JP2013164350A - バイオセンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属電極と、該金属電極上に形成される電極との接触抵抗の上昇を抑え、電気特性に優れたバイオセンサを提供する。
【解決手段】本発明によると、第1の基材と、第1基材の第1の面上に配設された第1の電極層と、第1の電極層の少なくとも一部を覆うようにして第1基材の第1の面上に配設された第2の電極層と、第1の電極層及び第2の電極層の上層に位置するように配設された反応部と、を備え、第2の電極層は、酸化還元電位が第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むバイオセンサが提供される。
【選択図】図2
【解決手段】本発明によると、第1の基材と、第1基材の第1の面上に配設された第1の電極層と、第1の電極層の少なくとも一部を覆うようにして第1基材の第1の面上に配設された第2の電極層と、第1の電極層及び第2の電極層の上層に位置するように配設された反応部と、を備え、第2の電極層は、酸化還元電位が第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むバイオセンサが提供される。
【選択図】図2
Description
本発明はバイオセンサに関し、特に溶液中の物質の濃度を電気化学的に測定するバイオセンサに関する。
血液等の生体試料中の特定成分について迅速かつ簡便に濃度等を測定する方法として、電気化学的検出手段によるバイオセンサが実用化されている。バイオセンサは、一般に、作用極と対極を含む電極系、酵素及び電子受容体を基本構成として備えている。このようなバイオセンサの一例として、電気化学的に血液中のグルコースを定量化するグルコースセンサがある。
グルコースセンサにおいては、酵素は血液中のグルコースを選択的に酸化してグルコン酸を生成し、また同時に電子受容体を還元して還元体を生じる。この還元体に電極系で一定の電圧を印加することで還元体が再び酸化され、その際に電流が発生する。この電流が血液中のグルコース濃度に依存することから、血液中のグルコースを定量化することができる。
従来のバイオセンサは、基板上に銀ペーストをスクリーン印刷することでリード配線を形成し、その後、リード配線上に導電性カーボンペーストを印刷して電極系を形成している(特許文献1、特許文献2参照)。
しかし、特許文献1及び2に記載された印刷法による電極形成よる従来のバイオセンサの製造においては、金属で形成されたリード配線や電極の表面がカーボン電極形成前に酸化され、酸化皮膜が形成されるため、カーボン電極との界面での電気抵抗が上昇し、電極の電気特性が著しく低下する。このような電極の劣化は測定結果の精度を低下させるため、例えば、グルコースセンサの場合には、患者の生命に関わる重大な問題を招きかねない。
本発明は、上述の問題を解決するものであって、金属電極と、該金属電極上に形成される電極との接触抵抗の上昇を抑え、電気特性に優れたバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、第1の基材と、前記第1基材の第1の面上に配設された第1の電極層と、前記第1の電極層の少なくとも一部を覆うようにして前記第1基材の第1の面上に配設された第2の電極層と、前記第1の電極層及び前記第2の電極層の上層に位置するように配設された反応部と、を備え、前記第2の電極層は、酸化還元電位が前記第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むバイオセンサが提供される。
本実施形態に係るバイオセンサは、少なくとも一部が積層構造をとる電極を有し、下層となる第1の電極層の一部を覆うように上層となる第2の電極層が配設され、第2の電極の酸化還元電位が第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属層を第2の電極層として用いる場合にも、第1の電極層と接触する第2の電極層の界面の酸化皮膜量を減らすことができ、高い導電性を実現することができる。
前記バイオセンサにおいて、前記第1の電極層はカーボンを含み、前記第2の電極層はアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
酸化しにくいカーボンを第1の電極層と、酸化しやすいアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含む金属層を第2の電極層とを組合せて用いても、第1の電極層と接触する第2の電極層の界面の酸化皮膜量を減らすことができるため、金やパラジウム等の高価な材料を用いる必要がなく、製造コストを抑制したバイオセンサを提供することができる。
また、本発明の一実施形態によると、第1の基材の第1の面上に第1の電極層を形成し、前記第1の電極層の少なくとも一部を覆うように、前記第1の基材の第1の面に第2の電極層を形成し、前記第2の電極層は、酸化還元電位が前記第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むバイオセンサの製造方法が提供される。
第1の基材の第1の面上に第1の電極層を形成した後に、第1の電極層上の一部に接触する金属層の第2の電極層を形成することにより、第1の電極層と接触する第2の電極層の界面の酸化皮膜量を減らすことができ、高い導電性を実現することができる。本発明は、酸化還元電位が第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属層を第2の電極層として用いる場合に特に有効である。
