JP2014202584A - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】親水性に優れ、長期にわたり安定して親水性を発揮することが可能なバイオセンサを提供する。
【解決手段】支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系、配線部および端子部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に、上記電極系、上記反応部および上記端子部が露出し、上記配線部が覆われるように形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーとを有するバイオセンサであって、上記支持基材は、第1基材と、上記第1基材上に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層とを有し、上記カバーは、第2基材と、上記第2基材上に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層とを有し、上記支持基材および上記カバーは上記第1親水層および上記第2親水層が対向するように配置され、上記第1親水層および上記第2親水層は少なくとも上記試料供給路が配置される領域に形成されていることを特徴とするバイオセンサ。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液等の液体試料中の特定成分を測定するバイオセンサに関する。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。バイオセンサは、一般に、作用極および対極を含む電極系、酵素および電子受容体を基本構成として備えている。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
グルコースセンサにおいては、酵素は血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体に電極系で一定の電圧を印加することで還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。この電流が血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化することができる。
また、一般にエンドトキシンという細菌壁毒素が知られており、近年では、電気化学法を用いてエンドトキシンの濃度を測定する方法が研究されている。エンドトキシンは、大腸菌やサルモネラ菌をはじめとするグラム陰性菌の外膜を構成している毒性物質である。このエンドトキシンが極微量(例えば、ng/mLオーダー)でも血液中等に混入した場合、ショック症状等を引き起こし、最悪死に至る可能性もある。ただし、空気中にはエンドトキシンが広く存在している。このため、透析液等の医薬品にエンドトキシンが存在していないか等の検査が実施されている。
例えば、被検体および試薬の混合物に電極を入れ、ディファレンシャルパルスボルタンメトリー(DPV)に基づく測定を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
バイオセンサにおいては、血液等の液体試料を毛細管現象を利用して流路に円滑に導入するために、流路の内部に親水化処理を施すことが試みられている(例えば特許文献2参照)。親水化処理としては、例えば、樹脂中に界面活性剤を練り込んで樹脂基材を形成する方法、基材上に界面活性剤や親水性を有する樹脂を塗布する方法、基材表面にプラズマ処理やコロナ処理等の化学的な表面処理を行う方法、サンドブラスト処理等により基材表面を粗面化する方法が提案されている。また、酵素および電子受容体を含む反応部上に界面活性剤を塗布する、または反応部に界面活性剤を含有させることで、流路の内部を親水化する方法も提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、いずれの方法においても純水の接触角を十分に小さくすることは難しく、所望の親水性が得られないという問題がある。さらに、バイオセンサの保管条件によっては大気中の水分と界面活性剤、親水性を有する樹脂、または化学的な表面処理が施された基材表面とが反応して親水性が劣化し、経時的に親水化効果が低下するという問題がある。また、電極系が形成される基材に親水化処理を施すと、電極系形成時に基材の親水性が劣化してしまうという問題もある。
特開2012−127695号公報 特開2001−159618号公報 特開2012−58168号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、親水性に優れ、長期にわたり安定して親水性を発揮することが可能なバイオセンサを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系、配線部および端子部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に、上記電極系および上記端子部が露出し、上記配線部が覆われるように形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーとを有するバイオセンサであって、上記支持基材は、第1基材と、上記第1基材上に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層とを有し、上記カバーは、第2基材と、上記第2基材上に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層とを有し、上記支持基材および上記カバーは上記第1親水層および上記第2親水層が対向するように配置され、上記第1親水層および上記第2親水層は少なくとも上記試料供給路が配置される領域に形成されていることを特徴とするバイオセンサを提供する。
本発明によれば、モスアイ構造がその構造上、親水性を示すため、親水性が劣化するのを抑制することが可能である。また、モスアイ構造による親水化では、純水の接触角を十分に小さくすることができ、第1親水層および第2親水層が少なくとも試料供給路が形成される領域に形成されていることにより、試料を電極系および反応部へ迅速かつ容易に導くことができる。
上記発明においては、上記第1親水層および上記第2親水層が樹脂組成物を用いて形成されたものであり、上記樹脂組成物を用いて平坦な樹脂層を形成したときの上記樹脂層の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で50°以上75°以下の範囲内であることが好ましい。樹脂層の表面における純水の静的接触角が大きすぎると、樹脂組成物を用いて形成されるモスアイ構造の表面における純水の静的接触角が大きくなり、濡れ性が悪くなるおそれがある。また、樹脂層の表面における純水の静的接触角が小さすぎると、モスアイ構造による親水性向上の効果が十分に発揮されない場合がある。
また本発明においては、上記第1親水層が上記第1基材上に部分的に形成されていることが好ましい。また、上記第2親水層が上記第2基材上に部分的に形成されていることも好ましい。第1親水層および第2親水層の面積を小さくすることができ、製造コストを削減することができる。
さらに本発明においては、上記第2基材は上記第2基材を貫通する空気孔を有していてもよく、この場合、上記カバーの上記空気孔の周辺に上記第2親水層よりも親水性が低い第2低親水性領域が形成されていることが好ましい。さらに、上記支持基材の上記空気孔が配置される領域の周辺に上記第1親水層よりも親水性が低い第1低親水性領域が形成されていることも好ましい。空気孔から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。
また本発明においては、上記スペーサにより空気抜き流路が形成されていてもよく、この場合、上記カバーの上記空気抜き流路の出口の周辺に上記第2親水層よりも親水性が低い第2低親水性領域が形成されていることが好ましい。空気抜き流路から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。
本発明においては、モスアイ構造を有する親水層が形成されていることにより、親水性に優れ、長期にわたり安定して親水性を発揮することが可能であるという効果を奏する。
本発明のバイオセンサの一例を示す分解斜視図および断面図である。 本発明のバイオセンサの他の例を示す分解斜視図である。 本発明のバイオセンサにおける支持基材の一例を示す概略断面図である。 本発明のバイオセンサの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のバイオセンサの他の例を示す分解斜視図である。 本発明のバイオセンサの他の例を示す分解斜視図である。 本発明のバイオセンサの他の例を示す概略断面図である。 本発明のバイオセンサにおける支持基材の一例を示す概略断面図である。 本発明のバイオセンサにおける電極系、配線部および端子部の一例を示す概略平面図である。 本発明のバイオセンサの使用方法の一例を示す模式図である。 Wenzel理論図の一例を示すグラフである。 凹凸構造の一例を示す概略平面図および断面図である。
以下、本発明のバイオセンサについて詳細に説明する。
本発明のバイオセンサは、支持基材と、上記支持基材上に形成された電極系、配線部および端子部と、上記電極系上に配置された反応部と、上記支持基材上に、上記電極系および上記端子部が露出し、上記配線部が覆われるように形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、上記電極系および上記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、上記スペーサ上に配置されたカバーとを有するバイオセンサであって、上記支持基材は、第1基材と、上記第1基材上に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層とを有し、上記カバーは、第2基材と、上記第2基材上に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層とを有し、上記支持基材および上記カバーは上記第1親水層および上記第2親水層が対向するように配置され、上記第1親水層および上記第2親水層は少なくとも上記試料供給路が配置される領域に形成されていることを特徴とするものである。
