JP4424203B2 - 糖尿病予防・治療剤 - Google Patents
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Description
本発明は新規糖尿病予防・治療剤、詳しくは腎糖再吸収阻害剤および血糖降下剤を組み合わせた糖尿病の予防または治療剤、および腎糖再吸収阻害剤および血糖降下剤を組み合わせた糖尿病の予防または治療法に関する。
背景技術
糖尿病はインスリンの体内での量的不足あるいは作用不足に起因して、血糖が健常人に比べ上昇し、その結果として腎臓、網膜、神経などにおける細小血管障害や、動脈硬化などの大血管障害により著しく健康な生活が損なわれる代謝性疾患である。これまでインスリン、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤などの血糖降下剤が臨床治療法として広く適用されている。しかしこれらの血糖降下剤は有用性が認められているものの、それぞれが多くの問題点を抱えている。例えば、膵臓のインスリン分泌能が著しく低下した糖尿病患者ではインスリン分泌促進剤やインスリン抵抗性改善剤の有効性は減少する。また、インスリン抵抗性が著しい糖尿病患者ではインスリンやインスリン分泌促進剤の有効性は減少する。糖尿病患者では食後・食間・空腹時、すなわち一日を通して健常人に比べ高血糖状態が存在するが、この一日を通しての高血糖状態は全体として、できるだけ是正されるべきである。
しかし、既存の血糖降下剤はそれぞれの血糖降下作用に特徴的なパターンがあり、一日を通じて異常な血糖上昇を抑制することはできない。たとえば、インスリンあるいはインスリン分泌促進剤は、糖尿病患者のライフサイクルに伴う一日を通じての血糖変動パターンを完全に正常化することができず、結果として糖尿病性合併症の発症を完全には予防できないことが大規模トライアルで報告されている。
α−グルコシダーゼ阻害剤やナテグリニド、レパグリニドは食後高血糖改善剤として使用されているが、血糖降下作用は食後数時間たつと持続しにくい。その他の血糖降下剤は食事による血糖上昇を速やかに低下させる作用は期待できない。このように既存の血糖降下剤では糖尿病患者のライフサイクルに伴う一日の血糖変動パターンを完全に正常化することができない。従ってこれらの問題点、特に一日を通じての血糖変動パターンを正常化する予防・治療剤や、既存糖尿病薬の有効性が低い患者に適用可能な予防・治療剤の開発が望まれているのが現状である。
発明の開示
本発明の目的は、優れた糖尿病の予防・治療剤の開発、詳細には従来の血糖降下剤の使用では得られない糖尿病治療効果を奏する、特に一日を通じての血糖変動パターンを正常化することのできる、糖尿病の予防・治療剤を提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、血糖降下剤と腎糖再吸収阻害剤とを組み合わせて使用することにより、組み合わせて使用しない場合に比べて抗糖尿病作用、特に血糖降下作用において著明な治療的効果が示され、上記課題の要求を満たすことを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
血糖降下剤は食後の高血糖を抑制する薬剤とそうでない薬剤に分けられる。空腹時血糖だけでなく、食後の高血糖を抑制することが糖尿病治療に重要であることが明らかとなっているが、本発明者らは既存血糖降下剤のうち食後高血糖抑制作用の強い薬剤と、そうでない薬剤をそれぞれ腎糖再吸収阻害剤と組み合わせることによって、モデル動物の血糖をより厳格にコントロールできるか否かについて調べた。その結果、いずれの血糖降下剤においても腎糖再吸収阻害剤との併用によって、単剤での投与量を増加させることでは得られない治療効果、即ち一日を通じての血糖変動パターンを正常化することができることを見出した。
すなわち、上記の併用によって、食後高血糖のモデルである糖負荷直後の高血糖と、糖負荷後時間が経過してからの血糖が共に低下し、その際、腎糖再吸収阻害剤との併用が著明に有効であった薬剤は一つのカテゴリーに限られるものではなかった。さらに本発明者らの予防・治療剤が糖尿病治療における本質的なものであることを調べる目的で、2型糖尿病モデル動物に該併用剤を長期間施行したところ、糖尿病モデル動物の病態は、腎糖再吸収阻害剤と既存の血糖降下剤とを組み合わせた治療法によって、組み合わせない治療法に比べて著明に改善した。 以上の結果より、本発明が既存の血糖降下剤単独の治療よりもきわめて有効性が高いことが明らかにされ、本発明は完成するに至ったものである。
本発明は、下記の通りの発明である。
[1]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなることを特徴とする糖尿病予防・治療剤。
[2]血糖降下剤が、インスリン製剤、インスリン誘導体、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、インスリン様作動薬、α−グルコシダーゼ阻害剤および糖新生阻害剤から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[3]血糖降下剤が、スルホニルウレア剤、メグリチニド類およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[4]血糖降下剤が、スルホニルウレア剤およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[5]スルホニルウレア剤が、トルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリピザイド、グリメピリドおよびグリクラジドから選ばれる少なくとも一種であり、ビグアナイド剤が、メトホルミン、フェンホルミンおよびブホルミンから選ばれる少なくとも一種である、上記[4]の糖尿病予防・治療剤。
[6]血糖降下剤がメグリチニド類である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[7]メグリチニド類が、レパグリニド、ナテグリニド、メグリチニドおよびミチクリニドから選ばれる少なくとも一種である、上記[6]の糖尿病予防・治療剤。
[8]血糖降下剤がグリベンクラミドである、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[9]血糖降下剤がメトホルミンである、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[10]血糖降下剤がレパグリニドである、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[11]血糖降下剤がナテグリニドである、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[12]血糖降下剤がミチクリニドである、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[13]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(1)および(2)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
〔式中、Xはβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)を表し、
Yは低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Zは置換されていてもよい環状アルキル基、置換されていてもよい環状不飽和アルキル基、不飽和結合を有する低級アルキル基、置換されていてもよい環状アルキル基を有する低級アルキル基または置換されていてもよい環状不飽和アルキル基を有する低級アルキル基を表し、
R1〜R5は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、フルオロ低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、フルオロ低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、アルケニル基、環状アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいフェニル基または低級アルコキシカルボニル基を表し、
nは0から3の整数を表す]。
[14]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Zが置換されていてもよい環状アルキル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[13]の糖尿病予防・治療剤。
[15]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[13]の糖尿病予防・治療剤。
[16]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[13]の糖尿病予防・治療剤。
[17]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[13]の糖尿病予防・治療剤。
[18]腎糖再吸収阻害剤が、下式(3)、(3a)、(4)および(4a)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[13]の糖尿病予防・治療剤。
[19]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(1A)および(2A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
[式中、X1はβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)またはβ−D−グルクロニル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、カルボキシル基がエステル化されていてもよい)を表し、
Y1は低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Z1は水素原子、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
R11〜R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基を表し、
n1は0から3の整数を表す]。
[20]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、R11〜R15の少なくとも一つが低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[21]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、R11、R12、R14およびR15の少なくとも一つがハロゲノ基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[22]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[23]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[24]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[25]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルクロニル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、また、カルボキシル基が低級アルキル基でエステル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[26]腎糖再吸収阻害剤が、下式(3A)、(4A)、(10−A)、(12−A)、(14−A)および(16−A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[19]の糖尿病予防・治療剤。
[27]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(5)で表されるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
〔式中、X2はβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)を表し、
Y2は水素、低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Z2はハロ低級アルキル基を表し、
R21〜R25は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲノ基、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基または置換されていてもよいアラルキル基を表す〕。
[28]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(5)において、Z2がハロ低級アルキル基であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[27]の糖尿病予防・治療剤。
[29]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(5)において、Z2がフルオロ低級アルキル基であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[27]の糖尿病予防・治療剤。
[30]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(5)において、Z2がハロ低級アルキル基であり、Y2がメチル基であり、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[27]の糖尿病予防・治療剤。
[31]腎糖再吸収阻害剤が、一般式(5)において、Z2がフルオロ低級アルキル基であり、Y2がメチル基であり、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[27]の糖尿病予防・治療剤。
[32]腎糖再吸収阻害剤が、下式(6)および(7)で表される化合物ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[27]の糖尿病予防・治療剤。
[33]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(8)で表されるグルコピラノシルオキシピラゾール誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
〔式中のR31は水素原子または低級アルキル基であり、
Q1およびT1はどちらか一方が式(9)
(ここで、Pは水素原子、低級アシル基、低級アルコキシ低級アシル基、低級アルコキシカルボニル低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基または低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基である)で表される基であり、他方が低級アルキル基またはハロ低級アルキル基であり、
R32は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロ低級アルキル基またはハロゲン原子である〕。
[34]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(10)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
〔式中のR41は水素原子またはヒドロキシ低級アルキル基であり、
R42は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基である〕。
[35]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(11)で表される化合物およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
〔式中のR51は水素、ヒドロキシ基、低級アルキル、低級アルコキシ、または
を表し、
R52は水素、−COO−低級アルキル、
を表し、
R55はヒドロキシメチル、−CH2OCOO−低級アルキル、
−CH2OSO3H、−COOH、−COONaを表し、
mは0または1を表し、
n2は0、1、2または3を表し、
A1は以下の式の環構造
(ここで、X3は酸素、窒素またはイオウを表し、mが0の時、R53は低級アルキルであり、mが1の時、R53は低級アルキル、水酸基または低級アルコキシ基である)を表し、
は単結合または二重結合を表す〕。
[36]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(22)で表されるプロピオフェノン誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]〜[12]のいずれかの糖尿病予防・治療剤。
[式中、OX4は保護されていてもよい水酸基を表し、
Y4は低級アルキル基を表し、
Z4は1もしくは複数の水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す]。
[37]腎糖再吸収阻害剤が、
(i)下記一般式(1)および(2)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
〔式中、各記号は上記[13]の通りである〕
(ii)下記一般式(1A)および(2A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
〔式中、各記号は上記[19]の通りである〕
(iii)下記一般式(5)で表されるピラゾール−O−グリコシド誘導体およびその医薬的に許容しうる塩、ならびに、
〔式中、各記号は上記[27]の通りである〕
(iv)下記一般式(8)で表されるグルコピラノシルオキシピラゾール誘導体およびその医薬的に許容しうる塩
〔式中、各記号は上記[33]の通りである〕
から選ばれる少なくとも一種であり、
血糖降下剤が、スルホニルウレア剤およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
[38]腎糖再吸収阻害剤が、下記式(3)、(3a)、(4a)、(7)、(10−A)、(12−A)、(14−A)および(16−A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[37]の糖尿病予防・治療剤。
[39]スルホニルウレア剤が、トルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリピザイド、グリメピリドおよびグリクラジドから選ばれる少なくとも一種であり、ビグアナイド剤が、メトホルミン、フェンホルミンおよびブホルミンから選ばれる少なくとも一種である、上記[37]または[38]の糖尿病予防・治療剤。
[40]腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(22)で表されるプロピオフェノン誘導体およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がメグリチニド類である、上記[1]の糖尿病予防・治療剤。
〔式中、各記号は上記[36]の通りである〕
[41]腎糖再吸収阻害剤が、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノンおよびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、上記[40]の糖尿病予防・治療剤。
[42]メグリチニド類が、レパグリニド、ナテグリニド、メグリチニドおよびミチクリニドから選ばれる少なくとも一種である、上記[40]または[41]の糖尿病予防・治療剤。
[43]哺乳動物に対して、腎糖再吸収阻害剤の有効量と血糖降下剤の有効量とを組み合わせて投与することを特徴とする糖尿病の予防・治療方法。
[44]糖尿病予防・治療剤を製造するための、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤の使用。
[45]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなる併用剤と、該併用剤が糖尿病の予防・治療に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージ。
発明の詳細な説明
本発明の糖尿病予防・治療剤は、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなるもの(即ち、併用剤)であり、投与時に腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わすことができるものであればよい。従って、本発明の糖尿病予防・治療剤は、投与時に腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わすことができるものであれば、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤であっても、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを別々に製剤化して得られる少なくとも二種の製剤を組み合わせたものであってもよい。また、本発明の糖尿病予防・治療剤においては、少なくとも一種の腎糖再吸収阻害剤と少なくとも一種の血糖降下剤を併用すればよく、使用する腎糖再吸収阻害剤を二種以上としても、使用する血糖降下剤を二種以上としてもよい。
本発明における血糖降下剤とは、標的組織細胞への取り込み促進、または腸管からの吸収抑制、あるいは組織における合成の抑制を主たる生理作用として、血液中のグルコース濃度を低下させ高血糖を是正することにより、高血糖が原因となる諸病態を予防・治療するために用いられる薬剤をいい、例えばインスリン製剤、インスリン誘導体、インスリン様作動薬、インスリン分泌促進剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、糖新生阻害剤などが挙げられる。
詳しくは、インスリン製剤としては、NPH、レンテ、ウルトラレンテ、経肺吸収可能なインスリンなどが挙げられる。
インスリン誘導体とはインスリンから誘導されるタンパクもしくはペプチドでインスリン作用を保持しているものをいい、例えばリスプロ、B10Asp、HOE−901などが挙げられる。
インスリン分泌促進剤とは、その血糖降下作用を、主に膵臓のβ細胞に影響を及ぼして、血液中へのインスリン分泌を促進させることにより発揮するものをいい、例えばスルホニルウレア剤(例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド(グリブライド)、グリピザイド、グリメピリド、グリクラジドなど、好ましくはグリベンクラミド)、メグリチニド類(例えば、レパグリニド、ナテグリニド、メグリチニド、ミチクリニド(KAD−1229)など、好ましくはナテグリニド)、スルホニルウレア剤およびメグリチニド類以外のK+−ATPチャネル阻害剤(例えば、BTS−67−582など)、Glucagon−like peptide−1受容体アゴニスト(例えば、Glucagon−like peptide−1、Exendin−4、NN−2211など)、Glucagon−like peptide−1作用増強効果を持つDipeptidyl peptidase−IV阻害剤などが挙げられる。本発明においてはスルホニルウレア剤およびメグリチニド類が好ましい。
インスリン抵抗性改善剤とは、その血糖降下作用を、標的組織におけるインスリンの作用を増強することにより発揮するものをいい、例えばPeroxisome proliferator activator receptor(PPAR)−γアゴニスト(例えば、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、シグリタゾン、トログリタゾンなどのようなチアゾリジン系化合物、あるいはGI−262570、JTT−501、YM−440、NN−622、KRP−297などのような非チアゾリジン系化合物など)、PPAR−γアンタゴニスト、Protein tyrosine phosphatase阻害剤などが挙げられ、広くはインスリン抵抗性改善作用を有する薬剤、例えばビグアナイド剤(例えば、メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミンなど、好ましくはメトホルミン)、PPAR−αアゴニスト(シンフィブラート、クロフィブラート、ベザフィブラート、クリノフィブラートなどのようなフィブラート系あるいは非フィブラート系化合物など)、抗肥満薬(例えばシブトラミンなどのような5−hydroxytryptamine reuptake阻害剤、オルリスタットなどのようなリパーゼ阻害剤、AJ−9677などのようなアドレナリンβ受容体アゴニストなど)なども含まれる。本発明においてはビグアナイド剤が好ましい。
インスリン様作動薬とは、その血糖降下作用を、インスリンの生理作用である、細胞への糖取り込み促進作用をある程度インスリンに依存せずに発揮する、インスリン誘導体以外のものをいい、例えばインスリン受容体活性化剤(例えばCLX−O901、L−783281など)、バナジウムなどが挙げられる。
α−グルコシダーゼ阻害剤とは、その血糖降下作用を、主に腸管内のα−グルコシダーゼを阻害することにより糖の体内への吸収を抑制することにより発揮するものをいい、例えばアカルボース、ボグリボース、ミグリトールなどが挙げられる。
糖新生阻害剤とは、その血糖降下作用を、主に糖新生を阻害することによって発揮するものをいい、グルカゴン分泌抑制剤(例えばM&B−39890A、オクテオタイドなど)、脂肪酸分解阻害剤(例えばニコチン酸誘導体、Carnitine palmitoyltransferase−1阻害剤など)、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤などが挙げられる。
さらに例示した以外の血糖降下剤や抗高脂血症薬(例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、LDLレセプター誘導剤など)、降圧剤(例えばアンジオテンシン転換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、β受容体拮抗剤、α1拮抗剤、カルシウム拮抗剤など)なども腎糖再吸収阻害剤と併用して血糖低下を指標とした糖尿病予防・治療剤として用いられる限りは本発明に含まれる。
本発明における血糖降下剤は、スルホニルウレア剤、メグリチニド類およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
また、本発明の一つの態様においては、スルホニルウレア剤およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
さらに、本発明の別の態様においては、メグリチニド類であることが好ましい。
本発明における腎糖再吸収阻害剤とは、腎尿細管中のグルコースの再吸収を阻害する作用を有するものである。したがって、腎糖再吸収阻害剤の主作用は標的組織細胞への取り込み促進、腸管からの吸収抑制、組織による合成の抑制による血糖降下作用に関係せず、この点において上記血糖降下剤とは異なるものである。
腎糖再吸収阻害剤としては、上記作用を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは
(i)上記一般式(1)および(2)で表されるピラゾール誘導体(以下、化合物(1)および(2)とも称する)ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
(ii)上記一般式(1A)および(2A)で表されるピラゾール誘導体(以下、化合物(1A)および(2A)とも称する)ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
(iii)上記一般式(5)で表されるピラゾール−O−グリコシド誘導体(以下、化合物(5)とも称する)およびその医薬的に許容しうる塩、
