JP4418030B2 - 電気化学測定装置を用いて目的物質を検出または定量する方法、電気化学測定装置、および電気化学測定用電極板 - Google Patents

電気化学測定装置を用いて目的物質を検出または定量する方法、電気化学測定装置、および電気化学測定用電極板 Download PDF

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Description

本発明は試料液に含まれる目的物質、特に生体内に微量に含まれる物質を、検出または定量する方法、電気化学測定装置、および電気化学測定用電極板に関するものである。
近年、酵素が有する特異的触媒作用と電極反応活性を有する電子メディエータとを組み合わせ、血液中に含まれるスクロース、グルコースなどの糖類を定量する電気化学測定用電極板が開発されている。このような電気化学測定用電極板では、糖類と酵素との間で反応させた後、電子メディエータを電気化学的に測定することによって、電子メディエータを介して間接的に試料液中に含まれる糖類を定量する。
その一例として、電気化学測定用電極板は、生体に含まれる微量溶液サンプルの分析に適している。そのため、電気化学測定用電極板は、様々な有機材料または無機材料と組み合わせてセンサなどへの応用が試みられている。
この方法は糖類に対する特異性が高く、操作時の温度の影響が小さく、定量装置の機構も簡便であるため、この方法を用いることにより、一般の人々が家庭などで簡易に血糖値を定量することができる。
電気化学測定用電極板の電極応答速度は、電気化学測定用電極板が有する微小電極の面積が減少するにしたがって高くなるため、様々な電極形状、電極の微細化が検討されている。しかし、電極面積の減少に伴い、得られる電流値は減少する。例えば、電極面積を数百μm程度まで微細化すると、検出できる電流値は数十〜数nAオーダーまで低下する。そのため、測定時にノイズ応答の増加や感度低下が発生する。そこで、これらの不具合を解消するため、複数の微小電極を集積した電気化学測定用電極板が特許文献1〜4で検討されている。
特許文献1〜4では、隣接する微小電極との間の距離を一定に保つ微小電極を、多量に再現性良く基板上に作製する方法が提案されている。
図18は、特許文献1に記載された従来の電気化学測定用電極板の構成の全体図(図18(a))および部分拡大図(図18(b))を示している。この電気化学測定用電極板200は、絶縁性の基板201/酸化電極として機能する下部電極体202/絶縁層203/還元電極として機能する表面電極204が積層されてなる。表面電極204の表面には円筒形の多数の微細孔205が形成されており、この微細孔205には下部電極体202の膜面が露出している。
絶縁性の基板201は、例えばシリコン基板201aの主表面に酸化膜201bが被着された、いわゆる酸化膜付きシリコン基板から成る。下部電極体202は、基板201上の酸化膜201bの表面(すなわち、絶縁体の表面)に金属、半金属、炭素材、または半導体で形成された酸化電極である。表面電極204は、絶縁層203上に、下部電極体202と同様、金属、半金属、または半導体から形成された還元電極である。
下部電極体202の微細孔205からの露出部(以下、酸化電極202aとする)と表面電極204とから、酸化電極と還元電極とを対とする作用電極対が構成されている。すなわち、酸化電極202aおよび表面電極204はいずれも作用電極として機能し、より詳細には、上述したように、下部電極体202の露出部は酸化電極として、表面電極204は還元電極として機能する。なお、図18において、206は下部電極体202の一端部に外部リードを接続するために開口された電極引出し用の開口部である。ここで微細孔205とは絶縁層203と表面電極204を完全に貫通し、下部電極体202の表面に到達する孔のことを指す。
上記のような電気化学測定用電極板を用いた電気化学測定装置においては、電流応答を得るために、下部電極体202と表面電極204に電位を印加する。電気化学測定装置が酸化電極202a、表面電極204、対極(図示せず)の3つの電極で構成される場合、対極が試料溶液中で示す電位をゼロとして、酸化電極体202a−対極間、表面電極204−対極間に電位を印加する。
また、電気化学測定装置が酸化電極体202a、表面電極204、参照電極(図示せず)、補助電極(図示せず)の4個の電極で構成される場合、参照電極が試料液中で示す電位をゼロとして、酸化電極202a−参照電極間、表面電極204−参照電極間に電位を印加する。
特許文献4および非特許文献1においては、円筒形の微細孔205の間隔を、その径にして大きく取った電気化学測定用電極板が提案され、それを用いた電気化学測定結果が報告されている。これらの文献においては、マクロ電極である表面電極204は、微小電極の集合体である下部電極よりも大きな面積を有する。測定時には、酸化電極202a上で酸化反応を、そして表面電極204上で還元反応を起こしうる電位をそれぞれ印加する。これにより、酸化電極202aと表面電極204との間で自己誘発レドックスサイクルが発現し、見かけ上高い電流応答を得ることができると報告されている。
このようにして、試料液に存在する電子メディエータを介して、糖類などの目的物質を定量する。なお、酸化電極202aに還元反応が起こる電位を印加し、表面電極204に酸化反応が起こる電位を印加しても、同様の自己誘発レドックスサイクルが発現する。
ここで、特許文献4、非特許文献1及び2に記載されている自己誘発レドックスサイクルを、図19を用いて説明する。
図19における自己誘発レドックスサイクルはふたつの作用電極、すなわち微小電極221およびマクロ電極222上で進行する。微小電極221の表面では、還元体224の酸化反応が生じて酸化体225が生成することにより、微小電極221に酸化電流が流れる。マクロ電極222のうち微小電極221に近い部分222aの表面では、酸化体225が還元されて還元体226となることにより、マクロ電極222に還元電流が流れる。さらに還元体225が拡散して微小電極221の表面に到達することにより、還元体224から酸化体225への酸化反応が再び起こり、微小電極221に酸化電流が流れる。
結果的にマクロ電極222aの表面では微小電極221から生成した酸化体225を還元して還元体226とすることにより、微小電極221表面に還元体224を供給することができる。これにより、微小電極221とマクロ電極222aとの間で酸化反応と還元反応が循環するいわゆるレドックスサイクル反応が生じる結果、微小電極221に定常的に電流が流れて、試料液中に微量に含まれる目的物質の検出および定量を行うことができる。そして高感度測定の有効性を高めるために、微小電極221を基板上により多数形成してレドックスサイクルが進行する酸化電極と還元電極とからなる電極対を、できる限り多く形成する。
特許第2556993号公報(第6頁、第1図) 特許第2564030号公報(第7頁、第2図) 特開2006−78404号公報(第25頁、図1) 特許第3289059号公報(第16頁、図5) 特開2007−010429号公報(図3、図4)
J.Electrochem.Soc.,138巻,12号, 3551頁 青木幸一ら著 「微小電極を用いる電気化学測定法」(社)電子情報通信学会編 平成10年2月10日発行 48−49,70−71頁
図18に示されるように、還元電極として機能する表面電極204の面積が、酸化電極202aの面積よりもずっと大きいと、次のような問題が生じる。
マクロ電極222a上で生成した還元体226は拡散するが、それは微小電極221(図18における酸化電極202aに相当)に到達するだけでなく、図19の右側に示すように、その一部はマクロ電極222(図18における表面電極204に相当)のうち微小電極221から遠い部分222b上にも到達する。このような還元体227は酸化反応により酸化体228となる。すなわち、マクロ電極222上では酸化反応も起こる(特開平3−246460号公報の第4図も参照)。
次に、この酸化体228は拡散し、マクロ電極222のうち微小電極221に近い部分222a上に到達する。そこで還元反応により、還元体226となる。還元体226は拡散して微小電極221表面に到達し再び酸化されて酸化体225となる(あるいは、再度、マクロ電極222のうち微小電極221から遠い部分222bに到達する)。
すなわち、図18の表面電極204上では酸化反応と還元反応が同時に起こることとなる。その結果、酸化電極202aで検出したい還元体の酸化反応が表面電極204の上でも同時に起こってしまう。そのため、表面電極204で発生した還元体が効率的に酸化電極202a上で酸化せず、高感度化に課題を生じている。この他、表面電極204はマクロ電極として作用するため電位印加時の充電電流が大きい。そのため、微小電極である酸化電極202aに比べて反応が定常状態に達する時間が長くなるという課題も生じていた。
本発明は上記課題の解決するためになされたものであり、試料液中に含まれる糖類等の目的物質の濃度を、迅速に高感度で定量する方法および電気化学測定装置、さらには前記方法および装置に使用することができる電気化学測定用電極板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、参照電極、補助電極、および電気化学測定用電極板、または対極および電気化学測定用電極板からなる電気化学測定装置により、試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法であって、詳細は以下の通りである。
前記試料液は、電子メディエータを含有し、前記電気化学測定用電極板は第1電極板または第2電極板からなる。第1電極板および第2電極板は、絶縁体からなる基板と、前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備える。
前記上層は、前記上層の上面から下面まで貫通する複数の上層貫通孔を有する。前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有する。前記基板は、前記基板の上面から下面まで貫通する複数の基板貫通孔を有し、前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有する。