前記バイオセンサの製造方法において、第1の基材の第1の面及び前記第1の電極層の一部が露出するように、所定のパターンを有する水溶性レジスト層を形成し、前記水溶性レジスト層上と、前記水溶性レジスト層から露出した前記第1の基材の第1の面上及び前記第1の電極層上とに前記金属層を形成し、前記水溶性レジスト層と、前記水溶性レジスト層上に形成された前記金属層とを水洗により除去して前記第2の電極層を形成してもよい。
水溶性レジスト層を用いることにより、水溶性レジスト層の上面に形成された金属層は、従来のように酸やアルカリなどの高価な薬液を用いず、水溶性レジスト層と共に水洗により除去でき、第1の基材の第1の面上に残されて形成された金属層のパターンにより、第1の電極層を簡便に形成することができる。
前記バイオセンサの製造方法において、前記第1の電極層はカーボンを含み、前記第2の電極層はアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
酸化しにくいカーボンを第1の電極層として先に形成し、第2の電極層を後から形成することにより、第1の電極層と接触する第2の電極層の界面の酸化皮膜量を減らすことができるため、酸化しやすいアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含む金属層を第2の電極層として用いることができる。
本発明によると、電気特性に優れたバイオセンサを提供することができる。
本発明者らは、上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、従来のように金属の電極や配線を形成した後に、その上面にカーボン電極を形成するのではなく、基板上にカーボン等の電極層を形成した直後に、その上面に金属の電極や配線を形成することにより、金属に酸化皮膜が形成されるのを抑制し、カーボン電極との界面での電気抵抗の上昇を抑制することを見出した。
以下、図面を参照して本発明に係るバイオセンサ及びその製造方法について説明する。但し、本発明のバイオセンサは多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態及び実施例で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の模式図である。図2は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の分解斜視図である。バイオセンサ100は、例えば、第1の基材10の第1の面(上面)に、第1の電極層20と、第1の電極層20の一端を覆うように配設された第2の電極層30と、第2の電極層30上に配設された反応部60とを備える。また、バイオセンサ100は、第2の電極層30上に配設された絶縁層40と、第1の電極層20と第2の電極層30上に配設され、試料を導入する切欠部を備えた第2の基材50を備えてもよい。また、バイオセンサ100は、反応部60を覆うカバーである第3の基材70をさらに備えてもよい。
ここで、図9に示した従来のバイオセンサ900の分解斜視図を参照すると、従来のバイオセンサ900は、例えば、第1の基材10の第1の面(上面)に、第2の電極層930と、第2の電極層930の一端に積層して配設された第1の電極層920と、第1の電極層920上に配設された反応部60とを備える。従来のバイオセンサ900は、第2の電極層930を形成した後に第1の電極層920を配設するため、第1の電極層920と接触する第2の電極層930の界面には酸化皮膜が形成され、電気抵抗が生じて高い導電性を実現するのが困難であった。
(第1の基材)
本実施形態において、第1の基材10は、第1の電極層20と第2の電極層30を配設するための基材である。第1の基材10は、剛性の高い基材であることが好ましい。第1の基材10としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材や金属基材などを用いることができ、これら材料に応じて測定時の取り扱い性能に十分な強度を実現可能な充分な厚さを設定するとよい。第1の基材10としては、PET製の基材を用いることが好ましい。PETを用いることで安価にバイオセンサを作製することができるからである。第1の基材10の厚さは、例えば、6μm以上1mm以下の範囲で適宜設定するとよい。
本実施形態において、第1の基材10は、第1の電極層20と第2の電極層30を配設するための基材である。第1の基材10は、剛性の高い基材であることが好ましい。第1の基材10としては、例えば、樹脂基材、セラミック基材、ガラス基材、半導体基材や金属基材などを用いることができ、これら材料に応じて測定時の取り扱い性能に十分な強度を実現可能な充分な厚さを設定するとよい。第1の基材10としては、PET製の基材を用いることが好ましい。PETを用いることで安価にバイオセンサを作製することができるからである。第1の基材10の厚さは、例えば、6μm以上1mm以下の範囲で適宜設定するとよい。
(第1の電極層)
本実施形態において、第1の電極層20は、導電性を有する材料で形成した電極層であり、第2の電極層30の一部と接触または積層することにより、電極の一部として機能するものである。第1の電極層20は、第1の基材10に2本以上、典型的には3本配設される。第1の電極層20は、作用極21、対極23及び参照極25を構成する。作用極21は還元体の電子受容体に電圧を印加するための電極である。対極23は電子受容体から作用極21に放出された電子によって流れた電流を計測するための電極である。また、参照極25は、作用極21の電位を決定する際の基準となる電極である。
本実施形態において、第1の電極層20は、導電性を有する材料で形成した電極層であり、第2の電極層30の一部と接触または積層することにより、電極の一部として機能するものである。第1の電極層20は、第1の基材10に2本以上、典型的には3本配設される。第1の電極層20は、作用極21、対極23及び参照極25を構成する。作用極21は還元体の電子受容体に電圧を印加するための電極である。対極23は電子受容体から作用極21に放出された電子によって流れた電流を計測するための電極である。また、参照極25は、作用極21の電位を決定する際の基準となる電極である。
