JP2014153279A - バイオセンサ用電極の製造方法、バイオセンサの製造方法およびバイオセンサ用転写箔 - Google Patents

バイオセンサ用電極の製造方法、バイオセンサの製造方法およびバイオセンサ用転写箔 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、転写箔を用いた安価なバイオセンサ用電極の製造方法およびバイオセンサの製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、第1基材と、上記第1基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極の製造方法であって、上記電極系および上記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する転写工程とを有することを特徴とするバイオセンサ用電極の製造方法を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、転写箔を用いたバイオセンサの製造方法に関する。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。バイオセンサは、一般に、作用極および対極を含む電極系、酵素および電子受容体を基本構成として備えている。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
グルコースセンサにおいては、酵素は血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体に電極系で一定の電圧を印加することで還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。この電流が血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化することができる。
従来、バイオセンサにおける電極系の形成方法としては種々の方法が提案されており、例えば、基材上の全面に真空蒸着やスパッタリング、めっき、金属箔接着等により金属膜を形成し、その後パターニングする方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、このような方法では使用する金属量が多く、金属膜の不要部分は除去されてしまうことから、コストの増加を招くという問題があった。特に、金属膜に高価な貴金属を使用する場合には、除去された金属を回収する作業を行うため、さらなるコスト増を招くという問題があった。
特開2012−58168号公報 特許第2802640号公報 特許第3734758号公報
グルコースセンサ等に代表される医療用のバイオセンサは使い捨てで、患者は次の検査時には新しいバイオセンサを使用する。このような使い捨て型のバイオセンサにおいては、安価に製造できることが主として望まれる。
そこで、本発明者は安価なバイオセンサの製造方法について種々検討を重ね、転写箔を用いて電極系を形成することを試みた。しかしながら、従来の転写箔においては、基材上に剥離層と転写層と接着層とが順に積層された構成を基本としており(例えば特許文献2参照)、転写箔を被転写体に接着させた後は基材と剥離層との間で剥離させるため、転写後に被転写体の最表面には剥離層が位置することになる。そのため、基材上に剥離層と金属膜と接着層とが順に積層された転写箔を用いて電極系を形成した場合には、バイオセンサの電気化学的反応を行う電極系として機能する金属膜の表面が剥離層で覆われてしまい、目的の反応表面を有するバイオセンサを得ることができない。また、金属膜表面の剥離層を物理的または化学的に除去すると、金属層の一部または全部も同時に除去されてしまうという問題がある。
なお、バイオセンサに関する技術ではないが、金属膜の転写方法として、粗面化処理が施された樹脂フィルム基体上に粘着剤層と金属蒸着層と金属メッキ層とが順に積層された金属層転写フィルムを用い、金属層転写フィルムをプリプレグ表面に加熱圧着した後、金属蒸着層と粘着剤層との間で剥離させる方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、従来、転写箔を用いたバイオセンサの製造方法については検討されていないのが実情である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、転写箔を用いた安価なバイオセンサ用電極の製造方法およびバイオセンサの製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1基材と、上記第1基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極の製造方法であって、上記電極系および上記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する転写工程とを有することを特徴とするバイオセンサ用電極の製造方法を提供する。
また本発明は、第1基材と、上記第1基材上に形成された電極系および配線部と、上記電極上に配置された反応部とを有するバイオセンサの製造方法であって、上記電極系および上記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する転写工程とを有することを特徴とするバイオセンサの製造方法を提供する。
本発明によれば、支持基材および金属蒸着層の間に従来の剥離層ではなく粘着層が形成された転写箔を用いて、金属蒸着層および粘着層の間で剥離させるため、転写後の第1基材の最表面には金属蒸着層が位置するように金属蒸着層を転写することができる。したがって、転写箔を用いてバイオセンサを製造することが可能となる。また、転写箔を用いるため、従来の基材の全面に形成された金属膜をパターニングする方法と比較して、使用する金属量を少なくすることができ、また不要部分の転写箔は容易に再利用することができ、製造コストを大幅に削減することが可能である。
上記発明においては、真空蒸着法により上記金属蒸着層を形成することが好ましい。真空蒸着法は、金属蒸着層形成時の粘着層への熱負荷が小さく、また粘着層上に堆積される分子のエネルギーが小さいため、粘着層および金属蒸着層の間の粘着力が高くなるのを抑制することができるからである。
また本発明は、バイオセンサの電極系および配線部の少なくともいずれかの形成に用いられるバイオセンサ用転写箔であって、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有することを特徴とするバイオセンサ用転写箔を提供する。
本発明のバイオセンサ用転写箔を用いることにより、バイオセンサの製造コストを低減することが可能である。
本発明においては、転写箔を用いてバイオセンサを安価に製造可能であるという効果を奏する。
本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明におけるバイオセンサの一例を示す模式図である。 本発明におけるバイオセンサの他の例を示す模式図である。 本発明における転写箔の一例を示す概略断面図である。 本発明のバイオセンサの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明におけるバイオセンサの使用方法の一例を示す模式図である。
以下、本発明のバイオセンサ用電極の製造方法、バイオセンサの製造方法およびバイオセンサ用転写箔について詳細に説明する。
A.バイオセンサ用電極の製造方法
