JP2013185993A - 濃度測定センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度測定センサを製造する際の製造工程を減らすことができ、タクトタイムを短縮することが可能な濃度測定センサの製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性基材12上にパターン状に水溶性樹脂を塗布してパターン状の水溶性樹脂層32を形成する。次に、水溶性樹脂層32上および水溶性樹脂層32から露出する絶縁性基材12上に、導電性材料からなる導電層33を形成し、導電層33上に、絶縁性材料からなるオーバーコート層34を形成する。その後、水溶性樹脂層32を水で除去し、水溶性樹脂層32上の導電層33およびオーバーコート層34を除去することにより、絶縁性基材12上に導電層33の一部からなる一対の配線部13a、13bを形成するとともに、配線部13a、13b上にオーバーコート層34の一部からなる一対の絶縁層16a、16bを形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、物質の濃度を測定するための濃度測定センサ及びその製造方法に関する。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるセンサ(濃度測定センサ)が実用化されている。このようなセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコース濃度を定量化するグルコースセンサがある。
グルコースセンサでは、基材と、基材上に設けられた作用電極と対電極を含む電極系と、酵素及び電子受容体とを基本構成として備えている。酵素は血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体に外部デバイスから電極系へ一定の電圧を印加することで還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。この電流値が血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化して測定することができる。
従来、グルコースセンサを製造する時、絶縁性基板に銀を含むペーストをスクリーン印刷してリード配線を形成し、リード配線の先端にカーボンを主成分とするペーストをスクリーン印刷して塗布して作用電極と対電極を含む電極系を形成している。その後、電極系とリード配線の接続端子となる部位が露出するよう絶縁層を積層することにより、グルコースセンサが得られる(特許文献1参照)。
特開2006−275819号
しかしながら、従来、グルコースセンサを製造する際、リード配線と絶縁層とを別々にパターニングしているため、作業工程が多くなり、タクトタイムが長くなるという問題があった。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、濃度測定センサを製造する際の製造工程を減らすことができ、タクトタイムを短縮することが可能な濃度測定センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、溶液中の物質の濃度を測定するための濃度測定センサであって、少なくとも一方の面が絶縁性をもつ絶縁面となる基材と、基材の絶縁面上に設けられた導電性材料からなる一対の配線部と、各配線部上にそれぞれ設けられた一対の絶縁層とを備えた、濃度測定センサの製造方法において、基材を準備する工程と、基材の絶縁面上に、パターン状に水溶性樹脂を塗布してパターン状の水溶性樹脂層を形成する工程と、水溶性樹脂層上および水溶性樹脂層から露出する基材上に、導電性材料からなる導電層を形成する工程と、導電層上に、絶縁性材料からなるオーバーコート層を形成する工程と、水溶性樹脂層を水で除去し、水溶性樹脂層上の導電層およびオーバーコート層を除去することにより、基材上に導電層の一部からなる一対の配線部を形成するとともに、配線部上にオーバーコート層の一部からなる一対の絶縁層を形成する工程とを備えたことを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、水溶性樹脂層を形成する工程の前に、基材の絶縁面上に作用電極および対電極を形成する工程が設けられ、水溶性樹脂層を形成する工程において、作用電極上および対電極上にも水溶性樹脂層が形成されることを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、水溶性樹脂層を除去する工程の後に、一方の配線部の一端および他方の配線部の一端に、それぞれ作用電極および対電極を形成する工程が設けられていることを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、水溶性樹脂層を形成する工程の前に、基材の絶縁面上に、基材と導電層との密着性を高める密着層を形成する工程が設けられていることを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、導電層は、真空成膜法により形成されることを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、導電層は、Ag、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、TaおよびCuから選択される1種以上を含むことを特徴とする濃度測定センサの製造方法である。