第1の電極層20は、第2の電極層30を構成する金属よりも酸化しにくい導電性材料を含むことが好ましい。例えば、金やプラチナなどの酸化還元電位が0.8Vより大きい金属や、カーボン顔料と有機バインダの混合物により形成することができる。製造コストを考慮すると、カーボン顔料と有機バインダの混合物により形成することが好ましい。本実施形態に係るバイオセンサ100に用いるカーボン顔料としては、例えば、黒鉛、アモルファスカーボン、ダイヤモンドライクカーボン、カーボンファイバー、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー等を用いることができる。有機バインダとしてはアクリル樹脂、エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩酢ビニル樹脂等を用いることができる。
本実施形態に係る第1の電極層20においては、カーボン顔料、有機バインダはそれぞれ5重量%以上60重量%以下、10重量%以上40重量%以下とすることが好ましい。カーボン顔料が5重量%未満であるとカーボン顔料同士が電気的接続を有する確率が急激に低下して電極層としての導電性が失われる虞がある。また、カーボン顔料が60重量%より多いと顔料間の空隙が多くなり、物理的な賦型強度、接着強度、耐摩擦強度が失われて、要求される構造・機能が保持できなくなる虞がある。さらに、カーボン表面の酸化還元状態が安定せず、後工程で添加する酵素や電子受容体も空隙に不均一に吸着するようになる。また、有機バインダが10重量%未満であると、第1の電極層20の塗工特性が低下して塗膜強度も低下することとなり、40重量%より多いと、同様に第1の電極層20の塗工特性が低下して導電性も低下することとなる。なお、第1の電極層20には、後述するような助剤や添加剤等を添加してもよい。
第1の電極層20の厚さは0.3μm以上30μm以下の範囲とすることが好ましい。厚さが0.3μm未満であると第1の電極層20を挟んで反応部60と第2の電極層30の隔絶が製造、保管、酵素反応の各条件、経時安定を保証する上で困難となり、また30μmより大きくなると電極層が脆弱になったり、抵抗値が上がったり等の問題が生じる。第1の電極層20は、カーボン顔料で第2の電極層30を被覆することで、第2の電極層30の防錆に寄与し、酵素と第2の電極層30との直接の接触を防止する。
第1の電極層20は、必要に応じて他の導電性顔料、硬化剤や架橋剤のような反応試薬、加工適性改善のための助剤や添加剤等をカーボン顔料と有機バインダとに混合してもよい。また、第1の電極層20の表面に機械的研磨やコロナ・プラズマのような放電手法による物理的エッチング等を施して、表面の活性化を向上させてもよい。
(第2の電極層)
本実施形態において、第2の電極層30は配線部と一体形成され、バイオセンサ100を測定装置(図8)に接続するための端子31を備える。端子31とは反対側の第2の電極層30の下面の一部には、上述した第1の電極層20により構成される作用極21、対極23及び参照極25が接触する。図2においては、2本配設された第2の電極層30の一方の下面に作用極21を配設し、他方の下面に第2の電極層30に対極23及び参照極25を配置した例を示したが、本実施形態に係るバイオセンサ100はこれに限定されるものではなく、第1の基材10に3本の第2の電極層30を配設することにより、作用極21、対極23及び参照極25を第2の電極層30に別々に接続してもよい。
本実施形態において、第2の電極層30は配線部と一体形成され、バイオセンサ100を測定装置(図8)に接続するための端子31を備える。端子31とは反対側の第2の電極層30の下面の一部には、上述した第1の電極層20により構成される作用極21、対極23及び参照極25が接触する。図2においては、2本配設された第2の電極層30の一方の下面に作用極21を配設し、他方の下面に第2の電極層30に対極23及び参照極25を配置した例を示したが、本実施形態に係るバイオセンサ100はこれに限定されるものではなく、第1の基材10に3本の第2の電極層30を配設することにより、作用極21、対極23及び参照極25を第2の電極層30に別々に接続してもよい。
本実施形態に係る第2の電極層30は、導電性の高い金属を含む層である。第2の電極層30には、バイオセンサの電極に用いられる公知の金属を利用可能であり、酸化還元電位が第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を利用することができる。このような金属として、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀等を例示することができる。導電性や製造コストを考慮すると、本実施形態においては、アルミニウムを好適に用いることができる。アルミニウムは酸化皮膜を形成しやすい金属材料であるが、後述する本発明に係る製造方法を用いることにより、第1の電極層と接触する面における第2の電極層の酸化皮膜の形成が抑制され、電極として高い導電性を実現することができる。また、本実施形態に係る第2の電極層30は、被検出物を検出するに十分な導電率を確保できる範囲で可能な限り薄く形成することが好ましい。第2の電極層30の膜厚は、20nm以上20μm以下の範囲で設定することが好ましい。第2の電極層30は、真空蒸着法などの物理蒸着、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷などの方法により形成することができる。第2の電極30を真空蒸着法により形成する場合には20nm以上200nm以下、グラビア印刷により形成する場合には1μm以上4μm以下、スクリーン印刷により形成する場合には3μm以上20μm以下、フレキソ印刷により形成する場合には200nm以上1μm以下とするとよい。第2の電極層30の膜厚を小さくなるように形成するには、物理蒸着法を用いるとよく、なかでも第2の電極層30を形成するには真空蒸着法を好適に用いることができる。例えば、金属としてアルミニウムを用いる場合は、100nmの膜厚の第2の電極層30を安定して形成することができる。