本発明のバイオセンサについて図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明のバイオセンサの一例を示す分解斜視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)、(b)に例示するように、バイオセンサ1においては、支持基材10上に電極系4、配線部5および端子部6が形成され、電極系4および端子部6が露出し、配線部5が覆われるように絶縁層7がさらに形成されており、絶縁層7上に試料供給路21を形成するためのスペーサ8が配置され、スペーサ8上に試料供給路21を覆うようにカバー30が配置されている。支持基材10は、第1基材2と、第1基材2上に部分的に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層3とを有しており、第1親水層3は試料供給路21が配置される領域に形成されている。カバー30は、第2基材31と、第2基材31上に部分的に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層32と、試料供給路21に通じ、第2基材31を貫通する空気孔33とを有しており、第2親水層32は試料供給路21が配置される領域に形成されている。電極系4は作用極11および対極12を有しており、作用極11上に反応部15が形成されている。また、電極系4、配線部5および端子部6は一体に形成されている。
スペーサ8は、作用極11上の反応部15および対極12が露出するように、例えばカバー30の空気孔33に通じる試料供給路21を形成するように配置されている。
このバイオセンサ1においては、試料供給路21と空気孔33とが形成されていることで、試料供給路21から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部15および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
図2は本発明のバイオセンサの他の例を示す分解斜視図である。図2に例示するバイオセンサ1において、スペーサ8は、作用極11上の反応部15および対極12が露出するように、例えば試料供給路21と試料供給路21に通じる空気抜き流路22とを形成するように配置されている。試料供給路21および空気抜き流路22は合わせてT字状の流路を構成している。なお、その他の構成については、上記図1(a)と同様である。
このバイオセンサ1においては、試料供給路21と空気抜き流路22とが形成されていることで、試料供給路21から毛細管現象を利用し、測定する試料を作用極11上の反応部15および対極12の上部を通過させ、試料の目的成分を測定することができる。
モスアイ構造を有する第1親水層3および第2親水層32は、少なくとも試料供給路21が配置される領域に形成されている。第1親水層3および第2親水層32はモスアイ構造を有するため、純水の接触角を十分に低くすることができ、第1親水層3および第2親水層32表面では試料を濡れ広がり易くすることができる。また、試料供給路21の下面には第1親水層3が形成され、試料供給路21の上面には第2親水層32が形成されている。そのため、第1親水層3および第2親水層32によって電極系4および反応部15へ試料を素早く導くことができる。
ここで、層表面の親水化の原理は、Wenzel理論により説明することができる。この理論は、平坦な層を形成したときの層表面における純水との接触角が90°未満となる材料では、表面積を大きくすることで親水化することができるという理論である。図11にWenzel理論図の一例を示す。図中の表面積率γは微細加工による表面積の増加率である。例えば、平坦な層を形成したときの層表面における純水との接触角が70°の場合、表面積率γが1.5のときは純水との接触角は60°に変化し、表面積率γが3.5のときは純水との接触角は5°以下に変化する。
従来のようなサンドブラスト処理等により基材表面を粗面化する方法では、表面積率γが小さいため、純水の接触角がそれほど変化せず、十分な親水性が得られない。これに対し、モスアイ構造では表面積率γが大きいため、純水の接触角を十分に小さくすることができ、親水化の効果が顕著に発揮される。
本発明において、モスアイ構造とは、蛾の目の構造を模倣したものであり、複数の微細突起が配列された微細凹凸構造である。モスアイ構造を構成する微細突起は、図3(a)、(b)に例示するように、微細突起3aの底部から頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなる形状を有し、いわゆるテーパー形状を有するものである。そのため、液体の濡れ広がりが速いという利点を有する。例えば、モスアイ構造と、図12(a)、(b)に示すような基材102上に形成され、複数の円柱状の突起103aが配列された凹凸構造103と比較すると、両者の表面積率γが同等であり純水との接触角が同等である場合、モスアイ構造の方が液体の濡れ広がりが速い。これは、モスアイ構造のテーパー形状によって、モスアイ構造では空気が抜けやすいためと推量される。
なお、図12(a)、(b)はモスアイ構造以外の凹凸構造の一例を示す平面図および断面図であり、図12(b)は図12(a)のC−C線断面図である。
したがって本発明においては、モスアイ構造を有する第1親水層および第2親水層が少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されていることにより、電極系および反応部へ試料を迅速かつ容易に導くことができ、測定に必要とされる試料の量を少なくすることが可能である。これにより、測定成功率の向上、使用者の負担軽減、操作性の向上を図ることが可能である。
また本発明においては、モスアイ構造がその構造上、親水性を示すため、親水性が経時的に劣化するのを抑制することが可能である。さらに、支持基材上に電極系、配線部および端子部を形成する際の親水性の劣化も抑制できる。
また本発明において、支持基材の第1親水層側の面に電極系、配線部および端子部が形成されており、第1親水層は少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されているため、モスアイ構造によるアンカー効果によって第1親水層と電極系との密着性を向上させることができる。また、第1親水層上に配線部や端子部が形成されている場合には、第1親水層と配線部や端子部との密着性を向上させることもできる。
以下、本発明のバイオセンサにおける各構成について説明する。
1.支持基材
本発明に用いられる支持基材は、第1基材と、上記第1基材上に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層とを有するものであり、電極系、配線部および端子部等を支持するものである。支持基材は第1親水層がカバーと対向するように配置される。
以下、支持基材における各構成について説明する。
(1)第1親水層
本発明における第1親水層は、第1基材上に形成され、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されるものであり、モスアイ構造を有するものである。
モスアイ構造を構成する微細突起の形状は、上述のように、微細突起の底部から頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなる形状である。微細突起の底部から頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなるとは、微細突起の高さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における微細突起の断面積占有率が、微細突起の底部から頂部に近づくに従い連続的に漸次減少することをいい、すなわち微細突起が先細りとなることをいう。このような微細突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数の微細突起は、同一の形状を有していてもよく異なる形状を有していてもよい。
モスアイ構造においては、図3(a)に示すように隣接する微細突起3a同士が密接して配置されていてもよく、図3(b)に示すように隣接する微細突起3a同士が離れて配置されていてもよい。中でも、濡れ性が向上することから、隣接する微細突起が密接していることが好ましい。ここで、密接とは、隣接する微細突起の付け根位置が接しているか、接するほど近いことをいう。
モスアイ構造において、隣接する微小突起間の距離d(以下、「隣接突起間距離d」と称する。)の平均値dAVGは、親水性を示すモスアイ構造が得られれば特に限定されないが、表面積を大きくして親水性を高める観点から、50nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも70nm〜300nmの範囲内、特に70nm〜180nmの範囲内であることが好ましい。なお、微細突起が一定周期で規則的に配置されている場合には、隣接突起間距離dは微細突起の周期と一致する。隣接突起間距離dの平均値dAVGが大きすぎると、モスアイ構造の表面における純水の静的接触角が大きくなり、濡れ性が悪くなるおそれがある。また、隣接突起間距離dが小さすぎるものは形成が困難である。隣接突起間距離dにはばらつきがあってもよい。ここで、隣接突起間距離dとは、図3(a)、(b)に示すような隣接する微小突起3aの頂部から頂部までの距離をいう。
また、モスアイ構造を構成する微細突起の高さHの平均値HAVGは、親水性を示すモスアイ構造が得られれば特に限定されないが、表面積を大きくして親水性を高める観点から、100nm〜350nmの範囲内であることが好ましく、200nm〜250nmの範囲内であることがより好ましい。濡れ性を考慮すると微細突起の高さHは高い方が好ましいが、微細突起の高さHが高すぎるものは形成が困難である。また、微細突起の高さHが低すぎると、表面積が小さくなり、十分な親水性が得られないおそれがある。微細突起の高さHにはばらつきがあってもよい。ここで、微細突起の高さHとは、図3(a)、(b)に示すような微小突起3aの付け根位置から頂部までの高さをいう。
