以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の一実施の形態を、
図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2は前面扉21を閉じた状態におけるスロットマシン10の斜視図であり、図3は前面扉21を開いた状態におけるスロットマシン10の斜視図であり、図4は前面扉21を取り除いた状態における筐体11の正面図である。
図3に示すように、スロットマシン10は、筐体11を備えている。筐体11は、複数の板部12〜16を組合せることによりスロットマシン10前方に向けて開放された四角箱状に形成されている。詳細には、底板部12、背板部13、左側板部14、右側板部15、及び天板部16を備えており、隣接する各板部12〜16が接着等の固定手段によって固定されていることで、筐体11が形成されている。当該筐体11は、スロットマシン10を遊技ホールに設置する際に、いわゆる島設備に対して釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉21が取り付けられている。前面扉21はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。詳細には、筐体11の左側板部14には筐体側支持部材17が設けられているとともに、前面扉21の左側部には扉側支持部材22が設けられている。これら各支持部材17,22はともに金属製であり、筐体側支持部材17には上下一対の支軸部17aが一体形成されているとともに、扉側支持部材22には各支軸部17aに1対1で対応させて支持孔部22aが形成されている。各支持孔部22aが対応する各支軸部17aに挿通されて下側を支持されることにより、筐体11に前面扉21が開閉可能に支持されている。
なお、扉側支持部材22に支軸部が形成され、支持孔部が筐体側支持部材17に形成される構成としてもよく、この場合、各支軸部が対応する各支持孔部に挿通されて下側を支持される。
筐体11に対して前面扉21が閉鎖した状態では、当該前面扉21の背面が筐体11の前面開口部の周縁全体に対して前方から当接することとなる。したがって、前面扉21が閉鎖状態である場合には、筐体11の前面開口部の全体が前面扉21により覆われた状態となる。前面扉21の右側部、すなわち開閉先端側には施錠装置23が設けられており、筐体11の右側板部15には、図4に示すように、金属製の施錠受け部材18が設けられている。前面扉21を閉鎖状態とした場合には施錠装置23が施錠受け部材18に対して施錠状態となり、前面扉21の開放操作が阻止される。
筐体11内には、図3及び図4に示すように、複数の電気機器が搭載されている。具体的には、筐体11の底板部12上には電源装置31とホッパ装置32とが左右に並設されている。電源装置31は、遊技ホールの電源に接続され、当該電源から供給される電力に基づいて、ホッパ装置32や、後述する各種機器において必要な動作電力を生成して供給する。また、電源装置31には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン、及びメダルの付与率(例えば内部抽選における当選確率)に変化を与える設定状態を「設定1」(付与率が最も低い状態)から「設定6」(付与率が最も高い状態)までの6段階に変更するために操作される設定キー挿入孔が設けられている。ホッパ装置32は、上方に開放された空間内にメダルを貯留する貯留タンク32aと、当該貯留タンク32aに貯留されたメダルを払い出す払出装置32bとを備えており、スロットマシン10に投入されたメダルの貯留が行われるとともに遊技の結果に応じた遊技者へのメダルの払い出しが実行される。
筐体11内において、電源装置31及びホッパ装置32の上方にはリールユニット101が設けられている。リールユニット101は、複数の周回体として、円筒状に形成された左リール102L、中リール102M、及び右リール102Rを備えている。各リール
102L〜102Rは、その中心軸線が当該リール102L〜102Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール102L〜102Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設されている。これら各リール102L〜102Rは、それぞれがステッピングモータよりなるリール用駆動モータに連結されており、各リール用駆動モータの駆動により各リール102L〜102Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール102L〜102Rの外周面には、図3に示すように、帯状のベルト103L,103M,103Rが巻かれている。帯状のベルト103L〜103Rの周面には、それぞれ複数種の図柄が付されており(例えば21個ずつ)、各リール用駆動モータが駆動状態となり各リール102L〜102Rが回転することにより、各図柄の位置が連続的に変化することとなる。
これら各リール102L〜102Rに付された図柄は、図1に示すように、前面扉21の上半部に設けられた透明樹脂製の窓パネル部131を通じてスロットマシン10前方から視認可能となっている。この場合、前面扉21の背面部において窓パネル部131と重なる領域には、図3に示すように、下側部分に横長矩形状の表示窓部27を形成し、その上下左右を囲うように表示ユニット111が搭載されており、リールユニット101においてスロットマシン10前方から視認可能な範囲が図1の下側の破線で囲む表示窓部27の範囲内に制限されている。つまり、窓パネル部131と表示ユニット111とを利用して表示窓部27が区画形成されている。この表示窓部27が形成された範囲は、全体を視認可能な図柄の数が各リール102L〜102Rについて縦方向に3個ずつとなるように設定されている。各リール102L〜102Rが正回転した場合には、表示窓部27を通じて図柄が上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。また、各リール102L〜102Rがすべて停止している状態では、縦方向に3個と横方向に3個の合計9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
表示窓部27から視認可能な9個の図柄が配置される範囲には、図1に示すように、所定数の組合せラインL1〜L5が設定されている。具体的には、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、合計5本の組合せラインL1〜L5が設定されている。これら組合せラインL1〜L5は、メダル及び仮想メダルの賭け数に応じた数だけ有効化され、有効化された組合せライン上に内部抽選にて当選となった役に対応した図柄の組合せが停止表示されることにより、遊技者に特典が付与される。この組合せラインの数は6以上としてもよく、5未満としてもよく、遊技の状態などの所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。
各リール102L〜102Rには、小役図柄と、再遊技図柄と、特別図柄とが付されている。 小役図柄としては、「スイカ」図柄と、「ベル」図柄と、「チェリー」図柄とが存在しており、いずれかの有効ライン上に「スイカ」図柄が左・中・右と揃った場合には15枚のメダルが払い出され、いずれかの有効ライン上に「ベル」図柄が左・中・右と揃った場合には8枚のメダルが払い出され、左リール102L上の「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダルが払い出される。また、いずれかの有効ライン上に再遊技図柄が左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われないが、新たな賭け操作を要することなく新たな遊技を開始させることが可能となる。
特別図柄としては、「7」図柄と「BAR」図柄とが存在しており、いずれかの有効ライン上に「7」図柄が左・中・右と揃った場合には第1特別遊技状態としてビッグボーナス状態に移行し、いずれかの有効ライン上に「BAR」図柄が左・中・右と揃った場合には第2特別遊技状態としてレギュラーボーナス状態に移行する。ビッグボーナス状態及びレギュラーボーナス状態は、通常遊技状態よりも各遊技回におけるメダル及び仮想メダル
の払出率が向上する状態であり、具体的には内部抽選で当選となった場合には各リール102L〜102Rの停止タイミングに関係なくいずれかの有効ラインL1〜L5上に停止表示される「ベル」役の入賞が通常遊技状態よりも高頻度で発生する状態である。そして、ビッグボーナス状態は、当該状態において遊技者に払い出されたメダル及び仮想メダルの総数が第1所定数(例えば350枚)以上となった場合に終了される状態であり、レギュラーボーナス状態は、当該状態において遊技者に払い出されたメダル及び仮想メダルの総数が第1所定数よりも少ない第2所定数(例えば150枚)以上となった場合に終了される状態である。
窓パネル部131における表示窓部27より上側は、図1に示すように、表示ユニット111に設けられた表示装置112の表示面112aをスロットマシン10前方から視認可能とする領域となっている。つまり、窓パネル部131は、表示面112aを視認可能とする上パネル部131aと、各リール102L〜102Rの図柄を視認可能とする下パネル部131bとを有している。また、窓パネル部131は、図1に示すように、これら上パネル部131aと下パネル部131bとを上下に区画するように区画部134が設けられている。
前面扉21において窓パネル部131の周囲には、演出用発光部133と、報知用発光部132とが設けられている。演出用発光部133では遊技の状況に応じた光の演出が行われ、報知用発光部132では異常の発生に際してそれに応じた発光制御が行われる。
前面扉21において窓パネル部131の下方領域は、図2に示すように、当該窓パネル部131よりもスロットマシン10前方に膨出させて操作領域24が形成されており、当該操作領域24には各種操作部が設けられている。具体的には、操作領域24前面の左側には、図1に示すように、各リール102L〜102Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー151が設けられている。メダル及び仮想メダルの少なくとも一方が賭けられている状況でスタートレバー151が操作されることにより、各リール102L〜102Rが一斉に回転を開始する。
スタートレバー151の右側には、図2に示すように、回転している各リール102L〜102Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン153L,153M,153Rが設けられている。各ストップボタン153L〜153Rは正面視において停止対象となるリール102L〜102Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン153L〜153Rは、左リール102Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止操作が有効化される。
操作領域24上面の右側には、図2に示すように、メダルを投入するためのメダル投入口155aが形成された投入用部材155が設けられている。前面扉21の背面部には、図3に示すようにセレクタ113が設けられており、メダル投入口155aに投入されたメダルは当該セレクタ113によって、投入可能時であればホッパ装置32へ導かれ、投入不可時であれば前面扉21の前面下部に設けられたメダル排出口25aからメダル受け皿25へと導かれる。
操作領域24上面の左側には、クレジットされた仮想メダルを投入するために操作されるクレジット投入ボタン152が設けられている。クレジット投入ボタン152が操作されることにより、クレジットされた仮想メダルの数及び最大賭け数の範囲で仮想メダルが投入される。
操作領域24前面においてスタートレバー151の下方には、精算ボタン156が設けられている。精算ボタン156が操作されることにより、ホッパ装置32が駆動制御され
て、クレジットされている仮想メダルが実際のメダルとしてメダル受け皿25に払い出される。当該メダル受け皿25は、前面扉21の下端においてスロットマシン10前方に突出させて形成されており、上方に開放されたメダルの貯留領域を有している。
操作領域24とメダル受け皿25とは縦方向に離間されており、これらの間には装飾パネル部26が設けられている。装飾パネル部26には、スロットマシン10の機種に対応したキャラクタや模様などの装飾が付されている。
操作領域24の左右両側とメダル排出口25aの左右両側には、図1に示すように、遊技者に遊技状態等を音声により報知するスピーカが内蔵された左右一対の音声出力部157が上下に離間して設けられ、合計4箇所から音声が出力可能とされている。
操作領域24の上面においてメダル投入口155aの左方には、表示装置112における演出の内容を切り替えるべく操作される操作用ボタン154が設けられている。当該操作用ボタン154の操作による演出内容の切り替え態様としては、1ゲームの途中で所定の表示演出が表示装置112にて実行された場合に、操作用ボタン154の操作に伴い表示装置112における表示演出が特定の演出に進行する態様や所定の画像が表示される態様が挙げられる。また、他の態様としては、1ゲームの表示演出として、選択される演出内容が相違する複数のモードが存在している状況下において、操作用ボタン154の操作に伴いモードが切り替えられる態様が挙げられる。また、操作用ボタン154の操作が演出として実行されるのではなく、例えば操作用ボタン154の操作に伴い表示装置112にて本スロットマシン10の遊技内容の説明がなされる構成や、本スロットマシン10の遊技履歴の内容が表示される構成が挙げられる。
上記構成のスロットマシン10の遊技の流れについて簡単に説明する。
まずメダル投入口155aへのメダルの投入操作及びクレジット投入ボタン152の押圧操作の少なくとも一方に基づいて、メダル及び仮想メダルの少なくとも一方が投入される。この場合、1枚のメダル又は1枚の仮想メダルが投入された場合には、中央ラインL1が有効ラインに設定され、メダル及び仮想メダルの投入総数が2枚となった場合には、中央ラインL1、上ラインL2及び下ラインL3が有効ラインに設定され、メダル及び仮想メダルの投入総数が3枚となった場合には、中央ラインL1、上ラインL2、下ラインL3及び一対の斜めラインL4,L5が有効ラインに設定される。
なお、メダル及び仮想メダルの投入総数が既に3枚となっている状況でさらにメダル投入口155aへのメダルの投入が行われると、その投入されたメダルは仮想メダルとしてクレジットされる。
メダル及び仮想メダルの投入総数が所定数(例えば3枚)である状況でスタートレバー151が押下げ操作されることにより、内部抽選が実行されるとともに各リール102L〜102Rの回転が開始される。その後に、各ストップボタン153L〜153Rが順次、押圧操作されることにより、それぞれ対応するリール102L〜102Rの回転が順次停止される。この場合に、内部抽選において当選となっている役に対応した図柄に対して有効ライン上への引き込み制御が実行される。具体的には、所定のストップボタンが押圧操作されたタイミングでは、対象となるリールについて当選役に対応した図柄が有効ライン上に存在していない場合であっても、当該図柄が有効ラインに対して上流側に存在する所定個数(例えば4個)の図柄の中に含まれているのであれば、有効ライン上に引き込んで停止させる構成となっている。当該構成において、「ベル」図柄や再遊技図柄については各リール102L〜102Rにおける配置間隔が、上記引き込み制御の範囲内となるように設定されているのに対して、「スイカ」図柄、「チェリー」図柄、「7」図柄及び「
BAR」図柄については各リール102L〜102Rにおける配置間隔が、上記引き込み制御の範囲外となり得るように設定されている。
全リール102L〜102Rが停止した場合には、いずれかの有効ラインL1〜L5上に、内部抽選において当選となった役の入賞が成立しているか否かの入賞判定が行われ、入賞が成立していると判定された場合には、その入賞に対応した特典が遊技者に付与される。例えば、所定の小役の入賞が成立している場合には、その小役に対応した数のメダルが遊技者に払い出されるように制御される。この場合、クレジットされた仮想メダルの数が最大数(例えば50枚)未満である場合には、当該最大数の範囲内において仮想メダルとしてクレジットされる。一方、最大数に達している場合には、ホッパ装置32が駆動制御されて、実際のメダルとして遊技者に払い出される。また、再遊技の入賞が成立している場合には、再遊技が遊技者に付与されるように制御され、ビッグボーナスの入賞が成立している場合には遊技状態がビッグボーナス状態に移行するように制御され、レギュラーボーナスの入賞が成立している場合には遊技状態がレギュラーボーナス状態に移行するように制御される。
上記内部抽選及び各種制御は、主制御装置41により実行される。主制御装置41は、図4に示すように、筐体11内においてリールユニット101の上方に設けられている。主制御装置41は、上記内部抽選及び各種制御を実行するためのCPU43、ROM44及びRAM45が一方の板面に搭載された主制御基板42と、当該主制御基板42を収容する基板ボックス46と、を備えている。基板ボックス46は一対のケース体47(一方のケース体については図示略)を備えており、主制御基板42を板厚の方向に挟むようにしてこれら一対のケース体47が組み合わされていることにより、主制御基板42が基板ボックス46内に収容されている。各ケース体47は、基板ボックス46の外部からこれらケース体47を通じて主制御基板42を目視確認できるように透明(又は無色透明)な樹脂により形成されている。また、各ケース体47の縁部には、これらケース体47を結合させる結合構造48が複数設けられており、これら結合構造48は結合の解除に際して一部の破壊を要する構成となっている。したがって、基板ボックス46の内部空間が不正に開放された場合には、結合構造48に破壊箇所が残存することにより、当該不正開放の痕跡が残ることとなる。
