JP6514991B2 - 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極 - Google Patents

電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極 Download PDF

Info

Publication number
JP6514991B2
JP6514991B2 JP2015159963A JP2015159963A JP6514991B2 JP 6514991 B2 JP6514991 B2 JP 6514991B2 JP 2015159963 A JP2015159963 A JP 2015159963A JP 2015159963 A JP2015159963 A JP 2015159963A JP 6514991 B2 JP6514991 B2 JP 6514991B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
layer
underlayer
plating
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015159963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017037045A (ja
Inventor
拓也 樋口
樋口  拓也
末永 智一
智一 末永
久美 井上
久美 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2015159963A priority Critical patent/JP6514991B2/ja
Publication of JP2017037045A publication Critical patent/JP2017037045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6514991B2 publication Critical patent/JP6514991B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)

Description

本発明は、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法に関するものである。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。
酵素をセンシング素子に用いる電気化学バイオセンサでは、一般に、電極として作用極および対極を含む電極系と、酵素および電子伝達体(メディエータ)を含む反応部とを基本構成として備えている。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
例えば、グルコースセンサにおいては、当該反応部において、酵素が血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子伝達体を還元して還元体を生じる。この還元体が電極系に伝達され、一定の電圧が印加されることにより還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。
このとき発生する電流の大きさは、血液中のグルコース濃度に依存することから、バイオセンサと接続する測定装置において測定された電流値から、血液中のグルコースを定量化することができる。
グルコースセンサ等に代表されるバイオセンサに用いられる電極の形成方法としては、特許文献1に記載されるように、金属蒸着膜を形成した後、フォトリソグラフィ法等により、電極以外の金属蒸着膜を除去する方法が用いられる。
なお、このような電極構造は、バイオセンサのみならず、SAWフィルタ、ガスセンサ、pHセンサ等の様々な測定用センサに用いられている。
特開2010−229135号公報
しかしながら、金属蒸着膜をパターニングするためには、まず、金属蒸着膜上にパターン状のレジストを形成し、このレジストをマスクとしてエッチングする工程が必要になり、工程が煩雑となる。
また、金属蒸着膜のエッチングによるパターニングでは、高精細なパターン形状を形成しにくいといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法を提供する。
また、本発明は、絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、上記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いて、第2電極層を無電解めっき法により形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本発明においては、上記絶縁層の厚みが、上記第2電極層の厚みより厚いことが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記絶縁層は、第1電極層および第2電極層の短絡を安定的に抑制できるからである。
本発明においては、上記絶縁層の厚みが、0.2μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極構造は、出力電流が大きく高感度なセンサとして使用可能なものとなるからである。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極の製造方法を提供する。
本発明は、絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、上記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いて、第2電極層を無電解めっき法により形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造を提供する。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、上記第2電極積層体が形成されていない領域の上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造を提供する。
本発明によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電極構造は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。
したがって、上記電極構造は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極を提供する。
本発明は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、上記第2電極積層体が形成されていない領域の上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極を提供する。
本発明によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記センサ電極は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。
したがって、上記センサ電極は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本発明は、高精細なパターン形状の電極を容易に形成可能な電極構造の製造方法を提供できるといった効果を奏する。
本発明の電極構造の製造方法の一例を示す工程図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明におけるパターン下地層形成工程の一例を示す工程図である。 本発明におけるパターン下地層形成工程の他の例を示す工程図である。 本発明における第1電極層および第2電極層を説明する説明図である。 本発明における第1電極層および第2電極層を説明する説明図である。 本発明における第1電極層および第2電極層を説明する説明図である。 本発明の電極構造の製造方法の他の例を示す工程図である。 図8のB−B線断面図である。 本発明のセンサ電極の製造方法の一例を示す工程図である。 図10のC−C線断面図である。 本発明のセンサ電極の製造方法の他の例を示す工程図である。 図12のD−D線断面図である。 本発明のセンサ電極の一例を示す概略平面図および概略断面図である。
本発明は、電極構造の製造方法およびセンサ電極の製造方法ならびにこれらの製造方法により製造可能な電極構造およびセンサ電極に関するものである。
以下、本発明の電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極について詳細に説明する。
A.電極構造の製造方法
まず、本発明の電極構造の製造方法について説明する。
本発明の電極構造の製造方法は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成される電極構造の製造方法であって、第1電極層を形成した後、第2電極層を形成する態様(第1実施態様)と、第1電極層および第2電極層を同時に形成する態様(第2実施態様)と、に大別することができる。
以下、本発明の電極構造の製造方法について各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本発明の電極構造の製造方法の第1実施態様は、上述の電極構造の製造方法であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とするものである。
このような本態様の電極構造の製造方法について図を参照して説明する。図1は、本態様の電極構造の製造方法の一例を示す工程図であり、図2は図1のA−A線断面図である。
図1および図2に例示するように、本態様の電極構造の製造方法は、絶縁性を有する基材1と、上記基材1の一方の表面に形成された第1電極層2と、を有する電極層付基板を準備し(図1(a)および図2(a))、上記電極層付基板の上記第1電極層2の表面に、絶縁層3と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層4と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層5を形成し(図1(b)および図2(b))、上記パターン下地層5の上記第2めっき下地層4表面に、無電解めっき法により第2電極層6を形成することにより、上記パターン下地層5から露出した上記第1電極層2により、第1電極11aを含む第1電極部11が形成され、上記パターン下地層5の表面に配置された上記第2電極層6により、第2電極21aを含む第2電極部21が形成された電極構造10を得るものである(図1(c)および図2(c))。
なお、図1(a)および図2(a)が準備工程であり、図1(b)および図2(b)がパターン下地層形成工程であり、図1(c)および図2(c)が無電解めっき工程である。
図1および図2では、第1電極層2が、第1電極部11に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部13と、第1電極部11および第1端子部13を接続する第1配線部12と、を含むものである。
上記第1電極11aは、上記第2電極21aと隣接して設けられるものであり、上記第2電極21aの櫛歯部24a間の領域も含むものである。
また、図1および図2では、第2電極層6が、第2電極部21に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部23と、第2電極部21および第2端子部23を接続する第2配線部22と、を含むものである。
上記第2電極21aは、2以上の櫛歯部24aとこれらの櫛歯部24aを連結する連結部24bとを有する櫛形電極であり、絶縁層3および第2めっき下地層4を介して第1電極11a上に形成されるものである。
本発明によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いて、第2電極層を無電解めっき法により形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
また、上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料を上記めっき下地層が形成された箇所のみに付着させて第2電極層を形成することができ、貴金属材料の使用量を低減することができる。
また、第1電極および第2電極は、絶縁層と介して積層配置されるものであるため、絶縁層の厚みを薄くすることで、第1電極および第2電極を容易に近接配置できる。このような近接配置された2つの上記電極を有することにより、高感度なセンサとして使用可能な電極構造を容易に得ることができる。例えば、上記第1電極および上記第2電極をそれぞれセンサ電極の第1作用極および第2作用極として用いた場合には、上記電極構造は、検出される電流値を効率的に増幅可能なセンサ電極として使用可能となる。
本態様の電極構造の製造方法は、準備工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものである。
以下、本態様の電極構造の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.準備工程
本態様における準備工程は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する工程である。
(1)電極層付基板
本工程により形成される電極層付基板は、上記基材および上記第1電極層を有するものである。
(a)基材
本工程における基材は、絶縁性を有するものである。
また、上記基材は、上記第1電極層、上記絶縁層、上記第2めっき下地層および上記第2電極層等を支持するものである。
ここで、絶縁性を有するとは、上記基材表面に離間して設けられた2つの電極同士の短絡を防ぐことが可能なものであればよい。上記基材の体積抵抗値としては、例えば、1×1012Ω・m以上とすることができる。なお、上記体積抵抗値は、JISK9611に準じた測定方法により求めることができる。
このような基材としては、例えば、樹脂基材、紙、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。上記基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、上記基材は、弾性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN), ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等のフィルムを好適に用いることができる。
なお、基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、基材の透明性の有無は問わない。
上記基材は、上記めっき下地層の構成材料との濡れ性や密着性等を向上させることを目的として、上記基材表面に処理や修飾を施してもよい。例えば、上記処理および修飾としては、コロナ処理、UV処理、防曇処理、スルホン酸基や硫酸基を有する材料のコーティングによる修飾等を挙げることができる。
上記基材の形状、大きさ、厚さ等は、本態様の電極構造を使用する測定機器の接続部の形状等により、適宜設定することができる。
(b)第1電極層
本工程により形成される第1電極層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
また、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成されるものである。
