JP4418103B2 - 新規なヒトチェックポイントキナーゼ、hCDS1、組成物および方法 - Google Patents

新規なヒトチェックポイントキナーゼ、hCDS1、組成物および方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
分裂中の細胞にとって、ゲノムの統合性は最も重要である。DNA損傷への応答において、真核細胞は細胞周期の進行を遅らせるチェックポイント制御の複合システムに頼っている。正常な真核細胞の周期は、4つの時期(順にG1、S、G2、M)に分けられ、これらの時期は異なる細胞形態および生化学的活性に関連しており、細胞周期から逸脱した細胞はG0または非周期状態にあると言われる。細胞周期内の細胞が活発に複製を行っているとき、S期においてDNAの複製が起こり、M期において細胞の活発な分裂が起こる。一般には、ベンジャミン・レーヴィン(Benjamin Lewin)の「遺伝子第6版(GENES VI)」(Oxford University Press, Oxford, GB, Chapter 36, 1997)を参照のこと。DNAは真核細胞内において、連続してさらに高度な有機体に組織されて、最終的には染色体が形成される。非性染色体は通常は対をなして存在し、細胞分裂の間に、各染色体のDNAが複製されて対になった染色分体が生じる[一般には、ベンジャミン・レーヴィンの「遺伝子第6版」(Oxford University Press, Oxford, GB, Chapter 5, 1997)を参照のこと]。
【0002】
チェックポイント遅延は、S期におけるDNAの複製前ならびにM期における染色分体の分離前に、損傷したDNAを修復するための時間を提供する(Hartwell and Weinert, 1989, Science, 246: 629−634)。多くの場合において、DNA損傷の反応経路は、サイクリン依存性キナーゼの活性を阻害することによる細胞周期停止をもたらす(Elledge, 1997, Science, 274: 1664−1671)。ヒトの細胞において、DNA損傷によって誘導されるG2遅延は、Cdc2の阻害的リン酸化に大いに依存し(Blasinaら, 1997, Mol. Cell Biol., 8: 1−11; Jinら, 1996, J. Cell Biol., 134: 963−970)、したがってCdc2に作用する対抗キナーゼおよびホスファターゼの活性における変化に起因するようである。しかしながら、これらの酵素の活性が実際にDNA損傷に応答して変化するという証拠は得られていない(Poonら, 1997, Cance r Res., 57: 5168−5178)。
【0003】
ヒト細胞内においては、3つの異なるCdc25タンパク質が発現される。Cdc25AはG1−S間の遷移に特に必要とされ(Hoffmannら, 1994, EMBO J., 13: 4302−4310; Jinnoら, 1994, EMBO J., 13: 1549−1556)、Cdc25BおよびCdc25Cは、G2−M間の遷移に必要とされる(Gabrielliら, 1996, J. Cell Sci., 7: 1081−1093; Galaktionovら, 1991, Cell, 67: 1181−1194; Millarら, 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88: 10500−10504; Nishijimaら, 1997, J. Cell Biol., 138: 1105−1116)。M期の進行に対するCdc25BおよびCdc25Cの正確な寄与については知られていない。
【0004】
チェックポイント制御に関する我の現在の知識の殆どは、出芽酵母(サッカロマイセス・セルビシアエ:Saccharomyces cerevisiae)および分裂酵母(シゾサッカロマイセス・ポンベ:Scizosaccharomyces pombe)を用いた研究から得られたものである。我々が現在の認識している酵母およびより高等な真核生物における細胞周期チェックポイントに関する報告の多くは、最近発行されたものである(Hartwell & Kastan, 1994, Science, 266: 1821−1828; Murray, 1994, Current Biology, 6: 872−876; Elledge, 1996, Science, 274: 1664−1672; Kaufmann & Paules, 1996, FASEB J., 10: 238−247)。分裂酵母において、6つの遺伝子産物rad1、rad3、rad9、rad17、rad26、およびhus1が、DNA損傷依存性およびDNA複製依存性チェックポイント経路の両方の構成要素として同定されている。さらに、cds1は、DNA複製依存性チェックポイントのために必要であることが確認されており、rad27/chk1は、酵母DNA損傷依存性チェックポイントのために必要であることが確認されている。
【0005】
これらの遺伝子のいくつかは、出芽酵母内において構造的相同性を有しており、また最近になって、S.pombe rad3の2種のヒトホモログ、すなわち、ATM(毛細管拡張性運動失調変異体)(Savitskyら, 1995, Science. 268: 1749−1753)およびATR(毛細管拡張性運動失調およびrad3に関係する)(Bentleyら、 1996, EMBO J., 15: 6641−6651; Cimprichら, 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 2850−2855)のクローニング、ならびにS.pombe rad9のヒトホモログ(Liebermanら, 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA)のクローニングにより、さらなる真核生物間における保存性が示唆されてきた。
【0006】
酵母のチェックポイントタンパク質および遺伝子については多くのことが知られているが、そうした知識は、対応するヒトの遺伝子またはタンパク質の存在、あるいはヒト細胞周期の制御や調節におけるそれらのエフェクター機能を完全に予期するものではない。
【0007】
癌の影響を改善するための新しい、より効果的な治療および治療薬を開発するためには、ヒトチェックポイントタンパク質を同定してその特徴を調べ、それらの活性のメディエーターを同定することが重要になってくる。
【0008】
(発明の要約)
本発明は、新規なヒトチェックポイントキナーゼ遺伝子hCDS1、タンパク質、およびhCDS1の生産および使用のための構築物および方法を目的としている。
【0009】
詳細には、本発明は、配列番号1の核酸配列からなるhCDS1をコードする核酸配列を包含する。詳細には、本発明は、hCDS1タンパク質に翻訳される配列番号1の核酸配列の66位〜1694位の核酸配列を包含する。本発明はまた、配列番号1の核酸配列を含む核酸構築物、ベクター、プラスミド、コスミドなども包含する。詳細には、本発明は、配列番号1の核酸配列を含み、該核酸配列からタンパク質を発現することのできる核酸ベクター構築物を提供する。本発明は、真核細胞または原核細胞に関わらず、宿主細胞の形質転換に適するか、ウィルスベクターへの組込みに適するか、あるいはin vitro(試験管内)におけるタンパク質の発現に適する核酸ベクターを包含する。本発明はさらに、配列番号1の核酸によってコードされるタンパク質の少なくとも機能性フラグメントを含む融合タンパク質産物を生産するために、別の核酸配列と縦列させるか、あるいは他の方法で結合させた、配列番号1の核酸配列を実現する。本発明はさらに、標的細胞中への組込みと発現のための裸のDNA形質転換体として使用するように適用された配列番号1の核酸配列をも包含する。本発明はまた、配列番号1の核酸配列の連続部分または不連続部分のいずれに相補的であるかに関わらず、配列番号1の核酸配列およびそのフラグメントに相補的な、アンチセンスDNA分子調製物を提供する。本発明はまた、配列番号1の核酸配列、その相補体、またはそのフラグメントをコードする修飾されたヌクレオチドまたはバックボーン成分を混合した組成物も提供する。そのような修飾されたヌクレオチドおよび核酸は、当該技術分野において周知である[たとえば、ヴェルマ(Verma)らのAnn. Rev. Biochem. 67: 99−134(1998)を参照のこと]。したがって本発明は、たとえばヌクレオチド間連結修飾、塩基修飾、糖修飾、非放射性ラベル、核酸架橋、PNAs(ポリペプチド核酸)を含むバックボーンの改変などを組み込んだ、修飾された核酸を包含する。
