以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、賭け数(1または3)に応じて上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の有効ラインを設定することができる。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LPとが設けられている。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するビッグボーナスやCTにおけるゲーム数、入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、有効ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示する画像による演出としては、例えば、後述するリール停止タイマが所定時間の経過を計時するまでの残り時間表示、残り時間が10秒を切ったときの操作促進表示がある。さらにリール停止タイマによりリール3L、3C、3Rの回転が自動停止したときにおける警告表示がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するビッグボーナス入賞またはCT入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時及びビッグボーナスやCT突入時の効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板101は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信し、またリール中継基板103を介して外部出力基板105に各種の信号を出力する。遊技制御基板101から演出制御基板102及び外部出力基板105へ情報(コマンド、信号)は一方向のみで送られ、演出制御基板102及び外部出力基板105から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド、信号)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されており、CPU111は、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MLを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。CPU121も、CPU111と同様の計時機能を有する。演出の実行は、バッファ回路127及びI/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。
外部出力基板105は、リール中継基板103を介して入力された各種の信号を試験装置やホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する。遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力され、外部出力基板105の外部に出力される信号には、CT中信号、ビッグボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号がある。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2に設定されたいずれかの有効ライン(JACゲームでは中段の1ライン、その他では5ライン)上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の内部当選フラグが設定されている必要がある。また、入賞に伴ってメダルが払い出され、遊技状態が変化させられる。以下、これらの入賞と判定される役について説明する。
通常の遊技状態において、いずれかの有効ライン上に「赤7」または「白7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができ、この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃う(JACIN入賞)。JACIN入賞すると、レギュラーボーナス(JACゲーム)が提供される。
レギュラーボーナスは、1枚賭けのJACゲームと称されるゲームにおいて所定回(例えば、8回)だけ入賞する(有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了し、小役ゲームに戻る。ビッグボーナスは、払い出されたメダルの枚数が360枚に達したときに終了する。遊技制御基板101のRAM112には、レギュラーボーナスのゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。ビッグボーナスに移行しているときには、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。JACINによりJACゲームが提供されているときには、レギュラーボーナス中フラグも合わせて設定される。
通常の遊技状態において、いずれかの有効ライン上に「BAR」が3つ揃った場合には、CT入賞となり、遊技状態がCTに移行する。CTにおいては、左のリール3Lについての最大停止遅延時間が通常の190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、通常の4コマではなく、現在の図柄位置から引き込める図柄の範囲が1コマだけとなり、この範囲で引き込み制御や外し制御が行われるものとなる。また、後述する自動停止モードにより左のリール3Lの回転が停止される場合には、CT中であっても190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で入賞図柄の外し制御を行うものとしている。
CTは、CTにおいて払い出されたメダルの枚数が253枚に達したときに終了する。遊技制御基板101のRAM112には、CT中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。CTに移行しているときには、RAM112にCT中フラグが設定される。
JACゲーム以外のゲームで、有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が3つ揃った場合、或いは左のリール3Lについて「チェリー」が現れた場合には、それぞれスイカ、ベル、チェリーの小役入賞となる。ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲームを除き、有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
以上説明した役への入賞があった場合には、小役入賞であった場合に、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、ベルの小役が8枚、チェリーの小役が2枚、スイカの小役が15枚である。小役入賞ではないが、JAC入賞でも15枚のメダルが払い出される。リプレイ入賞の場合には、次のゲームで遊技者が手持ちのメダルまたはクレジットから賭け数を設定しなくても、賭け数が自動的に設定されて、そのままゲームを開始可能となる。ビッグボーナス入賞、CT入賞及びJACIN入賞は、遊技状態の移行を伴う入賞であって小役入賞ではなく、ここではメダルの払い出しはない。
次に、内部抽選についてに説明する。内部抽選は、後述する各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91による設定、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照することによって、CPU111が行うものである。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。内部抽選においていずれかの役に当選すると、当該ゲームにおいて当選役に対応した当選フラグが設定される。
小役当選フラグ及びリプレイ当選フラグは、各ゲームの終了時において消去され、次ゲーム移行に持ち越されることはないが、ビッグボーナス当選フラグ、CT当選フラグ、JACIN当選フラグ(ボーナス等当選フラグ)は、当該ゲームにおいて入賞しなかった場合には、次ゲーム以降に持ち越される。ボーナス等当選フラグが持ち越されているときには、ボーナス等当選フラグと小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグとが重複して設定されているときがあるが、この場合のリール3L、3C、3Rの停止制御には、小役やリプレイが優先される。また、前回以前のゲームからボーナス等当選フラグが持ち越されているときには、さらにビッグボーナス、CT、JACINに当選することはない。
なお、内部抽選において抽選の対象となる役は、通常の遊技状態のゲームではビッグボーナス、CT、各種小役(スイカ、ベル、チェリー)及びリプレイ(但し、ビッグボーナス当選フラグまたはCT当選フラグが持ち越されているときには、ビッグボーナス及びCTは抽選の対象とならない)、ビッグボーナス中の小役ゲームでは、各種小役及びJACIN、ビッグボーナス中のJACゲームではJACのみ、CT中のゲームではリプレイのみである。
次に、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。リール3L、3C、3Rは、それぞれ対応する停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることによりそれぞれ停止条件が成立することにより、停止されるものとなる。また、リール停止タイマが所定時間を計時することにより順次それぞれの停止条件が成立して自動停止モードに移行されることにより、停止させられるものとなる。リール3L、3C、3Rについては、停止させられる順番により第1リール、第2リール、第3リールと呼ぶものとする。
CTにおいて停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rを停止させる場合以外は、停止条件が成立したときの図柄位置から最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で停止可能な図柄の中から実際に停止させる図柄を選択することとなる。この190ミリ秒の最大遅延時間の間に最大4コマまでで任意の図柄を選択して有効ライン上に引き込む引き込み制御を行うことができ、最大4コマの範囲で入賞の表示態様とならない図柄を選択する外し制御も行うことができる(この制御を第1制御という)。
CT以外の遊技状態において停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止条件が成立したときには、その操作時において当選フラグの設定されている役の図柄が引き込み可能な範囲にあれば、これを選択して有効ライン上に導出させるものとする。つまり、リール停止タイマが所定時間を計時するまでに停止ボタン12L、12C、12Rの全てが操作されたならば、その操作タイミングに応じて入賞となる役の表示態様を導出させることができる。停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止条件が成立したときであっても、いずれの役の当選フラグも設定されていないのであれば、必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。
CTの遊技状態において停止ボタン12C、12Rの操作によりリール3C、3Rの停止条件が成立したときには、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で図柄を選択する第1制御によりリール3C、3Rの回転を停止させるが、停止ボタン12Lの操作により左のリール3Lの停止条件が成立したときには、最大75ミリ秒の遅延時間(1コマ以内の引き込み)の範囲で図柄を選択する第2制御によりリール3Lの回転を停止させるものとなる。