(iv)上記一般式(8)で表されるグルコピラノシルオキシピラゾール誘導体(以下、化合物(8)とも称する)およびその医薬的に許容しうる塩、
(v)上記一般式(10)で表されるグルコピラノシルオキシベンジルベンゼン誘導体(以下、化合物(10)とも称する)およびその医薬的に許容しうる塩、
(vi)上記一般式(11)で表される化合物(以下、化合物(11)とも称する)およびその医薬的に許容しうる塩、ならびに
(vii)上記一般式(22)で表されるプロピオフェノン誘導体(以下、化合物(22)とも称する)およびその医薬的に許容しうる塩などが挙げられる。
より好ましくは、血糖降下剤との併用によって、腎糖再吸収阻害剤あるいは血糖降下剤それぞれの単独使用に比べて、血糖コントロールに非常に有用であることから、上記化合物(1)および(2)、化合物(1A)および(2A)、化合物(5)、化合物(8)および化合物(22)ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
以下、上記好ましい腎糖再吸収阻害剤についてそれぞれ説明する。
(i)化合物(1)および(2)ならびにその医薬的に許容される塩
〔式中、Xはβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)を表し、
Yは低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Zは置換されていてもよい環状アルキル基、置換されていてもよい環状不飽和アルキル基、不飽和結合を有する低級アルキル基、置換されていてもよい環状アルキル基を有する低級アルキル基または置換されていてもよい環状不飽和アルキル基を有する低級アルキル基を表し、
R1〜R5は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、フルオロ低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、フルオロ低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、アルケニル基、環状アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいフェニル基または低級アルコキシカルボニル基を表し、
nは0から3の整数を表す〕。
化合物(1)および(2)における「低級アルキル」とは、炭素数1から6のアルキル基を表す。
「低級アルコキシ」とは、炭素数1から6のアルコキシ基を表す。
「低級アルカノイル」とは、炭素数2から6のアルカノイル基を表す。
また、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、アルケニル基、アルキニル基、低級アルコキシカルボニル基における「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」は、直鎖でも分岐してもよい。
化合物(1)および(2)における低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるフルオロ低級アルキル基とは、1もしくは複数の水素原子(ただし、全水素原子ではない)がフッ素原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基(例えば2,2,2−トリフルオロエチル基など)、トリフルオロプロピル基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基など)、1,3−ジフルオロイソプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロエチル基(例えば2,2,2−トリフルオロエチル基など)、トリフルオロプロピル基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基など)が挙げられる。また、置換するフッ素原子の数は、好ましくは1〜6個である。
化合物(1)および(2)におけるパーフルオロ低級アルキル基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるフルオロ低級アルコキシ基とは、1もしくは複数の水素原子(ただし、全水素原子ではない)がフッ素原子で置換された低級アルコキシ基を意味し、例えば、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、トリフルオロエトキシ基(例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ基など)、トリフルオロプロピルオキシ基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピルオキシ基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルオキシ基など)、1,3−ジフルオロイソプロピルオキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルオキシ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロエトキシ基(例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ基など)が挙げられる。また、置換するフッ素原子の数は、好ましくは1〜6個である。
化合物(1)および(2)におけるパーフルオロ低級アルコキシ基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルコキシ基を意味し、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロピルオキシ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメトキシ基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における低級アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるフルオロ低級アルキルチオ基とは、1もしくは複数の水素原子(ただし、全水素原子ではない)がフッ素原子で置換された低級アルキルチオ基を意味し、例えば、モノフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、2−フルオロエチルチオ基、2,2−ジフルオロエチルチオ基、トリフルオロエチルチオ基(例えば2,2,2−トリフルオロエチルチオ基など)、トリフルオロプロピルチオ基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピルチオ基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルチオ基など)、1,3−ジフルオロイソプロピルチオ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルチオ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロエチルチオ基(例えば2,2,2−トリフルオロエチルチオ基など)が挙げられる。また、置換するフッ素原子の数は、好ましくは1〜6個である。
化合物(1)および(2)におけるパーフルオロ低級アルキルチオ基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルキルチオ基を意味し、例えば、トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロプロピルチオ基等が挙げられ、好ましくはトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における低級アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるハロゲノ基としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
化合物(1)および(2)における低級アルカノイル基としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等の炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における環状アルケニル基としては、炭素数5〜10の環状アルケニル基が挙げられ、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるアルキニル基としては、エチニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における置換されていてもよいアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、ベンゼン環が1または2以上の置換基により置換されていてもよいベンジル基、フェネチル基、ベンゼン環が1または2以上の置換基により置換されていてもよいフェネチル基等の置換されていてもよい炭素数7〜10のアラルキル基が挙げられる。ここで、ベンジル基およびフェネチル基の置換基としては、低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲノ基、ハロゲノ低級アルキル基等が挙げられ、また、その数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における置換されていてもよいフェニル基の置換基としては、低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲノ基、ハロゲノ低級アルキル基等が挙げられ、また、その数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における低級アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル等が挙げられる。
化合物(1)および(2)における「不飽和結合を有する低級アルキル基」としては、不飽和結合を有する炭素数2〜6のアルキル基が挙げられ、例えば、アリル基、ビニル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)における「置換されていてもよい環状アルキル基」としては、置換されていてもよい炭素数3〜7の環状アルキル基が挙げられ、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ、これらの環には、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が置換されていてもよい。また、該環を置換する置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における「置換されていてもよい環状不飽和アルキル基」としては、置換されていてもよい炭素数5〜10の環状不飽和アルキル基が挙げられ、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が挙げられ、これらの環には、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が置換されていてもよい。また、該環を置換する置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における「置換されていてもよい環状アルキル基を有する低級アルキル基」としては例えば、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等が挙げられ、これらの環には、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が置換されていてもよい。また、該環を置換する置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における「置換されていてもよい環状不飽和アルキル基を有する低級アルキル基」としてはシクロペンテニルメチル基、シクロヘキセニルメチル基が挙げられ、これらの環には、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が置換されていてもよい。また、該環を置換する置換基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)における水酸基をアシル化するための基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等が挙げられ、カーバメート基としては、炭酸メチル基、炭酸エチル基、炭酸プロピル基、炭酸イソプロピル基、炭酸フェニル基等が挙げられる。
化合物(1)および(2)におけるXで表される基としてのβ−D−グルコピラノシル基は、その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、特に、この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、例えば、6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基が挙げられる。また、アシル化される水酸基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1)および(2)におけるXで表される基としては、特に、β−D−グルコピラノシル基、6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。さらには、β−D−グルコピラノシル基が好ましい。
化合物(1)および(2)におけるYで表される基としては、炭素数1から6のパーフルオロ低級アルキル基が好ましく、特に、トリフルオロメチル基が好ましい。
また、化合物(1)および(2)におけるYで表される基としては、炭素数1から6の低級アルキル基も好ましく、特に、メチル基が好ましい。
化合物(1)および(2)におけるZで表される基としては、置換されていてもよい環状アルキル基が好ましく、炭素数3〜7の環状アルキル基がさらに好ましく、特にシクロブチル基、シクロペンチル基が好ましい。
また、Zで表される基としては、不飽和結合を有する低級アルキル基も好ましく、不飽和結合を有する炭素数2〜6のアルキル基がさらに好ましく、特にアリル基、ビニル基が好ましい。
さらに、Zで表される基としては、置換されていてもよい環状不飽和アルキル基も好ましく、炭素数4〜7の環状不飽和アルキル基がさらに好ましく、特にシクロペンテニル基、シクロヘキセニル基が好ましい。
化合物(1)および(2)におけるR1〜R5で表される基としては、炭素数1から6の低級アルキル基、炭素数1から6の低級アルキルチオ基が好ましく、特に、メチル基、エチル基、メチルチオ基、エチルチオ基が好ましい。
化合物(1)および(2)におけるnとしては、1の整数が特に好ましい。
化合物(1)および(2)において、Zが置換されていてもよい環状アルキル基であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xが6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xが6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1)および(2)としては、好ましくは以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロヘキシル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−(3−シクロペンテン−1−イル)−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロヘキシル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロヘキシル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−(3−シクロペンテン−1−イル)−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド
1’−シクロヘキシル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド。
上記のうち、特に好ましくは、以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
化合物(1)および(2)の製造方法の例として、例えば、Xがβ−D−グルコピラノシル基である場合、次に示す方法を用いることにより製造することができる。
化合物(1)に含まれる化合物(a8)は、例えば、1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(a1)の水酸基をtert−ブチルジメチルシリルクロライドで保護して(a2)とし、光延法によってシクロブチルアルコールとピラゾール上の窒素を反応させて(a3)とすることができる。次いで、(a3)のTBS基を希塩酸で脱保護して(a4)としたのちに、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド(a5)と炭酸カリウム存在下、クロロホルム−水中で一晩反応させて、クロマトグラフィーなどを用いて精製し、テトラ−O−アセチル中間体(a6)を得、次いで水酸化ナトリウム水溶液で脱保護することにより(a7)を得ることができる。得られた(a7)の1級水酸基にクロロ炭酸メチルを反応させることにより(a8)を得ることができる。
上記の方法により製造した化合物(1)および(2)は、常法の単離精製手段、例えば溶媒による抽出、クロマトグラフィー、結晶化によって反応混合物から容易に分離し、かつ精製することができる。
また、化合物(1)および(2)における水酸基は、生体内で水酸基に交換される適当な置換基により置換されていてもよい。例えば、水酸基の置換基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては例えば、炭素数2から20のアルカノイル基、ベンゾイル基が挙げられ、カーバメート基としては例えば、低級アルコキシカルボニル基が挙げられる。
化合物(1)および(2)が塩の形態を成し得る場合、その塩は医薬的に許容しうるものであればよく、例えば、式中に酸性基が存在する場合の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げることができる。式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、シュウ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、グルタミン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げることができる。塩を形成する方法としては、化合物(1)および(2)と必要な酸または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形より陽イオン交換または陰イオン交換を行うことによっても得られる。
化合物(1)および(2)にはその溶媒和物、例えば水和物、アルコール付加物等も含まれる。
(ii)化合物(1A)および(2A)ならびにその医薬的に許容される塩
[式中、X1はβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)またはβ−D−グルクロニル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、カルボキシル基がエステル化されていてもよい)を表し、
Y1は低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Z1は水素原子、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
R11〜R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基を表し、
n1は0から3の整数を表す]。
化合物(1A)および(2A)における「低級」とは、炭素数1から6、好ましくは炭素数1〜4を意味する。アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基における「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」は、直鎖でも分岐してもよい。
化合物(1A)および(2A)において、「アラルキル基」のアルキル部分は低級アルキル基である。「アラルキル基」のアリール部分は、炭素原子で構成される炭素数5〜12の単環または2環よりなる芳香族置換基である。
化合物(1A)および(2A)における低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)におけるパーフルオロ低級アルキル基としては、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における置換されていてもよいアラルキル基としては、ベンジル基、ベンゼン環が1または2以上の置換基により置換されていてもよいベンジル基、フェネチル基、ベンゼン環が1または2以上の置換基により置換されていてもよいフェネチル基等の置換されていてもよい炭素数7〜10のアラルキル基が挙げられる。ここで、ベンジル基およびフェネチル基の置換基としては、低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲノ基、ハロゲノ低級アルキル基等が挙げられ、また、その数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1A)および(2A)における置換されていてもよいフェニル基の置換基としては、低級アルコキシ基、低級アルキル基、ハロゲノ基、ハロゲノ低級アルキル基等が挙げられ、また、その数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1A)および(2A)における低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)におけるパーフルオロ低級アルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における低級アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)におけるパーフルオロ低級アルキルチオ基としては、トリフルオロメチルチオ基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における低級アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)におけるハロゲノ基としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における低級アルカノイル基としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における低級アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における低級アルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)における水酸基をアシル化するための基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等が挙げられ、カーバメート基としては、炭酸メチル基、炭酸エチル基、炭酸プロピル基、炭酸イソプロピル基、炭酸フェニル基等が挙げられ、カルボキシル基をエステル化するための基としては、低級アルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)におけるX1で表される基としてのβ−D−グルコピラノシル基は、その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、特に、この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、例えば、6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシル基が挙げられる。また、アシル化される水酸基の数は、好ましくは1〜3個である。
また、化合物(1A)および(2A)におけるX1で表される基としてのβ−D−グルクロニル基は、その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、カルボキシル基がエステル化されていてもよく、特に、この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、また、カルボン酸が低級アルキル基でエステル化されていてもよく、例えば、6−O−メチル−β−D−グルクロニル基が挙げられる。また、アシル化される水酸基の数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(1A)および(2A)におけるX1で表される基としては、特に、β−D−グルコピラノシル基、6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシル基、β−D−グルクロニル基、6−O−メチル−β−D−グルクロニル基であるのが好ましい。さらには、β−D−グルコピラノシル基、β−D−グルクロニル基が好ましい。特に、Xで表される基が、炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されているβ−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。炭素数2〜6のアルカノイル基または低級アルコキシカルボニル基でアシル化されているのがより好ましい。なかでも、1つの水酸基がアシル化されているのが好ましい。とりわけ、6位の炭素原子に連結している水酸基がアシル化されているのが好ましい。具体的には、Xで表される基が、6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル基および6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
化合物(1A)および(2A)におけるY1で表される基としては、炭素数1〜3の低級アルキル基または炭素数1から6のパーフルオロ低級アルキル基が好ましい。特に、メチル基およびトリフルオロメチル基が好ましい。
化合物(1A)および(2A)におけるZ1で表される基としては、水素原子、炭素数1から6の低級アルキル基が好ましい。水素原子、炭素数1〜3の低級アルキル基、無置換であるかまたはアリール部分がその4位において置換されているアラルキル基および無置換のフェニル基もまた好ましい。さらに特に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、無置換であるかまたはアリール部分がその4位において置換されているベンジル基および無置換のフェニル基が好ましい。とりわけ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
化合物(1A)および(2A)におけるR11〜R15で表される基としては、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基および低級アルキニル基が好ましく、炭素数1から6の低級アルキル基、炭素数1から6の低級アルキルチオ基、ハロゲノ基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基および低級アルキニル基がより好ましい。特に、メチル基、エチル基、メチルチオ基、エチルチオ基、フッ素原子、メトキシ基、ビニル基、プロペニル基、エチニル基、プロピニル基が好ましい。さらにR11〜R15で表される基のうちの少なくとも一つが上記の好ましい基のいずれかであるのが好ましく、特に、R11〜R15で表される基のうちの一つまたは二つが上記の好ましい基のいずれかであり、残りの基が水素原子であるのが好ましい。この場合、少なくともR13が上記の好ましい基のいずれかであるのがより好ましい。R11〜R15のうちの二つが上記の好ましい基のいずれかである場合、それらの基は互いに同一でも異なっていても良いが、異なっているのが好ましい。なかでも、R13が低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基または低級アルキニル基であるとき、R14またはR15がフッ素原子であるのが好ましい。R11、R12、R14およびR15の少なくとも一つがハロゲノ基であるであるのが好ましく、特にR11、R12、R14およびR15のいずれか一つがハロゲノ基であるかまたはR11、R12、R14およびR15が全て水素原子であり、R13が低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基または低級アルキニル基であるのが好ましい。R11、R12、R14およびR15のいずれか一つがフッ素原子であり、R13がメチル基、エチル基、メトキシ基、ビニル基またはエチニル基であるのもまた好ましい。
