JP4854172B2 - アルカンアンモ酸化プロセスにおけるアンモニア漏出の改善 - Google Patents

アルカンアンモ酸化プロセスにおけるアンモニア漏出の改善 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモ酸化触媒を含有する反応器内での飽和炭化水素(例えば、プロパン)、アンモニア及び酸素の直接アンモ酸化によるアクリロニトリルの製造に関する。特に、本発明は、未反応アンモニア、アンモニウム塩及び未反応アンモニアから製造される廃棄生成物を実質的に減少させることに関する。特に、本発明は、反応器にC2〜C5オレフィンを添加して、未反応アンモニアと反応させ、それにより反応器流出物から未反応アンモニアを減少及び/又は排除することに関する。この反応器流出物中におけるアンモニアの実質的な減少は、環境上及び経済的な顕著な効果を提供する。
【0002】
本発明は、現存するプロピレン系供給物アクリロニトリルプラントをプロパン系供給物アクリロニトリルプラントに変換する際に、特に有用である。
【0003】
【従来技術の記載】
プロパンからのアクリロニトリルの製造は、新興技術である。一方で、このような技術に対する触媒及び処理スキームに関する多数のプラントがある。この技術の商業化は、未だなされておらず、アクリロニトリルは、世界中でプロピレン(プロパンよりも高価な供給原料である)のアンモ酸化を介して製造され続けている。
【0004】
アクリロニトリルへのプロピレンのアンモ酸化及びプロパンのアンモ酸化の両者とも、アンモニアが必要な供給原料である。典型的には、未反応アンモニアが反応器流出物中に残留する(「アンモニア漏出」として知られている状態)。商業的なプロピレン系プロセスにおける未反応アンモニアを減少させるために、反応器流出物を硫酸クエンチと接触させて硫酸アンモニアを形成させ、次いで、硫酸アンモニアを水性廃棄流としてプロセスから取り除き、次いで、水性廃棄流を深井戸注入するか又は微生物処理する。
【0005】
アクリロニトリルへのプロピレンの流動床アンモ酸化プロセスにおいて、米国特許U.S. Pat. No.5,288,473及び5,457,223は、酸素供給化合物、好ましくはメタノールを反応器に戦略的に添加することにより、反応器流出物中のアンモニアを実質的に減少させることを教示する。
【0006】
本発明の目的は、プロパン又はイソブタンのアクリロニトリルへのアンモ酸化プロセスにおけるアンモニア漏出に対する解決を図ることにある。
本発明の別の目的は、プロピレン供給アクリロニトリルプラントのプロパン又はイソブタン供給プラントへの変換に対する経済的なプロセススキームを提供することにある。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、プロパン及び/又はイソブタンからのアクリロニトリルの製造プロセスにおけるアンモニア漏出の減少方法である。特に、本発明は、プロパン及びイソブタンからなる群より選択される炭化水素と、アンモニアと、酸素含有ガスを、アンモ酸化触媒を含有する流動床反応器の下部に導入し、次いで、炭化水素、アンモニア及び酸素を触媒の存在下で反応させてアクリロニトリルを製造させる方法であって、反応器に少なくとも1種のC2〜C5オレフィンを導入して、反応器内に存在する未反応アンモニア及び酸素の少なくとも一部と反応させて、反応器を出る反応器流出物中に存在するアンモニアの量を実質的に減少させることを改良点とする。
【0008】
本発明におけるプロセスの重要性は、アクリロニトリルの製造中の副産物としての硫酸アンモニウムを排除するという利点と共に、流動床反応器内でのアンモニア漏出(すなわち未反応NH3)を実質的に排除する単純で経済的な手順を提供することにある。アクリロニトリル製造中における廃棄流からの硫酸アンモニウムの排除とは、廃棄流がアンモニウム塩を全く含まないか、もしくはわずかに最低量のアンモニウム塩を含むことを意味する。これは、特に、深井戸注入を実施できない場合に、アクリロニトリルの製造における顕著な経済的利点を誘導する。反応器流出物中におけるアンモニアの実質的な減少なしに急冷塔から生じる廃棄流は、硫酸アンモニウム(NH42SO4を相当高濃度で含み、この廃棄流を経済的且つ環境的に受け入れられる態様で廃棄することは非常に困難である。この廃棄流からの硫酸アンモニウムの最小化又は排除は、顕著な経済的効果及び環境上の利点を誘導する厳格な条件又は高価な構成材料を必要としない廃棄処理手順で、これらの流を廃棄可能とする。
【0009】
このように、本発明は、反応器から逃げるアンモニアの量を減少もしくは排除し、よって、未反応アンモニアの急冷、回収、廃棄もしくは再循環に要する費用を最小化もしくは排除する。さらに、本発明は、オレフィンからの有用な生成物を追加的に製造するというさらなる利点を提供する。
【0010】
本発明の別の実施形態は、反応器内で触媒の存在下、プロピレン、アンモニア及び酸素を反応させてアクリロニトリルを製造するプロピレン系供給原料アクリロニトリル製造プロセスを、反応器内で触媒の存在下、プロパン、アンモニア及び酸素を反応させてアクリロニトリルを製造するプロパン系供給原料アクリロニトリル製造プロセスへ変換する方法を提供する。この方法は、
(a)プロピレン系供給原料をプロパン系供給原料で置換する工程と、
(b)反応器内に、少なくとも1種のC2〜C5オレフィンを導入して、反応器内に存在する未反応アンモニア及び酸素の少なくとも一部と反応させて、反応器を出る反応器流出物中に存在するアンモニアの量を実質的に減少させる工程と、
(c)プロセスに、未反応プロパンの分離、回収及び再循環手段を加える工程と、を含む。
【0011】
本実施形態の利点は、現存する設備を最大限に利用することにより、新規プロパン供給原料プラントを建設するために必要なコストよりも全体的に低い設備投資で、プロピレン系供給原料プラントをより低コストのプロパン系供給原料プラントに変換することができる点にある。
【0012】
【発明の詳細な記載】
本発明は、反応器に、少なくとも1種のC2〜C5オレフィンを添加することにより、プロパン及び/又はイソブタン、アンモニア及び酸素の反応からアクリロニトリルを製造する際に発生する硫酸アンモニウムの製造を減少させる。C2〜C5オレフィンの添加は、反応器内で過剰アンモニアとオレフィンとを実質的に又は完全に反応させ、アクリロニトリルプラントの急冷塔から生ずる廃棄流からの硫酸アンモニウムを実質的に又は完全に排除する。さらに、C2〜C5オレフィンと過剰アンモニアとの反応は、有用な生成物の追加的な製造(例えば、プロピレンのアクリロニトリルへの反応)を提供する。
