JP4421310B2 - エーテル類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、共役ジエン化合物とアルコール類とをテロメリ化反応させてエーテル類を製造する方法および該方法に使用する触媒機能を有する組成物に関する。
本発明により製造されるエーテル類は、各種ポリマー原料、香料などの中間体として有用である。
共役ジエン化合物のテロメリ化反応(テロメリゼーション)とは、共役ジエン化合物が求核性反応剤を取り込むことによりオリゴマー化する反応である。例えば、2分子のブタジエンが1分子の酢酸などの活性水素化合物と反応して1−アセトキシ−2,7−オクタジエンなどの生成物を生じる反応が挙げられる。
パラジウム錯体、特に、ホスフィンが配位したパラジウム錯体(以下、これをホスフィン配位パラジウム錯体と称する)が共役ジエン化合物のテロメリゼーション触媒として優れた活性を示すことが知られている[例えば、非特許文献1参照]。しかしながら、テロメリ化反応を工業的に行うに際し、触媒としてホスフィン配位パラジウム錯体を用いた場合には次のような問題がある。(1)ホスフィン配位パラジウム錯体は熱安定性が悪く、テロメリゼーション生成物と触媒成分とを蒸発分離させる場合、その工程で該錯体が分解してパラジウム金属が析出する。このため、触媒の再使用が難しく、しかも析出した金属は配管の閉塞などの問題をもたらす。(2)ホスフィン配位パラジウム錯体の熱安定性を保つには、反応液中にパラジウム1原子当り過剰量のホスフィンを存在させる必要があり、一方、過剰量のホスフィンの存在はホスフィン配位パラジウム錯体の安定性を高めることになるが、触媒としての活性を低下させることになる。さらに過剰量のホスフィンの酸化によるホスフィンオキシド生成に伴うホスフィンの濃度低下、触媒活性の低下などの問題がある。以上のような観点から、ホスフィンに替わる配位子として、パラジウムなどの金属への配位能力を有し、かつテロメリ化反応活性を示す化合物が求められている。
非ホスフィン系の配位子であるイソシアニド類とニッケル化合物からなる触媒系の存在下に、炭素数4〜6の共役ジエン化合物とモノアルコールをテロメリ化させて不飽和エーテルを製造する方法が報告されている[例えば、特許文献1参照]。その実施例では、1,3−ブタジエンとメタノールのテロメリ化反応が、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルとシクロヘキシルイソシアニドからなる触媒系[1,3−ブタジエンに対して0.001〜0.01当量のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケルを使用]の存在下に行われており、1−メトキシ−2,7−オクタジエンと3−メトキシ−1,7−オクタジエンが91対9の割合(重量比)で得られている。
共役ジエン化合物とアルコールのテロメリゼーションにおいて、ニッケル化合物とイソシアニド類からなる触媒系を用いる場合、アルコール付加生成物の末端位置選択率は高くとも90%程度であり、実質的な1位置換エーテルの収率が低いのみならず、触媒活性が低いため触媒を多量に必要とし、工業的な具現性に欠ける。
また、非ホスフィン系の配位子として含窒素複素環式カルベンを用いたパラジウム系触媒によるテロメリ化反応が報告されている[例えば、特許文献2および非特許文献2参照]。含窒素複素環式カルベンは電子供与性が高く、金属と強固に結合する性質を有し、該含窒素複素環式カルベンが配位した金属の電子密度は顕著に上昇する。したがって、含窒素複素環式カルベンが配位してなるパラジウム錯体は熱安定性に優れ、酸化的付加反応などに優れた触媒活性を示す。かかるパラジウム錯体は、アリールクロリドを用いた溝呂木−ヘック(Heck)反応、鈴木−宮浦カップリング反応などのカップリング反応の触媒として用いられることが知られている[例えば、非特許文献3および非特許文献4参照]。該錯体を1,3−ブタジエンとメタノールのテロメリゼーションに触媒として使用した場合、ホスフィン配位パラジウム錯体に比べ、生産性(TON,turnover number)、メタノール付加生成物の末端位置選択率およびテロメリ化選択率において優れることが報告されている[例えば、非特許文献5および非特許文献6参照]。
含窒素複素環式カルベンが配位したパラジウム錯体を用いたテロメリゼーションでは、先述のように含窒素複素環式カルベンの電子供与性により2分子の共役ジエン化合物の酸化的カップリング反応は速くなるが、その反面、還元的脱離反応が遅くなるため、反応効率を高めるには、含窒素複素環式カルベンが配位したパラジウム錯体に対して大過剰の塩基を加える必要がある。そのため、含窒素複素環式カルベンが配位したパラジウム錯体の安定性を維持することが難しいという問題がある。さらに、かかるテロメリゼーションを工業的に実施し、触媒の循環再使用時を想定した場合、触媒活性の低下のみならず、反応装置の腐食、塩基析出による配管の閉塞など重大な問題を引起こすことになる。また、配位子として使用する含窒素複素環式カルベンを別途合成するにあたり複数の工程を経るため高価とならざるを得ないため、配位子の価格が高いという問題点もある。
さらに、非ホスフィン系の配位子としてイソシアニドを用いたパラジウム系触媒によるテロメリ化反応が報告されている[例えば、特許文献3および特許文献4参照]。その実施例では、1,3−ブタジエンとトリメチロールプロパンのテロメリ化反応が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとシクロヘキシルイソシアニドからなる触媒系の存在下に行われている。しかしながら、触媒となるテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムとブタジエンの使用比率、生成物の収量、反応時間などは記載されておらず、ただ主生成物としてオクタジエニルジヒドロキシメチルブタンが得られたと報告されているのみである。本発明者らは、イソシアニドを配位子とする際に、イソシアニドのα位の炭素上に水素が存在している場合、テロメリ化反応に使用される塩基によって該水素が引き抜かれ、イソシアニドが分解するため、配位子としての本来の働きを示さず、目的とするテロメリ化触媒配位子としての機能が著しく低下することを見出した(後述の比較例2参照)。さらに、この報告例では、イソシアニドを、既に配位子としてリンを有しているパラジウム触媒と併用している。本発明者らは、既に配位子としてリンを有しているパラジウムを使用すると、イソシアニドの配位が抑制されるため、反応が著しく遅くなるだけでなく、アルコールによる求核反応の位置選択性が低く(後述の比較例3参照)、よって、アルコールが付加する位置の末端選択性、即ち直鎖選択性が低くなるという問題点があることを見出した。また、リンが配位することによって、パラジウム上の電荷密度が十分に上がらないため、ブタジエン当たりの触媒の使用量を少なくすることができない、またはブタジエンの転化率が上がらないという問題点を有することも本発明者らは見出した。
