JP4418364B2 - ニトリル類の混合物へのカルボン酸のアンモ酸化 - Google Patents

ニトリル類の混合物へのカルボン酸のアンモ酸化 Download PDF

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Description

アクリロニトリルは、テキスタイル、ABS及びSAN樹脂などの樹脂に用いられるアクリル繊維用のポリマーなどの広範囲の重合性物質の製造用のモノマーとして主に用いられている重要な化学品である。世界的に、アクリロニトリルは、年間400万トンを超える量で製造されている。最も一般的に用いられているアクリロニトリル製造プロセスは、プロピレン又はプロパンなどの適切な炭化水素をアンモ酸化反応器中で、アンモニアの存在下にて、酸化剤として空気又は他の分子状酸素源を用いて、反応させることである。このような酸化反応は、アンモ酸化反応とも呼ばれるが、典型的には、流動触媒床中の固体粒子状不均質触媒を用いて、アンモ酸化反応を触媒し、許容可能な変換率及び収率で所望のアクリロニトリルを提供する。アクリロニトリルを製造することに加えて、このようなアンモ酸化反応は、一般に、アセトニトリル、シアン化水素(HCN)及び他の有用な副産物をも製造する。アセトニトリルは、たとえば溶剤として用いられる。炭化水素供給物のアクリロニトリルへの接触アンモ酸化プロセスは、たとえば、米国特許U. S. Patent No. 5,093,299;4,863,891;4,767,878;4,053,001(これらはすべて本願明細書に参照として組み込まれる)に開示されている。
プロピレンのアンモ酸化など、このような炭化水素アンモ酸化の生成物を回収するための商業的実施に広く用いられているプロセスは、一般に(a)アンモ酸化反応器からの流出物を急冷塔内で水性急冷液体と接触させて、ガス状流出物を冷却する工程と、(b)急冷された流出物を吸着塔内で水と接触させて、アンモ酸化生成物を含む水溶液を形成させる工程と、(c)水溶液を水抽出蒸留に供する工程と、(d)アクリロニトリル及びいくらかの水を含む第1のオーバーヘッド蒸気ストリームを蒸留塔の頂部から取り出して、水及び汚染物質を含む液体廃棄物ストリームを蒸留塔の底部から集める工程と、を含む。アクリロニトリルの更なる精製は、オーバーヘッド蒸気ストリームを第2の蒸留塔に通過させて、少なくともいくらかの不純物を粗アクリロニトリルから取り除き、部分的に精製されたアクリロニトリルをさらに蒸留することにより達成され得る。アンモ酸化反応器からの流出物は、一般に、ある量のアンモニアを含む。したがって、急冷塔に用いられる急冷流体は、これと反応する硫酸などの強い鉱酸をも含み得るので、硫酸アンモニウムなどの水溶性アンモニウム塩を形成し得る。硫酸アンモニアウム及び他の成分を含む使用済み又は消費済み急冷流体は、典型的には、環境に安全な態様で処理もしくは廃棄される。
粗アセトニトリルは、上述の抽出性蒸留を行うために用いられる塔から塔底ストリームとして得ることができ、次いで、たとえば米国特許U. S. Patent No. 6,204,407に開示されている精製手順等の更なる精製手順に供することができる。
プロピレン又はプロパンなどの炭化水素供給物のアンモ酸化により製造されるアセトニトリルとアクリロニトリルとの相対量を調節できることが望ましい。なぜなら、市場の需要の変動又は増加に応じて、供給可能な追加のアセトニトリルを適時有していることが望ましいからである。さらに、廃棄処理よりもむしろ、アクリロニトリル製造プロセス内で再循環させることができる消費済み又は使用済み急冷液体を製造することが望ましい。本発明は、このようなプロセスを提供する。
本発明は、カルボン酸、特にカルボン酸の混合物をニトリル又はニトリル類の混合物にアンモ酸化するためのプロセスに関する。本発明は、さらに、プロピレン又はプロパンなどの炭化水素をアクリロニトリルにアンモ酸化する間に製造される副産物アセトニトリルの収率、好ましくは副産物アセトニトリルのアクリロニトリルに対する比率を増加させることにも関する。
本発明は、さらに、副産物収率の増加に関連する原材料コストを抑制しながら、プロピレン又はプロパンなどの炭化水素供給物のアンモ酸化によるアクリロニトリルの製造中に、副産物アセトニトリルの収率を増加させるプロセスにも関する。アセトニトリルの相対量は、アンモ酸化反応に添加されるカルボン酸の量を調節することによって、本発明のプロセスにより制御することができる。
予期していなかったことであるが、カルボン酸、特に粗カルボン酸混合物を用いることで、アクリロニトリルの製造中に生成するアセトニトリルの望ましい増量を達成できることを知見した。
