以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明による入出力データ管理装置を構成する操作盤10および制御装置20のブロック図であり、制御装置20は、プログラマブル・ロジック・コントローラ(シーケンスコントローラともいう、以下、PLCと称す)30および数値制御装置(以下NC装置と称す)40とを備えている。
PLC30(第1制御装置)は、中央演算装置であるCPU31と、システムプログラム等を記憶したROM32と、ラダー回路で組まれたシーケンスプログラム等が記憶されたRAM33と、入出力(I/O)駆動回路34と、CPU31の動作タイミングを制御する動作クロックを発生する発振器35と、動作クロックを計時する時計(第1時計)36と、さらに、バスラインと接続されるバスI/F37を主たる構成としている。I/O駆動回路24は、各種制御対象に接続される。本実施の形態では、制御対象として、例えば周知のマシニングセンタと称される工作機械MTの例について説明される。
マシニングセンタMTは、位置決め制御に関する部分についてはNC装置40により互いに直交するX、Y、Zの各制御軸が制御され、この制御プロセスと連携される各種の補助機能がPLC30によりシーケンス制御される。マシニングセンタMTの場合における前記シーケンス制御の対象としては、例えば、工具主軸の起動停止、この主軸に取り付けられる工具のクランプ・アンクランプ動作、ワークパレットの割出動作、同パレットのクランプ・アンクランプ動作、クーラントや潤滑油などの各種ポンプユニットのオン・オフ制御、エアーブロー開閉弁のオン・オフ制御、さらには自動工具交換装置の起動・停止等などを含む。
さらに、これら制御対象の動作確認のための入力機器として、各種リミットスイッチ類および作業者により操作される切替スイッチや押釦スイッチがマシニングセンタMT本体の各所に配置されている。これらスイッチ類は、図1において集合的に符号38で示され、I/O駆動回路34への入力信号として同回路に接続されている。また、前記の各種制御対象にオン・オフ命令を与えるための多数の電磁リレー(出力機器)は、図1において集合的に符号39で示されており、この電磁リレー39のオン・オフ動作により対応する制御対象であるソレノイドなどの各種アクチエータが駆動される。
周知のように、PLC30は、ROM32に記憶されたシーケンス制御用のシステムプログラムに従って、RAM33に記憶されたシーケンス制御用のアプリケーションプログラム(ユーザのラダープログラム)を繰り返し実行し、制御対象であるマシニングセンタMTの種々の制御対象をシーケンス制御する。係るシーケンス制御の1例を簡単に述べると、例えば、主軸工具をクランプする場合、図略の自動工具交換装置が新工具を主軸に挿入したとき、この挿入前進端確認用のリミットスイッチ(スイッチ27のうちの1つ)の動作信号を受けて電磁リレー28のうちの1つを付勢する。これにより工具クランプ用の油圧またはエアシリンダの流体回路上の方向切替弁のソレノイドが動作され、シリンダーがクランプ動作するように制御する。
NC装置40(第2制御装置)は、CPU41と、システムプログラム等を記憶したROM42と、NC加工プログラム等が記憶されたRAM43と、サーボ駆動回路44と、CPU41の動作タイミングを制御する動作クロックを発生する発振器45と、動作クロックを計時する時計(第2時計)46と、さらにバスラインと接続されるバスI/F47を主たる構成としている。サーボ駆動回路44は、工作機械MTの前記X、Y、Zの各制御軸に取り付けられたサーボモータ48(図1では1つのみ図示)を制御する。サーボモータ48の回転軸にはエンコーダ49が取り付けられ、サーボモータ48の回転量を検出し、その検出信号をサーボ駆動回路44にフィードバックする。サーボ駆動回路44は、NC加工プログラムによる位置指令、速度指令および、エンコーダ49からのフィードバックに基づいてサーボモータ48回転量および回転速度を制御する。
このようなシーケンス制御およびNC制御の実行中においては、PLC30の制御対象およびサーボモータ48について各種の異常が発生する。このような異常は、例えば、PLC30の制御対象では、油圧或いはエア供給回路上に配置したフィルタの目詰まり、方向切替弁のソレノイドの焼付き、スプールの切替動作不良、ポンプユニット内の油量の減少、潤滑油圧力低下、リミットスイッチの故障、パレット割出動作における位置決めピンの挿入不良等などが例示される。また、サーボモータ48では、位置フィードバック、速度フィードバック、および電流フィードバックの偏差過大等などが例示される。
本発明に関連して、PLC30のRAM33には、前述した種々の異常をシーケンス動作実行中にモニタするためにモニタ用のラダープログラムが組み込まれている。PLC30は、このモニタプログラムを所定のタイムインターバル(例えば、100ミリ秒間隔)で実行する。PLC30は、このモニタプログラムの実行により、スイッチ38および電磁リレー39のオン・オフ状態(入出力データの状態)をRAM33に記憶する。さらに、PLC30は、スイッチ38および電磁リレー39のオン・オフ状態とともに、NC装置40へ出力されるNC加工プログラムの起動命令(特定出力信号)の出力状態を同時にRAM33に記憶する。RAM33は、所定回数(例えば10回)モニタプログラムが実行される間だけスイッチ27および電磁リレー28のオン・オフ状態および起動命令の出力状態のデータ(以下、PLCデータと称す)を保持可能な領域を備え、モニタプログラムが実行される毎に、最も古いPLCデータに最新のPLCデータを順次上書きして更新される。さらに、モニタプログラムの実行時には、第1時計36に計時された時刻がPLCデータとともに記憶されるようになっている。
