JP4419008B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、あるいは、パチンコ球を使用してスロットマシンと同様の遊技を行う遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機は、遊技機本体の前面側に操作ハンドルを備えている。操作ハンドルは、回転操作によって球の発射強度(発射速度又は飛距離)を調整しかつ遊技者の指が掛かる指掛け部を外周部に突出した回転操作部材が、遊技機本体に固定状に設置される固定ハンドル部に回転可能に設けられている。そして、固定ハンドル部に、押動操作によって球の発射を停止するための発射停止操作部材が配置されている(例えば、特許文献1,2参照)。なお、特許文献1における操作ハンドル17、及び、特許文献2における回動部材36が、本明細書でいう「回転操作部材」に相当している。また、特許文献1における操作ボタン32、及び、特許文献2における単発ボタン32aが、本明細書でいう「発射停止操作部材」に相当している。また、特許文献1、2における遊技機では、回転操作部材を回転操作した状態すなわち球を連続的に発射中において、発射停止操作部材を押動操作することにより、球の発射を一時的に停止することができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−303484号公報(第3−4頁、図4及び図5参照)
【特許文献2】
特開平9−66132号公報(第3−4頁、図4及び図6参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1、2における遊技機の発射停止操作部材では、回転操作部材の原点位置及び回転位置に関係なく、遊技者により視認可能であるとともに操作可能となっている。このため、回転操作部材が原点位置にあるにもかかわらず、遊技者が発射停止操作部材を容易に認識することができるとともに、操作することができる。したがって、例えば、遊技機に不慣れな初心者が、回転操作部材の原点位置で発射停止操作部材を認識し、その操作部材を押動操作しながら回転操作部材を回転操作するといった誤操作を行なうおそれがある。このような誤操作時には、初心者が球を発射できずに困惑することにより無用のトラブルが発生するおそれがあった。なお、通常、遊技機に発射停止操作部材の操作説明が表示されていたとしても、片隅に小さな文字による説明のため、遊技者(初心者)にとっては非常にわかりづらいのが原状であった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、球の発射を停止するための発射停止操作部材の誤操作を防止することのできる遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明の手段1にかかる遊技機は、
「外枠体の前側に開閉可能に組付けられた内枠体の正面内部に遊技盤が収納セットされ、前記内枠体の裏側下部に、球発射モータの駆動力を利用してバネ力が作用している打球用の球発射ハンマーを作動させる球発射装置が設置される一方、前記内枠体の前側下部に装着された下前板部材の側部に、外周に突出形成された指掛け部を利用した遊技者による回動操作により前記球発射ハンマーに係るバネ力を強弱変化して球の発射強度を調整する発射レバーを有する操作ハンドルが前向き突出状態で設置された遊技機において、
前記操作ハンドルでは、前記下前板部材の前面に固定される後側のハンドル部材とこの後側のハンドル部材の前側に連結された前側のハンドル部材との外周左側に、遊技者の操作側の指を掛け載せる指載せ部がともに横向き水平状に延出形成されて互いに前後に整合される一方、前記後側のハンドル部材と前側のハンドル部材との間に、前記発射レバーが回動可能に介在支持されて、該発射レバーに連結されたバネ力変更用の作動軸が前記後側のハンドル部材の筒部内を横通して前記内枠体裏側の前記球発射装置に向けて延出されており、
前記前側のハンドル部材内の中心部に、前記遊技盤側での所定遊技状態の成立時に制御作動されて振動を発生するバイブレータが組込まれる一方、前記後側のハンドル部材内の側部に、前記球発射装置の球発射モータに対する発射停止スイッチと、該発射停止スイッチのオン・オフ操作をなすレバー形態の発射停止ボタンが組付けられ、該発射停止ボタンは、前記発射停止スイッチの作動片を操作するレバー状部分に、前記後側のハンドル部材の外周部側から指先操作が可能とされる操作部と、前記発射レバーの内部の所定位置に形成された連動片に係合し得るカム片が形成されて、前記後側のハンドル部材の外周部側にねじ込まれたねじを支軸として前記後側のハンドル部材の半径内外方向に傾動可能に支持されて常には半径外方向に突出する向きに付勢されており、
前記発射停止ボタンは、前記発射レバーの回動操作前原位置に対して前記カム片が前記連動片に係合拘束されて、レバー状部分が前記作動片を押込み、かつ前記操作部が前記後側のハンドル部材の半径内方向に傾動変位されて前記指掛け部の後側に隠された状態に保持される一方、前記発射レバーの回動操作変位に対して前記カム片が前記連動片から離隔解放されて、レバー状部分が前記作動片を解放しかつ前記操作部が前記後側のハンドル部材の半径外方向に傾動変位されて前記発射レバーの外周から露出した状態に保持されるように設定されたことを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、回転操作部材が原点位置にあるときは、発射停止操作部材が遊技者から見て回転操作部材の指掛け部の後ろ側に隠れる。また、回転操作部材が原点位置から原点位置以外へ回転操作されたときは、発射停止操作部材が遊技者から視認可能となる。このため、球の発射を停止するための発射停止操作部材を回転操作部材の操作に連携した適切なタイミングで遊技者に認識させることができ、その発射停止操作部材の誤操作を防止あるいは低減することができる。したがって、例えば、従来の技術(前記特許文献1,2参照)と異なり、遊技機に不慣れな初心者が回転操作部材の原点位置で認識した発射停止操作部材を押しながら回転操作部材を回転操作することによって球を発射できずに困惑するといったトラブルを予防することができる。
【0007】
また、本発明の手段2にかかる遊技機は、
「遊技機本体の前面側に操作ハンドルを備え、
前記操作ハンドルは、回転操作によって球の発射強度を調整しかつ遊技者の指が掛かる指掛け部を外周部に突出した回転操作部材が、前記遊技機本体に固定状に設置される固定ハンドル部に回転可能に設けられている遊技機であって、
前記固定ハンドル部には、所定操作によって球の発射を停止するための発射停止操作部材が、前記回転操作部材の原点位置においては前記遊技者により操作困難な位置でかつ前記回転操作部材の原点位置以外への回転によって前記遊技者により操作可能に配置されていることを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、回転操作部材が原点位置にあるときは、発射停止操作部材が遊技者により操作困難となる。また、回転操作部材が原点位置から原点位置以外へ回転操作されたときは、発射停止操作部材が遊技者により操作可能となる。このため、球の発射を停止するための発射停止操作部材を回転操作部材の操作に連携した適切なタイミングで遊技者に認識させることができ、その発射停止操作部材の誤操作を防止あるいは低減することができる。したがって、前記手段1と同様、遊技機に不慣れな初心者によるトラブルを予防することができる。
【0008】
また、本発明の手段3にかかる遊技機は、
「手段1又は2に記載の遊技機であって、
前記発射停止操作部材は、前記固定ハンドル部のほぼ径方向内方へ向けて押動操作される押しボタン形式の操作部材で構成され、前記回転操作部材の原点位置においては押動状態に退避されかつ前記回転操作部材の原点位置以外への回転によって非押動状態に復帰される構成としたことを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、押しボタン形式の操作部材で構成された発射停止操作部材が回転操作部材の原点位置においては押動状態に退避されるので、その発射停止操作部材の誤操作を一層効果的に防止あるいは低減することができる。また、回転操作部材が原点位置から原点位置以外へ回転されると、発射停止操作部材が非押動状態に復帰されて通常の操作を行なうことができる。
【0009】
また、本発明の手段4にかかる遊技機は、
「手段1〜3のいずれか1つに記載の遊技機であって、
前記固定ハンドル部には、前記操作ハンドルを握る遊技者の指を支持可能な指載せ部が設けられ、
前記発射停止操作部材は、前記指載せ部に載せた指の指先によって操作可能に配置されていることを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、操作ハンドルを握る遊技者が指を指載せ部に載せることができるので、遊技者の疲労を軽減することができる。また、指載せ部に載せた指で発射停止操作部材を操作することができるので、指載せ部が指を発射停止操作部材に誘導するガイド機能を発揮することにより、発射停止操作部材の操作性を向上することができる。
【0010】
また、本発明の手段5にかかる遊技機は、
「手段4に記載の遊技機であって、
前記指載せ部と前記遊技機本体との間には、相互に係合可能な係合手段が設けられていることを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、指載せ部と遊技機本体とが係合手段を介して係合する。このため、遊技機本体に操作ハンドルを本来の取付手段と、係合手段との協働によるいわゆる2点支持によって、指掛け部を有する操作ハンドルを遊技機本体に強固に取付けることができる。
【0011】
また、本発明の手段6にかかる遊技機は、
「手段5に記載の遊技機であって、
前記係合手段は、スナップフィット式で係合する係合手段であることを特徴とする遊技機。」
を構成の要旨とするものである。
このように構成すると、スナップフィット式で係合する係合手段によって、操作ハンドルの指載せ部と遊技機本体とをワンタッチで容易に係合することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図面にしたがって説明する。一実施の形態は、遊技機の一つであるパチンコ機に本発明を適用したものを例示する。まず、パチンコ機の基本的な構成について述べる。また、説明の都合上、パチンコ機の遊技者に面する側を前面側、その反対側を後面側と称し、図面の方位を各図に矢印で示すとおりに定める。図1に示すように、パチンコ機1は、外枠体10と内枠体20と開閉扉80とを備えている。外枠体10は、図3に示すように、例えば、木製の左右上下の各枠材11,12,13,14をほぼ矩形枠状に枠組みして形成されている。左右の枠材11,12の下端部における前面側の相互間には、下受板15が架設されている。なお、外枠体10と内枠体20と開閉扉80等により、本明細書でいう「遊技機本体」が構成されている。
【0013】
前記内枠体20は、図12及び図13に示すように、例えば樹脂製で、ほぼ四角形額縁状に形成されている。図3に示すように、前記外枠体10の左側部に対して、内枠体20の左側部が内枠体用ヒンジ機構18を介して回動可能に支持されることにより、外枠体10の前面側に内枠体20が開閉可能に設けられている。また、図1に示すように、内枠体20には、遊技盤装着枠部21が一体形成されている。遊技盤装着枠部21は、遊技盤6を後方から着脱可能に嵌め込んだ状態で支持している。遊技盤装着枠部21の構成については後ほど詳述する。
【0014】
図3に示すように、前記内枠体20の後面側には、機構盤30が設けられている。機構盤30は、例えば樹脂製で、図17に示すように、ほぼ四角形額縁状に形成されている。図6に示すように、機構盤30の後面側には、その上部から下部に向けて球タンク32、球誘導樋34、球払出装置36等が配設されている。前記内枠体20の左側部に対し、機構盤30の左側部が機構盤用ヒンジ機構(符号省略)を介して回動可能に支持されることにより、内枠体20の後面側に機構盤30が開閉可能に設けられている。
【0015】