CTにおいては、リプレイ当選フラグが設定されていれば、左のリール3Lと中及び右のリール3C、3Rとについてそれぞれ定められた最大停止遅延時間の範囲で「JAC」を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行うものとする。リプレイ当選フラグが設定されていなければ、左のリール3Lと中及び右のリール3C、3Rとについてそれぞれ定められた最大停止遅延時間の範囲で小役図柄を有効ライン上に揃えて(左のリールについては「チェリー」を導出させて)停止させる制御を行うが、小役以外の役の図柄が有効ライン上に揃わないようにすることを優先して制御を行うものとする。
一方、リール停止タイマが所定時間を計時したことにより停止条件が成立したときには、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で図柄を選択する第1制御により、いずれの役の当選フラグが設定されているかに関わらず、入賞となる役の表示態様の導出させない図柄を選択して有効ライン上に導出させるものとする。つまり、リール停止タイマが所定時間を計時するまでに停止ボタン12L、12C、12Rのうちの一部でも操作されなかったものがあるならば、必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。
ところで、リール3L、3C、3Rの一部でも停止ボタン12L、12C、12Rの操作によって停止された場合には、自動停止モードにセットされたときでも引き込み可能な範囲が最大4コマしかないことから、次に説明するパターンで第2リールまで停止したときの表示態様によっては、第3リールについて停止条件が成立したときの図柄位置によっては、入賞となる役の表示態様の導出を回避するような図柄の選択ができなくなってしまう場合が生じることになる。
図4(a)〜(f)は、5本の有効ラインが設定された場合に第2リールの停止時の表示態様によって入賞の表示態様の導出を回避できなくなる禁止目の例を示す図である。ここでは、中及び右のリール3C、3Rが先に停止しており、左のリール3Lが最終停止させられる第3リールとなる場合を示している。中のリール3Cまたは右のリール3Rを第3リールとする場合には、「チェリー」の単図柄で入賞とならないので、禁止目が生じることはない。
図4(a)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「JAC」が、下段の有効ラインに「ベル」がそれぞれ揃ったテンパイ態様となっている。この状態において、図2の10番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「ベル」が下段の有効ラインに揃い、しかも「チェリー」が上段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
1コマまたは2コマの引き込みを行っても、「チェリー」が中段または下段に現れるので、当選していない役の入賞が発生してしまうこととなる。3コマの引き込みを行うと、「JAC」が上段の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行うと、「ベル」が下段の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
図4(b)の例でも、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「JAC」が、下段の有効ラインに「ベル」がそれぞれ揃ったテンパイ態様となっている。この状態において、図2の19番の「BAR」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が上段の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
1コマの引き込みを行うと、「ベル」が下段の有効ラインに揃うので、当選していない役の入賞が発生してしまうこととなる。2コマの引き込みを行うと、「チェリー」が上段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。3コマの引き込みを行うと、「ベル」が下段の有効ラインに揃い、しかも「チェリー」が中段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行っても、「チェリー」が下段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
図4(c)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、中段の有効ラインに「JAC」が揃ったテンパイ態様となっている。この状態において、図2の20番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が中段の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
1コマ乃至3コマの引き込みを行うと、「チェリー」が上段、中段または下段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行うと、今度は「JAC」が中段の有効ラインに揃うこととなるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
図4(d)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「ベル」が揃ったテンパイ態様となっている。図4(e)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、左上から右下の対角線の有効ラインに「ベル」が揃ったテンパイ態様となっている。この状態において、図2の20番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「ベル」が上段または対角線の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
1コマ乃至3コマの引き込みを行うと、「チェリー」が上段、中段または下段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行うと、今度は「ベル」が上段または対角線の有効ラインに揃うこととなるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
図4(f)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、中段の有効ラインに「ベル」が揃ったテンパイ態様となっている。この状態において、図2の9番の「スイカ」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「ベル」が中段の有効ラインに揃うので、当選していない役の入賞が発生してしまうこととなる。
1コマ乃至3コマの引き込みを行うと、「チェリー」が上段、中段または下段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行うと、今度は「ベル」が中段の有効ラインに揃うこととなるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
ここで、当選フラグが設定されているか否かに関わらず、リール停止タイマが所定時間を計時することにより第3リールの停止条件が成立するときには、必ずハズレの表示態様を導出させなければならない。従って、停止ボタンの操作に基づき第1リールを停止させるときには、その停止条件が成立したときにおける位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄を停止させるものとする(従来と同じ)が、既に停止している第1リールが図4(a)〜(f)の禁止目を構成するときであって、停止ボタンの操作に基づき第2リールを停止させるときには、図4(a)〜(f)に示したような禁止目を導出しないように停止制御を行うものとする。
もっとも、禁止目以外のテンパイ態様でなければ、最大4コマまでの引き込み制御により第2リールを停止させて、可能な限りテンパイ態様を導出表示させるようにする。また、既に停止している第1リールが禁止目を構成するときであっても、禁止目以外のテンパイ態様を導出表示できるのであれば、これを導出表示させる制御が行われる。禁止目以外にテンパイさせることができる図柄が全くないときには、禁止目を導出しないように停止すべき図柄を選択して、第2リールを停止させることとなる。
なお、ROM113には、図4(a)〜(f)に示した禁止目を示すデータが予め記憶されている。CPU111は、いずれの停止条件が成立したときであっても第2リールの停止制御を行うときに、ROM113に記憶された禁止目のデータを参照して、既に停止している第1リールの図柄が禁止目を構成するかどうかを判定する。禁止目を構成する場合には、第2リールについて選択可能な各図柄が禁止目を導出させるものであるかどうかを判定する。そして、第2リールについて選択可能な図柄のうちで禁止目を導出させることのない図柄から停止させる図柄を選択するものとしている。
上記のようにリール停止タイマが所定時間を計時したことにより停止条件が成立したときには、当選フラグが設定されているか否かに関わらず、CT中であるか否かに関わらず必ずハズレの表示態様が導出されてしまうこととなるので、遊技者がなるべく非停止操作による不利益を受けないようにするため、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作するように促すようにしている。この停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促すための報知は、液晶表示器4に表示して行われるもので、演出制御基板102のCPU121が制御するものとなっている。
演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしているが、このようなコマンドの中にゲームにおいて所定の区切りとなる種々のタイミングで、ゲームがどの程度まで進んでいるかを示す進行状況通知コマンドがある。ゲーム中の種々のタイミングの中で送られてくる進行状況通知コマンドの中で、リール3L、3C、3Rが回転開始した後に所定の条件が成立したタイミング(リール停止タイマが計時を開始するタイミング)で送られてくるものと、自動停止モードとなったゲームにおいてゲーム終了のタイミング(自動停止モードが解除されるタイミング)で送られてくるものとが、上記の停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促すための報知に用いられる。
リール3L、3C、3Rの変動が開始した後に所定の条件が成立したタイミングで、その旨を示す進行状況通知コマンドが送られてきたときには、演出制御基板102のCPU121も、内部タイマにより遊技制御基板101のCPU111と同様に計時を開始する。この内部タイマが計時している時間からリール3L、3C、3Rが自動停止するまでの残り時間を求め、これを液晶表示器4に表示して遊技者に報知する。
また、残り時間が10秒を切ったときには、停止ボタン12L、12C、12Rを操作してリール3L、3C、3Rの回転を停止させることを促すメッセージも液晶表示器4に表示して遊技者に報知する。CPU121の内部タイマが所定の時間を計時するまでに停止ボタン12L、12C、12Rが全て操作されて可変表示装置2に表示結果が導出されれば、これらの表示は消去される。残り時間が0秒となったときには、自動停止する旨のメッセージを液晶表示器4に表示して遊技者に報知する。
遊技制御基板101のCPU111の内部タイマが所定の時間を計時(CPU121も同様に所定の時間を計時)して自動停止モードにセットされた後、リール3L、3C、3Rの回転が停止した後に自動停止モードが解除された旨を示す進行状況通知コマンドが送られてきたときには、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出されたことを示す警告メッセージを液晶表示器4に表示して遊技者に報知する。また、このときにCPU121の内部タイマの値もリセットするものとなる。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へのコマンドの送信、及びコマンドに基づく演出の処理は、本発明に関わるものだけ説明するものとする。
