JPH0959239A - アクリロニトリルの製造方法 - Google Patents
アクリロニトリルの製造方法Info
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- JPH0959239A JPH0959239A JP7213550A JP21355095A JPH0959239A JP H0959239 A JPH0959239 A JP H0959239A JP 7213550 A JP7213550 A JP 7213550A JP 21355095 A JP21355095 A JP 21355095A JP H0959239 A JPH0959239 A JP H0959239A
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- JP
- Japan
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- ammonia
- acrylonitrile
- reaction
- oxygen
- catalyst
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】プロピレンおよび/またはプロパンのアンモ酸
化法によるアクリルニトリルの製造において反応後の合
成ガス中の未反応アンモニアを低コストで効率よく分解
除去する。 【解決手段】アクリロニトリル合成反応器より出た合成
ガスをルテニウムを含む触媒と200〜550℃に於い
て接触処理する。 【効果】反応ガス中のアクリロニトリル等の有価物の損
失が極めて少なく、また、処理廃棄物の発生も殆ど無
く、容易に未反応アンモニアを除くことが出来て、アク
リロニトリルの収率を向上させることができる。
化法によるアクリルニトリルの製造において反応後の合
成ガス中の未反応アンモニアを低コストで効率よく分解
除去する。 【解決手段】アクリロニトリル合成反応器より出た合成
ガスをルテニウムを含む触媒と200〜550℃に於い
て接触処理する。 【効果】反応ガス中のアクリロニトリル等の有価物の損
失が極めて少なく、また、処理廃棄物の発生も殆ど無
く、容易に未反応アンモニアを除くことが出来て、アク
リロニトリルの収率を向上させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリロニトリルの
製造方法に関する、さらに詳しくはプロピレンまたはプ
ロパンのアンモ酸化法によるアクリロニトリルの製造に
おいて、アクリロニトリル合成反応により得られた反応
ガスを再度触媒と接触させることにより、反応ガス中の
未反応アンモニアを低減する方法に関するものである。
製造方法に関する、さらに詳しくはプロピレンまたはプ
ロパンのアンモ酸化法によるアクリロニトリルの製造に
おいて、アクリロニトリル合成反応により得られた反応
ガスを再度触媒と接触させることにより、反応ガス中の
未反応アンモニアを低減する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロピレン、アンモニア及び空気を触媒
の存在下で反応せしめアクリロニトリルを合成する方法
はよく知られている(K.Weissermel,H.J.Arpe著、向山
光昭監訳“工業有機化学−主要原料と中間体”東京化学
同人発行 P-290,291(1978))。反応器の形式は固定床型
を採用しているものもあるが、一般的には流動床型反応
器を用いて原料ガスで触媒を流動させつつ反応を行って
いる。
の存在下で反応せしめアクリロニトリルを合成する方法
はよく知られている(K.Weissermel,H.J.Arpe著、向山
光昭監訳“工業有機化学−主要原料と中間体”東京化学
同人発行 P-290,291(1978))。反応器の形式は固定床型
を採用しているものもあるが、一般的には流動床型反応
器を用いて原料ガスで触媒を流動させつつ反応を行って
いる。
【0003】反応条件は反応器の構造、使用する触媒に
よって多少異なるが、通常原料プロピレンに対するアン
モニアのモル比は1.05〜1.25と若干アンモニア
過剰である。これは反応に際し十分なアンモニアが存在
しないと副生物のアクロレインの量が増加し、アクリロ
ニトリルの製品品質を低下させるためである。またプロ
ピレンに対する酸素も量論比に対して数十%過剰であ
る。反応温度は400〜500℃の範囲で行われる。か
かる条件下で一般的に原料プロピレンの転化率は98%
以上に達する。通常反応器出口ガス中の成分は、主反応
生成物であるアクリロニトリルや水分、また酸化ガスと
して用いられた空気中の窒素やアルゴンの他、副反応生
成物である青酸、アセトニトリル、アクリル酸、酢酸、
アクロレインや炭酸ガス、一酸化炭素、未反応分のプロ
ピレンまたはアンモニア、酸素その他プロパンなどを含
