JP4419925B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

本発明はパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)、特に可搬型のノートブック型PCに搭載される光ディスク装置に関するものである。
従来、特に可搬型のノートブック型PCに搭載される光ディスク装置は人によって運搬される機会が多く、落下等によっても機能が損なわれないような配慮がなされてきた。図8は従来の光ディスク装置の光ディスクおよび光ピックアップを駆動する駆動機構の構成図、図9はラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図である。光ディスク装置の光ディスク(図示せず)および光ピックアップ107を駆動する駆動機構を光ピックアップモジュール100という。光ピックアップ107は光ディスクにレーザ光を出射し、光ディスクの記録面で反射されたレーザ光を受光する。ベース101は光ピックアップモジュール100の骨組みを成すもので、このベース101に直接的、間接的に各構成部品が固定される。光ディスクを載置するターンテーブルを備えたスピンドルモータ102はベース101に固定される。スピンドルモータ102は光ディスクを回転させる回転駆動力を生成する。
フィードモータ103はベース101に固定される。フィードモータ103は光ピックアップ107が光ディスクの半径方向に内周と外周の間を移動するために必要な回転駆動力を生成する。フィードモータ103としてステッピングモータ、DCモータなどが使用される。スクリューシャフト104は側面にらせん状の溝104aが形成されており、直接または数段のギアを介してフィードモータ103に接続される。ここではスクリューシャフト104は直接フィードモータ103に接続されるものとした。ガイドシャフト105、106は光ピックアップ107を移動自在に支持する。スクリューシャフト104に近い方のガイドシャフト105は両端で支持部材109、110を介してベース101に固定される。スクリューシャフト104から遠い方のガイドシャフト106は両端で支持部材111、112を介してベース101に固定される。光ピックアップ107はスクリューシャフト104の溝104aと噛み合う歯108dを有するラック108を介してスクリューシャフト104と接続される。ラック108がスクリューシャフト104に伝達されたフィードモータ103の回転駆動力を直線駆動力に変換する。そのため光ピックアップ107は光ディスクの半径方向に内周と外周の間を移動することができる。
光ピックアップ107は光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行うために光ディスクに向けてレーザ光を出射する。光ピックアップ107から出射されるレーザ光が光ディスクに対し直角に入射するように、支持部材109、111、112を構成する調整機構でガイドシャフト105、106の傾きを調整する。
ラック108は、光ピックアップ107に取り付けられる取り付け部108aと、スクリューシャフト104の溝104aと噛み合う歯108dを有する歯部108bと、取り付け部108aと歯部108dとを連結するヒンジ108cとを備える。取り付け部108aと歯部108bとの間にバネ108eを圧縮して配置し、歯108dをスクリューシャフト104に押し付ける。
(特許文献1)ではさらに逆L字型の樹脂バネをバネ108eの両側に配置し、歯108dはバネ108eの弾性力に加えて樹脂バネの弾性力でより強く溝104aに押し付けられるようにした。そのため、通常動作状態ではより安定して歯108dと溝104aとの噛み合いが得られる。また、強い衝撃が外部から加わったときは歯108dが溝104aから外れ、ヒンジ108cの破損を防ぐ。
特開2003−59212号公報
ところが、外部からの強い衝撃が加わる向きによって、歯108dが溝104aから外れる力が異なる。図10は外部から衝撃力が加わった場合のラックとスクリューシャフトへの力の加わり方を示す図である。図10(a)は衝撃力がない場合、(b)は左方から衝撃力が加わった場合、(c)は右方から衝撃力が加わった場合である。図10(a)、(b)、(c)とも左側は歯部108b側からスクリューシャフト104側を見た正面図、右側は側面図である。
