以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2は前面扉21を閉じた状態におけるスロットマシン10の斜視図であり、図3は前面扉21を開いた状態におけるスロットマシン10の斜視図であり、図4は前面扉21を取り除いた状態における筐体11の正面図である。
図3に示すように、スロットマシン10は、筐体11を備えている。筐体11は、複数の板部12〜16を組合せることによりスロットマシン10前方に向けて開放された四角箱状に形成されている。詳細には、底板部12、背板部13、左側板部14、右側板部15、及び天板部16を備えており、隣接する各板部12〜16が接着等の固定手段によって固定されていることで、筐体11が形成されている。当該筐体11は、スロットマシン10を遊技ホールに設置する際に、いわゆる島設備に対して釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉21が取り付けられている。前面扉21はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。詳細には、筐体11の左側板部14には筐体側支持部材17が設けられているとともに、前面扉21の左側部には扉側支持部材22が設けられている。これら各支持部材17,22はともに金属製であり、筐体側支持部材17には上下一対の支軸部17aが一体形成されているとともに、扉側支持部材22には各支軸部17aに1対1で対応させて支持孔部22aが形成されている。各支持孔部22aが対応する各支軸部17aに挿通されて下側を支持されることにより、筐体11に前面扉21が開閉可能に支持されている。
なお、扉側支持部材22に支軸部が形成され、支持孔部が筐体側支持部材17に形成される構成としてもよく、この場合、各支軸部が対応する各支持孔部に挿通されて下側を支持される。
筐体11に対して前面扉21が閉鎖した状態では、当該前面扉21の背面が筐体11の前面開口部の周縁全体に対して前方から当接することとなる。したがって、前面扉21が閉鎖状態である場合には、筐体11の前面開口部の全体が前面扉21により覆われた状態となる。前面扉21の右側部、すなわち開閉先端側には施錠装置23が設けられており、筐体11の右側板部15には、図4に示すように、金属製の施錠受け部材18が設けられている。前面扉21を閉鎖状態とした場合には施錠装置23が施錠受け部材18に対して施錠状態となり、前面扉21の開放操作が阻止される。
筐体11内には、図3及び図4に示すように、複数の電気機器が搭載されている。具体的には、筐体11の底板部12上には電源装置31とホッパ装置32とが左右に並設されている。電源装置31は、遊技ホールの電源に接続され、当該電源から供給される電力に基づいて、ホッパ装置32や、後述する各種機器において必要な動作電力を生成して供給する。また、電源装置31には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン、及びメダルの付与率(例えば内部抽選における当選確率)に変化を与える設定状態を「設定1」(付与率が最も低い状態)から「設定6」(付与率が最も高い状態)までの6段階に変更するために操作される設定キー挿入孔が設けられている。ホッパ装置32は、上方に開放された空間内にメダルを貯留する貯留タンク32aと、当該貯留タンク32aに貯留されたメダルを払い出す払出装置32bとを備えており、スロットマシン10に投入されたメダルの貯留が行われるとともに遊技の結果に応じた遊技者へのメダルの払い出しが実行される。
筐体11内において、電源装置31及びホッパ装置32の上方にはリールユニット101が設けられている。リールユニット101は、複数の周回体として、円筒状に形成された左リール102L、中リール102M、及び右リール102Rを備えている。各リール102L〜102Rは、その中心軸線が当該リール102L〜102Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール102L〜102Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。これら各リール102L〜102Rは、それぞれがステッピングモータよりなるリール用駆動モータに連結されており、各リール用駆動モータの駆動により各リール102L〜102Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール102L〜102Rの外周面には、図3に示すように、帯状のベルト103L,103M,103Rが巻かれている。帯状のベルト103L〜103Rの周面には、それぞれ複数種の図柄が付されており(例えば21個ずつ)、各リール用駆動モータが駆動状態となり各リール102L〜102Rが回転することにより、各図柄の位置が連続的に変化することとなる。
これら各リール102L〜102Rに付された図柄は、図1に示すように、前面扉21の上半部に設けられた透明樹脂製の窓パネル部131を通じてスロットマシン10前方から視認可能となっている。この場合、前面扉21の背面部において窓パネル部131と重なる領域には、図3に示すように、下側部分に横長矩形状の表示窓部27を形成し、その上下左右を囲うように表示ユニット111が搭載されており、リールユニット101においてスロットマシン10前方から視認可能な範囲が図1の下側の破線で囲む表示窓部27の範囲内に制限されている。つまり、窓パネル部131と表示ユニット111とを利用して表示窓部27が区画形成されている。この表示窓部27が形成された範囲は、全体を視認可能な図柄の数が各リール102L〜102Rについて縦方向に3個ずつとなるように設定されている。各リール102L〜102Rが正回転した場合には、表示窓部27を通じて図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。また、各リール102L〜102Rがすべて停止している状態では、縦方向に3個と横方向に3個の合計9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
表示窓部27から視認可能な9個の図柄が配置される範囲には、図1に示すように、所定数の組合せラインL1〜L5が設定されている。具体的には、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、合計5本の組合せラインL1〜L5が設定されている。これら組合せラインL1〜L5は、メダル及び仮想メダルの賭け数に応じた数だけ有効化され、有効化された組合せライン上に内部抽選にて当選となった役に対応した図柄の組合せが停止表示されることにより、遊技者に特典が付与される。この組合せラインの数は6以上としてもよく、5未満としてもよく、遊技の状態などの所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。
各リール102L〜102Rには、小役図柄と、再遊技図柄と、特別図柄とが付されている。小役図柄としては、例えば「スイカ」図柄と、「ベル」図柄と、「チェリー」図柄とが存在しており、いずれかの有効ライン上に「スイカ」図柄が左・中・右と揃った場合には15枚のメダルが払い出され、いずれかの有効ライン上に「ベル」図柄が左・中・右と揃った場合には8枚のメダルが払い出され、左リール102L上の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダルが払い出される。また、いずれかの有効ライン上に再遊技図柄が左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われないが、新たな賭け操作を要することなく新たな遊技を開始させることが可能となる。
特別図柄としては、例えば「7」図柄と「BAR」図柄とが存在しており、いずれかの有効ライン上に「7」図柄が左・中・右と揃った場合には第1特別遊技状態としてビッグボーナス状態に移行し、いずれかの有効ライン上に「BAR」図柄が左・中・右と揃った場合には第2特別遊技状態としてレギュラーボーナス状態に移行する。ビッグボーナス状態及びレギュラーボーナス状態は、通常遊技状態よりも各遊技回におけるメダル及び仮想メダルの払出率が向上する状態であり、具体的には内部抽選で当選となった場合には各リール102L〜102Rの停止タイミングに関係なくいずれかの有効ラインL1〜L5上に停止表示される「ベル」役の入賞が通常遊技状態よりも高頻度で発生する状態である。そして、ビッグボーナス状態は、当該状態において遊技者に払い出されたメダル及び仮想メダルの総数が第1所定数(例えば350枚)以上となった場合に終了される状態であり、レギュラーボーナス状態は、当該状態において遊技者に払い出されたメダル及び仮想メダルの総数が第1所定数よりも少ない第2所定数(例えば150枚)以上となった場合に終了される状態である。
窓パネル部131における表示窓部27より上側は、図1に示すように、表示ユニット111に設けられた表示装置112の表示面112aをスロットマシン10前方から視認可能とする領域となっている。つまり、窓パネル部131は、表示面112aを視認可能
とする上パネル部131aと、各リール102L〜102Rの図柄を視認可能とする下パネル部131bとを有している。また、窓パネル部131は、図1に示すように、これら上パネル部131aと下パネル部131bとを上下に区画するように区画部134が設けられている。
前面扉21において窓パネル部131の周囲には、演出用発光部133と、報知用発光部132とが設けられている。演出用発光部133では遊技の状況に応じた光の演出が行われ、報知用発光部132では異常の発生に際してそれに応じた発光制御が行われる。
前面扉21において窓パネル部131の下方領域は、図2に示すように、当該窓パネル部131よりもスロットマシン10前方に膨出させて操作領域24が形成されており、当該操作領域24には各種操作部が設けられている。具体的には、操作領域24前面の左側には、図1に示すように、各リール102L〜102Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー151が設けられている。メダル及び仮想メダルの少なくとも一方が賭けられている状況でスタートレバー151が操作されることにより、各リール102L〜102Rが一斉に回転を開始する。
スタートレバー151の右側には、図2に示すように、回転している各リール102L〜102Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン153L,153M,153Rが設けられている。各ストップボタン153L〜153Rは正面視において停止対象となるリール102L〜102Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン153L〜153Rは、左リール102Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止操作が有効化される。
操作領域24上面の右側には、図2に示すように、メダルを投入するためのメダル投入口155aが形成された投入用部材155が設けられている。前面扉21の背面部には、図3に示すようにセレクタ113が設けられており、メダル投入口155aに投入されたメダルは当該セレクタ113によって、投入可能時であればホッパ装置32へ導かれ、投入不可時であれば前面扉21の前面下部に設けられたメダル排出口25aからメダル受け皿25へと導かれる。
操作領域24上面の左側には、クレジットされた仮想メダルを投入するために操作されるクレジット投入ボタン152が設けられている。クレジット投入ボタン152が操作されることにより、クレジットされた仮想メダルの数及び最大賭け数の範囲で仮想メダルが投入される。
操作領域24前面においてスタートレバー151の下方には、精算ボタン156が設けられている。精算ボタン156が操作されることにより、ホッパ装置32が駆動制御されて、クレジットされている仮想メダルが実際のメダルとしてメダル受け皿25に払い出される。当該メダル受け皿25は、前面扉21の下端においてスロットマシン10前方に突出させて形成されており、上方に開放されたメダルの貯留領域を有している。
操作領域24とメダル受け皿25とは縦方向に離間されており、これらの間には装飾パネル部26が設けられている。装飾パネル部26には、スロットマシン10の機種に対応したキャラクタや模様などの装飾が付されている。
操作領域24の左右両側とメダル排出口25aの左右両側には、図1に示すように、遊技者に遊技状態等を音声により報知するスピーカが内蔵された左右一対の音声出力部157が上下に離間して設けられ、合計4箇所から音声が出力可能とされている。
操作領域24の上面においてメダル投入口155aの左方には、表示装置112における演出の内容を切り替えるべく操作される操作用ボタン154が設けられている。当該操作用ボタン154の操作による演出内容の切り替え態様としては、1ゲームの途中で所定の表示演出が表示装置112にて実行された場合に、操作用ボタン154の操作に伴い表示装置112における表示演出が特定の演出に進行する態様や所定の画像が表示される態様が挙げられる。また、他の態様としては、1ゲームの表示演出として、選択される演出内容が相違する複数のモードが存在している状況下において、操作用ボタン154の操作に伴いモードが切り替えられる態様が挙げられる。また、操作用ボタン154の操作が演出として実行されるのではなく、例えば操作用ボタン154の操作に伴い表示装置112にて本スロットマシン10の遊技内容の説明がなされる構成や、本スロットマシン10の遊技履歴の内容が表示される構成が挙げられる。
上記構成のスロットマシン10の遊技の流れについて簡単に説明する。
まずメダル投入口155aへのメダルの投入操作及びクレジット投入ボタン152の押圧操作の少なくとも一方に基づいて、メダル及び仮想メダルの少なくとも一方が投入される。この場合、1枚のメダル又は1枚の仮想メダルが投入された場合には、中央ラインL1が有効ラインに設定され、メダル及び仮想メダルの投入総数が2枚となった場合には、中央ラインL1、上ラインL2及び下ラインL3が有効ラインに設定され、メダル及び仮想メダルの投入総数が3枚となった場合には、中央ラインL1、上ラインL2、下ラインL3及び一対の斜めラインL4,L5が有効ラインに設定される。
なお、メダル及び仮想メダルの投入総数が既に3枚となっている状況でさらにメダル投入口155aへのメダルの投入が行われると、その投入されたメダルは仮想メダルとしてクレジットされる。
メダル及び仮想メダルの投入総数が所定数(例えば3枚)である状況でスタートレバー151が押下げ操作されることにより、内部抽選が実行されるとともに各リール102L〜102Rの回転が開始される。その後に、各ストップボタン153L〜153Rが順次、押圧操作されることにより、それぞれ対応するリール102L〜102Rの回転が順次停止される。この場合に、内部抽選において当選となっている役に対応した図柄に対して有効ライン上への引き込み制御が実行される。具体的には、所定のストップボタンが押圧操作されたタイミングでは、対象となるリールについて当選役に対応した図柄が有効ライン上に存在していない場合であっても、当該図柄が有効ラインに対して上流側に存在する所定個数(例えば4個)の図柄の中に含まれているのであれば、有効ライン上に引き込んで停止させる構成となっている。当該構成において、「ベル」図柄や再遊技図柄については各リール102L〜102Rにおける配置間隔が、上記引き込み制御の範囲内となるように設定されているのに対して、「スイカ」図柄、「チェリー」図柄、「7」図柄及び「BAR」図柄については各リール102L〜102Rにおける配置間隔が、上記引き込み制御の範囲外となり得るように設定されている。
全リール102L〜102Rが停止した場合には、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、内部抽選において当選となった役の入賞が成立しているか否かの入賞判定が行われ、入賞が成立していると判定された場合には、その入賞に対応した特典が遊技者に付与される。例えば、所定の小役の入賞が成立している場合には、その小役に対応した数のメダルが遊技者に払い出されるように制御される。この場合、クレジットされた仮想メダルの数が最大数(例えば50枚)未満である場合には、当該最大数の範囲内において仮想メダルとしてクレジットされる。一方、最大数に達している場合には、ホッパ装置32が駆動制御されて、実際のメダルとして遊技者に払い出される。また、再遊技の入賞が成立している場合には、再遊技が遊技者に付与されるように制御され、ビッグボーナスの入賞が成立
している場合には遊技状態がビッグボーナス状態に移行するように制御され、レギュラーボーナスの入賞が成立している場合には遊技状態がレギュラーボーナス状態に移行するように制御される。
上記内部抽選及び各種制御は、主制御装置41により実行される。主制御装置41は、図4に示すように、筐体11内においてリールユニット101の上方に設けられている。主制御装置41は、上記内部抽選及び各種制御を実行するためのCPU43、ROM44及びRAM45が一方の板面に搭載された主制御基板42と、当該主制御基板42を収容する基板ボックス46と、を備えている。基板ボックス46は一対のケース体47(一方のケース体については図示略)を備えており、主制御基板42を板厚の方向に挟むようにしてこれら一対のケース体47が組み合わされていることにより、主制御基板42が基板ボックス46内に収容されている。各ケース体47は、基板ボックス46の外部からこれらケース体47を通じて主制御基板42を目視確認できるように透明(又は無色透明)な樹脂により形成されている。また、各ケース体47の縁部には、これらケース体47を結合させる結合構造48が複数設けられており、これら結合構造48は結合の解除に際して一部の破壊を要する構成となっている。したがって、基板ボックス46の内部空間が不正に開放された場合には、結合構造48に破壊箇所が残存することにより、当該不正開放の痕跡が残ることとなる。
なお、基板ボックス46に開放の痕跡を残すための構成としては、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成や、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成としても良いし、これら構成と上記結合構造48とを組み合わせても良い。
主制御装置41は、筐体11の背板部13に固定されている。具体的には、主制御装置41は、略長方形状をなす主制御基板42の形状に対応させて、略長方形状をなす表面及び裏面を有し且つ略直方体状に形成されている。また、基板ボックス46において当該表面を生じさせる壁部は、主制御基板42においてCPU43、ROM44及びRAM45が搭載された素子搭載面と対向している。
