JPH05281181A - 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法 - Google Patents

酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法

Info

Publication number
JPH05281181A
JPH05281181A JP4074158A JP7415892A JPH05281181A JP H05281181 A JPH05281181 A JP H05281181A JP 4074158 A JP4074158 A JP 4074158A JP 7415892 A JP7415892 A JP 7415892A JP H05281181 A JPH05281181 A JP H05281181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
enzyme
film
substrate
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4074158A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Niwa
修 丹羽
Hisao Tabei
久男 田部井
Tsutomu Horiuchi
勉 堀内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP4074158A priority Critical patent/JPH05281181A/ja
Publication of JPH05281181A publication Critical patent/JPH05281181A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 感度、応答性に優れた酵素修飾電気化学検出
器の製造方法を提供する。 【構成】 基板51に作用電極53を形成し、作用電極
53以外の基板51の表面に絶縁膜54を形成し、絶縁
膜54の表面にアミノ基55を導入し、アミノ基55に
酵素56を固定化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は体液中の生理活性物質の
測定、臨床検査、食品などの製造工程管理、水中の環境
計測などに使用する電気化学バイオセンサー、クロマト
グラフィやフローインジェクション装置の検出器に使用
する酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】溶液中に溶解している原子、分子、イオ
ンの検出の方法として電気化学反応に伴う電流を検出す
る方法が広く使用され、体液中の生理活性物質、廃液や
食品中の重金属イオンなどの検出に応用されている。
【0003】この方法では目的物質が電気化学的に活性
であること、すなわち、比較的低い電位を印加すること
により目的物質が酸化または還元反応して電極との間で
電子の出入りが起こることが必要で、血液中の糖類など
電位変化に対して安定な物質の検出には利用することが
難しかった。電気化学的に非活性な物質を検出する方法
として生体反応と電気化学反応を組み合せる方法が開発
され、バイオセンサーとして応用領域が拡大している
(例えば「バイオセンサー」鈴木周一著、講談社、19
84年記載など)。バイオセンサーの中でも酵素を電極
上に固定化した酵素電極は酵素反応により目的物質(基
質)を電気化学的に活性な物質に変換した後、電極反応
を用いて電流を検出するかまたは酵素反応によって溶液
中の酵素量の減少を電気化学的に評価する原理を利用し
ている。これまでに、グルコースなどの糖類のセンサー
では実用化され、L−アスコルビン酸、尿素、コレステ
ロール、アルコールなどのセンサーが研究されている。
近年、血管などに直接センサーを挿入して体液中の生理
活性物質を直接モニターする必要から、センサーの小型
化が求められている。また、免疫検定法や免疫センサー
のラベルにも酵素が使用され、検出器として高感度なも
のや微量サンプルに対応できるものが要求されている。
【0004】微小で高感度な酵素電極(センサー)を作
製するため、微小電極上に酵素膜を修飾した検出器が報
告されている。微小電極の多くは、ガラス細管中に白
金、金などの金属線、炭素繊維などを封入して使用す
る。この微小電極の応答挙動は電極形状に依存し、電極
サイズが減少するに従って応答速度、S/N比が向上
し、原理的には高感度化ができるため種々の電極形状や
微細化が検討されている。
【0005】しかし、微小電極ではミクロンオーダーへ
の微細化により、検出できる電流値はnAオーダー以下
に低下し、測定時に外部ノイズに敏感になる等の理由で
測定が困難になる。このため、微小電極の数を増やして
(アレイ化して)、微小電極の高電流密度、充電電流に
対する高S/N比などの特徴を保持させたままで絶対電
流値を増加させることが提案されている。微小電極や微
小アレイ電極上に酵素膜を堆積させるのは困難であるた
め電極を酵素を懸濁させた高分子溶液に浸漬し電極およ
び電極をシールしている絶縁膜全体に酵素膜を形成する
方法が一般的であった。また、近年リソグラフィ技術の
利用により基板上に微小電極が再現性良く作製されるよ
うになってきたため酵素を含む高分子のスピンコートに
より容易に酵素修飾電極を多数作製できる。
【0006】しかしながら、この方法では近接した複数
の電極に別々の酵素膜を修飾することは困難で、多種の
センサーを修飾することができなかった。目的の微小電
極上のみに酵素膜を修飾する方法として、電解重合法や
メッキ法が知られている。電解重合法ではピロール、チ
オフェン、アニリンを含む溶液に電極を浸し電気化学的
に酸化反応を行うと、電極上に導電性の膜が得られる方
法を利用しており、重合の際にモノマーと共に溶液中に
酵素分子を分散させておくと、重合時にポリマー中に酵
素が取り込まれ酵素膜が電位を印加した電極上のみに形
成される方法である。また、メッキ法も白金が電位を印
加した電極上のみにメッキされ白金黒を形成する際に酵
素を同時に白金黒膜中へ取り込む方法で電解重合法と同
様に特定の微小な電極上のみに酵素膜を作製することが
できる。白黒金は電解重合で作製した導電性膜に比較し
導電性が大きくまた安定なため特性の良いグルコースセ
ンサーなどが報告されている(例えば、逢坂哲弥、小山