図6に示すように、前記内枠体20の後面側には、前記機構盤30を閉じ状態に保持するための複数(例えば4個)の締付具29が配設されている。内枠体20に機構盤30を閉じた状態で、締付具29が締付けられることにより、内枠体20に対して機構盤30が閉じ状態に保持される(図3参照)。これとともに、内枠体20の遊技盤装着枠部21に嵌め込まれた遊技盤6が固定状態に保持される(図1参照)。また、内枠体20に対する締付具29の締付けを緩めて解放することにより機構盤30を開くことができ、それによって遊技盤装着枠部21に対して遊技盤6を脱着することができる。なお、図3及び図6では遊技盤6が省略されている。
【0016】
前記内枠体20の後面側の右下部(図14において左下部)には、球発射装置40が配設されている。球発射装置40は、球発射モータ41と、その球発射モータ41によって駆動される球発射ハンマー42と備えている。また、内枠体20の右下部には、図12及び図13に示すように、開口孔20aが形成されている。開口孔20a内には、前記球発射装置40の操作軸40aが挿入されている。なお、操作軸40aには、発射レバー(ハンドルレバーとも呼ばれる)48の作動軸47(図30参照、後述する)が係合によって連結されている。発射レバー48を介して、球発射装置40の操作軸40aが回動操作されることによって、球発射モータ41が駆動制御される。
【0017】
前記内枠体20の後面側には、図6に示すように、前記球発射モータ41の左側(図6において右側)に位置する発射制御基板ボックス50が配置されている。発射制御基板ボックス50内には、球発射モータ41の制御にかかる発射制御基板(図示省略)が収納されている。
また、図13に示すように、内枠体20の右上隅角部には、スピーカ取付孔23aを有するスピーカ取付用枠部23が形成されている。スピーカ取付孔23a内には、スピーカ56が配置されている(図9参照)。図13に示すように、スピーカ取付用枠部23の左下隅角部は、遊技盤装着枠部21の右上隅角部にはみ出している。
【0018】
図6に示すように、前記機構盤30の後面側には、前記球発射モータ41及び前記発射制御基板ボックス50の上方近く位置する電源基板ボックス51が配置されている。電源基板ボックス51内には、電源基板(図示省略)が収納されている。さらに、図3に示すように、電源基板ボックス51の後面側には、サブ基板ボックス52が配置されている。サブ基板ボックス52内には、サブ制御基板(図示省略)が収納されている。なお、サブ制御基板は、前記スピーカ56(図9参照)、開閉扉80の発光装飾装置の各ランプ(後述する)、操作ハンドル44(後述する)のバイブレータ及び操作ユニット140(図4参照)等の制御にかかる制御基板である。
【0019】
前記機構盤30の後面側の左上部(図6において右上部)には、左右の中継基板53,54が配置されている。中継基板53,54には、前記サブ制御基板(図示省略)、前記スピーカ56(図9参照)、カード式球貸機200(図32参照)、開閉扉80の発光装飾装置の各ランプ(後述する)等が電気的に接続されている。
【0020】
前記機構盤30の後面側の上端部には、一対の中継基板53,54の左隣り(図6において右隣り)に位置するインターフェース制御基板ボックス55が配置されている。インターフェース制御基板ボックス55内には、球貸機200(図32参照)の制御にかかるインターフェース制御基板(図示省略)が収納されている。また、機構盤30の後面側の上端部にインターフェース制御基板ボックス55が配置されている。このため、制御基板ボックス55のコネクタ55aがホール作業者等の目につきやすく、そのコネクタ55aに対する球貸機200の電気的接続作業を容易に行うことができる。
【0021】
図18及び図19に示すように、前記遊技盤6は、ほぼ四角形板状に形成されたベース板60を主体として形成されており、その前面が遊技盤面(符号省略)となっている。ベース板60は、例えばベニヤ製であるが、その他の木製あるいは樹脂製であってもよく、その材質は限定されない。
ベース板60の前面には、区画壁61が形成されかつ左右の囲繞部材68,69が装着されている。区画壁61は、左側レール部61Aと右側レール部61Bと内側レール部61Cとを備えている。左側レール部61A及び内側レール部61Cは、例えば金属製のレール材で、所定のレール幅を有する帯板材をほぼ半円状に曲げて形成されている。左側レール部61Aの下部は、右下方に向けてなだらかに広がるように形成されている。また、内外に重複する左側レール部61Aと内側レール部61Cの重複部分は、相互にほぼ平行をなすように形成されている。また、右側レール部61Bは、右側の囲繞部材69(後述する)のほぼ円弧状の凹形内側壁によって形成されている。上記した各レール部61A,61B,61Cの協働によって、ほぼ渦巻き状の区画壁61が構成されている。また、区画壁61によって、ベース板60の前面すなわち遊技盤面上にほぼ円形状の遊技領域63が区画されている。これとともに、左側レール部61Aと内側レール部61Cとの間には、前記球発射装置40の球発射ハンマー42(図14参照)によって発射されるパチンコ球Bを遊技領域63内に誘導する球案内路64が形成されている。また、ベース板60の下端部には、内側レール部61Cの下端部に位置するアウト口60bが形成されている。
【0022】
前記各囲繞部材68,69は、例えば樹脂製で、図18に示すように、前記区画壁61の左右両側に配置されており、該区画壁61の外側面に倣う凹形内側壁を有する板状に形成されている。各囲繞部材68,69は、前記区画壁61のレール幅(図18において紙面表裏方向に関する幅)とほぼ等しい高さh(図19参照)でベース板60の前面上に突設されている。なお、高さhは、ベース板60の遊技盤面(前面)上に突出する突出高さに相当する。また、各囲繞部材68,69は、本明細書でいう「囲繞部」に相当する。
【0023】
前記ベース板60の遊技領域63内には、図示はしないが、各種の入賞装置、役物装置、図柄表示装置、アタッカ装置、ゲート口、風車器、誘導釘等が配設されている。また、前記ベース板60の後面側には、前記各種の入賞装置、役物装置、図柄表示装置、アタッカ装置等を電気的に制御する制御基板を収納した制御ボックス装置66(図19参照)が装着されている。上記した遊技盤6を前記内枠体20の遊技盤装着枠部21(図1参照)に装着する遊技盤6の装着構造については、後ほど詳述する。なお、上記したベース板60を主体として、左側レール部61A、内側レール部61C、制御ボックス装置66、各囲繞部材68,69、各種の入賞装置、役物装置、図柄表示装置、アタッカ装置、ゲート口、風車器、誘導釘等が装着されることによって、遊技盤6が構成されている。
【0024】
図1及び図4に示すように、前記内枠体20の前面側における下端部には、下前板部材58が設けられている。下前板部材58の前面側には、下皿59が設けられている。下前板部材58の右端部には、前記球発射装置40の操作ハンドル44が配置されている(図3及び図5参照)。操作ハンドル44の構成については後ほど詳述する。
【0025】
前記内枠体20の前面側において、前記下前板部材58の上側には、上皿部材70が配置されている。上皿部材70は、例えば樹脂製で、ほぼ横長状に形成されており、その前面側に上皿71が設けられている。図2に示すように、前記内枠体20の左側部に対して上皿部材70の左側部が上皿部材用ヒンジ機構(符号省略)を介して回動可能に支持されることにより、内枠体20の前面側に上皿部材70が開閉可能に設けられている。また、上皿部材70における右側部の後面側には、内枠体20に対して該上皿部材70を閉じた状態に保持するための上皿部材用施錠金具72が施錠及び解錠可能に配置されている。
【0026】
次に、開閉扉80を説明する。図4に示すように、開閉扉80には、前記遊技盤6の遊技領域63(図18参照)にほぼ対応する遊技領域視認窓80aが形成されている。遊技領域視認窓80aは、遊技盤6の遊技領域63を視認可能とするもので、斬新で特異な輪郭形状96(後述する)に形成されている。
【0027】
図1に示すように、前記開閉扉80は、扉本体82と、その扉本体82の前面側を装飾する扉装飾体90とを備えている。扉本体82は例えば金属製で、その後面側には、金属製の透視板装着枠83が配設されている。図22〜図24に示すように、透視板装着枠83は、遊技領域視認窓80aを取り囲むようにほぼ矩形状に枠組みされている。透視板装着枠83には、ほぼ四角形板状をなす内外2枚の透視可能なガラス板あるいは樹脂板等からなる前後2枚の透視板84が相互に所定間隔を隔てた状態で装着されている。
【0028】
図1に示すように、前記内枠体20の左側部に対して扉本体82の左側部が開閉扉用ヒンジ機構(図示省略)を介して回動可能に支持されることにより、内枠体20の前面側に開閉扉80が開閉可能に設けられている。また、内枠体20に開閉扉80が閉じられることによって、パチンコ機1の前方に居る遊技者は、両透視板84を透して遊技盤6の遊技領域63を視認することができる(図7〜図11参照)。なお、図7〜図11の各図において、外枠体10(図1参照)が省略されている。
【0029】
図22〜図24に示すように、前記扉装飾体90は、例えば樹脂製で、扉本体82の前面側に対し、該扉本体82の前記遊技領域視認窓80aの周囲を取り囲むように形成されている。扉装飾体90は発光装飾装置を備え、その扉装飾体90の前面には、レリーフ調の凹凸による装飾が施されている(図20及び図21参照)。扉装飾体90及び該扉装飾体90にかかる発光装飾装置に関する構成については後ほど詳述する。
【0030】
図3に示すように、前記内枠体20の右側部には、施錠装置75が装着されている。施錠装置75は、上下の施錠フック76aを有する内枠体用施錠板76と、上下の施錠フック78a(図1参照)を有する開閉扉用施錠板78(図14参照)とを備えている。各施錠板76,78は、それぞれ内枠体20に対して上下方向にスライド可能に備えている。内枠体用施錠板76は、ばね77(図14参照)により常に上方へ付勢されている。また、開閉扉用施錠板78は、ばね(図示省略)により常に下方へ付勢されている。
【0031】
図3に示す状態から、前記外枠体10に対して前記内枠体20が閉じられたときには、該外枠体10に固定されている上下の各係合部16(図3参照)に対し、前記内枠体用施錠板76の各施錠フック76aが係合する。これにより、外枠体10に対して内枠体20が閉じた状態に施錠される。また、この状態において、前記下前板部材58の右側部の上端部に配設された鍵穴58a(図4参照)に鍵(図示省略)を挿入し、その鍵を一方向に回動操作する。これにより、前記内枠体用施錠板76が下方へスライドされて、前記外枠体10の各係合部16に対する前記各施錠フック76aの係合が解除すなわち解錠される。
【0032】
また、図1に示す状態から、内枠体20に対して開閉扉80が閉じられたときには、該開閉扉80の扉本体82に設けられている上下の各係合部85に対し、開閉扉用施錠板78(図14参照)の各施錠フック78aが係合することによって、内枠体20に対して開閉扉80が閉じた状態に施錠される。また、この状態において、前記下前板部材58の鍵穴58a(図4参照)に対して前記鍵を挿入し、その鍵を前記とは反対方向に回動操作する。これにより、前記開閉扉用施錠板78が上方へスライドされて、前記扉本体82の各係合部85に対する前記各施錠用フック78aの係合が解除すなわち解錠される。
【0033】
次に、前記遊技盤6の構成を詳述する。図18に示すように、ほぼ四角形板状に形成された前記ベース板60の前面には、前に述べたように区画壁61が形成されかつ左右の囲繞部材68,69が装着されている。ベース板60の下端部には、前記上皿71(図1参照)上への賞球の払出通路を形成のための開口凹部60cが形成されている。
また、ベース板60の右上隅角部には、スピーカ用凹部60dが切欠き状に形成されている。スピーカ用凹部60dは、前記内枠体20のスピーカ取付用枠部23を嵌合可能に形成されている(図2参照)。
また、図18に示すように、ベース板60の左上隅角部には、配線用凹部60eが切欠き状に形成されている。配線用凹部60eは、前記内枠体20の配線用枠部22(後述する)を嵌合可能に形成されている(図2参照)。
【0034】
前記ベース板60の上側縁部60a1及び下側縁部60a2の前面は両囲繞部材68,69で覆われておらず、その両側縁部60a1,60a2が露出された状態となっている。ベース板60の下側縁部60a2の前面には、係止端部65aを有する左右のロックレバー65が、それぞれ軸65bにより回動可能に設けられている。両ロックレバー65は、回動させることによって、係止端部65aがベース板60上に格納される格納位置(図18中、二点鎖線65a参照)と、その係止端部65aがベース板60の下方へ突出するストッパ位置(図18中、実線65a参照)との二位置に切り替え可能になっている。