【0013】
本発明の好ましい実施において、プロパン、アンモニア及び空気を触媒の存在下で、流動床触媒反応器内で反応させて、アクリロニトリルを製造する。このような反応器において、プロパン、アンモニア及び空気を反応器の底部に又は底部近くに導入し、アクリロニトリルの生成反応を進行させながら触媒床を貫通してガス状反応物質を上昇させる。反応生成物、副産物及び未反応供給原料は、反応器の頂部で又は頂部近くで出る。
【0014】
アクリロニトリル及び/又はメタクリロニトリルを得るために、アンモニア及び酸素と接触するプロパン及び/又はイソブタンの反応を触媒することができる任意の触媒が本発明に適している。このような触媒の一例は、下記式
【0015】
【化3】
Figure 0004854172
【0016】
(式中、
Aは、存在する場合には、Sn、Ti及びFeの少なくとも1種であり、
Dは、存在する場合には、Li、Mg、Na、Ca、Sr、Ba、Co、Cr、Ga、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cu、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、As、B、Al及びMnの少なくとも1種であり、
vは、1であり、
mは、0.5〜10であり、
aは、0〜10であり、
dは、0〜10であり、
xは、存在する他の元素の原子価要求を満足するに十分な値である)
で示される。
【0017】
これらの触媒は、適切なキャリア上に支持されていても支持されていなくてもよい。典型的な適切なキャリアとしては、「担体」としても知られているが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン及びこれらの組み合わせを挙げることができる。シリカは好ましい担体である。
【0018】
本発明の実施において、プロパン及び/又はイソブタンが反応器に供給されるポイントよりも下流の任意の適切なポイントにて、C2〜C5オレフィンを反応器に導入することができる。好ましくは、オレフィンは、アルカン供給物よりも下流のポイントにて導入され、オレフィンは過剰のアンモニアの実質的に全量又は全量と反応する機会を有するが、触媒床のより低い部分で生じる主要なアルカンアンモ酸化反応と競合しない。流動床反応器に関する一実施形態において、オレフィン供給位置は、膨張した触媒床の高さレベルの20%上方であるべきで、好ましくは膨張した触媒床高さのレベルの50%上方、より好ましくは膨張した触媒床高さのレベルの80%上方の位置である。
【0019】
任意のC2〜C5オレフィンが本発明の利点を提供する。入手のし易さ、及び酸素及びアンモニアと反応してアクリロニトリルを製造することから、プロピレンが好ましい。
【0020】
オレフィンの量は変動し得るが、反応器流出物中へ漏出する過剰のアンモニアと反応するに十分な量とすべきである。反応器流出物中へ流れる任意の未反応オレフィン並びに任意の未反応アルカンを回収して反応器に再循環させることができる。炭化水素及び再循環系は、ガス状成分からガス状炭化水素類を分離する当業者に公知の任意の方法からなるものでよい。適切な方法としては、制限するものではないが、冷凍及び圧縮(すなわち分留)、又は米国特許U.S. Patent No.5,532,384に開示されているような圧力スィング吸着及び脱着、又は特に温度スィング吸着及び脱着を挙げることができる。
【0021】
次にオレフィンを注入しても、あるいは窒素、蒸気、空気、CO、CO2、再循環オフガスもしくはこれらの組み合わせなどの適切な希釈ガスの存在下で注入してもよい。
【0022】
今日、世界中で製造されているほとんどのアクリロニトリルは、流動床反応器を用いて製造されている。しかし、本発明は、慣用の流動床反応器との有用性ばかりでなく、触媒を流動状態に維持することができる任意の反応器、例えば移動ライン反応器、垂直反応器又は再循環反応器などとの有用性をも有する。本発明は、さらに、固定床反応器と共に利用することもできる。
【0023】
各プロパンアンモ酸化触媒は、アクリロニトリル収率を最大化し及び/又は経済性を考慮して、いくらか異なる供給速度及び運転条件で作用する。プロパンアンモ酸化反応器からの反応器を出る過剰のアンモニア量は、用いる触媒に応じていくらか変動する。添加されるべきオレフィンのレベルは、触媒のタイプ及び反応器の性質に従って変動する。したがって、本発明の実施において、反応器に供給されるオレフィンの量は、状態及び用いられる触媒によって決定される。希薄な酸素相中で作用する触媒について、追加の酸素を反応器に供給することが必要となるかもしれない。しかし、過剰の酸素中で作用する触媒については、いかなる酸素も反応器に添加する必要はない。典型的には、任意のアンモ酸化触媒を本発明の実施に利用することができる。
【0024】
前述のように、各プロピレン/プロパンアンモ酸化触媒は、幾らか異なる供給速度及び運転条件で作用する。米国特許U.S. Patent No. 3,911,089及び4,873,215に記載されているようなアクリロニトリル製造の慣用の運転条件及び供給速度が適切であり、参照により本明細書に組み入れられる。典型的な反応パラメータは以下の通りである。反応器温度は300℃〜600℃の間である。反応器内部の圧力は、約1atm〜約10atmの間である。アンモニアは、プロパン1モルに対してアンモニア0.01〜5モル、好ましくはプロパン1モルに対してアンモニア0.01〜1モル、より好ましくはプロパン1モルに対してアンモニア0.06〜0.4モルのモル比で、反応器に供給される。酸素は、プロパン1モルに対して酸素0.1〜5モル、好ましくはプロパン1モルに対して酸素0.1〜2モル、より好ましくはプロパン1モルに対して酸素0.1〜1モルのモル比にて、反応器に供給される。プロパン1モルに対して希釈ガス0〜100モル、好ましくはプロパン1モルに対して希釈ガス0〜10モルのモル比で、希釈ガスを反応器に供給してもよい。C2〜C5オレフィンは、プロパン1モルに対してオレフィン0.001〜100モル、好ましくはプロパン1モルに対してオレフィン0.01〜1モル、より好ましくはプロパン1モルに対してオレフィン0.01〜0.1モルのモル比にて、反応器に供給される。