米国特許第3670029号明細書 ドイツ公開特許第10128144号公報 特公昭48−43327号公報 米国特許第3670032号明細書 辻二郎著「パラジウム リエージェンツ アンド キャタリスツ(Palladium Reagents and Catalysts)」、ジョン ウィレー アンド サンズ(John Wiley & Sons)出版、第423〜441頁(1995年) アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第41巻、第1290〜1309頁(2002年) プラチナ メタルズ レビュー(Platinum Metals Rev.)、第46巻、第50〜64頁(2002年) アドバンシーズ イン オルガノメタリック ケミストリー(Advances in Organometallic Chemistry)、第48巻、第42〜47頁(2002年) アンゲバンテ ケミー インターナショナル エディション(Angew.Chem.Int.Ed.)、第41巻、第986〜989頁(2002年) ジャーナル オブ モレキュラー キャタリシス A:ケミカル(Journal of Molecular Catalysis A:Chemical)、第185巻、第105〜112頁(2002年)
本発明の目的は、共役ジエン化合物とアルコール類とのテロメリ化反応に使用される、高い触媒活性を発現し、かつ高い末端位置選択性(直鎖選択性)をもってアルコール付加生成物を与える組成物を安価に提供することにある。
本発明の他の目的は、共役ジエン化合物とアルコール類とを上記の組成物を用いてテロメリ化反応させることにより工業的に有利にエーテル類を製造する方法を提供することにある。
本発明は、パラジウム化合物、一般式(I)
Figure 0004421310
(式中、R、RおよびRは同一または異なっていてもよく、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表すか、それらのうちの2個はそれらが結合する炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成していてもよい。)
で示されるイソシアニド類[以下、これをイソシアニド類(I)と称する]および一般式(II)
Figure 0004421310
(式中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属またはオニウムを表し、Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表し、nはMがアルカリ金属またはオニウムを表す場合は1を表し、Mがアルカリ土類金属を表す場合は2を表す。)
で示される塩基[以下、これを塩基(II)と称する]を含有する組成物に関する。
本発明はまた、共役ジエン化合物とアルコール類とを、触媒として上記の組成物の存在下でテロメリ化反応させて、エーテル類を得ることを特徴とするエーテル類の製造方法に関する。
本発明の組成物は、安価に提供され、かつ共役ジエン化合物とアルコール類とのテロメリ化反応において高い触媒活性を発現し、かつ高い直鎖選択性をもってアルコール付加生成物を与える。
本発明の方法により、共役ジエン化合物とアルコール類から工業的に有利にエーテル類を製造することができる。また、本発明の方法によれば、アルコール類が末端に付加した直鎖状エーテル類を工業的に有利に製造することができる。
パラジウム化合物としては、リン化合物のような強力な配位能力を有していないパラジウム化合物であれば特に制限されるものではなく、例えば、ギ酸パラジウム、酢酸パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、炭酸パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)パラジウムジクロリド、ビス(t−ブチルイソシアニド)パラジウムジクロリド、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム酸カリウムなどの2価のパラジウム塩、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムなどが挙げられる。イソシアニド類(I)と組み合わせて使用するパラジウム化合物としては、耐酸化安定性、工業的入手性から0価のパラジウム化合物よりも2価のパラジウム化合物が好ましく、触媒活性、アルコール類が付加する位置の末端選択率(直鎖選択率)およびテロメリ化選択率が優れている点で、2価のパラジウム塩が特に好ましい。
イソシアニド類(I)は、イソニトリルまたはカルビルアミンとも称され、対応するアミンから容易にかつ安価に製造される。
イソシアニド類(I)を表す一般式(I)において、R、RおよびRが表すアルキル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルキル基であってよく、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルケニル基であってよく、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアルケニル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基(オキソ基);カルボキシル基などが挙げられる。
、RおよびRが表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などが挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニリル基、ビフェニレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
、RおよびRのうちの2個がそれらが結合する炭素原子と一緒になって形成するシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