本発明のバイオセンサ用電極の製造方法は、第1基材と、上記第1基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極の製造方法であって、上記電極系および上記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する転写工程とを有することを特徴とする。
本発明のバイオセンサ用電極の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)は本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の一例を示す工程図であり、図2(a)、(b)、(c)、(e)はそれぞれ図1(a)〜(d)のA−A線断面図である。
まず、図1(a)および図2(a)に例示するように、支持基材2上に粘着層3と金属蒸着層4と接着層5とが積層された転写箔1を準備する。この例においては、接着層5は導電性を有している。次に、図1(b)および図2(b)に例示するように、第1基材11上に導電層12をパターン状に形成する。次いで、図1(c)および図2(c)に例示するように、転写箔1の接着層5が第1基材11上に形成された導電層12に面するように転写箔1を配置し、さらに転写箔1上にプレス型50を配置して、転写箔1を導電層12に押圧し接着させる。続いて、図2(d)に例示するように、転写箔1の金属蒸着層4と粘着層3との間で剥離し、導電層12上に導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写する。このようにして、図1(d)および図2(e)に例示するように、導電層12と導電性を有する接着層5と金属蒸着層4とが積層された電極系20が形成される。この例において、電極系20は、作用極21と対極22と参照極23とを有している。また、配線部25は導電層12から構成されており、電極系20の導電層12と配線部25の導電層12とが一体で構成されている。
図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)は本発明のバイオセンサ用電極の製造方法の他の例を示す工程図であり、図4(a)、(b)、(d)はそれぞれ図3(a)〜(c)のB−B線断面図である。
まず、図3(a)および図4(a)に例示するように、支持基材2上に粘着層3と金属蒸着層4と接着層5とが積層された転写箔1を準備する。この例においては、接着層5は導電性を有していてもよく絶縁性を有していてもよい。また、第1基材11を準備する。次に、図3(b)および図4(b)に例示するように、転写箔1の接着層5が第1基材11に面するように転写箔1を配置し、さらに転写箔1上にプレス型50を配置して、転写箔1を第1基材11に押圧し接着させる。続いて、図4(c)に例示するように、転写箔1の金属蒸着層4と粘着層3との間で剥離し、第1基材11上に接着層5および金属蒸着層4を転写する。このようにして、図3(c)および図4(d)に例示するように、金属蒸着層4から構成される電極系20および配線部25が形成される。この例において、電極系20は、作用極21と対極22と参照極23とを有している。また、電極系20の金属蒸着層4と配線部25の金属蒸着層4とが一体で構成されている。
本発明によれば、支持基材および金属蒸着層の間に従来の剥離層ではなく粘着層が形成された転写箔を用いて、金属蒸着層および粘着層の間で剥離させるため、転写後の第1基材の最表面には金属蒸着層が位置するように金属蒸着層を転写することができる。したがって、転写箔を用いてバイオセンサ用電極を簡便に製造することが可能となる。また、本発明の転写箔を用いるバイオセンサ用電極の製造方法は、従来の基材の全面に形成された金属膜をパターニングする方法と比較して、使用する金属量を減らすことができ、また不要部分の転写箔をそのまま利用することや不要部分の転写箔から金属蒸着層の材料を容易に回収することができ、製造コストを削減することが可能である。特に金属蒸着層に貴金属を使用する場合には、製造コストを大幅に低減することができる。
図5(a)〜(c)は本発明により製造されるバイオセンサ用電極を備えるバイオセンサの一例を示す模式図である。図5(a)はバイオセンサの斜視図を示し、便宜上、第2基材および第3基材を透過させた透視図としている。図5(b)はバイオセンサの分解図である。図5(c)は図5(a)のC−C線断面図である。図5(a)〜(c)に例示するバイオセンサは、例えば図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に示すバイオセンサ用電極の製造方法を用いて得ることができる。
図5(a)〜(c)に例示するように、バイオセンサ10においては、第1基材11上に電極系20および配線部25が形成されており、電極系20および配線部25の上部に、試料供給路33を形成するためのスペーサーである第2基材31と、試料供給路33の上部カバーであり、第2基材31を覆うように配置された第3基材32とが順次積層され、固着されている。電極系20は作用極21、対極22および参照極23を有しており、作用極21の表面の一部に反応部26がさらに形成されている。
電極系20および配線部25の上部に配置された第2基材31は、作用極21上に位置する反応部26、対極22および参照極23の上部に、例えば第2基材31の外縁に通じるT字状の流路を形成するように配置されている。T字状の流路は、作用極21上に位置する反応部26、対極22および参照極23の上部に直線状に配置された空気抜き流路34と、空気抜き流路34に直交し、作用極21の反応部26の上部を通過する試料供給路33とにより構成されている。バイオセンサ10は、試料供給路33と空気抜き流路34とを有することで、試料供給路33から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極21、対極22および参照極23の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
図6(a)〜(c)は本発明により製造されるバイオセンサ用電極を備えるバイオセンサの他の例を示す模式図である。図6(a)はバイオセンサの斜視図を示し、便宜上、第2基材および第3基材を透過させた透視図としている。図6(b)はバイオセンサの分解図である。図6(c)は図6(a)のD−D線断面図である。図6(a)〜(c)に例示するバイオセンサは、例えば図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に示すバイオセンサ用電極の製造方法を用いて得ることができる。
なお、図6(a)〜(c)中の符号については図5(a)〜(c)中の符号と同様であり、図6(a)〜(c)に例示するバイオセンサは電極系および配線部以外の構成については図5(a)〜(c)に例示するバイオセンサと同様である。
以下、本発明のバイオセンサ用電極の製造方法における各工程について説明する。
1.準備工程
本発明における準備工程は、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する工程である。
以下、転写箔および転写箔が転写される被転写体について説明する。
(1)転写箔
本発明に用いられる転写箔は、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有するものである。
以下、転写箔の各構成について説明する。
(a)粘着層
本発明における粘着層は、支持基材上に形成されるものであり、転写箔を転写した際に粘着層および金属蒸着層の間で剥離するものである。
