JP2005010150A - バイオセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 より高精度な基質の定量を可能にするバイオセンサを提供する。
【解決手段】 電気絶縁性の基板と、前記基板上に形成された作用極、対極および少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する試薬層とを具備するバイオセンサに、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とで構成されている妨害物質処理部材を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】 電気絶縁性の基板と、前記基板上に形成された作用極、対極および少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する試薬層とを具備するバイオセンサに、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とで構成されている妨害物質処理部材を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料中の基質について、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施することのできるバイオセンサに関する。
スクロースおよびグルコースなど糖類の定量分析法として、近年、酵素の有する特異的触媒作用を利用した種々のタイプのバイオセンサが開発されている。ここで、試料液中の基質の定量法の一例として、グルコースの定量法について説明する。電気化学的なグルコースの定量法としては、グルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4、以下GODと略す)と酸素電極または過酸化水素電極とを使用して行う方法が一般に知られている。
GODは、酸素を電子伝達体として、基質であるβ−D−グルコースをD−グルコノ−δ−ラクトンに選択的に酸化する。酸素の存在下、GODによる酸化反応過程において、酸素が過酸化水素に還元される。酸素電極によって、この酸素の減少量を計測するか、あるいは過酸化水素電極によって過酸化水素の増加量を計る。酸素の減少量および過酸化水素の増加量は、試料液中のグルコースの含有量に比例するので、酸素の減少量または過酸化水素の増加量からグルコースの定量を行なうことができる。
上記方法では、その反応過程からも推測できるように、測定結果は試料液に含まれる酸素濃度の影響を大きく受ける欠点があり、また、試料液に酸素が存在しない場合には測定が不可能となる。そこで、酸素を電子伝達体として用いず、フェリシアン化カリウム、フェロセン誘導体、およびキノン誘導体等の有機化合物や金属錯体を電子伝達体として用いる新しいタイプのグルコースセンサが開発されてきた。
このタイプのセンサでは、酵素反応の結果生じた電子伝達体の還元体を電極上で酸化することにより、その酸化電流量から試料液中に含まれるグルコース濃度が求められる。このような有機化合物や金属錯体を酸素の代わりに電子伝達体として用いることで、既知量のGODとそれらの電子伝達体を安定な状態で正確に電極上に担持させて試薬層を形成することが可能となる。この場合、試薬層を乾燥状態に近い状態で電極系と一体化させることもできる。
例えば特許文献1に記載されているように、このような技術に基づいた使い捨て型のグルコースセンサが近年多くの注目を集めている。使い捨て型のグルコースセンサにおいては、測定器に着脱可能に接続されたセンサに試料液を導入するだけで容易にグルコース濃度を測定器で測定することができる。このような手法は、グルコースの定量だけに限らず、試料液中に含まれる他の基質の定量にも応用可能である。
上述のようなセンサを用いた測定では、還元型電子伝達体を作用極上にて酸化し、その際に流れる酸化電流値に基づいて基質濃度を求めることができる。しかし、血液や果汁等を試料として用いた場合、その試料中に含まれるアスコルビン酸や尿酸等の易酸化性妨害物質も、還元型電子伝達体と同時に作用極上で酸化されてしまう。そして、この易酸化性妨害物質の酸化反応が、測定結果に正誤差を与える場合があった。また、酸化型電子伝達体と易酸化性妨害物質が接触することで、酵素反応に関係なく還元型電子伝達体が生成し、測定結果に正誤差を与える場合があった。
バイオセンサによる測定試料には、特定の成分の測定に影響を与える妨害物質が含まれていることが多い。この妨害物質による影響を低減させるために、例えば特許文献2には、バイオセンサの上流において、妨害物質を酵素で酸化させる技術が提案されている。また、特許文献3は、バイオセンサの上流において妨害物質を電極で酸化させる技術が提案されている。しかし、これらの技術によっても、測定結果に対する誤差を充分に解消することはできなかった。
米国特許第5120420号明細書
日本特許第3102613号明細書
米国特許第6340428号明細書