イソシアニド類(I)の代表例として、例えばt−ブチルイソシアニド、1,1−ジメチルプロピルイソシアニド、1−メチルシクロヘキシルイソシアニド、1,1,3,3−テトラメチルブチルイソシアニド、1,1−ジメチルベンジルイソシアニドなどが挙げられる。イソシアニド類(I)としては、RC−で表される基が炭素数4〜8の第3級アルキル基であるイソシアニドが好ましく、t−ブチルイソシアニド、1,1−ジメチルプロピルイソシアニド、1,1,3,3−テトラメチルブチルイソシアニドがより好ましい。
塩基(II)を表す一般式(II)において、Mが表すアルカリ金属としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。Mが表すオニウムとしては、例えばアンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、オキソニウムなどが挙げられる。
上記のアンモニウムとしては、下記の一般式(III)
Figure 0004421310
(式中、R、R、RおよびRはそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるアンモニウムが好ましい。
上記のスルホニウムとしては、下記の一般式(IV)
Figure 0004421310
(式中、R、R10およびR11はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるスルホニウムが好ましい。
上記のホスホニウムとしては、下記の一般式(V)
Figure 0004421310
(式中、R12、R13、R14およびR15はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるホスホニウムが好ましい。
上記のオキソニウムとしては、下記の一般式(VI)
Figure 0004421310
(式中、R16、R17およびR18はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)
で示されるオキソニウムが好ましい。
上記の一般式中、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すアルキル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルキル基であってよく、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルケニル基であってよく、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアルケニル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などが挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニリル基、ビフェニレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
アンモニウムの代表例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ−n−プロピルアンモニウム、トリイソプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
スルホニウムの代表例としては、トリメチルスルホニウム、トリエチルスルホニウム、トリ−n−プロピルスルホニウム、トリイソプロピルスルホニウムなどが挙げられる。
ホスホニウムの代表例としては、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラ−n−プロピルホスホニウム、トリイソプロピルホスホニウムイオン、テトラ−n−ブチルホスホニウム、ベンジルトリメチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムなどが挙げられる。
オキソニウムの代表例としては、トリメチルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、トリ−n−プロピルオキソニウム、トリイソプロピルオキソニウムなどが挙げられる。
塩基(II)を表す一般式(II)において、R4が表すアルキル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルキル基であってよく、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、直鎖、分枝鎖または環状アルケニル基であってよく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアルケニル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などが挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニリル基、ビフェニレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
塩基(II)としては、例えば、水酸化リチウム、リチウムメトキシド、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムs−ブトキシド、ナトリウムフェノキシド、ナトリウムベンジルオキシド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウムs−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムフェノキシド、カリウムベンジルオキシド、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムメトキシド、テトラメチルアンモニウムフェノキシド、テトラメチルアンモニウムベンジルオキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルスルホニウムヒドロキシド、テトラフェニルホスホニウムヒドロキシド、トリメチルオキソニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