有する。
よって多少異なるが、通常原料プロピレンに対するアン
モニアのモル比は1.05〜1.25と若干アンモニア
過剰である。これは反応に際し十分なアンモニアが存在
しないと副生物のアクロレインの量が増加し、アクリロ
ニトリルの製品品質を低下させるためである。またプロ
ピレンに対する酸素も量論比に対して数十%過剰であ
る。反応温度は400〜500℃の範囲で行われる。か
かる条件下で一般的に原料プロピレンの転化率は98%
以上に達する。通常反応器出口ガス中の成分は、主反応
生成物であるアクリロニトリルや水分、また酸化ガスと
して用いられた空気中の窒素やアルゴンの他、副反応生
成物である青酸、アセトニトリル、アクリル酸、酢酸、
アクロレインや炭酸ガス、一酸化炭素、未反応分のプロ
ピレンまたはアンモニア、酸素その他プロパンなどを含
有する。
【0004】また近年、プロピレンの代わりに、より安
価なプロパンを使用したアクリロニトリルの製造方法の
開発も行われている(特開平5−279313等)。プ
ロピレンを用いる方法およびプロパンを用いる方法のど
ちらの方法においても、原料のアンモニアはプロピレン
またはプロパンに対して過剰に供給されるため、反応器
出口ガス中には酸素の残分と共に未反応アンモニアが若
干残存することになり、通常反応器出口ガス1Nm3 あ
たり1〜10g程度のアンモニアが残存している。
価なプロパンを使用したアクリロニトリルの製造方法の
開発も行われている(特開平5−279313等)。プ
ロピレンを用いる方法およびプロパンを用いる方法のど
ちらの方法においても、原料のアンモニアはプロピレン
またはプロパンに対して過剰に供給されるため、反応器
出口ガス中には酸素の残分と共に未反応アンモニアが若
干残存することになり、通常反応器出口ガス1Nm3 あ
たり1〜10g程度のアンモニアが残存している。
【0005】反応ガスからアクリロニトリル、青酸を回
収精製するにあたって、アンモニアを未処理のままで水
洗、水吸収、蒸留を行った場合、アクリロニトリル、青
酸は重合、加水分解反応によって著しい回収率の低下を
招き、且つこれら重合物、加水分解物の混入により製品
品質は悪化する。またさらには、重合物が付着、蓄積す
ることにより塔、熱交換器などの閉塞を来たし、安定操
業を行うことは困難となる。このため、反応ガスから効
率よくアクリロニトリル、青酸を回収し安定操業を行う
ために、未反応アンモニアを除去する工程が設けられて
いる。
収精製するにあたって、アンモニアを未処理のままで水
洗、水吸収、蒸留を行った場合、アクリロニトリル、青
酸は重合、加水分解反応によって著しい回収率の低下を
招き、且つこれら重合物、加水分解物の混入により製品
品質は悪化する。またさらには、重合物が付着、蓄積す
ることにより塔、熱交換器などの閉塞を来たし、安定操
業を行うことは困難となる。このため、反応ガスから効
率よくアクリロニトリル、青酸を回収し安定操業を行う
ために、未反応アンモニアを除去する工程が設けられて
いる。
【0006】例えば、特公昭44−15645において
は、反応ガスを水洗し、重合物などの高沸点化合物を除
去した後、硫酸と接触させることによって未反応アンモ
ニアを反応ガスから分離し、生成する硫安を回収するこ
とが提案されている。また、その改良特許がスタンダー
ドオイル社より特開昭52−65219として提案され
ている。
は、反応ガスを水洗し、重合物などの高沸点化合物を除
去した後、硫酸と接触させることによって未反応アンモ
ニアを反応ガスから分離し、生成する硫安を回収するこ
とが提案されている。また、その改良特許がスタンダー
ドオイル社より特開昭52−65219として提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
硫酸によりアンモニアを除去する方法では、反応ガス中
のアクリロニトリルが副生した青酸、アセトニトリルお
よび炭素数2および3のアルデヒド類等と反応すること
により、生成したアクリロニトリルの数%が損失され
る。これは、洗浄工程において水洗により重合物を除去
する際に、未反応アンモニアの一部が洗浄水に吸収さ
れ、洗浄水がアルカリ性になることにより反応が促進さ
れると考えられる。
硫酸によりアンモニアを除去する方法では、反応ガス中
のアクリロニトリルが副生した青酸、アセトニトリルお
よび炭素数2および3のアルデヒド類等と反応すること
により、生成したアクリロニトリルの数%が損失され
る。これは、洗浄工程において水洗により重合物を除去
する際に、未反応アンモニアの一部が洗浄水に吸収さ
れ、洗浄水がアルカリ性になることにより反応が促進さ
れると考えられる。
【0008】この他、反応ガス中のアンモニアを中和除
去する硫酸のコストがかかり、また、中和反応により生
成した大量の硫安を未処理のまま排出することは環境汚