昇、電気化学法:応用測定マニュアル、講談社サイエ
ンティフィック p77,1990年)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
酵素電極では電極上に直接酵素膜を固定して検出が行わ
れており、微小電極の特長である速い応答性を維持する
ことは困難で、電極上に形成した膜の性質によっては膜
中での酵素反応生成物の拡散速度が小さく高い感度が得
られない問題点を有していた。さらに、電極上に電解重
合法やメッキ法により導電性の酵素膜を作製する方法で
は電極電位を掃引した場合、表面積の増加による充電電
流が増大した。特に、電解重合法では膜の再現性に問題
があった。
【0008】近年、リソグラフィ技術の応用により微小
電極を基板上に多数配列し、電極自体に電流増幅機能や
選択性を付与しようとする試みがなされている。例え
ば、2つ以上の多数の電極を近接して配列することがで
きるため2つの近接した作用電極に別々の電位を印加す
ると、非常に高い酸化還元種のレドックスサイクルが起
こり電流を40倍以上に増幅することができる(J.E
lectroanal.Chem.Prelimina
ry note,267巻、p291,1989年)。
さらに、L−アスコルビン酸のような非可逆な分子の存
在化で可逆な分子のみを検出する際に、くし形電極の一
方を掃引して両方の分子を酸化し他方の電極の電位を目
的分子の還元電位に固定して測定を行うと、両者の酸化
体の寿命の差より可逆な目的分子のみを選択的に検出す
ることができる。また、一方の電極を電位掃引し、他方
の電極で検出を行うことにより充電電流の影響が少ない
測定が可能で10nMの高い検出度が得られている。
【0009】これらの機能を有する電極に酵素膜を修飾
して酵素電極検出器を作製する際、電極の機能を維持し
たまま修飾を行うことが重要である。しかし、複数の微
小電極を修飾する際に電極上に直接修飾を行うと、電極
自体が本来有する機能を発揮させることができない問題
点があった。
【0010】裸の微小電極の感度や応答性を維持したま
ま修飾電極を作製するには電極の周辺のみに膜を作製す
る方法が考えられる。通常のサイズの電極では酵素膜を
電極近傍に作製しても酵素反応生成物が電極内部まで拡
散するには長い時間が必要で電極内部は電気化学反応に
殆ど利用されず効率が悪い。一方、微小電極の電極近傍
に膜を修飾した場合には電極中心までの拡散距離が短く
電極上でほぼ一様に電気化学反応が起こると予想され
る。しかしながら、微小電極近傍や微小電極間の絶縁性
部分のみに修飾するのは非常に困難である。半導体作製
の際に使用するレジスト膜に酵素をブレンドしてホトリ
ソグラフィ技術により酵素膜パターンを作製する方法が
提案されている(例えば、Analytica Chi
micaActa,251(1991)117)。この
方法では基板が導電性、絶縁性にかかわらず微細な酵素
膜パターンを作製することができる。しかしながら、こ
の方法ではレジスト中へ酵素膜をブレンドする必要があ
り使用できるレジストに制限がある。また、リソグラフ
ィプロセスの際に酵素が活性を失う可能性があるため使
用する酵素の種類やプロセスに使用する現像液、溶媒、
温度等に制限があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解決し、感度、応答性に優れた酵素修飾電気化学検出器
およびその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の酵素修飾電気化学検出器は、少なく
とも表面が絶縁性である基板上に形成された少なくとも
一つの作用電極を有する酵素修飾電気化学検出器におい
て、前記作用電極の近傍に酵素膜が固定化されているこ
とを特徴とする。
【0013】また、本発明の酵素修飾電気化学検出器
は、少なくとも表面が絶縁性である基板上に複数の作用
電極が微小間隙により分離され、前記作用電極間に酵素
膜が固定化されていることを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の酵素修飾電気化学検出器
の製造方法は、絶縁体によって互いに隔てられた複数の
作用電極を有する酵素修飾電気化学検出器の製造方法に
おいて、前記複数の作用電極を少なくとも表面が絶縁性
の基板上に形成する工程と、前記複数の作用電極を隔て
る前記絶縁体の表面に酵素に対して活性な活性基を導入
する工程と、該活性基が導入された前記絶縁体の表面に
酵素膜を固定化する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
【作用】発明者らは酸化膜付きシリコン基板上に微小く
し形電極を作製した後、電極をアルカリ処理、酸処理し
て酸化シリコン部分に水酸基を導入し、それを利用して
酵素の固定化を行うと金や白金電極上には水酸基が殆ど
存在しないために電極間の微小間隙のみに酵素膜を作製
できることを見いだした。さらに、この方法によりくし
形電極間に電気化学的に可逆な生成物を産出する酵素を
固定化し生成物の測定を行った所、くし形電極の2つの
電極電位をそれぞれ生成物の酸化還元電位以上と酸化還
元電位以下に設定した時、電極間で高いレドックスサイ
クルが得られ電流増幅が得られること、さらに、電極の
応答性も殆ど変化しないことを見いだし本発明に至っ
た。また、リソグラフィ工程を終わった後、酵素膜を固
定化するため固定化による活性の低下は少なかった。さ
らに、リソグラフィ技術により電極間にクロロメチル化
ポリスチレンの微細パターンを作製し、光反応によって
残ったクロロメチル基を用いて酵素固定を行っても同様
に電極間に酵素膜パターンを得ることができることを見
いだした。
【0016】酵素修飾電気化学検出器に用いる少なくと
も表面が絶縁性の基板としては、酸化膜が形成されたシ
リコン基板、窒化膜が形成されたシリコン基板、ガラス
基板、酸化アルミニウム基板、プラスチック基板を挙げ
ることができる。また、作用電極用の金属としては、
金、白金、クロム、チタン、ステンレス、銅、銀などを
挙げることができる。また、作用電極用の半導体として
は、p型およびn型シリコン、p型およびn型ゲルマニ
ウム、硫化カドミウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ガリ
ウムリン、ガリウムヒ素、インジウムリン、カドミウム
セレン、カドミウムテルル、二酸化モリブデン、セレン