図5は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域(各種フラグの設定領域を含まず)をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより3(JACゲームでは1)となるまで賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、設定値及び遊技状態に応じて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選を行い、その結果に応じて当選フラグを設定する抽選処理を行う。ここで前回以前のゲームからボーナス等当選フラグが持ち越されて設定されている場合には、重ねてボーナス等当選フラグを設定することはないが、小役当選フラグやリプレイ当選フラグを重複して設定する場合がある(ステップS3)。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。また、所定の条件が成立してからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)となったときに、自動停止モードとしてリール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、いずれかの有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた処理として、入賞した役に応じたメダルの払出枚数の設定、リプレイ入賞した場合のリプレイフラグの設定、ビッグボーナス入賞した場合のビッグボーナス当選フラグの消去及びビッグボーナス中フラグの設定、CT入賞した場合のCT当選フラグの消去及びCT中フラグの設定などが行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけだけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、ビッグボーナスやCTの終了の制御や小役当選フラグ及びリプレイ当選フラグの消去、自動停止モードの解除などの入賞に関わらない各種の処理も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図6は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール3L、3C、3Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRの全てが基準位置を検出するというリール3L、3C、3Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS101)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS101の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した場合には、リール3L、3C、3Rの変動が開始した後に所定の条件が成立した旨を示す進行状況通知コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS102)。また、リール3L、3C、3Rの回転を強制的に停止させるためのリール停止タイマの計時を開始する(ステップS103)。また、左、中、右の停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれの操作有効ランプ63L、63C、63Rを点灯する(ステップS104)。そして、ステップS105の処理に進む。
ステップS105では、ストップスイッチ42Lの検出信号に基づいて、左の停止ボタン12Lが操作されているかどうかを判定する。左の停止ボタン12Lが操作されていないと判定すれば、そのままステップS108の処理に進む。左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS106)。次に、左のリール3Lを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS107)。そして、ステップS108の処理に進む。
ステップS108では、ストップスイッチ42Cの検出信号に基づいて、中の停止ボタン12Cが操作されているかどうかを判定する。中の停止ボタン12Cが操作されていないと判定すれば、そのままステップS111の処理に進む。中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS109)。次に、中のリール3Cを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS110)。そして、ステップS111の処理に進む。
ステップS111では、ストップスイッチ42Rの検出信号に基づいて、右の停止ボタン12Rが操作されているかどうかを判定する。右の停止ボタン12Rが操作されていないと判定すれば、そのままステップS114の処理に進む。右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS112)。次に、右のリール3Rを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS113)。そして、ステップS114の処理に進む。
ステップS114では、左、中及び右の全てのリール3L、3C、3Rが停止しているかどうかを判定する。全てのリール3L、3C、3Rが停止している場合には、リール変動停止処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。一方、リール3L、3C、3Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、リール変動開始処理において計時を開始したリール停止タイマが所定時間(例えば、30秒)を計時したかどうかを判定する(ステップS115)。リール停止タイマが所定時間を計時していなければ、ステップS105の処理に戻り、ステップS105〜S115の処理を繰り返す。
リール停止タイマが所定時間を計時した場合には、リール3L、3C、3Rの停止モードを自動停止モードにセットする(ステップS116)。さらに、詳細を後述するリール停止制御処理を行い、リール3L、3C、3Rのうちで未だ停止していないものの回転を停止させる(ステップS117)。そして、リール変動停止処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS107、S110、S113、S117のリール停止制御処理について詳しく説明する。図7〜図9は、CPU111がステップS107、S110、S113、S117で実行するリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止制御処理では、まずリール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされているかどうかを判定する(ステップS200)。
自動停止モードにセットされていないときは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rのいずれかの回転が停止される場合であり、ここでは、RAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTにあるかどうかを判定する(ステップS201)。現在の遊技状態がCTになければ、対象リールが第2リールであるかどうかを判定する(ステップS202)。対象リールが第2リールであれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナス中のレギュラーボーナス(JACゲーム)にあるかどうかを判定する(ステップS203)。
現在の遊技状態がレギュラーボーナスになければ、対象リールが左のリール3Lであるかどうかを判定する(ステップS204)。対象リールが左のリール3Lでなければ、左のリール3Lが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS205)。左のリール3Lが未だ停止していなければ、中のリール3Cと右のリール3Rとが第1、第2リールとなる場合であるので、先に停止している第1リールについて可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS206)。ここで、第1リールについて導出されている図柄が、図4に示した禁止目の一部を構成しているかどうかを判定する(ステップS207)。
禁止目の一部を構成していれば、禁止目が導出されるのを回避することを優先しつつ、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止操作を行ったタイミングで対象リールについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、対象リールの回転を停止させる(ステップS208)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
また、ステップS202で対象リールが第2リールでなかった場合、ステップS204で対象リールが左のリール3Lであった場合、ステップS205で左のリール3Lが既に停止していた場合、及びステップS207で第1リールについて導出されている図柄が禁止目の一部を構成していなかった場合には、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止操作を行ったタイミングで対象リールについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて導出すべき図柄を選択し、対象リールの回転を停止させる(ステップS209)。ここでの停止制御は、従来のスロットマシンにおいて行われていたのと同じに行うことができる。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
なお、ここで対象リールが第1リールであれば、いずれかの役の当選フラグが設定されているときには、当該役の図柄を有効ライン上に導出できる位置(現在の図柄位置から4コマ先の位置まで)にあればこれを必ず導出させるが、そうでなければ任意の図柄を導出させればよい。対象リールが第3リールであれば、いずれかの役の当選フラグが設定されているときには、当該役の図柄がテンパイしている有効ライン上に導出できる位置(現在の図柄位置から4コマ先の位置まで)にあればこれを必ず導出させるが、そうでなければいずれの役の図柄も有効ライン上に導出させないものとすればよい。
また、ステップS203で現在の遊技状態がレギュラーボーナス(JACゲーム)にあった場合には、賭け数として1が設定され、中段の1本の有効ラインだけが設定された状態となっており、当選していない役の入賞を回避不能となることがないので、レギュラーボーナス中の入賞図柄を有効ライン上にテンパイさせるようにリールモータを制御して、対象リールの回転を停止させる(ステップS210)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS201において現在の遊技状態がCTにあると判定された場合には、対象リールが左のリール3Lであるかどうかを判定する(ステップS211)。左のリール3Lであるときには、当該左のリール3Lが第1リールとなるかどうかを判定する(ステップS212)。第1リールとなる場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS213)。
リプレイ当選フラグが設定されている場合には、「JAC」>「ベル」>「チェリー」>「スイカ」の優先順位で図柄を導出するように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS214)。「JAC」と「ベル」の両方をそれぞれ上中下段のいずれかに導出させることができるときには、「JAC」と「ベル」の両方を導出して停止し、「JAC」と「ベル」のいずれか一方のみを上中下段のいずれかに導出させることができるときには、「JAC」を導出して停止するものとなる。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