化合物(1A)および(2A)におけるn1としては、1の整数が特に好ましい。
化合物(1A)および(2A)において、R11〜R15の少なくとも一つが低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、ハロゲノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基または低級アルキニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、R11、R12、R14およびR15の少なくとも一つがハロゲノ基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルクロニル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、また、カルボニル基が低級アルキル基でエステル化されていてもよい)であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、Xが6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xが6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、Xがβ−D−グルクロニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、Xが6−メチル−β−D−グルクロニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、X1が、β−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されている)であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、X1が、β−D−グルコピラノシル基(この基は低級アルコキシカルボニル基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されている)であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1が炭素数1〜3の低級アルキル基または炭素数1〜6のパーフルオロ低級アルキルであり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1が水素原子、炭素数1〜3の低級アルキル基、無置換であるかまたはアリール部分がその4位において置換されているアラルキル基または無置換のフェニル基であり、R11、R12、R14およびR15のいずれか一つがハロゲノ基であるかまたはR11、R12、R14およびR15が全て水素原子であり、R13が低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、低級アルケニル基または低級アルキニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R13が低級アルキル基であり、R14またはR15がフッ素原子であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R13が低級アルコキシ基であり、R14またはR15がフッ素原子であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R13が低級アルキニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R13が低級アルキニル基であり、R14またはR15がフッ素原子であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R3が低級アルケニル基であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1がイソプロピル基であり、R13が低級アルケニル基であり、R14またはR15がフッ素原子であるのが好ましい。
また、化合物(1A)および(2A)において、Y1がメチル基あるいはトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Z1が水素原子、イソプロピル基、アラルキル基またはフェニル基であり、R11、R12、R14、R15のいずれか一つがフッ素原子であり、R13がメチル基、エチル基、メトキシ基、ビニル基またはエチニル基であるのが好ましい。
特に、化合物(1A)および(2A)としては、好ましくは以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−プロピルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−イソプロピルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−メチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−プロピルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−イソプロピルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−ビニルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチニルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−メチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−プロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−イソプロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−メチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−エチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−プロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−イソプロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−メチルチオフェニル)メチル)−5’−トリフルオロメチル−3’−O−(6−O−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル)−1H−ピラゾール;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−5’−(トリフルオロメチル)−3’−O−(6−O−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル)−1H−ピラゾール;
4’−((4’−メチルチオフェニル)メチル)−5’−トリフルオロメチル−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル−β−D−グルコピラノシル)−1H−ピラゾール;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−5’−(トリフルオロメチル)−3’−O−((2,3,4,6−O−テトラアセチル−β−D−グルコピラノシル)−1H−ピラゾール;
4−[(4−トリフルオロメトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4’−トリフルオロメトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4’−トリフルオロメトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((2−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((2−フルオロ−4−エチルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((3−フルオロ−4−エチルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4−エチニルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((2−フルオロ−4−エチニルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((3−フルオロ−4−エチニルフェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((3−フルオロ−4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4’−((2−フルオロ−4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((2−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((2−フルオロ−4−エチルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−フルオロ−4−エチルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチニルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((2−フルオロ−4−エチニルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−フルオロ−4−エチニルフェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((3−フルオロ−4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((2−フルオロ−4−(1−プロピニル)フェニル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−エチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−プロピルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−イソプロピルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−メチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−プロピルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−イソプロピルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−ビニルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−エチニルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−メチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−エチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−プロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((4−イソプロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((3−メチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((3−エチルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((3−プロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−((3−イソプロピルチオフェニル)エチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
メチル4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノウロネート;および
エチル4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノウロネート。
上記のうち、特に好ましくは、以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;
4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;および
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド。
なかでも、特に好ましくは、以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
また、以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩も特に好ましい。
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシド;および
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド。
化合物(1A)および(2A)の製造方法の例として、例えば、Xがβ−D−グルコピラノシル基もしくはβ−D−グルクロニル基である場合、次に示す方法を用いることにより製造することができる。
式(3A)の化合物は、例えば、1,2−ジヒドロ−4−[(4−メチルチオフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(b1)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)と2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド(b2)を炭酸カリウム存在下、クロロホルム−水中で一晩反応させて、クロマトグラフィーなどを用いて精製し、テトラ−O−アセチル中間体(b3)を得、この中間体を水酸化カリウム水溶液で脱保護することにより得ることができる。
式(4A)の化合物は、例えば、1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(b4)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)と2,3,4−トリ−O−ベンジル−D−グルコピラノシドウロニックアシッド ベンジルエステル(b5)をテトラヒドロフラン中、トリフェニルホスフィン、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)と1.5時間反応させて、クロマトグラフィーなどを用いて精製し、テトラベンジル中間体(b6)を得、この中間体を水素雰囲気下、20%Pd(OH)2で脱保護することにより得ることができる。
式(b12)の化合物は、例えば、1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(b4)の水酸基をtert−ブチルジメチルシリルクロライドで保護して(b7)とし、光延反応によってベンジルアルコールとピラゾール上の窒素を反応させて(b8)とすることができる。次いで、(b8)のTBS基を希塩酸で脱保護して(b9)としたのちに、2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド(b2)と炭酸カリウム存在下、クロロホルム−水中で一晩反応させて、クロマトグラフィーなどを用いて精製し、テトラ−O−アセチル中間体(b10)を得、次いで水酸化カリウム水溶液で脱保護することにより(b11)を得ることができる。得られた(b11)の1級水酸基にクロロ炭酸メチルを反応させることにより(b12)を得ることができる。
式(b18)の化合物は、例えば、アセト酢酸エチルと3−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒドをアセトニトリル中、トリメチルシリルクロライド、ヨウ化ナトリウムと反応させることにより中間体(b13)を得、これをヒドラジンで閉環させることにより、1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン(b14)を得ることができる。次いで、光延反応によって2,3,4,6−テトラベンジルグルコピラノースとピラゾール上の水酸基を反応させて(b15)を得、続いてピラゾールの1位窒素を炭酸セシウム、ヨウ化イソプロピルを用いて、イソプロピル化して(b16)とすることができる。(b16)のベンジル保護基を水素雰囲気下、20%Pd(OH)2で脱保護して(b17)として、次いで(b17)の6位水酸基にコリジン中でクロロ炭酸メチルを反応させることにより(b18)を得ることができる。
式(b24)の化合物は、例えば、アセト酢酸エチルと3−フルオロ−4−メチルベンズアルデヒドをアセトニトリル中、トリメチルシリルクロライド、ヨウ化ナトリウムと反応させることにより中間体(b19)を得、これをヒドラジンで閉環させることにより、1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン(b20)を得ることができる。次いで、炭酸銀によって2,3,4,6−O−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイドとピラゾール上の水酸基を反応させて(b21)を得、続いてピラゾールの1位窒素を炭酸セシウム、ヨウ化イソプロピルを用いて、イソプロピル化して(b22)とすることができる。(b22)のアセチル保護基を1N LiOHで脱保護して(b23)とし、次いで(b23)の6位水酸基にコリジン中でクロロ炭酸メチルを反応させることにより(b24)を得ることができる。
上記の方法により製造した化合物(1A)および(2A)は、常法の単離精製手段、例えば溶媒による抽出、クロマトグラフィー、結晶化によって反応混合物から容易に分離し、かつ精製することができる。
また、化合物(1A)および(2A)における水酸基は、生体内で水酸基に交換される適当な置換基により置換されていてもよい。例えば、水酸基の置換基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては例えば、炭素数2から20のアルカノイル基、ベンゾイル基が挙げられ、カーバメート基としては例えば、低級アルコキシカルボニル基が挙げられる。特に、グルコピラノシル基の水酸基の置換基としては、低級アルコキシカルボニル基であるカーバメート基が好ましく、特にメトキシカルボニル基が好ましい。本発明化合物におけるカルボキシル基は、生体内でカルボキシル基に交換される適当な置換基により置換されていてもよい。例えば、カルボキシル基の置換基としては、低級アルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基等が挙げられる。
化合物(1A)および(2A)が塩の形態を成し得る場合、その塩は医薬的に許容しうるものであればよく、例えば、式中に酸性基が存在する場合の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げることができる。式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、シュウ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、グルタミン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げることができる。塩を形成する方法としては、化合物(1A)および(2A)と必要な酸または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形より陽イオン交換または陰イオン交換を行うことによっても得られる。
化合物(1A)および(2A)にはその溶媒和物、例えば水和物、アルコール付加物等も含まれる。
(iii)化合物(5)およびその医薬的に許容しうる塩
〔式中、X2はβ−D−グルコピラノシル基(その1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)を表し、
Y2は水素、低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Z2はハロ低級アルキル基を表し、
R21〜R25は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲノ基、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基または置換されていてもよいアラルキル基を表す〕。
化合物(5)における「低級アルキル」とは、炭素数1から6(好ましくは1〜3)のアルキル基を表す。
「低級アルケニル」とは、炭素数2から6(好ましく2〜4)のアルケニル基を表す。
「低級アルキニル」とは、炭素数2から6(好ましく2〜4)のアルキニル基を表す。
「低級アルコキシ」とは、炭素数1から6(好ましくは2〜4)のアルコキシ基を表す。
「低級アルカノイル」とは、炭素数2から6(好ましくは2〜4)のアルカノイル基を表す。
化合物(5)において、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、パーフルオロ低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、パーフルオロ低級アルキルチオ基、低級アルキルアミノ基、低級アルカノイル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基における「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」は、直鎖でも分岐してもよい。
化合物(5)における低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、インヘキシル等が挙げられる。
化合物(5)におけるハロ低級アルキル基とは、1もしくは複数の水素原子がハロゲノ基で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、フルオロ低級アルキル基、クロロ低級アルキル基、ブロモ低級アルキル基が挙げられ、例えば、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基、フルオロペンチル基、フルオロヘキシル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、クロロペンチル基、クロロヘキシル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロモブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキシル基等が挙げられる。また、置換するハロゲノ基の数は、好ましくは1〜5個である。
化合物(5)におけるフルオロ低級アルキル基とは、1もしくは複数の水素原子(ただし、全水素原子ではない)がフッ素原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,3−ジフルオロイソプロピル基、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル基等が挙げられる。また、置換するフッ素原子の数は、好ましくは1〜5個である。
化合物(5)におけるパーフルオロ低級アルキル基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルキル基を意味し、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基等が挙げられる。
化合物(5)におけるパーフルオロ低級アルコキシ基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルコキシ基を意味し、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロピルオキシ基等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基等が挙げられる。
化合物(5)におけるパーフルオロ低級アルキルチオ基とは、全水素原子がフッ素原子で置換された低級アルキルチオ基を意味し、例えば、トリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロプロピルチオ基等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルカノイル基としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基等が挙げられる。
化合物(5)における低級アルキニル基としては、エチニル基、2−メチルエチニル等が挙げられる。
化合物(5)における置換されていてもよいアラルキル基としては、ベンゼン環が置換されていてもよいベンジル基、ベンゼン環が置換されていてもよいフェネチル基等が挙げられる。ここで、置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、アミノ基、低級アルキルアミノ基等が挙げられ、また、その数は、好ましくは1〜3個である。
化合物(5)におけるハロゲノ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
化合物(5)における水酸基をアシル化するための基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、ピバロイル基等が挙げられ、カーバメート基としては、炭酸メチル基、炭酸エチル基、炭酸プロピル基、炭酸イソプロピル基、炭酸フェニル基等が挙げられる。
化合物(5)におけるX2で表される基としてのβ−D−グルコピラノシル基は、その1もしくは複数の水酸基がアシル化あるいはカーバメート化されていてもよく、特に、この基は炭素数2から20(好ましくは2〜6)のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、例えば、6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基が挙げられる。また、アシル化される水酸基の数は、好ましくは1〜3個である。
X2で表される基としては、特に、β−D−グルコピラノシル基、6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基、6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基、6−カルボエトキシ−β−D−グルコピラノシル基が好ましい。
Y2で表される基としては、低級アルキル基およびパーフルオロ低級アルキル基が好ましく、特にトリフルオロメチル基ならびにメチル基が好ましい。
Z2で表される基としては、ハロ低級アルキル基の炭素数が2〜6であるのが好ましく、該アルキル基が分岐しているのがより好ましい。ハロゲノ基による置換は1置換でも多置換でもよいが、好ましくは1〜3置換である。また、ハロゲノ基による置換位置は特に限定されない。特に、フルオロ低級アルキル基が好ましく、モノフルオロエチル、モノフルオロプロピル、モノフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、トリフルオロイソプロピルがより好ましく、さらに特に1,3−ジフルオロイソプロピル基が好ましい。また、Z2で表される基は、パーフルオロ低級アルキル基でないのが好ましい。