(反応部)
本実施形態において、反応部60は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。反応部60は、生体由来物質として、例えば、酵素と電子受容体とを含む。グルコース濃度を測定する場合には、酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。電子受容体はフェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。酵素と電子受容体は、適宜溶媒で希釈して用いる。本実施形態に係る溶媒としては、例えば、水、アルコール、水−アルコール混合溶媒がある。また、直鎖、環状の炭化水素貧溶媒に均一分散させてもよい。酵素と電子受容体とをそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下と0.5μg以上200μg以下とすることが好ましい。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、上述の範囲の活性を有するものであれば、特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。反応部60の酵素及び電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部60の性能を担保する最適重量部の小過剰でよい。
本実施形態において、反応部60は生体由来物質を含み、基質特異的な物質の変化移動に伴う、化学ポテンシャル、熱あるいは光学的な変化を電気信号へ変換する。反応部60は、生体由来物質として、例えば、酵素と電子受容体とを含む。グルコース濃度を測定する場合には、酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)を用いることができる。電子受容体はフェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体、オスミューム誘導体等を用いることができる。酵素と電子受容体は、適宜溶媒で希釈して用いる。本実施形態に係る溶媒としては、例えば、水、アルコール、水−アルコール混合溶媒がある。また、直鎖、環状の炭化水素貧溶媒に均一分散させてもよい。酵素と電子受容体とをそれぞれ1試験体当り0.3ユニット以上10ユニット以下と0.5μg以上200μg以下とすることが好ましい。グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼは、純度の高いものが好ましく、上述の範囲の活性を有するものであれば、特に由来となる生物種は限定されず、例えば、グルコースオキシダーゼとしては、東洋紡社製GLO−201を用いることができる。反応部60の酵素及び電子受容体は、酵素量(力価/ユニット)に準じた反応量が得られるが、反応部60の性能を担保する最適重量部の小過剰でよい。
また、反応部60は、その面積に比例した検出電流が得られるため、可能な範囲で広く設定することが好ましい。反応部60は親水性高分子と混合したり、あるいは親水性高分子及び界面活性剤と混合したりして構成してもよい。親水性高分子としては、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルブチラール等、またはこれらの混合物を用いることができる。親水性高分子と混合すると、血液はゲル状となり応答電流値は若干低下するが、赤血球や他のタンパク質などのセンサ応答への影響を低減することができる。界面活性剤を含有させると粘度の高い試料液であっても、センサの内部へ試料液を容易に導くことができるので、好ましい。反応部60に用いる界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはポリエチレングリコール類等が挙げられる。反応部60を形成する場合、酵素は40℃以上で長時間放置すると活性を失うため、溶媒の乾燥は40℃以下で行い、乾燥後は速やかに室温にもどすことが好ましい。
(絶縁層)
本実施形態において、絶縁層40は、金属で形成された第2の電極層30を被覆する。絶縁層40には、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。第2の電極層30の上層に絶縁層40を配設することにより、第2の電極層30の酸化を防ぐとともに、ショートを防ぐことができる。
本実施形態において、絶縁層40は、金属で形成された第2の電極層30を被覆する。絶縁層40には、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。第2の電極層30の上層に絶縁層40を配設することにより、第2の電極層30の酸化を防ぐとともに、ショートを防ぐことができる。
(第2の基材)
本実施形態において、第2の基材50は、試料を導入する切欠部を備え、外部からバイオセンサ100へ試料供給を行うための流路を設けるための基材である。図では、第2の基材50が「U」の字状となるように切欠部を備えた例が示されているが、切欠部の態様はこれに限定されるものはない。例えば、切欠部が「T」の字状となるように、バイオセンサの長手方向に延びる溝と、この溝に交わるように短手方向に延びる溝とが、第3の基材に形成されていてもよい。第2の基材50には、例えば、第1の基材と同様のものを用いることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。また、第2の基材50として、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用い、これらを硬化させたものを基材として取り扱うことができる。第1の電極層20の上層に、第2の基材50を配設することにより、検出に必要な試料を導入し、被検出物と酵素との反応による電気信号を第1の電極層20から検出することができる。