【0025】
本発明のプロセスの実施中、現存するプロピレン/プロパン触媒が運転される標準的な運転条件を変更する必要はないが、供給条件及び触媒条件に応じて変更してもよい。例えば、利用される触媒が低酸素雰囲気又は最小酸素雰囲気下で作用する場合には、反応器への酸素の量を増加させて、本発明のプロセスが最も効率的に作用するようにする必要があるかもしれない。これは、供給物中の酸素比を増加させることにより、もしくは別個の手段によって反応器に酸素を実際に供給することにより、達成されてもよい。
【0026】
本発明は、プロピレン系供給原料アクリロニトリルプラントからプロパン系供給原料アクリロニトリルプラントへの変換に特に適する。プロピレン系供給原料をより低コストのプロパン系供給原料に置換することで、現存する商用プラントにおけるアクリロニトリルの商業用製造コストを顕著に減少させる。さらに、本明細書に記載されているプロセスの重要な利点は、現存する設備を最大限に使用することで、新規なプロパン系供給原料プラントを建設するために必要である設備投資よりも低コストの設備投資で、プロピレン系供給原料からプロパン系供給原料へとプラントを変換することができる点にある。
【0027】
現行の触媒及び技術では、プロパンのアクリロニトリルへのシングルパス変換は、プロピレンのアクリロニトリルへのシングルパス変換よりも少ないので、未反応プロパンは典型的には反応器流出物から分離され、回収され、次いで、反応器に再循環される。このように、プロピレン系プラントのプロパン系プラントへの変換の重要な構成成分は、追加の配管及びプロパンの分離、回収及び再循環に関連するハードウェアである。典型的には、反応器内で用いられる触媒もまた、プロパンのアクリロニトリルへのアンモ酸化により適切な触媒で置換されるであろう。このようなプラント変換に対する本明細書に記載されているプロセスの利点は、反応器からの未反応アンモニアの量を減少もしくは排除するために、少量のプロピレンを用いることで、現存するプロピレン供給原料アクリロニトリルプラントの急冷、回収及び精製構成成分を変形する必要性を除外することである。したがって、現存するシングルパスプロピレン供給原料アクリロニトリルプラントを、最小の設備投資の追加のみで、再循環アルカン供給原料プロセスに経済的に変換することができる。さらに、このような変換は、プラントの製造物の品質及び商用仕様に悪影響を与えることなく達成することができる。
【0028】
最後に、本明細書に記載されているプロセス及び運転方法は、プロパン供給原料に変換されたプロピレン系供給原料アクリロニトリルプラントに特に適する。このようなプラントは、現場でのプロピレン貯蔵、あるいはプラントへ提供し得るプロピレンを有するようになされている。
【0029】
【実施形態】
以下、本発明のプロセスを説明するために、実施例を記載する。
【0030】
比較例A
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチ(1.27cm)のチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.78アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップ(quartz chips)で50wt.%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒(promoted vanadium, antimony oxide propane ammoxidation catalyst)を含む反応器底部に導入した。反応器を大気圧で運転させ、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.42hr-1とした。プロパン転化率は、18.2%であった。アクリロニトリルに対する選択率は、58.1%であった。総有用生成物(すなわち、アクリロニトリル、アクロレイン及びアクリル酸)の選択率は、約58.1%であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の22.3%であった。
【0031】
実施例1
480℃に温度制御されたサンドバス中に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.72アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器底部に導入した。反応器を大気圧で運転させ、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度は0.45hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの81.4%にて反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体的な比率は、0.0371/1であった。プロパンとプロピレンの転化率は18.4%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して57.6%、アクロレインに対して0.1%、アクリル酸に対して0.3%(総有用生成物の選択率は58.1%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の14.7%に減少した。
【0032】
実施例2
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.74アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.44hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの81.4%にて、反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は、0.053/1であった。プロパンとプロピレンの転化率は19.1%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して57.6%、アクロレインに対して0.3%、アクリル酸に対して1.2%(総有用生成物選択率は59.0%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の14.0%に減少した。