(i)第1電極層の構成材料
本工程により形成される第1電極層の構成材料としては、所望の導電性を有する第1電極層を形成可能なものであればよく、例えば、バイオセンサ等のセンサ電極等において作用極の形成に用いられる材料を用いることができる。
このような構成材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、非腐食性を有する貴金属材料(以下、単に貴金属材料と称する場合がある。)および上記貴金属材料以外のその他の金属材料等を用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記第1電極層が上記貴金属材料を主成分として含むことが好ましい。
上記貴金属材料の上記第1電極層中の含有量としては、具体的には、90質量%以上であることが好ましく、なかでも、95質量%以上であることが好ましく、特に99質量%以上であることが好ましい。上記含有量が上述の範囲内であることにより、上記第1電極層は、耐食性および導電性に優れるものとなるからである。
本工程において、非腐食性を有するとは、試料の測定時に、試料中の水分や、測定時に生成される過酸化水素等による腐食の少ないものであることをいうものである。
このような貴金属材料としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)を挙げることができる。これらの貴金属材料は、イオン化傾向が小さく電気化学的に安定であるため、水分や過酸化水素等により腐食されにくく、また、高い導電性を有するものであることから、本工程により形成される電極層の構成材料として好適である。本工程においては、なかでも、上記貴金属材料が、パラジウムであることが好ましい。パラジウムは、耐食性および導電性に優れるからである。また、上記貴金属材料がパラジウムであることにより、第1電極層は、安定な参照電極としても使用可能となるからである。
上記その他の金属材料としては、上記貴金属材料以外のものであればよく、例えば、銅、鉄、コバルト、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル、錫等の金属、または、ステンレス鋼(SUS)等の上記金属を含む合金、酸化インジウムスズ(ITO)等の金属化合物等を用いることができる。中でも、ニッケルは、耐食性の観点から好適である。
(ii)第1電極部
上記第1電極部は、上記第1電極層の上記パターン下地層から露出した部位に形成されるものであり、第1電極を含むものである。
上記第1電極部は、本態様における電極構造をセンサとして用いるときに、試料と接するものである。
上記第1電極部に含まれる第1電極は、試料中の成分との間で電気化学反応を生じる部位である。
上記第1電極は、平面視上、上記第2電極と隣接して設けられるものである。
このような第1電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
(iii)第1電極層
上記第1電極層は、上記第1電極部を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであってもよい。
上記第1電極層は、例えば、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部、上記第1電極部および上記第1端子部を接続する第1配線部等を有するものとすることができる。
上記第1端子部が接続される測定装置については、本態様の製造方法により製造される電極構造の用途等により異なるものであるが、一般に電気化学測定に使用される装置を用いることができ、例えばポテンショスタット、電流増幅器、これらと同等の機能を持つ装置を挙げることができる。これらの装置は、例えば、上記電極構造で生じた電気信号を受信するための接続電極、演算部、電源、表示部および操作部等を備えるものを挙げることができる。
上記第1端子部および上記第1配線部の平面視形状については、一般的な配線基板に用いられるものと同様とすることができる。例えば、上記第1端子部の平面視形状としては円形状、長方形状、正方形状等の多角形状、円形状等とすることができる。
上記第1電極層の厚みは、所望の導電性を有する第1電極層を形成可能なものであれば良く、例えば0.005μm以上1μm以下の範囲内であることが好ましく、0.01μm以上0.20μm以下の範囲内であることがより好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記第1電極層は、導電性に優れたものとなるからである。
なお、上記第1電極層の厚みは、具体的には、図2(c)中のeで示されるものである。
上記第1電極層の基材に対する形成箇所は、上記基材の一方の表面の全表面を覆うように形成されるものであっても良く、上記基材の一方の表面にパターン状に形成されるものであっても良い。
(2)電極層付基板の準備方法
本工程における電極層付基板の準備方法としては、上記基材の一方の表面に上記第1電極層を形成できる方法であればよい。
ここで、基材の全表面を覆うように第1電極層を形成する方法としては、一般的な成膜方法を用いることができ、例えば、めっき、ラミネート、金属蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、金属膜を接着層を介して貼り合わせる方法等の公知の成膜方法が挙げられる。
上記第1電極層を基材の一方の表面にパターン状に形成する方法としては、上記第1電極層を所望の厚みおよびパターン形状で形成できる方法であればよく、例えば、基材の一方の表面に上記第1電極層の構成材料を用いて形成された第1電極層形成膜を製膜し、次いでパターニングする方法が挙げられる。
上記第1電極層形成膜の成膜方法としては、上述の成膜方法を用いることができる。また、上記パターニング方法としては、フォトリソグラフィ法、レーザーアブレーション等の公知の方法が挙げられる。
また、パターン状の第1電極層の形成方法としては、第1電極層の形成箇所に開口部を有するマスク層または第1電極層の形成箇所に形成され第1電極層を密着可能な密着層を形成した後、上記第1電極層の構成材料を用いて形成された第1電極層形成膜を製膜する方法も用いることができる。
上記マスク層としては、フォトレジスト、印刷層、メタルマスク、水性インク層等を挙げることができる。また、上記密着層としてはめっき下地等を挙げることができる。
また、形成箇所のパターニング後に、第1電極層形成膜を製膜する方法としては、上述の成膜方法を用いることができる。
なお、上記形成方法がマスク層等を形成した後製膜する方法である場合には、必要に応じて、マスク層と共に不要な第1電極層形成膜を除去する処理を行っても良い。
めっき下地層を形成する方法おびよめっきにより第1電極層を形成する方法については、公知の方法を用いることができ、例えば、後述する「2.パターン下地層形成工程」および「3.無電解めっき工程」の項に記載の方法を用いることができる。
2.パターン下地層形成工程
本態様におけるパターン下地層形成工程は、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成する工程である。
なお、上記電極層付基板については、上記「1.準備工程」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、パターン下地層を形成するとは、少なくとも上記第1電極層の一部を覆うようにパターン下地層が形成されることをいうものであり、平面視上第1電極層が形成されていない基材表面にもパターン下地層が形成されるものも含むものである。
(1)パターン下地層
本工程により形成されるパターン下地層は、上記絶縁層と、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたものである。
(a)絶縁層
上記絶縁層は、絶縁性を有するものである。
上記絶縁層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
ここで、絶縁性を有するとは、上記第1電極層および上記第2電極層の間の短絡を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(a)基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
このような絶縁層の構成材料としては、所望の絶縁性を有する絶縁層を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることが好ましい。上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることにより、上記第2めっき下地層の形成時に上記硬化性樹脂を含む絶縁層形成膜に対して光照射することにより絶縁層形成膜を硬化することができ、フォトリソグラフィ法によりパターン形状の絶縁層を容易に形成可能となると共に、上記基材等が熱による劣化の少ないものとなるからである。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、熱硬化型ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができる。
上記光硬化性樹脂としては、光照射により架橋等の反応により重合硬化するモノマー(単量体)、或いはプレポリマーやオリゴマーが用いられる。
上記モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、上記プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、ラジカル重合性プレポリマー、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系プレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを示すものである。
上記絶縁層の厚みとしては、上記第1電極層および上記第2電極層の間の短絡を安定的に防止できるものであれば良い。
このような絶縁層の厚みは、上記第2電極層の厚みより厚いことが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記絶縁層は、第1電極層および第2電極層の短絡を安定的に抑制できるからである。
上記絶縁層の厚みは、より具体的には、0.2μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、なかでも1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、特に、1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記電極構造は、出力電流が大きく高感度なセンサとして使用可能なものとなるからである。
(b)第2めっき下地層
本工程により形成される第2めっき下地層の構成材料は、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含むものである。
上記第2めっき下地層は、上記絶縁層の上記第1電極層と反対側の表面に形成されるものである。
(i)無電解めっき用触媒核
本工程における無電解めっき用触媒核(以下、単に触媒核と称する場合がある。)は、上記第2電極層を無電解めっき法で形成可能なものである。
上記触媒核の構成材料としては、例えば、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、プラチナ(Pt)等の貴金属材料を挙げることができる。
本工程においては、なかでも、上記構成材料がパラジウムであることが好ましい。パラジウムは、無電解めっき法による第2電極層の形成が容易だからである。
上記触媒核の上記第2めっき下地層中の含有量としては、上記第2電極層を無電解めっき法で形成可能なものであればよく、例えば、0.05質量%〜10質量%の範囲内とすることができる。
上記触媒核は、触媒担持体の表面に担持させた状態で用いられるものであっても良い。
上記触媒担持体としては、触媒機能を妨げず、担持体の表面から触媒微粒子が容易に脱落しないようなものであれば特に制限はなく、例えば、微細アルミナゲル、シリカゲル等を用いることができる。担持させる方法としては、コロイドの表面吸着を利用する方法、メカノケミカル反応を利用した方法、蒸着やスパッタリング等の物理的方法等を挙げることができる。
(ii)バインダ樹脂
本工程におけるバインダ樹脂は、上記触媒核を保持するものである。
このようなバインダ樹脂としては、上記触媒核を安定的に保持し分散可能なものであり、無電解めっき液に対する耐性があれば特に制限はないが、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性樹脂の硬化物を用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることが好ましい。上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂であることにより、上記第2めっき下地層の形成時に上記硬化性樹脂を含むめっき下地層形成膜に対して光照射することによりめっき下地層形成膜を効果することができ、フォトリソ法によりパターン形状の第2めっき下地層を容易に形成可能となると共に、上記基材等が熱による劣化の少ないものとなるからである。
なお、上記熱硬化性樹脂および上記光硬化性樹脂については、上記「(a)絶縁層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(iii)その他
本工程により形成される第2めっき下地層の厚みとしては、上記第2電極層を無電解めっき法により安定的に形成可能なものであればよく、例えば、5nm〜100nmの範囲内とすることができ、なかでも、20nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、上記第2めっき下地層は、上記第2電極層を無電解めっき法により安定的に形成可能となるからである。
(2)パターン下地層の形成方法
本工程におけるパターン下地層の形成方法は、上記積層体を所望のパターン形状に形成可能な方法であればよい。
このようなパターン下地層の形成方法としては、例えば、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、絶縁層形成膜と、第2めっき下地層形成膜と、をこの順で積層する積層工程と、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の両者を、フォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングするパターニング工程とを有する態様(第1a態様)と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、パターン形状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、第2めっき下地層形成膜を、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写する転写工程とを有する態様(第1b態様)と、を挙げることができる。
以下、上記形成方法について各態様に分けて説明する
(a)第1a態様
上記形成方法の第1a態様は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、絶縁層形成膜と、第2めっき下地層形成膜と、をこの順で積層する積層工程と、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の両者を、フォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングするパターニング工程とを有する態様である。