NC装置40のRAM43にはPLC30と同様に、前述した種々の異常を数値制御動作実行中にモニタするためのモニタプログラムが組み込まれている。NC装置40は、このモニタプログラムを所定のタイムインターバル(例えば、20ミリ秒間隔)で実行し、サーボモータ48のサーボ信号およびエンコーダ49の信号、例えば、位置フィードバック値、速度フィードバック値、および電流フィードバック値等をRAM43に記憶する。さらに、NC装置40は、サーボモータ48のサーボ信号およびエンコーダ49の信号とともに、PLC30からNC装置40へ出力されるNC加工プログラムの起動命令(特定出力信号)の入力状態を同時にRAM43に記憶する。RAM43は、所定回数(例えば5回)モニタプログラムが実行されるまでの間だけサーボ信号および起動命令の入力状態のデータ(以下、サーボデータと称す)を保持可能な記憶領域を備え、モニタプログラムが実行される毎に、最も古いサーボデータに最新のサーボデータを順次上書きして更新される。さらに、モニタプログラムの実行時には、第2時計46に計時された時刻がサーボデータとともに記憶されるようになっている。
また、操作盤10は、所定のタイムインターバル(例えば、1秒間隔)で、通信ケーブルを介してPLC30のRAM32、およびNC装置40のRAM43から情報を読み出す。
前記操作盤10は図1に示すように、中央演算装置であるCPU11と、システムプログラム等を記憶したROM12と、RAM13と、フラッシュメモリ14と、CPU11に接続される操作パネル50と、制御装置20との通信用のインターフェイス(通信I/F)15とを主たる構成としている。フラッシュメモリ14は、電気的に全内容を一括消去可能なEEPROMである。このフラッシュメモリ14は、RAM13に比べて大容量の記憶空間(例えば、64Mbyte、128Mbyte等)を有するため、ファイル化したデータを、複数ファイル格納することができる。RAM13は、図1に示すように複数の領域が区画され、PLC30から得られるPLCデータを編集、ファイル化するPLCデータ編集領域13aおよびPLCデータ収集領域13b、NC装置40から得られるサーボデータを編集、ファイル化するサーボデータ編集領域13cおよびサーボデータ収集領域13d、比較データ記憶領域13eおよび、基準データ記憶領域13f等が定義され確保されている。
RAM13に確保される比較データ記憶領域13eは、比較表示の対象となるサーボデータおよびPLCデータ(以下「比較データ」という)を記憶する領域で、例えば、NC装置40から得た過去のサーボデータおよびPLCから得た過去のPLCデータをフラッシュメモリ14から選択した場合の比較データを格納する記憶空間である。
同様に、基準データ記憶領域13fは、比較データ記憶領域13eに格納された比較データに対して重ねて画面表示される、基準表示の対象となるサーボデータおよびPLCデータ(以下「基準データ」という)を記憶する領域である。この領域には、例えば、工作機械MTの出荷時に採取された正常時のサーボデータおよびPLCデータが格納される。
操作盤10は、概ね筐体形状のもので、操作バネル50を除く上述した回路機器を内蔵している。操作パネル50は、図2に示すように、操作盤10の筐体にヒンジ51により開閉可能に設けた蓋板上に構成される。パネル50は、液晶(LCD)表示板52とこの表示板52の表示画面全域をカバーするように積層されたタッチスイッチパネル53(図2参照)と、表示板52の周囲に配置された各種のハードスイッチ類54と各種のハードランプ類55からなる。例えば、スイッチ類54は、自動各個切替スイッチ、運転準備スイッチ、起動スイッチ、非常停止スイッチおよびプログラム実行スイッチからなり、ランプ類55は電源ランプ、運転中ランプ、システム異常ランプからなる。これらハードウエアにより構成されるスイッチ類54およびランプ類55は、システム全体の運転制御のために使用されるものである。操作盤10は、図2のハードスイッチ54が動作されるとき、これらスイッチ54の動作信号を通信I/F15を介してPLC30に入力し、これによりPLC30にシーケンス動作を実行させることができる。つまり、運転準備スイッチを押すと、操作盤10、PLC30およびNC装置40に電源が投与され、起動スイッチを押すと操作盤10およびPLC30が各々のシステムプログラムに従って動作する。次に、自動・各個切替スイッチを「自動」にして実行スイッチを押すと、操作盤10およびPLC30のRAM13、33に記憶されたアプリケーションプログラムが実行され、PLC30は前述したラダープログラムに基づくシーケンス制御動作の実行を開始し、工作機械MTを起動する。この場合、PLC30は、NC装置40にNC加工プログラムの起動命令を与え、これにより工作機械MTがNC加工プログラムに従って制御される。
以下、上述した本発明の特徴に係わる操作盤10のCPU11の処理機能について、図3、図4を参照して詳細に説明する。モニタ処理は、PLC30が自動モードおよび各個モードのいずれのモードで運転される間、図3に示すPLC情報収集プログラムが所定のタイムインターバルで周期的に実行されることでPLC30からPLCデータを収集する。また、このPLC情報収集プログラムの実行中に起動される図4に示すサーボ情報収集プログラムがNC装置40のサーボデータを収集する。