図10(a)に示すように衝撃力がない場合は、歯108dは溝104aに収まった状態である。図10(b)に示すように、スクリューシャフト104は固定のまま、外部からの衝撃力が左側の図の左方から加わった場合、ラック108には右方に動こうとする力が加わり、溝104aの内部を右方へ動き壁面に当たる。しかし、スクリューシャフト104は動かないので、ラック108は右上方へ動こうとする。その際、右側の図に示すように矢印の方向にヒンジ108cを圧縮する力が働くため、ヒンジ108cからの反発力が働く。また点線のように姿勢が変化する。そのためラック108の歯108dは動きにくく、溝104aから外れにくい。
一方、図10(c)に示すように、左側の図の右方から衝撃力が加わった場合、ラック108には左方に動こうとする力が加わり、溝104aの内部を左方へ動き壁面に当たる。しかし、スクリューシャフト104は動かないので、ラック108は左下方へ動こうとする。その際、右側の図に示すように矢印の方向にヒンジ108cを引っ張る力が働く。また、点線のように姿勢が変化する。そのためヒンジ108cはそのような力に対し動きやすく、比較的容易に歯108dは溝104aから外れる。このように歯108dが溝104aから外れにくく、動きにくい方向と外れやすく、動きやすい方向がある。
歯108dが溝104aから外れにくい方向の外部から強い衝撃力が加わった場合、あまりに歯108dが溝104aから外れないと、ヒンジ108cや歯108dが破損してしまい、最悪正常な動作ができなくなってしまう恐れがある。(特許文献1)においても外部から強い衝撃が加わった場合に歯108dが溝104aから外れる配慮をしているものの、衝撃の方向によっては外れない可能性がある。
本発明は、上記問題点を解決するもので、外部から強い衝撃が加わった場合、その方向にあまりよらずラックの歯がスクリューシャフトの溝から外れるようにし、ヒンジや歯が破損しにくい光ディスク装置を提供するものである。
上記目的を達成するために本発明は、光ディスクにレーザ光を出射し前記光ディスクの記録面で反射した前記レーザ光を受光する光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの半径方向に駆動する回転駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータに直接またはギアを介して接続され側面にらせん状の溝を備えたスクリューシャフトと、前記光ピックアップを移動自在に支持する1対のガイドシャフトと、前記光ピックアップに取り付けられる取り付け部と前記スクリューシャフトの溝と噛み合い前記回転駆動力を直線駆動力に変換する歯を有する歯部と前記取り付け部と前記歯部とを前記レーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方から連結するヒンジとを備えたラックと、を備え、前記ヒンジに隣接して前記取り付け部に前記スクリューシャフトに向けて突出した凸部を設け、前記凸部の前記ヒンジに対向する面はスクリューシャフトに近づくほど前記ヒンジに近づき前記歯部の前記スクリューシャフトに対向する面よりもわずかに前記スクリューシャフトに近づく光ディスク装置とした。これにより、凸部をガイドとして歯部をスクリューシャフトから離すことができる。
本発明の光ディスク装置は、外部から強い衝撃力が加わった場合、その方向にあまりよらずラックの歯がスクリューシャフトの溝から外れることができる。そのため、ヒンジや歯が破損しにくく、動作不良を起こしにくい。
本発明の第1の発明は光ディスクにレーザ光を出射し光ディスクの記録面で反射したレーザ光を受光する光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクの半径方向に駆動する回転駆動力を発生するフィードモータと、フィードモータに直接またはギアを介して接続され側面にらせん状の溝を備えたスクリューシャフトと、光ピックアップを移動自在に支持する1対のガイドシャフトと、光ピックアップに取り付けられる取り付け部とスクリューシャフトの溝と噛み合い回転駆動力を直線駆動力に変換する歯を有する歯部と取り付け部と歯部とをレーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方から連結するヒンジとを備えたラックと、を備え、ヒンジに隣接して取り付け部にスクリューシャフトに向けて突出した凸部を設け、凸部のヒンジに対向する面はスクリューシャフトに近づくほどヒンジに近づき歯部のスクリューシャフトに対向する面よりもわずかにスクリューシャフトに近づく光ディスク装置である。これにより、凸部をガイドとして歯部をスクリューシャフトから離すことができる。
