JP4419369B2 - 液晶表示装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、十分な輝度を確保しながら、パネル上の位置によって輝度差を生じることを防止した、フィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置におけるカラー映像の表示方式としては、種々のものがすでに知られているが、そのうちでも、赤(R),緑(G),青(B)の各色の映像を時分割で表示するとともに、これに対応して、それぞれの映像に対する色の光源を点灯させることによってカラー映像を表示するようにした、フィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置は、カラーフィルタが不要なことと、各画素をR,G,Bの3色に分割する必要がないため、高開口率化を実現できることから光利用効率が高く、そのため、低消費電力化が求められているモバイル機器用のディスプレイ装置として、特に注目を集めている。
【0003】
以下、フィールドシーケンシャル駆動型液晶表示装置と、その駆動方法とについて説明する。
図13は、従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置の構成例を示したものである。
図13に示された従来の液晶表示装置は、縦方向に配置されたデータ線D1,…,Dnと、横方向に配置されたゲート線G1,G2,G3,…,Gm−1,Gmとの交点ごとに画素を配置した画素マトリクス101に対して、画素マトリクス101の周辺に、データ線を駆動するためのデータドライバ回路102と、ゲート線を駆動するためのゲートドライバ回路103と、すべてのデータ線に黒レベルとなる任意の電圧(黒信号)を一斉に書き込むための黒書き込み回路104とを配置した構成を有している。なお、ゲートドライバ回路103は、各ゲート線の電位を一斉にハイレベルにする機能も有している。
【0004】
次に、従来の液晶表示装置における、フィールドシーケンシャル駆動の動作方法について説明する。
図14は、従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置の動作タイミングチャートを示したものであって、フィールドシーケンシャル駆動型液晶パネルの透過率変化とバックライトの動作とを示し、図中において、Tfは1フレーム期間、Tsr,Tsg,Tsbは、それぞれ赤(R),緑(G),青(B)の各色のサブフレーム期間、Tlonr,Tlong,TlonbはそれぞれR,G,Bのバックライト点灯期間、Ar,Ag,AbはそれぞれR,G,Bの画素に対する黒信号の書き込みタイミング、Br,Bg,BbはそれぞれR,G,Bの画素電極電圧の書き込み開始タイミング、Cr,Cg,CbはそれぞれR,G,Bの画素に対応する点灯開始のタイミング、Tはあるカラーを表示させた場合の各画素における透過率の変化を示している。
【0005】
図示のように、従来の液晶表示装置では、カラー画像の1フレーム期間Tfを3つのサブフレーム(フィールド)期間Tsr,Tsg,Tsbに分割して、各サブフレーム期間内にR,G,Bのそれぞれの色の映像信号を書き込むとともに、書き込み終了後、それぞれ点灯期間Tlonr,Tlong,TlonbだけR,G,Bの光源を点灯させる動作を行うようになっている。
【0006】
この場合、液晶分子の配向状態の変化に必要な時間が、サブフレーム期間に対して十分短くはないため、例えばRの映像を表示させた後で、Gの映像信号を書き込むと、Rの映像の履歴がGの映像に残ってしまうため、混色という現象が生じる。
そのため、黒書き込み回路104を設けて、映像信号を書き込む前に、すべての画素に対して黒レベルとなるある程度の大きさの電圧(黒信号)を書き込むとともに、ゲートドライバ回路103によって、すべてのゲート線を一斉にハイレベルにすることによって、前回表示させていた映像の履歴を消去するという動作を行っている。
【0007】
図15は、従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置における、あるサブフレーム期間の動作をタイミングチャートによって示したものであって、画素に対する印加電圧と透過率の変化との関係を示している。
図中、Vl,V2,…,Vm−1,Vmは、それぞれl行目,2行目,…,m−1行目,m行目の画素列における、ある画素に印加される電圧を示したものであって、Tl,T2,…,Tm−1,Tmは、その画素の透過率の変化を示している。
【0008】
サブフレームの始めにすべての画素に黒を表示させる信号を書き込み、これによって画素の透過率が十分低下したのち、Aの時刻に1行目の画素に対する映像信号の書き込みを開始し、順次、画素行単位で映像信号を書き込んで、最後の画素行mに対する映像信号の書き込みが行われた時刻をBとすると、1行目の画素とm行目の画素とでは、図示のように、液晶分子の透過率が十分低下するまでの時間が異なっている。
このため、m行目の画素の透過率変化が終了する時刻Cよりも前に、バックライトを点灯させると、液晶パネル上の表示位置によって、輝度差が生じることになる。
【0009】