そこで、本発明は、特に試料中に含まれる易酸化性妨害物質の影響を受けることなく、試料中の基質を迅速、高精度かつ簡便に定量することのできるバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明は、上述のような問題を解決するため、電気絶縁性の基板と、測定系と、少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する試薬層とを具備するバイオセンサに、測定試料に含まれる妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とを含む妨害物質処理部材を設ける。
前記バイオセンサにおいては、前記基板、スペーサ部材およびカバー部材によって構成される試料供給路を設けるのが好ましい。
また、前記妨害物質処理部材は、測定試料をバイオセンサに供給した際に、当該測定試料と接触し得る部分に設ければよい。具体的には、前記試薬層も前記妨害物質処理部材も、前記試料供給路内に設ければよい。そしてこの際、前記妨害物質処理部材は、前記試薬層よりも上流側に配置されているのが好ましい。
また、前記妨害物質処理部材は、測定試料をバイオセンサに供給した際に、当該測定試料と接触し得る部分に設ければよい。具体的には、前記試薬層も前記妨害物質処理部材も、前記試料供給路内に設ければよい。そしてこの際、前記妨害物質処理部材は、前記試薬層よりも上流側に配置されているのが好ましい。
前記測定試料が生体試料であり、前記妨害物質が易酸化性物質であるのが好ましい。
前記酸化還元物質がフェリシアン化物であるのが好ましい。
また、前記担体がイオン交換性高分子を含むのが好ましい。
また、前記測定系が、前記基板上に形成された作用極および対極を含むのが好ましい。
前記酸化還元物質がフェリシアン化物であるのが好ましい。
また、前記担体がイオン交換性高分子を含むのが好ましい。
また、前記測定系が、前記基板上に形成された作用極および対極を含むのが好ましい。
以上のように、本発明に係るバイオセンサによれば、測定試料中の基質について、妨害物質に影響されることなく、迅速かつ高精度な定量を簡便に実施することができる。
本発明は、上述のような問題を解決するため、電気絶縁性の基板と、少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する試薬層とを具備するバイオセンサに、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とを含む妨害物質処理部材を設けることを特徴とする。
ここで、本発明においていう妨害物質とは、測定試料中に、測定対象化合物とともに共存する物質であり、測定対象化合物に対するセンサの応答信号に影響を与える物質を指す。例えば、血液を測定試料として用い、電子伝達体を酸化することによって測定対象化合物を定量する場合、血液に含まれるアスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェノンなどが主たる妨害物質となり得る。これらの物質は易酸化性の化合物である。
本発明に係るバイオセンサにおいては、このような妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、該酸化還元物質を固定化するための担体とを含む妨害物質処理部材によって、例えばアスコルビン酸および尿酸などの易酸化性妨害物質を含む生体試料や果汁などの試料液を処理し、センサ応答に与える妨害物質の影響を抑制することができる。
上述したように、センサ電極系上に担持された酸化型電子伝達体と易酸化性妨害物質が接触することで、酵素反応に関係なく還元型電子伝達体が生成する場合がある。本発明は、この特性を利用して妨害物質の影響を抑制する。例えば、アスコルビン酸を含む溶液が、酸化型電子伝達体の一例であるフェリシアン化物イオンと接触すると、フェリシアン化物イオンとアスコルビン酸との間でレドックス反応が生じ、フェリシアン化物イオンはフェロシアン化物イオンに還元され、アスコルビン酸は非可逆な生成物に酸化される。そして、このフェロシアン化物イオンがセンサ電極系に拡散すると、センサの応答値に正誤差を与えることとなる。
これに対し、本発明に係るバイオセンサの場合は、妨害物質処理部材において、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質の一例であるフェリシアン化物イオンなどが、担体を構成するカチオン性高分子膜に静電固定されている(固定化方法の一例として、Oyama et al. :Anal. Chem., 58(4), 979-981(1986)参照)。そのため、上記のような易酸化性物質の影響を抑制することができる。また、アスコルビン酸に関しては、一度酸化されることで安定化されるため、その還元能は大幅に低下し、一連のセンサ電極反応への影響も大幅に軽減される。
また、試薬層に含有される酸化還元酵素は、試料液に含まれる基質によって適宜選択することができる。酸化還元酵素としては、例えば、フルクトースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、アルコールオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等を用いることができる。
