JP2017173014A - 電極構造の製造方法、電気化学センサの製造方法、電極構造および電気化学センサ - Google Patents

電極構造の製造方法、電気化学センサの製造方法、電極構造および電気化学センサ Download PDF

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Takuya Higuchi
樋口  拓也
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Masanao Watanabe
正直 渡辺
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Tomokazu Suenaga
智一 末永
久美 井上
Hisami Inoue
久美 井上
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Abstract

【課題】本発明は、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、を有し、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図2

Description

本発明は、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法に関するものである。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。
酵素をセンシング素子に用いる電気化学バイオセンサとしては、例えば、電極として作用極および対極を含む電極系と、酵素および電子伝達体(メディエータ)を含む反応部とを基本構成として備えているものを挙げることができる。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
例えば、グルコースセンサにおいては、当該反応部において、酵素が血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体が作用極上に拡散し、作用電極に一定の電圧が印加されることにより還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。
このとき発生する電流の大きさは、血液中のグルコース濃度に依存することから、バイオセンサにおいて測定された電流値から、血液中のグルコースを定量化することができる。
グルコースセンサ等に代表されるバイオセンサに用いられる電極構造の形成方法としては、特許文献1に記載されるように、金属蒸着膜を形成した後、フォトリソグラフィ法等により、電極以外の金属蒸着膜を除去する方法が用いられる。
なお、このような電極構造は、バイオセンサのみならず、ガスセンサ、生体物質検出用センサ等の様々な測定用センサにも用いられている。
特開2010−229135号公報
しかしながら、フォトリソグラフィ法等により金属蒸着膜をパターニングするためには、まず、金属蒸着膜上にパターン状のレジストを形成し、このレジストをマスクとしてエッチングする工程が必要になり、工程が煩雑となる。
また、レジストをマスクとして用いた金属蒸着膜のエッチングによるパターニングでは、高精細なパターン形状を形成しにくいといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、を有し、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁層形成工程および転写工程を用いて、パターン状の第2電極層を形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本発明においては、上記絶縁層の厚みが、上記第2電極層の厚みより厚いことが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記絶縁層は、第1電極層および第2電極層の短絡を安定的に抑制できるからである。
本発明においては、上記絶縁層の厚みが、0.2μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極構造は、出力電流が大きく高感度なセンサとして使用可能なものとなるからである。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、を有し、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とする電気化学センサの製造方法を提供する。
本発明によれば、絶縁層形成工程および転写工程を用いて、パターン状の第2電極層を形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造を提供する。
本発明によれば、上記第2電極層が導電性粒子を含有するものであることにより、上記第2電極層は上記導電性粒子に起因する凹凸構造を有し、表面積の広いものとなる。その結果、上記電極構造は、試料と上記第2電極層に含まれる第2電極との接触面積が広く、高感度なセンサとなる。
また、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電極構造は、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させる転写工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電極構造は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本発明においては、上記第2電極積層体が、上記絶縁層および上記第2電極層の間に配置された接着層を有することが好ましい。上記第2電極積層体は、上記絶縁層および上記第2電極層の密着性に優れたものとなるからである。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とする電気化学センサを提供する。
本発明によれば、上記第2電極層が導電性粒子を含有するものであることにより、上記第2電極層は上記導電性粒子に起因する凹凸構造を有し、表面積の広いものとなる。その結果、上記電気化学センサは、試料と上記第2電極層に含まれる第2電極との接触面積が広く、高感度なセンサとなる。
また、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電気化学センサは、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させる転写工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電気化学センサは、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本発明は、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法を提供できるといった効果を奏する。
本発明の電極構造の製造方法の一例を示す工程図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明における電極構造の他の例を示す概略平面図である。 本発明における電極構造の他の例を示す概略平面図である。 本発明の電気化学センサの製造方法の一例を示す工程図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明の電気化学センサの一例を示す概略平面図および概略断面図である。 実施例1のサイクリックボルタンメトリー特性結果を示すグラフである。 実施例1のクロノアンペトリー特性結果を示すグラフである。
本発明は、電極構造の製造方法および電気化学センサの製造方法ならびにこれらの製造方法により製造可能な電極構造および電気化学センサに関するものである。
以下、本発明の電極構造の製造方法、電気化学センサの製造方法、電極構造および電気化学センサについて詳細に説明する。
A.電極構造の製造方法
まず、本発明の電極構造の製造方法について説明する。
本発明の電極構造の製造方法は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、を有し、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とするものである。
このような本発明の電極構造の製造方法について図を参照して説明する。図1は、本発明の電極構造の製造方法の一例を示す工程図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
図1および図2に例示するように、本発明の電極構造の製造方法は、絶縁性を有する基材1と、上記基材1の一方の表面に形成された第1電極層2と、を有する電極層付基板を準備し(図1(a)および図2(a))、上記電極層付基板の上記第1電極層2の表面に、パターン状の絶縁層3を形成し(図1(b)および図2(b))、支持基材20および支持基材20の一方の表面に、上記導電性インクを用いて形成された導電性インク膜4aを有する導電性インク転写基板を準備し、上記導電性インク転写基板の上記導電性インク膜4aをパターン状の上記絶縁層3と接触させた後、導電性インク転写基板を上記絶縁層3から所定の剥離力P2で剥離することにより、上記絶縁層3の上記第1電極層2とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜4bを転写法により形成し(図1(c)および図2(c))、上記塗膜を焼成により固化させることにより、第2電極層4を形成することで、上記絶縁層3から露出した上記第1電極層2により、第1電極11aを含む第1電極部11が形成され、上記絶縁層3の表面に配置された上記第2電極層4により、第2電極21aを含む第2電極部21が形成された電極構造10を得るものである(図1(d)および図2(d))。
なお、図1(a)および図2(a)が準備工程であり、図1(b)および図2(b)が絶縁層形成工程であり、図1(c)〜(d)および図2(c)〜(d)が転写工程である。
図1および図2では、第1電極層2が、第1電極部11に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部13と、第1電極部11および第1端子部13を接続する第1配線部12と、を含むものである。
上記第1電極11aは、上記第2電極21aと隣接して設けられるものであり、上記第2電極21aの櫛歯部24a間の領域も含むものである。
また、図1および図2では、第2電極層4が、第2電極部21に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部23と、第2電極部21および第2端子部23を接続する第2配線部22と、を含むものである。
上記第2電極21aは、2以上の櫛歯部24aとこれらの櫛歯部24aを連結する連結部24bとを有する櫛形電極であり、絶縁層3を介して第1電極層2上に形成されるものである。
本発明によれば、上記絶縁層形成工程および上記転写工程を用いて、パターン状に形成された絶縁層の表面に第2電極層を転写法により形成することにより、第2電極層を高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