なお、基板ボックス46に開放の痕跡を残すための構成としては、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成や、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成としても良いし、これら構成と上記結合構造48とを組み合わせても良い。
主制御装置41は、筐体11の背板部13に固定されている。具体的には、主制御装置41は、略長方形状をなす主制御基板42の形状に対応させて、略長方形状をなす表面及び裏面を有し且つ略直方体状に形成されている。また、基板ボックス46において当該表面を生じさせる壁部は、主制御基板42においてCPU43、ROM44及びRAM45が搭載された素子搭載面と対向している。
主制御装置41は、支持ユニット51を介して背板部13に固定されている。支持ユニット51は、図示による詳細な説明は省略するが、背板部13に固定された支持台座52と、当該支持台座52に対して下端部を回動軸として前後に回動可能に支持された支持部材53と、を備えている。支持台座52には、左右一対の支持フック54が一体形成されており、支持部材53を支持台座52に前方から重ねた状態では当該支持部材53が支持台座52に固定され、当該支持部材53の前方への変位が規制される。支持フック54により固定された状態の解除操作は、前面扉21を開放状態とした場合に筐体11の前面開
口部側から当該支持フック54を弾性変形させることにより行うことが可能であり、この解除操作に際しては部材の破壊を要しない。
主制御装置41は、その下側領域が支持部材53に対して上側から挿入され、支持部材53に固定されている。当該固定は、その解除に際して所定の部材の破壊を要し、固定解除の痕跡が残る構成となっているが、ネジなどを利用することにより、固定の解除に際して破壊を要しない構成としてもよい。支持部材53に主制御装置41が固定された構成において、基板ボックス46の表面部であって主制御基板42の素子搭載面と対向する領域は支持部材53により覆われていない。したがって、主制御装置41が支持部材53に固定された状態であっても、基板ボックス46の外部からの素子搭載面の視認性は確保されている。主制御装置41が一体化された支持部材53が支持台座52に重ね合わせられ、主制御装置41が初期位置に配置されている状態では、主制御装置41の裏面は筐体11の背板部13に対向することとなり、主制御装置41は起立した状態となる。
上記のように主制御装置41が背板部13に固定されていることにより、主制御装置41が筐体11の前面開口部から遠い位置に存在することとなり、当該前面開口部から不正用治具を挿入して主制御装置41に不正を施そうとしてもそれが行いづらくなる。また、主制御基板42の素子搭載面がスロットマシン10前方を向くことにより、前面扉21を開放状態とすれば素子搭載面を容易に目視確認することが可能となり、不正有無の確認の容易化が図られる。
一方、主制御装置41が一体化された支持部材53が支持台座52から離間されるように前方に回動された場合には、主制御装置41の上端を筐体11の前面開口部側に引き出すことが可能となる。この状態では、主制御装置41の上端の位置が、各リール102L〜102Rの前後方向の中心よりも前方であって筐体11の前面開口部よりも後方の位置となるように、当該主制御装置41を前方に引き出すことが可能となる。これにより、主制御装置41をより近い位置にて目視確認することが可能となる。
次に、上側表示ユニット200の構成について、図5から図8を主に参照して説明する。図5は、上パネル部131aを透視した状態を示す正面図であり、図5は、動作部材としての波部材201〜203の正面図であり、図5(a)は通常状態を示し、図5(b)は最大移動状態を示している。また、図6は、前側から見た上側表示ユニット200の斜視図、図7は、前側から見た上側表示ユニット200の分解斜視図、図8は、後側から見た上側表示ユニット200の分解斜視図である。ここで、図7および図8においては、上側表示ユニット200を構成する横側装飾部材227は省略して示している。
上側表示ユニット200は、図3に示すように、表示窓部27の上側に設けられ、表示窓部27の左右両側および下側部分を形成する部材と共に表示ユニット111の一部を構成する部材である。上側表示ユニット200は、表示装置112の前側に設けられ、その背面側に表示装置112と、表示装置112の表示内容を制御する表示制御装置114とが重なるようにして取り付けられている。図1に示すように、上パネル部131aの中央部分には、表示装置112の表示面112aが正面側から視認可能に配置され、その表示面112aの前側に上側表示ユニット200が遊技者から視認可能に設けられて表示装置112の表示面112aで行われる平面的な演出に対して、その前側に立体的な動作部材による演出を付加している。
上側表示ユニット200は、図5(a)に示すように、上パネル部131aを透視した状態において中央部に横長矩形状の表示用開口部211が設けられ、この表示用開口部211を通じて表示装置112の表示面112aが遊技者から視認可能とされる。表示用開口部211の下側には、魚を模した形状にて前側に膨出して形成された透光性を有する合
成樹脂で形成されたキャラクタ部212が中央に設けられ、キャラクタ部212の左右両側には、キャラクタ部212の背景を形成する背景部213が左右方向に延びる形状に形成されている。この背景部213は、銀色に表面が着色された合成樹脂により形成されている。背景部213の両端部分は、上パネル部131aの外縁形状に沿って斜め上側に上がるようにして形成され、上パネル部131aから視認可能な範囲の下側部分の左右方向全域にわたる装飾部とされている。
表示用開口部211の左右両側には、図5(a)に示すように、左右方向における中央側(詳細には上側表示ユニット200の中央側であり、スロットマシン10の中央側)に向かう波を模した波部材201〜203が左右に各3個ずつ、計6個設けられている。波部材201〜203は、表示用開口部211の左右方向における中央線で線対称となるように左右対称に形成されている。左右における片側3個の波部材201〜203は、手前の下側に位置する一番小さな小波部材203と、前後および上下における中央に位置する中波部材202と、奥側で上側に位置する大波部材201とにより構成されている。これら波部材201〜203は、左右両側から中央側に向かって移動可能に設けられ、通常の遊技状態においては、図5(a)に示すように、左右両側に離間して配置されている。この通常状態に対して波部材201〜203が最大に移動した最大移動状態では、図5(b)に示すように、大波部材201が中央部分で僅かな隙間を隔てて配置され、中波部材202が大波部材201の左右両側に配置され、更にその両側に小波部材203が配置される。
上側表示ユニット200は、図7に示すように、各部品を一体化して支持する取付ベース221と、大波部材201を動作可能とするための後側動作機構部222と、小波部材203および中波部材202を動作可能とするための前側動作機構部223と、前面下側を装飾する下側カバー224と、中継基板231を取付ベース221に固定するための中継基板ユニット225と、電子部品を覆う保護カバー226とを有している。
下側カバー224は、図8に示すように、上記したキャラクタ部212と、背景部213の他に、透過部214を備えている。透過部214は、背景部213の裏面側に設けられ、背景部213の一部が開口形成されることにより、その開口部を通じて遊技者から視認可能とされた透光性を有する合成樹脂製の部材である。キャラクタ部212および透過部214の裏面側には、図7に示すように、LEDが搭載された基板407が位置し、この基板407は表示制御装置114に電気的に接続されている。基板407上のLEDは、スタートレバー151を操作して行われる抽選結果等、遊技の状態に対応した色および点灯間隔で発光するように、表示制御装置114によって制御され、キャラクタ部212と透過部214が遊技の状態に対応して発光する。これらキャラクタ部212および透過部214は、背景部213を形成する部材にネジにより固定されて一体化された状態で、背景部213の左右両側に設けられる横方向に貫通した固定穴のある取付部215により、その後側に位置する取付ベース221に固定される。
取付ベース221は、図7に示すように、合成樹脂により前側が開放された横長箱状に形成されている。この取付ベース221に対して後側動作機構部222や前側動作機構部223等が取り付けられると、箱状部分の内側に6つの波部材201〜203が配置されて一体化された上側表示ユニット200が形成される。取付ベース221の外周部分には、外方に突出し、前後に貫通する取付孔が設けられたベース取付部241が設けられ、このベース取付部241にネジが挿通されて前面扉21に上側表示ユニット200が固定される。
取付ベース221の背面側には、図8に示すように、左右両側において後方に向けて円筒状に突出する表示装置取付部242が複数設けられ、この表示装置取付部242に表示
装置112がネジにより固定される。また、表示装置取付部242の近傍には、左右両側において後方に突出する制御装置取付部243が設けられ、制御装置取付部243には、表示制御装置114が後側における上方から下方にスライド移動させた後にネジにより固定される(図3参照)。取付ベース221の中央部分には、表示装置112の表示面112aと略同一のサイズに形成された横長のベース窓部244が設けられ、このベース窓部244を通じて表示装置112の表示面112aが遊技者から視認可能とされる。
後側動作機構部222は、大波部材201を左右方向に動作させる機構部分であり、図7に示すように、左右対称形状とされている。そこで、右側の後側動作機構部222について、図7および図8に加えて図9から図11を参照して説明する。図9は、後側動作機構部222の右側部分における分解斜視図であり、図10および図11は、斜め後側および背面側から見た大波部材201の動作説明図であり、図10(a)および図11(a)は、大波部材201の通常状態を示し、図10(b)および図11(b)は、大波部材201の最大移動状態を示している。なお、図10および図11においては、後側動作機構部222の右側部分における構成部材のうち一部の部材のみを示している。
後側動作機構部222は、図7に示すように、大波部材201を移動可能に支持する後側支持軸301と、後側支持軸301に下端部が挿通されて左右方向に移動する大波部材201と、大波部材201を駆動する後側モータ302と、大波部材201の背面側を装飾する奥側装飾部材303等を有している。
大波部材201は、後側モータ302が作動することによって左右に移動可能とされている。大波部材201を動作させるために、後側動作機構部222は、図9に示すように、ステッピングモータにより構成された後側モータ302と、大小2つのギヤ304,305と、後側アーム306とを有している。
取付ベース221には、図7に示すように、ベース窓部244の左右両側における壁面であって上下方向における中央よりもやや下側に前後に貫通する円形状のベース軸穴245が設けられている。後側モータ302は、そのベース軸穴245に対して回動軸302aが挿通され、本体部分が取付ベース221の背面側にネジにより固定される。後側モータ302は、図示しない配線を介して、表示制御装置114に接続され、表示制御装置114の制御によってステップ数が制御されることにより、大波部材201が動作する。
後側モータ302の回動軸302aは、取付ベース221のベース軸穴245を通じて取付ベース221の前面側に突出するように配置される。この後側モータ302の回動軸302aは、円柱状の周面の一部を平面で切り欠いた形状に形成され、大小2つのギヤ304,305のうち小径の小型ギヤ305の取付穴305aが圧入される。
大小2つのギヤ304,305は、図9に示すように、ポリアセタール等の合成樹脂により円盤状に形成され、円周面上に軸と平行で互いに噛み合い可能な歯が設けられた平歯車により構成されている。大型ギヤ304は、小型ギヤ305に対して取付ベース221の左右方向における中央側となる位置において取付ベース221の前面側よりネジにより回動可能に取り付けられる。大型ギヤ304は、ネジが回動軸となるように中央部分が支持され、前後方向に延びる回動軸を中心として単体においては抵抗感が少なく自由に回動可能とされている。すなわち、大型ギヤ304の取付穴に対してネジの外周に隙間が設けられる外形にネジの外形が設定されている。この大型ギヤ304は、小型ギヤ305の歯に対して噛み合うように後側モータ302に取り付けられると、後側モータ302の回動に連動してその回動方向と同方向に小型ギヤ305が回動し、小型ギヤ305の回動方向とは逆の方向に大型ギヤ304が回動する。
大型ギヤ304を基準として小型ギヤ305が配置される側とは逆側、すなわち取付ベース221の中央側には、図10に示すように、大型ギヤ304に噛み合うギヤ部311が半円状の外周面に形成された合成樹脂製の後側アーム306が設けられている。後側アーム306のギヤ部311は、大型ギヤ304が設けられる取付ベース221の外側に外周面を有する半円板状に形成され、その中央部にネジが挿通されて取付ベース221の前面側にネジにより取り付けられている。
ギヤ部311の上端部分からは、図11(a)に示すように、上方に延出し、その上端部分は大型ギヤ304が配置される側が凹んだ緩やかな円弧状のアーム部312が略一定幅で設けられている。アーム部312の先端側には、円弧形状に沿った形状で前後方向に貫通する円弧溝部313が幅方向における中央部分に形成されている。後側モータ302の回動力は、大小2つのギヤ304,305を介して後側アーム306のギヤ部311に伝達され、後側モータ302の回動により、アーム部312が左右方向に揺動する。
大波部材201は、図9に示すように、正面視でほぼ同一形状の4つの板状部材を重ね合わせ、更に小型の部材を取り付けて構成される合成樹脂製の部材である。大波部材201は、一番前側に配置される大波前カバー321と、その背面側に配置される大波透明カバー322と、光を拡散する板状の大波拡散部材323と、LED等の発光手段および抵抗等の電子部品が搭載された大波発光基板324とを備え、これらがネジにより固定されて一体化されている。
大波部材201の上部は、図9に示すように、右回りに渦を巻く波形に形成され、その渦の中心部分に相当する部位は、大波前カバー321、大波透明カバー322および大波拡散部材323に前後方向に貫通する円形の貫通穴が設けられている。その貫通穴には、外形が円形で中央部分が前側に膨出する透明で合成樹脂製の大波中央レンズ325が後側から入り込み、大波前カバー321と大波発光基板324とに挟まれて固定されている。大波前カバー321の貫通穴は、大波中央レンズ325を囲う筒状の壁によって形成され、大波中央レンズ325と大波透明カバー322の部位とは、互いの発光色が相手側に漏れないものとされている。
大波部材201は、図7に示すように、取付ベース221によって形成される箱内の上下幅と略同一の高さに形成されている。大波部材201の下端部には、その背面側からネジにより合成樹脂製の大波スライドベース326が取り付けられている。
大波スライドベース326は、図9に示すように、前後方向に厚みを有するベース部331を備え、そのベース部331の左右両側端部にて前後方向に貫挿されるネジにより大波前カバー321に固定される。大波スライドベース326のベース部331の下側には、横長で前側に膨出し、左右方向における両側に略正方形状の棒挿通孔332を形成する挿通部333が設けられている。挿通部333の棒挿通孔332には、鋼材により形成された断面円形で棒状の後側支持軸301が挿通され、この後側支持軸301が取付ベース221の下端部分に固定される。大波部材201は、後側支持軸301に挿通された挿通部333によって左右方向にスライド移動可能に下側部分が支持されることとなる。
後側支持軸301は、図7に示すように、取付ベース221の下部における左右両側と中央部分に形成される前方側に開放したコ字状の後側軸受け部246に入り込んで配置される。この配置状態において、前側動作機構部223が取付ベース221に固定されることで後側支持軸301は前側への移動が阻止されて固定される。
大波部材201の上側部分には、図9に示すように、大波透明カバー322の上端部より上方に突出する突出部が設けられ、この突出部には、その周りを覆う大きさで内側部分
が突出部に係合して固定されるスライドカバー327が突出部の上側から取り付けられている。スライドカバー327は、青色の不透明な合成樹脂により形成され、上側の縁部分が後方に突出し、取付ベース221の上側部分に設けられる溝に縁部分が入り込んで配置される。大波部材201が左右方向に移動する場合に、大波部材201の上側部分が取付ベース221によって支持され、下側部分が後側支持軸301によって支持される構造となり、大波部材201が移動方向に倒れたりせず、安定した移動を実現し、より高速に大波部材201が移動可能とされている。