PLC情報収集プログラムは、先ず、ステップS100でPLC30のRAM33からPLCデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、RAM33からは、PLC30によってモニタプログラムを所定回数(例えば10回)実行して得られたスイッチ27および電磁リレー28のオン・オフ状態および起動命令の出力状態のデータ(以後、PLCデータ群と称す)が読み取られてRAM13のPLCデータ編集領域13aに一時的に格納される。ステップ102では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたPLCデータ群中からデータ収集の開始条件となる開始トリガ信号がオン状態であるデータがあるか否かを判定し、開始トリガ信号がオン状態なっているデータがあれば、ステップ104に移行し、開始トリガ信号がオン状態なっているデータがなければ、処理を終了する。この開始トリガ信号は、PLC30が工作機械MTに対して一動作サイクルの制御を開始することを示す信号であって、例えば、工作機械MTが工作物を搬入して扉が閉められるときにオン状態になるリミットスイッチの信号などが設定される。
ステップ104では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたPLCデータ群中からデータ収集の開始条件となる開始トリガ信号がオン状態であるPLCデータが記憶された時刻(開始時刻と称す)が確認され、ステップ106にて、RAM13上のPLCデータ編集領域13aから開始時刻以降に記憶されたPLCデータがPLCデータ収集領域13bに移動される。このとき、PLCデータ収集領域13bに移動されたPLCデータには、例えば年月日(YMD)と通し番号(01〜nn)にPLCデータであることを示す識別子(PLC)からなるPLCデータ固有名称YMD01.PLCが作成される。
ステップ108に移行すると、図4に示すNC装置40のサーボ信号を収集するためのサーボ信号収集プログラムが起動され、ステップ110に移行する。
ステップ110では、PLC30からPLCデータの次の読み出しタイミング(例えば1秒経過後)であるか否かが判定され、読み出しタイミングであればステップ112に移行し、読み出しタイミングでなければ、読み出しタイミングになるまで待機する。ステップ112に移行すると、PLC30のRAM33からPLCデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、PLC30のRAM33からは、前回の読み出しタイミング以降に、モニタプログラムを実行して得られたPLCデータが読み取られてRAM13のPLCデータ編集領域13aに一時的に格納される。ステップ114では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたPLCデータ群中からデータ収集の終了条件となる終了トリガ信号がオン状態であるデータがあるか否かを判定し、終了トリガ信号がオン状態なっているデータがあれば、ステップ118に移行する。終了トリガ信号がオン状態なっているデータがなければステップ116に移行して、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたPLCデータ群をPLCデータ収集領域13bに移動し、既にPLCデータ収集領域13bに格納したPLCデータとともに記憶してステップ110に戻る。終了トリガ信号は、PLC30が工作機械MTの一動作サイクルの制御を終了することを示す信号であって、例えば、工作機械MTにおいて、工作物の加工が終了して扉が開かれるときにオン状態になるリミットスイッチの信号などが設定される。
ステップ118では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたPLCデータ群中からデータ収集の終了条件となる終了トリガ信号がオン状態であるPLCデータが記憶された時刻(終了時刻と称す)が確認され、ステップ120にて、RAM13上のPLCデータ編集領域13aから終了時刻以前の時刻に記憶されたPLCデータがPLCデータ収集領域13bに移動される。この後、ステップ122にて同時に実行されているサーボ信号収集プログラムに対して終了指令を出力する。ステップ124では、PLCデータ収集領域13aに格納された開始トリガ信号が出力されてから終了トリガ信号までのPLCデータが、ステップ106で作成された固有名称(YMD01.PLC)を付されてフラッシュメモリ16にファイリングされ、動作を終了する。
図4に示すサーボ信号収集プログラムは、図3に示すPLC情報収集プログラムのステップ108で出力される開始指令によって実行を開始し、ステップ200でNC装置40のRAM43からサーボデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、RAM43からは、NC装置40によってモニタプログラムを所定回数(例えば10回)実行して得られたサーボデータ群が読み取られ、操作盤10のRAM13のサーボデータ編集領域13cに一時的に格納される。ステップ202では、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群中からデータ収集の開始条件となる起動命令のオン状態が判定され、起動命令がオン状態なっているデータがあれば、ステップ204に移行し、起動命令がオン状態なっているデータがなければ、処理を終了する。この起動命令は、PLC30がNC装置40に対してNC加工プログラムの実行開始を指令する信号である。
ステップ204では、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群中から起動命令がオン状態になったことを記憶した時刻(開始時刻と称す)が確認され、ステップ206にて、RAM13上のサーボデータ編集領域13bから開始時刻以降の時刻に記憶されたサーボデータがサーボデータ収集領域13dに移動される。このとき、サーボデータ収集領域13dに移動されたサーボデータには、前記図3に示したPLC情報収集プログラムのステップ106にて作成されたPLCデータ固有名称YMD01.PLCと同一名称で識別子の異なるNCデータ固有名称YMD01.NCが作成される。