上記形成方法の第1a態様としては、例えば、図3に例示するように、上記基材1の一方の表面に第1電極層2が形成された電極層付基板を準備し(図3(a))、上記電極層付基板の上記第1電極層2の上記基材1とは反対側の表面に、絶縁層形成膜3aと、第2めっき下地層形成膜4aと、をこの順で積層し(図3(b))、上記絶縁層形成膜3aおよび上記第2めっき下地層形成膜4aの両者に露光光Lを照射し(図3(c))、現像することでパターン形状にパターニングすることにより、絶縁層3と第2めっき下地層4とを有する積層体がパターン形状に形成されたパターン下地層5を形成する方法を挙げることができる(図3(d))。
なお、図3(a)が上記準備工程であり、図3(b)が積層工程であり、図3(c)および(d)がパターニング工程である。
(i)積層工程
本態様における積層工程は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、絶縁層形成膜と、第2めっき下地層形成膜と、をこの順で積層する工程である。
a.絶縁層形成膜
上記絶縁層形成膜は、上記絶縁層を形成可能なものである。
上記絶縁層形成膜は、上記パターニング工程においてフォトリソグラフィ法によりパターニング可能なものである。
このような絶縁層形成膜としては、例えば、光硬化性樹脂を含むものを用いることができる。また、この場合、上記絶縁層は、上記光硬化性樹脂の硬化物を含むものとなる。
なお、上記光硬化性樹脂としては、上記「(1)パターン下地層」の「(a)絶縁層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記絶縁層形成膜を上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成する形成方法としては、一般的な成膜方法を用いることができ、上記絶縁層形成膜の構成材料を溶媒に分散または溶解させた絶縁層形成膜用組成物を上記第1電極層上に塗布する方法、フィルム状の絶縁層形成膜を形成し、上記絶縁層形成膜を上記第1電極層にラミネートする方法等を挙げることができる。上記形成方法は、必要に応じて、上記絶縁層形成膜用組成物を塗布した後に、溶媒を除去する乾燥処理を行うものであっても良い。
絶縁層形成膜用組成物を塗布する塗布方法としては、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面を覆うように絶縁層形成膜用組成物を塗布可能な方法であればよく、ダイコート法、ロールコート法等を挙げることができる。
b.第2めっき下地層形成膜
上記第2めっき下地層形成膜は、上記第2めっき下地層を形成可能なものである。
上記第2めっき下地層形成膜は、上記パターニング工程においてフォトリソグラフィ法によりパターニング可能なものである。
このような第2めっき下地層形成膜としては、上記無電解めっき用触媒核および光硬化性樹脂を含むものを用いることができる。また、この場合、上記第2めっき下地層は、上記バインダ樹脂として上記光硬化性樹脂の硬化物を含むものとなる。
なお、上記無電解めっき用触媒核および上記光硬化性樹脂としては、上記「(1)パターン下地層」の「(b)第2めっき下地層」の項に記載の内容と同様とすることができる。
また、上記第2めっき下地層形成膜は、必要に応じて、添加剤を含むものとすることができる。上記添加剤としては、上記絶縁層形成膜に用いられる添加剤と同様とすることができる。
上記第2めっき下地層形成膜の形成方法としては、一般的な成膜方法を用いることができ、上記絶縁層形成膜の形成方法と同様とすることができる。
c.積層工程
本工程における絶縁層形成膜と第2めっき下地層形成膜と、をこの順で積層する積層方法としては、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、絶縁層形成膜および第2めっき下地層形成膜がこの順で積層した積層体を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、上記第1電極層上に、上記絶縁層形成膜を形成した後、上記絶縁層形成膜の上記第1電極層とは反対側の表面に、上記第2めっき下地層形成膜を形成する方法を挙げることができる。
(ii)パターニング工程
本態様におけるパターニング工程は、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の両者を、フォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングする工程である。
本工程におけるフォトリソグラフィ法としては、露光処理および現像処理により、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の両者を、所望のパターン形状にパターニングできる方法であれば良く、一般的なフォトリソグラフィ法によるパターニング方法を用いることができる。上記フォトリソグラフィ法によるパターニング方法としては、例えば、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜を含む積層体に対してマスクを介してパターン形状に露光することで硬化し、上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の未硬化部分を現像により除去する方法を挙げることができる。
上記マスクとしては、フォトリソグラフィ法に一般的に使用されるものを用いることができ、例えば、光透過部および遮光部を有するマスクであって、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状の光透過部を有するフォトマスク等を用いることができる。
フォトリソグラフィ法による上記絶縁層形成膜および上記第2めっき下地層形成膜の露光方法および現像方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法の露光方法および現像方法を用いることができる。
(b)第1b態様
上記形成方法の第1b態様は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、パターン形状の絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、第2めっき下地層形成膜を、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写する転写工程とを有する態様である。
上記形成方法の第1b態様としては、例えば、図4に例示するように、上記基材1の一方の表面に第1電極層2が形成された電極層付基板を準備し(図4(a))、上記第1電極層2の上記基材1とは反対側の表面に、パターン形状の絶縁層3を形成し(図4(b))、支持基材31および支持基材31の一方の表面に形成され、上記第2めっき下地層の構成材料を用いて形成された第2めっき下地層形成膜4aを有するめっき下地層転写基板を準備し、上記めっき下地層転写基板の上記第2めっき下地層形成膜4aを上記絶縁層3と接触P1させることにより、上記第2めっき下地層形成膜4aを転写し(図4(c))、次いで、めっき下地層転写基板を上記絶縁層3から剥離P2することで、第2めっき下地層4を形成する方法を挙げることができる(図4(d))。
なお、図4(a)が上記準備工程であり、図4(b)が絶縁層形成工程であり、図4(c)および(d)が転写工程である。
(i)絶縁層形成工程
本態様における絶縁層形成工程は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に、パターン形状の絶縁層を形成する工程である。
本工程において、上記絶縁層を形成する方法としては、所望のパターン形状の絶縁層を精度よく形成可能な方法であれば良く、例えば、上記絶縁層が硬化性樹脂の硬化物である場合には、上記硬化性樹脂を含む絶縁層形成膜を、印刷法によりパターン形状に形成し、次いで、パターン形状の上記絶縁層形成膜を硬化させる方法、上記絶縁層が光硬化性樹脂の硬化物を含む場合には、上記光硬化性樹脂を含む絶縁層形成膜を形成し、次いで、上記絶縁層形成膜をフォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングする方法等を挙げることができる。
上記印刷法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本工程においては、上記印刷法が、グラビアオフセット印刷法であることが好ましい。グラビアオフセット印刷法は、上記絶縁層形成膜を高精細に印刷することが容易だからである。
印刷法により形成されたパターン形状の上記絶縁層形成膜の硬化方法としては、絶縁層形成膜に含まれる上記硬化性樹脂が光硬化性樹脂である場合には、光照射を行う方法を用いられ、上記硬化性樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、加熱する方法を用いることができる。また、光照射の方法および加熱する方法については、一般的な光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂の硬化方法と同様とすることができる。
なお、上記絶縁層形成膜、上記絶縁層形成膜の形成方法および上記絶縁層形成膜をフォトリソグラフィ法によりパターン形状にパターニングする方法については、上記「(a)第1a態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(ii)転写工程
本態様における転写工程は、第2めっき下地層形成膜を、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写する工程である。
本工程における第2めっき下地層形成膜を、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写する方法としては、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に所望の厚みの第2めっき下地層を形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、支持基材および支持基材の一方の表面に形成され、上記第2めっき下地層の構成材料を用いて形成された第2めっき下地層形成膜を有するめっき下地層転写基板を準備し、上記めっき下地層転写基板の上記第2めっき下地層形成膜をパターン状の上記絶縁層と接触させた後、めっき下地層転写基板を上記絶縁層から剥離する方法を挙げることができる。
上記支持基材としては、上記第2めっき下地層形成膜を安定的に支持することができるものであればよく、絶縁性を有するものであっても、導電性を有するものであっても良い。絶縁性を有する支持基材としては、具体的には、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(a)基材」の項に記載の基材と同様とすることができる。
上記第2めっき下地層形成膜は、支持基材の一方の表面に形成され、上記第2めっき下地層を形成可能なものである。また、上記第2めっき下地層形成膜は、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写可能なものである。
このような第2めっき下地層形成膜としては、上記無電解めっき用触媒核および上記バインダ樹脂を含み、さらにこれらを分散または溶解する溶媒を含むものを用いることができる。
なお、上記無電解めっき用触媒核および上記バインダ樹脂の構成材料および含有量等については上記「(1)パターン下地層」の「(b)第2めっき下地層」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記溶媒については、上記無電解めっき用触媒核および上記バインダ樹脂を安定的に分散または溶解できるものであればよく、これらの構成材料等に応じて適宜設定されるものである。
また、上記第2めっき下地層形成膜の固形分の濃度については、本工程により絶縁層の表面に転写される第2めっき下地層形成膜の厚み等に応じて適宜設定されるものである。
上記第2めっき下地層形成膜は、無電解めっき用触媒核、バインダ樹脂および溶媒を含むものであるが、必要に応じて添加剤を含むものであっても良い。上記添加剤としては、上記「(a)第1a態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上記第2めっき下地層形成膜を上記絶縁層と接触させる際の圧力、接触時間、接触する上記第2めっき下地層形成膜の温度等については、絶縁層の表面に転写される第2めっき下地層形成膜の厚み等に応じて適宜設定されるものである。
本工程は、上記絶縁層の上記第1電極層とは反対側の表面に転写された第2めっき下地層形成膜に含まれる溶媒を除去する乾燥処理を行うものであっても良い。
(3)パターン下地層のパターン形状
本工程により形成されるパターン下地層は、上記積層体がパターン状に形成されているものである。
ここで、パターン状に形成されるとは、上記無電解めっき工程により、所望のパターン形状の第2電極層を形成可能なものであればよく、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されるものとすることができる。
また、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されるとは、上記パターン下地層および上記第2電極層の平面視上のパターン形状が完全に同一であるものに限定されず、上記無電解めっき工程で上記第2めっき下地層の表面に上記第2電極層を形成する際に、上記第2めっき下地層の側面にも第2電極層が形成されること等により生じる誤差を有するものも含むものである。上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状のパターン下地層であるとは、より具体的には、上記第2電極層の平面視面積に対する上記第2電極層および上記パターン下地層に含まれる絶縁層が平面視上重なる面積の割合(平面視上重なる面積/第2電極層の平面視面積×100(単位%))と、上記第2電極層の平面視面積に対する上記第2電極層および上記パターン下地層に含まれる第2めっき下地層が平面視上重なる面積の割合と、が、それぞれ、80%〜100%の範囲内であるものとすることができる。
本態様においては、上記第2めっき下地層の平面視面積に対する上記第2めっき下地層および上記絶縁層が平面視上重なる面積の割合(平面視上重なる面積/第2めっき下地層の平面視面積×100(単位%))と、上記絶縁層の平面視面積に対する上記第2めっき下地層および上記絶縁層が平面視上重なる面積の割合(平面視上重なる面積/絶縁層の平面視面積×100(単位%))と、が、それぞれ、80%〜100%の範囲内であることが好ましく、なかでも、90%〜100%の範囲内であることが好ましく、特に、100%であることが好ましい。上記割合が上述の範囲内であることにより、上記パターン下地層の形成が容易となるからである。
また、上記第2電極層のパターン形状は、上記第2電極層が有する構成によって異なるものであり、上記第2電極層が第2電極を含む第2電極部を有する場合には、上記第2電極部を含む平面視形状とすることができる。また、上記第2電極層が、上記第2電極部、第2端子部および第2配線部を有する場合には、これらの平面視形状を含むものとすることができる。
なお、上記第2電極部に含まれる第2電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
