JP4420857B2 - 投写型表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、カラー画像を表示する投写型表示装置に関する。
カラー画像を投写する投写型表示装置では、照明光学系から出射された光が、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色の波長を有する光に分光される。分光された3つの色の光は、それぞれ用意された液晶ライトバルブにより、それぞれの色信号に応じて変調される。そして、変調後の各色光を再び合成することにより形成されたカラー画像が投写レンズから出射され、スクリーンなどに画像が投影される。
上記した投写型表示装置において、照明光学系を直線配置したL字型構成と、照明光学系をミラーで折り曲げたU字型構成のものが知られている。これらの投写型表示装置において、光源から放射される可視光以外の紫外線、赤外線成分(UVIR成分)をどこで吸収するか、また、このUVIR成分が照射される光学部品の冷却が極めて重要である。
従来、UVIRカットフィルタを光源の前方に配置して、光源からのUVIR成分を除去する構成が取られている。しかしながら、この構成では、UVIR成分が光源側へ再帰反射することにより、光源のランプバーナ部の温度上昇を誘起し、光源ランプの寿命を低下させるという難点があった。
一方、照明光学系をミラーで折り曲げたU字型構成の投写型表示装置において、光源からの光を折り曲げるミラーとしてコールドミラーを用い、可視光は反射させ、可視光以外のUVIR成分の光を光路外に出すように構成したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−219972号公報 (図3、段落番号0021ないし0023参照)
一般に、光源は、ランプ出射光をほぼ平行光束化するために、ガラス製のリフレクタが用いられている。しかし、ガラス製のリフレクタは、万一中のランプが破裂した場合にリフレクタ自体も破損し、表示装置内部にガラス等の破片が散らばるという問題がある。また、ガラスは冷えにくい熱特性を有するため、一旦ランプを消灯後、ランプバーナが再点灯可能な温度まで低下するのに数分の時間を要するという難点もあった。
そこで、リフレクタを金属化することにより、破損を防止し、また、リフレクタの冷却特性を向上させる構成が実現されている。しかし、金属製のリフレクタは可視光以外のUVIR成分も全て前方へ反射させるため、光源からの光を折り曲げるコールドミラーに対して、ガラス製リフレクタを用いた時に比べてより温度の上昇をもたらすことになり、コールドミラーに対する温度対策が必要となってくる。このため、コールドミラーとして耐熱性ガラスを用いる必要があり、コストが高くなるという問題があった。
この発明は、上述した従来の問題点を鑑みなされたものにして、照明光学系をミラーで折り曲げたU字型構成の投写型表示装置において、熱負荷を低減させ、光源を折り曲げるミラーを耐熱性ガラスを用いることなく構成できる装置を提供することを目的とする。
この発明は、ランプとパラボラ形状のリフレクタとからなる光源からの光をミラーで折り曲げ、フライアイインテグレータを経て光変調素子に与え、この光変調素子で変調された変調光を投写レンズで拡大投写する投写型表示装置において、前記リフレクタを金属リフレクタで構成し、前記ミラーを青板ガラスで形成することにより、青板ガラスを透過した紫外線及び赤外線を光路外へ放出するように構成されていると共に、青板ガラス設置面上下に通風口を設けることにより、青板ガラス面に沿って冷却風を案内して青板ガラス面を冷却するように構成されていることを特徴とする。
この発明は、可視光、紫外線、赤外線を含む光が与えられるミラーを冷却する手段を設けることで、金属リフレクタを用いた場合においても安価な青板ガラスでミラーを構成できる。しかも、紫外線及び赤外線のランプ側への再帰反射を防止するように構成しているので、ランプへの熱負荷が低減され、ランプの寿命を長くすることができる。
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明の第1の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした、すなわち、光源と投写レンズとがU字状に折れ曲がって配置された投写型表示装置の構成を示す模式図である。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
図1に示すように、光源1は、高圧水銀ランプ1aとこのランプ1aから射出された白色光をほぼ平行光束化するパラボラ形状の金属製リフレクタ1bで構成される。リフレクタとして金属リフレクタ1bを用いているので、破損が防止され、またリフレクタ1bの冷却特性が向上し、ランプ1aの再点灯可能な時間を短縮化できる。なお、金属製リフレクタ1bは、可視光以外のUVIR成分も全て前方へ反射させることになる。
光源1から出射された光は、コールドミラー2で構成されるミラーにより光路を90度折り曲げられる。このコールドミラー2は、可視光を反射し、可視光以外の光を透過する特性を有する。従って、UVIR成分はコールドミラー2を透過し、光路外に放出される。コールドミラー2から放出されるUVIR成分をプロジェクタのエンジン外に放出するために、エンジンキャビネット30のコールドミラ2の背面に位置する箇所には、開口部30aが設けられている。このようにして、コールドミラー2により、UVIR成分を透過させて光路外に放出し、後段光学部材への熱負荷を低減する。また、光源1側へのUVIR成分の再帰反射を回避でき、ランプ1aの熱負荷も低減できる。