粘着層に用いられる粘着剤としては、一般的な粘着剤を使用することができ、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。中でも、粘着層上には金属蒸着層が形成されることから、また被転写体に転写箔を加熱しながら押圧し転写する場合があることから、粘着剤は耐熱性を有することが好ましい。また、転写箔を転写した際に粘着層および金属蒸着層の間で剥離する程度に、弱い粘着力を有する粘着剤が好ましく用いられる。特に、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。耐久性、耐熱性に優れ、低コストであるからである。
粘着層の粘着力は、転写箔を転写した際に粘着層および金属蒸着層の間で剥離する程度であれば特に限定されるものではないが、0.01N/cm以上0.08N/cm以下であることが好ましい。
ここで、一般的に、粘着層の粘着力は、粘着層上に金属蒸着層を形成する前と粘着層上に金属蒸着層を形成した後とでは異なった値になる場合があり、具体的には粘着層上に金属蒸着層を形成する前に対して粘着層上に金属蒸着層を形成した後では粘着層の粘着力が増加する場合がある。これは、金属蒸着層の形成条件に起因する。本発明において、上記の粘着層の粘着力は、粘着層上に金属蒸着層を形成する前の粘着層の粘着力をいう。
また、粘着層上に金属蒸着層を形成した後の粘着層の粘着力が、粘着層上に金属蒸着層を形成する前の粘着層の粘着力に対して大きく増加すると、転写箔を転写した際に粘着層および金属蒸着層の間で剥離することが困難になる。そのため、粘着層上に金属蒸着層を形成する前に対する粘着層上に金属蒸着層を形成した後の粘着層の粘着力の増加の程度は比較的小さいことが好ましい。
粘着層上に金属蒸着層を形成する前の粘着層の粘着力は、粘着層が形成された支持基材から、巾1cm×長さ20cmの大きさの短冊状の試験片をカットし、次にJIS Z0237の規格に準拠した条件でステンレス板にラミネートし、最後に、試験片を剥離角180°、剥離速度300mm/分、室温下の条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより測定することができる。また、このような180°剥離強度測定には、例えば、インストロン社製の万能試験機5565を用いることができる。
また、粘着層の粘着力は、後述の接着層の接着力よりも小さい。これにより、第1基材上に接着層および金属蒸着層を転写することができる。
ここで、粘着層の粘着力が接着層の接着力よりも小さいことは、被転写体に転写箔を転写させることにより確認することができる。転写後に転写箔を剥離する際、金属蒸着層および粘着層の間で剥離し、金属蒸着層および接着層の間で剥離しない場合には、粘着層の粘着力は接着層の接着力よりも小さいといえる。
粘着層の厚さは、転写箔を転写した際に粘着層および金属蒸着層の間で剥離できる程度であれば特に限定されるものではないが、0.3μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。
粘着層の形成方法としては、一般的な粘着層の形成方法を用いることができ、例えば、塗布法、印刷法等が挙げられる。
また、支持基材上に粘着層が形成されている市販の粘着フィルムを用いてもよい。
(b)金属蒸着層
本発明における金属蒸着層は、バイオセンサの電極系および配線部の少なくともいずれかとして機能するものである。本発明においては、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示するように、導電層12上に転写箔1の導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写して、導電層12と導電性を有する接着層5と金属蒸着層4とが積層された電極系20を形成してもよい。また、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示するように、第1基材11上に転写箔1の接着層5および金属蒸着層4を転写して、金属蒸着層4から構成される電極系20および配線部25を形成してもよい。また、図示しないが、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示する方法により、第1基材上に転写箔の接着層および金属蒸着層を転写して、金属蒸着層から構成される配線部を形成してもよい。この場合、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示する方法により、金属蒸着層上に転写箔の導電性を有する接着層および金属蒸着層をさらに転写して、金属蒸着層と導電性を有する接着層と金属蒸着層とが積層された電極系を形成してもよい。
金属蒸着層には、例えば、金、白金、銀、パラジウム、銅、鉄、アルミニウム、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル等の金属、またはこれらの金属を含む合金等を用いることができる。中でも、外部から供給される試料や電子受容体の酸化還元反応による腐食を受けにくいことから、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属、またはこれらの貴金属を含む合金が好ましく用いられる。
また、金属蒸着層は、金属蒸着層の単層であってもよく、複数の金属蒸着層を積層したものであってもよい。
金属蒸着層の構成は、金属蒸着層に求められる機能に応じて適宜選択される。
例えば、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に示すように、導電層12上に転写箔1の導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写して、導電層12と導電性を有する接着層5と金属蒸着層4とが積層された電極系20を形成する場合には、金属蒸着層は、外部から供給される試料や電子受容体の酸化還元反応による腐食を受けにくいことが好ましく、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属、またはこれらの貴金属を含む合金を用いることが好ましい。
また、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に示すように、第1基材11上に転写箔1を転写して、金属蒸着層4から構成される電極系20および配線部25を形成する場合には、金属蒸着層は、複数の金属蒸着層を積層したものであることが好ましい。この場合、図7に例示するように、金属蒸着層4が第1金属蒸着層4aおよび第2金属蒸着層4bの2層が積層されたものであることが好ましい。転写箔1においては粘着層3および金属蒸着層4の間で剥離されることから、転写後には第1金属蒸着層4aが最表面に位置することになる。そのため、第1金属蒸着層4aは、外部から供給される試料や電子受容体の酸化還元反応による腐食を受けにくいことが好ましく、金、白金、銀、パラジウム等の貴金属、またはこれらの貴金属を含む合金を用いることが好ましい。一方、第2金属蒸着層4bには、貴金属を用いずに廉価な金属を用いることが好ましく、アルミニウム、銅、鉄、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム等の金属、またはこれらの金属を含む合金を用いることが好ましい。