【0010】
本発明は、配列番号2のアミノ酸配列から成る新規なヒトチェックポイントキナーゼタンパク質hCDS1を提供する。本発明は、組み換えDNA技術によって生産され、in vivo(生体内)またはin vitro(試験管内)で発現されるhCDS1タンパク質を包含する。したがって、本発明は、形質転換された宿主細胞による少量または大量生産によって生産されるhCDS1タンパク質を包含する。本発明は、真核細胞または原核細胞のいずれかによって生産される、グリコシル化された、またはグリコシル化されていない、いずれかの型の完全hCDS1タンパク質を包含する。本発明は、哺乳動物、昆虫、植物、細菌、真菌、またはあらゆる他の適切な宿主細胞から発現されるhCDS1タンパク質を提供する。本発明は、融合タンパク質産物、固体支持体に結合されたもの、あるいは、化学的、放射性、蛍光、化学発光、もしくは他の検出可能なマーカーによって標識されたhCDS1タンパク質を包含する。本発明はまた、天然の供給源から単離され、天然において認められるよりも純度が高められたhCDS1タンパク質を提供する。本発明はまた、hCDS1タンパク質の薬学的調製物、および薬学的に許容しうる担体または賦形剤中のhCDS1タンパク質調製物を提供する。
【0011】
配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするあらゆる核酸配列を生み出す核酸コードが当業者によって予測可能であるので、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列をコードするあらゆる核酸配列、ならびに配列番号1で表現されるような核酸配列の実施形態を包含する。
【0012】
本発明は、hCDS1タンパク質に特異的に結合する抗体を包含し、該抗体は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのフラグメントを有するタンパク質で哺乳動物を免疫化することにより生産される、ポリクローナルまたはモノクローナルのいずれかの抗体である。
【0013】
本発明はまた、無理なく同等物であると予測されうるアミノ酸置換を配列番号2の配列内に有し、その実施形態が配列番号2として示される同等のタンパク質を包含する。たとえば、非極性(疎水性側鎖)アミノ酸であるアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、非荷電の極性アミノ酸であるグリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、荷電した極性アミノ酸であるアスパラギン酸、グルタミン酸、塩基性アミノ酸であるリシン、アルギニン、およびヒスチジンは、置換されることにより、機能的に予測がつく効果を有することが当業者によって認識されている。したがって、本発明はまた、そのような同等のタンパク質をコードする同等の核酸であって、その実施形態が配列番号1に記載されている同等の核酸を包含する。
【0014】
本発明はまた、組み換えDNA技術と、hCDS1タンパク質、融合タンパク質またはそのフラグメントをコードする適切な核酸とを用いて、hCDS1タンパク質を生産する方法も提供する。本発明はまた、適切な核酸配列を、プロモータ、及び/またはエンハンサーなどの、誘導可能であるかあるいは構造的に発現される適切な制御要素を統合した、適切な発現ベクターに組み込むことを提供する。本発明は、少なくとも1つの追加の選択可能なマーカーまたは発現可能なタンパク質を有するか、あるいは有しない発現ベクターの使用を提供する。本発明は、適切に構築された発現ベクターが、形質転換もしくは他の方法により適切な宿主細胞に導入され、そのような宿主細胞によってタンパク質が発現されるような方法を提供する。したがって、本発明はまた、hCDS1タンパク質、融合タンパク質、またはそのフラグメントを生産することのできる形質転換された宿主細胞も提供する。
【0015】
hCDS1がDNA損傷チェックポイントにおいてCds25と協同的に作用するという知見から、異常DNA損傷チェックポイント機能を伴う疾患の治療方法において、本発明の化合物を使用することが可能になる。本発明はさらに、癌治療のための治療薬としての本発明の化合物の使用を提供する。詳細には、本発明は、細胞内におけるhCDS1−Cdc25DNA損傷の特異的修飾を可能にする。
【0016】
本発明はまた、真核細胞のhCDS1媒介性チェックポイント機能に影響を与える試験化合物の効力をスクリーニングするための方法も包含し、該方法は、試験化合物を真核細胞に接触させることと、hCDS1の発現または機能における変化を検出することとを含む。したがって、本発明はさらに、前記hCDS1の発現または機能における変化の検出を、hCDS1のmRNAをアッセイするか、あるいはhCDS1タンパク質の発現をアッセイすることによって達成することを特徴とするスクリーニング方法を包含する。詳細には、本発明によれば、Cdc25のリン酸化またはキナーゼ活性におけるあらゆる変化をスクリーニングすることにより、DNA損傷チェックポイントを修飾する候補物質の効力をスクリーニングすることができる。本発明のアッセイによって同定される化合物または物質、あるいはそのような化合物または物質に対応する化合物は、薬学的治療薬の製造のために使用することができる。
【0017】
したがって、本発明は1つの実施形態において、hCDS1タンパク質、hCDS1核酸、hCDS1アンチセンス核酸を含む薬学的組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、本発明のアッセイにより薬学的製剤中の治療薬として適していると同定された化合物または物質を提供する。これらの薬学的組成物は、癌治療において使用するための他の化学治療薬を含んでいてもよく、あるいは他の抗癌治療薬の投与と連係した投与計画において投与されてもよい。したがって、本発明は1つの実施形態において、hCDS1誘導薬剤を単独および他の化学治療薬と組みあわせて使用する組合せ化学療法のための方法を包含し、また第2の実施形態において、一回投与のために他の抗癌治療薬との混合物を包含する。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、図2に示されるアミノ酸配列(配列番号2)を有するhCDS1タンパク質をコードする、あるいは前記タンパク質の同等の機能的フラグメントまたは生物前駆体をコードする核酸が提供される。好ましくは、核酸はゲノムDNA分子などのDNA分子であってもよく、より好ましくはcDNA分子であってもよいが、RNAであってもよい。
【0019】
好ましい実施形態において、hCDS1タンパク質をコードする核酸は、図1に示される核酸配列(配列番号1)の66位〜1694位で表される核酸配列、その相補体、あるいは高い緊縮条件下でもいずれかにハイブリダイズできる核酸を含む。
【0020】
ここで定義する核酸は、低い緊縮条件下においても、ファミリーのメンバーに由来する核酸配列とハイブリダイズすることができ、それらからのホモログであるのか、あるいは別の種に由来する核酸配列であるのかを確認することができる。
【0021】
当業者にとって周知であるように、遺伝子コードの縮重により、本発明に従う核酸配列は、その内部に同一のアミノ酸配列をコードする置換を含んでいてもよい。
【0022】
有利には、本発明に従う核酸配列は、発現ベクターに組み込まれ、適切な宿主細胞を形質転換、トランスフェクション、または感染させるために使用されてもよい。そのような発現ベクターにおいて、本発明に従う核酸は、本発明に従うタンパク質を適切な宿主細胞内で確実に発現させる制御配列、たとえば適切なプロモータなどに機能的に連結されている。発現ベクターは、有利にはプラスミド、コスミド、ウィルスまたは他の適切なベクターとすることができる。発現ベクター、および、ベクターによる形質転換、トランスフェクションまたは感染を受けた宿主細胞もまた、本発明の一部を構成する。好ましくは、宿主細胞は真核細胞または細菌細胞であり、より好ましくは哺乳動物細胞または昆虫細胞である。哺乳動物宿主細胞は、本発明に従う発現タンパク質に対して必要な翻訳後修飾、たとえばグリコシル化などを行うことができるので特に有利であり、これらの修飾は、前記タンパク質に対して最適な生物学的活性を付与し、単離されたときに、診断キットなどにおいて有利に用いられることができる。