また、第1電極および第2電極は、絶縁層と介して積層配置されるものであるため、絶縁層の厚みを薄くすることで、第1電極および第2電極を容易に近接配置できる。このような近接配置された2つの上記電極を有することにより、高感度なセンサとして使用可能な電極構造を容易に得ることができる。例えば、上記第1電極および上記第2電極をそれぞれ電気化学センサの第1作用極および第2作用極として用いた場合には、上記電極構造は、検出される電流値を効率的に増幅可能な電気化学センサとして使用可能となる。
上記転写工程は、導電性粒子を含有する導電性インクの塗膜を固化させることにより第2電極層を形成するものであり、導電性粒子を含有する第2電極層を形成する。このような第2電極層は、上記導電性粒子に起因する凹凸構造を有し、表面積の広いものとなり、試料との接触面積が広いものとなる。このため、本発明の製造方法は、高感度なセンサとなる電極構造を得ることができる。
本発明の電極構造の製造方法は、準備工程、絶縁層形成工程および転写工程を有するものである。
以下、本発明の電極構造の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する工程である。
(1)電極層付基板
本工程により形成される電極層付基板は、上記基材および上記第1電極層を有するものである。
(a)基材
本工程における基材は、絶縁性を有するものである。
また、上記基材は、上記第1電極層、上記絶縁層および上記第2電極層等を支持するものである。
ここで、絶縁性を有するとは、上記基材表面に離間して設けられた2つの電極同士の短絡を防ぐことが可能なものであればよい。上記基材の体積抵抗値としては、例えば、1×1012Ω・m以上とすることができる。なお、上記体積抵抗値は、JISK9611に準じた測定方法により求めることができる。
このような基材としては、例えば、樹脂基材、紙、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。上記基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、上記基材は、弾性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリカーボネート(PC)等のフィルムを好適に用いることができる。
なお、基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、基材の透明性の有無は問わない。
上記基材は、上記第1電極層等の構成材料との濡れ性や密着性等を向上させることを目的として、上記基材表面に処理や修飾を施してもよい。例えば、上記処理および修飾としては、コロナ処理、UV処理、防曇処理、スルホン酸基や硫酸基を有する材料のコーティングによる修飾等を挙げることができる。
上記基材の形状、大きさ、厚さ等は、本発明の電極構造を使用する測定機器の接続部の形状等により、適宜設定することができる。
(b)第1電極層
本工程により形成される第1電極層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
また、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成されるものである。
(i)第1電極層の構成材料
本工程により形成される第1電極層の構成材料としては、所望の導電性を有する第1電極層を形成可能なものであればよく、例えば、電気化学センサ等において作用極の形成に用いられる材料を用いることができる。
このような構成材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、非腐食性を有する貴金属材料(以下、単に貴金属材料と称する場合がある。)および上記貴金属材料以外のその他の金属材料等を用いることができる。
また、上記構成材料としては、金属材料に限定されず、導電性カーボンや、後述する第2電極層の構成材料と同様に、導電性粒子がバインダ樹脂の硬化物中に分散されたもの等も用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記第1電極層が上記貴金属材料を主成分として含むことが好ましい。
上記貴金属材料の上記第1電極層中の含有量としては、具体的には、90質量%以上であることが好ましく、なかでも、95質量%以上であることが好ましく、特に99質量%以上であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、上記第1電極層は、耐食性および導電性に優れるものなるからである。
本工程において、非腐食性を有するとは、試料の測定時に、試料中の水分や、測定時に生成される過酸化水素等による腐食の少ないものであることをいうものである。
このような貴金属材料としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)を挙げることができる。これらの貴金属材料は、イオン化傾向が小さく電気化学的に安定であるため、水分や過酸化水素等により腐食されにくく、また、高い導電性を有するものであることから、本工程により形成される第1電極層の構成材料として好適である。
本工程において好ましく用いられる貴金属材料については、上記第1電極層の用途によっても異なるものであるが、例えば、上記第1電極層が作用極として用いられるとの観点からは、上記貴金属材料が、金であることが好ましい。また、作用極に触媒能が要求される場合には、上記貴金属材料が、白金であってもよい。さらに、上記第1電極層が参照電極として用いられるとの観点からは、上記貴金属材料が、パラジウムであることが好ましい。さらにまた、上記第1電極層が対極として用いられるとの観点からは、上記貴金属材料が、金または白金であることが好ましく、なかでも白金であることが好ましい。これらの貴金属材料は、耐食性および導電性に優れるからである。
上記その他の金属材料としては、上記貴金属材料以外のものであればよく、例えば、銅、鉄、コバルト、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル、錫等の金属、または、ステンレス鋼(SUS)等の上記金属を含む合金、酸化インジウムスズ(ITO)等の金属化合物等を用いることができる。中でも、ニッケルは、耐食性の観点から好適である。
なお、上記構成材料については、第1電極層が、作用極として用いられる第1電極以外に、参照電極および対極のように第1電極と離間して設けられる部位を有する場合、低コスト化の観点および第1電極層の形成容易の観点等からは、離間して設けられた第1電極層の構成材料が同一であることが好ましい。
また、上記構成材料は、性能に優れた電気化学センサ等を得るとの観点から、離間して設けられた第1電極層の構成材料が異なるものであってもよい。
(ii)第1電極部
上記第1電極部は、上記第1電極層の上記絶縁層から露出した部位に形成されるものであり、第1電極を含むものである。
上記第1電極部は、本発明における電極構造をセンサとして用いるときに、試料と接するものである。
上記第1電極部に含まれる第1電極は、試料中の成分との間で電気化学反応を生じる部位である。
上記第1電極は、平面視上、上記第2電極と隣接して設けられるものである。
このような第1電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
(iii)第1電極層
上記第1電極層は、上記第1電極部を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
上記第1電極層は、例えば、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部、上記第1電極部および上記第1端子部を接続する第1配線部等を有するものとすることができる。
上記第1端子部が接続される測定装置については、本発明の製造方法により製造される電極構造の用途等により異なるものであるが、一般に電気化学測定に使用される装置を用いることができ、例えばポテンショスタット、電流増幅器、これらと同等の機能を持つ装置を挙げることができる。これらの装置は、例えば、上記電極構造で生じた電気信号を受信するための接続電極、演算部、電源、表示部および操作部等を備えるものを挙げることができる。
上記第1端子部および上記第1配線部の平面視形状については、一般的な配線基板に用いられるものと同様とすることができる。例えば、上記第1端子部の平面視形状としては円形状、長方形状、正方形状等の多角形状、円形状等とすることができる。
上記第1電極層の厚みは、所望の導電性を有する第1電極層を形成可能なものであればよく、例えば0.005μm以上1μm以下の範囲内であることが好ましく、0.01μm以上0.20μm以下の範囲内であることがより好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記第1電極層は、導電性に優れたものとなるからである。
なお、上記第1電極層の厚みは、具体的には、図2(d)中のeで示されるものである。
(2)電極層付基板の準備方法
本工程における電極層付基板の準備方法としては、上記基材の一方の表面に上記第1電極層を形成できる方法であればよい。
上記第1電極層を形成する方法としては、上記第1電極層を所望の厚みおよびパターン形状で形成できる方法であればよく、例えば、基材の一方の表面に上記第1電極層の構成材料を用いて形成された第1電極層形成膜を製膜してパターニングする方法、基材の一方の表面に、水性インク等で第1電極層のネガパターンを印刷し、印刷面に第1電極層形成膜を製膜後、不要部分の水性インクおよび水性インク上の導電膜を水洗除去する、いわゆるリフトオフをすることにより形成する方法、基材の一方の表面にめっき下地層を形成した後、無電解めっき法により第1電極層を形成する方法等がある。
上記第1電極層形成膜の成膜方法としては、ラミネート、金属蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、めっき、金属膜を接着層を介して貼り合わせる方法等の公知の方法が挙げられる。
上記パターニング方法としては、エッチング、レーザーアブレーション等の公知の方法が挙げられる。
めっき下地層を形成する方法および無電解めっき法により第1電極層を形成する方法については、公知の方法を用いることができる。上記形成方法は、具体的には、めっき下地層としてパラジウム等のめっき用触媒核およびバインダ樹脂を含むものをパターン状に形成し、次いで、無電解めっき法により無電解めっき膜を形成する方法を用いることができる。
2.絶縁層形成工程
本発明における絶縁層形成工程は、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する工程である。
なお、上記電極層付基板については、上記「1.準備工程」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)絶縁層
上記絶縁層は、絶縁性を有するものである。
上記絶縁層は、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状に形成されるものである。
ここで、絶縁性を有するとは、上記第1電極層および上記第2電極層の間の短絡を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(a)基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