本実施形態において、第2の基材50は、試料を導入する切欠部を備え、外部からバイオセンサ100へ試料供給を行うための流路を設けるための基材である。図では、第2の基材50が「U」の字状となるように切欠部を備えた例が示されているが、切欠部の態様はこれに限定されるものはない。例えば、切欠部が「T」の字状となるように、バイオセンサの長手方向に延びる溝と、この溝に交わるように短手方向に延びる溝とが、第3の基材に形成されていてもよい。第2の基材50には、例えば、第1の基材と同様のものを用いることができ、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。また、第2の基材50として、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用い、これらを硬化させたものを基材として取り扱うことができる。第1の電極層20の上層に、第2の基材50を配設することにより、検出に必要な試料を導入し、被検出物と酵素との反応による電気信号を第1の電極層20から検出することができる。
(第3の基材)
本実施形態において、第3の基材70は、反応部60を覆うカバーである。第3の基材70は、第2の基材50の切欠部に対応する位置に貫通孔71を有していてもよい。第3の基材70の貫通孔71は、第2の基材50の切欠部に試料を導入するための空気抜きであり、第2の基材50の切欠部への試料の導入を促進する。第3の基材70は、剛体であってもよく、弾性体であってもよい。第2の基材50には、電気絶縁性を有する弾性体を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
本実施形態において、第3の基材70は、反応部60を覆うカバーである。第3の基材70は、第2の基材50の切欠部に対応する位置に貫通孔71を有していてもよい。第3の基材70の貫通孔71は、第2の基材50の切欠部に試料を導入するための空気抜きであり、第2の基材50の切欠部への試料の導入を促進する。第3の基材70は、剛体であってもよく、弾性体であってもよい。第2の基材50には、電気絶縁性を有する弾性体を用いることが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のフィルムを好適に用いることができる。
なお、図2においては、反応部60を第2の基材50の上面に配置した例を示したが、本実施形態に係るバイオセンサ100はこれに限定されるものではなく、反応部60は、第1の電極層20の上層であれば、他の位置でもよく、第1の電極層20の上面または絶縁層40の上面に配設されてもよい。また、反応部60が第1の電極層20の上面または絶縁層40の上面に配設される場合には、第3の基材70は、第2の基材50と一体形成されてもよい。
図2には図示していないが、後述するように、本実施形態に係るバイオセンサ100においては、第1の基材10から第2の電極層30が剥離するのを防止するために、第1の基材10の上面に密着層を形成するのが好ましい。また、第2の基材50と第3の基材70との間には、接着層を配設することにより、それぞれの基材を貼り合わせることができる。なお、上記実施形態は一例であって、多くの異なる態様で実施可能である。
(製造方法)
上述した本実施形態に係るバイオセンサ100の製造方法について、詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の製造方法を示す模式図である。第1の基材10を準備する。本実施形態においては、好ましくは、第1の基材10の一方の面に密着層15を形成する(図3(a))。密着層15は、公知のプライマー剤の中から第1の基材10の材料に応じて適宜選択すればよく、例えば、第1の基材10がPETである場合には、大日精化工業株式会社製 VM−DやVM−ALなどを用いることができる。密着層15の形成には、印刷法などを用いることができる。密着層15を形成することにより、第1の基材10と第2の電極層30との密着性を向上させるとともに、バイオセンサ100の使用時に、第1の基材10から第2の電極層30が剥離するのを防止することができる。
上述した本実施形態に係るバイオセンサ100の製造方法について、詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の製造方法を示す模式図である。第1の基材10を準備する。本実施形態においては、好ましくは、第1の基材10の一方の面に密着層15を形成する(図3(a))。密着層15は、公知のプライマー剤の中から第1の基材10の材料に応じて適宜選択すればよく、例えば、第1の基材10がPETである場合には、大日精化工業株式会社製 VM−DやVM−ALなどを用いることができる。密着層15の形成には、印刷法などを用いることができる。密着層15を形成することにより、第1の基材10と第2の電極層30との密着性を向上させるとともに、バイオセンサ100の使用時に、第1の基材10から第2の電極層30が剥離するのを防止することができる。
密着層15の上面の一部に、例えば、グラビア印刷またはスクリーン印刷によりカーボンを印刷して、第1の電極層20を形成する(図3(b))。
