JP2004226358A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】試料量が極微量であっても測定感度が高いバイオセンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1、基板1との間に試料供給路を形成するカバー部材11,15、対極5、基板1上に設けられた作用極3、及び酵素を含む試薬を備え、対極5の少なくとも一部及び試薬の少なくとも一部が試料供給路内に設けられ、作用極3の表面に凹凸を有するバイオセンサ。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1、基板1との間に試料供給路を形成するカバー部材11,15、対極5、基板1上に設けられた作用極3、及び酵素を含む試薬を備え、対極5の少なくとも一部及び試薬の少なくとも一部が試料供給路内に設けられ、作用極3の表面に凹凸を有するバイオセンサ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中に含まれる測定対象物を定量的に測定するためのバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロース、グルコースなど糖類の定量分析法として、施光度計法、比色法、還元滴定法および各種クロマトグラフィーを用いた方法等が開発されている。しかし、これらの方法は、いずれも糖類に対する特異性があまり高くないので精度が悪い。これらの方法のうち施光度計法によれば、操作は簡便ではあるが、操作時の温度の影響を大きく受ける。従って、施光度計法は、一般の人々が家庭などで簡易に糖類を定量する方法としては適切でない。
【0003】
ところで、近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のタイプのバイオセンサが開発されている。
【0004】
以下に、試料中の基質の定量法の一例としてグルコースの定量法について説明する。電気化学的なグルコースの定量法としては、酵素であるグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4:以下GODと略す)と酸素電極あるいは過酸化水素電極とを使用して行う方法が一般に知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
GODは、酸素を電子伝達体として、基質であるβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに選択的に酸化する。酸素の存在下で、GODによる酸化反応過程において、酸素が過酸化水素に還元される。酸素電極によって、この酸素の減少量を計測するか、あるいは過酸化水素電極によって過酸化水素の増加量を計測する。酸素の減少量および過酸化水素の増加量は、試料中のグルコースの含有量に比例するので、酸素の減少量または過酸化水素の増加量からグルコースの定量が行われる。
【0006】
上記方法では、酵素反応の特異性を利用することにより、精度良く試料中のグルコースを定量することができる。しかし、反応過程からも推測できるように、測定結果は試料に含まれる酸素濃度の影響を大きく受ける欠点があり、試料に酸素が存在しない場合は測定が不可能となる。
【0007】
そこで、酸素を電子伝達体として用いず、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体等の有機化合物や金属錯体を電子伝達体として用いる新しいタイプのグルコースセンサが開発されてきた。このタイプのセンサでは、酵素反応の結果生じた電子伝達体の還元体を作用極上で酸化することにより、その酸化電流量から試料中に含まれるグルコース濃度が求められる。この際、対極上では、電子伝達体の酸化体が還元され電子伝達体の還元体の生成する反応が進行する。このような有機化合物や金属錯体を酸素の代わりに電子伝達体として用いることにより、既知量のGODとそれらの電子伝達体を安定な状態で正確に電極上に担持させて試薬層を形成することが可能となり、試料中の酸素濃度の影響を受けることなく、精度良くグルコースを定量することができる。またこの場合、酵素および電子伝達体を含有する試薬層を乾燥状態に近い状態で電極系と一体化させることもできるので、この技術に基づいた使い捨て型のグルコースセンサが近年多くの注目を集めている。使い捨て型のグルコースセンサにおいては、測定器に着脱可能に接続されたセンサに試料を導入するだけで容易にグルコース濃度を測定器で測定することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−202764号公報
【非特許文献1】
鈴木周一編、「バイオセンサー」、第1版、講談社、1984年3月10日、p.91−102
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様な従来のグルコースセンサを用いた測定では、数μlオーダーの試料量で試料中の基質濃度を容易に求めることが可能であるが、近年、更に微量(1μl以下)な試料での測定が可能なバイオセンサの開発が各方面において切望されている。
【0010】
試料量を低減するには、試料が供給される空間(試料供給路)の容積を小さくする必要があり、それに伴って作用極面積も小さくなり、その結果得られる電流量が減り測定感度が減少するという問題点があった。
【0011】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み、試料量が極微量であっても測定感度が高いバイオセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明のバイオセンサは、基板、前記基板との間に試料供給路を形成するカバー部材、対極、前記基板上に設けられた作用極、及び酵素を含む試薬を備え、前記対極の少なくとも一部及び前記試薬の少なくとも一部が前記試料供給路内に設けられ、前記作用極の表面に凹凸を有することを特徴とする。