【0023】
本発明に従う前記核酸配列を含む発現ベクターは、たとえば遺伝子治療などの、in vivo(生体内)において有利に用いることができる。
【0024】
本発明のさらなる態様に従えば、hCDS1タンパク質を発現することができる形質転換遺伝子を含む形質転換細胞、組織または生物体が提供され、該タンパク質は、図2に示されるアミノ酸配列(配列番号2)あるいはその機能的同等物または生物前駆体またはフラグメントのアミノ酸配列を含む。本明細書中で用いる「発現することのできる形質転換遺伝子」という用語は、同一の機能および/または活性を有するhCDS1またはタンパク質を発現する適切な核酸配列を意味する。形質転換遺伝子は、例えば、ゲノムに組み込まれたDNAまたは染色体外状態におかれたDNAを含んだ、ヒト細胞から単離されたゲノム核酸または合成核酸を含む。好ましくは、形質転換遺伝子は、本明細書中で記載したような本発明に従うタンパク質をコードする核酸配列、または前記核酸の機能的フラグメントを含む。前記核酸の機能的フラグメントは、本発明に従うタンパク質、あるいは前記タンパク質の機能的同等物、誘導体、または優性の負の突然変異株などの非機能的誘導体、あるいは前記タンパク質の生物前駆体をコードする核酸を含む遺伝子フラグメントのことを意味すると認識すべきである。たとえば、前記核酸配列によってコードされるタンパク質の配列に影響を与えず、本発明に従う機能的タンパク質をコードするような、常套的な技術による核酸の置換または欠失を用いても良いことは、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0025】
前記形質転換細胞、組織または生物体によって発現されるhCDS1タンパク質、あるいは前記タンパク質の機能的同等物または生物前駆体もまた、本発明の一部を構成する。
【0026】
さらに本発明により、本発明に従う核酸とハイブリダイズすることのできるアンチセンス分子が提供される。有利には、本発明に従うアンチセンス分子は、医薬品として、あるいは癌および他の増殖性の病気の治療のための医薬品の製造において使用されてもよい。
【0027】
本発明は、有利には、本発明に従う核酸配列の少なくとも15個のヌクレオチドから成る核酸配列、好ましくは15〜50個のヌクレオチドから成る核酸配列を提供する。これらの配列は、複製などを開始させるためのプローブまたはプライマーとしても有利に使用することができる。そのような核酸配列は、組み換えまたは合成などの手段による、当該技術分野において周知に方法に従って生産してもよい。またそのような核酸配列は、本発明に従う核酸配列の存在を検出するための診断キットなどにおいて使用してもよい。これらの試験は一般に、プローブをハイブリッド形成条件下において試料と接触させることと、プローブと試料中の核酸との間に形成された二重らせんまたは三重らせんの存在を検出することとを含む。
【0028】
有利には、本発明に従う核酸配列は、たとえばPCR(鎖長延長反応)クローニング機構などを用いるような組み換えまたは合成手段によって生産することができ、該PCRクローニング機構は、一般には、クローン化が望まれる遺伝子の部位に対する約15〜50個のヌクレオチドであってもよい一対のプライマーを作製することと、前記プライマーをヒトからのmRNA、cDNA、またはゲノムDNAに接触させることと、所望の部位の増幅を引き起こす条件でのポリメラーゼ鎖長延長反応を行う(必要であれば、最初に逆転写ステップを行う)ことと、増幅された部位またはフラグメントを単離することと、増幅されたDNAを回収することとを含む。一般に、ここで定義した上記のような技術は、サンブロック(Sambrook)らによる「分子クローニング−実験室マニュアル(Molecular Cloning; a Laboratory Manual, 1989)」に記載されているように、当該技術分野において周知である。有利には、本発明に従う核酸のヒト対立遺伝子変異体は、一例として、たとえば異なる集団に由来する個体範囲からのゲノムDNAライブラリーのプロービングまたは他の遺伝子型決定技術によって得ることができる。さらに、本発明に従う核酸およびプローブは、たとえばサンガージデオキシ鎖終結法などの当該技術分野において周知の方法を用いて、患者からのゲノムDNAの配列決定を行うことができ、これにより、特定の増殖性障害に対する患者のあらゆる素質を有利に確認することができる。
【0029】
本発明によれば、図2に示されるようなアミノ酸配列(配列番号2)、あるいは機能的に同等な機能的フラグメントのアミノ酸配列を有するタンパク質、あるいは前記タンパク質の生物前駆体、ならびに、これらのタンパク質またはそのフラグメントのアミノ酸配列に結合するこのできるモノクローナルまたはポリクローナル抗体が提供される。当業者によって周知のように、本発明に従うタンパク質は、保存性置換、欠失または挿入を含んでいてもよく、これにおいて、タンパク質は図2に開示されるアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含んでいるが、上記置換、欠失または挿入は、本発明に従うタンパク質の活性や該タンパク質のヒト細胞周期チェックポイント経路における相互作用能力に影響を及ぼすことはない。
【0030】
好ましいフラグメントとしては、本発明に従うタンパク質のエピトープを含むものが含まれる。エピトープは、たとえばゲイセン(Geysen)らによるMol. Immunol., 23; 709−715(1986)に記載されているようなペプチド走査技術を用いて決定することができる。
【0031】
本発明に従う抗体は、当業者によって周知の技術に従って生産することができる。モノクローナル抗体は、コーラー(Kohler)Fとミルスタイン(Milstein)Cによって、Nature 256, 495−497(1985)に記載されているような、従来のハイブリドーマ技術を用いて調製することができる。ポリクローナル抗体もまた当業者周知の従来の技術を用いて調製することができ、該技術は、マウスなどの宿主動物に本発明に従うタンパク質またはエピトープを接種することと、免疫血清を回収することとを含む。本発明はまた、結合活性を維持している全抗体のフラグメント、たとえばFv、F(ab’)およびF(ab’)フラグメント、ならびに一本鎖抗体も包含する。
【0032】
有利には、本発明に従う核酸および/またはタンパク質は、薬学的組成物内に、該組成物のための薬学的に許容されうる担体、希釈剤または賦形剤とともに含まれていてもよい。本発明に従う前記核酸を含む薬学的組成物は、たとえば遺伝子治療において使用することもできる。本発明に従うそのような核酸は、裸の状態、あるいはタンパク質カプセル、脂質カプセル、リポソーム、膜を基剤にしたカプセル、ウィルスタンパク質、全ウィルス、細胞ベクター、細菌細胞宿主、改変哺乳動物細胞、または他の投与のための適切な手段内に包装した状態で投与することができる。
【0033】
本発明によれば、本発明に従う核酸が生物試料中に存在するか否かを検出するための方法がさらに提供され、該方法は、a)前記試料をハイブリッド形成条件下において、本発明に従う核酸またはプローブを含むプローブと接触させることと、b)たとえば、前記プローブと試料中に存在する核酸との間の二重らせんまたは三重らせんの存在により、ハイブリッド形成の有無を検出することとを含む。本発明に従うタンパク質は、a)前記試料を、抗体−抗原複合体の形成を可能にする条件下で、本発明に従うタンパク質のエピトープに対する抗体と接触させることと、b)抗体−抗原複合体の存在をモニターすることとによって、検出されてもよい。
【0034】
前記核酸およびタンパク質を検出するためのキットもまた、本発明によって提供される。生物試料中の本発明の核酸の存在を検出するためのキットは、(a)試料を本発明に従う核酸またはプローブを含むプローブと接触させるための手段と、前記プローブと試料中に存在するあらゆる核酸との間の、二重らせんまたは三重らせんの存在を検出するための手段とを含んでいてもよい。