リプレイ当選フラグが設定されていない場合には、「ベル」>「チェリー」>「スイカ」の優先順位で図柄を導出するように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS215)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
対象リールとなった左のリール3Lが第1リールでない場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS216)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止させる(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS217)。「JAC」を揃えて停止させることが可能であれば、第2制御により有効ライン上に「JAC」を揃えて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS218)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS216でリプレイ当選フラグが設定されていないか、ステップS217で「JAC」を揃えて停止させることが不可能であれば、75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させる(「チェリー」は単独で導出させる)ことが可能であるかどうかを判定する(ステップS219)。小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、第2制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS220)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第3リールである場合には「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」が有効ライン上に揃って停止することがないように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS221)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
また、ステップS211で対象リールが左のリール3Lでなかった場合には、対象リールが第2リールであるかどうかを判定する(ステップS222)。対象リールが第2リールである場合には、左のリール3Lが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS223)。対象リールが第2リールでないか、左のリール3Lが既に停止している場合には、ステップS231の処理に進む。
対象リールが第2リールであって、左のリール3Lが未だ停止していない場合には、先に停止している第1リールについて可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS224)。ここで、停止している第1リールについて導出された図柄が図4に示した禁止目の一部を構成しているかどうかを判定する(ステップS225)。第1リールについて導出された図柄が禁止目の一部を構成していなければ、ステップS231の処理に進む。
第1リールについて導出された図柄が禁止目の一部を構成していれば、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS226)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、禁止目の回避を優先しつつ、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により有効ライン上に「JAC」を揃えて(すなわちテンパイさせて)、第2リールの回転を停止させる(ステップS227)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
リプレイ当選フラグが設定されていなければ、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS228)。小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、禁止目の回避を優先しつつ、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて第2リールの回転を停止させる(ステップS229)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、禁止目を回避しつつ、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により第2リールの回転を停止させる(ステップS230)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS231では、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する。リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により有効ライン上に「JAC」を揃えて(第1リールであれば上中下段のいずれかに導出させて、第2リールであればJAC入賞させて)、対象リールの回転を停止させる(ステップS232)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
リプレイ当選フラグが設定されていなければ、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させる(第1リールであれば上中下段のいずれかに導出させる)ことが可能であるかどうかを判定する(ステップS233)。小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて対象リールの回転を停止させる(ステップS234)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第3リールである場合には「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」が有効ライン上に揃って停止することがないように、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により対象リールの回転を停止させる(ステップS235)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
一方、ステップS200においてリール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされていると判定された場合には、ここで未だ回転中のリール3L、3C、3Rの回転を停止させることとなるが、このときの停止制御は最大停止遅延時間190ミリ秒の第1制御により行われることとなる。また、遊技状態がCTにあれば、RAM112にCT中フラグが設定されていないもの(すなわち、通常の遊技状態)とみなして(それ以外の遊技状態では現在の遊技状態のまま)、停止制御を行うものとする。
ここでは、まずリール3L、3C、3Rの全てが未だ回転中であるかどうかを判定する(ステップS236)。リール3L、3C、3Rの全てが回転中であれば、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして(元々当選フラグが設定されていない場合を含む。以下、同じ)、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS237)、中のリール3Cの回転を停止させ(ステップS238)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS239)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ここで、「停止タイミングに応じて停止」とは、各リールにおいて停止条件が成立したときの現在の図柄位置と設定されている当選フラグに基づいて当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない(当選フラグが設定されていないものとみなした場合を含む)役の図柄が揃わないように外し制御を行ったりして、リールの回転を停止させることである。
全てのリール3L、3C、3Rの全てが回転中ではない場合には、左のリール3Lが既に回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS240)。左のリール3Lが回転を停止していなければ、中のリール3Cが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS241)。中のリール3Cが回転を停止していた場合には、さらに右のリール3Rも回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS242)。
右のリール3Rが回転を停止していた場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして(元々当選フラグが設定されていない場合を含む)、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS243)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。右のリール3Rが回転を停止していなかった場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS244)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS245)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS241で中のリール3Cが回転を停止していなかった場合には、右のリール3Rだけが既に停止している場合であり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS246)、さらに中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS247)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS240で左のリール3Lが回転を停止していた場合には、さらに中のリール3Cが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS248)。中のリール3Cが回転を停止していなかった場合には、さらに右のリール3Rが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS249)。右のリール3Rが回転を停止していれば、中のリール3Cだけが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS250)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
右のリール3Rも回転を停止していなければ、中のリール3Cと右のリール3Rとが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて中のリール3Cの回転を停止させ(ステップS251)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS252)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS248で中のリール3Cが回転を停止していた場合には、右のリール3Rだけが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS253)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
