JP4422868B2 - ワイヤドット印字ヘッド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤドット印字ヘッドに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
印字機構部における発熱の放熱手段を備えたワイヤドット印字ヘッドとしては、特開平７-９６６１３号公報、および特開平６-１３５０１８号公報に記載されたものが知られている。前者のものは、ノーズ形成面に対して反対面に複数の放熱フィンを備えた放熱器を固定して形成され、後者のものは、印字ヘッドユニットの側壁部に放熱器を固定して形成される。
【０００３】
しかし、前者のものは、複数の印字ヘッドユニットを前後方向（本明細書において、印字ワイヤの飛び出し方向、すなわち、印字面側を前方とし、その反対側を後方とする。）に積層して印字ヘッドを形成する場合には、最後段の印字ヘッドユニットにしか放熱器を取り付けることができないために、前後段の印字ヘッドユニット間における放熱効率に差が生じ、所定の印字品質が得られないという欠点がある。
【０００４】
また、後者のものは、放熱器が印字ヘッドユニットの側壁部に固定されるために、複数の印字ヘッドユニットを積層して使用する場合にも、前後段の印字ヘッドユニットに放熱器を固定することができるが、冷却風の送風方向によっては、前後段の印字ヘッドユニットにおける冷却効率が変わってしまうという問題がある。すなわち、この従来例において、冷却風が例えば印字ヘッドユニットの積層方向に送られる場合には、最後段の放熱フィン以外は冷却風に対して影になるために、前段側の印字ヘッドユニットにおける冷却効率が極度に低下して印字品質の差が生じる。このため、均等な印字品質をすべての印字ヘッドユニットで保証するためには、冷却ファンの設置位置が限定されることとなり、レイアウト上の自由度を著しく低下させる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、冷却風の送風方向に関わりなく各段の印字ヘッドユニットが均等に冷却されるようにすることによって、各印字ヘッドユニットにおける印字品質の均一化を図り、さらに、レイアウト上の自由度も高められるワイヤドット印字ヘッドの提供を目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
ワイヤドット印字ヘッドは複数の印字ヘッドユニット１を印字ワイヤの進退方向に積層して構成され、各段の印字ヘッドユニット１の側壁部には、印字ヘッドユニット１の印字機後部における発熱を放熱するための放熱部３が設けられる。放熱部３は印字ヘッドユニット１の中心に対して放射状に配置される複数の放熱フィン２を有し、各段の放熱部３の放熱フィン２は正面視、すなわち、印字ヘッドユニット１の積層方向から見て重合しないように配置される。
【０００７】
放熱フィン２を側壁に配置することにより、冷却風が積層方向に対して直交する方向から送風されても、冷却風は各段の放熱部３の放熱フィン２に均等に当たり、さらに、冷却風の送風方向が印字ヘッドの中心軸線に一致する場合であっても、各放熱フィン２は他段の放熱フィン２の陰になることがないために、冷却風に対する各段の有効放熱面積が均等になり、各段において均等な冷却効果が得られる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図１ないし図４に示すように、印字ヘッドは２組の印字ヘッドユニット１、１を上下段に積層して形成され、上段側の印字ヘッドユニット１にノーズ５が固定される。
【０００９】
各印字ヘッドユニット１は、図３に示すように、カバー１ａ内に複数のアーマチュア１ｂ等からなる印字機構部を収容して構成され、各アーマチュア１ｂに印字ワイヤ１ｃの一端が固定される。各印字ワイヤ１ｃはノーズ５内に形成されたワイヤガイド５ａのガイド孔を挿通してノーズ５先端に至り、コイル１ｄを励磁するとアーマチュア１ｂは印字ワイヤ１ｃが印字ヘッドユニット１の積層方向に駆動され、印字ワイヤ１ｃの他端（印字端）がノーズ５先端から進退する。なお、図３において１ｅは磁性材料により形成されるマグネットベース、１ｆはコイル１ｄを励磁動作を制御するプリント基板を示す。
【００１０】
カバー１ａは、金属材料、望ましくはアルミニウム等の熱伝導性の良好な材料により形成されており、このカバー１ａに放熱部３が固定される。放熱部３はアルミニウム等の熱伝導性の良好な材料により形成され、カバー１ａの外周を外嵌する筒部３ａの外周壁から放射状に複数の放熱フィン２、２・・を突設して形成される。筒部３ａはカバー１ａより後方まで延設され、マグネットベース１ｅの外周に接するように配置される。マグネットベース１ｅと放熱部３の内周壁面との間には、伝熱性の優れたコンパウウンド材等が介装されて境界面における熱抵抗が低減される。また、マグネットベース１ｅとカバー１ａとを伝熱性の優れたシリコングリース等により接着することもできる。
【００１１】
上記前後段における放熱部３の放熱フィン２は、図２、４に示すように、正面視において重合することなく、正面から見た際に、前段の放熱フィン２の隙間に後段側の放熱フィン２が臨むように、半ピッチずれた位置に配置される。
【００１２】
なお、図３において、放熱部３はカバー１ａに対して別体に形成され、カバー１ａに固定する場合が示されているが、カバー１ａに予め一体に形成することができ、この場合には、製造効率を向上させることができる。
【００１３】
また、後段の印字ヘッドユニット１の後端には冷却ファン４が固定される。冷却ファン４は印字ヘッドユニット１の中心軸線に沿って冷却風を送風する軸流ファンであり、印字ヘッドに固定することにより、改めて別途冷却手段を筐体内に配置することが不要となるために、装置全体を小型化できる。
【００１４】
（付記１）複数段の印字ヘッドユニットを積層してなるワイヤドット印字ヘッドであって、
各段の印字ヘッドユニットの側壁部には中心から放射状に放熱フィンが突設された放熱部が設けられ、
かつ、各段の放熱部の放熱フィンは正面視において互いに重合しない位置に配置されるワイヤドット印字ヘッド。
（付記２）前記最後段の印字ヘッドユニットの後端に前方に向けて冷却風を送風する冷却ファンが固定される付記１記載のワイヤドット印字ヘッド。
（付記３）前記放熱部３は印字ヘッドユニットのカバーに一体形成される付記１または２記載のワイヤドットの印字ヘッド。
【００１５】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、冷却風の流れ方向に関わらずに各段の印字ヘッドユニットを均等に冷却することができるために、各段における印字品質を均等に保持することができる。
【００１６】
また、冷却ファンの配置を周囲の部品の配置のみにより決定することができるために、設計の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を示す図である。
【図２】図１の正面図である。
【図３】図２の２Ａ-２Ａ線断面図である。
【図４】下段の印字ヘッドユニットを示す図で、（ａ）は図３の４Ａ-４Ａ線断面図、（ｂ）は図３の４Ｂ方向矢視図である。
【符号の説明】
１ 印字ヘッドユニット
２ 放熱フィン
３ 放熱部
４ 冷却ファン

Claims (2)

1. 複数段の印字ヘッドユニットを正背面方向に積層してなり、
   各段の印字ヘッドユニットの側壁部には中心から放射状に放熱フィンが所定ピッチで突設された放熱部が設けられ、
   かつ、各段の放熱部の放熱フィンは他の段の放熱部の放熱フィンに対してピッチの配置がずらされることにより正面視において互いに重合しない位置に配置されるワイヤドット印字ヘッド。
2. 前記最後段の印字ヘッドユニットの後端に前方に向けて冷却風を送風する冷却ファンが固定される請求項１記載のワイヤドット印字ヘッド。

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