【0035】
前記左側の囲繞部材68の左側面には、上下の切欠き凹部68aが形成されている。上下の切欠き凹部68aは、前記区画壁61の左側端部に近接する側縁部分(左側の囲繞部材68の側縁部分68bが相当する)を間にして上下に配置されている。その上下の切欠き凹部68aの形成によって、前記ベース板60の左側縁部60a3の当該側縁部分が前面に露出されている。
また、前記右側の囲繞部材69の右側面には、左側の囲繞部材68の上下の切欠き凹部68aと左右対称状をなす上下の切欠き凹部69aが形成されている(図19参照)。上下の切欠き凹部69aは、前記区画壁61の右側端部に近接する側縁部分(右側の囲繞部材69の側縁部分69bが相当する)を間にして上下に配置されている。その上下の切欠き凹部69aの形成によって、前記ベース板60の右側縁部60a4の当該側縁部分が前面に露出された状態となっている。なお、各囲繞部材68,69の切欠き凹部68a,69aは、本明細書でいう「受入凹部」に相当する。また、切欠き凹部68a,69aの形成によって露出されたベース板60の左側縁部60a3及び右側縁部60a4の前面は本明細書でいう「規制面」に相当する。
【0036】
次に、前記内枠体20の遊技盤装着枠部21の構成を詳述する。図12〜図14に示すように、遊技盤装着枠部21の左上隅角部には、配線挿通孔22aを形成する配線用枠部22がはみ出して形成されている。配線挿通孔22aには、前記開閉扉80(図1参照)の発光装飾装置の各ランプ(後述する)、及び、操作ユニット140(図4参照)等にかかる配線W(図1参照)が挿通される。
また、前にも述べたように、遊技盤装着枠部21の右上隅角部には、スピーカ取付孔23aを有するスピーカ取付用枠部23が、はみ出して形成されている(図12〜図14参照)。
また、図12〜図14に示すように、遊技盤装着枠部21の下端部の中央部分には、前記ベース板60のアウト口60b(図18参照)に対応する凹溝部20bが形成されている。
上記した遊技盤装着枠部21に対し、前記遊技盤6(図18参照)がその後方から着脱可能に嵌め込めるようになっている。
【0037】
図12〜図14に示すように、前記遊技盤装着枠部21には、その後方から嵌め込まれる前記遊技盤6のベース板60(図7〜図11参照)に当接して該遊技盤6の前方への移動を規制する各係止部24,25,27,28が次のように設けられている。
詳しくは、図14及び図15に示すように、遊技盤装着枠部21の上縁部には、遊技盤6の露出されたベース板60の上側縁部60a1の前面に対して面接触状に当接可能な上側係止部24が枠内に向けて突出されている。
また、図14に示すように、遊技盤装着枠部21の下縁部には、遊技盤6の露出されたベース板60の下側縁部60a2(図18参照)の前面に対して面接触状に当接可能な下側係止部25が枠内に向けて突出されている。下側係止部25には、左右の開口孔26aが形成されている。各開口孔26aは、ベース板60の格納位置にある前記ロックレバー65(図18中、二点鎖線65a参照)を挿通可能に形成されている。
【0038】
さらに、図14に示すように、前記遊技盤装着枠部21の左側縁部(図14において右側縁部)には、上下の左側係止部27が枠内に向けて部分的に突出されている(図12参照)。各左側係止部27は、前記遊技盤6(図18参照)の左側の囲繞部材68における各切欠き凹部68aに対し、相対的に嵌合可能でかつ該切欠き凹部68aにより露出されたベース板60の左側縁部60a3の前面に対して面接触状に当接可能に形成されている。すなわち、左側係止部27は、前記区画壁61(図18参照)の左側端部に近接する遊技盤6の左側縁部分(左側の囲繞部材68の側縁部分68bが相当する)を除いた上方及び下方の左側縁部分に対応する位置関係をもって設けられている。
【0039】
また、図14に示すように、前記遊技盤装着枠部21の右側縁部(図14において左側縁部)には、上下の右側係止部28が枠内に向けて部分的に突出されている(図16参照)。各右側係止部28は、前記遊技盤6(図18参照)の右側の囲繞部材69における各切欠き凹部69aに対し、相対的に嵌合可能でかつ該切欠き凹部69aにより露出されたベース板60の右側縁部60a4の前面に対して面接触状に当接可能に形成されている。すなわち、右側係止部28は、前記区画壁61(図18参照)の右側端部に近接する遊技盤6の右側縁部分(右側の囲繞部材69の側縁部分69bが相当する)を除いた上方及び下方の右側縁部分に対応する位置関係をもって設けられている。
なお、遊技盤装着枠部21の各係止部24,25,27,28の前後方向の大きさは、遊技盤6の各囲繞部材68,69の高さh(図19参照)とほぼ等しい大きさで形成されている。
【0040】
次に、前記内枠体20の遊技盤装着枠部21に対する前記遊技盤6の装着構造を詳述する。内枠体20に対して機構盤30が開かれた状態において、該内枠体20の遊技盤装着枠部21に後方から遊技盤6を嵌め込む(図7〜図11参照)。このとき、遊技盤6のロックレバー65は格納位置にあるものとする(図18中、二点鎖線65a参照)。なお、この状態では、遊技盤装着枠部21から遊技盤6を後方へ抜き外すことができる。
【0041】
上記したように、内枠体20の遊技盤装着枠部21に対して遊技盤6が嵌め込まれる。すると、遊技盤装着枠部21の上側係止部24に対してベース板60の上側縁部60a1が当接されるとともに、該遊技盤装着枠部21の下側係止部25に対してベース板60の下側縁部60a2の前面が当接される(図7、図8、図9参照)。また、遊技盤装着枠部21の左側係止部27に対し、遊技盤6の左側の囲繞部材68の各切欠き凹部68aが嵌合されかつベース板60の左側縁部60a3が当接される(図11参照)。これとともに、遊技盤装着枠部21の右側係止部28に対し、遊技盤6の右側の囲繞部材69の各切欠き凹部69aが嵌合されかつベース板60の右側縁部60a4が当接される(図11参照)。したがって、遊技盤装着枠部21の各係止部24,25,27,28によって、ベース板60の前方への移動が規制され、ひいては遊技盤6の前方への移動が規制されることになる。
【0042】
続いて、前記遊技盤6のロックレバー65をロック位置に回動させることにより、遊技盤装着枠部21における各開口孔26aの口縁部の前面に対し、該ロックレバー65の係止端部65aが面接触状に係合される(図2参照)。なお、遊技盤6を取外す際には、ロックレバー65を格納位置(図18中、二点鎖線65a参照)に切り替えればよい。
その後、前記内枠体20に前記機構盤30を閉じた状態で、締付具29(図6参照)が締付けられる。これによって、機構盤30が閉じ状態に保持されるとともに、ベース板60が遊技盤装着枠部21の各係止部24,25,27,28に押付けられて固定されることによって、遊技盤6が固定状態に保持される(図7〜図11参照)。
【0043】
上記したパチンコ機1によると、遊技盤6の前面における左側縁部及び右側縁部に対応する遊技盤装着枠部21の左右それぞれの上下の各係止部27,28が、区画壁61の当該側端部に近接する遊技盤6の側縁部分(左右の囲繞部材68,69の側縁部分68b,69b(図18参照)が相当する)を除いた上方及び下方の側縁部分に対応する位置関係をもって設けられている(図12〜図14参照)。このため、従来では小さい外形(図18に二点鎖線61X)にせざるを得なかった区画壁61の外形(外径)を、図18に実線61で示すように拡大することができ、ひいては遊技領域63を拡大することが可能となる。また、これとともに、パチンコ機1の横幅の拡大や、遊技盤6(詳しくはベース板60)の歪みの発生等の不具合も回避することができる。
【0044】
また、遊技盤6の遊技領域63外で区画壁61を取り囲む左右の囲繞部材68,69に設けられた受入凹部である切欠き凹部68a,69aに左右それぞれの上下の各係止部27,28が受入れられ、該係止部27,28とベース板60の左側縁部60a3及び右側縁部60a4の前面とが当接し合う。これによって、左右の囲繞部材68,69が突設された遊技盤6において凹凸嵌合による簡単な構造で遊技盤6の前方への移動を確実に規制することができる。また、両囲繞部材68,69に各係止部27,28を直接的に当接させる場合に予測される両囲繞部材68,69の前面側の撓みや割れ等の不具合の発生を防止あるいは低減することができる。なお、両囲繞部材68,69に各係止部27,28を直接的に当接させる構成としてもよい。
【0045】
また、前記遊技盤6の左上隅角部すなわちベース板60の左上隅角部には、前記内枠体20の遊技盤装着枠部21に形成される配線用枠部22を回避するための配線用凹部60eが切欠き状に形成されている(図1参照)。このため、機構盤30の左上部に設けられた中継基板53,54(図6参照)から開閉扉80のランプ等(後述する)への配線W(図1参照)を、内枠体20の配線用枠部22の配線挿通孔22aに通すことにより、該配線Wの取り回しを容易に行うことができる。ちなみに、従来では遊技盤6の下方を横切るようにして前記配線が煩雑に取り回されていたが、上記したように遊技盤6の配線用凹部60e内(詳しくは、配線用枠部22の配線挿通孔22a)を利用することによって、前に述べたように前記配線Wの取り回しを容易に行うことができる。
さらに、前記遊技盤6の配線用凹部60eが該遊技盤6の上端側に形成されているので、遊技盤6の上半部に集中する多くの配線W(開閉扉80のランプ等(後述する)にかかる配線)に必要とされる長さを短縮することかできる。
また、前記遊技盤6の配線用凹部60eが内枠体20のヒンジ側(本実施の形態の場合、左側)に形成されているので、外枠体10に対する内枠体20の開閉にともなう配線Wの伸縮量を短縮することができる。
【0046】
次に、前記開閉扉80の扉装飾体90及び該扉装飾体90にかかる発光装飾装置の構成を詳述する。図21に示すように、開閉扉80の扉装飾体90は、遊技領域視認窓80aの左右上下を取り囲む左側の装飾部100と右側の装飾部110と上側の装飾部120と下側の装飾部130とによって構成されている。これら装飾部材100,110,120,130の口縁部には、環状のモール91が取り付けられている。モール91は、複数(例えば、左右上下の計4個)に分割された金属製のモール材92,93,94,95の組合わせによって一連状に形成されている。
【0047】
前記モール91の内周縁によって、開閉扉80の遊技領域視認窓80aの輪郭形状96が次に詳述するように所定形状に形成されている。遊技領域視認窓80aの輪郭形状96は、前記遊技盤6の区画壁61(図18参照)における大半を占める外径の円周線(基準円と呼ぶ)CLに準ずる異形の円環状に形成されている。詳しくは、輪郭形状96の左右側部における上下方向の中央部96b,96fは、基準円CL上にほぼ位置している。また、輪郭形状96のうち対角状に位置する左下部96a及び右上部96eは、基準円CLよりも外方へ膨出されている。なお、輪郭形状96の左下部96a及び右上部96eは、それぞれ本明細書でいう「膨出部」に相当する。
また、輪郭形状96のうち対角状に位置する左上部における下半部96c及び右下部における上半部96hは、前記左下部96a及び右上部96eの膨出量よりも小さい膨出量をもって基準円CLよりも外方に膨出されている。なお、輪郭形状96の左上部における下半部96c及び右下部における上半部96hは、それぞれ本明細書でいう「膨出部」に相当する。
また、輪郭形状96のうち対角状に位置する左上部における上半部96d及び右下部における下半部96iは基準円CLよりも僅かに内方に絞られている。
【0048】
上記輪郭形状96は、周方向に亘ってなだらかに連続する曲線によって連続されており、上下方向の中央部96b,96fを絞った中絞り状でかつ左右非対称及び上下非対称をなす、いわゆる「鏡餅形状」あるいは「ひょうたん形状」あるいは「まゆ玉形状」に類似する異形の円環状に形成されている。
さらには、輪郭形状96の四隅部(左上部、右上部、左下部、右下部の四隅が相当する)のうちの対角状をなす左下部96a及び右上部96eが前記基準円CLより外方へ膨出した概念的には、平行四辺形状にも類似する形状をなしている。また、輪郭形状96の左下部96a、中央部96b及び左上部の下半部96cと、右上部96e、中央部96f及び右下部の上半部96hは、波状の曲線部(96a−b−c,96e−f−hと記す)によって連続されている。