ステップ208では、NC装置40からサーボデータの次の読み出しタイミング(例えば1秒経過後)であるか否かが判定され、読み出しタイミングであればステップ210に移行し、読み出しタイミングでなければ、読み出しタイミングになるまで待機する。ステップ210に移行すると、NC装置40のRAM43からサーボデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、NC装置40のRAM43からは、前回の読み出しタイミング以降に、モニタプログラムを実行して得られたサーボデータが読み取られてRAM13のサーボデータ編集領域13cに一時的に格納される。ステップ212では、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群中からデータ収集の終了条件となる起動指令のオフ状態を判定し、起動指令がオフ状態なっているデータがあれば、ステップ216に移行する。終了トリガ信号がオフ状態なっているデータがなければステップ214に移行して、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群をサーボデータ収集領域13dに移動し、既にサーボデータ収集領域13dに格納されているサーボデータとともに記憶してステップ208に戻る。起動命令のオフ状態は、NC装置40がNC加工プログラムをプログラムエンドまで実行し、PLC30に対してNC加工プログラムの実行終了を通知したことによって得られる信号変化の状態である。
ステップ216では、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群中からデータ収集の終了条件となる起動信号がオフ状態に変化したときのサーボデータが記憶された時刻(終了時刻と称す)が確認され、ステップ218にて、RAM13上のサーボデータ編集領域13cから終了時刻以前の時刻に記憶されたサーボデータがサーボデータ収集領域に移動される。この後、ステップ220では、起動信号がオン状態に変化してからオフ状態に変化するまでのサーボデータ収集領域13dに格納されたサーボデータが、ステップ206で作成された固有名称(YMD01.NC)を付されてフラッシュメモリ14にファイリングされ、ステップ222において、図3に示すPLC情報収集プログラムのステップ122から通知される終了命令を待って動作を終了する。
次に、これら図3のPLC情報収集プログラムおよび図4のサーボ情報収集プログラムの動作に基づくPLCデータおよびサーボデータの収集状態を図5のタイムチャートにて説明する。
図5に示すタイムチャートの時間T1において、操作盤10上の起動スイッチが操作されると、PLC30では、工作機械MTを制御するためのアプリケーションプログラムの起動とともにPLCデータを収集するためのモニタプログラムが起動する。また、操作盤10では、図3に示したPLC情報収集プログラムが起動される。次にPLC30では、アプリケーションプログラムの実行中において、工作機械MTの一動作サイクルの開始を示す開始トリガ信号が時間T2でオン状態になる。この開始トリガ信号がオン状態になったことにより、操作盤10は、PLCデータの収集を開始するとともに、図4に示したサーボ情報収集プログラムを起動する。このとき、操作盤10は収集を開始したPLCデータに対し、PLC固有名称(YMD01.PLC)を作成する。
そして、時間T3においてPLC30がアプリケーションプログラム中で、NC装置40に対して起動命令を出力すると、NC装置40は工作機械MTを制御するためのNC加工プログラムを起動するとともに、サーボデータを収集するためのモニタプログラムを起動する。また、操作盤10は起動命令の出力を検出してサーボデータの収集を開始するとともにPLC固有名称(YMD01.PLC)と関連づけられたNC固有名称(YMD01.NC)を作成する。
この後、PLC30のアプリケーションプログラムおよびNC加工プログラムの進行ともにPLCデータおよびサーボデータが操作盤10に収集され、時間T4において、NC加工プログラムがプログラムエンドまで実行されると、NC装置40はプログラムエンドの信号をPLC30に発信する。PLC30はNC装置40からプログラムエンドの信号を受信すると、時間T5において、起動命令をオフ状態にする。起動命令がオフ状態になったことがNC装置40に検出されると、NC装置40はサーボデータを収集するためのモニタプログラムを停止する。また、操作盤10は、起動命令がオン状態になった時間T3からオフ状態になった時間T5までに収集したサーボ情報に前記作成したNC固有名称(YMD01.NC)を付与し、フラッシュメモリ14に格納してファイル化する。
そして、時間T6において、一動作サイクルの終了を示す終了トリガ信号がオン状態になると、操作盤10は、開始トリガ信号がオン状態になった時間T2から終了トリガ信号がオン状態になった時間T6までに収集したPLCデータに前記作成したPLC固有名称(YMD01.PLC)を付与し、フラッシュメモリ14に格納してファイル化する。このように、PLC30およびNC装置40で収集されたPLCデータおよび、サーボデータは、それぞれ拡張子の異なる同一の固有名称(PLC固有名称YMD01.PLC、NC固有名称YMD01.NC)を付され、同一動作サイクル中に収集されたPLCデータおよびサーボデータであることが関連付けされ、フラッシュメモリ14に蓄積されてゆく。このようにフラッシュメモリ14に蓄積された過去のPLCデータおよびサーボデータは、画面表示の必要に応じて読み出され、RAM23の比較データ記憶領域23aや基準データ記憶領域23bに格納される。
