロキサンジアミン(信越シリコーン製、分子量208.41)
DDO:1,12−ジアミノドデカン(東京化成製、分子量200.36)
D−400:脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、分子量約400)
D−2000:脂肪族ポリエーテルジアミン(BASF製、分子量約2000)
LP−7100:1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン(信越化学製、分子量348.4)

<接着剤シートの作製>
(実施例1〜10及び比較例1〜6)
ポリイミド化合物として上記PIV−1〜8を用い、表2〜4に示す組成のワニスをそれぞれ調製した。
支持フィルムであるPETフィルム上に、上記で調製したワニスを30〜50μmの厚さで塗布し、80℃で10分、次いで120℃で10分加熱した。こうして、支持フィルム上に厚さ25μmのフィルム状接着剤が形成された接着剤シートをそれぞれ得た。


表2及び3中の各記号は以下の化合物を示す。
YDCH−702:東都化成社製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂。
BEO−60E:新日本理化学社製商品名、エチレンオキサイド付加体ビスフェノール型エポキシ樹脂。
VH−4170:大日本インキ社製商品名、ビスフェノールAノボラック。
TrisP−PA:本州化学社製商品名、トリスフェノ−ルノボラック、化学名 4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール。
HP−P1:水島合金鉄社製商品名、窒化ホウ素。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン(関東化学社製)。
DMAc:ジメチルホルムアミド(関東化学社製)。
TPPK:Tetraphenylphosphonuim tetraphenyborate(東京化成工業製)
(比較例7)
比較例7として下記のフィルムを用意した。
ユーピレックス S(宇部興産(株)社製、商品名)
<エッチング液への溶解速度及び熱時接着強度の評価>
以下に示す方法により、エッチング液への溶解速度、及び接着剤の熱時接着強度を評価した。評価結果を表4及び5にまとめて示す。
[エッチング液への溶解速度:試験1]
実施例及び比較例の接着剤シートをそれぞれ10mm×20mmサイズにカットした。その後、支持フィルムを除去し、フィルム状接着剤のみを70℃に加温したエッチング液(水酸化カリウム:28.2質量%、モノエタノールアミン:33.7質量%、水:38.1質量%)に10分浸した。エッチングの進行を目視にて観察し、10分以内に膜としての形状を保っていないサンプルを「A」、10分経っても膜としての形状を保っているサンプルを「B」とした。ここで、膜としての形状を保っているとは、10分後、ピンセットでフィルムを持ち上げた際に一枚の膜として引き上げられたものをいう。
[熱時接着強度]
400μm厚の6インチSiウェハに、実施例及び比較例の接着剤シートのフィルム状接着剤をそれぞれラミネートした。その後、ダイサーを用いてSiウェハをフィルム状接着剤とともに、3mm×3mmの正方形に裁断して、接着剤が積層されたSiチップを得た。こうして得られた接着剤付きSiチップを10mm×10mm×0.5mm厚のガラスチップ上に、接着剤がシリコンチップとガラスチップに挟まれる向きで載せ、180℃の熱盤上で500gf、10秒の条件で熱圧着した。その後、180℃のオーブン中で1時間加熱し、接着剤を加熱硬化させた。得られたサンプルについて、Dage社製の接着力試験機「Dage−4000」(商品名)を用いて、260℃の熱盤上に20秒放置後、測定速度:50μm/秒、測定高さ:75μmの条件でシリコンチップ側にせん断方向の外力を加えたときの10サンプルの平均応力を硬化後の接着強度として測定した。硬化後の接着強度が0.5MPa以上のときを「A」、0.5MPa未満の場合を「B」とした。


表に示すように、実施例に係るフィルム状接着はエッチング液への溶解速度及び熱時接着強度のいずれもが優れていた。一方、ポリイミド化合物としてPIV−4〜6を配合した比較例1〜6の接着フィルムでは、熱時の接着強度は優れていたがエッチング液への溶解速度が遅かった。また市販のポリイミドフィルムを用いた比較例7では、エッチング液への溶解速度は速く優れていたが、熱時の接着強度は低かった。
[エッチング液への溶解速度:試験2]
実施例2、比較例1の接着剤シートをそれぞれ10mm×20mmサイズにカットした。その後、支持フィルムを除去し、フィルム状接着剤のみを60℃に加温した表6に示す各種エッチング液に浸した。エッチングの進行を目視にて観察し、膜としての形状を保てなくなった時点の時間を測定した。結果を表7に示す。50分経過しても膜としての形状を保っている場合、>50minと表記した。ここで、膜としての形状を保っているとは、50分後、ピンセットでフィルムを持ち上げた際に一枚の膜として引き上げられたものをいう。

エッチング液B、D、Fについては2液に分離するので、エッチング中スタラーを用いてエッチング液を攪拌し続けた。表6中の各記号は以下の化合物を示す。
KOH:水酸化カリウム
TMAH:水酸化テトラメチルアンモニウム
NHCHCHOH:2アミノエタノール
NMeCHCHOH:N,N−ジメチルエタノールアミン
エクアミド:アミド系溶剤(出光製)