大波拡散部材323および大波発光基板324には、図9に示すように、上下方向における中央より下側位置に、前後方向に貫通する円孔323a,324aが設けられている。大波透明カバー322の背面側には、大波透明カバー322および大波中央レンズ325の円孔323a,324a内に前側から挿通される円筒形状の固定ボス322aが設けられる。この大波透明カバー322の固定ボス322aの外径は、後側アーム306の円弧溝部313の幅より僅かに小さく設定されている。大波透明カバー322の固定ボス322aは、図10(a)に示すように、後側アーム306の円弧溝部313に入り込み、固定ボス322aの後端部に円弧溝部313の幅より大きな外形の頭部を備えたネジが取り付けられる。後側アーム306がギヤ部311の中心を基準として回転した場合には、後側アーム306の円弧溝部313内を固定ボス322aが相対的に移動し、大波部材201は後側支持軸301の軸方向に沿って移動する。
大波スライドベース326における大波部材201の移動方向とは逆側となる移動方向基端側の上部には、図9に示すように、略矩形状に形成された大波検知部334が設けられている。この大波検知部334は、非接触式のフォトセンサ307の検知範囲に相当する溝内に挿通するように配置され、このフォトセンサ307が取付ベース221の前面側に固定される。大波検知部334がフォトセンサ307によって検知された状態においては、図7に示すように、左右の大波部材201が左右方向に最大に離間し、この離間状態が大波部材201の基準位置とされ、この基準位置が通常状態とされている。電源投入時における初期化処理において大波部材201が基準位置に無い場合、大波部材201が基準位置に近づくように後側モータ302が表示制御装置114によって駆動制御され、大波検知部334がフォトセンサ307に検知されることで大波部材201が基準位置に配置されたことを表示制御装置114が認識する。遊技が開始された後の通常状態においては、基本的に大波部材201は基準位置に配置され、演出の内容等において中央側に大波部材201を移動させる場合には、その移動が必要な量に対応した回転量分、後側モータ302が駆動される。
後側アーム306の後側には、取付ベース221の奥側の壁面における左右両側部分を覆う前後一対で構成される奥側装飾部材303が設けられている。奥側装飾部材303は、図9に示すように、前後方向に厚みを有し、水の流れを模した揺らいだ状態を前後の起伏により表現した合成樹脂製の板状部材を2枚重ねて形成される部材であり、取付ベース221の開口奥側の面に前面側よりネジで固定される。
奥側装飾部材303のうち前側に配置される奥側前部装飾部材341は、図9に示すように、青色に着色された有色透明な合成樹脂により形成され、その一部に相当する中央部分に縦長の前側開口341aが設けられ、また、左右両側端が奥側後部装飾部材342よりも部分的に細幅となるように左右方向に曲がって形成されている。奥側後部装飾部材342は、合成樹脂の表面全体がメッキ又は塗装により銀色に着色され、前側開口341aおよび左右両側部分が奥側前部装飾部材341に隠されずに前面側から視認可能に露出される。
奥側前部装飾部材341において取付ベース221の壁側となる外側部分の下端部には
、図9に示すように、前後に厚みを有する円形状の部位が設けられている。この円形状の部位の後側には小型ギヤ305が配置され、小型ギヤ305の前側への外れが防止されると共に、前面側から小型ギヤ305が直接視認されることを防止し、見栄えを良いものとしている。
右側の大波部材201の後側には、図9に示すように、前後に厚みを有するようにして中継基板231が前面側に取り付けられた中継基板ユニット225が設けられている。中継基板ユニット225は、上側部分に縦長の中継基板231が取り付けられ、その下側が後側モータ302の背面側を覆うように後側に膨出し、更に下側に延出した部位が前側動作機構部223の前側モータ402の背面側を覆う透明樹脂製の中継基板ベース232を有している。また、中継基板ベース232は、図8に示すように、中継基板231に設けられるコネクタを背面側に露出する開口が設けられると共に、配線を掛け止めする鉤形の部位が設けられている。
左側の大波部材201の後側には、図8に示すように、前側動作機構部223および後側動作機構部222を構成する2つのモータ302,402の背面側を覆う保護カバー226が設けられている。この保護カバー226は、上述した中継基板ユニット225における中継基板231が設けられる上側部分を除いた形状に近い形状であり、2つのモータ302,402の背面側を覆うように後側に膨出し、配線を掛け止めする鉤形の部位が設けられている。
前側動作機構部223は、中波部材202および小波部材203を左右方向に移動可能にするための機構部分であり、図7に示すように、左右対称形状とされている。そこで、右側の前側動作機構部223について、図7および図8に加えて図12から図19を参照して説明する。図12は、前側動作機構部223の右側部分の分解斜視図であり、図13は、前側動作機構部223の右側部分におけるリンク部材452に関連する部材を斜め前側および斜め後側から見た分解斜視図であり、図14から図16は、正面側、斜め後側および後側から見た小波部材203の動作説明図であり、図14(a)から図16(a)は、小波部材203の通常状態を示し、図14(b)から図16(b)は、小波部材203の最大移動状態を示している。図17から図19は、斜め後側および後側から見た小波部材203および中波部材202の動作説明図であり、図17(a)から図19(a)は、中波部材202および小波部材203の通常状態を示し、図17(b)および図19(b)は、中波部材202および小波部材203の最大移動状態を示している。
前側動作機構部223は、図12に示すように、中波部材202および小波部材203を移動可能に支持する前側支持軸401と、前側支持軸401に下端部が挿通されて左右方向に移動する中波部材202および小波部材203と、中波部材202および小波部材203を駆動する前側モータ402と、これら部材を一体化する前側ベース403等を有している。前側ベース403は、合成樹脂により横長に成形された部材であり、図8に示すように、取付ベース221の横幅と略同一の横幅に形成され、取付ベース221に対して下側部分に前側からネジにより固定される。
中波部材202は、図12に示すように、正面視でほぼ同一形状の4つの板状部材を重ね合わせ、更に小型の部材を取り付けて構成される合成樹脂製の部材であり、小波部材203も同様の構成とされている。これら中波部材202および小波部材203の構成は、上述した大波部材201と同様の構成であり、中波部材202および小波部材203は、前カバー411,431と、透明カバー412,432と、拡散部材413,433と、発光基板414,434と、中央レンズ415,435と、スライドベース416,436とを有する構成とされている。この構成は、大波部材201と同様の構成であるため、同一の構成の部分の説明は省略して異なる部分のみを説明する。
中波部材202と小波部材203は、図5(a)に示すように、大波部材201の手前側に配置され、手前側から次第に大きくなる順に配置されている。中波部材202は、大波部材201の上部中央部分に設けられる大波中央レンズ325の下側に上端が位置する高さに設定され、中波部材202の中波中央レンズ415の下側に小波部材203の上端が位置するように小波部材203の高さが設定されている。3つの波部材201〜203は、いずれも下側部分が支持軸301,401に支持され、中波部材202と小波部材203とはこの下側部分のみによって支持される構成とされ、大波部材201のスライドカバー327のように上側部分を支持する構成を有しないものとされている。
中波部材202の下端部には、図12に示すように、その背面側からネジにより合成樹脂製の中波スライドベース416が取り付けられている。中波スライドベース416は、前後方向に厚みを有するベース部421を備え、そのベース部421に前後方向に貫挿されるネジにより中波前カバー411に固定される。中波スライドベース416のベース部421の下側には、横長で前側に膨出し、左右方向における両側に略正方形状の棒挿通孔422を形成する挿通部423が設けられている。この挿通部423の棒挿通孔422には、鋼材により形成された前側支持軸401が挿通され、この前側支持軸401は前側ベース403の前面側に固定される。中波部材202は、前側支持軸401に挿通された挿通部423によって左右方向にスライド移動可能に下側部分が支持されることとなる。なお、前側支持軸401は、前側ベース403の前面における左右両側と中央部分に形成される前方側に開放したコ字状の前側軸受け部403aに取り付けられ、前側ベース403の前面側に設けられる前側カバー404の一部が前側軸受け部403aの開放部分に位置して前側支持軸401の前側への移動が阻止される。
小波部材203の下端部にも、図12に示すように、その背面側からネジにより合成樹脂製の小波スライドベース436が取り付けられている。小波スライドベース436は、前後方向に厚みを有するベース部441を備え、そのベース部441に前後方向に貫挿されるネジにより小波前カバー431に固定される。小波スライドベース436のベース部441の下側には、横長で後側に膨出し、左右方向における両側に略正方形状の棒挿通孔442を形成する挿通部443が設けられている。この挿通部443の棒挿通孔442にも前側支持軸401が挿通され、前側支持軸401が前側ベース403の前面に固定される。
中波スライドベース416の挿通部423における前側部分は、図12に示すように、左右方向に開放した横長矩形状の横長溝部424が設けられ、この横長溝部424の左右方向の長さは小波スライドベース436の挿通部443より十分に長く、その挿通部443の縦幅に対して横長溝部424の縦幅はわずかに長く設定されている。横長溝部424の奥行きは、小波スライドベース436の挿通部443の後側への突出長さと略同一に形成され、小波スライドベース436の棒挿通孔442と中波スライドベース416の棒挿通孔422とが一致するのに十分な奥行きとされている。このため、中波スライドベース416の挿通部423に小波スライドベース436の挿通部443を前側より入り込ませた状態で、中波部材202および小波部材203を前側支持軸401に取付可能とされている。この取付方法により、中波スライドベース416および小波スライドベース436の棒挿通孔442に前側支持軸401が挿通されると、中波スライドベース416の挿通部423の内面に対して小波スライドベース436の挿通部442が左右方向に隙間が設けられる分の長さ範囲において相対的に移動可能となる。
小波部材203の下側には、図14に示すように、コイルバネにより構成された小波付勢部材405が設けられている。小波付勢部材405は、小波部材203を左右方向における中央側に付勢するものであり、その一端が前側カバー404の左右方向における中央
部寄りの固定側係合部404aに掛け止めされ、他端側が小波部材203における小波前カバー431の下側面より下方に突出する可動側係合部431aに掛け止めされている。小波付勢部材405は、前側支持軸401に対して前側で前側支持軸401に上端部が重なる高さ位置に設けられており、前側支持軸401より低い高さ位置で、前側支持軸401と略平行に配置されている。
小波付勢部材405は、小波部材203に対して全移動範囲において中央側へ付勢力が付与される設定とされている。詳細には、図5(a)に示すように、小波部材203が表示用開口部211の縁に近い外側に配置された通常状態から、図5(b)に示すように表示用開口部211の左右方向における中央側に最大限移動した最大移動状態までの全範囲において小波付勢部材405が単体の状態より伸ばされた状態となる長さに設定されている。
小波部材203は、図15(b)に示すように、中波部材202を除いた単体の状態で前側支持軸401に支持された状態とした場合には、小波付勢部材405の付勢力によって小波付勢部材405の長さが最小となる位置に配置される。この小波付勢部材405の長さが最小となる位置は、小波部材203が最大移動状態とされる位置であり、小波スライドベース436における挿通部443とベース部441との間において小波スライドベース436の移動方向先端側に向くストッパ面444が、前側ベース403のストッパ部403bに当接している。このストッパ部403bと小波スライドベース436のストッパ面444は、前後方向においては小波付勢部材405と前側支持軸401との間に位置し、左右方向においては小波付勢部材405の両側端部で掛け止めされる部位の間部分であって、小波スライドベース436の挿通部443の左右方向両端の間部分に位置している。これにより、小波付勢部材405の付勢力を大きく設定しても、ストッパ面444とストッパ部403bとの当接部分を小波付勢部材405と前側支持軸401との両部材に近づけることができ、小波スライドベース436における小波付勢部材405の係合部分と前側支持軸401との間に生じる曲げ力を低くして破損防止をすることができる。
小波スライドベース436における挿通部443の下側には、図16(a)に示すように、前後方向に厚みを有し、左右方向に長く形成された矩形状の小波支持板445が下方に延出するようにして設けられている。小波支持板445に対応して前側ベース403には、小波支持板445が入り込み可能に上側および後側が開口し、前側、下側および左右両側が塞がれた凹み部403cが設けられている。この凹み部403cは、図16(a)に示す小波部材203の通常状態において上側表示ユニット200の外側に相当する移動方向基端側端部が近接し、図16(b)に示す小波部材203の最大移動状態において中央側に相当する移動方向先端側端部が近接する大きさに設定されている。
小波支持板445の下側端縁は、図15(a)に拡大して示すように、前側に突出する鉤状の断面形状に形成され、前側に横長線状に突出する小波突条係合部446が形成されている。小波突条係合部446の前側端部は、前側ベース403の凹み部403cの前側壁に当接し、小波部材203の左右方向における移動時には、小波突条係合部446の前側端部と前側ベース403の凹み部403cとが接触して摺られつつ移動する。小波部材203に対して前側支持軸401を軸として後側へ回動する力が加えられた場合には、前側支持軸401の下側に位置する小波支持板445は前側へ移動しようとするものの、小波突条係合部446が前側ベース403に当接するため回動が阻止される。
前側ベース403の凹み部403cにおける前側の壁面には、図15(a)に一部拡大視して示すように、左右方向における中央部から後側に突出する横長の小波突条受け部403dが小波突条係合部446の上側に重なる突出量で設けられている。この前側ベース403の小波突条受け部403dが小波部材203の小波突条係合部446の上側への移
動を規制すると共に、小波部材203の前側支持軸401を中心とした回動力により小波部材203および前側ベース403が変形を伴い回動することを制限する。
中波部材202および小波部材203は、前側モータ402が作動することによって左右に移動可能に設けられている。中波部材202および小波部材203を動作させるために、前側動作機構部223は、図12に示すように、ステッピングモータにより構成された前側モータ402と、前側モータ402の回動軸402aに固定されるクランク部材451と、クランク部材451に一端側が連結されるリンク部材452と、リンク部材452の他端側に連結される前側アーム453とを有している。
前側モータ402は、図12に示すように、前側ベース403の左右両側で上方に開口した縦長溝状の軸挿通部403eに回動軸402aが挿通され、本体部分が前側ベース403の背面側にネジにより固定される。前側モータ402は、図示しない配線を介して、表示制御装置114に接続され、表示制御装置114の制御によってステップ数が制御されることにより、中波部材202および小波部材203が動作する。
前側モータ402の回動軸402aは、前側ベース403の軸挿通部403eを通じて前側ベース403の前面側に突出するように配置される。この前側モータ402の回動軸402aは、円柱状の周面の一部を平面で切り欠いた形状に形成され、クランク部材451の軸取付穴461が挿入され、回動軸402aに垂直な方向側からネジにより固定されている(図17(a)参照)。
クランク部材451は、合成樹脂により成形され、前側モータ402の回動軸402aの回動力を回動軸402aから離間した位置に伝達するように設けられた部材である。クランク部材451は、図13(a)および図13(b)に示すように、前側モータ402の回動軸402aが挿通される筒状の回動軸部462と、回動軸部462における前側モータ402の先端側から回動軸402aから離間する軸に垂直な方向側に延出する延出部463とを有し、延出部463の先端部分は、延出部463に対して回動軸部462とは反対側となる後側であって回動軸402aと平行な前後方向に筒状に突出するリンク取付部464が設けられている。このリンク取付部464の前側には、リンク部材452の一端側が位置し、リンク部材452がネジにより連結されている。
リンク部材452は、図13(a)に示すように、合成樹脂により左右方向に長手方向を有する棒状に形成され、その両側端部には、前後方向に貫通する軸穴471,472が設けられている。クランク部材451が設けられる一方側の軸穴471は、クランク部材451のリンク取付部464とネジによって連結され、他方の軸穴472は、前側アーム453の一部に対して後側からネジが挿通されることにより連結される。リンク部材452の両軸穴471,472に挿通されるネジは、軸穴471,472より頭部が大きく、また軸部分が軸穴より若干小さい設定とされ、リンク部材452の両端部がクランク部材451と前側アーム453に対して回動可能に連結されている。