本発明において、隣接突起間距離dの平均値dAVGおよび微細突起の高さHの平均値HAVGは、以下の方法により測定される。
(1)まず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)または走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて微細突起の面内配列(微細突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いて、この求められた面内配列から各微細突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお、極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に、検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。ここで、ドロネー図とは、各極大点を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の度数分布を求める。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布から平均値dAVGおよび標準偏差σを求める。
同様の手法を適用して微細突起の高さHの平均値HAVGを求める。まず、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。このヒストグラムによる度数分布から微細突起の高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。
なお、微細突起の高さを測る際の基準位置は、微細突起の付け根位置、すなわち隣接する微細突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。ただし、谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微細突起間の谷底を連ねた包絡面が、微細突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期でうねった凹凸形状を有する場合等は、(1)まず、第1基材の表面または裏面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が収束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを有し、かつ第1基材の表面または裏面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微細突起の高さを算出する。
微細突起のアスペクト比(微細突起の高さの平均値HAVG/隣接突起間距離の平均値dAVG)は、親水性を示すモスアイ構造が得られれば特に限定されないが、0.4〜2.5であることが好ましく、0.8〜2.1であることがより好ましい。
モスアイ構造は親水性を示すものである。モスアイ構造の表面における純水の静的接触角は、θ/2法で25°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましく、10°以下であることが特に好ましい。これにより、モスアイ構造表面を試料が濡れ広がり易くなる。また、モスアイ構造の表面における純水の静的接触角は、通常3°以上である。
ここで、本発明において静的接触角は、測定対象物の表面に純水1.0μLの液滴を滴下し、着滴10秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を算出するθ/2法に従って測定した接触角とする。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製 接触角計DM 500を用いることができる。
また、静的接触角は、第1親水層を形成する樹脂組成物の成分、モスアイ構造の形状等を変更することにより、調整することができる。
第1親水層は、樹脂組成物を用いて形成されるものである。樹脂組成物は、少なくとも樹脂を含有し、必要に応じて重合開始剤等その他の成分を含有する。ここで、樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
樹脂としては、モスアイ構造を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電離放射線硬化性樹脂、アクリレート系、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂、アクリレート系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系等の熱可塑性樹脂等の各種材料および各種硬化形態の賦形用樹脂を使用することができる。また、非反応性重合体を含有してもよい。なお、電離放射線とは、分子を重合させて硬化させ得るエネルギーを有する電磁波または荷電粒子を意味し、例えば、すべての紫外線(UV−A、UV−B、UV−C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等が挙げられる。
樹脂としては、中でも成形性および機械的強度に優れる点から電離放射線硬化性樹脂が好ましい。電離放射線硬化性樹脂とは、分子中にラジカル重合性および/またはカチオン重合性結合を有する単量体または重合体を適宜混合したものであり、適宜重合開始剤を用いて電離放射線により硬化されるものである。また、成形性に優れるとは、所望の形状に精度良く成形できることをいう。
中でも、樹脂組成物は、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系の電離放射線硬化性樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、さらに、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
特に、樹脂は紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
樹脂組成物は、さらに必要に応じて、重合開始剤、離型剤、光増感剤、酸化防止剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、粘度調整剤、密着性向上剤等を含有することもできる。
また、樹脂組成物の親水性としては、親水性を示すモスアイ構造が得られれば特に限定されないが、樹脂組成物を用いて平坦な樹脂層を形成したときの樹脂層の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で50°以上75°以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50°以上70°以下の範囲内である。樹脂層の表面における純水の静的接触角が大きすぎると、樹脂組成物を用いて形成されるモスアイ構造の表面における純水の静的接触角が大きくなり、濡れ性が悪くなるおそれがある。また、樹脂層の表面における純水の静的接触角が小さすぎると、モスアイ構造による親水性向上の効果が十分に発揮されない場合がある。
ここで、親水層が樹脂組成物を硬化させてなるものである場合、上記の樹脂層の表面における純水の静的接触角は、樹脂組成物を硬化させて平坦な樹脂層を形成したときの樹脂層の表面における純水の静的接触角である。また、親水層が熱可塑性樹脂組成物で構成される場合であって、第1基材も熱可塑性樹脂組成物で構成される場合には、第1基材の表面に直にモスアイ構造を形成することができ、この場合、上記の樹脂層の表面における純水の静的接触角は、第1基材の表面における純水の静的接触角である。
第1親水層は、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されている。
ここで、第1親水層が少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されているとは、試料供給路が配置される領域のうち、試料供給路の入口から電極系および反応部の下部までの領域に形成されていることをいう。すなわち、試料供給路が配置される領域のうち、電極系および反応部よりも奥の領域には第1親水層は形成されていなくてもよい。
第1親水層は、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されていればよく、第1基材上に全面に形成されていてもよく部分的に形成されていてもよい。
図4(a)、(c)に例示するように、第1親水層3が第1基材2上に全面に形成されている場合には、モスアイ構造によるアンカー効果によって第1親水層3と電極系4、配線部5および端子部6、ならびに絶縁層7との密着性を向上させることができる。なお、図4(a)は本発明のバイオセンサにおける支持基材ならびに電極系、配線部および端子部の一例を示す概略平面図、図4(b)は本発明のバイオセンサにおけるカバーの一例を示す概略平面図、図4(c)は本発明のバイオセンサの他の例を示す概略断面図であり、図4(c)は図4(a)、(b)のB−B線断面図である。
一方、第1親水層が第1基材上に部分的に形成されている場合には、第1親水層の面積を小さくすることができ、製造コストを削減することができる。また、図5に例示するように、スペーサ8によって試料供給路21に加えて空気抜き流路22が形成されている場合であって、空気抜き流路22の出口の周辺に絶縁層7が形成されていない場合には、空気抜き流路22の出口の周辺に親水層3が形成されないように親水層3を部分的に形成することができ、空気抜き流路から試料が流れ出るのを防ぐことができる。
中でも、第1親水層は第1基材上に部分的に形成されていることが好ましい。