第1電極板は、平面視において、前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、前記各第1電極の面積とその周囲の前記第2電極の総和面積とは実質的に同一である。
第2電極板は、平面視において、前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、前記各第2電極の面積とその周囲の前記第1電極の総和面積のとは実質的に同一である。
前記方法は、以下の工程を包含する。前記参照電極、前記補助電極、および前記電気化学測定用電極板、または前記対極および前記電気化学測定用電極板を前記試料液に接触させる接触工程、前記第1電極体および前記第2電極体の一方に正電位を掃引し、他方に負電位を印加する、あるいは前記第1電極体および前記第2電極体の一方に正電位を印加し、他方に負電位を掃引し、前記第1電極体および前記第2電極体の間に流れる電流値を測定する電流測定工程、前記電流測定工程において得られた電流値から前記目的物質を検出する、あるいは前記目的物質の量を算出する算出工程。
また、本発明は、上述の電気化学測定装置、第1電極板、または第2電極板である。
第1電極板は、前記第1電極体上に、前記上層の上面から露出する部分の面積を調整する複数の被覆絶縁体が設けられている構成としてもよい。この場合、前記各第1電極上に前記被覆絶縁体が設けられ、平面視において、前記各第1電極と前記各第1電極上に設けられた前記被覆絶縁体とが中心点を共有し、その外縁が相似形状であるように構成することができる。
第1の電極板において、第1電極の形状は、平面視において、正四角形または正六角形であることが好ましい。
第2電極板は、前記第2電極体上に、前記上層の上面から露出する部分の面積を調整する複数の被覆絶縁体が設けられている構成としてもよい。この場合、前記各第2電極上に前記被覆絶縁体が設けられ、平面視において、前記各第2電極と前記各第2電極上に設けられた前記被覆絶縁体とが中心点を共有し、その外縁が相似形状であるように構成することができる。
第2電極板において、第2電極の形状は、平面視において、正四角形または正六角形であることが好ましい。
第1電極板または第2電極板において、前記第1電極体は、前記複数の第1電極を全て包含する金属板からなるように構成することができる。また、前記第2電極体は、前記複数の第1電極を全て包含する金属板からなるように構成することができる。
なお、本明細書において電極の面積とは、電極の表面積のことをいう。
本発明の上記目的、他の目的、特徴および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明にかかる試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法によると、目的物質を迅速かつ高感度で検出することができる。また、本発明の電気化学測定用電極板によると、複数の電極上における反応生成物の量を等しく保つことが可能となり、またノイズとなる反応を抑制することができる。したがって、これを用いることにより、試料液に含まれる目的物質を、迅速に、感度良く、かつ精度良く検出または定量することができる。
実施の形態1の電気化学測定用電極板を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1の電気化学測定用電極板を模式的に示す分解斜視図である。 実施の形態1にかかる電気化学測定用電極板を有する電気化学測定装置の概略図である。 実施の形態1にかかる電気化学測定装置により、試料液に含まれる目的物質の濃度を算出する方法の工程フロー図である。 検量線作成方法の一例を示す図である。 実施の形態1の電気化学測定用電極板に参照電極および補助電極を形成した電極板を模式的に示す斜視図である。 実施の形態2の電気化学測定用電極板を模式的に示す分解斜視図である。 実施の形態3の電気化学測定用電極板を模式的に示す斜視図である。 実施の形態3の電気化学測定用電極板を模式的に示す分解斜視図である。 実施の形態4の電気化学測定用電極板を模式的に示す分解斜視図である。 実施の形態3の電気化学測定用電極板に参照電極および補助電極を形成した電極板を模式的に示す斜視図である。 実施の形態1の電気化学測定用電極板の上層貫通孔の配列を模式的に示す平面図である。 実施の形態3の電気化学測定用電極板の上層貫通孔の配列を模式的に示す平面図である。 実施の形態4の電気化学測定用電極板の上層貫通孔の配列を模式的に示す平面図である。 実施例1および3の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。 比較例1の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。 実施例2の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。 従来の電気化学測定用電極板の構成を示す斜視図である。 従来の電気化学測定用電極板の電極上で生じる酸化還元反応を模式的に示す図である。 実施の形態5における、電気化学測定用電極板の斜視図である。 実施の形態5における、電気化学測定用電極板の分解斜視図である。 実施の形態5における、電気化学測定用電極板の上層貫通孔および被覆絶縁体の配列を模式的に示す平面図である。 実施の形態6における、電気化学測定用電極板の上層貫通孔および被覆絶縁体の配列を模式的に示す平面図である。 実施例4の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の電気化学測定用電極板1を模式的に示す斜視図である。電気化学測定用電極板1は、下側から順に、下層11、基板31、上層40が順に積層され、下層11と基板31との間に第2電極体12が挟まれ、基板31と上層40との間に第1電極体32が挟まれている構成である。
上層40には、複数の上層貫通孔41aと41bがマトリックス状に形成されている。用語を厳密に区別する必要がある場合には、上層貫通孔41aは第1上層貫通孔と呼ばれる。同様に、上層貫通孔41bは第2上層貫通孔41bと呼ばれる。
図1で横方向を行方向、縦方向を列方向と定義すると、上層貫通孔41が形成されている行方向の位置を順にA、B、C、D、・・・、Mとし、列方向の位置を順にa、b、c、d、・・・gとする。そして上層貫通孔41(X、x)は、行方向の位置がX(X=A、B、C、D、・・・、M)、列方向の位置がx(x=a、b、c、d、・・・g)にある上層貫通孔41を表す。
上層貫通孔41の内、大きい方の上層貫通孔41bは、行方向に6個ずつ、列方向に3個ずつ合計18個形成されている。また、行方向に長辺を持つ小さい方の上層貫通孔41aは、行方向に6個ずつ、列方向に4個ずつ合計24個形成され、列方向に長辺を持つ小さい方の上層貫通孔41aは、行方向に7個ずつ、列方向に3個ずつ合計21個形成されている。平面視において、各上層貫通孔41bの形状は正四角形であり、各上層貫通孔41aの形状は、上層貫通孔41bの辺の長さと実質的に同じ長さの長辺を有する長方形である。
電気化学測定用電極板1の上面に第1電極体32を露出させる上層貫通孔41bと、電気化学測定用電極板1の上面に第2電極体12を露出させる上層貫通孔41aとが交互に等間隔で配置されている。上層貫通孔41aは、図1には示されない基板31上の基板貫通孔を介して電気化学測定用電極板1の上面に第2電極体12を露出させる。電気化学測定用電極板1は、第2電極体12に設けられている第2電極リード12cが端部近傍で露出するように形成されている切り欠き部3と、第1電極体32に設けられている第1電極リード32cが端部近傍で露出するように形成されている切り欠き部4とを有する。
図2は、図1に示す電気化学測定用電極板1の分解斜視図である。図2に示されるように、実施の形態1にかかる電気化学測定用電極板1は、下側から順に、第2電極体設置層10、第1電極体設置層30、および上層40が積層されている。
第2電極体設置層10は、下層11および下層11の上面に設けられた第2電極体12からなる。第1電極体設置層30は、基板31および基板31の上面に設けられた第1電極体32からなる。下層11、基板31、上層40はいずれも絶縁体である。第2電極体12は、図2に示すように下層11と基板31との間に挟まれている。同様に、第1電極体32は、基板31と上層40との間に挟まれている。上層40は、複数の上層貫通孔41を有している。
図2では、図1と同様の配置で上層貫通孔41が設けられている。これらの上層貫通孔41の内、左上の上層貫通孔41b(B、b)およびこの上層貫通孔41bを基点に行方向(D、b)、(F、b)、・・・および列方向(B、d)、(B、f)に配置された上層貫通孔41bからは、第1電極体32の一部分が露出している。第1電極体32のうち、各上層貫通孔41bから露出している部分、すなわち、図2において、第1電極体32において灰色で塗りつぶされている部分が、試料液と接し、第1電極32dとして機能する。
図2では、18個の第1電極32dが設けられている。第1電極体32のうち、上層40が形成されている部分、すなわち、図2において第1電極体32において灰色で塗りつぶされておらず、白く表されている部分は、試料液と接することがない。よって、この部分は、第1電極としては機能しない。第1電極体32は、上層貫通孔41bから露出する部分と、上層40によって被覆されて試料液と接することがない電子信号伝達部32aと全ての電子信号伝達部32aが接続される幹部32bとからなる。また、第1電極体32は、その幹部32bの一端に第1電極リード32cを有している。
基板31は、複数の基板貫通孔33を有している。図2では、45個の基板貫通孔33が設けられている。45個の基板貫通孔33は、上層貫通孔41のうち、第1電極体32の一部分を露出させない45個の上層貫通孔41aと位置及び形状が一致し重なるように設けられている。上層貫通孔41のうち、第1電極体32の一部分を露出させない45個の上層貫通孔41aからは、基板貫通孔33を介して第2電極体12の一部分が露出している。すなわち、図2において、第2電極体12において灰色で塗りつぶされた部分が、試料液と接し、第2電極12dとして機能する。