【0035】
同様に、生物試料中の本発明に従うタンパク質の存在を検出するためのキットは、(a)前記試料を、抗体−抗原複合体の形成を可能にする条件下で、本発明に従うタンパク質のエピトープに対する抗体と接触させるための手段と、前記試料中の抗体−抗原複合体の存在をモニターするための手段とを含んでいてもよい。
【0036】
本発明のさらなる態様は、ある化合物が、ヒト細胞周期チェックポイント経路のタンパク質の発現または活性に対する、阻害剤または促進剤のいずれであるかを決定する方法を提供し、該方法は、前記経路内のタンパク質を発現している細胞を前記化合物に接触させることと、チェックポイント経路のいずれかのタンパク質の発現レベルを、前記細胞と前記化合物に接触させていない細胞との間で比較することとを含む。同定されたどの化合物も、癌または増殖性障害の治療のための医薬品として、あるいは医薬品の調製において有利に使用することができる。あるいは、そのような化合物は、薬学的組成物内に、該薬学的組成物のための薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに含まれていてもよい。有利には、細胞チェックポイント経路の阻害剤であると同定されたあらゆる化合物は、本発明に従う薬学的組成物内に、DNA損傷化学治療薬などの細胞障害性物質と、該薬学的組成物のための薬学的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤とともに含まれていてもよい。したがって、ヒト細胞周期チェックポイント阻害剤は、たとえば抗癌治療において用いられる細胞障害性物質の化学治療効果を高めると考えられる。
【0037】
本発明によれば、抗癌治療に対する候補物質をスクリーニングする方法も提供され、該方法は、a)キナーゼ活性を提示している本発明に従うタンパク質を、前記タンパク質に対する基質とともに、キナーゼが該基質に作用するような条件下で提供することと、b)タンパク質および基質を候補物質と接触させることと、c)タンパク質のキナーゼ活性の増加または減少の程度を測定することと、及びd)活性の減少または増加を引き起こす候補物質を選択することとを含む。そのような候補物質は、癌または増殖性の細胞障害の治療のための医薬品として、あるいは医薬品の調製において使用することができる。
【0038】
本発明はまた、細胞チェックポイント経路において活性を示す他のタンパク質を同定するための方法も含み、該方法は、a)細胞抽出物を、適当な結合条件下において、本発明に従うタンパク質のエピトープに対する抗体と接触させることと、b)抗体−タンパク質複合体を同定することと、c)複合体を分析して、抗体に結合したタンパク質、または本発明に従うタンパク質以外のタンパク質を同定することとを含む。
【0039】
細胞チェックポイント経路に包含されるタンパク質を同定するための他の方法は、上記チエン(Chien)ら(1991)によって開発された、酵母における2ハイブリッド系を利用する。この技術は、レポーター遺伝子を活性化する転写因子のin vivo再構築における機能に依存している。より詳細には、この技術は、DNA結合ドメインと活性化ドメインとを有する転写因子によって調節されたプロモータの制御下にあるレポーター遺伝子を含むDNA構築物を有する適当な宿主細胞を与えることと、本発明に従う核酸配列のフラグメントまたは全体と前記転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかとの間の第1の融合物をコードする、第1の交雑DNA配列を、宿主細胞中において発現させることと、第1の融合物には組み込まれていない転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインとともに評価すべき推定結合タンパク質をコードする、少なくとも一つの第2の交雑DNA配列を、宿主細胞中において発現させることと、宿主細胞中のレポータ遺伝子産物の産生を検出することにより、評価するタンパク質の本発明によるタンパク質への結合を検出することと、任意に、結合タンパク質をコードする第2の交雑DNA配列を単離することとを含む。本発明のこの態様の一実施形態として、本方法は以下の(a)および(b)を含んで構成される。
【0040】
(a)少なくとも2つのヌクレオチドベクターを構築する。第1のヌクレオチドベクターは、本発明に従うタンパク質をコードする核酸配列に機能的に連結された、GAL4タンパク質のDNA結合ドメインをコードするヌクレオチドセグメントを含み、第2のベクターは、試験すべきタンパク質をコードする核酸配列に機能的に連結された、GAL4のタンパク質結合ドメインをコードする核酸配列を含む。
【0041】
(b)ガラクトース代謝タンパク質をコードする遺伝子の転写に欠損を有した酵母細胞中に、前記ベクターのそれぞれを同時形質転換により導入する、これにより、前記試験タンパク質と本発明に従うタンパク質との相互作用によりガラクトース代謝遺伝子が転写される。
【0042】
(好適な実施形態の詳細な説明)
本発明は、添付の図面を参照して、例示のためだけに与えられる以下の実施例からより明確に理解されるであろう。
【0043】
本発明は、新規なヒトチェックポイントキナーゼ遺伝子およびhCDS1と呼ばれるタンパク質の単離とキャラクタリゼーションを包含する。hCDS1遺伝子およびタンパク質は、S.pombe内に見つけられる相同遺伝子およびタンパク質と類似性を示す。
【0044】
S.pombeのcds1遺伝子は、DNAポリメラーゼα変異体を補足する能力により同定された(Murakami & Okayama, 1995, Nature, 374: 817−819)。S.pombeのcds1は、S.pombe株のrad1、rad3およびrad9変異株のヒドロキシ尿素感受性(DNA複製依存性チェックポイント)を抑制することもできたが、紫外線感受性(DNA損傷依存性チェックポイント)を抑制することはできなかった。このことは、S.pombeのcds1がDNA合成中のチェックポイント機能を遂行していることを示す。
【0045】
S.pombeのcds1は、S.cerevisiaeのチェックポイント遺伝子RAD53と70%の類似性を有する推定タンパク質キナーゼである。S.cerevisiaeにおいて、DNA損傷依存性チェックポイントおよびDNA複製依存性チェックポイントは、DNA損傷の検出レベルにおいて遺伝学的に別個である。2つの経路は、1つのシグナル伝達経路における増幅因子として潜在的に作用するRad53タンパク質キナーゼに収束する。このことは、同一のタンパク質が全てのタイプの損傷の検出に関与するが、シグナル伝達が、異なるタンパク質キナーゼであるDNA複製依存性チェックポイントのためのS.pombeのcds1およびDNA損傷依存性経路のためのChk1/Rad27を包含する別個の経路に分かれるような、S.pombeの場合には当てはまらないようである。cds1キナーゼのS期特異的活性化は、S.pombeにおけるチェックポイント反応の副経路を規定すると示唆されてきた(Lindsayら, 1998, Genes and Development, 12: 382−395)。
【0046】
S.pombeのcds1は、DNAポリメラーゼαとの相互作用を介して、DNA複製の進行または複製複合体の完全性を監視する働きをするかもしれない。このことは、ショウジョウバエにおいて、DNAポリメラーゼαに関連する適切な分子量のキナーゼに対して証明されている(Peckら, 1993, B.B.R.C., 190: 325−331)。あるいは、上記タンパク質は、最終的にはG1/S期のサイクリン依存性キナーゼの活性に影響を及ぼすChk1と同様の様式で、p107weelのリン酸化を介して作用するかもしれない。
【0047】
