JP4418131B2 - ロック機構及びロック機構を備えたスタッカー付き紙幣識別機 - Google Patents
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Description
本発明は、ロック機構及びロック機構を備えたスタッカー付き紙幣識別機に関し、殊に、遊技機間に装着されるスタッカー付き紙幣識別機に備えたロック機構に関し、詳しくは、キーをキー溝に挿入して回転軸とともに錠片を回動させてロック及びロック解除をおこなうロック機構に関し、更に詳しくは、錠片を正確にロック位置において回動させてロックを正確におこなう技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロック機構においては、例えば、ロック孔を固定側部に、錠を可動側部に設けるのであり、キーを錠側において回転自在に設けた回転軸のキー溝に挿入して回転軸を回転させることで、回転軸に設けた錠片を回動させてロック孔に係入してロックをおこなうものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のロック機構においては、錠を備えた可動側部を例えばスライドさせて引き出した状態においてもキーをキー溝に挿入して回転操作することで錠片をロック位置へと回転させることができるのであり、このことは、錠を備えた可動側部を所定の固定位置に押し込む手前においても錠片を回動させることができて、誤(未)施錠が生じるという問題があった。
【0004】
又、錠を備えている可動側部をスライドさせて引き出した位置において錠片を回動操作させることができることから、錠片を回動させて突出させている姿勢で可動側部を閉じることがあり、このような場合に錠片を変形させてしまい、所定のロックがおこなえなくなるおそれがあるなどという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、錠片をロック位置においてのみ回動させることができ、誤(未)施錠が生じることがなく、又、錠片を不測に突出させて変形させることがないロック機構を提供することを課題とするものである。
【0006】
請求項1においては、キー1を錠15側において回転自在に設けた回転軸2のキー溝3に挿入して回転軸2を回転させることで、回転軸2に設けた錠片4を回動させてロック孔5に係入してロックをおこなうロック機構であって、舌片状に形成した錠片4を設けた可動側部6もしくは固定側部に錠片4を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段9を設け、上記非ロック位置保持手段9による錠片4の保持を解除するばね押し部8を備えた解除手段10をロック孔5を設けた固定側部7もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段9は、略U字状のばね片11が回転軸2の周りに回転不能で、ばね片11の一方の脚片12aが可動側部6の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片12aを錠片4の板面に弾接し、上記脚片12aの遊端部にフック13を形成し、フック13を錠片4の側縁部に錠片4の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片4を保持するとともに、上記脚片12aのフック13の近傍に、ばね押し部8に当接して脚片12aを弾性変位させてフック13を錠片4より離脱させる被押圧部14と、錠片4のオーバー回転方向にフック13の高さh以上の高さHを備えた突起16と、を形成して成るものであり、可動側部7を固定側部6に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部8を被押圧部14に当接して脚片12aを弾性変位させることで、上記解除手段10にて上記非ロック位置保持手段9による錠片4の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片4をオーバー回転させた場合にフック13の端縁13aが錠片4の後縁端4aに係合することを上記突起16が阻止していることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によれば、錠片4を設けた例えば可動側部6を閉じ位置に移動させたときにのみ非ロック位置保持手段9を解除手段10によって解除して、錠片4を回動できる状態にすることができ、したがって、錠片4を備えた例えば可動側部6が所定の閉じ位置の手前に位置している場合には錠片4は非ロック位置保持手段9によって非ロック位置に保持されていて、ロック孔5が存在しない位置においては錠片4を回動操作させることができず、誤(未)施錠が生じることがない。