図2では、45個の第2電極12dが設けられている。第2電極体12のうち、基板31が形成されている部分、すなわち、図2において、第2電極体12上で灰色に塗りつぶされておらず、白く表されている部分は、試料液と接することがない。よって、この部分は、第2電極としては機能しない。第2電極体12は、上層貫通孔41aから基板貫通孔33を介して露出する部分と、基板30によって被覆されて試料液と接することがない電子信号伝達部12aと全ての電子信号伝達部12aが接続される幹部12bとからなる。また、第2電極体12は、その幹部12bの一端に第2電極リード12cを有している。
次に上層貫通孔41と基板貫通孔33について説明する。上層貫通孔41aと基板貫通孔33とはいずれも鉛直方向に貫通され、平面視において、実質的に一定の断面形状及び一定の面積を有する。各上層貫通孔41aの面積と各基板貫通孔33の面積とは実質的に同一である。第1電極32dの面積は上層貫通孔41bの面積と同じであり、第2電極12dの面積は基板貫通孔33の面積と同じである。その形状は正四角形または長方形であり、その面積は、例えば10μm〜10000μmである。10000μmを超えると、図19の右側で示されるような望ましくない反応が生じてしまい、結果的に、高感度化に課題を生じる。なお、全ての第1電極32dの面積は実質的に同一であることが好ましく、また全ての第2電極12dの面積は実質的に同一であることが好ましい。
下層11の厚みは100μm以上であることが、電極の強度を保つ上で好ましい。また、基板31、および上層40の厚みはそれぞれ0.05μm以上50μm以下が好ましい。基板31および上層40の厚みが0.5μm未満の場合、ピンホールの発生等によって、第1電極体32と第2電極体12とがショートする恐れがある。また、ピンホールの発生は第1電極32dや第2電極12d以外の電極体部分が試料液に接触して、試料液に含まれる目的物質を検出または定量する際に、本発明の電気化学測定用電極板が有する機能を発揮できない恐れもある。また、厚みが50μmより大きい場合、基板貫通孔33と上層貫通孔41の形成の際に、形成のための時間を長く要することや、微細な貫通孔を形成できなくなると言った不具合が生じる。また、第1電極32dと第2電極12dとの間隔が開いてしまい、結果電極上で反応した酸化体と還元体の拡散長が長くなり、充分なレドックスサイクル効果が期待できなくなる。
次に上層貫通孔41a、上層貫通孔41bの配置関係と面積について説明する。図12は、上層40における上層貫通孔41a,41bの配列の一部を示す上面図である。図12においては、便宜上、上層貫通孔41bのみ灰色に塗りつぶして、上層貫通孔41aと区別している。また、いくつかの上層貫通孔41bに最近接する上層貫通孔41aとの間に直線を付し、最近接する上層貫通孔41との位置関係を確認しやすいようにしている。
上層貫通孔41bは、行方向の一つの位置(B,D・・・)おきに、そして列方向の一つの位置(b,d・・・)おきに配列されている。したがって、上層貫通孔41bが存在しない行方向の位置、すなわち列(A,C,E,G,I,K,M)が存在する。また、上層貫通孔41bが存在しない列方向の位置、すなわち行(a,c,e,g)が存在する。これら、列(A,C,E,G,I,K,M)および行(a,c,e,g)においては、一つの位置おきに上層貫通孔41aが存在する。各上層貫通孔41bの周囲を取り巻くように4つの上層貫通孔41aが配置されている。
上層貫通孔41bの中心と、これら4個の各上層貫通孔41aの中心との間の距離は等しい。
例えば、1つの上層貫通孔41b(B,b)に着目すると、周囲には4個の上層貫通孔41a(B,a)、(C,b)、(B,c)、(A,b)が同一の中心間距離で近接するように配置されている。その間隔は1〜20μmであることが好ましい。1μm未満の場合、電極板の製造工程における位置合わせが困難となり、不良品発生の原因となる。また、20μmより大きい場合、図19で示した酸化体と還元体が第1電極32dと第2電極12d、すなわち酸化電極と還元電極との間の拡散長が長くなり、充分なレドックスサイクル効果が期待できなくなる。
1つの上層貫通孔41bと行方向または列方向に配置された隣り合う上層貫通孔41aの中心間距離はすべて実質的に等しい。また、灰色で示した上層貫通孔41bの面積は第1電極32dの面積に等しい。この第1電極32dの面積は、行方向と列方向の4方で隣り合う4個の上層貫通孔41aの総和の面積と実質的に等しい。すなわち、1つの第1電極32dの面積は、隣り合う4個の第2電極12dの総和の面積と等しい。
図2に戻る。第1電極体32と第2電極体12にはそれぞれ独立して電位を印加することができ、それぞれの電極上で目的物質の電気化学反応、より具体的には酸化反応と還元反応とを進行させることができる。一般的に、酸化反応が進行する電極を酸化電極、還元反応が進行する電極を還元電極と呼ぶ。
第2電極12d上における電気化学反応によって発生した電気信号は第2電極体12を伝わり、第2電極リード12cを介してガルバノメーター等の計測器で定量することができる。同様に第1電極32d上における電気化学反応によって発生した電気信号は第1電極体32を伝わり、第1電極リード32cを介してガルバノメーター等の計測器で定量することができる。
列方向の長辺を有する第2電極12dは、平面視において、行方向の2方向に中心間距離が同じである2個の第1電極32dと隣接する。行方向に長辺を有する第2電極12dは、平面視において、列方向の2方向に中心間距離が同じである2個の第1電極32dと隣接する。各第1電極32dは、平面視において、行方向および列方向の4方向に中心間距離が同じである4個の第2電極12dと隣接する。すなわち、各電極32d、12dは、電気化学的に対となって作用し得る1つの第1電極32dと4個の第2電極12dが隣接し、隣接した第1電極32dの面積と、その第1電極32dに隣接した第2電極12dの面積の総和を等しく形成することにより、効率的なレドックスサイクルが進行する。
また、第1電極32dと第2電極12dをそれぞれ微細に形成することにより、電極上の機能を迅速に定常状態に到達させることができる。また、第1電極32dと第2電極12dとの間隔を等しく形成することにより、電極板上での反応速度を揃えて、電極反応速度の違いによる濃度勾配が発生することを防止する。このことにより、電極板上の反応は定常状態を保つことができる。本実施の形態の電気化学測定用電極板1を用いて試料溶液中の酸化還元物質を電気化学法により定量する際は効率的なレドックスサイクルにより前記酸化還元物質を迅速に感度良く検出することができる。
第1電極32dとその4方に配置された第2電極12dとのセットは、なるべく多数配置することが好ましい。第1電極32dと第2電極12dとのセットを多数配置することにより、前記試料液に接触する電極面積が大きくなる。即ち、試料液中に含まれる目的物質と前記電極の界面の面積が大きくなり、電極表面の電気化学反応に伴う反応電流が多く得られることとなる。これら第1電極32dまたは第2電極12d電極の表面積はその投影面積に比べて表面粗さが大きいほど大きい。例えば、導電性粒子を印刷等の手法により形成した電極は、表面粗さが大きく、電極面積を大きくすることができる。
次に本実施の形態の電気化学測定用電極板1を構成する部材の材料について具体的に述べる。下層11として、表面或いは全体が絶縁性を有する基板を用いる。例えば、シリコン基板の表面に絶縁層としてのSiO膜が被覆された酸化膜付きシリコン基板、石英ガラス板、酸化アルミニウム基板、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリイミドフィルム等の樹脂材料等からなる基板を用いることができる。
第1電極体32及び第2電極体12は金属、金属酸化物、半導体等の電気伝導性を有する材料で形成されている。電気伝導性を有する材料として、金、白金、パラジウム、銀、クロム、チタン、ニッケル等の金属、p及びn型シリコン、p及びn型ゲルマニウム、硫化カドミウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ガリウム燐、ガリウム砒素、インジウム燐、カドミウムセレン、カドミウムテルル、二砒化モリブデン、セレン化タングステン、二酸化銅、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物等の半導体、その他ケッシェンブラック等の導電性カーボンを用いることができる。電極材料として安定である金、白金、パラジウムを用いることが好ましい。
基板31及び上層40は、SiO2に代表されるシリコン酸化物または窒化シリコンを用いて、常圧CVD、減圧CVD、プラズマCVD、スパッタ等の方法により形成することができる。また、スピンオングラス(東京応化工業株式会社)、エラストジル(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等のシリコーン樹脂、カプトン(東レ・デュポン株式会社製)等のポリイミド及びその誘導体、ジェイイーアール(ジャパンエポキシレジン株式会社製)等のエポキシ樹脂、スミコン(住友ベークライト株式会社製)等の熱硬化性樹脂、ピーエムイーアール(東京応化工業株式会社製)やエスユーエイト(化薬マイクロケム株式会社製)等のフォトレジスト材または感光性樹脂等の樹脂材料をスピンコート等により塗布し、ベーキング、電子線や紫外線による露光、現像工程等を組み合わせた手法により作製することができる。後述する孔形成工程における加工の容易さから、シリコン酸化物や窒化シリコン、フォトレジスト材または感光性樹脂を用いることが好ましい。
また、電気化学測定用電極板1を製造する際には、下層11の上面に第2電極体12を、基板31の上面に第1電極体32を形成すべく、導電性材料のパターニングを行う。電極のパターニングには蒸着、スパッタ等の成膜手法とエッチング手法を組み合わせた方法、成膜手法とメタルマスクを組み合わせて行う手法、フォトレジストを用いて行うリフトオフ法、スクリーンを用いたスクリーン印刷、マスクを用いたレーザアブレーション法、またはインクジェットプリント法による直接描画手法を用いることができる。