本発明の組成物は、上記のとおり、パラジウム化合物、イソシアニド類(I)および塩基(II)を含有し、テロメリ化反応系において優れた触媒活性を発現する。イソシアニド類(I)の組成割合は、パラジウム化合物に対して0.1〜50当量の範囲であるのが好ましく、1〜20当量の範囲であるのがより好ましい。イソシアニド類(I)の組成割合がパラジウム化合物に対して50当量を越える場合には、パラジウム化合物への共役ジエン化合物の配位がイソシアニド類(I)によって阻害されるため、テロメリ化の反応速度が低くなる。塩基(II)の組成割合は、パラジウム化合物に対して0.1〜100000当量の範囲であるのが好ましく、1〜10000当量の範囲であるのがより好ましい。
本発明においてテロメリ化反応に供される共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエンおよびその2−および/または3−置換誘導体またはそれらの混合物が挙げられる。2位または3位の置換基としては、アルキル基またはハロゲン原子が挙げられる。アルキル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルキル基であってよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
共役ジエン化合物の代表例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエンなどが挙げられる。共役ジエン化合物としては、炭素数4〜6の非環式ジエン化合物が好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。
本発明において使用されるアルコール類は、下記の一般式(VII)
Figure 0004421310
(式中、R19は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表す。)
で示される。
上記一般式中、R19が表すアルキル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルキル基であってよく、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、直鎖、分枝鎖または環状アルケニル基であってよく、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えばビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアルケニル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基;ヒドロキシメトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基などのヒドロキシアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のヒドロキシアルコキシル基);2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基などのアルコキシアルコキシル基(好ましくはC1−8アルコキシC1−8アルコキシル基)などが挙げられる。
19が表すアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、例えばフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えばベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などが挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は炭素原子上に水素原子以外の原子または置換基もしくは官能基を有していてもよい。水素原子以外の原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。環上の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基などの炭素数2〜8のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニリル基、ビフェニレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、テトラセニル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、ナフチルメチル基、インデニルメチル基、ビフェニリルメチル基などの炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。官能基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などのアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基);アミノ基;シアノ基;ヒドロキシル基;ケト基;カルボキシル基などが挙げられる。
アルコール類の代表例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、イソアミルアルコール、シクロペンタノール、ヘキサノール、2−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。アルコール類としては、炭素数1〜8のアルキルアルコールが好ましく、炭素数1〜4のアルキルアルコールがより好ましい。
本発明におけるテロメリ化反応は、パラジウム化合物、イソシアニド類(I)および塩基(II)を原料のアルコール類中で混合することにより触媒活性種を形成させた後、原料の共役ジエン化合物を加えて行う。
パラジウム化合物の使用量は、共役ジエン化合物に対して0.0000001〜0.00002当量の範囲であるのが好ましく、0.000001〜0.00002当量の範囲であるのがより好ましい。パラジウム化合物の使用量が共役ジエン化合物に対して0.00002当量を越える場合には、経済性を低下させるばかりか、パラジウム化合物の還元カップリングによる析出を併発し、回収等の操作を煩雑化させるため、工業的に好ましくない。
イソシアニド類(I)の使用量は、パラジウム化合物に対して0.1〜50当量の範囲であるのが好ましく、1〜20当量の範囲であるのがより好ましい。塩基(II)の使用量は、パラジウム化合物に対して0.1〜100000当量の範囲であるのが好ましく、1〜10000当量の範囲であるのがより好ましい。アルコール類の使用量は、共役ジエン化合物に対して0.1〜10当量の範囲であるのが好ましく、0.5〜5当量の範囲であるのがより好ましい。