以上のように自動停止モードにセットされている場合には、第3リールの回転が停止される際に(ステップS239、S243、S245、S247、S250、S252、S253)、いずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなされることから、可変表示装置2にはハズレの表示態様が導出されることとなる。
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図10は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS301)。
次に、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナスとなっているかどうかを判定する(ステップS302)。現在の遊技状態がビッグボーナスとなっていれば、RAM112の各種カウンタを用いて、当該ビッグボーナスにおける払出メダル枚数、或いはゲーム数や入賞数をカウントする(ステップS303)。
そのカウント結果として、ビッグボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS304)。ビッグボーナスの終了条件となっていなければ、そのままステップS310の処理に進む。ビッグボーナスの終了条件となっていれば、RAM112のビッグボーナス中フラグを消去する。また、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数、ゲーム数や入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS305)。そして、ステップS310の処理に進む。
現在の遊技状態がビッグボーナスになっていなければ、RAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTとなっているかどうかを判定する(ステップS306)。現在の遊技状態がCTともなっていなければ、ステップS310の処理に進む。現在の遊技状態がCTとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該CTにおける払出メダル枚数をカウントする(ステップS307)。
そのカウント結果として、CTの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS308)。CTの終了条件となっていなければ、そのままステップS310の処理に進む。CTの終了条件となっていれば、RAM112のCT中フラグを消去する。また、CTにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS309)。そして、ステップS310の処理に進む。
ステップS310では、RAM112に小役当選フラグやリプレイ当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ビッグボーナス当選フラグ、CT当選フラグ、JACIN当選フラグは、当該ゲームにおいて対応する役に入賞していなければRAM112から消去しないで、次のゲームに持ち越させる。
次に、リール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされているかどうかを判定する(ステップS311)。自動停止モードにセットされていなければ、そのまま払出処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。自動停止モードにセットされていれば、リール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードが解除された旨を示す進行状況通知コマンドを生成し、演出制御基板102に送信する(ステップS312)。また、実際に自動停止モードを解除する(ステップS313)。そして、払出処理を終了して、図5のフローチャートに復帰する。図5のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、ビッグボーナス、CTの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、独自の演出を行っている。以下、演出制御基板102のCPU121が各種の演出(特にリール停止タイマが所定時間の経過を計時するまでの残り時間表示、残り時間が10秒を切ったときの操作促進表示、リール停止タイマによりリール3L、3C、3Rの回転が自動停止したときにおける警告表示)を行うために実行する処理について説明する。
図11は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS401)。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS402)。
受信したコマンドの種類が進行状況通知コマンドであった場合には、当該進行状況通知コマンドが自動停止モードが解除された旨を示しているかどうかを判定する(ステップS403)。自動停止モードが解除された旨を示していなければ、当該進行状況通知コマンドがリール3L、3C、3Rの変動が開始した後に所定の条件が成立した旨を示しているかどうかを判定する(ステップS404)。所定の条件が成立した旨を示していなければ、そのままステップS401の処理に戻る。所定の条件が成立した旨を示していれば、内部タイマによる計時を開始させ(ステップS405)、ステップS401の処理に戻る。
受信した進行状況通知コマンドが自動停止モードが解除された旨を示していれば、可変表示装置2には必ずハズレの表示態様が導出されていることとなる。この場合には、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出されたことを示す警告メッセージを液晶表示器4に表示する(ステップS406)。また、内部タイマをリセットし、計時を停止させる(ステップS407)。そして、ステップS401の処理に戻る。
受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS408)。これら他の処理については、本発明とは直接的な関係がないため、詳細な説明は省略する。その後、ステップS401の処理に戻る。
また、遊技制御基板101からいずれのコマンドも受信していない場合には、内部タイマが計時を行っているかどうかを判定する(ステップS409)。内部タイマが計時を行っていなければ、そのままステップS401の処理に戻る(これで、ステップS410、S412で行った表示は消去される)。内部タイマが計時を行っていれば、自動停止モードにセットされるまでの所定時間から内部タイマの計時する時間を引いた残り時間を求めて、これを液晶表示器4に表示する(ステップS410)。
次に、求めた残り時間が0秒になっているかどうかを判定する(ステップS411)。残り時間が0秒になっていれば、リール3L、3C、3Rの回転が自動停止されることを示すメッセージを所定時間だけ液晶表示器4に表示する。このとき、それまで表示されていた停止ボタン12L、12C、12Rを操作してリール3L、3C、3Rの回転を停止させることを促すメッセージは表示消去される(ステップS412)。そして、ステップS401の処理に戻る。
また、求めた残り時間が0秒になっていなければ、求めた残り時間が10秒を切っているかどうかを判定する(ステップS413)。残り時間が10秒を切っていなければ、そのままステップS401の処理に戻る。残り時間が10秒を切っていれば、停止ボタン12L、12C、12Rを操作してリール3L、3C、3Rの回転を停止させることを促すメッセージも液晶表示器4に併せて表示する(ステップS414)。そして、ステップS401の処理に戻る。
以下、遊技者によるスタートレバー11及び停止ボタン12L、12C、12Rの操作、リール3L、3C、3Rの回転停止、並びに液晶表示器4に表示されるメッセージの関係について、具体例を示して説明する。図12は、1ゲームの進行に伴って液晶表示器4に表示される各種のメッセージの例を示す図である。この例では、RAM112にCT中フラグが設定され、リプレイ当選フラグが設定されていないものとする。また、スタートレバー11及び停止ボタン12L、12C、12Rについて、未だ操作されていないものを白丸で、既に操作されたものを黒丸で示すものとする。
図12(a)に示すように、遊技者がスタートレバー11を操作すると、リール3L、3C、3Rがそれぞれ回転開始する。その後所定の条件が成立すると、リール停止タイマの計時が開始され、リール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードに移行されるまでの残り時間401が「30秒」として液晶表示器4に表示されるものとなる。
次に、図12(b)に示すように、中と右の停止ボタン12C、12Rを順次操作して、中と右のリール3L、3Rを下段の有効ラインに「スイカ」をテンパイさせて停止させたものとする。ここまでに28秒経過していたとすると残り時間401が「2秒」として液晶表示器4に表示される。さらに、ここでは残り時間が10秒を切っているので、「停止操作をして下さい」という残りの停止ボタン12Lの操作を促すメッセージ402も液晶表示器4に表示される。
次に、図12(c)に示すように、遊技者が左の停止ボタン12Lを操作しないままリール3L、3C、3Rの回転開始から30秒を経過すると、残り時間401が「0秒」として液晶表示器4に表示されるとともに、メッセージ402に変えて「自動停止します」という自動停止モードにより左のリール3Lの回転を停止させる旨を示すメッセージ403も液晶表示器4に表示される。このとき、左のリール3Lについて「スイカ」の図柄が1コマ以内で下段に停止できる位置にあったものとする。
ここで、左のリール3Lは、停止ボタン12Lの操作ではなく、自動停止モードにより停止されることとなるので、図12(d)に示すように、「スイカ」の図柄は下段に停止されず、可変表示装置2の表示結果としてハズレの表示態様が導出されることとなる。また、自動停止モードとなってハズレの表示態様が導出されたので、「停止操作がないのでハズレとなりました」という警告メッセージ404が液晶表示器4に表示されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、リール停止タイマが所定時間を計時して自動停止モードにセットされる前に遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば、CT以外の遊技状態にあるときには、当選フラグの設定状況と停止操作のタイミングとに応じて停止すべき図柄が選択されて、可変表示装置2に表示結果が導出される。つまり、当選フラグの設定だけではなく、停止ボタン12L、12C、12Rの操作という遊技者の技術介入によって入賞が発生することとなるので、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防止して射倖性の抑制の担保が図られることとなる。
CTの遊技状態にあるときには、停止ボタン12Lを操作したときの左のリール3Lについての最大停止遅延時間が190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、図柄の引き込み範囲が小さくなるが、リプレイ当選フラグが設定されていなければリール3Lについて当選フラグの設定はなくても75ミリ秒の範囲で小役図柄を選択して、小役入賞させることが可能となる。このようにCT中においては、遊技者の積極的な技術介入によって小役入賞が発生することとなるので、偶然性の要素で入賞が発生することがほとんどなくなり、より射倖性の抑制を図ることができるようになる。
一方、遊技状態がCTにあるか否かに関わらず、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されないままリール停止タイマが所定時間の経過を計時すれば、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が停止される。つまり、1ゲームに要する時間が無限のものにはならず、遊技者が遊技を行っていても実質的に十分な稼働率を得られないということがなくなる。