【0033】
実施例3
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.74アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.46hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの81.4%にて、反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は、0.097/1であった。プロパンとプロピレンの転化率は、18.6%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して58.6%、アクロレインに対して1.1%、アクリル酸に対して2.9%(総有用生成物選択率は62.6%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の13.9%に減少した。
【0034】
実施例4
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.71アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.45hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの49.1%にて、反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は0.073/1であった。プロパンとプロピレンの転化率は20.4%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して55.3%、アクロレインに対して0.2%、アクリル酸に対して4.0%(総有用生成物の選択率は59.5%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の11.1%に減少した。
【0035】
実施例5
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.69アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度は0.47hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの49.1%にて、反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は、0.103/1であった。プロパンとプロピレンの転化率は21.2%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して50.8%、アクロレインに対して3.9%、アクリル酸に対して6.5%(総有用生成物選択率は61.3%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の8.1%に減少した。
【0036】
実施例6
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.69アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.50hr-1とした。プロピレンを触媒床高さのレベルの49.1%にて反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は、0.140/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は23.1%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して43.3%、アクロレインに対して15.7%、アクリル酸に対して7.8%(総有用生成物選択率は66.9%)であった、アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の5.6%に減少した。
【0037】
比較例B
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.69アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.37hr-1とした。プロパン転化率は19.7%であった。アクリロニトリルに対する選択率は54.3%であった。総有用生成物選択率(すなわち、アクリロニトリル、アクロレイン及びアクリル酸)は、約56.1%であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の16.8%であった。
【0038】
この比較例Bと実施例7〜10との比較は、アンモニア漏出を低くする供給物及び条件にて運転すると(すなわち比較例B)、アクリロニトリルに対する全体的な選択率もまたより低下することを示す。対比して、本発明に従い反応器にプロピレンを添加して運転することにより(実施例7〜10)、アクリロニトリルに対する全体的な選択率は増強され、アンモニア漏出量はさらに減少する。
【0039】
実施例7
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.68アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈したバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.38hr-1とした。プロピレンを、触媒床高さのレベルの23.6%にて、反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの総比率は、0.032/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は、19.8%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して55.7%、アクロレインに対して0.2%、アクリル酸に対して1.7%(総有用生成物選択率は57.6%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の14.3%に減少した。