また、図示しないが、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示する方法により、第1基材上に転写箔の接着層および金属蒸着層を転写して、金属蒸着層から構成される配線部を形成する場合には、金属蒸着層には、貴金属を用いずに安価な金属を用いることが好ましく、アルミニウム、銅、鉄、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム等の金属、またはこれらの金属を含む合金を用いることが好ましい。
金属蒸着層の厚さは、金属蒸着層および粘着層の間で剥離し、金属蒸着層を転写することが可能な程度であれば特に限定されるものではないが、0.02μm以上40μm以下の範囲内であることが好ましく、0.06μm以上10μm以下の範囲内であることがより好ましい。厚さが上記範囲未満であると、金属蒸着層の強度が低下して、転写後に金属蒸着層が粘着層に付着し転写不良が起こるおそれや、金属蒸着層の抵抗値が高くなり目的とする電極系または配線部が得られなくなるおそれがある。また、厚さが上記範囲より大きくなると、試料供給路および空気抜き流路の形成に三次元的な高い加工精度が要求され、加工金型の使用数や加工工程および時間が飛躍的に増えるおそれがある。
金属蒸着層を形成する蒸着法としては、例えば、真空蒸着法等が用いられる。中でも、粘着層上に金属蒸着層を形成する前に対して粘着層上に金属蒸着層を形成した後の粘着層の粘着力が大きく増加しないような蒸着法が好ましい。具体的には、蒸着条件として、粘着層上に金属蒸着層を形成する際の粘着層への熱負荷が小さいこと、および、粘着層上に堆積される分子または粒子のエネルギーが小さいことが好ましい。金属蒸着層形成時の粘着層への熱負荷が大きいと、粘着層および金属蒸着層の間の粘着力が高くなり、粘着層および金属蒸着層の間で剥離させることが困難となるおそれがある。また、粘着層上に堆積される分子または粒子のエネルギーが大きいと、粘着層および金属蒸着層の界面が粗くなり、上記の場合と同様に、粘着層および金属蒸着層の間の粘着力が高くなり、粘着層および金属蒸着層の間で剥離させることが困難となるおそれがある。真空蒸着法は、スパッタリング法やイオンプレーティング法等の他の蒸着法と比較して、金属蒸着層形成時の粘着層への熱負荷が小さく、粘着層上に堆積される分子のエネルギーが小さいことから、好ましい。また、真空蒸着法の中でも、比較的低温での蒸着が可能であることから、抵抗加熱蒸着法が特に好適である。
(c)接着層
本発明における接着層は、上記金属蒸着層上に形成されるものである。
接着層に用いられる接着剤としては、転写箔を被転写体に押圧することにより接着させることが可能であれば特に限定されるものではなく、転写箔において一般的な接着剤を使用することができ、例えば、熱溶融型接着剤、感圧型接着剤等を挙げることができる。具体的に、熱溶融型接着剤としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の接着剤が挙げられる。また、熱溶融型接着剤の場合、後述の転写工程での粘着層への熱の影響を考慮すると、熱溶融型接着剤のTg(ガラス転移温度)は165℃以下であることが好ましい。
接着層は導電性を有していてもよく、被転写体の構成等に応じて適宜選択される。例えば、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に示すように、導電層12上に転写箔1の接着層5および金属蒸着層4を転写する場合には、導電性を有する接着剤が用いられる。一方、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に示すように、第1基材11上に転写箔1の接着層5および金属蒸着層4を転写する場合には、接着剤は絶縁性を有していてもよく導電性を有していてもよいが、通常は絶縁性を有する接着剤が用いられる。
導電性を有する接着剤としては、熱溶融型接着剤または感圧型接着剤として用いられる樹脂に、導電性粒子を混合したものを用いることができる。導電性粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル等の金属および合金、またはカーボン等が挙げられる。接着剤中の導電性粒子の含有量は、目的とする接着性および導電性に応じて適宜調整される。
上述したように、接着層の接着力は、上記粘着層の粘着力よりも大きい。
接着層の厚さは、転写箔を被転写体に押圧することにより接着させることが可能な程度であれば特に限定されるものではなく、例えば0.3μm〜15μmの範囲内で設定することができる。
接着層の形成方法としては、一般的な接着層の形成方法を用いることができ、例えば、塗布法、印刷法等が挙げられる。
(d)支持基材
本発明に用いられる支持基材は、上記粘着層、金属蒸着層および接着層を支持するものである。
支持基材としては、樹脂基材を用いることができ、転写箔において一般的な樹脂基材を使用することができる。
支持基材の厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば、2μm〜200μm程度とすることができる。
(2)被転写体
本発明において、上記転写箔が転写される被転写体は、少なくとも第1基材を有するものである。
被転写体の構成は、転写箔の転写によって電極系および配線部のいずれが形成されるのかに応じて適宜選択される。図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示するように、導電層12上に転写箔1の導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写して、導電層12と導電性を有する接着層5と金属蒸着層4とが積層された電極系20を形成する場合には、被転写体においては、第1基材11上に導電層12がパターン状に形成される。また、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示するように、第1基材11上に転写箔1の接着層5および金属蒸着層4を転写して、金属蒸着層4から構成される電極系20および配線部25を形成する場合には、被転写体は第1基材11から構成される。また、図示しないが、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示する方法により、第1基材上に転写箔の接着層および金属蒸着層を転写して、金属蒸着層から構成される配線部を形成する場合にも、被転写体は第1基材から構成される。この場合であって、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示する方法により、金属蒸着層上に転写箔の導電性を有する接着層および金属蒸着層をさらに転写して、金属蒸着層と導電性を有する接着層と金属蒸着層とが積層された電極系を形成する場合には、被転写体においては、第1基材上に接着層および金属蒸着層がパターン状に形成される。
以下、被転写体の各構成について説明する。
(a)第1基材
本発明に用いられる第1基材は、電極系および配線部を支持する基材であり、少なくとも電極系および配線部が形成される面は絶縁性を有する。
第1基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。
第1基材の厚さは、上記材料に応じて測定時の取り扱い性能に十分な強度を実現可能な程度であればよい。具体的には、第1基材の厚さは、6μm以上1mm以下の範囲内で設定することができる。
(b)導電層
本発明における導電層は、上記第1基材上にパターン状に形成されるものであり、バイオセンサの電極系の一部および配線部として機能するものである。図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示するように、導電層12上に転写箔1の導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写する場合には、導電層12と導電性を有する接着層5と導電層4とが積層された電極系20を形成することができる。この場合、配線部25は導電層12から構成されており、配線部の導電層12と電極系20の導電層とは一体で構成されている。