次に、本実施の形態に係る操作盤10のPLCデータおよびサーボデータの表示作動を図6、図7に基づいて説明する。操作盤10は、前述のROM12に格納された波形表示プログラムにより制御されるため、以下、当該プログラムによる波形表示処理を説明する。
波形表示処理は、タッチスイッチパネルから情報表示が指示されることによって図6に示す波形表示プログラムを実行する。まずステップS301では、フラッシュメモリに記憶された過去データの中から所望のファイルを呼び出すための選択画面を表させ、ステップS302においてタッチスイッチパネルからの入力指示を待つ。ステップ302において、タッチスイッチパネル53からの入力があると、ステップ304に移行し、フラッシュメモリ14に格納された複数ファイルから所望のファイル(ここでは、YDM01を選択したとする)を検索する。このとき、選択された過去データのファイルYDM01には、識別子の異なるPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCがフラッシュメモリ14に記憶されていることから、これらPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCが該当ファイルとして検索される。そしてステップ306により、検索されたPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCが比較データとしてRAM13の比較データ記憶領域13eに書き込まれ、ステップ308に処理を移行する。
ステップS308では、比較データ記憶領域13eに書き込まれた比較データに基づく波形をLCD表示板52に表示する処理を行う。具体的には、例えば図7に示すように、RAM13の比較データ記憶領域13eから読み出した一方の比較データであるPLCデータに基づいて、縦軸(Y軸)にスイッチ27および電磁弁28のオンオフ状態並びにPLCからNC装置への起動指令の出力状態、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を画面上部に表示し、他方の比較データであるサーボデータに基づいて、縦軸(Y軸)にレベル(電流値、電圧値等)、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を画面下部に表示する。このとき、PLCデータの波形とサーボデータの波形は、これら両者を生成するのに用いられたPLCデータおよびサーボデータに共通して収集された起動指令を基準にして時間軸が一致させられて表示される。すなわち、PLCデータに記録された起動指令がPLC30からNC装置40へ出力されたときと、サーボデータに記録されたPLC30からNC装置40へ入力されたときの横軸(X)位置を一致させて表示される。これによってPLCデータとサーボデータが共通の時間軸で一致するので、PLCデータおよびサーボデータの時間的推移を共通の時間軸で比較することができる。
次にステップS310により、前ステップS308により表示した比較データに基づく波形に、ROM12に記憶されたPLCデータおよびサーボデータの基準データに基づく波形を重ねて表示するか否かの判断処理を行う。この判断処理は、タッチスイッチパネル53からの入力指示に基づいて行われ、基準データに基づくサーボデータ波形およびPLCデータ波形を、既にLCD表示板52に表示している比較データの波形に重ねて表示するか(Yes)、否か(No)、のいずれかから選択する。なお、基準データに基づくサーボデータ波形およびPLCデータ波形は、いずれか一方をタッチスイッチパネル53から選択可能にし、選択された基準データに基づくサーボデータ波形またはPLCデータ波形を比較データの波形に重ねて表示するようにしてもよい。
タッチスイッチパネル53からの入力指示により、ステップS310で重ね表示を行うと判断した場合には、ステップS312に処理を移行してROM12に格納されたPLCデータおよびサーボデータの基準データをRAM13の基準データ記憶領域13fに書き込み、ステップS314に処理を移行する。
ステップS314では、基準データ記憶領域13fに書き込まれた基準データに基づく波形をLCD表示板52に表示する処理を行う。具体的には、ステップS308と同様、図7に示すように、RAM23の基準データ記憶領域23bから読み出したPLCデータの基準データに基づいて、縦軸(Y軸)にスイッチ27および電磁弁28のオン・オフ状態並びにPLC30からNC装置40への起動指令の出力状態、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を、既にLCD表示板52に表示されているPLCデータの比較データの波形(同図で画面上部に実線表示された波形)と同一の表示枠内で重ねて表示する(同図で破線表示された波形)。また、RAM13の基準データ記憶領域13fから読み出したサーボデータの基準データに基づいて、縦軸(Y軸)にレベル(電流値、電圧値等)、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を、既にLCD表示板52に表示されているPLCデータの比較データの波形(同図で画面下部に実線表示された波形)と同一の表示枠内で重ねて表示する(同図で破線表示された波形)。なお、このとき、PLCデータの基準波形とサーボデータの基準波形は、これら両者を生成するのに用いられたPLCデータおよびサーボデータに共通して記憶される起動指令を基準にして時間軸が一致させられて表示される。すなわち、PLCデータに記録された起動指令がPLC30からNC装置40へ出力されたときと、サーボデータに記録されたPLC30からNC装置40へ入力されたときの横軸(X)位置が一致させて表示される。これによってPLCデータおよびサーボデータの過去データおよび基準データが共通の時間軸で一致するので、簡便かつ迅速に基準データと過去データを比較し得る。