次に、第1の電極層20上に第2の電極層30を形成する。第2の電極層30は、種々の方法により形成することができ、例えば、真空蒸着法などの物理蒸着、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷などの方法により形成することができる。第2の電極30を真空蒸着法により形成する場合には20nm以上200nm以下、グラビア印刷により形成する場合には1μm以上4μm以下、スクリーン印刷により形成する場合には3μm以上20μm以下、フレキソ印刷により形成する場合には200nm以上1μm以下とするとよい。以下では、好適な製造例としてリフトオフ法を用いて第2の電極層30を形成する方法について説明する。
水溶性レジストを用いて、第2の電極層30のネガパターンを印刷し、水溶性レジスト層35を形成する(図3(c))。水溶性レジストは、典型的には水溶性樹脂であり、例えば、水溶性ビニル樹脂などを用いてもよい。水溶性レジスト層35は、0.5μm以上10μm以下で形成することが好ましい。本実施形態に係る製造方法においては、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷またはインクジェット印刷から選択される何れかの方法により、第1の基材10の第1の面(上面)に、第2の電極層30のネガパターンを形成することができる。本実施形態においては、好ましくは、密着層15の上面に水溶性レジスト層35を形成する。本実施形態に係る水溶性レジストは、典型的には水溶性樹脂であり、例えば、水溶性ビニル樹脂などを用いてもよい。
所定のパターンで水溶性レジスト層35が形成された面に、金属層37を形成する(図3(d))。金属層37は、例えば、物理蒸着法により形成され、好ましくは真空蒸着法により形成する。本実施形態においては、第1の電極層20の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属層により第2の電極層30を形成する。このような金属として、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀等を例示することができる。本実施形態に係る製造方法においては、銀やアルミニウムを蒸着して金属層37を形成することが好ましい。銀やアルミニウムは酸化皮膜を形成しやすい金属材料であるが、金属層37と第1の電極層20との界面では酸化皮膜の形成が抑制される。このため、本実施形態に係る製造方法を用いることにより、第2の電極層30の形成時での酸化皮膜の形成を抑制して、高い導電性を実現することができる。このとき、金属層37の膜厚は、例えば、20nm以上200nm以下とするとよい。
金属層37を形成した後、水洗ユニットに第1の基材を移動して水洗を行う。水洗は、例えば、第1の基材の上面に対してノズルなどから水を供給し、水溶性レジスト層を溶解させる。必要に応じて温水により水洗を行うとよい。水溶性レジスト層35と、水溶性レジスト層35の上面に形成された金属層37は水洗により除去され、第1の基材10の第1の面及び第1の電極層の一部に金属層37がパターン状に加工されてなる第2の電極層30を形成することができる(図3(e))。酸やアルカリなどの高価な薬液を用いることがないため、製造コストを低減することができる。水により水溶性レジスト層35を除去するため、廃液設備が簡便なものとなり、製造設備の面でもメリットが大きい。また、酸やアルカリなどの薬液では、金属層37が侵襲される可能性があるが、本実施形態によればそのような可能性は低減される。
図4は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の電極群110を示す模式図である。また、図5〜7は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100の電極群の(a)上面図と、(b)一例として対極と第2の電極層との積層領域の拡大図である。電極群110においては、第2の電極層30が第1の電極層20の一端と揃う位置に配設される。電極群110においては、対極25(第1の電極層20)と第2の電極層30とは、第1の電極層20の上面25aと、第1の電極層20の2つの側面25b及び25cとにより接触する(図5(b))。
電極群210においては、第2の電極層230が第1の電極層220の一端を跨ぐ位置に配設される。電極群210においては、対極225(第1の電極層220)と第2の電極層230とは、第1の電極層220の上面225aと、第1の電極層220の2つの側面225b及び225cとにより接触する(図6(b))。電極群210は、製造時に第1の電極層220と第2の電極層230との確実な接触状態で積層させることができる。
電極群310においては、第2の電極層330が第1の電極層320の一端を完全に覆う位置に配設される。電極群310においては、対極325(第1の電極層320)と第2の電極層330とは、第1の電極層320の上面325aと、第1の電極層320の3つの側面325b、325c及び325dとにより接触する(図7(b))。電極群310は、第1の電極層320の端部側面325dにおいても第2の電極層330との確実な接触状態で積層させることができる。
これらの電極群の第2の電極層30の上層に、グラビア印刷またはスクリーン印刷により絶縁層40を配設する。絶縁層40には、例えば、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。絶縁層は、予めパターニングして塗布されたものを硬化して絶縁層40としてもよいし、全面に塗布した後、硬化したい部位のみにエネルギーを加えて硬化して絶縁層40としてもよい。本実施形態においては、バイオセンサ100を測定装置に接続するために、第2の電極層30の端子31の上面には絶縁層40を配設しない。このような絶縁層40の位置合わせは、印刷法を用いることにより、精度良く行うことができる。