染の問題を引き起こす可能性があり、これを防止するた
めの費用はアクリロニトリルの製造コストを大幅に増加
させる。
去する硫酸のコストがかかり、また、中和反応により生
成した大量の硫安を未処理のまま排出することは環境汚
染の問題を引き起こす可能性があり、これを防止するた
めの費用はアクリロニトリルの製造コストを大幅に増加
させる。
【0009】また、本発明のようなアクリロニトリル合
成ガス中の未反応アンモニアを分解する有効な触媒は知
られていなく、MnO−TiO2 系、V2 O5 −TiO
2 系、Rh−Al2 O3 系、NiO系等の公知のアンモ
ニア分解触媒を使用した場合にはアンモニアの分解より
もアクリロニトリルの燃焼が優先的に生じるため、実用
に耐えられなかった。
成ガス中の未反応アンモニアを分解する有効な触媒は知
られていなく、MnO−TiO2 系、V2 O5 −TiO
2 系、Rh−Al2 O3 系、NiO系等の公知のアンモ
ニア分解触媒を使用した場合にはアンモニアの分解より
もアクリロニトリルの燃焼が優先的に生じるため、実用
に耐えられなかった。
【0010】本発明の目的は、従来の技術に対しアクリ
ロニトリルの損失が少なく、アンモニア除去に要する費
用が少ないアクリロニトリルの製造方法を提供すること
である。
ロニトリルの損失が少なく、アンモニア除去に要する費
用が少ないアクリロニトリルの製造方法を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、アクリロニトリル
合成反応器より出た反応ガスを、ルテニウムを含む触媒
と接触させることにより、アクリロニトリル合成反応器
において生成したアクリロニトリル等の有価物をほとん
ど損なうことなく、反応ガス中の未反応アンモニアを分
解し低減できることを見いだし本発明を完成した。
を解決するために鋭意研究した結果、アクリロニトリル
合成反応器より出た反応ガスを、ルテニウムを含む触媒
と接触させることにより、アクリロニトリル合成反応器
において生成したアクリロニトリル等の有価物をほとん
ど損なうことなく、反応ガス中の未反応アンモニアを分
解し低減できることを見いだし本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明のアクリロニトリルの製
造方法は触媒の存在下プロピレンおよび/またはプロパ
ン、アンモニア及び酸素を反応させアクリロニトリルを
製造する方法において、アクリロニトリル合成反応によ
り生成した反応ガスをルテニウムを含む触媒と接触さ
せ、反応ガス中の未反応アンモニアを低減させることを
特徴とするものである。
造方法は触媒の存在下プロピレンおよび/またはプロパ
ン、アンモニア及び酸素を反応させアクリロニトリルを
製造する方法において、アクリロニトリル合成反応によ
り生成した反応ガスをルテニウムを含む触媒と接触さ
せ、反応ガス中の未反応アンモニアを低減させることを
特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のアクリロニトリル合成反
応は、多元Mo−Bi系、Fe−Sb系等の公知のアク
リロニトリル合成用触媒を使用することができる。反応
器の形式には特に制限はないが、反応温度が均一化され
除熱が容易な流動床反応器を用いることが好ましい。
応は、多元Mo−Bi系、Fe−Sb系等の公知のアク
リロニトリル合成用触媒を使用することができる。反応
器の形式には特に制限はないが、反応温度が均一化され
除熱が容易な流動床反応器を用いることが好ましい。
【0014】アクリロニトリル合成に関する反応条件、
すなわち反応温度、空気/プロピレンモル比、アンモニ
ア/プロピレンモル比等には特に制限はなく、アクリロ
ニトリルの収率を最大にする諸条件を選択すればよい。
しかしながら、アンモニアの分解には酸素を必要とする
ので、アクリロニトリル合成反応器出口において、アン
モニアを分解するために十分な酸素が存在するように、
アクリロニトリル合成反応器に供給する空気の量を調整
することが好ましい。この条件がアクリロニトリルの合
成に好ましくない場合は、アクリロニトリル合成反応器
出口とアンモニア分解反応器入り口との間で、酸素また
は酸素含有ガスを供給することも可能である。
すなわち反応温度、空気/プロピレンモル比、アンモニ
ア/プロピレンモル比等には特に制限はなく、アクリロ
ニトリルの収率を最大にする諸条件を選択すればよい。
しかしながら、アンモニアの分解には酸素を必要とする
ので、アクリロニトリル合成反応器出口において、アン
モニアを分解するために十分な酸素が存在するように、
アクリロニトリル合成反応器に供給する空気の量を調整
することが好ましい。この条件がアクリロニトリルの合
成に好ましくない場合は、アクリロニトリル合成反応器
出口とアンモニア分解反応器入り口との間で、酸素また
