JP4423712B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技機(例えばパチンコ機)は、遊技盤を備えており、当該遊技盤は、木製の基板に対し、各種絵柄や模様の施されたセル板が取着されることにより構成されている。かかる遊技盤には、多数の釘が植設されていることに加えて、役物と称される種々の取付部材が配設されている。
【0003】
中でも、図柄作動口や、一般入賞口、或いは可変入賞装置の大入賞口等の入賞口を備えた役物は、遊技球の入賞口への入賞により所定の景品球が払い出されることから、遊技者が最も注目する役物でもある。
【0004】
一般に、パチンコ機においては、各入賞口を通過した遊技球(入賞球)を、パチンコ機裏側の集合路から1列になるよう導出して、最終的には、入賞球処理装置において先行順に1球ずつ検出するとともに、排出部へと排出するようになっている。
【0005】
より詳しく説明すると、図8に示すように、図柄作動口に入賞した入賞球は、遊技盤71の裏側に設けられた図柄作動口用通路72を通って集合路70の方へ導出される。また、一般入賞口に入賞した入賞球は、一般入賞口用通路73,74を通って集合路70の方へ導出される。さらに、可変入賞装置の大入賞口に入賞した入賞球は、大入賞口用通路75を通って集合路70の方へ導出される。
【0006】
図柄作動口用通路72の途中には図柄作動口用スイッチ76が設けられ、該スイッチ76を入賞球が通過することによって、遊技球が図柄作動口に入賞したことが検出される。そして、この検出に基づいて、制御装置では、図示しない可変表示装置での図柄変動が行われたり、大当たり状態発生の判定等が行われる。また、一般入賞口用通路73,74には、一般入賞口用スイッチ77,78が設けられ、該スイッチ77,78を入賞球が通過することによって、遊技球が一般入賞口に入賞したことが検出される。さらに、大入賞口用通路の途中には大入賞口用スイッチ79及びVゾーン用スイッチ80が設けられ、該スイッチ79,80を入賞球が通過することによって、遊技球が大入賞口及びVゾーンに入賞したことが検出される。そして、これらの検出に基づいて、大入賞口への入賞個数がカウントされたり、ラウンド継続条件であるVゾーンへの入賞が確認されたりする。なお、遊技盤71には通過ゲートが設けられている場合があり、この場合には通過ゲートに対応して通過ゲート用スイッチ81,82が設けられる。該スイッチ81,82を遊技球が通過することによって、遊技球が通過ゲートを通過した旨が検出され、これを契機に図示しない普通図柄表示装置での変動表示が開始されたりする。
【0007】
さて、集合路70の方へ導出された入賞球は、入賞球処理装置90へと案内される。この入賞球処理装置90の内部には、入賞球通路が設けられ、その通路の途中に球検出スイッチ91が設けられている。そして、入賞球処理装置90内の球検出スイッチ91において、入賞球は先行順に1球ずつ検出されるとともに、排出部へと排出される。ここで、球検出スイッチ91からの信号に基づいて、制御装置は、別途パチンコ機の裏側に設けられた景品球払出装置に対し、直接的又は間接的に制御信号を出力する。この制御信号に基づいて、景品球払出装置は、所定数(例えば5個又は10個又は15個等)の景品球を払い出すようになっている。
【0008】
なお、この例では、全ての入賞口に対し、個別にスイッチ76〜80を設ける場合を紹介した(このように配設すればどの遊技球がどの入賞口に入賞したのかを判別することができ、例えば遊技場側でのデータ採りに有効となる)。これに対し、複数の通路(例えば左右の一般入賞口用通路)を1つに合流させた上で、検出スイッチを共有化することも当然行われている。
【0009】
ところで、上述した入賞球処理装置を省略することで、パチンコ機の製造にかかるコストを低減することが考えられる。すなわち、前記各スイッチ76〜80によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、所定個数の払い出しデータを作成し、当該データに基づいて景品球を払い出すのである。このような構成とすることで、つまり、入賞球処理装置を省略することで、コストの低減が図られるばかりか、景品球の払い出しがより速やかに行われうる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構成では、主たる電源からの非通電状態(停電状態を含む)等が発生することにより種々の不具合が発生してしまうおそれがあった。例えば、未だ景品球の払い出しが完了していない時点で停電等が発生すると、上記構成では機械的に入賞球数を記憶しうる入賞球処理装置の存在がないため、払い出しに関するデータも消去されてしまう。そのため、停電状態が解除された後(再通電後)、遊技者に景品球を補償しようとしても、補償すべき景品球数がわからないという事態が生じうる。その結果、遊技者に、或いは、場合によっては遊技場側に不利益が及んでしまうといった不具合が発生するおそれがあった。
【0011】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、パチンコ機等の遊技機において、各種不具合の発生を回避することのできる遊技機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するべく、本発明においては、
所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、
少なくとも前記所定の指令に関するデータを、主たる電源の非供給時においても少なくとも所定時間記憶可能な記憶手段と、
7セグ表示部を備え、当該7セグ表示部において文字又は数字を点灯表示することで、少なくとも遊技媒体の払出しに関するエラーの種別に応じた態様で所定のエラーが発生したことを報知可能な表示手段とを備えた遊技機であって、
遊技媒体の払出しに関するエラーが発生していない状態において、前記記憶手段において前記所定の指令に関するデータが記憶されている旨を前記表示手段の7セグ表示部において変動表示可能に構成し、
遊技媒体の払出しに関するエラーが発生している場合には、たとえ前記記憶手段において前記所定の指令に関するデータが記憶されていたとしても、当該所定の指令に関するデータが記憶されている旨を表示することなく前記エラーの発生をその種別に応じた態様で優先して表示可能に構成し、
前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するため、及び、前記表示手段によるエラー報知を解除するために押圧操作される単一の操作手段を具備し、
当該操作手段が押圧操作されたか否かを判定する押圧判定手段と、
前記押圧判定手段により、前記操作手段が押圧操作されたことが判定されてから第1の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により、第1の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたことが判定された場合において、