本発明は、溶液中の物質の濃度を測定するための濃度測定センサにおいて、少なくとも一方の面が絶縁性をもつ絶縁面となる基材と、基材の絶縁面上に設けられた導電性材料からなる一対の配線部と、一方の配線部の一端に接続された作用電極および他方の配線部の一端に接続された対電極と、各配線部上にそれぞれ設けられた一対の絶縁層とを備え、各配線部の平面形状は、当該配線部上に設けられた絶縁層の平面形状と同一となることを特徴とする濃度測定センサである。
本発明は、作用電極の一部および対電極の一部は、それぞれ基材と配線部との間に配置されていることを特徴とする濃度測定センサである。
本発明は、作用電極および対電極は、それぞれ配線部に隣接することを特徴とする濃度測定センサである。
本発明は、基材の絶縁面上に、基材と配線部との密着性を高める密着層が形成されていることを特徴とする濃度測定センサである。
本発明は、各配線部の金属材料は、Ag、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、TaおよびCuから選択される1種以上を含むことを特徴とする濃度測定センサである。
本発明によれば、濃度測定センサを製造する際の製造工程を減らすことができ、タクトタイムを短縮することができる。
図1は本発明による濃度測定センサを示す分解斜視図。 図2は配線部、作用電極、対電極、接続端子および絶縁層を示す平面図。 図3(a)−(c)は図2のA−A線断面図。 図4(a)−(c)は図2のB−B線断面図。 図5は濃度測定センサと外部デバイスとを示す斜視図。 図6(a)−(g)は本発明による濃度測定センサの製造工程を示す図。 図7(a)−(g)は本発明による濃度測定センサの製造工程の変形例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図面は例示であり、説明のために特徴部を誇張することがあり、実物とは異なる場合がある。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
図1乃至図6は本発明による濃度測定センサおよびその製造方法の実施の形態を示す図である。
まず図1により濃度測定センサの一実施の形態について説明する。図1に示すように、濃度測定センサ10は溶液中の物質の濃度を測定するものであり、例えば血液中のグルコースの濃度を測定することにより、血糖値を検出するものである。
このような濃度測定センサ10は、ベース基体11と、ベース基体11上に設けられた絶縁性基材12と、絶縁性基材12の上面(絶縁性をもつ絶縁面)12a上に設けられた一対の配線部13a、13bと、一方の配線部13aの一端に接続された作用電極14aと、他方の配線部13bの一端に接続された対電極14bとを備えている。
このうち、絶縁性基材12により、上面12aが絶縁面となる基材を構成する。
また絶縁性基材12は、剛性をもつベース基体11により保持されている。絶縁性基材12の上面12aには、絶縁性基材12と配線部13a、13bとの密着性を高める密着層21が形成されている。なお、絶縁性基材12自体が適度な剛性や強度を有する場合には、ベース基材11を設けなくてもよい。
また作用電極14aと対電極14bとにより、被測定溶液が接触する電極系14が構成されている。
さらに一対の配線部13a、13bの他端には、各々接続端子15a、15bが接続されている。
この接続端子15a、15bは、濃度測定センサ10を後述のように、外部デバイス25の挿入口26内に挿入した際、外部デバイス25側の接続部(図示せず)に接続される(図5)。
また一対の配線部13a、13bを覆ってそれぞれ絶縁層16a、16bが設けられている。この絶縁層16a、16bは、それぞれ作用電極14a、対電極14bの一部および一対の接続端子15a、15bの一部を外方へ露出するよう一対の配線部13a、13bを覆っている。この場合、配線部13a、13bの平面形状は、それぞれ配線部13a、13b上に設けられた絶縁層16a、16bの平面形状と同一となっている。
さらに絶縁層16a、16b上に、絶縁性材料からなり、外部からの被測定対象となる血液を作用電極14aおよび対電極14bへ導く吸引口17aを有するキャビティ17が設けられている。またキャビティ17上には絶縁性材料からなるカバー19が設けられ、キャビティ17とカバー19とによって、グリコース酸化酵素を含む試薬層18が保持されている。
次に各部の構成部材について説明する。
ベース基体11
ベース基体11は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂製であり、なかでもより好適にはPET製となっており、その厚みは50μm以上1mm以下となっている。
絶縁性基材12
絶縁性基材12は、一対の配線部13a、13bと、作用電極14aおよび対電極14bからなる電極系14とを支持する基材であり、少なくとも電極系14が配置される上面12aは絶縁面となっている。絶縁性基材12は、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材などを用いることができる。絶縁性基材12は、剛体であってもよく、弾性体であってもよい。中でも電気絶縁性を有する弾性体を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。また絶縁性基材12は、例えば、12μm〜200μm程度の厚みをもつ。