【0013】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、基板に凹凸を形成する工程A、前記基板上に作用極を形成する工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。
【0014】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、他の態様において、基板上に作用極を形成する工程A、前記作用極の表面に凹凸を設ける工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のバイオセンサは、基板、前記基板との間に試料供給路を形成するカバー部材、対極、前記基板上に設けられた作用極、及び酵素を含む試薬を備え、前記対極の少なくとも一部及び前記試薬の少なくとも一部が前記試料供給路内に設けられ、前記作用極の表面に凹凸を有することを特徴とする。このようにすると、作用極の表面に凹凸がない場合と比較して、試料供給路の容積が小さくなるため、試料量を低減することができる。また、作用極の面積が増加するので、得られる電流量が増加して測定感度を向上させることができる。ここで、基板の表面に凹凸を有していてもよい。
【0016】
また、作用極の表面の凹凸に加えて、前記作用極が設けられた部分を除く基板の表面に凹凸を有してもよい。また、カバー部材の表面であって、前記試料供給路に面した位置に凹凸を有してもよい。このようにすると、作用極の面積を低減することなく、さらに試料供給路の容積を小さくすることができるので、試料量をさらに低減することができる。
【0017】
ここで、試料供給路内であって、センサ内に試料が供給される部分から作用極までの間に凹凸が形成されていることが好ましい。このようにすると、試料導入時に液体の乱流が起きて、試料が均一に導入され、試料と試薬との混合が容易となる。
【0018】
また、作用極の表面における凹凸の段差が、20〜500μmであることが好ましい。作用極の表面における凹凸の段差が、50〜250μmであることがさらに好ましい。
【0019】
また、凹凸の形状としては、円柱、半円形、球形、三角錐等の多角錘、三角柱等の多角柱等が挙げられる。また、凹凸が規則的に設けられていることが好ましい。
【0020】
本発明のバイオセンサにおいて、基板及びカバー部材としては、電気絶縁性を有し、保存および測定時に充分な剛性を有する材料であれば用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、または尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂があげられる。中でも、電極との密着性の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0021】
作用極としては、電子伝達体を酸化する際にそれ自身が酸化されない導電性材料であれば用いることができる。中でも、導電性材料が貴金属であることが好ましい。対極としては、パラジウム、銀、白金、カーボン等の一般的に用いられる導電性材料であれば用いることができる。
【0022】
本発明のバイオセンサにおいては、電解メッキ、印刷、スパッタリング、レーザ加工、蒸着または噴射メッキ等によって、厚みが薄い部分と厚い部分とを有するように導電性材料を基板上に形成することにより、表面に凹凸を有する作用極を作製することができる。
【0023】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、基板に凹凸を形成する工程A、前記基板上に作用極を形成する工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有するを特徴とする。工程Aでは、基板上にホットエンボシング加工、射出成型加工、混練加工またはレーザ加工等により凹凸を形成し、その後工程Bにおいて、その凹凸上に導電性材料を形成することにより作用極を作製する。
【0024】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、他の態様において、基板上に作用極を形成する工程A、前記作用極の表面に凹凸を設ける工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。工程Aでは、導電性材料を基板上に実質的に平坦となるように形成することにより作用極を形成し、その後工程Bにおいて、作用極を構成する導電性材料の表面をエッチングすることにより作用極の表面に凹凸を設ける。
【0025】
試薬に含まれる酵素としては、試料中に含まれる測定対象である基質に対応したものを用いればよい。例えば、フルクトースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等が挙げられる。
【0026】
また、試薬に電子伝達体を含むことが好ましく、電子伝達体としては、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン誘導体等が挙げられる。また、酸素を電子伝達体とした場合にも電流応答が得られる。電子伝達体は、これらの一種または二種以上が使用される。
【0027】
以上の試薬は、作用極または対極中に、導電性材料と混合した形で設けられていても良い。
【0028】
また、試料供給路内に親水性高分子を設けても良い。親水性高分子としては種々のものを用いることができ、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタアクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレイン酸またはその塩の重合体が挙げられる。中でも、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。基板及び電極の形状、材質及び凹凸加工技術は以下に示す実施例に限定される訳ではない。以下の実施例においては、バイオセンサの一例として、グルコースセンサについて説明する。