リンク部材452を基準としてクランク部材451が配置される側とは逆側、すなわち前側ベース403の中央側には、図12に示すように、リンク部材452の一端側が連結固定される前側アーム453が設けられている。前側アーム453は、リンク部材452の移動量を増大して中波部材202に伝達する部材であり、図13(a)に示すように、上下方向に延びて前後方向に厚みを有する略一定幅の板状に形成された本体部482を有している。この本体部482の下側部分には、2つの軸穴483,484が設けられ、上側の軸穴484にリンク部材452の一端側が連結される。クランク部材451における本体部482の上側部分には、前側アーム453の長手方向に沿った長穴481が前後方向に貫通するようにして設けられている。
前側ベース403の前面側であって前側モータ402に対して中央側には、図12に示すように、前方に突出する円筒状のアーム軸403fが設けられている。このアーム軸403fは、前側アーム453の下側の軸穴483に対して僅かな隙間が形成されるように軸穴483より一回り小さな外径に設定され、前側アーム453がアーム軸403fを中心として回動自在とされている。なお、アーム軸403fに対して前側から前側アーム453の下側の軸穴483を嵌め込んだ状態で更に前側からネジが固定され、このネジの頭部が下側の軸穴483より大径に形成されることにより、前側アーム453がアーム軸403fに対して前側に外れないように連結されている。
中波スライドベース416の裏面側には、図17に示すように、前側アーム453の長穴481が位置し、その長穴481を介した前側アーム453の裏面側からネジが挿通されることにより、中波スライドベース416が長穴481に連結されている。詳細には、中波スライドベース416の裏面側には、前側アーム453の長穴481の幅より僅かに小径に外形が形成された円筒状の軸部416a(図17(b)参照)が後方に突出するようにして設けられ、この軸部416aが長穴481の内側に位置し、その突端部にネジが固定されている。このネジの頭部が長穴481の幅より大径に形成されることにより、中波スライドベース416が長穴481を介して前側アーム453に連結されている。前側アーム453が下側の軸穴483を中心として左右に揺動すると、前側アーム453の長穴481が左右に移動することとなり、その移動に連動して中波スライドベース416は前側支持軸401の軸方向に沿って移動する。
クランク部材451における中波部材202および小波部材203の移動方向とは逆側となる移動方向基端側の端部には、図13(b)に示すように、略矩形の板状に形成された中波検知部473が設けられている。中波検知部473は、非接触式のフォトセンサ454の検知範囲に相当する溝内に挿通するように配置され、このフォトセンサ454が前側ベース403の前面側に固定される。中波検知部473がフォトセンサ454によって検知された状態においては、図7に示すように、左右の中波部材202が左右方向に最大に離間し、この離間状態が中波部材202の基準位置とされている。電源投入時における初期化処理において中波部材202が基準位置に無い場合、中波部材202が基準位置に近づくように後側モータ302が表示制御装置114によって駆動制御され、中波検知部473がフォトセンサ454に検知されることで中波部材202が基準位置に配置されたことを表示制御装置114が認識する。遊技が開始された後の通常状態においては、基本的に中波部材202は基準位置に配置され、演出の内容等において中央側に中波部材202を移動させる場合には、その移動が必要な量に対応した回転量分、前側モータ402が駆動される。
中波スライドベース416の裏面側には、図17(a)に示すように、左右方向に延びる線状にて後側に僅かに突出する中波後側支持部425が、前側支持軸401より上側に1カ所、前側支持軸401より下側に2カ所の計3カ所に形成されている。これら中波後側支持部425は、前側アーム453の前面に当接または近接し、中波部材202の後側へのブレを制限し、また、中波部材202における前側支持軸401を中心とした回動を制限する。
中波スライドベース416における挿通部423の下側には、図17(a)に示すように、前後方向に厚みを有し、左右方向に長く形成された矩形状の中波支持板426が形成されている。この中波支持板426の下側端縁は、上述した小波突条係合部446と同様に、前側に突出する鉤状の断面形状に形成され、前側に横長線状に突出する中波突条係合部が形成されている。中波突条係合部の前側端部は、前側ベース403の凹み部403cの下側の壁面に当接する。中波部材202に対して前側支持軸401を軸として後側へ回
動する力が加えられた場合には、前側支持軸401の下側に位置する中波支持板426は前側へ移動しようとするものの、中波突条係合部が前側ベース403に当接するため回動が阻止される。
前側ベース403の凹み部403cの下側の壁面には、図15(a)に示すように、後側に突出する横長の中波突条受け部403gが、中波突条係合部の上側に重なる突出量で設けられている。この中波突条受け部403gが中波部材202の上側への移動を制限すると共に、中波部材202の前側支持軸401を中心とした回動力により中波部材202および前側ベース403が変形を伴って回動することを制限する。
次に、上記のように構成された中波部材202および小波部材203の動作について、図5および図15から図19を参照して説明する。
中波部材202および小波部材203は、図5(a)に示すように、左右両側に離間した通常状態に対し、左右方向における中央側に最大限移動した最大移動状態(図5(b)の状態)まで移動可能とされている。通常状態においては、図18(a)に示すように、クランク部材451は、前側モータ402の回動軸402aに対して外側に相当する移動方向基端側に傾倒した状態とされている。この状態においては、リンク部材452を介してクランク部材451に連結される前側アーム453も移動方向基端側に傾倒し、この傾倒した状態の前側アーム453の長穴481内に中波スライドベース416の軸部416aが連結された中波部材202が通常状態として配置されている。
この通常状態における中波部材202の中波スライドベース416の挿通部423内においては、図19(a)に示すように、小波部材203の挿通部443が小波付勢部材405の付勢力により移動方向先端側に付勢され、小波部材203の挿通部443における移動方向先端側面443aと、中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423aとが当接している。このため、小波付勢部材405の付勢力は、中波部材202の挿通部423によって支持され、その付勢力は、中波部材202を移動方向先端側へ向けて移動をするための付勢力となっている。この付勢力は、前側アーム453、リンク部材452およびクランク部材451を通じて前側モータ402に伝達され、前側モータ402を構成するステッピングモータの磁力によって通常状態に対応する位置に保持される。
ここで、通常状態においては、図18(a)に示すように、リンク部材452の両側の軸穴471,472を結ぶ直線は、ほぼ水平とされ、クランク部材451の回動中心となる軸取付穴461と、リンク取付部464とを結ぶ直線は、水平に近い状態で僅かに5度程度斜め上側へ傾いている。小波付勢部材405の付勢力によってクランク部材451が回動させられる回動力は、クランク部材451の回動中心からリンク部材452が位置するまでの距離(詳細には軸穴471,472を結ぶ直線までの距離)に、リンク部材452に作用する力を乗じたものであり、クランク部材451が傾けば傾くほどに回動力は小さくなる、すなわちクランク部材451が回動しにくいものとなる。従って、通常状態においては、小波付勢部材405の付勢力に対して、その付勢力に対抗するための前側モータ402の制動力は小さくても良く、少ない制動力の前側モータ402でも、確実に小波部材203および中波部材202を通常状態に保持することができる。このクランク部材451の傾きがリンク部材452の軸穴471,472と同一直線上とされる場合には回動力は計算上零となるので、通常状態は、小波付勢部材405の付勢力の大きさに応じてクランク部材451の傾きを設定すれば制動力の少ないモータを用いてもクランク部材451が回動しない設定とすることができる。
通常状態に対して、前側モータ402がクランク部材451を起立する方向側へ回動す
ると、それに伴い、リンク取付部464がリンク部材452を前側アーム453の配置される移動方向先端側へ押し出すように動作する。リンク部材452によって前側アーム453が押されると、前側アーム453は、下側の軸穴483を中心に移動方向先端側へ揺動し、上部の長穴481も移動方向先端側へと移動する。長穴481と中波スライドベース416の軸部416aとの連結によって前側アーム453に連結された中波部材202も移動方向先端側へと次第に移動する。
最大移動量分のステップ数に前側モータ402の回動量が達すると、図18(b)に示すように、クランク部材451は垂直に起立した状態より更に移動方向先端側に傾倒した状態となり、前側アーム453も同様に、移動方向先端側に傾倒した状態となって、それに対応した位置まで中波部材202が移動して停止する。中波部材202は、通常状態から最大移動状態まで移動した場合に、中波スライドベース416の軸部416aの移動量分に相当するL2移動して停止する。
小波部材203は、図5に示すように、最大移動状態において、中波部材202よりも左右方向に離間して配置され、左右のそれぞれが中波部材202の移動量L2に比して少ない移動量L1に設定された部材である。小波部材203は、中波部材202の移動範囲の途中までは中波部材202と共に移動し、図15(b)に示すように、小波スライドベース436のストッパ面444が前側ベース403のストッパ部403bに当接すると小波部材203は最大移動状態となって停止する。この小波部材203が最大移動状態となったときには、中波部材202は、図18(b)に二点鎖線で示した位置に配置される。この状態においては、図19(a)に示すように、小波部材203の移動方向先端側面443aと、中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423aとが当接し続ける。小波部材203の最大移動状態を超えて中波部材202が移動方向先端側へと移動すると、小波部材203の移動方向先端側面443aから、中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423aが離間し、その離間する量は中波部材202の最大移動状態となったときに最大となる(図19(b)参照)。
上記した3種類の波部材201〜203は、以下のような状況で動作する。例えば、スタートレバー151が操作されて遊技が開始される前には通常状態(図5(a)参照)とされ、スタートレバー151が操作された後に予め設定した条件が成立すると最大移動状態とされる。例えば、スタートレバー151が操作された後の抽選にてビッグボーナスに当選した場合に50%の確率で最大移動状態(図5(b)参照)とされ、ビッグボーナスに落選した場合に0.1%の確率で最大移動状態とされ、遊技者が全てのストップボタン153L〜153Rを停止操作し終わると通常状態に復帰する。このように、所定の役に当選した場合と当選しない場合とで、波部材201〜203の移動させる確率を異ならせることで、ビッグボーナスの入賞を遊技者に期待させる演出として表示装置112の表示面112aにおける演出に加えて、又は当該演出に代えて3種類の波部材201〜203の動作による演出を遊技者に視認させることができる。所定の役に当選した場合と当選しない場合とで波部材201〜203の移動確率を異ならせて設定することで、所定の役の入賞期待度を変化させることができる。
ここで、必ずしも3つの波部材201〜203の左右両側の全てを同時に動作させる必要はなく、片側の全部または一部のみを動作させても良いし、その移動量についても必ずしも最大移動状態となるまで全ての波部材201〜203を動作させる必要はなく、通常状態と最大移動状態との間の途中部分まで波部材を動作させ、その後に通常状態に戻るように3つの波部材201〜203のいずれか又は全てを制御しても良い。すなわち、3種類の波部材201〜203のうち、移動させる波部材の数、移動量、移動速度、左右方向に移動する回数、又はそれらの組合せ動作を、入賞が成立した役の種類や入賞、入賞の期待度に応じて異ならせることで、入賞成立役の予告または期待度を遊技者に示唆すること
ができ、また、入賞成立後に3種類の波部材201〜203を動作させて入賞成立を示唆する演出とすることもできる。例えば、ビッグボーナスの入賞期待度の高い場合に全ての波部材201〜203が動き、それに比べて中波部材202と小波部材203とが動いて大波部材201が動かない場合には、期待度が低くなるようにする等、動作させる波部材201〜203の態様を変化させることで、ビッグボーナスの入賞期待度を遊技者に示唆することができる。なお、これらの制御については、主制御装置41の抽選結果を表示制御装置114が受信し、表示制御装置114によるモータ302,402の制御によって実現できるものであり、一般的な制御であるため、制御についての詳細な説明は省略するが、表示制御装置114でのモータ302,402の制御に代えて、主制御装置41等の他の制御装置で制御するなど、一般的な他の制御でモータ302,402を制御しても良い。
上記したように、スロットマシン10は、前側モータ402によって変位可能な中波部材202と、小波部材203と、小波付勢部材405とを備え、中波部材202は、遊技開始前には通常状態(図5(a)参照)とされ、始動条件が成立した遊技回において最大移動状態(図5(b)参照)とされる場合がある。通常状態から最大移動状態へ遷移する過程のうち、中波部材202と小波部材203とが共に移動して小波部材203が最大移動状態となるまでの過程(第1過程)においては、前側モータ402からの駆動力に対して小波付勢部材405の付勢力が加えられた駆動力により中波部材202は変位する。第1過程の後に中波部材202が最大移動状態となるまでの過程(第2過程)においては前側モータ402からの駆動力に対して小波付勢部材405の付勢力が加えられない駆動力により中波部材202は変位する。
このため、移動開始段階に相当する第1過程においては、中波部材202の駆動力が小波付勢部材405によって増大されることとなる。静止状態における摩擦力等の抵抗は移動中における抵抗より大きく、この抵抗が大きい移動開始段階において小波付勢部材405による最大の付勢力が中波部材202の移動方向側に付加される。よって、移動に必要な前側モータ402の駆動力を低く設定しつつ中波部材202を前側モータ402の能力以上に素早く移動させることができる。従って、重量が嵩む中波部材202の最大移動状態への移動を短時間で済ませて、低コストで遊技者に驚きを与えることができる。
一方、第2過程においては小波付勢部材405の付勢力が加えられずに中波部材202が移動する。すなわち、この第2過程の区間は、小波付勢部材405の付勢力が中波部材202に加えられない。このため、最大移動状態から中波部材202が元の通常状態に復帰する際には、小波付勢部材405の付勢力が加えられていない最大移動状態において中波部材202が変位を開始し、中波部材202の移動中に中波部材202を小波部材203に当接させ、第1過程の区間においては中波部材202と小波部材203とを共に変位させることができる。従って、中波部材202の復帰時における移動開始時に小波付勢部材405の付勢力の影響を無くし、復帰動作に必要な前側モータ402の駆動力を抑えつつ小波付勢部材405の付勢力を高めに設定して中波部材202の素早い移動を効率良く実現することができる。
なお、中波部材202の移動量として小波部材203の最大移動量より少ない移動量を設定した場合、その設定位置から中波部材202を元の位置に復帰させようとすると移動開始時の抵抗力と小波付勢部材405の付勢力との重畳により中波部材202が通常状態側へ移動しない場合が起こり得る。部品の劣化や汚れの付着により摺動姓が低下する等、使用時間が増すと、その状況は次第に起こりやすいものとなる。これを回避するために、表示制御装置114による前側モータ402の制御として、上記した移動量で停止した後に小波部材203の最大移動量より大きく中央側へ移動した位置まで中波部材202を更に移動し、その後に、通常状態に相当する外側へ移動させる制御を表示制御装置114に
設定しておくことが好ましい。この制御を実行することにより、小波付勢部材405の付勢力等により中波部材202が通常状態に対応する位置に戻らない状況を低減することができる。この場合には、中波部材202の最大移動量まで中波部材202を更に移動させた後に外側へ移動させる制御とすることが、中波部材202の移動速度を増加させやすいものであり、好ましい。
また、中波部材202と小波部材203とは、それらが左右で各一対となって前側支持軸401に支持されているので、中波部材202および小波部材203の動作機構を小型に構成することができる。また、前側モータ402の制御のみによって複数の波部材202,203の動作を制御することができるので、制御プログラムを簡易にしつつ、複数の動作部材の制御を実現することができる。
また、前側支持軸401に対して前側に設けられる第1係合部としての小波部材203の可動側係合部431aにより小波付勢部材405の付勢力が小波部材203に伝達され、前側支持軸401に対して後側に設けられる第2係合部としての中波部材202の軸部416aにより前側モータ402の駆動力が中波部材202に伝達される。このため、前側支持軸401の前後に設けられる係合部により小波付勢部材405の付勢力と前側モータ402の駆動力とが付加されるので、前側支持軸401に対して力を伝達する係合部および動作機構の構成部材である前側モータ402や小波付勢部材405等を近づけて配置することができ、動作機構を一層小型に構成することができる。