このような絶縁層の構成材料としては、所望の絶縁性を有する絶縁層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることが好ましい。上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることにより、フォトリソ法によりパターン状の絶縁層を容易に形成可能となると共に、上記基材等が熱による劣化の少ないものとなるからである。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
上記光硬化性樹脂としては、光照射により架橋等の反応により重合硬化するモノマー(単量体)、或いはプレポリマーやオリゴマーが用いられる。
上記モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、上記プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、ラジカル重合性プレポリマー、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系プレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを示すものである。
上記絶縁層の厚みとしては、上記第1電極層および上記第2電極層の間の短絡を安定的に防止できるものであればよい。
このような絶縁層の厚みは、上記第2電極層の厚みより厚いことが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記絶縁層は、第1電極層および第2電極層の短絡を安定的に抑制できるからである。
上記絶縁層の厚みは、より具体的には、0.2μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に、0.2μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極構造は、出力電流が大きく高感度なセンサとして使用可能なものとなるからである。
なお、上記絶縁層の厚みは、具体的には、図2(d)中のfで示されるものであり、第1電極層表面からの厚みをいうものである。
(2)絶縁層の形成方法
本工程における絶縁層の形成方法は、上記絶縁層を所望のパターン形状に形成可能な方法であればよい。
このような絶縁層の形成方法としては、所望のパターン形状の絶縁層を精度よく形成可能な方法であればよく、例えば、上記絶縁層が硬化性樹脂の硬化物である場合には、上記硬化性樹脂を含む絶縁層形成膜を、印刷法によりパターン形状に形成し、次いで、パターン形状の上記絶縁層形成膜を硬化させる方法、上記絶縁層が光硬化性樹脂の硬化物を含む場合には、上記光硬化性樹脂を含む絶縁層形成膜を形成し、次いで、上記絶縁層形成膜をフォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングする方法等を挙げることができる。
上記絶縁層形成膜を、印刷法によりパターン形状に形成する方法としては、具体的には、上記絶縁層形成膜の構成材料を溶媒に分散または溶解させた絶縁層形成膜用組成物を、印刷法を用いて印刷する方法を挙げることができる。
上記絶縁層形成膜は、上記光硬化性樹脂と共に用いられる光重合開始剤、熱安定剤、ラジカル捕捉剤、界面活性剤、帯電防止剤等の添加剤を含むものであってもよい。
上記印刷法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本工程においては、上記印刷法が、グラビアオフセット印刷法であることが好ましい。グラビアオフセット印刷法は、上記絶縁層形成膜を高精細に印刷することが容易だからである。
印刷法により形成されたパターン形状の上記絶縁層形成膜の硬化方法としては、絶縁層形成膜に含まれる上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合には、光照射を行う方法を用いられ、上記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、加熱する方法を用いることができる。また、光照射の方法および加熱する方法については、一般的な光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の硬化方法と同様とすることができる。
フォトリソグラフィ法によりパターニングされる絶縁層形成膜の形成方法としては、一般的な成膜方法を用いることができ、上記絶縁層形成膜の構成材料を溶媒に分散または溶解させた絶縁層形成膜用組成物を上記第1電極層上に塗布する方法、フィルム状の絶縁層形成膜を形成し、上記絶縁層形成膜を上記第1電極層にラミネートする方法等を挙げることができる。上記形成方法は、必要に応じて、上記絶縁層形成膜用組成物を塗布した後に、溶媒を除去する乾燥処理を行うものであってもよい。
絶縁層形成膜用組成物を塗布する塗布方法としては、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面を覆うように絶縁層形成膜用組成物を塗布可能な方法を用いることができ、ダイコート法、ロールコート法等を挙げることができる。
本工程におけるフォトリソグラフィ法としては、露光処理および現像処理により、上記絶縁層形成膜を、所望のパターン形状にパターニングできる方法であればよく、一般的なフォトリソグラフィ法によるパターニング方法を用いることができる。上記フォトリソグラフィ法によるパターニング方法としては、例えば、上記絶縁層形成膜に対してマスクを介してパターン形状に露光することで硬化し、上記絶縁層形成膜の未硬化部分を現像により除去する方法を挙げることができる。
上記マスクとしては、フォトリソグラフィ法に一般的に使用されるものを用いることができ、例えば、光透過部および遮光部を有するマスクであって、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状の光透過部を有するマスク等を用いることができる。
フォトリソグラフィ法による上記絶縁層形成膜の露光方法および現像方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法の露光方法および現像方法を用いることができる。
(3)絶縁層のパターン形状
本工程により形成される絶縁層は、パターン状に形成されているものである。
ここで、パターン状に形成されるとは、上記転写工程により、所望のパターン形状の第2電極層を形成可能なものであればよく、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されるものとすることができる。
また、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されるとは、上記絶縁層および上記第2電極層の平面視上のパターン形状が完全に同一であるものに限定されず、転写工程で絶縁層の表面に第2電極層を形成する際に、絶縁層の上面のみでなく側面にも第2電極層が形成される結果、平面視上、第2電極層が絶縁層より大きくなるように形成されること、絶縁層の上面である第1電極層とは反対側の表面の一部のみに第2電極層が形成されること等により生じる誤差を有するものも含むものである。
上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状の絶縁層であるとは、より具体的には、上記第2電極層の平面視面積に対する上記第2電極層および上記絶縁層に含まれる絶縁層が平面視上重なる面積の割合(平面視上重なる面積/第2電極層の平面視面積×100(単位%))が、80%〜100%の範囲内であるものとすることができ、なかでも、90%〜100%の範囲内であることが好ましく、特に、100%であることが好ましい。上記割合が上述の範囲内であることにより、高精細な第2電極層を得られるからである。
本発明においては、上記絶縁層の平面視面積に対する上記絶縁層および上記第2電極層が平面視上重なる面積の割合(平面視上重なる面積/絶縁層の平面視面積×100(単位%))が、80%〜100%の範囲内であることが好ましく、なかでも、90%〜100%の範囲内であることが好ましく、特に、100%であることが好ましい。上記割合が上述の範囲内であることにより、高精細な第2電極層を得られるからである。
また、上記第2電極層のパターン形状は、上記第2電極層が有する構成によって異なるものであり、上記第2電極層が第2電極を含む第2電極部を有する場合には、上記第2電極部を含む平面視形状とすることができる。また、上記第2電極層が、上記第2電極部、第2端子部および第2配線部を有する場合には、これらの平面視形状を含むものとすることができる。
なお、上記第2電極部に含まれる第2電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
また、上記第2端子部および第2配線部の平面視形状については、後述する「3.転写工程」の「(1)第2電極層」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
3.転写工程
本発明における転写工程は、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する工程である。
(1)導電性インク
本工程における導電性インクは、導電性粒子を含むものである。
上記導電性粒子としては、上記塗膜に含まれるバインダ樹脂を固化させた後に所望の導電性を有する第2電極層を形成可能なものであればよく、導電性インクに一般的に用いられるものを使用できる。
上記導電性粒子としては、具体的には、金、銀、白金、パラジウム、銅、錫、ニッケル、アルミニウム等の金属粒子;アクリル樹脂、メラミン樹脂等の樹脂粒子、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、ゼオライト等の無機粒子の表面に上記金属をめっきしてなる粒子;グラファイト、カーボンブラック等の導電性炭素の粒子を挙げることができる。また、上記導電性粒子は、導電性セラミックス粒子、導電性高分子粒子であってもよい。
上記導電性粒子は、上記塗膜の固化方法が上記塗膜を焼成する方法を含む場合には、上記金属粒子を好ましく用いることができる。
上記導電性粒子は1種類であってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
上記導電性粒子の形状としては、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等を挙げることができる。なお、本工程において、略球状とは、球状に近似できる略球状の他、真球も含むものである。上記導電性粒子の形状は、1種類であってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
上記導電性粒子の平均一次粒径としては、例えば、1nm〜10μmの範囲内とすることができる。
上記塗膜の固化方法が上記塗膜を焼成する方法を含む場合には、上記導電性粒子の平均一次粒径は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
なお、上記導電性粒子の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とすることができる。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