は酸素含有ガスを供給することも可能である。
【0015】本発明の方法でアンモニア低減用のアンモ
ニア分解反応器に用いられる触媒は、ルテニウムを含む
触媒であり、ルテニウムを担体に担持して使用すること
が好ましい。担体成分にはとくに制限はないが、チタニ
ア(TiO2 )、マグネシア(MgO)、シリカ(Si
O2 )、セリア(CeO2 )、ジルコニア(Zr
O2)、アルミナ(Al2 O3 )等を用いることができ
る。またこれらの成分を2種類以上組み合わせたものを
使用することも可能である。さらに担体の他にアンモニ
ア分解活性を向上させたり、アクリロニトリルの燃焼を
抑制するための成分を添加することも可能である。触媒
中のルテニウム含量は0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%である。
ニア分解反応器に用いられる触媒は、ルテニウムを含む
触媒であり、ルテニウムを担体に担持して使用すること
が好ましい。担体成分にはとくに制限はないが、チタニ
ア(TiO2 )、マグネシア(MgO)、シリカ(Si
O2 )、セリア(CeO2 )、ジルコニア(Zr
O2)、アルミナ(Al2 O3 )等を用いることができ
る。またこれらの成分を2種類以上組み合わせたものを
使用することも可能である。さらに担体の他にアンモニ
ア分解活性を向上させたり、アクリロニトリルの燃焼を
抑制するための成分を添加することも可能である。触媒
中のルテニウム含量は0.01〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%である。
【0016】アンモニア分解用のアンモニア分解反応器
には流動床及び固定床のどちらを用いても未反応アンモ
ニアを低減することは可能だが、アクリロニトリル合成
反応は圧力が高いほどアクリロニトリルの選択率が低く
なるため、アンモニア分解反応器には圧力損失が比較的
小さい固定床反応器を用いることが好ましい。さらに好
ましくは、触媒をハニカム型担体に担持したり、触媒を
ハニカム型に成形したものを用いて、アンモニア分解反
応器での圧力損失を極力小さくする。
には流動床及び固定床のどちらを用いても未反応アンモ
ニアを低減することは可能だが、アクリロニトリル合成
反応は圧力が高いほどアクリロニトリルの選択率が低く
なるため、アンモニア分解反応器には圧力損失が比較的
小さい固定床反応器を用いることが好ましい。さらに好
ましくは、触媒をハニカム型担体に担持したり、触媒を
ハニカム型に成形したものを用いて、アンモニア分解反
応器での圧力損失を極力小さくする。
【0017】アンモニア分解反応器におけるアンモニア
分解のための反応温度は目的とするアンモニア分解率と
許容されるアクリロニトリル燃焼率とにより異なるが、
200〜550℃、好ましくは220〜500℃、さら
に好ましくは230〜450℃である。アクリロニトリ
ル合成ガスの温度が200℃以上であれば、アクリロニ
トリル合成用のアクリロニトリル合成反応器からアンモ
ニア分解用のアンモニア分解反応器に至る間での高沸物
の析出トラブルを防止することが出来る。また、アンモ
ニア分解反応における温度が550℃以下であれば、ア
クリロニトリル合成反応ガスをアンモニア分解反応器に
供給する前の加熱はほとんど必要ないので、経済的に有
利である。さらに、550℃以下であればアクリロニト
リル等の有価物の分解量も比較的少なくて済む。このよ
うな温度に調節するためにアクリロニトリル合成反応器
とアンモニア分解反応器との間に熱交換器を設置するこ
とも可能である。
分解のための反応温度は目的とするアンモニア分解率と
許容されるアクリロニトリル燃焼率とにより異なるが、
200〜550℃、好ましくは220〜500℃、さら
に好ましくは230〜450℃である。アクリロニトリ
ル合成ガスの温度が200℃以上であれば、アクリロニ
トリル合成用のアクリロニトリル合成反応器からアンモ
ニア分解用のアンモニア分解反応器に至る間での高沸物
の析出トラブルを防止することが出来る。また、アンモ
ニア分解反応における温度が550℃以下であれば、ア
クリロニトリル合成反応ガスをアンモニア分解反応器に
供給する前の加熱はほとんど必要ないので、経済的に有
利である。さらに、550℃以下であればアクリロニト
リル等の有価物の分解量も比較的少なくて済む。このよ
うな温度に調節するためにアクリロニトリル合成反応器
とアンモニア分解反応器との間に熱交換器を設置するこ
とも可能である。
【0018】このような条件の下で、アンモニアの分解
率は約60%に達し、またアクリロニトリルの分解率は
3%以下に抑えることができる。アンモニアの分解によ
り生成する物質は主に窒素と水であり、その量は全ガス
量の10分の1以下である。アンモニアを処理する前の
反応ガス中には、もともと窒素が約60vol%、水が
約10〜30vol%程度含まれているので、アンモニ