【0049】
また、輪郭形状96の左下部96a及び右上部96eは、前記基準円CL(図21参照)から外方への膨出量を大きくしたことにより、前記遊技盤6(図18参照)の区画壁61外すなわち遊技領域63外の左右の囲繞部材68,69の当該部分を前記透視板84を透して視認することができる。
ところで、遊技盤6の遊技領域63外には、「遊技者向け情報」(図21中、二点鎖線Zb参照)と「検査者向け情報」(図21中、二点鎖線Za参照)とを表示する必要がある。「遊技者向け情報」(図21中、二点鎖線Zb参照)とは、当該パチンコ機1の機種名、出球確率、賞球数、確率変動割合、リミッタの有無等の情報である。また、「検査者向け情報」(図21中、二点鎖線Za参照)とは、パチンコ機1の検査に必要とされる各種情報である。なお、各情報は、各情報を記載したそれぞれの識別シール、証紙等を遊技盤6の遊技領域63外に貼付することによって表示されている。
そこで、例えば、「検査者向け情報」(図21中、二点鎖線Za参照)を、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96の対角状をなす膨出部のうちの一方、例えば左下部96a内で視認可能な部位、すなわち左側の囲繞部材68の当該部分に表示することができる。また、「遊技者向け情報」(図21中、二点鎖線Zb参照)を、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96の対角状をなす膨出部のうちの他方、例えば右上部96e内で視認可能な部位、すなわち右側の囲繞部材69の当該部分に表示することができる。
したがって、輪郭形状96の膨出部(左下部96a、右上部96e)内の視認可能な部位に、検査者向け情報(図21中、二点鎖線Za参照)、遊技者向け情報(図21中、二点鎖線Zb参照)等を配置することにより、それらの情報を容易に視認可能に表示することができる。
【0050】
さらに、前に述べたように、「遊技者向け情報」(図21中、二点鎖線Zb参照)は、遊技者から見やすい位置すなわち遊技者の通常の目線高さに近い位置である、前記輪郭形状96の右上部96e内に表示することができる。これとともに、遊技者が必要としない「検査者向け情報」(図21中、二点鎖線Za参照)は、遊技者から見えにくい位置すなわち遊技者の通常の目線高さ及び「遊技者向け情報」から遠く離れた位置である、前記輪郭形状96の左下部96a内に表示することができる。
【0051】
なお、従来の遊技領域視認窓の輪郭形状が円環状である場合には、各情報Za,Zbを表示するために、開閉扉80に対して遊技領域視認窓とは別に当該情報を表示するための情報表示窓をわざわざ設ける必要があったが、本実施の形態によればそのような専用の遊技領域視認窓部を形成する必要がない。
また、従来の遊技領域視認窓の輪郭形状が四角形状等である場合は、各情報を表示するための情報表示窓を設けることなく、当該情報を表示することができる。しかし、この場合、デザインを施すことのできる扉装飾体における遊技領域視認窓の周囲に装飾を施すための装飾面積が大幅に制限されてしまうので、これまたパチンコ機の意匠に斬新さを求めることができないが、本実施の形態によればデザインを施すことのできる扉装飾体90の装飾面積の制限を最小限にして、パチンコ機1の意匠を斬新なものとすることができる。
【0052】
また、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96の右上部96eに代えてその左上部(下半部96c及び上半部96d)を前記基準円CL(図21参照)より外方へ膨出してもよい。また、その輪郭形状96の左下部96aに代えてその右下部(上半部96h及び下半部96i)を基準円CLよりも外方に膨出してもよい。すなわち、遊技領域視認窓80aの輪郭形状96における対角状をなす部分(例えば、左下部96a及び右上部96e、又は、左上部及び右下部)が、基準円CLよりも外方へ膨出した形状であれば、前記と同様の作用・効果を得ることができる。
【0053】
また、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96の左上部における上半部96d及び右下部における下半部96iが基準円CLよりも僅かに内方に絞られているため、当該部分における遊技領域63が僅かに隠れる形状、すなわち遊技に支障をきたさない程度に隠る形状としている。このことによっても、遊技領域視認窓80aの輪郭形状96が斬新な形状といえる。
【0054】
しかして、図21に示すように、前記モール91は、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に沿って形成されていることにより、モール91の稜線91rが周方向に波形状に曲がりくねった形状となっている。
さらに、図21に示すように、モール91は、前方へほぼ山形状に突出する断面V字状に形成されている(図7〜図11参照)。モール91の前面側の内外の両斜面91a,91bは、鏡面いわゆる反射面(斜面と同一符号を付す)として形成されている。これにより、モール91の内側の斜面である内向き反射面91aは、前記遊技領域視認窓80aの内周側前方に指向しているため、主に遊技領域63を反射するすなわち映し出すことにより該遊技領域63を広く見せることができる。また、外側の斜面である外向き反射面91bは、前記遊技領域視認窓80aの外周側前方に指向しているため、主に外周の扉装飾体90の前面すなわち装飾面を遊技者及びその遊技者の居る通路を通る通行者に向けて反射するすなわち映し出すことにより、パチンコ機1の装飾性を高めることができる。
上記したように、輪郭形状96に沿った内向き反射面91a及び外向き反射面91bを有するモール91によって、遊技領域視認窓80aの斬新で特異な輪郭形状を一層きわだてることができる。ひいては、パチンコ機1の遊技の興趣を高めることが可能である。
【0055】
さらに、前記遊技領域視認窓80aの輪郭形状96(図21参照)の形状に応じて、前記モール91の稜線91rの高さ(前方への突出量)が周方向に変化し(図7〜図11参照)、これとともにモール幅(稜線91rに交差する方向の幅)が周方向に変化している。これにより、モール91が周方向に変則的な立体感を呈する形状となっている。
【0056】
また、図21に示すように、前記扉装飾体90を構成する各装飾部100,110,120,130の相互の区画線C1,C2,C3,C4は、前記モール91の外形に連続する湾曲形状に形成されている。すなわち、左側の装飾部100と上側の装飾部120との区画線C1は、モール91の左上部から上左方へ向かって左カーブを描いて湾曲している。また、上側の装飾部120と右側の装飾部110との区画線C2は、モール91の右上部96eから上右方へ向かって右カーブを描いて湾曲している。また、右側の装飾部110と下側の装飾部130との区画線C3は、モール91の右下部から下方へ向かって左カーブを描いて湾曲している。また、下側の装飾部130と左側の装飾部100との区画線C4は、前記モール91の左下部96aから下方へ向かって右カーブを描いて湾曲している。
【0057】
前記左側の装飾部100及び前記右側の装飾部110は、その中央部が遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に準じる形状で前方に向けて断面凸型円弧状に隆起する断面形状で形成されている(図22及び図23参照)。左右の装飾部100,110の稜線100r,110r(図21に仮想線で示す)は、前記モール91の稜線91rよりも高く、縦方向に波形状に変化している(図7及び図8参照)。さらに、左側の装飾部100の稜線100rは、前記モール91の左側部の外形形状に対して緩やかに倣う形状で形成されている。また、右側の装飾部110の稜線110rは、前記モール91の右側部の外形形状に対して緩やかに倣う形状で形成されている。
上記したように、遊技領域視認窓80aの周囲すなわち左右両側には、モール91すなわち遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に準じる形状でかつ前方へ隆起する装飾部100,110が設けられている。これにより、遊技領域視認窓80aの左右両側に立体感のある装飾を施すことができる。
【0058】
しかして、前記左側の装飾部100の稜線100rの上下の各端部が左方に向けられているとともに、前記右側の装飾部110の稜線110rの上下の各端部が右方に向けられている。これにより、図32に示すように、ホール等においてパチンコ機1を複数並べた際に、左右に隣合うパチンコ機1における左側の装飾部100の稜線100rと右側の装飾部110の稜線110rが互いに連続状をなすように形成されている。したがって、ホール等に複数のパチンコ機1を相互に連続する意匠をもって設置することができる。なお、図32において、パチンコ機1の相互間には、カード式球貸機200が挟まれた状態で配置されている。
【0059】
図21に示すように、前記左側の装飾部100には、その稜線100rに沿って一連状をなす上中下の3本の樹脂製の左側レンズ102a,102b,102cが設けられている(図20参照)。各左側レンズ102a,102b,102cは、例えば赤色の拡散レンズで縦長状に形成されており、左側の装飾部100に開口されたそれぞれのレンズ取付孔(符号省略)に対してそれぞれ嵌合した状態で装着されている(図22及び図23参照)。また、各左側レンズ102a,102b,102cの横幅(図21において左右方向の幅)は、当該稜線100rの湾曲の度合に応じて増減されている。これにより、各左側レンズ102a,102b,102cが縦方向に変則的な立体感を呈する形状となっている。なお、各左側レンズ102a,102b,102cが縦方向に複数(本実施の形態では3個を示す)に分割されていることにより、一本につながったレンズに比べて、装飾性をほとんど損なうことなく、レンズ強度を確保するとともに、各左側レンズ102a,102b,102cの成形性を向上することができる。
【0060】
図21に示すように、前記左側の装飾部100には、上部に配置された左側レンズ102aを間に、左右の樹脂製の上部レンズ103a,103bが設けられている(図20参照)。各上部レンズ103a,103bは、例えば白色の拡散レンズで形成されており、左側の装飾部100に開口されたそれぞれのレンズ取付孔(符号省略)に対してそれぞれ嵌合した状態で装着されている(図22参照)。また、各上部レンズ103a,103bは、上部の左側レンズ102aに対して相互に所定間隔を隔てて配置されており、当該左側レンズ102aの当該側縁部の形状に対して緩やかに倣うほぼ三日月形状に形成されている。また、各上部レンズ103a,103bの横幅(図21において左右方向の幅)は、当該稜線100rの湾曲の度合に応じて増減されている。これにより、各上部レンズ103a,103bが縦方向に変則的な立体感を呈する形状となっている。
【0061】
図22及び図23に示すように、前記扉本体82の前面側には、前記左側の装飾部100で取り囲まれた空間部104が形成されている。そして、扉本体82の前面側には、前記各左側レンズ102a,102b,102cにそれぞれ対応する各ランプ基板105(下部の左側レンズ102cに対応するランプ基板は図示されていない)と、前記各上部レンズ103a,103bにそれぞれ対応する各ランプ基板107が配置されている。各ランプ基板105,107の前面側には、それぞれ当該レンズ形状及び面積に対応する所定数(例えば、3〜12個)の各ランプ106,108が配置されている。各ランプ106,108には、例えば、発光ダイオード(LEDと呼ばれている)が採用されている。各ランプ106,108が点灯することにより、そのランプ106,108から出射される光が当該レンズ102a,102b,102c,103a,103bを透して前方へ拡散され、該レンズ全体が明るく照らし出される。このため、例えばホールの島の間を歩行する遊技者がパチンコ機1を左方又は右方から見る角度によって、各レンズ102a,102b,102c,103a,103bがほぼ波形状に照らし出されることにより、電飾効果を高めることができる。また、各左側レンズ102a,102b,102cのランプ106は、例えば所定時間毎に点灯、消灯を繰り返すようになっている。また、各上部レンズ103a,103bのランプ108は、例えば、賞球にかかるエラー時、賞球払出時、ガラス枠の開放時、球切れ時等に点灯あるいは点滅するようになっている。