第1の電極層20の上層に、試料を導入する切欠部を備えた第2の基材50を配設する。第2の基材50は、グラビア印刷またはスクリーン印刷により形成することができる。このような切欠部を備えた第2の基材50の位置合わせは、印刷法を用いることにより、精度良く行うことができる。
第1の電極層20または絶縁層40の上層に、反応部60を配設する。反応部60は、例えば、酵素及び電子受容体を含む溶液をディスペンサーで塗布した後、40℃で乾燥させ、溶媒成分を除去することにより形成することができる。反応部60は、第1の電極層20の上層であれば、第1の電極層20の上面、絶縁層40の上面または第2の基材50の上面の何れかに配設すればよい。
反応部60を形成した後に、反応部60を第3の基材70で覆ってもよい。第3の基材70は、接着層を形成することにより、第2の基材50と貼り合わせることにより実施可能である。接着層には、合成接着剤としてはアクリル系接着剤、エステル系接着剤、ビニル系接着剤、シリコン系接着剤等、天然接着剤としてはニカワ、天然ゴム、樹液等の澱粉のり・天然高分子等を用いることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るバイオセンサの製造方法によると、第1の電極層を形成した後に金属層からなる第2の電極層を形成するため、酸化しやすいアルミニウムを第2の電極層に利用しても、酸化皮膜の形成を抑制し、第1の電極層と第2の電極層との接触抵抗の上昇を抑制して電気特性に優れたバイオセンサを提供することができる。
(測定装置)
図8は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100と測定装置1000に接続した様子を示す模式図であり、図8(a)は全体図である。測定装置1000は、公知の測定装置であって、本発明に係るバイオセンサ100を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置1000は、例えば、バイオセンサ100で生じた電気信号を受信するための接続電極1011及び1013、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部1100及び操作部1200を備える。
図8は、本発明の一実施形態に係るバイオセンサ100と測定装置1000に接続した様子を示す模式図であり、図8(a)は全体図である。測定装置1000は、公知の測定装置であって、本発明に係るバイオセンサ100を接続して、試料中に含まれる被検出物を検出する装置である。測定装置1000は、例えば、バイオセンサ100で生じた電気信号を受信するための接続電極1011及び1013、演算部(図示せず)、電源(図示せず)、表示部1100及び操作部1200を備える。
図8(b)は、図8(a)のバイオセンサ100を接続した破線部における測定装置1000の内部を説明する図である。バイオセンサ100は、測定装置1000の装着部に装着されると、バイオセンサ100の2つの端子31が測定装置1000の接続電極1011及び1013にそれぞれ接続する。この接続により、バイオセンサ100で生じた電気信号は、測定装置1000に伝達される。なお、上述したように、第1の基材10に3本の第2の電極層30を配設して、作用極21、対極23及び参照極25を第2の電極層30に別々に配設した場合は、測定装置1000の接続電極は3本となる。
測定方法としては、例えば、測定者がバイオセンサ100を測定装置1000に装着し、バイオセンサ100の先端から第2の基材50に設けられた切欠部に試料を導入し、操作部1200を操作して、測定を開始する。第2の基材50の切欠部に導入された試料に被検出物が含まれる場合は、被検出物と、反応部60に配設された生体由来物質とが反応し、電気信号がバイオセンサ100の第1の電極層20で検出され、第2の電極層30から端子31、測定装置1000の接続電極1011及び1013を介して、測定装置1000に伝達される。測定装置1000は、バイオセンサ100から受信した電気信号を演算部で測定値に変換する。得られた測定値は、表示部1100に表示され、測定者は測定結果を視覚的に認識することができる。
(実施例1)
実施例として、上述した本発明に係るバイオセンサの電極群を以下のように作製した。第1の基材として、厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の450cm×450cmのシートを準備した。第1の基材の片面に密着層を形成するためのプライマー剤として大日精化工業株式会社製 VM−Dを塗布した。第1の基材に対してカーボンを含む塗工液をスクリーン印刷法で作用極、対極、参照極からなる第1の電極層を形成した。第2の電極層がカーボン電極の一端に重なり電気的接続がとれるように、水溶性レジスト(DIC社製 MCA2055)をグラビア印刷法により、第2の電極層のネガ型パターンを厚さ1〜2μmで塗布した。塗布後、120℃で5秒間乾燥し、蒸着源としてアルミニウムがセットされた真空蒸着装置に第1の基材を移し、水溶性レジストが形成された面の全面に厚さ100nmでアルミニウム薄膜を成膜した。アルミニウム薄膜を成膜した第1の基材に20℃の水をノズルから供給して水溶性レジストを除去し、アルミニウム電極パターンを作製した。
実施例として、上述した本発明に係るバイオセンサの電極群を以下のように作製した。第1の基材として、厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の450cm×450cmのシートを準備した。第1の基材の片面に密着層を形成するためのプライマー剤として大日精化工業株式会社製 VM−Dを塗布した。第1の基材に対してカーボンを含む塗工液をスクリーン印刷法で作用極、対極、参照極からなる第1の電極層を形成した。第2の電極層がカーボン電極の一端に重なり電気的接続がとれるように、水溶性レジスト(DIC社製 MCA2055)をグラビア印刷法により、第2の電極層のネガ型パターンを厚さ1〜2μmで塗布した。塗布後、120℃で5秒間乾燥し、蒸着源としてアルミニウムがセットされた真空蒸着装置に第1の基材を移し、水溶性レジストが形成された面の全面に厚さ100nmでアルミニウム薄膜を成膜した。アルミニウム薄膜を成膜した第1の基材に20℃の水をノズルから供給して水溶性レジストを除去し、アルミニウム電極パターンを作製した。