そして、略U字状のばね片11の一方の脚片12aの被押圧部14をロック孔5側に設けたばね押し部8によって押圧することで、ばね片11に形成したフック13を錠片4から外して錠片4の回動が可能にできるのであり、しかして、既存の構成のものに略U字状のばね片11を組み込み、ばね押し部8を形成することで、本発明のロック機構を得ることができ、改良が容易となる。
更に、錠片4を備えた例えば可動側部6を引き出した位置において不測に略U字状のばね片11の脚片12aが弾性変形してフック13が錠片4よりはずれた場合で、かつ、錠片4がオーバー回転した場合に錠片4は突起16に乗り上げているのであり、幅Wを細くしたばね片11が錠片4側に弾性復帰するのを防止することができ、ばね片11が錠片4側に弾性復帰してフック13の端縁13aが錠片4の後縁部4aに係止してしまって錠片4を非ロック位置に戻すことができなくなるようなことがなく、錠片4のオーバー回転を許容しながら戻し回転を可能にし、錠片4のオーバー回転を補償することができる。
【0008】
しかも、錠片4がロック孔5に対向していない非ロック位置においては非ロック位置保持手段9によって錠片4が保持されていることから、錠片4を備えている例えば可動側部6を引き出している場合に錠片4を操作してロック位置に回動させることができず、したがって、錠片4を不測に突出させておくことがなく、錠片4を突出させて例えば可動側部6を閉じ位置に移動させた場合に錠片4を他物に衝突させて変形させるようなことがなく、錠片4を変形させることで所定のロックができなくなることがない。
【0009】
請求項2においては、スタッカー部19及び紙幣識別装置21を備えた可動側部6と、上記可動側部6をスライド移動して引き出し自在に挿入された固定側部7と、上記可動側部6と上記固定側部7の間に設けたロック機構と、からなり遊技機間に装着されるスタッカー付き紙幣識別機18において、上記ロック機構はキー1を錠15側において回転自在に設けた回転軸2のキー溝3に挿入して回転軸2を回転させることで、回転軸2に設けた錠片4を回動させてロック孔5に係入してロックをおこない可動側部6を固定側部7に施錠するものであって、舌片状に形成した錠片4を設けた可動側部6もしくは固定側部に錠片4を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段9を設け、上記非ロック位置保持手段9による錠片4の保持を解除するばね押し部8を備えた解除手段10をロック孔5を設けた固定側部7もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段9は、略U字状のばね片11が回転軸2の周りに回転不能で、ばね片11の一方の脚片12aが可動側部6の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片12aを錠片4の板面に弾接し、上記脚片12aの遊端部にフック13を形成し、フック13を錠片4の側縁部に錠片4の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片4を保持するとともに、上記脚片12aのフック13の近傍に、ばね押し部8に当接して脚片12aを弾性変位させてフック13を錠片4より離脱させる被押圧部14と、錠片4のオーバー回転方向にフック13の高さh以上の高さHを備えた突起16と、を形成して成るものであり、可動側部7を固定側部6に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部8を被押圧部14に当接して脚片12aを弾性変位させることで、上記解除手段10にて上記非ロック位置保持手段9による錠片4の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片4をオーバー回転させた場合にフック13の端縁13aが錠片4の後縁端4aに係合することを上記突起16が阻止していることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成によれば、錠片4を設けた例えば可動側部6を閉じ位置に移動させたときにのみ非ロック位置保持手段9を解除手段10によって解除して、錠片4を回動できる状態にすることができ、したがって、錠片4を備えた例えば可動側部6が所定の閉じ位置の手前に位置している場合には錠片4は非ロック位置保持手段9によって非ロック位置に保持されていて、ロック孔5が存在しない位置においては錠片4を回動操作させることができず、誤(未)施錠が生じることがない。