また、第1親水層が第1基材上に部分的に形成されている場合、バイオセンサにおいて毛細管現象による試料供給を促進するための空気口が形成されている場合には、空気口の周辺には第1親水層が形成されていないことが好ましい。空気口から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。ここで、空気口とは、試料供給路内の空気を排出するための開口部の出口をいう。
例えば図6に示すように、カバー30に第2基材31を貫通する空気孔33が形成されている場合には、空気孔33が配置される領域の周辺には第1親水層3が形成されていないことが好ましい。
また、図5に例示するように、スペーサ8によって試料供給路21に加えて空気抜き流路22が形成されている場合であって、空気抜き流路22の出口の周辺に絶縁層7が形成されていない場合には、空気抜き流路22の出口の周辺には第1親水層3が形成されていないことが好ましい。この場合、空気抜き流路22の全体にわたって第1親水層3が形成されていないことがより好ましい。
また、バイオセンサを作製する際に、例えばカバー上にスペーサおよび絶縁層を形成する場合、図7(a)に示すように、スペーサ8の端部が丸くなることがあり、それに伴い、スペーサ8上に形成される絶縁層7の端部も丸くなることがある。特に、スペーサを光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いて形成する場合には、スペーサの端部が丸くなりやすい。この場合において、電極系4、配線部5および反応部15が形成された支持基材10とスペーサ8および絶縁層7が形成されたカバー30とを貼合すると、支持基材10における第1基材2と絶縁層7の端部との間に隙間が生じてしまう。このような場合には、第1親水層3の幅w2が試料供給路21の幅w1よりも広いことが好ましい。これにより、支持基材10における第1基材2と絶縁層7の端部との隙間にも第1親水層3が形成されることになるため、試料供給路21の下面を確実に親水化することができるからである。
支持基材における第1親水層および後述のカバーにおける第2親水層の形成位置としては、第1親水層および第2親水層の両方が第1基材上および第2基材上にそれぞれ全面に形成されていてもよく、第1親水層が第1基材上に全面に形成され、第2親水層が第2基材上に部分的に形成されていてもよく、第1親水層が第1基材上に部分的に形成され、第2親水層が第2基材上に全面に形成されていてもよく、第1親水層および第2親水層の両方が第1基材上および第2基材上にそれぞれ部分的に形成されていてもよい。
また、第1親水層は、第1基材とは別に形成されていてもよく、第1基材と一体に形成されていてもよい。
また、第1親水層が第1基材上に部分的に形成されている場合、第1親水層は樹脂組成物を用いて形成される樹脂層であることから、図8(a)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に部分的に形成され、樹脂層3b全体が第1親水層3になっていてもよく、図8(b)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に全面に形成され、樹脂層3bが部分的に第1親水層3になっていてもよい。また、第1親水層が熱可塑性樹脂組成物で構成される場合であって、第1基材も熱可塑性樹脂組成物で構成される場合には、第1基材の表面に直にモスアイ構造を形成することができ、この場合、図8(c)に例示するように第1基材2が樹脂層3bであり、樹脂層3bが部分的に第1親水層3になっていてもよい。
第1親水層の厚みは、特に限定されないが、通常3μm〜30μm程度である。ここで、第1親水層の厚みTとは、図3(a)、(b)に示すような第1親水層3の第1基材2側の界面から微細突起3aの頂部までの第1基材平面に対する垂線方向の距離を意味する。
第1親水層の形成方法としては、上述のモスアイ構造を形成可能な方法であれば特に限定されないが、成形性に優れ、かつ安定量産ができる点から、賦形によりモスアイ構造を形成する方法が好ましい。
第1親水層の形成方法としては、例えば、まず第1基材上または所望の凹凸形状を有するモスアイ構造形成用原版に樹脂組成物を塗布し、次いで第1基材およびモスアイ構造形成用原版を樹脂組成物を介して密着させて、樹脂組成物を硬化させることによりモスアイ構造を形成し、続いてモスアイ構造形成用原版を剥離する方法が挙げられる。また、熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂層を形成し、樹脂層を加熱して軟化させ、樹脂層の表面にモスアイ構造形成用原版を押し付けて、熱可塑性樹脂組成物を冷却することによりモスアイ構造を形成し、続いてモスアイ構造形成用原版を剥離する方法を用いることもできる。この場合において、第1基材が熱可塑性樹脂組成物からなる場合には、第1基材を樹脂層とすることができ、第1基材の表面に直にモスアイ構造を形成することができる。
モスアイ構造形成用原版の凹凸形状は、多数の微細孔が密に形成されたものであり、モスアイ構造を構成する微細突起の形状に対応する形状である。
また、樹脂組成物を硬化させる方法は、樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択することができる。
第1親水層を第1基材上に部分的に形成する場合において、図8(a)に示すように樹脂層3bを第1基材2上に部分的に形成し、樹脂層3b全体を第1親水層3とする場合には、例えば、第1基材上の第1親水層を形成する領域のみに樹脂組成物をインクジェット法等で塗布し、次いで第1基材の第1親水層を形成する領域とモスアイ構造形成用原版とを樹脂組成物を介して密着させて、樹脂組成物を硬化させることによりモスアイ構造を形成し、続いてモスアイ構造形成用原版を剥離する方法が用いられる。一方、第1親水層を第1基材上に部分的に形成する場合において、図8(b)に示すように樹脂層3bを第1基材2上に全面に形成し、樹脂層3bを部分的に第1親水層3とする場合には、例えば、第1基材上に全面に樹脂組成物を塗布し、次いで第1基材の第1親水層を形成する領域とモスアイ構造形成用原版とを樹脂組成物を介して密着させて、樹脂組成物を硬化させることによりモスアイ構造を形成し、続いてモスアイ構造形成用原版を剥離する方法が用いられる。また、図8(c)に示すように、第1基材2の表面に直にモスアイ構造を形成する場合には、熱可塑性樹脂組成物からなる第1基材を加熱して軟化させ、第1基材表面の第1親水層を形成する領域にモスアイ構造形成用原版を押し付けて、熱可塑性樹脂組成物を冷却することによりモスアイ構造を形成し、続いてモスアイ構造形成用原版を剥離する方法が用いられる。
モスアイ構造形成用原版としては、繰り返し使用した際に変形および摩耗するものでなければ特に限定されるものではなく、金属製であってもよく、樹脂製であってもよいが、通常、耐変形性および耐摩耗性に優れている点から、金属製が好適に用いられる。
モスアイ構造形成用原版の凹凸形状を有する面は、特に限定されないが、酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易である点から、アルミニウムからなることが好ましい。
モスアイ構造形成用原版は、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属製の母材の表面に、直接にまたは各種の中間層を介して、スパッタリング等により純度の高いアルミニウム層が設けられ、アルミニウム層に凹凸形状を形成したものが挙げられる。母材は、アルミニウム層を設ける前に、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の表面を超鏡面化してもよい。
モスアイ構造形成用原版に凹凸形状を形成する方法としては、例えば、陽極酸化法によってアルミニウム層の表面に複数の微小孔を形成する陽極酸化工程と、アルミニウム層をエッチングすることにより微小孔の開口部にテーパー形状を形成する第1エッチング工程と、アルミニウム層を第1エッチング工程のエッチングレートよりも高いエッチングレートでエッチングすることにより微小孔の孔径を拡大する第2エッチング工程とを順次繰り返し実施することによって形成することができる。
モスアイ構造形成用原版に凹凸形状を形成する際には、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理および/またはエッチング処理の諸条件を適宜調整することによって、所望の形状とすることができる。陽極酸化処理において、より具体的には、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微小孔をそれぞれ目的とする深さおよび形状に作製することができる。
また、モスアイ構造形成用原版の形状としては、例えば、平板状、ロール状等が挙げられ、生産性向上の観点からは、ロール状が好ましい。特に、モスアイ構造形成用原版として、ロール状の金型(以下、「ロール金型」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
ロール金型としては、例えば、母材として円筒形状の金属材料を用い、母材の周側面に、直接にまたは各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
(2)第1基材
本発明に用いられる第1基材は、電極系、配線部および端子部を支持するものであり、電極系、配線部および端子部が形成される面は絶縁性を有する。
第1基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、少なくとも表面が絶縁された半導体基材や金属基材等を用いることができる。樹脂基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
第1基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、第1基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。
また、バイオセンサを多面付けで製造する場合、第1基材は長尺であってもよく枚葉であってもよい。第1基材が長尺である場合には、第1親水層の形成、ならびに電極系、配線部および端子部の形成をロールツーロール方式により連続して行うことができる。