前記表示手段の7セグ表示部において前記所定のエラーの発生をその種別に応じた態様表示されており、実際にエラーが解消した場合には、前記表示を解除する一方で、
所定の指令に関するデータが記憶されている場合には、前記表示手段の7セグ表示部において変動表示する手段と、
前記押圧判定手段により、前記操作手段が押圧操作されたことが判定されてから第1の所定期間よりも長い第2の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段により、第2の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたことが判定された場合において、
前記表示手段の7セグ表示部において変動表示されている場合には、前記変動表示を解除する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
手段1.所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、少なくとも前記所定の指令に関するデータを記憶可能な記憶手段と、所定のエラーが発生したことを報知するエラー報知手段とを備え、所定の操作に基づき前記記憶手段にて記憶されたデータを消去可能とし、かつ、所定の操作に基づき前記エラー報知手段によるエラー報知を解除可能としたことを特徴とする遊技機。
【0014】
上記手段によれば、遊技媒体払出手段によって、所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体が払い出される。また、少なくとも前記所定の指令に関するデータが、記憶手段によって記憶されうる。さらに、報知手段によって、所定のエラーが発生したことが報知される。さて、上記手段では、所定の操作に基づき前記記憶手段にて記憶されたデータが消去されうる。また、所定の操作に基づき前記報知手段によるエラー報知が解除されうる。このため、電源が供給されないといったケースがあったとしても、少なくとも前記所定の指令に関するデータが記憶されているため、当該データに基づく遊技媒体の払出を行うことができる。また、前記データが無用の場合には、所定の操作が行われることに基づき前記記憶手段にて記憶されたデータが適宜消去されうる。さらに、エラーの報知が無用となった場合には、所定の操作が行われることに基づき、前記報知手段によるエラー報知が適宜解除されうる。
【0015】
手段2.所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、少なくとも前記所定の指令に関するデータを、主たる電源の非供給時においても少なくとも所定時間記憶可能な記憶手段と、所定のエラーが発生したことを報知するエラー報知手段とを備えた遊技機であって、所定の操作に基づき前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するためのスイッチング手段と、所定の操作に基づき前記エラー報知手段によるエラー報知を解除するためのスイッチング手段とを設けたことを特徴とする遊技機。
【0016】
手段3.手段2において、前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するためのスイッチング手段及び前記エラー報知手段によるエラー報知を解除するためのスイッチング手段は、共通(かつ単一)のスイッチにより構成されていることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、共通(かつ単一)のスイッチに関し所定の操作を行うことで、記憶手段にて記憶されたデータが消去されたり、エラー報知手段によるエラー報知が解除されたりする。そのため、スイッチを複数設ける場合に比べて、スペースの有効活用を図ることができ、また、コスト増大の抑制が図られる。さらに、複数のスイッチング手段が設けられた場合に、それがむやみやたらに操作されてしまうことによって起こりうる誤操作が防止されやすいものとなる。
【0017】
手段4.手段2又は3において、前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するための前記スイッチング手段の操作手法と、前記エラー報知手段によるエラー報知を解除するためのスイッチング手段の操作手法とが相異していることを特徴とする遊技機。
【0018】
手段5.手段2〜4のいずれかにおいて、前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するための前記スイッチング手段の操作及び前記エラー報知手段によるエラー報知を解除するためのスイッチング手段の操作の一方は、他方の操作を前提とするものであることを特徴とする遊技機。
【0019】
手段6.手段5において、前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するための前記スイッチング手段の操作及び前記エラー報知手段によるエラー報知を解除するためのスイッチング手段の操作の一方は、他方の操作に継続して行われるものであることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、操作を容易に行うことができる。
【0020】
手段7.所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、少なくとも前記所定の指令に関するデータを、主たる電源の非供給時においても少なくとも所定時間記憶可能な記憶手段と、所定のエラーが発生したことを報知するエラー報知手段とを備えた遊技機であって、第1の操作に基づき前記記憶手段にて記憶されたデータを消去し、第2の操作に基づき前記エラー報知手段によるエラー報知を解除しうるスイッチング手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0021】
手段8.手段7において、前記第1の操作手法と第2の操作手法とは相異していることを特徴とする遊技機。
【0022】
手段9.手段7又は8において、前記第1の操作及び第2の操作の一方は、他方の操作を前提とするものであることを特徴とする遊技機。
【0023】
手段10.手段9において、前記第1の操作及び第2の操作の一方は、他方の操作に継続して行われるものであることを特徴とする遊技機。
【0024】
手段11.手段1〜10のいずれかにおいて、所定の入力信号に基づき、前記所定の指令としての払出信号を出力して前記遊技媒体払出手段を制御する制御手段を有しているとともに、該制御手段が前記記憶手段を備えていることを特徴とする遊技機。
【0025】
手段12.手段1〜11のいずれかにおいて、前記操作に関する情報を報知可能な操作情報報知手段(例えば表示部)を有していることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段13.手段1〜12のいずれかにおいて、少なくとも主たる電源の非供給時に前記記憶手段に電源供給可能な予備電源基板を備えていることを特徴とする遊技機。