主制御装置41は、支持ユニット51を介して背板部13に固定されている。支持ユニット51は、図示による詳細な説明は省略するが、背板部13に固定された支持台座52と、当該支持台座52に対して下端部を回動軸として前後に回動可能に支持された支持部材53と、を備えている。支持台座52には、左右一対の支持フック54が一体形成されており、支持部材53を支持台座52に前方から重ねた状態では当該支持部材53が支持台座52に固定され、当該支持部材53の前方への変位が規制される。支持フック54により固定された状態の解除操作は、前面扉21を開放状態とした場合に筐体11の前面開口部側から当該支持フック54を弾性変形させることにより行うことが可能であり、この解除操作に際しては部材の破壊を要しない。
主制御装置41は、その下側領域が支持部材53に対して上側から挿入され、支持部材53に固定されている。当該固定は、その解除に際して所定の部材の破壊を要し、固定解除の痕跡が残る構成となっているが、ネジなどを利用することにより、固定の解除に際して破壊を要しない構成としてもよい。支持部材53に主制御装置41が固定された構成において、基板ボックス46の表面部であって主制御基板42の素子搭載面と対向する領域は支持部材53により覆われていない。したがって、主制御装置41が支持部材53に固定された状態であっても、基板ボックス46の外部からの素子搭載面の視認性は確保されている。主制御装置41が一体化された支持部材53が支持台座52に重ね合わせられ、主制御装置41が初期位置に配置されている状態では、主制御装置41の裏面は筐体11
の背板部13に対向することとなり、主制御装置41は起立した状態となる。
上記のように主制御装置41が背板部13に固定されていることにより、主制御装置41が筐体11の前面開口部から遠い位置に存在することとなり、当該前面開口部から不正用治具を挿入して主制御装置41に不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、主制御基板42の素子搭載面がスロットマシン10前方を向くことにより、前面扉21を開放状態とすれば素子搭載面を容易に目視確認することが可能となり、不正有無の確認の容易化が図られる。
一方、主制御装置41が一体化された支持部材53が支持台座52から離間されるように前方に回動された場合には、主制御装置41の上端を筐体11の前面開口部側に引き出すことが可能となる。この状態では、主制御装置41の上端の位置が、各リール102L〜102Rの前後方向の中心よりも前方であって筐体11の前面開口部よりも後方の位置となるように、当該主制御装置41を前方に引き出すことが可能となる。これにより、主制御装置41をより近い位置にて目視確認することが可能となる。
次に、上側表示ユニット200の全体的な構成について、図5から図7を主に参照して説明し、その後に各部の詳細について個別に説明する。図5は、上パネル部131aを透視した状態を示す正面図であり、図5(a)は通常状態を示し、図5(b)は右側装飾体201の最大移動状態を示し、図5(c)は中央装飾体202の最大移動状態を示している。また、図6は、前側から見た上側表示ユニット200の斜視図、図7は、前側から見た上側表示ユニット200の分解斜視図である。
上側表示ユニット200は、図3に示すように、表示窓部27の上側に設けられ、表示窓部27の左右両側および下側部分を形成する部材と共に表示ユニット111の一部を構成する部材である。上側表示ユニット200は、表示装置112の前側に設けられ、その背面側に表示装置112と、表示装置112の表示内容を制御する表示制御装置114とが重なるようにして取り付けられている。図1に示すように、上パネル部131aの中央部分には、表示装置112の表示面112aが正面側から視認可能に配置され、その表示面112aの前側に上側表示ユニット200が遊技者から視認可能に設けられて表示装置112の表示面112aで行われる平面的な演出に対して、その前側に立体的な動作部材による演出を付加している。
上側表示ユニット200は、図5(a)に示すように、上パネル部131aを透視した状態において中央部に横長矩形状の表示用開口部211が設けられ、この表示用開口部211を通じて表示装置112の表示面112aが遊技者から視認可能とされる。表示用開口部211の左側には、表示面112a側に相当する中央側を向いた略円形状で周方向に複数分割された表示部を有する左側装飾部材203が設けられ、各表示部に対応して内蔵された発光手段としての発光ダイオード(LED)によって各表示部に個別に形成された絵柄が発光可能とされている。
表示用開口部211の右側には、図5(a)に示すように、動物の顔を模した縦長の右側装飾体201が正面視で表示用開口部211の中央側に僅かに傾いて設けられている。この右側装飾体201は、遊技の状況に応じて動作可能に設けられ、図5(a)に示す通常状態から図5(b)に示す最大移動状態まで動作可能とされている。右側装飾体201は、最大移動状態においては、表示用開口部211の中央側に相当する表示装置112の表示面112aの前側に重なるように移動し、且つ、その形態として下側部分が上側部分に比べて中央側に大きく突出するように動作する。
表示用開口部211の中央部分には、図5(c)に示すように、正面視略円形状の中央
装飾体202が表示装置112の表示面112aの前側に配置可能とされている。この中央装飾体202は、通常状態においては、図5(a)に示すように、左側装飾部材203と右側装飾体201の裏側に相当する後側に収容されることで正面側から視認不能とされている。中央装飾体202は、通常状態に対して中央側に動作可能とされ、中央側に最大に移動した最大移動状態において、1つの対象物としての記章を模した形状を形成する。
上側表示ユニット200は、図7に示すように、各部品を一体化して支持するベースユニット221と、左側装飾部材203が設けられて表示用開口部211の左側部分を形成する左側ユニット222と、右側装飾体201が設けられて表示用開口部211の右側部分を形成する右側ユニット223と、表示用開口部211の下側部分を形成する下側ユニット224とを有している。
上側表示ユニット200は、図7に示すように、ベースユニット221に対して他の3つのユニット222〜224が前面側より取り付けられることで構成されている。特に、ベースユニット221に対して前面側に各ユニット222〜224を重ねて位置を合わせ、上側表示ユニット200の四つの角部分と下側の縁部分等、周縁に沿った位置に前面側からネジ固定することで一体化可能とされており、その固定部分は上パネル部131aの外側に位置して正面側から視認不能とされることで、組み付け作業を容易にしつつ、見栄えを良いものとしている。以下、ベースユニット221、下側ユニット224、右側ユニット223の順に詳細に説明する。
(ベースユニット221)
ベースユニット221は、合成樹脂により前側が開放された横長箱状の取付ベース231と、取付ベース231の開放空間内に設けられて中央装飾体202を形成する左側動作部材232および右側動作部材233と、中央装飾体202を左右方向にスライド可能に支持するガイド軸234と、中央装飾体202に駆動力を付与するためのベルト駆動部235とを有している。
取付ベース231の中央部分には、表示装置112の表示面112aと略同一のサイズに形成された横長のベース窓部241が設けられ、このベース窓部241を通じて表示装置112の表示面112aが遊技者から視認可能とされる。取付ベース231の背面側には、表示装置112および表示制御装置114が取り付けられ、これら装置112,114がネジにより固定されている。取付ベース231の外周部分には、外方に突出し、前後に貫通する取付孔が設けられたベース取付部242が設けられ、このベース取付部242にネジが挿通されて前面扉21に上側表示ユニット200が固定される。なお、図7に示すネジにおいては、頭部に工具の先端部を嵌める溝(例えばプラスドライバーの先端形状に対応した十字の溝等)は省略して示しており、他の図においても同様に省略して示している。
ベルト駆動部235は、図7に示すように、取付ベース231の箱状内部空間における下側部分に設けられている。ベルト駆動部235は、駆動伝達部材としての合成ゴム製のベルト251と、ベルト251の両端部に設けられる回動部材および支持部材としての2つのプーリ252,253と、ベルト251の駆動力を発生させる駆動手段としての中央駆動モータ254とを有している。
ベルト251は、一定幅で形成された帯状部材の両端部を接続して形成された無端状の部材であり、2つのプーリ252,253に両端部が掛けられることにより、2本の直線状の部位が上下に離間した状態で略平行に左右方向に伸張するようにして支持されている。正面側から見て左側に設けられるプーリ252は、取付ベース231の前後方向に延びる軸を中心に回動するものであり、ベルト251を回動させる駆動力を発生する中央駆動
モータ254の出力部とされている(以下、出力用プーリ252と称す)。
取付ベース231の裏面側には、ステッピングモータで構成された駆動手段としての中央駆動モータ254が取り付けられており、中央駆動モータ254の回転力が複数のギヤを介して出力用プーリ252に伝達される。中央駆動モータ254は、表示制御装置114に電気的に接続され、表示制御装置114の制御によって出力用プーリ252の回動方向および回動量が制御され、その回動に応じてベルト251が駆動される。
正面側から見て右側のプーリ253は、前後方向に延びる軸を中心として回動自在に設けられ、出力用プーリ252に一端側が支持されたベルト251の他端側を支持してベルト251を伸張した状態とするための部材である(以下、支持用プーリ253と称す)。支持用プーリ253は、ベルト251が掛け回されていない状態においては、自在に回動可能に取付ベース231に支持されている。また、支持用プーリ253に対しては、ベルト251が伸張される右側方向にバネにより付勢力が付与されている。ここで、図8を参照して、支持用プーリ253の支持構造について説明する。
図8は、取付ベース231による支持用プーリ253の支持構造を示す分解斜視図である。ベースユニット221は、取付ベース231の正面視右下側端部に設けられる合成樹脂製で前後に厚みを有する板状のプーリ支持部材236と、鋼線を巻き回したコイルばねによって形成されたプーリ付勢バネ237とを有している。
プーリ支持部材236は、前後に厚みを有する横長略矩形状の支持ベース261と、支持ベース261の左端側より左方に円柱状に突出するプーリ側バネ支持部262とを有している。取付ベース231の右下側端部には、左右方向に厚みを有する板状部分から右側方向に突出するベース側バネ支持部243が設けられている。これらバネ支持部243,262に対して、プーリ付勢バネ237は、その左右両側を支持されつつ圧縮された状態で取り付けられ、プーリ付勢バネ237によってプーリ支持部材236には、右側への付勢力が付与されている。
支持ベース261の中央部には、前後方向に円筒状に突出するプーリ軸支持部263が設けられている。プーリ軸支持部263の断面中央部分に設けられる軸穴には、金属製で前後方向に延びる円柱状のプーリ支持軸238が挿通される。プーリ支持軸238の前側部分には、支持用プーリ253の軸穴が挿通され、この軸穴はプーリ支持軸238より僅かに大きな内周形状に形成される。プーリ支持軸238の前後の両端部には、金属製の留め具239,239が嵌め込まれ、プーリ支持部材236に対して支持用プーリ253が回動自在に支持された状態で取り付けられる。
支持用プーリ253は、合成樹脂により成形された部材であり、図8に示すように、プーリ支持軸238を中心とした円筒状の外周面に前後方向に延びる歯部が多数形成された本体部253bと、その本体部253bの前後にて本体部253bより大径に形成された板部253a,253aとを有している。ベルト251の内周面には、その長手方向に直交して前後方向に延びる溝により形成された歯部251aが支持用プーリ253に設けられる歯部と同じ間隔(ピッチ)で多数設けられている。板部253a,253aの間隔は、ベルト251の長手方向に直交する前後幅より若干大きく設定され、本体部253bに対する板部253a,253aの外周方向側への突出量は、ベルト251の厚みの2倍以上に大きく設定されている。なお、このベルト251の歯部251aは、ベルト251の内周面の全域に設けられるものの、一部のみ図示して他は省略している。
支持用プーリ253と共にベルト251が掛け回される出力用プーリ252の外周面にも、支持用プーリ253と同様の多数の歯部が設けられている。ベルト251の歯部と、
両プーリ252,253の歯部とが噛み合うことで、両プーリ252,253に対するベルト251の滑りが防止され、中央駆動モータ254の回動動作が両プーリ252,253により確実に伝達可能とされている。なお、必ずしも中央装飾体202の駆動力を伝達する機構を溝付きのベルト251および歯付きのプーリ252,253で構成する必要はなく、他の組合せで構成しても良く、例えば、歯の無いベルトとプーリとの組合せで構成しても良いし、ローラチェーンとスプロケットとの組合せで構成しても良い。
プーリ支持部材236におけるプーリ軸支持部263の左右両側には、横長の長円状に形成されたガイド孔264,264が設けられている。取付ベース231における各ガイド孔264,264に対応する部位には、ガイド孔264,264の上下幅より外径が若干小さく形成された円筒状のガイド軸部244,244が、前後に厚みを有するベース面より前方に突出して設けられている。このガイド軸部244,244の突出量は、プーリ支持部材236の厚みより若干大きく設定されている。左右のガイド孔264,264の長さは2つのガイド軸部244,244の間隔に対応し、左右のガイド孔264,264における左側の端縁同士および右側の端縁同士の間隔が、2つのガイド軸部244,244の間隔と一致した設定とされている。
取付ベース231における左右のガイド孔264,264の間には、前後方向に貫通する横長で略長円形状の長穴245が前後に厚みを有するベース面を貫通するようにして設けられている。この長穴245は、プーリ支持部材236のプーリ軸支持部263が後側に突出する部位に対応して設けられ、プーリ支持部材236の左右方向への移動に際してプーリ軸支持部263が取付ベース231に当接しない大きさに設定されている。
プーリ支持部材236における左右のガイド孔264,264が取付ベース231のガイド軸部244,244に挿入され、プーリ支持部材236の後面側が取付ベース231のベース面に当接した状態で、ガイド軸部244,244の前端部にネジが取り付けられることにより、プーリ支持部材236は取付ベース231に対して左右方向にスライド動作可能とされる。この取り付けに際しては、プーリ側バネ支持部262と、ベース側バネ支持部243との間にプーリ付勢バネ237を圧縮して介在させる。これにより、プーリ支持部材236は、取付ベース231に対して右側に付勢された状態とされ、左右のガイド孔264,264における各左側の端縁にガイド軸部244,244の左側部分が当接した状態でプーリ支持部材236が取付ベース231に支持される。2つのガイド軸部244,244の前側端部には、図8に示すように、ガイド孔264,264の上下幅より外径の大きな環状の座金が付いたネジが設けられ、プーリ支持部材236が取付ベース231に対して前側への移動が阻止される。
出力用プーリ252は、支持用プーリ253と同一の形状に形成され、その軸穴に挿通される支持軸の後側部分にギヤが設けられる部材が取り付けられ、中央駆動モータ254の駆動力が伝達可能とされている。
出力用プーリ252と支持用プーリ253とに左右両側が支持されたベルト251は、図7に示すように、両プーリ252,253においてベルト251を支持する部分の外径分、上下に離間した状態で左右方向に略平行に延びるようにして設けられている。取付ベース231の前面下側部分においてベルト251の後側には、図7に示すように、ベルト251と平行に左右方向に延びる金属製のガイド軸234が設けられている。取付ベース231の前面下側中央部分には、左右方向に厚みを有して前側がコ字状に開口した板状のガイド軸支持部246が設けられ、ガイド軸支持部246にガイド軸234の中央部が支持される。ガイド軸234の左右両側端部は、後側部分が取付ベース231に位置決めされた状態で支持され(図8参照)、その前側には軸カバー部材271,272が設けられている。軸カバー部材271,272が取付ベース231の前側にネジにより取り付けら
れることで、ガイド軸234は、取付ベース231に対して前側への移動が阻止されて固定される。
中央装飾体202は、ガイド軸234に支持される左側動作部材232および右側動作部材233を有し、両動作部材232,233がベースユニット221の正面視中央部にて隣接した状態とされることにより、1つの対象物を形成する。この中央装飾体202の構成および動作について、図7に加えて図9および図10を主に参照しつつ説明する。
図9は、中央装飾体202の最大移動状態を示した図であり、図9(a)は、ベースユニット221の正面図、図9(b)は、ベースユニット221の背面図である。図10(a)は、中央装飾体202の通常状態におけるベースユニット221の正面図であり、図10(b)は、中央装飾体202の移動途中におけるベースユニット221の正面図である。なお、図9(b)においては、理解の容易のために、形状の一部を断面視した図を併せて示している。
左右の動作部材232,233は、図9(a)に示すように、最大移動状態においてベース窓部241の中央部分で隣接した状態となることで中央装飾体202としての1つの記章状の部位を形成する中央装飾部281を有している。中央装飾部281は、複数の合成樹脂製の部材を組み合わせて正面視で略円形の外形に形成されており、正面中心部から放射状に次第に幅広に延びる多数の突条部で先端部が三角形状に尖った背景部282と、その背景部282の前側部分に別部材で形成される模様部283とを有している。
背景部282は、透光性を有する有色の樹脂により形成され、外周側への突出量を周方向に沿って若干異ならせた形状とされている。背景部282は、図6に示すように、外周側の頂点に相当する点と中心部とを結んだ線を稜線とし、外周側の凹みの底部分と中心部とを結んだ線が谷底となるようにして前面側に僅かに突出した形状に形成され、前面部分が周方向に沿って起伏を持たせて形成されている。
背景部282の背面側は、図9(b)に示すように、起伏を示す稜線及び谷底に対応する線の位置が表面側とは異なり、前側部分の稜線及び谷底の間部分に背面側の稜線及び谷底に対応する線が位置する形状とされている。背景部282が透光性を有する有色の合成樹脂により形成されるため、背景部282を視認した場合に前後の稜線および谷底に対応する線が多数視認可能となり、また、背景部282の前後方向の厚みが周方向に沿って変化するため、透光性を有する樹脂の色の濃淡が周方向に連続して各起伏毎に変化することとなって、単一の樹脂材料で形成した背景部282の見栄えを良いものとすることができる。
模様部283は、中央装飾部281の中央部分を中心とした円形部分と、中心部が僅かに左側に突出し、下側へ向かって次第に幅広く拡がるように形成された中央部分と、中央部の下側にて円形部と同心円上で左右に延びる円弧状の下側部分とを有している。