【0030】
(実施例1)
図1及び図2を用いて、本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図であり、図2は、作用極部分の縦断面図である。
【0031】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、射出成型加工により、基板1の表面に段差が20μmの凹凸を形成した。この基板1上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0032】
このように作製した基板1上に、スリット12を有するスペーサー11を貼付した。次に、酵素であるGODおよび電子伝達体であるフェリシアン化カリウムを含有する水溶液を、基板1の作用極3および対極5上に滴下した後乾燥して試薬層7を形成した。さらに、試薬層7上に、界面活性剤であるレシチンを含有する界面活性剤層9を形成した。
【0033】
最後に、スペーサー11上にカバー15を接着することにより、グルコースセンサを作製した。
【0034】
ここで、スペーサー11とカバー15とにより構成されるカバー部材は、基板1と組み合わされることにより、基板1との間に試料供給路を形成している。また、カバー15の空気孔14は、この試料供給路に連通しているので、スリット12の解放端に形成される試料供給口13に試料を接触させれば、毛管現象により、試料は容易に試料供給路内にある試薬層7に達する。
【0035】
また、基板の表面に凹凸を形成しない点以外は、本実施例と同様の製造方法によりグルコースセンサを作製し、比較例とした。
【0036】
次に、本実施例において、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った。本実施例では、試料を試料供給口13から試料供給路に供給し、一定時間経過後に、対極5を基準にして作用極3に300mVの電圧を印加した。この電圧印加により、作用極3と対極5との間に流れた電流値を測定したところ、試料中のグルコース濃度に比例した電流応答が観察された。
【0037】
本実施例のグルコースセンサの方が、比較例のグルコースセンサと比べてより高い応答値が得られた。本実施例のグルコースセンサは、作用極及び対極の表面に凹凸を有しているため、比較例のグルコースセンサと比べて試料供給路の容積が小さくなっていることから、センサ内に供給される試料量はより少なくなっている。したがって、本実施例のグルコースセンサによって、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0038】
(実施例2)
図3を用いて、本発明の実施例2を説明する。図3は、本実施例におけるグルコースセンサの縦断面図である。
【0039】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、基板1上に銀薄膜をマスクを用いて印刷することにより、表面に段差が20μmの凹凸を有する導電性材料の層を形成した。その後レーザートリミングにより、作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0040】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0041】
本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った結果、実施例1と同様の効果が得られた。
【0042】
(実施例3)
図4を用いて、本発明の実施例3を説明する。図4は、本実施例におけるグルコースセンサの縦断面図である。
【0043】
まず、ポリカーボネートからなる基板1上に、スピンコートを用いて、シリカ粒子を含んだポリスチレン薄膜を形成することにより、表面に段差が20μmの凹凸を有するポリスチレン膜16を形成した。その後、この膜上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0044】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0045】
本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った結果、実施例1と同様の効果が得られた。
【0046】
(実施例4)
図5を用いて、本発明の実施例4を説明する。図5は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0047】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、射出成型加工により、基板1の表面に段差が20μmの凹凸を形成した。この基板1上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。実施例1と異なり、作用極3が設けられた部分を除く基板1の表面であって、試料供給路に面した位置にも凹凸が設けられている。
【0048】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0049】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例1のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例1のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0050】
(実施例5)