導電層には、例えば、金、白金、銀、パラジウム、銅、鉄、アルミニウム、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル等の金属、またはこれらの金属を含む合金、あるいはカーボン等を用いることができる。中でも、貴金属を用いずに安価な金属を用いることが好ましく、アルミニウム、銅、鉄、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム等の金属、またはこれらの金属を含む合金が好ましく用いられる。
また、導電層は、導電層の単層であってもよく、複数の導電層を積層したものであってもよい。
導電層の厚さは、0.02μm以上40μm以下の範囲内であることが好ましい。厚さが上記範囲未満であると、導電層の抵抗値が高くなり目的とする電極系および配線部が得られなくなるおそれがある。また、厚さが上記範囲より大きくなると、導電層上への導電性を有する接着層および金属蒸着層の積層や、試料供給路および空気抜き流路の形成に三次元的な高い加工精度が要求され、加工金型の使用数や加工工程および時間が飛躍的に増えるおそれがある。
導電層の形成方法としては、第1基材上に導電層をパターン状に形成可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属ペーストを印刷する方法、真空蒸着やスパッタリング法等の物理蒸着法、金属箔をエッチングする方法、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するインキを印刷する方法等を用いることができる。
2.転写工程
本発明における転写工程は、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する工程である。
転写工程においては、まず、転写箔と少なくとも第1基材を有する被転写体とを積層する。転写箔および被転写体の積層方法としては、転写箔の接着層が被転写体に面するように重ねることができる方法であれば特に限定されない。被転写体において第1基材上に導電層が形成されている場合には、転写箔の接着層が被転写体の導電層に面するように重ねる。
次に、転写箔を被転写体に押圧し接着させる。転写箔を被転写体に押圧し接着させる方法としては、金属蒸着層が配置される領域のみに圧力をかけることができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、圧力のみにより接着させる方法であってもよく、圧力および加熱により接着させる方法であってもよい。具体的には、金型を用いる方法、加圧ローラーを用いる方法が挙げられる。
圧力としては、接着層に用いられる接着剤および粘着層に用いられる粘着剤の種類等に応じて適宜設定されるが、具体的には10g/cm2〜2000g/cm2の範囲内であることが好ましく、30g/cm2〜200g/cm2の範囲内であることがより好ましい。圧力が低いと転写箔および被転写体の接着性が不十分になり、圧力が高いと粘着層および金属蒸着層の間の粘着力が高くなり、粘着層および金属蒸着層の間で剥離することが困難になるおそれがある。
加熱を行う場合、温度としては、接着層に用いられる接着剤および粘着層に用いられる粘着剤の種類等に応じて適宜設定されるものであり、一般的には接着層に用いられる接着剤のTg(ガラス転移温度)に応じて110℃〜200℃の範囲内で適宜設定することができる。中でも、粘着層への熱の影響を考慮すると、165℃以下とすることが好ましい。温度が低いと転写箔および被転写体の接着性が不十分になり、温度が高いと粘着層および金属蒸着層の間の粘着力が高くなり、粘着層および金属蒸着層の間で剥離することが困難になるおそれがある。
次いで、転写箔の粘着層および金属蒸着層の間で剥離する。粘着層および金属蒸着層の間で剥離する方法としては、被転写体と接着された領域のみにおいて粘着層および金属蒸着層の間で剥離することができる方法であれば特に限定されない。通常は、転写箔を被転写体から物理的に引き離すことによって剥離する方法が用いられる。
導電層上に導電性を有する接着層および金属蒸着層を転写する際には、導電層の上部表面および側面を接着層および金属蒸着層で被覆するように転写してもよく、導電層の上部表面のみに接着層および金属蒸着層を形成するように転写してもよい。
3.電極系および配線部
本発明においては、電極系および配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、上記の準備工程および転写工程を有する。
例えば、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に示すように、導電層12上に転写箔1の導電性を有する接着層5および金属蒸着層4を転写して、導電層12と導電性を有する接着層5と金属蒸着層4とが積層された電極系20を形成してもよい。この場合には、電極系を形成する工程が上記の準備工程および転写工程を有する。
また、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示するように、第1基材11上に転写箔1の接着層5および金属蒸着層4を転写して、金属蒸着層4から構成される電極系20および配線部25を形成してもよい。この場合、電極系および配線部を形成する工程が上記の準備工程および転写工程を有する。
また、図示しないが、図3(a)〜(c)および図4(a)〜(d)に例示する方法により、第1基材上に転写箔の接着層および金属蒸着層を転写して、金属蒸着層から構成される配線部を形成してもよい。この場合、配線部を形成する工程が上記の準備工程および転写工程を有する。さらに、図1(a)〜(d)および図2(a)〜(e)に例示する方法により、金属蒸着層上に転写箔の導電性を有する接着層および金属蒸着層を転写して、金属蒸着層と導電性を有する接着層と金属蒸着層とが積層された電極系を形成してもよい。この場合、配線部を形成する工程および電極系を形成する工程がそれぞれ上記の準備工程および転写工程を有する。
電極系は、少なくとも作用極および対極を有するものであり、さらに参照極を有していてもよい。作用極は、還元体の電子受容体に電圧を印加するための一方の電極である。対極は、電子受容体から作用極に放出された電子によって流れた電流を計測するための一方の電極である。また、参照極は、作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。
作用極、対極および参照極には配線部が電気的に接続されており、配線部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。本発明においては、一体で構成されている電極系および配線部を形成することができ、高感度のバイオセンサを得ることができる。
なお、図1〜図6に示す例においては、第1基材11上に3本の配線部25が形成されており、3本の配線部にそれぞれ作用極21、対極22および参照極23が接続されているが、電極系および配線部の形態としてはこれに限定されるものではなく任意の形態とすることができ、例えば図示しないが、第1基材上に2本の配線部を形成して、一方の配線部に作用極、他方の配線部に対極および参照極を別々に接続してもよい。
B.バイオセンサの製造方法