アの酸化により生成する窒素と水は精製工程には全く影
響を及ぼさない。以上のように、本発明の方法によれ
ば、アクリロニトリル合成ガス中のアクリロニトリルを
ほとんど損失せずにアンモニア成分を低減することがで
き、中和用硫酸よび廃水処理費を削減することができ
る。
率は約60%に達し、またアクリロニトリルの分解率は
3%以下に抑えることができる。アンモニアの分解によ
り生成する物質は主に窒素と水であり、その量は全ガス
量の10分の1以下である。アンモニアを処理する前の
反応ガス中には、もともと窒素が約60vol%、水が
約10〜30vol%程度含まれているので、アンモニ
アの酸化により生成する窒素と水は精製工程には全く影
響を及ぼさない。以上のように、本発明の方法によれ
ば、アクリロニトリル合成ガス中のアクリロニトリルを
ほとんど損失せずにアンモニア成分を低減することがで
き、中和用硫酸よび廃水処理費を削減することができ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0020】実施例1 以下の手順によりRu/TiO2 触媒を調製した。ドデ
カカルボニルトリルテニウム1.9gをテトラヒドロフ
ラン(THF)200gに完全に溶解し、TiO2 粉末
30gを添加した。そのまま約4時間撹拌を続けた後、
THFを完全に留去した。得られた粉末を圧縮成形した
後粉砕し、7〜12メッシュに篩い分けし、真空下40
0℃まで加熱した。このようにして得た触媒を反応管に
充填し、アクリロニトリル5.8vol%、アンモニア
1.0vol%、酸素1.1vol%、青酸0.8vo
l%、プロピレン0.02%、その他窒素、水蒸気等か
らなるアクリロニトリル合成ガスと反応温度320℃、
SV=5000h-1で接触させた。この状態を4時間継
続した後、反応管出口のガスを分析した。この時のアン
モニア分解率及びアクリロニトリル損失率を表1に示
す。なお、アンモニア分解率およびアクリロニトリル損
失率は以下の式により求めた。
カカルボニルトリルテニウム1.9gをテトラヒドロフ
ラン(THF)200gに完全に溶解し、TiO2 粉末
30gを添加した。そのまま約4時間撹拌を続けた後、
THFを完全に留去した。得られた粉末を圧縮成形した
後粉砕し、7〜12メッシュに篩い分けし、真空下40
0℃まで加熱した。このようにして得た触媒を反応管に
充填し、アクリロニトリル5.8vol%、アンモニア
1.0vol%、酸素1.1vol%、青酸0.8vo
l%、プロピレン0.02%、その他窒素、水蒸気等か
らなるアクリロニトリル合成ガスと反応温度320℃、
SV=5000h-1で接触させた。この状態を4時間継
続した後、反応管出口のガスを分析した。この時のアン
モニア分解率及びアクリロニトリル損失率を表1に示
す。なお、アンモニア分解率およびアクリロニトリル損
失率は以下の式により求めた。
【0021】
【0022】
【0023】実施例2〜5 担体成分としてTiO2 の代わりにそれぞれMgO、S
iO2 、ZrO2 、CeO2 を用いたほかは実施例1と
同様にして触媒を調製した。これらの触媒について反応
温度を表1に示す温度とした他は実施例1と同様にして
触媒をテストした。この結果を表1に示す。
iO2 、ZrO2 、CeO2 を用いたほかは実施例1と
同様にして触媒を調製した。これらの触媒について反応
温度を表1に示す温度とした他は実施例1と同様にして
触媒をテストした。この結果を表1に示す。
【0024】実施例6 ルテニウム源としてルテニウム(III) アセチルアセトナ
ートを使用した他は実施例1と同様にしてRu/TiO
2 触媒を調製した。この触媒をテストしたところ実施例
1のものとほぼ同様の結果だった。
ートを使用した他は実施例1と同様にしてRu/TiO
2 触媒を調製した。この触媒をテストしたところ実施例
1のものとほぼ同様の結果だった。
【0025】比較例1〜4 表2に示す市販の触媒を用いて実施例1と同様にして触
媒をテストした。結果を表2に示す。いずれの触媒もア
ンモニアはほとんど分解しないのにも関わらず、アクリ
ロニトリルの損失は大きいことがわかる。
媒をテストした。結果を表2に示す。いずれの触媒もア
ンモニアはほとんど分解しないのにも関わらず、アクリ
ロニトリルの損失は大きいことがわかる。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来の方法に比べアク
リロニトリル合成反応ガス中のアクリロニトリルの損失
を極めて軽微におさえて、未反応アンモニアの分解除去
を効率よく行い、廃棄物の少ないアクリロニトリルの製
造方法を提供することができ、産業上極めて有利であ
る。
リロニトリル合成反応ガス中のアクリロニトリルの損失
を極めて軽微におさえて、未反応アンモニアの分解除去