また、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が停止される場合には、どのような遊技状態であっても、CT以外の遊技状態でいずれの役の当選フラグが設定されていても、可変表示装置2の表示結果としては必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。このため、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防ぐことができ、射倖性の抑制の担保を図ることができる。しかも、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの一部で操作することなく、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの一部でも停止されると、必ずハズレの表示態様が導出されてしまうので、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することをより促すことができるようになる。
ところで、左のリール3Lについては、「チェリー」の単図柄で入賞となってしまうため、左のリール3Lが第3リールになってしまうときには、第2リールの停止時までに表示されている図柄の態様によっては(すなわち、禁止目が導出されていると)、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で入賞の発生が避けられない場合が生じてしまう。CT中であっても自動停止モードにより左のリール3Lが停止されるものとすると、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で入賞の発生が避けられない場合が生じてしまう。
ここで、左のリール3Lが第3リールとなる場合には、第2リールの停止時において禁止目の導出を回避することとしているので、自動停止モードで入賞が発生したり、CT以外の遊技状態で当選フラグの設定されていない役の入賞が発生したりすることを回避することができる。しかも、第2リールが停止ボタンの操作により停止される場合であっても、当選フラグが設定されているか否かに関わらずに常に、その停止時において禁止目の導出を回避する制御を行っているので、第3リールのみが自動停止モードにより停止されることとなったときであっても、確実に入賞の発生を回避することができる。
また、リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定条件が成立すると、リール停止タイマの計時が開始されるが、自動停止モードにセットされるまでの残り時間が液晶表示器4に表示されることとなる。さらに残り時間が10秒を切ると、停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促すメッセージも液晶表示器4に表示されることとなる。これらの残り時間の表示やメッセージの表示によって、遊技者は、自動停止モードにセットされるまでの残り時間を考慮して、停止ボタン12L、12C、12Rを操作してリール3L、3C、3Rの回転を停止させられるようになる。
さらに、所定の時間が経過してしまって自動停止モードにセットされると、リール3L、3C、3Rが強制停止されて必ずハズレの表示態様が導出されるが、この場合には、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出されたことを示す警告メッセージが液晶表示器4に表示されることとなる。これにより、停止ボタン12L、12C、12Rを遊技者自ら操作しない限り、必ずハズレの表示結果が導出されてしまうことを遊技者に確実に認識させることができるので、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することをさらに促すことができるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が強制的に停止させられるまでの時間を報知するものとしていたが、リール3L、3C、3Rが回転開始した後に所定の条件が成立してからの経過時間(すなわち、CPU121の内部タイマが計時する値)を報知するものとしてもよい。自動停止モードにセットされるまでの所定の時間が明らかになっていれば、これでも遊技者がリール3L、3C、3Rの停止までの残り時間を認識することができ、残り時間を考慮して停止ボタン12L、12C、12Rを操作することができる。
また、自動停止モードにセットされるまでの残り時間、自動停止モードにセットされるまでの残り時間が10秒(他の秒数としてもよい)を切ったこと、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出された旨の警告は、液晶表示器4に表示して遊技者に報知するだけではなく、専用の表示器を用いて報知したり、スピーカ7からの音声の出力、或いはランプ類(遊技効果LED75A〜75M等)の点灯によって報知するものとしてもよい。報知するものの種類毎に用いる報知手段を変えてもよい。1つのものの報知に対して、複数種類の報知手段を用いて報知を行ってもよい。
停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出された旨の警告は、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されたゲームだけではなく、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によってリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止されたゲームにおいても、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなければ可変表示装置2にハズレの表示態様が導出される旨の警告を行うものとしてもよい。全てのゲームでこのような警告を行うことで、さらに遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促すことができるようになる。
さらに、これらの報知の制御は、演出制御基板102のCPU121が行うのではなく、遊技制御基板101の接続された報知手段があれば、遊技制御基板101のCPU111が報知の制御を行うものとしてもよい。一部の種類の報知について遊技制御基板101のCPU111が制御し、他の種類の報知について演出制御基板102のCPU121が制御するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されるときに、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で停止対象のリールについて停止させるべき図柄を選択し、該選択した図柄を導出させるものとしていた。リール3L、3C、3Rのうちの全てが自動停止モードにより停止される場合であっても、一部だけが自動停止モードにより停止される場合であっても同じであった。これに対して、リール3L、3C、3Rの全てが自動停止モードにより停止される場合には、最大停止遅延時間の制約を受けることなく、いずれの役の入賞表示態様ともならない特定の表示態様(特定ハズレ目)を必ず導出させるものとしてもよい。
図13は、この変形例におけるリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。自動停止モードにセットされていないときの処理は、上記の実施の形態(図7、図8)と同じであり、自動停止モードにセットされたときの処理が、上記の実施の形態と異なる。
ステップS211でリール3L、3C、3Rの全てが回転している場合には、最大停止遅延時間の制限なく、可変表示装置2の表示結果として特定ハズレ目が導出されるように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる(ステップS261)。ここでのリール3Lの停止は、左から右に順に行ってもよいが、他の順序で行ってもよい。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
また、第3リールの回転を停止させる場合、CTであれば通常遊技状態とみなす(それ以外の遊技状態では、現在の遊技状態に従って制御を行う)とともにRAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなす(元々当選フラグが設定されていない場合を含む)だけではなく、特定ハズレ目の導出を避けることを優先しつつ第3リールの停止タイミングに応じて回転を停止させる(ステップS243’、S245’、S247’、S250’、S252’、S253’)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
図14は、特定ハズレ目とそれ以外のハズレ目とを示す図である。図14において、図柄の右下の括弧内の数字は、図2の配列における図柄番号を示している。例えば、図14(a)に示すように、左のリール3Lについて上段に7番の「JAC」、中段に6番の「スイカ」、下段に5番の「ベル」が、中のリール3Cについて上段に5番の「ベル」、中段に4番の「チェリー」、下段に3番の「JAC」、右のリール3Rについて上段に7番の「JAC」、中段に6番の「チェリー」、下段に5番の「ベル」が導出された態様が、特定ハズレ目として定義されているものとする。
自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの全てが停止される場合には、必ず図14(a)に示した特定ハズレ目が導出されるものとなる。リール3L、3C、3Rの一部でも停止ボタン12L、12C、12Rの操作により既に停止されている場合には、図14(a)に示した特定ハズレ目以外のハズレ目が導出されることとなるが、左のリール3Lまたは右のリール3Rが第3リールとなるときには、停止済みのリールに導出された図柄でテンパイしている役はないので、特定ハズレ目を回避して他のハズレ目を導出できなくなることはない。
中のリール3Cが第3リールとなるときには、図14(b)に示すように、停止タイミングにおいて特定ハズレ目が表示されていても、1コマ分の引き込みを行えば特定ハズレ目以外のハズレ目を導出できるので、図14(b)の態様まで引き込みを行ってリール3Cの回転を停止させればよい。また、図14(c)に示すように、中のリール3Cを特定ハズレ目となるまで引き込まなくても、その1コマ分手前の図柄で停止させれば特定ハズレ目以外のハズレ目を導出できるので、ここでリール3Cの回転を停止させればよい。
なお、この変形例においては、停止ボタン12L、12C、12Rを全く操作せずに特定ハズレ目が導出されたことと、停止ボタン12L、12C、12Rの一部だけを操作して特定ハズレ目以外のハズレの表示態様が導出されたこととに対して、ステップS406において液晶表示器4に異なる警告表示を行うものとしてもよい。
この変形例では、上記の実施の形態の効果に加えて、次のような効果を奏するものとなる。すなわち、全てのリール3L、3C、3Rが自動停止モードにより強制的に停止された場合には、常に特定ハズレ目が導出されるので、リール3L、3C、3Rの全てを自動停止モードにより停止させる場合には、190ミリ秒の最大遅延時間の制御を受けずに一定の制御を行えばよいので、ハズレの表示態様を導出させる場合の制御が簡単になる。
一方、停止ボタン12L、12C、12Rの一部でも操作されていれば、特定ハズレ目が導出されることはないので、停止ボタン12L、12C、12Rが全く操作されないと、いつも同じ特定ハズレ目が導出されて、必ずハズレになることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することをさらに促すことができるようになる。
上記の実施の形態では、左のリール3Lについてのみ「チェリー」の単図柄で入賞となるので、左のリール3Lが第3リールとなる場合のみ禁止目が生じるものとなっていた。自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転を停止させる場合は、既に中と右のリール3C、3Rが停止している(禁止目が回避されている)場合のみ左のリール3Lが第3リールとなるので、入賞の表示態様の導出を避けられなくなる場合がなかった。