電子伝達体としては、フェリシアン化カリウム、p−ベンゾキノン、フェナジンメトサルフェート、メチレンブルー、フェロセン誘導体、オスミウム錯体、ルテニウム錯体等が挙げられる。また、酸素を電子伝達体とした場合にも電流応答が得られる。電子伝達体は、これらの一種または二種以上を使用することができる。なお、本願明細書においては、酵素と電子を交換する物質を電子伝達体と称する。
特に測定系に光学式を用いる場合には、電子伝達体として色素体を使用すればよい。なお、上記でもあるフェリシアン化カリウムおよびフェナジンメトサルフェートは色素としても用いることができる。
特に測定系に光学式を用いる場合には、電子伝達体として色素体を使用すればよい。なお、上記でもあるフェリシアン化カリウムおよびフェナジンメトサルフェートは色素としても用いることができる。
ここで、本発明の最大の特徴である妨害物質処理部材は、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とを含んでいる。妨害物質がアスコルビン酸の場合、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質としては、アスコルビン酸に比べて正側の標準酸化還元電位(アスコルビン酸の標準酸化還元電位は0.058V)を有する物質が好ましい。
さらには、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、電子伝達体とが、同一種類の化合物であることが好ましい。この場合、センサ構造上の利便性、簡略性を向上させることができる。
さらには、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、電子伝達体とが、同一種類の化合物であることが好ましい。この場合、センサ構造上の利便性、簡略性を向上させることができる。
また、前記酸化還元物質を固定化する担体としては、イオン交換性高分子が好ましい。静電相互作用により、前記酸化還元物質がイオン交換性高分子に固定される。したがって、アニオン性の酸化還元物質を使用する場合には、カチオン性のイオン交換性高分子を用いるのが好ましい。例えば、フェリシアン化物イオンを固定するための担体として、ポリビニルピリジンまたはN,N−ジメチルアニリンを用いることができる。一方、カチオン性の酸化還元物質を使用する場合には、アニオン性のイオン交換性高分子を用いることが好ましい。そのような例として、フェロセニルメチルトリメチルアンモニウム(Fc−CH2−NMe3)のパーフルオロカーボンスルフォン酸(米国デュポン社製のナフィオン)への固定が挙げられる。
さらに、前記酸化還元物質を固定化する担体としては、共有結合的または配位結合的に前記酸化還元物質を固定化することができるような担体であっても構わない。例えば、ポリリジンはアミノ残基を有するため、架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いれば、アミノ基を有する酸化還元物質を共有結合させて固定することができる。ポリビニルイミダゾールは、イミダゾール基が配位子として働くため、例えばオスミウム錯体(Os(bpy)2Cl)などの金属錯体を固定化することができる。
試薬層を作用極に固定化することによって、酵素または電子伝達体を不溶化させてもよい。固定化する場合は、架橋固定法あるいは吸着法が好ましい。また、試薬層成分を電極材料中に混合させてもよい。
作用極を構成する材料としては、電子伝達体を酸化する際にそれ自身が酸化されない導電性物質であればよい。また、電極系の作製法としては、スクリーン印刷法、スパッタリング法、蒸着法等が好適である。
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
《実施例1》
バイオセンサの一例として、図1および2に示す構造を有するグルコースセンサを作製した。図1は、試薬層等を除いた、グルコースセンサの分解斜視図である。図2は、図1のX−X線断面図である。
図1に示すような、リード2および3ならびに作用極4および対極6と同様の二次元的形状の開口部を有するステンレス製の板を、ポリエチレンテレフタレートからなる電気絶縁性の基板1上に密着させた。このようにマスキングされた基板1にパラジウムをスパッタリングし、リード2および3ならびに作用極4および対極6を形成した。その後、ステンレス製の板を除去した。これと同時に絶縁部5が形成された。
バイオセンサの一例として、図1および2に示す構造を有するグルコースセンサを作製した。図1は、試薬層等を除いた、グルコースセンサの分解斜視図である。図2は、図1のX−X線断面図である。
図1に示すような、リード2および3ならびに作用極4および対極6と同様の二次元的形状の開口部を有するステンレス製の板を、ポリエチレンテレフタレートからなる電気絶縁性の基板1上に密着させた。このようにマスキングされた基板1にパラジウムをスパッタリングし、リード2および3ならびに作用極4および対極6を形成した。その後、ステンレス製の板を除去した。これと同時に絶縁部5が形成された。