本発明は、さらに、使用済み急冷塔急冷液体をアンモ酸化反応器に再循環させるプロセスにも関する。
[発明の概要]
本発明は、プロピレンもしくはプロパン又はこれらの混合物からアクリロニトリルの製造中に生産されるアセトニトリルの收率を実質的に増加させるプロセスを包含する。よって、本発明は、プロピレン及びプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素と、カルボン酸と、アンモニアと分子状酸素含有ガスとを含む反応物を、アンモ酸化触媒を含む反応ゾーン、たとえば流動床反応器に導入して、炭化水素、カルボン酸、アンモニア及び酸素を触媒上で高められた温度にて反応させてアクリロニトリル、シアン化水素及びアセトニトリルを生成させ、アクリロニトリル、シアン化水素及びアセトニトリルを含む生成物を反応ゾーンから回収する、ことを含む、アクリロニトリルの製造中に生産される副産物アセトニトリルの收率を増加させるプロセスを包含する。
本発明は、アクリロニトリルの製造中に、アクリロニトリルの收率に実質的な影響を与えずに、カルボン酸、特に粗カルボン酸、さらに特に粗カルボン酸の混合物を、アセトニトリルを含む混合物に変換するプロセスをも包含する。よって、本発明は、プロピレン及びプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素と、少なくとも1種のカルボン酸と、アンモニアと、分子状酸素含有ガスとを含む反応物を、アンモ酸化触媒を含む反応ゾーン、たとえば流動床反応器に導入して、炭化水素、カルボン酸、アンモニア及び分子状酸素を触媒上で高められた温度にて反応させてアクリロニトリル、シアン化水素及びアセトニトリルを生成させることを包含する。
本発明は、プロピレン及びプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素と、少なくとも1種のカルボン酸と、アンモニアと分子状酸素含有ガスとを反応ゾーン、例えば流動床反応器に導入して、アンモ酸化触媒、例えば流動床アンモ酸化触媒の存在下で反応させて、アクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルとを含む反応器流出物を生成させ、アクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルとを含む反応器流出物を急冷塔に通過させて反応器流出物を冷却し、反応器流出物からアクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルの少なくとも1種を含む所望の生成物を回収することを含む。
本発明の一実施形態において、1種以上のカルボン酸を急冷液体に添加して、アンモ酸化反応器からの流出物中に存在する過剰のアンモニアと反応させてもよい。好ましくは、アンモニアと1種以上のカルボン酸との反応により形成されるアンモニウム塩を含む急冷液体の少なくとも一部をアンモ酸化反応器又は反応ゾーンに再循環させる。
アクリロニトリル、アセトニトリル及びシアン化水素などの本発明のプロセスにより形成される生成物は、例えば米国特許U. S, Patent No. 4,234,501、3,885,928、3,352,764、3,198,750、3,044,966に開示されているプロセス(これらはすべて本明細書に参照として組み込まれる)などの当業者に公知の方法により回収され精製されてもよい。
本発明の好ましい実施形態において、粗カルボン酸は、カルボン酸源として用いられる。本明細書において、粗カルボン酸とは、通常の商業的に許容可能な純度グレードのカルボン酸としての規格まで精製されていないカルボン酸又はその混合物を含み、1以上のカルボン酸の調製プロセスにより製造されたが通常の商業的に許容可能な純度グレードのカルボン酸としての規格まで精製されていないカルボン酸又はその混合物を意味することが好ましい。粗カルボン酸又はその混合物は、水、他の不純物又は両者を含むものでもよい。例えば、粗カルボン酸の水含有量は、約2wt%から、又は約5wt%から、あるいは約10wt%から最大約98wt%までであってもよい。粗酢酸は、本発明の実施形態において用いられる好ましいカルボン酸である。
任意のアンモ酸化触媒を本発明の実施形態において用いることができる。典型的なアンモ酸化触媒は、下記2種の化学式により一般化することができる。
AaBbCcDdMo12Ox
(式中、A=Li、Na、K、Cs、Tl及びこれらの組み合わせ、好ましくはCs及びK
B=Ni、Co、Mn、Mg、Ca及びこれらの組み合わせ、好ましくはNi、Co及びMg
