JP4423180B2 - 電磁気的物性値測定法 - Google Patents

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本発明は電磁気的物性値測定法に関するもので、特に高周波領域で電子部品として使用するメタライズ同時焼成誘電体基板における伝送ラインの端面あるいは側面の導電率測定法、もしくは誘電体基板の誘電正接測定法に関するものである。
近年においては、移動体通信技術の発展、普及に伴い、セラミックス、特にLTCC等の同時焼成セラミックス基板の中にマイクロ波回路が構成される場合が多い。
同時焼成セラミックス基板の中の伝送線路としてマイクロストリップラインやストリップライン等を想定した場合、メタライズのセラミックス側の導電率(界面導電率)、空気側の導電率(表面導電率)、端面あるいは側面の導電率(端面導電率)が、それぞれの凹凸状態を反映した違った値になっている可能性が高い。界面導電率に関しては非特許文献1、特許文献2に測定方法が提案されている。表面導電率に関しても非特許文献1に測定方法が記述されている。
A. Nakayama, Y. Terashi, H. Uchimura and, A. Fukuura, "Conductivity measurement at the interface between the sintered conductor and dielectric substrate at microwave frequencies," IEEE Trans. Microwave Theory Tech., vol. MTT-50, No.7, pp. 1665-1674, July 2002. 特開2000−46756号公報
一方、メタライズ端面は、最も電流密度が大きくなる部分であり、且つ細かな凹凸が出来やすいため導電率が劣化しやすい部位でもあるので、特に端面導電率の制御や、そのための測定は重要である。しかしながら、現在のところ、端面導電率の測定法は報告されていない。
従って、本発明は、共振導体の導電率や誘電体基板の誘電正接を測定できる電磁気的物性値測定法を提供することを目的とする。
本発明者等は、厚さの異なる誘電体基板を使用した2種類の共振器を使用して、誘電正接、導電率等の電磁気的物性値、特に端面導電率を測定できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の電磁気的物性値測定法は、第1誘電体基板の一方の面にライン状の第1共振導体が形成され、前記第1誘電体基板の他方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、
前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の一方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体が形成され、前記第2誘電体基板の他方の面に前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする。このような測定法に用いられる共振器としては、マイクロストリップライン共振器がある。
また、本発明の電磁気的物性値測定法は、第1誘電体基板の一方の面にライン状の第1共振導体と、該第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、
前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の一方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体と、該第2共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする。このような測定法に用いられる共振器としては、コプレナー共振器がある。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法は、第1誘電体基板の内部にライン状の第1共振導体が形成され、前記第1誘電体基板の両面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、
前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の内部に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体が形成され、前記第2誘電体基板の両面に、前記第2共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする。このような測定法に用いられる共振器としては、ストリップライン共振器がある。
本発明の電磁気的物性値測定法は、例えば、リング共振器の導体損が誘電体基板の厚さに依存するので、誘電体基板の厚さの異なる第1、第2リング共振器の無負荷Q値に差が生じることを利用している。