本発明のバイオセンサの製造方法は、第1基材と、上記第1基材上に形成された電極系および配線部と、上記電極形状に配置された反応部とを有するバイオセンサの製造方法であって、上記電極系および上記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、上記転写箔の上記接着層が上記第1基材に面するように重ね、上記転写箔を上記第1基材に押圧し接着させた後、上記粘着層および上記金属蒸着層の間で剥離し、上記第1基材上に上記接着層および上記金属蒸着層を転写する転写工程とを有することを特徴とする。
なお、準備工程および転写工程ならびに電極系および配線部については、上記「A.バイオセンサ用電極の製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明のバイオセンサの製造方法における他の工程について説明する。
本発明のバイオセンサの製造方法は、上記の準備工程および転写工程の他に、電極系の作用極上に反応部を配置する反応部形成工程、電極系および配線部の上部に第2基材を配置する第2基材配置工程、および第2基材の上部に第3基材を配置する第3基材配置工程をさらに有していてもよい。以下、各工程について説明する。
1.反応部形成工程
本発明において、反応部は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。
反応部は、生体由来物質として、例えば、酵素と電子受容体とを含む。
グルコース濃度を測定する場合には、酵素として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、後述の範囲の活性を有するものであれば特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。
電子受容体としては、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。
また、バイオセンサは、反応部の酵素を変更することで、グルコースセンサのみならず、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサ等の酵素に関与する反応系に広く用いることができる。各バイオセンサに用いる酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
酵素と電子受容体は、適宜溶媒で希釈して用いる。溶媒としては、例えば、水、アルコール、水−アルコール混合溶媒が挙げられる。また、酵素と電子受容体は、直鎖、環状の炭化水素貧溶媒に均一分散させてもよい。
酵素および電子受容体はそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下の範囲内および0.5μg以上200μg以下の範囲内とすることが好ましい。反応部の酵素および電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部の性能を担保する最適重量部の小過剰でよい。
また、反応部は、その面積に比例した検出電流が得られるため、可能な範囲で広く設定することが好ましい。反応部は、親水性高分子と混合したり、あるいは親水性高分子および界面活性剤と混合したりして構成してもよい。親水性高分子と混合すると、血液はゲル状となり応答電流値は若干低下するが、赤血球や他のタンパク質等のセンサ応答への影響を低減することができる。界面活性剤を含有させると、粘度の高い試料液であってもバイオセンサの内部へ試料液を容易に導くことができため、好ましい。
親水性高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルブチラール等、またはこれらの混合物を用いることができる。
反応部に用いる界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール類等が挙げられる。
反応部は、電極系の作用極の金属蒸着層上に、酵素および電子受容体を含む溶液を塗布した後、乾燥させ溶媒成分を除去して形成することができる。
酵素および電子受容体を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
反応部の形成位置は、作用極の上部であればよく、例えば、反応部を作用極の金属蒸着層上に形成してもよく、反応部を第2基材および第3基材の間に形成し、空間を介して作用極に対向するように配置してもよい。
2.第2基材配置工程
本発明に用いられる第2基材は、第1基材と第3基材との間に間隙を設け、外部からバイオセンサへ試料供給を行うための流路を設けるための基材である。
第2基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、電気絶縁性および弾性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
第2基材には少なくとも1つの試料供給路が形成されている。試料供給路は、第2基材を水平方向に貫通して設けられた流路であり、外部から供給される試料を作用極に導く。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内であることが好ましい。試料供給路の幅が上記範囲未満であると、流路への毛細管現象によるに安定した試料供給がされなくなる場合や、また反応部の電極面積を広く取れないため感度が低くなる場合がある。また、幅が上記範囲よりも大きくなると、バイオセンサを第1基材の電極系形成面に対して垂直に切断した際、試料供給路の幅の中心線へ向かって第1基材および第3基材がアーチ状につぶれ、試料供給路内の容積が変化し易くなるおそれがある。試料供給路の幅は、全体にわたって均一の幅であってもよく、第2基材の試料供給路の導入部である外縁に向かって幅が広くなっていてもよい。
第2基材は、試料供給路とは別の空気抜き流路をさらに備えていてもよい。バイオセンサにおいて、空気抜き流路は、試料供給路に接続され、試料供給路と空気抜き流路とを合わせて例えばT字状の流路を構成している。このような構成とすることで、外部から試料が供給された場合に、試料供給路内の空気が逃げる空気抜き流路が機能する。
空気抜き流路の幅は、0.3mm以上10mm以下の範囲内であることが好ましい。空気抜き流路の幅が上記範囲未満であると、接着剤や基材のバリが空気抜きの邪魔となるおそれがある。また、幅が上記範囲よりも大きくなると、基材が変形した際、隣接する供給路にも変形が及び供給路容積の変動要因となるおそれがある。
流路の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、T字状の流路であってもよく、第2基材に試料を導入する「U」の字状の切欠部を備えた試料供給路を形成し、第2基材の切欠部に対応する位置に貫通孔を備えた第3基材を配置してもよい。
流路の形成方法としては、例えば、打ち抜き加工が挙げられる。
第2基材の厚さは、試料供給路および空気抜き流路の高さとなり、15μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。第2基材の厚さが上記範囲未満であると、基材の凹凸の影響で容積変化が生じ易く、毛細管現象による試料供給も安定しなくなるおそれがある。また、厚さが上記範囲よりも大きくなると、反応部に均一に試料が流れず、反応部の一部に試料が流れない可能性がある。
第2基材の配置方法としては、第1接着層を介して電極系および配線部が形成された第1基材と第2基材とを貼付し、第2接着層を介して第2基材と第3基材とを貼付する方法が挙げられる。