化タングステン、二酸化銅、酸化インジウム、酸化ス
ズ、インジウム−スズ酸化物が挙げられる。作用電極用
の半金属として、導電性カーボンを挙げることができ
る。体液と電極リード部分とを隔てる絶縁膜としては、
酸化シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコ
ン樹脂、ポリイミドおよびその誘導体、エポキシ樹脂、
高分子熱硬化物などを挙げることができる。参照電極上
の参照物質としては、銀、銀/塩化銀、ポリビニルフェ
ロセン等を挙げることができる。作用電極近傍、また
は、作用電極間に固定化する酵素としては、グルコース
オキシターゼ、アルカラインホスフェターゼ、アルコー
ルオキシデース、コレステロールオキシデース、ジアホ
ラーゼ、ガラクトースオキシターゼ、コリンオキシデー
ス、L−アスコペートオキシターゼ等を挙げることがで
きる。酵素を固定化する方法としては、電極の作製に使
用した基板の表面処理により活性な置換基を導入して酵
素を共有結合により固定化するか、または作用電極の近
傍または作用電極間に置換基を持つ高分子のパターンを
作製し、この高分子と上記に例示した酵素とを反応させ
る方法、水溶性高分子の架橋物などの多孔性材料のパタ
ーンを形成し、酵素を吸着または吸収により固定化する
方法などを挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の酵素修飾電気化学検出器の構
成について、実施例によって具体的に説明する。なお、
本発明はこれらの実施例の内容に限定されるものではな
い。
【0018】(実施例1)実施例1において微小孔電極
の周辺にグルコースオキシターゼを固定化した酵素修飾
電気化学検出器の作製方法について図1を用いて説明す
る。
【0019】シリコンウエハ基板11(大阪チタニウム
社製)上に酸化膜12を形成し、1μmの厚さの酸化膜
付きシリコンウェハを形成した(図1(A))。スパッ
タ装置(アネルバ製:SPF−332H)内の所定の位
置に酸化膜付きシリコンウエハをメタルマスクと共に取
付け、クロム、白金、二酸化シリコンを順次スパッタデ
ポジションを行った。圧力を0.01Torrとし、ア
ルゴン雰囲気下で、クロムを50Wで、10秒間、白金
を70Wで、1分間、二酸化シリコンを50Wで、10
分間スパッタリングを行いクロム/白金膜13を100
nmの膜厚に、二酸化シリコン膜14を300nmの膜
厚に形成した(図1(B))。その後、上記のクロム/
白金膜13および二酸化シリコン膜14を形成した基板
上に、ホトレジスト(東京応化社製:TSMR−V3)
を1μmの厚さに塗布した。上記のレジストが塗布され
たシリコンウエハをオーブン中に入れ90℃、90秒の
条件下でベークした。その後、クロムマスクを用いてマ
スクアライナ(キヤノン製)により20秒間密着露光し
た。露光したシリコンウエハをレジスト現像液(東京応
化社製)中で、20℃、40秒間現像を行い、水洗、乾
燥してマスクパターンをレジストに転写した(図1
(C))。現像後、上記の基板を反応性イオンエッチン
グ装置(アネルバ社製:DEM−451)中に入れ、C
26 ガスを流量を25SCCMとし、圧力を0.25
Paとし、150Wの条件下で10分間、二酸化シリコ
ンをエッチングして、多数の微小孔をうがち、その底面
に作用電極を露出させた(図1(D))。以下、この作
用電極を微小孔電極15と言う。各微小孔電極15の直
径は1μm、個数は10000個とした。
【0020】次に、パターン化した上記の基板上に、再
度ホトレジストを1μmの厚さに塗布した。レジストが
塗布されたシリコンウエハをオーブン中に入れ90℃、
90秒の条件下でベークした。その後、クロムマスクを
用いてマスクアライナ(キヤノン製)により20秒間密
着露光した。露光したシリコンウエハをレジスト現像液
(東京応化社製)中で、20℃、40秒間現像を行い、
水洗、乾燥してマスクパターンをレジストに転写した。
現像後、上記のシリコンウエハをスパッタ装置内の所定
の位置に取付け、クロム、白金を順次デポジションし
た。その後、上記のシリコンウエハをメチルエチルケト
ン中に浸漬して超音波処理を行い、作用電極が形成され
た部分以外のレジストを剥離して参照電極16および対
向電極17を得た(図1(E))。
【0021】上記の基板の参照電極16のみにリード線
を接続して60℃に加熱した銀メッキ液に浸漬し、参照
電極16部分だけに電流密度を1mAとし、3秒間通電
して銀メッキを行い、参照電極16上へ酸化還元物質1
8として銀を析出させ、多数の微小孔電極を作用電極と
する微小電気化学測定用セルを得た。この電極セルパタ
ーンを有する基板を1Mの水酸化ナトリウム、1Mの塩
酸に順次浸漬して表面に水酸基を導入した後、5%の3
−アミノプロピルトリエトキシシランのアセトン溶液に
入れ、50℃で10時間加熱して微小孔電極15、参照
電極16および対向電極17以外の絶縁膜の部分にアミ
ノ基を導入した。次に、このウエハは10%のグルタル
アルデヒドを含むpH7の0.1Mのリン酸緩衝溶液中
に入れ、常温(約25℃)で2時間反応させた後、表面
を緩衝溶液を用いてリンスした。最後に、ウエハを1%
のグルコースオキシターゼを懸濁させたリン酸緩衝溶液
に浸し一昼夜放置して、絶縁膜の部分のみに固定化酵素
膜19を形成した(図1(F))。酵素の固定化後、作
用電極上に非特異的に吸着した酵素を除去するため1M
の塩化ナトリウム溶液で作用電極の表面を十分に洗浄し
た。このようにして作製した酵素電極の模式的斜視図を
図2に示す。図2において図1と同一の構成には同一の
符号を付す。
【0022】この酵素電極をポテンシオスタットに接続
し10mMの濃度のグルコースを含む0.1Mの塩化ナ
トリウム溶液に浸漬して0.7Vの電位を印加した所、
グルコースオキシターゼとグルコースとの反応により生
成する過酸化水素に基づく220nAの酸化電流が観測
された。この酵素電極をフローセル内にセットし、流量
1ml/secで10mMのグルコースの注入を行った
所、2秒以下で100%応答した。また、その時のピー
ク電流値は525nAであった。グルコースの濃度を変
化させて電流値を測定したところ100nMから10m
Mの間で直線性が得られた。
【0023】(実施例2)実施例2においては微小孔電
極の周辺のみにL−アスコベートオキシターゼを固定化
した酵素修飾電気化学検出器の性能について説明する。