つぎに、作用極4および対極6からなる電極系上にカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を滴下し、乾燥させることでCMC層を形成した。さらに、CMC層上に、酵素としてGOD、電子伝達体としてフェリシアン化カリウムを含有する水溶液を滴下し、乾燥させることで試薬層9を形成した。
つぎに、前記試薬層上に、試料液の試薬層への供給をより一層円滑にするために、レシチンのトルエン溶液を、試料液供給路の入口から試薬層上にわたって広げ、乾燥させることでレシチン層を形成した(図示せず)。なお、レシチン層を形成するためにトルエンを用いたが、他の有機溶媒を用いてもよい。
その後、カバー部材8においてスペーサ部材7を貼り付けることによって区画された部分の表面に、妨害物質処理部材を配置した。適当量のポリビニルピリジン(カチオン性高分子)の溶液(水/メタノール/2−プロパノール三元溶媒系)を、前記区画部分に滴下し、風乾し、担体となる高分子層を形成した。この高分子層を、0.2mMのフェリシアン化カリウムを含む水溶液に1時間程浸漬し、イオン交換反応を進行させるとともに前記高分子層内にフェリシアン化物イオンを濃縮固定した。これにより、妨害物質処理部材10を形成した。
サイクリックボルタモグラムより算出した高分子層内のフェリシアン化物イオン濃度は、溶液濃度に比較して2000〜3000倍であった。上記のように作製した妨害物質処理部材を含む基板、スペーサ部材およびカバー部材を、図1中の一点鎖線で示すような位置関係をもって接着し、本発明に係るグルコースセンサを作製した。
このグルコースセンサを測定器に装着し、グルコース水溶液(360mg/dl)を供給した。所定時間経過後、作用極4−対極6間に500mVを印加し、5秒後の電流値を測定した。液中のフェリシアン化物イオン、グルコース、GODが反応し、その結果、グルコースがグルコノラクトンに酸化され、フェリシアン化物イオンがフェロシアン化物イオンに還元され、このフェロシアン化物イオンを酸化することで電流応答が得られた。この電流応答は、試料液中のグルコース濃度に依存した。
次に、10mg/dlのアスコルビン酸を含むグルコース水溶液(360mg/dl)を供給して、同様の測定を行った。妨害物質処理部材を有していないこと以外は全て同様のグルコースセンサと応答の比較を行ったところ、妨害物質処理部材を有するセンサでは、アスコルビン酸添加に伴うセンサ応答の増加が大幅に抑制されていることがわかった。
上記実施例では、妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質、および電子伝達体として同一の物質を用いたが、これらに限定されることなく、それぞれ異なる物質であってもよい。
また、本実施例では、電流応答を得るための電極系への印加電圧を500mVとしたが、これに限定されることはない。電気的信号の変化が観察される電圧、更に電子伝達体が酸化される電圧であればよい。
更に本実施例では、電極系、リード/端子の一例を示したが、それらの形状、配置、個数等はこれらに限定されるものではない。
また、本実施例では、電流応答を得るための電極系への印加電圧を500mVとしたが、これに限定されることはない。電気的信号の変化が観察される電圧、更に電子伝達体が酸化される電圧であればよい。
更に本実施例では、電極系、リード/端子の一例を示したが、それらの形状、配置、個数等はこれらに限定されるものではない。
《実施例2》
本実施例では、ガラス製の基板1およびカバー部材8を用い。実施例1と同様にしてバイオセンサを作製した。なお、絶縁ペーストの印刷による電極およびリードの形成は行わなかった。
基板1上にカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を滴下し、乾燥させることでCMC層を形成した。さらに、CMC層上に、酵素としてGOD、電子伝達体として1−メトキシ−5−メチルフェナジウムを含有する水溶液を滴下し、乾燥させることで試薬層を形成した。
本実施例では、ガラス製の基板1およびカバー部材8を用い。実施例1と同様にしてバイオセンサを作製した。なお、絶縁ペーストの印刷による電極およびリードの形成は行わなかった。
基板1上にカルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液を滴下し、乾燥させることでCMC層を形成した。さらに、CMC層上に、酵素としてGOD、電子伝達体として1−メトキシ−5−メチルフェナジウムを含有する水溶液を滴下し、乾燥させることで試薬層を形成した。
つぎに、前記試薬層上に、試料液の試薬層への供給をより一層円滑にするために、レシチンのトルエン溶液を、試料液供給口から試薬層上にわたって広げ、乾燥させることでレシチン層を形成した。
その後、カバー部材8においてスペーサ部材7を貼り付けることによって区画された部分の表面に、妨害物質処理部材を配置した。適当量のナフィオン(アニオン性高分子)の溶液を、前記区画部分に滴下し、風乾し、担体となる高分子層を形成した。この高分子層を、0.2mMの1−メトキシ−5−メチルフェナジウムを含む水溶液に1時間浸し、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムイオンを高分子層内に濃縮固定した。