配線部13a、13b
配線部13a、13bは、後述する接続端子15a、15bよりも導電性が高い金属材料とすることが好ましく、例えばAg、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、Ta、Cuから選択される金属材料を含む。配線部13a、13bは、形成方法に応じて、例えば10nm〜20μmの範囲の厚みとするとよい。なお、真空成膜法により配線部13a、13bを形成する場合には、その厚みを10nm〜200nm程度とすることが好ましい。
作用電極14aおよび対電極14b
作用電極14aおよび対電極14bは、配線部13a、13bの金属材料よりも酸化しにくい導電材料、例えばカーボンを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により絶縁性基材12の絶縁面12a上に塗布することにより得られる。この場合、導電性ペーストは絶縁性基材12上であって密着層21上に形成され(図3参照)、配線部13aの一端に作用電極14aが形成され、配線部13bの一端に対電極14bが形成される。作用電極14aおよび対電極14bは、300nm〜30μm程度の厚みとするとよい。
接続端子15a、15b
接続端子15a、15bは作用電極14aおよび対電極14bと同時に形成されることが好ましい。すなわち、配線部13a、13bの金属材料よりも酸化しにくい導電材料、例えばカーボンを含む導電性ペーストをスクリーン印刷により絶縁性基材12の絶縁面12a上に塗布することにより、接続端子15a、15bを作用電極14aおよび対電極14bと同時に形成することができる。この場合、導電性ペーストは、絶縁性基材12上であって密着層21上に形成され(図4参照)、配線部13a、13bの他端に各々接続端子15a、15bが形成される。
絶縁層16a、16b
絶縁層16a、16bは例えばアクリルオリゴマーからなる非水溶性のレジスト樹脂層からなり、一対の配線部13a、13bを覆ってパターン状に設けられている。また、上述したように、配線部13a、13bの平面形状は、それぞれ絶縁層16a、16bの平面形状と同一となっている。
試薬層18
試薬層18は酵素と電子受容体を含み、本実施の形態では酵素としてグルコース酸化還元酵素を含んでおり、血液中のグルコースの濃度を測定することができる。しかしながら試薬層18はグルコース酸化酵素以外の酵素を含んでいてもよい。
試薬層18はグルコース酸化酵素以外の酵素、例えばコレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサとして機能する酵素を含んでいてもよい。この場合、各センサに用いる酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
キャビティ17およびカバー19
キャビティ17およびカバー19は、絶縁性基材12と同様の材料から形成することができ、キャビティ17およびカバー19の厚みは各々100μm以上300μm以下および50μm以上100μm以下となっている。
密着層21
密着層21は、公知のプライマー剤を利用することができ、例えばニトロセルロース系、アクリルポリオール系のプライマー剤により形成することができる。また、密着層21の厚みは例えば2μmとすることができる。密着層21を有することにより、製造後においても、絶縁性基材11と配線部13a、13bとの密着性を高めることができ、例えば配線剥離などが発生することを防止することができる。
次に図2乃至図4により、配線部13a、13b、作用電極14aおよび対電極14b、接続端子15a、15b、ならびに絶縁層16a、16bの積層関係について説明する。
ここで図2は絶縁性基材12上に設けられた配線部13a、13b、作用電極14aおよび対電極14b、接続端子15a、15b、ならびに絶縁層16a、16bを単純化して示す平面図であり、図3は図2のA−A線断面図であり、図4は図2のB−B線断面図である。
作用電極14aおよび対電極14bは、それぞれその一部が配線部13a、13bによって覆われるように積層されていてもよい(図3(a))。この場合、作用電極14aの一部および対電極14bの一部は、それぞれ絶縁性基材12上の密着層21と、配線部13a、13bとの間に配置される。
また作用電極14aおよび対電極14bは、配線部13a、13bに隣接するよう絶縁性基材12上(または密着層21上)に形成されていてもよい(図3(b))。この場合、作用電極14aおよび対電極14bは、それぞれ配線部13a、13bの側面に接触している。
また一対の接続端子15a、15bは、それぞれその一部が配線部13a、13bによって覆われるように積層されていてもよい(図4(a))。この場合、接続端子15aの一部および接続端子15bの一部は、それぞれ絶縁性基材12上の密着層21と配線部13a、13bとの間に配置される。
あるいは、一対の接続端子15a、15bは、配線部13a、13bに隣接するよう絶縁性基材12上(または密着層21上)に形成されていてもよい(図4(b))。この場合、一対の接続端子15a、15bは、それぞれ配線部13a、13bの側面に接触して導通可能となっている。