以下の実施例に記載するような基本的な分子生物学的操作を実施するための方法および材料は、当該技術分野において周知であり、以下に示す引例の中に記載されている。Sambrookら, Molecular Cloning, 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989); Bergerら, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology, Vol. 152, Academic Press, Inc.,(1987); Davisら, Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing Co., Inc.(1986); Ausubelら, Short Protocols in Molecular Biology, 2nd ed., John Wiley & Sons,(1992); Goeddel Gene Expression Technology, Methods in Enzymology, Vol. 185, Academic Press, Inc.,(1991); Guthrieら, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, Vol. 194, Academic Press, Inc.,(1991); McPhersonら, PCR Volume 1, Oxford University Press(1991)。
【0048】
本発明のいくつかの態様は、以下に示す実施例を検討することにより、より容易に理解することができる。
【0049】
【実施例】
実施例1 hCDS1の単離
hCDS1の単離は、TBLASTNプログラムを用いて、S.pombe cds1に類似する配列を探すことから開始した。ヒトの発現配列タグ(EST: expressed sequence tag)(EST番号:864164)を、工業所有権によって保護されているLifeSeq(登録商標)データベース(Incyte Pharmaceuticals Inc., Palo Alto, CA, USA)において同定した。1.3kb挿入配列の配列分析により、この配列は、S.pombe cds1に類似した不完全なオープンリーディングフレームであることが判明した。新規な5’DNA配列の約650のヌクレオチドは、マラソン・レディ(Marathon Ready)ヒト胎盤cDNA(Clontech)を製造者の指示に従って用いて、5’RACE(cDNA末端の迅速増幅)により得た。
【0050】
概要を説明すると、ネスト(nested)PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)反応のためには、以下の2つのhCDS1遺伝子特異的プライマーを用いた。
【0051】
GSP3 5’−TTTTGCTGATGATCTTTATGGCTAC−3’(配列番号3)、および
GSP4 5’−CACAGGCACCACTTCCAAGAGTTTT−3’(配列番号4)。
【0052】
次に、hCDS1に対する完全なORF(オープンリーディングフレーム)を、以下に示すPCRプライマーを用いて、ヒトSK−N−MC神経芽腫cDNAライブラリーから増幅した。
【0053】
5’−GGGCTCGAGAGCAGCGATGTCTCGGGAGTCGGATGT−3’(配列番号5)、および
5’−GGCGGATCCTCGAGTCACAACACAGCAGCACACAC−3’(配列番号6)。
【0054】
次に、増幅産物をpCR2.1ベクター(Invitrogen)にクローニングし、DNA配列を決定した。
【0055】
hCDS1の核酸配列は、S.pombe cds1+に対してDNAレベルで47.8%の同一性を示すことが分かった。終止コドンは、3つ全ての読み取り枠において、5’末端直後から推定hCDS1開始コドンまでの120ヌクレオチド内に存在しており、完全なコード領域が単離されたことが示された。配列の一部は、NCBIデータベース、EST AA28529、ゲノム配列H55451、および54塩基対フラグメントH55698内に見られる部分配列と一致することが分かった。
【0056】
hCDS1核酸配列をコードする同定されたヒト遺伝子およびベクターは、プラスミドHCDS1 ORF/pCR−Blunt(受託番号:LMBP3708)、プラスミドHCDS1 5’RACEフラグメント/pGEM−Easy(受託番号:LMBP3710)、およびプラスミドHCDS1 3’フラグメントIncyte clone864164/pSPORT(受託番号:LMBP3709)として、1997年4月28日付ブダペスト条約の規定に従って、分子生物学研究所−プラスミド収集室(Laboratorium Voor Moleculaire Biologies−Plasmidencollecte)(B−9000ヘント、ベルギー)におかれたBCCM(Belgian Co−ordinated Collections of Micro−organisms)に寄託した。
【0057】
hCDS1の組織発現プロファイルは、hCDS1 ORFをプローブに用いた、複数の組織のノーザン・ブロッティング(Clontech)および癌細胞系のノーザン・ブロッティング(Clontech)により調べた。約2.1kbの単一の転写産物が観察された。調べた全ての正常ヒト組織において、従来のノーザン・ブロット・ハイブリダイゼーション条件で発現を検出することはできなかった。しかしながら、調べた全てのガン細胞系において発現が大幅に高められていることが分かった。
【0058】
hCDS1遺伝子は、染色体22q11.2−q12に局在していたことが、完全なORFをFISH(蛍光in situハイブリダイゼーション)分析のためのプローブとして用いることにより確認された。ハイブリダイゼーション効率は約62%であり、使用した条件においては他のいかなる遺伝子座も検出されなかった。
【0059】
概要を説明すると、ヒト血液から単離したリンパ球を、10%ウシ胎児血清およびフィトヘマグルチニン(PHA)を添加したα−最小必須培地(MEM)中、37℃で68〜72時間培養した。リンパ球培養物をBrdU(0.18mg/ml,Sigma)で処理して、細胞集団を同調化した。この同調化細胞を血清を含まない培地で3回洗浄して塊を解離させ、チミジン(2.5μg/ml,Sigma)を添加したα−MEM中、37℃で6時間再培養した。細胞を回収し、低張処理、固定および風乾を含む標準的な方法を用いてスライドを作成した。hCDS1完全ORFを含むDNAフラグメントをゲル精製し、BRL BioNickラベリングキットを用いてdATPでビオチニル化(15℃、1時間)した(Hengら, 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89: 9509−9513)。
【0060】
次にスライドを55℃で1時間加熱乾燥し、RNase処理を行った後、スライドを2×SSCに溶解した70%ホルムアミド中、70℃で2分間変性させ、その後、エタノールで脱水を行った。プローブは、50%ホルムアミドと10%硫酸デキストランとから成るハイブリダイゼーション・ミックス中、75℃で5分間変性させた。プローブを変性させた染色体スライド上に適用した。一晩ハイブリダイゼーションを行った後、スライドを洗浄し、検出を行った。FISHシグナルおよびDAPIバンドパターンを、写真撮影により別々に記録し、FISHマッピングデータの染色体バンドへの割当ては、FISHシグナルをDAPIバンド化染色体に重ね合わせることにより行った(Heng & Tsui, 1994, Methods in Mol. Biol., 33: 35−49)。
【0061】
実施例2 hCDS1タンパク質の特徴づけ
hCDS1核酸配列cDNAからは、約61kDaの分子量を有する543アミノ酸の翻訳産物が予測される。これは、ヒーラ細胞における内在Cds1タンパク質の見かけの分子量に近い。予測されるhCDS1タンパク質は、S.pombeのcds1タンパク質に対しては28%の同一性、RAD53に対しては28%の同一性、またS.cerevisiaeのDUN1キナーゼに対しては27%の同一性を有する。これらの見かけ上のホモログの配列アライメントにより、キナーゼドメイン外に、フォークヘッド会合ドメイン(Fork Head Associated domain)(Hoffmanら, 1995, Trends Biochem. Sci., 20: 347−9)の保存領域を含むいくつかの配列の類似する領域が示された。ヒトタンパク質は、RAD53において見られるような長いC末端延長部を欠失しているという点で、S.pombeCDS1およびS.cerevisiaeDUN1と同様の全体構造を示している。hCDS1によるノーザン・ブロッティング分析により、試験した精巣および8つのヒト癌試料内で発現される約2.2kbの単一の転写産物が同定された。