【0040】
実施例8
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.67アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.52hr-1とした。プロピレンを、触媒床高さのレベルの23.6%にて反応器に導入した。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.105/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は20.0%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して53.5%、アクロレインに対して0.6%、アクリル酸に対して3.7%(総有用生成物選択率は57.8%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の10.0%に減少した。
【0041】
実施例9
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.68アンモニア/2.2酸素/2.1窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の70%を含み、下部床は総触媒装填量の30%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.35hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.034/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は18.6%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して60.3%、アクロレインに対して0%、アクリル酸に対して0.2%(総有用生成物選択率は60.5%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の14.8%に減少した。
【0042】
実施例10
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.67アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、石英チップで50%に希釈されたバナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の70%を含み、下部床は総触媒装填量の30%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.35hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.071/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は20.3%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して56.3%、アクロレインに対して0.1%、アクリル酸に対して0.4%(総有用生成物選択率は56.8%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の9.6%に減少した。
【0043】
比較例C
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.81アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.45hr-1とした。プロパン転化率は20.4%であった。アクリロニトリルに対する選択率は55.1%であった。総有用生成物選択率(すなわち、アクリロニトリル、アクロレイン及びアクリル酸)は、約55.9%であった。アンモニア漏出量はアンモニア供給物の21.7%であった。
【0044】
実施例11
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.84アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の20%を含み、下部床は総触媒装填量の80%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.36hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.032/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は22.4%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して54.5%、アクロレインに対して0.6%、アクリル酸に対して1.6%(総有用生成物選択率は56.7%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の16.9%に減少した。
【0045】
比較例D
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.82アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.41hr-1とした。プロパン転化率は19.9%であった。アクリロニトリルに対する選択率は58.1%であった。総有用生成物選択率(すなわち、アクリロニトリル、アクロレイン及びアクリル酸)は、約58.6%であった。アンモニア漏出量はアンモニア供給物の23.5%であった。
【0046】
比較例E