また、第1基材は、下部基材および上部基材が積層されたものであってもよい。例えば、上部基材が可撓性を有し、下部基材が上部基材よりも剛性が高い場合には、上部基材上にロールツーロール方式により第1親水層、ならびに電極系、配線部および端子部を連続して形成することができるとともに、上部基材の裏面に下部基材を積層することにより上部基材を支持し、バイオセンサの測定時の取り扱い性能を向上させることができる。
この場合、上部基材としては、可撓性を有することが好ましく、上記の樹脂基材が好ましく用いられる。上部基材の厚みは、可撓性を有する程度であればよく、例えばPET基材の場合は12μm〜400μm程度とすることができる。
また、下部基材としては、上部基材よりも剛性が高いことが好ましく、例えば樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。下部基材の厚みとしては、上部基材を支持することができる程度であればよく、例えばPET基材の場合は50μm〜1mm程度とすることができる。
上部基材および下部基材を積層する際には、例えば、第1親水層、ならびに電極系、配線部および端子部が形成された上部基材と下部基材とを接着層を介して貼り合わせることができる。
接着層に用いられる接着剤は、例えば、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を挙げることができる。
第1基材は透明であってもよく不透明であってもよいが、中でも透明であることが好ましい。透明基材の場合には、第1親水層を形成する際に、第1基材側から紫外線等を照射して樹脂組成物を硬化させることができる。第1基材が上部基材および下部基材が積層されたものである場合には、上部基材が透明基材であればよい。
透明基材の場合、可視光領域における透過率は80%以上であることが好ましい。ここで、透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
また、第1基材上に第1親水層を形成する際、層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の第1基材の表面性能を向上させる点から、第1基材上に中間層が形成されていてもよい。
(3)第1低親水性領域
本発明のバイオセンサにおいて毛細管現象による試料供給を促進するための空気口が形成されている場合には、空気口の周辺には第1親水層よりも親水性が低い第1低親水性領域が形成されていることが好ましい。空気口から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。
第1低親水性領域の濡れ性としては、第1親水層よりも親水性が低ければよく、具体的には第1低親水性領域の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で50°超であることが好ましく、80°以上であることがより好ましい。
第1低親水性領域としては、第1親水層が形成されていない領域であってもよく、撥水処理された領域であってもよい。
第1低親水性領域が第1親水層が形成されていない領域である場合において、図8(a)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に部分的に形成され、樹脂層3b全体が第1親水層3になる場合には、第1基材2の表面が第1低親水性領域となり、図8(b)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に全面に形成され、樹脂層3bが部分的に第1親水層3になる場合には、樹脂層3bの第1親水層3ではない部分の表面が第1低親水性領域となる。
一方、第1低親水性領域が撥水処理された領域である場合において、図8(a)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に部分的に形成され、樹脂層3b全体が第1親水層3になる場合には、第1基材2の表面に撥水処理が施され、図8(b)に例示するように樹脂層3bが第1基材2上に全面に形成され、樹脂層3bが部分的に第1親水層3になる場合には、樹脂層3bの第1親水層3ではない部分の表面に撥水処理が施される。また、第1低親水性領域が撥水処理された領域である場合、絶縁層表面に撥水処理が施されていてもよい。
また、撥水処理としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン系、ハイドロカーボン系、フルオロカーボン系、ワックス系、ポリエチレンイミン−オクタデシルイソシアネート系やポリ(メタ)アクリル酸エステル系、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系樹脂等を有機溶剤や水に適宜溶解もしくは分散して塗布する方法が挙げられる。また、研磨により平滑性を付与することで撥水性を発現させることもできる。
第1低親水性領域の形成位置としては、第1低親水性領域が少なくとも空気口の周辺に形成され、第1親水層が少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されていればよい。
例えば図6に示すようにカバー30に空気孔33が形成されている場合には、空気孔33が配置される領域の周辺に第1低親水性領域9が形成されていることが好ましい。図6において、第1低親水性領域9は第1親水層3が形成されていない領域である。
また、図5に例示するようにスペーサ8によって試料供給路21に加えて空気抜き流路22が形成されている場合には、空気抜き流路22の出口の周辺に第1低親水性領域が形成されていることが好ましい。図5において、空気抜き流路22の出口の周辺には第1親水層3が形成されていない第1低親水性領域が形成されている。この場合、空気抜き流路が配置される領域の全体にわたって第1低親水性領域が形成されていてもよい。
2.カバー
本発明に用いられるカバーは、第2基材と、上記第2基材上に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層とを有するものであり、スペーサ上に試料供給路を覆うように配置されるものである。カバーは第2親水層が支持基材と対向するように配置される。
以下、カバーにおける各構成について説明する。
(1)第2親水層
本発明における第2親水層は、第2基材上に形成され、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されるものであり、モスアイ構造を有するものである。
なお、モスアイ構造については、上記第1親水層のモスアイ構造と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2親水層は、樹脂組成物を用いて形成されるものである。なお、樹脂組成物については、上記第1親水層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2親水層は、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成される。
ここで、第2親水層が少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されているとは、試料供給路が配置される領域のうち、試料供給路の入口から電極系および反応部の上部までの領域に形成されていることをいう。すなわち、試料供給路が配置される領域のうち、電極系および反応部よりも奥の領域には第2親水層は形成されていなくてもよい。
第2親水層は、少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されていればよく、第2基材上に全面に形成されていてもよく部分的に形成されていてもよい。
図4(b)、(c)に例示するように、第2親水層32が第2基材31上に全面に形成されている場合には、第2親水層32上にスペーサ8を形成する場合に、モスアイ構造によるアンカー効果によって第2親水層32とスペーサ8との密着性を向上させることができる。
一方、第2親水層が第2基材上に部分的に形成されている場合には、第2親水層の面積を小さくすることができ、製造コストを削減することができる。また、この場合、第2基材上の第2親水層が形成されていない領域に、バイオセンサを製造する際の位置合わせのためのアライメントマークを形成することもできる。さらに、この場合には、図1(a)に例示するようにカバー30に第2基材31を貫通する空気孔33が形成されている場合に、空気孔の周辺に第2親水層が形成されないように第2親水層を部分的に形成することができ、空気孔から試料が流れ出るのを防ぐことができる。
中でも、第2親水層は第2基材上に部分的に形成されていることが好ましい。
また、第2親水層が第2基材上に部分的に形成されている場合、バイオセンサにおいて毛細管現象による試料供給を促進するための空気口が形成されている場合には、空気口の周辺には第2親水層が形成されていないことが好ましい。空気口から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。例えば図1(a)に示すように、カバー30に空気孔33が形成されている場合には、空気孔33の周辺には第2親水層32が形成されていないことが好ましい。また、図2に例示するように、バイオセンサ1においてスペーサ8によって試料供給路21に加えて空気抜き流路22が形成されている場合には、空気抜き流路22の出口の周辺には第2親水層32が形成されていないことが好ましい。
また、バイオセンサを作製する際に、例えば支持基材上に電極系、配線部および反応部を形成し、絶縁層およびスペーサをさらに形成する場合、図7(b)に示すように、スペーサ8の端部が丸くなることがある。特に、スペーサを光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いて形成する場合には、スペーサの端部が丸くなりやすい。この場合において、支持基材10とカバー30とを貼合すると、カバー30における第2基材31とスペーサ8の端部との間に隙間が生じてしまう。このような場合には、第2親水層32の幅w3が試料供給路21の幅w1よりも広いことが好ましい。これにより、カバー30における第2基材31とスペーサ8の端部との間に隙間にも第2親水層32が形成されることになるため、試料供給路21の上面を確実に親水化することができるからである。