C=Fe、Cr、Ce、Cu、V、Sb、W、Sn、Ga、Ge、In、P及びこれらの組み合わせ、好ましくはFe、Cr及びCe
D=Bi及び/又はTe、好ましくはBi
a=0.1〜4.0、好ましくは0.1〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.2
b=0.1〜10.0、好ましくは5〜9、特に好ましくは6〜8
c、d=0.1〜10.0、好ましくは0.5〜4、特に好ましくは0.5〜3)及び
AaBbSb12Ox
(式中、A=Fe、Cr、Ce、V、U、Sn、Ti、Nb及びこれらの組み合わせ、好ましくはFe、V、Sn及びTi
B=Mo、W、Co、Cu、Te、Bi、Zn、B、Ni、Ca、Ta及びこれらの組み合わせ、好ましくはMo及びCu
a=0.1〜16、好ましくは2〜12、特に好ましくは4〜10
b=0.0〜12、好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜6、
xの値は用いられる元素の酸化状態に依存する)
本発明にて用いられる適切なアンモ酸化触媒は、担持されていなくても、あるいはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等に担持されていてもよいが、シリカが好ましい担体である。本発明の実施に用いるに適切な触媒の例は、米国特許U. S, Patent No. 3,642,930、4,485,079、3,911,089、4,873,215、5,134,105及び5,093,299(これらはすべて本願明細書に参照として組み込まれる)に開示されている。
[発明の詳細な記述]
本発明は、プロピレン及びプロパンの1種以上と、アンモニアと、分子状酸素源とカルボン酸とを含む混合物のアンモ酸化プロセスである。カルボン酸は、好ましくは、粗カルボン酸又は粗カルボン酸の混合物である。本発明は、アクリロニトリルの製造中に製造されるアセトニトリルなどの有用なニトリル副産物の製造のための供給材料としてのカルボン酸、特に粗カルボン酸の利用方法である。加えて、カルボン酸又は水などの希釈剤の実質量を含有するカルボン酸の混合物は、本発明の実施に利用することができるので、副産物の製造に適切なカルボン酸又はカルボン酸含有原材料のコストをさらに削減することができる。
本発明は、さらに、プロピレン及びプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素と少なくとも1種のカルボン酸とアンモニアと空気などの分子状酸素含有ガスとを含む反応物を、アンモ酸化触媒を含有する反応ゾーンに導入し、高められた温度にてアンモ酸化触媒の上で炭化水素とカルボン酸又はカルボン酸混合物とアンモニアと分子状酸素とを反応させて、アクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルとを含む生成物を製造し、反応器からアクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルの1種以上を含む1種以上の生成物を回収することを含む、アクリロニトリル製造中にアセトニトリルの收率を増加させるプロセスでもある。
本発明において用いられる好ましいカルボン酸は、8以下の炭素原子、好ましくは6以下の炭素原子、最も好ましくは3以下の炭素原子を有する比較的低炭素数のカルボン酸である。カルボン酸は、飽和でも不飽和でも分枝でも直鎖でもよく、芳香族でも芳香族成分を有するものでもよい。本発明において用いられるカルボン酸は、モノカルボン酸でも、あるいはポリカルボン酸、すなわち多酸基を有するものでよく、よって例えばジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸でもよい。適切なカルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタノン酸、シュウ酸、アクリル酸、ブテノン酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸などの1種以上を挙げることができる。本明細書において、粗酢酸などの粗カルボン酸は、単一のカルボン酸であってもよく、すなわち、せいぜい約98wt%純度、好ましくはせいぜい約95wt%純度、より好ましくはせいぜい約90wt%純度である。好ましくは、本発明にて用いられるカルボン酸は、酢酸であり、より好ましくは粗酢酸である。本発明にて用いられる別の好ましいカルボン酸は、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸の混合物;例えば、酢酸の製造からの副産物又は廃棄ストリームとして得られる混合物などである