図8(a)〜(e)は本発明のバイオセンサの製造方法における第2基材配置工程および第3基材配置工程の一例を示す工程図である。まず、図8(a)に示すように、第2基材31の電極系および配線部が形成された第1基材を貼付する面と、第2基材31の第3基材を貼付する面とにそれぞれ第1接着層41および第2接着層42を形成する。次に、図8(b)に示すように、両面に第1接着層41および第2接着層42が形成された第2基材31に打ち抜き加工を施し、試料供給路33および空気抜き流路(図示なし)を形成する。次いで、図示しないが、第3基材に打ち抜き加工を施し、配線部の一部が露出するように切欠部を形成する。次に、図8(c)に示すように、第2基材31の一方の面に第2接着層42を介して第3基材32を貼合する。続いて、図8(d)、(e)に示すように、第2基材31の他方の面に第1接着層41を介して電極系20および配線部25が形成された第1基材11を貼合する。なお、図8(c)は図5(a)のE−E線断面図、図8(d)は図5(b)のF−F線断面図に相当する。
貼合の順序は、第2基材および第3基材を貼合してから、第2基材に第1基材を貼合してもよく、第2基材および第1基材を貼合してから、第2基材に第3基材を貼合してもよい。
また、第3基材の下部表面に第2接着層を形成し、第2基材、対極および参照極を第2接着層で包埋するように第3基材を固着してもよい。
第1接着層および第2接着層の材料としては、例えば、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を用いることができる。
第1接着層および第2接着層の厚さは、3μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましい。中でも、第2基材と電極系および配線部が形成された第1基材とを貼り合わせる第1接着層の厚さは、電極系、配線部および反応部を合わせた厚さ以上、例えば20μm程度であることが好ましい。第2基材と電極系および配線部が形成された第1基材とが第1接着層を介して密着され、試料供給路から供給される試料が配線部に流入するのを防御することができる。また、電極系および配線部が形成された第1基材と第1接着層とが密着していることで、配線部の防錆を実現することができる。
3.第3基材配置工程
本発明に用いられる第3基材は、蓋材として機能する基材である。
第3基材には、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。第3基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。中でも、電気絶縁性および弾性を有することが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
第3基材の形状は、電極系および配線部が形成された第1基材に応じて適宜選択されるものであり、例えば、第3基材は配線部の一部が露出するように切欠部を有していてもよい。
切欠部の形成方法としては、例えば、打ち抜き加工が挙げられる。
第3基材の配置方法としては、第2接着層を介して第2基材と第3基材とを貼付する方法が挙げられる。なお、電極系および配線部が形成された第1基材と第2基材と第3基材とを貼合する方法については、上記第2基材配置工程の項に記載した通りである。
4.絶縁層形成工程
本発明においては、電極系および配線部が形成された第1基材上に配線部を覆うように絶縁層を形成する絶縁層形成工程を行ってもよい。配線部を覆うように絶縁層を形成することにより、配線部の酸化を防ぐとともに、ショートを防ぐことができる。
絶縁層には、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。
絶縁層の形成位置としては、配線部を覆い、かつ電極系および配線部のコネクタ部分を覆わないように絶縁層を形成すればよい。
絶縁層の形成方法としては、所定のパターン状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。また、絶縁層を形成する際には、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を予めパターン状に塗布した後、硬化してもよく、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を全面に塗布した後、硬化したい部分のみにエネルギーを加えて硬化してもよい。
5.断裁工程
本発明において、バイオセンサの製造は多面付けで行ってもよい。この場合、電極系および配線部が形成された第1基材と第2基材と第3基材とを貼合した後、断裁して個々のバイオセンサを得る。
6.測定装置
図9は、本発明におけるバイオセンサを測定装置に接続した様子を示す模式図であり、図9(a)は全体図であり、図9(b)は図9(a)の破線部における測定装置の内部を説明する図である。
図9(a)、(b)に例示するように、測定装置60は、公知の測定装置であって、バイオセンサ10を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置60は、例えば、バイオセンサ10で生じた電気信号を受信するための接続電極63、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部61および操作部62を備える。バイオセンサ10は、測定装置60の装着部に装着されると、バイオセンサ10の3つの配線部25の端部が測定装置60の接続電極63にそれぞれ接続される。この接続により、バイオセンサ10で生じた電気信号は、測定装置60に伝達される。
なお、図9(a)、(b)に示す例においては、第1基材11上に3本の配線部25が形成されており、測定装置は3本の接続電極を有しているが、第1基材上に2本の配線部を形成して、一方の配線部に作用極、他方の配線部に対極および参照極を別々に接続した場合は、測定装置の接続電極は2本となる。
測定方法としては、例えば、測定者がバイオセンサ10を測定装置60に装着し、バイオセンサ10の先端から第2基材に設けられた試料供給路に試料を導入し、操作部62を操作して、測定を開始する。試料供給路に導入された試料に被検出物が含まれる場合は、被検出物と、反応部に配設された生体由来物質とが反応し、電気信号がバイオセンサ10の電極系で検出され、電極系を介して配線部25の端部から、測定装置60の接続電極63を介して、測定装置60に伝達される。測定装置60は、バイオセンサ10から受信した電気信号を演算部で測定値に変換する。得られた測定値は、表示部61に表示され、測定者は測定結果を視覚的に認識することができる。
C.バイオセンサ用転写箔
本発明のバイオセンサ用転写箔は、バイオセンサの電極系および配線部の少なくともいずれかの形成に用いられるものであって、支持基材と、上記支持基材上に形成された粘着層と、上記粘着層上に形成された金属蒸着層と、上記金属蒸着層上に形成された接着層とを有することを特徴とするものである。
なお、バイオセンサ用転写箔を単に転写箔と称する場合がある。
図2(a)は本発明のバイオセンサ用転写箔の一例を示す概略断面図である。図2(a)に例示するように、転写箔1においては、支持基材2上に粘着層3と金属蒸着層4と接着層5とが順に積層されている。
本発明によれば、バイオセンサ用転写箔を用いることにより、安価にバイオセンサを製造することが可能になる。
なお、バイオセンサ用転写箔については、上記「A.バイオセンサの製造方法」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