図6を用いて、本発明の実施例5を説明する。図6は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0051】
カバー15の表面であって、試料供給路に面した位置に段差が20μmの凹凸を形成した点以外は、実施例1と同様にして、グルコースセンサを作製した。
【0052】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例1のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例1のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0053】
(実施例6)
図7を用いて、本発明の実施例6を説明する。図7は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0054】
実施例4と同様の基板及び実施例5と同様のカバーを用いた点以外は、実施例1と同様にして、グルコースセンサを作製した。
【0055】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例4及び5のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例4及び5のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、さらに少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、試料量が極微量であっても測定感度が高いバイオセンサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図2】同グルコースセンサの作用極部分の縦断面図
【図3】本発明の他の実施の形態におけるグルコースセンサの縦断面図
【図4】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの縦断面図
【図5】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図6】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図7】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【符号の説明】
1 基板
2 作用極リード
3 作用極
4 対極リード
5 対極
7 試薬層
9 界面活性剤層
11 スペーサー
12 スリット
13 試料供給口
14 空気孔
15 カバー
16 ポリスチレン膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料中に含まれる測定対象物を定量的に測定するためのバイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
スクロース、グルコースなど糖類の定量分析法として、施光度計法、比色法、還元滴定法および各種クロマトグラフィーを用いた方法等が開発されている。しかし、これらの方法は、いずれも糖類に対する特異性があまり高くないので精度が悪い。これらの方法のうち施光度計法によれば、操作は簡便ではあるが、操作時の温度の影響を大きく受ける。従って、施光度計法は、一般の人々が家庭などで簡易に糖類を定量する方法としては適切でない。
【0003】
ところで、近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のタイプのバイオセンサが開発されている。
【0004】
以下に、試料中の基質の定量法の一例としてグルコースの定量法について説明する。電気化学的なグルコースの定量法としては、酵素であるグルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4:以下GODと略す)と酸素電極あるいは過酸化水素電極とを使用して行う方法が一般に知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
GODは、酸素を電子伝達体として、基質であるβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに選択的に酸化する。酸素の存在下で、GODによる酸化反応過程において、酸素が過酸化水素に還元される。酸素電極によって、この酸素の減少量を計測するか、あるいは過酸化水素電極によって過酸化水素の増加量を計測する。酸素の減少量および過酸化水素の増加量は、試料中のグルコースの含有量に比例するので、酸素の減少量または過酸化水素の増加量からグルコースの定量が行われる。
【0006】
上記方法では、酵素反応の特異性を利用することにより、精度良く試料中のグルコースを定量することができる。しかし、反応過程からも推測できるように、測定結果は試料に含まれる酸素濃度の影響を大きく受ける欠点があり、試料に酸素が存在しない場合は測定が不可能となる。
【0007】
そこで、酸素を電子伝達体として用いず、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、キノン誘導体等の有機化合物や金属錯体を電子伝達体として用いる新しいタイプのグルコースセンサが開発されてきた。このタイプのセンサでは、酵素反応の結果生じた電子伝達体の還元体を作用極上で酸化することにより、その酸化電流量から試料中に含まれるグルコース濃度が求められる。この際、対極上では、電子伝達体の酸化体が還元され電子伝達体の還元体の生成する反応が進行する。このような有機化合物や金属錯体を酸素の代わりに電子伝達体として用いることにより、既知量のGODとそれらの電子伝達体を安定な状態で正確に電極上に担持させて試薬層を形成することが可能となり、試料中の酸素濃度の影響を受けることなく、精度良くグルコースを定量することができる。またこの場合、酵素および電子伝達体を含有する試薬層を乾燥状態に近い状態で電極系と一体化させることもできるので、この技術に基づいた使い捨て型のグルコースセンサが近年多くの注目を集めている。使い捨て型のグルコースセンサにおいては、測定器に着脱可能に接続されたセンサに試料を導入するだけで容易にグルコース濃度を測定器で測定することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−202764号公報