一方、タッチスイッチパネル53からの入力指示により、ステップS310で重ね表示を行うものではないと判断した場合には、重ね表示をすることなく、一連の波形表示処理を終了する。
以上のように、上述の実施の形態では、PLC30からNC装置40に出力される起動命令の状態をPLC30およびNC装置40のそれぞれで収集することにより、収集したPLCデータおよびサーボデータの関連付けを行ったが、これ以外にも収集したPLCデータおよびサーボデータの関連付けを行うことができる。
以下、他のPLCデータおよびサーボデータの関連付けの方法に係る第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、PLC30、NC装置40および操作盤10の構成は、上述の第1の実施の形態と同一であり、操作盤10で実行されるPLC情報収集プログラムとサーボ情報収集プログラムによるモニタ処理、および波形表示プログラムによる波形表示処理が異なるのみであるので、これらモニタ処理および波形表示処理について詳述する。
モニタ処理は、PLC情報収集プログラムとサーボ情報収集プログラムが実行されることによって達成され、PLC30が自動モードおよび各個モードのいずれのモードで運転される間、図8に示すPLC情報収集プログラムが所定のタイムインターバルで周期的に実行されることでPLC30からPLCデータを収集する。また、このPLC情報収集プログラムの実行と同時に起動される図9に示すサーボ情報収集プログラムがNC装置40のサーボデータを収集する。
PLC情報収集プログラムは、先ず、ステップ500において、PLC30の第1時計36に計時されている時刻(時分秒)およびNC装置40の第2時計の時刻46(時分秒)を取り込む。第1時計36と第2時計46の時刻が取り込まれると、ステップ502に移行し、第1時計36と第2時計46の時間差S0を求める。
次にステップS504でPLC30のRAM33からオン・オフ状態のデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、RAM33からは、PLC30によってモニタプログラムを所定回数(例えば10回)実行して得られたスイッチ38および電磁リレー39のオン・オフ状態のデータ(以後、オン・オフ状態データ群と称す)が読み取られ、操作盤10のRAM13のPLCデータ編集領域13aに一時的に格納される。ステップ506では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたオン・オフ状態データ群中からデータ収集の開始条件となる開始トリガ信号がオン状態であるデータがあるか否かを判定し、開始トリガ信号がオン状態なっているデータがあれば、ステップ508に移行し、開始トリガ信号がオン状態なっているデータがなければ、処理を終了する。この開始トリガ信号は、PLC30が工作機械MTに対する一動作サイクルの制御を開始することを示す信号であって、例えば、工作機械MTが工作物を搬入して扉が閉められるときにオン状態になるリミットスイッチの信号などが選択される。
ステップ508では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたオン・オフ状態データ群中からデータ収集の開始条件となる開始トリガ信号がオン状態であるオン・オフ状態データが記憶された時刻S1(開始時刻と称す)が確認され、ステップ510にて、RAM13上のPLCデータ編集領域13aから開始時刻以降の時刻に記憶されたオン・オフ状態データがPLCデータとしてPLCデータ収集領域13bに移動される。このとき、PLCデータ収集領域13bに移動されたPLCデータには、例えば年月日と通し番号からなるPLCデータ固有名称YMD01.PLCが作成される。ステップS512では、開始時刻S1を第1時計と第2時計の時間差S0で補正した補正開始時刻S1'をサーボ情報収集プログラムに通知する。
ステップ514では、PLC30からオン・オフ状態データの次の読み出しタイミング(例えば1秒経過後)であるか否かが判定され、読み出しタイミングであればステップ516に移行し、読み出しタイミングでなければ、読み出しタイミングになるまで待機する。ステップ516に移行すると、PLC30のRAM33からオン・オフ状態データを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、PLC30のRAM33からは、前回の読み出しタイミング以降に、モニタプログラムを実行して得られたPLCデータが読み取られて操作盤10のRAM13のPLCデータ編集領域13aに一時的に格納される。ステップ518では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたオン・オフ状態データ群中からデータ収集の終了条件となる終了トリガ信号がオン状態であるデータがあるか否かを判定し、終了トリガ信号がオン状態なっているデータがあれば、ステップ522に移行する。終了トリガ信号がオン状態なっているデータがなければステップ520に移行して、PLCデータ編集領域に一時的に格納されたオン・オフ状態データ群をPLCデータ収集領域に移動し、既に格納したPLCデータとともに記憶してステップ514に戻る。終了トリガ信号は、PLC30が工作機械MTに対する一動作サイクルの制御を終了することを示す信号であって、例えば、工作物の加工が終了して扉が開かれるときにオン状態になるリミットスイッチの信号などが設定される。