また、小波部材203の挿通部443における移動方向先端側面443aと、中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423aとが直接当接することにより係合して中波部材202と小波部材203との移動方向に沿った駆動力が伝達され、その伝達部分は、前側支持軸401に近い前側支持軸401の周りに設けられている。このため、中波部材202の復帰動作時における衝撃力が前側支持軸401から離間する箇所に加えられて曲げ力が発生することが少なくなり、復帰動作時における破損を防止すると共に、別箇所に両波部材202,203の係合部分を設ける必要がなく、両波部材202,203の装飾や他の機能を設けるための設計自由度を高めることができる。
また、小波部材203は、前側支持軸401に対して挿通部443により支持され、遊技者によって波を模した装飾部分が視認可能に設けられ、中波部材202の高さよりも低く形成されて前側支持軸401に近い範囲内に形成され、更に、中波部材202よりも移動範囲が少なく設定されている。一方、中波部材202は、前側支持軸に対して挿通部423により支持され、その挿通部423には小波部材203の挿通部443が入り込み可能な横長溝部424が設けられ、その移動方向の先端側と基端側との両側にて前側支持軸401に支持されている。このため、小波部材203より大きな中波部材202を安定して移動させることができ、且つ、中波部材202と小波部材203の支持部分を小型に形成することができる。
また、前側モータ402の駆動力を伝達する部材として、クランク部材451と、リンク部材452と、前側アーム453とを備え、リンク部材452は、中波部材202および小波部材203の移動方向に沿った左右に延びる向きに配置されている。そして、クランク部材451は、その回動軸方向視において、通常状態では、回動中心となる軸取付穴461に対して中波部材202の移動方向先端側にリンク部材452と前側アーム453との連結部分(軸穴472)が位置し、移動方向基端側にリンク部材452とクランク部材451との連結部分(軸穴471)が位置している。この通常状態に対して最大移動状態となった場合においては、クランク部材451は、軸取付穴461に対して移動方向に垂直な上側にリンク部材452とクランク部材451との連結部分が位置するまで略80度の回動量分、表示制御装置114により回動制御される。
このため、クランク部材451の回動力に対して、通常状態を含む第1過程においては第1動作部材の移動方向側への駆動力が大きく作用し、その後においてはその移動方向側への駆動力が次第に低下する一方で変位量が増大して高速な変位動作が可能となる。第1過程においては小波付勢部材405の付勢力によりクランク部材451の回動力より大きな駆動力に対応した高い速度で中波部材202を移動させることができ、その第1過程の後においても中波部材202の高速移動をクランク部材451の変位動作方向側への変位量の増大によって継続させ易くすることができる。また、最大移動状態から復帰動作する初期段階においては、クランク部材451の回動力に対して小波付勢部材405の付勢力による損失がないため、クランク部材451の回動力に対する中波部材202の移動方向側への駆動力が低くても中波部材451の復帰動作を開始させ易くすることができる。よって、回動力を発生させる前側モータ402の動力を効率良く駆動力に変換することができ、部品コストを抑えつつ通常状態から最大移動状態への高速移動を実現することができる。
次に、各波部材201〜203の発光に関する構成について、図20以降を参照して説明する。3種類の波部材201〜203は、上記したように同様の構成であり、各波部材201〜203は左右対称の形状であるので、右側の大波部材201の構成を主に参照して説明する。図20は、前側から見た大波部材201の分解斜視図であり、図21は、大波部材201の主要部における正面図であり、図22は、図21のA−A線における大波部材の断面図である。
大波部材201は、図9に示すように、前後に並ぶ4つの板状部材を重ね合わせて形成され、図20に示すように、前側に大波前カバー321と大波透明カバー322が設けられ、後側に大波拡散部材323と大波発光基板324とが設けられている。大波前カバー321は、ABS等の合成樹脂の表面全体にメッキ又は塗装を施して銀色に着色された部材であり、波の外形を模した枠状に形成されている。
大波透明カバー322は、ポリカーボネート等の合成樹脂により無色透明な板状に形成され、大波前カバー321に設けられる貫通穴321a〜321cから前面側より視認可能に設けられている。大波透明カバー322は、図21に示すように、その大部分(図21に多数の点模様で示す範囲)が前面側から視認可能とされている。この視認可能な範囲は、上部の大波中央レンズ325を中心とした右回りの渦状に形成された大渦部511と、大渦部511の左側にて上下に離間して並んで設けられる2つの小渦部512とにより構成される。
大波部材201の裏面側を構成する大波拡散部材323と大波発光基板324は、図20に示すように、大波拡散部材323に前後に貫通する長方形状の貫通穴323b(大波拡散部材323の縁部分に形成される長方形状の一端側が開放された穴を含む)と同一位置に、大波発光基板324の表面に搭載される発光手段としての発光ダイオードで構成された渦LED521が配置されている。大波拡散部材323は、アクリル等の無色透明な合成樹脂により板状に形成され、板面内部に入り込んだ光を前面側に向けて照射する機能を有している。大波発光基板324に設けられる渦LED521は、大波発光基板324の板面と平行に、すなわち、前後方向に垂直な方向側に光を照射するLEDで構成され、例えば、RGBの3色の発光によりフルカラーの発光が可能なLEDにより構成される。
大波拡散部材323の貫通穴323bの内側には、図22に示すように、渦LED521が位置するように配置され、貫通穴323bの内面に垂直に(すなわち大波拡散部材323の板厚内)に渦LED521の光が入り込む。大波拡散部材323における大波発光基板324側の面には、多数の溝531により起伏が設けられ、この多数の溝531によ
り、渦LED521から大波発光基板324の板面内に入り込んだ光が反射し、大波部材201の前面側に光が照射される。
ここで、大波拡散部材323に形成される多数の溝531について、図22に加えて図23を参照して説明する。図23(a)は、大波部材201の正面視における大波拡散部材323の溝531の配置を示した図である。図23(b)は、大波拡散部材323および大波発光基板324の断面を模式的に示した図であり、渦LED521の中心を通り、照射方向に沿った断面を示している。
大波拡散部材323に設けられる多数の溝531は、図23(a)に示すように、大波部材201の正面視における全域にわたって多数設けられている。この多数の溝531は、渦LED521を中心とする同心円状に並ぶ円弧に沿って形成されるものであり、円弧の長さは中心角が基本的に略90度となる長さに設定されている。また、大渦部511および小渦部512から外側へはみ出した溝531は、僅かに外側まで延びるだけで、その外側より先に溝531は設けられず、中心角は90度より少なく設定されている。これら多数の円弧のうち中心角が略90度とされた円弧の中心を通る方向に渦LED521の照射方向の中心が向くように渦LED521が配置され、多数の溝531は、渦LED521の照射方向に対して左右に片側略45度ずつ広がりをもつ長さで形成されている。
渦LED521と、その渦LED521に対応する多数の溝531とは、図23(a)に示すように、多数の溝531の円弧中心に相当する位置に渦LED521が配置され、その渦LED521の発光方向側に対して広がる扇状に多数の溝531が形成される。以下においては、渦LED521を中心とする円弧の溝群で、基本的に扇状に形成された各溝群を扇状溝群532と称す。
扇状溝群532を構成する溝531は、渦LED521に近い位置に配置される溝531の方が幅が狭く深さが浅く設定され、渦LED521から一定以上の距離を隔てた溝531の方が幅が広く深さが深い複数の形状に設定されている。この構成により、扇状溝群532の先端側まで光が透過し易く、先端側において光を前側へ多く照射し易い構造としている。
多数の溝531のそれぞれは、図23(b)に示すように、渦LED521に近い側の内面が大波発光基板324に対して次第に離間するように略45度の角度で傾斜した傾斜面533で構成され、渦LED521から遠い側の内面は大波発光基板に対して垂直な垂直面534で構成されている。多数の溝531の深さは、大波拡散部材323の板厚の略半分程度であり、僅かに略半分より浅く設定されている。渦LED521から照射された光の略半分は、多数の溝531の傾斜面533に照射され、この傾斜面533によって半分以上の光が前方側に反射される。
渦LED521から照射された光のうち、一部の光は傾斜面533を通過し、傾斜面533の更に照射方向先端側に位置する垂直面534に照射される。傾斜面533の照射方向先端側が垂直面534で構成されることにより、傾斜面533を通過した光は大波拡散部材323の板面内に再び入り込み易く、更に照射方向先端側に位置する傾斜面533に照射されることとなる。多数の溝531によって大波拡散部材323の厚みが薄く形成された部分は、渦LED521の光を更に照射方向先端側へと導く部位である。この大波拡散部材323の板厚と溝531の深さにより、渦LED521からの距離に対する光の強さの減少度合いを設定することができる。
多数の溝531における傾斜面533と垂直面534との間に位置する溝の奥底側には、図23(b)に示すように、傾斜面533が形成される長さ(上下の長さ)より短い長
さで大波発光基板324と平行な奥側平面部535が設けられている。また、溝531と溝531との間部分における大波発光基板324に近い部位も大波発光基板324と平行な縁側平面部536が設けられている。これら平面部535,536を除いた傾斜面533に対応する部位が大波部材201の正面側に光を照射することとなり、平面部535,536を設けることにより、図23(a)に示す円弧に沿った形状に近い縞模様で大波拡散部材323が発光することとなる。
大渦部511は、図21に示すように、大波中央レンズ325に対して右下側から下、左側、上側を経由する右回りに連続し、大波部材201の右下側に延びるように形成されており、この大渦部511の連続する方向に向かって、図23(a)に示すように、渦LED521が光を照射する向きで点在するように離間し、扇状溝群532が間に並ぶようにして設けられている。
大渦部511の下側部分においては、上側表示ユニット200の中央上側に相当する左上側に向かって光を照射する向きで3つの渦LED521が設けられている。この3つの渦LED521が当該渦LED521に対応する扇状溝群532に対して隣に設けられる扇状溝群532に対応する他の渦LED521とは逆側の向きに光を照射するように配置され、下側を向く渦LED521と多数の溝531とで形成される扇状溝群532の隙間部分が埋められ、幅広く形成された部分の一部に暗い部位が存在せず、大渦部511の全体が発光可能となる。
大渦部511の下側部分は、上側表示ユニット200の下側カバー224によって前面側から視認不能となる部位であり、図23(a)に示すように、溝531が設けられない部分が存在する。また、2つの小渦部512に対しては、各小渦部512に対して1つずつ渦LED521が設けられ、各渦LED521に対応して1つずつ扇状溝群532が設けられている。
大波透明カバー322は、図22に示すように、多数の溝531が設けられる部位の前面側にて大渦部511の発光を構成する起伏が設けられている。具体的には、大渦部511のうち幅広の右側部分を形成する大波透明カバー322の断面形状について、前面側に相当する外面側は、幅方向における中央側が最も先端側に突出する前面頂部322bを形成し、その左右両側が次第に低くなる傾斜面で左右両側にて後側に凹んだ凹状断面となるように形成されている。
この前面頂部322bが連続する方向は、図23(a)に示すように、大渦部511の連続する方向に沿って設けられ、大部分の範囲において、多数の溝531に対して60度以上の大きな角度で交差する方向に延びるようにして形成されている。前面頂部322bは大渦部511の幅の狭い部分において1条で、大渦部511の幅広の部分において2条となるように少ない数で設けられ、また、小渦部512においても1条となるように設けられ、その前面頂部322bの方がその周り比べて光が集まり易く、波の連続する状態を発光により遊技者にわかり易く示すことができる。
多数の溝531は、図23(a)に示すように、前面頂部322bに対して次第に交差角度を変えながら交差するため、多数の溝531によって前面側へ照射された光が前面頂部322bに対して部位毎に異なった状態で入力されることとなり、光の強弱の連続した変化により柔らかな雰囲気の光の演出を実現することができる。
大波拡散部材323が設けられる内面側においては、突出量に対して曲率が大きく、詳細には、突出量の略5倍以上の曲率半径となるように設定された複数の緩やかな円弧状の断面形状にて大波拡散部材323側に突出する突条部が複数並べられた内面突条部322
cが設けられている。
ここで、内面突条部322cと多数の溝531との関係について、図24を用いて説明する。図24は、内面突条部322cおよび多数の溝531の配置位置を示した図であり、隣り合う内面突条部322cの裾部分に相当する溝の底を実線で示している。この線と線との間部分が大波拡散部材323側へ突出した内面突条部322cを形成する。
内面突条部322cは、図24に実線で示すように、多数の溝531に対して、基本的に僅かな角度、具体的には、30度以下で交差する方向に延びる形状に形成されている。この内面突条部322cと多数の溝531とは、前面頂部322bと同様、次第に交差角度を変えながら交差するものとされている。このように、交差角度を小さな角度で設定することにより、1の内面突条部322cの延びる方向に1つの溝531が長く位置するようになり、内面突条部322cが断面円弧状に突出することによるレンズとしての効果が1つの溝531による光に対して長い範囲で作用することで、1つの溝531によって照射された線状の光が内面突条部322cの長手方向に沿ってゆらぐように僅かに曲がりながら連続する光を大波部材201の前面側に出力して遊技者に視認させることができる。
内面突条部322cの延びる方向は、図24に示すように、直線的でなく曲線状に形成され、その曲線の内側は多数の溝531の円弧の中心側と基本的に同一方向側となるように設定されている。このため、1つの内面突条部322cに対して1つの溝531が長い範囲にわたって位置するようになり、波のように、ゆらゆらとした光の反射状態に近い柔らかな雰囲気の光の演出を実現することができる。
なお、内面突条部322cが多数の溝531に対して交差する角度の設定は、3度以上に設定するのが良く、5度以上にすることが好ましく、7度以上にすることが好適である。また、その交差角度は、50度以下に設定するのが良く、40度以下と設定することが好ましく、30度以下とすることが好適である。また、その設定した角度で内面突条部322cが多数の溝531に対して交差する数が多い方が好ましく、全体の70%以上とするのが良く、80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることが好適である。また、内面突条部322c曲線の内側が、交差する多数の溝531の円弧の中心側と同一方向側となる比率もより多くなるように内面突条部322cおよび多数の溝531を設定することが好ましく、全体の70%以上とするのが良く、80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることが好適である。
次に、大波部材201の前側以外の発光の構成について説明する。
大波透明カバー322は、図22に示すように、大波拡散部材323の前側に重なるように位置する前面側部分が大波拡散部材323および大波発光基板324の左右両側と略同一の幅にて形成され、その部位より大波拡散部材323および大波発光基板324の左右両側を囲う壁状に後方に突出する後側突出壁部322dと、後側突出壁部322dの先端側であって大波発光基板324より後側にて大波発光基板324の板面と略平行に大波部材201の外方に突出する後側縁部322eとを備えている。
後側突出壁部322dの外側には、大波前カバー321の内面が位置し、大波前カバー321が銀色に着色されるため、後側突出壁部322dから大波前カバー321側に照射された光は、再び、後側突出壁部322d側へと戻されやすいものとされている。左右の後側突出壁部322dの間には大波発光基板324が設けられ、大波発光基板324の前面側に搭載される渦LED521は、大波発光基板324の板面に沿った方向に光を照射するものであるため、多数の溝531によって前面側へ照射されることのなかった光は、後側突出壁部322dに到達しやすくされている。
後側突出壁部322dは、後側へいくほど、左右に広がりをもつ形状に形成され、大波発光基板324の前面側からの光が後側へ導光し易いものとしている。後側突出壁部322dの厚み内に入射された光の一部は、後側突出壁部322dの先端側に相当する大波部材201の後側に導かれる。後側突出壁部322dから大波前カバー321側へ漏れ出た光も、大波前カバー321で反射されることにより、一部が後側突出壁部322dの先端側に導光される。