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.83アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒を含む反応器の底部に導入した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.41hr-1とした。プロパン転化率は20.1%であった。アクリロニトリルに対する選択率は58.0%であった。総有用生成物選択率(すなわち、アクリロニトリル、アクロレイン及びアクリル酸)は、約58.6%であった。アンモニア漏出量はアンモニア供給物の22.5%であった。
【0047】
実施例12
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.79アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の40%を含み、下部床は総触媒装填量の60%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.36hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.047/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は22.2%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して56.3%、アクロレインに対して0.1%、アクリル酸に対して1.6%(総有用生成物選択率は57.9%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の14.0%に減少した。
【0048】
実施例13
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.79アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の40%を含み、下部床は総触媒装填量の60%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.36hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.052/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は22.3%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して56.2%、アクロレインに対して0.2%、アクリル酸に対して1.9%(総有用生成物選択率は58.3%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の13.2%に減少した。
【0049】
実施例14
480℃に温度制御されたサンドバス内に位置づけられた直径0.5インチのチタン製U字管反応器を用いて、3プロパン/0.78アンモニア/2.2酸素/2.2窒素/1水からなるガス供給物を、バナジウム添加酸化アンチモンプロパンアンモ酸化触媒の2床を含む反応器の底部に導入した。上部床は総触媒装填量の40%を含み、下部床は総触媒装填量の60%を含んでいた。プロピレンを2層の床の間の石英チップ層に導入した。石英チップ層は、反応器内のプロピレン及びガス混合物に対する混合チャンバとして作用した。反応器を大気圧で運転し、プロパン供給物の重量時間当たり空間速度を0.44hr-1とした。反応器に供給されたプロピレン対プロパンの全体比率は、0.052/1であった。プロパン及びプロピレンの転化率は19.4%であった。プロパン及びプロピレンからの有用生成物に対する選択率は、アクリロニトリルに対して57.0%、アクロレインに対して0.4%、アクリル酸に対して1.3%(総有用生成物選択率は58.7%)であった。アンモニア漏出量は、アンモニア供給物の15.5%に減少した。

Claims (7)

  1. プロパンアンモニア及び酸素含有ガスを、アンモ酸化触媒を含有する流動床反応器の底部に導入して、触媒の存在下で反応させて、アクリロニトリルを生成させる工程を含むアクリロニトリルの製造中に、アンモニア漏出を減少させる方法であって、該反応器内に存在する未反応アンモニア及び酸素の少なくとも一部と反応するプロピレン反応器における、プロパン、アンモニア及び酸素含有ガスを導入する位置よりも上方の位置に導入して、アクリロニトリルを生成させることにより、該反応器を出る反応器流出物中に存在するアンモニアの量を実質的に減少させることを特徴とする方法。
  2. 前記反応器は、流動床反応器であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記オレフィンは、膨張した流動触媒床高さの少なくとも20%上方の位置で、前記流動床反応器に導入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  4. 前記オレフィンは、膨張した流動触媒床高さの少なくとも50%上方の位置で、前記流動床反応器に導入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 前記オレフィンは、膨張した流動触媒床高さの少なくとも80%上方の位置で、前記流動床反応器に導入されることを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記触媒は、下記式
    【化1】
    Sb
    (式中、Aは存在する場合には、Sn、Ti及びFeの少なくとも1種であり;
    Dは存在する場合には、Li、Mg、Na、Ca、Sr、Ba、Co、Cr、Ga、Ni、Zn、Ge、Nb、Zr、Mo、W、Cu、Te、Ta、Se、Bi、Ce、In、As、B、Al及びMnの少なくとも1種であり;
    vは1であり;
    mは0.5〜10であり;
    aは0〜10であり;
    dは0〜10であり;
    xは、存在する他の元素の原子価要求を満足するに十分な値である)
    で表されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 未反応プロパンの分離、回収及び再循環する工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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