【0024】実施例1と同様な酵素電極上に同様な手法
を用いてL−アスコベートオキシターゼを固定化した。
この電極上に1μMのドーパミンを含むリン酸緩衝溶液
を10μl滴下し、0Vから0.6Vまで100mV/
secの速度で電位掃引すると2.3nAの限界電流が
得られた。次に、1μMのドーパミンと10μMのL−
アスコルビン酸を含む溶液を酵素電極上に滴下し、5分
後に電位掃引を行ったところ電流値は3nAとやや増加
した。一方、L−アスコルビン酸オキシターゼを固定し
ない酵素電極を用いて測定を行うとL−アスコルビン酸
の妨害効果により電流値は12.5nAとなり、L−ア
スコルビン酸オキシターゼを固定化した酵素電極では酵
素がL−アスコルビン酸を酸化するため、L−アスコル
ビン酸の妨害効果が抑制されてドーパミンを選択的に検
出することができた。
【0025】(実施例3)実施例3においてバンドアレ
イ電極の電極間にグルコースオキシターゼを固定化した
酵素修飾電気化学検出器の作製方法について説明する。
【0026】実施例1と同様な酸化膜が形成されたシリ
コンウエハ上にフォトレジスト(東京応化社製:TSM
R−V3)を1μmの厚みに塗布した。このレジストが
塗布されたシリコンウエハをオーブン中に入れ、90
℃、90秒の条件下でベークした。その後、クロムマス
クを用いてマスクアライナ(キヤノン製PLF−50
1)により15秒間密着露光し、幅が2μm、間隔が2
μm、本数が50本のバンドアレイの作用電極、および
参照電極、対向電極を露光させた。このようにして露光
したシリコンウエハをレジスト現像液(東京応化社製)
の中で、20℃、40秒間現像を行い、水洗、乾燥して
マスクパターンをレジストに転写した。このレジストが
形成された基板をスパッタ装置(アネルバ製:SPF−
332H)内の所定位置に取付け、クロム、および白金
のスパッタデポジションを順次行った。圧力を10-2
orrとし,アルゴン雰囲気下で、クロムを10秒間、
白金を1分間スパッタリングを行い、全体で100nm
の膜厚とした。その後、上記の基板をメチルエチルケト
ン中に浸漬して超音波処理を行い、電極形成部以外のレ
ジストを剥離して電極パターンを得た。
【0027】次に、基板をスパッタ装置内の所定位置に
取付け、二酸化シリコンのスパッタデポジションを行っ
た。圧力を10-2Torrとし、温度が250℃のアル
ゴン雰囲気下で、10分間スパッタリングを行い、全体
として300nmの膜厚とした。基板上へレジストを再
び塗布し、90℃で、90秒間ベーキングを行った後、
クロムマスクを用いて露光、現像し、バンドアレイ作用
電極、参照電極先端、対向電極部分を残して、レジスト
で基板を覆った。次に、このレジストをマスクにしてス
ピンオングラスをCF4 ガスによりアネルバ製DEM4
51を使用してエッチングし、バンドアレイ作用電極、
参照電極先端、対向電極部分を露出させた。その後、電
極基板を銀メッキ液中に浸漬し、参照電極部分のみに電
流密度を1mAとし、10秒間通電して、参照電極上に
銀を析出させた。露出させたバンドアレイ部分の長さは
2mmとした。この電極セルを実施例1と同様な方法に
より作用電極間に露出した二酸化シリコン部分のみにグ
ルコースオキシターゼを固定化した。
【0028】酵素の固定化中、電極セル内の絶縁膜以外
に固定化が起こらないようにリードを覆っている二酸化
シリコンのパッシベーション膜は粘着性のテフロンテー
プによりマスクした。酵素の固定化後、このようにして
作製した酵素電極をポテンシオスタットに接続し1mM
の濃度のグルコースを含む0.1Mの塩化ナトリウム溶
液に浸漬けして0.7Vの電位を印加したところ、グル
コースオキシターゼとグルコースとの反応に基づく85
nAの酸化電流が観測された。この酵素電極をフローセ
ル内にセットし、流量1ml/secで1mMのグルコ
ースの注入を行ったところ、2秒以下で100%応答し
た。また、この時のピーク電流値は245nAであっ
た。グルコースの濃度を変化させて電流値を測定したと
ころ100nMから10mMの間において直線性が得ら
れた。
【0029】(実施例4)実施例4において微小くし形
電極の電極間にアルカリフォスフェターゼを固定化した
酵素修飾電気化学検出器の作製方法について図3を用い
て説明する。
【0030】シリコンウエハ基板31上に厚さ1μmの
酸化膜32を形成し、フォトレジスト33を1μmの厚
みにスピンコートした(図3(A))。このレジストが
塗布されたシリコンウエハをオーブン中に入れ、90
℃、90秒の条件下でベークした。その後、クロムマス
クを用いてマスクアライナ(キヤノン製PLF−50
1)により20秒間密着露光した。露光したシリコンウ
エハーをレジスト現像液(シプレー社製、AZデベロバ
ー)の中で、20℃、120秒間現像を行い、水洗、乾
燥してマスクパターンをレジストに転写した(図3
(B))。
【0031】このレジストが塗布された基板をスパッタ
装置(アネルバ製:SPF−332H)内の所定位置に
取付け、クロム、および白金のスパッタデポジションを
順次行った。圧力を10-2Torrとし、アルゴン雰囲
気下で、クロムを10秒間、白金を1分間スパッタリン
グを行い、全体として100nmの膜厚とした。その
後、上記の基板をメチルエチルケトン中に浸漬して超音
波処理を行い、電極形成部以外のレジストを剥離して酸
化側のくし形電極34と還元側のくし形電極35を得た
(図3(C))。その後、この電極基板をプラズマCV
D装置(Applied Materials社製、A
MP−3300)に入れ、シランガスを23SCCM、
アンモニアガスを48SCCMの流量で流し、ガス圧を
0.2Torrとし、投入電力を500Wとし、基板温
度を300℃として10分間堆積を行い、400nmの
厚さの窒化シリコン膜36によりこの基板を被覆した
(図3(D))。
【0032】次に、基板上へレジストを再び塗布し、9
0℃において、90秒間ベーキングを行った後、マスク
を用いて露光、現像し、くし形作用電極、参照電極先
端、対向電極部分を残して、レジストを用いて覆った
(図3(E))。次に、このレジストをマスクにして窒
化シリコン膜をCF4 ガスによりアネルバ製DEM45
1を使用して反応性イオンエッチングし、くし形作用電
極を露出させた(図3(F))。
【0033】このようにして作製した酵素修飾電気化学
検出器は、くし形作用電極の電極幅を3μm、ギャップ
を2μm、くしの長さを2mm、くしの本数を50対と