これに対して、右のリール3Rについてのみ「チェリー」の単図柄で入賞となる場合には、右のリール3Rが第3リールとなる場合でも禁止目が生じることがあり得る。自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転を停止させる場合に、自動停止モードにおけるリール3L、3C、3Rの停止順を上記と同じにしてしまうと、右のリール3Rが第3リールとなる場合がある。
例えば、左のリール3Lについて禁止目の一部を構成する図柄が導出されて停止していて、第2、第3リールとして中及び右のリール3C、3Rを自動停止モードで停止させる場合には、中のリール3Cを第2リールとするのではなく、右のリール3Rを第2リールとして選択するものとし、選択した順序に従って右のリール3R、中のリール3Cの順序で停止させればよい。左のリール3Lについて禁止目の一部を構成する図柄が導出されていなければ、中のリールを第2リールとして選択し、選択した順序に従って中のリール3C、右のリール3Rの順序で停止させることができる。
また、左のリール3Lについて禁止目の一部を構成する図柄が導出されて停止しているときであっても、中及び右のリール3C、3Rを自動停止モードで停止させる場合に、必ず中のリール3C、右のリール3Rの順序で停止させるものとするが、第2リールである中のリール3Cを停止させるときに、左のリール3Lについて禁止目の一部を構成する図柄が導出されているかどうかを判定して、禁止目の一部を導出する図柄が導出されている場合には、中のリール3Cの停止図柄として選択可能な図柄の中から禁止目を構成しない図柄を選択して、停止させるものとすることができる。
いずれの場合にも、第2リールまで停止した段階で可変表示装置2に禁止目が導出されていることがないので、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転を停止させる場合に入賞の表示態様が導出されてしまうのを回避することができる。
上記の実施の形態では、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転を停止させる場合、CT中であっても通常の遊技状態とみなして、左のリール3Lについて最大停止遅延時間を190ミリ秒とする第1制御により停止制御を行うものとしていた。これに対して、CT中であれば自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されるときであっても、左のリール3Lについて最大停止遅延時間を75ミリ秒とする第2制御により停止制御を行うものとしてもよい。この場合、上記と同じ手順で停止制御を行ったのでは入賞の発生を回避できなくなることがあるので、次のような手順で停止制御を行うことで入賞の発生を回避できるようになる。
図15は、この変形例におけるリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。この変形例のリール変動停止処理では、ステップS101で所定条件が成立したと判定された場合、自動停止時入賞回避処理(ステップS121)を行ってからステップS102の処理に進むものとする。また、ステップS107、S110、S113でリール停止制御処理を行った後にも、自動停止時入賞回避処理(ステップS122、S123、S124)を行ってから、それぞれステップS108、S111、S114の処理に進むものとする。
図16は、この変形例のステップS121、S122、S123、S124においてCPU111が実行する自動停止時入賞回避処理を示すフローチャートである。自動停止時入賞回避処理では、まずRAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより現在の遊技状態がCTにあるかどうかを判定する(ステップS501)。現在の遊技状態がCTになければ、そのまま自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
現在の遊技状態がCTにあれば、リール3L、3C、3Rの全てが停止ボタン12L、12C、12Rの操作に基づいて既に停止したかどうかを判定する(ステップS502)。リール3L、3C、3Rの全てが既に停止した場合には、そのまま自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。リール3L、3C、3Rの全てが既に停止したのではない場合には、さらにリール3L、3C、3Rの全てが未だ回転中であるかどうかを判定する(ステップS503)。
リール3L、3C、3Rの全てが回転中である場合は、ステップS121で自動停止時入賞回避処理が行われる場合である。このときには、現在のリール3L、3C、3Rにおける図柄位置(すなわち、ステップS101の所定条件が成立したときの図柄位置)に基づいて、ステップS115に所定時間を経過したときにセットされる自動停止モードによってリール3L、3C、3Rの回転が左→中→右の順序で停止したときに導出される図柄のシミュレーションを行う(ステップS504)。
そのシミュレーションの結果として、そのまま自動停止モードで停止させたときに入賞を回避できるかどうかを判定する(ステップS505)。入賞を回避できれば、そのまま自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。入賞を回避できなければ、今度はリール3L、3C、3Rの停止順序を中→左→右の順序として、ステップS504と同様のシミュレーションを行う(ステップS506)。
そのシミュレーションの結果として、リール3L、3C、3Rの回転を中→左→右の順序で停止させたときに入賞を回避できるかどうかを判定する(ステップS507)。入賞を回避できれば、今回のゲームにおいてリール3L、3C、3Rの回転を自動停止モードに停止させる際の停止順序を中→左→右の順序に変更する(ステップS508)。そして、自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
入賞を回避できなければ、今度は自動停止モードにセットすることとなる所定時間を1コマ余分に変動させた時間に延長し、リール3L、3C、3Rの停止順序を左→中→右の順序として、ステップS504と同様のシミュレーションを行う(ステップS509)。そのシミュレーションの結果として、入賞を回避できるかどうかを判定する(ステップS510)。
入賞を回避できなければ、ステップS509の処理に戻り、所定時間をさらに1コマ余分に変動させた時間に延長し、同様のシミュレーションを行う。この処理は、入賞を回避できると判定されるまで繰り返される。入賞を回避できれば、今回のゲームにおいてリール3L、3C、3Rの回転を自動停止モードにより停止させるための所定時間を、当該延長した時間に変更する(ステップS511)。そして、自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
また、ステップS503でリール3L、3C、3Rの一部でも回転していると判定された場合には、少なくとも左のリール3Lが回転しているかどうかを判定する(ステップS512)。左のリール3Lが既に停止している場合には、そのまま自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
左のリール3Lが未だ回転している場合には、既に停止しているリールに導出されている図柄と、未だ回転中のリールにおける現在の図柄位置に基づいて、ステップS115に所定時間を経過したときにセットされる自動停止モードによってリール3L、3C、3Rの回転が左→中(右のリール3Rが停止している場合)か左→右(中のリール3Cが停止している場合)の停止順序で停止したときに導出される図柄のシミュレーションを行う(ステップS513)。そのシミュレーションの結果として、入賞を回避できるかどうかを判定する(ステップS514)。入賞を回避できれば、そのまま自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
入賞を回避できなければ、自動停止モードにより停止させるための所定時間を1コマ余分に変動させた時間に延長し、ステップS513と同様のシミュレーションを行う(ステップS515)。そして、延長した所定時間によるシミュレーションの結果として、入賞を回避できるかどうかを判定する(ステップS516)。ここでも入賞を回避できなければ、所定時間をさらに1コマ余分に変動させた時間に延長し、同様のシミュレーションを入賞を回避できると判定されるまで繰り返し行う。
ステップS516において延長した所定時間によるシミュレーションで入賞を回避できれるものとなれば、今回のゲームにおいてリール3L、3C、3Rの回転を自動停止モードにより停止させるための所定時間経過までの残り時間を、当該延長した時間に変更する(ステップS517)。そして、自動停止時入賞回避処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
また、図17は、この変形例のステップS107、S110、S113でCPU111が実行するリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。この変形例におけるリール停止制御処理でも、自動停止モードにセットされていないときの処理は、上記の実施の形態(図7、図8)と同じである。また、リール3L、3C、3Rの一部が停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止していた場合の処理も、上記の実施の形態における図9のステップS240〜S253の処理と同じである。
ステップS236でリール3L、3C、3Rの全てが回転中であると判定された場合には、リール3L、3C、3Rの停止順序をデフォルトの左→中→右の順序としているか、それともステップS508で中→左→右の順序としているかを判定する(ステップS271)。デフォルトの左→中→右の順序としている場合には、上記の実施の形態(図9)と同様にして、左→中→右の順序でリール3L、3C、3Rの回転を停止させる(ステップS237〜S239)。但し、第3リールとなる右のリール3Rの停止時に小役を含めていずれの役の表示態様も導出されないように停止制御を行う。そして、リール停止制御処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
中→左→右の順序に変更されている場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして(元々当選フラグが設定されていない場合を含む。以下、同じ)、停止タイミングに応じて中のリール3Cの回転を停止させ(ステップS272)、左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS273)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS274)。ここでも、第3リールとなる右のリール3Rの停止時に小役を含めていずれの役の表示態様も導出されないように停止制御を行う。そして、リール停止制御処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
なお、この変形例では、左のリール3Lについては最大停止遅延時間を75ミリ秒とする第2制御により停止制御が行われるが、これが第3リールとなることはなく、最大停止遅延時間を190ミリ秒とする第1制御により停止制御を行う中または右のリール3C、3Rを第3リールとして外し制御を行うことができるようになる。また、リール3L、3C、3Rの停止順序を中→左→右に変更しても入賞回避可能とならない場合は、さらに他の停止順序における停止図柄をシミュレーションし、入賞回避可能な停止順序があれば、当該順序に変更するようにしてもよい。また、停止順序の変更の処理を行うことなく、所定時間の変更の処理のみを行うものとしてもよい。
以上説明したように、この変形例によれば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作により遊技者に技術介入させて、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防止して射倖性の抑制の担保を図ること、リール停止タイマが所定の時間(延長される場合あり)を計時してリール3L、3C、3Rの回転を強制的に停止させて、遊技者が遊技を行っているときに十分な稼働率を得ることという、上記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