【0062】
図21に示すように、前記各左側レンズ102a,102b,102cと前記モール91との間における左側の装飾部100の縦方向部分(符号、109を付す)は、その左右方向の中央部が前方に向けて断面凸型V字状に隆起する断面形状で形成されている。その縦方向部分109の稜線109rの高さは、縦方向に波形状に変化している。
【0063】
図21に示すように、前記右側の装飾部110には、その稜線110rに沿って一連状をなす上中下の3本の樹脂製の右側レンズ112a,112b,112cが設けられている(図20参照)。各右側レンズ112a,112b,112cは、前記左側の装飾部100の左側レンズ102a,102b,102cと同様に、例えば赤色の拡散レンズで形成されており、右側の装飾部110に開口されたそれぞれのレンズ取付孔(符号省略)に対してそれぞれ嵌合した状態で装着されている(図22及び図23参照)。また、各右側レンズ112a,112b,112cの横幅(図21において左右方向の幅)は、当該稜線110rの湾曲の度合に応じて増減されている。これにより、各右側レンズ112a,112b,112cが縦方向に変則的な立体感を呈する形状となっている。なお、各右側レンズ112a,112b,112cは、前記各左側レンズ102a,102b,102cと同様、装飾性をほとんど損なうことなく、レンズ強度を確保するとともに、各右側レンズ112a,112b,112cの成形性を向上することができる。
【0064】
図22に示すように、前記右側の装飾部110には、上部に配置された右側レンズ112aを間に、左右の音透し孔111a,111bが設けられている。また、各音透し孔111a,111bは、上部の右側レンズ112a,112bに対して相互に所定間隔を隔てて形成されており、当該右側レンズ112aの当該側縁部の形状に対して緩やかに倣うほぼ三日月形状に形成されている(図21参照)。また、各音透し孔111a,111bの横幅(図21において左右方向の幅)は、当該稜線110rの湾曲の度合に応じて増減されている。
【0065】
図4に示すように、前記各音透し孔111a,111bは、前記内枠体20に装着されたスピーカ56のほぼ前方に位置している(図4参照)。しかして、図9に示すように、前記扉本体82には、前記スピーカ56に対応するスピーカ用開口孔(符号省略)が形成されている。このため、前記スピーカ56から発せられる音が、扉本体82のスピーカ用開口孔、右側の装飾部110内の空間部114(後述する)、及び、各音透し孔111a,111bを透して、前方(図21において右方)へ放射されやすくなっている。
また、各音透し孔111a,111bの間の上部の右側レンズ112aとスピーカ56とが相前後して重畳配置されている(図4参照)。これにより、スピーカ56を合理的に配置することができ、該スピーカ56の配置スペースを削減することができる。
【0066】
図22及び図23に示すように、前記扉本体82の前面側には、前記右側の装飾部110で取り囲まれた空間部114が形成されている。そして、扉本体82の前面側には、前記各右側レンズ112a,112b,112cにそれぞれ対応する各ランプ基板115(下部の右側レンズ112cに対応するランプ基板は図示されていない)が配置されている。各ランプ基板115の前面側には、それぞれ当該レンズ形状及び面積に対応する所定数(例えば、6〜12個)の各ランプ116が配置されている。各ランプ116には、例えば、前記ランプ106、108と同様に、発光ダイオード(LEDと呼ばれている)が採用されている。また、例えばホールの島の間を歩行する遊技者がパチンコ機1を左方又は右方から見る角度によって、各右側レンズ112a,112b,112cがほぼ波形状に照らし出されることにより、電飾効果を高めることができる。また、各右側レンズ112a,112b,112cの各ランプ116は、例えば所定時間毎に点灯、消灯を繰り返すようになっている。また、各ランプ116から発せられる熱が、右側の装飾部110内の空間部114から前記各音透し孔111a,111bを通して外部に放出される。したがって、音透し孔111a,111bに放熱孔の機能を兼備させることができる。なお、音透し孔111a,111bと同様に、前記左側の装飾部100に放熱孔を設けることもできる。また、音透し孔111a,111bの形状、個数等は適宜変更することができる。
【0067】
図22及び図23に示すように、前記各右側レンズ112a,112b,112cと前記モール91との間における右側の装飾部110の縦方向部分(符号、119を付す)は、その左右方向の中央部が前方に向けて断面凸型V字状に隆起する断面形状で形成されている。その縦方向部分119の稜線119rの高さは縦方向に波形状に変化している。
【0068】
図21に示すように、前記上側の装飾部120には、前記モール91の上縁部に沿う樹脂製のトップレンズ123が設けられている。トップレンズ123は、例えば無色透明のレンズで、図26に示すように、中央部の稜線部123r(後述する)が遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に準じる形状で前方へ向けてほぼ山形状に突出する断面V字状に形成されている。また、トップレンズ123は、図25及び図26に示すように、前記モール91(図21参照)の上縁部に沿う下縁部123aと、その下縁部123aの左端部から右端部に向けて二山状をなす上縁部123bと、左端部から右端部に向けて山形状をなしかつ波形状に曲がりくねった形状をなす稜線部123rとを有している。これにより、トップレンズ123が変則的な立体感を呈する形状となっている。また、トップレンズ123の左右端部を除いた稜線部123rの高さは、前記モール91及び左右の各装飾部100,110の稜線91r,100r,110rよりも高く、左右方向に緩やかな山形状に変化している(図7及び図8参照)。また、図25に示すように、トップレンズ123の縦幅(図25において上下方向の幅)は、当該稜線部123rの湾曲の度合に応じて増減されている。これにより、トップレンズ123の縦幅が横方向に変則的な立体感を呈する形状となっている。
上記したように、遊技領域視認窓80aの周囲すなわち上側には、モール91すなわち遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に準じる形状でかつ前方へ隆起するトップレンズ123を有する上側の装飾部120が設けられている。これにより、遊技領域視認窓80aの上側に立体感のある装飾を施すことができる。
【0069】
前記トップレンズ123は、図26に示すように、上縁部123b及び下縁部123aから稜線部123rに向かって次第に肉厚が厚くなり、稜線部123rで最大肉厚となるように、光学プリズムを模した断面形状に形成されている。これにより、トップレンズ123に対し、ランプ126(後述する)から発せられる光線を屈折、拡散、内反射等により複合的に変化させる、いわゆるプリズム状の特性が付与されている。
また、トップレンズ123のトップレンズ123の下縁部123aには、扉本体82にネジ等の固定部材により固定される適数個(図25では左右2個を示す)の取付片123cが一体形成されている。なお、取付片123cは、上側のモール材94によって隠蔽される。
また、トップレンズ123の上縁部123bには、扉本体82と上側の装飾部120との間に挟持される適数個(図25では左右2個を示す)の挟持片123dが一体形成されている。なお、挟持片123dは、上側の装飾部120によって隠蔽される。
【0070】
図24に示すように、前記扉本体82の前面側には、前記トップレンズ123で取り囲まれた空間部124が形成されている。そして、前記扉本体82の前面側には、トップレンズ123に対応しかつ左右方向に分割された複数枚(例えば、4枚)のランプ基板125が配置されている(図21参照)。各ランプ基板125の前面側には、それぞれ当該レンズ形状及び面積に対応する所定数(例えば、8〜12個)のランプ126が配置されている(図24参照)。各ランプ126には、例えば、発光ダイオード(LEDと呼ばれている)が採用されている。また、扉本体82には、前記空間部124内において各ランプ基板125のランプ126を覆うほぼ平板状のカバーレンズ127が装着されている。カバーレンズ127は、例えば無色透明の拡散レンズで形成されている。
【0071】
前記各ランプ126が点灯することにより、そのランプ126から出射される光線が前記カバーレンズ127を透して前方へ拡散され、さらに前記トップレンズ123を透して前方及び左右上下方向へ様々に屈折、分散され、該レンズ全体が明るく照らし出される。このため、例えばホールの島の間を歩行する遊技者がパチンコ機1を左方又は右方から見る角度によって、トップレンズ123の稜線部123rの周辺部のプリズム特性によってランプ126の光線が様々に照らし出されることにより、電飾効果を高めることができる。また、パチンコ機1の左右の側方からトップレンズ123を見ると、そのレンズの上下の各斜面部(符号、123e,123fを付す)が光ることにより、発光装飾効果が高まる。また、トップレンズ123の稜線部123rが湾曲しているため、その湾曲形状に応じて、特有の模様が光ることによっても、発光装飾効果が高まる。また、トップレンズ123のランプ126は、例えば所定時間毎に点灯、消灯を繰り返すようになっている。
【0072】
さらに、前記各ランプ基板125には、それぞれ異なる色に点灯するランプ126、例えば左のランプ基板125から右へ順に、例えば青色、緑色、黄色、赤色に点灯するそれぞれのランプ126が採用されている。このため、ランプ基板125毎のランプ126を、適宜選択的に点灯、消灯することにより、装飾効果を高めることができる。その各ランプ126は、例えば青色、緑色、黄色、赤色のうち、選択的に1色ずつ、あるいは2色ずつ、あるいは3色ずつ点灯したり、全色点灯したり、消灯したりする等の点灯、消灯の方法が考えられる。また、例えばホールの島の間を歩行する遊技者がパチンコ機1を左方又は右方から見る角度によって、トップレンズ123の稜線部123rの周辺部のプリズム特性によって、各色のランプの光線が様々に照らし出されたり、複数の色の光線が混ざって中間色が照らし出されたりすることにより、電飾効果を高めることができる。また、1枚のランプ基板125に対し、異なる色の複数のランプ126を規則的あるいはランダムに配置することもできる。また、ランプ基板125の枚数、ランプ126の色数は、適宜増減することができる。
【0073】
さらに、図21に示すように、前記上側の装飾部120には、前記トップレンズ123の上縁部123b(図25参照)に倣うほぼ三日月形状の波形隆起部121が形成されている。波形隆起部121は、前方へほぼ山形状に突出する断面V字状(図24参照)に形成されており、その稜線121rの高さは左右方向に緩やかな山形状(図21参照)に変化している。
【0074】
図21に示すように、前記上側の装飾部120には、前記左側の装飾部100と前記トップレンズ123との間に位置しかつ該左側の装飾部100の右側の上部レンズ103bに倣うほぼ三日月形状の左側隆起部128が形成されている。さらに、上側の装飾部120には、前記右側の装飾部110と前記トップレンズ123との間に位置しかつ該トップレンズ123の右側部にほぼ倣う形状の右側隆起部129が形成されている。それらの各隆起部128,129の周囲128a,129aは窪んでおり、両左側隆起部128の膨らみ感が増加されている。
【0075】
前記下側の装飾部130は、前記左側の装飾部100及び前記右側の装飾部110とほぼ同様に、その中央部が遊技領域視認窓80aの輪郭形状96に準じる形状で前方に向けて断面凸型円弧状に隆起する断面形状で形成されている(図7及び図8参照)。図21に示すように、前記下側の装飾部130に形成されたほぼ三角形状の取付孔(符号省略)には、操作ユニット140が嵌め込んだ状態で装着されている。操作ユニット140は、その中央部に配置された残度数表示器141と、その表示器141の左隣りに配置された球貸ボタン142と、残度数表示器141の右隣りに配置された返却ボタン143とを備えている。残度数表示器141は、例えば7セグメントLEDを3個用いて3桁の数字を表示可能に構成されており、前記カード式球貸機200(図32参照)にセット、いわゆる挿入されたプリペイドカードの残度数(例えば、百円単位の残高)を表示する。また、球貸ボタン142を押すと、前記プリペイドカードの残度数内において所定数(例えば、500円分相当の球数)のパチンコ球が払出される。また、返却ボタン143を押すと、前記カード球貸機200内に入っているプリペイドカードが返却、すなわち遊技者が受け取れるように押し出される。なお、球貸ボタン142及び返却ボタン143を操作ユニット140の外形とほぼ相似形をなす形状とすることにより、パチンコ機1のデザインが向上されている。