R21〜R25で表される基としては、炭素数1から6の低級アルキル基、炭素数1から6の低級アルキルチオ基、炭素数1から6の低級アルコキシ基、ハロゲノ基、が好ましく、特に、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素が好ましい。中でも、R23がこれらの基であるのが最も好ましい。
化合物(5)において、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、Z2がハロ低級アルキル基であるのが好ましい。
化合物(5)において、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
化合物(5)において、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Y2がメチル基であり、Z2がハロ低級アルキル基であるのが好ましい。
また、化合物(5)において、X2がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であり、Y2がメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
また、化合物(5)において、X2が6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
また、化合物(5)において、X2が6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基であり、Y2がトリフルオロメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
また、化合物(5)において、X2が6−アセチル−β−D−グルコピラノシル基であり、Y2がメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
また、化合物(5)において、X2が6−カルボメトキシ−β−D−グルコピラノシル基であり、Y2がメチル基であり、Z2がフルオロ低級アルキルであるのが好ましい。
また、化合物(5)としては、好ましくは以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(2−モノフルオロエチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(2−モノフルオロエチル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(2’−モノフルオロエチル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(2−モノフルオロエチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(2’−モノフルオロエチル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(2’−モノフルオロエチル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(3−モノフルオロプロピル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(3’−モノフルオロプロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(3’−モノフルオロプロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(3−モノフルオロプロピル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド;
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(3’−モノフルオロプロピル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド);
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(3’−モノフルオロプロピル)−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド);
上記のうち、特に好ましくは、以下に示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
化合物(5)の製造方法の例として、例えば、X2がβ−D−グルコピラノシル基である場合、次に示す方法を用いることにより製造することができる。
化合物(5)は、例えば、1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(c1)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)を出発原料として得ることができる。具体的には(c1)の水酸基をTBS基で保護し、(c2)とした後に、ピラゾール上の窒素を光延反応により、選択的にアルキル化して(c3)を得る。続いて、(c3)のTBS基を脱保護して(c4)を得る。(c4)とアセトブロモグルコース(c5)を炭酸カリウム存在下、室温で反応させてグリコシド(c6)を得る。グリコシド(c6)のアセチル保護基を1N LiOHaqで脱保護してピラゾールグルコシド(6)を得ることができる。(6)をコリジンに溶かし、クロロ炭酸メチルと−10℃で反応させることによりグルコースの6位が炭酸メチル化された(7)を得ることができる。
上記の方法により製造した化合物(5)は、常法の単離精製手段、例えば溶媒による抽出、クロマトグラフィー、結晶化によって反応混合物から容易に分離し、かつ精製することができる。
また、化合物(5)における水酸基は、生体内で水酸基に交換される適当な置換基により置換されていてもよい。例えば、水酸基の置換基としては、アシル基、カーバメート基が挙げられ、アシル基としては例えば、炭素数2から20のアルカノイル基、ベンゾイル基が挙げられ、カーバメート基としては例えば、低級アルコキシカルボニル基が挙げられる。
化合物(5)が塩の形態を成し得る場合、その塩は医薬的に許容しうるものであればよく、例えば、式中に酸性基が存在する場合の酸性基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピペリジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩、アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げることができる。式中に塩基性基が存在する場合の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、シュウ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、グルタミン酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩が挙げることができる。塩を形成する方法としては、化合物(5)と必要な酸または塩基とを適当な量比で溶媒、分散剤中で混合することや、他の塩の形より陽イオン交換または陰イオン交換を行うことによっても得られる。
化合物(5)にはその溶媒和物、例えば水和物、アルコール付加物等も含んでいる。
(iv)化合物(8)ならびにその医薬的に許容しうる塩
〔式中のR31は水素原子または低級アルキル基であり、
Q1およびT1はどちらか一方が式(9)
(ここで、Pは水素原子、低級アシル基、低級アルコキシ低級アシル基、低級アルコキシカルボニル低級アシル基、低級アルコキシカルボニル基または低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基である)で表される基であり、他方が低級アルキル基またはハロ低級アルキル基であり、
R32は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ハロ低級アルキル基またはハロゲン原子である〕。
化合物(8)における低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいう。
低級アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基をいう。
低級アルキルチオ基とは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキルチオ基をいう。
ハロゲン原子とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子をいう。ハロ低級アルキル基とは、異種または同種の1〜3個の上記ハロゲン原子で置換された上記低級アルキル基をいう。
低級アシル基とは、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキシルカルボニル基等の炭素数2〜7の直鎖状、枝分かれ状または環状のアシル基をいう。
低級アルコキシ低級アシル基とは、上記低級アルコキシ基で置換された上記低級アシル基をいう。
低級アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7の直鎖状、枝分かれ状または環状のアルコキシカルボニル基をいう。
低級アルコキシカルボニル低級アシル基とは、3−(エトキシカルボニル)プロピオニル基等の上記低級アルコキシカルボニル基で置換された上記低級アシル基をいう。
低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基とは、2−メトキシエトキシカルボニル基等の上記低級アルコキシ基で置換された上記低級アルコキシカルボニル基をいう。
化合物(8)における置換基R31においては、好ましくは水素原子または炭素数1〜3の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子、エチル基、プロピル基またはイソプロピル基である。置換基R32においては、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基、炭素数1〜3の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基または炭素数1〜3の直鎖状または枝分かれ状のアルキルチオ基であり、さらに好ましくはエチル基、エトキシ基、イソプロポキシ基またはメチルチオ基である。置換基Q1およびT1においては、好ましくはどちらか一方が炭素数1〜3の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基であり、さらに好ましくはどちらか一方がメチル基である。
化合物(8)の医薬的に許容しうる塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩基との塩を挙げることができる。
化合物(8)およびその医薬的に許容しうる塩としては、好ましくはWO01/16147の実施例1〜70に記載される化合物およびその医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
化合物(8)は、例えば、WO01/16147に記載される方法により製造することができる。また、化合物(8)は、常法により、その医薬的に許容しうる塩とすることができる。
(v)化合物(10)ならびにその医薬的に許容しうる塩
〔式中のR41は水素原子またはヒドロキシ低級アルキル基であり、
R42は低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルコキシ基、ヒドロキシ低級アルキルチオ基、低級アルコキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルコキシ基または低級アルコキシ低級アルキルチオ基である〕。
化合物(10)における低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいい、低級アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基をいい、低級アルキルチオ基とは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のアルキルチオ基をいう。ヒドロキシ低級アルキル基とは、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、1−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、1−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシヘキシル基、4−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘキシル基、1−ヒドロキシヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルキル基をいい、ヒドロキシ低級アルコキシ基とは、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシプロポキシ基、2−ヒドロキシ−1−メチルエトキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、3−ヒドロキシブトキシ基、2−ヒドロキシブトキシ基、5−ヒドロキシペンチルオキシ基、4−ヒドロキシペンチルオキシ基、3−ヒドロキシペンチルオキシ基、2−ヒドロキシペンチルオキシ基、6−ヒドロキシヘキシルオキシ基、5−ヒドロキシヘキシルオキシ基、4−ヒドロキシヘキシルオキシ基、3−ヒドロキシヘキシルオキシ基、2−ヒドロキシヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルコキシ基をいい、ヒドロキシ低級アルキルチオ基とは、ヒドロキシメチルチオ基、2−ヒドロキシエチルチオ基、1−ヒドロキシエチルチオ基、3−ヒドロキシプロピルチオ基、2−ヒドロキシプロピルチオ基、1−ヒドロキシプロピルチオ基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルチオ基、4−ヒドロキシブチルチオ基、3−ヒドロキシブチルチオ基、2−ヒドロキシブチルチオ基、1−ヒドロキシブチルチオ基、5−ヒドロキシペンチルチオ基、4−ヒドロキシペンチルチオ基、3−ヒドロキシペンチルチオ基、2−ヒドロキシペンチルチオ基、1−ヒドロキシペンチルチオ基、6−ヒドロキシヘキシルチオ基、5−ヒドロキシヘキシルチオ基、4−ヒドロキシヘキシルチオ基、3−ヒドロキシヘキシルチオ基、2−ヒドロキシヘキシルチオ基、1−ヒドロキシヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ状のヒドロキシアルキルチオ基をいう。低級アルコキシ低級アルキル基とは、上記低級アルキル基で0−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルキル基をいい、低級アルコキシ低級アルコキシ基とは、上記低級アルキル基で0−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルコキシ基をいい、低級アルコキシ低級アルキルチオ基とは、上記低級アルキル基で0−アルキル化された上記ヒドロキシ低級アルキルチオ基をいう。
化合物(10)における水酸基の保護基とは、ベンジル基、メトキシメチル基、アセチル基等の一般的な有機合成反応において用いられる水酸基の保護基をいう。
化合物(10)において、置換基R41においては、好ましくは水素原子または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、置換基R42においては、好ましくは低級アルキル基、低級アルコキシ基またはヒドロキシ低級アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基または炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
化合物(10)の医薬的に許容しうる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機塩基との塩を挙げることができる。
化合物(10)には、水和物やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
化合物(10)およびその医薬的に許容しうる塩としては、好ましくはWO01/68660の実施例1〜12に記載される化合物およびその医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
なかでも、特に、2−(4−エチルベンジル)−5−ヒドロキシメチルフェニル−β−D−グルコピラノシドおよびその医薬的に許容しうる塩が好ましい。
化合物(10)は、例えば、WO01/68660に記載される方法により製造することができる。また、化合物(10)は、常法により、その医薬的に許容しうる塩とすることができる。
(vi)化合物(11)ならびにその医薬的に許容しうる塩
〔式中のR51は水素、ヒドロキシ基、低級アルキル、低級アルコキシ、または
を表し、
R52は水素、−COO−低級アルキル、
を表し、
R55はヒドロキシメチル、−CH2OCOO−低級アルキル、
−CH2OSO3H、−COOH、−COONaを表し、
mは0または1を表し、
n2は0、1、2または3を表し、
A1は以下の式の環構造
(ここで、X3は酸素、窒素またはイオウを表し、mが0の時、R53は低級アルキルであり、mが1の時、R53は低級アルキル、水酸基または低級アルコキシ基である)を表し、
は単結合または二重結合を表す〕。
化合物(11)における低級アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖状または枝分かれ状のアルキル基をいう。
化合物(11)における低級アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert−ペントキシ基等の炭素数1〜5の直鎖状または枝分かれ状のアルコキシ基をいう。
化合物(11)の医薬的に許容しうる塩としては、無機塩基の塩としてナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。A1がピリジン塩基を含む場合は、無機酸の塩や有機酸の塩が挙げられる。無機酸の塩としては塩酸や硫酸との塩が、有機酸の塩としては酢酸、コハク酸、フマル酸との塩が挙げられる。
化合物(11)としては、好ましくは特開2001−288178号公報の化合物番号1〜58に記載される化合物およびその医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
なかでも、特に3−(ベンゾ[b]フラン−5−イル)−3’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシル)−6’−ヒドロキシ−4’−メトキシプロピオフェノン(同公報化合物番号5)およびその医薬的に許容しうる塩が好ましい。
化合物(11)は、例えば、特開2001−288178号公報に記載される方法により製造することができる。また、化合物(11)は、常法により、その医薬的に許容しうる塩とすることができる。
(vii)化合物(22)ならびにその医薬的に許容しうる塩
[式中、OX4は保護されていてもよい水酸基を表し、
Y4は低級アルキル基を表し、
Z4は1もしくは複数の水酸基が保護されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基を表す]。
化合物(22)において、OX4が保護された水酸基の場合、保護基としては、フェノール性水酸基の保護基となりうるものであればよい。具体的にはメトキシメチル基等の低級アルコキシ低級アルキル基;アリル基;低級アルカノイル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基(例えばベンゾイル基)等のアシル基等があげられるが、低級アルカノイル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基等のアシル基が好ましく、とりわけ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基が好ましい。
また、化合物(22)において、Z4が1もしくは複数の水酸基が保護されたβ−D−グルコピラノシル基である場合、保護基としては、酸処理、加水分解、還元等の常法により容易に除去できるような慣用の水酸基の保護基を用いることができる。そのような基で1もしくは複数の水酸基が保護されたβ−D−グルコピラノシル基としては、[1]1もしくは複数の水酸基がアシル化されたβ−D−グルコピラノシル基、[2]2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボニルジオキシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノシル基、あるいは[3]1もしくは2つの水酸基がアシル化されており、かつ、2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基またはカルボニルジオキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノシル基等があげられる。しかしながら、β−D−グルコピラノシル基の水酸基の保護基としてはこれらに限定されず、生体内へ投与後脱保護され水酸基を与えるような機能、生体内への吸収または生体内への投与が容易になるような機能、あるいは、脂溶性または水溶性を上げるような機能を有するものであればいずれも好適に用いることができる。
β−D−グルコピラノシル基の水酸基がアシル化された場合、アシル基としては、低級アルカノイル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基)等を好適に用いることができる。また、アシル基として、アミノ酸から一つのカルボキシル基の水酸基を除いた残基(当該残基中に存するアミノ基、カルボキシル基および/または水酸基は保護されていてもよい)を用いてもよい。アミノ酸から一つのカルボキシル基の水酸基を除いた残基としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、セリン、ザルコシン、プロリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、グリシン、トリプトファン、システイン、ヒスチジン、チロシン、またはバリン等の天然アミノ酸、その対掌体もしくはラセミ体から一つのカルボキシル基の水酸基を除いた残基をあげることができる。
また、2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボニルジオキシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノシル基である場合とは、例えば、β−D−グルコピラノシル基の4および6位水酸基がその保護基とともに、1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基、ベンジリデンジオキシ基、ホスフィニコジオキシ基、カルボニルジオキシ基等を形成しているβ−D−グルコピラノシル基である場合、即ち、下式
(式中、RaおよびRbは、一方が水素原子もしくは低級アルキル基、他方が低級アルコキシ基であるか、または一方が水素原子、他方がフェニル基であるか、あるいは、RaおよびRbが一緒になってオキソ基を形成していることを表す。)で示される構造を形成している場合があげられる。
β−D−グルコピラノシル基の2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基を形成している場合、1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基としては1−低級アルコキシエチリデンジオキシ基が好ましく、とりわけ1−メトキシエチリデンジオキシ基、1−エトキシエチリデンジオキシ基等を好適に用いることができる。
さらに、化合物(22)におけるY4としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、とりわけ、メチル基およびエチル基が好ましい。
化合物(22)の具体的な化合物としては、Z4が低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基および低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基であるか、あるいは2つの水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基またはホスフィニコジオキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
より具体的な化合物としてはZ4が低級アルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルコキシ低級アルカノイル基および低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル基から選ばれる基で2位、2および3位、4位または6位水酸基がアシル化されていてもよいβ−D−グルコピラノシル基であるか、あるいは4および6位水酸基がその保護基とともに1−低級アルコキシ低級アルキリデンジオキシ基またはホスフィニコジオキシ基を形成しているβ−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
化合物(22)のうち、好ましい化合物としては、OX4が水酸基、低級アルカノイルオキシ基または低級アルコキシカルボニルオキシ基であり、Z4がβ−D−グルコピラノシル基、2−O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル基、2,3−ジ−O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシ低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシ低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,6−O−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−グルコピラノシル基または、4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
化合物(22)のうち、より好ましい化合物としては、OX4が水酸基または低級アルカノイルオキシ基、Z4がβ−D−グルコピラノシル基、2,3−ジ−O−(低級アルカノイル)−β−D−グルコピラノシル基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,6−O−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−グルコピラノシル基または4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
化合物(22)のうち、さらにより好ましい化合物としては、OX4が水酸基、Y4がメチル基またはエチル基、Z4がβ−D−グルコピラノシル基、4−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基、4,6−O−(1−低級アルコキシ低級アルキリデン)−β−D−グルコピラノシル基または4,6−O−ホスフィニコ−β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
とりわけ好ましい化合物としては、Z4がβ−D−グルコピラノシル基または6−O−(低級アルコキシカルボニル)−β−D−グルコピラノシル基である化合物があげられる。
化合物(22)は、遊離の形でもまたその医薬的に許容しうる塩の形でも本発明の目的に用いることができる。その医薬的に許容しうる塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、塩酸塩等の鉱酸塩、トシル酸塩等の有機酸塩等があげられる。