本発明におけるテロメリ化反応系には、反応を阻害しない限りにおいて、溶媒を存在させることができる。溶媒としては、例えば、ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;テトラヒドロフラン、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル、ジオクチルエーテル、ヘキシルペンチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジ(p−トリル)エーテル、ジ(m−トリル)エーテル、ジ(o−トリル)エーテル、ジ(2,3−ジメチルフェニル)エーテル、ジ(2,6−ジメチルフェニル)エーテル、ジ(2,4,6−トリメチルフェニル)エーテル、(2−クロロエチル)フェニルエーテル、(2−ブロモエチル)フェニルエーテル、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2,3−トリメトキシベンゼン、3,4,5−トリメトキシトルエン、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,2−ジメトキシナフタレン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジn−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(平均分子量400)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(平均分子量2000)、ポリエチレングリコールジエチルエーテル(平均分子量400)、ポリエチレングリコールジビニルエーテル(平均分子量240)、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6などのエーテル化合物;ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、プロピオンアミド、N−(1−シクロヘキセニル)ホルムアミド、N−(2−ピリジル)ホルムアミド、N−(3−メチル−2−ピリジル)ホルムアミド、N−メチル−N−(2−ピリジル)ホルムアミド、N−(3−メトキシプロピル)ホルムアミド、ジフェニルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、1−エチル−2−ピロリジノンなどのアミド類などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は特に制限はないが、共役ジエン化合物に対して0.001〜1000当量の範囲であるのが好ましい。
テロメリ化反応の反応温度は0〜150℃の範囲であるのが好ましく、20〜110℃の範囲であるのがより好ましい。反応温度が低い場合には反応時間が長くなり、また高い場合には副生物が増える。反応圧力は特に制限はなく、常圧から加圧の範囲で実施可能であるが、通常、反応温度に応じて生じる圧力下で反応は行われる。
テロメリ化反応の反応時間に特に制限はなく、通常0.01〜30時間、好ましくは0.1〜20時間である。
本発明はバッチ式または連続式のいずれでも行うことができる。連続式の場合には、ピストンフロー型反応器または完全混合槽型反応器のいずれでも行うことができ、またこれらを組み合わせて行うこともできる。
反応終了後、得られた反応混合物からのテロメリ化反応生成物の分離は通常の方法で行うことができる。例えば、溶媒や未反応原料を蒸留分離した後、必要に応じて、その残渣を蒸留、再結晶、再沈殿またはカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的生成物を得る。これらの分離方法は単独で行っても組み合わせて行ってもよい。上記の精製操作に加えて、必要に応じて、触媒の分離操作を行う。触媒の分離方法としては、蒸発法、薄膜蒸発法、層分離法、抽出法、吸着法などが採用される。これらの方法は単独で行っても組み合わせて行ってもよい。
共役ジエン化合物として、例えば1,3−ブタジエンを使用する場合の本発明の製造方法によるテロメリ化反応の反応式を以下に示す。
Figure 0004421310
上記テロメリ化反応において、1位置換エーテル(A)に加えて、3位置換エーテル(B)が生成される。
本発明の製造方法によれば、末端にアルコール類が付加したエーテル生成物(A)を高い位置選択性(直鎖選択性)をもって製造することができる。さらに、(1)テロメリ化反応の選択性が高く、1,3,7−オクタトリエン、4−ビニルシクロヘキセンなどのエーテル類以外の副生成物の生成量が少ない。(2)共役ジエン化合物の転化率が高く、目的化合物の収率が高い。(3)TOF(turnover frequency)が高く、触媒の単位量当たり、反応時間当たりの収率が高い、即ち触媒活性が高いという利点がある。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。実施例および比較例において、TOF、ブタジエン転化率、直鎖選択率、テロメリ化選択率は以下のように定義される。収率は%で表す。
TOF=[{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)+(1,3,7−オクタトリエンの収率)+(4−ビニルシクロヘキセンの収率)}/100]×100,000(反応前の1,3−ブタジエンとパラジウム化合物のモル比)/2(時間)
ブタジエン転化率=[{(反応前の1,3−ブタジエンのモル数)−(反応後の1,3−ブタジエンのモル数)}/(反応前の1,3−ブタジエンのモル数)]×100
直鎖選択率=[(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)/{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)}]×100
テロメリ化選択率=[{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)}/{(1−メトキシ−2,7−オクタジエンの収率)+(3−メトキシ−1,7−オクタジエンの収率)+(1,3,7−オクタトリエンの収率)+(4−ビニルシクロヘキセンの収率)}]×100
実施例1
内容積100mLのオートクレーブに、アルゴン雰囲気下、室温で、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム2.0mg(3.5マイクロモル)、メタノール30mL(0.74モル)、t−ブチルイソシアニド1.2mg(14マイクロモル)、カリウムメトキシド24.5mg(0.35ミリモル)および内標準の1,2,4−トリメチルベンゼン1.0gを順に加えた。1,3−ブタジエン30mL(0.35モル)をフィードした後、80℃に昇温した。2時間後および3時間後、得られた反応液をガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所製、GC−14B型)により分析した結果を表1に示した。