【0062】
概要を説明すると、2つの多重組織のノーザン・ブロット(Contech)とガン細胞系のノーザン・ブロット(Clontech)を、hCDS1に対するcDNAプローブとハイブリダイズさせた。このプローブは、上述の完全なORFに対応する。ブロットを非常に厳重に洗浄し(0.1×SSC,0.1%SDS,50℃,2×20分間)、増感紙を組み合わせたコダックX−OMATオートラジオグラフィーフィルムを用いて、−70℃で露光した。
【0063】
実施例3 Cdc25全活性分析
DNA損傷の存在下においてCdc2の脱リン酸化が抑制されているという可能性から、Cdc25の全活性を調べるための分析が必要となった。EDTAの存在下において、非同調ヒーラ細胞抽出物からのCdc2/サイクリンBが、自発的に不活性化することが分かった。
【0064】
概要を説明すると、細胞を氷冷溶菌緩衝液(2mM塩化マグネシウム、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド、および5μg/mlロイペプチン、ペプスタチンおよびアプロチニンを含有する50mMトリス、pH7.4)中に溶解した。溶菌液を10,000×gで10分間遠心分離することにより透明化し、上清のタンパク質濃度をローリーアッセイにより決定した。10mM EDTAを上清(60μL中100μg)に加え、30℃でインキュベートすることにより反応を開始させた。抗サイクリンB免疫沈降物中のヒストン−H1キナーゼ活性を測定することにより、検定時間ごとにCdc2/サイクリンBの活性を検定した(上記Blasinaら)。イムノブロッティングのために、400μgの細胞溶菌液を、抗サイクリンB抗体を用いて免疫沈降させ、11%のアクリルアミド−SDSゲル上で分離した。Cdc2のPSTAIREモチーフに対するモノクローナル抗体を、Cdc2の異なるリン酸型を検出するために使用した。
【0065】
活性化は、SDS−PAGEゲル上の移動度の遅い種として可視化される阻害リン酸化型のCdc2の損失に相関する。活性化は、Cdc25および他のチロシンホスファターゼの阻害剤であるバナジン酸塩によって阻害される。さらに、Cdc25C特異的抗血清による免疫枯渇により、Cdc2/サイクリンBの活性化が大幅に減少した。Cdc2またはサイクリンBタンパク質のレベルの増加は見られなかったが、10mM EDTAを存在させることにより、WEE1およびMyt1によるリン酸化は阻害された。このように上記の結果は、Cdc2の活性化が脱リン酸化の結果として起こることを実証した。非同調ヒーラ細胞の溶菌液において、内在Cdc25ホスファターゼ活性は、30分以内に利用可能なサイクリンB/Cdc2の80%以上を脱リン酸化し、活性化するのに十分なものである。回収1時間前に10Gyのτ照射に暴露することによりDNAを損傷させておいたヒーラ細胞の溶菌液を分析したところ、30分のインキュベーションの間に利用可能なCdc2/サイクリンBの25%未満しか活性化されないというように、Cdc2の活性化速度が顕著に減少していることが分かった。複合体中のCdc2/サイクリンBの量に顕著な変化は無く、外来GST−Cdc25を加えることにより、対照のCdc2/サイクリンBと同程度に活性化された。10Gy照射により、調べた10の経時点において、Cdc2脱リン酸化の速度が3倍以上も減少した。上で測定したCdc25の不活性化が、ヒト細胞におけるDNA損傷チェックポイント反応の一部であるとすれば、DNA損傷チェックポイントを無効にする実験条件は、Cdc25の照射誘導阻害を阻止するものと考えられるであろう。
【0066】
実施例4 hCDS1のDNA損傷チェックポイント効果
様々な細胞におけるDNA損傷反応は、構造的にPI−3キナーゼに関連する種々の関連キナーゼを必要とすることが知られている。このファミリーの少なくとも1つのメンバーであるDNA−タンパク質キナーゼは、in vitroにおいてウォルトマンニンに対して感受性であることが分かっている(Hawleyら, 1996, Genes and Dev., 10: 2383−8; Hartleyら, 1995, Cell, 82: 849−856)。したがって、wortmannnin感受性キナーゼが、M期入口における照射誘導遅延の上流で作用したという可能性について調べた(Priceら, 1996, Cancer Research, 56: 246−250)。ヒーラ細胞はM期においてノコダゾールによって停止されることができ、照射はノコダゾール感受性M期遮断点よりも前のG2において、細胞の遅延を引き起こす。したがって、ノコダゾール中で培養された細胞の分裂指数を評価することにより、有糸分裂に入るのが遅れたかどうかを決定することができる。ノコダゾールの存在下で14時間培養した対照細胞は、60%の有糸分裂細胞を含んでおり、ウォルトマンニンの存在はこの数字に殆ど影響を及ぼさなかった。しかしながら、照射を行ったところ、ノコダゾール遮断点まで到達した細胞の数はわずか10%まで減少した。これらの結果は、ウォルトマンニンがヒーラ細胞中のDNA損傷G2チェックポイントを無効にすることを実証した。
【0067】
Cdc25の照射誘導性不活性化に対するウォルトマンニンの影響を調べた。ウォルトマンニンは、非照射の培養物から調製された抽出物中のCdc2/サイクリンBの活性化には殆ど影響を及ぼさなかったが、照射誘導によるCdc25活性の低下を大幅に減少させた。
【0068】
照射誘導性G2チェックポイントは、遺伝的障害毛細管拡張性運動失調を患った患者から得た細胞系においても、無効にされた。毛細管拡張性運動失調変異細胞は、G1およびG2の両方のチェックポイントに欠損があり、全てではないにせよ多くのDNAに損傷を与える物質に暴露される(Canmanら, 1994, Cancer Research, 54: 5054−5058)。G1を遅延させるAT欠損細胞の損傷は、p53を正に調節する損傷(Kastanら, 1992, Cell, 71: 587−589)、ならびにcAb1をリン酸化および活性化する損傷(Baskaranら, 1997, Nature, 387: 516−519; Shafmanら, 1997, Nature, 387: 520−523)と相関している。G2を遅延させる損傷に対する分子的根拠は知られていない。AT欠損細胞では、染色体の破損を引き起こす物質、たとえばイオン化τ線などに対する反応性が大幅に減少していた。特筆すべきは、AT欠損細胞は、紫外線源による照射によって発生する塩基損傷の結果として、正常に近い反応を示すということである(Canmanら, 1994, Cancer Research, 54: 5054−5058; Painterら, 1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 7315−7317; Zampetti−Bosselerら, 1981, Int. J. Radiat. Biol., 39: 547−558)。紫外線およびτ照射が、AT(+:プラス)およびAT(−:マイナス)のSV40形質転換ヒト線維芽細胞系のCdc25活性に及ばす影響を調べた。AT(−)細胞は、紫外線照射に対して、Cdc2が脱リン酸化される速度が劇的に減少するという反応を見せた。これに対し、τ照射はCdc2の脱リン酸化速度に対して穏やかな影響しか与えなかった。AT(+)細胞においては、イオン化照射または紫外線照射のいずれを行った場合でも、Cdc2の脱リン酸化速度が著しく低下するという結果が得られた。これらのデータは、ATM遺伝子産物が、τ照射の結果として起こるCdc25の効率的な不活性化に必要とされていることを示し、Cdc25の不活性化と、DNA損傷の結果として起こるM期の始まりの遅れとの間の相関関係を実証するものである。
【0069】
ヒト細胞におけるCdc25のチェックポイント依存性不活性化の媒介物は、抗癌治療を促進し、正常な細胞への副作用を減らす治療法または治療計画を生み出すための格好のターゲットである。
【0070】
hCDS1の生化学的特徴づけを容易に行うために、6his−hCDS1を昆虫細胞内で発現させ、アフィニティー精製し、ATP再生系の存在下にヒーラ細胞の抽出物中でインキュベートした。抽出物中のキナーゼを阻害するためにEDTAを加え、Cdc2/サイクリンBの脱リン酸化および活性化の速度をモニターした。
【0071】