【0076】
図4に示すように、前記扉装飾体90は、前記モール91、前記各装飾部100,110,120,130、トップレンズ123等の凹凸形状によって、特異なレリーフ調のデザインがかもしだされている。
また、前記扉装飾体90は左右非対称形状のデザインであるため、これまた特異なデザインといえる。なお、各装飾部100,110,120,130の形状、大きさ、各レンズの形状、大きさ、配置等のうち、少なくともいずれかが非対称形状であればよい。また、各レンズ、及び、ランプを備えたランプ基板は本明細書でいう「発光装飾装置」を構成している。
【0077】
また、前にも述べたように、ホール等においてパチンコ機1を並べた際に、左右に隣合うパチンコ機1における左側の装飾部100の稜線100rと右側の装飾部110の稜線110rとが互いに連続され、複数のパチンコ機1を相互に連続する意匠をもって設置することができる(図32参照)。このため、島の印象を向上することができる。詳しくは、従来は左右対称状のデザインのパチンコ機1であったので、ホール等にパチンコ機1を並べた際に単調な印象が感じられたが、本実施の形態によれば、複数のパチンコ機1の協働によって繰り返し変化する連続パターンの意匠を表現することができるため、島の印象を向上することができる。
【0078】
次に、前記操作ハンドル44の構成について説明する。図27、図28及び図29に示すように、操作ハンドル44は、遊技者の右手で握りやすいほぼ球状に形成されている。操作ハンドル44は、前側のハンドル部材45と後側のハンドル部材46と発射レバー(ハンドルレバーとも呼ばれる)48とを備えている。前側のハンドル部材45は、樹脂製で、操作ハンドル44の前半部分を形成している。後側のハンドル部材46は、樹脂製で、操作ハンドル44の後半部分を形成している。発射レバー48は、樹脂製で、前後の両ハンドル部材45,46の間に回動操作可能に配置されている。以下、説明の都合上、後側のハンドル部材46、発射レバー48、前側のハンドル部材45の順に詳述する。なお、前後の両ハンドル部材45,46は、本明細書でいう「固定ハンドル部」を構成している。
【0079】
後側のハンドル部材46を説明する。図29及び図35に示すように、後側のハンドル部材46は、ほぼ半球状をなす主部401と、その主部401の左側部から左側方へほぼ翼状に突出された指載せ部46aとを有している。主部401の軸心部には、後方へ突出するほぼ筒状の嵌合筒部46bが形成されている。嵌合筒部46bの下側には、ほぼ角筒状の張出筒部402が並列状に形成されている(図33及び図34参照)。主部401と指載せ部46aとによる後側面46c(図29参照)は、ほぼ同一平面をなす平坦面に形成されている。また、嵌合筒部46b及び張出筒部402は、前記内枠体20の下前板部材58に形成された貫通孔58b(図9参照)に対してその前面側からほぼ密に挿入可能に形成されている。貫通孔58bは、前記球発射装置40の操作軸40a(図12参照)に対応する位置に形成されている。また、主部401には、前方へ突出するほぼ円筒状の上下一対のボス部403(図36参照)が形成されている。
【0080】
図36に示すように、前記指載せ部46aに形成された前後方向に貫通する孔404には、その後方からほぼ棒状をなす樹脂製のスナップフィット部材405(図35参照)の前部が嵌合されている。スナップフィット部材405は、前側のハンドル部材46の指載せ部46aを前側のハンドル部材45の指載せ部45aに締結するためのねじ452により前側のハンドル部材46と一体化されている(図29参照)。また、スナップフィット部材405は、指載せ部46aの後面側から後方へ二股状に突出する一対の係合片406を有している。両係合片406は、対向方向へ弾性変形いわゆる撓み変形可能に形成されている(図29中、二点鎖線406参照)。両係合片406の先端部には、一円周線上において外側に膨出する断面半円形状の膨出部406aが形成されている。
【0081】
図30に示すように、前記嵌合筒部46b内には、作動軸47が樹脂製の前後一対の軸受47aを介して回転可能に支持されている。作動軸47の後端部には、前記球発射装置40の操作軸40a(図12参照)に対し、動力伝達可能に嵌合可能な連結部408が設けられている(図34参照)。図30に示すように、作動軸47は、嵌合筒部46b内にその後方から前方へ向けて挿入されており、その後端部に設けた段差面409が後側の軸受47aに当接することによってそれ以上の挿入が制限されるようになっている。なお、作動軸47は、その先端面に発射レバー48(後述する)が取付けられることによって後方への移動が制限され、嵌合筒部46b内に定位置において回転可能に支持されるようになっている。
【0082】
図36に示すように、前記主部401の前側には、コイルばねからなる戻しばね410が前記作動軸47と同一軸線上をなすように配置されている。戻しばね410の後端部から外方(右方)へ伸びる端末部410aは、フック状に折り曲げられており、主部401に対してねじ411によって固定されている。また、戻しばね410の前端部から外方(右方)へ短く伸びる端末部410bは、フック状に折り曲げられており、発射レバー48のばね掛け片438(後述する)に掛装可能になっている(図38参照)。
【0083】
図36に示すように、前記主部401の前側には、前記戻しばね410の左側に位置する発射停止スイッチ413が所定位置に位置決めされた状態でねじ414によって固定されている。発射停止スイッチ413は、例えば、マイクロスイッチからなる。発射停止スイッチ413の左上隅角部には、左下方へ向けて突出されかつその下端部を右方へ移動するように回動可能な作動片415を有している(図40及び図41参照)。作動片415は、発射停止スイッチ413に内蔵されたばね(図示省略)によって常に左下方へ向けて突出する状態に付勢されている(図36参照)。発射停止スイッチ413は、例えば、常開スイッチであって、作動片415が、内蔵のばねの付勢に抗して押動されることによってオン(ON)する(図40参照)。発射停止スイッチ413は、図示しないリード線を通じて、前記発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板に対して電気的に接続されている。なお、発射停止スイッチ413のリード線(図示省略)は、前記主部401に形成された連通孔401a内を通して外部へ引き出されている。
【0084】
図36に示すように、前記後側のハンドル部材46の主部401と指載せ部46aとの連接部分における上下の周壁部には、発射レバー48の後面側における操作リング部48a(後述する)を相対的に受入れる上下の受入溝417,418が形成されている。
また、前記主部401内には、前記発射停止スイッチ413の左側に位置する押しボタン形式の樹脂製の発射停止ボタン420の下端部が、ねじ421によって回転可能に取付けられている。なお、発射停止ボタン420は、本明細書でいう「発射停止操作部材」に相当する。
【0085】
前記発射停止ボタン420は、図36に示すように、上下方向に延びるアーム部422と、そのアーム部422の上端部から左方へ突出する操作部423とを有している。操作部423は、上側の受入溝417の上部から後方へ切り込まれた凹溝419を通じて主部401より左方へ突出されている。また、発射停止ボタン420のアーム部422の前側には、ほぼ縦長状のカム片425が突出されている。カム片425には、その右上端から左下方へ傾斜するカム面426が形成されている。
【0086】
前記発射停止ボタン420のアーム部422は、前記発射停止スイッチ413の作動片415に当接されている。このため、発射停止ボタン420は、発射停止スイッチ413の内蔵のばねの付勢力によって作動片415を介して押動される(図36参照)。この状態では、発射停止スイッチ413がオフ(OFF)状態となり、発射停止ボタン420の操作部423が主部401の当該側壁から所定量突出する非押動状態にあり、発射停止ボタン420のアーム部422が主部401の当該側壁に当接する状態にある。また、発射停止ボタン420の操作部423を主部401のほぼ径方向内方(図36において右方)へ向けて押動操作されることによって、発射停止ボタン420がねじ421を中心として図36において右回り方向へ回動される。これにともない、アーム部422によって作動片415が押動されることにより、発射停止スイッチ413がオン状態となる。
【0087】
次に、発射レバー48を説明する。図37及び図38に示すように、発射レバー48は、ほぼ円板状の主板部430と、その主板部430の外周部に形成されたほぼ円筒状の操作リング部48aと、その操作リング部48aの外周面に連続する外周面を有する左右の指掛け部432,433とを有している。操作リング部48aは、前記後側のハンドル部材46における主部401の前端部に嵌合可能になっている(図30参照)。また、両指掛け部432,433は、ほぼ山型状をなしており、その前面側及び外周側がその操作リング部48aの前面側及び外周側となだらかに連続されており、遊技者が握りやすい形状となっている(図37参照)。左側の指掛け部432は、右側の指掛け部433に比べて一回り大きく形成されている。発射レバー48の回転操作にあたり、例えば、左側の指掛け部432には主として遊技者の右手の親指H1、あるいは人差し指H2が掛けられ、また、右側の指掛け部433には主として遊技者の右手の中指H3、あるいは薬指H4、あるいは小指H5が掛けられる。
【0088】
図37に示すように、前記主板部430の軸心部には、ねじ孔434が形成されている。また、主板部430には、その軸心を中心とする円弧状をなす2つのガイド孔435が点対称状に形成されている。主板部430は、その軸心部から後方へ突出されたほぼ円筒状の連結筒部437を有している(図30及び図38参照)。連結筒部437は、前記戻しばね410内に挿入可能に形成されているとともに、前記作動軸47の前端部を相対的に挿入可能に形成されている。しかして、前記作動軸47の前端部は断面ほぼD字型に形成されており、連結筒部437はその作動軸47の前端部に係合可能なほぼD字型の中空孔437a(図38参照)を有している。
【0089】
図38に示すように、前記主板部430には、後方へ向けて突出するほぼ四角形板状のばね掛け片438と、同じくほぼ楕円柱状の連動片439が突出されている。ばね掛け片438は、前記連結筒部437と左側の指掛け部432に隣接するガイド孔435との間に配置されている。連動片439は、左側の指掛け部432と、その指掛け部432に連接するガイド孔435との間の下方近くに配置されている。
【0090】
上記した発射レバー48は、操作リング部48aを前記後側のハンドル部材46における主部401の前端部に嵌合した状態で、前記作動軸47の前端面に対してねじ436によって結合される(図30参照)。このとき、発射レバー48の連結筒部437の中空孔437aが作動軸47の前端部と係合することによって、発射レバー48と作動軸47とが一体的に回転可能になる。さらに、後側のハンドル部材46に対する発射レバー48の嵌合にあたって、ばね掛け片438を戻しばね410の前側の端末部410bに引っ掛けた状態で、そのばね410の付勢に抗して発射レバー48を正面から見て右回り方向(図41中、矢印Y1参照)へ約90°程度回転させる。この状態で、発射レバー48が後側のハンドル部材46に嵌合された状態で作動軸47と連結される(図30参照)。その後、発射レバー48を解放すると、戻しばね410(図30参照)の弾性復元力によって発射レバー48が図41の状態から左回り方向(図41中、矢印Y11参照)へ回転されて原点位置に保持される(図40参照)。なお、発射レバー48は、前側のハンドル部材45の各ボス部443(後述する)に各ガイド孔435の当該端部が当接することによって原点位置に規制される。
【0091】