このような輝度差の問題を解決するためには、すべての画素の液晶分子の状態変化が十分に終了してから、光源を点灯させればよいが、そうすると、光源を点灯させるための時間が極めて短くなってしまうため、液晶パネルの明るさを確保することが困難になるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述の事情に鑑みてなされたものであって、フィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置において、液晶パネルの十分な輝度を確保しながら、液晶パネル上の位置によって輝度差を生じることがない、液晶表示装置及びその駆動方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、赤(R),緑(G),青(B)の三原色に分離された映像を前記R,G,Bに対応するそれぞれのサブフレームにおいて、液晶パネル上に時分割で表示するフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置に係り、奇数番目の画素行のゲート線を一方の端部から順次駆動する第1のゲートドライバ手段と、偶数目の画素行のゲート線を他方の端部から前記奇数番目の画素行のゲート線の駆動と逆方向に順次駆動する第2のゲートドライバ手段と、すべての画素に一斉に黒信号を書き込むための黒書き込み手段と、前記サブフレームごとに対応する色の映像信号を前記ゲート線の駆動に応じて順次各画素行に書き込む信号処理手段とを設け、前記黒書き込み手段からの黒信号の書き込みによって各画素が十分に黒を表示する状態になったのちに、前記信号処理手段からいずれかの色の映像信号、前記第1のゲートドライバ手段と前記第2のゲートドライバ手段とによる前記ゲート線の行単位の交互駆動に応じて前記奇数番目の画素行と前記偶数番目の画素行とに交互に書き込まれ、前記いずれかの色の映像信号がすべての行の画素に書き込まれてから、次に再び黒信号が書き込まれるまでの所定期間に、書き込まれた映像信号に対応する色の光源を点灯する動作R,G,Bの各色について順次繰り返し行われる構成を有してなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項記載の発明は、請求項記載の液晶表示装置に係り、上記液晶表示装置において、各行の画素に書き込む映像信号のレベルを補正する信号補正手段を設け、
各行の画素に同じ輝度を表示させる映像信号を印加した場合に、該映像信号が最初に書き込まれる画素行と、以降に書き込まれる各画素行とにおける、映像信号が書き込まれる時間の違いに基づく各行の画素の透過率の違いが平均化されるように、上記信号補正手段によって各行の画素に対する映像信号のレベルを補正することを特徴としている。
【0014】
また、請求項記載の発明は、請求項又は記載の液晶表示装置に係り、上記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とが、奇数番目又は偶数番目のゲート線と、偶数番目又は奇数番目のゲート線とを、同一順序でサブフレームごとに繰り返して駆動することによって行われることを特徴としている。
【0015】
また、請求項記載の発明は、請求項又は記載の液晶表示装置に係り、上記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とが、奇数番目のゲート線を駆動したのち、偶数番目のゲート線を駆動する第1のゲート線駆動と、偶数番目のゲート線を駆動したのちに、奇数番目のゲート線を駆動する第2のゲート線駆動とをサブフレームごとに交互に繰り返すことによって行われることを特徴としている。
【0016】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置に係り、上記映像信号及び黒信号の極性を、サブフレームごとに交互に逆方向に変化させるように構成されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置に係り、上記映像信号及び黒信号の極性と上記液晶パネルの対向電極の電位とを、サブフレームごとに交互に互いに逆方向に変化させるように構成されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置に係り、上記各ゲートドライバ手段が、走査手段の走査に応じて各ゲート線を順次選択して駆動するとともに、上記黒信号の出力に対応してすべてのゲート線を一斉に駆動する手段からなることを特徴としている。
【0019】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置に係り、上記黒書き込み手段が、上記黒信号書き込み時、共通制御信号に応じて一定電圧をすべてのゲート線に出力するスイッチアレイからなることを特徴としている。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、赤(R),緑(G),青(B)の三原色に分離された映像を前記R,G,Bに対応するそれぞれのサブフレームにおいて、液晶パネル上に時分割で表示するフィールドシーケンシャル駆動方式を採用する液晶表示装置の駆動方法に係り奇数番目の画素行のゲート線を一方の端部から順次駆動する一方、偶数番目の画素行のゲート線を他方の端部から前記奇数番目の画素行のゲート線の駆動と逆方向に順次駆動すると共に、前記奇数番目のゲート線と前記偶数番目のゲート線とを行単位で交互に駆動し、かつ、黒信号の書き込みによって各画素が十分に黒を表示する状態になったのちに、いずれかの色の映像信号を、前記ゲート線の前記行単位の交互駆動に応じて前記奇数番目の画素行と前記偶数番目の画素行とに交互に書き込み、前記いずれかの色の映像信号すべての行の画素に書き込んだのち、次に再び黒信号書き込までの所定期間に、書き込んだ映像信号に対応する色の光源を点灯する動作をR,G,Bの各色について順次繰り返して行うことを特徴としている。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、請求項記載の液晶表示装置の駆動方法に係り、上記液晶表示装置の駆動方法において、各行の画素に同じ輝度を表示させる映像信号を印加した場合に、該映像信号が最初に書き込まれる画素行と、以降に書き込まれる各画素行とにおける、映像信号が書き込まれる時間の違いに基づく各行の画素の透過率の違いが平均化されるように、各行の画素に対する映像信号のレベルを補正することを特徴としている。