なお、第2親水層の層構成、厚みおよび形成方法については、上記第1親水層の層構成、厚みおよび形成方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(2)第2基材
本発明に用いられる第2基材は、バイオセンサのカバーとして機能するものである。
第2基材としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材、金属基材等を用いることができる。樹脂基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
第2基材は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。また、第2基材は、剛性を有していてもよく、弾性を有していてもよい。
また、バイオセンサを多面付けで製造する場合、第2基材は長尺であってもよく枚葉であってもよい。第2基材が長尺である場合には、第2親水層の形成、およびカバーの貼合をロールツーロール方式により連続して行うことができる。
第2基材は透明であってもよく不透明であってもよいが、中でも透明であることが好ましい。透明基材の場合には、バイオセンサの使用時に試料の導入を目視することができる。また、第2親水層を形成する際に、第2基材側から紫外線等を照射して樹脂組成物を硬化させることができる。
透明基材の場合、可視光領域における透過率は80%以上であることが好ましい。
第2基材の形状は、バイオセンサにおける電極系、配線部および端子部の配置等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、第2基材は端子部が露出するように切欠部を有していてもよい。
第2基材は、図1(a)に例示するように第2基材31を貫通する空気孔33を有していてもよい。毛細管現象による試料供給を促進することができる。
空気孔は、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気孔が配置される。
空気孔の直径は、例えば0.3mm以上1mm以下の範囲内とすることができる。
空気孔の形状は、例えば、円形、楕円形、多角形等が挙げられる。
空気孔の形成方法としては、例えばレーザー加工、打ち抜き加工等が挙げられる。
また、第2基材上に第2親水層を形成する際、層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の第2基材の表面性能を向上させる点から、第2基材上に中間層が形成されていてもよい。
(3)第2低親水性領域
本発明のバイオセンサにおいて毛細管現象による試料供給を促進するための空気口が形成されている場合には、空気口の周辺には第2親水層よりも親水性が低い第2低親水性領域が形成されていることが好ましい。空気口から試料が流れ出るのを防ぐことができるからである。
なお、第2低親水性領域の濡れ性については、上記第1低親水性領域の濡れ性と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2低親水性領域としては、第2親水層が形成されていない領域であってもよく、撥水処理された領域であってもよい。なお、第2低親水性領域の構成については、上記第1低親水性領域の構成と同様であるので、ここでの説明は省略する。
第2低親水性領域の形成位置としては、第2低親水性領域が少なくとも空気口の周辺に形成され、第2親水層が少なくとも試料供給路が配置される領域に形成されていればよい。
例えば図1(a)に示すようにカバー30に空気孔33が形成されている場合には、空気孔33の周辺に第2低親水性領域が形成されていることが好ましい。図1(a)において、第2低親水性領域は第2親水層3が形成されていない領域である。
また、図2に例示するようにバイオセンサ1においてスペーサ8によって試料供給路21に加えて空気抜き流路22が形成されている場合には、空気抜き流路22の出口の周辺に第2低親水性領域が形成されていることが好ましい。図2において、第2低親水性領域は第2親水層3が形成されていない領域である。また、この場合、空気抜き流路が配置される領域の全体にわたって第2低親水性領域が形成されていてもよい。
上記支持基材における第1低親水性領域およびカバーにおける第2低親水性領域としては、第1低親水性領域および第2低親水性領域の両方が空気口の周辺に形成されていてもよく、第1低親水性領域のみが空気口の周辺に形成されていてもよく、第2低親水性領域のみが空気口の周辺に形成されていてよい。第1低親水性領域のみまたは第2低親水性領域のみが空気口の周辺に形成されている場合には、試料供給路内で試料を流れやすくすることができる。
(4)カバー
カバーの配置方法としては、バイオセンサの構成等に応じて適宜選択される。例えば、スペーサまたは絶縁層に両面テープを用いる場合には、スペーサまたは絶縁層を介して電極系、配線部および端子部が形成された支持基材とカバーとを貼合することができる。また、支持基材上に光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてスペーサを形成する場合には、接着層を介してスペーサが形成された支持基材とカバーとを貼合することができる。
3.電極系、配線部および端子部
本発明における電極系、配線部および端子部は、支持基材の第1親水層側の面に形成されるものである。
電極系は、少なくとも作用極および対極を有するものであり、さらに参照極を有していてもよい。作用極は、還元体の電子受容体に電圧を印加するための一方の電極である。対極は、電子受容体から作用極に放出された電子によって流れた電流を計測するための一方の電極である。また、参照極は、作用極の電位を決定する際の基準となる電極である。作用極、対極および参照極には配線部が電気的に接続され、配線部には端子部が電気的に接続されており、端子部により電極系への電圧印加、電気信号の取り出しを行うことができる。
電極系、配線部および端子部の形態としては、バイオセンサにおける一般的な形態であれば特に限定されるものではない。例えば、図1(a)および図2に示すように、支持基材10上に2本の配線部5および端子部6が形成され、一方の配線部5に作用極11が接続され、他方の配線部5に対極12が接続されていてもよく、図9(a)に示すように、支持基材10上に2本の配線部5および端子部6が形成され、一方の配線部5に作用極11が接続され、他方の配線部5に対極12および参照極13が別々に接続されていてもよく、図9(b)、(c)に例示するように、支持基材10上に3本の配線部5および端子部6が形成され、3本の配線部5にそれぞれ作用極11、対極12および参照極13が接続されていてもよい。
電極系、配線部および端子部に用いられる導電性材料としては、例えば、金、白金、銀、パラジウム、銅、鉄、アルミニウム、クロム、スズ、コバルト、ニッケル、チタン、セリウム、タンタル等の金属、またはこれらの金属を含む合金等を挙げることができる。また、電極系、配線部および端子部は、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するものであってもよい。
また、本発明のバイオセンサがエンドトキシンセンサである場合には、図9(c)に例示するような電極系4の形態とすることができ、参照極13には銀塩化銀電極を用いることができる。
電極系、配線部および端子部は、同一の材料で構成されていてもよく、異なる材料で構成されていてもよい。また、電極系、配線部および端子部は、一体に形成されていてもよく、別に形成されていてもよい。
また、電極系、配線部および端子部は、単層であってもよく、複数の導電層を積層したものであってもよい。
電極系、配線部および端子部の厚さは、導電性材料の種類に応じて異なるが、例えば0.005μm以上40μm以下の範囲内であることが好ましく、0.01μm以上0.1μm以下の範囲内であることがより好ましい。厚さが上記範囲未満であると、抵抗が高くなり目的とする電極が得られなくなるおそれがある。また、厚さが上記範囲より大きくなると、試料供給路および空気抜き流路の形成に三次元的な高い加工精度が要求され、加工金型の使用数や加工工程および時間が飛躍的に増えるおそれがある。
電極系、配線部および端子部の形成方法としては、所定のパターン状に導電層を形成することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、金属ペーストをグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等により印刷する方法、真空蒸着法やスパッタリング法等の物理蒸着法、金属箔をエッチングする方法、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するインキをグラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等により印刷する方法、レーザーアブレーション法等が挙げられる。また、支持基材上に水溶性レジスト層をパターン状に形成し、水溶性レジスト層が形成された支持基材上の全面に物理蒸着法等により導電層を形成し、水洗により水溶性レジスト層を溶解して水溶性レジスト層上の導電層を除去し、導電層をパターニングする方法を用いることもできる。
中でも、金属ペーストを印刷する方法、物理蒸着法、カーボンおよびバインダー樹脂を含有するインキを印刷する方法のように、予め導電層をパターン状に形成する場合には、第1親水層によって密着性の良好な導電層を得ることができる。
4.反応部
本発明における反応部は、電極系の上部に配置されるものである。
本発明において、反応部は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。
反応部は、生体由来物質として、例えば、酵素と電子受容体とを含む。