の発明は、光ディスクにレーザ光を出射し光ディスクの記録面で反射したレーザ光を受光する光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクの半径方向に駆動する回転駆動力を発生するフィードモータと、フィードモータに直接またはギアを介して接続され側面にらせん状の溝を備えたスクリューシャフトと、光ピックアップを移動自在に支持する1対のガイドシャフトと、光ピックアップに取り付けられる取り付け部とスクリューシャフトの溝と噛み合い回転駆動力を直線駆動力に変換する歯を有する歯部と取り付け部と歯部とをレーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方から連結するヒンジとを備えたラックと、を備え、ヒンジに隣接して取り付け部にスクリューシャフトに向けて突出した凸部を設け、凸部のヒンジに対向する面とヒンジとの距離はスクリューシャフト側で短く、凸部のヒンジに対向する面とスクリューシャフトとの距離のうちもっとも短い距離は歯部のスクリューシャフトに対向する面とスクリューシャフトとの距離よりもわずかに短い光ディスク装置である。これにより、凸部をガイドとして歯部をスクリューシャフトから離すことができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図面を参照しながら説明する。図1は本実施の形態1の光ディスク装置の光ディスクおよび光ピックアップを駆動する駆動機構の構成図、図2は本実施の形態1の光ディスク装置の構成図、図3は本実施の形態1の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図である。光ディスク装置20の光ディスク(図示せず)および光ピックアップ8を駆動する駆動機構を光ピックアップモジュール1という。光ピックアップ8は光ディスクにレーザ光を出射し、光ディスクの記録面で反射されたレーザ光を受光する。ベース2は光ピックアップモジュール1の骨組みを成すもので、このベース2に直接的、間接的に各構成部品が固定される。光ディスクを載置するターンテーブルを備えたスピンドルモータ3はベース2に固定される。スピンドルモータ3は光ディスクを回転させる回転駆動力を生成する。
フィードモータ4はベース2に固定される。フィードモータ4は光ピックアップ8が光ディスクの半径方向に内周と外周の間を移動するために必要な回転駆動力を生成する。フィードモータ4としてステッピングモータ、DCモータなどが使用される。スクリューシャフト5は側面5eにらせん状の溝5aが形成されており、直接または数段のギアを介してフィードモータ4に接続される。本実施の形態1ではスクリューシャフト5は直接フィードモータ4に接続されるものとした。ガイドシャフト6、7は光ピックアップ8を移動自在に支持する。スクリューシャフト5に近い方のガイドシャフト6は両端で支持部材10、11を介してベース2に固定される。スクリューシャフト5から遠い方のガイドシャフト7は両端で支持部材12、13を介してベース2に固定される。光ピックアップ8はスクリューシャフト5の溝5aと噛み合う歯9dを有するラック9を介してスクリューシャフト5と接続される。スクリューシャフト5に伝達されたフィードモータ4の回転駆動力をラック9が直線駆動力に変換する。そのため光ピックアップ8は光ディスクの半径方向に内周と外周の間を移動することができる。
光ピックアップ8は光ディスクに対し情報の記録または再生の少なくとも一方を行うために光ディスクに向けてレーザ光を出射する。光ピックアップ8から出射されるレーザ光が光ディスクに対し直角に入射するように、支持部材10、12、13を構成する調整機構でガイドシャフト6、7の傾きを調整する。
上部筐体21aと下部筐体21bを組み合わせてネジなどを用いて互いに固定して筐体21とする。トレイ22は筐体21に出没自在に設けられる。トレイ22はカバー14を取り付けた光ピックアップモジュール1を下面側から配置する。カバー14は開口を有し、光ピックアップ8の対物レンズを含む一部とスピンドルモータ3のターンテーブルを露出させる。本実施の形態1の場合、フィードモータ4も露出させる。ベゼル23をトレイ22の前端面に設け、トレイ22が筐体21内に収納された時に、トレイ22の出没口を塞ぐようにする。
ベゼル23にはイジェクトスイッチ24が設けられ、イジェクトスイッチ24を押すことで、筐体21とトレイ22との係合が解除され、トレイ22は筐体21に対し出没が可能な状態となる。レール25はそれぞれトレイ22の両側部および筐体21の双方に摺動自在に取り付けられる。
筐体21の内部やトレイ22の内部には図示していない回路基板があり、信号処理系のICや電源回路などが搭載されている。図示していない外部コネクタ26はコンピュータ等の電子機器に設けられた電源/信号ラインと接続される。そして、外部コネクタ26を介して光ディスク装置20内に電力を供給したり、外部からの電気信号を光ディスク装置20内に導いたり、あるいは光ディスク装置20で生成された電気信号を外部の電子機器などに送出したりする。