【0023】
また、請求項11記載の発明は、請求項又は10記載の液晶表示装置の駆動方法に係り、上記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とを、奇数番目又は偶数番目のゲート線と、偶数番目又は奇数番目のゲート線とを、同一順序でサブフレームごとに繰り返して駆動することによって行うことを特徴としている。
【0024】
また、請求項12記載の発明は、請求項又は10記載の液晶表示装置の駆動方法に係り、上記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とを、奇数番目のゲート線を駆動したのち、偶数番目のゲート線を駆動する第1のゲート線駆動と、偶数番目のゲート線を駆動したのちに、奇数番目のゲート線を駆動する第2のゲート線駆動とをサブフレームごとに交互に繰り返すことによって行うことを特徴としている。
【0025】
また、請求項13記載の発明は、請求項乃至12のいずれか一記載の液晶表示装置の駆動方法に係り、上記映像信号及び黒信号の極性を、サブフレームごとに交互に逆方向に変化させることを特徴としている。
【0026】
また、請求項14記載の発明は、請求項乃至12のいずれか一記載の液晶表示装置の駆動方法に係り、上記映像信号及び黒信号の極性と上記液晶パネルの対向電極の電位とを、サブフレームごとに交互に互いに逆方向に変化させることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
◇第1実施例
図1は、この発明の第1実施例である液晶表示装置の構成を示す図、図2は、本実施例の液晶表示装置におけるゲートドライバ回路の構成を示す図、図3は、本実施例の液晶表示装置における黒書き込み回路の構成を示す図、図4は、本実施例の液晶表示装置を駆動するためのパネル駆動回路の構成を示す図、図5は、本実施例の液晶表示装置に対する駆動方法を示すタイミングチャート、図6は、本実施例の液晶表示装置における画素への印加電圧と透過率の変化とを示す図、図7は、本実施例の液晶表示装置に対する他の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0028】
この例の液晶表示装置は、図1に示すように、画素マトリクス1と、データドライバ回路2と、ゲートドライバ回路3と、黒書き込み回路4とから概略構成されている。
画素マトリクス1は、縦方向に配置されたデータ線D1,D2,…,Dnと、横方向に配置されたゲート線G1,G2,…,Gmとの交点ごとに、画素TFT(Thin Film Transistor)と蓄積容量及び画素電極とからなる画素を、マトリクス状に配置した構成を有している。データドライバ回路2は、画素マトリクス1の周辺に配置されていて、各データ線に映像データを供給する。ゲートドライバ回路3は、画素マトリクス1の周辺に配置されていて、各ゲート線に駆動信号を供給するとともに、すべてのゲート線を一斉にハイレベルに駆動する機能を有している。黒書き込み回路4は、画素マトリクス1の周辺に配置されていて、すべてのデータ線に黒レベルとなる任意の電圧からなる共通の信号(黒信号)を供給する。
【0029】
この例の液晶表示装置におけるゲートドライバ回路3は、図2に示すように、走査回路5と、オア回路61,62,63,…,6m−1,6mと、それぞれ2個のインバータからなるバッファ回路71,72,73,…,7m−1,7mとから構成されている。
走査回路5は、Yアドレスに応じて、各オア回路61,62,63,…,6m−1,6mの一方の入力端子を順次走査して、ゲート線G1,G2,G3,…,Gm−1,Gmを駆動するゲート信号を出力する。
【0030】
各オア回路61,62,63,…,6m−1,6mの他方の入力端子には、共通の制御信号AWが接続されていて、制御信号AWがロウレベルのときは、走査回路5の走査に応じて順次ゲート信号を出力するとともに、制御信号AWがハイレベルになったときは、走査回路5の各端子の出力状態に無関係に、一斉にハイレベルを出力する。バッファ回路71,72,73,…,7m−1,7mは、各オア回路61,62,63,…,6m−1,6mの出力を増幅して、各ゲート線G1,G2,G3,…,Gm−1,Gmに供給する。
【0031】
この例の液晶表示装置における黒書き込み回路4は、図3に示すように、スイッチ81,82,83,…,8n−1,8nからなるスイッチアレイを有している。
スイッチアレイの各スイッチ81,82,83,…,8n−1,8nは、共通の制御信号BWCによって制御されて導通状態になったとき、共通の電源線BSを、それぞれ異なるデータ線D1,D2,D3,…,Dn−1,Dnに接続することによって、すべてのデータ線D1,D2,D3,…,Dn−1,Dnに、電源線BSから供給される任意の電圧からなる黒信号を一斉に書き込む。
【0032】
この例の液晶表示装置を駆動するパネル駆動回路9は、図4に示すように、タイミング制御ブロック10と、信号処理ブロック11と、表示位置検出ブロック12と、駆動パルス生成ブロック13と、バックライト制御ブロック14と、電源ブロック15とから構成されている。