そして、略U字状のばね片11の一方の脚片12aの被押圧部14をロック孔5側に設けたばね押し部8によって押圧することで、ばね片11に形成したフック13を錠片4から外して錠片4の回動が可能にできるのであり、しかして、既存の構成のものに略U字状のばね片11を組み込み、ばね押し部8を形成することで、本発明のロック機構を得ることができ、改良が容易となる。
【0012】
更に、錠片4を備えた例えば可動側部6を引き出した位置において不測に略U字状のばね片11の脚片12aが弾性変形してフック13が錠片4よりはずれた場合で、かつ、錠片4がオーバー回転した場合に錠片4は突起16に乗り上げているのであり、幅Wを細くしたばね片11が錠片4側に弾性復帰するのを防止することができ、ばね片11が錠片4側に弾性復帰してフック13の端縁13aが錠片4の後縁部4aに係止してしまって錠片4を非ロック位置に戻すことができなくなるようなことがなく、錠片4のオーバー回転を許容しながら戻し回転を可能にし、錠片4のオーバー回転を補償することができる。
【0013】
請求項3においては、請求項1の構成に加えて、錠15側の金属製の枠体17に導電性とした略U字状のばね片11の固定側の脚片12bを当接し、可動側の脚片12aの被押圧部14を押すばね押し部8をアースしていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成によれば、請求項1の作用に加えて、錠片4を回動させてロック孔5に係合させているロック状態においては、ロック孔5側のばね押し部8が錠15側のばね片11の脚片12aに弾接していることから、ばね押し部8をアースしておくことで、ばね押し部8に弾接している導電性のばね片11によって錠15側のアースをおこなうことができ、したがって、冬季等においてキー1を人が持ってキー溝3に挿入する場合に、人に帯電している静電気をアースすることができ、例えば、ロック孔5を備えた本体側に電子機器を搭載した器具において静電気に起因する誤動作を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は(a)はロック状態の概略側面図、同図(b)は可動側部を引き出した概略側面図である。図2は入り口部のカバーを外した全体斜視図である。図3は可動側部を固定側部に対して引き出した斜視図である。
【0016】
本発明のロック機構Aは、例えば、パチンコやパチスロ等の遊技機(図示せず)間に装着されるスタッカー付き紙幣識別機18に実施されるものである。スタッカー付き紙幣識別機18は、ボックス型でスタッカー部19及び紙幣識別装置21を移動体20に備え、前方が開放された外部ケース22に対して移動体20をスライド移動して引き出し自在に挿入している。移動体20を可動側部6とし、外部ケース22を固定側部7とし、可動側部6と固定側部7の間にロック機構Aを設けて施錠がおこなえるようにしている。図4において符号29は紙幣投入口である。
【0017】
移動体20に略コ字状の枠体17が取付けられ、枠体17にホルダー23が取付けられ、ホルダー23には錠片4を備えた回転軸2が回転自在に支持されている。回転軸2にはキー溝3を形成している。外部ケース22側に固定した板材28にはロック孔5を形成している。しかして、キー1をキー溝3に挿入して回転軸2を回転させることで、回転軸2に設けた錠片4を回動させて外部ケース22のロック孔5に係入してロックをおこなうことができるようにしている。この場合、回転軸2の回転範囲は約90°にすることが好ましい。
【0018】
図8はばね片11を示していて、断面略U字状に形成され、一の脚片12bをベース片24として挿通孔25及び取付け孔26、26を形成し、挿通孔25をホルダー23に挿通し、取付け孔26において枠体17にリベット27にて取付けている。他の一の脚片12aは移動体20の移動方向に弾性変位が可能となっている。このように、略U字状のばね片11が回転軸2の周りに回転不能で、ばね片11の一の脚片12aが移動体20の移動方向に弾性変位自在になるようにしている。
【0019】
上記脚片12aを略矩形で舌片状となった錠片4の板面に弾接させている。脚片12aの遊端部に錠片4を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段9としてのフック13を形成している。フック13を錠片4の側端縁に当接して非ロック位置の錠片4の回転を阻止している。脚片12aのフック13の近傍に略U字状に曲げた被押圧部14を形成している。一方、外部ケース22側においてロック孔5を形成している板材28には解除手段10としてのばね押し部8を設けている。