後側突出壁部322dと後側縁部322eとが交差する部分の外側面は、図22に示すように、円弧状に角が丸められて形成され、後側突出壁部322dの後側端部に達した光が後側縁部322eの先端側へ導光されやすくされている。後側縁部322eは、大波前カバー321の後端部に対して更に外方に相当する左右両側及び上側へ突出して設けられ、その突出した部分を後側縁部322eの突出端部の前面とした場合の裏面側が斜め後側を向いた傾斜面状に形成され、この部位まで達した光が前面側に光を反射しやすく構成されている。
すなわち、大波発光基板324から大波拡散部材323に照射されて後側突出壁部322dまで到達した光は、後側突出壁部322dおよび後側縁部322eを経由して大波前カバー321の外側にて前方に照射される。このため、銀色に着色された大波前カバー321の内側に相当する渦部511,512と、外側に相当する後側縁部322eの先端部に発光部分が設けられることとなり、大波部材201の見栄えを向上している。
大波透明カバー322の後側縁部322eには、図22および図24に示すように、後側縁部322eの外周面に相当する斜め後方を向いた傾斜面から後側縁部322eの後面側までに至るように多数の細溝322fが設けられている。多数の細溝322fは、略1.5mmの間隔で、溝幅略0.5mm、溝深さ略0.3mmに設定され、深くなるほど幅狭となり、溝の底が尖った形状とされている。この細溝322fによって光が前面側に反射されやすくなることで、一層、大波部材201の縁部分を明るくし、また光が照射されていない状態においても大波部材201の外周の装飾となって、見栄えを向上している。多数の細溝322fは、図24に示すように、背面視左下部分を除く略全周に渡って設けられている。
中波部材202および小波部材203は、大波部材201と同様に、渦LED521と中波拡散部材413および小波拡散部材433における多数の溝531との組合せにより光を前面側に照射する。ここで、図25を参照して、各波部材201〜203に搭載されるLED521〜524の配置について説明する。図25は、各発光基板324,414,434におけるLED521〜524の配置を示した図であり、矢印でLEDの照射方向を示している。
各波部材201〜203の各発光基板324,414,434には、上記したように、各波中央レンズ325,415,435が設けられる位置に正面側に向けて白色の光を発光する白色LED522が設けられている。この白色LED522の前側に設けられる各波中央レンズ325,415,435を中心として、各発光基板324,414,434には、左右方向における中央側から上側を経由して、外側に回り込む渦形状に沿って渦LED521が設けられている。各波部材201〜203における各前カバー321,411,431の貫通穴により各波透明カバー322,412,422が露出される範囲は、各波部材201〜203に細線で示した範囲内であり、その範囲の縁部分から範囲内に向けて光が照射される方向に、渦LED521が配置されている。これら渦LED521の照射方向先端側には、上述した多数の溝531で構成される扇状溝群532が配置され、渦LED521によって照射された光が前面側へ照射される。
中波部材202の渦LED521は、図25に示すように、大波部材201および小波部材203における渦LED521の照射方向とは反対回りとなるように、設定されている。すなわち、大波部材201および小波部材203においては、渦の先端側から根元側に向かって各渦LED521の照射方向が設定され、その方向に対して反対方向となるように、中波部材202は渦の根元側から次第に先端側を向くように、渦LED521の照射方向が設定されている。
左右の中波部材202の上部であって移動方向後端側に相当する左右両側の端部には、図25に示すように、左右の両外側および外上側に向けた方向(点線の矢印方向)へ光を照射する向きに周辺照射LED523が設けられている。また、小波部材203の上部にも後方側へ光を照射する後方照射LED524が設けられている。周辺照射LED523および後方照射LED524は、いずれも白色で発光するLEDによって構成され、各発光基板414,434において渦LED521が配置される前面側とは反対側となる裏面側に周辺照射LED523および後方照射LED524が設けられている。
ここで、図26を参照して、各波部材201〜203の平面視における位置関係について説明する。図26は、前側動作機構部223および後側動作機構部224と共に各波部材201〜203の配置位置を示した平面図である。この図26においては、各波部材201〜203が通常状態に位置した状態を示している。
大波部材201は、図26に示すように、取付ベース221のベース窓部244が設けられる開口部分の前側に中央側端部が僅かに重なる位置に配置されている。この大波部材201の前側に中波部材202と小波部材203とが設けられ、中波部材202と小波部材203との間隔は、大波部材201と中波部材との間隔より少なく設定されている。各波部材201〜203の周縁には、後側縁部322e,412e,432eが設けられ、各波部材201〜203の縁部が発光する。これら後側縁部322e,412e,432eが前後方向に略等間隔に配置され、後側縁部322e,412e,432eの周辺にも均一に光が照射される。なお、中波部材220の周縁の一部であって、周辺照射LED523の外縁側に相当する部分においては、後側縁部412eが設けられない部位が設定され、周辺照射LED523の発光が後側縁部412eに遮られない形状とされている。
次に、上記のように構成された各波部材201〜203による取付ベース221の内側部分の発光について、図27および図28を参照して説明する。図27は、最大移動状態における中波部材202の周辺照射LED523による照射状態を示した図であり、図28は、最大移動状態における小波部材203の後方照射LED524による照射状態を示した図である。なお、図28においては、中波部材202を省略して示している。
取付ベース221に対しては、図27および図28に示すように、上側部分には、横長で前側に延出する青色で透過性を有する合成樹脂製の上側装飾部材228が設けられ、右側端部には、取付ベース221の右側端部より前方に突出し、各波部材201〜203の右上側から右下側までの範囲を囲う壁状の横側装飾部材227が設けられている。横側装飾部材227は、上記した奥側装飾部材303と同様、板状部材を2枚重ねて形成され、内面側の一部分に有色透明な合成樹脂製の部材が位置し、外面側の全域に銀色に着色された部材が位置している。各波部材201〜203の後側で、取付ベース221のベース窓部244より外側部分には、前後に厚みを有する板状の奥側装飾部材303が設けられている。奥側装飾部材303および横側装飾部材227は、取付ベース221の左側にも取り付けられている。
各波部材201〜203の左右両側、奥側、および上側が、奥側装飾部材303と上側
装飾部材228と横側装飾部材227とに囲われ、下側は、下側カバー224と前後の動作機構部222,223の一部とが位置することで上側表示ユニット200の外面を形成し、これら部材によって内側に3種類の波部材201〜203が移動可能な収容空間を形成している。また、各装飾部材227,228,303において収容空間の内面側に相当する表面が波打つようにうねらせて構成されることにより、各波部材227,228,303の波による装飾を引き立てている。
これら装飾部材227,228,303は、取付ベース221の外形に沿って設けられ、各装飾部材227,228,303には、LED等の発光手段は内蔵されていない。このため、各装飾部材227,228,303は、取付ベース221の外形に対して内面側が板厚相当分程度しか設定しなくて良いため、内部空間を広く設定することができ、大波部材201を上下に大きく設定し、また、各波部材201〜203を通常状態において左右両側に大きく離間させて配置することができる。
これら装飾部材227,228,303は、内蔵する発光手段によっては発光しないものの、各波部材201〜203に搭載されるLEDによって、以下の3種類の光によって発光する構成とされている。
第1に、中波部材202に設けられる周辺照射LED523は、中波部材202の最大移動状態において、図27に示すように、上側装飾部材228における左右方向の外側端部と、横側装飾部材227の上部から中央部分にかけて光が照射されるように設定されている。この場合に、中波部材202が通常状態とされた位置では、中波部材202と横側装飾部材227との位置が近いため、光が十分に拡げられて照射されないものの、図27に示すように、最大移動状態とされた位置では、中波部材202と横側装飾部材227とが離間して配置される。このため、最大移動状態とされた中波部材202の周辺照射LED523からは、横側装飾部材227の広範囲に光を照射し、光の反射によって横側装飾部材227等を光らせることができる。また、通常状態と最大移動状態との切り替わり途中において周辺照射LED523を発光させる場合には横側装飾部材227等に対しての光の照射範囲が次第に大きく又は小さくなるように変化するので、一定の発光をする周辺照射LED523でも、その移動に応じて横側装飾部材227等の発光の強さと範囲とが共に変化するため、バリエーションに富んだ装飾を遊技者に視認させることができる。
第2に、小波部材203に設けられる後方照射LED524は、小波部材203の最大移動状態において、図28に示すように、奥側装飾部材303の前面に向けて光を照射する。奥側装飾部材303に対して小波部材203は、他の波部材201,202に比して前後に最も離間して配置される部材であるので、LEDの光を拡散させる必要が少なく、広い範囲を照射させることができる。また、小波部材203の後側には、通常状態においては、中波部材202および大波部材201が位置するものの、図25に示すように、最大移動状態では、小波部材203に対して移動方向先端側に相当する中央側に中波部材202および大波部材201が配置され、後方照射LED524の後側には他の波部材201,202が位置していない(図18(b)参照)。この最大移動状態においては、小波部材203は、通常状態より左右方向における中央側に移動し、その移動後の後方照射LED524によって後側に光を照射可能とされている。よって、後方照射LED524が中央側近くに配置されることとなり、後方側に向けて照射される光を遊技者の視線に近い位置側から照射される光とすることができ、照射方向と遊技者の視線とのずれによって影が生じてしまう問題を低減することができる。また、通常状態と最大移動状態との切り替わりにより奥側装飾部材303等に対しての光の照射位置が移動することとなるので、一定の発光をする周辺照射LED523でも、その移動に応じて横側装飾部材227等の発光の状況を変化させ、バリエーションに富んだ装飾を遊技者に視認させることができる。
第3に、各波部材201〜203に搭載される渦LED521の発光が、後側突出壁部322dと後側縁部322eとを通じて各波部材201〜203の周縁を発光させる。この発光によっても、各装飾部材227,228,303が発光する。
これら第1から第3の光によって、各装飾部材227,228,303にLED等の発光手段が内蔵されてなくても、十分に内面側を発光させることができ、発光基板の削減、内部空間を拡げることによる装飾部材の大型化、発光手段を装飾部材から離間させることによる少なく発光手段で広範囲にわたる一様の発光を実現することができる。
3種類の波部材201〜203における各LED521〜524の発光制御は、通常状態および最大移動状態において、点灯および点滅し、並びに発光色を変化させることで多様な光の演出を実行するものである。この発光制御は、上記したモータ302,402と同じく、表示制御装置114によって実行するものであり、一般的な制御であるため、制御についての詳細な説明は省略するが、表示制御装置114でのLED521〜524の制御に代えて、主制御装置41等の他の制御装置で制御するなど、一般的な他の制御によりLED521〜524の制御をしても良い。。
以上のように構成したスロットマシン10は、以下の効果を奏する。
大波発光基板324と大波拡散部材323とによって大波拡散部材323の前面側に光を照射するものであり、大波拡散部材323には、渦LED521が入り込み可能な貫通穴が設けられている。このため、大波発光基板324と大波拡散部材323とを近づけて配置して前面側への発光構造を薄い厚さ(薄厚)で構成することができる。また、大波拡散部材323の前面側へ照射される光は、渦LED521から大波発光基板324の板面と平行な側方側に向けて照射された光が扇状溝群532を構成する溝531の傾斜面533により前面側へ反射されるもので構成される。このため、前面側への発光が間接的なものとなり、LED周辺のみが強く発光することもなく、広範囲に拡散された発光による装飾を薄厚の発光構造により実現することができる。また、渦LED521の光を拡散させて前面側へ照射する複数の扇状溝群532が隣り合わせて設けられているので、薄厚の発光構造によって広範囲にわたる面状の装飾を施すことができる。
中波部材202と小波部材203との両方に対しても渦LED521と扇状溝群532とによる装飾が設けられ、これら中波部材202と小波部材203とは通常状態にて前後に重なるように配置されている。中波部材202と小波部材203とは左右方向に移動可能に設けられる部材であり、これら部材を前後に薄く重なるように配置でき、また各部材を薄く形成することにより軽量化しやすく、上記したように中波部材202と小波部材203と小波付勢部材405等によって最大移動状態へ素早く変位動作可能な動作部材の一層の高速移動を実現することができる。
大波部材201には、渦LED521と扇状溝群532における所定数以上(本実施形態における10以上)の溝531とが交互に連なって渦状に長く延びるようにして設けられるので、一定以上の幅で長く延びる形状の大渦部511に対して薄厚の発光構造によって光を拡散した発光を施すことができる。この場合に、一定以上の幅で形成される大渦部511において、図23に示すように、大波中央レンズ325の右方およびその下側の渦LED521のように、大渦部511の幅方向における一方側(渦の中央側)に複数の渦LED521を配置し、大渦部511の長手方向に対して一定角度(略45度)の角度で交差するように複数の渦LED521を配置することにより、大渦部511の中央側を明るくしつつ、外側に行くに従い、次第に輝度が低下する見栄えの良い面発光を実現することができる。
左右片側3つずつ、合計6つの波部材201〜203は、通常状態および最大移動状態において3つの渦が上下方向、または、斜め方向に並んで視認可能な状態とされ、これらの渦が渦LED521の発光制御により発光した状態とされる。特に左右両側に3つずつ設けられた波部材201〜203が通常状態においては、両端側に設けられるものの、全ての波部材201〜203が視認可能で移動方向を向くようにして設けられている。そして、移動条件が成立した場合には、最大移動状態となる中央側へ移動し、中央位置で点灯状態とされる。常に視認可能な位置にある波部材201〜203が、素早く中央側へ移動することで遊技者に驚きを与えて有利な遊技への期待感を一気に増大することができる。また、大波部材201および小波部材203の渦LED521の向きに対して、中波部材202の渦LED521の向きを逆方向に設定し、中波部材202の渦LED521だけを渦の先端側へ光が照射される方向に向けて配置しているので、波部材201〜203の静止状態および移動中における発光による装飾の見栄えを多彩にして一層装飾効果を高めることができる。
大波拡散部材323から前面側へ照射される光は、大波透明カバー322の内面側に設けられる内面突条部322cの起伏によって見栄えを異なるものとして大波透明カバー322を介して遊技者に視認可能とされる。この内面突条部322cは、扇状溝群532を構成する多数の溝531に対して小さな角度で交差するように配置され、内面突条部322cを構成する突条部の長手方向に沿って長い範囲にわたって多数の溝531の光が照射されることとなる。このため、大波透明カバー322を通過した光が輪郭がぼやけてゆらぐような光となって出力され、柔らかな雰囲気の光の演出を実現することができる。
渦LED521は、大波拡散部材323の貫通穴から外縁に向けて光を照射する向きに配置され、その外縁へ到達した光は、大波透明カバー322の後側突出壁部322dによって大波発光基板324の裏面側へ導光され、その導光された光の一部が後側縁部322eの端部にて前側に照射される。渦LED521の照射方向先端側へは大波拡散部材323の溝部の深さに対して板状部分の厚みを略同一の長さに設定することで渦LED521の光を大波拡散部材323の外縁側へ到達させやすく、また、大波透明カバー322、大波拡散部材323及び大波発光基板324の隙間を通じて大波拡散部材323の外縁側へ光が照射されやすいものであり、これらの光を利用して、大波発光基板324の裏面側に位置する後側縁部322eの端部を発光させることで、大波発光基板324の外縁を縁取った発光による装飾を専用の基板やLED等を設けず低コストで実現することができる。