グルコース濃度を測定する場合には、酵素として、グルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、後述の範囲の活性を有するものであれば特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。
電子受容体としては、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。
また、エンドトキシン濃度を測定する場合、反応部には、カブトガニの血球成分(Limulus Amebosyte Lysate;LAL)を用いることができる。例えば、反応部には、C因子、B因子、凝固酵素前駆体および色素が結合したペプチドを含むものを挙げることができる。具体的には、C因子、B因子および凝固酵素前駆体を含む物質としては、カブトガニ・アメボサイト・ライセート(カブトガニ血球抽出液)が挙げられる。また、色素が結合したペプチドとしては、一端に色素が結合し、他端にペプチド保護基が結合したオリゴペプチドを用いることができる。オリゴペプチドは、例えば、X−A−Y(式中、Xは保護基、Yは色素、Aはオリゴペプチドである)で示されるものを挙げることができる。保護基Xは、ペプチドの保護基、例えば、t−ブトキシカルボニル基(BoC)、ベンゾイル基等を挙げることができ、色素Yとしては、例えば、pNA(p−ニトロアニリン)、MCA(7−メトキシクマリン−4−酢酸)、DNA(2、4−ジニトロアニリン)、Dansyl色素等が挙げられる。オリゴペプチドとしては、アミノ酸数が2〜10、好ましくは2〜5、さらには3〜4のものがよく、トリペプチドとしては、Leu−Gly−ArgおよびThr−Gly−Arg等を例示することができる。
この場合、エンドトキシンを含む試料を、C因子、B因子、凝固酵素前駆体、および色素が結合したペプチドを含む反応部に接触させて、C因子から活性型C因子を、B因子から活性型B因子を、凝固酵素前駆体から活性型凝固酵素を次々に発生させるカスケード反応と、活性型凝固酵素によるペプチドからの色素の遊離反応とを生じさせて、遊離反応後の試料および反応部に対して、ディファレンシャルパルスボルタンメトリを適用し、測定される電流値に基づいてエンドトキシンを定量することができる。
カスケード反応により生じた活性型凝固酵素によって、試料および反応部中には、色素が結合したペプチドから色素が遊離する。例えば、色素が結合したペプチドがBoc−Leu−Gly−Arg−pNAである場合、色素はpNAである。
なお、このようなエンドトキシン濃度の測定方法については、例えば特開2012−127695号公報を参照することができる。
また、バイオセンサは、反応部の酵素を変更することで、グルコースセンサ、エンドトキシンセンサのみならず、コレステロールセンサ、アルコールセンサ、スクロールセンサ、乳酸センサ、フルクトースセンサ等の酵素に関与する反応系に広く用いることができる。各バイオセンサに用いる酵素としては、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、フルクトースデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等の反応系に合ったものを適宜用いることができる。
酵素と電子受容体は、適宜溶媒で希釈して用いる。溶媒としては、例えば、水、アルコール、水−アルコール混合溶媒が挙げられる。また、酵素と電子受容体は、直鎖、環状の炭化水素貧溶媒に均一分散させてもよい。
酵素および電子受容体はそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下の範囲内および0.5μg以上200μg以下の範囲内とすることが好ましい。反応部の酵素および電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部の性能を担保する最適重量部の小過剰でよい。
また、反応部は、その面積に比例した検出電流が得られるため、可能な範囲で広く設定することが好ましい。
反応部には、親水性高分子や界面活性剤を含有させてもよい。親水性高分子を含有させると、血液はゲル状となり応答電流値は若干低下するが、赤血球や他のタンパク質等のセンサ応答への影響を低減することができる。界面活性剤を含有させると、粘度の高い試料であっても反応部へ試料を容易に導くことができる。
親水性高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルブチラール等、またはこれらの混合物を用いることができる。
反応部に用いる界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール類等が挙げられる。
反応部は、電極系の作用極上に、酵素および電子受容体を含む溶液を塗布した後、乾燥させ溶媒成分を除去して形成することができる。
酵素および電子受容体を含む溶液の塗布方法としては、例えばディスペンサー法を用いることができる。
反応部を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温に戻すことが好ましい。
反応部の形成位置は、作用極の上部であればよく、例えば、反応部を作用極上に形成してもよく、反応部をスペーサおよびカバーの間に形成し、空間を介して作用極に対向するように配置してもよい。
5.絶縁層
本発明に用いられる絶縁層は、支持基材上に、電極系および端子部が露出し、配線部が覆われるように形成されるものである。配線部を覆うように絶縁層が形成されていることにより、配線部の酸化を防ぐとともに、ショートを防ぐことができる。
絶縁層の材料としては、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価に絶縁層を形成することができる。接着剤を用いる場合には、精度良く絶縁層を形成することができる。
接着剤としては、例えば、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を用いることができる。また、ホットメルト型接着剤を用いることもできる。また、接着剤として両面テープを用いてもよい。
絶縁層の厚さは、例えば3μm以上50μm以下の範囲内とすることができる。中でも、絶縁層の厚さは、電極系および反応部を合わせた厚さ、ならびに配線部の厚さよりも厚いことが好ましい。
絶縁層の形成位置としては、配線部を覆い、かつ電極系および端子部を覆わないように絶縁層を形成すればよい。
絶縁層の形成方法としては、所定のパターン状に絶縁層を形成することができる方法であればよく、絶縁層の材料等に応じて適宜選択される。例えば、光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法が挙げられる。また、接着剤として両面テープを用いる場合には、両面テープを打ち抜き加工等によりパターニングした後、支持基材上に両面テープを貼付する方法が挙げられる。
6.スペーサ
本発明に用いられるスペーサは、支持基材とカバーとの間に間隙を設け、電極系および反応部に試料を供給するための試料供給路を形成するために設けられるものである。
スペーサの材料としては、所定の厚みを有するスペーサを形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、接着剤等を用いることができる。光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、安価にスペーサを形成することができる。接着剤を用いる場合には、精度良くスペーサを形成することができる。また、スペーサとして樹脂基材を用いることもできる。
なお、接着剤については、絶縁層に用いられる接着剤と同様であるので、ここでの説明は省略する。
スペーサの厚さは、試料供給路の高さとなるため、15μm以上500μm以下の範囲内であることが好ましい。スペーサの厚さが薄すぎると、毛細管現象による試料供給が安定しなくなるおそれがある。また、スペーサの厚さが厚すぎると、反応部に均一に試料が流れず、反応部の一部に試料が流れない可能性がある。
スペーサの形成方法としては、所定のパターン状にスペーサを形成することができる方法であればよく、スペーサの材料等に応じて適宜選択される。例えば、光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法を挙げることができる。また、接着剤として両面テープを用いる場合には、両面テープに打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、絶縁層上に両面テープを貼付する方法が挙げられる。また、スペーサとして樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材に打ち抜き加工等により試料供給路等を形成した後、接着層を介して絶縁層上にスペーサを貼付する方法が挙げられる。
接着層に用いられる接着剤としては、スペーサに用いられる接着剤と同様とすることができる。
7.試料供給路および空気抜き流路
本発明における試料供給路は、支持基材とカバーとの間の間隙から構成され、スペーサにより形成される。試料供給路は、スペーサを水平方向に貫通して設けられた流路であり、外部から供給される試料を電極系および反応部に導く。
試料供給路の幅は0.5mm以上5mm以下の範囲内であることが好ましい。試料供給路の幅が狭すぎると、毛細管現象による安定した試料供給が困難になる場合や、また反応部の面積が小さくなり感度が低くなる場合がある。また、試料供給路の幅が広すぎると、バイオセンサを多面付けで製造した場合に個々のバイオセンサに切断する際、スペーサがアーチ状につぶれ、試料供給路内の容積が変化し易くなるおそれがある。試料供給路の幅は、全体にわたって均一の幅であってもよく、試料供給路の奥から入口に向かって幅が広くなっていてもよい。
また、スペーサにより空気抜き流路が形成されていてもよい。毛細管現象による試料供給を促進することができる。
空気抜き流路は、試料供給路に通じるように配置される。通常、試料供給路が配置される領域において、電極系および反応部よりも奥の領域に空気抜き流路が配置される。