上記導電性粒子の導電性インクの固形分中の含有量としては、40質量%〜99質量%の範囲内とすることができる。
上記導電性インクは、上記導電性粒子を含むものであるが、必要に応じて、バインダ樹脂を含むことができる。
上記バインダ樹脂としては、上記導電性粒子を安定的に保持できるものであればよく、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。上記熱硬化性樹脂および上記光硬化性樹脂については、上記「2.絶縁層形成工程」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
上記バインダ樹脂は1種類であってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
上記導電性インクは、導電性粒子およびバインダ樹脂を分散または溶解する溶剤を含むものであってもよい。
上記溶剤としては、アセトン等のケトン類、エチルエーテル等のエーテル類、エチルアルコール等のアルコール類、水等を挙げることができる。
上記溶剤は1種類であってもよく、2種類以上を含むものであってもよい。
上記溶剤の含有量としては、所望の厚みの塗膜を転写法で形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記導電性インク中に、10重量%〜70重量%の範囲内とすることができる。
上記導電性インクは、必要に応じて添加剤を含むものであってもよい。上記添加剤としては、上記「2.絶縁層形成工程」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(2)転写法により塗膜を形成する方法
本工程において、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性インクの塗膜を転写法により形成する方法としては、上記絶縁層の表面に所望の厚みの塗膜を形成できる方法であればよく、例えば、支持基材および支持基材の一方の表面に、上記導電性インクを用いて形成された導電性インク膜を有する導電性インク転写基板を準備し、上記導電性インク転写基板の上記導電性インク膜をパターン状の上記絶縁層と接触させた後、導電性インク転写基板を上記絶縁層から剥離する方法を挙げることができる。
上記支持基材としては、上記導電性インク膜を安定的に支持することができるものであればよく、絶縁性を有するものであっても、導電性を有するものであってもよい。絶縁性を有する支持基材としては、具体的には、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(a)基材」の項に記載の基材と同様とすることができる。
上記導電性インク膜は、支持基材の一方の表面に形成され、上記絶縁層の表面に上記導電性インクの塗膜を形成可能なものである。
上記導電性インク膜を構成する導電性インクは上記「(1)導電性インク」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記導電性インク膜の厚みについては、上記絶縁層の表面に形成される塗膜の厚みに応じて適宜設定されるものである。
上記導電性インク膜の形成方法としては、上記支持基材の全面に上記導電性インクを塗布する方法を用いることができる。上記塗布方法としては、例えば、ダイコート法、ロールコート法等を挙げることができる。
上記導電性インク転写基板の上記導電性インク膜を上記絶縁層と接触させる際の圧力、接触時間、接触する上記導電性インク膜の温度等については、絶縁層の表面に転写される導電性インクの塗膜の厚み等に応じて適宜設定されるものである。
本工程により絶縁層の表面に形成される塗膜の厚みについては、第2電極層の厚みに応じて適宜設定されるものである。
(3)塗膜の固化方法
本工程における塗膜の固化方法としては、所望の導電性および強度の第2電極層を形成可能な方法であればよい。
上記固化方法は、例えば、上記塗膜に含まれる溶剤を乾燥により除去する乾燥方法、上記バインダ樹脂を硬化させるバインダ硬化方法、上記塗膜を焼成する焼成方法等を挙げることができる。
なお、上記固化方法は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記固化方法としては、例えば、上記乾燥方法により溶剤を除去した後、上記バインダ硬化方法または焼成方法を行う方法とすることができる。
上記乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥法や減圧乾燥法等の一般的な乾燥方法を用いることができる。
上記バインダ硬化方法としては、上記塗膜に含まれるバインダ樹脂の種類に応じて異なるものであるが、バインダ樹脂が光硬化性樹脂である場合には、上記塗膜に対して光照射を行う方法、上記バインダ樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、上記塗膜を加熱する方法、上記バインダ樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、上記塗膜を冷却する方法を挙げることができる。
なお、光照射方法、加熱方法および冷却方法については、一般的な光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の硬化方法と同様とすることができる。
上記焼成方法としては、上記塗膜に含まれる導電性粒子を加熱溶融させ、隣接する導電性粒子同士を一体化するように結合させることで、導電性粒子の一部または全体が連続して結合された焼結膜を形成できる方法であればよい。
上記焼成方法としては、一般的な焼成方法を用いることができ、例えば、加熱処理、光処理およびプラズマ処理等を挙げることができる。
上記焼成温度としては、導電性粒子の種類に応じて異なるものであり、銀粒子を例とすれば、100℃〜150℃の範囲内が好ましい。
焼成時間としては、導電性粒子の種類、焼成方法等に応じて適宜選択される。例えば銀粒子を加熱処理により焼成する場合、焼成時間は10分〜120分の範囲内とすることができる。また、例えば銅粒子を水素プラズマにより焼成する場合、焼成時間は1分〜10分の範囲内とすることができる。
なお、本工程においては、上記焼成により上記塗膜に含まれる有機成分を加熱により分解除去するものであってもよい。
(4)第2電極層
本工程により形成される第2電極層は、上記絶縁層の表面に配置されるものである。
上記絶縁層の表面に配置された第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されるものである。
(a)構成材料
上記第2電極層は、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を固化したものである。したがって、上記第2電極層は、上記導電性インクに由来する導電性粒子を含むものである。
また、上記第2電極層は、上記塗膜の固化方法が乾燥方法またはバインダ硬化方法を含む場合には、通常、バインダ樹脂の硬化物を含むものであり、上記導電性粒子はバインダ樹脂の硬化物中に分散された状態で含まれるものである。
上記第2電極層は、上記塗膜の固化方法が焼成方法を含む場合には、通常、上記焼結膜を含むものであり、上記焼結膜のみを含む多孔質構造であってもよい。
(b)第2電極部
本工程における第2電極部は、上記第2電極を含むものである。
上記第2電極部は、本発明における電極構造をセンサとして用いるときに、試料と接するものである。
上記第2電極は、試料中の成分との間で電気化学反応を生じる部位である。
このような第2電極の平面視形状としては、本発明の電極構造の種類および用途等に応じて異なるものであるが、例えば、櫛形形状、櫛型形状以外の形状等とすることができる。
このような第2電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
(c)その他
上記第2電極層は、上記第2電極部を少なくとも有するものであるが、必要に応じて、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部、上記第2電極部および上記第2端子部を接続する第2配線部を有するものであってもよい。
このような第2端子部および第2配線部については、一般的な配線基板に用いられるものと同様とすることができ、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(b)第1電極層」の項に記載の第1端子部および第1配線部と同様とすることができる。
本工程により形成される第2電極層の厚みとしては、所望の導電性を有する第2電極層とすることができるものであればよく、例えば、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(b)第1電極層」の項に記載の第1電極層の厚みと同様とすることができる。
なお、上記第2電極層の厚みは、具体的には、図2(d)中のgで示されるものである。
4.第1電極および第2電極の平面視形状
本発明における第1電極は、上記絶縁層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2電極は、上記絶縁層の表面に形成された上記第2電極層により形成されるものである。
上記第2電極の平面視形状は、上述のように本発明の製造方法により製造される電極構造の種類および用途等に応じて異なるものであるが、例えば、櫛形形状、櫛型形状以外の形状等とすることができる。
上記櫛形形状としては、既に説明した図1および図2に示すように、少なくとも2以上の櫛歯部と、2以上の櫛歯部を連結する連結部と、を有するものとすることができる。
本発明によれば、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状であることにより、上記第1電極および上記第2電極間の境界の長さを長いものとすることが容易である。したがって、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状であることにより、本発明の製造方法は、高感度なセンサとなる電極構造を容易に得ることができる。
上記櫛歯部の幅としては、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記幅が上述の範囲内である場合、上記第2電極層を形成するための絶縁層の形成が容易だからである。
なお、上記櫛歯部の幅は、具体的には、図1(d)中のaで示されるものである。
上記櫛歯部の長さとしては、本発明の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、500μm〜10000μmの範囲内とすることができる。
上記櫛歯部の本数としては、本発明の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、1つの櫛形電極当たりに、50本〜500本の範囲内とすることができる。
隣接する上記櫛歯部間の幅としては、本発明の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、0.1μm〜20μmの範囲内とすることができる。
上記連結部の幅としては、本発明の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、0.1μm〜10000μmの範囲内とすることができる。