また、大波前カバー321の内面が銀色に着色されることにより後側突出壁部322dおよび後側縁部322eの側に光が反射されることとなり、後側縁部322eの先端側へ導かれる光量を多くすることができ、大波部材201外縁の装飾および大波部材201の周辺に設けられる装飾部材227,228,303を明るく光らせることができる。また、大波拡散部材323を大波発光基板324の前面側に対して後側縁部322eにわたる段差を設けた形状とし、大波前カバー321が大波拡散部材323および大波発光基板324の外面側を覆う形状としているので、斜め前側から大波部材201を遊技者が視認した場合の見栄えを良いものとすることができ、また、後側縁部322eが渦部511,512よりは発光を抑えて渦部511,512の発光を主の装飾とすることができる。また、大波部材201と同じ構造により中波部材202および小波部材203が構成されているので、中波部材202および小波部材203の後側縁部412e,432eにより装飾部材227,228,303を一層明るく光らせることができる。
遊技者に近い位置に配置される中波部材202と小波部材203は、リンク部材452を間に介したリンク機構によって構成されている。このため、移動開始時や移動方向の反転時におけるバックラッシによるがた付きを抑えて、円滑な移動を遊技者に視認させることができる。一方、奥側に設けられる大波部材201はギアの連結によって移動する構成
として、がた付きが生じても遊技者からは、視認しにくい位置に設けられるため、気にされることを抑えつつ、前後方向のスペースを少なくして、上側表示ユニット200の前後寸法を小型にすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
上記実施形態においては、モータ302,402により波部材201〜203を動作させる構成としたが、必ずしも上記したモータ302,402により波部材201〜203を動作させる構成とする必要はなく、DCモータやソレノイド等の他の動力発生機によって波部材201〜203を動作させる構成としても良い。また、小波部材203に付勢力を付与する付勢部材は、必ずしも上記した小波付勢部材405により構成する必要はなく、ねじりバネ等の他の形式による弾性体により構成しても良いし、重力を利用した錘を付勢方向側に延びるように配置した糸等の先端側に接続して錘に付加される重力により小波部材203に付勢力を付与する構成としても良い。
上記実施形態においては、波を模した装飾を施した波部材201〜203を動作部材として可動する構成としたが、動作部材の装飾は、波を模したものに限らず、他の動物等のキャラクタを模したものとしても良い。また、内面突条部322cと多数の溝531とによりゆらぐような光の演出効果は、形状がゆらぐように変化するキャラクタの衣服や旗等の薄板シート状のものや、草原の草や海中の海草など、風によって表面形状が変化するものを動作部材の装飾対象とすることが効果を十分に発揮することができて好ましい。
上記実施形態においては、3種類の波部材201〜203の全てが通常状態および最大移動状態で遊技者から視認可能とされていたが、通常状態においては3種類の波部材201〜203がスロットマシン10の正面側から視認不能とし、移動することで視認可能となるようにしても良い。例えば、上側表示ユニット200の下側カバー224の左右両側部分を上方に延出するようにして3種類の波部材201〜203の通常状態における位置の前側に壁部を設けて、通常状態においては各波部材201〜203が視認不能となるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、左右方向に移動するように波部材201〜203を設けたが、移動方向は、左右方向に限らず、上下、斜め、前後方向のいずれかとしても良いし、円弧状、または、曲線的に支持軸を形成し、直線的な移動でなく、曲線的な移動となるようにしても良い。また、必ずしも移動する構成とする必要はなく、各波部材201〜203を一部を支点として、例えば、通常状態における下側部分を支点として回動するように回動軸を設けて各波部材201〜203を変位可能としても良い。
小波部材203と小波付勢部材405とを必ずしも遊技者に視認可能とする必要はなく、小波部材203をより小型に形成し、中波部材202を素早く且つ効率良く動作させるための部材としても良い。
上記実施形態においては、小波部材203は、中波部材202と同一の前側支持軸401に支持され、中波部材202の移動途中まで中波部材202と一緒に移動する構成とされていたが、中波部材202と小波部材203とが異なる動作をするように構成しても良い。例えば、小波部材203を中波部材202とは別に設けた軸に支持し、その軸を中波部材202を支持する軸と平行でなく、スロットマシン10の正面視で斜め方向に延びるように形成したり、途中部分に蛇腹状に屈折する部位を設けて小波部材203が上下に揺
れながら移動するようにしても良い。 また、移動軌跡を中波部材202と小波部材203とで異なるものとするだけでなく、移動軌跡を異ならせるのに代えて、または、移動軌跡を異ならせるのに加えて、中波部材202と小波部材203との係合部分を上記実施形態と異ならせて、中波部材202と小波部材203とが異なる動作をするようにしても良い。
例えば、中波部材202と小波部材203との係合部分である小波部材203の移動方向先端側面443aと中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423aとの間を更に離間させて設定し、その間に弾性体を配置する等して中波部材202と小波部材203とが異なる動作をするように構成しても良い。この場合には、コイルバネ等により構成した弾性体を、長さが例えば略2cmで完全に延びきった状態となる弾性体とし、この弾性体の弾性係数を小波付勢部材405の弾性係数より高く、すなわち変形量に対して小波付勢部材405よりも反力が大きくなるように設定し、通常状態においてその弾性体および小波付勢部材405が共に縮んだ状態となり、更に弾性体の反力の方が小波付勢部材405より高くなるように各波部材202,203の挿通部423,443の長さを設定することにより、中波部材202の移動開始時には弾性体が延びるだけで小波部材203は移動せず、中波部材202の移動開始後に小波部材203が移動を開始するようにすることができる。または、中波部材202だけでなく、小波部材203に対しても前側アーム453によって、又は前側アーム453と連結する他の部材を設けることで、別々の態様で移動する構成としても良い。
上記実施形態においては、大波拡散部材323における渦LED521が入り込む貫通穴は、渦LED521の照射方向に垂直な平面で形成したが、必ずしも平面の形状とする必要はなく、光が入力可能な他の形状、例えば、渦LED521側が内側となる円筒状または曲線状の形状で形成しても良い。また、必ずしも渦LED521および周辺照射LED523の照射方向は、大波発光基板324と完全に平行とする必要はなく、大波発光基板324の板面に対して傾斜する方向側であって、大波発光基板324と平行な方向側にも光が照射される向きに配置しても良い。
上記実施形態においては、大波拡散部材323の溝531を構成する傾斜面533は、図23(b)に示すように、渦LEDを通る断面が直線的で光の照射方向に対して45度に傾斜する設定としたが、必ずしも上記した形状とする必要はなく、傾斜面533を反射した光が大波拡散部材323の前面側に照射される角度であれば他の角度に設定しても良い。また、傾斜面533は、必ずしも断面が直線となる形状とする必要はなく、傾斜面533の断面が曲線となる形状としても良い。図23(b)に示す渦LED521を通過する断面形状に対して、傾斜面の中央部分が大きく窪んだ円弧状または曲線状の断面形状としても良く、これにより、傾斜面を設けた幅以上の幅に光を拡散して、広範囲に均一な発光を施すことができる。また、逆に、傾斜面の中央部分が大波発光基板324側に盛り上がった凸状に形成しても良く、この場合には、前方側に透過される光を集光しつつ前面側へ照射することで、多数の溝531に沿った円弧が細幅で強く発光する装飾を施すことができる。また、大波拡散部材323の溝531が形成される面には、溝531でなく、渦LED521を中心とする円弧状に延びて断面が大波発光基板324側に突出した突条部の両側面に傾斜面と垂直面とを形成して光を前面側へ照射する構成としても良い。また、扇状溝群532は必ずしも隣接して設けられる必要はなく、隣りの扇状溝群532に対して隙間を設けて形成しても良く、この場合に、隙間の幅は、1つの溝531と略同一以下の幅とすることが、見栄えを良くする上で好ましい。
上記実施形態においては、大波透明カバー322と一体的に後側突出壁部322dと後側縁部322eを設けたが、それらを必ずしも大波透明カバー322と一体的に設ける必要はなく、大波透明カバー322とは別の部材としても良いし、大波拡散部材323と一
体的に設けても良い。
上記実施形態においては、スロットマシン10に3種類の波部材201〜203を有する上側表示ユニット200を設けたが、3種類の波部材201〜203を有する表示ユニットをパチンコ遊技機に設けても良く、例えば、図柄を表示する液晶表示装置等の表示装置の前側に上記表示ユニット111を取り付けて、大当たり期待度を示唆する演出として3種類の波部材201〜203を動作させても良い。また、パチンコ遊技機として、複数種類の大当たりが設定され、一部の大当たりに当選すると次回の大当たりまで大当たり確率が高確率とされる確率変動機能を有するパチンコ機に上側表示ユニット200を設けて、大当たりの種類に対応した期待度を示唆する演出として3種類の波部材201〜203を動作させても良い。
本発明を上記実施形態とは異なり、パチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、大当たり等の抽選機能のないいわゆる普通機として採用されても良い。球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしても良いし、スロットマシンとして実施しても良い。
遊技における抽選結果の表示態様として、始動条件が成立して変動が開始された後に停止表示される抽選結果に対応した情報(識別情報)としては、上記したスロットマシン10と同様に、モータ等により回転するリールの外周面に複数の図柄が表示された構造体に付された図柄を1つまたは複数組み合わせて構成される識別情報としても良く、液晶表示装置に表示される図柄や絵柄を1つ又は複数組み合わせた情報であっても良く、単一あるいは複数の発光体で構成される図柄表示装置の発光態様によって遊技者が当否を識別可能な単一または複数の発光体の発光態様による情報であっても良い。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴A群>
従来のスロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待
して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる。この演出の一部としてモータ等により動作する動作部材を遊技者から視認可能な位置に配置して、この動作部材の動作を演出に付加する機種が知られており、大型の動作部材を素早く動作させることで遊技者を驚かせ、その後の結果に対する期待感を高揚させる演出が行われている(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、動作部材が大型になって重量が増大するほど、また素早く動作させようとするほど性能の高い動力発生機が必要となって部品コストが増大するという問題点があった。
<特徴A1>
始動条件が成立した場合に変動が開始される識別情報が所定の態様で停止した場合に遊技者に遊技価値が付与される遊技機(スロットマシン10)において、
駆動手段(前側モータ402)と、
遊技者によって一部が視認可能に設けられ、第1状態と、該第1状態に対して前記駆動手段の駆動力によって変位した後の第2状態とに変位可能な第1動作部材(中波部材202)と、
前記第1状態と前記第2状態との切り替わりにおける一部の過程であって少なくとも前記第1状態を含む所定の第1過程において前記第1動作部材の一部に係合し、前記第1動作部材に連動可能な第2動作部材(小波部材203)と、
該第2動作部材に係合し、前記第1動作部材が前記第1状態から前記第2状態へ変位する場合に前記第2動作部材の変位する方向側への付勢力を前記第2動作部材に付与すると共に、該第2動作部材を介して該第1動作部材の変位する方向側への付勢力を前記第1動作部材に前記第1過程において付与する付勢手段(小波付勢部材405)と、を備え、
前記第1動作部材は、前記始動条件の成立前に前記第1状態とされ、前記始動条件が成立した遊技回において前記第2状態とされる場合があり、前記第1過程においては前記駆動手段の駆動力に対して少なくとも前記付勢手段の付勢力が加えられた駆動力により変位し、前記第1過程の後における所定の第2過程において前記駆動手段の駆動力に対して前記付勢手段の付勢力が加えられない駆動力により変位可能とされていることを特徴とする遊技機。
特徴A1記載の遊技機によれば、動作部材を効率良く動作させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、変位動作の開始段階に相当する第1過程においては、第1動作部材の駆動力が付勢手段によって増大される。このため、変位の際に大きな力が必要とされる動作開始段階においては付勢手段による付勢力が付加されることで動作に必要な駆動力を抑えつつ第1動作部材を素早く変位動作させることができ、重量が嵩む第1動作部材の第2状態への変位を短時間で済ませて、低コストで遊技者に驚きを与えることができる。
一方、第2過程においては付勢手段の付勢力が加えられずに第1動作部材が変位可能とされている。このため、第2状態から第1動作部材が元の第1状態に復帰する際には、付勢手段の付勢力が加えられていない第2状態において第1動作部材が変位を開始し、第1動作部材の変位動作中に第1動作部材を第2動作部材に係合させ、第1過程に相当する区間においては第1動作部材と第2動作部材とを共に変位させることができる。従って、第1動作部材の復帰時における変位開始時に付勢手段の付勢力の影響を無くして、復帰動作に必要な駆動力を抑えつつ付勢手段の付勢力を高めに設定して第1動作部材の素早い変位動作を効率良く実現することができる。
更に、素早い変位動作を効率良く実現することにより、駆動手段の出力が少なくて済むために駆動手段および駆動手段に関連する力を伝達する部材を小型に形成することができ、動作部材の配置領域や移動可能領域を広げて装飾効果の高い遊技機を提供することができる。
<特徴A2>
前記第1状態から前記第2状態への変位動作に際して前記第1動作部材と前記第2動作部材とを同一の方向側へ変位動作可能に支持する支持手段(前側支持軸401)を備え、
前記支持手段に対して一方側に設けられる第1係合部(小波部材203の可動側係合部431a)により前記付勢手段の付勢力が前記第2動作部材に伝達され、該一方側とは反対側に設けられる第2係合部(中波部材202の軸部416a)により前記駆動手段の駆動力が前記第1動作部材に伝達され、
前記第1動作部材および前記第2動作部材は、直接的または間接的に係合して変位動作方向に沿った駆動力を伝達する第3係合部(小波部材203の挿通部443における移動方向先端側面443a、中波部材202の挿通部423における移動方向先端側の壁部の内面423a)を有し、該第3係合部は、前記第1係合部及び前記第2係合部に対して、前記支持手段に近接して設けられていることを特徴とする特徴A1記載の遊技機。
特徴A2記載の遊技機によれば、共通の支持手段によって第1動作部材と第2動作部材とが支持されるため、第1動作部材と第2動作部材との動作機構を小型に構成することができる。また、支持手段の両側に設けられる第1係合部および第2係合部により付勢手段の付勢力と駆動手段の駆動力とが付加されるので、支持手段に対して力を伝達する係合部および動作機構の構成部材を近づけて配置することができ、動作機構を一層小型に構成することができる。更に、両動作部材が係合する第3係合部は他の係合部に対して支持手段に近接して設けられるため、第1動作部材の復帰動作時における衝撃力が支持手段から離間する箇所に加えられることによる破損を防止すると共に、別箇所に両動作部材の係合部分を設ける必要がなく、動作部材の装飾や他の機能を設けるための設計自由度を高めることができる。
<特徴A3>
前記第2動作部材は、前記支持手段に支持される被支持部(小波部材203の挿通部443)を有し、遊技者によって一部が視認可能に設けられると共に、前記第1動作部材よりも小型で変位動作範囲が少なく設定され、
前記第1動作部材は、前記被支持部に対して変位方向の先端側と基端側との両側にて前記支持手段に支持され、その両側の間部分に前記被支持部が入り込んで配置されていることを特徴とする特徴A1またはA2記載の遊技機。
特徴A3に記載の遊技機によれば、第2動作部材が支持される被支持部より、第1動作部材の支持部分が離間して設けられるので、第2動作部材より大きな第1動作部材を安定して変位動作させることができ、且つ、第1動作部材と第2動作部材の支持部分を小型に形成することができる。
<特徴A4>
前記駆動手段の駆動力を前記第1動作部材に伝達する部材として、
回動軸から離間した第1伝達部(リンク取付部464)を有し、回動軸を中心として回動動作する回動部材(クランク部材451)と、
該回動部材の第1伝達部に一端側が回動可能に連結され、他端側に設けられる第2伝達部(軸穴472)に駆動力を伝達する連結部材(リンク部材452)と、
該連結部材の第2伝達部と前記第1動作部材の一部に連結され、回動軸を中心に揺動可能であって当該回動軸に対して前記第2伝達部より離間した位置に前記第1動作部材と係
合する係合部が設けられた揺動部材(前側アーム453)と、を備え、
前記連結部材は、前記第1動作部材および第2動作部材における変位動作方向に沿って配置され、