【0027】
手段14.手段13において、前記予備電源基板は、主たる電源供給用の基板とは別の部位に設けられていることを特徴とする遊技機。
【0028】
手段15.手段13又は14において、前記予備電源基板は、主たる電源電圧を蓄電可能な構成を有していることを特徴とする遊技機。
【0029】
手段16.手段1〜15のいずれかにおいて、前記エラー報知手段は、エラーの種別に応じた態様で報知するよう構成されていることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、エラーの種別を容易に認識することができ、速やかで、かつ、確実なエラー解消が図られる。なお、前記エラー報知手段は、エラーの種別毎に複数種類設けられていてもよいし、1つの報知手段でもって、種類別に報知態様を変更可能な構成となっていてもよい。
【0030】
手段17.手段16において、前記エラー報知手段は、1の種別のエラー報知が解除されたとしても、他の種別のエラーがあったときには、当該他のエラーの種別に応じた態様で報知するよう構成されていることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、複数の種別のエラーがほぼ同時期に発生した場合にも的確な対処が可能となる。
【0031】
手段18.手段1〜17のいずれかにおいて、少なくとも前記記憶手段にて記憶されたデータが消去状態又は消去状態と同等の状態にあることを報知可能な消去状態報知手段を設けたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、消去状態報知手段の存在により、少なくとも前記記憶手段にて記憶されたデータが消去状態又は消去状態と同等の状態にあるか否かを把握することができ、その把握に基づく的確な対処を行いうる。
【0032】
手段19.手段18において、前記消去状態報知手段は、前記エラー報知手段と共通かつ単一の媒体を備えていることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、1の媒体によって、少なくとも前記記憶手段にて記憶されたデータが消去状態又は消去状態と同等の状態にあること、前記エラー報知手段によるエラー報知の解除の有無を把握することが可能となる。
【0033】
手段20.手段19において、前記媒体は、視認可能な表示媒体であることを特徴とする遊技機。
【0034】
手段21.手段20において、前記表示媒体は、前記所定の操作が行われる部位の近傍に設けられていることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、表示媒体を見ながら容易に操作を行うことができる。
【0035】
手段22.手段19〜22のいずれかにおいて、前記媒体は、少なくとも前記記憶手段にて記憶されたデータが消去状態になく、かつ、エラー報知が解除された状態にあるとき、特殊な態様で報知可能となっていることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段23.手段1〜22のいずれかにおいて、前記エラー報知手段によるエラー報知の内容を説明する説明表示部を備えたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、容易にエラー報知の内容を理解しうるとともに、エラーに対する適切な対処処置をとりうる。
【0037】
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)について具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0038】
図1に示すように、外枠1には前枠2が回動軸を中心に回動可能に装着されている。同図では前枠2は閉じた状態にある。前枠2には、遊技盤3(図2参照)、遊技盤3の前方に設けられガラス板4aを有してなるガラス扉枠4、上皿5、下皿6、ハンドル7等が装着されている。上皿5の側方であって、前枠2の内部にはスピーカ8が埋設されている。スピーカ8は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を音声にて報知する。前枠2内部には各種機構部が配設されている。
【0039】
次に、遊技盤3の遊技面上の構成について説明する。図2,3に示すように、遊技盤3には、作動口ユニット11及び大入賞口ユニット12が設けられている。作動口ユニット11は、遊技媒体としての遊技球Bの作動口11a及び作動ゲート11bを備えており、その作動口11aの入口には羽根13が開閉可能に支持されている。
【0040】
また、大入賞口ユニット12は、大入賞口12a及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は、大入賞口12aの側部に設けられた図示しない大入賞口用ソレノイドにより作動させられ、大入賞口12aを開閉する。詳しくは、当該ソレノイドが励磁状態となることにより、シャッタ14が略水平に傾き、これにより大入賞口12aが開かれる。また、ソレノイドが非励磁状態となることにより、シャッタ14が略垂直状態となり、これにより大入賞口12aは閉鎖される。
【0041】
さらに、遊技盤3の側部には、一般入賞口ユニット15,16,17,18が設けられている。一般入賞口ユニット15〜18は、一般入賞口15a,16a,17a,18aを備えている。
【0042】
遊技盤3の中央部分(大入賞口ユニット12の上方)には、可変表示装置を構成する特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)19が組込まれている。表示装置19は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部19aを備えており、ここに複数の(例えば3つの)図柄列が表示される。図柄列は、基本的には、複数種類の図柄によって構成されている。これらの図柄は、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる。
【0043】
表示装置19の表示部19aでは、各図柄列の図柄変動(回転変動)が、遊技球Bの作動口11aへの入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。
【0044】
大当たり図柄は、いわゆるリーチ状態を経た後、遊技者に有利な大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列の変動が停止させられたとき、表示されている図柄の組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄が大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、「7」、「7」、「7」の図柄)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口12aが開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0045】