した。このくし形作用電極を実施例1と同様な方法によ
り作用電極間に露出した二酸化シリコンの表面をアミノ
化し、グルタルアルデヒドを反応させた後、1wt%の
アルカリホスフェターゼを懸濁させた酢酸緩衝溶液中に
20時間以上浸漬させて作用電極間に固定化酵素膜37
を形成した。その後、このようにして形成した電極セル
を1Mの塩化ナトリウム溶液で洗浄して非特異的に作用
電極表面に吸着した酵素を除去して酵素が修飾されたく
し形電極を得た(図3(G))。
【0034】このくし形電極をデュアルポテンシオスタ
ットに接続して1mMのパラアミノフェニルホスフェー
トを含むpH9の緩衝溶液中に浸漬し、くし形電極の一
方の電位を−0.2Vに固定して、他方の電位を−0.
2Vから0.5Vまで電位掃引すると、電位を掃引した
側で650nAの酸化限界電流、電位を固定した側で6
00nAの還元限界電流が観測され、くし形電極間にお
ける酵素反応により生成したパラアミノフェノールがく
し形電極上に拡散して容易に検出されていることが分か
った。対照実験として、くし形電極の一方の電極のみを
ポテンシオスタットに接続し電位掃引を行うと電流値は
2電極を使用した時の1/8に低下した。これは酵素反
応により生成したパラアミノフェノールの酸化電流がく
し形電極間のレドックスサイクルにより増幅されたため
で、酵素の固定化後もくし形電極本来の性質である電流
増幅機能が維持されていることを示している。
【0035】さらに、従来法を利用して架橋ポリビニル
アルコールにアルカリホスフェターゼを分散させた膜
を、くし形電極全面に10μmの厚みに塗布し同様の測
定を行うと、くし形電極の一方のみを電位掃引した場合
と、一方をパラアミノフェノールの酸化還元電位以下に
電位印加して、他方のくし形電極を電位掃引した場合の
間での変化は小さかった。これはくし形電極自体が本来
有する電気化学的に可逆な物質の信号をレドックスサイ
クルにより増幅できる機能が全面を修飾された膜では低
下していることを示しており、くし形電極間のみを修飾
した電極では従来法で作製した酵素電極に比較して電極
自体の機能低下が起こりにくいことが確認された。
【0036】電極間のみを修飾したくし形電極セルと酵
素を高分子に分散させて全面修飾したくし形電極との両
者をフローセルに組み込み、流速を0.1ml/sec
としてくし形電極の一方に0.3V、他方に−0.2V
の電位を印加した後、100μMのパラアミノフェニル
ホスフェート溶液を注入した。その結果、電極間に酵素
を部分修飾した電極では0.8μA、酵素を全面修飾し
た電極では1μA以上の電流が得られたが、電極間に酵
素を部分修飾した電極では酵素を全面修飾した電極より
も4倍も速い時間で100%応答し、酵素を部分修飾し
た電極では酵素の固定化量は低いが応答性に優れた結果
が得られた。
【0037】(実施例5)実施例5において微小くし形
電極の電極間にL−アスコベートオキシターゼを固定化
した酵素修飾電気化学検出器の性能について説明する。
【0038】実施例4と同様な方法を用いてくし形電極
を作製し、実施例1の方法に従ってL−アスコベートオ
キシターゼを電極上に固定化した。この電極上に10μ
Mのドーパミンを含むpH7のリン酸緩衝溶液を10μ
l滴下し、くし形電極の一方を0Vに固定し、他方を0
から0.7Vまで電位掃引すると酸化側で110nA、
還元側で105nAの限界電流が観測された。次に、酵
素を固定化したくし形電極と酵素を固定化していないく
し形電極にそれぞれ10μMのドーパミンを含むpH7
のリン酸緩衝溶液を10μl滴下し、10分間放置した
後、それぞれ電位掃引を行うと、酵素を固定化した電極
ではL−アスコルビン酸を含まない溶液と同じ大きさの
信号が得られた。一方、酵素を修飾しない電極ではL−
アスコルビン酸の妨害により酸化電流は約8倍に増加
し、還元電流は20nA以下に低下した。また、酵素を
修飾した電極に一方の電位を0Vに固定したまま、他方
の電位を0.6Vにステップするとドーパミンの酸化電
流は110msec以内に定常状態に達し、裸電極の応
答性を失うことなしに酵素修飾電極を得ることができ
た。
【0039】(実施例6)実施例6において微小段差く
し形電極の電極間にグルコースオキシターゼを固定化し
た酵素修飾電気化学検出器の作製方法について図4を用
いて説明する。
【0040】シリコンウエハ41上に厚さ1μmの酸化
膜42を形成し、酸化膜が形成されたウエハをスパッタ
装置(アネルバ製:SPF332H)内の所定位置に取
り付け、クロム、金を順次スパッタデポジションを行っ
た。圧力を10-2Torrとし、アルゴン雰囲気下で、
クロムを50Wとして、10秒間、金を70Wとして、
1分間スパッタリングを行い膜厚が100nmの金/ク
ロム薄膜43を得た(図4(A))。その後、この基板
上にフォトレジスト(シプレイ社製、MP1400−2
7)を1.0μmの厚みに塗布した。このレジストが塗
布された基板をホットプレート上において90℃、2分
間の条件下でベークした。その後、マスクアライナー
(キヤノン製PLA−501)により15秒間密着露光
した。露光したシリコンウエハは、レジスト現像液(シ
プレー社製、MF319)中で、20℃、60秒間現像
を行い、水洗、乾燥してマスクパターンをレジストに転
写した。次に、この基板をイオンミリング装置(Com
monwealth Scientific社製、Mi
llatron)内の所定位置に取付け、アルゴンガス
圧を2×10-4Torrとし、引きだし電圧を550V
として白金/クロムのミリングを2分間行い、アッシン
グ装置(東京応化製、プラズマアッシャー)にてレジス
トを除去して下部電極を形成した(図4(B))。次
に、この基板を再びスパッタ装置(アネルバ製 SPF
332H)中に入れ、基板の全面にわたって100nm
の厚みの二酸化シリコン膜44で覆った(図4
(C))。その後、この基板上にフォトレジスト(シッ
プレー社製 AZ1400−27)を1μmの厚みに塗
布し、位置合わせを行ってくし形電極を密着露光した。
レジストが形成された基板をスパッタ装置に取り付け、
クロム、金を順次スパッタデポジションを行い、リフト
オフ法により上部くし形電極45,46を作製した(図
4(D))。
【0041】次に、この基板をCVD装置に入れ、実施
例4と同様な方法により300nmの厚さの窒化シリコ
ン膜47で覆った(図4(E))後、フォトレジスト