前記回動部材は、その回動軸方向視において、前記第1状態では、前記回動軸を基準として前記変位動作方向先端側に前記第2伝達部が、前記変位動作方向基端側に前記第1伝達部が位置し、前記第2状態では、前記回動軸を基準として前記変位動作方向に対して垂直な方向側に前記第1伝達部が位置するように回動制御されることを特徴とする特徴A1からA3記載の遊技機。
特徴A4記載の遊技機によれば、回動部材の回動力に対して、第1状態を含む第1過程においては第1動作部材の変位動作方向側への駆動力が大きく作用し、その後においては該変位動作方向側への駆動力が低下する一方で変位量が増大して高速な変位動作が可能となる。第1過程においては付勢手段の付勢力により回動部材の回動力より大きな駆動力に対応した高い速度で第1動作部材を変位動作させることができるので、第1過程の後においても第1動作部材の高速変位動作を回動部材の変位動作方向側への変位量の増大によって継続させ易くすることができる。また、第2状態から復帰動作する初期段階においては、回動部材の回動力に対して付勢手段の付勢力による損失がないため、回動部材の回動力に対しての駆動力が低くても第1動作部材の復帰動作を開始させ易くすることができる。よって、回動力を発生させる動力発生手段の動力を効率良く駆動力に変換することができ、部品コストを抑えつつ第1状態から第2状態への高速の変位動作を実現することができる。
なお、特徴A2に従属する特徴A4に記載の遊技機においては、回動部材の回動軸方向視において、連結部材と支持手段とを重ならせて配置するものとしても良く、動作機構を一層小型に構成することができる。
<特徴B群>
従来のスロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、抽選結果を期待させる演出を実行する装飾装置を設けるスペースには制限があり、その限られたスペースで見栄えの良い装飾を施すことが難しいという問題点があった。
<特徴B1>
電子部品が搭載される板状の発光基板(大波発光基板324)と、
該発光基板の一面側に設けられ、前記発光基板の板面と平行な側方側に向けて光を照射する向きに配置された側方発光手段(渦LED521)と、
前記発光基板の前記一面側に重なる板状に形成され、前記側方発光手段が入り込み可能な孔部を有し、前記発光基板側とは逆側となる前面側へ前記側方発光手段の光を導光する透光性を有する導光部材(大波拡散部材323)とを備え、
前記導光部材における前記発光基板側の面には、当該面に垂直な方向視において側方発光手段の照射方向先端側が凸状とされた曲線(または円弧)に沿って断面形状が略一定の溝部(溝531)又は突条部が当該側方発光手段から離間するほど次第に曲率が大きくなるようにして複数並んで形成された曲状部(扇状溝群532)が設けられ、
前記曲状部は、前記側方発光手段側を向いた発光手段側向面(垂直面534)と、該発光手段側向面に対して前記側方発光手段から離れた側又は近い側の少なくとも一方側に位置し、前記発光基板に近い部位が側方発光手段側に位置し、前記発光基板から離間するに伴って前記発光基板から離間する傾斜面(傾斜面533)とを有し、前記発光手段側向面と傾斜面とを少なくとも組み合わせて前記溝部又は突条部を形成するものであり、
前記発光基板には、複数の側方発光手段が設けられ、前記導光部材には、該複数の側方発光手段に対応する複数の曲状部が隣り合うようにして設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1記載の遊技機によれば、発光手段を用いた発光による装飾として少ない厚みで広範囲の発光を好適に実現可能な発光構造を備えた遊技機を提供することができる。すなわち、発光基板と導光部材とによって導光部材の前面側に光を照射するものであり、導光部材には、側方発光手段が入り込み可能な孔部が設けられているので、発光基板と導光部材とを近づけて配置して前面側への発光構造を薄い厚さ(薄厚)で構成することができる。また、前面側へ照射される光は、側方発光手段から発光基板の板面と平行な側方側に向けて照射された光が傾斜面により前面側へ反射されるもので構成される。このため、前面側への発光が間接的なものとなり、発光手段周辺のみが強く発光することもなく、広範囲に拡散された発光による装飾を薄厚の発光構造により実現することができる。また、複数の曲状部が隣り合わせて設けられているので、薄厚の発光構造によって広範囲にわたる面状の装飾を施すことができる。
ここで、特徴B1における「孔部」は、必ずしも貫通孔とする必要はなく、導光部材における発光基板側の面を凹ませて形成した非貫通の穴により形成しても良い。
なお、特徴A群に記載の遊技機に従属する特徴B1に記載の遊技機において、第1動作部材と第2動作部材との両方に対して特徴B1に記載の発光基板および導光部材の組み合わせを第1状態にて前後に重なるようにして設けても良く、複数の動作部材を小型に配置することができ、しかも動作部材の小型化に伴い軽量化がし易く、第2状態へ素早く変位動作可能な動作部材を実現することができる。
<特徴B2>
前記発光基板には、1の側方発光手段と、該1の側方発光手段に対して照射方向先端側に離間した位置であって該1の側方発光手段に対応する曲状部の溝部又は突条部のうち該1の側方発光手段に近い側で曲率の小さい溝部又は突条部を所定数以上間に挟んで離間した位置にて、前記1の側方発光手段と同一の方向側に向けて光を照射する先端側の側方発光手段との組み合わせが複数設けられ、
前記導光部材の前面視において、前記側方発光手段と、該側方発光手段に対応する曲状部における所定数以上の溝部又は突条部とが、交互に連なって設けられることを特徴とする特徴B1記載の遊技機。
特徴B2に記載の遊技機によれば、側方発光手段と曲状部における所定数以上の溝部又は突条部とが交互に連なって設けられるので、一定以上の幅で長く延びる形状の装飾部に対して薄厚の発光構造によって光を拡散した発光を施すことができる。
<特徴B3>
前記先端側の側方発光手段として、前記導光部材の前面視において、前記1の側方発光手段に対して照射方向先端側に離間した位置にて右回り又は左回り方向に所定角度以上回転された方向側を向くように配置された側方発光手段が複数連なって配置され、次第に曲率が小さく若しくは大きくなる渦状又は円弧状の軌跡に沿って前記側方発光手段と該側方発光手段に対応する曲状部とが交互に連なって設けられることを特徴とする特徴B2記載
の遊技機。
特徴B3に記載の遊技機によれば、渦状または円弧状に発光させる形状の装飾として薄厚の発光構造によって光を拡散しつつ発光させることができ、各曲状部において連続する小さな円弧が大きな渦状または円弧状に連なる光による装飾を薄厚の発光構造によって実現することができる。
<特徴B4>
前記導光部材と前記発光基板とを有し、前記発光基板の板面に沿って変位動作可能に設けられた動作部材(大波部材201、中波部材202および小波部材203)が複数設けられ、
該複数の動作部材は、その変位動作範囲の少なくとも一部において、前記導光部材の前面側が同一方向側を向くように配置され、且つ、各動作部材における前記渦状又は円弧状の軌跡に沿った複数の曲状部の組み合わせが並んで視認可能な状態とされることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4に記載の遊技機によれば、渦状または円弧状に発光させる形状の装飾として薄厚の発光構造によって光を拡散しつつ発光させることができ、更に、その発光部が複数並んで発光可能であって変位動作可能とされているので、各曲状部において連続する小さな円弧が大きな渦状または円弧状に連なる光が変位動作することによる装飾を薄厚の発光構造によって実現することができる。また、薄厚の発光構造で動作部材を形成できるので、動作部材を軽量とし易く、部品コストを抑えつつ高速に変位動作可能で且つ装飾効果の高い装飾を実現することができる。
なお、特徴B4において、複数の動作部材として3つ以上の動作部材が設けられ、複数の曲状部の組み合わせが3つ以上並んで視認可能な状態とされる場合、前記渦状又は円弧状の軌跡が同一の回り方向に設定された2つの曲状部の組み合わせの間に、その回り方向とは逆回りに前記渦状又は円弧状の軌跡が設定された曲状部の組み合わせが視認可能な状態とされることとしても良く、動作部材の変位動作を伴う発光による装飾の見栄えを多彩にして一層装飾効果を高めることができる。
<特徴B5>
前記導光部材に対して発光基板とは逆側となる前面側に重なる透過性を有するカバー部材(大波透明カバー322)を有し、
該カバー部材における導光部材側の面には、複数の溝部又は突条部が、導光部材の前面視において、前記曲状部を構成する溝部又は突条部に対して一定角度以下の小さな角度で交差する方向に延びて形成される内面起伏部(内面突条部322c)が設けられていることを特徴とする特徴B1からB4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、導光部材から前側へ照射される光が、カバー部材の内面起伏部の起伏によって見栄えを異なるものとしてカバー部材を介して遊技者に視認可能とされる。この内面起伏部は、曲状部を構成する溝部又は突条部に対して小さな角度で交差するので、内面起伏部の溝部又は突条部の長手方向に沿って長い範囲にわたって曲状部における1の溝部又は突条部の光が照射されることとなる。このため、カバー部材を通過した光が輪郭がぼやけてゆらぐような光となって出力され、柔らかな雰囲気の光の演出を実現することができる。
<特徴B6>
前記導光部材および発光基板の周縁側に設けられ、前記導光部材の周縁側部分から前記発光基板の前記一面とは反対側の裏面側へ延びた形状で透光性を有する前後導光部(後側
突出壁部322d)と、
該前後導光部における発光基板の裏面側端部より前記発光基板とは逆の外方側に延出した形状で前記導光部材の前後方向に厚みを有し、該外方側の端部にて前側に光を照射する透光性を有する外側突出縁部(後側縁部322e)とを備える外縁発光手段と、
該外縁発光手段の前後導光部および外側突出縁部の一部における外面側に重なり、前記前後透光部および前記外縁突出縁部側の面が光を反射する反射面とされた被覆部材(大波前カバー321)とを備えていることを特徴とする特徴B1からB5記載の遊技機。
特徴B6記載の遊技機によれば、発光基板に設けられる側方発光手段は、導光部材の外縁に向けて光を照射し、その外縁へ到達した光を前後導光部によって発光基板の裏面側へ導光され、外側突出縁部の端部にて前側に光が照射される。導光部材の溝部の深さまたは突条部の高さに対して板状部分の厚みを十分に設定することで側方発光手段の照射方向先端側へ側方発光手段の光を導光部材の外縁側へ到達させやすく、また、発光基板と導光部材との隙間等を通じて導光部材の外縁側へ光が照射されやすいものであり、これらの光を利用して、発光基板の裏面側に位置する外側突出縁部の端部を発光させることで、発光基板の外縁を縁取った発光による装飾を専用の発光手段を設けず低コストで実現することができる。また、被覆部材の反射面により前後導光部および外側突出縁部の側に光が反射されることとなり、外側突出縁部側へ導かれる光量を多くすることができる。
<特徴C群>
従来のスロットマシンにおいては、始動操作が行われることにより入賞する役の抽選等、各種の抽選が制御装置により行われ、抽選結果に応じた停止図柄が停止する。そして、この停止図柄に応じた特典が遊技者に付与されるため、遊技者は高価値の抽選結果を期待して遊技を行うこととなる。始動操作が行われてから図柄が停止するまでの間には、抽選結果に応じた色でリールの周りが発光したり、液晶表示装置に停止図柄の内容に対応した絵柄を表示したりして遊技者に抽選結果を期待させる演出が行われる(例えば、特開2008−173166号公報参照)。
しかしながら、抽選結果を期待させる演出として遊技機の装飾を付加すると、遊技機のコストが増大してしまうという問題点があった。
<特徴C1>
遊技者によって視認可能な装飾部を有し、該装飾部を収容する収容領域の端側に配置される第1状態と、前記収容領域の中央側に移動した第2状態とに変位可能であって前記第1状態および前記第2状態において遊技者により前記装飾部が視認可能に設けられた動作部材(中波部材202)と、
該動作部材に設けられ、遊技者側に前面側が向き、裏面側が遊技者とは反対側に向けて配置された基板(中波発光基板414)と、
該基板の前記裏面側に設けられ、前記第2状態において前記収容領域の端側であって前記第1状態に位置した側に光を照射可能な発光手段を有する第1発光手段(周辺照射LED523)とを備えたことを特徴とする遊技機。
特徴C1に記載の遊技機によれば、コスト増を抑えつつ、見栄えの良い装飾を施すことができる。すなわち、第1状態および第2状態において装飾部が視認可能であり、第1状態に対して装飾部が移動することで装飾部が存在していた部分が空洞となっても、その空洞となった空間部分に発光手段によって光を照射することができる。すなわち、動作部材が第2状態となって収容領域の内面部分から離間した際に、離間した位置からの光の照射によって収容領域の内面部分を発光させることができる。よって、第1状態においては発光されても目立たない収容領域を形成する内面部分に発光手段を設けず、動作部材側からの光の照射によって収容領域の内面部分を発光させることができるので、収容領域内面の
発光による装飾を低コストで実現し、また、収容領域を拡げることができるのでその領域内に設けられる装飾部材の大型化、および、側方発光手段を装飾部材から離間させた位置で発光させることによる広範囲にわたる一様の発光を少ない発光手段で実現することができる。
<特徴C2>
遊技者によって視認可能な装飾部を有し、該装飾部を収容する収容領域の端側に配置される第1状態と、前記収容領域の中央側に移動した第2状態とに変位可能であって前記第1状態および前記第2状態において遊技者により前記装飾部が視認可能に設けられた複数の動作部材(中波部材202,小波部材203)と、
第1状態において複数が前後に重なって配置される動作部材のうち後側に少なくとも1以上の動作部材が設けられる動作部材であって、前記第2状態として前記第2状態への移動方向基端側の一部が後側の動作部材に重ならない位置に配置可能な前側の動作部材に設けられ、遊技者側に前面側が向き、裏面側が遊技者とは反対側に向けて配置された基板(小波発光基板434)と、
該基板の前記裏面側であって前記前側動作部材の移動方向基端側の前記一部に設けられ、前記基板に略垂直な後側に向けて光を照射する第2発光手段(後方照射LED524)とを備えたことを特徴とする遊技機。
特徴C2に記載の遊技機によれば、コスト増を抑えつつ、見栄えの良い装飾を施すことができる。すなわち、前側の動作部材は、後側の動作部材に比して収容領域における後側の動作部材の更に後側の内面から離間した位置に配置されるので、第2発光手段の照射方向側に拡散部材を設けなくても第2発光手段により広範囲に光を照射することができる。また、第2状態においては、前側の動作部材は、第1状態より収容領域の中央側に移動し、その移動後の第2発光手段によって後側に光を照射可能とされている。よって、後側に向けて照射される光を遊技者の視線に近い位置側から照射される光とすることができ、照射方向と遊技者の視線とのずれによって影が生じてしまう問題を低減することができる。
<特徴C3>
遊技者によって視認可能な装飾部を有し、該装飾部を収容する収容領域の端側に配置される第1状態と、前記収容領域の中央側に移動した第2状態とに変位可能であって前記第1状態および前記第2状態において遊技者により前記装飾部が視認可能に設けられた複数の動作部材(中波部材202,小波部材203)と、
第1状態において複数が前後に重なって配置される動作部材のうち後側に少なくとも1以上の動作部材が設けられる動作部材であって、前記第2状態として前記第2状態への移動方向基端側の一部が後側の動作部材に重ならない位置に配置可能な前側の動作部材に設けられ、遊技者側に前面側が向き、裏面側が遊技者とは反対側に向けて配置された前側基板(小波発光基板434)と、
前記後側の動作部材に設けられ、遊技者側に前面側が向き、裏面側が遊技者とは反対側に向けて配置された後側基板(中波発光基板414)と、
該後側基板の前記裏面側に設けられ、前記第2状態において前記収容領域の端側であって前記第1状態に位置した側に光を照射可能な発光手段を有する第1発光手段(周辺照射LED523)と
前記前側基板の前記裏面側であって前記前側動作部材の移動方向基端側の前記一部に設けられ、前記前側基板に略垂直な後側に向けて光を照射する第2発光手段(後方照射LED524)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C3に記載の遊技機によれば、特徴C1およびC2に記載した遊技機の奏する効果に加え、収容領域の広範囲にわたる光の照射を収容領域側に発光手段を設けなくても実現することができ、収容領域および収容領域内に配置する部材の大型化を低コストで実現で
きる。
また、特徴A群に記載の遊技機の構成を備えた特徴C3に記載の遊技機とする場合には、素早い変位動作が効率良く可能となることで動作部材が大型化しても、その大型化に伴い拡大された収容空間の内面における装飾は低コストで見栄えの良いものとすることができる。
また、特徴B群に記載の遊技機の構成を備えた特徴C3に記載の遊技機とする場合には、薄い厚さの動作部材で発光基板と導光部材とを構成して広範囲にわたる面状の装飾が可能となることで動作部材が大型化し、また面状の装飾を第1状態および第2状態の両方において遊技者に視認可能としても、その動作部材を収容する収容空間の内面における装飾は低コストで見栄えのよいものとすることができる。
なお、特徴A1〜A4、特徴B1〜B6および特徴C1〜C3に記載のいずれか1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。