また、上記第2端子部および第2配線部の平面視形状については、後述する「3.無電解めっき工程」の「(1)第2電極層」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
3.無電解めっき工程
本態様における無電解めっき工程は、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する工程である。
(1)第2電極層
本工程により形成される第2電極層は、上記パターン下地層の表面に配置されるものである。
上記パターン下地層の表面に配置された第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されるものである。
(a)第2電極層の構成材料
本工程により形成される第2電極層の構成材料としては、上記第2めっき下地層表面に無電解めっき法により第2電極層を形成可能なものであればよく、一般的な無電解めっき材料を用いることができる。
上記無電解めっき材料としては、所望の耐食性および導電性を有するものであれば良く、例えば、非腐食性を有する貴金属材料および貴金属材料以外の他の金属材料を用いることができる。
本工程においては、なかでも、上記無電解めっき材料が上記貴金属材料を含むことが好ましく、特に、上記無電解めっき材料が上記貴金属材料を主成分として含むことが好ましい。
上記貴金属材料、その他の金属材料および上記貴金属材料の上記第2電極層中の含有量としては、具体的には、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(b)第1電極層」の項に記載の貴金属材料、その他の金属材料および上記第1電極層中の含有量と同様とすることができる。
(b)第2電極部
本工程における第2電極部は、上記第2電極を含むものである。
上記第2電極部は、本態様における電極構造をセンサとして用いるときに、試料と接するものである。
上記第2電極は、試料中の成分との間で電気化学反応を生じる部位である。
このような第2電極の平面視形状としては、本態様の電極構造の種類および用途等に応じて異なるものであるが、例えば、櫛形形状、櫛型形状以外の形状等とすることができる。
このような第2電極の平面視形状としては、後述する「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
(c)第2電極層
上記第2電極層は、上記第2電極部を少なくとも有するものであるが、必要に応じて、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部、上記第2電極部および上記第2端子部を接続する第2配線部を有するものであっても良い。
このような第2端子部および第2配線部については、一般的な配線基板に用いられるものと同様とすることができ、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(b)第1電極層」の項に記載の第1端子部および第1配線部と同様とすることができる。
本工程により形成される第2電極層の厚みとしては、所望の導電性を有する第2電極層とすることができるものであればよく、例えば、上記「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(b)第1電極層」の項に記載の第1電極層の厚みと同様とすることができる。
なお、上記第2電極層の厚みは、具体的には、図2(c)中のfで示されるものである。
(2)無電解めっき法により第2電極層を形成する方法
本工程における上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法により上記第2電極層を形成する方法としては、所望の厚みの第2電極層を形成可能な方法であればよく、上記第2電極層を構成可能な無電解めっき液を上記パターン下地層形成工程により形成された第2めっき下地層と接触させる方法を用いることができる。
上記無電解めっき液としては、所望の厚みの第2電極層を形成可能なものであればよく、当該技術分野において公知のものを用いることができる。
上記無電解めっき液としては、上記第2電極層が後述する無電解めっき材料を含む場合には、例えば、無電解めっき材料イオンの供給源としての無電解めっき材料化合物、無電解めっき材料イオンの錯化剤、還元剤及びpH調整剤を含み、必要に応じて各種添加剤を含むものを挙げることができる。
上記第2電極層が無電解めっき材料として、非腐食性の貴金属材料であるパラジウムを含む場合、無電解めっき材料化合物として塩化パラジウム、酢酸パラジウム等のパラジウム化合物を含むことができる。また、上記錯化剤としてエチレンジアミン四酢酸などのアミン化合物を用いることができ、上記還元剤として次亜リン酸や亜リン酸等のリン含有化合物またはホウ素含有化合等を用いることができる。
なお、無電解めっき法により第2電極層を形成した場合には、通常、第2電極層は、上記無電解めっき材料と還元剤との合金を含む。このため、上記第2電極層における無電解めっき材料の含有量が所望のものとなるように、上記還元剤の濃度、pH、めっき温度等を調整することが好ましい。
上記無電解めっき液を第2めっき下地層と接触させる際の温度条件、めっき時間については、用いる無電解めっき液の種類および第2電極層の厚み等に応じて適宜設定されるものである。
(3)めっき被膜層
本工程は、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する工程であるが、これと同時に、上記第1電極層の表面にめっき被膜層を形成するものであってもよい。
なお、上記めっき被膜層の構成材料およびその厚みについては、上記第2電極層と同様とすることができる。
4.第1電極および第2電極の平面視形状
本態様における第1電極は、上記パターン下地層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2電極は、上記パターン下地層の表面に形成された上記第2電極層により、形成されるものである。
上記第2電極の平面視形状は、上述のように本態様の電極構造の種類および用途等に応じて異なるものであるが、例えば、櫛形形状、櫛型形状以外の形状等とすることができる。
上記櫛形形状としては、既に説明した図1および図2に示すように、少なくとも2以上の櫛歯部と、これらの櫛歯部を連結する連結部と、を有するものとすることができる。
本態様によれば、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状であることにより、上記第1電極および上記第2電極間の境界の長さを長いものとすることが容易である。したがって、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状であることにより、本態様の製造方法は、高感度なセンサとなる電極構造を容易に得ることができる。
上記櫛歯部の幅としては、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、0.5μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、5μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。上記幅が上述の範囲内である場合、上記第2電極層を形成するためのパターン下地層の形成が容易だからである。
なお、上記櫛歯部の幅は、具体的には、図1(c)中のaで示されるものである。
上記櫛歯部の長さとしては、本態様の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、200μm〜5000μmの範囲内とすることができる。
上記櫛歯部の本数としては、本態様の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、1つの櫛形電極当たりに、2本〜200本の範囲内とすることができる。
隣接する上記櫛歯部間の幅としては、本態様の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、0.5μm〜20μmの範囲内とすることができる。
上記連結部の幅としては、本態様の製造方法により製造される電極構造の用途等に応じて異なるものであるが、10μm〜5000μmの範囲内とすることができる。
なお、上記櫛歯部の長さ、隣接する上記櫛歯部間の幅、および上記連結部の幅は、具体的には、図1(c)中のb、c、dで示されるものである。また、既に説明した図1(c)では、1つの櫛形電極当たりの櫛歯部の本数が4本である例を示すものである。
上記櫛型形状以外の形状としては、例えば、図5、図6および図7に示すように、渦巻形状、同心円形状およびつづら折り形状等を挙げることができる。
図6は、同心円形状の同心円電極として、直径の異なる複数の円形状の電極26aを有し、円形状の電極26a同士が接続配線部26bによって接続される例を示すものである。
また、図6は、円形状の電極26aに切欠き部26cが形成される例を示すものであるが、円形状の電極は切欠き部が形成されないものであっても良い。
なお、図5〜図7中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記第2電極の平面視形状が渦巻形状、同心円形状またはつづら折り形状等であることにより、上記第1電極および上記第2電極間の境界の長さを長いものとすることが容易である。したがって、上記第2電極の平面視形状が渦巻形状等であることにより、本態様の製造方法は、高感度なセンサとなる電極構造を容易に得ることができる。
上記渦巻電極、上記同心円電極に含まれる円形状の電極、およびつづら折り電極の幅については、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、上記櫛歯部の幅と同様とすることができる。
なお、上記渦巻電極、上記円形状の電極、およびつづら折り電極の幅は、具体的には、図5〜図7中のgで示されるものである。
幅方向に隣接する渦巻電極間、円形状の電極間およびつづら折り電極間の幅については、所望の感度のセンサとすることができるものであれば特に限定されるものではないが、隣接する上記櫛歯部間の幅と同様とすることができる。
また、上記幅方向に隣接する渦巻電極間、円形状の電極間およびつづら折り電極間の幅は、具体的には、図5〜図7中のhで示されるものである。
上記第1電極は、平面視上、上記第2電極と隣接して設けられるものである。したがって、第1電極は、第1電極および第2電極間の境界を有するように形成されるものである。
このような第1電極の平面視形状は、本態様における電極構造を高感度なセンサとして使用可能とする観点から、平面視上、第1電極および第2電極間の境界の長さが長くなる形状であることが好ましく、なかでも、第1電極が平面視上第2電極をその内部に含む形状であることが好ましい。第1電極および第2電極間の境界の長さを長いものとすることができるからである。
なお、既に説明した図1(c)および図5〜図7は、第1電極11aが平面視上第2電極21aをその内部に含む形状である例を示すものである。
上記第1電極は、上記パターン下地層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第1電極が、平面視上第2電極をその内部に含む形状である場合、上記第1電極の平面視形状は、上記第2電極の平面視形状とは反転形状の平面視形状を含むものとなる。
例えば、上記第2電極の平面視形状が櫛形形状である場合には、既に説明した図1(c)に示すように、上記第1電極の平面視形状は、連結部からの櫛歯部の形成方向が上記第2電極における連結部からの櫛歯部の形成方向と逆方向である櫛形形状を含む形状となる。
上記第2電極の平面視形状が渦巻形状である場合には、既に説明した図5に示すように、上記第1電極の平面視形状は、渦巻の方向が逆回転方向の渦巻形状を含む形状となる。
上記第2電極の平面視形状が同心円形状である場合には、既に説明した図6に示すように、上記第1電極の平面視形状は、第2電極に含まれる円形状の電極間に配置される円形状の電極を含む形状となる。
5.その他
本態様の電極構造の製造方法は、準備工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
上記その他の工程としては、例えば、後述する「C.電極構造」の項に記載の保護絶縁層を形成する保護絶縁層形成工程等を挙げることができる。
本態様の製造方法により製造される電極構造の用途としては、様々な測定に使用されるセンサ用電極として用いることができ、具体的には、pH測定用センサ、ガスセンサ、SAWフィルタの用途の電極、グルコースセンサ、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサ、エンドトキシンセンサ等のバイオセンサ用途の電極等を挙げることができる。
例えば、上記電極構造をエンドトキシンセンサとして使用する方法としては、上記第1電極および第2電極をそれぞれ第1作用極および第2作用極として使用し、別途用意した参照電極および対極と共に、エンドトキシンの濃度を測定する方法を挙げることができる。
また、上記電極構造を用いて測定される試料としては、例えば血液、唾液、尿等の生体試料や、環境検査、食品検査の製品、廃液等を挙げることができる。
II.第2実施態様
本発明の電極構造の製造方法の第2実施態様は、上述の電極構造の製造方法であって、絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、上記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とするものである。
このような本態様の電極構造の製造方法について図を参照して説明する。図8は、本態様の電極構造の製造方法の一例を示す工程図であり、図9は図8のB−B線断面図である。
図8および図9に例示するように、本態様の電極構造の製造方法は、絶縁性を有する基材1上に、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第1めっき下地層4bを形成し(図8(a)および図9(a))、上記第1めっき下地層4bの表面に、絶縁層3と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層4と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層5を形成し(図8(b)および図9(b))、上記パターン下地層5から露出した上記第1めっき下地層4bの表面、および上記パターン下地層5の上記第2めっき下地層4の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層2、および第2電極層6を形成することにより、上記パターン下地層5から露出した上記第1電極層2により、第1電極11aを含む第1電極部11が形成され、上記パターン下地層5の表面に配置された上記第2電極層6により、第2電極21aを含む第2電極部21が形成された電極構造10を得ることができる(図8(c)および図9(c))。
なお、図8(a)および図9(a)が第1めっき下地層形成工程であり、図8(b)および図9(b)がパターン下地層形成工程であり、図8(c)および図9(c)が無電解めっき工程である。
また、図8および図9中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いて、第2電極層を無電解めっき法により形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本態様の製造方法は、上記第1電極層および上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量を低減することができる。