即ち、例えば、共振器としてリング共振器を用いた場合、第1リング共振器と、この第1リング共振器の誘電体基板の厚さと異なる厚さの誘電体基板を有する第2リング共振器を準備し、第1、第2リング共振器の共振周波数f、fを測定し、これらのデータを用いて、FEM等の数値解析により、誘電体基板の比誘電率を計算し、さらに、第1、第2リング共振器の無負荷Q値Q、Qを測定し、これらのデータを用いて、FEM等の数値解析により、リング導体の導電率、又は誘電体基板の誘電正接を算出できる。
誘電体基板の比誘電率の算出のためには、想定される範囲で比誘電率と共振周波数の関係をFEM等の数値解析で求めておき、この関係を適当な関数で近似し、この近似関数と共振周波数f、fの測定値から比誘電率を算出できる。
また、リング導体の導電率、誘電体基板の誘電正接の算出のためには、共振器の形状因子Gや誘電体基板の電界エネルギー集中率PをFEMで計算し、このG、PとQ、Qの測定値からリング導体の導電率、誘電体基板の誘電正接を算出できる。
また、本発明の電磁気的物性値測定法は、共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、導体と誘電体の界面の導電率、誘電体基板の誘電正接のうち二種類の電磁気的物性値を算出することを特徴とする。共振導体のライン端面の導電率、導体と誘電体の界面の導電率、誘電体基板の誘電正接は共振器の無負荷Q値を決定する材料物性であるため、Q、Qの2種類のQ値より、これらの材料物性のうち二種類が原理的に決定できる。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法では、共振周波数f、fの差が、共振周波数fの10%以内であることが望ましい。このような電磁気的物性値測定法では、第1、第2共振器の共振周波数f、fの差を小さくすることにより、算出された電磁気的物性値の精度を高めることができる。端面導電率、界面導電率、誘電正接は一般に周波数依存性を持っているため、f、fに差があると、測定誤差の要因となるが、本発明では、共振周波数f、fの差が、共振周波数fの10%以内であるため、誤差を最小限に抑制できる。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法では、第1共振導体のライン幅Wと第2共振導体のライン幅Wの差が、Wの10%以内であることが望ましい。ライン幅が異なると、特にセラミックスにスクリーン印刷でラインを形成するような場合には、ライン端面の導電率や、ラインと誘電体の界面の導電率がライン幅により変化する可能性がある。従って、ライン幅Wの差を小さくすることにより、精度の高い電磁気的物性値を得ることができる。
また、本発明の電磁気的物性値測定法では、支持基板上に共振器が形成されていることが望ましい。さらに、第1誘電体基板及び第2誘電体基板の厚みが0.3mm以下であることが望ましい。
実際のメタライズと同時焼成するセラミックスとして、同時焼成基板等が知られているが、小型薄型化の要求により、セラミック層1層当たりの厚みは0.3mm以下となっており、実際の基板におけるメタライズ拡散による影響も加味した物性値を求めるには、第1、第2誘電体基板の厚みを実際のセラミック層の厚みとする必要がある。しかし、誘電体基板の厚みが薄い場合、共振器を形成することが困難であった。これに対して、本発明の電磁気的物性値測定法では、支持基板上に共振器を形成することにより、測定法に用いる試料を、容易に現実に即した状態(実際に用いられる状態)で作製できる。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法は、第1、第2誘電体基板がセラミックス又はガラスセラミックスからなり、該第1、第2誘電体基板と第1、第2共振導体が同時焼成されて一体化されていることを特徴とする。このような電磁気的物性値測定法では、メタライズと同時焼成するセラミックスにおいて、より現実に即した状態で電磁気的物性値を測定できる。さらに、支持基板及び共振器が同時焼成されて一体化されていることを特徴とする。この場合には、セラミック層が薄くて同時焼成される場合、言わばより現実のセラミック基板に近い試料を作製でき、より精度の高い電磁気的物性値を測定できる。
また、本発明の電磁気的物性値測定法は、共振器は、ループアンテナ、マイクロストリップライン、ストリップライン、コプレナーライン及びNRDガイドのいずれかにより励振されることを特徴とする。このような電磁気的物性値測定法によれば、共振器を有効に共振させることができる。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法によれば、共振周波数f、f及び無負荷Q値、Q、Qの温度依存性を測定し、電磁気的物性値の温度依存性を得ることもできる。また、本発明の電磁気的物性値測定法は、マイクロ波帯において有効であり、特に共振周波数が1GHz以上である場合に好適である。
さらに、本発明の電磁気的物性値測定法では、第1、第2共振器はリング共振器であり、第1共振導体の直径Dと第2共振導体の直径Dの差が、第1共振導体の直径Dの10%以内であることが望ましい。このような電磁気的物性値の測定方法では、第1、第2共振器の共振周波数f、fの差を小さくすることができ、算出された電磁気的物性値の精度を高めることができる。