また、化合物(22)およびその医薬的に許容しうる塩としては、その分子内塩やそれらの溶媒和物あるいは水和物等をいずれも含む。
化合物(22)としては、好ましくは特開平10−237089号公報の実施例1〜22に記載される化合物およびその医薬的に許容しうる塩が挙げられる。
なかでも、特に、3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン(同公報実施例2)およびその医薬的に許容しうる塩が好ましい。
化合物(22)は、例えば、特開平10−237089号公報に記載される方法により製造することができる。また、化合物(22)は、常法により、その医薬的に許容しうる塩とすることができる。
本発明の糖尿病予防・治療剤において、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤の組み合わせとしては、好ましくは腎糖再吸収阻害剤が
(i)化合物(1)および(2)ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
(ii)化合物(1A)および(2A)ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩、
(iii)化合物(5)およびその医薬的に許容しうる塩、ならびに
(iv)化合物(8)およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、
血糖降下剤がスルホニルウレア剤およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種である組み合わせが挙げられ、
より好ましくは、腎糖再吸収阻害剤が上記式(3)、(3a)、(4a)、(7)、(10−A)、(12−A)、(14−A)および(16−A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がスルホニルウレア剤およびビグアナイド剤から選ばれる少なくとも一種である組み合わせが挙げられる。
かかる組み合わせである場合、食後高血糖を抑制できないスルホニルウレア剤あるいはビグアナイド剤単独療法よりも食後高血糖を抑制できることで優れており、さらには腎糖再吸収阻害剤単独療法に比べ薬効持続性が増強され、血糖コントロールに非常に有用である。
また、別の好ましい腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤の組み合わせとしては、腎糖再吸収阻害剤が化合物(22)およびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がメグリチニド類である組み合わせが挙げられ、より好ましくは腎糖再吸収阻害剤が3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノンおよびその医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がメグリチニド類である組み合わせが挙げられる。
かかる組み合わせである場合、薬効持続性の短いメグリチニド類単独使用より食後高血糖抑制が達成されやすく、血糖コントロールに非常に有用である。
本発明の糖尿病予防・治療剤は、従来の血糖降下剤単独使用より著しい抗糖尿病作用を有し、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、糖尿病(例えば、1型糖尿病、2型糖尿病等の真性糖尿病)、高血糖に起因する諸症状(例えば糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症などの糖尿病性合併症)の予防・治療剤として有用である。
本発明の糖尿病予防・治療剤は、上記の通り腎糖再吸収阻害剤からなる1有効成分と血糖降下剤からなる1有効成分を少なくとも含有する製剤であればよく、また、それぞれを混合して含有していてもよいが、それぞれを単独に含有する製剤の組み合わせでも本発明の糖尿病予防・治療剤に含まれる。さらに、本発明の有効成分を含む限り、他の糖尿病薬等(第三、第四の医薬成分)を含む製剤も当然本発明に含まれる。
本発明の糖尿病予防・治療剤における腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤の割合については、多くの因子、例えば所望の投与量および使用される医薬的に許容される担体に依存しており、広範囲に変わり得るが、両者を合わせて単一製剤とする場合、別個の製剤とする場合のいずれにおいても、腎糖再吸収阻害剤の含量(重量)1に対して、血糖降下剤は0.01〜100程度であることが好ましい。また、本発明の糖尿病予防・治療剤に含まれる腎糖再吸収阻害剤および血糖降下剤以外の成分は、腎糖再吸収阻害剤の含量(重量)1に対して、0.001〜1000程度であることが好ましく、より好ましくは0.01〜100程度である。本発明の糖尿病予防・治療剤を単一製剤として患者に適応する場合、それぞれの成分が上記範囲になるように投与することができる。また、それぞれの有効成分を別個の製剤として投与する場合は、平均的な比率として上記比率を採用することができる。
本発明のための1製剤あたりでは、好ましくは腎糖再吸収阻害剤を0.01〜1000mg程度を含有することができる。
本発明の糖尿病予防・治療剤の投与形態は特に制限されず、静脈内、動脈内、皮下および筋肉内投与、輸液による投与により、安全かつ必要な量を、一気にまたは点滴等により投与できる。また、本発明の糖尿病予防・治療剤の投与形態は非経口および経口投与のいずれも可能であるが、患者への苦痛等を考慮すると、インスリン製剤以外は経口投与が望ましいが、別々の投与形態を有するものの組み合わせであってもよい。
本発明の糖尿病予防・治療剤は、例えば経口剤であれば、種々の剤型、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、液剤等の投与製剤とすることができる。これらの製剤化は、それ自体公知の方法によって行い得る。本発明の有効成分、製剤のいずれにおいても医薬的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性向上剤、その他製剤として必要な物質を含有してよく、これらを適宜組み合わせて処方することにより製剤を製造することができる。
本発明の糖尿病予防・治療剤においては、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤は同時にあるいはいずれかの順序で逐次的に投与することもできる。実際に好ましい投与方法、順序および間隔は、使用される個々の薬剤の製剤、薬効発現時間、処置される個々の患者の状態などに応じて、慣用技術を駆使して、および本明細書に記載の情報を考慮して適宜選択され得る。例えば、[1]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを含有する組成物、即ち、単一の製剤としての投与、[2]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを別々に製剤化して得られる二種の製剤の同一投与経路での同時投与、[3]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを別々に製剤化して得られる二種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与(例えば腎糖再吸収阻害剤、血糖降下剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)、[4]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを別々に製剤化して得られる二種の製剤の異なる投与経路での同時投与、[5]腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを別々に製剤化して得られる二種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば腎糖再吸収阻害剤、血糖降下剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
実際に好ましい治療単位は、使用される腎糖再吸収阻害剤や血糖降下剤などの個々の製剤、処置される個々の患者の状態、すなわち血糖値、血中脂質濃度、血中グリコヘモグロビン濃度など慣用の指標によって変えることができる。所定の条件について最適な治療単位は、慣用の指標、治療単位を用いて、および本明細書中に記載する情報を考慮して適宜選択することができる。例えば、腎糖再吸収阻害剤である上記一般式(または式)(1)、(2)、(3)、(4)、(3a)、(4a)、(1A)、(2A)、(3A)、(4A)、(10−A)、(12−A)、(14−A)、(16−A)、(5)、(6)、(7)、(8)、(10)、(11)および(22)で示される化合物およびそれらの医薬的に許容しうる塩は、約1〜500mg/日程度を投与することが望ましい。したがって、この場合の血糖降下剤の投与量は、例えば、約0.01〜50,000mg/日程度とすることができる。また、他剤の併用にあたっては、両者同時投与、腎糖再吸収阻害剤の前投与および後投与並びにこれらの複数の組み合わせによる投与形式等いずれも可能であるが、それぞれの薬剤について1日3回までの投与が好ましく、低血糖症状または他の副作用が禁忌症を与えない限り治療を繰り返すとよい。
また、本発明においては、腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなる併用剤と、該併用剤が糖尿病の予防・治療に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージが含まれる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例においては、腎糖再吸収阻害剤として、上記式(3)で示される腎糖再吸収阻害剤A:
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド
および上記一般式(22)で示されるプロピオフェノン誘導体に含まれる腎糖再吸収阻害剤B:
3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン
を使用した。
(実施例I)
Wistarラット(7週齢、雄性)を体重に差がでないように群分けし、17時間絶食後、グルコースを1g/kg経口投与した。その直後に腎糖再吸収阻害剤Aまたは腎糖再吸収阻害剤B(Aについては30mg/kgまたは60mg/kg、Bについては30mg/kgまたは80mg/kg)あるいはグリベンクラミド(1mg/kgまたは2mg/kg)またはナテグリニド(50mg/kgまたは80mg/kg)を経口投与した。さらに両者を併用した群も設けた。対照群にはグルコース投与後に賦形剤を経口投与した。
経時的に血糖を測定した結果、図1から明らかなように、グリベンクラミド(1mg/kg)はグルコース負荷直後(30分)の高血糖は抑制せず、グルコース負荷120分以後の血糖をVehicle投与群に比べ低下させ、その血糖抑制パターンは投与量を増やしても(2mg/kg)変化しなかった。腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)はグルコース負荷直後(30分)のVehicle群に認められる高血糖を抑制したが、グルコース負荷120分以後の血糖についてはグリベンクラミドほど低下させず、この血糖抑制パターンは投与量を増やしても(60mg/kg)変化しなかった。グリベンクラミド(1mg/kg)と腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)を併用した場合にはグルコース負荷直後(30分)と120分以後の血糖が共に賦形剤群に比べ低下した。
図2から明らかなように、ナテグリニド(50mg/kg)はグルコース負荷直後(30分および60分)の高血糖を賦形剤投与群に比べ抑制し、グルコース負荷120分以後の血糖は低下させなかった。また、その血糖抑制パターンは投与量を増やしても(80mg/kg)変化しなかった。腎糖再吸収阻害剤B(30mg/kg)投与群ではグルコース負荷30分後の高血糖はナテグリニドほど低下せず、60分後の血糖は賦形剤投与群と同様であったが、グルコース負荷180分以後の血糖は賦形剤群より低く、この血糖抑制パターンは投与量を増やした群(80mg/kg)でも同様であった。ナテグリニド(50mg/kg)と腎糖再吸収阻害剤B(30mg/kg)を併用した場合にはグルコース負荷直後(30分および60分)と180分以後の血糖が共に賦形剤群に比べ低下した。この事から、既存血糖降下剤では得られない厳格な血糖コントロールが、腎糖再吸収阻害剤と既存血糖降下剤併用によって得られることが、グルコース負荷ラットを用いた試験から明らかとなった。
(実施例II)
市販繁殖用高カロリー飼料(CMF:オリエンタル酵母)を供与したKKマウス(25週齢、雄性)を体重に差がでないように群分けし、17時間絶食後、グルコースを1g/kg経口投与した。その直後に腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kgまたは45mg/kg)あるいはメトホルミン(200mg/kgまたは300mg/kg)を経口投与した。さらに腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)とメトホルミン(200mg/kg)を併用した群も設けた。対照群にはグルコース投与後に賦形剤を経口投与した。
経時的に血糖を測定した結果、図3から明らかなように、メトホルミン投与(200mg/kg)はグルコース投与30分後のマウスの血糖上昇を抑制せず、投与60分以後に抑制し、この血糖抑制パターンは投与量を増やしても(300mg/kg)変化しなかった。腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)の単独投与ではグルコース投与30分および60分の高血糖を対照群に比べ抑制できたが、2時間以降の血糖は抑制できなかった。またこの血糖抑制パターンは投与量を増やしても(45mg/kg)変化しなかった。一方、腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)とメトホルミン(200mg/kg)を併用した群は、全ての測定時間において血糖は対照群に比べ抑制された。この事から、既存血糖降下剤では得られない厳格な血糖コントロールが、腎糖再吸収阻害剤と既存血糖降下剤併用によって得られることがグルコース負荷マウスを用いた試験から明らかとなった。
以上、実施例における図1、図2乃至図3の結果から、本発明の腎糖再吸収阻害剤と既存血糖降下剤を組み合わせて使用する方法により、摂食後高血糖のモデルである糖負荷動物において、糖負荷直後および糖負荷後に厳格な血糖コントロールが達成され、単独使用に対して有効性が著しく改善した。
(実施例III)
2型糖尿病モデルGKラット(7週齢、雄性)を血糖値、体重に差がでないように群分けを行い、腎糖再吸収阻害剤Aを30mg/kg、またはグリベンクラミドを3または6mg/kgで1日1回経口投与した。さらに、腎糖再吸収阻害剤A30mg/kgとグリベンクラミド3mg/kgを併用した群も設け、単独投与群と同じ時間に1日1回経口投与した。対照群の動物にはVehicleのみを経口投与した。投与開始後25日目に随時血糖を測定して群間で比較を行った結果を図4に示した。
図4に示されたように、Vehicle投与群では高血糖が認められたが、グリベンクラミド単独投与群(3mg/kg)ではVehicle投与群と血糖値に差はなく、また投与量を増やしても(6mg/kg)Vehicle投与群と血糖値に差は認められず、この糖尿病モデル動物においてグリベンクラミドの有効性は認められなかった。腎糖再吸収阻害剤単独投与群(30mg/kg)の血糖はVehicle投与群に比べて有意に低下しており、このモデル動物において腎糖再吸収阻害剤単独投与の有効性が認められた。一方、グリベンクラミドと腎糖再吸収阻害剤の併用群(それぞれ3mg/kg、30mg/kgを投与)では、Vehicle投与群およびグリベンクラミド単独投与群のみならず、腎糖再吸収阻害剤単独投与群に比べても有意に血糖が低下していた。すなわち、グリベンクラミドには有効性が認められなかったのにも関わらず、併用群で腎糖再吸収阻害剤単独投与群に比べて著明な糖尿病状態の改善が認められ、既存血糖降下剤と腎糖再吸収阻害剤の併用によって、糖尿病状態において単独投与では得られない相乗的な治療効果が示された。
(実施例IV)
2型糖尿病モデルdb/dbマウス(6週齢)を午前9時から1時間および午後3時から1時間の1日2回給餌に1週間慣らした後、血糖値、体重に差がでないように群分けを行った。その後、腎糖再吸収阻害剤Bを80mg/kg、またはナテグリニドを80mg/kg、1日2回給餌の直前に経口投与した。対照群の動物にはVehicleのみを1日2回給餌の直前に経口投与した。投与開始25日目に各実験群のマウスを17時間絶食後グルコース(1g/kg)とナテグリニド(50mg/kg)を経口投与し、投与前後の血糖を測定してナテグリニドによる血糖降下作用が認められるかどうかを調べた(ナテグリニド負荷試験)。その結果を表Iに示した。
表Iに示されたように、ナテグリニド負荷試験直前の血糖は群間で差がなかったがグルコースおよびナテグリニド負荷30分後では、Vehicle投与群およびナテグリニド投与群に比べ腎糖再吸収阻害剤B投与群において、ナテグリニドはグルコース負荷による高血糖を著明に抑制した。すなわち、腎糖再吸収阻害剤長期投与によって糖尿病モデル動物のナテグリニド感受性が著明に亢進しており、単独使用では予想できない効果が腎糖再吸収阻害剤とナテグリニド併用によって得られる事が見出された。
(実施例V)
2型糖尿病モデルZucker Diabetic Fattyラット(15週齢)を血糖値、体重に差がでないように群分けを行い、腎糖再吸収阻害剤Aを30mg/kg、またはメトホルミンを200mg/kgで1日2回経口投与した。さらに、腎糖再吸収阻害剤A(30mg/kg)とメトホルミン(200mg/kg)を併用した群も設け、単独投与群と同じ時間に1日2回経口投与した。対照群の動物にはVehicleのみを1日2回経口投与した。投与開始39日目に18時間絶食後に動物から膵臓を摘出し、膵臓ホモジネート中インスリンをELISA法で測定し、膵臓中インスリン含量を群間で比較した結果を図5に示した。
図5に示されたように、Vehicle投与群と腎糖再吸収阻害剤A投与群、メトホルミン投与群の間には膵臓中インスリン含量に差は認められなかったが、腎糖再吸収阻害剤Aとメトホルミンの併用群では他群に比べ著明に高値であった。Zucker Diabetic Fattyラットは高血糖状態が持続する事により血中糖化ヘモグロビン濃度が高値となり、加齢と共に膵臓中インスリン含量が低下していく2型糖尿病モデル動物である。すなわち、それぞれの単独投与では得られない相乗的な糖尿病治療効果・糖尿病進行の防止効果が、腎糖再吸収阻害剤とメトホルミンの併用によって示された。
(製造例1)
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル)−5−トリフルオロメチル−3H−ピラゾール−3−オン4.76g(17.6mmol)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)、イミダゾール1.57g(23.1mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶かし、t−ブチルジメチルシリルクロライド2.98g(19.8mmol)を加えて室温で30分攪拌した。水100mlを加えて、酢酸エチル−ヘキサン(2:1の混合溶媒)で3回抽出した。有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮し目的物6.9gを得た。(17.9mmol,定量的)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.21(6H,s),0.93(9H,s),1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.59(2H,q,J=7.6Hz),3.74(2H,s),7.09(4H,m).ESI−MS(m/z)269[(M−TBS)−].
工程2
1−シクロブチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾール2.5g(6.5mmol)、トリフェニルホスフィン1.9g(7.2mmol)、シクロブタノール0.71g(9.8mmol)を無水テトラヒドロフラン15mlに溶かし、室温で攪拌した。アゾジカルボン酸ジエチルの40%トルエン溶液3.4ml(7.5mmol)をゆっくりと加えた。20分後、濃縮してヘキサン20mlを加え、沈殿を濾別後、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン→5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して目的物1.4g(3.3mmol)を得た。(51%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.27(6H,s),0.96(9H,s),1.20(3H,t,J=7.5Hz),2.26−2.34(2H,m),2.59(2H,q,J=7.5Hz),2.54−2.67(2H,m),3.72(2H,s),4.67(1H,quint,J=8.1Hz),7.06(2H,d,J=8.5Hz),7.10(2H,d,J=8.5Hz).ESI−MS(m/z)[323(M−TBS)−].
工程3
1−シクロブチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールの合成
1−シクロブチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾール1.4g(3.3mmol)をテトラヒドロフラン25ml,メタノール5mlに溶かした後、1M−HCl水溶液を5ml加えて、室温で1晩攪拌した。水100mlを加え、酢酸エチル10mlで3回抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(ヘキサン→5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して目的物0.84g(2.6mmol)を得た。(78%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.20(3H,t,J=7.5Hz),1.70−1.90(2H,m),2.28−2.36(2H,m),2.59(2H,q,J=7.5Hz),2.55−2.68(2H,m),3.80(2H,s),4.75(1H,pseudo quint,J=8.1Hz),7.10(2H,d,J=8.8Hz),7.18(2H,d,J=8.8Hz).ESI−MS(m/z)[325(M+H)+],[323(M−H)−].
工程4
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
1−シクロブチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール0.84g(2.6mmol)2,3,4,6−O−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド1.5g(3.7mmol)、塩化ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウム0.10g(0.32mmol)、炭酸カリウム3.23g(23mmol)に水2mLおよびクロロホルム10mLを加え、室温で18時間撹拌した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜2:1)により精製し、目的物を主に含む粗精製物2.1gを得て、次の反応に用いた。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),1.72−1.84(2H,m),1.89(3H,s),2.03(3H,s),2.04(3H,s),2.06(3H,s),2.29−2.38(2H,m),2.58(2H,q,J=7.6Hz),2.58−2.68(2H,m),3.72(2H,s),3.88(1H,ddd,J=9.9,4.9,2.3Hz),4.11−4.17(1H,m),4.26(1H,dd,J=12.3,9.4Hz),4.70−4.76(1H,m),5.15−5.22(1H,m),5.28−5.32(2H,m),5.64−5.66(1H,m),7.06(4H,s).ESI−MS(m/z)[655(M+H)+].
工程5
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドの合成
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの粗精製物2.1gをエタノール20mlに溶かし、4N NaOH水溶液4mlを加えて室温で攪拌した。1時間後、飽和食塩水50ml、水10mlを加え酢酸エチル20mlで3回抽出した。濃縮後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目的物0.63gを得た(1.3mmol)。(50%)
1H−NMR(300MHz,CD3OD)δ=1.18(3H,t,J=7.6Hz),1.79−1.89(2H,m),2.28−2.36(2H,m),2.57(2H,q,J=7.6Hz),2.60−2.72(2H,m),3.37−3.45(4H,m),3.65−3.71(1H,m),3.81(2H,s),3.81−3.86(1H,m),5.39−5.41(1H,m),7.06(4H,s).MS(ESI)m/z[487(M+H)+],[485(M−H)−].
(製造例2)
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
1’−シクロブチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド0.18g(0.32mmol)を2,4,6−コリジン2.0mlに溶かし、−50℃に冷却した。クロロ炭酸メチル0.035ml(0.45mmol)を加え0.5時間掛けて室温に戻した。27時間後、酢酸エチル20ml,1M HCl水溶液20mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:3→酢酸エチル)で精製して、目的物0.12g(0.20mmol)を得た。(62%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.20(3H,t,J=7.6Hz),1.71−1.86(2H,m),2.29−2.38(2H,m),2.48(1H,d,J=2.6Hz),2.60−2.68(2H,m),2.60(2H,q,J=7.6Hz),2.68(1H,s),2.72(1H,s),3.49−3.65(4H,m),3.72(1H,d,J=15.2Hz),3.79(3H,s),3.87(1H,d,J=15.2Hz),4.32(1H,dd,J=12.0,2.1Hz),4.48(1H,dd,J=12.0,4.1Hz),4.74(1H,pseudo quint,J=8.4Hz),5.22(1H,d,J=7.9Hz),7.10(4H,s).MS(ESI)m/z[545(M+H)+],[543(M−H)−].
(製造例3)
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
1−シクロペンチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
製造例1の工程2と同様にシクロブタノールの代わりにシクロペンタノールを用いて目的物を得た。(86%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.23(6H,s),0.94(9H,s),1.20(3H,t,J=7.6Hz),1.55−1.70(2H,m),1.80−2.05(6H,m),2.59(2H,q,J=7.6Hz),3.72(2H,s),4.54−4.66(1H,m),7.06(2H,d,J=8.4Hz),7.11(2H,d,J=8.4Hz).