ステップ522では、PLCデータ編集領域13aに一時的に格納されたオン・オフ状態データ群中からデータ収集の終了条件となる終了トリガ信号がオン状態であるオン・オフ状態データが記憶された時刻S2(終了時刻と称す)が確認され、ステップ524にて、RAM13上のPLCデータ編集領域13aから終了時刻以前の時刻に記憶されたオン・オフ状態データがPLCデータ収集領域13bに移動される。この後、ステップ526に移行し、終了時刻S1を第1時計と第2時計の時間差S0で補正した補正開始時刻S2'をサーボ情報収集プログラムに通知する。
そして、ステップ528では、PLCデータ収集領域13bに格納された開始トリガ信号が出力されてから終了トリガ信号までのオン・オフ状態データが、ステップ510で作成された固有名称(YMD01.PLC)を付されてフラッシュメモリ14にファイリングされ、動作を終了する。
サーボ信号収集プログラムは、PLC情報収集プログラムとともに実行を開始し、ステップ600でNC装置40のRAM43からサーボデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、RAM43からは、NC装置40によってモニタプログラムを所定回数(例えば10回)実行して得られたサーボデータ群が読み取られ、操作盤10のRAM13のサーボデータ編集領域13cに一時的に格納される。ステップ602では、PLC情報収集プログラムから補正開始時刻S1'が通知されたか否か判定され、補正開始時刻S1'が通知されていればステップS604に移行し、通知されていなければ処理を終了する。
ステップ604では、サーボデータ編集領域に一時的に格納されたサーボデータ群中から補正開始時刻S1'と同時刻に収集されたサーボデータが確認され、補正開始時刻S1'と同時刻に収集されたサーボデータがあればステップ606に移行し、補正開始時刻S1'と同時刻に収集されたサーボデータがなければ、処理を終了する。
ステップ606では、RAM13上のサーボデータ編集領域13cから補正開始時刻S1'以降の時刻に記憶されたサーボデータがサーボデータ収集領域13dに移動される。このとき、サーボデータ収集領域13dに移動されたサーボデータには、前記図8のステップ514にて作成されたPLCデータ固有名称(YMD01.PLC)と同一名称で識別子の異なるNCデータ固有名称(YMD01.NC)が作成される。
ステップ608では、NC装置40からサーボデータの次の読み出しタイミング(例えば1秒経過後)であるか否かが判定され、読み出しタイミングであればステップ610に移行し、読み出しタイミングでなければ、読み出しタイミングになるまで待機する。ステップ610に移行すると、NC装置40のRAM43からサーボデータを通信ケーブルを介して読み出してくる。このとき、NC装置40のRAM43からは、前回の読み出しタイミング以降に、モニタプログラムを実行して得られたサーボデータが読み取られ、操作盤10のRAM13のサーボデータ編集領域31cに一時的に格納される。ステップ612では、PLC情報収集プログラムから補正終了時刻S2'が通知されたか否か判定され、補正終了時刻S2'が通知されていればステップS614に移行し、通知されていなければステップS608に戻る。ステップS614に進むと、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群中から補正終了時刻S2'と同時刻に収集されたサーボデータが確認され、補正終了時刻S2'と同時刻に収集されたサーボデータがあればステップ618に移行し、補正終了時刻S2'と同時刻に収集されたサーボデータがなければ、ステップ616に移行して、サーボデータ編集領域13cに一時的に格納されたサーボデータ群をサーボデータ収集領域13dに移動し、既にサーボデータ収集領域13dに格納されているサーボデータとともに記憶してステップS608に戻る。
ステップ618では、RAM13上のサーボデータ編集領域13aから補正終了時刻S2'以前の時刻に記憶されたサーボデータがサーボデータ収集領域13dに移動される。この後、ステップ620では、補正開始時刻S1'から補正終了時刻S2'までに収集され、サーボデータ収集領域13dに格納されたサーボデータが、ステップ606で作成された固有名称(YMD01.NC)を付されてフラッシュメモリ14にファイリングされ、動作を終了する。
このように、PLC30の第1時計36の時刻とNC装置40の第2時計46の時刻の時間差S0を求め、PLC30の第1時計36によって計時された開始時刻S1から終了時刻S2までのオン・オフ状態データを収集してファイル化するとともに、この開始時刻S1および終了時刻S2とを時間差S0で補正し、NC装置40の第2時計46で計時される時刻(補正開始時刻S1'と補正終了時刻S2')に変換し、この変換した補正開始時刻S1'から補正終了時刻S2'までに収集されたサーボデータをファイル化することにより、第1時計36における開始時刻S1から終了時刻S2までのオン・オフ状態データとサーボデータを関連付けしてファイリングすることができる。
このようにしてフラッシュメモリ14に蓄積された過去のPLCデータおよびサーボデータは、画面表示の必要に応じて読み出され、RAM13の比較データ記憶領域13eや基準データ記憶領域13fに格納される。
次に、第2の実施の形態に係る操作盤10のPLCデータおよびサーボデータの波形表示動作を図10、図12に基づいて説明する。操作盤10は、ROM12に格納された波形表示プログラムにより制御されるため、以下、当該プログラムによる波形表示処理を説明する。