ここで、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が停止される場合には、左のリール3Lは最大停止遅延時間を75ミリ秒とする第2制御により停止制御が行われるが、デフォルトの停止順序及び所定時間だと入賞の発生が回避できなくなるかを判定して、その判定結果に応じてリール3L、3C、3Rの停止順序を変更したり、自動停止モードにセットするための所定時間を延長したりしている。これらの停止順序の変更や所定時間の延長によって、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されるときには、可変表示装置2の表示結果としては必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。このため、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防ぐことができ、射倖性の抑制の担保を図ることができる。
なお、ステップS504においてシミュレーションを行うのではなく、デフォルトの所定時間経過時に導出される図柄の表示態様が入賞を回避できなくなる入賞回避不能パターンに対応する図柄位置パターンを禁止パターンとして予め記憶しておき、ステップS505において現在の図柄位置が記憶しておいた禁止パターンと一致するかどうかを判定するものとしてもよい。ステップS506、S507の場合も同様である。また、ステップS509〜S511、S515〜S517で所定時間を延長した時間に変更するだけではなく、所定時間を短縮した時間における停止図柄をシミュレーションして、今回のゲームの所定時間を短縮した時間に変更するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、リール停止タイマが所定時間を計時して自動停止モードにセットされると、それまでにリール3L、3C、3Rの一部でも回転を停止していたか否かに関わらず、当選フラグの設定状況によらずに必ずハズレの表示態様が導出されるものとしていた。これに対して、自動停止モードにセットされた際にリール3L、3C、3Rの一部でも回転を停止していれば、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて導出すべき図柄を選択し、未停止のリールの回転を停止させるものとしてもよい。
図18は、この変形例におけるリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。自動停止モードにセットされていないときの処理は、上記の実施の形態(図7、図8)と同じである。また、自動停止モードにセットされたときにリール3L、3C、3Rの全てが未だ回転しているときの処理(ステップS237〜S239)は、上記の実施の形態(図9)と同じである。このときの停止制御は最大停止遅延時間190ミリ秒の第1制御により行われることとなる。また、遊技状態がCTにあれば、RAM112にCT中フラグが設定されていないもの(すなわち、通常の遊技状態)とみなして(それ以外の遊技状態では現在の遊技状態のまま)、停止制御を行うものとする。この停止制御により、自動停止モードにセットされているときには、左のリール3Lは、常に第1制御で制御される。
なお、このフローチャートの説明において「停止タイミングに応じて図柄を選択」とは、各リールについて停止条件が成立したときの現在の図柄位置で該図柄を含めて5コマの範囲にある図柄から、設定されている当選フラグに基づいて当選している役の図柄を選択したり、当選していない(当選フラグが設定されていないものとみなした場合を含む)役の図柄以外の図柄を選択することである。
ステップS242で右のリール3Rが既に停止していると判定された場合には、左のリール3Lについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS281)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS242で右のリール3Rが未だ停止していないと判定された場合には、まず左のリール3Lについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS282)。さらに右のリール3Rついて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS283)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS241で中のリール3Cが未だ停止していないと判定された場合には、まず左のリール3Lについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS284)。さらに中のリール3Cついて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS285)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS249で右のリール3Rが既に停止していると判定された場合には、中のリール3Cについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS286)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS249で右のリール3Rが未だ停止していないと判定された場合には、まず中のリール3Cについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS287)。さらに右のリール3Rついて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS288)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
ステップS248で中のリール3Cが既に停止していると判定された場合には、右のリール3Rについて当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択して、右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS289)。そして、リール停止制御処理を終了して、図6のフローチャートに復帰する。
なお、リール3L、3C、3Rのうちの2つまでが自動停止モードにセットされる前に停止ボタン12L、12C、12Rの操作によって停止されていたことを条件として、すなわち第3リールのみが自動停止モードにより強制停止されることを条件として、当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択するものとしてもよい。この場合、図9のステップS243、S250及びS253のみを図18のステップS281、S286、S289で置き換えるものとすればよい。
なお、この変形例は、図13、図17の例にも適用することが可能であり、図13、図17のステップS243〜S247、S250〜S253、S243’、S245’、S247’、S250’、S252’、S253’をステップS281〜S289に置き換えるものとすればよい。また、第3リールのみが自動停止モードにより強制停止されることを条件として、当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄を選択するものとしてもよい。この場合、図17のステップS243、S250及びS253、或いは図13のS243’、S250’及びS253’のみを図18のステップS281、S286、S289で置き換えるものとすればよい。
以上説明したように、この変形例によれば、停止ボタン12L、12C、12Rの全てが操作されずに自動停止モードにセットされると、必ずハズレの表示態様が導出されることとなるが、停止ボタン12L、12C、12Rの一部でも自動停止モードにセットされるまでに操作されていたときには、当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて停止図柄が選択されるので、入賞が発生する場合もある。CT中であってもリプレイ当選フラグが設定されていることを条件として、リプレイ入賞が発生可能である。
このため、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作してリール3L、3C、3Rの回転を停止させることを促すことができつつも、遊技者自ら停止ボタン12L、12C、12Rを操作しようという意思があったにも関わらず、全く入賞が発生することがなくなってしまうという不都合を回避することができるようになる。また、ここでは少なくともリール3L、3C、3Rの一部の停止について遊技者が技術介入をしているので、100%の偶然性で入賞が発生してしまうということもなく、射倖性の抑制の担保を図ることができる。
上記の実施の形態では、リール3L、3C、3Rの回転が自動停止モードにより停止される場合には、190ミリ秒(図17の例では、左のリール3Lについては75ミリ秒)の最大遅延時間の範囲内で停止図柄を選択するものとしていた(図13の例で全リールが回転中の場合を除く)が、このような制限を受けることなく、停止図柄を選択できるようにしてもよい。最大遅延時間の制限を受けることなく停止図柄を選択できるようにした場合には、図2の図柄配列では禁止目が生じないものとなるので、第2リールの停止時において禁止目の導出を避ける制御が不要となる。
上記の実施の形態では、CTにおいては左のリール3Lについての最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮され、この範囲で引き込み制御や外し制御を行うものとしていた。これに対して、中のリール3Cまたは右のリール3Rについて最大停止遅延時間を短縮するものとしても、或いは停止操作によるリールの停止順に、第1リール、第2リール、第3リールのいずれかについて最大停止遅延時間を短縮するものとしてもよい。このようにすれば、例えば同じ左のリール3Lであっても、何番目に停止操作されたかによって最大停止遅延時間が短縮されるかどうかが変化する。
また、CT中における最大停止遅延時間をさらに短縮し、小役図柄を導出するために引き込み可能な範囲を設けず、停止ボタン12Lを操作したときに小役図柄が表示されていれることを条件として、左のリール3Lに小役図柄が導出されるものとしてもよい。そして、リプレイ当選フラグが設定されていないときにビッグボーナス図柄、CT図柄やJAC図柄を導出させないようにするためには、最大停止遅延時間を75ミリ秒のままでさらに短縮することとせず、1コマの外し制御を行うものとしてもよい。リプレイ当選フラグが設定されているときには、JAC図柄についてのみ1コマの引き込み制御を行うものとしてもよい。
さらに、リプレイ当選フラグが設定されているときには、左のリール3Lについても短縮した最大停止遅延時間よりも長い遅延時間(190ミリ秒としてもよい)の範囲でリプレイ図柄の引き込み制御を行ったり、停止ボタン12Lを操作したときに表示されている図柄がビッグボーナス図柄やCT図柄であれば、短縮した最大停止遅延時間よりも長い遅延時間(190ミリ秒としてもよい)の範囲でビッグボーナス図柄やCT図柄の外し制御を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、予め停止位置が記憶されたテーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも適用することができる。
テーブル方式のスロットマシンにおいて図13に示した手法を適用する場合には、リール3L、3C、3Rの全てが未停止で自動停止モードにセットされたときには、特定ハズレ出目を導出する制御を登録したテーブルを参照して、図柄の停止位置を決めればよい。リール3L、3C、3Rの一部が未停止で自動停止モードにセットされたときには、上記で設定されていないものとみなされた当選フラグに対応した役がハズレていることに対応するテーブルを参照して、図柄の停止位置を決めればよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。