【0020】
しかして、移動体20を閉じ方向に移動させることで、略U字状のばね片11の脚片12aの被押圧部14をロック孔5側に設けたばね押し部8によって押圧してばね片11に形成したフック13を錠片4から外すことができるようにしている。
【0021】
このように、移動体20側において錠片4の非ロック位置を保持する非ロック位置保持手段9を設け、ロック孔5を設けた外部ケース22側に解除手段10を設け、移動体20を外部ケース22に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置において解除手段10にて非ロック位置保持手段9を解除するように連動させていることから、移動体20を閉じ位置に移動させたときにのみ非ロック位置保持手段9を解除手段10によって解除することができ、このことは、移動体20が所定の閉じ位置の手前に位置している場合には錠片4は非ロック位置に保持されているのであり、しかして、ロック孔5が存在しない位置においては錠片4を回動操作させることができず、誤(未)施錠が生じることがないのである。
【0022】
しかも、錠片4がロック孔5に対向していない非ロック位置においては非ロック位置保持手段9によって錠片4が保持されていることから、錠片4を備えている移動体20を引き出している場合に錠片4を操作してロック位置に回動させることができないのであり、錠片4を不測に突出させることがなく、錠片4を突出させて移動体20を閉じ位置に移動させた場合に錠片4をロック孔5を形成した板材28に当接させて変形させるようなことがなく、錠片4を変形させることで所定のロックができなくなることがない。
【0023】
この場合、非ロック位置保持手段9は、上述のように略U字状のばね片11が回転軸2の周りに回転不能で、ばね片11の一方の脚片12aが移動体20の移動方向に弾性変位自在にして備えているのであり、脚片12aを錠片4の板面に弾接し、脚片12aの遊端部のフック13を錠片4の側端縁に係止して錠片4の回転を阻止するのであり、かつ、外部ケース22側における解除手段10にばね押し部8を備え、フック13の近傍にばね押し部8に当接する被押圧部14を形成することによって、脚片12aの被押圧部14をロック孔5側に設けたばね押し部8によって押圧することで、ばね片11に形成したフック13を錠片4から外して錠片4の回動が可能にできながら、既存の構成のものに略U字状のばね片11を組み込み、ばね押し部8を形成することで、本発明のロック機構Aを容易に得ることができ、改良が容易となるのである。
【0024】
この場合、脚片12aのフック13の近傍で錠片4のオーバー回転方向にフック13の高さh以上の高さHを備えた突起16を形成していることから、錠片4を備えた移動体20を引き出した位置において不測に略U字状のばね片11の脚片12aが弾性変形してフック13が錠片4よりはずれた場合で、かつ、錠片4が約90°以上にオーバー回転した場合に錠片4は突起16に乗り上げるのであり、錠片4の回転方向の幅Wを細くしたばね片11が錠片4側に弾性復帰するのを防止することができ、ばね片11が錠片4側に弾性復帰してフック13の端縁13aが錠片4の後縁部4aに係止してしまって錠片4を非ロック位置に戻すことができなくなるようなことがなく、錠片4のオーバー回転を許容しながら戻し回転を可能にし、錠片4のオーバー回転を補償することができるのである。
【0025】
ところで、ばね片11の脚片12aの幅Wを細くすることで脚片12aの弾性力を低減できるのであり、移動体20を外部ケース22に対して閉じる場合に、ばね押し部8で脚片12aの被押圧部14を押して錠片4をロック孔5に対向させる閉じ位置に戻す場合の操作力を低減できて使いやすくしている。
【0026】
しかも、移動体20に設けた錠15側の枠体17は金属製で導電性を備え、この枠体17に導電性とした略U字状のばね片11のベース片24としての脚片12bが当接し、弾性変形可能な脚片12aの被押圧部14を押すばね押し部8を外部ケース22にアースしているのである。
【0027】
このように、錠片4を回動させてロック孔5に係合させているロック状態においては、ロック孔5側のばね押し部8が錠15側のばね片11の脚片12aに弾接していることから、ばね押し部8をアースしておくことで、ばね押し部8に弾接している導電性のばね片11によって錠15側のアースをおこなうことができ、したがって、冬季等においてキー1を人が持ってキー溝3に挿入する場合に、人に帯電している静電気をアースすることができ、例えば、ロック孔5を備えた本体側に電子機器を搭載した器具において静電気に起因する誤動作を防止することができるのである。