表示装置19において、表示部19aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ21a,21b,21c,21dが組み込まれている。保留ランプ21a〜21dは、基本的には作動口11aへの入賞に基づく変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
【0046】
また、表示装置19の上部には、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部22が設けられている。さらに、前記表示装置22の左右両側方には一対の通過ゲート23a,24aを備えた通過ゲートユニット23,24が配設されている。同通過ゲート23a,24aを遊技球Bが通過することに基づいて、前記7セグ表示部22が作動する。本実施の形態では、7セグ表示部22は、「0」から「9」までの数字を可変表示する。そして、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止することに基づいて、作動口ユニット11の羽根13が所定秒数開放するようになっている。この開放により、作動口11aへの入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示部では、遊技球Bの通過ゲート23a,24aの通過回数を4回まで記憶することができ、図示しない4つの保留ランプでその保留数を表示する。
【0047】
また、遊技盤3の複数箇所には、遊技効果を高めるための各種ランプ等の他の役物が取付けられている(ランプ風車、コーナー飾り等)。
【0048】
本実施の形態では、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機の遊技状態を検出するべく、遊技盤3には、入賞球検出手段としての種々の検出スイッチが取付けられている。より詳しくは、作動ゲート11bには、作動ゲート用スイッチ31が設けられている。また、作動口11a近傍には作動口用スイッチ32が設けられている。本実施の形態では、作動口用スイッチ32にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり5個の景品球が払い出されるようになっている。
【0049】
また、大入賞口12a近傍には、2つの大入賞口用スイッチ33,34が設けられている。シャッタ14の内側面には、逆ハの字状をなす図示しない案内レールが一体形成されており、該案内レールにより、大入賞口12aに入賞した入賞球は円滑に、かつ、速やかにいずれかの大入賞口用スイッチ33,34を通過しうる。本実施の形態では、大入賞口用スイッチ33,34にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり15個の景品球が払い出されるようになっている。
【0050】
さらに、一般入賞口15a〜18a近傍には、一般入賞口用スイッチ35,36,37,38が設けられている。本実施の形態では、一般入賞口用スイッチ35〜38にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり10個の景品球が払い出されるようになっている。
【0051】
併せて、通過ゲート23,24には、通過ゲート用スイッチ39,40が設けられている。
【0052】
本実施の形態では、これらのスイッチ31〜40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a〜18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出されるようになっている。また、本実施の形態では、各スイッチ32〜38の検出結果に基づき、景品球払出装置41等の駆動制御が導出されるようになっている。景品球払出装置41等は、パルスモータを備えており、該モータが駆動させられることにより、図示しないタンク等に貯留されている景品球(遊技球B)が、払い出し通路を通って、上皿5(又は下皿6)へと払い出されるようになっている。
【0053】
本実施の形態では、上記各スイッチ31〜40の検出結果に基づき、各種ソレノイドや、表示装置19、各保留ランプ21a〜21d、各種ランプ、スピーカ8等をそれぞれ駆動制御するために制御装置50が設けられている。制御装置50は、これらの駆動制御に加えて、上記各スイッチ32〜38の検出信号に基づき、直接的に景品球払出装置41等のモータに対し払い出し信号を出力する。景品球払出装置41等のモータは、この出力信号に基づいて高速又は低速にて駆動制御される。
【0054】
本実施の形態における制御装置50は、図3,4に示すように、主基板51、払出制御基板52、特別図柄表示装置基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55及び発射制御基板56を備えている。前記遊技盤3の背面側に設けられた機構盤の上部には、主たる電源(電源電圧)が供給されえる電源スイッチ基板51が設けられているとともに、機構盤の下部には、前記電源スイッチ基板61からの電源を適宜分配するための電源分配基板62が設けられている。前記主基板51は、前記機構盤の背面側において、前記表示装置19の下方に設けられている。また、払出制御基板52は、前記主基板61の側方に設けられている。なお、該払出制御基板52の上方には、前述した景品球払出装置41と、貸球払出装置(コインの投入、又は、購入操作に基づき遊技者に遊技球Bを貸与するための装置)42とが並列状態で設けられている。当該主基板51及び払出制御基板52には、前記電源分配基板62からの分配された電源電圧がそれぞれ印加(供給)される。また、これとともに、特別図柄表示装置基板53、音声制御基板54及びランプ制御基板55には、主基板51からの電源電圧がそれぞれ供給される。さらに、発射制御基板56には、前記払出制御基板52からの電源電圧が供給されるようになっている。景品球払出装置41(及び貸球払出装置42)は、払出制御基板52からの出力信号に基づいて駆動制御されるようになっている。なお、主基板51、払出制御基板52をはじめとする各種基板は、それぞれ読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。さらに、RAMは、CPUによる演算結果等の各種データを一時的に記憶し、バックアップRAMは、停電時等に備え各種データを予備的に記憶する。
【0055】
電源分配基板62には、コンデンサよりなる予備電源供給手段が備えられており、当該予備電源供給手段によって、払出制御基板52のバックアップRAMに対し、所定時間所定の電源電圧を供給することができるようになっている。すなわち、電源スイッチ基板61からの電源が供給されている間、電源分配基板62は蓄電可能となっている。そして、停電時等の電源オフ時においては、払い出しデータがバックアップRAMに書き込まれ(記憶され)るとともに、電源分配基板62から電源が供給されることによって、バックアップRAMに記憶されているデータの記憶が保持されるようになっている。