(ジプレー社製 AZ1400−27)を1μmの厚み
に塗布し、クロムマスクを用いて上下にかみ合ったくし
形電極部分(1mm×0.25mm)、パッド部分のみ
を露光、現像し、その部分を露出させた。次に、この基
板を反応性イオンエッチング装置(アネルバ製、DEM
−451)中に入れ、CF4 ガスの流量を25SCCM
とし、圧力を0.25Paとして、150Wの条件下で
レジストパターンをマスクにして5分間、窒化シリコン
および下層の二酸化シリコン膜のエッチングを行って上
部および下部電極を露出させた。この結果、上下に別れ
た2つの作用電極の間が非常に小さくかみ合ったくし形
電極が得られた(図4(F))。このようにして作製し
たくし形電極の形状は、各くしの電極幅が2μm、くし
形電極間の段差が0.5μm、くしの長さが2mm、く
しの本数が各200本づつであった。このくし形電極の
絶縁膜の段差部分に実施例1と同様な方法によりグルコ
ースオキシターゼの固定化酵素膜48を得た(図4
(G))。
【0042】この酵素電極をポテンシオスタットに接続
し、10mMの濃度のグルコースを含む0.1Mの塩化
ナトリウム溶液に浸漬してくし形電極の両方の電極に
0.7Vの電位を印加した所、グルコースオキシターゼ
とグルコースとの反応に基づく460nAの酸化電流が
観測された、この酵素電極をフローセル内にセットし、
流量1ml/secで10mMのグルコースの注入を行
ったところ、2秒以下で100%応答した。また、この
時のピーク電流値は1.2μAであった。グルコースの
濃度を変化させて電流値を測定したところ100nMか
ら10mMの間において直線が得られた。
【0043】(実施例7)実施例7において微小くし形
電極の電極間にクロロメチル化ポリスチレンをパターン
形成し、その上にグルコースオキシターゼを固定化した
酵素修飾電気化学検出器の作製方法を図5を用いて説明
する。
【0044】実施例4と同様な方法により酸化膜52が
形成されたシリコン基板51上にくし形電極53を作製
し、窒化シリコン膜によって電極セル、パッド部分以外
の部分を絶縁化した。その後、この基板上にクロロメチ
ル化ポリスチレン膜54を1μmの厚みに形成し、クロ
ロマスクを重ねてマスクアライナ(キヤノン製)によっ
て電極間のみに遠紫外線を10秒間露光し、現像を行っ
て電極パターンを形成した(図5(A))。この電極パ
ターン間にクロロメチル化ポリスチレン膜54を有する
くし形電極を10%のトリスアミノエチルアミン溶液に
浸漬し、2時間放置してスチレンの表面にアミノ基55
を付着した(図5(B))。次に、実施例1と同様な方
法によりグルタルアルデヒドを反応させ、酵素56であ
るグルコースオキシターゼを固定化して酵素電極を得た
(図5(C))。
【0045】この酵素電極をポテンシオスタットに接続
し、10mMの濃度のグルコースを含む0.1Mの塩化
ナトリウム溶液に浸漬して両方の電極に0.7Vの電位
を印加したところ、グルコースオキシターゼとグルコー
スとの反応に基づく310nAの酸化電流が観測され
た。この酵素電極をフローセル内にセットし、流量1m
l/secで10mMのグルコースの注入を行ったとこ
ろ、2秒以下で100%応答した。また、この時のピー
ク電流値は850nAであった。グルコースの濃度を変
化させて電流値を測定したところ100nMから10m
Mの間において良い直線性が得られた。
【0046】(実施例8)実施例8において微小くし形
電極の電極間にクロロメチル化ポリスチレンをパターン
形成し、この上にアルカリホスフェターゼを固定化した
酵素修飾電気化学検出器の性能について説明する。
【0047】実施例7と同様な方法によりくし形電極間
にクロロメチル化ポリスチレンパターンを作製し、アル
カリホスフェターゼを固定化して酵素電極を作製した。
この電極をデュアルポテンシオスタットに接続して1m
Mのパラアミノフェニルホスフェートを含むpH9の緩
衝溶液中に浸漬し、くし形電極の一方の電位を−0.2
Vに固定して、他方の電位を−0.2Vから0.5Vま
で電位掃引すると電位を掃引した側で780nAの酸化
限界電流、電位を固定した側で685nAの還元限界電
流が観測され、電極間で酵素反応により生成したパラア
ミノフェノールが電極上に拡散して容易に検出されてい
ることが分かった。さらに、くし形電極の一方の電極の
みをポテンシオスタットに接続し電位掃引を行うと、電
流値は2電極を使用した時の1/8に低下した。これは
酵素反応により生成したパラアミノフェノールの酸化電
流がくし形電極間のレドックスサイクルにより増幅され
ていることを示している。さらに、架橋ポリビニルアル
コールにアルカリホスフェターゼを分散させた膜を電極
全面に10μmの厚みに塗布し同様の測定を行うと、く
し形電極の一方のみを電位掃引した場合と、一方をパラ
アミノフェノールの酸化還元電位以下に電位印加して、
他方の電極を電位掃引した場合の間での変化は小さかっ
た。これは電極自体が本来有する電気化学的に可逆な物
質の信号をレドックスサイクルにより増幅できる機能が
全面を修飾された膜では低下していることを示してい
る。また、パラアミノフェニルフェートの濃度を変化さ
せて測定を行うと10nMまで検出することができた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
速い応答性、電流増幅機能、感度を保持したまま酵素電
極の特長である分子の選択検出を行うことができるた
め、バイオセンサーの電極や液体クロマトグラフィやフ
ローインジェクション分析の検出器として利用価値が高
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】酵素修飾微小孔電極を作製する手順の一例を示
す工程図である。
【図2】酵素修飾微小孔電極の模式的斜視図である。
【図3】酵素修飾くし形電極を作製する手順の一例を示
す工程図である。
【図4】酵素修飾段差くし形電極を作製する手順の他の
例を示す工程図である。
【図5】くし形電極上への酵素修飾の反応工程図であ
る。
【符号の説明】
11 シリコンウエハ基板 12 酸化膜 13 クロム/白金膜 14 二酸化シリコン膜 15 微小孔電極 16 参照電極 17 対向電極 18 酸化還元物質 19 固定化酵素膜 31 シリコンウエハ基板 32 酸化膜 33 フォトレジスト 36 窒化シリコン膜 37 固定化酵素膜 41 シリコンウエハ 42 酸化膜 43 金/クロム薄膜 44 二酸化シリコン膜 45,46 くし形電極 47 窒化シリコン膜 48 固定化酵素膜 51 シリコン基板 52 酸化膜 53 くし形電極 54 クロロメチル化ポリスチレン膜 55 アミノ基 56 酵素