下層11上に順次積層し、第1電極体32を形成した後、フォトレジストまたは感光性樹脂材料を材料として上層40の形成を行う場合について説明する。フォトレジストの前駆体材料を第1電極体32が形成されている基板31上に塗布し、ベーキング工程を行う。そこに正四角形、または長方形を有する複数の孔が横方向及び縦方向において所定の中心間距離で配列されているパターンを有する画像マスクを重ね、電子線、紫外線等によりマスクパターンを露光し、現像してパターンを基板上のフォトレジスト或いは感光性樹脂材料に転写した後、エッチングを行うことにより基板貫通孔33を形成する。これにマスクと感光性樹脂材料を用いて、上層貫通孔41を有する上層40を形成することができる。もしくはリフトオフ法により、基板貫通孔33と上層貫通孔41を形成しても良い。
第1電極体32および第2電極体12は同一の方法によって、形成することが好ましい。例えば、第2電極体12を成膜法によって形成する場合は、第1電極体32も成膜法によって形成することが好ましい。また、第2電極体12をペースト材料の印刷手法により形成する場合は、第1電極体32も同様の手法と材料で形成することが好ましい。これは第1電極体32と第2電極体12とを比較してその表面粗さが極端に違うとき、第1電極32dおよび第2電極12dの表面積を揃えて形成することは困難となることによる。
以上の製造方法によれば、先に述べた形状、面積、および配置を有する上層貫通孔41aと41b、基板貫通孔33を容易に形成することができ、これにより第1電極32dと第2電極12dのそれぞれからの反応生成物濃度を揃えることが容易となる。また、第1電極32dと第2電極12dとからなる電極対の中心間距離を一定に揃えることで正確に各々の電極対間で進行するレドックスサイクル反応の速度を等しくすることができる。そして、これらの作用により、第1電極32d上および第2電極12d上で電気化学反応が素早く定常状態に達することが可能となる。結果、試料液中に含まれる目的物質を迅速に感度良く検出または定量することができる。
本実施の形態の電気化学測定用電極板1では、上層貫通孔41、基板貫通孔33が試料液の通り道となるため、試料液が水溶液である場合には、上層貫通孔41、基板貫通孔33の内壁が親水性であることが望ましい。そのため、上層40および基板31としては、シリコン基板、ガラス基板などの親水性表面を有する基板か、または親水性のポリエチレンテレフタレートあるいはポリエチレンナフタレート基板などのポリエステル材からなる基板を選択することが望ましい。疎水性を有する基板を使用する際には、エタノール、イソプロピルアルコールなどによって上層貫通孔41または基板貫通孔33の内壁に親水化処理を施すことが望ましい。また、UVオゾン処理、酸素プラズマ処理による親水化処理を施すことも望ましい。
[電気化学測定装置の説明]
図3は、実施の形態1に係る電気化学測定用電極板を有する電気化学測定装置(以下、単に「測定装置」という)を示している。
図3に示すように、測定装置27において、電気化学測定用電極板1、参照電極22、および補助電極23が試料容器24に満たされた試料液に浸されている。これにより、これらの電極が試料液に接触する。また、電気化学測定用電極板1の表面には、第1電極32dおよび第2電極12dが行方向および列方向に複数個形成されて、電極の集合体21を形成している。
参照電極22は電気化学測定用電極板1に印加する電位の基準となる電極である。参照電極22が試料液中で示す電位をゼロとして第1電極32d、第2電極12dそれぞれに電位を印加する。補助電極23は、測定装置27においてアンペアの法則を成り立たせるために、電流を補償するための電極である。制御装置25は、第1電極リード32cおよび第2電極リード12cを介して電気化学測定用電極板1と電気的に接続されており、同様に参照電極22、補助電極23ともに電気的に接続されている。レコーダー26により、制御装置25から出力された電流応答が記録される。
[電気化学測定方法の説明]
次に、図3を用いて試料液に含まれる電子メディエータの定量方法を説明する。
サイクリックボルタンメトリー等の手法により、電子メディエータの酸化反応が進行する電位と還元反応が進行する電位を予め調べておいて、後に説明する酸化電極の電位の値と還元電極の電位の値に用いる。なお、電位の基準は参照電極22が試料液中で示す平衡電位である。すなわち、第2電極12dおよび第1電極32dにそれぞれ印加される電位は、参照電極22を0Vとした場合における相対的な電位である。第2電極12dと第1電極32dの電位を制御装置25に入力したのち、測定を開始する。後述する実施例では詳細に説明するが、ここでは一例として、第1電極32dを酸化電極、第2電極12dを還元電極として用いる場合を述べる。すなわち、本実施の形態では第1電極32d上では酸化反応が、第2電極12d上では還元反応が進行する。
具体的な方法を説明する。まず、第1電極32dに0Vから正電圧をゆっくりと印加する。後述する実施例では、第1電極32dに印加される電圧を0Vから+0.7Vにゆっくりと変化させて、酸化電極として用いている。なお、これを「掃引」と呼ぶ。すなわち、本明細書において用いられる用語「掃引」とは、連続的に電位を変化させることを意味している。これとは対照的に、本明細書において用いられる用語「印加」とは、あらかじめ定められた電位に急激に変化させることを意味している。
このとき、還元電極にはあらかじめ調べておいた電子メディエータの還元反応が進行する電位(例えばフェリシアン化カリウムの場合、銀塩化銀電極に対して0V)を印加し続けることが好ましい。第1電極32dに電圧を掃引する速度(以下、「掃引速度」ということがある)は、一般的に5mV/秒以上500mV/秒以下である。後述する実施例では、100mV/秒である。
なお、上記の説明では、第1電極32dに正電位を掃引し、第2電極12dに負電位を印加している。しかし、第1電極32dに正電位を印加し、第2電極12dに負電位を掃引してもよい。
第1電極32dにおける酸化反応で得られた電流は第1電極リード32cを介して制御装置25によって検出される。同様に第2電極12dにおける還元反応で得られた電流は第2電極リード12cを介して制御装置25によって検出される。検出された電流はレコーダー26に出力され、記録された酸化電流値を標準試料の酸化電流測定結果(後述する検量線)と比較して、試料液中の検出対象物質を定量することができる。レコーダー26に記録された還元電流値を標準試料の還元電流測定結果と比較して試料液中の検出対象物質を定量することもできる。このためには、予め本実施の形態の検出装置を用いて標準試料の検量線を作成しておくことが望ましい。
なお、還元反応で得られた電流を、第2電極リード12cを介して制御装置25によって検出することにより、検出対象物質の定量を目的としない検出が可能となる。
ここで、検量線を用いた、試料液中の検出対象物質を定量する方法、すなわち、試料液中の検出対象物質の濃度を算出する方法について説明する。図4に試料液中に含まれる目的物質の濃度を算出する方法の工程フロー図を示す。本方法は図に示したように、参照電極、補助電極、電気化学測定電極板を試料液に接触させる接触工程(st1)、各電極体に電位を掃引または印加して電流値を測定する電流測定工程(st2)、前記電流値から試料液中に含まれる目的物質の濃度を算出する算出工程(st3)とからなる。
本方法においては、まず標準試料を用いて検量線を作成する。この標準試料には、濃度既知の還元型電子メディエータ(ここでは、フェロシアン化カリウムと仮定する)が含まれている。この電子メディエータ濃度が既知の標準試料を試料液として用いて、図3に示すような電気化学測定装置を用いて、図4に示した工程フローにより、還元型電子メディエータの濃度と、電気化学測定装置により測定された反応電流値との間の関係をグラフ化する。このグラフの一例を図5に示す。
図5に示されるように、ここでは、還元型の電子メディエータの濃度が100μMである場合には、反応電流値は10μA、還元型の電子メディエータの濃度が300μMである場合には、反応電流値は30μA、還元型の電子メディエータの濃度が500μMである場合には、反応電流値は50μA、であったと仮定する。これらをグラフ上にプロットして、検量線を引く。このようにして、濃度既知の標準試料から、検量線を得る。
次に、濃度未知の試料液と、図3に示したような電気化学測定装置を用いて、図4に示した工程フローにより反応電流値を得る。ここで得られた反応電流値が20μAであった場合、検量線から、試料液に含まれる還元型の電子メディエータの濃度を知ることができる。この還元型の電子メディエータの濃度から、試料液に含まれる(あるいは、含まれていた)目的物質の量を算出する。
なお、実際には、検量線の作成や目的物質の量の算出などは、すべてコンピュータ上で行われることは言うまでもないであろう。
[参照電極、補助電極に関する説明]
図3に戻る。図3で示した参照電極22と補助電極23の二つの電極の代わりに、対極一つを用いて測定を行うことも可能である。しかし参照電極22と補助電極23は独立して設けることが好ましい。なぜなら、電位の基準となる参照電極もしくは対極に電流が流れる間には、その表面で電極の反応が進行しており、反応進行に伴う電子メディエータの濃度変化が大きくなると本実施の形態の検出装置の基準としている電位が変動して正確な測定を行うことができないためである。
よって、参照電極22には電流が流れ込まないように入力インピーダンスを極力大きく設定することが望ましい。望ましくは、インピーダンスの値が10の6乗オーム以上となるようにする。参照電極22には、銀塩化銀電極、飽和カロメル電極等を用いることができる。
補助電極23の表面積は大きいことが望ましい。補助電極23の好ましい表面積は電極の集合体21の10倍以上である。その理由は、補助電極23の電極表面積が小さくて十分な電流を流せない場合、電気化学測定用電極板1で得られる電流が制御装置25に十分流れ込まなくなり、正確な電流値を得られないことや、電流を流すために補助電極23の電位が大きく変動して水の電気分解等望ましくない反応が進行する場合があるためである。
補助電極23としては、電極自体の酸化還元反応や腐食反応が起こりにいくい貴金属電極を使用することが望ましい。例えば、白金線に白金黒を析出させて大きな電極面積を持たせた白金電極が好ましい。