模様部283は、表面処理としてメッキが施された合成樹脂により形成されている。また、模様部283の表面には細かな起伏が多数設けられており、具体的には、直径1.5ミリ程度の半球状の凹みが多数設けられている。このため、光を照射した場合に背景部282と比較して前面側に光を反射し易く、模様部283の形状全体を光り輝くものとすることができる。特に、中央装飾体202の全体にメッキを施さずに、背景部282と模様部283とで色を異ならせることで、模様部283の形状を鮮やかに遊技者に視認させることができる。この場合に、模様部283の表面と背景部282の表面とは同系色とすることが好ましい。例えば、模様部283の表面を金色にする場合には、背景部282の合成樹脂色は橙色とすることが好ましく、更には蛍光色を含んだ色とすることが好ましい。
左右の動作部材232,233によって形成される中央装飾部281は、左右方向における中央部分で鉛直方向の切断面によって左右にほぼ均等な大きさに分断されている。
左側の動作部材232における模様部283は、図10(a)に示すように、中央部の一部が右側に突出した突出模様部283aを有する形状とされている。突出模様部283aは、右側動作部材233の模様部283の一部の前側に位置し、前後方向においてほぼ隙間無く重なる部位であり、模様部283の中心部で最も前側に位置する模様を形成する。突出模様部283aを設けて模様を形成することにより、模様部283の中央に配置される模様が中央部分で分断されず、最大移動状態における中央装飾体202の中央部分の見栄えを良いものとしている。
突出模様部283aが前側に重なる右側動作部材233の左側端縁の角部233aには、前面側から後側に傾斜する面取り加工が施されている。左右の動作部材232,233には、スライド移動に必要な隙間が設けられるためにがたつきが生じ、そのがたつきによって突出模様部283aの右側端縁が後側に位置する場合が生じ得る。この場合に、右側動作部材233の左側端部に突出模様部283aが当接しても角部233aの面取り部分によって前側に案内されることとなり、突出模様部283aの破損が防止されている。
左右の動作部材232,233の下側部分には、図10(b)に示すように、ガイド軸234が挿通可能な軸挿通部311,321が設けられている。各軸挿通部311,321は、両動作部材232,233が正面視で時計回り方向又は反時計回り方向にがたつかないように、左右方向に長く形成され、ガイド軸234との隙間も少なく設定されている。また、左右の動作部材232,233の上側部分は、前後両側への移動が阻止されるように、取付ベース231の一部により後側が支持され、取付ベース231の上側端部に設けられる上側カバー273によって前側が支持されている。すなわち、上側カバー273と取付ベース231との間に下側が開口して左右方向に延びる溝状部分が形成され、該溝状部分に左右の動作部材232,233の上側部分が僅かな隙間を隔てて入り込んだ状態とされ、ガイド軸234を中心とした左右の動作部材232,233の前後方向への移動が阻止されている。
左右の動作部材232,233における軸挿通部311,321の下側部分は、図9(a)に示すように、ベルト251に達する位置まで延びるようにして形成され、その下側端部にベルト取付部312,322が設けられている。ベルト取付部312,322は、ベルトを前側より差し込み可能な程度に前側および左右両側が開口した隙間を形成する部位である。左側動作部材232のベルト取付部312は、ベルト251の上側部分に対応した高さに設けられ、左右方向における位置としては最大移動状態において出力用プーリ252と支持用プーリ253との間部分における中央より僅かに左側であり、通常状態において出力用プーリ252の右側に隣り合う位置とされている。この左側動作部材232のベルト取付部312は、出力用プーリ252に対してベルト251が正面視右回り方向側に連続する上側部分における支持用プーリ253に達する手前部分に相当する部位であり、最大移動状態に対応した位置において出力用プーリ252に対してベルト251の上側部分に沿った距離が最大となる部位である。
左側動作部材232のベルト取付部312には、ベルト251が差し込まれた状態でベルト251の前側部分にネジの端部が位置するようにしてネジが取り付けられ、ベルト251の前側への移動が阻止される。また、左側動作部材232のベルト取付部312の隙間における下側の面には、ベルト251の歯部251aに噛み合い可能なように、ベルト251の歯部251aと同一高さで同一のピッチに形成された歯部が前後に延びるようにして設けられている。このベルト取付部312とベルト251との歯部251aの噛み合
いによって、ベルト251に対して左側動作部材232が滑ることなく同期して動作可能とされている。
右側動作部材233のベルト取付部322は、図9(a)に示すように、ベルト251の下側部分に対応した高さに設けられ、左右方向における位置としては最大移動状態において出力用プーリ252と支持用プーリ253との間部分における中央より僅かに右側であり、通常状態において支持用プーリ253の左側に隣り合う位置とされている。右側動作部材233のベルト取付部322は、出力用プーリ252に対してベルト251が正面視左回り方向側に連続する下側部分における支持用プーリ253に達する手前部分に相当する部位であり、最大移動状態に対応した位置において出力用プーリ252に対してベルト251の下側部分に沿った距離が最小となる部位である。
右側動作部材233のベルト取付部322は、左側動作部材232のベルト取付部312と同様にネジにより固定されている。また、右側動作部材233のベルト取付部322の隙間における上側の面には、ベルト251の歯部251aに噛み合い可能なように、ベルト251の歯部251aと同一高さで同一のピッチに形成された歯部が前後に延びるようにして設けられ、滑りが生じない構成とされている。
左右の動作部材232,233は、ベルト251に対して、図9(a)に示すように、最大移動状態に相当する位置において中央装飾部281としての1つの対象物を形成する位置にネジ止めされている。この最大移動状態に対してベルト251が正面視左回りに回動すると、左側動作部材232は左側へ移動し、右側動作部材233は右側へ移動する。図10(b)に示す途中状態を経て、更に中央駆動モータ254を一方に回動させてベルト251が左回りに回動すると、左右の動作部材232,233は、図10(a)に示す通常状態に対応する位置まで移動する。逆に、ベルト251が右回りに回動すると、左側動作部材232は右側へ移動し、右側動作部材233は左側へ移動する。
取付ベース231の前面右下側には、図8に示すように、通常状態における右側動作部材233の右側への移動を阻止するストッパ部247が設けられている。ストッパ部247は、取付ベース231に取り付けられる軸カバー部材272に覆われた部位に形成され、右側動作部材233における軸挿通部321の右側端部に対面する位置に背面側から突出するようにして設けられている。このストッパ部247と右側動作部材233の軸挿通部321との当接により右側動作部材233は、通常状態に対応する位置にて停止する。この右側動作部材233の停止に伴うベルト251の回動停止によって、左側動作部材232は停止する。
右側動作部材233の軸挿通部321の上側部分には、図9(a)に示すように、前後に厚みを有して横長矩形状で上方に突出する検知部323が形成されている。取付ベース231の前面右下側端部には、図8に示すように、軸カバー部材272によって覆われる箇所に非接触式のフォトセンサ255が設けられている。このフォトセンサ255は、左右の動作部材232,233の動作を制御する表示制御装置114と電気的に接続されている。
右側動作部材233に設けられる検知部323は、図10(a)に示すように、通常状態において軸カバー部材272の背面側に位置し、フォトセンサ255に右側動作部材233の検知部323が検知されることで右側動作部材233が通常状態となったことを表示制御装置114が認識する。電源オン時の初期状態および左右の動作部材232,233を移動させた後に元の通常状態に復帰させる場合等においては、フォトセンサ255に検知部323が検知されているか否か、すなわち通常状態となっているか確認され、通常状態となっていなければベルト251を左回りに回動してフォトセンサ255に検知部3
23が検知されるまで中央駆動モータ254を駆動制御する。フォトセンサ255に検知部323が検知された場合に中央駆動モータ254を停止すると、左右の動作部材232,233は通常状態に対応した位置に配置される。最大移動状態から通常状態に復帰する移動量に相当する分、中央駆動モータ254を駆動してもフォトセンサ255に検知部323が検知されない場合は、右側動作部材233に異常が発生しているため、表示制御装置114によって異常状態に対応した報知等の制御が行われる。
左右の動作部材232,233は、表示制御装置114の制御によって中央駆動モータ254の回動量によって動作制御され、通常状態においては、左右両側に離間した位置に配置されている(図10(a)参照)。遊技の状況に対応した演出の内容等に応じて中央側に左右の動作部材232,233を移動させる場合には、その移動量に対応した回転量分、中央駆動モータ254が駆動される。左右の動作部材232,233を中央側へ移動させる場合には、中央駆動モータ254は、出力用プーリ252が正面視時計回りに回動する方向側へ回動する。
出力用プーリ252が正面視時計回りに回動すると、その回動に伴い、ベルト251は右回りに回動する。上下に離間して左右方向に延びるベルト251の下側部分が左方へ引かれることとなり、右側の動作部材233が左側へ引かれるようにして移動する。この引張力は、ベルト251の右側端部に設けられる支持用プーリ253を介して左側動作部材232に伝達され、左側動作部材232が右側へ引かれるようにして移動する。
この左右の動作部材232,233の移動に際して、上記したように、プーリ支持部材236は正面視左側へ移動可能に構成されている。プーリ支持部材236の付勢方向は、ベースユニット221の正面視右側方向であり、左右方向に伸ばして配置されたベルト251を更に伸張する方向とされている。プーリ付勢バネ237の巻き数および線径は、ベルト251に駆動力が伝達された場合にプーリ付勢バネ237が縮むことでプーリ支持部材236が正面視左側へ移動する設定とされている。
左右の動作部材232,233のうち、左側の動作部材232に対しては、支持用プーリ253を介して出力用プーリ252の回動力が伝達される。このため、出力用プーリ252が回動を開始して右側動作部材233が移動を開始したときに、必ずしも左側動作部材232が同時に移動を開始する必要はなく、右側動作部材233の移動に伴いプーリ支持部材236が正面視左側へ移動することで、出力用プーリ252は回動することができる。左側動作部材232が動作を開始してからは、左側動作部材232の動作に要する駆動力は少なくなり、その分、右側動作部材233への駆動力を増大させて右側動作部材233を移動させることができる。
すなわち、出力用プーリ252の回動開始時に、左右の動作部材232,233を同時に動作させるためには静止状態に対応した大きな力が必要となる。中央駆動モータ254の回動トルクが十分にない場合には、中央駆動モータ254に対する励磁の制御に対して出力用プーリ252の回動が同期しない状態(いわゆる脱調)が発生し易い。脱調が発生すると設計者の意図した中央装飾体202の動作を実現することは難しい。
これに対し、本実施形態においては、支持用プーリ253を支持するプーリ支持部材236を付勢力に抗しつつ正面視左側へ移動可能とし、左右の動作部材232,233のうち一方側の動作部材(右側動作部材233)は出力用プーリ252の回動力が直接伝達され、他方側の動作部材(左側動作部材232)は支持用プーリ253を介して回動力が伝達される。このため、プーリ付勢バネ237が縮んでベルト251の支点間距離が縮められる分は、中央装飾体202の一部(左側動作部材232)が動作しないで静止していても出力用プーリ252が回動可能とされている。よって、ベルト251に取り付けられる
中央装飾体202の移動に対する負荷が大きくても、出力用プーリ252の回動開始時における中央駆動モータ254の脱調の発生を防止することができ、加速や減速時における脱調についても同様に防止することができる。従って、中央装飾体202を構成する左右の動作部材232,233を大型化しつつ設計者の意図通りの動作を低コストで実現することができる。
出力用プーリ252が正面視時計回りに回動し続けると、右側動作部材233は、図9(a)に示すように、右側動作部材233が中央側に移動した最大移動状態までスライド移動する。最大移動状態においては、右側動作部材233は、取付ベース231の一部に相当するガイド軸支持部246の右側面に右側動作部材233の軸挿通部321の左側端部が当接することで左側への移動が阻止される。この移動量は、中央駆動モータ254の励磁相を切り替えるステップ数によって制御することができ、表示制御装置114は、右側動作部材233が最大移動状態に達するのに十分なステップ数で中央駆動モータ254を駆動した後に、駆動制御を停止する。
左側動作部材232は、図10(a)に示すように、正面視左側端部に配置された状態から、図9(a)に示すように、左側動作部材232が中央側に移動して右側動作部材233の左側に隣接する最大移動状態までスライド移動する。最大移動状態においては、左側動作部材232は、右側動作部材233の一部に相当する中央装飾部281の左側端部に当接することで右側への移動が阻止される。詳細には、左側動作部材232と右側動作部材233の中央装飾部281における左右に分断した面の一部が当接面とされている。
ここで、最大移動状態においては、図9(a)に示すように、左右の動作部材232,233が中央部分で接した状態となって、1つの対象物を形成する。このとき、左右の動作部材232,233がそれぞれ取付ベース231の一部に当接して中央側にて近接した状態とする場合には、左右の動作部材232,233の中央部分には、設計上の隙間が必要となって1つの対象物の一体感を損なうこととなってしまう。
これに対して、本実施形態においては、最大移動状態においては、右側動作部材233のみが取付ベース231の一部に当接し、左側動作部材232は、右側動作部材233に当接して停止する。特に、中央装飾部281において分断した部位を当接部として設定している。このため、左右の動作部材232,233の隙間を少なく形成して1つの対象物としての見栄えを良いものとすることができる。
また、右側動作部材233が最大移動状態に達するまで、左側動作部材232に対しては支持用プーリ253を介して出力用プーリ252の回動力に応じた引張力が伝達されるものの、右側動作部材233が最大移動状態となると出力用プーリ252の回動力に応じた引張力が右側動作部材233の停止によって、右側動作部材233のベルト取付部322より右側には伝達されず、左側動作部材232に引張力が伝達されない。左側動作部材232は、ベルト251の回動中において支持用プーリ253が正面視左側へ移動させられた分のプーリ付勢バネ237のバネ力により右側動作部材233に当接することとなる。
すなわち、ベルト251に対する左右の動作部材232,233の取付位置として、最大移動状態でプーリ付勢バネ237が縮んだ状態とされて、左側動作部材232が右側動作部材233にバネ力により当接した状態とされる位置が、左右の動作部材232,233のベルト取付部312,322として設定されている。このため、ベルト251を高いトルクで高速に駆動し、左右の動作部材232,233を高速で移動させても、その移動に伴う駆動力が直接左右の動作部材232,233が衝突する力とはならず、左側動作部材232の慣性力に支持用プーリ253のバネ力を加えた力に抑えることができる。従っ
て、左右の動作部材232,233の当接部分として、遊技者から視認され得る中央装飾部281の一部を使用しても、その部位が破損する可能性が低減され、左右の動作部材232,233によって一体的に形成される対象物の見栄えを向上しつつ、その移動速度を高速に設定して遊技者に驚きを与えやすい演出を行うことができる。しかも、この衝突力を抑制する機能は、脱調を防止する支持用プーリ253の動作を利用して実現するため、専用の機構を設ける必要がなく、低コストで衝突力抑制機能を付加することができる。
また、左側動作部材232には、右側動作部材233の模様部283の前面側に重なる突出模様部283aが設けられている。この突出模様部283aは、デザインを重視するために前後の厚みが他の部位よりも薄く形成され、更には表面にメッキが施されることで衝突力に対して脆い部位とされている。この突出模様部283aは、衝突力が抑制された左側動作部材232に設けられているので、右側動作部材233との衝突時に突出模様部283aが破損し難いものとされている。すなわち、右側動作部材233は、最大移動状態における取付ベース231のストッパに衝突する際の衝撃と、左側動作部材232が衝突する衝撃とが作用することとなるため、突出模様部を一層厚く形成する等して耐久性も更に考慮しなければならないところ、左側動作部材232に突出模様部283aを設けることで、デザインの自由度を高めて見栄えの良い突出模様部283aとすることができる。
また、右側動作部材233において中央装飾部281の背景部282を形成する部位の左側端縁には、図10(b)に示すように、上下に長く形成されたリブ状の突出部324が左側に突出して形成され、この突出部324は、最大移動状態において左側動作部材232の後側に重なり、正面側から視認不能な位置に設けられている。左右の合わせ面の後側部分が突出部324によって覆われることにより、中央装飾部281の背面側に位置する表示装置112の表示面112aの表示色が前面側に全く漏れず、合わせ面付近の見栄えを良くすることができる。また、左側動作部材232によって左右の動作部材232,233の合わせ部分における中央部分の形状を形成することで、上記した突出模様部283aと同様に、破損がしにくく、デザイン性に優れた装飾を施すことができる。なお、背景部282の一部として突出部324が設けられる部分においては、左側動作部材232の右側端縁は、他の部位より前後方向の厚みを薄く形成し、特に、その右側端縁に対して突出部324が重なった状態における前後の厚みと、他の背景部282における前後の厚みを略同一とすることにより、透光性を有する背景部282の色味を全体で調和のとれたものとすることができて好ましい。
最大移動状態から通常状態に復帰する場合には、表示制御装置114の制御により、出力用プーリ252が正面視反時計回りに回動し、その回動に伴い、ベルト251は左回りに回動する。上下に離間して左右方向に延びるベルト251の上側部分は左方へ引かれることとなり、左側の動作部材232が左側へ引かれるようにして移動する。ベルト251の下側部分は右方へ引かれることとなり、右側の動作部材233が右側へ引かれるようにして移動する。