工程2
1−シクロペンチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールの合成
製造例1の工程3と同様に、1−シクロペンチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールより目的物を得た。(95%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.20(3H,t,J=7.6Hz),1.50−1.70(2H,m),1.80−2.10(6H,m),2.60(2H,q,J=7.6Hz),3.79(2H,s),4.53−4.68(1H,m),7.09(2H,d,J=8.1Hz),7.17(2H,d,J=8.1Hz),10.1−10.2(1H,br).MS(ESI)m/z339[(M+H)+],[337(M−H)−].
工程3
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例1の工程4と同様に、1−シクロペンチル−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールより目的物の粗精製物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),1.60−1.68(2H,m),1.88(3H,s),2.02(3H,s),2.04(3H,s),2.06(3H,s),1.98−2.0(2H,m),2.58(2H,q,J=7.6Hz),3.72(2H,s),3.80−3.85(1H,m),4.11(1H,dd,J=8.5,3.8Hz),4.25(1H,dd,J=12.5,4.8Hz),4.65(1H,pseudo quint,J=7.0Hz),5.14−5.20(1H,m),5.24−5.30(2H,m),5.56−5.59(1H,m),7.06(4H,s).MS(ESI)m/z[669(M+H)+].
工程4
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例1の工程5と同様に、1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの粗精製物を加水分解することにより、目的物を得た。(90%)
1H−NMR(300MHz,CD3OD)δ=1.19(3H,t,J=7.6Hz),1.62−1.68(2H,m),1.87−2.04(6H,m),2.57(2H,q,J=7.6Hz),3.32−3.45(3H,m),3.67(1H,dd,J=12.0,5.0Hz),3.78−3.82(3H,m),4.70(1H,pseudo quint,J=6.9Hz),5.30−5.37(1H,m),7.06(4H,s).MS(ESI)m/z[501(M+H)+],[499(M−H)−].
(製造例4)
1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例1の工程6と同様に、1’−シクロペンチル−4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドとクロロ炭酸メチルを反応させることにより目的物を得た。(67%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.20(3H,t,J=7.5Hz),1.60−1.70(2H,m),1.84−1.94(2H,m),1.98−2.04(4H,m),2.55(1H,d,J=2.3Hz),2.60(2H,q,J=7.5Hz),2.75(1H,d,J=2.1Hz),2.85(1H,d,J=2.6Hz),3.47−3.63(4H,m),3.72(1H,dd,J=15.8,1.2Hz),3.78(3H,s),3.87(1H,d,J=15.8Hz),4.36(1H,dd,J=12.0,1.8Hz),4.45(1H,dd,J=12.0,4.1Hz),4.66(1H,pseudo quint,J=6.9Hz),5.14(1H,d,J=7.9Hz),7.10(4H,s)MS(ESI)m/z[559(M+H)+],[557(M−H)−].
製造例1〜4で得られた化合物の構造を下記に示す。
(試験例1)
ラット尿糖排出作用の評価
5週齢の雄性Wistarラット(日本チャールスリバー株式会社より購入)を約一週間代謝ケージで予備飼育した後に実験に用いた。被験化合物をオリーブオイルに懸濁して、ラットの体重1kgあたり5mlの投与量となるように20mg/ml溶液を作製した。
ラットを4時間絶食後、午前11時に被験化合物をラットに100mg/kg経口投与した。投与直後から投与24時間後までの尿を採集し、尿量を測定後、グルコースオキシダーゼ法にて尿中グルコース濃度を測定して一日あたり、個体あたりの尿へのグルコース排泄量を計算した。
結果を表1に示す。
上記から明らかのごとく、得られたピラゾール誘導体は優れた尿糖排泄作用を示した。
(製造例1−A)
4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
4’−((4’−メチルチオフェニル)メチル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
1,2−ジヒドロ−4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン519mg(1.80mmol)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)、2,3,4,6−O−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド1.258g(3.06mmol)、塩化ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウム112mg(0.36mmol)、炭酸カリウム1.244g(9.0mmol)に水0.1mLおよびクロロホルム4mLを加え、室温で21時間撹拌した。反応終了後、10%塩酸でpH7に調整し、クロロホルム5mLを加えた後、水層を除去し、有機層を飽和重曹水4mL、飽和食塩水4mLの順で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1(V/V))により精製し、4’−((4’−メチルチオフェニル)メチル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの淡黄色油状物870mg(1.41mmol)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.92(3H,s),2.03(3H,s),2.05(3H,s),2.10(3H,s),2.45(3H,s),3.74(2H,s),4.21(1H,dd,J=2.4,12.6Hz),4.28(1H,dd,J=4.2,12.6Hz),5.19−5.28(4H,m),5.41(1H,d,J=6.3Hz),7.09(2H,d,J=8.1Hz),7.16(2H,d,J=8.1Hz).ESI−MS(m/z):619[(M+H)+],617[(M−H)−].
工程2
4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−((4’−メチルチオフェニル)メチル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの淡黄色オイル804mg(1.30mmol)をエタノール6mLに溶解し、50%水酸化カリウム水溶液0.8mLを滴下し、室温で10分間撹拌した。反応終了後、10%塩酸でpH7に調整した後、24時間撹拌した。析出した結晶を濾別し、エタノール5mLで洗浄した。母洗液を濃縮し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1(V/V))により精製し、4−((4−メチルチオフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの白色結晶321mg(0.71mmol)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.43(3H,s),3.15−3.25(4H,m),4.39(1H,dd,J=5.3,12.0Hz),3.67(1H,d,J=12.0),3.75(2H,s),4.92(1H,br−s),5.04(1H,br−s),5.12(1H,br−s),7.12(2H,d,J=8.7Hz),7.16(2H,d,J=8.7Hz).ESI−MS(m/z):449[(M−H)−].
(製造例2−A)
4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッドの合成
工程1
ベンジル4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−イル−2,3,4−O−トリベンジル−β−D−グルコピラノウロネートの合成
2,3,4−トリ−O−ベンジル−D−グルコピラノシドウロニックアシッドベンジルエステル(SIGMA)199mg(0.359mmol)、1,2−ジヒドロ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン99mg(0.367mmol)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)、トリフェニルホスフィン109mg(0.416mmol)を乾燥THF(安定剤不含)0.5mlに溶解し、氷冷下、アゾジカルボン酸ジエチル40%トルエン溶液0.18ml(0.40mmol)を加えて1.5時間室温で撹拌した。反応液を直接、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:10〜1:5)により精製後、減圧濃縮して、ベンジル4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−イル−2,3,4−O−トリベンジル−β−D−グルコピラノウロネートの淡黄色油状物127mg(0.157mmol)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.12(3H,t,J=7.8Hz),2.50(2H,q,J=7.8Hz),3.64−3.86(4H,m),3.90−4.02(1H,m),4.05−4.20(1H,m),4.40−4.58(3H,m),4.65−4.82(3H,m),5.10(1H,d,J=12.1Hz),5.15(1H,d,J=12.1Hz),5.20−5.30(1H,br),6.90−7.35(24H,m).
工程2
4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッドの合成
ベンジル4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−イル−2,3,4−O−トリベンジル−β−D−グルコピラノウロネート122mg(0.151mmol)を酢酸エチル4ml、メタノール4mlに溶解し、20%−水酸化パラジウム−炭素(50%wet、Aldrich)204mg存在下、常圧の水素雰囲気下で8時間、室温で撹拌した。20%−水酸化パラジウム−炭素を濾別し、ジクロロメタン:メタノール(4:1)100mlで洗浄後、濾液を減圧乾固した。固体を蒸留水に懸濁させ、SepPackカラム(水:メタノール=1:0〜0:1)により精製後、バス温40℃以下で減圧乾固して、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−イル−β−D−グルコピラノシドウロニックアシッドのアモルファス状白色固体22mg(0.050mmol)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.19(3H,t,J=7.5Hz),2.58(2H,q,J=7.5Hz),3.35−3.51(2H,m),3.52−3.65(1H,m),3.70−3.90(3H,m),5.00−5.20(1H,br),7.06(2H,d,J=8.4Hz),7.09(2H,d,J=8.4Hz).ESI−MS(m/z)445[(M−H)+],447[(M+H)+].
(製造例3−A)
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル)−5−トリフルオロメチル−3H−ピラゾール−3−オン4.76g(17.6mmol)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)、イミダゾール1.57g(23.1mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶かし、t−ブチルジメチルシリルクロライド2.98g(19.8mmol)を加えて室温で30分攪拌した。水100mlを加えて、酢酸エチル−ヘキサン(2:1の混合溶媒)で3回抽出した。有機相を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、濃縮し目的物6.9gを得た。(17.9mmol,定量的)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.21(6H,s),0.93(9H,s),1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.59(2H,q,J=7.6Hz),3.74(2H,s),7.09(4H,pseudo ABq).ESI−MS(m/z)269[(M−TBS)−].
工程2
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾール0.39g(1.0mmol)、トリフェニルホスフィン0.30g(1.1mmol)、ベンジルアルコール0.14ml(1.4mmol)を無水テトラヒドロフラン2.0mlに溶かし、室温で攪拌した。アゾジカルボン酸ジエチルの40%トルエン溶液0.50ml(1.1mmol)をゆっくりと加えた。20分後、濃縮してヘキサン1mlを加え、析出した沈殿を濾別後、濃縮した。シリカゲルカラム(ヘキサン→5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して目的物0.40g(0.83mmol)を得た。(83%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.22(6H,s),0.92(9H,s),1.20(3H,t,J=7.5Hz),2.59(2H,q,J=7.5Hz),3.74(2H,s),5.19(2H,s),7.06(4H,pseudo ABq),7.11−7.33(5H,m).
工程3
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾール0.40g(0.83mmol)をテトラヒドロフラン2ml,メタノール0.5mlに溶かした後、1M−HCl水溶液を1ml加えて、室温で7時間攪拌した。水5mlを加えて酢酸エチル5mlで3回抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(ヘキサン→10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して目的物0.27g(0.74mmol)を得た。(89%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7.6Hz),2.61(2H,q,J=7.6Hz),3.77(2H,s),5.18(2H,s),7.07−7.31(9H,m).ESI−MS(m/z)[361(M+H)+],[359(M−H)−].
工程4
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール0.22g(0.62mmol)、2,3,4,6−O−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド0.39g(0.94mmol)、塩化ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウム0.055g(0.18mmol)、炭酸カリウム0.79g(5.7mmol)に水1mLおよびクロロホルム10mLを加え、室温で1晩撹拌した。塩化ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムを0.1g程度追加してさらに1晩撹拌した。有機層をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=10:1)により精製し、目的物を主に含む粗精製物0.39gを得て、次の反応に進んだ。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),1.86(3H,s),2.015(3H,s),2.019(3H,s),2.03(3H,s),2.58(2H,q,J=7.6Hz),3.74(2H,s),3.81(1H,ddd,J=9.5,4.2,2.3Hz),4.08(1H,dd,J=12.5,2.3Hz),4.27(1H,dd,J=12.5,4.2Hz),5.16−5.28(3H,m),5.24(2H,s),5.58−5.63(1H,m),7.05(4H,s),7.16−7.35(5H,m).ESI−MS(m/z)[691(M+H)+].
工程5
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−ベンジル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの粗精製物0.28gをエタノール5mlに溶かし、4N NaOH水溶液5mlを加えて室温で攪拌した。1時間後、水50mlを加え酢酸エチル5mlで5回抽出した。濃縮後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン→10%メタノール/ジクロロメタン)で精製して目的物0.11gを得た(0.21mmol)。
1H−NMR(300MHz,CD3OD)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.58(2H,q,J=7.6Hz),3.34−3.46(4H,m),3.68(1H,dd,J=12.0,4.7Hz),3.81(1H,dd,J=12.0,2.1Hz),3.83(2H,s),5.32(2H,s),5.34−5.37(1H,m),7.07(4H,s),7.10−7.12(2H,m),7.25−7.33(3H,m).
(製造例4−A)
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−ベンジル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−β−D−グルコピラノシド0.11g(0.21mmol)をピリジン1.5mlに溶かし、氷浴で冷却した。クロロ炭酸メチル0.020ml(0.26mmol)を加え0.5時間掛けて室温に戻した。2時間後、19時間後にそれぞれクロロ炭酸メチル0.020ml(0.26mmol)を追加し、さらに室温で6時間撹拌した。酢酸エチル5ml,1M HCl水溶液10ml、水20mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(酢酸エチル)で精製して、目的物0.059g(0.10mmol)を得た。(47%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.18(3H,t,J=7.6Hz),2.57(2H,q,J=7.6Hz),3.48−3.60(4H,m),3.70(3H,s),3.74(1H,d,J=15.8Hz),3.82(1H,d,J=15.8Hz),4.34(2H,s),5.22(1H,d,J=4.4Hz),5.23(2H,s),7.07(4H,s),7.12(2H,d,J=6.4Hz),7.21−7.32(3H,m).ESI−MS(m/z)[581(M+H)+],[579(M−H)−].
(製造例5−A)
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
製造例3−Aの工程2と同様に、ベンジルブロマイドの代わりに4−メトキシベンジルブロマイドを用いて目的物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.22(6H,s),0.93(9H,s),1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.58(2H,q,J=.6Hz),3.72(2H,s),3.78(3H,s),5.14(2H,s),6.83(2H,d,J=8.8Hz),7.07(4H,pseudo ABq),7.16(2H,d,J=8.8Hz).
工程2
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの合成
製造例3−Aの工程3と同様に、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールより目的物を得た。(82%)1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7.5Hz),2.60(2H,q,J=7.5Hz),3.77(5H,s),5.10(2H,s),6.81−6.84(2H,m),7.07−7.19(6H,m).ESI−MS(m/z)[391(M+H)+],[389(M−H)−].
工程3
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例3−Aの工程4と同様に、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールより目的物の粗精製物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),1.86(3H,s),2.07(3H,s),2.11(6H,s),2.58(2H,q,J=7.6Hz),3.73(2H,s),3.75−3.84(1H,m),4.24−4.30(1H,m),5.16(2H,s),5.19−5.28(3H,m),5.56−5.60(1H,m),6.75(2H,d,J=8.8Hz),7.05(4H,s),7.15(2H,d,J=8.8Hz).ESI−MS(m/z)[721(M+H)+].
工程4
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例3−Aの工程5と同様に、4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドより目的物を得た。(91% in 2steps)1H−NMR(300MHz,CD3OD)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.57(2H,q,J=7.6Hz),3.36−3.44(4H,m),3.66−3.82(2H,m),3.76(3H,s),3.82(2H,s),5.24(2H,s),5.33−5.36(1H,m),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.07(4H,s),7.12(2H,d,J=8.5Hz).ESI−MS(m/z)[553(M+H)+],[551(M−H)−].
(製造例6−A)
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−[(4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド0.18g(0.32mmol)を2,4,6−コリジン2mlに溶かし、−50℃に冷却した。クロロ炭酸メチル0.035ml(0.45mmol)を加え1時間掛けて室温まで昇温した。27時間後、酢酸エチル20ml,1M HCl水溶液20mlを加えて、酢酸エチルで抽出した。乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム(ヘキサン→酢酸エチル)で精製して、目的物0.12g(0.20mmol)を得た。(62%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7.6Hz),2.26(1H,d,J=2.3Hz),2.61(2H,q,J=7.6Hz),2.69(1H,s),2.86(1H,s),3.45−3.61(4H,m),3.73(1H,d,J=15.2Hz),3.80(3H,s),3.80(3H,s),3.88(1H,d,J=15.2Hz),4.37(1H,d,J=12.3Hz),4.49(1H,dd,J=12.3,3.0Hz),5.19(2H,s),5.20(1H,d,J=7.6Hz),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.10(4H,s),7.16(2H,d,J=8.5Hz).
(製造例7−A)
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールの合成
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−トリフルオロメチル−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾール0.079g(0.21mmol)、フェニルボロン酸0.049g(0.40mmol)、無水酢酸銅(II)0.057g(0.32mmol)、乾燥ジクロロメタン5mlに溶解し、モレキュラーシーブズ4A粉末0.15g、ピリジン0.032ml(0.40mmol)を加えて、室温で一晩撹拌した。反応液をシリカゲルカラム(ヘキサン→ヘキサン:ジクロロメタン=5:1〜3:1)で精製、主生成物を分取して、目的物を得た。0.074g(0.16mmol)。(80%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.27(6H,s),0.96(9H,s),1.21(3H,t,J=7.6Hz),2.61(2H,q,J=7.6Hz),3.84(2H,s),7.11(2H,J=8.3Hz),7.18(2H,J=8.3Hz),7.35−7.45(5H,m).ESI−MS(m/z)[461(M+H)+],[459(M−H)−].