図6に、図3に示す電気化学測定装置とは異なる測定装置を構成する電極板を示す。図6に示す電気化学測定用電極板60は、実施の形態1の電気化学測定用電極板1に、一体的に参照電極61及び補助電極62が形成されている。参照電極61及び補助電極62は、上層40上に形成されている。すなわち、実施の形態1の電気化学測定用電極板1の表面にレジストを塗布し、そこに参照電極及び対極のパターンを有する画像マスクを重ねた後、紫外線或いは電子線によりパターンを露光し、現像してパターンを基板上のレジストに転写する。その後、スパッタ、蒸着、CVD、スクリーン印刷、インクプリント等の手法により電極層を形成し、その後レジストを剥離するリフトオフ法により参照電極61、補助電極62を作製して作用電極体(一般には酸化電極体と還元電極体、ここでは第1電極体32と第2電極体12を合わせてこう呼称する)である第2電極体12及び第1電極体32、参照電極61、補助電極62が一体化された電極板60を得ることができる。または、メタルマスクを用いて参照電極61、補助電極62を形成しても良い。この場合、参照電極61を作製するためには、作用電極体以外の電極を1本選択し、その上に指示物質となる金属、有機酸化還元性高分子をめっき、電解重合法、印刷法により形成して作製する。また、参照電極61上の指示物質としては銀、塩化銀、ポリビニルフェロセン等を挙げることができる。
電気化学測定用電極板60によると、作用電極体、参照電極、対極の3電極(体)が平板状の同一の電気化学測定用電極板60内に形成されているため、これを用いて構成した電気化学測定用装置は、少量の試料や微量濃度領域の測定に適しており、生体試料の分析に好適である。
(実施の形態2)
図7は、実施の形態2の電気化学測定用電極板70を模式的に示す分解斜視図である。本実施の形態の電気化学測定用電極板70は斜視図においては、図1に示した実施の形態1のそれと同一であるが、第2電極12dの形状と配置、第1電極32dの形状と配置が異なる。以下、実施の形態1と異なる点のみ述べる。
図2に示した実施の形態1の電気化学測定用電極板10においては、上層40中、第2電極12dを露出させる上層貫通孔41aは長方形で第1電極32dを露出させる正四角形の上層貫通孔41bより小さい構成であったが、本実施形態では逆である。すなわち、本実施形態において、第2電極12dを露出させる上層貫通孔41aは正四角形で第1電極32dを露出させる長方形の上層貫通孔41bより大きい構成である。また、配置において実施の形態1では図12に示したように一つの上層貫通孔41bの周囲に4個の上層貫通孔41aが配置されているが、本実施の形態においては一つの上層貫通孔41aの周囲に4個の上層貫通孔41bが配置されている。
図7において、第1電極32dおよび第2電極12dは灰色で塗りつぶして示してある。以上のように、本実施の形態では、平面視において実施の形態1とは第1電極32dと第2電極12dの配置および形状が入れ替わっている。
本実施の形態の電気化学測定用電極板70は上記構成を有することにより、各第2電極12dの露出面積と、その周囲の第1電極32dの総和面積が等しくなることで、実施の形態1の電気化学測定用電極板1と同等の効果が得られ、本実施の形態の電気化学測定用電極板70を用いて試料溶液中の電子メディエータ濃度を電気化学法により定量する際は効率的なレドックスサイクルにより電子メディエータ濃度を精度良く定量することができる。
(実施の形態3)
図8は、実施の形態3の電気化学測定用電極板80を模式的に示す斜視図であり、図9はそれの分解斜視図である。本実施の形態の電気化学測定用電極板80は、実施の形態1の電気化学測定用電極板1とは、各上層貫通孔41aが、3分割されており、これにあわせて基板貫通孔33、第2電極12dがそれぞれ3分割されている点が異なる。なお、本明細書においては、上層貫通孔41a、基板貫通孔33、第2電極12dそれぞれについて、3分割された各部分を合わせて一つの上層貫通孔41a、基板貫通孔33、第2電極12dとする。
図13は本実施の形態の上層40における上層貫通孔41a,41bの配列の一部を示す上面図である。図13においては、便宜上、上層貫通孔41bのみを灰色で示して、上層貫通孔41aと区別している。また、上層貫通孔41bに最近接する上層貫通孔41aとの間に直線を付し、上層貫通孔41bと上層貫通孔41aとの位置関係を確認しやすいようにしている。本実施の形態においては、一つの上層貫通孔41bの周囲に、それぞれが3分割された4個の上層貫通孔41aが配置されている。本実施の形態においても、一つの上層貫通孔41bの面積と、その周囲の上層貫通孔41aの面積の総和は実質的に同一である。
図9に戻る。上層貫通孔41bは第1電極32dを上層40より露出し、上層貫通孔41aは、それと同形状の基板貫通孔33と共に、第2電極12dを上層40より露出する。すなわち、本実施の形態においても、第1電極32dと最近接する第2電極12dとで電極面積が等しい電極対を形成することができる。よって、本実施の形態の電気化学測定板80においても、実施の形態1の電気化学測定用電極板1と同等の効果が得られ、本実施の形態の電気化学測定用電極板80を用いて試料溶液中の電子メディエータ濃度を電気化学法により定量する際は効率的なレドックスサイクルにより電子メディエータ濃度を精度良く定量することができる。
実施の形態1と2の関係と同様に、本実施の形態においても、図10に示すように、第1電極32bおよび第2電極12bの形状および配置が入れ替わり、これにともない、上層貫通孔41aおよび41b、基板貫通孔33の形状が異なる電気化学測定用電極板81を作製してもよい。
また、図11に示す電気化学測定用電極板82は、電気化学測定用電極板80に、一体的に参照電極61及び補助電極62が形成されている。これを用いて構成した電気化学測定用装置は、少量の試料や微量濃度領域の測定に適しており、生体試料の分析に好適である。
(実施の形態4)
実施の形態4においては第1の電気化学測定用電極板1とは上層貫通孔41a、41bの形状および配置が異なる。図14(a)は本実施の形態の電気化学測定用電極板(図示せず)の上層の一部分を模式的に示した図である。本実施の形態の電気化学測定用電極板は、実施の形態1の電気化学測定用電極板1とは、上層40に形成される上層貫通孔41bの形状が正四角形ではなく正六角形である点で異なる。また、上層貫通孔41aの一辺の長さは上層貫通孔41bの一辺の長さと実質的に同一の長方形であり、各上層貫通孔41bの周辺に6個の上層貫通孔41aが等間隔に配置されている。
図14(b)に一つの上層貫通孔41bおよび6個の上層貫通孔41aとからなる電極対を記載する。上層貫通孔41bの周囲には等間隔に、6個の上層貫通孔411a、412a、413a、414a、415a、416aが配置されている。また、各上層貫通孔41bの面積は、周囲に配置された6個の上層貫通孔41aの面積の総和と同一である。つまり、1個の第1電極の面積と、その周囲に配置した6個の第2電極の面積の総和が等しくなる。なお、全ての第1電極の面積は実質的に同一であることが好ましく、また全ての第2電極の面積は実質的に同一であることが好ましい。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果がある。いうまでもなく、本実施の形態は実施の形態1乃至3の電気化学測定用電極板の作製方法を用いて、電極配置をアレンジすることにより、作製することができる。
以下の実施の形態は、酸化電極と還元電極の関係を調整するために有用な、被覆絶縁体を第1電極体上または第2電極体上に形成する実施の形態である。
(実施の形態5)
図20は本実施の形態の電気化学測定用電極板90の斜視図である。実施の形態1の電気化学測定板と異なる点は、上層貫通孔41b内の第1電極体32上に、被覆絶縁体42が形成されている点である。図21は本実施の形態の電気化学測定板の分解斜視図である。上層40に形成した被覆絶縁体42は、第1電極体32の上層貫通孔41bより露出された領域の一部を被覆する。被覆絶縁体42によって被覆された部分は、試料液と接することが無く、電気信号伝達部32aとなって、第1電極体32dにおける反応電流を幹部32bへ伝達する。
次に、上層貫通孔41a,41bおよび被覆絶縁体42の形状と面積、配置関係について説明する。
図22は本実施の形態の上層40の一部分における上層貫通孔41a,41bおよび被覆絶縁体42の配列を示す上面図である。図22においては、便宜上、第1電極32dが露出する部分のみ灰色に塗りつぶしている。上層貫通孔41bの外縁と被覆絶縁体42の外縁とは互いに相似の形状関係にあり、さらに中心点を共有する。上層貫通孔41b内で、被覆絶縁体42によって被覆されていない部分は、第1電極32dを露出させる。また、上層貫通孔41aは、第2電極体を露出させる。ここでも、実施の形態1と同様に、上層40より露出した第1電極32dの面積とその周辺の第2電極12dの面積の総和が等しくなる。被覆絶縁体42は、第1電極32dの面積を調節するために、その大きさを調節したものが第1電極32上に形成される。被覆絶縁体42を形成する効果は、電極対の関係にある第1電極32dとその周囲の4個の第2電極12dの面積の総和をそろえるためのパターン設計が容易になるという利点がある。本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を有する。
(実施の形態6)
図23は、本実施の形態の上層40の一部分における上層貫通孔41a,41bおよび被覆絶縁体42の配列を示す上面図である。本実施の形態の電気化学測定用電極板は、実施の形態4の電気化学測定用電極板とは、上層貫通孔41bの内側の、第1電極上に絶縁被覆体42が形成されている点のみ異なる。本実施の形態のよると、面積の制御が困難な正六角形等の多角形において、絶縁被覆体の大きさを調節することにより、実施の形態4の効果に加えて、容易に第1電極とその周囲の第2電極の面積の総和をそろえるためのパターン設計が容易になるという利点がある。