タイミング制御ブロック10は、信号源16からの同期信号を用いて、パネル駆動回路9の各部で使用される制御信号を生成する。信号処理ブロック11は、信号源16からの映像信号を、液晶表示装置の動作に適した信号に変換して、液晶パネル17へ出力するとともに、信号補正ブロック18を備えて、表示位置検出ブロック12からの表示位置を示す信号に応じて、液晶パネル17に印加する映像信号を画素行ごとに補正する処理を行う。
【0033】
表示位置検出ブロック12は、タイミング制御ブロック10からの制御信号に応じて、信号処理ブロック11から出力される映像信号が、液晶パネル17のどの位置に表示される信号であるかを検出する。駆動パルス生成ブロック13は、タイミング制御ブロック10からの制御信号に応じて、液晶表示装置内のデータドライバ回路2,ゲートドライバ回路3,黒書き込み回路4の動作を制御する駆動パルスを生成する。バックライト制御ブロック14は、タイミング制御ブロック10からの制御信号に応じて、バックライト19の点灯と消灯を制御する。電源ブロック15は、液晶表示装置の各部へ電源を供給する。
【0034】
以下、図5に示すタイミングチャートを用いて、この例の液晶表示装置の動作を説明する。
この例の液晶表示装置では、フィールシーケンシャル駆動を行うために、垂直同期信号VSYNCごとに、1画面分のカラー画像を表示させるためのフレーム期間Tfを、3つのサブフレーム期間Tsr,Tsg,Tsbに分割している。
サブフレーム期間Tsrは、赤(R)信号を表示させる期間であり、この期間の最後に、信号RLEDによって、Tlonrの期間だけバックライトが赤に点灯する。サブフレーム期間Tsg,Tsbも同様に、それぞれの期間の最後に、信号GLED,BLEDによって、Tlong,Tlonbの期間に、緑(G),青(B)の信号を表示させるために、バックライトが緑,青に点灯する。
【0035】
各サブフレーム期間内においては、まず、制御信号AWによってすべてのゲート線がハイレベルになり、これに同期して、制御信号BWCに応じて、黒書き込み回路4からすべてのデータ線に対して、電源線BSの電圧が黒信号として出力されることによって、画素マトリクス1内のすべての画素に、一斉に黒が書き込まれる。
その後、ある期間をおいて、映像信号が画素マトリクス1の1行ごとに、順次書き込まれてゆく。すべての画素に映像信号が書き込まれたのち、ある期間をおいて、書き込んだ映像信号に対応する色のバックライトが点灯する。
このような一連の動作を、R,G,Bの各色について行うことによって、カラー画像が表示される。
【0036】
次に、液晶パネル上の位置に応じた、映像信号電圧の補正について説明する。
図6は、この例の液晶表示装置における、画素への印加電圧と透過率の変化とを示したものであって、液晶表示装置において、最初に映像信号が書き込まれる行の画素に印加される電圧V1と、任意のm番目の行の画素に印加される電圧Vmと、それぞれの行の画素の透過率の変化T1,Tmとを示している。
なおこの場合、両方の画素には、同じ表示輝度となる信号が書き込まれるものとする。
【0037】
前述のように、各サブフレームにおいて、画素マトリクス1には、最初に共通の黒信号が書き込まれ、その後、画素行単位に映像信号が書き込まれる。ここでは、、黒信号の書き込みが開始される時刻をAとし、1行目の画素列に映像信号が書き込まれる時刻をB1、m行目の画素列に映像信号が書き込まれる時刻をBmとする。
液晶分子は、電圧が印加されてから分子の配向状態の変化が終了するまでにある程度の時間を必要とする。1行目の画素とm行目の画素とでは、映像信号が書き込まれる時刻に差があるため、液晶分子の配向状態の変化が十分小さくなるまでの時間にも差が生じる。図6においては、1行目の画素とm行目の画素とにおいて、液晶分子の配向状態の変化が十分小さくなる時刻を、それぞれC1,Cmとしている。
【0038】
従来の液晶表示装置の駆動方法では、最後の行の画素の液晶分子の配向状態の変化が十分小さくなる時刻になってから,バックライトの点灯を開始するようにしていたが、この例の液晶表示装置では、それよりも早い段階の、例えば時刻C1でバックライトの点灯を開始して、次の黒信号書き込み時刻A’までの、図6中、Tlonで表された期間、バックライトを点灯するようにしている。
図6から明らかなように、期間Tlonの最初の期間では、m行目の画素の透過率がまだ変化している。そのため、V1,Vmとして同じ電圧の映像信号を印加した場合には、Tlonの期間における、1行目の画素とm行目の画素の透過光強度に差が生じることになる。
このような現象を防止するために、この例の液晶表示装置では、印加する画素電極電圧V1,Vmの大きさを異ならせることによって、1行目の画素とm行目の画素が同じ輝度になるようにしている。
【0039】
具体的には、期間Tlonにおいて、1行目の画素の透過光強度の平均値と、任意のm行目の画素の透過光強度の平均値とが等しくなるように、m行目の画素に書き込む映像信号の電圧を補正する処理を行っている。
この補正の計算は、全画素に任意の電圧の映像信号を書き込んだときの、Tlonの期間での、各行の透過光強度を測定する作業を、複数の電圧に対して行って、画素の位置による画素電極電圧対透過率の特性(VT特性)を求め、このVT特性から画素行ごとに、印加する映像信号の各電圧に対する補正係数を定めることによって行うことができる。
また、別の方法としては、液晶分子の動的な挙動をシミュレーションによって計算して得た結果から、液晶パネル上の画素の位置に応じた、映像信号電圧の補正係数を定めるようにしてもよい。
【0040】