通常状態に対応した位置までベルト251が左回りに回動すると、ストッパ部247と右側動作部材233の軸挿通部321との当接により右側動作部材233は、通常状態に対応する位置にて停止する。右側動作部材233が通常状態に対応した位置に達すると、フォトセンサ255によって右側動作部材233の検知部323が検知され、表示制御装置114は、左右の動作部材232,233が通常状態となったことを認識して中央駆動モータ254の回動を停止する。
左側動作部材232は、右側動作部材233の停止に伴うベルト251の回動停止によって停止する。このため、通常状態に対応した位置への停止時においても、右側動作部材
233のみに衝突力が発生し、左側動作部材232は、他の部材と衝突することがない。また、右側動作部材233がストッパ部247に当接して停止した直後は、出力用プーリ252がベルト251を左回りに回動させようとする力は、プーリ付勢バネ237の付勢力に抗するようにしてプーリ支持部材236を正面視左側へ移動させることとなり、左側動作部材232は右側動作部材233と同時停止しないで時間をかけて停止状態へと遷移する。よって、左側動作部材232に対しての衝撃力を少なくして左側動作部材232に対してのデザインの自由度を高める等の右側動作部材233とは別の機能を付加することができる。
また、右側動作部材233は、最大移動状態より通常状態に対応した位置において出力用プーリ252から離間した位置に配置される。このため、通常状態に対応した位置に配置された右側動作部材233の位置を検知するフォトセンサ255と、右側動作部材233に当接するストッパ部247とは、出力用プーリ252から離間して設けることができる。よって、出力用プーリ252に近い側には中央駆動モータ254やギヤ等を配置しつつ、フォトセンサ255等は他の位置に分散して配置することができ、ベルト251の設置領域に対して全域にわたってベルト251に関する部材を近接して配置することができ、全体として一部が突出しない小型な装置構成とすることができる。また、支持用プーリ253側に、プーリ支持部材236およびプーリ付勢バネ237を配置することでも出力用プーリ252側の構成を簡易にすると共に部品を分散して配置して、装置を小型化して中央装飾体202等の装飾領域を広くすることができる。
(下側ユニット224)
次に、下側ユニット224について図11から図14を主に参照して説明する。図11は、前側から見た下側ユニット224の分解斜視図であり、図12は、図7のA−A線における下側ユニット224の横断面図である。図13は、下側ユニット224の平面図であり、図14は、下側ユニット224による中央装飾体202への光の照射を示す説明図である。なお、図13においては、理解の容易のために、下側ユニット224の外形を一点鎖線で示し、発光基板415,416を実線で示している。
下側ユニット224は、図6に示すように、ベースユニット221の前面下部に左右方向に延びるようにして設けられ、表示用開口部211の下側部分を装飾する部材である。下側ユニット224には、前面側に光を照射して表示装置112の表示面112aの周辺に発光による演出を施す発光装飾機能と、最大移動状態における中央装飾体202に対して前面側より光を照射する照明機能が設けられている。
下側ユニット224には、図7に示すように、透光性を有する合成樹脂で表面が形成された複数の発光部401〜404が設けられている。この複数の発光部401〜404としては、下側ユニット224の正面中央部とその左右両側に複数並んで前面側に向けて設けられた前面発光部401,402と、表示用開口部211の内部空間側に向かう上向きで前側に傾斜して設けられる上面発光部403と、上面発光部403と前面発光部401,402との前後方向における間部分にて上向きで後側に傾斜して向けられた装飾体発光部404とを有している。これら複数の発光部401〜404が、スタートレバー151を操作して行われる抽選結果等、遊技の状態に対応した色および点灯間隔で発光するように、表示制御装置114によって制御され、各発光部401〜404が遊技の状態に対応して発光する。
下側ユニット224は、図11に示すように、中央に位置する前面発光部401(以下、中央前面発光部401と称す。)が設けられる前側カバー部材411と、中央前面発光部401の左右両側に延びて複数区画して形成された左右の前面発光部402(以下、左右前面発光部402と称す。)を形成する内側カバー部材412と、内側カバー部材41
2の裏面側に設けられる区画部材413と、上面発光部403および装飾体発光部404を形成する上側カバー部材414と、各発光部401〜404を発光させる発光ダイオード(LED)が設けられる2枚の発光基板415,416と、下側ユニット224の後面側を覆う後側カバー部材417とを備えている。
前側カバー部材411は、図11に示すように、横長に形成された複数の合成樹脂製の部材を組み合わせて形成することにより起伏の多い複雑な表面形状を形成する部材であって、下側ユニット224の前側部分の外形を形成している。前側カバー部材411の左右両側および下側面には、前後に貫通する貫通穴を有してベースユニット221に下側ユニット224を固定するための固定部が設けられ、前側カバー部材411は、下側ユニット224を構成する各部品を一体化して支持するベース体としての機能を有している。
前側カバー部材411の中央部分には、図11に示すように、正面視略矩形状に形成されて中央前面発光部401を形成する中央発光部材418が設けられている。中央発光部材418は、前後に厚みを有する透光性を有する合成樹脂製の部材であり、前側カバー部材411の全域を形成する本体部材の背面側より取り付けられる。中央前面発光部401の左右両側には、前後に貫通する横長の前面発光用穴部421が設けられ、この前面発光用穴部421の内側に内側カバー部材412の左右前面発光部402が配置される。
前側カバー部材411は、上下に厚みを有する壁部が上下に離間し、その左右両側部分と中央前側部分とが連結されることで後方に開口した内部空間が形成され、この前側カバー部材411の内部空間内に、内側カバー部材412が入り込むようにして配置されている。
内側カバー部材412は、図11に示すように、前側カバー部材411における左右の前面発光用穴部421の両端側まで延びる長さに形成された横長で、透光性を有する合成樹脂により形成された部材である。内側カバー部材412の左右両側には、前後に厚みを有する正面視略矩形状の左右前面発光部402が左右に複数並んで配置され、各左右前面発光部402の間部分は、後側に凹んだ縦長の溝によって区画された形状に形成されている。
内側カバー部材412には、図11に示すように、左右前面発光部402の下端部より上下に厚みを有する板状部分が後側に延設して形成された連結部422が設けられている。左右前面発光部402が連結部422に一体化されていることで組み付け作業等の容易化が図られている。内側カバー部材412の左右両側端部には、前後に貫通する取付穴423が設けられ、この取付穴423が前側カバー部材411の内部空間にて後側に突出する筒状の取付ボス部424に嵌められて、前側カバー部材411と内側カバー部材412とが位置合わせされる。
区画部材413は、図11に示すように、内側カバー部材412の左右前面発光部402の両端側まで延びる横長で白色の合成樹脂により形成された部材である。区画部材413は、上下に厚みを有して左右方向の全域に延びる長さで設けられた区画上壁部431と、区画上壁部の下側面より左右方向に厚みを有して下方に延設される複数の区画横壁部432と、複数の区画横壁部432の後側部分にて前後方向に厚みを有して下側部分が後側に位置するように傾斜して設けられる前後区画壁部433とを有している。区画上壁部431と複数の区画横壁部432と前後区画壁部433によって、上側と左右両側と後側とが閉鎖された空間が形成され、前側と下側が開放された空間が左右に複数個分割されて形成されている。複数の区画横壁部432は、中央前面発光部401の両側と、複数の左右前面発光部402の間部分に位置し、各発光部401,402を個別に発光させた場合に隣接する発光部に光が漏れにくくなり、発光部の視認性が高められている。
下側ユニット224には、2枚の発光基板415,416が設けられ、これら2枚の発光基板415,416が上下に間隔を隔てて重なるようにして設けられている。以下、これら2枚の発光基板415,416のうち上側に設けられるものを上側発光基板415と称し、下側に設けられるものを下側発光基板416と称す。
下側発光基板416は、図11に示すように、上下に厚みを有する板状のプリント基板で構成され、その上面側に複数個のLED441〜443が搭載された部材である。下側発光基板416の下面側には、LED441〜443の発光制御に用いる集積回路、抵抗およびコネクタ等が設けられる。
下側発光基板416に設けられるLED441〜443は、図11に示すように、前側の端縁における中央部分にて左右に離間して2つ設けられる中央前面発光用LED441と、中央前面発光用LED441の左右両側にて複数個点在して設けられる左右前面発光用LED442と、それら前面発光用LED441,442の後側にて左右方向に離間して多数設けられて白色光を上向きに発光する上面発光用LED443とを有している。
中央前面発光用LED441は、RGBの3色LEDによってフルカラー発光が可能で基板面に垂直な上向きに光を照射するものであり、区画部材413によって区画された中央の区画領域に光を照射する。2つの中央前面発光用LED441の光は、図12に示すように、下側部分が後側に位置するように傾斜した前後区画壁部433の前側面と、区画上壁部431の下面によって反射することで前面側に照射され、中央前面発光部401を通じて前方側に照射される。
左右前面発光用LED442は、白色発光で上方に光を照射する区画部材によって区画された各空間に個別に光を照射する部材である。この左右前面発光用LED442の光は、上記した中央前面発光用LED441の光と同様に、前後区画壁部433の前側面と、区画上壁部431の下面によって反射することで前面側に照射され、左右前面発光部402を通じて前方側に照射される。
ここで、下側発光基板416および上側発光基板415に設けられるLED441〜444は、一の方向に最も強い光、すなわち光量が多くなる光を照射するLEDであり、各LED441〜444は、自身が搭載される各発光基板415,416に垂直な向きに光量が多くなるようにして光を照射するLEDで構成されている。これらLED441〜444は、照射方向側に対して光量が多く、照射方向に対して傾斜した方向側に対しては、その傾斜した角度の大きさに対応して光量が少量とされる。
なお、区画部材413によって区画された各空間の内面に相当する背面、上面および左右両面には、銀色のメッキ等により光が反射し易い表面処理を施しても良く、LEDの光が拡散されにくく前方側に一部の光が強く出力されるので、光の発光によって遊技者に内部抽選の当選に対応した情報を認識させやすくすることができる。この場合に、遊技中に点灯回数が多い箇所の光の発光は、眩しい光を遊技者に繰り返し照射しないように内面が直接反射しないものの、光が反射しやすい白色とすることが好ましく、その内面が白色の領域を左右前面発光部402に対応した内面とし、中央前面発光用LED441の光を反射する内面を他の領域に比べて光を反射し易い表面処理を施すことが遊技者が情報を認識し易く、また、長時間の遊技においても疲れにくい等の点で好ましい。
上側発光基板415は、図11に示すように、上下に厚みを有する板状のプリント基板の上面に複数個の装飾体発光用LED444が並んで搭載された部材である。上側発光基板415は、図13に示すように、下側発光基板416より前後幅および左右方向の長さ
が短く設定され、下側発光基板416に設けられて上向きに光を照射する上面発光用LED443の直上には重ならない大きさに設定されている。上側発光基板415に設けられる複数個の装飾体発光用LED444のうち両端に位置する装飾体発光用LED444の左右方向における位置は、中央装飾体202の最大の横幅部分における両端部と略同じ位置とされ、中央装飾体202の左右両端部まで装飾体発光用LED444の光が照射されやすく構成されている。
上側発光基板415は、図12に示すように、前側が高く、後側が低くなるようにして、上方より後側に略20度程度、装飾体発光用LED444の搭載面が傾斜して設けられている。上側発光基板415が後側に傾斜して設けられることにより、装飾体発光用LED444は、図14に示すように、側面視において照射方向が中央装飾体202の上下方向における中央部に向かう位置で、特に中央よりわずかに上側に向かう位置に向けて光を照射可能とされている。
装飾体発光用LED444は、中央装飾体202に光を照射して中央装飾体202の前面側を光らせる機能を有するものであり、黄褐色または琥珀色(アンバー色)の光を上方に照射する部材である。また、中央装飾体202の表面に光沢のあるメッキが施される場合には、そのメッキ部分が金色に近い色で輝かしい発光態様とすることでき、特に金色の表面処理を施すことで深い色味で輝くこととなって好ましい。中央装飾体202の背景部282も、装飾体発光用LED444の発光色と同系色の橙色に設定されることで、その表面が単に明るく光るだけでなく、同系色の光によって同様の色味で光り輝く発光態様を実現することができる。なお、中央装飾体202の発光態様を更に好適にするために、表示装置112の表示面112aは、中央装飾体202の背面側に重なる部位において白色の表示をすることが好ましく、中央装飾体202の背面側に重ならない部位は、白色とは別の色を表示することが好ましく、中央装飾体202の背景部282と同系色とし、金色に近い色としても良く、または、黒色または黒色に近い表示色にして中央装飾体202を際立たせて発色する構成としても良い。
後側カバー部材417は、図11に示すように、前側カバー部材411と同程度に横長に形成された無色透明のポリカーボネート等の合成樹脂製の部材である。後側カバー部材417は、前後に厚みを有する本体部の左右両側に前後に貫通するネジ挿通部が設けられ、そのネジ挿通部に後側からネジが挿通される。このネジの先端部は、前側カバー部材411の取付ボス部424に締結固定され、前側カバー部材411と後側カバー部材417の間に内側カバー部材412、区画部材413および下側発光基板416が挟まれた状態で一体化される。
後側カバー部材417の上側部分には、図11に示すように、左右方向に離間して前側に突出した2つの上側基板取付部434,434が設けられ、これら上側基板取付部434,434の下面に上側発光基板415がネジにより固定されている。上側基板取付部434,434の下面は、図12に示すように、前側が高く、後側が低くに傾斜して形成され、この傾斜した面に取り付けられる上側発光基板415は後側に傾斜して配置されることとなる。
後側カバー部材417は、図11に示すように、前後に厚みを有する本体部の上側部分が後側に延び、その後側に延びた後側端部より上方に延設された上側取付板部435を有している。上側取付板部435は、前後に厚みを有する横長の板状に形成され、左右方向における両側部分の下側には、前後に貫通する係合穴部436が設けられている。この係合穴部436には、上側カバー部材414に設けられる係合爪が弾性力によって入り込み、上側取付板部435に上側カバー部材414が固定可能とされている。
上側カバー部材414は、図11に示すように、横長で上下に厚みを有し、透光性を有するポリカーボネート等の合成樹脂製の部材である。上側カバー部材414には、図13に示すように、平面視で横長矩形状に形成された上面発光部403が後側部分に設けられ、その前側には、横長で、上面発光部403より長さが短く形成された装飾体発光部404が設けられている。
上面発光部403は、その全域を形成する平面状の平面部451と、平面部451より複数箇所で部分的に上方に突出して設けられる上面凸部452とを有している。上面発光部403の平面部451には、一辺が1mm程度で上面側に凹んだ正六角錐形状を多数組み合わせた起伏が下側面に相当する内面側に設けられている。また、上面発光部403の上面凸部452にも、その下側面に相当する内面側に多数の起伏が設けられ、この上面凸部452における起伏は、平面部451から頂点部分に直線状に形成される山形の溝が多数設けられることで形成されている。下側発光基板416に設けられる上面発光用LED443によって上面発光部403に照射された光は、上面発光部403の内面側に設けられる起伏によって拡散され、上面発光部403の表面を均一に近い状態で発光する構成とされている。
装飾体発光部404の上面は、左右方向に延びる2つの面を前後に連続させて形成され、横断面が一定で細かな起伏が設けられない滑らかな表面および内面形状に形成されている。装飾体発光部404の上面は、図12に示すように、その前側部分を形成する装飾体上部発光面461と、後側部分を形成する装飾体下部発光面462とを有し、装飾体上部発光面461からの光が主に中央装飾体202の上側部分に照射され、装飾体下部発光面462からの光が中央装飾体202の下側部分に照射される。
装飾体上部発光面461と装飾体下部発光面462とは、図12に示すように、装飾体上部発光面461に対して装飾体下部発光面462が後側に位置し、装飾体上部発光面461より装飾体下部発光面462の方が前後方向における表面長さが短く設定され、装飾体上部発光面461より装飾体下部発光面の方が後側に向くように傾斜して形成されている。各発光面461,462は、装飾体発光用LED444からの照射方向(図12の矢印方向)に対して断面視で前後が対称ではなく、装飾体上部発光面461は、その照射方向に対して垂直な方向に延びて、上側が凸となる円弧によって形成される一方、装飾体下部発光面462は、その照射方向に対して略100度の方向に延びる平面状に形成されている。このため、装飾体下部発光面462を通過する光は、後方側における下側に向けて屈折した状態で出力されやすいものとなり、中央装飾体202の模様部283の下側端部まで光が照射され易くすることができる。
装飾体上部発光面461を形成する曲線と装飾体下部発光面462を形成する平面との接続部分に相当する上下接続部463は、上側に頂点が位置するようにして折れ曲がる曲線にて形成され、装飾体上部発光面461より曲率半径が小さい上側に凸となる曲線が装飾体下部発光面462と装飾体上部発光面461とに接する状態で連続するように形成されている。
装飾体発光部404の内面は、その断面が直線的な平面状に形成され、上側発光基板415の板面と平行で、装飾体発光用LED444の照射方向に垂直に交差する面形状とされている。装飾体発光用LED444の照射方向は、図12に示すように、上下接続部463に向けられた設定とされている。このため、装飾体発光用LED444の照射方向に沿った部分が最も厚く、照射方向に対して前後両側に離れるほど次第に厚みが薄くなる形状とされている。
装飾体発光用LED444から照射された光は、装飾体発光部404の内面側から装飾
体発光部404へと入射される。装飾体発光部404の内面が装飾体発光用LED444の照射方向に対して垂直に設けられるため、装飾体発光部404の内側に装飾体発光用LED444の光が入射し易く、光の損失が少ない設定とされている。