本発明の電磁気的物性値測定法では、リング共振器等の導体損が誘電体基板の厚さに依存し、誘電体基板の厚さの異なる第1、第2共振器の無負荷Qに差が生じることを利用するもので、第1、第2共振器の共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qを測定し、これらのデータを用いて、FEM等の数値解析により、共振導体の導電率、誘電体基板の比誘電率、誘電正接等を算出できる。
本発明の電磁気的物性値測定法を、図1、2を用いて説明する。先ず、測定試料として、測定に用いる図1に示す第1リング共振器A及び図2に示す第2リング共振器Bを作製する。
第1リング共振器A及び第2リング共振器Bは、第1、第2リング導体1a、1bと、第1、第2誘電体基板2a、2bと、第1、第2グラウンド導体3a、3bとを具備して構成されており、これらの第1リング共振器A及び第2リング共振器Bは支持基板4a、4b上に形成されている。
誘電体基板2a、2bの上面にリング導体1a、1bが形成されている。又、誘電体基板2a、2bと支持基板4a、4bとの間にはグラウンド導体3a、3bが形成されている。誘電体基板2aの厚さtは、誘電体基板2bの厚さtより小さく形成される。ここで、第1、第2リング導体1a、1bの直径とは、図1、2からも理解されるように、リング導体1a、1bの幅の中央間距離を示している。
リング共振器A、Bの誘電体基板2a、2b、及びリング導体1a、1b、グラウンド導体3a、3bは同一材料から形成され、ほぼ同一の電磁気的物性値を有しており、リング共振器A、Bは、唯一誘電体基板2a、2bの厚さt、tのみが異なっている。
リング共振器A、Bの放射損が無視できない場合には、リング共振器A、Bを囲む遮蔽導体5を設置することが望ましい。この遮蔽導体5は、図3に示すように、リング共振器全体を囲むように構成され、中空円筒導体5aの端面に導体板5bを付加した構造などが好適である。
測定試料の誘電体基板がセラミックス、ガラスセラミックスからなる場合には、リング共振器A、Bは同時焼成して形成されたり、誘電体基板2a、2bにリング導体1a、1b、グラウンド導体3a、3bを焼き付けて形成される。即ち、基板成形体に導体パターンを形成し、同時焼成したり、焼成された誘電体基板に導体パターンを形成し、高温で焼き付けてリング共振器が形成される。この場合、支持基板4a、4bもリング共振器A、Bと同時焼成することができ、リング共振器の作製が特に容易となる。
また、測定試料の誘電体基板が有機樹脂からなる場合には、リング共振器A、Bは接合、または圧着されて形成される。いずれの場合にも、マイクロ波の表皮深さに比べて導体の厚さが充分厚くなるように、第1、第2リング導体1a、1b、第1、第2グラウンド導体3a、3bの厚みは少なくとも5μm以上、特に10μm以上が望ましい。
導体形成のプロセスを同一にするため、第1、第2リング導体の幅W、Wの差はWの10%以内であることが望ましい。第1、第2誘電体基板2a、2bの厚みが0.3mm以下である場合には、支持基板4a、4b上にリング共振器A、Bを形成することが、製法上望ましい。
第1リング導体1aの直径Dと第2リング導体1bの直径Dの差は、直径Dの10%以内であることが、第1リング共振器A及び第2リング共振器Bの共振周波数をほぼ同じにするという点から望ましい。例えば、第1リング導体1aの直径Dが10mmの場合、第2リング導体1bの直径Dは9〜11mmであることが望ましい。
さらに、第1リング導体1aと第2リング導体1bの厚みは、焼成条件を同じに保つという点から同一厚みが望ましい。また、第1グラウンド3aと第2グラウンド3bの厚みも、同じ観点から同一厚みが望ましい。
第1、第2グラウンド3a、3bは誘電体基板2a、2bの下面全面に形成されているが、リング導体1a、1bの下方に形成されていれば、誘電体基板2a、2bの下面の一部に形成されていても良い。より具体的には、第1、第2グラウンド3a、3bは、リング導体1a、1bのリング幅の3倍以上のリング幅を有するリング状グラウンド導体としても良い。
以下に、導体の導電率測定方法及び誘電体基板の誘電定数の測定工程について説明する。先ず、リング共振器を、ループアンテナ、モノポールアンテナ、マイクロストリップライン及びNRDガイドのいずれかにより励振し、第1、第2リング共振器の共振周波数f、f、無負荷Q値Q、Qを求める。
次に解析工程について説明する。まず、共振周波数f、fの測定値から、有限要素法(FEM)やモードマッチング法などの数値解析により、誘電体基板2a、2bの比誘電率ε’を求める。ここでは有限要素法を用いる場合について述べる。図1で示されるリング共振器の共振周波数fは、誘電体基板2aの比誘電率ε’、リング径D、リング幅w、リング導体の厚みの関数となっている。リング径D、リング幅w、リング導体の厚みを測定値、あるいは設計値に固定し、誘電体基板2aの比誘電率ε’を予想される範囲で数点設定し、対応する共振周波数fを有限要素法で計算する。これらの計算結果から、共振周波数fと比誘電率ε’の関係を適当な関数で近似し、この近似式と共振周波数fの測定値から、誘電体基板1の比誘電率ε’を計算する。同様にして、共振周波数fの測定値から、誘電体基板2の比誘電率ε’を計算する。