【0056】
前記払出制御基板52には、状態を表示するための状態表示部63が設けられている。当該状態表示部63は、各種エラーが発生したこと、パチンコ機が初期状態にあること等を表示することができるようになっている。より詳しくは、状態表示部63は、各種数値、文字等をセグメント表示可能となっている。そして、パチンコ機が初期状態にあるとき、つまり、エラーが表示されておらず、前記バックアップRAMに払出データがない場合には、状態表示部63は「0」を表示するようになっている(図5(a)参照)。また、景品球払出装置41等に何らかのエラー(例えばモータ近傍での球詰まり、モータの故障、払い出しカウントスイッチ(実際の払い出し個数を計数するもの)が設けられている場合には該カウントスイッチの故障、或いは該カウントスイッチ近傍での球詰まり等)が発生した場合には、状態表示部63は、各種エラーの種別に応じた態様で、例えば「A」「C」「H」「2」「6」等の文字、数字等を表示するようになっている(図5(c)参照)。さらに、前記エラー表示が解除され、かつ、前記バックアップRAMに払出データがある場合には、状態表示部63は、セグメントが1つずつ環を描くように順次回転変動表示を行うようになっている(図5(b)参照)。
【0057】
また、前記状態表示部63の近傍には、リセットスイッチ64及び球抜きスイッチ65が設けられている。ここで、リセットスイッチ64は、上述したエラー表示の解除を行ったり、バックアップRAMに記憶されている払出データの解除等を行ったりするためのものであり、オペレータの押圧操作によって各種解除等が行われるようになっている。すなわち、リセットスイッチ64を第1の所定時間T1(例えば2秒間)の間継続的に押圧した場合には、上述したエラー表示の解除が行われるようになっている。また、その後さらに継続して第2の所定時間T2(例えばさらに3秒間、合計5秒間)の間リセットスイッチ64を継続的に押圧した場合には、バックアップRAMに記憶されている払出データの解除及び状態表示部63の初期化表示が行われるようになっている。なお、前記球抜きスイッチ65は、点検時等のために、前記払い出し通路内の遊技球Bを抜き取るためのスイッチである。
【0058】
次に、本実施の形態の作用及び効果を、制御装置50が実行する払出し制御に関する処理内容に則して説明する。
【0059】
図6は、制御装置50、特に払出制御基板52のCPUにより実行される「状態表示部表示ルーチン」を示すフローチャートである。本ルーチンは、主としてエラーが発生した場合やバックアップRAMにバックアップデータが記憶された場合等に状態表示部63を適宜切換表示するためのルーチンであって、所定時間毎に実行されるものである。処理が本ルーチンに移行すると、CPUは、まずステップS101において、リセット表示ルーチンを実行する。当該リセット表示ルーチンにおいては、後述するバックアップフラグが「0」に設定されており、かつ、後述するエラー表示フラグが「0」に設定されているような場合に、状態表示部63の表示が「0」に設定される。
【0060】
また、次に、CPUは次のステップS102において、バックアップ表示ルーチンを実行する。当該バックアップ表示ルーチンにおいては、バックアップフラグが「1」に設定されており、かつ、エラー表示フラグが「0」に設定されているような場合に、状態表示部63に関し上述した回転変動表示(図5(b)参照)を行う。
【0061】
さらに、続いてCPUはステップS103において、エラー表示ルーチンを実行する。当該エラー表示ルーチンにおいては、バックアップフラグとは無関係に、エラー表示フラグが「1」に設定されているような場合に、当該エラー表示フラグの種別に対応した表示を(図5(c)参照)を行う。本実施の形態では、複数種類のエラー表示フラグが用意されており、景品球払出装置41等(払い出し通路も含まれる)に関し、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーの種別に対応したエラー表示フラグが「1」に設定されるようになっている(エラーがない場合には、当該エラー表示フラグは「0」に設定される)。
【0062】
このように、状態表示部63においては、そのときどきの状態(バックアップフラグやエラー表示フラグ)によって、その状態に対応したセグメント表示が適宜行われる。
【0063】
さて、次に、オペレータによって前記リセットスイッチ64が押圧操作された場合の処理内容について説明する。図7は、制御装置50、特に払出制御基板52のCPUにより実行される「リセットルーチン」を示すフローチャートである。本ルーチンは、主としてエラーが発生した場合や、バックアップRAMにバックアップデータが残存している場合等を考慮して、所定時間毎に実行されるものである。処理が本ルーチンに移行すると、CPUは、まずステップS201において、リセットスイッチ64が押圧操作(オン操作)されたか否かを判定する。そして、否定判定された場合には何らの処理をも実行することなくその後の処理を一旦終了する。従って、例えば状態表示部63にエラー表示がされているような場合には、リセットスイッチ64がオン操作されない限りは、当該エラー表示が解除されることはない。
【0064】
これに対し、ステップS201で肯定判定された場合には、ステップS202に移行する。ステップS202において、CPUは、現在状態表示部63において、リセット表示、つまり、「0」の表示がされているか否かを判定する。そして、状態表示部63において、リセット表示がなされている場合には、上記のようなオン操作が無意義であるとして、その後の処理を一旦終了する。
【0065】
また、ステップS202で否定判定された場合、つまり、現在、状態表示部63において、リセット表示以外の表示がされている場合(エラー表示又はバックアップ表示がされている場合)には、ステップS203へ移行し、タイマカウントを開始する。さらに、次のステップS204においては、現時点で前記リセットスイッチ64がオフ状態となっている(押圧操作が解除された)か否かを判定する。そして、この時点でリセットスイッチ64がオフ状態となっている場合には、それまでのオペレータのオン操作を意味がないものとしてその後の処理を一旦終了する。
【0066】
一方、リセットスイッチ64が未だオン状態の場合には、ステップS205において、前記タイマカウント開始から第1の所定時間T1以上前記オン状態が継続されているか否かを判定する。そして、未だ第1の所定時間T1が経過していない場合には処理をステップS204へ戻す。また、タイマカウント開始から第1の所定時間T1以上前記オン状態が継続されている場合には、ステップS206へ移行する。ステップS206において、CPUは、状態表示部63において表示対象となっているエラーフラグを「0」に設定する。例えば、それまで所定のエラーフラグが「1」に設定されていた場合には、当該処理において少なくとも一時的に「0」に設定される。