以上の実施の形態では作用電極として2個の作用電極(一般的には酸化電極と還元電極、ここでは第1電極と第2電極)が形成されている場合について示したが、本発明はこれに限らず、さらに他の電極が形成されており、作用電極を2個以上任意に組み合わせて使用するような構成であってもよい。このような構成を有する電気化学測定用電極板を用いて2つの電極間でレドックスサイクル反応を進行し、その他の電極を用いて試料液中に含まれる妨害物質の除去反応を進行することもできる。このような構成を有する電気化学測定用電極板は妨害物質の電流応答を除外することができ、さまざまな成分からなる試料液の分析に適することから、種々の成分から構成される生体試料の分析に好適である。
なお、以上の実施の形態と同様の構成の電気化学測定用電極板を用いて、第1電極体32を酸化電極体として、第2電極体12を還元電極体として使用する方法と、第2電極体12を酸化電極体として、第1電極体32を還元電極体として使用する方法がある。
また、以上の実施の形態では、上層貫通孔41bの形状が正四角形で、その周囲に配置した長方形の上層貫通孔41aの個数が4個の場合(実施の形態1)、上層貫通孔41aの形状が正四角形で、その周囲に配置した長方形の上層貫通孔41bの個数が4個の場合(実施の形態2)、上層貫通孔41bの形状が正四角形で、その周囲に配置した3分割されている上層貫通孔41aの個数が4個の場合(実施の形態3)、上層貫通孔41bの形状が正六角形でその周囲に配置した長方形の上層貫通孔41aの個数が6個の場合(実施の形態4)、上層貫通孔41bの形状が正四角形で、外縁が相似形状の被覆絶縁体42を内包し、その周囲に配置した長方形の上層貫通孔41aの個数が4個の場合(実施の形態5)、および上層貫通孔41bの形状が正六角形で、外縁が相似形状の被覆絶縁体42を内包し、その周囲に配置した長方形の上層貫通孔41aの個数が6個の場合(実施の形態6)のみについて示したが、本発明はこれに限定されず、各第1電極の面積とその周囲に配置した複数の第2電極の面積の総和が同一であって、近接している辺の距離がどれも一定であれば、長方形、または他の多角形であっても良い。ただし、辺の数が過度に多いと、周囲に配置する電極の数も増大するため好ましくない。よって、正四角形または正六角形が好ましい。当然前記構成は第1電極と第2電極が入れ替わっても良い。また、被覆絶縁層を用いて電極面積を調節すると、第1電極と第2電極の面積の調節が容易となる。
本発明の電気化学測定用基板は、第1電極32dおよび第2電極12dを、基質を酸化若しくは還元する酵素等の酸化還元剤、及び電子メディエータを含む試料液に接触させ、第1電極32dと第2電極12dに電圧を印加し、第1電極体32または第2電極体12に流れる電流を測定することにより、基質を検出することができ、またその電流値が基質の濃度に依存することを利用して、基質濃度を定量測定することができる。
以下、実施例及び比較例の電気化学測定用電極板を製造し、試料液に含まれる酸化還元物質の電気化学測定を行った。
(実施例1)
(実施例1の電極体)
実施例1として、実施の形態1の電気化学測定用電極板1を製造した。なお、図1に示す電気化学測定用電極板1とは、上層貫通孔41の個数が異なる。図15は、その製造工程を示す断面図である。まず、厚さ1μmのSiO 膜を表面に形成した厚さ0.5mmのシリコン基板(信越化学工業株式会社製)を下層11用の基板として用い(図15(a))、第2電極体12のパターンを有するメタルマスクとともにスパッタ装置(株式会社 アルバック製)内の所定位置に取り付け、クロム、及び金を順次成膜した。
圧力1.3Pa,アルゴン雰囲気で、クロムを10秒間,金を50秒間スパッタし全体で130nmの膜厚とし第2電極体12を得た。次に第2電極体12の上面にプラズマCVD装置(株式会社 アルバック製)を用いてSiOの堆積を行った。成膜条件として、シランガス流量10sccm、NOガス流量200sccm、圧力80Pa,パワー50W、基板温度300℃で5分間堆積を行った結果、430nmのSiO膜が形成され、絶縁層である基板31を得、その上に第2電極体12のパターンの形成と同様の工程を経て、第1電極体32を得た(図15(b))。
次に基板31とレジスト材との密着性を高めるために前処理材料(マイクロケム株式会社製:MCC PRIMER 80/20)をスピンコート法により塗布し、110℃で180秒間ベーキングを行った。その上にレジスト材(東京応化工業株式会社製:TSMR−8900LB)を2〜3μmの厚みに塗布した。このレジスト塗布成膜済基板をオーブン中に入れプレベーキング工程を100℃, 30分、ポストベーキング工程を120℃, 30分の条件にて行った。
その後、基板貫通孔33のパターンを有するクロムマスクを用いて、マスクアライナー(ミカサ株式会社製)により60秒間密着露光した。次に現像液中にて25℃120秒間現像を行い、水洗、乾燥してマスクパターンをレジストに転写した。次に、その基板をアルゴンミリング装置(株式会社 日立ハイテクノロジーズ:E−3500)にて、アルゴンガス流量125sccm、圧力0.03Pa、ビーム電流90mAにて、金次いでクロムのエッチングを行った。続いて反応性イオンエッチング装置中にてCガスの流量を25sccm、圧力0.25Pa、150Wの条件で15分間SiO2のエッチングを行い、基板31における基板貫通孔33のパターンを形成した(図15(c))。
次に、レジストを除去した後、基板貫通孔33を形成した第1電極体32の表面にスピンコート法により感光性樹脂材料(化薬マイクロケム株式会社製:SU−8 2000)を厚みが1μmとなるように塗布、70℃30分間ベーキングした後、上層貫通孔41a、および41bの配列パターンを有するクロムマスクを用いて60秒間密着露光することにより、マスクパターンを樹脂材料に転写した。
転写した後、現像液中にて20℃、300秒間現像を行い、水洗、乾燥して第1電極32dを露出させる上層貫通孔41bのパターン(40×40μm、2000個)及び第2電極12dを露出させる上層貫通孔41aのパターン(40×10μm、4090個)を絶縁層である上層40に形成した(図15(d))。なお、最近接する上層貫通孔41aと41bの間隔(最近接する辺の間隔)は5μmとした。最後に電気化学測定用電極板はUVアッシャー装置を用いて、樹脂材料の残渣を除去した。
この結果、複数の第1電極32dと複数の第2電極12dを有する本実施例の電気化学測定用電極板1を得た。電気化学測定用電極板1上において、第1電極32dの面積の総和は3.2mmであった。
(比較例1)
(比較例1の電極体)
比較例1として、図18に示す従来の構造を有する電気化学測定用電極板を製造した。図16は、比較例1の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。図16(a)に示す基板201として1μmのSiO膜を表面に形成した厚さ0.5mmのシリコン基板(信越化学工業株式会社製)を用いた。それを実施例1で用いたスパッタ装置内の所定位置に取り付け、メタルマスクをセットした後クロム、及び金を順次成膜した。圧力1.3Pa,アルゴン雰囲気で、クロムを10秒間,金を50秒間スパッタし、全体で130nmの膜厚とすることにより、下部電極体202を得た(図16(b))。
次にメタルマスクを外して下部電極体202の上層に実施例1で用いたプラズマCVD装置を用いて絶縁膜としてのSiOを堆積した。成膜条件として、シランガス流量10sccm、NOガス流量200sccm、圧力80Pa,パワー50W、基板温度300℃として、5分間堆積を行った。その結果、430nmのSiO膜を形成し、絶縁層207を得た(図16(c))。その上に別のメタルマスクを装着し、下部電極体202の形成と同様の条件を用いてクロム―白金を130nm成膜した。それにより、表面電極204を形成した(図16(d))。
次にその基板上に実施例1で用いたレジスト材を2〜3μmの厚みに塗布した。このレジスト塗布成膜済基板をオーブン中に入れプレベーキング工程を100℃, 30分で行った。その後、クロムマスクを用いて、実施例1で用いたマスクアライナーにより60秒間密着露光した。次に現像液中にて25℃120秒間現像を行い、水洗、乾燥してマスクパターンをレジスト208に転写した(図15(e))。ポストベーキング工程を120℃, 30分の条件にて行った。
先ほど作製したマスクパターンを転写したレジスト208を有する基板は実施例1で用いたアルゴンミリング装置に入れ、アルゴンガスの流量12sccm、圧力0.03Pa、ビーム電流90mAの条件で金、クロムを順次エッチングしたのち、反応性イオンエッチング装置に入れ、Cガスの流量を25sccm、圧力0.25Pa、150Wの条件で15分間SiOのエッチングを行った。その結果、下部電極体202の一部(以下、酸化電極202a)が底面において露出された多数の微細孔205を持つ電極板を得た。
形成した微細孔205は直径20μm、形成した数は10000個、中心間の距離は110μm、表面電極204の形成面積は169mmであった。そのうち、下部電極202aの面積の総和が3.1mmであり、それを差し引いた165.9mmが、表面電極204で電極反応が起こる部位となり、表面電極204の面積は、下部電極202aのそれに比べて53倍以上大きくなった。以上の工程により、比較例1の電気化学測定用電極板を得た。
〈実施例1及び比較例1の電気化学測定用電極板を用いた電気化学測定〉
実施例1で作製した電気化学測定用電極板と比較例1で作製した電気化学測定用電極板とを用いた電気化学測定装置を構成し、電子メディエータの応答電流を測定した。
かかる電気化学測定装置において、第1電極32dと第2電極12d(比較例1においては、酸化電極202aと表面電極204)は、試料液に露出されるように構成されている。本実施例においては、第1電極32dを酸化電極、第2電極12dを還元電極として用いた。
試料液はフェロシアン化カリウムを1mmol/l、フェリシアン化カリウムを1mmol/lの合計2mmol/lを電子メディエータとし、50mmol/lの支持電解質(塩化カリウム)に溶解した水溶液を用いた。参照電極は銀/塩化銀電極(BAS株式会社製)を用いた。補助電極には白金線を用いた。
実施例1の電気化学測定用電極板をバイポテンシオスタット(CH instruments社製:ALS740A)にリード線を介して接続し、第1電極32dの電位を参照電極に対し0から+0.7V、第2電極12dの電位を0Vに、電位の掃引速度を100mV/sに設定してサイクリックボルタンメトリー法により第1電極32dに流れる反応電流を計測した。