次に濃度測定センサの製造方法について、図6(a)−(g)を用いて説明する。図6(a)−(g)において、配線部13a、13b、作用電極14aおよび対電極14b、接続端子15a、15b、絶縁層16a、16bの積層関係は、上述した図3(a)および図4(a)に対応している。
まずベース基体11上に絶縁性基材12を貼り合わせてなる基材11、12が準備される(図6(a))。この場合、絶縁性基材12のみで剛性を有する場合、ベース基体11を必ずしも用いる必要はない。
なお、ロール原反として絶縁性基材12を供給する場合には、ベース基体11と絶縁性基材12とを貼り合わせることが好ましく、この貼り合わせは、後述する導電層33、オーバーコート層34を形成した後に行うことが好ましい。その理由は、ロール状態での絶縁性基材12の巻数を増やすことができ、生産性を向上させることができるからである。
続いて、絶縁性基材12の上面(絶縁面)12a上に密着層21を形成する(図6(b))。このように密着層21を設けることにより、絶縁性基材12と後述する導電層33との密着性を高め、水溶性樹脂層32を水で除去する工程(図6(g))において、配線部13a、13bが絶縁性基材12から剥離することを防止することができる。なお、導電層33と絶縁性基材12との密着強度が十分であれば、必ずしも密着層21を設ける必要はない。
次に、絶縁性基材12(密着層21)上であって、一対の配線部13a、13bの一端に対応する位置に、作用電極14aおよび対電極14bが設けられる(図6(c))。また、同時に一対の配線部13a、13bの他端に対応する位置に、一対の接続端子15a、15bが形成されることが好ましい。
具体的には、例えばカーボンを含む導電ペーストを準備し、この導電ペーストをスクリーン印刷法により絶縁性基材12(密着層21)上に塗布する。これにより、所定形状からなる作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bが形成される。
次に、絶縁性基材12(密着層21)上に、パターン状に水溶性樹脂を塗布してパターン状の水溶性樹脂層32を形成する(図6(d))。この際、水溶性樹脂層32は、作用電極14a上、対電極14b上および一対の接続端子15a、15b上にも部分的に形成される。この水溶性樹脂層32は、一対の配線部13a、13b以外の部分に対応する形状を有している。したがって、一対の配線部13a、13bに対応する部分には水溶性樹脂層32が設けられず、絶縁性基材12(密着層21)が露出している。
なお、水溶性樹脂層32は、例えば水溶性ビニル樹脂からなるリフトオフ材料からなり、その厚みは2μmとすることができる。
次に水溶性樹脂層32上および水溶性樹脂層32から露出する絶縁性基材12(密着層21)上に、導電層33を形成する(図6(e))。この導電層33は、水溶性樹脂層32上および水溶性樹脂層32から露出する絶縁性基材12(密着層21)上の全面に渡って設けられることが好ましい。このように、作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bを形成した後に導電層33を形成することにより、導電層33のうち作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bと接触する部分に酸化皮膜が生じる虞が低減され、接触抵抗が上昇することを防止することができる。
導電層33は、一対の配線部13a、13bを構成する導電性材料からなり、例えばAg、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、Ta、Cuから選択される金属材料を含んでいる。また導電層33の厚みは例えば50nmとすることができる。なお、導電層33を設ける方法としては、例えば真空蒸着法、スパッタリング法等の真空成膜法を挙げることができる。このように真空成膜法を用いた場合、導電層33を薄膜で形成することができ、材料コストを低減することができる。また、ロール原反から繰り出される長尺の絶縁性基材12に対して導電層33を高速で形成することができる。
次いで、導電層33上に、絶縁性材料からなるオーバーコート層34を形成する(図6(f))。このオーバーコート層34は、導電層33上の全面に渡って設けられることが好ましい。
オーバーコート層34は、絶縁層16a、16bを構成する絶縁性材料からなり、例えばアクリルオリゴマー等の非水溶性のレジスト材料からなっている。またオーバーコート層34の厚みは例えば10μmとすることができる。なお、オーバーコート層34を設ける方法としては、例えばグラビア印刷法を挙げることができる。
次に、水溶性樹脂層32を水で除去し、水溶性樹脂層32上の導電層33およびオーバーコート層34を除去する(図6(g))。この場合、ノズルからオーバーコート層34上にシャワー状の水を噴出することにより、導電層33およびオーバーコート層34中に水を浸透させ、水溶性樹脂層32を除去しても良い。あるいは、絶縁性基材12ごと水溶性樹脂層32を水中に浸漬させることにより、水溶性樹脂層32を除去しても良い。