パラボラ形状のリフレクタ1bにて平行光として出射された光は、コールドミラー2により赤外および紫外成分が透過され、可視光が反射され光路が90度折り曲げられる。そして、凸レンズ群で構成された第1、第2のフライアイレンズ3、4からなるいわゆるフライアイインテグレータにて光束分割される。それぞれの光束は収束して偏光変換素子5に入射し、偏光方向が揃えられて出射される。
そして、偏光方向が揃えられた光はコンデンサーレンズ6等を通過した後、ダイクロイックミラー7によって赤から緑色帯域の光は透過し、青色帯域光は反射される。
ダイクロイックミラー7によって反射され、光路を90度変えた青色帯域光は全反射ミラー8によって光路を90度変え、フィールドレンズ9Bを介して青色帯域光成分画像を表示する青色用液晶表示素子10Bに入射し、ここで入力信号に応じて光変調される。液晶表示素子には、入射側偏光板PI、出射側偏光板POが設けられている。
光変調された光は、ダイクロイックプリズム11に入射し、ダイクロイックプリズム11内で光路を90度変えて投写レンズ20に入射し、拡大投影されスクリーン(図示しない)上に結像される。
一方、ダイクロイックミラー7を透過した赤〜緑色帯域光はダイクロイックミラー12に入射する。ダイクロイックミラー12は緑色帯域光を反射する特性を有しているため、ここで緑色帯域光は反射され、その光路を90度変え、フィールドレンズ9Gを介して緑色帯域光成分画像を表示する緑色用液晶表示素子9Gに入射し、ここで入力信号に応じて光変調される。光変調された緑色帯域光はダイクロイックプリズム11、投写レンズ20の順に入射し、拡大投影されスクリーン上に結像される。
ダイクロイックミラー12を透過した赤色帯域光は、レンズ13〜14や全反射ミラー16、17を経てフィールドレンズ9Rから赤色帯域光成分画像を表示する赤色用液晶表示素子10Rに入射し、ここで入力信号に応じて光変調される。光変調された赤色帯域光は、ダイクロイックプリズム11に入射し、ダイクロプリズム11で光路を90度変えて投写レンズ20に入射し拡大投影されスクリーン上に結像される。
さて、金属製リフレクタ1bは、可視光以外のUVIR成分も全て前方へ反射させることになるので、コールドミラー2は非常に熱せられる。通常コールドミラーの材質として耐熱ガラスを用いていたが、この第1の実施形態では、コールドミラー2を安価な青板ガラスを用いている。このため、この実施形態では、コールドミラー2を冷却する手段を用いて、コールドミラー2の材質として青板ガラスを用いることを可能とした。
図1に示す第1の実施形態では、キャビネット30のコールドミラー2設置面上下に通風口31を設け、ミラー面に沿って上若しくは下からファン32の風を案内し、ミラー面を冷却するように構成している。このように、ファン32からの冷却風をコールドミラー2のミラー面に沿って流すことで、コールドミラー2の温度上昇を抑制でき、安価な青板ガラスで構成したコールドミラーを利用することができる。
図2は、この発明の第2の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。この第2の実施形態は、青板ガラスから成るコールドミラー2の背面中央部にヒートシンク33を設け、このヒートシンク33をファン34からの冷却風で冷却し、コールドミラー2を冷却するように構成したものである。この実施形態では、コールドミラー2の中央部分が最も熱くなるので、その部分にヒートシンク21を設けて冷却効率を向上させている。また、この実施形態では、ヒートシンク21を中央部分に設けているが、コールドミラー2の熱の温度分布に応じてヒートシンク21の形状を構成しても良い。すなわち、温度が高くなるところは冷却効果が大きくなるようにヒートシンク21のフィン形状を大きく又は多くするなどの対策を講じるように構成しても良い。
また、ヒートシンク33のみで青板ガラスが破損しない程度にコールドミラー2の冷却が可能であれば、ファンを省略しても良い。
図3は、この発明の第3の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。第1、第2の実施形態においては、コールドミラー2により、光源1からの光を90度折り曲げているが、この第3の実施形態においては、光源1からの光を青板ガラスで構成した全反射ミラー2aを用いて折り曲げている。そして、第1フライアイレンズ3と第2フライアイレンズ4との間にUVIRカットフィルタ35を光路に対して傾斜して配置している。光源1から全反射ミラー2aを介して案内されたUVIR成分を含む光は第1フライアイレンズ3を経てUVIRカットフィルタ35に与えられる。このUVIRカットフィルタ35にて、UVIR成分は反射され、UVIR成分が除去された可視光成分が透過して第2のフライアイレンズ4に与えられることになる。
UVIRカットフィルタ35は光路に対して傾斜して配置されているので、反射されたUVIR成分は光路から外れる方向に反射することになる。この実施形態では、反射されたUVIR成分の光が到達する箇所のエンジンのキャビネット3には、開口部30bが設けられている。このようにして、UVカットフィルタ35により、UVIR成分をキャビネット30外に放出し、後段光学部材への熱負荷を低減する。また、光源1側へのUVIR成分の再帰反射も回避でき、ランプ1aの熱負荷も低減できる。