また比較例1の電気化学測定用電極板を同じくバイポテンシオスタットにリード線を介して接続し、酸化電極202aの電位を参照電極として用いた銀/塩化銀電極に対して0から+0.7Vまで掃引速度100mV/sで掃引した。このとき、表面電極204の電位は参照電極に対して0Vに設定した。その結果、比較例1の電気化学測定用電極板において、酸化電極202aの電位が+0.6から+0.7Vにかけてフェロシアン化カリウムの酸化反応に伴う定常電流が観測され、+0.7Vにおける値は表1に示すように22.5μAであった。下記式1にフェロシアン化カリウムの酸化反応式を示す。
[ Fe(CN) ]−4 → [ Fe(CN) ]−3+e (式1)
一方、実施例1の電気化学測定用電極板においても第1電極32dの電位が+0.6から+0.7Vにかけてフェロシアン化カリウムの酸化反応に伴う定常電流が観測された。+0.7Vにおける値は表1に示すように32.3μAであった。
Figure 0004418030
比較例1の電気化学測定用電極板における値よりも大きな電流値が観測されたのは、図19の自己誘発レドックスサイクルの説明図に当てはめて考えてみると、比較例1においては表面電極204(マクロ電極222)で酸化されていたフェロシアン化カリウムが、実施例1においては第1電極32d(微小電極221)上で効率的に酸化されたため、酸化反応の電流値が増加したものと考えられる。このように、本実施例の電気化学測定用電極板においては同一面積を有する微小電極対が基板上に多数配列されていることにより、それぞれの電極対同士で反応面積が揃い、両極間で効率的なレドックスサイクル反応が進行していると考えられる。
また、比較例1の酸化電極202aおよび実施例1の第1電極32dに対して、自然電位+0.4Vまで電位を急速に掃引して得られる酸化電流の時間依存性を評価した。そのとき、比較例1の表面電極204及び実施例1の第2電極12dの電位は0Vに保った。その結果、比較例1の酸化電極202aの電流が定常状態に達するのに表2に示すように26秒を要したのに対し、実施例1の第1電極32dは表2に示すように6秒で定常状態に達した。このことは、比較例1の酸化電極202aは表面電極204が定常状態に達する時間が必要であったのに対し、実施例1の第1電極32dは最近接の4個の第2電極12dとの間で即座に定常状態に達したことによると考えられる。
Figure 0004418030
以上の結果から、実施例1の電気化学測定用電極板においては、試料液中の目的物質を迅速に感度良く検出することが可能であることがわかった。また、事前に検量線を作成しておくことにより、試料液中の目的物質濃度を定量することも可能である。
(実施例2)
(実施例2の電気化学測定用電極板)
実施例2では、実施の形態2で示した電気化学測定用電極板70を作製した。図17に実施例2の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図を示した。図15で示した実施例1の電気化学測定用電極板の製造工程との違いは、図17(c)の工程において、基板貫通孔33の形状が異なることにより、用いるマスクのパターンが異なる点のみである。
図17(c)の工程において、基板貫通孔33の配列パターン(40×40μm、2000個)を形成し、図17(d)の工程において、上層貫通孔41aの配列パターン(40×40μm、2000個)、および41bの配列パターン(40×10μm、4090個)を上層40に形成した。第2電極12dを露出させる上層貫通孔41aのパターン(40×40μm、2000個)及び第1電極32dを露出させる上層貫通孔41bのパターンを絶縁層である上層40に形成した。上層貫通孔41aと41bの間隔は5μmとした。本実施例において、第2電極12dの面積の総和は3.2mmであった。以上の工程により、実施例2の電気化学測定用電極板を得た。
(実施例3)
(実施例3の電気化学測定用電極板)
実施例3では、実施の形態3で示した電気化学測定用電極板80を作製した。製造工程は図15に示した、実施例1のそれとほぼ同様である。本実施例と実施例1とは、製造に用いたマスクの配列パターンが異なる。図15(c)の工程において用いたマスクは基板貫通孔33(8×8μm、2130個)の配列パターンを有し、図15(d)の工程において用いたマスクは上層貫通孔41a(8×8μm、2130個)および41b(96×96μm、300個)の配列パターンを有する。それらのマスクのパターンは図8で示したような、一つの上層貫通孔41bの一辺に3分割された上層貫通孔41aが配置され、一つの上層貫通孔41bの周囲には、それぞれが3分割された4個の上層貫通孔41aが配置されている。また、上層貫通孔41aと41bの間隔は10μm、最近接する上層貫通孔41b同士の間隔は5μmとした。本実施例において、第1電極32dの面積の総和は、2.8mmであった。以上の工程により、実施例3の電気化学測定用電極板を得た。
(比較例2)
(比較例2の電気化学測定用電極板)
比較例2では、各第1電極32dの面積が10000μmを大きく超える電極板を作製した。本比較例の各第1電極32dの面積は、57600μmであった。図15に実施例3の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図を示した。本実施例の製造工程は実施例3のそれと同様であり、図15(c)の工程で用いた、基板貫通孔33(20×20μm、2130個)の配列パターンを有するマスクと、図15(d)の工程における上層貫通孔41a(20×20μm、2130個)および41b(240×240μm、50個)の配列パターンを有するマスクを用いた点が異なる。それらのマスクのパターンは図8で示したような、ひとつの上層貫通孔41bの一辺に3分割された上層貫通孔41bが配置され、一つの上層貫通孔41bの周囲には、それぞれが3分割された4個の上層貫通孔41aが配置されている。また、上層貫通孔41aと41bの間隔は10μm、最近接する上層貫通孔41b同士の間隔は5μmとした。本比較例において、第1電極32dの形成面積は、2.9mmであった。以上の工程により、比較例2の電気化学測定用電極板を得た。
(実施例4)
(実施例4の電気化学測定用電極板)
実施例4において、実施の形態6の電気化学測定用電極板を製造した。その特徴は平面視において、上層貫通孔41bの形状が正六角形で、その内側に外縁が相似形状の被覆絶縁体を有することである。
図24は本実施例の電気化学測定用電極板の製造工程を示す断面図である。本実施例の製造工程が、実施例1のそれと異なる点は、図24(d)に示した上層40の形成工程において、上層貫通孔41a,41bおよび被覆絶縁体42のパターンを有するクロムマスクを用いて、そのパターンを感光性樹脂材料に転写したことである。また、製造方法について、実施例1において基板31の形成にプラズマCVD法を用いたが、それに代えてスパッタ法により形成した点のみ実施例1の製造方法と異なる。以下に実施例1の製造工程と異なる点のみ説明する。
第2電極体12を形成した基板をスパッタ装置(株式会社 アルバック製)内の所定位置に取り付け、酸素ガス流量5sccm、アルゴンガス流量5sccm、圧力0.3Pa、パワー500W、陽極電流0.35A、陽極電圧2.21kV、ターゲットと基板間の距離を50mmとし、25分間堆積を行い、基板31を形成した。それ以降は実施例1と同様の工程を経て感光性樹脂材料を第1電極体32を形成した基板表面に塗布した。
次に図23で示したような上層貫通孔41および被覆絶縁体42のパターンを感光性樹脂材料に転写し、上層貫通孔41および被覆絶縁体42を形成する工程を経て、本実施例の電気化学測定用電極板を得た。
上層40に形成したパターンは上層貫通孔41b(正六角形の一辺40μm、1200個)、上層貫通孔41a(40×10μm、3041個)及び被覆絶縁体42のパターン(正六角形の一辺30μm、1200個)とした。上層貫通孔41bは6つの上層貫通孔41aと最近接するように形成し、その最近接する辺の間隔は5μmとした。本実施例において、第1電極32dの面積の総和は2.9mmであった。
以上の工程により、実施例4の電気化学測定用電極板を得た。
〈実施例2乃至4および比較例2の電気化学測定用電極板を用いた電気化学測定〉
次に実施例1の測定と同様の条件で実施例2乃至4および比較例2の電気化学測定用電極板を用いた電気化学測定装置を構成し、フェロシアン化カリウムの酸化電流の測定を行った。その結果、実施例1の測定方法と同じ条件で、表3に示した定常状態電流が、電気化学測定装置において観測された。
Figure 0004418030
実施例2乃至4の電気化学測定装置で観測されたフェロシアン化カリウムの酸化反応の定常電流は、比較例2のそれよりも大きな値であった。
また表4に示したように、実施例2乃至4の第1電極32d上での反応が定常状態に達する時間は、比較例2のそれよりも短かった。このことは、第1電極32dの面積が大きくなったため、第2電極12dから遠い部分で期待しない反応が進行したことが推測された。
Figure 0004418030
以上の結果から、実施例2乃至4の電気化学測定用電極板においても、実施例1の電気化学測定用電極板と同じく、試料液中の目的物質を迅速に感度良く検出することが可能であることがわかった。また、事前に検量線を作成しておくことにより、試料液中の目的物質濃度を定量することも可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明にかかる試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法は、スクロース、グルコース等生体試料中に微量に含まれる物質を定量する方法に利用することができる。また、飲料水等に微量に含まれる有害成分濃度を定量する方法に利用することができる。
また、本発明にかかる電気化学測定用電極板は、電気化学センサ、液体クロマトグラムの検出器を構成する電気化学測定装置に利用することもできる。
1,60,70,80,81,82,90,200 電気化学測定用電極板
3,4 切り欠き部
10 第2電極体設置層
12 第2電極体
12a 第2電極体の電気信号伝達部
12b 第2電極体の幹部
12c 第2電極リード
12d 第2電極
21 電極の集合体
22 参照電極
23 補助電極