本態様の製造方法は、上記第1電極および第2電極を近接配置することが可能であり、高感度なセンサとして使用可能な電極構造を容易に得ることができる。
本態様の電極構造の製造方法は、第1めっき下地層形成工程、パターン下地層形成工程および無電解めっき工程を有するものである。
以下、本態様の電極構造の製造方法の各工程について詳細に説明する。
1.第1めっき下地層形成工程
本態様における第1めっき下地層形成工程は、絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する工程である。
(1)第1めっき下地層
本工程により形成される第1めっき下地層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
上記第1めっき下地層は、上記無電解めっき工程を行うことにより、上記第1電極層を形成可能なものである。
このような第1めっき下地層としては、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む触媒核層、金属薄膜等を挙げることができる。
上記触媒核層としては、上記無電解めっき工程を行うことにより、上記第1電極層を形成可能なものであり、かつ、上記パターン下地層形成工程においてフォトリソグラフィ法を用いて絶縁層形成膜、めっき下地層形成膜をパターニングする際に、絶縁層形成膜およびめっき下地層形成膜の未硬化部分と共に現像されないものであればよい。
このような触媒核層としては、上記「I.第1実施態様」の「2.パターン下地層形成工程」の「(1)パターン下地層」の「(b)第2めっき下地層」の項に記載の第2めっき下地層と同様とすることができる。
上記金属薄膜の構成材料としては、上記無電解めっき工程を行うことにより、上記第1電極層を形成可能なものであり、かつ、上記パターン下地層形成工程において、現像されないものであればよい。
このような金属薄膜の構成材料としては、上記「I.第1実施態様」の「3.無電解めっき工程」の無電解めっき材料と同様とすることができる。
上記金属薄膜の厚みとしては、上記無電解めっき工程を行うことにより、上記第1電極層を形成可能なものであればよく、20nm〜300nmの範囲内とすることができる。
上記第1めっき下地層の基材に対する形成箇所は、第1電極層の形成箇所に応じて適宜設定されるものであり、上記基材の一方の表面の全表面を覆うように形成されるものであっても良く、上記基材の一方の表面にパターン状に形成されるものであっても良い。
(2)第1めっき下地層の形成方法
本工程における第1めっき下地層の形成方法は、上記基材の一方の表面に、第1めっき下地層を形成可能な方法であれば良い。
上記形成方法としては、上記第1めっき下地層の種類によって異なるものであるが、上記第1めっき下地層が上記触媒核層である場合には、上記「I.第1実施態様」の「2.パターン下地層形成工程」の「(2)パターン下地層の形成方法」の「(a)第1a態様」に記載の第2めっき下地層の形成方法と同様とすることができる。
上記第1めっき下地層が上記金属薄膜である場合には、上記形成方法は、所望の厚みの金属薄膜を形成可能な方法であれば良く、上記「I.第1実施態様」の「1.準備工程」の「(2)電極層付基板の準備方法」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.パターン下地層形成工程
本態様におけるパターン下地層形成工程は、上記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成する工程である。
なお、本工程は、上記パターン下地層が上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成されること以外は、上記「I.第1実施態様」の「2.パターン下地層形成工程」に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.無電解めっき工程
本態様における無電解めっき工程は、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する工程である。
なお、本工程により形成される第2電極層と、上記第1電極層および上記第2電極層を無電解めっき法により形成する方法と、については、上記「I.第1実施態様」の「3.無電解めっき工程」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明を省略する。
本工程により形成される第1電極層は、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面に、無電解めっき法により形成されるものである。
また、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成されるものである。
本工程により形成される第1電極層の構成材料および厚み等については、本工程により上記第1電極層と同時に形成される第2電極層の構成材料および厚み等と同様とすることができる。
また、本工程により形成される第1電極層に含まれる第1電極部およびその他の構成等については、上記「I.第1実施態様」の「1.準備工程」に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.第1電極および第2電極の平面視形状
本態様における第1電極は、上記パターン下地層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2電極は、上記パターン下地層の表面に形成された上記第2電極層により、形成されるものである。
このような第1電極および第2電極の平面視形状については、上記「I.第1実施態様」の「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
5.その他
本態様の電極構造の製造方法は、第1めっき下地層形成工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
上記その他の工程としては、上記「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
本態様の製造方法により製造される電極構造の用途および測定される試料等については、上記「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
B.センサ電極の製造方法
次に、本発明のセンサ電極の製造方法について説明する。
本発明のセンサ電極の製造方法は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されるセンサ電極の製造方法であって、第1電極層を形成した後、第2電極層を形成する態様(第3実施態様)と、第1電極層および第2電極層を同時に形成する態様(第4実施態様)と、に大別することができる。
以下、本発明のセンサ電極の製造方法について各実施態様に分けて説明する。
I.第3実施態様
本発明のセンサ電極の製造方法の第3実施態様は、上述のセンサ電極の製造方法であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、上記電極層付基板の上記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このような本態様のセンサ電極の製造方法について図を参照して説明する。図10は、本態様のセンサ電極の製造方法の一例を示す工程図であり、図11は図10のC−C線断面図である。
図10および図11に例示するように、本態様のセンサ電極の製造方法は、絶縁性を有する基材1と、上記基材1の一方の表面に形成された第1電極層2と、を有する電極層付基板を準備し(図10(a)および図11(a))、上記電極層付基板の上記第1電極層2の表面に、絶縁層3と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層4と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層5を形成し(図10(b)および図11(b))、上記パターン下地層5の上記第2めっき下地層4表面に、無電解めっき法により第2電極層6を形成することにより、上記パターン下地層5から露出した上記第1電極層2により、第1作用極31a、参照電極31bおよび対極31cを含む第1電極部11と、上記第1電極部11に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部13と、が形成され、上記パターン下地層5の表面に配置された上記第2電極層6により、第2作用極41aを含む第2電極部21と、上記第2電極部21に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部23と、が形成されたセンサ電極30を得ることができる(図10(c)および図11(c))。
なお、図10(a)および図11(a)が準備工程であり、図10(b)および図11(b)がパターン下地層形成工程であり、図10(c)および図11(c)が無電解めっき工程である。
また、図10および図11中の符号については、図1および図2のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いて、第2電極層を無電解めっき法により形成することにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本態様の製造方法は、上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量を低減することができる。
本態様の製造方法は、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能なセンサ電極を容易に得ることができる。
本態様の電極構造の製造方法は、準備工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものである。
以下、本態様の電極構造の製造方法の各工程について詳細に説明する。
なお、パターン下地層形成工程については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.準備工程
本態様における準備工程は、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する工程である。
なお、本工程に用いられる基材および電極層付基板の準備方法については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程により形成される第1電極層は、上記基材の一方の表面に形成されるものである。
また、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成されるものである。
なお、上記第1電極層の構成材料、第1電極層の厚み、第1端子部、第1端子部および第1電極部を接続する第1配線部等については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)第1作用極
本工程における第1作用極は、上記第2作用極と共に用いられるものである。第1作用極および第2作用極は、それぞれ酸化還元物質の還元体を酸化するための電極と、同じ酸化還元物質の酸化体を還元するための電極として用いられる。そして、第1作用極および第2作用極が近接配置されることで、酸化還元物質の酸化および還元を高頻度で繰り返すことができ、検出される電流値の増幅を図ることができるものである。
このような第1作用極については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の第1電極と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)参照電極および対極
本工程における参照電極は、第1作用極および第2作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。
また、対極は、第1作用極および第2作用極における電気化学反応が,電気的中性の原理の影響のために滞ることを防ぐために用いられる電極である。
なお、参照電極および対極は、両電極の機能を有する1つの電極である共通電極であっても良い。また、共通電極の測定装置との接続方法としては、上記共通電極を測定装置の参照電極用端子および対極用端子の両方と接続する方法を用いることができる。
上記参照電極および上記対極の平面視形状としては、センサ電極に一般的に用いられるものと同様とすることができる。
本工程における電極部に含まれる第1作用極および第2作用極のそれぞれと、参照電極および対極のそれぞれとの間の距離は、ショートを起こさない距離であればよい。このような各電極間の距離は、本態様の製造方法により製造されるセンサ電極の大きさに応じて適宜設定することができる。
2.無電解めっき工程
本態様における無電解めっき工程は、上記パターン下地層の上記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する工程である。
本工程により形成される第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されるものである。
上記第2作用極については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の第2電極と同様とすることができる。
また、上記第2端子部、上記第2作用極および上記第2端子部を接続する第2配線部、上記第2電極層を無電解めっき法により形成する方法等については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「3.無電解めっき工程」の項に記載の内容と同様とすることができる。
3.第1作用極および第2作用極の平面視形状
本態様における第1作用極は、上記パターン下地層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2作用極は、上記パターン下地層の表面に形成された上記第2電極層により、形成されるものである。
このような第1作用極および第2作用極の平面視形状については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
4.その他
本態様のセンサ電極の製造方法は、準備工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
上記その他の工程としては、例えば、後述する「D.センサ電極」の項に記載の、絶縁層、スペーサ、カバー層、および反応部を形成する工程を有するものとすることができる。
本態様の製造方法により製造されるセンサ電極の用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載のバイオセンサ用途と同様とすることができる。
II.第4実施態様
本発明のセンサ電極の製造方法の第4実施態様は、上述のセンサ電極の製造方法であって、絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、上記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このような本態様のセンサ電極の製造方法について図を参照して説明する。図12は、本態様のセンサ電極の製造方法の一例を示す工程図であり、図13は図12のD−D線断面図である。