【非特許文献1】
鈴木周一編、「バイオセンサー」、第1版、講談社、1984年3月10日、p.91−102
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様な従来のグルコースセンサを用いた測定では、数μlオーダーの試料量で試料中の基質濃度を容易に求めることが可能であるが、近年、更に微量(1μl以下)な試料での測定が可能なバイオセンサの開発が各方面において切望されている。
【0010】
試料量を低減するには、試料が供給される空間(試料供給路)の容積を小さくする必要があり、それに伴って作用極面積も小さくなり、その結果得られる電流量が減り測定感度が減少するという問題点があった。
【0011】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑み、試料量が極微量であっても測定感度が高いバイオセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明のバイオセンサは、基板、前記基板との間に試料供給路を形成するカバー部材、対極、前記基板上に設けられた作用極、及び酵素を含む試薬を備え、前記対極の少なくとも一部及び前記試薬の少なくとも一部が前記試料供給路内に設けられ、前記作用極の表面に凹凸を有することを特徴とする。
【0013】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、基板に凹凸を形成する工程A、前記基板上に作用極を形成する工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。
【0014】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、他の態様において、基板上に作用極を形成する工程A、前記作用極の表面に凹凸を設ける工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のバイオセンサは、基板、前記基板との間に試料供給路を形成するカバー部材、対極、前記基板上に設けられた作用極、及び酵素を含む試薬を備え、前記対極の少なくとも一部及び前記試薬の少なくとも一部が前記試料供給路内に設けられ、前記作用極の表面に凹凸を有することを特徴とする。このようにすると、作用極の表面に凹凸がない場合と比較して、試料供給路の容積が小さくなるため、試料量を低減することができる。また、作用極の面積が増加するので、得られる電流量が増加して測定感度を向上させることができる。ここで、基板の表面に凹凸を有していてもよい。
【0016】
また、作用極の表面の凹凸に加えて、前記作用極が設けられた部分を除く基板の表面に凹凸を有してもよい。また、カバー部材の表面であって、前記試料供給路に面した位置に凹凸を有してもよい。このようにすると、作用極の面積を低減することなく、さらに試料供給路の容積を小さくすることができるので、試料量をさらに低減することができる。
【0017】
ここで、試料供給路内であって、センサ内に試料が供給される部分から作用極までの間に凹凸が形成されていることが好ましい。このようにすると、試料導入時に液体の乱流が起きて、試料が均一に導入され、試料と試薬との混合が容易となる。
【0018】
また、作用極の表面における凹凸の段差が、20〜500μmであることが好ましい。作用極の表面における凹凸の段差が、50〜250μmであることがさらに好ましい。
【0019】
また、凹凸の形状としては、円柱、半円形、球形、三角錐等の多角錘、三角柱等の多角柱等が挙げられる。また、凹凸が規則的に設けられていることが好ましい。
【0020】
本発明のバイオセンサにおいて、基板及びカバー部材としては、電気絶縁性を有し、保存および測定時に充分な剛性を有する材料であれば用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、または尿素樹脂、メラニン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂があげられる。中でも、電極との密着性の点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0021】
作用極としては、電子伝達体を酸化する際にそれ自身が酸化されない導電性材料であれば用いることができる。中でも、導電性材料が貴金属であることが好ましい。対極としては、パラジウム、銀、白金、カーボン等の一般的に用いられる導電性材料であれば用いることができる。
【0022】
本発明のバイオセンサにおいては、電解メッキ、印刷、スパッタリング、レーザ加工、蒸着または噴射メッキ等によって、厚みが薄い部分と厚い部分とを有するように導電性材料を基板上に形成することにより、表面に凹凸を有する作用極を作製することができる。
【0023】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、基板に凹凸を形成する工程A、前記基板上に作用極を形成する工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有するを特徴とする。工程Aでは、基板上にホットエンボシング加工、射出成型加工、混練加工またはレーザ加工等により凹凸を形成し、その後工程Bにおいて、その凹凸上に導電性材料を形成することにより作用極を作製する。
【0024】