約5wt%及び約98wt%以下、又は約95wt%以下、あるいは約90wt%以下又は55wt%の酢酸と、約0wt%又は約1wt%又は約10wt%〜約25wt%以下のギ酸と、約0wt%又は約1wt%〜約10wt%以下又は約5wt%以下のプロピオン酸を本発明のプロセスに用いることができる。このような粗カルボン酸混合物は、純粋な酢酸の製造からの廃棄ストリーム又は副産物ストリームとして得ることができる。
本発明のプロセスにおいて、カルボン酸の幾分か又は全量を塩として、好ましくはカルボン酸とアミン又はアンモニアとを組み合わせることにより得られる塩として、添加することができる。好ましい塩は、アンモニウム塩である。カルボン酸が添加されるとして、その一部もしくは全部がアンモニウム塩などの塩である場合、塩は好ましくは水溶液としてアンモ酸化反応器に添加される。例えば、約33wt%以下の塩、好ましくは約5wt%〜約33wt%以下のアンモニウム塩である水溶液。水溶液が用いられる場合、水溶液は好ましくはアンモ酸化反応ゾーン、好ましくはアンモ酸化触媒の流動床にスプレイされる。このようなアンモニウム塩の好ましい濃度は、アンモ酸化反応器の流出物からアクリロニトリルを回収するプロセスにおいて用いられる急冷運転から得ることができる再循環ストリームとほぼ同じである。上述のようなこのような急冷運転において、アンモ酸化反応器からの熱いガス状流出物は、急冷液体、好ましくは水性急冷液体と接触して、アンモ酸化反応器流出物を冷却する。急冷プロセス中、アンモ酸化反応器流出物中の過剰アンモニアは、水性急冷液体に添加されるカルボン酸もしくはカルボン酸混合物と反応して、カルボン酸アンモニア塩、すなわちアンモニウム塩を形成することができる。このような急冷運転から得られるカルボン酸もしくはカルボン酸混合物のアンモニウム塩を含む使用済みもしくは消費済み急冷液体は、本発明によりアンモ酸化反応器に添加するための本発明の好ましいカルボン酸源である。急冷液体に添加されて過剰のアンモニアと反応して過剰のアンモニアを取り除くカルボン酸は、上述のカルボン酸もしくはカルボン酸混合物の1種以上であってもよい。よって、本発明の実施形態において、カルボン酸もしくはその混合物、好ましくは上述のカルボン酸の1種以上は、アクリロニトリル製造のためのアンモ酸化反応器からの流出物を急冷するために用いられる急冷液体、好ましくは水性急冷液体に添加される。アンモ酸化反応器流出物を急冷して、アンモ酸化反応器流出物中に存在するアンモニアと反応するために用いられた後、カルボン酸もしくはその混合物のアンモニウム塩を含む液体は、少なくとも部分的に、アンモ酸化反応器に再循環される。このような再循環される急冷液体中のカルボン酸アンモニウム塩の量は、約5wt%〜約33wt%以下、より好ましくは約15wt%以下のカルボン酸のアンモニウム塩であってもよい。急冷液体に添加される好ましいカルボン酸は、酢酸であり、好ましくは粗酢酸である。別の好ましいカルボン酸は、上述のような、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸を含む混合物である。プロピオン酸の量は低く、例えば混合物の5wt%以下、より好ましくは1wt%以下である混合物が好ましい。急冷液体、好ましくは水性急冷液体は、反応器に急冷液体をスプレイすることによりアンモ酸化反応器に添加されることが好ましく、流動床反応器の流動床にスプレイすることにより添加されることが好ましい。
本発明のプロセスにおいて、カルボン酸の形態においてもしくはアンモニウム塩等の塩として、反応ゾーンに添加されるカルボン酸もしくはカルボン酸混合物の量は、モル基準で、反応ゾーンへのアンモニア供給比率の約50%以下、又は約25%以下又は40%、例えば約1%〜15%の間であってもよい。
本発明の好ましい実施形態において、アンモ酸化反応器条件は、カルボン酸もしくはその混合物を利用することにより得られるアセトニトリルの増加した收率を得るように調節することができる。本発明の実施において、アンモ酸化反応条件は、好ましくは、以下のパラメータの範囲内にある。カルボン酸の形態でもしくはアンモニウム塩などの塩として添加されるカルボン酸もしくはその混合物の供給比率は、モル基準でアンモニア供給比率の約50%以下、又は約25%以下又は40%、例えば約1〜約15%の間であってもよく、アンモ酸化反応温度は約420℃〜約460℃、好ましくは約430℃〜約440℃の間であってもよく、圧力は約1〜約2気圧、好ましくは約1〜約1.2気圧又は約1.1気圧の間に適切に維持される。
本発明の好ましい実施形態において、プロセスは、粒子状アンモ酸化触媒を用いる流動床反応器内で行われる。