図12および図13に例示するように、本態様のセンサ電極の製造方法は、絶縁性を有する基材1上に、第1めっき下地層4bを形成し(図12(a)および図13(a))、上記第1めっき下地層4bの表面に、絶縁層3と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、上記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層4と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層5を形成し(図12(b)および図13(b))、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層4bの表面、および上記パターン下地層5の上記第2めっき下地層4の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層2、および第2電極層6を形成することにより、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記パターン下地層の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されたセンサ電極を得ることができる(図12(c)および図13(c))。
なお、図12(a)および図13(a)が第1めっき下地層形成工程であり、図12(b)および図13(b)がパターン下地層形成工程であり、図12(c)および図13(c)が、無電解めっき工程である。
また、図12および図13中の符号については、図10および図11のものと同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本態様によれば、上記パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を用いることにより、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に得ることができる。
本態様の製造方法は、上記第1電極層および上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量を低減することができる。
本態様の製造方法は、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能なセンサ電極を容易に得ることができる。
本態様のセンサ電極の製造方法は、第1めっき下地層形成工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものである。
以下、本態様のセンサ電極の製造方法の各工程について詳細に説明する。
なお、第1めっき下地層形成工程およびパターン下地層形成工程については、上記「A.電極構造の製造方法」の「II.第2実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
1.無電解めっき工程
本態様における無電解めっき工程は、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面、および上記パターン下地層の上記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する工程である。
なお、本工程により形成される第2電極層と、上記第1電極層および上記第2電極層を無電解めっき法により形成する方法と、については、上記「I.第3実施態様」の「2.無電解めっき工程」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明を省略する。
本工程により形成される第1電極層は、上記パターン下地層から露出した上記第1めっき下地層の表面に、無電解めっき法により形成されるものである。
また、上記パターン下地層から露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成されるものである。
本工程により形成される第1電極層の構成材料および厚み等については、本工程により上記第1電極層と同時に形成される第2電極層の構成材料および厚み等と同様とすることができる。
また、本工程により形成される第1電極層に含まれる第1電極部およびその他の構成等については、上記「I.第3実施態様」の「1.準備工程」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明を省略する。
2.第1作用極および第2作用極の平面視形状
本態様における第1作用極は、上記パターン下地層から露出した第1電極層により形成されるものであり、上記第2作用極は、上記パターン下地層の表面に形成された上記第2電極層により、形成されるものである。
このような第1作用極および第2作用極の平面視形状については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「4.第1電極および第2電極の平面視形状」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.その他
本態様のセンサ電極の製造方法は、第1めっき下地層形成工程、パターン下地層形成工程および上記無電解めっき工程を有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有するものであっても良い。
上記その他の工程としては、例えば、後述する「D.センサ電極」の項に記載の、絶縁層、スペーサ、カバー層、および反応部を形成する工程を有するものとすることができる。
本態様の製造方法により製造されるセンサ電極の用途としては、上記「I.第3実施態様」の項に記載のバイオセンサ用途と同様とすることができる。
C.電極構造
次に、本発明の電極構造について説明する。
本発明の電極構造は、絶縁層、第2めっき下地層および第2電極層を有するパターン状の第2電極積層体が形成されていない領域に露出した第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されている電極構造であって、上記第2電極積層体が、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成される態様(第5実施態様)と、上記第2電極積層体が、上記第1電極層と同一平面上に形成される態様(第6実施態様)と、に大別することができる。
以下、本発明の電極構造について、各実施態様に分けて説明する。
I.第5実施態様
本発明の電極構造の第5実施態様は、上述の電極構造であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とするものである。
このような電極構造については、例えば、既に説明した図1(c)および図2(c)に記載ものを挙げることができる。
本態様によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電極構造は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電極構造は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本態様の電極構造は、上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量の少ないものとなる。
本態様の電極構造は、上記第1電極および第2電極を近接配置することが可能であり、高感度なセンサとして使用可能となる。
本態様の電極構造は、基材、第1電極層、および第2電極積層体を有するものである。
なお、本態様の電極構造における基材、第1電極層、第1電極および第2電極の平面視形状については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.第2電極積層体
本発明における第2電極積層体は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有するものである。
また、上記第2電極積層体は、パターン状であるものである。
ここで、第2電極積層体がパターン状であるとは、上記絶縁層および上記第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成され、かつ、所望のパターン形状の第2電極層が形成されていることをいうものであり、例えば、上記積層体が、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されているものとすることができる。
なお、上記第2電極層のパターン形状と同一のパターン形状に形成されること、上記第2電極層のパターン形状等については、上記「A.電極構造の製造方法」の「2.パターン下地層形成工程」の「(3)パターン下地層のパターン形状」の項に記載の内容と同様とすることができる。
このような第2電極積層体を構成する絶縁層、第2めっき下地層および第2電極層については、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.その他の構成
本態様の電極構造は、基材、第1電極層、および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記その他の構成としては、上記第1配線部および第2配線部(以下、両者をまとめて配線部と称する場合がある。)を覆う保護絶縁層等を挙げることができる。
本態様における保護絶縁層は、少なくとも上記配線部の表面を覆うものである。
具体的には、上記保護絶縁層は、配線部の表面を覆うことにより、配線部の腐食を防ぐとともに、ショートを防ぐものである。
保護絶縁層の材料としては、一般的に絶縁層の材料として用いられる光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。上記光硬化性樹脂および上記熱硬化性樹脂としては、具体的には、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「1.準備工程」の「(1)電極層付基板」の「(a)基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
保護絶縁層の膜厚としては、配線部を絶縁できる程度の膜厚であればよく、例えば3μm以上50μm以下の範囲内とすることができる。
保護絶縁層の形成位置としては、少なくとも配線部の表面であるが、第1電極部および第2電極部(以下、両者をまとめて電極部と称する場合がある。)と第1端子部および第2端子部(以下、両者をまとめて端子部と称する場合がある。)とを覆わなければよく、例えば、上記電極部および端子部を除いた配線部の表面を含む基材上に形成してもよい。
保護絶縁層の形成方法としては、所定のパターン形状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、保護絶縁層の材料等に応じて適宜選択される。上記形成方法としては、具体的には、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「2.パターン下地層形成工程」の「(2)パターン下地層の形成方法」の「(b)第1b態様」に記載の絶縁層の形成方法と同様とすることができる。
3.その他
本態様の電極構造の用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
II.第6実施態様
本発明の電極構造の第6実施態様は、上述の電極構造であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、上記第2電極積層体が形成されていない領域の上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とするものである。
このような電極構造については、例えば、既に説明した図8(c)および図9(c)に記載ものを挙げることができる。
本態様によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記電極構造は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。したがって、上記電極構造は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本態様の電極構造は、上記第1電極層および上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量の少ないものとなる。
本態様の電極構造は、上記第1電極および第2電極を近接配置することが可能であり、高感度なセンサとして使用可能となる。
本態様の電極構造は、基材、第1めっき下地層、第1電極層および第2電極積層体を有するものである。
なお、本態様の電極構造の基材、第1めっき下地層、第1電極層、第1電極および第2電極の平面視形状等については、上記「A.電極構造の製造方法」の「II.第2実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記第2電極積層体については、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成されていること以外は、上記「I.第5実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.その他の構成
本態様の電極構造は、基材、第1めっき下地層、第1電極層および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記その他の構成としては、上記配線部を覆う保護絶縁層等を挙げることができる。
このような保護絶縁層については、上記「I.第5実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.その他
本発明の電極構造の用途としては、上記「I.第5実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
D.センサ電極
次に、本発明のセンサ電極について説明する。
本発明のセンサ電極は、絶縁層、第2めっき下地層および第2電極層を有するパターン状の第2電極積層体が形成されていない領域に露出した第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されるセンサ電極であって、上記第2電極積層体が、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成される態様(第7実施態様)と、上記第2電極積層体が、上記第1電極層と同一平面上に形成される態様(第8実施態様)と、に大別することができる。
以下、本発明のセンサ電極について、各実施態様に分けて説明する。
I.第7実施態様
本発明のセンサ電極の第7実施態様は、上述のセンサ電極であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このようなセンサ電極については、例えば、既に説明した図10(c)および図11(c)に記載ものを挙げることができる。
本態様によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記センサ電極は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。したがって、上記センサ電極は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本態様のセンサ電極は、上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量の少ないものとなる。
本態様のセンサ電極は、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能なものとなる。
本態様のセンサ電極は、基材、第1電極層および第2電極積層体を有するものである。