まず、PET基材上に粘着層が形成された市販の粘着フィルムとして、パナック社製のパナプロテクトHPおよびパナプロテクトET、ならびに日立化成工業社製のヒタレックスL8010およびヒタレックスL8020の4種の粘着フィルムを準備した。次に、これらの粘着フィルムの粘着層上に抵抗加熱蒸着法により金(Au)を厚さが50nmまたは100nmになるように成膜し、PET基材/粘着層/金蒸着層から構成される積層フィルムを得た。次いで、積層フィルムの金蒸着層上にメンディングテープを貼り、180°剥離させる剥離試験を行った。
金蒸着層の転写の評価として、粘着フィルムの光透過率、積層フィルムの初期の光透過率および剥離試験後の積層フィルムの光透過率を測定した。結果を下記表1に示す。なお、いずれの粘着フィルムも光透過率は92%〜96%の範囲内である。
Figure 2014153279
No.3以外は、金蒸着層の転写が確認された。また、金蒸着層が厚いほど転写性が向上することが確認された。
[実施例2]
(転写箔の作製)
まず、実施例1と同様にして、市販の粘着フィルム(日立化成工業社製 ヒタレックスL−8010)の粘着層上に厚さ100nmの金(Au)を抵抗加熱蒸着法により成膜し、PET基材/粘着層/金蒸着層から構成される積層フィルムを作製した。次に、積層フィルムの金蒸着層上に、ポリエステル樹脂(TOYOBO社製 バイロン550、Tg:−15℃、数平均分子量48,284)20質量部と、カーボンブラック25質量部と、溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))55質量部とを含有するグラビアインキを印刷し、乾燥して、約2μmの導電性接着層を形成した。これにより、転写箔を得た。
(バイオセンサ用電極の作製)
まず、厚さ100μmのPETフィルム(東レ社製ルミラー)の基材の表面に、ドライラミネート剤を用いて接着剤層を形成し、接着剤層を介して厚さ7μmのアルミニウムフィルム(東洋アルミ社製)を貼り合せた。次いで、アルミニウムフィルムの表面に線状のレジストパターンを印刷法で形成した。次に、PETフィルム上に接着剤層とアルミニウムフィルムとレジストパターンとを積層した積層フィルムを、揺動式の塩酸槽(2N)に浸漬させてアルミニウムフィルムをエッチングした。水洗を行った後、水酸化ナトリウム槽(0.5N)に積層フィルムを浸漬させてレジストパターンを剥離した。その後、再度水洗を行った後、パターン状のアルミニウムフィルムから構成される導電層を形成した。この導電層は、配線部および電極系の一部を構成するものである。
次に、導電層がパターン状に形成された基材上に転写箔を配置し、140℃、圧力80g/cm2でホットプレスして、導電層の一部に導電性接着層および金蒸着層を転写した。これにより、導電層と導電性接着層と金蒸着層とが積層された電極系が形成された。
(バイオセンサの作製)
次いで、電極系の作用極上に、酵素としてグルコースオキシダーゼ(東洋紡社製GLO−201)を1ユニット、電子受容体としてフェリシアン化カリウム70μgを蒸留水2μLに溶解し、均一に滴下して反応部を形成した。
次に、配線部のコネクタ部分および電極系(作用極、対極、参照極)以外の領域を覆うように、UV硬化型レジスト(サンタイプ社製S−114)を10μm厚でスクリーン印刷により塗工し、メタルハライドランプを照射量:403J/cm2、強度:418mW、試料移動速度:7m/分の条件で照射して硬化させ、絶縁層を形成した。
次に、両面粘着テープ(住友スリーエム社製9629FL)をスペーサーとしてカットした後、配線部、電極系および絶縁層が形成された基材上に添着して、流路を作製した。続いて、カバーとして片面防曇PETフィルム(スリーエムヘルスケア社製#9971)を用い、片面防曇PETフィルムの防曇面を電極系と対向させてスペーサーと貼り合せた。
(評価)
得られたバイオセンサをポテンシオスタット(ビーエーエス社製ALS760)の作用極、対極、参照極に配線し、0.5V電圧印加で被検体2.5μL滴下後2秒後の電流を検出した。被検体には、生理食塩水にグルコースを100mg/dLの濃度に調製した人工標準グルコース液を用いた。このバイオセンサでは電流が検出され、グルコース濃度を検出可能な電極が作製されたことが確認された。
1 … 転写箔
2 … 支持基材
3 … 粘着層
4 … 金属蒸着層
5 … 接着層
10 … バイオセンサ
11 … 第1基材
12 … 導電層
20 … 電極系
21 … 作用極
22 … 対極
23 … 参照極
25 … 配線部
26 … 反応部
31 … 第2基材
32 … 第3基材
33 … 試料供給路
34 … 空気抜き流路

Claims (5)

  1. 第1基材と、前記第1基材上に形成された電極系および配線部とを有するバイオセンサ用電極の製造方法であって、
    前記電極系および前記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、
    支持基材と、前記支持基材上に形成された粘着層と、前記粘着層上に形成された金属蒸着層と、前記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、
    前記転写箔の前記接着層が前記第1基材に面するように重ね、前記転写箔を前記第1基材に押圧し接着させた後、前記粘着層および前記金属蒸着層の間で剥離し、前記第1基材上に前記接着層および前記金属蒸着層を転写する転写工程と
    を有することを特徴とするバイオセンサ用電極の製造方法。
  2. 真空蒸着法により前記金属蒸着層を形成することを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ用電極の製造方法。
  3. 第1基材と、前記第1基材上に形成された電極系および配線部と、前記電極形状に配置された反応部とを有するバイオセンサの製造方法であって、
    前記電極系および前記配線部の少なくともいずれかを形成する工程が、
    支持基材と、前記支持基材上に形成された粘着層と、前記粘着層上に形成された金属蒸着層と、前記金属蒸着層上に形成された接着層とを有する転写箔を準備する準備工程と、
    前記転写箔の前記接着層が前記第1基材に面するように重ね、前記転写箔を前記第1基材に押圧し接着させた後、前記粘着層および前記金属蒸着層の間で剥離し、前記第1基材上に前記接着層および前記金属蒸着層を転写する転写工程と
    を有することを特徴とするバイオセンサの製造方法。
  4. 真空蒸着法により前記金属蒸着層を形成することを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサの製造方法。
  5. バイオセンサの電極系および配線部の少なくともいずれかの形成に用いられるバイオセンサ用転写箔であって、
    支持基材と、
    前記支持基材上に形成された粘着層と、
    前記粘着層上に形成された金属蒸着層と、
    前記金属蒸着層上に形成された接着層と
    を有することを特徴とするバイオセンサ用転写箔。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017090429A (ja) * 2015-11-11 2017-05-25 ▲き▼芯科技股▲ふん▼有限公司 電気化学センシング試験片の製作方法
JP2017173014A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 大日本印刷株式会社 電極構造の製造方法、電気化学センサの製造方法、電極構造および電気化学センサ

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