次に、QとQの測定値から、リング共振器の導体の端面導電率σedge、導体と誘電体の界面導電率σint、誘電体基板の誘電正接tanδのうちの二つを、次の2式数1,2により求める。ただし、求める二つの物性値以外の他の物性値は既知とする。尚、σsurは導体の表面導電率を示す。
Figure 0004423180
Figure 0004423180
ただし、μは導体の透磁率である。Pは電界エネルギーの集中率、Gは形状因子であり、J. Krupka, K. Derzakowski, A. Abramowicz, M.E. Tobar and R.G. Geyer, “Use of whispering-gallery modes for complex permittivity determinations of ultra-low-loss dielectric materials,” IEEE Trans. Microwave Theory Tech., vol. 47, pp.752-759, June 1999.より、具体的にはPe1、Pe2は第1、第2リング共振器の誘電体基板2a、2b内の電界エネルギーの集中率である。電界エネルギーの集中率は、共振器に蓄えられる電界エネルギーに対する、個々の部分に蓄えられる電界エネルギーの分率として定義される。Pe1、Pe2は次式数3で与えられる。
Figure 0004423180
ただし、Eは電界、V2a、V2bは誘電体基板2a、2bの体積、Vairはリング共振器の外側で電界が分布する体積を表す。数1、数2のGは共振器の形状因子を示し、Gedge,1は第1リング共振器のリング導体の1edge部分(図4)の形状因子を表す。同じようにGedge,2は第2リング共振器のリング導体の1edge部分(図4)の形状因子を表す。Gedge,1、Gedge,2は次式数4で与えられる。
Figure 0004423180
ただし、H、Hは磁界、導体表面での磁界である。Vはリング共振器内外の共振空間全体の体積、Sedgeはリング導体の1edge(図4)の面積である。μは真空の透磁率、ω=2πfは共振角周波数である。同じように、Gint,1、Gint,2、Gsur,1、Gsur,2は次式数5,6で与えられる。
Figure 0004423180
Figure 0004423180
intはリング導体の1int(図4)とグラウンド導体3int(図4)の面積である。Ssurはリング導体の1int(図4)の面積である。
数3〜数6は、有限要素法(FEM)やモードマッチング法などの数値解析法により求める。
尚、上記形態では、共振器としてリング共振器を用いた場合について説明したが、図5に示すように、リング導体の代わりに線路を形成し、マイクロストリップライン共振器を形成し、この共振器を用いて測定することもできる。
また、図6に示すように、誘電体基板の一方の面に第1共振導体と、該第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体を形成したコプレナー共振器を形成し、この共振器を用いて測定することもできる。
さらに、図7に示すように、誘電体基板の内部に共振導体が形成され、誘電体基板の両面に第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成されたストリップライン共振器を形成し、この共振器を用いて測定することもできる。
本発明の測定方法を銅メタライズ同時焼成LTCC基板に適用した結果を示す。第1リング共振器(リング直径D=10mm、リング幅W=0.1mm、誘電体基板2aの厚さt=0.3mm)と第2リング共振器(リング直径D=10mm、リング幅W=0.1mm、誘電体基板2bの厚さt=0.07mm)を作製し、共振周波数f、fと無負荷Q、Q、Qを測定した。
さらに、軸対象FEM解析プログラムにより、比誘電率ε’、リング導体の端面導電率σedge、界面導電率σintを計算した。結果を表1に示す。表中の導電率σは純銅の導電率5.8×10(S/m)で規格化した値である。なお、誘電正接の値は空洞共振器法により測定し、表面導電率σsurの値は非特許文献1の測定方法で測定した値である。
Figure 0004423180
この表1から、誘電体基板の比誘電率ε’、リング導体の界面導電率σintのみならず、リング導体の端面導電率σedgeをも測定でき、本測定方法で得た端面導電率σedgeは銅メタライズの表面導電率や界面導電率に比べて非常に小さい値となっていることが分かる。これは銅メタライズによるリング導体の端面の凹凸に起因しているものと思われる。即ち、端面の凹凸により、電流経路の実効長が大きくなり、結果として端面の実効的な導電率が低下したものと考えられる。
このように、本発明の測定方法によれば、伝送線路の導体の端面の凹凸を反映した、端面の実効導電率が測定できる。伝送線路の導体の電流密度分布は端面に最も集中することが知られているため、端面の実効導電率が測定できる本発明の測定方法によれば、メタライズ導体原料の選定や、同時焼成プロセスを最適化する上で、非常に有効であることが分かる。