なお、本態様のセンサ電極の基材、第1電極層、第1作用極および第2作用極の平面視形状等については、上記「B.センサ電極の製造方法」の「I.第3実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.第2電極積層体
本発明における第2電極積層体は、上記第1電極層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有するものである。
また、上記第2電極積層体は、パターン状であるものである。
このような第2電極積層体を構成する絶縁層、第2めっき下地層および第2電極層については、上記「B.センサ電極の製造方法」の「I.第3実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記パターン状であることについては、上記「C.電極構造」の「I.第5実施態様」の「1.第2電極積層体」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.その他の構成
本態様のセンサ電極は、基材、第1電極層および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、上記配線部の上記基材とは反対側を覆う絶縁層、上記第2電極層の上記基材とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と、上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なる試料供給路を有するスペーサ、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置され、酵素を含む反応部、上記スペーサの上記基材とは反対側に、上記スペーサの試料供給路を覆うように形成されるカバー層等を挙げることができる。
図14は、本態様のセンサ電極の他の例を示す概略平面図および断面図であり、図14(a)および(b)が概略平面図であり、図14(c)は、図14(a)および(b)のE−E線断面図である。
図14に例示するように、本態様のセンサ電極30は、上記第1配線部12および上記第2配線部22の上記基材1とは反対側を覆う保護絶縁層51と、上記第2電極層5の上記基材1とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部11に含まれる第1作用極31a、参照電極31bおよび対極31cと上記第2電極部21に含まれる第2作用極41aとの4つの電極と平面視上重なる試料供給路52aを有するスペーサ52と、上記試料供給路52a内に配置され、酵素を含む反応部53と、上記スペーサ52の試料供給路52aを覆うように形成されるカバー層54と、を有するものである。
なお、図14(a)では、説明の容易のため、スペーサ、カバー層および反応部の記載を省略するものであり、図14(b)では、説明の容易のため、カバー層の記載を省略するものである。
また、図14中の符号については、図10および図11のものと同一のものである。
(1)保護絶縁層
本態様における保護絶縁層は、少なくとも上記配線部の表面を覆うものである。
保護絶縁層の形成位置としては、少なくとも配線部の表面であるが、電極部および端子部を覆わなければよく、例えば、上記電極部および端子部を除いた配線部の表面を含む基材上に形成してもよい。
保護絶縁層の材料、膜厚および形成方法については、上記「C.電極構造」の項に記載の保護絶縁層の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(2)スペーサ
本態様に用いられるスペーサは、上記第2電極層の上記基材とは反対側の表面に形成され、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なる試料供給路を有するものである。
具体的には、スペーサは、本態様のセンサ電極において、基材とカバー層との間に間隙を設け、外部からセンサ電極へ試料供給を行うための流路を設けるものである。
また、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と平面視上重なるとは、上記試料供給路を平面視した際に、上記第1作用極、第2作用極、参照電極および対極の4つの電極のそれぞれの一部が少なくとも上記試料供給路として用いられる同一開口内に配置されることをいうものである。
スペーサの材料としては、所定の厚みを有するスペーサを形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価にスペーサを形成することができる。また、スペーサとして樹脂基材を用いることもでき、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂基材を用いることが可能である。
スペーサの厚さは、試料供給路の高さとなることから、15μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。
スペーサには、少なくとも1つの試料供給路が形成されている。試料供給路は、外部から供給される試料を作用極に導く部位である。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内とすることができる。
また、試料供給路の平面視形状については、上記第1電極部に含まれる第1作用極、参照電極および対極と上記第2電極部に含まれる第2作用極の4つの電極と所望の面積で露出することが可能な形状であれば、特に限定されるものではない。上記平面視形状は、例えば、既に説明した図8に例示するように、第1作用極、第2作用極、参照電極および対極の4つの電極のそれぞれの一部を横断する帯形状とすることができる。
スペーサの形成方法としては、所定のパターン状にスペーサを形成することができる方法であればよく、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、スペーサの材料が光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂である場合には、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の「2.パターン下地層形成工程」の「(2)パターン下地層の形成方法」の「(b)第1b態様」に記載の絶縁層の形成方法と同様とすることができる。
また、スペーサとして樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、接着層を介してスペーサを貼付する方法が挙げられる。
(3)カバー層
本態様におけるカバー層は、上記スペーサの上記基材とは反対側に、上記スペーサの試料供給路を覆うように形成されるものである。
具体的には、上記カバー層は、本態様のセンサ電極における蓋材として機能するものである。
カバー層には、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。カバー層は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、上記カバー層は、電気絶縁性および弾性を有することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
カバー層は透明であってもよく不透明であってもよいが、中でも透明であることが好ましい。透明カバー層の場合には、センサ電極の使用時に試料の導入を目視することができる。
カバー層の形状としては、上記第1電極層および上記第2電極層が形成された基材に応じて適宜選択されるものである。例えば、カバー層は、端子部が露出するように切欠部を有していてもよい。
カバー層の配置位置としては、スペーサ上の少なくとも試料供給路を覆う位置であればよく、端子部以外の領域にカバー層が設けられていてもよく、基材全面にカバー層が設けられていてもよい。
カバー層の配置方法としては、カバー層の構成等に応じて適宜選択される。例えば、接着層を介してカバー層とスペーサまたは基材とを貼付することができる。
(4)反応部
本態様における反応部は、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置され、酵素を含むものである。
上記反応部は、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する部分である。
本態様のセンサ電極を、グルコース濃度を測定するグルコースセンサとして用いる場合には、上記酵素としては、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。
本態様のセンサ電極を、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサに用いる場合には、上記酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
上記反応部は、これらの酵素と共に、酸化還元物質として、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を含むものであってもよい。
本態様のセンサ電極を、エンドトキシン濃度を測定するエンドトキシンセンサとして用いる場合には、上記酵素として、少なくともC因子を含むものを用いることができ、なかでも、さらにB因子および凝固酵素前駆体を含むものを好ましく用いることができる。
上記反応部は、上記酵素と共に、酸化還元物質が結合したペプチド化合物を含むものとすることができる。
また、上記酸化還元物質としては、パラメトキシアニリン(pMA)等を含む下記一般式(1)で示す化合物、色素、パラアミノフェノール(pAP)等を挙げることができる。
上記色素としては、具体的には、例えば、2、4−ジニトロアニリン(DNP)、p−ニトロアニリン(pNA)、7−メトキシクマリン−4−酢酸(MCA)、Dansyl色素等を挙げることができる。
(式(1)中、Rは、−O−C2n+1または−S−C2n+1であり、nは1から4までの整数である。)
本態様においては、上記一般式(1)で示した化合物がpMAであることが好ましい。上記一般式(1)で示した化合物のアルキル鎖が短い程、水溶性が高くなり、かつ、活性化したC因子または上記活性型凝固酵素が、上記ペプチド化合物に含まれるオリゴペプチドのペプチド配列を認識しやすくなる。このため、酸化還元物質としてオリゴペプチドに結合している上記一般式(1)で示す化合物がpMAであることにより、上記ペプチド化合物は、上記活性化したC因子等との反応性が高まるからである。
本態様においては、上記酸化還元物質が、pMAまたはpAPであることが好ましい。ペプチド化合物から遊離したpMAおよびpAPと、ペプチド化合物に結合したpMAおよびpAPとは、酸化還元電位が異なっており、その差が比較的大きい。このため、ペプチド化合物から遊離したpMAまたはpAPの濃度が極微量であっても、エンドトキシンの濃度を高い精度で検出することができるからである。
上記酸化還元物質が結合したペプチド化合物としては、酸化還元物資と、酸化還元物質が結合しているオリゴペプチドと、を有するものであればよく、オリゴペプチドの一端に酸化還元物質が結合し、他端にペプチドの保護基が結合したものを用いることができる。
上記オリゴペプチドとしては、C因子または凝固酵素前駆体の作用によって酸化還元物質を遊離することができるものであれば特に限定されるものではない。凝固酵素前駆体の作用によって上記酸化還元物質を遊離可能なオリゴペプチドとしては、例えば、Leu−Gly−Arg、Thr−Gly−Arg等のトリペプチド等を挙げることができる。
上記反応部の配置箇所は、上記基材の一方の表面に、上記試料供給路と平面視上重なるように配置されるものである。
本態様においては、なかでも、上記配置箇所が、上記第1電極部と平面視上重なる箇所であることが好ましく、上記第1電極部と接する箇所であることが好ましい。上記形成箇所は、上記反応部と試料との混合、測定が容易だからである。
反応部の形成方法としては、所望の位置に反応部を配置できる方法であれば特に限定されない。例えば、試料供給路において露出される上記電極部上に上記酵素を含む溶液を塗布した後、乾燥させ溶媒成分を除去して形成することができる。
酵素を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
2.その他
本態様のセンサ電極の用途としては、上記「A.電極構造の製造方法」の「I.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
II.第8実施態様
本発明のセンサ電極の第8実施態様は、上述のセンサ電極であって、絶縁性を有する基材と、上記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、上記絶縁層の上記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および上記第2めっき下地層の上記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、上記第2電極積層体が形成されていない領域の上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、上記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した上記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、上記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、上記第2電極積層体の表面に配置された上記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、上記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするものである。
このようなセンサ電極については、例えば、既に説明した図12(c)および図13(c)に記載ものを挙げることができる。
本態様によれば、パターン状の第2電極積層体を有することにより、上記センサ電極は、絶縁層および第2めっき下地層を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程および上記第2めっき下地層の表面に無電解めっき法により上記第2電極層を形成する無電解めっき工程を用いて形成可能となる。したがって、上記センサ電極は、高精細なパターン形状の第2電極層を容易に形成可能なものとなる。
本態様のセンサ電極は、上記第1電極層および上記第2電極層を形成する無電解めっき材料として貴金属材料を用いた場合には、貴金属材料の使用量の少ないものとなる。
本態様のセンサ電極は、上記第1作用極および第2作用極を近接配置することが可能であり、検出される電流値を効率的に増幅可能なものとなる。
本態様のセンサ電極は、基材、第1めっき下地層、第1電極層および第2電極積層体を有するものである。
なお、本態様のセンサ電極の上記構成、第1作用極および第2作用極の平面視形状等については、上記「B.センサ電極の製造方法」の「II.第4実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記第2電極積層体については、上記第1めっき下地層の上記基材とは反対側の表面に形成されていること以外は、上記「I.第7実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.その他の構成
本態様のセンサ電極は、基材、第1めっき下地層、第1電極層および第2電極積層体を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