実施例2
実施例1において、t−ブチルイソシアニドの代わりに1,1−ジメチルプロピルイソシアニド1.4mg(14マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
実施例3
実施例1において、t−ブチルイソシアニドの代わりに1,1,3,3−テトラメチルブチルイソシアニド1.9mg(14マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
実施例4
実施例1において、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムの代わりに酢酸パラジウム0.79mg(3.5マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
実施例5
実施例1において、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムの代わりにパラジウムアセチルアセトネート1.06mg(3.5マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
実施例6
実施例1において、1,3−ブタジエン30mL(0.35モル)の代わりに1,3−ブタジエン60mL(0.70モル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
比較例1
内容積100mLのオートクレーブに、アルゴン雰囲気下、室温で、ニッケルアセチルアセトナート0.9mg(3.5マイクロモル)、メタノール30mL(0.74モル)、t−ブチルイソシアニド1.2mg(14マイクロモル)、カリウムメトキシド24.5mg(0.35ミリモル)および内標準の1,2,4−トリメチルベンゼン1.0gを順に加えた。1,3−ブタジエン30mL(0.35モル)をフィードした後、80℃に昇温した。2時間後および3時間後、得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
比較例2
実施例1において、t−ブチルイソシアニドの代わりにシクロヘキシルイソシアニド1.53mg(14マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
比較例3
実施例1において、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムの代わりにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.04mg(3.5マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
比較例4
実施例1において、t−ブチルイソシアニド1.2mg(14マイクロモル)の代わりにt−ブチルイソシアニド24.0mg(280マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
比較例5
実施例1において、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムの代わりにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.04mg(3.5マイクロモル)を、t−ブチルイソシアニドの代わりにシクロヘキシルイソシアニド1.53mg(14マイクロモル)を用いた以外は同様の反応および操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィー(前記のとおり)により分析した結果を表1に示した。
なお、TOFは、2時間後のガスクロマトグラフィー分析値に基づいて計算し、ブタジエン転化率、直鎖選択率およびテロメリ化選択率は、3時間後のガスクロマトグラフィー分析値に基づいて計算した。
Figure 0004421310
本発明の組成物は、共役ジエン化合物とアルコール類とのテロメリ化反応における触媒として有用である。
本発明の方法は、共役ジエン化合物とアルコール類から工業的に有利にエーテル類を製造する際に採用される。

Claims (2)

  1. 共役ジエン化合物とアルコール類とを、触媒としての組成物の存在下でテロメリ化反応させて、エーテル類を得ることを特徴とするエーテル類の製造方法において、前記組成物が、
    (a)2価のパラジウム化合物またはビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムおよびビス(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムから選ばれるパラジウム化合物、
    (b)一般式(I)
    Figure 0004421310

    (式中、R 、R およびR は同一または異なっていてもよく、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表すか、それらのうちの2個はそれらが結合する炭素原子と一緒になってシクロアルキル基を形成してもよい。)
    で示されるイソシアニド類および
    (c)一般式(II)
    Figure 0004421310

    (式中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属またはオニウムを表し、R は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表し、nはMがアルカリ金属またはオニウムを表す場合は1を表し、Mがアルカリ土類金属を表す場合は2を表す。)
    で示される塩基を含有する組成物である、エーテル類の製造方法
  2. アルコール類が一般式(VII)
    Figure 0004421310

    (式中、R19は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)
    で示されるものである請求項に記載の製造方法。
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