ラック9は、光ピックアップ8に取り付けられる取り付け部9aと、スクリューシャフト5の溝5aと噛み合う歯9dを有する歯部9bと、取り付け部9aと歯部9dとを連結するヒンジ9cとを備える。ヒンジ9cはレーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方に配置される。取り付け部9aと歯部9bとの間にバネ9eを圧縮して配置し、歯9dをスクリューシャフト5に押し付ける。ラック9は強度を保つために取り付け部9aと歯9dを有する歯部9bとヒンジとを一体で作製するのが望ましい。しかしそれに限るものではなく、それぞれを別体で作製し、接着等の方法で固定しても良い。また、歯部9bは取り付け部9aに対しある程度動くことが必要である。このことからラック9を構成する材料はプラスチック、樹脂等の弾性や可撓性を持つ材料が望ましい。本実施の形態1ではラック9はポリアセタール樹脂で作製した。
本実施の形態1ではさらに凸部9fを設けた。凸部9fはヒンジ9cに隣接して取り付け部9aからスクリューシャフト5に向けて突出するように設けた。凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gはスクリューシャフトに近づくほどヒンジ9cに近づくようにする。さらに凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gは歯部9bのスクリューシャフト5に対向する面よりもわずかにスクリューシャフト5に近づくようにする。凸部9fの先端がスクリューシャフト5に近すぎると凸部9f自体がスクリューシャフト5と接触する恐れが出てくる。逆に歯部9bのスクリューシャフト5に面した面よりもスクリューシャフト5から離れると後述する歯部9bを案内する働きが確保できなくなってしまう。そのため、本実施の形態1では歯部9bの両端を切り欠いた。それにより凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gはあまりスクリューシャフト5の近くまで突出せずに、歯部9bのスクリューシャフト5に対向する面よりもわずかにスクリューシャフト5に近づくようにできる。
なお、本実施の形態1では歯部9bの両端を切り欠いたが、それに限るものではなく、切り欠かずに単純な板状としても良い。また、図3では凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gは平面として描いているが、平面である必要はない。例えば、スクリューシャフト5に近いほどより急峻にヒンジ9cに近づくような曲面としても良い。また、途中から取り付け部9aに近づくほどヒンジ9cに近づくようにしても良い。そうすれば凸部9fの取り付け部9aに対する取り付けの強度を増すことができる。
スクリューシャフト5は溝5aを形成するため切削性が良く、剛性が高い材料が望ましい。本実施の形態1ではスクリューシャフト5はステンレスで作製した。溝5aは底部5bと両壁面5c、5dからなるが、設計によっては底部5bを設けず、両壁面5c、5dのみで構成しても良い。
図4は本実施の形態1の凸部の機能を示す図である。溝の進行する方向は時計回りである。ヒンジ9cは紙面奥側とした。外部から衝撃力が紙面左上方から加わる場合ラック9は紙面右下方へ動こうとするが、それはヒンジ9cを圧縮する方向であるので動きにくい。そのためラック9のヒンジ9cが変形して歯部9bが紙面左上方へ動く。歯部9bの左端は動き始めるとすぐに凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gに当たる。凸部9fのヒンジ9cに対向する面9gはスクリューシャフト5に近いほどヒンジ9に近くなるように形成されているので、歯部9bの紙面左上方に変形しようとする力は取り付け部9aに近づく力に変換される。すなわちそれは歯9dを溝5aから離そうとする力であり、歯9dは溝5aから容易に外れる。
逆方向に衝撃力が加わった場合は、元々が歯9dが溝9aから外れやすい方向であるため、特に凸部9fを設ける必要はない。しかし反対側に凸部9fを設けることにより、さらに外れやすくすることができる。
このように本実施の形態1の光ディスク装置は外部から強い衝撃力が加わった場合に歯9dが溝5aから外れにくいとされる方向でもヒンジ9cや歯9dが破損する前に歯9dが溝5aから外れるためにヒンジ9cや歯9dを破損しにくい。
なお、本実施の形態1の凸部9fは単独で用いる必要はなく、実施の形態2から実施の形態4の内容と組み合わせて用いても構わない。