このようなその他の構成としては、上記「I.第7実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.その他
本態様のセンサ電極の用途としては、上記「I.第7実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 … 基材
2 … 第1電極層
3 … 絶縁層
4 … 第2めっき下地層
4b … 第1めっき下地層
5 … パターン下地層
6 … 第2電極層
10 … 電極構造
11 … 第1電極部
11a … 第1電極
12 … 第1配線部
13 … 第1端子部
21 … 第2電極部
21a … 第2電極
22 … 第2配線部
23 … 第2端子部
30 … センサ電極
31a … 第1作用極
31b … 参照電極
31c … 対極
41a … 第2作用極
51 … 保護絶縁層
52 … スペーサ
53 … 反応部
54 … カバー層

Claims (10)

  1. 絶縁性を有する基材と、前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、
    前記電極層付基板の前記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、前記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、
    前記パターン下地層の前記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、
    前記パターン下地層から露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、前記パターン下地層の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法。
  2. 絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、
    前記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、前記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、
    前記パターン下地層から露出した前記第1めっき下地層の表面、および前記パターン下地層の前記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、
    前記パターン下地層から露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、前記パターン下地層の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されることを特徴とする電極構造の製造方法。
  3. 前記絶縁層の厚みが、前記第2電極層の厚みより厚いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極構造の製造方法。
  4. 前記絶縁層の厚みが、0.2μm〜20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の電極構造の製造方法。
  5. 絶縁性を有する基材と、前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、を有する電極層付基板を準備する準備工程と、
    前記電極層付基板の前記第1電極層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、前記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、
    前記パターン下地層の前記第2めっき下地層表面に、無電解めっき法により第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、
    前記パターン下地層から露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、前記パターン下地層の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極の製造方法。
  6. 絶縁性を有する基材上に、第1めっき下地層を形成する第1めっき下地層形成工程と、
    前記第1めっき下地層の表面に、絶縁層と、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含み、前記絶縁層の表面に形成された第2めっき下地層と、を有する積層体がパターン状に形成されたパターン下地層を形成するパターン下地層形成工程と、
    前記パターン下地層から露出した前記第1めっき下地層の表面、および前記パターン下地層の前記第2めっき下地層の表面に、無電解めっき法によりそれぞれ第1電極層、および第2電極層を形成する無電解めっき工程と、を有し、
    前記パターン下地層から露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、前記パターン下地層の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極の製造方法。
  7. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、前記絶縁層の前記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および前記第2めっき下地層の前記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造。
  8. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、
    前記第1めっき下地層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、前記絶縁層の前記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および前記第2めっき下地層の前記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域の前記第1めっき下地層の前記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1電極を含む第1電極部が形成され、前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2電極を含む第2電極部が形成されていることを特徴とする電極構造。
  9. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1電極層と、
    前記第1電極層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、前記絶縁層の前記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および前記第2めっき下地層の前記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極。
  10. 絶縁性を有する基材と、
    前記基材の一方の表面に形成された第1めっき下地層と、
    前記第1めっき下地層の前記基材とは反対側の表面に形成された絶縁層、前記絶縁層の前記基材とは反対側の表面に形成され、無電解めっき用触媒核およびバインダ樹脂を含む第2めっき下地層、および前記第2めっき下地層の前記絶縁層とは反対側の表面に形成された第2電極層を有する、パターン状の第2電極積層体と、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域の前記第1めっき下地層の前記基材とは反対側の表面に形成された第1電極層と、を有し、
    前記第2電極積層体が形成されていない領域に露出した前記第1電極層により、第1作用極、参照電極および対極を含む第1電極部と、前記第1電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第1端子部と、が形成され、前記第2電極積層体の表面に配置された前記第2電極層により、第2作用極を含む第2電極部と、前記第2電極部に接続され、測定装置との接続に用いられる第2端子部と、が形成されることを特徴とするセンサ電極。
JP2015159963A 2015-08-13 2015-08-13 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極 Active JP6514991B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015159963A JP6514991B2 (ja) 2015-08-13 2015-08-13 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015159963A JP6514991B2 (ja) 2015-08-13 2015-08-13 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017037045A JP2017037045A (ja) 2017-02-16
JP6514991B2 true JP6514991B2 (ja) 2019-05-15

Family

ID=58048567

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015159963A Active JP6514991B2 (ja) 2015-08-13 2015-08-13 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6514991B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10177004A (ja) * 1996-12-17 1998-06-30 Dainippon Printing Co Ltd 生体関連物質測定用電極およびその製造方法
US20060008581A1 (en) * 2004-07-09 2006-01-12 Mark Hyland Method of manufacturing an electrochemical sensor
JP4850487B2 (ja) * 2005-11-07 2012-01-11 富士フイルム株式会社 プリント配線板用積層体、それを用いたプリント配線板、プリント配線基板の作製方法、電気部品、電子部品、および、電気機器
JP2015021779A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 大日本印刷株式会社 バイオセンサ用電極およびバイオセンサ
JP6197503B2 (ja) * 2013-09-03 2017-09-20 大日本印刷株式会社 バイオセンサ用電極原反、バイオセンサ用電極およびバイオセンサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017037045A (ja) 2017-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5437999A (en) Electrochemical sensor
US7465597B2 (en) Method of manufacturing a diagnostic test strip
CN107110816A (zh) 具有集成的电化学传感器的数字微流体设备
Yan et al. Fabrication of integrated microelectrodes for electrochemical detection on electrophoresis microchip by electroless deposition and micromolding in capillary technique
Ng et al. Highly sensitive reduced graphene oxide microelectrode array sensor
JP2017138164A (ja) 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極
Daniel et al. Quick production of gold electrode sets or arrays and of microfluidic flow cells based on heat transfer of laser printed toner masks onto compact discs
JP2005512027A5 (ja)
US9506891B2 (en) Making imprinted thin-film electronic sensor structure
Sandison et al. Optimization of the geometry and porosity of microelectrode arrays for sensor design
US20070170054A2 (en) Method for determining the concentration of an analyte in a liquid sample using small volume samples and fast test times
JP2009262107A (ja) 誘電泳動電極、並びにそれを用いた誘電泳動セル及び誘電体微粒子の捕集装置
US20160047766A1 (en) Imprinted thin-film electronic sensor structure
CN101375155A (zh) 交叉指型微电极和制造交叉指型微电极的方法
CN106842729A (zh) 石墨烯电极制备方法及液晶显示面板
JP2014153280A (ja) バイオセンサ用電極およびバイオセンサ
Song et al. Laser-cut polymer tape templates for scalable filtration fabrication of user-designed and carbon-nanomaterial-based electrochemical sensors
JP6149480B2 (ja) バイオセンサ用電極、バイオセンサ用電極部材およびバイオセンサ
JP2014215150A (ja) バイオセンサ用電極、バイオセンサ、バイオセンサ用導電性樹脂組成物
JP2015508901A (ja) 積層型一方向接触パッド及び不活性の支持基材を有する共面分析試験ストリップ
JP6514991B2 (ja) 電極構造の製造方法、センサ電極の製造方法、電極構造およびセンサ電極
JP4590527B2 (ja) 薄膜電極基板の作製方法
JP2017173014A (ja) 電極構造の製造方法、電気化学センサの製造方法、電極構造および電気化学センサ
JP2008060540A (ja) 電子デバイスの製造方法、電子デバイスおよび電子機器
Ferreira et al. A novel disposable electrochemical microcell: construction and characterization

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6514991

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250