【0028】
尚、本発明のロック機構Aは、引き出し、扉及び蓋などのロック部分に実施してもよいものである。
【0029】
請求項1においては、キーを錠側において回転自在に設けた回転軸のキー溝に挿入して回転軸を回転させることで、回転軸に設けた錠片を回動させてロック孔に係入してロックをおこなうロック機構であって、舌片状に形成した錠片を設けた可動側部もしくは固定側部に錠片を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段を設け、上記非ロック位置保持手段による錠片の保持を解除するばね押し部を備えた解除手段をロック孔を設けた固定側部もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段は、略U字状のばね片が回転軸の周りに回転不能で、ばね片の一方の脚片が可動側部の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片を錠片の板面に弾接し、上記脚片の遊端部にフックを形成し、フックを錠片の側縁部に錠片の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片を保持するとともに、上記脚片のフックの近傍に、ばね押し部に当接して脚片を弾性変位させてフックを錠片より離脱させる被押圧部と、錠片のオーバー回転方向にフックの高さ以上の高さを備えた突起と、を形成して成るものであり、可動側部を固定側部に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部を被押圧部に当接して脚片を弾性変位させることで、上記解除手段にて上記非ロック位置保持手段による錠片の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片をオーバー回転させた場合にフックの端縁が錠片の後縁端に係合することを上記突起が阻止しているから、錠片を設けた例えば可動側部を閉じ位置に移動させたときにのみ非ロック位置保持手段を解除手段によって解除して、錠片を回動できる状態にすることができ、したがって、錠片を備えた例えば可動側部が所定の閉じ位置の手前に位置している場合には錠片は非ロック位置保持手段によって非ロック位置に保持されていて、ロック孔が存在しない位置においては錠片を回動操作させることができず、誤(未)施錠が生じることがないという利点がある。
そして、略U字状のばね片の一方の脚片の被押圧部をロック孔側に設けたばね押し部によって押圧することで、ばね片に形成したフックを錠片から外して錠片の回動が可能にできるのであり、しかして、既存の構成のものに略U字状のばね片を組み込み、ばね押し部を形成することで、本発明のロック機構を得ることができ、改良が容易となるという利点がある。
更に、錠片を備えた例えば可動側部を引き出した位置において不測に略U字状のばね片の脚片が弾性変形してフックが錠片よりはずれた場合で、かつ、錠片がオーバー回転した場合に錠片は突起に乗り上げているのであり、幅を細くしたばね片が錠片側に弾性復帰するのを防止することができ、ばね片が錠片側に弾性復帰してフックの端縁が錠片の後端縁に係止してしまって錠片を非ロック位置に戻すことができなくなるようなことがなく、錠片のオーバー回転を補償することができるという利点がある。
【0030】
しかも、錠片がロック孔に対向していない非ロック位置においては非ロック位置保持手段によって錠片が保持されていることから、錠片を備えている例えば可動側部を引き出している場合に錠片を操作してロック位置に回動させることができず、したがって、錠片を不測に突出させておくことがなく、錠片を突出させて例えば可動側部を閉じ位置に移動させた場合に錠片を他物に衝突させて変形させるようなことがなく、錠片を変形させることで所定のロックができなくなることがないという利点がある。
【0031】