(実施の形態2)
本実施の形態2について図面を参照しながら説明する。図5は本実施の形態2の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図である。本実施の形態2においてスクリューシャフト5とラック9を除いた光ピックアップ8を始めとする各部品、光ピックアップモジュール1、光ディスク装置20は実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。ラック9は凸部9fがないものであり、それを除いては実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。スクリューシャフト5は溝5aの壁面5c、5dを除いては実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。
図5において溝の進行する方向は時計回りであり、ヒンジ9cは紙面手前側である。その結果、外部からの衝撃力が左方から加わる場合はラック9は動きやすいが、右方から加わる場合、ラック9は動きにくい。スクリューシャフト5の側面5eと溝5aの壁面5cとのなす角をθ1、側面5eと壁面5dとのなす角をθ2とする。θ1>θ2とし、θ2が従来通りの角度とするとラック9が右方から左方へ移動しようとする場合にθ1が大きいために歯9dは溝5aから外れやすくなる。逆に左方から右方へ移動しようとする場合にθ2は従来通りであるので外れやすさも従来通りである。そのため相対的に右方から左方へ移動しようとする場合に比べて歯9dは溝5aから外れにくい。この2つを合わせることにより外部からの衝撃力が右方から加わる場合、ラック9自体は動きにくいものの、側面5eと壁面5cのなす角が従来の場合より大きいため歯9dが溝5aから外れやすくなる。逆方向の場合、歯9dは従来通りの溝5aからの外れやすさである。したがって、外部からの衝撃力に対して歯9dが溝5aから外れにくい方向のみ外れやすくすることができ、ヒンジ9cや歯9dが破損する前に歯9dを溝5aから外すことができる。
ヒンジ9cの位置が紙面奥側の場合、θ1<θ2とすることで、同じ効果が得られる。また、溝の進行する方向が逆の場合も同様に、ラック9の動きにくい方向と歯9dが溝5aから外れやすい方向とを組み合わせることが望ましい。
また、θ1<θ2としても構わない。θ1を従来よりも大きい角度とすれば従来よりは歯9dが溝5aから外れやすくなるためである。
なお、スクリューシャフト5の溝5aは通常バイトで切削して形成する。バイトの刃先の形状をあらかじめθ1、θ2に合わせて形成しておけば、工程が増えることなくスクリューシャフト5を作製できる。
また、本実施の形態2ではθ1を従来よりも大きく、θ2を従来並の角度にしたが、それに限るものではなく、θ2は従来よりも大きくしても良いし、小さくしても良い。それによって外部からの衝撃力が左方から右方へ加わった場合の歯9dが溝5aからの外れやすさを制御することができる。
このように本実施の形態2の光ディスク装置は外部から強い衝撃力が加わった場合に歯9dが溝5aから外れにくいとされる方向でもヒンジ9cや歯9dが破損する前に歯9dが溝5aから外れるためにヒンジ9cや歯9dを破損しにくい。
なお、本実施の形態2のスクリューシャフト5の溝5aの形状は単独で用いる必要はなく、実施の形態1、実施の形態3、実施の形態4の内容と組み合わせて用いても構わない。例えば、実施の形態1の凸部9fと組み合わせることにより、さらに効果的にヒンジ9cや歯9dを破損しにくくすることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3について図面を参照しながら説明する。図6は本実施の形態3の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図である。本実施の形態3においてラック9を除いた光ピックアップ8を始めとする各部品、光ピックアップモジュール1、光ディスク装置20は実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。ラック9は凸部9fがなく、ヒンジ9cの取り付け位置が異なるものの、それを除いては実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。