以下の実施例は、本発明の説明の目的でなされたものであり、本発明の実施を制限するものと解してはならない。
カルボン酸を添加した場合及び添加しない場合について、空気及びアンモニアを用いるプロピレンのアンモ酸化反応を行った。すべての実施例において用いた触媒は、アクリロニトリルへのプロピレンのアンモ酸化において適切であるとして知られている助触媒BiFeMoOxであった。モル基準でアンモニア供給の2.5%、5%及び10%の量で粗酢酸を、プロピレン及び空気と一緒にアンモ酸化反応器に添加して、下記Table 1に示す結果を得た。水酸化アンモニウム溶液を添加して粗酢酸混合物をpH5として、得られた酸を反応器に供給する前に希釈して67%水とした。下記実施例の各々において、反応器温度を440℃とし、圧力を10.0psigとし、プロピレン/アンモニア/空気/酸のモル供給比率を1/1.17/10.0/X(X=0.029、0.059、0.12)とした。wwhは0.08(炭化水素g/触媒g、hour)であった。
Figure 0004418364
Table 1のデータは、アンモ酸化反応への酢酸の添加が、生成されたアセトニトリルの收率を増加させたことを示す。
一般に、すべてのカルボン酸は、ニトリル類の混合物にアンモ酸化され得る。特に、酢酸及び好ましくは粗酢酸は、アセトニトリルにアンモ酸化され得る。好ましい酸としては、C〜Cカルボン酸を挙げることができる。
本発明はさらに、少なくとも1種のカルボン酸とアンモニアと分子状酸素含有ガスとを含む反応物を、上述の触媒の1種などのアンモ酸化触媒を含有する反応ゾーン、例えば流動床反応器に導入し、上述の温度及び圧力を用いて、カルボン酸とアンモニアと分子状酸素とを含む反応物を触媒の上で高められた温度にて反応させて、ニトリルを含む生成物を製造するプロセスでもある。好ましくはカルボン酸は酢酸を含み、より好ましくはカルボン酸は粗酢酸を含み、カルボン酸が酢酸又は粗酢酸を含む場合にはニトリルは好ましくはアセトニトリルを含む。
本発明のある種の実施形態及び実施例だけを記載したが、当業者には上述の記載から別の実施形態及び種々の変形例が明らかであろう。これら及び他の変形例は、本発明の範囲を逸脱しない限り均等であると考えられる。
2002年5月16日に出願された米国特許仮出願60/381,066は全体として本願明細書に参照として組み込まれる。

Claims (10)

  1. プロピレン及びプロパンからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素と、アンモニアと、分子状酸素含有ガスとを含む反応物を、アンモ酸化触媒を含む反応ゾーンに導入する工程と、
    該炭化水素、アンモニア及び分子状酸素を含む反応物を高められた温度にて該触媒上で反応させて、アクリロニトリルとシアン化水素とアセトニトリルとを含む反応ゾーン流出物を生成させる工程と、
    該反応ゾーン流出物を、水及びカルボン酸を含む急冷液体と接触させる工程と、
    該急冷液体を該反応ゾーン流出物と接触させた後で、該急冷液体の少なくとも一部を該反応ゾーンに添加する工程と、
    を含む、プロセス。
  2. 前記カルボン酸は、粗カルボンを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記カルボン酸は、カルボン酸の混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記反応ゾーンに添加された急冷液体は、カルボン酸のアンモニウム塩を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記カルボン酸は、少なくとも部分的にアミン塩の形態である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記アンモニウム塩は、水溶液を含む、請求項4に記載のプロセス。
  7. 前記カルボン酸は、酢酸を含む、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記カルボン酸は、粗酢酸を含む、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記カルボン酸は、蟻酸、酢酸及びプロピオン酸の混合物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記カルボン酸は、粗酢酸を含む、請求項6に記載のプロセス。
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