なお、必ずしも装飾体発光部404の内面を平面状に形成する必要はなく、図12に示す横断面視において装飾体発光用LED444の照射方向と半径方向とが一致する円弧状の曲面としても効率良く装飾体発光用LED444の光を入射することができる。この場合には、装飾体発光用LED444と装飾体発光部404の内面との間隔より大きな半径の円弧によって装飾体発光部404の内面を形成することが好ましい。また、装飾体発光部404の内面を左右方向において曲面状に形成しても良く、この場合にも、装飾体発光用LED444の照射方向と半径方向とが一致する円弧状の曲面とし、装飾体発光用LED444と装飾体発光部404の内面との間隔より大きな半径の円弧によって装飾体発光部404の内面を形成することが好ましい。
装飾体発光用LED444からの光が装飾体発光部404の内部に入射されると、その光は、装飾体発光部404の上面に相当する装飾体上部発光面461、装飾体下部発光面462および上下接続部463のいずれかの部位を経由して上面側に出射される。この出射に際しては、光が屈折することとなり、曲率半径が小さい部分においては光が収束されて照射され、曲率半径が大きな部分は逆に光が拡散される。装飾体上部発光面461、装飾体下部発光面462および上下接続部463のうち、上下接続部463が最も小さな曲率半径に設定され、装飾体発光用LED444の照射方向に沿った光は一旦収束した先側で上下方向に拡散されて照射され、照射方向に沿った方向側が明るくなりすぎることが抑制されている。
装飾体下部発光面462から出射される光は、装飾体発光用LED444からの照射方向に対して前後対称でなく、照射方向に対して略100度の方向に延びる平面状に形成されている。このため、照射方向に対して垂直方向に延びる形状で装飾体下部発光面462を形成するより、中央装飾体202の下側に向けて光が確実に照射されやすくなる。すなわち、装飾体下部発光面462は、図14に示すように、装飾体発光用LED444の照射方向に位置する中央装飾体202の略中央部における高さ位置より下側部分に向かう面で形成され、この下側部分に向いた方向側に向けて光が照射され易くなる。よって、中央装飾体202より下側となる上面発光部403側への光の拡散を抑制することができ、効率良く、中央装飾体202の下側部分を発光させることができる。従って、少ない発光手段を用いた効率の良い発光による装飾を中央装飾体202に対して施すことができ、下側ユニット224を小型に形成して、大きな中央装飾体202を広範囲にわたって前面側から効率良く光らせる照明機能を実現することができる。また、装飾体下部発光面462の方が、装飾体上部発光面461より前後方向における表面長さが短く設定されているので、中央装飾体202の上側部分と下部部分との輝度の差を少なくして、均一に近い状態で中央装飾体202を発光させることができる。
中央装飾体202の左右方向における最大幅に対して、装飾体発光部404は、その最大幅の全域における前側部分に位置して左右方向に略同等の長さを有して左右方向側に対して一定の断面形状で形成されている。そして、装飾体発光部404を発光させるための上側発光基板415は、その一定の断面形状部分より更に左右両側に長く形成され、一定の断面形状部分に相当する範囲の全域に渡って装飾体発光用LED444が等間隔で多数設けられている。このため、中央装飾体202の横幅全域にわたって均一に近い状態で光を照射して中央装飾体202の全体に十分な光の装飾を施すことができる。
装飾体発光部404の上面における前側端縁464は、図12に示すように、略垂直に延びる前面部分と後側に向かって次第に低く傾斜した装飾体上部発光面461とにより鋭
角で尖った形状に形成されている。この前側端縁464における横断面における曲率半径は1mmより小さく設定され、装飾体発光部404の上面より前側部分に光が照射しにくいものとされている。
装飾体発光部404の上面における後側端縁465は、図12に示すように、後側に向かって次第に低く傾斜した装飾体下部発光面462と、後側に向かって次第に高く位置する上面発光部403とによって下側が谷底となるようにして尖った形状に形成されている。この後側端縁465を形成する横断面における谷底部分の内径は1mmより小さく設定されている。装飾体発光用LED444から照射された光が後側端縁465より下側を経由して上面発光部403側に導かれた場合、その光の方向は、上面発光部403が後側に向かって上方側に位置する方向に近い角度となるため、上面発光部403の上面より抜け出すことが少なくされ、上面発光部403は、上面発光用LED443の光の制御によって装飾体発光部404の発光とは独立して発光可能とされている。
装飾体発光部404は、図12に示すように、その後側端縁465に近づくほど低くなるように形成されている。このため、前面側から遊技者が上側表示ユニット200を視認した場合に装飾体発光部404は、ほとんど視認不能とされる一方、後側に設けられる上面発光部403を前後に幅広く視認可能とすることができる。よって、上面発光部403による装飾部分を広く形成しつつ、前面側から視認した場合における装飾を機種のイメージに合致したものとすることができる。また、中央装飾体202の照明機能としての装飾体発光部404は、装飾効果より機能を実現するための単調な形状としても、遊技者から視認しにくいものとして機種イメージを損なうことを抑制することができる。
上面発光部403は、図13に示すように、装飾体発光部404より左右方向に沿った両側に長く形成されると共に、装飾体発光部404に対して左右方向の両側に一部が位置する形状となるように前側端縁における左右両側が前側に突出した形状に形成され、この部位に対しても光を照射する上面発光用LED443が搭載されている。このため、上面発光部403が発光した場合に装飾体発光部404を囲うようにして前側に向けた光が照射されることとなり、装飾体発光部404の存在をより遊技者が認識し難い状態にして、機種イメージに対応した装飾とすることができる。
上面発光部403は、図12に示すように、装飾体発光部404の一番高い前側端縁464より更に高い位置まで形成されている。よって、装飾体発光部404は、正面視においても遊技者によって視認可能な部位となるので、装飾体発光部404による装飾を遊技者が視認しやすいものとすることができる。
装飾体発光部404の前側には、図12に示すように、前側カバー部材411の上面部分が位置して装飾体発光部404の前面側が前側カバー部材411によって、ほぼ覆われた状態とされている。この前側カバー部材411の上面部分には、機種イメージに対応して起伏した装飾が設けられている。このため、装飾体発光部404の前面側を前側カバー部材411によって形成して機種イメージに合致した装飾を施すことができる。
装飾体発光用LED444が搭載される上側発光基板415は後側に傾斜して設けられ、上面発光用LED443が搭載される下側発光基板416は上側発光基板415より後側に傾斜しない状態にして設けられる。このため、各LED443,444は、共に各発光基板415,416の板面に垂直な方向側に向けて光を照射する一般的な仕様としつつ、装飾体発光用LED444によって中央装飾体202に光を照射し、上面発光用LED443によって上面発光部403を介して遊技者に光の装飾を視認し易いものとすることができる。
上側発光基板415に対して下側発光基板416は、表示用開口部211に対して外方側に相当する下側に設けられる。このため、上側発光基板415に設けられる上面発光用LED443は中央装飾体202に少しでも近づけて、より明るく中央装飾体202を発光させることができる。また、下側発光基板416に設けられる装飾体発光用LED444は上面発光部403との距離を離間させて装飾体発光用LED444からの光を広範囲に拡散させることができ、少ないLEDの数でも上面発光部403の全域を均一に近い状態で発光させることができる。
下側発光基板416には、図13に示すように、平面視において上側発光基板415の後側の端縁より後側に位置することで上下に重ならないようにして上面発光用LED443が搭載されている。上側発光基板415の前側端縁より前側であって上記した前側カバー部材411の上面部分に重なる位置において、この上面部分が位置する上方側に向けて光を照射する前面発光用LED441,442が設けられている。そして、前側カバー部材411の上面部分と下側発光基板416との間部分であって上側発光基板415の前側に相当する位置に、図12に示すように、前面発光用LED441,442によって照射された光を前方側に向けて照射する区画部材413が設けられている。このため、下側ユニット224を遊技者が前側から視認した場合には、前面発光用LED441,442によって照射されて区画部材413によって前側に反射された光を遊技者に視認させて下側ユニット224の前面側における装飾領域を十分に確保することができる。この場合に、前面発光用LED441,442の照射方向を前側としないで上側とし、区画部材413によって前側に反射させることにより、前面発光部401,402に達するまでの前面発光用LED441,442からの光の経路を長く形成して、拡散が必要な箇所においては、より広い光の拡散によって少ないLEDで広範囲の領域を均一に近い状態で発光させつつ、上下及び前後長さを短く設定して、前面発光部401,402を発光させるために必要な領域を少なくすることができる。
なお、上下の発光基板415,416に設けられる各LED441〜444を含む上側表示ユニット200の発光制御は、中央装飾体202の通常状態および最大移動状態において、点灯および点滅し、並びに発光色を変化させることで多様な光の演出を実行するものである。この発光制御は、表示制御装置114によって実行するものであり、一般的な制御であるため、制御についての詳細な説明は省略するが、表示制御装置114での発光による演出の制御に代えて、主制御装置41等の他の制御装置で制御するなど、一般的な他の制御装置により発光による演出の制御をしても良い。
また、装飾体上部発光面461に対して装飾体下部発光面462は、装飾体発光用LED444からの照射方向に対して前後対称でなく、装飾体上部発光面461より装飾体上部発光面461より装飾体下部発光面462の方がより後側に向くように傾斜して形成されるものとすることが好ましく、装飾体上部発光面461の方が緩やかな曲線で形成されて曲率半径が大きな円弧で構成される一方、装飾体下部発光面462は、装飾体上部発光面461に比べてきつい曲線で形成されて曲率半径が小さく設定しても良い。更には、装飾体上部発光面461を形成する曲線と装飾体下部発光面462形成する曲線とは、横断面において略一定の曲率半径を有する円弧同士が接するものでなく、上側に頂点が位置するようにして折れ曲がる曲線にて形成され、その接続部分に相当する上下接続部463は、装飾体下部発光面462より更にきつい上側に凸となる曲線が装飾体下部発光面462と装飾体上部発光面461とに接する状態で連続するように形成され、装飾体下部発光面462より更に曲率半径が小さく設定しても良い。このように、装飾体下部発光面462が装飾体上部発光面461より小さな曲率半径で形成されることにより、装飾体下部発光面462の前後長さを短く設定しつつ、その後側端縁465付近の光が上面発光部403側に拡散しにくい設定とすることができ、中央装飾体202の下側部分に向けて光を多く照射することができる。
(右側ユニット223)
次に、右側装飾体201が設けられる右側ユニット223の構成について、図15から図21を参照して説明する。図15は、前側から見た右側ユニット223の主要部の分解斜視図であり、図16は、後側から見た右側ユニット223の主要部の分解斜視図である。図17から図20は、右側装飾体201の動作を各方向から視認した図であり、図17は正面側から見た図、図18は平面図、図19は右上側から見た斜視図、図20は斜め前側から見た図を示している。また、図17から図20における(a)は初期状態、(b)は横回動状態、(c)は前側突出状態をそれぞれ示している。なお、図17から図20においては、右側装飾体201の動作機構に関する主要な部材のみを示し、他は省略している。
右側ユニット223には、図5(a)に示すように、動物(ペガサス)の顔を模した縦長形状に形成された右側装飾体201が設けられている。右側装飾体201は、正面側を向いた初期状態と、初期状態より表示装置112の表示面112a側に相当する中央側を向いた横回動状態と、横回動状態に対して右側装飾体201の前面下側部分が前側に突出した前側突出状態とを形成可能とされている。右側ユニット223は、図7に示すように、右側装飾体201を形成する動作機構等が取り付けられる右側ベース部材501を有し、この右側ベース部材501がベースユニット221にネジにより取り付けられて上側表示ユニット200の一部を形成する。
右側ユニット223は、右側装飾体201を形成すると共に動作させる部材として、図15に示すように、動物の顔を模した形状の前面装飾部材511と、前面装飾部材511の上部を回動可能に支持する3つの構成部材521〜523で形成される前側支持部材512と、前側支持部材512の下側部分を回動可能に支持する後側支持部材513と、後側支持部材513と前面装飾部材511とを連結する連結部材514と、右側駆動モータ515の駆動力を前側支持部材512を通じて前面装飾部材511および後側支持部材513に伝達する伝達部材516および出力軸部材517と、出力軸部材517を通じて伝達部材516に駆動力を付与する右側駆動モータ515と、右側駆動モータ515の回動位置を検出するフォトセンサ518とを有している。
前面装飾部材511は、図15に示すように、動物の頭の先から顎の先までの前面部分を形成した仮面のように前後に厚みを有する形状に形成された透光性を有する有色(例えば赤色)の合成樹脂製の部材である。前面装飾部材511は上下方向における中央線を中心とする左右対称形状に形成されている。前面装飾部材511の前面側には、表面処理としてメッキ処理が目に相当する部分および中央部から左右両側に延びる細長く形成された一部分を除いた略全体に施され、全体的に銀色のメッキ処理で、一部(左右の角部分)に金色のメッキ処理が施されている。
前面装飾部材511の裏側部分には、図16に示すように、複数の発光手段としてのLEDが前面側に搭載された前面装飾発光基板531が設けられ、LEDの発光によってメッキが施されていない部位が発光する。前面装飾部材511の裏面側には、平行に延びる多数の筋状に断面三角形状の突出部分が並んで設けられている。この突出部分によって、前面装飾発光基板531から照射された光が前面装飾部材511の前側に拡散して出力され、メッキ処理が施されていない部位を介して前面側が発光し、また、後側に設けられる前側支持部材512の前面側を照射する照明機能の一部とされている。
前面装飾部材511における上部(額)に相当する部分の裏面側には、略水平方向に延びる回動軸を中心として連結部材514の一端部が回動可能に取り付けられる連結支持部511aが設けられている。連結支持部511aは、前面装飾部材511の裏面側におけ
る横方向に厚みを有して後側に突出する板状部分の後側端縁に後側が開口した溝部により構成されている。
連結部材514は、図16に示すように、横方向に厚みを有して上下に延びる棒状の本体部の上下両端部に左右方向に突出する軸部514a,514bが設けられた合成樹脂製の部材である。連結部材514の両側面には、長手方向に沿って延びる突条部分が左右両側に突出して設けられ、この突条部により連結部材514の両端部への負荷に対しての強度が高められている。
連結部材514の上側の軸部514aは、前面装飾部材511の連結支持部511aに対応して入り込み、その後側にネジが固定されることで連結部材514の上端部に対して前面装飾部材511が横方向に延びる回動軸(以下、前面上側回動軸J1と称す。)を中心として連結部材514に対して回動可能に連結される。
前面装飾部材511のこめかみに相当する上側部分の裏面側であって連結支持部511aの下側には、図16に示すように、略水平方向に延びる回動軸を中心として前側支持部材512の上側端部が回動可能に取り付けられる装飾支持部511bが設けられている。装飾支持部511bは、前面上側回動軸J1と平行に、前面装飾部材511の横方向に沿った回動軸を形成する部位であり、前面装飾部材511の裏面側における横方向に厚みを有する板部の後側部分に後側が開口したコ字状の部位により構成されている。
前側支持部材512は、図15および図16に示すように、左右一対の前側構成部材521,522を横方向からネジ止めし、その背面下側部分に後側構成部材523を後側からネジ止めして形成される部材である。前側構成部材521,522は、平面視で前側に膨出する断面半円形状で下側に行くほど大きく膨出した合成樹脂製の部材である。前側構成部材521,522の前側部分には銀色のメッキ処理が施され、前面装飾部材511の裏面側に設けられる前面装飾発光基板531からの光によって発光する。
前側支持部材512の前側部分を構成する左側の前側構成部材521には、図15に示すように、その上側端部にて左右方向に円柱状に突出する上側横軸部512aが設けられる。前側支持部材512の上側横軸部512aは、前面装飾部材511の装飾支持部511bに入り込み可能な外形に設定され、前面装飾発光基板531が前面装飾部材511に取り付けられる前に、装飾支持部511bに前側支持部材512の上側横軸部512aが対応して入り込み、その後側にネジが固定されることで前側支持部材512の上側端部に対して前面装飾部材511が横方向に延びる回動軸(以下、前面下側回動軸J2と称す。)を中心として前側支持部材512に対して回動可能に連結される。
前側支持部材512を構成する前側構成部材521,522の背面下側端部には、図16に示すように、横方向に厚みを有して後側に突出する板状部分の後側端縁に後側が開口した溝状の後部下側軸支持部512bが設けられている。後部下側軸支持部512bの後側には、その開口部分を塞ぐようにして前側支持部材512を構成する後側構成部材523が取り付けられ、後部下側軸支持部512bに入り込む後側支持部材513の後部下側軸部513aが抜け出し不能とされる。これにより、前側支持部材512が横方向に延びる回動軸(以下、後部下側回動軸J3と称す。)を中心として後側支持部材513に対して回動可能に連結される。
後側支持部材513は、図16に示すように、前側支持部材512の前側構成部材521,522と同程度に縦長の合成樹脂製の部材である。後側支持部材513は、前後に厚みを有して上下に延びる下側板状部513bの下側端縁に、前側支持部材512の後部下側軸支持部512bに対応した後部下側軸部513aが左右方向に円柱状に突出して設け
られている。