概要を説明すると、6his−hCDS1、6his−Chk1、6his−Cdc2およびGST−Cdc25Cをコードする組み換えウィルスを、Gibco/BRLから入手したBac−to−Bac発現系を用いて作製した。6his−融合タンパク質は、クマガイ(kumagai)ら(Kumagaiら,(1995), Mol. Biol. Cell, 6: 199−213)に記載されているような方法に従って精製した。GSH−セファロースビーズを、Sf9抽出物中で15分間インキュベートし、ビーズを遠心分離により回収し、溶菌緩衝液(50mMトリス(pH8.0),5mM EDTA,150mM NaCl,0.1% NP40,5%グリセロール,0.1%β−メルカプトエタノールおよびプロテアーゼ阻害剤)で3回洗浄した。ビーズは、リン酸化反応の前にキナーゼアッセイ緩衝液(50mMトリス(pH7.4),10mM塩化マグネシウム)で3回、あるいは、ホスファターゼアッセイの前にホスファターゼアッセイ緩衝液(50mMイミダゾール(pH7.4),5mM EDTAおよび0.1%β−メルカプトエタノール)で3回のいずれかの洗浄を行った。
【0072】
これらのアッセイにおいて、6his−Chk1および6his−hCDS1のいずれもCdc2/サイクリンBの活性化を著しく減少させることが分かった。Cdc2の活性化の減少は用量に依存し、ATPを必要とした。Cdc2は6his−Chk1または6his−hCDS1によって不可逆的に阻害されないという事実が、キナーゼ処理後に過剰のCST−Cdc25Cを加えた際に活性化が生じたことから確証された。したがって、6his−hCDS1と6his−Chk1のいずれも、抽出物中で見られるCdc25の照射誘導性の負の調節を模倣することができる。これらの実験では遠心分離によって透明化にしたヒーラ細胞溶菌液を用いたので、細胞下画分における変化がCdc25の活性化の原因であるとは考えにくい(Pengら, 1997, Science, 277: 1501−1505)。
【0073】
実施例5 Cdc25に対するhCDS1の直接的影響
hCDS1によるCdc25阻害の間接的メカニズムを細胞溶菌液のアッセイからは除外することができなかったので、アフィニティー精製した試薬を用いて、hCDS1による直接的リン酸化とGST−Cdc25活性の阻害を調べた。
【0074】
GST−Cdc25を、γ―32P ATPの存在下に、6his−hCDS1、偽ビーズ、または6his−Chk1のいずれかと共に、30℃で15分間インキュベートした。タンパク質をSDS−PAGEにより分離し、オートラジオグラフィーにより可視化した。GST−Cdc25は、6his−Chk1および6his−hCDS1によってリン酸化した。Cdc25ホスファターゼ活性がこのリン酸化によって影響されたかどうかを決定するためのアッセイを行った。
【0075】
GST−Cdc25の、Cdc2/サイクリンB免疫沈降物のヒストン−H1キナーゼ活性を活性化する能力について評価した。6his−hCDS1によるGST―Cdc25のリン酸化が、GST−Cdc25のCdc2/サイクリンB活性化能を阻害していることが分かった。したがって、これらのデータから、6his−hCDS1がin vitroにおいてCdc25を不活性化し、Cdc25はin vivoにおいてはDNA損傷の結果として不活性化されることが実証された。
【0076】
6his−Chk1はGST−Cdc25と会合し、in vitroにおいてヒストン−H1キナーゼ活性を有するので(Sanchezら, 1997, Science, 277: 1497−1501)、Cdc2/サイクリンBキナーゼ活性の分析結果が分かりにくいものであった。GST−Chk1の効果を試験するために、ゲル移動度の解析で遅い移動度を示すCdc2の種の消失からCdc2脱リン酸化をモニターするというアッセイを使用した。
【0077】
概要を説明すると、リン酸化されたCdc2を、6his−Cdc2,6his−Weel,6his−Myt1およびGST−サイクリンB(Parkerら, 1992, Science, 257: 1995−1957)をコードする組み換えバキュロウィルスで同時感染を行ったSf9細胞から精製した。サイクリンBに複合化された6his−Cdc2は、溶菌緩衝液に1mM VOを含めたこと以外は、GST−Cdc2のための条件と同じ条件下でGSHビーズを用いて精製した。ウェスタンブロット分析からは、四重感染の結果として、大多数のCdc2/GST−サイクリンBが一方または両方の阻害部位においてリン酸化されていることが示された。これらのホスファターゼアッセイは、10mM EDTAの存在下、およびATP非存在下において、6his−Chk1がCdc2またはサイクリンBを直接リン酸化する可能性を除去する条件下で実施した。GST−Cdc25は、Cdc2の遅い移動度のリン酸化された型の還元を触媒する。6his−Chk1によって予めGST−Cdc25をリン酸化しておくことにより、GST−Cdc25活性の用量依存性減少が起こる。これらのデータは、Chk1がCdc25活性の負の調節を行うことを裏付けるものであり(Furnariら, 1997, Science, 277: 1495−1497; Weinert 1997, Science, 277: 1450)、このことを、負の調節はホスファターゼ活性の不活性化を包含することを実証することにより拡張するものである。
【0078】
実施例6 hCDS1のDNA損傷および修飾
前のデータから、6his−hCDS1がCdc25を不活性化すること、およびDNA損傷がCdc25の不活性化に関連していることが示されたので、DNA損傷がhCDS1に何らかの修飾または活性化をもたらすのかどうかを調べるためのアッセイを行った。6his−hCDS1に対する抗血清を、ヒーラ細胞溶菌液を用いた免疫複合体キナーゼアッセイにおいて使用した。hCDS1に対する弱いシグナルが、非同調ヒーラ細胞からの試料中で検出され、照射の結果としてhCDS1のリン酸化の上昇が見られた。
【0079】
概要を説明すると、Sf9細胞から精製した6his−hCDS1でウサギを免疫化することにより、hCDS1に対する抗体を生産した(Harlowら, Antibodies(Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, 1998)。結果として生じた抗血清は、6his−hCDS1ウィルスで感染させたSf9細胞から得た予想分子量の活性キナーゼを免疫沈降させたが、非感染Sf9細胞または6his−hCDS1で感染させた他の細胞から得た予想分子量の活性キナーゼを免疫沈降させることはなかった。
【0080】
4%SDS中で変性させた後にタンパク質バンドを再沈降させることにより、これらの結果がhCDS1によるものであることが確認された。in vitroリン酸化は、自己リン酸化によるものである可能性が最も高く、シグナルの増加は照射による活性の増加を反映している。p64Cds1のin vitroリン酸化の増加は、RAD53およびDUN1と同様に、hCDS1がDNA損傷に応答して修飾されたことを示唆する。
【0081】
DNA合成の抑制がp64Cds1のリン酸化に与える影響について、更なるアッセイによって調べた。複製が停止された細胞から得たhCDS1は、非同調培養から得られたタンパク質と厳密に同じ挙動を示したが、チミジンまたはDNA複製を阻止する他の物質に反応してリン酸化が著しく増加することはなかった。p64Cds1のリン酸化の増加は、チミジン停止された細胞を照射した場合に検出された。S期外でほとんどが停止された細胞中のDNA損傷の影響を試験した。細胞を照射前にノコダゾールの存在下に20時間培養した。この場合も、弱いが検出可能なシグナルが照射されていない試料中に見られた。しかしながら、ノコダゾール停止細胞ではリン酸化が増加した。
【0082】
これらの知見は、分裂酵母のCds1が不完全に複製されたDNAに応答して活性化されるという酵母において得られた知見とは、驚くほど対照的である(Boddyら, 1998, Science, 280: 909−12; Lindsayら, 1998, Genes and Dev., 12: 382−95)。この結果は、ヒトCds1が、酵母において以前に確認されているような複製チェックポイントよりもむしろ、DNA損傷チェックポイントにおける役割を果たしていることを示すものである。