【0067】
ただし、このとき、実際には当該エラー状態が解除されていない場合には(例えば所定の部位において球詰まりが発生した場合に当該球詰まりが解消されていない場合には)、再度当該所定のエラーフラグが「1」に設定されることとなり、当該エラーフラグに対応した態様で再度エラー表示がなされることとなる(ステップS103参照)。
【0068】
また、この時点で実際にエラー状態が解除されている場合には、当該エラーフラグが「0」に設定されることで、状態表示部63は、別の表示がされることとなる。つまり、バックアップデータが存在していることによりバックアップフラグが「1」に設定されている場合には、状態表示部63におけるセグメントの回転表示が行われ、バックアップデータが存在せずにバックアップフラグが「0」に設定されている場合には、状態表示部63において「0」が表示されることとなる。
【0069】
さて、ステップS206の処理を実行した後、CPUは次のステップS207において、再度現時点で前記リセットスイッチ64がオフ状態となっている(押圧操作が解除された)か否かを判定する。そして、この時点でリセットスイッチ64がオフ状態となっている場合には、オペレータは、バックアップRAMに記憶されているデータの消去までは要求していないものとして、その後の処理を一旦終了する。
【0070】
一方、リセットスイッチ64が未だオン状態の場合には、ステップS208において、前記タイマカウント開始から第2の所定時間T2以上前記オン状態が継続されているか否かを判定する。そして、未だ第2の所定時間T2が経過していない場合には処理をステップS207へ戻す。また、タイマカウント開始から第2の所定時間T2以上前記オン状態が継続されている場合には、ステップS209へ移行する。ステップS209において、CPUは、バックアップフラグを「0」に設定する。従って、例えば、それまでバックアップRAMにバックアップデータが残存していてバックアップフラグが「1」に設定されていた場合には、当該処理において「0」に設定される。そして、このようにバックアップフラグが「0」に設定されることによって、別途エラーフラグが「1」に設定されることがない限り、状態表示部63において「0」が表示されることとなる(ステップS101〜103参照)。
【0071】
そして、CPUは続くステップS210において、バックアップRAMに記憶されているデータを実際に消去し、その後の処理を一旦終了する。このように、上記「リセットルーチン」においては、オペレータによるリセットスイッチ64の操作に基づき、バックアップフラグ、エラーフラグが適宜「0」にリセットされたり、バックアップデータが消去されたりする。そして、当該リセットされたフラグに基づいて、状態表示部63の表示態様が適宜切り換えられる。なお、上記ステップS209の処理と、ステップS210の処理との順序を逆転させてもよい。
【0072】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、各種スイッチ32〜38は、遊技球Bが各入賞口に入賞したことの検出に基づいて景品球の払い出しを実行する指令を導出する。より詳しくは、従来設けられていた入賞球処理装置を経ずとも、各種スイッチ32〜38にて遊技球Bが入賞したことが検出されてからすぐに景品球の払い出しを実行する指令が出力され、速やかに景品球の払い出しが行われることとなる。その結果、景品球の払い出しの遅延が解消されるとともに、この遅延に伴う種々の不具合を防止することができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、払出制御基板52のバックアップRAMによって、払出指令に関するバックアップデータが記憶される。このため、例えば停電等により電源スイッチ基板61に電源が供給されないといったケースがあったとしても、バックアップデータが記憶されているため、少なくとも再度の電源供給後において、当該データに基づく遊技球Bの払出を行うことができる。その結果、遊技者、あるいは遊技場側にとっての不利益の発生を防止することができる。
【0074】
さらに、本実施の形態では、状態表示部63において、所定のエラーが発生したことが表示される。従って、当該エラー表示を把握したオペレータは、その表示に基づきエラー状態の解消を図ることができる。また、このエラー表示は、エラーの解消後にリセットスイッチ64の2秒以上のオン操作によって解除されうる。併せて、本実施の形態では、前記バックアップデータが無用の場合には、前記リセットスイッチ64の5秒以上のオン操作が行われることに基づき、バックアップRAMに記憶されたデータが適宜消去される。これらのことから、何らかのエラーが発生した場合、オペレータがむやみやたらにリセットスイッチを押圧したとしても、それだけでは、エラー表示は解除されない。従って、乱雑な押圧操作によって、必要なデータまで消去されてしまうことによる不具合を抑制することができる。
【0075】
また、例えば工場で出荷テスト(遊技球Bの数個の入賞を行い、景品球が適切に払い出されるか否かのテスト)が行われ、その後電源が落とされた後、遊技場に出荷され、再度電源が投入された場合、バックアップデータが残存していれば、そのバックアップデータに基づき、いきなり景品球が払い出されてしまうといった事態が考えられる。これに対し、本実施の形態では、前記バックアップデータをリセットスイッチ64の5秒以上のオン操作によって消去できることから、出荷テスト後、上記操作を行うことで、上述した不具合が確実に抑制されることとなる。
【0076】
さらに、本実施の形態では、リセットスイッチ64の5秒以上のオン操作を行わない限り、バックアップデータが消去されないことから、遊技場関係者がむやみやたらにリセットスイッチ64を押すことにより、必要なバックアップデータまで消去されてしまうことがない。その結果、必要なデータが消去されてしまうことによる不具合を抑制することができる。
【0077】
併せて、本実施の形態では、エラー表示を解除することと、バックアップ表示を解除することと、バックアップデータを消去することとを、1つのリセットスイッチ64でまかなうこととした。このため、スイッチを複数設けることによるコストの増大を抑制することができるとともに、スペースの有効利用も図ることができる。
【0078】
また、本実施の形態では、エラー表示を解消する場合と、バックアップ表示を解除し、バックアップデータを消去する場合とで、リセットスイッチ64の操作手法とが相異している。このため、一度に両方の解消等がなされてしまうことがなく、その結果、いっぺんに消去等がなされてしまうことによる不具合の発生を回避することができる。
【0079】
さらに、本実施の形態では、バックアップ表示を解除し、バックアップデータを消去する操作は、エラー表示を解除するための操作を前提とするものである。そのため、操作順序を覚えやすく、操作性の向上を図ることができる。しかも、バックアップ表示を解除し、バックアップデータを消去する操作は、エラー表示を解除するための操作に継続して行われるものであるため、より一層の操作性の向上を図ることができ、かつ、操作時間の短縮化を図ることができる。