本発明の電磁気的測定法に用いられる第1のリング共振器の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。 本発明の電磁気的測定法に用いられる第2のリング共振器の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。 本発明の測定法に使用するリング共振器に遮蔽導体を付加した構造を説明するための図である。 本発明の測定法に使用するリング共振器において、リング導体の端面、界面、表面、グラウンド導体の界面の位置を説明するための図である。 マイクロストリップライン共振器を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。 コプレナー共振器を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。 ストリップライン共振器を示すもので、(a)は平面図、(b)は概略断面図である。
符号の説明
1、1a、1b・・・リング導体
2、2a、2b・・・誘電体基板
3、3a、3b・・・グラウンド導体
4、4a、4b・・・支持基板
5・・・遮蔽導体
A・・・第1のリング共振器
B・・・第2のリング共振器

Claims (10)

  1. 第1誘電体基板の一方の面にライン状の第1共振導体が形成され、前記第1誘電体基板の他方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の一方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体が形成され、前記第2誘電体基板の他方の面に前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
    測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする電磁気的物性値測定法。
  2. 第1誘電体基板の一方の面にライン状の第1共振導体と、該第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、
    前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の一方の面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体と、該第2共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
    測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする電磁気的物性値測定法。
  3. 第1誘電体基板の内部にライン状の第1共振導体が形成され、前記第1誘電体基板の両面に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第1グラウンド導体が形成された第1共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第1の工程と、
    前記第1誘電体基板と同じ電磁気的物性値を有し、厚さの異なる第2誘電体基板の内部に、前記第1共振導体と同じ電磁気的物性値を有するライン状の第2共振導体が形成され、前記第2誘電体基板の両面に、前記第2共振導体と同じ電磁気的物性値を有する第2グラウンド導体が形成された第2共振器の共振周波数fと無負荷Q値Qを測定する第2の工程と、
    測定された共振周波数f、f及び無負荷Q値Q、Qに基づき、共振導体のライン端面の導電率、前記共振導体と誘電体基板との界面の導電率及び前記誘電体基板の誘電正接のうち二種類を算出することを特徴とする電磁気的物性値測定方法。
  4. 前記第1、第2誘電体基板がセラミックス又はガラスセラミックスからなり、該第1、第2誘電体基板と前記第1、第2共振導体が同時焼成されて一体化されていることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の電磁気的物性値測定法。
  5. 支持基板及び前記第1、第2共振器が同時焼成されて一体化されていることを特徴とする請求項記載の電磁気的物性値測定法。
  6. 前記第1、第2共振器は、ループアンテナ、マイクロストリップライン、ストリップライン、コプレナーライン及びNRDガイドのうちいずれかにより励振されることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の電磁気的物性値測定法。
  7. 前記第1、第2共振器はリング共振器であることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載の電磁気的物性値測定法。
  8. 前記第1、第2共振器はマイクロストリップライン共振器であることを特徴とする請求項1記載の電磁気的物性値測定法。
  9. 前記第1、第2共振器はコプレナー共振器であることを特徴とする請求項2記載の電磁気的物性値測定法。
  10. 前記第1、第2共振器はストリップライン共振器であることを特徴とする請求項3記載の電磁気的物性値測定法。
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