波形表示処理は、タッチスイッチパネル53から情報表示が指示されることによって図10に示す波形表示プログラムを実行する。まずステップS701では、フラッシュメモリ14に記憶された過去データの中から所望のファイルを呼び出すための選択画面を表させ、ステップS702においてタッチスイッチパネル53からの入力指示を待つ。ステップ702において、タッチスイッチパネル53からの入力があると、ステップ704に移行し、フラッシュメモリ14に格納された複数ファイルから所望のファイル(ここでは、YDM01を選択したとする)を検索する。このとき、選択された過去データのファイルYDM01には、識別子の異なるPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCがフラッシュメモリに記憶されていることから、これらPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCが該当ファイルとして検索される。そしてステップ706により、検索されたPLCデータファイルYDM01.PLCおよびサーボデータファイルYDM01.NCが比較データとしてRAM13の比較データ記憶領域13eに書き込まれ、ステップ708に処理を移行する。
ステップS708では、比較データ記憶領域13eに書き込まれた比較データに基づく波形をLCD表示板52に表示する処理を行う。具体的には、例えば図11に示すように、RAM13の比較データ記憶領域13eから読み出した一方の比較データであるPLCデータに基づいて、縦軸(Y軸)にスイッチ27および電磁弁28のオン・オフ状態並びにPLCからNC装置への起動指令の出力状態、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を画面上部に表示し、他方の比較データであるサーボデータに基づいて、縦軸(Y軸)にレベル(電流値、電圧値等)、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を画面下部に表示する。このとき、PLCデータの波形とサーボデータの波形は、PLC30の第1時計36で計時された開始時刻S1から終了時刻S2の間に収集されたものであるので、両者は時間軸が一致させられて表示される。これによってPLCデータとサーボデータが共通の時間軸で一致しているので、PLCデータおよびサーボデータの時間的推移を共通の時間軸で比較できる。
次にステップS710により、前ステップS708により表示した比較データに基づく波形に、ROM12に記憶されたPLCデータおよびサーボデータの基準データに基づく波形を重ねて表示するか否かの判断処理を行う。この判断処理は、タッチスイッチパネル53からの入力指示に基づいて行われ、基準データに基づくサーボデータ波形およびPLCデータ波形を、既にLCD表示板52に表示している比較データの波形に重ねて表示するか(Yes)、否か(No)、のいずれかから選択する。なお、基準データに基づくサーボデータ波形およびPLCデータ波形は、いずれか一方をタッチスイッチパネル53から選択可能にし、選択された基準データに基づくサーボデータ波形またはPLCデータ波形を比較データの波形に重ねて表示するようにしてもよい。
タッチスイッチパネル53からの入力指示により、ステップS710で重ね表示を行うと判断した場合には、ステップS712に処理を移行してROM14に格納されたPLCデータおよびサーボデータの基準データをRAM13の基準データ記憶領域13fに書き込み、ステップS714に処理を移行する。
ステップS714では、基準データ記憶領域13fに書き込まれた基準データに基づく波形をLCD表示板52に表示する処理を行う。具体的には、ステップS708と同様、図11に示すように、RAM13の基準データ記憶領域13fから読み出したPLCデータの基準データに基づいて、縦軸(Y軸)にスイッチ38および電磁弁39のオン・オフ状態並びにPLC30からNC装置40への起動指令の出力状態、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を、既にLCD表示板52に表示されているPLCデータの比較データの波形(同図で画面上部に実線表示された波形)と同一の表示枠内で重ねて表示する(同図で破線表示された波形)。また、RAM23の基準データ記憶領域13fから読み出したサーボデータの基準データに基づいて、縦軸(Y軸)にレベル(電流値、電圧値等)、横軸(X軸)に時間をそれぞれ設定したXY平面上にプロットすることにより生成される波形を、既にLCD表示板52に表示されているPLCデータの比較データの波形(同図で画面下部に実線表示された波形)と同一の表示枠内で重ねて表示する(同図で破線表示された波形)。なお、このとき、PLCデータの基準波形とサーボデータの基準波形は、工作機械の一動作サイクルの開始および終了が開始時刻S1と終了時刻S2に一致させられて表示される。これによってPLCデータおよびサーボデータの過去データおよび基準データが共通の時間軸で一致するので、簡便かつ迅速に基準データと過去データを比較し得る。
一方、タッチスイッチパネル53からの入力指示により、ステップS710で重ね表示を行うものではないと判断した場合には、重ね表示をすることなく、一連の波形表示処理を終了する。
10・・・操作盤、13、33、43・・・RAM、14・・・フラッシュメモリ、20・・・制御装置、30・・・PLC、34・・・I/O駆動回路、35、45・・・動作クロック、36・・・第1時計、38・・・スイッチ、39・・・電磁コイル、40・・・NC装置、46・・・第2時計、48・・・サーボモータ、49・・・エンコーダ、50・・・操作パネル、52・・・LCD表示板、53・・・タッチスイッチパネル。