後側支持部材513における下側板状部513bの上側端縁は、上下方向に厚みを有して後方に延出し、更にその後端部から中央部分に隙間を設けて左右両側にて上側に延びるように形成された上側板状部513cを有している。後側支持部材513における上側板状部513cの背面側には、略水平方向に延びる回動軸を中心として連結部材514の下端部が回動可能に取り付けられる後部上側軸支持部513dが設けられている。後部上側軸支持部513dは、前面上側回動軸J1と平行に、連結部材514の横方向に沿った回動軸を形成する部位であり、図16に示すように、後側支持部材513の裏面側における横方向に厚みを有する板部の後側部分に後側が開口したコ字状の部位により構成されている。連結部材514の下側の軸部514bは、後側支持部材513の後部上側軸支持部513dに対応して入り込み、その左右両側にネジが固定されることで後側支持部材513に対して連結部材514が横方向に延びる回動軸(以下、後部上側回動軸J4と称す。)を中心として回動可能に連結される。
後側支持部材513は、後側縦軸532を中心として、右側装飾体201を構成する前面装飾部材511および前側支持部材512を回動可能に支持する部材である。後側支持部材513における上側板状部513cには、図16に示すように、その上下方向に延びる部位における背面から見て右側部分に突出するようにして上下に厚みを有する板状部513e,513fが上下に離間して設けられている。各板状部513e,513fには、鉛直方向に貫通する貫通孔が設けられ、両貫通孔には、上側端部が先細りした金属製の後側縦軸532が下方から挿通される。
後側縦軸532の上側部分には、周面に金属製の留め具が嵌め込み可能な溝が設けられている。右側ベース部材501の裏面側には、後側支持部材513における上側の板状部513eの上側部分と、下側の板状部513fの下側部分とに位置し、後側縦軸532を挿通可能な貫通穴が設けられた支持部501aが形成されている。この右側ベース部材501の支持部501aに、右側後側支持部材の板状部513e,513fが挟まれた状態とされてから、後側縦軸532が下側から挿通され、上側端部に留め具が嵌められて、右側ベース部材501に後側支持部材513が取り付けられ、後側支持部材513を介して前面装飾部材511、前側支持部材512および連結部材514が右側ベース部材501に支持される。
後側支持部材513の下側板状部513bの背面側には、図16に示すように、先細りした断面円形で棒状の弾性部材支持部513gが後側に突出して形成されている。前側支持部材512の後側構成部材523には、弾性部材支持部513gの突出方向側にて、初期状態において弾性部材支持部513gと同軸となる円筒状の弾性部材挿入筒部512cが設けられている。
後側支持部材513と、前側支持部材512の後側構成部材523との間には、図16に示すように、鋼線により形成されたコイルバネで構成される弾性部材533が設けられている。弾性部材533は、後側支持部材513に対して、前側支持部材512の後側構成部材523を常に後方側に押し出すように圧縮した状態で取り付けられ、前側支持部材512に対して後部下側軸部513aを中心とした後方側への付勢力が付与される。
前側支持部材512の後側構成部材523は、前後方向に厚みを有して下側部分を形成する下側板部523aと、下側板部523aの上端部分が上下に厚みを有して後方側に延びるように形成された上部板部523bとを有し、更に、上部板部523bの上面に、上記した弾性部材挿入筒部512cと、略球形状の駆動力伝達部512dとを有している。
前側支持部材512の後側構成部材523における駆動力伝達部512dは、図15に示すように、弾性部材挿入筒部512cの正面視左側に設けられ、駆動力伝達部512dには、右側駆動モータ515の駆動力を後側支持部材に伝達する伝達部材516の一端側が取り付けられる。伝達部材516の他端側には、右側駆動モータ515の駆動軸に嵌め込まれる出力軸部材517が取り付けられ、この伝達部材516を通じて右側駆動モータ515の駆動力が前側支持部材512等に伝達される。
伝達部材516は、図15に示すように、上下に厚みを有して直線状に延びる軸部分の両端部に上下に貫通する連結穴部516a,516bが設けられた部材である。伝達部材516の連結穴部516a,516bは、駆動力伝達部512dの外面より僅かに大きく設定された球面の最大外形部分を含んだ一部分を内面形状とし、上下方向における中央部分が最大の直径となる断面円形で、その上下両側が中央部分より小さい直径に設定された断面円形の内面形状とされている。
伝達部材516は、上下一対の合成樹脂製の部材を重ね合わせて形成され、連結穴部516a,516bを形成する部分は、上下の一方側の部材の端側部分が断続されて開口した形状とされている。この断続部分を設けることによって断続部分を有する面側から駆動力伝達部512dを押し込むことで、連結穴部516aが拡がる方向に弾性変形し、駆動力伝達部512dが連結穴部516aに入り込むと変形状態が復帰することで伝達部材516と駆動力伝達部512dとが接続される。連結穴部516a,516bの断続部分は、両端部において上下で反対側の端部に位置するように形成され、これにより、伝達部材516の構成部品として一端側が断続した同一形状の部材を2つ形成し、向きを反転させて両端側を連結している中央部分にてネジ等で一体化することで伝達部材516を形成することができる。よって、伝達部材516の製造時における製造コストや管理コストを低減することができる。
出力軸部材517は、右側駆動モータ515の出力軸の回動動作を出力側伝達部517aの回動動作に増幅するための部材である。出力軸部材517は、図15に示すように、右側駆動モータ515の出力軸515aに対して嵌め込まれて固定状態とされる上下に延びる筒状の出力軸受け部517bと、その出力軸受け部517bの下側端部から上下に厚みを有して側方に延びた先端部にて下側に球状に突出して設けられる出力側伝達部517aとを有している。出力側伝達部517aは、前側支持部材512の駆動力伝達部512dと略同一サイズの外形に設定され、伝達部材516の後側における連結穴部516bに出力側伝達部517aが嵌め込まれて出力側伝達部517aと伝達部材516とが接続される。
ここで、出力側伝達部517aは、駆動力伝達部512dが突出する上側方向とは反対の下側に突出するようにして形成されている。このため、連結穴部516a,516bの断続部分は、両端部において上下で反対側の端部に位置するように形成することができ、伝達部材516の製造コストを上記したように低減することができる。
右側駆動モータ515は、図15に示すように、下向きに突出する出力軸515aを有するステッピングモータであり、合成樹脂製のモータ取付用ベース534を介して右側ベース部材501に固定されている。右側駆動モータ515は、右側装飾体201の動作を制御する表示制御装置114に電気的に接続され、表示制御装置114によって右側駆動モータ515の駆動方向および駆動量が制御されることにより、右側装飾体201が動作する。
右側駆動モータ515の上側には、その駆動位置を制御するための非接触式のフォトセンサ518が設けられ、フォトセンサ518には、図16に示すように、検知部に相当す
る溝部518aが設けられている。フォトセンサ518は、合成樹脂製のセンサ取付用ベース535を介して右側ベース部材501に固定される。
後側支持部材513の上側部分には、図16に示すように、上下に厚みを有して後側に突出する被検知部513hが設けられている。初期状態においては、被検知部513hがフォトセンサ518の溝部518aに入り込むことで、後側支持部材513を含む右側装飾体201が初期状態であることがフォトセンサ518によって検知される(図18参照)。フォトセンサ518は、右側装飾体201の動作を制御する表示制御装置114に電気的に接続され、電源投入時や右側装飾体201の動作中などでフォトセンサ518によって被検知部513hが検知されていない場合に、右側装飾体201が初期状態に無いことを表示制御装置114が認識し、右側駆動モータ515の駆動方向および駆動量を制御してフォトセンサ518によって被検知部513hが検知された場合に、右側装飾体201が初期状態に復帰したことを検知する。
次に、右側装飾体201の動作について、図21を加えて参照しつつ説明する。図21(a)は、図18のB−B線における断面図であり、図21(b)は、図18のC−C線における断面図である。
右側装飾体201は、図18(a)から図18(c)に示すように、平面視において、右側駆動モータ515の出力軸515aが回動することにより動作する部材である。右側駆動モータ515の回動範囲は、初期状態から最大で平面視反時計回り方向に略45度の範囲に設定され、右側駆動モータ515が初期状態に対して最大の略45度回動動作することで右側装飾体201の前面下側部分が前側に突出した前側突出状態とされる。
右側駆動モータ515が初期状態に対して平面視反時計回り方向に略30度回動するまでは、図18(b)に示すように初期状態と同様、右側装飾体201の下側部分が前側に突出しない通常状態を維持して後側縦軸532を中心に回動する。そして、右側駆動モータ515が、初期状態に対して略30度から略45度回動する範囲内において、右側装飾体201は、平面視においては回動しないで、前面下側部分が次第に前側に突出する。
初期状態においては、図18(a)に示すように、右側駆動モータ515の出力軸515aに対して出力軸部材517の出力側伝達部517aは、後方であって右側に位置している。フォトセンサ518の溝部518a内には、図19(a)に示すように、後側支持部材513の被検知部513hが配置され、表示制御装置114によって右側装飾体201が初期状態であることが検知されている。
初期状態に対して、右側駆動モータ515の出力軸515aが平面視反時計回り方向に回動すると、図18(b)に示すように、右側駆動モータ515の出力側伝達部517aは、次第に左方へ移動し、伝達部材516を通じて駆動力伝達部512dが左方へ移動する(図19(b)参照)。駆動力伝達部512dの移動に伴い、前側支持部材512は、後側支持部材513と一体的に後側縦軸532を中心として回動する。フォトセンサ518の溝部518aから後側支持部材513の被検知部513hが抜け出して、表示制御装置114によって右側装飾体201が初期状態から移動したことが認識可能とされる。
右側駆動モータ515の出力軸515aが初期状態に対して平面視反時計回り方向に略30度回動すると、図18(b)に示すように、表示装置112の表示面112a側に相当する中央側を向いた横回動状態となる。横回動状態に達すると、右側ベース部材501において前後に貫通する貫通穴の端面に相当するストッパ面に後側支持部材513の一部が当接し、それ以上は、後側支持部材513が平面視反時計回り方向側へ回動不能となる。
初期状態から横回動状態となるまでは、図21(a)に示すように、弾性部材533は、略水平状態で最大に長く伸びた状態とされる。この弾性部材533の弾性力によって初期状態から横回動状態となるまで右側装飾体201は下側部分が突出しない通常状態を維持したまま回動する。弾性部材533は、後側支持部材513に対して前側支持部材512を後部下側回動軸J3を中心として後側に付勢し、前側支持部材512は、後部下側回動軸J3を中心として最大限後側に移動した位置に配置される。また、弾性部材533の付勢力によって前面装飾部材511の下側部分が後側に移動するように付勢され、前面装飾部材511の下側部分おいて前側支持部材512側へ突出して設けられる前側ストッパ部511cが、前側支持部材512の前面側における下側部分に当接することで弾性部材533の付勢力が支持される。
ここで、前面装飾部材511の回動動作について詳細に説明する。前側支持部材512の前側には、前面下側回動軸J2を中心として前面装飾部材511が回動可能に取り付けられ、この前面装飾部材511は、連結部材514を介して後側支持部材513に接続されている。すなわち、前面装飾部材511は、連結部材514の両端部に相当する前面上側回動軸J1および後部上側回動軸J4と、前側支持部材512の上下方向における両端部に相当する前面下側回動軸J2および後部下側回動軸J3とによって2本のリンク部材で移動可能に支持された状態とされている。この2本のリンク部材で支持された前面装飾部材511は、2本のリンク部材の支点間の距離に相当する前面上側回動軸J1および後部上側回動軸J4間の距離と、前面下側回動軸J2および後部下側回動軸J3間の距離が後者が長い設定とされている。このため、前面装飾部材511は、前側支持部材512の回動動作に対して下側部分の移動量が大きなものとなり、後側支持部材513に対する前側支持部材512の回動動作に伴い、前面装飾部材511の下側部分が前後に移動することとなる。
横回動状態に対して更に右側駆動モータ515の出力軸515aが平面視反時計回り方向側に回動すると、図18(c)に示すように、伝達部材516を通じて前側支持部材512の駆動力伝達部512dは更に左方へ移動する。後側支持部材513は既に動作不能な位置まで回動しており、この状態からは、弾性部材533の付勢力に抗して駆動力伝達部512dが左方へ移動する。
伝達部材516の左側端部(駆動力伝達部512dとの接続部)は、図21(b)に示すように、後部下側回動軸J3を中心に上方へ移動しつつ左方へ移動する。このとき、伝達部材516の両端部における接続は、略球形状の駆動力伝達部512dおよび出力側伝達部517aとに対する内面球形状のボールジョイントによって接続されているため、前側支持部材512の回動動作として回動軸が縦方向に延びた後側縦軸532から横方向に延びた後部下側回動軸J3とされて伝達部材516が側面視において傾斜しても、右側駆動モータ515の駆動力を簡易な構造で前側支持部材512に伝達することができる。
後部下側回動軸J3を中心に前側支持部材512が回動すると、その回動に伴い、前面装飾部材511は、下側部分を突出させるようにして動作する。このとき、前面装飾部材511の上側端部は、次第に右側に移動するように、リンク機構の支点間の長さが設定され、これにより、前面装飾部材511の動作としては、大きな動作としつつも、表示装置112の表示面112aの表示内容は、遊技者から視認可能とし、例えば、表示面112aに成立役が示唆されたり、成立役に対応した複数のリール102の停止順序が示唆される等した場合に、その表示内容を遊技者が視認し易く設定されている。
前側支持部材512の回動に伴い、弾性部材533は次第に縮められ、右側駆動モータ515の駆動量が、図21(b)に示すように、前側突出状態に対応した駆動量に達する
ことで、右側駆動モータ515の出力軸515aの回動が停止し、右側装飾体201は、前側突出状態となる。この駆動量の制御は、フォトセンサ518によって初期状態を検知した状態からの右側駆動モータ515の出力軸515aの回動量を制御することにより行われる。
右側装飾体201が前側突出状態から初期状態に戻る場合には、図18(c)に示す前側突出状態に対して右側駆動モータ515の出力軸515aが平面視時計回りに回動するように表示制御装置114によって制御される。右側駆動モータ515の駆動力は、伝達部材516を介して駆動力伝達部512dを右側に移動するように伝達され、図18(b)に示す横回動状態を経て初期状態まで右側装飾体201の状態が復帰する。フォトセンサ518の溝部518a内に後側支持部材513の被検知部513hが配置されると、初期状態に達したことが表示制御装置114によって認識され、右側駆動モータ515の出力軸515aの回動が停止して右側装飾体201の動作が終了する。
上記した右側装飾体201および中央装飾体202は、以下のような状況で動作する。例えば、スタートレバー151が操作されて遊技が開始される前には通常状態(図5(a)参照)とされ、スタートレバー151が操作された後に予め設定した条件が成立すると最大に移動した状態とされる。例えば、スタートレバー151が操作された後の抽選にてビッグボーナスに当選した場合に50%の確率で右側装飾体201が最大移動状態(図5(b)参照)とされ、ビッグボーナスに落選した場合に0.1%の確率で最大移動状態とされ、遊技者が全てのストップボタン153L〜153Rを停止操作し終わると通常状態に復帰する。このように、所定の役に当選した場合と当選しない場合とで、右側装飾体201の移動させる確率を異ならせることで、ビッグボーナスの入賞を遊技者に期待させる演出として表示装置112の表示面112aにおける演出に加えて、又は当該演出に代えて右側装飾体201の動作による演出を遊技者に視認させることができる。所定の役に当選した場合と当選しない場合とで右側装飾体201の移動確率を異ならせて設定することで、所定の役の入賞期待度を変化させることができる。同様に中央装飾体201の動作を制御することによって、中央装飾体201においても、役の入賞を遊技者に期待させる演出とすることができる。
ここで、右側装飾体201および中央装飾体202は、必ずしも個別に動作させる必要はなく、同時に動作させても良いし、その移動量についても必ずしも最大移動状態となるまで右側装飾体201および中央装飾体202を動作させる必要はなく、通常状態と最大移動状態との間の途中部分まで動作させ、その後に通常状態に戻るように右側装飾体201および中央装飾体202のいずれか又は両方を動作制御しても良い。すなわち、右側装飾体201および中央装飾体202の移動量、移動速度、移動回数、又はそれらの組合せ動作を、入賞が成立した役の種類や入賞、入賞の期待度に応じて異ならせることで、入賞成立役の予告または期待度を遊技者に示唆することができ、また、入賞成立後に右側装飾体201および中央装飾体202を動作させて入賞成立を示唆する演出とすることもできる。例えば、ビッグボーナスの入賞期待度の高い場合に中央装飾体202が動き、それに比べて中央装飾体202が動かずに右側装飾体201が動く場合には、期待度が低くなるようにする等、動作させる対象を変化させることで、ビッグボーナスの入賞期待度を遊技者に示唆することができる。なお、これらの制御については、主制御装置41の抽選結果を表示制御装置114が受信し、表示制御装置114によるモータ254,515の制御によって実現できるものであり、一般的な制御であるため、制御についての詳細な説明は省略するが、表示制御装置114でのモータ254,515の制御に代えて、主制御装置41等の他の制御装置で制御するなど、一般的な他の制御でモータ254,515を制御しても良い。
このように、スロットマシン10の右側ユニット223は、縦方向に延びる後側縦軸5
32および横方向に延びる各回動軸J1〜J4を中心として動作する右側装飾体201と、右側装飾体201が動作するための駆動力を発生する右側駆動モータ515と、右側駆動モータ515によって発生した駆動力を右側装飾体201を構成する各構成部材511〜514に伝達する伝達部材516おおよび出力軸部材517を備えている。また、右側装飾体201は、その前面部分に対して前側とは逆側となる後側に設けられる後側縦軸532を中心として、初期状態に対応した第1位置と、その位置に対して右側装飾体201の前面部が左側方側を向いた第2位置との間を回動可能に設けられる後側支持部材513と、後側支持部材513に支持される部材であって、後側縦軸532に沿った右側装飾体201の前面部における下側の端部において後側縦軸532の軸方向と交差する横方向(水平方向)に沿った後部下側回動軸J3を中心として、右側装飾体201の表面側に相当する前面とは逆側となる裏面側に配置されて下側部分が突出していない通常状態に対応した後側位置と、該後側位置に対して前記右側装飾体201を構成する前側支持部材512の上側部分を右側装飾体201の表面側に突出させた前側突出状態に対応する前側位置との間を動作可能に設けられる前側支持部材512と、後側支持部材513によって支持された前側支持部材512を後側位置側へ付勢する付勢力を発生する弾性部材533とを有している。