【0083】
実施例7 薬物同定
上述のCdc25アッセイは、活性が増強されるまたは阻害されることでhCDS1およびCdc25が調節するDNA損傷チェックポイントを修飾すると考えられる化学物質の同定に適切に用いられる。したがって、典型的なスクリーニングアッセイは、上述と同様の条件を使用し、試験すべき物質を加えて実施する。アッセイ化合物の活性のモニタリング、すなわち上述のようなリン酸化の検出は、活性の促進と阻害の両方を検出するために対照反応との比較において実施することができる。
【0084】
明らかに、そのようなアッセイは、機械的/自動化装置および検出に容易に適用することができる。このアッセイは、公知のアッセイ反応の基本的要素に、自動高出力低信号装置を組み合わせて使用するのに適しており、該自動高出力低信号装置は、顕微鏡スライドアレイ、またはCCD検出装置と組み合わせた細胞バイオチップアレイを搭載していてもよく、リン酸化またはキナーゼ活性に対する他の反応によってトリガーされる信号を使用する。
【0085】
実施例8 治療的用途
hCDS1のキャラクタリゼーション、ならびに、ヒトCds1が、酵母において確認されているような複製チェックポイントよりもむしろ、DNA損傷チェックポイントにおける役割を果たしていることが解明されたことから、この知識を癌の化学治療薬に対する付加成分として作用する薬剤の製造および治療方法に適用することができる。
【0086】
特に、cDNA、RNA、アンチセンス分子、hCDS1タンパク質、hCDS1タンパク質に対する抗体、あるいは本発明のアッセイにおいて同定されたものに対応する薬剤を組み合わせた本発明の薬学的製剤は、化学治療薬の主作用に対する付加成分として作用させるために、適切な化学剤と組み合わせて投与することができる。たとえば、抗代謝、抗菌、アルキル化剤、微小管阻害剤、ステロイドホルモンやそれらのアンタゴニスト、および他の薬剤などの抗癌薬の使用は、一般に細胞の複製に必須の代謝部位に向けて行われる。これらの薬物は理想的には、悪性腫瘍細胞の独特な細胞過程にのみ介入すべきであるが、現在利用可能な抗癌薬は、正常および悪性腫瘍のすべての増殖細胞に対して影響を与える。したがって、現行の化学治療は、毒性および治療的効果の両方に対する急峻な用量−反応曲線によって阻まれている。したがって、本発明のhCDS1を主成分とする薬物および本発明のhCDS1アッセイによって同定された薬物を、化学治療薬とともに投与することにより、悪性腫瘍細胞の死滅を促進させることができる。
【0087】
死滅の促進に対する1つのメカニズムは、悪性腫瘍細胞のDNA損傷チェックポイント制御を無効にして、DNAの損傷を引き起こす化学治療薬の投与の効率を上げることにより、成し遂げられる。DNA損傷制御チェックポイントは、上で実証したhCDS1反応を修飾することにより、無効にすることができる。
【0088】
したがって、新規なhCDS1に基づいた治療薬をいずれか1つまたは複数の抗癌剤と組み合わせて投与することを、本発明は予想している。たとえば、シトラビン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、メトトレキサート、6−チオグアニン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、カルムスチン、イオムスチン、シクロホスホアミド、イホスファミド、メクロロエタミン、ストレプトゾトシン、ナベルビン(登録商標)、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、インターフェロン、プロカルバジンなどの抗癌剤の正常用量を、適当な量のhCDS1に基づいた薬物とともに、a)投与時間の長さを変える、b)投与間隔を変える、c)腫瘍細胞に対する化学治療薬の効力を変える、あるいはd)正常な細胞に対する化学治療剤の副作用を変えるように、投与することができる。hCDS1に基づいた薬物の同時投与の効果は、他のものに加えてこれらの効果の1つまたは組合せであり得る。
【0089】
典型的には、化学治療薬による癌細胞の破壊は、対数死滅効果に対する一次動力学に従う。したがって、hCDS1に基づく治療薬の同時投与は、対数死滅効果を促進するように設計される。典型的には、化学療法の治療プロトコールは、代謝経路の異なる段階において作用する薬物の組合せを必要とし、これにより毒性を低く保ちながら死滅を促進する。したがって、hCDS1に基づいた治療薬の同時投与は、そうしたプロトコールと理想的に組み合わされて、その効力を高めることができる。
【0090】
最終的に、最も効果的な治療方法は、化学治療薬および/またはMDR(多薬剤耐性)阻害剤とhCDS1に基づく治療薬とを一緒に特定のターゲットに標的を絞って投与して、DNA損傷の修復を伴わない細胞自らの非制御複製を介して悪性腫瘍細胞を消滅させ、結果的に細胞死滅を高めるというものであろう。
【0091】
上記の議論および実施例は、本発明を説明することを意図したものであり、限定するものと解釈すべきでない。本発明の精神および範囲内において、さらに他の変形も可能であり、当業者にとってそれらは容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】hCDS1のcDNAの核酸配列(配列番号1)を示す図であり、残基番号66〜1694がコード領域であり、3’および5’が非翻訳領域(UTR)である。開始および終結コドンは太字で示されている。
【図2】 hCDS1の推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す図である。
【図3】 hCDS1とS.pombe cds1のアミノ酸配列アライメントを示す図である。このアライメントは、CLUSTAL Wアライメントプログラムを用いて行い、GENEDOCプログラムを用いて注釈を付けた。黒色で陰付けした部分は、2つのタンパク質間で同一であるものを示し、灰色で陰付けした部分は両タンパク質間で類似するものを示す。
【配列表】
Figure 0004418103
Figure 0004418103
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Claims (9)

  1. 配列番号1の核酸配列の66位〜1694位に示される核酸配列から成る、HCDS1をコードする単離された核酸。
  2. 以下の(a)または(b)のタンパク質をコードする単離された核酸:
    (a)配列番号2のアミノ酸配列から成るタンパク質;
    (b)(a)で定義されたアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸を置換、欠失、若しくは付加することによって得られ、かつ、Cdc25をリン酸化する活性を有するタンパク質。
  3. DNA分子であることを特徴とする請求項2に記載の核酸。
  4. 前記DNA分子がcDNAであることを特徴とする請求項3に記載の核酸。
  5. 配列番号1の核酸配列の66位〜1694位に示される核酸配列から成る請求項3または4のいずれかに記載の核酸、あるいは該核酸の相補体、あるいは高い緊縮条件下において該核酸にハイブリダイズすることのできる核酸であって、Cdc25をリン酸化するタンパク質をコードする前記核酸、あるいはその相補体。
  6. 前記核酸は、ヌクレオチド間連結修飾、ヌクレオチド塩基修飾、ヌクレオチド糖修飾、非放射性ラベル、核酸架橋、およびペプチド核酸修飾からなる群より選択される修飾を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の核酸。
  7. 生物試料中に請求項1の核酸が存在するか否かを検出する方法であって、該方法は、前記試料を、ハイブリダイゼーション条件下において、請求項1〜6のいずれかに記載の核酸を含むプローブと接触させることと、前記プローブと前記試料中に存在する核酸との間に形成された二重らせんまたは三重らせんの存在を検出することとを含むことを特徴とする方法。
  8. BCCMに寄託番号LMBP3708で寄託されたプラスミド。
  9. 配列番号1の核酸配列の66位〜1694位に示される核酸配列から成る核酸を増幅するためのプライマーセット。
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