請求項2においては、スタッカー部及び紙幣識別装置を備えた可動側部と、上記可動側部をスライド移動して引き出し自在に挿入された固定側部と、可動側部と固定側部の間に設けたロック機構と、からなり遊技機間に装着されるスタッカー付き紙幣識別機において、上記ロック機構はキーを錠側において回転自在に設けた回転軸のキー溝に挿入して回転軸を回転させることで、回転軸に設けた錠片を回動させてロック孔に係入してロックをおこない可動側部を固定側部に施錠するものであって、舌片状に形成した錠片を設けた可動側部もしくは固定側部に錠片を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段を設け、上記非ロック位置保持手段による錠片の保持を解除するばね押し部を備えた解除手段をロック孔を設けた固定側部もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段は、略U字状のばね片が回転軸の周りに回転不能で、ばね片の一方の脚片が可動側部の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片を錠片の板面に弾接し、上記脚片の遊端部にフックを形成し、フックを錠片の側縁部に錠片の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片を保持するとともに、上記脚片のフックの近傍に、ばね押し部に当接して脚片を弾性変位させてフックを錠片より離脱させる被押圧部と、錠片のオーバー回転方向にフックの高さ以上の高さを備えた突起と、を形成して成るものであり、可動側部を固定側部に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部を被押圧部に当接して脚片を弾性変位させることで、上記解除手段にて上記非ロック位置保持手段による錠片の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片をオーバー回転させた場合にフックの端縁が錠片の後縁端に係合することを上記突起が阻止しているから、錠片を設けた例えば可動側部を閉じ位置に移動させたときにのみ非ロック位置保持手段を解除手段によって解除して、錠片を回動できる状態にすることができ、したがって、錠片を備えた例えば可動側部が所定の閉じ位置の手前に位置している場合には錠片は非ロック位置保持手段によって非ロック位置に保持されていて、ロック孔が存在しない位置においては錠片を回動操作させることができず、誤(未)施錠が生じることがないという利点がある。
そして、略U字状のばね片の一方の脚片の被押圧部をロック孔側に設けたばね押し部によって押圧することで、ばね片に形成したフックを錠片から外して錠片の回動が可能にできるのであり、しかして、既存の構成のものに略U字状のばね片を組み込み、ばね押し部を形成することで、本発明のロック機構を得ることができ、改良が容易となるという利点がある。
【0032】
更に、錠片を備えた例えば可動側部を引き出した位置において不測に略U字状のばね片の脚片が弾性変形してフックが錠片よりはずれた場合で、かつ、錠片がオーバー回転した場合に錠片は突起に乗り上げているのであり、幅を細くしたばね片が錠片側に弾性復帰するのを防止することができ、ばね片が錠片側に弾性復帰してフックの端縁が錠片の後端縁に係止してしまって錠片を非ロック位置に戻すことができなくなるようなことがなく、錠片のオーバー回転を補償することができるという利点がある。
【0033】
請求項3においては、請求項1の効果に加えて、錠側の金属製の枠体に導電性とした略U字状のばね片の固定側の脚片を当接し、可動側の脚片の被押圧部を押すばね押し部をアースしているから、錠片を回動させてロック孔に係合させているロック状態においては、ロック孔側のばね押し部が錠側のばね片の脚片に弾接していることから、ばね押し部をアースしておくことで、ばね押し部に弾接している導電性のばね片によって錠側のアースをおこなうことができ、したがって、冬季等においてキーを人が持ってキー溝に挿入する場合に、人に帯電している静電気をアースすることができ、例えば、ロック孔を備えた本体側に電子機器を搭載した器具において静電気に起因する誤動作を防止することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)はロック状態の概略側面図、(b)は可動側部を引き出した概略側面図である。
【図2】同上の入り口部のカバーを外し、ロック状態を示す全体概略斜視図である。
【図3】同上の非ロックで可動側部をスライドさせて引き出した状態の概略斜視図である。
【図4】同上の正面図である。
【図5】同上の非ロック状態で可動側部をスライドさせて引き出した斜視図である。
【図6】同上のロック状態を示す斜視図である。
【図7】同上の可動側部をスライドさせて引き出した状態でばね片が不測に錠片より外れて錠片を回転させている状態を示す斜視図、(b)は錠片のオーバー回転状態を補償している状態を示す斜視図である。
【図8】同上のばね片の斜視図である。