本実施の形態3において溝の進行する方向は反時計回りである。ヒンジ9cのうち右側は紙面奥側、左側は紙面手前側とした。外部からの衝撃力が紙面左上方より加わった場合、ラック9は紙面右下方へ動こうとする。その際、歯9dは紙面右下方へ動こうとすると同時に溝5aに沿って紙面手前側にも動こうとする。この方向は右側のヒンジ9cを引っ張る方向、左側のヒンジ9cを圧縮する方向である。したがって、歯9dの溝5aからの外れやすさはヒンジ9cが両方とも紙面手前側にある場合よりも外れやすく、両方とも紙面奥側にある場合よりも外れにくい。
一方、外部からの衝撃力が紙面右下方より加わった場合、ラック9は紙面左上方へ動こうとする。その際、歯9dは紙面右上方へ動こうとすると同時に溝5aに沿って紙面奥側にも動こうとする。この方向は左側のヒンジ9cを引っ張る方向、右側のヒンジ9cを圧縮する方向である。したがって、歯9dの溝5aからの外れやすさはヒンジ9cが両方とも紙面手前側にある場合よりも外れにくく、両方とも紙面奥側にある場合よりも外れやすい。このようにバネ9eを中心に1対のヒンジ9cを略点対称の位置に配置することにより、歯9dの溝5aからの外れやすさはヒンジ9cが両方とも紙面手前側にある場合よりも外れやすく、両方とも紙面奥側にある場合よりも外れにくくすることができる。
なお、ヒンジ9cの位置は右側を紙面手前側、左側を紙面奥側としても良い。また、溝の進行する方向が逆になっても同様である。
本実施の形態3において歯9dと溝5a、ヒンジ9cの位置関係はバネ9eを中心とした略点対称となっている。このような構成とすることでスクリューシャフト5の回転をさせずに光ピックアップ8を光ディスクの内周から外周方向へ移動させる力と外周から内周へ移動させる力とを略等しくすることができる。その結果として、外部からの衝撃力が加わる方向によらずヒンジ9cや歯9dを破損させにくくすることができる。
このように本実施の形態3の光ディスク装置は外部のどちらの方向から強い衝撃力が加わってもヒンジ9cや歯9dが破損する前に歯9dが溝5aから外れるためにヒンジ9cや歯9dを破損しにくい。しかも、本実施の形態3の場合、歯9dの溝5aからの外れやすさは外部のどちらの方向から加わっても同等レベルである。したがって、強度設計をしやすい。
なお、本実施の形態3のヒンジ9cの取り付けは単独で用いる必要はなく、実施の形態1、実施の形態2、実施の形態4と組み合わせて用いても構わない。例えば、両ヒンジ9cに隣接してそれぞれ実施の形態1の凸部9fを設けても良い。どちらの方向の外部から衝撃力が加わっても同等に実施の形態1と実施の形態2の効果が得られるため、ヒンジ9cや歯9dを破損しにくくする効果は非常に大きい。
(実施の形態4)
本実施の形態4について図面を参照しながら説明する。図7は本実施の形態4の光ディスク装置のガイドシャフトの支持状態を示す図である。本実施の形態4において支持部材11、ラック9を除いて各部品、光ピックアップモジュール1、光ディスク装置20は実施の形態1と同じであり、その説明を援用する。ラック9は実施の形態2のラック9と同じでありその説明を援用する。
支持部材10、11、12、13のうち支持部材11はスクリューシャフト5に近い側のガイドシャフト6を挿入する穴11aがあけられている。支持部材11はポリアセタール樹脂等の樹脂で作製される。ガイドシャフト6の一端を穴11aに挿入するとガイドシャフト6はほとんど動かない程度にガイドシャフト6の一端と穴11aのクリアランスが設けられている。ガイドシャフト6を穴11aに挿入した状態で孔11cを貫挿した図示しないネジで支持部材11がベース2に固定される。
穴11aのスクリューシャフト5と反対側に弾性部材11bを配置する。弾性体11bは図7(a)に示すようなゴムやシリコンゴム等、図7(b)に示すような板バネ等、図7(c)に示すようなコイルバネ等である。ガイドシャフト6の一端が挿入された状態では弾性体11bはガイドシャフト6によって圧縮された状態とする。そうすることでガイドシャフト6は通常状態では動きにくい状態とすることができる。外部から衝撃力が加わるとラック9は歯9dがスクリューシャフト5の溝5aから外れる方向、すなわちスクリューシャフト5からガイドシャフト6へ向かう方向に力は加わる。支持部材11は弾性部材11bを介してガイドシャフト6の一端を支持しており、強い衝撃力が加わるとガイドシャフト6は弾性部材11bを変形させてスクリューシャフト5から逃げる方向に動く。その時、歯9dが溝5aから外れる。衝撃力が取り去られると、ガイドシャフト6は弾性部材11bの反発力で元の位置に戻る。
このように本実施の形態4の光ディスク装置は外部から強い衝撃力が加わった場合にヒンジ9cや歯9dが破損する前に支持部材11の弾性部材11bが変形して力を逃がし、歯9dが溝5aから外れるためにヒンジ9cや歯9dを破損しにくい。また、弾性部材11bの弾性力でガイドシャフト6の位置が元に戻る。