このようにして得られた補正係数のデータを、図4に示されたパネル駆動回路における信号補正ブロック18に保持しておいて、信号処理ブロック11において、この補正係数に基づいて信号源16からの映像信号に対して所要の補正を行ってから、液晶パネル17に供給することによって、液晶パネル上の位置に無関係に各画素が同じ輝度になるようにすることができる。
【0041】
また、図7は、本実施例の液晶表示装置に対する別の駆動方法を示すタイミングチャートである。
この場合の駆動方法は、図5のタイミングチャートによって示されたものとほぼ同様であるが、画素パネルの対向電極電位VCOMをサブフレームごとに変化させるようにした点が異なっている。
【0042】
液晶パネルにおける透過率は、画素電極と対向電極との間の電位差によって定まり、電圧の極性には左右されない。一方、画素電極と対向電極との間に常時、同一方向の直流電圧が印加されると、液晶物質に対する電荷の蓄積によって液晶分子の破壊が生じるので、通常はAC駆動を行って、画素電極と対向電極との間の電圧極性が交互に切り替えられるようにして、対向電極と画素電極間の電位差が平均的に0Vになるようにする方法がとられている。
さらにAC駆動の方法としては、例えば対向電極電位を0Vにして、画素電極電位を等しい値だけ、+,−に交互に切り替えるコモン対称駆動法と、対向電極電位を例えば0Vとある電位とに交互に切り替えるとともに、画素電極電位も対向電極電位の変化と逆方向に交互に切り替えるコモン反転駆動法とがあるが、コモン反転駆動法の場合は、画素電極に書き込むべき映像信号の最大振幅を、コモン対称駆動法の場合の1/2にすることができる。
【0043】
図7においては、対向電極電圧VCOMを、0Vとある正電位とにサブフレームごとに切り替えるとともに、黒レベルに対応する映像信号電圧である黒信号電圧BSを、対向電極電圧VCOMの変化と逆方向に、ある正電位と0Vとに切り替えることが示されている。
この例の液晶表示装置では、対向電極電位VCOMをサブフレームごとに切り替えるようにしたので、対向電極電位VCOMを一定にする図5に示された駆動方法の場合と比較して、映像信号として画素に書き込むべき電圧の最大振幅を、1/2にすることができるため、データドライバ回路や、外部のパネル駆動回路における消費電力を低減することが可能になる。
【0044】
このように、この例の液晶表示装置では、液晶パネル上の位置の違いに基づく、信号書き込みから光源点灯までの時間差に応じて、映像信号の大きさを補正するようにしたので、液晶パネル上における画素の位置によって生じる輝度差を補償しながら、光源点灯時間を長くすることができ、液晶表示装置において、より明るい表示画像を得ることが可能になる。
【0045】
◇第2実施例
図8は、この発明の第2実施例である液晶表示装置の構成を示す図、図9は、本実施例の液晶表示装置のやや詳細な構成を示す図、図10は、本実施例の液晶表示装置に対する駆動方法を示すタイミングチャート、図11は、本実施例の液晶表示装置における画素への印加電圧と透過率の変化とを示す図、図12は、本実施例の液晶表示装置に対する他の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0046】
この例の液晶表示装置は、図8に示すように、画素マトリクス1と、データドライバ回路2と、ゲートドライバ回路31,32と、黒書き込み回路4とから概略構成されている。
これらのうち、画素マトリクス1,データドライバ回路2,黒書き込み回路4は、図1に示された第1実施例の場合と同様なので、以下においては、これらについての詳細な説明を省略する。
ゲートドライバ回路31,32は、画素マトリクス1の両辺に配置されていて、一方のゲートドライバ回路31は、画素マトリクス1における奇数番目のゲート線G1,G3,…,Gm−1(mは偶数)を駆動し、他方のゲートドライバ回路32は、画素マトリクス1における偶数番目のゲート線G2,G4,…,Gmを駆動する。
【0047】
図9においては、この例の液晶表示装置における、ゲートドライバ回路31,32と、黒書き込み回路4の回路構成を含む、やや詳細な構成が示されている。
黒書き込み回路4は、図3に示された第1実施例の場合の黒書き込み回路4と同じ構成を有し、共通の制御信号BWCにより、スイッチアレイを構成するスイッチ81,82,…,8nを制御することによって、各スイッチがオンになったとき、共通の電源線BSから与えられる任意の同一電圧を、それぞれ異なるデータ線D1,D2,D3,…,Dnに対して、黒信号として一斉に書き込む機能を有している。
【0048】
ゲートドライバ回路31は、走査回路51と、オア回路161,163,…,16m−1と、2個のインバータからなるバッファ回路171,173,…,17m−1とからなり、ゲートドライバ回路32は、走査回路52と、オア回路162,164,…,16mと、2個のインバータからなるバッファ回路172,174,…,17mとからなっていて、制御信号AWがロウレベルのときは、ゲートドライバ回路31では、走査回路51において選択された奇数番号のゲート線にゲート信号を供給し、ゲートドライバ回路32では、走査回路52において選択された偶数番号のゲート線にゲート信号を供給する。
【0049】
各データ線とゲート線の交点には、ゲートをゲート線に接続されたトランジスタTrが、データ線と画素Cとの間に接続されていて、ゲート線にハイレベルのゲート信号が与えられたとき、データ線の映像信号を画素Cに供給することによって、画素ごとに映像信号レベルに応じた透過率の制御が行われるとともに、各ゲートドライバ回路31,32において、制御信号AWがハイレベルになったとき、すべてのゲート線に一斉にハイレベルが書き込まれるのと同時に、黒書き込み回路4から黒信号が供給されることによって、各データ線を介してすべての画素が一斉に黒レベルに制御されるようになっている。