その後、カバー部材8においてスペーサ部材7を貼り付けることによって区画された部分の表面に、妨害物質処理部材を配置した。適当量のナフィオン(アニオン性高分子)の溶液を、前記区画部分に滴下し、風乾し、担体となる高分子層を形成した。この高分子層を、0.2mMの1−メトキシ−5−メチルフェナジウムを含む水溶液に1時間浸し、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムイオンを高分子層内に濃縮固定した。
上記のように作製した妨害物質処理部材を含む基板、スペーサ部材およびカバー部材を、図1中の一点鎖線で示すような位置関係をもって接着し、本発明に係るグルコースセンサを作製した。
このグルコースセンサにグルコース水溶液(360mg/dl)を供給した。所定時間経過後、基板1およびカバー部材8の面に対して垂直となるように、620nmの光を照射し、その吸光度を吸光光度計にて測定した。所定時間経過後、再度吸光度を測定した。1−メトキシ−5−メチルフェナジウム、グルコースおよびGODが反応し、グルコースが酸化され、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムが還元されたため、時間に伴う吸光度の減少が確認された。この吸光度の減少の度合いは、測定試料中のグルコース濃度に依存した。
このグルコースセンサにグルコース水溶液(360mg/dl)を供給した。所定時間経過後、基板1およびカバー部材8の面に対して垂直となるように、620nmの光を照射し、その吸光度を吸光光度計にて測定した。所定時間経過後、再度吸光度を測定した。1−メトキシ−5−メチルフェナジウム、グルコースおよびGODが反応し、グルコースが酸化され、1−メトキシ−5−メチルフェナジウムが還元されたため、時間に伴う吸光度の減少が確認された。この吸光度の減少の度合いは、測定試料中のグルコース濃度に依存した。
つぎに、10mg/lのアスコルビン酸を含むグルコース水溶液(360mg/dl)を供給し、同様の測定を行った。アスコルビン酸を含まないグルコース水溶液を用いたときと同程度の吸光度の減少が認められた。
さらに比較のために、妨害物質処理部材を設けなかったこと以外は、上記と同様にして比較用センサを作製し、同様の測定を行った。吸光度の減少の度合いを比較すると、比較用センサにおいて、より大きな吸光度の減少が見られた。これは、電子伝達体として用いた1−メトキシ−5−メチルフェナジウムが、グルコースとの酵素反応を介さずに、アスコルビン酸によって直接還元されたためであると考えられる。このように、光学式のセンサにおいても、妨害物質処理部材を有するセンサでは、アスコルビン酸の添加に伴う誤差が大幅に抑制されていることがわかった。
さらに比較のために、妨害物質処理部材を設けなかったこと以外は、上記と同様にして比較用センサを作製し、同様の測定を行った。吸光度の減少の度合いを比較すると、比較用センサにおいて、より大きな吸光度の減少が見られた。これは、電子伝達体として用いた1−メトキシ−5−メチルフェナジウムが、グルコースとの酵素反応を介さずに、アスコルビン酸によって直接還元されたためであると考えられる。このように、光学式のセンサにおいても、妨害物質処理部材を有するセンサでは、アスコルビン酸の添加に伴う誤差が大幅に抑制されていることがわかった。
本発明によれば、特に試料中に含まれる易酸化性妨害物質の影響を受けることなく、試料中の基質を迅速、高精度かつ簡便に定量することのできるバイオセンサを提供することができる。
1 基板
2、3 リ−ド
4 作用極
5 絶縁部
6 対極
7 スペーサ
8 カバー
2、3 リ−ド
4 作用極
5 絶縁部
6 対極
7 スペーサ
8 カバー
Claims (8)
- 電気絶縁性の基板と、測定系と、少なくとも酸化還元酵素および電子伝達体を含有する試薬層とを具備し、
測定試料に含まれる妨害物質に対して酸化剤として機能する酸化還元物質と、前記酸化還元物質を固定化する担体とを含む妨害物質処理部材を含むことを特徴とするバイオセンサ。 - 前記基板、スペーサ部材およびカバー部材から構成される試料供給路を有する請求項1記載のバイオセンサ。
- 前記妨害物質処理部材が、前記試薬層よりも上流側に配置されている請求項1または2記載のバイオセンサ。
- 前記測定試料が生体試料であり、前記妨害物質が易酸化性物質である請求項1〜3のいずれかに記載のバイオセンサ。
- 前記酸化還元物質がフェリシアン化物である請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセンサ。
- 前記担体がイオン交換性高分子を含む請求項1〜5のいずれかに記載のバイオセンサ。
- 前記測定系が、前記基板上に形成された作用極および対極を含む請求項1〜6のいずれかに記載のバイオセンサ。
- 前記電子伝達体と前記酸化還元物質とが同一種類の化合物である請求項1〜7のいずれかに記載のバイオセンサ。
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