なお、上記櫛歯部の長さ、隣接する上記櫛歯部間の幅、および上記連結部の幅は、具体的には、図1(d)中のb、c、dで示されるものである。また、既に説明した図1(d)では、1つの櫛形電極当たりの櫛歯部の本数が4本である例を示すものである。
上記櫛型形状以外の形状としては、例えば、図3および図4に示すように、渦巻形状および同心円形状等を挙げることができる。
図4は、同心円形状の同心円電極として、直径の異なる複数の円形状の電極26aを有し、円形状の電極26a同士が接続配線部26bによって接続される例を示すものである。
また、図4は、円形状の電極26aに切欠き部26cが形成される例を示すものである。
なお、図3および図4中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、上記第2電極の平面視形状が渦巻形状または同心円形状であることにより、上記第1電極および上記第2電極間の境界の長さを長いものとすることが容易である。したがって、上記第2電極の平面視形状が渦巻形状または同心円形状であることにより、本発明の製造方法は、高感度なセンサとなる電極構造を容易に得ることができる。
上記渦巻電極および上記同心円電極に含まれる円形状の電極の幅については、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記櫛歯部の幅と同様とすることができる。
なお、上記渦巻電極および上記同心円電極の幅は、具体的には、図3および図4中のhで示されるものである。
幅方向に隣接する上記渦巻電極間の幅および幅方向に隣接する円形状の電極間の幅については、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、隣接する上記櫛歯部間の幅と同様とすることができる。
また、上記幅方向に隣接する上記渦巻電極間の幅および幅方向に隣接する円形状の電極間の幅は、具体的には、図3および図4中のiで示されるものである。
上記第1電極は、平面視上、上記第2電極と隣接して設けられるものである。したがって、第1電極は、第1電極および第2電極間の境界を有するように形成されるものである。
このような第1電極の平面視形状は、本発明における電極構造を高感度なセンサとして使用可能とする観点から、平面視上、第1電極および第2電極間の境界の長さが長くなる形状であることが好ましく、なかでも、第1電極が平面視上第2電極をその内部に含む形状であることが好ましい。第1電極および第2電極間の境界の長さを長いものとすることができるからである。
なお、既に説明した図1(d)は、第1電極11aが平面視上第2電極21aをその内部に含む形状である例を示すものである。
上記第1電極は、上記絶縁層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第1電極が、平面視上第2電極をその内部に含む形状である場合、上記第1電極の平面視形状は、上記第2電極の平面視形状とは反転形状の平面視形状を含むものとすることができる。
例えば、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状である場合には、既に説明した図1(d)に示すように、上記第1電極の平面視形状は、連結部からの櫛歯部の形成方向が上記第2電極における連結部からの櫛歯部の形成方向と逆方向である櫛形形状を含む形状とすることができる。
上記第2電極の平面視形状が渦巻形状である場合には、既に説明した図3に示すように、上記第1電極の平面視形状は、渦巻の方向が逆回転方向の渦巻形状を含む形状とすることができる。
上記第2電極の平面視形状が同心円形状である場合には、既に説明した図4に示すように、上記第1電極の平面視形状は、第2電極に含まれる円形状の電極間に配置される円形状の電極を含む形状とすることができる。
5.その他の工程
本発明の電極構造の製造方法は、準備工程、絶縁層形成工程および転写工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであってもよい。
上記その他の工程としては、通常、後述する「C.電極構造」の項に記載の保護絶縁層を形成する保護絶縁層形成工程等を含むものである。
上記その他の工程としては、上記絶縁層形成工程および上記転写工程の間に、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、接着層を転写法により形成する接着層転写工程を有することが好ましい。上記接着層転写工程を有することにより、上記転写工程は、上記塗膜をより安定的に上記絶縁層の表面に転写できるからである。
上記接着層転写工程において、上記接着層を転写法により形成する方法としては、上記「3.転写工程」の「(1)第1実施態様」の項に記載の転写法により塗膜を形成する方法と同様とすることができる。また、上記形成方法は、上記接着層に含まれる接着成分に合わせて、上記接着層を加熱する加熱処理、上記接着層を上記絶縁層の表面に所定の圧力で押し付ける加圧処理を行うものであってもよい。
上記接着層転写工程により転写される接着層としては、上記絶縁層および上記塗膜の間の密着性を向上できるものであればよい。
このような接着層に含まれる接着成分としては、絶縁層および導電性インクの塗膜との接着に一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、圧力を付与することで接着効果を発揮する感圧接着剤、加熱されると溶融または軟化して接着効果を発揮する感熱接着剤等を挙げることができる。
上記感圧接着剤としては、上記塗膜を上記絶縁層に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン系樹脂等を挙げることができる。
上記感熱接着剤としては、上記塗膜を上記絶縁層に安定的に貼付することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。
上記接着層は、上記接着成分以外に必要に応じて他の成分を含むものであってもよい。
上記接着層の厚みとしては、所望の接着性を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、本発明の電極構造の用途および種類等に応じて適宜設定されるものである。
6.用途
本発明の製造方法により製造される電極構造の用途としては、様々な測定に使用される電気化学センサの電極として用いることができ、具体的には、誘電分析、湿度センサ等の用途の電極;においセンサ、NOセンサ等のガスセンサ用途の電極;グルコースセンサ、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサ、エンドトキシンセンサ、免疫センサ等のバイオセンサ用途の電極等を挙げることができる。
例えば、上記電極構造をエンドトキシンセンサの電極として使用する方法としては、上記第1電極および第2電極をそれぞれ第1作用極および第2作用極として使用し、別途用意した参照電極および対極と共に、エンドトキシンの濃度を測定する方法を挙げることができる。
また、上記電極構造を用いた電気化学センサにより測定される試料としては、例えば血液、唾液、汗、尿等の生体試料や、環境検査の対象物、食品、化粧品、廃液、樹脂等を挙げることができる。
なお、上記試料については、液体試料に限定されず、気体試料も含むことができる。
本発明においては、上記第1電極および上記第2電極をそれぞれ電気化学センサの第1作用極および第2作用極として用い、第1作用極および第2作用極において、酸化還元物質の酸化および還元を高頻度で繰り返すことで検出される電流値の増幅を図ることが可能となるとの観点からは、上記試料が、液体試料であることが好ましい。
B.電気化学センサの製造方法
次に、本発明の電気化学センサの製造方法について説明する。
本発明の電気化学センサの製造方法は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、を有し、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このような本発明の電気化学センサの製造方法について図を参照して説明する。図5は、本発明の電気化学センサの製造方法の一例を示す工程図であり、図6は図5のB−B線断面図である。
図5および図6に例示するように、本発明の電気化学センサの製造方法は、絶縁性を有する基材1、上記基材1の一方の表面に形成された第1電極層2と、を有する電極層付基板を準備し(図5(a)および図6(a))、上記電極層付基板の上記第1電極層2の表面に、パターン状の絶縁層3を形成し(図5(b)および図6(b))、支持基材20および支持基材20の一方の表面に、上記導電性インクを用いて形成された導電性インク膜4aを有する導電性インク転写基板を準備し、上記導電性インク転写基板の上記導電性インク膜4aをパターン状の上記絶縁層3と接触させた後、導電性インク転写基板を上記絶縁層3から所定の剥離力P2で剥離することにより、上記絶縁層3の上記第1電極層2とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜4bを転写法により形成し(図5(c)および図6(c))、上記塗膜を固化させることにより第2電極層4を形成することで、上記絶縁層3から露出した上記第1電極層2により、第1作用極31a、参照電極31bおよび対極31cを含む第1電極部11と、上記第1電極部11に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部13と、が形成され、上記絶縁層3の表面に配置された上記第2電極層4により、第2作用極41aを含む第2電極部21と、上記第2電極部21に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部23と、が形成された電気化学センサ30を得るものである(図5(d)および図6(d))。
なお、図5(a)および図6(a)が準備工程であり、図5(b)および図6(b)が絶縁層形成工程であり、図5(c)〜(d)および図6(c)〜(d)が転写工程である。
また、図5および図6中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、絶縁層形成工程および転写工程を用いて、パターン状の第2電極層を形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。その結果、本発明の製造方法は、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能な電気化学センサを容易に得ることができる。
また、上記転写工程は、導電性粒子を含有する導電性インクの塗膜を固化させることにより第2電極層を形成するものであり、導電性粒子を含有する第2電極層を形成する。このため、本発明の製造方法は、高感度なセンサとなる電気化学センサを得ることができる。
本発明の電気化学センサの製造方法は、準備工程、絶縁層形成工程および転写工程を有するものである。
以下、本発明の電気化学センサの製造方法の各工程について詳細に説明する。
なお、絶縁層形成工程については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する工程である。
なお、本工程に用いられる基材および電極層付基板の準備方法については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程により形成される第1電極層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