上記したように、金属製リフレクタ1bは、可視光以外のUVIR成分も全て前方へ反射させることになるので、全反射ミラー2aは非常に熱せられる。このため、この実施形態では、全反射ミラー2aを冷却する手段を用いて、全反射ミラー2aの材質として青板ガラスを用いることを可能とした。図3に示す第3の実施形態では、キャビネット30の全反射ミラー2設置面上下に通風口31を設け、ミラー面に沿って上若しくは下からファン32の風を案内し、ミラー面を冷却するように構成している。このように、ファン32からの冷却風を全反射ミラー2aのミラー面に沿って流すことで、全反射ミラー2aの温度上昇を抑制でき、安価な青板ガラスで構成した全反射ミラーを利用することができる。また、第2の実施形態と同様に、全反射ミラー2aの背面にヒートシンクを設けるように構成しても良い。
図4は、この発明の第4の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。この第4の実施形態は、全反射ミラー2aからの反射光が与えられる第1フライアイレンズ3の全反射ミラー2a側のレンズ面にUVIRカットコート3aを施したものである。
第1フライアイレンズ3のレンズ面に設けたUVIRカットコート3aによりランプ側への再帰反射光を拡散させ、ランプ側への熱負荷を低減している。
この第4の実施形態においてもキャビネット30の全反射ミラー2設置面上下に通風口31を設け、ミラー面に沿って上若しくは下からファン32の風を案内し、ミラー面を冷却するように構成している。このように、ファン32からの冷却風を全反射ミラー2aのミラー面に沿って流すことで、全反射ミラー2aの温度上昇を抑制でき、安価な青板ガラスで構成した全反射ミラーを利用することができる。また、第2の実施形態と同様に、全反射ミラー2aの背面にヒートシンクを設けるように構成しても良い。
図5ないし図7は、この発明を背面投写型表示装置に用いた第5の実施形態を示し、第5図はプロジェクタ部分を示す模式図、第6図は模式的側面図、第7図は模式的正面図である。
この実施形態における背面投写型表示装置におけるプロジェクタエンジン40の構成は、第1の実施形態と同様に構成され、青板ガラスで構成されたコールドミラー31により、光源1からの可視光を90度折り曲げ、UVIR成分はコールドミラー2を透過させ、エンジン部のキャビネット30の開口部から光路外に放出される。このコールドミラー2はファン32からの冷却風によりミラー面が冷却される。そして、このプロジェクタエンジン40は、本体の背面に設けられたミラー52に映像光を投射するために、レンズ20aが斜め後方に映像光を投射するに構成されている。
そして、レンズ20aから投射された映像光はミラー52で反射され、スクリーン51に映像光が結像される。
プロジェクタエンジン40は、光源1と投写レンズ20aとがU字状に折れ曲がって配置され、光源1と投射レンズ20aがスクリーン51側に下方部の正面に位置している。従って、光源1を交換する場合には、スクリーン51の正面下方部から光源1の脱着が行えるように構成できる。交換作業も容易にできる。
図5ないし図7に示した背面投写型表示装置においては、第1の実施形態のプロジェクタエンジンを用いたが、第2ないし第3の実施形態のプロジェクタエンジンの構成も適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、プロジェクタ、リアプロジェクタなどの投写型表示装置に利用できる。
この発明の第1の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。 この発明の第2の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。 この発明の第3の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。 この発明の第4の実施形態に係る照明光学系をU字型配置にした投写型表示装置の構成を示す模式図である。 この発明を背面投写型表示装置に用いた第5の実施形態のプロジェクタ部分を示す模式図である。 この発明を背面投写型表示装置に用いた第5の実施形態の模式的側面図である。 この発明を背面投写型表示装置に用いた第5の実施形態の模式的正面図である。
符号の説明
1 光源、1a ランプ、1b リフレクタ、2 コールドミラー、2a 全反射ミラー3,4 フライアイレンズ、10 10R、10G、10B 液晶表示素子、11 ダイクロイックプリズム、20 投写レンズ20、31 通風口、32 ファン。

Claims (1)

  1. ランプとパラボラ形状のリフレクタとからなる光源からの光をミラーで折り曲げ、フライアイインテグレータを経て光変調素子に与え、この光変調素子で変調された変調光を投写レンズで拡大投写する投写型表示装置において、前記リフレクタ金属リフレクタで構成し、前記ミラーを青板ガラスで形成することにより、青板ガラスを透過した紫外線及び赤外線を光路外へ放出するように構成されていると共に、青板ガラス設置面上下に通風口を設けることにより、青板ガラス面に沿って冷却風を案内して青板ガラス面を冷却するように構成されていることを特徴とする投写型表示装置。
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