【0050】
以下、図10に示すタイミングチャートを用いて、この例の液晶表示装置の動作を説明する。
この例の液晶表示装置も、フィールドシーケンシャル駆動を行うために、1画面のカラー画像を表示させるためのフレーム期間Tfを、それぞれ赤(R),緑(G),青(B)に対応する3つのサブフレーム期間Tsr,Tsg,Tsbに分割して、それぞれのサブフレームにおいて、まず、すべての画素に黒信号を書き込んだのち、ある期間をおいてから、行単位で映像信号の書き込みを行って、すべての画素に映像信号を書き込んだのち、ある期間をおいてから、書き込んだ映像信号に対応する色のバックライトを点灯させる動作を行う。
【0051】
この場合、画素マトリクス1上には、上部から下部に向かって1行目からm(mは偶数)行目までの画素行が配列されているとすると、映像信号の書き込み順序は、あるサブフレームでは、まず1行目に書き込んだのち、m行目に書き込みを行い、次に、3行目に書き込んだのち、m−2行目に書き込むというように、奇数行目と偶数行目に交互に書き込みを行うとともに、ゲートドライバ回路31の書き込み方向とゲートドライバ回路32の書き込み方向を逆にして、ゲートドライバ回路31による奇数番目の行の書き込みを上部から下部に向かって行い、ゲートドライバ回路32による偶数番目の行の書き込みを逆に下部から上部に向かって行うようにする。
【0052】
図11は、液晶パネルに対してこのような駆動を行った場合の、各画素行ごとの透過率の変化を示したものであって、図中、V1,V2,…,Vm−1,Vmは、それぞれ1行目,2行目,…,m−1行目,m行目に属する画素に印加される電圧であり、T1,T2,…,Tm−1,Tmは、それぞれ1行目,2行目,…,m−1行目,m行目に属する画素の透過率の変化を表している。なお、ここでは、説明の便宜上、すべての画素に同じ大きさの信号を書き込むものとしている。
【0053】
前述のように、奇数番目の画素行と、偶数番目の画素行とでは、映像信号を書き込む順序を逆にしているため、実際に映像信号が書き込まれる順序は、1行目,m行目,3行目,m−2行目,…というようになるので、各画素の透過率の変化も同じ順序になる。
この場合、映像信号が最初に書き込まれる1行目と、最後に書き込まれる2行目とは、隣り合う画素行となり、最初の次に書き込まれる3行目と、最後の直前に書き込まれる4行目とも、同様に隣り合う画素行となる。5行目,6行目以降の各対の画素行についても同様の関係となる。
【0054】
そこで、液晶パネルにおける画素ピッチが十分小さい場合には、視覚的には、隣り合う2つの画素行の透過率が平均化されるとともに、液晶パネル全体についても平均化されるので、液晶パネル全体の輝度が平均化されることになる。
そのため、すべての画素の液晶分子の配向状態の変化が完了する以前から、光源の点灯を開始することが可能になり、液晶パネルの明るさ自体を向上させることも可能となる。
【0055】
図10に示された駆動方法では、すべてのサブフレームにおいて、映像信号が最初に書き込まれる画素行が予め定められていたが、連続するサブフレームごとに、最初に書き込まれる画素行を入れ替えるようにしてもよい。
図12は、この場合の液晶パネルの駆動方法を示したものである。この例においては、例えばサブフレーム期間Tsrでは、図11の場合と同様に、1行目,m行目,3行目,m−2行目,…の順であるが、次のサブフレーム期間Tsgにおいては、2行目,m−1行目,4行目,m−3行目,…の順になる。さらに次のサブフレーム期間Tsbにおいては、再びサブフレーム期間Tsrと同様に、1行目,m行目,3行目,m−2行目,…の順となり、さらに次のサブフレーム期間Tsrでは、前回のサブフレーム期間Tsgと同様になって、2行目,m−1行目,4行目,m−3行目,…の順になる。以下、同様に繰り返して、6サブフレーム(R,G,Bの2回の繰り返し)ごとに一巡する。
【0056】
すなわち、映像信号を複数の画素行に書き込む場合に、最小の奇数番号の行から最初に書き込むサブフレームと、最小の偶数番号の行から最初に書き込むサブフレームとを交互に繰り返すとともに、最小の奇数番号の行から最初に書き込むサブフレームでは、奇数番目の行では上部から下部へ、偶数番目の行では下部から上部へ書き込み、最小の偶数番号の行から最初に書き込むサブフレームでは、偶数番目の行では上部から下部へ、奇数番目の行では下部から上部へ書き込む。以降のサブフレームにおいても、同様に、最初に書き込む行が奇数番目と偶数番目とに交替するとともに、奇数番目の行と偶数番目の行とで、書き込まれる方向が交互に逆になる。
【0057】
このような動作は、2つのゲートドライバ回路31,32が、それぞれ上部から下部への走査方向と、下部から上部への走査方向とを切り替えることができる機能を有していれば実現することができる。
このようにすることによって、各画素行において映像信号が書き込まれる時間が、サブフレームごとに変化するので、液晶パネルにおいて特定のパターンを表示させた場合に起こりやすい、画像のちらつきを軽減することができるようになる。
【0058】
さらにこの例の場合も、第1実施例の場合と同様に、対向電極電位VCOMをサブフレームごとに、例えば0Vとある電位とに交互に切り替えるとともに、画素電極の電位も対向電極電位の変化と逆方向に切り替えることによって、画素電極に書き込むべき映像信号の最大振幅を、対向電極電位を変化させない場合と比べて1/2にすることができ、データドライバ回路や、外部のパネル駆動回路の消費電力を低減することが可能になる。
【0059】