工程2
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールの合成
製造例3−Aの工程3と同様に、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−(トリフルオロメチル)−3−O−t−ブチルジメチルシリル−1H−ピラゾールを用いて目的物を得た(95%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.22(3H,t,J=7.6Hz),2.62(2H,q,J=7.6Hz),3.81(2H,s),7.10(2H,d,J=8.1Hz),7.17(2H,d,J=8.1Hz),7.35−7.50(5H,m),10.40−10.80(1H,br−s).ESI−MS(m/z)[347(M+H)+],[345(M−H)−].
工程3
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例3−Aの工程4と同様に、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾールを用いて、目的物の粗精製物を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.21(3H,t,J=7.6Hz),1.90(3H,s),2.02(3H,s),2.03(3H,s),2.04(3H,s),2.61(2H,q,J=7.6Hz),3.80−3.90(2H,s and 1H,m),4.10−4.30(2H,m),5.15−5.36(3H,m),5.68(1H,d,J=7.5Hz),7.10(2H,d,J=8.3Hz),7.15(2H,d,J=8.3Hz),7.38−7.47(5H,m).ESI−MS(m/z)[677(M+H)+].
工程4
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例3−Aの工程5と同様にと同様に、4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの粗精製物を用いて、目的物を得た。(84% in 2steps)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.19(3H,t,J=7.6Hz),2.60(2H,q,J=7.6Hz),3.15−3.35(4H,m),3.45−3.55(1H,m),3.69(1H,dd,J=11.4,5.7Hz),3.85(1H,d,J=15.6Hz),3.92(1H,d,J=15.6Hz),4.55(1H,t,J=5.7Hz),5.03(1H,d,J=4.5Hz),5.13(1H,d,J=3.9Hz),5.35(1H,d,J=7.5Hz),5.41(1H,d,J=4.5Hz),7.17(2H,d,J=8.3Hz),7.22(2H,d,J=8.3Hz),7.47−7.62(5H,m).ESI−MS(m/z)[509(M+H)+],[507(M−H)−].
(製造例8−A)
4’−[(4’−エチルフェニル)メチル]−1’−フェニル−5’−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例4−Aと同様に、4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドを用いて、目的物を得た。(71%)
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.22(3H,t,J=7.6Hz),2.18(1H,br),2.62(2H,q,J=7.6Hz),2.72(1H,br),2.89(1H,br),3.45−3.63(4H,m),3.78(3H,s),3.81(1H,d,J=15.6Hz),3.98(1H,d,J=15.6Hz),4.37(1H,dd,12.0,1.7Hz),4.49(1H,dd,12.0,3.6Hz),5.32(1H,d,J=7.2Hz),7.14(2H,d,J=8.3Hz),7.19(2H,d,J=8.3Hz),7.39−7.47(5H,m).ESI−MS(m/z)[567(M+H)+],[565(M−H)−].
(製造例9−A)
4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
エチル2−[(3−フルオロ−4−メトキシ)ベンジル]−3−オキソブチレートの合成
アセト酢酸エチル1.69g(13.0mmol)、ヨウ化ナトリウム9.6g(65mmol)をアセトニトリル100mlに溶かし、0℃に冷却した。次いで、トリメチルシリルクロライド8.2ml(65mmol)をゆっくりと加えた。10分後、3−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド2.0g(13.0mmol)を3回に分けて加えた。10分後、室温に戻して攪拌を続けた。6時間後に60℃のバスに移して一晩攪拌した。反応液を冷却後、水250ml,酢酸エチル250ml,飽和食塩水50mlを加えて、分液ろうとを用いて、酢酸エチル層を抽出した。得られた有機層を飽和亜硫酸ナトリウム水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc−Hex;1:4)で精製して、目的物2.54g(9.5mmol)を得た。収率73%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:6.82−6.96(3H,m),4.12−4.20(2H,m),3.86(3H,s),3.71(1H,t,J=7.8),3.08(2H,d,J=8.1),2.20(3H,s),1.23(3H,t,J=7.2).
工程2
1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オンの合成
エチル2−[(3−フルオロ−4−メトキシ)ベンジル]−3−オキソブチレート2.54g(9.5mmol)をトルエン50mlに溶かし、含水ヒドラジン0.72g(14.2mmol)を加えて、100℃で一晩攪拌した。反応液を冷却し、析出す白色固体を濾別した。真空ポンプで乾燥させて目的物1.86g(7.9mmol)を得た。収率83%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.00(1H,t,J=8.4),6.86−6.94(2H,m),3.75(3H,s),3.46(2H,s),1.98(3H,s).ESI−MS(m/z):237[(M+H)+],235[(M−H)−].
工程3
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノシド2.3g(4.2mmol)、1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン1.0g(4.2mmol)、トリフェニルホスフィン1.1mg(4.2mmol)を乾燥THF(安定剤不含)40mlに溶解し、氷冷下、アゾジカルボン酸ジエチル40%トルエン溶液1.9ml(4.2mmol)を加えて一晩室温で撹拌した。反応液を濃縮後、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=2:3)により精製後、減圧濃縮して目的物2.2g(2.9mmol)を得た。収率70%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.10−7.32(20H,m),6.78−6.92(2H,m),6.67(1H,t,J=8.1),5.51(1H,d,J=7.5),4.46−4.92(10H,m),3.60−3.76(6H,m),3.71(3H,s),2.07(3H,s).ESI−MS(m/z):759[(M+H)+],757[(M−H)−].
工程4
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド2.2g(2.9mmol)をジメチルホルムアミド44mlに溶かし、炭酸セシウム9.6g(29.5mmol)、ヨウ化イソプロピル2.5g(14.8mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。
水200ml,飽和食塩水50ml,ジクロロメタン300mlを加えて、分液ろうとで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により精製後、減圧濃縮して目的物1.7g(2.2mmol)を得た。収率74%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.12−7.32(20H,m),6.80−6.92(2H,m),6.68(1H,t,J=8.4),5.47(1H,d,J=7.2),4.74−4.94(5H,m),4.44−4.64(5H,m),4.24−4.32(1H,m),3.73(3H,s),3.60−3.72(6H,m),2.06(3H,s),1.38(3H,t,J=7.5).ESI−MS(m/z):801[(M+H)+].
工程5
4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド1.7g(2.2mmol)をエタノール70mlに溶かし、20%水酸化パラジウム−カーボン1.0gを加えた。水素雰囲気下、2時間攪拌した。反応液をフィルターセルで濾過し、濾液を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(15%メタノール:ジクロロメタン)により精製後、減圧濃縮して目的物828mg(1.9mmol)を得た。収率88%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:6.92−7.04(3H,m),5.20(1H,d,J=4.5),5.11(1H,d,J=7.2),5.02(1H,d,J=3.6),4.93(1H,d,J=4.5),4.41(1H,t,J=5.7),4.28−4.40(1H,m),3.77(3H,s),3.56−3.66(1H,m),3.42−3.52(1H,m),3.08−3.24(4H,m),2.07(3H,s),1.24−1.30(3H,m).ESI−MS(m/z):[441(M+H)+].
(製造例10−A)
4’−[(3’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
4−[(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド820mg(1.9mmol)をコリジン8mlに溶かし、0℃に冷却した。10分後、クロロ炭酸メチル0.22mlを加えて、7時間攪拌した。2N HClで中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、減圧濃縮して目的物303mg(0.61mmol)を得た。収率33%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:6.80−6.92(3H,m),5.02(1H,d,J=8.1),4.40(2H,s),4.22−4.34(1H,m),3.85(3H,s),3.78(3H,s),3.44−3.66(6H,m),2.08(3H,s),1.38(6H,d,J=6.6).ESI−MS(m/z):[499(M+H)+].
(製造例11−A)
4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
エチル2−[(2−フルオロ−4−メトキシ)ベンジル]−3−オキソブチレートの合成
製造例9工程1と同様にして、2−フルオロ−4−メトキシベンズアルデヒド3.0gを用いて、目的物3.4g(12.7mmol)を得た。収率65%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.07(1H,t,J=8.7),6.40−6.62(2H,m),4.10−4.20(2H,m),3.79(1H,t,J=7.8),3.77(3H,s),3.04−3.18(2H,m),2.21(3H,s),1.21(3H,t,J=7.2).
工程2
1,2−ジヒドロ−4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オンの合成
製造例9−Aの工程2と同様にして、エチル2−[(2−フルオロ−4−メトキシ)ベンジル]−3−オキソブチレート3.4gを用いて、目的物2.46g(10.4mmol)を得た。収率83%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.02(1H,t,J=8.7),6.72(1H,dd,J=2.4,12.0),6.66(1H,d,J=2.7,8.4),3.71(3H,s),3.47(2H,s),1.99(3H,s).ESI−MS(m/z):237[(M+H)+],235[(M−H)−].
工程3
4’−[(2’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程3と同様にして、1,2−ジヒドロ−4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン1.0g(4.2mmol)を用いて、目的物2.6g(3.46mmol)を得た。収率82%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.12−7.32(20H,m),6.99(1H,t,J=9.0),6.50(1H,dd,J=2.4,11.7),6.42(1H,dd,J=2.7,8.4),5.54(1H,d,J=7.2),4.44−4.92(8H,m),3.60−3.76(8H,m),3.62(3H,s),2.09(3H,s).ESI−MS(m/z):759[(M+H)+],757[(M−H)−].
工程4
4’−[(2’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程4と同様にして、4’−[(2’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド212mg(0.28mmol)を用いて、目的物157mg(0.19mmol)を得た。収率70%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.14−7.30(20H,m),6.99(1H,t,J=8.7),6.49(1H,dd,J=2.4,11.7),6.41(1H,dd,J=2.4,8.7),5.50(1H,d,J=7.5),4.74−4.96(5H,m),4.46−4.66(5H,m),4.22−4.32(1H,m),3.64(3H,s),3.60−3.74(6H,m),2.08(3H,s),1.37(6H,t,J=6.6).ESI−MS(m/z):801[(M+H)+].
工程5
4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程5と同様にして、4’−[(2’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド150mg(0.19mmol)を用いて、目的物80mg(0.18mmol)を得た。収率97%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.09(1H,t,J=9.0),6.73(1H,dd,J=2.7,12.3),6.66(1H,dd,J=2.7,8.7),5.18(1H,d,J=4.8),5.11(1H,d,J=7.5),5.01(1H,d,J=4.2),4.91(1H,d,J=4.2),4.42(1H,t,J=6.0),4.30−4.38(1H,m),3.72(3H,s),3.53(2H,s),3.42−3.66(2H,m),3.06−3.24(4H,m),2.07(3H,s),1.28(3H,d,J=2.7),1.26(3H,d,J=2.7).ESI−MS(m/z):441[(M+H)+],439[(M−H)−].
(製造例12−A)
4’−[(2’−フルオロ−4’−メトキシフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
4−[(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド1.1g(2.42mmol)を用いて、目的物380mg(0.76mmol)を得た。収率31%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.08(1H,t,J=8.4),6.52−6.62(2H,m),5.02(1H,d,J=7.8),4.64(1H,brs),4.40(2H,d,J=2.4),4.24−4.33(1H,m),3.77(3H,s),3.75(3H,s),3.59(3H,s),3.10−3.66(6H,m),1.38(3H,s),1.35(3H,s).
(製造例13−A)
4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
エチル2−[(3−フルオロ−4−メチル)ベンジル]−3−オキソブチレートの合成
製造例9−Aの工程1と同様にして、3−フルオロ−4−メチルベンズアルデヒド3.0g(21.7mmol)を用いて、目的物4.5g(17.9mmol)を得た。収率82%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.06(1H,t,J=8.1),6.78−6.88(2H,m),4.15(2H,q,J=6.9),3.73(1H,t,J=7.8),3.10(1H,d,J=7.8),2.22(3H,s),2.19(3H,s),1.22(3H,t,J=6.9).
工程2
1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オンの合成
製造例9−Aの工程2と同様にして、エチル2−[(3−フルオロ−4−メチル)ベンジル]−3−オキソブチレート2.84g(11.3mmol)を用いて、目的物2.3g(10.5mmol)を得た。収率93%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.11(1H,d,J=8.4),6.81−6.89(2H,m),3.49(2H,s),2.13(3H,s),1.98(3H,s).ESI−MS(m/z):221[(M+H)+]
工程3
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
2,3,4,6−O−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド2.1g(5.0mmol)、1,2−ジヒドロ−4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン1.1g(5.0mmol)、炭酸銀1.38g(5mmol)を乾燥THF(安定剤不含)50mlに溶解し、遮光下、65℃で一晩撹拌した。反応液をフィルターセルで濾過し、ジクロロメタンを加え、水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により精製した。減圧濃縮して目的物1.1g(2.0mmol)を得た。収率40%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.03(1H,t,J=7.5),6.82(1H,dd,J=1.2,7.8),6.74(1H,dd,J=1.5,10.8),5.59(1H,d,J=8.1),5.16−5.30(3H,m),4.31(1H,dd,J=3.9,12.3),4.12(1H,,dd,J=2.1,12.3),3.82−3.88(1H,m),3.63(1H,d,J=15.9),3.54(1H,d,J=15.9),2.20(3H,d,J=1.5),2.11(3H,s),2.06(3H,s),2.03(3H,s),2.02(3H,s),1.91(3H,s).ESI−MS(m/z):551[(M+H)+],549[(M−H)−].
工程4
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド290mg(0.53mmol)をジメチルホルムアミド6mlに溶かし、炭酸セシウム1.7g(5.2mmol)、ヨウ化イソプロピル447mg(2.6mmol)を加えて、室温で一晩攪拌した。水、飽和食塩水、ジクロロメタンを加えて、分液ろうとで有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル:ヘキサン=1:3)により精製後、減圧濃縮して目的物165mg(0.28mmol)を得た。収率53%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.02(1H,t,J=7.8),6.82(1H,d,J=7.8),6.74(1H,d,J=10.8),5.79(1H,d,J=8.1),5.12−5.34(3H,m),4.18−4.32(2H,m),4.06−4.16(1H,m),3.78−3.88(1H,m),3.48−3.64(2H,m),2.19(3H,s),2.07(3H,s),2.06(3H,s),2.04(3H,s),2.02(3H,s),1.93(3H,s).ESI−MS(m/z):593[M+].
工程5
4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド56mg(0.09mmol)をメタノール0.2ml,テトラヒドロフラン0.4mlに溶かし、1N LiOH 0.38mlを0℃で加えた。1時間攪拌して、水、酢酸エチルを加えて、有機層を抽出した。乾燥濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(15%メタノール:ジクロロメタン)により精製後、減圧濃縮して目的物34mg(0.08mmol)を得た。収率85%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.11(1H,t,J=8.4),5.19(1H,d,J=4.8),5.09(1H,d,J=7.5),4.99(1H,d,J=3.9),4.91(1H,d,J=4.2),4.41(1H,t,J=5.7),4.28−4.38(1H,m),3.56(2H,m),3.54−3.64(1H,m),3.40−3.50(1H,m),3.06−3.24(4H,m),2.13(3H,s),2.05(3H,s),1.26(3H,d,J=3.0),1.24(3H,d,J=3.0).ESI−MS(m/z):425[(M+H)+],423[(M−H)−].
(製造例14−A)
4’−[(3’−フルオロ−4’−メチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例12−Aと同様にして、4−[(3−フルオロ−4−メチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド334mg(0.787mmol)を用いて、目的物283mg(0.59mmol)を得た。収率75%。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.26(3H,d,J=6.3Hz),1.28(3H,d,J=6.3Hz),2.07(3H,s),2.15(3H,s),3.09−3.41(4H,m),3.56(2H,s),4.10(1H,dd,J=6.0,11.4Hz),4.29(1H,dd,J=1.8,11.7Hz),4.34(1H,m),5.10(1H,d,J=7.8Hz),5.13(1H,d,J=5.1Hz),5.24(1H,d,J=5.1Hz),5.31(1H,d,J=5.1Hz),6.89−7.13(3H,m).ESI−MS(m/z):483[M+H]+481[(M−H)−]
(製造例15−A)
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
工程1
エチル2−(4−エチルベンジル)−3−オキソブチレートの合成
製造例9−Aの工程1と同様にして、4−エチルベンズアルデヒド3.0gを用いて、目的物3.9g(15.7mmol)を得た。収率70%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:4.15(2H,q,J=7.2),3.76(1H,t,J=7.5),3.12(2H,d,J=8.1),2.60(2H,q,J=7.8),2.19(3H,s),1.21(6H,t,J=7.2).