表に示すように、実施例2に係るフィルム状接着剤は比較例1と比較してエッチング速度に優れていることが分かる。
[エッチング液への溶解速度:試験3]
実施例1〜4、6、8〜10、比較例2の接着剤シートをそれぞれ10mm×20mmサイズにカットした。その後、支持フィルムを除去し、フィルム状接着剤のみを70℃に加温したエッチング液(水酸化カリウム:28.2質量%、モノエタノールアミン:33.7質量%、水:38.1質量%)0.6gに浸し、揺動させながらエッチングの進行を目視で観察した。一枚の膜ではなくなった時間を計測した。結果を表8に示す。

実施例2〜4の結果から、ジアミンとしてジシロキサンを使用したポリイミド化合物を配合した方がエッチング速度が上がり、ジシロキサンよりもエーテルを使用したポリイミド化合物を配合した方がエッチング速度が上がる傾向があることが分かる。また実施例6、8〜10の結果から、ポリイミド化合物以外の成分が変化してもエッチング速度に大きな影響がないことが分かる。
[接着剤パターンの断面形状の評価]
実施例1のフィルム状接着剤を基材(Siウェハ)上に貼り付け、水酸化カリウム:28.2質量%、モノエタノールアミン:33.7質量%、水:38.1質量%のエッチング液で70℃の条件でエッチングして得られた接着剤パターンの断面写真を図5に示す。エッチングに要した時間は2.5分であった。接着剤パターンの側面と基材とがなす角度は約85°であった。
比較例1のフィルム状接着剤を基材(Siウェハ)上に貼り付け、水酸化カリウム:28.2質量%、モノエタノールアミン:33.7質量%、水:38.1質量%のエッチング液で80℃の条件でエッチングして得られた接着剤パターンの断面写真を図6に示す。エッチングに要した時間は40分であった。接着剤パターンの側面と基材とがなす角度は約20°であった。
実施例1のフィルム状接着剤は、比較例1のフィルム状接着剤に比べて5倍以上のエッチング速度が得られ、これにより側面が基材に対してより直角に近い形状を有する接着剤パターンを形成することができた。本発明に係る接着剤は優れたエッチング速度によって微細加工性にも優れることが確認された。
1…フィルム状接着剤、1a…接着剤パターン、2…支持フィルム、3…保護フィルム、4…第1の被着体、5…レジスト、6…マスク、10,12…接着剤シート、20…接着剤パターン付被着体、30…接着物。

Claims (16)

  1. 第1の被着体と第2の被着体とが接着剤パターンを介して貼り合わされている接着物の製造方法であって、
    第1の被着体上に、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を設ける工程と、
    前記接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程と、
    前記接着剤パターンに第2の被着体を貼り合わせる工程と、
    を備える、接着物の製造方法。
    [式(I)中、nは2〜20の整数を示す。]
  2. 前記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを含む、請求項1に記載の接着物の製造方法。
  3. 前記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含む、請求項1又は2に記載の接着物の製造方法。
  4. 前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着物の製造方法。
    [式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
  5. 前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着物の製造方法。
    [式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
  6. 前記接着剤が熱硬化成分を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着物の製造方法。
  7. 基材上に、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有する接着剤からなる接着剤層を設ける工程と、
    前記接着剤層の所定部分を、水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液でエッチングすることにより接着剤パターンを形成する工程と、
    を備える、接着剤パターンの形成方法。
    [式(I)中、nは2〜20の整数を示す。]
  8. 前記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有する第1のジアミンを含む、請求項7に記載の接着剤パターンの形成方法。
  9. 前記ジアミンが、エーテル結合、エステル結合及びシロキサン結合からなる群より選択される1種以上の結合を有するジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含む、請求項7又は8に記載の接着剤パターンの形成方法。
  10. 前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の接着剤パターンの形成方法。
    [式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
  11. 前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の接着剤パターンの形成方法。
    [式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
  12. 前記接着剤が熱硬化成分を更に含有する、請求項7〜11のいずれか一項に記載の接着剤パターンの形成方法。
  13. 水、アルカリ性化合物及び求核剤を含有するエッチング液、又はヒドラジン系エッチング液によってパターニングされた接着剤パターンを形成するための接着剤であって、
    下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物が全酸無水物に対し30モル%以上含まれる酸無水物と、ジアミンと、を反応させて得られるポリイミド化合物を含有し、
    前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上のジアミンを含む、接着剤。
    [式(I)中、nは2〜20の整数を示す。]
    [式(II)中、Q 、Q 及びQ は各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、n は1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R 及びR は各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R 、R 、R 及びR は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、n は1〜5の整数を示す。]
  14. 前記ジアミンが、下記一般式(II)で表される脂肪族エーテルジアミン及び下記一般式(III)で表されるシロキサンジアミンからなる群より選択される1種以上の前記ジアミンを合計で全ジアミンに対し40モル%以上含む、請求項13に記載の接着剤。
    [式(II)中、Q、Q及びQは各々独立に炭素数1〜10のアルキレン基を示し、nは1〜80の整数を示す。]
    [式(III)中、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、R、R、R及びRは各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
  15. 前記接着剤が熱硬化成分を更に含有する、請求項13又は14に記載の接着剤。
  16. フィルム状に形成されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の接着剤。
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