このため、右側装飾体201は、その前面部に対して後側縦軸532を中心として回動し、右側装飾体201の前端部分を前側に突出させることなく、右側装飾体201の向きを変化させることができる。また、その向きが変化した第2位置となった状態においては、右側装飾体201の少なくとも一部が後側位置から前側位置へ変位するので、右側装飾体201の前面部分が左側方側を向いた状態にしてから右側装飾体201の前面部が表面側に突出することとなり、右側装飾体201の動作を大きく設定しつつ、右側装飾体201の動作に要する機構部分としての右側ユニット223の前後幅は少なく抑えることができる。
ここで、右側装飾体201が設けられる右側ユニット223としては、図18(a)に示すように、前面装飾部材511における一番前側に位置する部位の後側に後側縦軸532が設けられている。また、後側縦軸532を中心として前面装飾部材511の一番前側に位置する部位までの長さを半径とする仮想円を作成した場合には、その仮想円内に前面装飾部材511における平面視右側部分が入る形状に前面装飾部材511および前側支持部材512が形成されている。このため、後側縦軸532を中心として右側装飾体201が回動しても、右側装飾体201が前側に突出することがなく、前面装飾部材511の初期状態における前端部分に、その前側に設けられる窓パネル部131の裏面側を近接させて配置することができる。
弾性部材533および駆動力伝達部512dは、右側装飾体201の裏面側における後部下側回動軸J3に近い側にて後部下側回動軸J3の軸方向に沿って並んで配置されている。このため、駆動力伝達部512dとしては、少ない変位量でも、後部下側回動軸J3を中心とした前側支持部材512の回動量を大きくして前側位置と後側位置との間を大きな動作で切り替え可能とし、弾性部材533の設置スペースも回動軸に近い分少なく抑えることができる。また、後側縦軸532より前側にて駆動力伝達部512dの方が弾性部材533より後側縦軸532に近い位置に配置されるので、後側縦軸532を中心とした回動動作も少ない駆動力伝達部512dの移動量で大きく動作させることができ、後側縦軸532の後側部分の部品スペースを確保しつつ回動動作に必要な伝達部材等の可動範囲を小さくして他の装飾部品を配置しやすいものとすることができる。
右側駆動モータ515の出力軸515aは、後側縦軸532と略平行の縦方向で後側縦軸532より前側に配置し、その出力軸515aに出力軸部材517が接続され、伝達部材516も後側縦軸532より前側にて前側支持部材512と接続される。このため、右
側駆動モータ515および出力軸部材517を後側縦軸532に対して前側に配置して右側装飾体201の動作機構を構成する装置を小型に形成することができる。また、初期状態においては、図18(a)に示すように、右側駆動モータ515の出力軸515aの前側部分に右側装飾体201の右側端部が配置され、右側装飾体201の右後ろ側に右側駆動モータ515や出力軸部材517および伝達部材516が配置されているので、初期状態における右側ユニット223を小型に形成することができ、表示装置112の表示面112aの前側に相当する左側部分の空間を広く確保することができる。
右側装飾体201が設けられる右側ユニット223は、図7に示すように、右側ベース部材501によって右側駆動モータ515等を含む右側装飾体201の動作機構が一体化して支持されているので、装飾部の動作機構を構成する装置の取付等の管理を容易にすることができる。また、右側ユニット223として、図18(c)に示すように、後側縦軸532を支持する部位の後側には、部品を配置する必要がなく、後側縦軸532の後側における左右方向に延びる仮想線Lよりも後側に別の動作部材として、中央装飾体202を構成する右側動作部材233を配置し易くすることができる。右側動作部材233は、下側ユニット224からの照射光によって発光する構成とされているため、右側動作部材233自体の発光部を設ける必要がなく、前後に薄く形成することができるので、表示装置112の表示面112aと、その前面側に位置する窓パネル部131との間部分における限られた空間に、複数の動作部材を前後に重ねて配置することができ、遊技者に対して多彩な演出を提供することができる。
更に、右側装飾体201が設けられる部分は、前後幅が必要になる部分であり、その前後方向において重なる部分に下側ユニット224を配置し、中央装飾体202を発光させる装飾体発光部404および上側表示ユニット200の下側部分を装飾する上面発光部403を配置することができるので、表示用開口部211の周りの空間を有効活用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記実施形態においては、上側表示ユニット200を前側から視認可能とする透光性を有する材料で形成されたカバー部材としての窓パネル部131は、透明樹脂により構成したが、窓パネル部131は、無色透明または有色透明のいずれであっても良いし、表面又は裏面にアルミのハーフ蒸着等の表面処理が施されることで、表示装置112や表示用開口部211が明るく発光した場合に限って上側表示ユニット200が前側から視認可能とされる構成としても良い。
上記実施形態においては、装飾体発光部404によって光が照射されることとなる中央装飾体202は、装飾体発光部404によって光が照射される状態と、光が照射されない状態とを形成可能な動作部材として構成したが、必ずしも動作部材として構成する必要はなく、装飾体発光部404によって光が照射される位置に常時配置されるように位置が固定された部材で装飾体を構成しても良い。また、装飾体発光部404によって光が照射される装飾体の位置についても必ずしも上側表示ユニット200の正面中央部に位置して光が照射される構成とする必要はなく、装飾体発光部404を上側表示ユニット200の中央でなく、左右のいずれか一方側に配置し、その位置から光が照射される領域に装飾体を配置する等、他の位置に配置しても良いし、その装飾体に対しての光の照射方向も上側に限らず、左右方向、斜め方向等、別方向に設定しても良い。
上記実施形態においては、ステッピングモータによって中央装飾体202および右側装飾体201が動作する構成としたが、必ずしもステッピングモータにより各装飾体201,202を動作させる構成とする必要はなく、DCモータやソレノイド等の他の動力発生機によって各装飾体201,202を動作させる構成としても良い。また、各装飾体201,202の動作において付勢力を付与するプーリ付勢バネ237および弾性部材533は、必ずしも上記したコイルバネを圧縮させた状態で取り付けて構成する必要はなく、引張りバネやねじりバネ或いはゴム等の他の形式による弾性体により構成しても良いし、重力を利用した錘を用いて付勢力を発生させる構成としても良い。
上記実施形態においては、プーリ支持部材236およびプーリ付勢バネ237によってベルト251が伸張される方向側へ支持用プーリ253を移動可能に支持することで、少ない駆動力で左右の動作部材232,233を移動可能とし、また、左右の動作部材232,233の衝突力を抑制することとしたが、必ずしも、ベルト251が伸張される方向側へ支持用プーリ253を移動可能に支持する構成とする必要はなく、ベルト251の一部に相当する左右の動作部材232,233のベルト取付部312,322の間の区間であって支持用プーリ253に掛けられる側の区間の一部の材質を、他の部位より弾性係数が低く変形し易い柔らかなゴム材料等で形成しても良いし、左側動作部材232のベルト取付部312の正面右側に近い位置にベルト251の長手方向に沿って弾性変形可能なコイルバネ等の弾性部材を介してベルト251の両端を接続して構成しても良い。
上記実施形態においては、出力用プーリ252と支持用プーリ253の2カ所でベルト251を支持する構成としたが、支持用プーリを更に設けて3カ所以上でベルト251を支持する構成としても良く、また、ベルト251を必ずしも回転体によって支持する必要はなく、円柱状の部材を回動不能に配置し、支持部に対してベルト251の表面が滑るようにしてベルト251を支持する構成としても良い。
上記実施形態においては、中央装飾体202においては記章を模した対象物の装飾、右側装飾体201においてはペガサスを模した対象物の装飾を動作部材として可動する構成としたが、動作部材の装飾は、上記対象物を模したものに限らず、他の動物等のキャラクタを模したものとしても良いし、対象物とするのは、1体に限らず、中央装飾体202において、多数の魚が正面から見て左側を向いた魚の群れを模した対象物を中央装飾体202または右側装飾体201のいずれか又は双方において表示しても良く、この場合であっても装飾体が向く方向とは、対象物自体が向いている方向でなく、装飾体の表示面が向く前方側が装飾体が向く方向とする。
上記実施形態においては、右側装飾体201を複数の軸で回動動作させるための駆動力の伝達構造として、伝達部材516の両端部における接続構造は、ボールジョイントに限らず、複数の軸支部分を組み合わせた自在継手(いわゆるユニバーサルジョイント)等、他の接続構造を採用しても良い。
上記実施形態においては、中央装飾体202が通常状態においては遊技者から視認不能とされ、最大移動状態で遊技者から視認可能とされていたが、通常状態において中央装飾体202の少なくとも一部が視認可能な大きさおよび配置としても良い。また、上記実施形態においては、左右方向に移動するように中央装飾体202を構成する左右の動作部材232,233を設けたが、移動方向は、左右方向に限らず、上下、斜め、前後方向のいずれかとしても良いし、円弧状、または、曲線的に支持軸を形成し、直線的な移動でなく、曲線的な移動となるようにしても良い。また、必ずしも移動する構成とする必要はなく、各動作部材232,233を一部を支点として、例えば、通常状態における下側部分を支点として回動するように回動軸を設けて各動作部材232,233を変位可能としても良い。
上記実施形態においては、スロットマシン10に中央装飾体202および右側装飾体201を有する上側表示ユニット200を設けたが、中央装飾体202および右側装飾体201を有する表示ユニットをパチンコ遊技機に設けても良く、例えば、図柄を表示する液晶表示装置等の表示装置の前側に上記表示ユニット111を取り付けて、大当たり期待度を示唆する演出として中央装飾体202および右側装飾体201を動作させても良い。また、パチンコ遊技機として、複数種類の大当たりが設定され、一部の大当たりに当選すると次回の大当たりまで大当たり確率が高確率とされる確率変動機能を有するパチンコ機に上側表示ユニット200を設けて、大当たりの種類に対応した期待度を示唆する演出として中央装飾体202および右側装飾体201を動作させても良い。また、中央装飾体202を他の遊技機に設ける場合に、上記した装飾体発光部404を有する上面発光部403によって装飾体を発光させることが好ましい。
本発明を他のパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしても良い。
遊技における抽選結果の表示態様として、始動条件が成立して変動が開始された後に停止表示される抽選結果に対応した情報(識別情報)としては、上記したスロットマシン10と同様に、モータ等により回転するリールの外周面に複数の図柄が表示された構造体に付された図柄を1つまたは複数組み合わせて構成される識別情報としても良く、液晶表示装置に表示される図柄や絵柄を1つ又は複数組み合わせた情報であっても良く、単一あるいは複数の発光体で構成される図柄表示装置の発光態様によって遊技者が当否を識別可能な単一または複数の発光体の発光態様による情報であっても良い。遊技者に付与される遊技価値は、スロットマシン10における当選やパチンコ機における入賞に対応した有価物体として払い出されるパチンコ球やメダルであっても良いし、封入式のパチンコ機等において当選や入賞に対応して記憶媒体に記憶される情報としての価値であっても良い。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴A群>
遊技機の一種として、例えば、スロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる。この演出の一部として静止状態の装飾体を発光させ、または、モータ等により動作する動作部材によって構成される装飾体を遊技者から視認可能な位置に配置して、この動作部材の動作を演出に付加することで遊技者を驚かせ、その後の結果に対する期待感を高揚させる演出が行われている(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、遊技者によって視認可能な位置に配置される動作部材等の装飾体の前面を装飾するためには、装飾体の前側から光を照射して発光させることが好ましいものの、装飾体の端部まで光を十分に照射しようとするとコストが増大してしまうという問題点があった。
<特徴A1>
始動条件が成立した場合に変動が開始される識別情報が所定の態様で停止した場合に遊技者に遊技価値が付与される遊技機(スロットマシン10)において、
遊技者が位置する前側より視認可能な装飾部(中央装飾部281)と、
該装飾部の前側に設けられる透光性を有する材料で形成されたカバー部材(窓パネル部131)と、
該カバー部材と前記装飾部との間部分において該装飾部の前側に重ならない側方側における内面の一部を形成して前記装飾部側に照射される光が通過する第1発光部(装飾体発光部404)と、
該第1発光部を介して前記装飾部に向けて光を照射する第1発光手段(装飾体発光用LED444)とを備え、
該第1発光手段は、前記装飾部における前記第1発光手段の前記第1発光部に近い一部で形成される近距離部と、前記装飾部における前記第1発光部から離れた側の一部で形成される遠距離部との間部分に向けて照射方向が設定され、
前記第1発光部は、
前記装飾体および前記第1発光部が切断される断面視において前記側方側とは反対側となる内方側を向いた面であって前記後側に傾斜した傾斜面部によって形成され、
該傾斜面部として、前記第1発光手段の照射方向側を基準とした場合に前側に位置する前側装飾発光面部(装飾体上部発光面461)と、
該前側装飾発光面部に対して後側にて該前側装飾発光面部より前後方向における表面長さが短く設定されると共に、前記第1発光手段の照射方向側を基準とした場合における前記前側装飾発光面部より後側に向くように傾斜して形成された後側装飾発光面部(装飾体下部発光面462)と、を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1記載の遊技機によれば、コスト増を抑えつつ、装飾部に対して好適に光を照射することができる。すなわち、第1発光手段によって発光された光は、1の発光手段によって装飾部において遠い側に位置する遠距離部と、近い側に位置する近距離部との双方を照射される。この場合に、第1発光部において内方側を向いた面は後側に傾斜して設けられ、後側に位置する後側装飾発光面部は、前側装飾発光面部より更に後側に傾斜して形成されている。このため、近距離部に多くの光を照射し易くすることができ、近距離部における発光を遊技者にとって視認し易いものとしている。また、後側装飾発光面部の方が、前側装飾発光面部より前後方向における表面長さが短く設定されているので、遠距離部と近距離部との輝度の差を少なくすることができる。しかも、これら装飾発光面部として、遊技機の機種イメージに合わせた装飾が表面に施されずに機能を優先した形状としても、
遊技者からは視認しにくいものとなる。よって、機種イメージを損なうことなく、好適な照明機能を実現することができる。
<特徴A2>
前記装飾部より前側であって前記第1発光部の後側端部より後側にて前記内方側を向いた面であって前記前側に傾斜した第2発光部(上面発光部403)と、
該第2発光部を基準として前記内方側とは逆の外方側に設けられて前記第2発光部を発光させる光を照射する第2発光手段(上面発光用LED443)と、
前記第1発光手段が搭載され、前記内方側であって後側に傾斜して設けられる第1発光基板(上側発光基板415)と、
該第1発光基板に対して前記外方側にて前記第1発光基板より後側に傾斜しない状態にして設けられ、前記第2発光手段が搭載される第2発光基板(下側発光基板416)とを備えていることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載の遊技機によれば、後側に傾斜して形成されている第1発光部の後側端部より後側にて前側に傾斜した第2発光部が設けられているため、その後側に設けられる第2発光部の装飾部分を広く形成して、前面側から視認した場合における装飾を機種のイメージに合致したものとすることができる。
また、第1発光手段が搭載される第1発光基板は後側に傾斜して設けられ、第2発光手段が搭載される第2発光基板は第1発光基板より後側に傾斜しない状態にして設けられるので、発光基板の板面に垂直な方向に光を照射する発光手段を用いて、第1発光手段によって装飾部に光を照射し、第2発光手段によって第2発光部を介して遊技者に光の装飾を視認し易いものとすることができる。
さらに、第1発光基板に対して第2発光基板が外方側に設けられるので、第1発光基板に設けられる第1発光手段は装飾部に少しでも近づけて配置しつつ、第2発光基板に設けられる第2発光手段は第2発光部との距離を離間させて第2発光手段からの光を広範囲に拡散させることができ、少ない発光手段によって第2発光部を均一に近い状態にして発光させることができる。
なお、特徴A2に記載の「第1発光基板より後側に傾斜しない状態にして設けられ」とは、後側に傾斜しつつ第1発光基板より内方側を向く場合に限らず、前側に傾斜する場合を含む。
<特徴A3>
前記第1発光部の前側端部の前側には、前後方向に延びる形状に形成された前側延出部(前側カバー部材411の上面部分)が設けられ、
前記第2発光基板には、前記内方側からの方向視において、
前記第1発光基板の後側端縁より後側に前記第2発光手段が搭載されると共に、
前記第1発光基板の前側端縁より前側であって該前側延出部に重なる位置において前記前側延出部側に向けて光を照射する第3発光手段(前面発光用LED441,442)が搭載され、
前記前側延出部と前記第2発光基板との間部分であって前記第1発光基板の前側には、前記第3発光手段によって照射された光を前方側に向けて照射する照射方向変更部材(区画部材413)が設けられていることを特徴とする特徴A2記載の遊技機。
特徴A3記載の遊技機によれば、第2発光基板が設けられる箇所を遊技者が前側から視認した場合、第3発光手段によって照射されて照射方向変更部材によって前側に反射された光を遊技者に視認させることができ、第2発光基板の前側部分に光の装飾を施すことが