【0080】
併せて、本実施の形態では、エラーに関する情報(エラー情報、エラー解除情報)及びバックアップ情報(バックアップ有りの情報、解除情報)を表示する状態表示部63を設けることとした。このため、オペレータは、当該表示部63を視認することにより、バックアップデータの状況及びエラー表示の解除の有無を瞬時にして把握することが可能となる。その結果、誤った操作が行われにくくなり、誤操作に基づく不具合を防止することができる。特に、本実施の形態では、状態表示部63は、リセットスイッチ64の近傍に設けられていることから、より確実な把握及び操作を行うことが可能となる。また、1つの状態表示部63でもって、前記情報を把握することができるため、さらなるスペースの有効活用及びコストの増大抑制を図ることができる。
【0081】
加えて、本実施の形態では、状態表示部63は、エラーの種別に応じた態様で表示するよう構成されているため、エラーの種別を容易に認識することができ、速やかで、かつ、確実なエラー解消を図ることができる。また、1の種別のエラー表示が解除されたとしても、再度同じ1の又は他の種別のエラーがあったときには、当該エラーの種別に応じた態様で表示される。そのため、複数の又は同種の種別のエラーがほぼ同時期に発生した場合にも的確な対処が可能となる。
【0082】
さらにまた、本実施の形態では、状態表示部63は、バックアップデータが消去状態になく、かつ、エラー表示が解除された状態にあるとき、特殊な態様(回転変動)で表示可能となっている。そのため、他の表示態様がなされている場合との区別を容易に行うことができ、さらに確実に適切な措置をとることができる。
【0083】
なお、本実施の形態では、遊技盤3に設けられた各種スイッチ31〜40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a〜18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出される。従って、それら入賞や通過の事実が確認されうる。特に、本実施の形態では、全ての入賞口(通過ゲート等も含む)に対し、それぞれ各スイッチ31〜40を設けることとした。このため、遊技球Bがどの入賞口にどのタイミングで入賞したのかを判別することができ、例えば遊技場側でのデータ採りに非常に有効となる。
【0084】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0085】
(a)上記実施の形態では、景品球払出装置41及び貸球払出装置42を有するタイプのパチンコ機に具体化したが、両払出装置を共通化して、1つの払出装置を有するタイプのパチンコ機にも具体化することができる。
【0086】
(b)上記実施の形態では、各種スイッチ31〜40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a〜18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出されるようになっていた。これに対し、複数の通路(例えば左右の一般入賞口用通路)を1つに合流させた上で、検出スイッチを共有化してもよい。
【0087】
(c)上記実施の形態では、状態表示部63において、バックアップデータの有無を表示することとなっていたが、データの有無のみならず、データの内容(例えば払い出すべき景品球の数や入賞個数等)を表示可能な構成となっていてもよい。
【0088】
(d)上記実施の形態では特に言及しなかったが、別途機械的に払い出しに関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば従来における景品球処理装置又はこれに準ずるもの)を備えていても差し支えない。
【0089】
(e)上記実施の形態では、状態表示部63において、各種エラー種別をも報知可能となっていたが、種別を表示しないような構成となっていてもよい。つまり、あらゆるエラーに対して一義的に「総合的なエラー表示」を行うような構成となっていてもよい。
【0090】
(f)上記実施の形態では、エラー情報等を状態表示部63においてセグメント表示する構成となっていたが、別途の表示方法にて表示を行うもの(例えばランプ、液晶表示等)を用いてもよい。また、状態表示部を遊技者から視認できる側(正面側等)に設けてもよい。
【0091】
(g)また、報知方法として、表示以外にも音声等を用いた報知を行うこととしてもよい。
【0092】
(h)上記実施の形態では、リセットスイッチ64を払出制御基板52に設ける構成としたが、他の部位(例えば他の基板、あるいは、パチンコ機の正面側、あるいは、不正の困難な隠れた部位等)に設けてもよい。
【0093】
(i)上記実施の形態では、電源分配基板62を設ける構成としたが、当該基板を省略してもよい。
【0094】
(j)作動口ユニット11において、羽根13を有しないタイプの作動口を採用してもよい。
【0095】
(k)上記実施の形態に挙げた役物以外にも、他の役物(例えば羽根開放式の特別電動役物、回転体、クルーン等)を有するパチンコ機にも具体化できる。また、上記役物の一部を省略しても差し支えない。
【0096】
(l)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、表示装置19のないパチンコ機(例えばヒコーキタイプと称されるもの等)にも応用できる。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作等することで図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間が経過することにより図柄変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となる。
【0097】
(m)前記実施の形態では、まず先にエラー表示が解除された後に、さらにオン操作を継続することで、バックアップ表示が解除され、バックアップデータが消去されるようになっていたが、両者の関係を逆にしてもよい。つまり、まずバックアップ表示が解除され、バックアップデータが消去された後に、さらにオン操作を継続することで、エラー表示が解除されるようにしてもよい。
【0098】
(n)上記実施の形態における景品球の払い出し数(「5個」又は「10個」又は「15個」)に関する数値はあくまでも例示であって、上記数値に何ら限定されるものではない。従って、例えば「6個」「7個」「11個」「12個」「13個」「14個」「16個」或いはそれ以上(例えば「25個」)等の数値を採用しても何ら差し支えない。
【0099】