また、前記発射レバー48の原点位置への回動にともない、該発射レバー48の連動片439が図41の状態から左回り方向(図41中、矢印Y12参照)へ移動すると、その連動片439が発射停止ボタン420のカム片425のカム面426に衝合した後、そのカム面426を下方へ摺動する(図40参照)。これにより、発射停止ボタン420が右回り方向(図41中、矢印Y13参照)へ回動されるにともない、発射停止スイッチ413の作動片415が押動される。したがって、図40に示すように、発射レバー48の原点位置では、発射停止スイッチ413がオン状態になる。また、発射レバー48の原点位置では、その発射レバー48の左側の指掛け部432が発射停止ボタン420の操作部423の前側に位置する。このため、発射停止ボタン420の操作部423が遊技者から見て左側の指掛け部432の後ろ側に隠れる。
なお、発射レバー48は、本明細書でいう「回転操作部材」に相当する。
【0092】
次に、前側のハンドル部材45を説明する。図29及び図35に示すように、前側のハンドル部材45は、ほぼ半球状をなす主部440と、その主部440の左側部から左側方へほぼ翼状に突出された指載せ部45aとを有している。その指載せ部45aは、前記後側のハンドル部材46の指載せ部46aと一体状をなすように接合可能に形成されている。また、図39に示すように、前側のハンドル部材45の主部440と指載せ部45aとの連接部分における上下の周壁部には、後側のハンドル部材46の上下の受入溝417,418(図36参照)と対応する上下の受入溝447,448が形成されている。なお、上側の受入溝447は、後側のハンドル部材46における上側の受入溝417(図36参照)の下半部にほぼ対応する大きさで形成されている。
【0093】
前記主部440の周壁は、図30に示すように、前記発射レバー48の操作リング部48a内に嵌合可能になっている。図39に示すように、主部440には、前方へ突出するほぼ円柱状の上下一対のボス部443が形成されている。各ボス部443は、前記後側のハンドル部材46における各ボス部403(図36参照)とそれぞれ同一軸線をなすように形成されている。
【0094】
図30に示すように、前記前側のハンドル部材45の主部440内には、電動式のバイブレータ49が組込まれている。バイブレータ49には、例えばスピーカ装置のコーンに錘を付加してなる構造のバイブレータが採用されており、そのコーンの振動を利用して振動を発生する。バイブレータ49は、図示しないリード線を通じて前記発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板に対して電気的に接続されている。バイブレータ49のリード線(図示省略)は、発射レバー48に形成された開口部(図示省略)、及び、前記主部401の連通孔401a(図36参照)内を通して外部へ引き出されている。なお、バイブレータ49が発生する振動は、両ハンドル部材45,46及び発射レバー48に伝達される、このため、操作ハンドル44を握る遊技者に振動を与えることができる。また、バイブレータ49は、リーチ、大当たりの予告時等の所定時期に振動されるようになっている。
【0095】
図30に示すように、上記した前側のハンドル部材45の主部440は、前記発射レバー48の前面側における操作リング部48a内に嵌合される。これとともに、前側のハンドル部材45における上下の受入溝447,448に、前記発射レバー48の操作リング部48aの当該部分が相対的に受入れられる(図39参照)。また、図35に示すように、指載せ部45aが後側のハンドル部材46の指載せ部46aと接合される。また、前側のハンドル部材45の各ボス部443は、発射レバー48の各ガイド孔435内にそれぞれ係入されるとともに(図39参照)、後側のハンドル部材46の各ボス部403にそれぞれ同一軸線上において突き合わせ状に位置する。そして、後側のハンドル部材46の各ボス部403にそれぞれ挿通したねじ(図示省略)を後側のハンドル部材46の各ボス部403にそれぞれねじ付ける。これとともに、後側のハンドル部材46の指載せ部46aに嵌合したスナップフィット部材405を通じて後側のハンドル部材46の指載せ部46aに挿通したねじ452(図29及び図36参照)を前側のハンドル部材45の指載せ部45aにねじ付ける。
【0096】
上記したようにして、組付けが完了した操作ハンドル44は、後側のハンドル部材46の嵌合筒部46bを張出筒部402とともに、前記下前板部材58に設けられた貫通孔58bにその前面側から挿入すなわち嵌合する(図29及び図33参照)。これにより、操作ハンドル44が下前板部材58に回り止めされた状態で支持される。なお、下前板部材58の貫通孔58bに対する後側のハンドル部材46の張出筒部402を含む嵌合筒部46bの取付けが、本明細書でいう「操作ハンドルの本来の取付手段」を構成している。また、必要に応じて、下前板部材58に嵌合筒部46bと張出筒部402のうち少なくとも一方をねじ(図示省略)等により結合することができる。
【0097】
図29に示すように、前記下前板部材58の貫通孔58bに対する後側のハンドル部材46の張出筒部402の挿入とともに、下前板部材58に形成された係合孔58cに対して、スナップフィット部材405が弾性変形を利用したスナップフィット式で係合される。すなわち、スナップフィット部材405の両係合片406は、膨出部406aが下前板部材58の係合孔58cの内周面に沿って摺動するときに互いに内方へ弾性変形いわゆる撓み変形(図29中、二点鎖線406参照)され、係合孔58cを膨出部406aが通過することによって弾性復元する(図29中、実線409参照)。すると、膨出部406aが下前板部材58の係合孔58cの孔縁部に係合することによって、スナップフィット部材405ひいては操作ハンドル44が抜け止めされる。この状態では、後側のハンドル部材46の後側面46cが下前板部材58に面接触状に密着した状態となる。なお、下前板部材58の係合孔58cに対するスナップフィット部材405の取付けが、本明細書でいう「スナップフィット部材を利用した係合手段」を構成している。
上記したようにして、操作ハンドル44が、下前板部材58に対する本来の取付手段と、スナップフィット部材405を利用した係合手段との協働によるいわゆる2点支持によって、下前板部材58に取付けられる。
【0098】
また、上記した遊技機本体(詳しくは、下前板部材58)に対する操作ハンドル44の装着と同時に、図27及び図31に示すように、両ハンドル部材45,46の指載せ部45a,46aの先端部が、前記下前板部材58の前面側に形成された凹部58d内に嵌合される。また、作動軸47の連結部408(図34参照)が、球発射装置40の操作軸40aに対して動力伝達可能に嵌合される。また、操作ハンドル44から引出される各リード線は、前記発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板に対して電気的に接続される。
【0099】
上記した遊技機によると、発射レバー48が原点位置にあるときは、図40に示すように、発射停止ボタン420の操作部423が遊技者から見て発射レバー48の左側の指掛け部432の後ろ側に隠れるとともに、遊技者の親指による操作が不能となる。
【0100】
また、遊技者が操作ハンドル44を握り、図40に示すように、例えば、右手の親指H1を発射レバー48の左側の指掛け部432に掛け、薬指H4を同発射レバー48の左側の指掛け部432に掛けて、手首をひねることにより、発射レバー48が回転操作される。そして、発射レバー48が、図40に矢印Y1で示すように、原点位置から原点位置以外へ回転操作されたときは、発射レバー48の連動片439が移動し、発射停止ボタン420のカム片425から離れる(図41参照)。このため、発射停止ボタン420は、発射停止スイッチ413の内蔵のばねによる付勢される作動片415によって押し戻され(図41中、矢印Y13参照)、非押動状態に復帰される。これとともに、発射停止スイッチ413がオフ(OFF)となる。その発射停止スイッチ413のOFF状態を検知した発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板は、球発射モータ41(図9参照)へ通電し、球の発射を開始する。その球発射モータ41の駆動によって、上皿71(図1参照)より供給された球が1個ずつ所定時間毎(例えば、0.6秒毎)に連続的に遊技領域63へ向けて発射される。また、前記発射制御基板は、遊技者の回転操作による発射レバー48の回転角度に基づいて、球の発射強度(発射速度又は飛距離)を調整する。
【0101】
また、遊技者は、遊技中すなわち球発射モータ41(図9参照)の駆動中には、操作ハンドル44を握った手を持ちかえる。すなわち、図41に示すように、例えば、右手の親指H1を指掛け部45a,46aに載せるとともに、右手の人差し指H2を発射レバー48の左側の指掛け部432に掛け、小指H5を同発射レバー48の左側の指掛け部432に掛ける。
この状態で、遊技者が、発射停止ボタン420の操作部423を右手の親指H1(図41参照)によって右方へ押動操作(図41中、矢印Y4参照)する。すると、図42に示すように、発射停止ボタン420が図42に矢印Y3で示すように回動されるにともない、発射停止スイッチ413の作動片415が押動される。これにより、発射停止スイッチ413がオン(ON)となる。発射停止スイッチ413のオン状態を検知した発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板は、球発射モータ41(図9参照)への通電を停止し、球の発射を停止する。
【0102】
また、遊技者が、前記発射停止ボタン420の押動操作をやめるすなわち操作部423を押動操作していた右手の親指H1を解放する。すると、発射停止ボタン420は、発射停止スイッチ413の内蔵のばねによる付勢される作動片415によって非押動状態(図41参照)に押し戻される(図41中、矢印Y13参照)。これにより、発射停止スイッチ413がオフ(OFF)となるため、前にも述べたように、発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板が球発射モータ41(図9参照)へ通電し、球の発射が開始される。
【0103】
また、遊技者が、前記発射レバー48の回転操作をやめるすなわち発射レバー48が図41において矢印Y11方向へ回転させて原点位置に戻されたときは、発射レバー48の連動片439が図41の状態から左回り方向(図41中、矢印Y12参照)へ移動する。すると、発射レバー48の連動片439が発射停止ボタン420のカム片425のカム面426に衝合した後、そのカム面426を下方へ摺動する(図40参照)。これにより、前にも述べたように、発射停止ボタン420が右回り方向(図41中、矢印Y13参照)へ回動されるにともない、発射停止スイッチ413の作動片415が押動される。したがって、発射停止スイッチ413がオン状態になるため、発射制御基板ボックス50(図6参照)内の発射制御基板が球発射モータ41(図9参照)への通電を停止し、球の発射を停止する。また、発射レバー48の原点位置では、その発射レバー48の左側の指掛け部432が発射停止ボタン420の操作部423の前側に位置する。このため、発射停止ボタン420の操作部423が遊技者から見て左側の指掛け部432の後ろ側に隠れる。
【0104】
ところで、前に述べたように、発射レバー48が原点位置から原点位置以外へ回転操作されたときは(図41参照)、発射停止ボタン420(詳しくは、操作部423)が遊技者から視認可能となるとともに遊技者の親指H1により操作可能となる。このため、球の発射を停止するための発射停止ボタン420を発射レバー48の操作に連携した適切なタイミングで遊技者に認識させることができ、その発射停止ボタン420の誤操作を防止あるいは低減することができる。したがって、例えば、従来の技術(前記特許文献1,2参照)と異なり、遊技機に不慣れな初心者が発射レバー48の原点位置で認識した発射停止ボタン420を押しながら発射レバー48を回転操作することによって球を発射できずに困惑するといったトラブルを予防することができる。また、発射停止ボタン420は、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aに載せた親指で操作することができる。
【0105】