また、上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成されるものである。
なお、上記第1電極層の構成材料、第1電極層の厚み、第1端子部、第1端子部および第1電極部を接続する第1配線部等については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)第1作用極
本工程における第1作用極は、上記第2作用極と共に用いられるものである。第1作用極および第2作用極は、それぞれ酸化還元物質の還元体を酸化するための電極と、酸化還元物質の酸化体を還元するための電極として用いられる。
そして、第1作用極および第2作用極が近接配置されることで、酸化還元物質の酸化および還元を高頻度で繰り返すことができ、検出される電流値の増幅を図ることができるものである。
このような第1作用極については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の第1電極と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)参照電極および対極
本工程における参照電極は、第1作用極および第2作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。
また、対極は、第1作用極および第2作用極における電気化学反応が,電気的中性の原理の影響のために滞ることを防ぐために用いられる電極である。
なお、参照電極および対極は、両電極の機能を有する1つの電極である共通電極であってもよい。また、共通電極の測定装置との接続方法としては、上記共通電極を測定装置の参照電極用端子および対極用端子の両方と接続する方法を用いることができる。
上記参照電極および上記対極の平面視形状としては、電気化学センサに一般的に用いられるものと同様とすることができる。
本工程における電極部に含まれる第1作用極および第2作用極のそれぞれと、参照電極および対極のそれぞれとの間の距離は、ショートを起こさない距離であればよい。このような各電極間の距離は、本発明の製造方法により製造される電気化学センサの大きさに応じて適宜設定することができる。
2.転写工程
本発明における転写工程は、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する工程である。
本工程により形成される第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されるものである。
上記第2作用極については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の第2電極と同様とすることができる。
また、上記第2電極層を形成する方法および上記形成方法により形成される第2電極層については、上記「A.電極構造の製造方法」の「3.転写工程」の項に記載の内容と同様とすることができる。
3.第1作用極および第2作用極の平面視形状
本発明における第1作用極は、上記絶縁層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2作用極は、上記絶縁層の表面に形成された上記第2電極層により、形成されるものである。
このような第1作用極および第2作用極の平面視形状については、上記「A.電極構造の製造方法」の「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.その他の工程
本発明の電気化学センサの製造方法は、準備工程、絶縁層形成工程および転写工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであってもよい。
上記その他の工程としては、例えば、後述する「D.電気化学センサ」の項に記載の、保護絶縁層、スペーサ、カバー層、および反応部を形成する工程を有するものとすることができる。
上記その他の工程としては、上記絶縁層形成工程および上記転写工程の間に、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、接着層を転写法により形成する接着層転写工程を有することが好ましい。なお、上記接着層転写工程については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
5.用途
本発明の製造方法により製造される電気化学センサの用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の用途と同様とすることができる。
C.電極構造
次に、本発明の電極構造について説明する。
本発明の電極構造は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とするものである。
このような電極構造については、例えば、既に説明した図1(d)および図2(d)に記載のものを挙げることができる。
本発明によれば、上記第2電極層が導電性粒子を含有するものであることにより、上記第2電極層は上記導電性粒子に起因する凹凸構造を有し、表面積の広いものとなる。その結果、上記電極構造は、試料と上記第2電極層に含まれる第2電極との接触面積が広く、高感度なセンサとなる。
また、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電極構造は、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させる転写工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電極構造は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
さらに本発明の電極構造は、上記第1電極および第2電極を近接配置することが可能であり、高感度なセンサとして使用可能となる。
本発明の電極構造は、基材、第1電極層、および第2電極積層体を有するものである。
なお、本発明の電極構造における基材、第1電極層、第1電極および第2電極の平面視形状については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.第2電極積層体
本発明における第2電極積層体は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有するものである。
また、上記第2電極積層体は、パターン状であるものである。
ここで、第2電極積層体がパターン状であるとは、上記絶縁層がパターン状に形成さ、かつ、所望のパターン形状の第2電極層が形成されていることをいうものであり、例えば、上記絶縁層が、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されているものとすることができる。
なお、絶縁層および第2電極層のパターン形状の関係については、上記「A.電極構造の製造方法」の「2.絶縁層形成工程」の「(3)絶縁層のパターン形状」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記導電性粒子は、上記第2電極層が所望の導電性を有するように含有されるものであればよく、通常、隣接する導電性粒子同士が接触するように第2電極層に含有されるものである。
なお、隣接する導電性粒子同士が接触するとは、別個の導電性粒子が接触しており、導電性粒子間に界面がある場合に限定されず、焼成することにより導電性粒子同士が焼結し、隣接する導電性粒子が一体化している場合も含むものである。
上記第2電極層の電気抵抗率(Ω・cm)は、20μΩ・cm以下とすることができ、なかでも、2μΩ・cm〜10μΩ・cmの範囲内であることが好ましい。
このような第2電極積層体を構成する絶縁層および第2電極層については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記第2電極積層体は、絶縁層および第2電極層を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
上記その他の構成としては、上記絶縁層および上記第2電極層の間に配置された接着層を有することが好ましい。上記電極構造は、上記絶縁層および上記第2電極層の密着性に優れたものとなるからである。
上記接着層については、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.その他の構成
本発明の電極構造は、基材、第1電極層、および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
上記その他の構成としては、上記第1配線部および第2配線部(以下、両者をまとめて配線部と称する場合がある。)を覆う保護絶縁層等を挙げることができる。
本発明における保護絶縁層は、少なくとも上記配線部の表面を覆うものである。
具体的には、上記保護絶縁層は、配線部の表面を覆うことにより、配線部の腐食を防ぐとともに、ショートを防ぐものである。
保護絶縁層の材料としては、一般的に絶縁層の材料として用いられる光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。上記光硬化性樹脂および上記熱硬化性樹脂としては、具体的には、上記「A.電極構造の製造方法」の「2.絶縁層形成工程」の「(1)絶縁層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
保護絶縁層の膜厚としては、配線部を絶縁できる程度の膜厚であればよく、例えば3μm以上50μm以下の範囲内とすることができる。
保護絶縁層の形成位置としては、少なくとも配線部の表面であるが、第1電極部および第2電極部(以下、両者をまとめて電極部と称する場合がある。)と第1端子部および第2端子部(以下、両者をまとめて端子部と称する場合がある。)とを覆わなければよく、例えば、上記電極部および端子部を除いた配線部の表面を含む基材上に形成してもよい。
保護絶縁層の形成方法としては、所定のパターン形状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、保護絶縁層の材料等に応じて適宜選択される。上記形成方法としては、具体的には、上記「A.電極構造の製造方法」の「2.絶縁層形成工程」の「(2)絶縁層の形成方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
3.用途
本発明の電極構造の用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
D.電気化学センサ
次に、本発明の電気化学センサについて説明する。
本発明の電気化学センサは、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このような電気化学センサについては、例えば、既に説明した図5(d)および図6(d)に記載のものを挙げることができる。
本発明によれば、上記第2電極層が導電性粒子を含有するものであることにより、上記第2電極層は上記導電性粒子に起因する凹凸構造を有し、表面積の広いものとなる。その結果、上記電気化学センサは、試料と上記第2電極層に含まれる第2電極との接触面積が広く、高感度なセンサとなる。