なお、本実施の形態4のガイドシャフト6の一端を可動にする支持部材11は単独で用いる必要はなく、例えば、支持部材10もガイドシャフト6を可動にする構成としても良い。また、実施の形態1から実施の形態3の内容と組み合わせて用いても構わない。
以上のように本発明の光ディスク装置は外部から強い衝撃力が加わっても部品が破損する恐れが小さいため、特に可搬型のノートブック型PCに好んで搭載される。
本実施の形態1の光ディスク装置の光ディスクおよび光ピックアップを駆動する駆動機構の構成図 本実施の形態1の光ディスク装置の構成図 本実施の形態1の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図 本実施の形態1の凸部の機能を示す図 本実施の形態2の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図 本実施の形態3の光ディスク装置のラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図 本実施の形態4の光ディスク装置のガイドシャフトの支持状態を示す図 従来の光ディスク装置の光ディスクおよび光ピックアップを駆動する駆動機構の構成図 ラックを介して光ピックアップとスクリューシャフトが接続された状態を示す図 外部から衝撃力が加わった場合のラックとスクリューシャフトへの力の加わり方を示す図
符号の説明
1 光ピックアップモジュール
2 ベース
3 スピンドルモータ
4 フィードモータ
5 スクリューシャフト
5a 溝
5b 底部
5c、5d 壁面
5e 側面
6、7 ガイドシャフト
8 光ピックアップ
9 ラック
9a 取り付け部
9b 歯部
9c ヒンジ
9d 歯
9e バネ
9f 凸部
9g ヒンジに対向する面
10、11、12、13 支持部材
11a 穴
11b 弾性部材
11c 孔
14 カバー
20 光ディスク装置
21 筐体
22 トレイ
23 ベゼル
24 イジェクトスイッチ
25 レール
26 外部コネクタ

Claims (2)

  1. 光ディスクにレーザ光を出射し前記光ディスクの記録面で反射した前記レーザ光を受光する光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの半径方向に駆動する回転駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータに直接またはギアを介して接続され側面にらせん状の溝を備えたスクリューシャフトと、前記光ピックアップを移動自在に支持する1対のガイドシャフトと、前記光ピックアップに取り付けられる取り付け部と前記スクリューシャフトの溝と噛み合い前記回転駆動力を直線駆動力に変換する歯を有する歯部と前記取り付け部と前記歯部とを前記レーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方から連結するヒンジとを備えたラックと、を備え、前記ヒンジに隣接して前記取り付け部に前記スクリューシャフトに向けて突出した凸部を設け、前記凸部の前記ヒンジに対向する面はスクリューシャフトに近づくほど前記ヒンジに近づき前記歯部の前記スクリューシャフトに対向する面よりもわずかに前記スクリューシャフトに近づくことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 光ディスクにレーザ光を出射し前記光ディスクの記録面で反射した前記レーザ光を受光する光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの半径方向に駆動する回転駆動力を発生するフィードモータと、前記フィードモータに直接またはギアを介して接続され側面にらせん状の溝を備えたスクリューシャフトと、前記光ピックアップを移動自在に支持する1対のガイドシャフトと、前記光ピックアップに取り付けられる取り付け部と前記スクリューシャフトの溝と噛み合い前記回転駆動力を直線駆動力に変換する歯を有する歯部と前記取り付け部と前記歯部とを前記レーザ光を出射する側または反対側の少なくとも一方から連結するヒンジとを備えたラックと、を備え、前記ヒンジに隣接して前記取り付け部に前記スクリューシャフトに向けて突出した凸部を設け、前記凸部の前記ヒンジに対向する面と前記ヒンジとの距離は前記スクリューシャフト側で短く、前記凸部の前記ヒンジに対向する面と前記スクリューシャフトとの距離のうちもっとも短い距離は前記歯部の前記スクリューシャフトに対向する面と前記スクリューシャフトとの距離よりもわずかに短いことを特徴とする光ディスク装置。
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