また、押しボタン形式の操作部材で構成された発射停止ボタン420が発射レバー48の原点位置(図40参照)においては押動状態に退避されるので、その発射停止ボタン420の誤操作を一層効果的に防止あるいは低減することができる。また、発射レバー48が原点位置(図40参照)から原点位置以外(図41参照)へ回転されると、発射停止ボタン420が非押動状態に復帰されて通常の操作を行なうことができる。
【0106】
また、操作ハンドル44を握る遊技者が親指H1を指載せ部45a,46aに載せることができる(図41参照)。これにより、遊技者の疲労を軽減することができる。
また、指載せ部45a,46aに載せた親指H1(図41参照)で発射停止ボタン420を操作することができる(図42参照)。これにより、指載せ部45a,46aが親指H1を発射停止ボタン420に誘導するガイド機能を発揮することにより、発射停止ボタン420の操作性を向上することができる。
なお、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aに載せる遊技者の指は、親指H1以外の指であってもよい。
【0107】
また、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aと遊技機本体の下前板部材58とがスナップフィット部材405を利用した係合手段を介して係合する(図29参照)。このため、遊技機本体の下前板部材58に操作ハンドル44を本来の取付手段と、スナップフィット部材405を利用した係合手段との協働によるいわゆる2点支持によって、指載せ部45a,46aを有する操作ハンドル44を遊技機本体の下前板部材58に強固に取付けることができる。
【0108】
また、スナップフィット部材405を利用してスナップフィット式で係合する係合手段によって、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aと遊技機本体の下前板部材58とをワンタッチで容易に係合することができる。
【0109】
さらに、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aの先端部が、下前板部材58の凹部58dに嵌合されている(図27及び図31参照)。このため、操作ハンドル44の指載せ部45a,46aを強固に支持することができる。
【0110】
また、例えば、下前板部材58に取り付けられる操作ハンドル44にバイブレータ49が組込まれた操作ハンドルと、バイブレータ49を省いた操作ハンドルとを用意しておけば、操作ハンドルのみの小変更で、バイブレータ49付きあるいは無しの操作ハンドルを容易に選択することができる。また、仮に操作ハンドル44あるいはバイブレータ49の故障時等には、操作ハンドルの交換のみでよいため、部品交換を簡単に行うことができる。
【0111】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、パチンコ機1以外の遊技機に適用することも可能である。また、球発射装置は、上記実施の形態で例示したモータ駆動式の他、ソレノイド駆動式でもよい。また、発射レバー48を電動式で回転させる操作ハンドル44にも本発明を適用することができる。また、回転操作部材は、発射レバー48に限らず、回転操作可能な部材によって形成することができる。また、発射停止ボタン420は、上記実施の形態では発射レバー48の回転に連携させたが、発射レバー48の回転に連携しないものであってもよい。また、発射停止操作部材は、発射停止ボタン420に限らず、所定の操作が可能な部材によって形成することができる。したがって、発射停止操作部材の押動方向は限定されないし、操作も押動に限らず、スライド操作、回動操作等に変更することができる。
【0112】
また、上記実施の形態では、遊技盤装着枠部21に対し、遊技盤6を後方から着脱可能に嵌め込んだ状態で支持したが、これとは逆に、遊技盤装着枠部21に対し、遊技盤6を前方から着脱可能に嵌め込んだ状態で支持してもよい。この場合、遊技盤装着枠部21の係止部は、例えば、ベース板60に設けたロックレバー65とほぼ同様の回動式の係止部とすることが考えられる。すなわち、遊技盤6を嵌め込むときはその嵌め込みを可能とする格納位置に係止部を位置させておき、遊技盤6を嵌め込んだ後で係止部をロック位置に回動させることによって該係止部をベース板60の当該側縁部に係合させて遊技盤6を固定する。
【0113】
また、透視板装着枠83に支持される透視板84の枚数は、1枚あるいは3枚以上でもよい。また、内枠体20に遊技盤装着枠部21を一体形成したが、内枠体20の主体部分とは別体で形成した遊技盤装着枠部21をその主体部分に一体化してもよい。また、左側係止部27又は右側係止部28の一方は、上下方向に連続的に形成することができる。また、上下の左側係止部27のどちらか一方は省略することができる。また、上下の右側係止部28のどちらか一方は省略することができる。また、左側係止部27又は右側係止部28の縦方向長さは、適宜変更することができる。
【0114】
また、遊技盤6のベース板60には、金属製のレール材(61A,61C)と樹脂製の囲繞部(囲繞部材69)とにより区画壁61を構成したが、金属製等のレール材のみによって区画壁を構成してもよい。この場合、囲繞部(囲繞部材68,69)は省略することが可能である。また、樹脂製の囲繞部のみによって区画壁を構成することもできる。また、ベース板60と囲繞部を樹脂成形によって一体形成することができる。この場合、囲繞部には、係止部27,28を受入可能でかつ該係止部27,28が当接する規制面を形成する受入凹部を形成することができる。このとき、規制面は、ベース板の前面に相当する位置、すなわち基本的強度を確保するベース板部の前面に形成する。
また、囲繞部(囲繞部材68,69)には、その前面側にレンズを組込みかつランプを内蔵することによって装飾性をもたせたり、その前面側に凹凸面、色彩等のパネル飾りを付して装飾をもたせることができる。
【0115】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、球の発射を停止するための発射停止操作部材を回転操作部材の操作に連携した適切なタイミングで遊技者に認識させることができ、その発射停止操作部材の誤操作を防止あるいは低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるパチンコ機を開閉扉の開放状態で示す斜視図である。
【図2】開閉扉を省いたパチンコ機を上皿部材の開放状態で示す斜視図である。
【図3】パチンコ機を内枠体の開放状態で示す斜視図である。
【図4】パチンコ機の正面図である。
【図5】パチンコ機の右側面図である。
【図6】パチンコ機の後面図である。
【図7】図4のVII−VII線断面図である。
【図8】図4のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図4のIX−IX線断面図である。
【図10】図4のX−X線断面図である。
【図11】図4のXI−XI線断面図である。
【図12】内枠体を示す斜視図である。
【図13】内枠体を示す正面図である。
【図14】内枠体を示す後面図である。
【図15】図13のXV−XV線断面図である。
【図16】図13のXVI−XVI線断面図である。
【図17】機構盤を示す斜視図である。
【図18】遊技盤を示す正面図である。
【図19】遊技盤を示す右側面図である。
【図20】開閉扉を示す斜視図である。
【図21】開閉扉を示す正面図である。
【図22】図21のXXII−XXII線断面図である。
【図23】図21のXXIII−XXIII線断面図である。
【図24】図21のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】トップレンズを示す斜視図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI線断面図である。
【図27】操作ハンドルを示す斜視図である。
【図28】操作ハンドルを示す正面図である。
【図29】操作ハンドルを示す平面図である。
【図30】図28のXXX−XXX線断面図である。
【図31】図4のXXXI−XXXI線断面図である。
【図32】遊技盤の配列状態を示す正面図である。
【図33】操作ハンドルと球発射装置との関係を示す右側面図である。
【図34】操作ハンドルと球発射装置との関係を示す分解斜視図である。
【図35】操作ハンドルを左上方から見下ろした状態で示す斜視図である。
【図36】後側のハンドル部材を示す正面図である。
【図37】発射レバーを示す正面図である。
【図38】発射レバーを示す背面図である。
【図39】前側のハンドル部材を示す背面図である。
【図40】発射レバーが原点位置にある状態を示す操作ハンドルの正面図である。
【図41】発射レバーが回転操作された状態を示す操作ハンドルの正面図である。
【図42】発射停止ボタンが操作された状態を示す操作ハンドルの正面図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
44 操作ハンドル
45 前側の固定ハンドル部材(固定ハンドル部の一部)
45a 指載せ部
46 後側の固定ハンドル部材(固定ハンドル部の一部)
46a 指載せ部
46b 嵌合筒部
48 発射レバー(回転操作部材)
420 発射停止ボタン(発射停止操作部材)
432 指掛け部
433 指掛け部
405 スナップフィット部材
Claims (1)
- 外枠体10の前側に開閉可能に組付けられた内枠体20の正面内部に遊技盤6が収納セットされ、前記内枠体20の裏側下部に、球発射モータ41の駆動力を利用してバネ力が作用している打球用の球発射ハンマー42を作動させる球発射装置40が設置される一方、前記内枠体20の前側下部に装着された下前板部材58の側部に、外周に突出形成された指掛け部432,433を利用した遊技者による回動操作により前記球発射ハンマー42に係るバネ力を強弱変化して球の発射強度を調整する発射レバー48を有する操作ハンドル44が前向き突出状態で設置された遊技機において、
前記操作ハンドル44では、前記下前板部材58の前面に固定される後側のハンドル部材46とこの後側のハンドル部材46の前側に連結された前側のハンドル部材45との外周左側に、遊技者の操作側の指を掛け載せる指載せ部46a,45aがともに横向き水平状に延出形成されて互いに前後に整合される一方、前記後側のハンドル部材46と前側のハンドル部材45との間に、前記発射レバー48が回動可能に介在支持されて、該発射レバー48に連結されたバネ力変更用の作動軸47が前記後側のハンドル部材46の筒部46b内を横通して前記内枠体20裏側の前記球発射装置40に向けて延出されており、
前記前側のハンドル部材45内の中心部に、前記遊技盤6側での所定遊技状態の成立時に制御作動されて振動を発生するバイブレータ49が組込まれる一方、前記後側のハンドル部材46内の側部に、前記球発射装置40の球発射モータ41に対する発射停止スイッチ413と、該発射停止スイッチ413のオン・オフ操作をなすレバー形態の発射停止ボタン420が組付けられ、該発射停止ボタン420は、前記発射停止スイッチ413の作動片415を操作するレバー状部分に、前記後側のハンドル部材46の外周部側から指先操作が可能とされる操作部423と、前記発射レバー48の内部の所定位置に形成された連動片439に係合し得るカム片425が形成されて、前記後側のハンドル部材46の外周部側にねじ込まれたねじ421を支軸として前記後側のハンドル部材46の半径内外方向に傾動可能に支持されて常には半径外方向に突出する向きに付勢されており、
前記発射停止ボタン420は、前記発射レバー48の回動操作前原位置に対して前記カム片425が前記連動片439に係合拘束されて、レバー状部分が前記作動片415を押込み、かつ前記操作部423が前記後側のハンドル部材46の半径内方向に傾動変位されて前記指掛け部432の後側に隠された状態に保持される一方、前記発射レバー48の回動操作変位に対して前記カム片425が前記連動片439から離隔解放されて、レバー状部分が前記作動片415を解放しかつ前記操作部423が前記後側のハンドル部材46の半径外方向に傾動変位されて前記発射レバー48の外周から露出した状態に保持されるように設定されたことを特徴とする遊技機。
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