このように、この例の液晶表示装置では、奇数番目の画素行を駆動する走査方向と、偶数番目の画素行を駆動する走査方向とを交互に逆にしたので、各画素行において、映像信号が書き込まれる時間をサブフレームごとに変化させることができ、従って、液晶パネルにおいて、特定のパターンを表示させた場合に起こりやすい、画像のちらつきを軽減することが可能になる。
【0060】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られたものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、第1実施例及び第2実施例において、対向電極電位の変化は、サブフレームごとでなくフレームごとであってもよい。また、第2実施例において、第1実施例の場合と同様に、図4に示された信号補正ブロック18による信号レベルの補正を行ってもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置及びその駆動方法によれば、液晶パネル上の位置の違いに基づいて生じる、信号書き込みから光源点灯までの時間差に応じて、映像信号の大きさを補正するようにしたので、液晶パネル上における画素の位置によって生じる輝度差を補償しながら、光源点灯時間を長くすることが可能となり、液晶表示装置において、より明るい表示画像を得ることができるようになる。
また、本発明の液晶表示装置及びその駆動方法によれば、奇数番目の画素行を駆動する走査方向と、偶数番目の画素行を駆動する走査方向とを交互に逆にしたので、各画素行において、映像信号が書き込まれる時間をサブフレームごとに変化させることが可能となり、従って、液晶パネルにおいて、特定のパターンを表示させた場合に起こりやすい、画像のちらつきを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である液晶表示装置の構成を示す図である。
【図2】同実施例の液晶表示装置におけるゲートドライバ回路の構成を示す図である。
【図3】同実施例の液晶表示装置における黒書き込み回路の構成を示す図である。
【図4】同実施例の液晶表示装置を駆動するためのパネル駆動回路の構成を示す図である。
【図5】同実施例の液晶表示装置に対する駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図6】同実施例の液晶表示装置における画素への印加電圧と透過率の変化とを示す図である。
【図7】同実施例の液晶表示装置に対する他の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の第2実施例である液晶表示装置の構成を示す図である。
【図9】同実施例の液晶表示装置のやや詳細な構成を示す図である。
【図10】同実施例の液晶表示装置に対する駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図11】同実施例の液晶表示装置における画素への印加電圧と透過率の変化とを示す図である。
【図12】同実施例の液晶表示装置に対する他の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図13】従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置の構成例を示す図である。
【図14】従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置の動作タイミングチャートである。
【図15】従来のフィールドシーケンシャル駆動を行う液晶表示装置における、あるサブフレーム期間の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 画素マトリクス
2 データドライバ回路
3,31,32 ゲートドライバ回路(ゲートドライバ手段)
4 黒書き込み回路(黒書き込み手段)
5,51,52 走査回路
9 パネル駆動回路
10 タイミング制御ブロック
11 信号処理ブロック(信号処理手段)
12 表示位置検出ブロック
13 駆動パルス生成ブロック
14 バックライト制御ブロック
15 電源ブロック
16 信号源
17 液晶パネル
18 信号補正ブロック(信号補正手段)
19 バックライト
61,62,63,…,6m−1,6m,161,162,163,164,…,16m−1,16m オア回路
71,72,73,…,7m−1,7m,171,172,173,174,…,17m−1,17m バッファ回路
81,82,83,…,8m−1,8m スイッチ

Claims (14)

  1. 赤(R),緑(G),青(B)の三原色に分離された映像を前記R,G,Bに対応するそれぞれのサブフレームにおいて、液晶パネル上に時分割で表示するフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置であって
    奇数目の画素行のゲート線を一方の端部から順次駆動する第1のゲートドライバ手段と、偶数目の画素行のゲート線を他方の端部から前記奇数番目の画素行のゲート線の駆動と逆方向に順次駆動する第2のゲートドライバ手段と、すべての画素に一斉に黒信号を書き込むための黒書き込み手段と、前記サブフレームごとに対応する色の映像信号を前記ゲート線の駆動に応じて順次各画素行に書き込む信号処理手段とを設け、