これにより、絶縁性基材12(密着層21)上に、導電層33の一部からなる一対の配線部13a、13bが形成されるとともに、配線部13a、13b上に、オーバーコート層34の一部からなる一対の絶縁層16a、16bが形成される。この場合、配線部13a、13bの平面形状は、それぞれ絶縁層16a、16bの平面形状と同一となる。このように、水溶性樹脂層32を水で除去している間、配線部13a、13bは絶縁層16a、16b(オーバーコート層34)によって覆われたままとなるので、水によって配線部13a、13bが酸化するおそれがない。
なお、図6(g)に示すように、作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bのうち、水溶性樹脂層32によって覆われていた部分は、配線部13a、13bおよび絶縁層16a、16bによって覆われることなく外方へ露出する。一方、作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bのうち、水溶性樹脂層32によって覆われていなかった部分は、配線部13a、13bおよび絶縁層16a、16bによって覆われる。したがって、作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bと、配線部13a、13bとの間の導通が確保され、またこれらの接触部分が酸化することを防止することができる。
その後、図1に示すように、絶縁層16a、16b上にキャビティ17を設け、キャビティ17上に試薬層18を設ける。その後、試薬層18上にカバー19を設けて試薬層18をキャビティ17とカバー19との間で挟持する。
このようにして濃度測定センサ10が得られる。
図7(a)−(g)は、濃度測定センサの製造方法の変形例を示している。図7(a)−(g)において、配線部13a、13b、作用電極14aおよび対電極14b、接続端子15a、15b、絶縁層16a、16bの積層関係は、上述した図3(b)および図4(b)に対応している。
図7(a)−(g)において、図6(a)−(g)に示す形態と異なり、作用電極14a、対電極14bおよび一対の接続端子15a、15bを形成する工程は、水溶性樹脂層32を除去する工程(図7(f))の後に設けられている(図7(g))。この際、作用電極14aおよび対電極14bは、それぞれ一方の配線部13aおよび他方の配線部13bの一端に隣接して形成され、接続端子15a、15bは、それぞれ一方の配線部13aおよび他方の配線部13bの他端に隣接して形成される。
このほか、図7(a)−(f)に示す工程は、それぞれ図6(a)、(b)、(d)−(g)に示す工程と略同一である。図7(a)−(g)において、図6(a)−(g)に示す構成と同一部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
次に濃度測定センサ10を用いた濃度測定について説明する。
まず濃度測定センサ10が外部デバイス25の挿入口26内に挿入される。このとき外部デバイス25側の接続部が濃度測定センサ10の接続端子15a、15bにそれぞれ接触する。そして、外部デバイス25内のスイッチ(図示せず)が濃度測定センサ10により作動し、外部デバイス25は液体試料吸引待機状態となる。
その後、使用者が、濃度測定センサ10のキャビティ17の吸引口17aに液体試料を付着させる。このときキャビティ17の吸引口17aの毛細管現象によって、キャビティ17の吸引口17aから液体試料が引き込まれる。液体試料としては、例えば、血液、汗、尿等の生体由来の液体試料や、環境由来の液体試料、食品由来の液体試料等が用いられる。例えば、濃度測定センサ10を血糖値センサとして用いる場合、使用者は、自身の指、掌、又は腕等を穿刺して、少量の血液を搾り出し、この血液を液体試料として、キャビティ17の吸引口17aに付着させる。
キャビティ17の吸引口17aに付着された血液は、その後試薬層18に達し、血液が試薬層18に達した後、血液中のグリコース濃度が外部デバイス25により測定され、測定結果は外部デバイス25の表示部27に表示される。
次に外部デバイス25によるグリコース濃度の測定の原理について述べる。
まず試薬層18はグリコース酸化還元酵素と、電子受容体としてフェリシアン化カリウムを含み、血液中のブドウ糖と特異的に反応し、グルコン酸と電子を発する。この電子はフェリシアン化カリウムをフェロシアン化カリウムとし、これに外部デバイス25側から接続端子15a、15b、配線部13a、13b、および作用電極14aおよび対電極14bを介して一定の電圧を加えることで再びフェリシアン化カリウムとなり、そのとき電流が発生する。この場合の電流値は血液中のグリコース濃度に比例するため、この電流値を外部デバイス25により測定することによりグリコース濃度を測定することができる。
試薬層18内での反応を更に述べる。酸化還元酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、電子伝達体としてフェリシアン化カリウム(KFe(CN))を用いた場合、試薬層18内において、以下の反応がおこる。
グルコース + 2[Fe(CN)3− + HO → グルコン酸 +2H + 2[Fe(CN)4−
このとき、フェロシアン化イオンは、作用電極14aで酸化されて酸化電流を生じ、以下のようにしてフェリシアン化イオンに還元される。
2[Fe(CN)4− → 2[Fe(CN)3− + 2e
測定終了後、使用者は濃度測定センサ10を外部デバイス25の挿入口26から引き抜く。