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が絶縁性である基板上に
    形成された少なくとも一つの作用電極を有する酵素修飾
    電気化学検出器において、前記作用電極の近傍に酵素膜
    が固定化されていることを特徴とする酵素修飾電気化学
    検出器。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面が絶縁性である基板上に
    複数の作用電極が微小間隙により分離され、前記作用電
    極間に酵素膜が固定化されていることを特徴とする酵素
    修飾電気化学検出器。
  3. 【請求項3】 前記基板上に参照電極および対向電極が
    一体化されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の酵素修飾電気化学検出器。
  4. 【請求項4】 前記複数の電極のうち、少なくとも2つ
    の作用電極が基板平面内の微小間隙あるいは基板表面と
    垂直方向の微小間隙によって隔てられた対電極であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の酵素修飾電気化学検出
    器。
  5. 【請求項5】 前記酵素膜が、前記作用電極間の絶縁性
    部分に形成された有機膜に固定化されていることを特徴
    とする請求項2に記載の酵素修飾電気化学検出器。
  6. 【請求項6】 絶縁体によって互いに隔てられた複数の
    作用電極を有する酵素修飾電気化学検出器の製造方法に
    おいて、 前記複数の作用電極を少なくとも表面が絶縁性の基板上
    に形成する工程と、 前記複数の作用電極を隔てる前記絶縁体の表面に酵素に
    対して活性な活性基を導入する工程と、 該活性基が導入された前記絶縁体の表面に酵素膜を固定
    化する工程とを含むことを特徴とする酵素修飾電気化学
    検出器の製造方法。
JP4074158A 1992-03-30 1992-03-30 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法 Pending JPH05281181A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074158A JPH05281181A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4074158A JPH05281181A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05281181A true JPH05281181A (ja) 1993-10-29

Family

ID=13539071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4074158A Pending JPH05281181A (ja) 1992-03-30 1992-03-30 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05281181A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0943188A (ja) * 1995-07-28 1997-02-14 Nec Corp 酵素電極の製造方法
JP2001264285A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Rikogaku Shinkokai 3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸及び/またはホモバニリン酸検出用修飾電極及びその検出方法
WO2009144869A1 (ja) * 2008-05-28 2009-12-03 パナソニック株式会社 電気化学測定装置を用いて目的物質を検出または定量する方法、電気化学測定装置、および電気化学測定用電極板
JP2012242249A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Oji Keisoku Kiki Kk 電気化学測定用電極素子
US8702921B2 (en) 2002-06-24 2014-04-22 Siemens Aktiengesellschaft Biosensors array and method for operating a biosensor array
WO2018079581A1 (ja) * 2016-10-25 2018-05-03 大日本印刷株式会社 エンドトキシン検出用チップおよびエンドトキシン濃度の定量方法
JP2018072331A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 大日本印刷株式会社 エンドトキシン検出用チップおよびエンドトキシン濃度の定量方法
TWI781587B (zh) * 2021-04-14 2022-10-21 財團法人金屬工業研究發展中心 感測電極

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61120053A (ja) * 1984-11-16 1986-06-07 Shimadzu Corp バイオセンサ
JPS62225942A (ja) * 1986-03-27 1987-10-03 Nec Corp 半導体バイオセンサ酵素固定化膜の形成方法
JPS62232554A (ja) * 1986-04-02 1987-10-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd バイオセンサ
JPH0317547A (ja) * 1989-03-10 1991-01-25 Plessey Overseas Plc バイオセンサー装置