また本発明のバイオセンサの製造方法は、他の態様において、基板上に作用極を形成する工程A、前記作用極の表面に凹凸を設ける工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有することを特徴とする。工程Aでは、導電性材料を基板上に実質的に平坦となるように形成することにより作用極を形成し、その後工程Bにおいて、作用極を構成する導電性材料の表面をエッチングすることにより作用極の表面に凹凸を設ける。
【0025】
試薬に含まれる酵素としては、試料中に含まれる測定対象である基質に対応したものを用いればよい。例えば、フルクトースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等が挙げられる。
【0026】
また、試薬に電子伝達体を含むことが好ましく、電子伝達体としては、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン誘導体等が挙げられる。また、酸素を電子伝達体とした場合にも電流応答が得られる。電子伝達体は、これらの一種または二種以上が使用される。
【0027】
以上の試薬は、作用極または対極中に、導電性材料と混合した形で設けられていても良い。
【0028】
また、試料供給路内に親水性高分子を設けても良い。親水性高分子としては種々のものを用いることができ、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリリジン等のポリアミノ酸、ポリスチレンスルホン酸、ゼラチンおよびその誘導体、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタアクリル酸およびその塩、スターチおよびその誘導体、無水マレイン酸またはその塩の重合体が挙げられる。中でも、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。基板及び電極の形状、材質及び凹凸加工技術は以下に示す実施例に限定される訳ではない。以下の実施例においては、バイオセンサの一例として、グルコースセンサについて説明する。
【0030】
(実施例1)
図1及び図2を用いて、本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図であり、図2は、作用極部分の縦断面図である。
【0031】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、射出成型加工により、基板1の表面に段差が20μmの凹凸を形成した。この基板1上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0032】
このように作製した基板1上に、スリット12を有するスペーサー11を貼付した。次に、酵素であるGODおよび電子伝達体であるフェリシアン化カリウムを含有する水溶液を、基板1の作用極3および対極5上に滴下した後乾燥して試薬層7を形成した。さらに、試薬層7上に、界面活性剤であるレシチンを含有する界面活性剤層9を形成した。
【0033】
最後に、スペーサー11上にカバー15を接着することにより、グルコースセンサを作製した。
【0034】
ここで、スペーサー11とカバー15とにより構成されるカバー部材は、基板1と組み合わされることにより、基板1との間に試料供給路を形成している。また、カバー15の空気孔14は、この試料供給路に連通しているので、スリット12の解放端に形成される試料供給口13に試料を接触させれば、毛管現象により、試料は容易に試料供給路内にある試薬層7に達する。
【0035】
また、基板の表面に凹凸を形成しない点以外は、本実施例と同様の製造方法によりグルコースセンサを作製し、比較例とした。
【0036】
次に、本実施例において、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った。本実施例では、試料を試料供給口13から試料供給路に供給し、一定時間経過後に、対極5を基準にして作用極3に300mVの電圧を印加した。この電圧印加により、作用極3と対極5との間に流れた電流値を測定したところ、試料中のグルコース濃度に比例した電流応答が観察された。
【0037】
本実施例のグルコースセンサの方が、比較例のグルコースセンサと比べてより高い応答値が得られた。本実施例のグルコースセンサは、作用極及び対極の表面に凹凸を有しているため、比較例のグルコースセンサと比べて試料供給路の容積が小さくなっていることから、センサ内に供給される試料量はより少なくなっている。したがって、本実施例のグルコースセンサによって、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0038】
(実施例2)
図3を用いて、本発明の実施例2を説明する。図3は、本実施例におけるグルコースセンサの縦断面図である。
【0039】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、基板1上に銀薄膜をマスクを用いて印刷することにより、表面に段差が20μmの凹凸を有する導電性材料の層を形成した。その後レーザートリミングにより、作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0040】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0041】
本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った結果、実施例1と同様の効果が得られた。
【0042】
(実施例3)
図4を用いて、本発明の実施例3を説明する。図4は、本実施例におけるグルコースセンサの縦断面図である。
【0043】
まず、ポリカーボネートからなる基板1上に、スピンコートを用いて、シリカ粒子を含んだポリスチレン薄膜を形成することにより、表面に段差が20μmの凹凸を有するポリスチレン膜16を形成した。その後、この膜上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。