【符号の説明】
1 キー
2 回転軸
3 キー溝
4 錠片
5 ロック孔
6 可動側部
7 固定側部
8 ばね押し部
9 非ロック位置保持手段
10 解除手段
11 ばね片
12a 可動側の脚片
12b 固定側の脚片
13 フック
14 被押圧部
15 錠
16 突起
17 枠体
Claims (3)
- キーを錠側において回転自在に設けた回転軸のキー溝に挿入して回転軸を回転させることで、回転軸に設けた錠片を回動させてロック孔に係入してロックをおこなうロック機構であって、舌片状に形成した錠片を設けた可動側部もしくは固定側部に錠片を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段を設け、上記非ロック位置保持手段による錠片の保持を解除するばね押し部を備えた解除手段をロック孔を設けた固定側部もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段は、略U字状のばね片が回転軸の周りに回転不能で、ばね片の一方の脚片が可動側部の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片を錠片の板面に弾接し、上記脚片の遊端部にフックを形成し、フックを錠片の側縁部に錠片の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片を保持するとともに、上記脚片のフックの近傍に、ばね押し部に当接して脚片を弾性変位させてフックを錠片より離脱させる被押圧部と、錠片のオーバー回転方向にフックの高さ以上の高さを備えた突起と、を形成して成るものであり、可動側部を固定側部に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部を被押圧部に当接して脚片を弾性変位させることで、上記解除手段にて上記非ロック位置保持手段による錠片の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片をオーバー回転させた場合にフックの端縁が錠片の後縁端に係合することを上記突起が阻止して成ることを特徴とするロック機構。
- スタッカー部及び紙幣識別装置を備えた可動側部と、上記可動側部をスライド移動して引き出し自在に挿入された固定側部と、可動側部と固定側部の間に設けたロック機構と、からなり遊技機間に装着されるスタッカー付き紙幣識別機において、上記ロック機構はキーを錠側において回転自在に設けた回転軸のキー溝に挿入して回転軸を回転させることで、回転軸に設けた錠片を回動させてロック孔に係入してロックをおこない可動側部を固定側部に施錠するものであって、舌片状に形成した錠片を設けた可動側部もしくは固定側部に錠片を非ロック位置に保持する非ロック位置保持手段を設け、上記非ロック位置保持手段による錠片の保持を解除するばね押し部を備えた解除手段をロック孔を設けた固定側部もしくは可動側部に設け、非ロック位置保持手段は、略U字状のばね片が回転軸の周りに回転不能で、ばね片の一方の脚片が可動側部の移動方向に弾性変位自在にして備え、上記脚片を錠片の板面に弾接し、上記脚片の遊端部にフックを形成し、フックを錠片の側縁部に錠片の回転を阻止して係止して非ロック位置に錠片を保持するとともに、上記脚片のフックの近傍に、ばね押し部に当接して脚片を弾性変位させてフックを錠片より離脱させる被押圧部と、錠片のオーバー回転方向にフックの高さ以上の高さを備えた突起と、を形成して成るものであり、可動側部を固定側部に対して閉じ姿勢に戻した閉じ位置においてばね押し部を被押圧部に当接して脚片を弾性変位させることで、上記解除手段にて上記非ロック位置保持手段による錠片の非ロック位置での保持を解除するように連動させるとともに、上記閉じ位置以外において錠片をオーバー回転させた場合にフックの端縁が錠片の後縁端に係合することを上記突起が阻止して成ることを特徴とするロック機構を備えたスタッカー付き紙幣識別機。
- 錠側の金属製の枠体に導電性とした略U字状のばね片の固定側の脚片を当接し、可動側の脚片の被押圧部を押すばね押し部をアースして成ることを特徴とする請求項1記載のロック機構。
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JP2001199839A JP4418131B2 (ja) | 2001-06-29 | 2001-06-29 | ロック機構及びロック機構を備えたスタッカー付き紙幣識別機 |
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