できる。また、第3発光手段の照射方向を前側としないで前側延出部側とし、照射方向変更部材によって前側に反射させることにより、第3発光手段から照射されたが前側に照射される場合における光の経路を長く設定することができ、拡散が必要な箇所においては、より広い光の拡散によって少ない発光手段で広範囲の領域を均一に近い状態で発光させつつ、前側延出部と第3発光手段との距離及び前側延出部の前後長さを短く設定して、第3発光手段によって前面側を発光させるために必要な領域を少なくすることができる。
<特徴A4>
前記装飾部は、前記前側より視認した場合に前記第1発光部が配置される側方側に対して交差する交差方向側に所定の幅を有する形状に形成され、
前記第2発光部は、前記第1発光部より前記交差方向に沿った両側に長く形成されると共に、前記第1発光部に対して前記交差方向側に位置する形状となるように前側に突出した形状に形成されていることを特徴とする特徴A2又はA3記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、第2発光部が発光した場合に第1発光部を囲うようにして前側に向けた光を照射することができ、第1発光部の存在をより遊技者が認識し難い状態にして、機種イメージに対応した装飾を施し易くすることができる。
<特徴A5>
前記装飾部は、前側より視認した場合に前記第1発光部が配置される側方側に対して交差する交差方向側に所定の幅を有する形状に形成され、
前記第1発光手段は、前記交差方向側に沿って並んで複数設けられ、
前記第1発光部は、少なくとも前記所定の幅以上または略同等の長さを有して前記交差方向側に対して一定の断面形状で形成されていることを特徴とする特徴A1からA4のいずれかに記載の遊技機。
特徴A5記載の遊技機によれば、第1発光手段が並んで設けられる交差方向側に沿って第1発光部が一定の断面形状で形成されているため、装飾部の幅全域にわたって均一に近い状態で光を照射して装飾部の全体に十分な光の装飾を施すことができる。
<特徴B群>
遊技機の一種として、例えば、スロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる。この演出の一部としてモータ等により動作する動作部材を遊技者から視認可能な位置に配置して、この動作部材の動作を演出に付加する機種が知られており、大型の動作部材として左右両側等の複数の方向側から扉状の部材を近づけて液晶表示装置の前側を閉鎖する演出を素早く実行することで遊技者を驚かせ、その後の結果に対する期待感を高揚させる演出が行われている(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、動作部材が大型化され、又はその動作範囲が広く設定される等した場合には、性能の高い動力発生機が必要になって部品コストが増大するという問題点があった。また、複数の動作部材が近づいて一端側が近接して一体化した演出を実行する場合、それらの近接部分における隙間が大きいと見栄えの悪いものとなる一方、その近接部分に隙間が無く接触する構成とされていると高速移動をした動作部材によって合わせ面が損傷する可能性があるという問題点があった。
<特徴B1>
始動条件が成立した場合に変動が開始される識別情報が所定の態様で停止した場合に遊技者に遊技価値が付与される遊技機(スロットマシン10)において、
所定の対象物を模した装飾体を構成する複数の動作部材(左右の動作部材232,233)と、
該複数の動作部材の一部が接触して前記所定の対象物を模した状態に対応した第1位置(最大移動状態における位置)と、該第1位置に対して前記複数の動作部材が離間した第2位置(通常状態における位置)との間を動作可能に前記複数の動作部材を支持する支持手段(ガイド軸234)と、
前記複数の動作部材が動作するための駆動力を発生する駆動手段(中央駆動モータ254)と、
前記駆動手段の駆動力によって回動する回動部材(出力用プーリ252)と、
該回動部材に内周面側が掛けられて前記駆動手段の駆動力によって回動する無端状の駆動伝達部材(ベルト251)と、
該回動部材に対して離間した位置に配置され、前記駆動伝達部材が掛けられる支持部材(支持用プーリ253)とを備え、
前記複数の動作部材は、
前記回動部材に対して前記駆動伝達部材が連続する方向に沿った一方側における前記支持部材に達する手前部分に相当する部位であって、前記第1位置において前記回動部材に対して前記一方側における距離が最小となる第1伝達部(ベルト取付部322)にて前記駆動伝達部材に接続される第1動作部材(右側動作部材233)と、
前記回動部材に対して前記一方側とは逆方となる他方側における前記支持部材に達する手前部分に相当する部位であって、前記第1位置において前記回動部材に対して前記他方側における距離が最大となる第2伝達部(ベルト取付部312)にて前記駆動伝達部材に接続される第2動作部材(左側動作部材232)とを有し、
前記第1動作部材は、前記第2動作部材とは別に設けられる部材の停止面(ガイド軸支持部246の右側面)に当接することで前記第1位置に停止し、
前記第2動作部材は、前記第1動作部材の一部に当接して前記第1位置に停止するものであり、
前記駆動伝達部材における前記第1伝達部と前記第2伝達部との間の区間であって少なくとも前記支持部材が配置される側の区間に対して前記駆動伝達部材が伸張される方向側への付勢力を発生させる付勢力発生手段(プーリ支持部材236、プーリ付勢バネ237)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1記載の遊技機によれば、複数の動作部材を用いた装飾部の見栄えが良く、部品の耐久性を高めつつ部品コストを抑えた遊技機を提供することができる。すなわち、複数の動作部材によって所定の対象物を模した第1位置においては、第1動作部材の一部に第2動作部材が当接することで第2動作部材が停止する。このため、第1動作部材と第2動作部材との間の隙間を少なくすることができ、複数の動作部材で形成される所定の対象物による装飾部の見栄えを良いものとすることができる。
また、第1位置側に複数の動作部材が移動する場合には、第1動作部材には、支持部材を介すことなく駆動伝達部材によって引張力が伝達される一方、第2動作部材には、支持部材を介して回動部材の回動力に応じた引張力が伝達される。第2動作部材とは別に設けられる部材の停止面に当接することで前記第1位置に第1動作部材が停止すると、回動部材の回動力は、第1動作部材と停止面との当接によって、第1動作部材より遠い側には伝達されない。すなわち、駆動伝達部材における前記第1伝達部と前記第2伝達部との間の区間のうち、支持部材が配置される側の区間に対しては伝達されない。この支持部材が配置される側の区間に対しては、付勢力発生手段により駆動伝達部材が伸張される方向側への付勢力が生じるので、第2動作部材は、付勢力発生手段の付勢力によって第1動作部材
と当接して第1位置に停止することとなる。
よって、駆動伝達部材を高いトルクで高速に駆動し、複数の動作部材を高速で移動させても、その移動に伴う駆動力が複数の動作部材が衝突する力とはならず、第2動作部材の慣性力に付勢力発生手段の付勢力による力を加えた衝突力に抑えることができる。従って、複数の動作部材の当接部分として、遊技者から視認され得る装飾体の一部を使用しても、その部位が破損する可能性が低減され、複数の動作部材によって一体的に形成される対象物の見栄えを向上しつつ、その移動速度を高速に設定して遊技者に驚きを与えやすい演出を行うことができる。
しかも、回動部材の回動開始時において付勢力発生手段の付勢力以上の力が作用すると、第1動作部材または第2動作部材の一方が移動開始しつつ、他方が停止した状態となる。このため、複数の動作部材の移動開始時期がずれて、少ない駆動力でも複数の動作部材を移動させることができ、低容量の駆動手段を採用してコスト増を抑えつつ、上記した複数の動作部材同士の衝突力を抑制する機能により装飾部の見栄えを良いものとすることができる。
なお、特徴B1における「第1動作部材」と「第2動作部材」の記載に代えて、または特徴B1における「第1動作部材」と「第2動作部材」の記載に加えて、第1動作部材は、第1位置側に複数の動作部材が移動する場合に支持部材を介すことなく回動部材の回動力に応じた引張力が伝達される第1伝達部にて駆動伝達部材に接続され、第2動作部材は、第1位置側に複数の動作部材が移動する場合に支持部材を介して回動部材の回動力に応じた引張力が伝達される第2伝達部にて前記駆動伝達部材に接続されるとしても良い。
また、特徴B1における駆動伝達部材が伸張される方向側への付勢力を発生させるとは、駆動伝達部材の両端部に弾性体が引き延ばされた状態で長手方向に沿って取り付けられることで構成しても良いし、駆動伝達部材の経路が長くなる方向側に支持部材が移動するための弾性力を付与して駆動伝達部材が伸張される方向側への付勢力を発生させても良い。
<特徴B2>
前記付勢力発生手段は、前記支持部材を前記駆動伝達部材が伸張される一方側と、該駆動伝達部材が弛む他方側との間を移動可能に支持する移動部材と、
該移動部材を前記一方側へ付勢する付勢力を付与する付勢手段とを備えていることを特徴とする特徴B1記載の遊技機。
特徴B2記載の遊技機によれば、付勢手段によって移動部材に付勢力を付与することにより駆動伝達部材が伸張した状態とすることができ、コスト増を抑えつつ、複数の動作部材同士の衝突力を抑制する機能を付加することができる。
て、上記した
<特徴B3>
前記第2動作部材は、前記第1位置に配置された場合に前記第1動作部材の一部に当接する当接部を、遊技者から視認可能な装飾部の一部に有していることを特徴とする特徴B1またはB2記載の遊技機。
特徴B3記載の遊技機によれば、第1動作部材の一部に当接する当接部が遊技者から視認可能な装飾部の一部に設けられているため、当接によって位置合わせされる部位と、装飾部との位置を近づけて配置することができ、製品成形時等における部品寸法のバラツキにより合わせ部分に隙間が生じることを抑制して見栄えを良くすることができる。
なお、特徴B3に記載の「装飾部の一部に有している」とは、装飾部の背面側に設けられる部位であって、前側から視認できない位置であっても良い。
<特徴B4>
前記第2動作部材は、前記第1位置に配置された場合に前記第1動作部材に対して遊技者が視認する側となる前側部分に重なるように前記第1動作部材側に突出する前側突出部(突出模様部283a)を有し、該前側突出部の後側に前記当接部が設けられていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4記載の遊技機によれば、第2動作部材に前側突出部が設けられ、第2動作部材は衝突力が抑制された部材であるので、第1動作部材との衝突時に前側突出部が受ける衝撃力の影響を少なくすることができ、破損し難いものとすることができる。よって、前側突出部はデザインを重視して薄肉あるいは細幅に形成しても破損しにくい部位となり、この部位で第1動作部材の一部を覆う広範囲の装飾を施すことにより、デザインの自由度を高めて見栄えの良い装飾体とすることができる。
<特徴B5>
前記第1動作部材の一部が検知範囲に位置するか否かによって前記第2位置に前記第1動作部材が配置されているか否かを検知する検知手段(フォトセンサ255)と、
前記第2位置に達した前記第1動作部材の一部に当接して前記第1動作部材を前記第2位置に停止させる第2位置側停止部(ストッパ部247)と、
前記第2位置から外れた位置より前記第2位置側に動作する前記第1動作部材が前記検知手段によって検知された場合に前記駆動手段の駆動を停止する駆動制御手段(表示制御装置114)とを備え、
前記第2動作部材は、前記第1動作部材の停止に伴い前記駆動伝達部材の回動が停止することによって前記第2位置に停止することを特徴とする特徴B1からB4のいずれかに記載の遊技機。
特徴B5に記載の遊技機によれば、第2動作部材は、第1動作部材の停止に伴い駆動伝達部材の回動が停止することによって第2位置に停止することとなる。このため、第2位置への停止時においても、第1動作部材のみに衝突力が発生し、第2動作部材は、他の部材と衝突することがない。また、第1動作部材の停止直後には、付勢力発生手段の付勢力によって第2動作部材は第1動作部材と同時停止しないで時間をかけて停止状態へと遷移する。よって、第2動作部材に対しての衝撃力を少なくして第2動作部材に対してのデザインの自由度を高める等の第1動作部材とは別の機能を付加することができる。
また、第1動作部材は、第1位置において回動部材に対して一方側における距離が最小とされているので、第2位置においては回動部材から離間した位置に配置される。このため、第2位置に配置された第1動作部材の位置を検知する検知手段と、その第1動作部材に当接する第2位置側停止部とは、回動部材から離間して設けることができる。よって、回動部材に近い側には駆動手段等を配置しつつ、検知手段等は他の位置に分散して配置することができ、駆動伝達部材の設置領域に対して全域にわたって小型に駆動伝達部材に関する部材を配置して全体として一部が突出しない小型な装置構成とすることができる。
<特徴C群>
遊技機の一種として、例えば、スロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停
止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、抽選結果を期待させる演出を実行する装飾装置を設けるスペースには制限があり、その限られたスペースで見栄えの良い装飾を施すことが難しいという問題点があった。
<特徴C1>
始動条件が成立した場合に変動が開始される識別情報が所定の態様で停止した場合に遊技者に遊技価値が付与される遊技機(スロットマシン10)において、
遊技者が位置する前側より視認可能であって所定の対象物を模した装飾部を表面側に形成する部材であって複数の回動軸を中心として動作する動作手段と、
該動作手段が動作するための駆動力を発生する回動駆動手段(右側駆動モータ515)と、
該駆動手段によって発生した駆動力を前記動作手段に伝達する伝達部材(伝達部材516および出力軸部材517)とを備え、
前記動作手段は、前記装飾部に対して前記前側とは逆側となる後側に設けられる第1回動軸を中心として、第1位置と、該第1位置に対して前記装飾部が側方側を向いた第2位置との間を回動可能に設けられる後側支持部材(後側支持部材513)と、
該後側支持部材に支持される部材であって、前記第1回動軸に沿った前記装飾部における一方側の端部において前記第1回動軸の軸方向と交差する他の方向に沿った第2回動軸を中心として、前記装飾部の表面とは逆側となる裏面側に配置された後側位置と、該後側位置に対して前記装飾部の少なくとも一部を該装飾部の表面側に突出させる前側位置との間を動作可能に設けられる前側動作部材(前面装飾部材511および前側支持部材512)と、
前記後側支持部材によって支持された前記前側動作部材を前記後側位置側へ付勢する付勢力を発生する付勢手段(弾性部材533)とを有していることを特徴とする遊技機。
特徴C1記載の遊技機によれば、限られた領域において大きな動作が可能な装飾装置を備えた遊技機を提供することができる。すなわち、動作手段は、装飾部に対して前記前側とは逆側となる後側に設けられる第1回動軸を中心として回動するので、装飾部の前端部分を前側に突出させることなく、装飾部の向きを変化させることができる。
また、第2位置となった状態においては、装飾部の少なくとも一部が後側位置から前側位置へ変位するので、装飾部が側方側を向いた状態にしてから装飾部の一部が表面側に突出することとなり、動作手段の動作を大きく設定しつつ、動作手段の動作に要する遊技者の視線に沿った前後幅は少なく抑えることができる。
<特徴C2>
前記付勢手段は、前記装飾部の前記裏面側における前記第2回動軸側に配置され、
前記伝達部材と前記前側動作部材とを接続する前側接続部は、前記付勢手段に対して前記第2回動軸の軸方向に沿った位置に配置され、
前記付勢手段および前記前側接続部は、前記第1回動軸より前側にて前側接続部の方が付勢手段より近い位置に配置されていることを特徴とする特徴C1記載の遊技機。
特徴C2記載の遊技機によれば、付勢手段および前側接続部は、装飾部の裏面側における第2回動軸側にて第2回動軸の軸方向に沿って配置されているので、少ない変位量で前側位置と後側位置との間を切り替え可能とし、また、付勢手段の設置スペースも少なく抑えることができる。また、第1回動軸より前側にて前側接続部の方が付勢手段より第1回動軸に近い位置に配置されるので、第1回動軸を中心とした回動動作も少ない前側接続部
の移動量で大きく動作させることができ、部品の設置スペースを小さくして、他の装飾部品を配置しやすいものとすることができる。
<特徴C3>
前記回動駆動手段は、前記第1回動軸と略平行であって前記第1回動軸より前側に設けられ、前記動作手段を動作させるための回動力を出力する出力軸を有し、
前記伝達部材は、
前記回動駆動手段の出力軸に接続され、該接続部に対して前記回動駆動手段の出力軸から前記後側に離間した位置にて前記回動駆動手段の出力軸の回動に伴って回動する第1伝達部を有する第1伝達部材(出力軸部材517)と、
前記装飾部が前記第1位置に対して第2位置側へ向く方向側に沿って延びる向きに設けられ、前記第1伝達部に一端側が接続され、他端側が前記第1回動軸より前側にて前記前側動作部材と接続される第2伝達部材(伝達部材516)とを有していることを特徴とする特徴C1またはC2記載の遊技機。
特徴C3記載の遊技機によれば、第1伝達部材および第2伝達部材による駆動力の伝達機構により、動作手段を動作させることができる。また、回動駆動手段の出力軸を第1回動軸と略平行で第1回動軸より前側に配置し、その出力軸に第1伝達部材が接続され、第2伝達部材も第1回動軸より前側にて前側動作部材と接続されるため、回動駆動手段および第1伝達部材を第1回動軸に対して前側に配置して装飾部の動作機構を構成する装置を小型に形成することができる。
<特徴C4>
前記動作手段と、前記回動駆動手段と、前記伝達部材とを、前記第1回動軸が後側端部となるようにして一体化して支持する一体化支持手段(右側ベース部材501)と、
該一体化支持手段によって一体化された前記動作手段の後側に重なる後側重複位置と、該後側重複位置に対して、前記装飾部が前記第1位置に対して第2位置側へ向く方向側に沿って移動する後側移動位置との間を動作可能に設けられる後側動作部材(右側動作部材233)とを備えていることを特徴とする特徴C1からC3のいずれかに記載の遊技機。
特徴C4に記載の遊技機によれば、一体化支持手段によって、動作手段と、前記回動駆動手段と、前記伝達部材とは、一体化して支持されるので、装飾部の動作機構を構成する装置の取付等の管理を容易にすることができる。また、第1回動軸が後側端部となるようにして動作手段等が一体化されて前後幅を短く構成できるので、その一体化されたユニットの後側に、後側動作部材の設置スペースを確保し易くすることができる。
なお、特徴A1〜A5、特徴B1〜B5および特徴C1〜C4に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。