【0044】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0045】
本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行った結果、実施例1と同様の効果が得られた。
【0046】
(実施例4)
図5を用いて、本発明の実施例4を説明する。図5は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0047】
まず、基板1としてポリカーボネートを用い、射出成型加工により、基板1の表面に段差が20μmの凹凸を形成した。この基板1上にパラジウムをスパッタリングし、トリミングにより作用極3、作用極リード2、対極5、及び対極リード4を作製した。実施例1と異なり、作用極3が設けられた部分を除く基板1の表面であって、試料供給路に面した位置にも凹凸が設けられている。
【0048】
以下、実施例1と同様の工程により、グルコースセンサを作製した。
【0049】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例1のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例1のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0050】
(実施例5)
図6を用いて、本発明の実施例5を説明する。図6は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0051】
カバー15の表面であって、試料供給路に面した位置に段差が20μmの凹凸を形成した点以外は、実施例1と同様にして、グルコースセンサを作製した。
【0052】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例1のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例1のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、より少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0053】
(実施例6)
図7を用いて、本発明の実施例6を説明する。図7は、本実施例におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図である。
【0054】
実施例4と同様の基板及び実施例5と同様のカバーを用いた点以外は、実施例1と同様にして、グルコースセンサを作製した。
【0055】
次に、本実施例のグルコースセンサを用いて、一定量のグルコースを含む溶液を試料としてグルコース濃度の測定を行い、実施例4及び5のグルコースセンサと比較した。その結果、実施例4及び5のグルコースセンサと同等の応答値が得られた。したがって、本実施例のグルコースセンサにより、さらに少ない試料量で、高い測定感度を得ることができた。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、試料量が極微量であっても測定感度が高いバイオセンサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図2】同グルコースセンサの作用極部分の縦断面図
【図3】本発明の他の実施の形態におけるグルコースセンサの縦断面図
【図4】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの縦断面図
【図5】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図6】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【図7】本発明のさらに他の実施の形態におけるグルコースセンサの試薬層及び界面活性剤層を除いた分解斜視図
【符号の説明】
1 基板
2 作用極リード
3 作用極
4 対極リード
5 対極
7 試薬層
9 界面活性剤層
11 スペーサー
12 スリット
13 試料供給口
14 空気孔
15 カバー
16 ポリスチレン膜
Claims (7)
- 基板、前記基板との間に試料供給路を形成するカバー部材、対極、前記基板上に設けられた作用極、及び酵素を含む試薬を備え、前記対極の少なくとも一部及び前記試薬の少なくとも一部が前記試料供給路内に設けられ、前記作用極の表面に凹凸を有することを特徴とするバイオセンサ。
- 基板の表面に凹凸を有することを特徴とする、請求項1記載のバイオセンサ。
- 作用極の表面の凹凸に加えて、前記作用極が設けられた部分を除く基板の表面に凹凸を有することを特徴とする、請求項2記載のバイオセンサ。
- カバー部材の表面であって、前記試料供給路に面した位置に凹凸を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
- 作用極の表面における凹凸の段差が、20〜500μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオセンサ。
- 基板に凹凸を形成する工程A、前記基板上に作用極を形成する工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有する、バイオセンサの製造方法。
- 基板上に作用極を形成する工程A、前記作用極の表面に凹凸を設ける工程B、対極を形成する工程C、酵素を含む試薬を設ける工程D、及び前記基板とカバー部材とを組み合わせる工程Eを有する、バイオセンサの製造方法。
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