また、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電気化学センサは、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、上記塗膜を固化させる転写工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電気化学センサは、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本発明の電気化学センサは、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能なものとなる。
本発明の電気化学センサは、基材、第1電極層および第2電極積層体を有するものである。
なお、本発明の電気化学センサの基材、第1電極層、第1作用極および第2作用極の平面視形状等については、上記「B.電気化学センサの製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.第2電極積層体
本発明における第2電極積層体は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有するものである。
また、上記第2電極積層体は、パターン状であるものである。
このような第2電極積層体を構成する絶縁層および第2電極層については、上記「B.電気化学センサの製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記第2電極層の電気抵抗率、第2電極積層体のパターン形状、およびその他の構成等については、上記「C.電極構造」の「1.第2電極積層体」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.その他の構成
本発明の電気化学センサは、基材、第1電極層および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
このようなその他の構成としては、上記配線部の上記基材とは反対側を覆う絶縁層、上記第2電極層の上記基材とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と、上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なる試料供給路を有するスペーサ、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置され、酵素を含む反応部、上記スペーサの上記基材とは反対側に、上記スペーサの試料供給路を覆うように形成されるカバー層等を挙げることができる。
図7は、本発明の電気化学センサの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図7(a)および(b)が概略平面図であり、図7(c)は、図7(a)および(b)のC−C線断面図である。
図7に例示するように、本発明の電気化学センサ30は、上記第1配線部12および上記第2配線部22の上記基材1とは反対側を覆う保護絶縁層51と、上記第2電極層4の上記基材1とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部11に含まれる第1作用極31a、参照電極31bおよび対極31cと上記第2電極部21に含まれる第2作用極41aとの4つの電極と平面視上重なる試料供給路52aを有するスペーサ52と、上記試料供給路52a内に配置され、酵素を含む反応部53と、上記スペーサ52の試料供給路52aを覆うように形成されるカバー層54と、を有するものである。
なお、図7(a)では、説明の容易のため、スペーサ、カバー層および反応部の記載を省略するものであり、図7(b)では、説明の容易のため、カバー層の記載を省略するものである。
また、図7中の符号については、図5および図6のものと同一のものである。
(1)保護絶縁層
本発明における保護絶縁層は、少なくとも上記配線部の表面を覆うものである。
保護絶縁層の形成位置としては、少なくとも配線部の表面であるが、電極部および端子部を覆わなければよく、例えば、上記電極部および端子部を除いた配線部の表面を含む基材上に形成してもよい。
保護絶縁層の材料、膜厚および形成方法については、上記「C.電極構造」の項に記載の保護絶縁層の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)スペーサ
本発明に用いられるスペーサは、上記第2電極層の上記基材とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なる試料供給路を有するものである。
具体的には、スペーサは、本発明の電気化学センサにおいて、基材とカバー層との間に間隙を設け、外部から電気化学センサへ試料供給を行うための流路を設けるものである。
また、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なるとは、上記試料供給路を平面視した際に、上記第1作用極、第2作用極、参照電極および対極の4つの電極のそれぞれの一部が少なくとも上記試料供給路として用いられる同一開口内に配置されることをいうものである。
スペーサの材料としては、所定の厚みを有するスペーサを形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価にスペーサを形成することができる。また、スペーサとして樹脂基材を用いることもでき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂基材を用いることが可能である。
スペーサの厚さは、試料供給路の高さとなることから、15μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。
スペーサには、少なくとも1つの試料供給路が形成されている。試料供給路は、外部から供給される試料を作用極に導く部位である。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内とすることができる。
また、試料供給路の平面視形状については、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極との4つの電極を所望の面積で露出することが可能な形状であれば、特に限定されるものではない。上記平面視形状は、例えば、既に説明した図7に例示するように、第1作用極、第2作用極、参照電極および対極の4つの電極のそれぞれの一部を横断する帯形状とすることができる。
スペーサの形成方法としては、所定のパターン状にスペーサを形成することができる方法であればよく、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、スペーサの材料が光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂である場合には、上記「A.電極構造の製造方法」の「2.絶縁層形成工程」の「(2)絶縁層の形成方法」に記載の内容と同様とすることができる。
また、スペーサとして樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、接着層を介してスペーサを貼付する方法が挙げられる。
(3)カバー層
本発明におけるカバー層は、上記スペーサの上記基材とは反対側に、上記スペーサの試料供給路を覆うように形成されるものである。
具体的には、上記カバー層は、本発明の電気化学センサにおける蓋材として機能するものである。
カバー層には、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。カバー層は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、上記カバー層は、電気絶縁性および弾性を有することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
カバー層は透明であってもよく不透明であってもよいが、中でも透明であることが好ましい。透明カバー層の場合には、電気化学センサの使用時に試料の導入を目視することができる。
カバー層の形状としては、上記第1電極層および上記第2電極層が形成された基材に応じて適宜選択されるものである。例えば、カバー層は、端子部が露出するように切欠部を有していてもよい。
カバー層の配置位置としては、スペーサ上の少なくとも試料供給路を覆う位置であればよく、端子部以外の領域にカバー層が設けられていてもよく、基材全面にカバー層が設けられていてもよい。
カバー層の配置方法としては、カバー層の構成等に応じて適宜選択される。例えば、接着層を介してカバー層とスペーサまたは基材とを貼付することができる。
(4)反応部
本発明における反応部は、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置され、酵素を含むものである。
上記反応部は、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する部分である。
本発明の電気化学センサを、グルコース濃度を測定するグルコースセンサとして用いる場合には、上記酵素としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。
本発明の電気化学センサを、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサに用いる場合には、上記酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
上記反応部は、これらの酵素と共に、酸化還元物質として、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を含むものであってもよい。
本発明の電気化学センサを、エンドトキシン濃度を測定するエンドトキシンセンサとして用いる場合には、上記酵素として、少なくともC因子を含むものを用いることができ、なかでも、さらにB因子および凝固酵素前駆体を含むものを好ましく用いることができる。
上記反応部は、上記酵素と共に、酸化還元物質が結合したペプチド化合物を含むものとすることができる。
また、上記酸化還元物質としては、pMA等を含む下記一般式(1)で示す化合物、色素、パラアミノフェノール(pAP)等を挙げることができる。
上記色素としては、具体的には、例えば、2、4−ジニトロアニリン(DNP)、p−ニトロアニリン(pNA)、7−メトキシクマリン−4−酢酸(MCA)、Dansyl色素等を挙げることができる。
(式(1)中、Rは、−O−C2n+1または−S−C2n+1であり、nは1から4までの整数である。)
本発明においては、上記一般式(1)で示した化合物がpMAであることが好ましい。上記一般式(1)で示した化合物のアルキル鎖が短い程、水溶性が高くなり、かつ、活性化したC因子または上記活性型凝固酵素が、上記ペプチド化合物に含まれるオリゴペプチドのペプチド配列を認識しやすくなる。このため、酸化還元物質としてオリゴペプチドに結合している上記一般式(1)で示す化合物がpMAであることにより、上記ペプチド化合物は、上記活性化したC因子等との反応性が高まるからである。