24 試料液容器
25 制御装置
26 レコーダー
27 電気化学測定装置
30 第1電極体設置層
31,201 基板
32 第1電極体
32a 第1電極体の電気信号伝達部
32b 第1電極体の幹部
32c 第1電極体リード
32d 第1電極
33 基板貫通孔
34 被覆絶縁体(基板部分)
40 上層
41 上層貫通孔
41a 第2電極を露出させる上層貫通孔
41b 第1電極を露出させる上層貫通孔
42 被覆絶縁体(上層部分)
61 参照電極
62 補助電極
201a シリコン基板
201b 酸化膜
202 下部電極体
202a 酸化電極
203,207 絶縁層
204 表面電極
205 微細孔
206 開口部
208 レジスト
221 微小電極
222 マクロ電極
222a,222b マクロ電極の一部分
224,226,227 還元体
225,228 酸化体

Claims (22)

  1. 参照電極、補助電極、および電気化学測定用電極板、または対極および電気化学測定用電極板を具備する電気化学測定装置により、試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法であって、
    前記試料液は、電子メディエータを含有し、
    前記電気化学測定用電極板は第1電極板または第2電極板からなり、
    ここで、前記第1電極板は、
    絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、複数の上層貫通孔を有し、
    前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有し、
    前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の面積とその周囲の前記第2電極の総和面積とは実質的に同一であり、
    ここで、前記第2電極板は、
    絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、前記基板の上面から下面まで貫通する複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、前記上層の上面から下面まで貫通する複数の上層貫通孔を有し、
    前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有し、
    前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の面積とその周囲の前記第1電極の総和面積とは実質的に同一であって、
    前記方法は、以下の工程:
    前記参照電極、前記補助電極、および前記電気化学測定用電極板、または前記対極および前記電気化学測定用電極板を前記試料液に接触させる接触工程、
    前記第1電極体および前記第2電極体の一方に正電位を掃引し、他方に負電位を印加する、あるいは前記第1電極体および前記第2電極体の一方に正電位を印加し、他方に負電位を掃引し、前記第1電極体および前記第2電極体の間に流れる電流値を測定する電流測定工程、
    前記電流測定工程において得られた電流値から前記目的物質を検出する、あるいは前記目的物質の量を算出する算出工程、
    を含む目的物質を検出または定量する方法。
  2. 前記第1電極体上には、前記上層の上面から露出する部分の面積を調整する複数の被覆絶縁体が設けられている、請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  3. 前記各第1電極上に前記被覆絶縁体が設けられ、
    平面視において、
    前記各第1電極とその上に設けられた前記被覆絶縁体とが中心点を共有し、その外縁が相似形状である請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  4. 平面視において、
    前記各第1電極の形状は正四角形である、請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  5. 平面視において、
    前記各第1電極の形状は正六角形である、請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  6. 前記第1電極体は、前記複数の第1電極を全て包含する金属板からなる、請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  7. 前記第2電極体は、前記複数の第2電極を全て包含する金属板からなる、請求項1に記載の試料液に含まれる目的物質を検出または定量する方法。
  8. 参照電極、補助電極、および電気化学測定用電極板、または対極および電気化学測定用電極板を具備する電気化学測定装置であって、
    前記電気化学測定用電極板は第1電極板または第2電極板からなり、
    ここで、前記第1電極板は、
    絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、前記基板の上面から下面まで貫通する複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、前記上層の上面から下面まで貫通する複数の上層貫通孔を有し、
    前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有し、
    前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の面積とその周囲の前記第2電極の総和面積とは実質的に同一であり、
    ここで、前記第2電極板は、
    絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、複数の上層貫通孔を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の面積とその周囲の前記第1電極の総和面積とは実質的に同一である、電気化学測定装置。
  9. 絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、前記基板の上面から下面まで貫通する複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、前記上層の上面から下面まで貫通する複数の上層貫通孔を有し、
    前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有し、
    前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の面積とその周囲の前記第2電極の総和面積とは実質的に同一である、電気化学測定用電極板。
  10. 前記第1電極体上には、前記上層の上面から露出する部分の面積を調整する複数の被覆絶縁体が設けられている、請求項9に記載の電気化学測定用電極
  11. 前記各第1電極上に前記被覆絶縁体が設けられ、
    平面視において、
    前記各第1電極とその上に設けられた前記被覆絶縁体とが中心点を共有し、その外縁が相似形状である請求項10に記載の電気化学測定用電極板。
  12. 平面視において、
    前記各第1電極の形状は正四角形である、請求項9に記載の電気化学測定用電極板。
  13. 平面視において、
    前記各第1電極の形状は正六角形である、請求項9に記載の電気化学測定用電極板。
  14. 前記第1電極体は、前記複数の第1電極を全て包含する金属板からなる、請求項9に記載の電気化学測定用電極板。
  15. 前記第2電極体は、前記複数の第2電極を全て包含する金属板からなる、請求項9に記載の電気化学測定用電極板。
  16. 絶縁体からなる基板と、
    前記基板の上面に設けられた絶縁体からなる上層と、
    前記基板の下面に設けられた絶縁体からなる下層と、
    前記基板の上面と前記上層の間に挟まれている第1電極体と、
    前記基板の下面と前記下層の間に挟まれている第2電極体と、を備え、
    前記基板は、前記基板の上面から下面まで貫通する複数の基板貫通孔を有し、
    前記上層は、前記上層の上面から下面まで貫通する複数の上層貫通孔を有し、
    前記第1電極体は、前記上層貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第1電極を有し、
    前記第2電極体は、前記上層貫通孔および前記基板貫通孔を介して前記上層の上面から露出する部分からなる複数の第2電極を有し、
    平面視において、
    前記複数の基板貫通孔が、いずれも前記第1電極とは重なり合わず、
    前記各第2電極の周囲には、前記第2電極との中心間距離が等しい4個以上の実質的に同一面積の第1電極が配置されており、
    前記各第1電極の周囲には、前記第1電極との中心間距離が等しい2個の実質的に同一面積の第2電極が配置されており、
    前記各第2電極の面積とその周囲の前記第1電極の総和面積とは実質的に同一である、電気化学測定用電極板。
  17. 前記第2電極体上には、前記上層の上面から露出する部分の面積を調整する複数の被覆絶縁体が設けられている、請求項16に記載の電気化学測定用電極
  18. 前記各第2電極上に前記被覆絶縁体が設けられ、
    平面視において、
    前記各第2電極とその上に設けられた前記被覆絶縁体とが中心点を共有し、その外縁が相似形状である請求項16に記載の電気化学測定用電極板。
  19. 平面視において、
    前記各第2電極の形状は正四角形である、請求項16に記載の電気化学測定用電極板。
  20. 平面視において、
    前記各第2電極の形状は正六角形である、請求項16に記載の電気化学測定用電極板。
  21. 前記第1電極体は、前記複数の第1電極を全て包含する金属板からなる、請求項16に記載の電気化学測定用電極板。
  22. 前記第2電極体は、前記複数の第2電極を全て包含する金属板からなる、請求項16に記載の電気化学測定用電極板。
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