JPH03179248A (ja) * 1989-12-08 1991-08-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電気化学分析用微小孔アレイ電極およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61120053A (ja) * 1984-11-16 1986-06-07 Shimadzu Corp バイオセンサ
JPS62225942A (ja) * 1986-03-27 1987-10-03 Nec Corp 半導体バイオセンサ酵素固定化膜の形成方法
JPS62232554A (ja) * 1986-04-02 1987-10-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd バイオセンサ
JPH0317547A (ja) * 1989-03-10 1991-01-25 Plessey Overseas Plc バイオセンサー装置
JPH03179248A (ja) * 1989-12-08 1991-08-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 電気化学分析用微小孔アレイ電極およびその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0943188A (ja) * 1995-07-28 1997-02-14 Nec Corp 酵素電極の製造方法
JP2001264285A (ja) * 2000-03-17 2001-09-26 Rikogaku Shinkokai 3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸及び/またはホモバニリン酸検出用修飾電極及びその検出方法
JP4553168B2 (ja) * 2000-03-17 2010-09-29 国立大学法人東京工業大学 3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸及び/またはホモバニリン酸検出用修飾電極及びその検出方法
US8702921B2 (en) 2002-06-24 2014-04-22 Siemens Aktiengesellschaft Biosensors array and method for operating a biosensor array
WO2009144869A1 (ja) * 2008-05-28 2009-12-03 パナソニック株式会社 電気化学測定装置を用いて目的物質を検出または定量する方法、電気化学測定装置、および電気化学測定用電極板
US7857963B2 (en) 2008-05-28 2010-12-28 Panasonic Corporation Electrode plate for electrochemical measurements
JP2012242249A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Oji Keisoku Kiki Kk 電気化学測定用電極素子
WO2018079581A1 (ja) * 2016-10-25 2018-05-03 大日本印刷株式会社 エンドトキシン検出用チップおよびエンドトキシン濃度の定量方法
JP2018072331A (ja) * 2016-10-25 2018-05-10 大日本印刷株式会社 エンドトキシン検出用チップおよびエンドトキシン濃度の定量方法
TWI781587B (zh) * 2021-04-14 2022-10-21 財團法人金屬工業研究發展中心 感測電極

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Niwa Electroanalysis with interdigitated array microelectrodes
Chen et al. Amperometric needle-type glucose sensor based on a modified platinum electrode with diminished response to interfering materials
Pak et al. An ultrathin platinum film sensor to measure biomolecular binding
US7638157B2 (en) Method of fabricating electrode assembly of sensor
JPH05281181A (ja) 酵素修飾電気化学検出器およびその製造方法
JP3108499B2 (ja) 電気化学検出用微小電極セル及びその製造方法
JPH03179248A (ja) 電気化学分析用微小孔アレイ電極およびその製造方法
JP3881731B2 (ja) 酵素反応センサー及びその製造方法
JPH09127039A (ja) 電気化学検出器及びその製造方法
JP2556993B2 (ja) 電気化学測定用微細孔電極セル及びその製造方法
EP0387026A2 (en) Biosensor device
JP2590004B2 (ja) くし形修飾微小電極セルおよびその製造方法
Hiratsuka et al. Electron transfer mediator micro-biosensor fabrication by organic plasma process
JP3047048B2 (ja) ウォールジェット型電気化学的検出器およびその製造方法
JPH03246460A (ja) 電気化学検出器
JP2564030B2 (ja) 電気化学測定用カーボン薄膜電極の製造方法
JP2566173B2 (ja) 電気化学的検出器
JP2004226358A (ja) バイオセンサ
JPH02140655A (ja) 電気化学的検出器およびその製造方法
JPS6275346A (ja) 酵素センサ−
JP2021043087A (ja) 電気化学センサ用電極、電気化学センサ及び電気化学的分析装置
JPH0251055A (ja) 電気化学測定用電極セルおよびその製造方法
Bian et al. A Non-Enzymatic Electrochemical Sensor Using a Wrinkled Gold Film on Shrink Polymer
JPS6232351A (ja) 酵素センサ−
JPH09101283A (ja) 電気化学検出器およびその製造方法