を効率よく行い、廃棄物の少ないアクリロニトリルの製
造方法を提供することができ、産業上極めて有利であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 253/26 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 B01J 23/56 X 301X (72)発明者 竹下 賢 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 吉永 進 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】触媒の存在下プロピレンおよび/またはプ
ロパン、アンモニア及び酸素を反応させアクリロニトリ
ルを製造する方法において、アクリロニトリル合成反応
により生成した反応ガスをルテニウムを含む触媒と接触
させ、反応ガス中の未反応アンモニアを低減させること
を特徴とするアクリロニトリルの製造方法。 - 【請求項2】ルテニウムを含む触媒がチタニア(TiO
2 )、マグネシア(MgO)、シリカ(SiO2 )、セ
リア(CeO2 )、ジルコニア(ZrO2 )およびアル
ミナ(Al2 O3 )の中から選ばれる少なくとも一種類
の成分を含み、ルテニウム含量が0.01〜20重量%
である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】反応ガスをルテニウムを含む触媒と接触さ
せる温度が200〜550℃である請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7213550A JPH0959239A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | アクリロニトリルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7213550A JPH0959239A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | アクリロニトリルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959239A true JPH0959239A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16641064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7213550A Pending JPH0959239A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | アクリロニトリルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959239A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4854172B2 (ja) * | 2000-08-07 | 2012-01-18 | ザ・スタンダード・オイル・カンパニー | アルカンアンモ酸化プロセスにおけるアンモニア漏出の改善 |
JP2012031124A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Asahi Kasei Chemicals Corp | アクリロニトリルの製造方法 |
JP2019536919A (ja) * | 2016-11-01 | 2019-12-19 | クーゼ,コルヤ | 組み合わされた生成方法を使用して、co2から再生可能または部分再生可能に生成され得る炭素繊維 |
-
1995
- 1995-08-22 JP JP7213550A patent/JPH0959239A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4854172B2 (ja) * | 2000-08-07 | 2012-01-18 | ザ・スタンダード・オイル・カンパニー | アルカンアンモ酸化プロセスにおけるアンモニア漏出の改善 |
JP2012031124A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Asahi Kasei Chemicals Corp | アクリロニトリルの製造方法 |
JP2019536919A (ja) * | 2016-11-01 | 2019-12-19 | クーゼ,コルヤ | 組み合わされた生成方法を使用して、co2から再生可能または部分再生可能に生成され得る炭素繊維 |
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