以上のように本実施の形態によれば、水溶性樹脂層32を水で除去し、水溶性樹脂層32上の導電層33およびオーバーコート層34を除去することにより、一対の配線部13a、13bとともに一対の絶縁層16a、16bが形成される。このため、配線部13a、13bと絶縁層16a、16bとを別々にパターニングする必要がなく、作業工程を減らすことができるとともに、タクトタイムを短縮することができる。とりわけ導電層33およびオーバーコート層34は、べた塗りによって形成することができるので、配線部13a、13bや絶縁層16a、16bを形成する際、それらのアライメントをとる必要が無く、製造工程の高速化を図ることができる。
また本実施の形態によれば、水溶性樹脂層32は水によって除去されるので、有機溶剤を用いる場合と比べて環境負荷を低減することができるとともに、コストを低減することができる。
10 濃度測定センサ
11 ベース基体
12 絶縁性基材
13a、13b 配線部
14 電極系
14a 作用電極
14b 対電極
15a、15b 接続端子
16a、16b 絶縁層
17 キャビティ
18 試薬層
19 カバー
21 密着層
32 水溶性樹脂層
33 導電層
34 オーバーコート層

Claims (11)

  1. 溶液中の物質の濃度を測定するための濃度測定センサであって、少なくとも一方の面が絶縁性をもつ絶縁面となる基材と、基材の絶縁面上に設けられた導電性材料からなる一対の配線部と、各配線部上にそれぞれ設けられた一対の絶縁層とを備えた、濃度測定センサの製造方法において、
    基材を準備する工程と、
    基材の絶縁面上に、パターン状に水溶性樹脂を塗布してパターン状の水溶性樹脂層を形成する工程と、
    水溶性樹脂層上および水溶性樹脂層から露出する基材上に、導電性材料からなる導電層を形成する工程と、
    導電層上に、絶縁性材料からなるオーバーコート層を形成する工程と、
    水溶性樹脂層を水で除去し、水溶性樹脂層上の導電層およびオーバーコート層を除去することにより、基材上に導電層の一部からなる一対の配線部を形成するとともに、配線部上にオーバーコート層の一部からなる一対の絶縁層を形成する工程とを備えたことを特徴とする濃度測定センサの製造方法。
  2. 水溶性樹脂層を形成する工程の前に、基材の絶縁面上に作用電極および対電極を形成する工程が設けられ、水溶性樹脂層を形成する工程において、作用電極上および対電極上にも水溶性樹脂層が形成されることを特徴とする請求項1記載の濃度測定センサの製造方法。
  3. 水溶性樹脂層を除去する工程の後に、一方の配線部の一端および他方の配線部の一端に、それぞれ作用電極および対電極を形成する工程が設けられていることを特徴とする請求項1記載の濃度測定センサの製造方法。
  4. 水溶性樹脂層を形成する工程の前に、基材の絶縁面上に、基材と導電層との密着性を高める密着層を形成する工程が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の濃度測定センサの製造方法。
  5. 導電層は、真空成膜法により形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の濃度測定センサの製造方法。
  6. 導電層は、Ag、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、TaおよびCuから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の濃度測定センサの製造方法。
  7. 溶液中の物質の濃度を測定するための濃度測定センサにおいて、
    少なくとも一方の面が絶縁性をもつ絶縁面となる基材と、
    基材の絶縁面上に設けられた導電性材料からなる一対の配線部と、
    一方の配線部の一端に接続された作用電極および他方の配線部の一端に接続された対電極と、
    各配線部上にそれぞれ設けられた一対の絶縁層とを備え、
    各配線部の平面形状は、当該配線部上に設けられた絶縁層の平面形状と同一となることを特徴とする濃度測定センサ。
  8. 作用電極の一部および対電極の一部は、それぞれ基材と配線部との間に配置されていることを特徴とする請求項7記載の濃度測定センサ。
  9. 作用電極および対電極は、それぞれ配線部に隣接するように配置されていることを特徴とする請求項7記載の濃度測定センサ。
  10. 基材の絶縁面上に、基材と配線部との密着性を高める密着層が形成されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項記載の濃度測定センサ。
  11. 各配線部の金属材料は、Ag、Al、Fe、Ni、Cr、Ti、TaおよびCuから選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項記載の濃度測定センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018128439A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 ▲き▼芯科技股▲ふん▼有限公司 エッチング液を使用せずに製造されたバイオセンサー試験紙及びその製造方法

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