(実施例2)
実施例2として、上述した本発明に係るバイオセンサの製造方法により、第2の電極層として銀を用いてバイオセンサの電極群を製造した。
実施例2として、上述した本発明に係るバイオセンサの製造方法により、第2の電極層として銀を用いてバイオセンサの電極群を製造した。
(比較例1)
比較例1として、アルミニウムの金属層を形成した後、金属層に一部重なるようにカーボンをスクリーン印刷により塗布して電極系を形成してバイオセンサの電極群を製造した。
比較例1として、アルミニウムの金属層を形成した後、金属層に一部重なるようにカーボンをスクリーン印刷により塗布して電極系を形成してバイオセンサの電極群を製造した。
(比較例2)
比較例2として、銀の金属層を形成した後、金属層に一部重なるようにカーボンをスクリーン印刷により塗布して電極系を形成してバイオセンサの電極群を製造した。
比較例2として、銀の金属層を形成した後、金属層に一部重なるようにカーボンをスクリーン印刷により塗布して電極系を形成してバイオセンサの電極群を製造した。
(電極群の抵抗値特性の確認)
実施例及び比較例の電極群を用いて、カーボン電極と金属電極層との電気抵抗値(Ω)を金属電極層6箇所についてそれぞれ測定した。それぞれ2つサンプルを要して測定した結果を表1に示す。
実施例及び比較例の電極群を用いて、カーボン電極と金属電極層との電気抵抗値(Ω)を金属電極層6箇所についてそれぞれ測定した。それぞれ2つサンプルを要して測定した結果を表1に示す。
電極群の抵抗値特性を比較すると、第2の電極層として、アルミニウム、銀の何れを用いた場合にも、本実施例に係る電極群は優れた抵抗値特性を示すことが明らかとなった。また、第2の電極層としてアルミニウムを用いた場合には、本実施例に係る電極群は比較例の電極群に比して電気抵抗値を著しく低く抑えることができた。
10:第1の基材、15:密着層、20:第1の電極層、21:作用極、23:対極、25:参照極、25a:第1の面、25b:第2の面、25c:第3の面、30:第2の電極層、31:端子、35:水溶性レジスト層、37:金属層、40:絶縁層、50:第2の基材、60:反応部、70:第3の基材、71:貫通孔、100:バイオセンサ、110:電極群、210:電極群、220:第1の電極層、221:作用極、223:対極、225:参照極、225a:第1の面、225b:第2の面、225c:第3の面、230:第2の電極層、310:電極群、320:第1の電極層、321:作用極、323:対極、325:参照極、325a:第1の面、325b:第2の面、325c:第3の面、325d:第4の面、330:第2の電極層、900:従来のバイオセンサ、920:第1の電極層、921:作用極、923:対極、925:参照極、930:第2の電極層、931:端子、1000:測定装置、1011:接続電極、1013:接続電極、1100:表示部、1200:操作部
Claims (5)
- 第1の基材と、
前記第1基材の第1の面上に配設された第1の電極層と、
前記第1の電極層の少なくとも一部を覆うようにして前記第1基材の第1の面上に配設された第2の電極層と、
前記第1の電極層及び前記第2の電極層の上層に位置するように配設された反応部と、を備え、
前記第2の電極層は、酸化還元電位が前記第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むことを特徴とするバイオセンサ。 - 前記第1の電極層はカーボンを含み、
前記第2の電極層はアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。 - 第1の基材の第1の面上に第1の電極層を形成し、
前記第1の電極層の少なくとも一部を覆うように、前記第1の基材の第1の面上に第2の電極層を形成し、
前記第2の電極層は、酸化還元電位が前記第1の電極層の酸化還元電位より小さく、且つ0.8V以下である金属を含むことを特徴とするバイオセンサの製造方法。 - 第1の基材の第1の面及び前記第1の電極層の一部が露出するように、所定のパターンを有する水溶性レジスト層を形成し、
前記水溶性レジスト層上と、前記水溶性レジスト層から露出した前記第1の基材の第1の面上及び前記第1の電極層上とに前記金属層を形成し、
前記水溶性レジスト層と、前記水溶性レジスト層上に形成された前記金属層とを水洗により除去して前記第2の電極層を形成することを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサの製造方法。 - 前記第1の電極層はカーボンを含み、
前記第2の電極層はアルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、チタン、タンタルまたは銀から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3または4に記載のバイオセンサの製造方法。
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JP2018128439A (ja) * | 2017-02-10 | 2018-08-16 | ▲き▼芯科技股▲ふん▼有限公司 | エッチング液を使用せずに製造されたバイオセンサー試験紙及びその製造方法 |
-
2012
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