    前記黒書き込み手段からの黒信号の書き込みによって各画素が十分に黒を表示する状態になったのちに、前記信号処理手段からいずれかの色の映像信号、前記第1のゲートドライバ手段と前記第2のゲートドライバ手段とによる前記ゲート線の行単位の交互駆動に応じて前記奇数番目の画素行と前記偶数番目の画素行とに交互に書き込まれ、前記いずれかの色の映像信号がすべての行の画素に書き込まれてから、次に再び黒信号が書き込まれるまでの所定期間に、書き込まれた映像信号に対応する色の光源を点灯する動作R,G,Bの各色について順次繰り返し行われる構成を有してなることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示装置において、各行の画素に書き込む映像信号のレベルを補正する信号補正手段を設け、
    各行の画素に同じ輝度を表示させる映像信号を印加した場合に、該映像信号が最初に書き込まれる画素行と、以降に書き込まれる各画素行とにおける、映像信号が書き込まれる時間の違いに基づく各行の画素の透過率の違いが平均化されるように、前記信号補正手段によって各行の画素に対する映像信号のレベルを補正することを特徴とする請求項記載の液晶表示装置。
  3. 前記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とが、奇数番目又は偶数番目のゲート線と、偶数番目又は奇数番目のゲート線とを、同一順序でサブフレームごとに繰り返して駆動することによって行われることを特徴とする請求項又は記載の液晶表示装置。
  4. 前記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とが、奇数番目のゲート線を駆動したのち、偶数番目のゲート線を駆動する第1のゲート線駆動と、偶数番目のゲート線を駆動したのちに、奇数番目のゲート線を駆動する第2のゲート線駆動とをサブフレームごとに交互に繰り返すことによって行われることを特徴とする請求項又は記載の液晶表示装置。
  5. 前記映像信号及び黒信号の極性を、サブフレームごとに交互に逆方向に変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置。
  6. 前記映像信号及び黒信号の極性と前記液晶パネルの対向電極の電位とを、サブフレームごとに交互に互いに逆方向に変化させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置。
  7. 前記各ゲートドライバ手段が、走査手段の走査に応じて各ゲート線を順次選択して駆動するとともに、前記黒信号の出力に対応してすべてのゲート線を一斉に駆動する手段からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置。
  8. 前記黒書き込み手段が、前記黒信号書き込み時、共通制御信号に応じて一定電圧をすべてのゲート線に出力するスイッチアレイからなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一記載の液晶表示装置。
  9. 赤(R),緑(G),青(B)の三原色に分離された映像を前記R,G,Bに対応するそれぞれのサブフレームにおいて、液晶パネル上に時分割で表示するフィールドシーケンシャル駆動方式を採用する液晶表示装置の駆動方法であって
    奇数番目の画素行のゲート線を一方の端部から順次駆動する一方、偶数番目の画素行のゲート線を他方の端部から前記奇数番目の画素行のゲート線の駆動と逆方向に順次駆動すると共に、前記奇数番目のゲート線と前記偶数番目のゲート線とを行単位で交互に駆動し、かつ、
    黒信号の書き込みによって各画素が十分に黒を表示する状態になったのちに、いずれかの色の映像信号を、前記ゲート線の前記行単位の交互駆動に応じて前記奇数番目の画素行と前記偶数番目の画素行とに交互に書き込み、
    前記いずれかの色の映像信号すべての行の画素に書き込んだのち、次に再び黒信号書き込までの所定期間に、書き込んだ映像信号に対応する色の光源を点灯する動作をR,G,Bの各色について順次繰り返して行うことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
  10. 前記液晶表示装置の駆動方法において、各行の画素に同じ輝度を表示させる映像信号を印加した場合に、該映像信号が最初に書き込まれる画素行と、以降に書き込まれる各画素行とにおける、映像信号が書き込まれる時間の違いに基づく各行の画素の透過率の違いが平均化されるように、各行の画素に対する映像信号のレベルを補正することを特徴とする請求項記載の液晶表示装置の駆動方法。
  11. 前記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とを、奇数番目又は偶数番目のゲート線と、偶数番目又は奇数番目のゲート線とを、同一順序でサブフレームごとに繰り返して駆動することによって行うこと
    を特徴とする請求項又は10記載の液晶表示装置の駆動方法。
  12. 前記奇数番目のゲート線の駆動と偶数番目のゲート線の駆動とを、奇数番目のゲート線を駆動したのち、偶数番目のゲート線を駆動する第1のゲート線駆動と、偶数番目のゲート線を駆動したのちに、奇数番目のゲート線を駆動する第2のゲート線駆動とをサブフレームごとに交互に繰り返すことによって行うことを特徴とする請求項又は10記載の液晶表示装置の駆動方法。
  13. 前記映像信号及び黒信号の極性を、サブフレームごとに交互に逆方向に変化させることを特徴とする請求項乃至12のいずれか一記載の液晶表示装置の駆動方法。
  14. 前記映像信号及び黒信号の極性と前記液晶パネルの対向電極の電位とを、サブフレームごとに交互に互いに逆方向に変化させることを特徴とする請求項乃至12のいずれか一記載の液晶表示装置の駆動方法。
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