空気抜き流路の形状としては、毛細管現象による試料供給を促進することができれば特に限定されるものではなく、例えば、試料供給路と空気抜き流路とを合わせてT字状の流路を構成することができる。このような構成とすることで、外部から試料が供給された場合に、試料供給路内の空気が逃げる空気抜き流路が機能する。
空気抜き流路の幅は、例えば0.3mm以上10mm以下の範囲内とすることができる。
8.バイオセンサ
本発明のバイオセンサは多面付けされたものであってもよい。
9.測定装置
図10(a)、(b)は、本発明のバイオセンサを測定装置に接続した様子を示す模式図であり、図10(a)は全体図であり、図10(b)は図10(a)の破線部における測定装置の内部を説明する図である。
図10(a)、(b)に例示するように、測定装置60は、公知の測定装置であって、バイオセンサ1を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置60は、例えば、バイオセンサ1で生じた電気信号を受信するための接続電極63、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部61および操作部62を備える。バイオセンサ1は、測定装置60の装着部に装着されると、バイオセンサ1の2本の端子部6が測定装置60の接続電極63にそれぞれ接続される。この接続により、バイオセンサ1で生じた電気信号は、測定装置60に伝達される。
測定方法としては、例えば、測定者がバイオセンサ1を測定装置60に装着し、バイオセンサ1の先端からスペーサに設けられた試料供給路に試料を導入し、操作部62を操作して、測定を開始する。試料供給路に導入された試料に被検出物が含まれる場合は、被検出物と、反応部に配設された生体由来物質とが反応し、電気信号がバイオセンサ1の電極系で検出され、電極系および配線部を介して端子部6から、測定装置60の接続電極63を介して、測定装置60に伝達される。測定装置60は、バイオセンサ1から受信した電気信号を演算部で測定値に変換する。得られた測定値は、表示部61に表示され、測定者は測定結果を視覚的に認識することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)モスアイ構造形成用原版の作製
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、化成電圧40V、20℃の条件にて120秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で60秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で150秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に、複数の微細孔を備えた凹凸形状を有する陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、モスアイ構造形成用金型Aを得た。なお、アルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微細孔間距離200nm、平均深さ200nm、孔径100nmで、深さ方向に徐々に断面積が小さくなり、先端部が曲面を有する多数の微細孔が密に形成された微細凹凸形状であった。
(2)モスアイ構造の形成
厚さ2mmのシート状のポリメタクリル酸メチル(PMMA)基材(三菱レイヨン社製)を準備し、基材を150℃で加熱して軟化させた後、基材に上記モスアイ構造形成用金型Aを接触させて10MPaで加圧した。加圧したまま基材を冷却し、次いでモスアイ構造形成用金型Aを剥離することにより、隣接する突起間の距離の平均値が200nm、平均突起高さ200nmで、突起付け根位置より頂部に向かうに従って、水平断面の断面積が徐々に小さくなるモスアイ構造を得た。
[比較例1]
公知のサンドブラスト法によって、厚さ2mmのシート状のポリメタクリル酸メチル(PMMA)基材へ粗面加工し、Ra=0.05μmの粗面を得た。
[実施例2]
(1)モスアイ構造形成用原版の作製
実施例1と同様の方法で原版を作製した。
(2)モスアイ構造の形成
実施例1と同様の方法で、ポリアクリロニトリル(PAN)基材(三井化学社製)にモスアイ構造を作製した。
[比較例2]
比較例1と同様の方法で、ポリアクリロニトリル(PAN)基材(三井化学社製)に粗面加工し、Ra=0.05μmの粗面を得た。
[実施例3]
(1)モスアイ構造形成用原版の作製
実施例1と同様の方法で原版を作製した。
(2)モスアイ構造の形成
実施例1と同様の方法で、ポリエチレン・ポリビニルアルコール共重合体(エバール)基材(クラレ製)にモスアイ構造を作製した。
[実施例4]
(1)モスアイ構造形成用原版の作製
実施例1と同様の方法で原版を作製した。
(2)モスアイ構造の形成
実施例1と同様の方法で、ポリカーボネート(PC)基材(帝人化成製)にモスアイ構造を作製した。
[比較例3]
比較例1と同様の方法で、ポリカーボネート(PC)基材(帝人化成製)に粗面加工し、Ra=0.05μmの粗面を得た。
[比較例4]
厚さ2mmのシート状のポリメタクリル酸メチル(PMMA)基材(三菱レイヨン社製)を準備し、コロナ放電処理(電力量:400W、放電処理速度:30m/min)によって親水化した。
[比較例5]
(1)凹凸構造形成用原版の作製
8インチのSiウェハ上に、ポジ型レジスト(日本ゼオン社製、ZEP520)を塗布し、電子線描画装置(日本電子製、JBX9300)にて電子線を露光後、現像して、所定の形状のレジストパターンを形成した。次に、レジストパターンをマスクとして、SiウェハをCFガスでドライエッチングした後、Oプラズマアッシングでレジストを除去し、Siウェハ表面に多数の円柱状の微細孔を有する凹凸形状を形成した。凹凸形状は、微細孔間の距離100nm、孔径40nm、平均深さ200nmで、多数の円柱状の微細孔が正方格子状に配列されたものであった。
(2)凹凸構造の形成
実施例1と同様の方法で、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)基材(三菱レイヨン社製)に凹凸構造を作製した。凹凸構造は多数の円柱状の突起を有し、突起間の距離100nm、直径40nm、平均高さ200nmで、多数の円柱状の突起は正方格子状に配列されていた。
[評価]
協和界面科学社製 接触角計(DM 500)を使って、θ/2法によって静的接触角を測定した。この際、着滴1秒後および10秒後に接触角を測定した。また、接触角の測定は、モスアイ構造の形成の直後、2週間後および6ヵ月後に実施した。
Figure 2014202584
実施例1〜4では、6ヵ月後でも接触角が変化しなかった。また、実施例1〜3では、水の濡れ広がりが速かった。
一方、比較例4では、コロナ放電処理直後は親水性が良好であったが、2週間後には親水性が劣化した。
また、比較例5では、水の濡れ広がりが遅いため、着滴10秒後に接触角は低くなるが、バイオセンサにおける支持基材およびカバーには不向きであった。
1 … バイオセンサ
2 … 第1基材
3 … 第1親水層
4 … 電極系
5 … 配線部
6 … 端子部
7 … 絶縁層
8 … スペーサ
10 … 支持基材
11 … 作用極
12 … 対極
13 … 参照極
15 … 反応部
21 … 試料供給路
22 … 空気抜き流路
30 … カバー
31 … 第2基材
32 … 第2親水層
33 … 空気孔

Claims (7)

  1. 支持基材と、
    前記支持基材上に形成された電極系、配線部および端子部と、
    前記電極系上に配置された反応部と、
    前記支持基材上に、前記電極系および前記端子部が露出し、前記配線部が覆われるように形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成され、前記電極系および前記反応部に試料を供給する試料供給路を形成するスペーサと、
    前記スペーサ上に配置されたカバーと
    を有するバイオセンサであって、
    前記支持基材は、第1基材と、前記第1基材上に形成され、モスアイ構造を有する第1親水層とを有し、
    前記カバーは、第2基材と、前記第2基材上に形成され、モスアイ構造を有する第2親水層とを有し、
    前記支持基材および前記カバーは前記第1親水層および前記第2親水層が対向するように配置され、
    前記第1親水層および前記第2親水層は少なくとも前記試料供給路が配置される領域に形成されていることを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記第1親水層および前記第2親水層が樹脂組成物を用いて形成されたものであり、前記樹脂組成物を用いて平坦な樹脂層を形成したときの前記樹脂層の表面における純水の静的接触角が、θ/2法で50°以上75°以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記第1親水層が前記第1基材上に部分的に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記第2親水層が前記第2基材上に部分的に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のバイオセンサ。
  5. 前記第2基材は前記第2基材を貫通する空気孔を有し、前記カバーの前記空気孔の周辺に前記第2親水層よりも親水性が低い第2低親水性領域が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサ。
  6. 前記支持基材の前記空気孔が配置される領域の周辺に前記第1親水層よりも親水性が低い第1低親水性領域が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のバイオセンサ。
  7. 前記スペーサにより空気抜き流路が形成されており、前記カバーの前記空気抜き流路の出口の周辺に前記第2親水層よりも親水性が低い第2低親水性領域が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサ。
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