工程2
1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル)メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オンの合成
製造例9−Aの工程2と同様にして、エチル2−(4−エチルベンジル)−3−オキソブチレート3.9gを用いて、目的物3.1g(14.3mmol)を得た。収率91%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.06(4H,s),3.49(2H,s),2.52(2H,q,J=7.8),1.99(3H,s),1.33(3H,t,J=7.5).ESI−MS(m/z):217[(M+H)+],215[(M−H)−].
工程3
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程3と同様にして、1,2−ジヒドロ−4−[(4−エチルフェニル))メチル]−5−メチル−3H−ピラゾール−3−オン1.0g(4.6mmol)を用いて、目的物2.3g(3.1mmol)を得た。収率62%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.10−7.34(20H,m),7.07(2H,d,J=8.4),6.97(2H,d,J=8.4),5.23(1H,d,J=6.9),4.44−5.00(8H,m),3.56−3.80(8H,m),2.50(2H,q,J=7.5),2.08(3H,s),1.13(3H,t,J=7.5).ESI−MS(m/z):739[(M+H)+],737[(M−H)−].
工程4
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程4と同様にして、4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド1.9g(2.6mmol)を用いて、目的物1.6g(2.0mmol)を得た。収率79%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.14−7.38(20H,m),7.07(2H,d,J=8.1),6.97(2H,d,J=8.1),5.47(1H,d,J=7.5),4.20−5.00(9H,m),3.60−3.76(8H,m),2.52(2H,q J=7.8),2.07(3H,s),1.37(6H,t,J=6.9),1.14(3H,t,J=8.1):781[(M+H)+].
工程5
4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aの工程5と同様にして、4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−テトラベンジル)−β−D−グルコピラノシド1.6g(2.0mmol)を用いて、目的物743mg(1.8mmol)を得た。収率87%
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.09(2H,d,J−7.8),7.03(2H,d,J=7.8),5.18(1H,brd,J=4.5),5.11(1H,d,J=6.9),4.84−5.02(2H,m),4.26−4.44(3H,m),3.40 3.64(3H,m),3.04−3.26(4H,m),2.51(2H,q,J=7.5),2.06(3H,s),1.25(6H,d,J=6.6),1.14(3H,t,J=5.7):421[(M+H)+],419[(M−H)−].
(製造例16−A)
4’−[(4−エチルフェニル)メチル]−1’−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3’−O−(6−カルボメトキシ)−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例10−Aと同様にして4−[(4−エチルフェニル)メチル]−1−イソプロピル−5’−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド702mg(1.67mmol)を用いて、目的物570mg(1.2mmol)を得た。収率71%
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:7.08(4H,s),4.99(1H,d,J=7.5),4.24−4.48(4H,m),3.77(3H,s),3.44−3.68(6H,m),2.94−3.16(2H,m),2.58(2H,q,J=7.8),2.09(3H,s),1.36(6H,d,J=6.6),1.20(3H,t,J=7.8)ESI−MS(m/z):479[(M+H)+],477[(M−H)−].
製造例1−A〜16−Aの化合物の構造を下記に示す。
(参考製造例1)(WO01/16147の実施例35)
4−[(4−イソプロポキシフェニル)メチル]−5−メチル−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
製造例9−Aに記載の方法によって合成した。収量253mg
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:7.07(1H,d,J=8.4),6.75(1H,d,J=8.4),5.12−5.20(2H,m),5.00(1H,d,J=3.9),4.92(1H,d,J=3.9),4.42−4.56(2H,m),3.58−3.68(1H,m),3.51(2H,s),3.42−3.54(1H,m),3.06−3.24(4H,m),2.00(3H,s),1.22(6H,d,J=6.3)ESI−MS(m/z):409[(M+H)+],407[(M−H)−].
参考製造例1の化合物の構造を下記に示す。
(試験例1A)
糖取り込み阻害作用の評価
被試験化合物を100mM Mannitol−10mM HEPES/Tris(pH7.4)に溶かして種々の濃度の溶液を調製した。
ラット腎臓より腎刷子縁膜を調製し、被試験化合物の溶液を添加して37℃で30分間インキュベートした。次いで14C−D−グルコースを添加して1分間インキュベートした。1mMのフロリジンを含む溶液で糖取り込み反応を停止させ、腎刷子縁膜内に取り込まれた14C−D−グルコースの14Cの比活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。阻害強度はナトリウムに依存しない糖取り込み量を対照群および検体群の糖取り込み量から減じて算出した。結果を表1Aに示す。
(試験例2A)
ラット尿糖排出作用の評価
5週齢の雄性Wistarラット(日本チャールスリバー株式会社より購入)を約一週間代謝ケージで予備飼育した後に実験に用いた。被験化合物をオリーブオイルに懸濁して、ラットの体重1kgあたり5mlを投与した。
ラットを4時間絶食後、午前11時に被験化合物をラットに経口投与した。投与直後から投与24時間後までの尿を採集し、尿量を測定後、グルコースオキシダーゼ法にて尿中グルコース濃度を測定して一日あたり、個体あたりの尿へのグルコース排泄量を計算した。結果を表2Aに示す。
上記から明らかのごとく、得られたピラゾール誘導体は優れた糖取り込み阻害活性ならびに尿糖排泄作用を示した。
製造例1B
工程1
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールの合成
1,2−ジヒドロ−4−((4−エチルフェニル)メチル))−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン(4)(J.Med.Chem 1996,39,3920−3928に記載の方法で調製)15.0g(55.6mmol)をジメチルホルムアミド150mlに溶かし、0℃に冷却した。t−ブチルジメチルシリルクロライド9.3g(61.1mmol)を分割して加え、次いでイミダゾール4.2g(61.1mmol)を分割して加えた。室温に戻して3時間攪拌した。反応液に水を加えて、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して、目的物21.4g(55.6mmol)を得た。(収率100%)
工程2
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)ピラゾールの合成
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール2.0g(5.2mmol)をテトラヒドロフラン20mlに溶かし、トリフェニルホスフィン1.6g(6.25mmol)、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール0.48ml(6.25mmol)を加えた。この溶液を0℃に冷却し、40%ジエチルアゾジカルボキシレート/トルエン溶液2.84ml(6.25mmol)を反応液の温度が10℃を超えないようにゆっくりと加えた。室温に戻し、2時間反応させた後、濃縮した。濃縮液に酢酸エチル−ヘキサン1:10の溶媒を加えてトリフェニルホスフィンを析出させて、濾別した。濾液を濃縮し、シリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン1:4)で精製して目的のジフルオロイソプロピル体1.95g(4.22mmol)を得た。(収率81%)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.22(6H,s),0.91(9H,s),1.13(3H,t,J=7.5),2.53(2H,q,J=7.5),3.70(2H,s),4.65(2H,brs),4.81(3H,brs),7.02(2H,d,J=8.4),7.11(2H,d,J=8.7).ESI−MS(m/z):347[(M−TBS)−]
工程3
1,2−ジヒドロ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オンの合成
3−t−ブチルジメチルシリルオキシ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)ピラゾール1.95g(4.22mmol)をテトラヒドロフラン30ml、0℃に冷却した。1Mテトラブチルアンモニウムフルオライド−テトラヒドロフラン溶液6.33ml(6.33mmol)をゆっくりと加えて、室温で30分攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン1:4)で精製して目的物684mg(1.96mmol)を得た。(収率46%)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.18(3H,t,J=7.5),2.58(2H,q,J=7.5),3.74(2H,s),4.70(2H,s),4.86(3H,brs),7.08(2H,d,J=7.8),7.15(2H,d,J=8.4),10.75(1H,brs).ESI−MS(m/z):347[(M−H)−]
工程4
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシドの合成
1,2−ジヒドロ−4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)−3H−ピラゾール−3−オン684mg(1.96mmol)をクロロホルム10mlに溶かし、炭酸カリウム2.2g(15.7mmol),ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド153mg(0.49mmol)を加えた。さらに、室温で攪拌しながら、2,3,4,6−テトラアセチル−α−D−グルコピラノシルブロマイド1.2g(2.94mmol)をくわえた。反応液を室温で一晩攪拌した。1N塩酸水で中和し、飽和食塩水を加えて、ジクロロメタンで3回抽出した。有機相を乾燥、濃縮し、シリカゲルカラム(酢酸エチル−ヘキサン1:2)で精製して目的物2.51g(3.7mmol)を得た。(アセトブロモグルコースとの混合物)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.13(3H,t,J=7.5),1.89(3H,s),1.96(3H,s),1.97(3H,s),2.00(3H,s),2.53(2H,q,J=7.5),3.69(2H,s),3.98−4.04(1H,m),4.11−4.19(3H,m),4.69(1H,t,J=5.7),4.84(1H,t,J=6.6),4.96−5.11(3H,m),5.46(1H,t,J=9.6),5.85(1H,d,J=8.1),6.98(2H,d,J=8.1),7.09(2H,d,J=8.1),ESI−MS(m/z):679[(M+H)+]
工程5
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシドの合成
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(2,3,4,6−O−テトラアセチル)−β−D−グルコピラノシド1.33g(1.96mmol)をテトラヒドロフラン2ml,メタノール2mlに溶かし、1N水酸化リチウムを加えて室温で攪拌した。30分後、1N塩酸水で中和して飽和食塩水を加えた。酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濃縮後、シリカゲルカラム(メタノール−ジクロロメタン1:10)で精製して目的物1.52g(2.98mmol)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.14(3H,t,J=7.5),2.54(2H,q,J=7.5),3.19−3.25(4H,m),3.47(1H,m),3.61−3.66(1H,m),3.77(2H,s),4.47(1H,t,J=6.0),4.66(1H,t,J=4.8),4.82(1H,t,J=4.8),4.83−4.97(1H,m),4.97(1H,d,J=3.0),5.08(1H,d,J=4.2),5.23(1H,d,J=7.5),5.36(1H,d,J=4.8),7.09(4H,s),ESI−MS(m/z):509[(M−H)−]
製造例2B
4’−((4’−エチルフェニル)メチル)−1’−(1’,3’−ジフルオロ−2’−プロピル)−5’−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド)の合成
4−((4−エチルフェニル)メチル)−1−(1,3−ジフルオロ−2−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−3−O−β−D−グルコピラノシド700mg(1.37mmol)を2,4,6−コリジン10mlにとかし、−10℃に冷却した。この溶液にクロロ炭酸メチル0.13ml(1.64mmol)を加えて、−10℃で一晩反応させた。2N塩酸で中和し、飽和塩化ナトリウム水を加えて、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を1N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水、塩化ナトリウム水、の順に洗浄し、乾燥、濃縮した。シリカゲルカラム(5%MeOH−CH2Cl2)で精製して目的物526mgを得た。(68%)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.14(3H,t,J=7.5),2.53(2H,q,J=7.5),3.15−3.30(4H,m),3.46−3.51(1H,m),3.75(2H,s),4.12(1H,d,J=11.7),4.32(1H,d,J=11.7),4.64−4.68(2H,m),4.80−4.83(2H,m),4.91(1H,m),5.21(1H,d,J=4.2),5.22(1H,d,J=7.8),5.31(1H,d,J=5.7),5.46(1H,d,J=4.8),7.08(4H,s).ESI−MS(m/z):569[(M+H)+],567[(M−H)−].
製造例1Bおよび2Bの化合物の構造を下記に示す。
(試験例1B)
ラット尿糖排出作用の評価
5週齢の雄性Wistarラット(日本チャールスリバー株式会社より購入)を約一週間代謝ケージで予備飼育した後に実験に用いた。被験化合物をオリーブオイルに懸濁して、ラットの体重1kgあたり5mlの投与量となるように投与液を作製した。ラットを4時間絶食後、午前11時に被験化合物をラットに10、30および100mg/kg経口投与した。投与直後から投与24時間後までの尿を採集し、尿量を測定後、グルコースオキシダーゼ法にて尿中グルコース濃度を測定して一日あたり、個体あたりの尿へのグルコース排泄量を計算した。陽性対象として3−(5−ベンゾ[b]フラニル)−2’−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシルオキシ)−6’−ヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン〔別名:3−(ベンゾ[b]フラン−5−イル)−2’,6’−ジヒドロキシ−4’−メチルプロピオフェノン2’−O−(6−O−メトキシカルボニル−β−D−グルコピラノシド)〕を用いた。結果を表1Bに示す。
上記から明らかのごとく、得られたピラゾール−O−グリコシド誘導体は経口投与で、かつ低用量で優れた尿糖排泄作用を示した。
産業上の利用可能性
本発明の糖尿病予防・治療剤によって、従来の血糖降下剤の使用では得られない糖尿病治療効果、詳細には、従来の血糖降下剤の使用では得られない血糖降下パターンおよび長期投与後にも従来の抗糖尿病薬投与よりも著しい抗糖尿病作用が得られることから、本発明は血糖を指標として判断される疾患の予防または治療に極めて有用である。
本出願は、日本で出願された特願2002−127691号を基礎としており、その内容は本明細書中に全て包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例Iにおけるグリベンクラミドと腎糖再吸収阻害剤Aの併用効果を示すグラフである(平均値±標準偏差、各群N=6)。
図2は、実施例Iにおけるナテグリニドと腎糖再吸収阻害剤Bの併用効果を示すグラフである(平均値±標準偏差、各群N=6)。
図3は、実施例IIにおけるメトホルミンと腎糖再吸収阻害剤Aの併用効果を示すグラフである(平均値±標準偏差、各群N=4)。
図4は、実施例IIIにおけるグリベンクラミドと腎糖再吸収阻害剤Aの併用効果を示すグラフである(平均値±標準偏差、各群N=8、*,#:P<0.05、**,##:P<0.01、*,**:賦形剤群との有意差)。
図5は、実施例Vにおけるメトホルミンと腎糖再吸収阻害剤Aの併用効果を示すグラフである(平均値±標準偏差、各群N=6、**,##:P<0.01、**:賦形剤群との有意差)。
Claims (16)
- 腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなり、該腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(1)および(2)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がグリベンクラミド、ナテグリニドまたはメトホルミンである、糖尿病予防・治療剤。
Yは低級アルキル基、フルオロ低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Zは置換されていてもよい環状アルキル基、置換されていてもよい環状不飽和アルキル基、不飽和結合を有する低級アルキル基、置換されていてもよい環状アルキル基を有する低級アルキル基または置換されていてもよい環状不飽和アルキル基を有する低級アルキル基を表し、
R1、R2、R4及びR5の一つはハロゲノ基を表し、残りの基は水素原子を表し、
R3は炭素数1〜6の低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、
nは0から3の整数を表す〕。 - 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Zが置換されていてもよい環状アルキル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1)および(2)において、Yがトリフルオロメチル基であり、nが1であり、Xがβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤と血糖降下剤とを組み合わせてなり、該腎糖再吸収阻害剤が、下記一般式(1A)および(2A)で表されるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種であり、血糖降下剤がグリベンクラミド、ナテグリニドまたはメトホルミンである、糖尿病予防・治療剤。
Y1は低級アルキル基またはパーフルオロ低級アルキル基を表し、
Z1は水素原子、低級アルキル基、パーフルオロ低級アルキル基、置換されていてもよいアラルキル基または置換されていてもよいフェニル基を表し、
R11、R12、R14及びR15の一つはハロゲノ基を表し、残りの基は水素原子を表し、
R13は炭素数1〜6の低級アルキル基又は低級アルコキシ基を表し、
n1は0から3の整数を表す]。 - 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルコピラノシル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 腎糖再吸収阻害剤が、一般式(1A)および(2A)において、Y1がトリフルオロメチル基であり、n1が1であり、X1がβ−D−グルクロニル基(この基は炭素数2から20のアルカノイル基、低級アルコキシカルボニル基、およびベンゾイル基から選ばれる基で1もしくは複数の水酸基がアシル化されていてもよく、また、カルボキシル基が低級アルキル基でエステル化されていてもよい)であるピラゾール誘導体ならびにそれらの医薬的に許容しうる塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項7に記載の糖尿病予防・治療剤。
- 糖尿病予防・治療剤を製造するための、請求項1〜14のいずれか1項で規定した腎糖再吸収阻害剤とグリベンクラミド、ナテグリニドまたはメトホルミンである血糖降下剤の使用。
- 請求項1〜14のいずれか1項で規定した腎糖再吸収阻害剤とグリベンクラミド、ナテグリニドまたはメトホルミンである血糖降下剤とを組み合わせてなる併用剤と、該併用剤が糖尿病の予防・治療に使用することができる、または使用すべきであることを記載した、該併用剤に関する記載物を含む、商業パッケージ。
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