本発明においては、上記酸化還元物質が、pMAまたはpAPであることが好ましい。ペプチド化合物から遊離したpMAおよびpAPと、ペプチド化合物に結合したpMAおよびpAPとは、酸化還元電位が異なっており、その差が比較的大きい。このため、ペプチド化合物から遊離したpMAまたはpAPの濃度が極微量であっても、エンドトキシンの濃度を高い精度で検出することができるからである。
上記酸化還元物質が結合したペプチド化合物としては、酸化還元物資と、酸化還元物質が結合しているオリゴペプチドと、を有するものであればよく、オリゴペプチドの一端に酸化還元物質が結合し、他端にペプチドの保護基が結合したものを用いることができる。
上記オリゴペプチドとしては、C因子または凝固酵素前駆体の作用によって酸化還元物質を遊離することができるものであれば特に限定されるものではない。凝固酵素前駆体の作用によって上記酸化還元物質を遊離可能なオリゴペプチドとしては、例えば、Leu−Gly−Arg、Thr−Gly−Arg等のトリペプチド等を挙げることができる。
上記反応部の配置箇所は、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置されるものである。
本発明においては、なかでも、上記配置箇所が、上記第1電極部と平面視上重なる箇所であることが好ましく、上記第1電極部と接する箇所であることが好ましい。上記形成箇所は、上記反応部と試料との混合、測定が容易だからである。
反応部の形成方法としては、所望の位置に反応部を配置できる方法であれば特に限定されない。例えば、試料供給路において露出される上記電極部上に上記酵素を含む溶液を塗布した後、乾燥させ溶媒成分を除去して形成することができる。
酵素を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
3.用途
本発明の電気化学センサの用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
以下の手順により電極構造を作製した。
(1)準備工程
PET基材(東レ社製、ルミラー350H10)上に、スパッタリング法により50nm厚の金のスパッタ膜(第1電極層形成膜)を形成した。
次いで、ポジ型レジストを第1電極層のパターン形状と同一形状のパターン状に形成した。
次いで、ポジ型レジストから露出する第1電極層形成膜をAURUM−302を用いてエッチングした。
これにより、既に説明した図1(a)に示すような第1電極層がPET基材上に形成された電極層付基板を得た。
(2)絶縁層形成工程
上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、光硬化性の絶縁層形成用材料(日本化薬株式会社製 SU−8 3005)を塗布し、5μm厚の絶縁層形成膜を形成した。
次いで、絶縁層形成膜の表面上に第2電極層のパターン形状と同一形状のパターン状にレジストを形成した後、電極層付基板を3000rpmで回転させながら、20秒間プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PEGMEA)を電極層付基板に滴下させることで、絶縁層形成膜をエッチングした。
これにより、図1(b)に示すような第2電極層のパターン形状と同一形状の絶縁層が形成された電極層付基板を得た。
(3)転写工程
上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に、金ナノコロイドインク(日本板硝子株式会社製)を、ナノインプリント技術を用いて転写した(図1(c))。
次いで、120℃で焼成することで、50nm厚の金からなる第2電極層を形成した。
これにより、図1(d)に示すような上記絶縁層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記絶縁層の表面に配置された上記第2電極層により、櫛形形状の第2電極を含む第2電極部が形成された電極構造を得た。
なお、櫛形形状の第2電極の櫛歯部の幅aは10μmとし、櫛歯部の長さbは1mmとし、隣接する櫛歯部間の幅cは10μmとし、連結部の幅dは5mmとした。また、櫛歯部の本数は125本とし、隣接する櫛歯部間の数は124箇所とした。
[評価1]
p−アミノフェノール(pAP)を純水中に溶解して、1mMのpAP水溶液を得た。
この1mMpAP水溶液を、実施例1で得られた電極構造に対して、第1電極および第2電極の全てを覆うように滴下して、第1電極のみに電位(0V→0.6V→−0.2V→0V)を走査して測定されるシングルモードサイクリックボルタンメトリー特性および第2電極に還元電位を固定して印加し、第1電極に電位を走査(0V→0.6V→−0.2V→0V)したときの2つの電極に流れる電流を、それぞれ酸化電流を正として同時に示すデュアルモードサイクリックボルタンメトリー特性を測定した。結果を図8(a)および(b)に示す。
その結果、デュアルモードでは、シングルモードと比較した増幅度(図8(b)中のA2/図8(a)中のA1))が8倍となり、捕捉率(図8(b)中のB1/A2×100(%))は88%であった。
なお、図8中のA1およびA2は、酸化電流を示し、B1は、還元電流を示すものである。
[評価2]
実施例1で得られた電極構造に試薬を固定化し、p−アミノフェノール(pAP)を純水中に溶解して、1mMのpAP水溶液を得た後、この1mMpAP水溶液を電極に滴下後、第2電極に還元電位を固定し、第1電極に一定振幅を持つステップ電位を印加して、ステップ電位に対応する出力電流を測定することにより、クロノアンペロメトリー特性を測定した。
(試薬の形成)
凍結乾燥状態のライセート試薬が入った試験管へ、10mM LGR−pAP20μL、緩衝液180μLを添加して撹拌して試薬溶液を得た。
次いで、上記試薬溶液のうち50μLを、実施例1の電極構造に対して、第1電極および第2電極の全てを覆うように滴下した後、凍結乾燥を行い、水を除去した。これにより、電極構造の第1電極および第2電極上に試薬を固定化した。
なお、凍結乾燥は最低3時間実施した。凍結乾燥条件は、−30℃以下、30Pa以下とした。具体的には、−44℃、12Paとした。
また、ペプチド化合物であるLGR−pAPは、Boc−Leu−Gly−Arg−pAPを用い、大塚製薬社製の注射用水に溶解し、10mMのストック溶液として−20℃で保管していたものを使用した。
ライセート試薬としては、ライセート試薬が凍結乾燥状態で1テスト分ずつ専用の試験管に封入されている、生化学工業社製のエンドスペシーES24Sを用いた。
(クロノアンペロメトリー特性評価)
試薬が固定化された電極構造に対して、エンドトキシン濃度が1EU/Lのエンドトキシン標準溶液50μLを第1電極および第2電極を覆うように滴下し、37℃で60分間反応を行った。この滴下された標準溶液中に、BAS社製Ag/AgCl標準電極および白金対極を差し込み、エンドトキシン標準溶液投入直後および反応開始後60分のタイミングで、BAS社製ポテンショスタットにて、クロノアンペロメトリー特性を測定し、最大出力電流値を測定した。反応開始後60分のタイミングで測定した結果を図9に示す。
その結果、エンドトキシン標準溶液投入直後では、電流値は、20nAであったのに対して、反応開始後60分のタイミングでは、最大出力電流値として80nAが測定された。
なお、エンドトキシン標準品は、生化学工業社製のE.Coli O113:H10株由来USP Reference Standard Endotoxinを用いた。標準エンドトキシン溶液は、生化学工業社製のエンドスペシーES24Sに添付されているエンドトキシンフリー水を用いて調製し、使用の直前に30分間ボルテックスミキサーで激しく攪拌したものを使用した。
1 … 基材
2 … 第1電極層
3 … 絶縁層
4a … 導電性インク膜
4b … 塗膜
4 … 第2電極層
10 … 電極構造
11 … 第1電極部
11a … 第1電極
12 … 第1配線部
13 … 第1端子部
20 … 支持基材
21 … 第2電極部
21a … 第2電極
22 … 第2配線部
23 … 第2端子部
30 … 電気化学センサ
31a … 第1作用極
31b … 参照電極
31c … 対極
41a … 第2作用極
51 … 保護絶縁層
52 … スペーサ
53 … 反応部
54 … カバー層

Claims (7)

  1. 絶縁性を有する基材と、前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、
    前記電極層付基板の前記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層の前記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、前記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、
    を有し、
    前記絶縁層から露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、
    前記絶縁層の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法。
  2. 前記絶縁層の厚みが、前記第2電極層の厚みより厚いことを特徴とする請求項1に記載の電極構造の製造方法。
  3. 前記絶縁層の厚みが、0.2μm〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極構造の製造方法。
  4. 絶縁性を有する基材と、前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、
    前記電極層付基板の前記第1電極層の表面に、パターン状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層の前記第1電極層とは反対側の表面に、導電性粒子を含む導電性インクの塗膜を転写法により形成し、次いで、前記塗膜を固化させることにより第2電極層を形成する転写工程と、
    を有し、
    前記絶縁層から露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、
    前記絶縁層の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とする電気化学センサの製造方法。
  5. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および前記絶縁層の前記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、
    前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造。
  6. 前記第2電極積層体が、前記絶縁層および前記第2電極層の間に配置された接着層を有することを特徴とする請求項5に記載の電極構造。
  7. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層および前記絶縁層の前記第1電極層とは反対側の表面に形成され、導電性粒子を含有する第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、
    前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とする電気化学センサ。
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