(o)上記実施の形態では、リセットスイッチ64の2秒以上のオン操作によってエラー表示が解除され、併せて、リセットスイッチ64の5秒以上のオン操作が行われることに基づき、データの消去、表示のリセットが行われることとなっていた。つまり、1つのリセットスイッチ64を用いて、その操作時間を異ならせることで、種々の解除等がなされるようになっていた。これに対し、押圧操作方法を変えることとしてもよい。例えば、一方は1回の押圧操作で解除等がなされ、他方は2回(複数回)の押圧操作で解除等がなされるような構成となっていてもよい。
【0100】
(p)また、上記実施の形態とは別のタイプのスイッチを用いてもよい。例えば、1つのスイッチであって、被操作部(押圧部)が複数備えられているスイッチ等であってもよい。このようなスイッチを用いた場合、一端部の押圧操作で一方の解除等がなされ、他端部の押圧操作で他方の解除等がなされるような構成となっていてもよい。また、レバースイッチのようなものを用いて、スイッチ方向を異ならせることで、解除等される対象を異ならせてもよい。さらに、ボタンスイッチを用いた場合であって、そのときどきのボタンスイッチの没入状態によって解除等の対象が切り換えられるような構成としてもよい。例えば、最初の1回の押圧操作でエラー表示が解除され、そのとき、ボタンの没入程度が中程度となり、さらに続いて2回目の押圧操作でデータの解除、消去が行われ、そのとき、ボタンの没入が解除されるような構成となっていてもよい。また、チャンネルタイプのスイッチを用いて、回動そうさによって、操作が可能な構成となっていてもよい。さらに、キー操作や、ID入力が行われることによって、初めて、エラー解除やバックアップ解除が行うことができるような構成となっていてもよい。すなわち、スイッチング手段(スイッチに)ロック機構を設けてもよい。
【0101】
(q)上記実施の形態では、1つのスイッチとしたが、2つ以上のスイッチを設けてもよい。かかる場合、それぞれの解除等に対応して各スイッチを操作することとなる。この場合、各スイッチの操作方法は同一であっても相違していてもよい。また、複数のスイッチ操作を絡めることにより、操作可能となってもよい。さらに、バックアップデータ消去用と、バックアップ表示解除用とに対応した複数のスイッチを設けてもよい。また、1つのスイッチの場合であってもバックアップデータ消去用と、バックアップ表示解除用とで複数の操作態様があってもよい。
【0102】
(r)操作方法を説明する表示部を設けてもよい。
【0103】
(s)エラーの種類や、解除方法を説明するための表示部を設けてもよい。
【0104】
(t)バックアップRAMは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0105】
(u)バックアップRAMに記憶される払い出しデータとしては、払い出すべき景品球の個数であってもよいし、入賞個数(入賞個数に1入賞当たりの景品球数を乗ずれば適切な払い出しが可能)であってもよい。
【0106】
(v)バックアップRAM(記憶手段)を2つ(複数)設けることとしてもよい(通常時用、停電時用等)。
【0107】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、パチンコ機等の遊技機において、各種不具合の発生を回避することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤等を示す正面図である。
【図3】制御装置等への電源供給の流れ等を示す一種のブロック図である。
【図4】各種基板を説明するためのパチンコ機の背面図である。
【図5】(a)はリセット状態における状態表示部を示す図であり、(b)はエラー表示解除状態かつバックアップデータ残存状態における状態表示部を示す図であり、(c)はエラー種別に対応したエラー表示状態における状態表示部を示す図である。
【図6】CPUにより実行される「状態表示部表示ルーチン」を示すフローチャートである。
【図7】CPUにより実行される「リセットルーチン」を示すフローチャートである。
【図8】従来技術における遊技盤の裏側の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
3…遊技盤、41…景品球払出装置、42…貸球払出装置、50…制御装置、51…主基板、52…払出制御基板、61…電源スイッチ基板、62…電源分配基板、63…状態表示部、64…リセットスイッチ。
Claims (1)
- 所定の指令に基づき遊技者に対し遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、
少なくとも前記所定の指令に関するデータを、主たる電源の非供給時においても少なくとも所定時間記憶可能な記憶手段と、
7セグ表示部を備え、当該7セグ表示部において文字又は数字を点灯表示することで、少なくとも遊技媒体の払出しに関するエラーの種別に応じた態様で所定のエラーが発生したことを報知可能な表示手段とを備えた遊技機であって、
遊技媒体の払出しに関するエラーが発生していない状態において、前記記憶手段において前記所定の指令に関するデータが記憶されている旨を前記表示手段の7セグ表示部において変動表示可能に構成し、
遊技媒体の払出しに関するエラーが発生している場合には、たとえ前記記憶手段において前記所定の指令に関するデータが記憶されていたとしても、当該所定の指令に関するデータが記憶されている旨を表示することなく前記エラーの発生をその種別に応じた態様で優先して表示可能に構成し、
前記記憶手段にて記憶されたデータを消去するため、及び、前記表示手段によるエラー報知を解除するために押圧操作される単一の操作手段を具備し、
当該操作手段が押圧操作されたか否かを判定する押圧判定手段と、
前記押圧判定手段により、前記操作手段が押圧操作されたことが判定されてから第1の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたか否かを判定する第1判定手段と、
前記第1判定手段により、第1の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたことが判定された場合において、
前記表示手段の7セグ表示部において前記所定のエラーの発生をその種別に応じた態様表示されており、実際にエラーが解消した場合には、前記表示を解除する一方で、
所定の指令に関するデータが記憶されている場合には、前記表示手段の7セグ表示部において変動表示する手段と、
前記押圧判定手段により、前記操作手段が押圧操作されたことが判定されてから第1の所定期間よりも長い第2の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたか否かを判定する第2判定手段と、
前記第2判定手段により、第2の所定期間の間、前記操作手段が継続して押圧操作されたことが判定された場合において、
前記表示手段の7セグ表示部において変動表示されている場合には、前記変動表示を解除する手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
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