以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。
可変表示装置2には、後述するレギュラーボーナスにおいて賭け数として1が設定されているときには、中段の1本の有効ラインが設定される。レギュラーボーナス以外では賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、この賭け数として3が設定されているときには、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の有効ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)におけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。ゲーム回数表示部21は、後述するビッグボーナス、及びCT時にメダルの払い出し数をカウントするカウンタの値を表示するために用いてもよい。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、有効ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、各ゲームにおける有効ラインを遊技者に示す。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、また、後述する役への入賞があった場合に1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58が点滅状態となることで、後述する役に入賞した有効ラインを遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態に応じた様々な演出用の画像を表示する。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となっていることを、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となることにより、遊技者に示す。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス入賞、ビッグボーナス入賞、及びCT入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、入賞時、ビッグボーナス突入時、レギュラーボーナス突入時、CT突入時、及びSCT突入時における効果音の出力や、異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104及び外部出力基板105に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、例えばシステムクロックが所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信し、またリール中継基板103を介して外部出力基板105に各種の信号を出力する。遊技制御基板101から演出制御基板102及び外部出力基板105へ情報(コマンド、信号)は一方向のみで送られ、演出制御基板102及び外部出力基板105から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド、信号)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されており、CPU111は、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。CPU121も、CPU111と同様の計時機能を有する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。
外部出力基板105は、リール中継基板103を介して入力された各種の信号を試験装置やホールの管理コンピュータなどの外部装置に出力する。図4は、外部出力基板105の構成を詳細に示す図である。外部出力基板105は、主部105aと、折欠いて取り除くことが可能な副部105bとから構成されている。主部105a、副部105bには、それぞれ外部出力端子150a、150bが設けられている。外部出力端子150a、150bに外部装置を接続することで、各種の信号を外部装置に出力することができるようになる。
遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力され、外部出力基板105の外部に出力される信号には、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、SCT(シングルCT)中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号がある。このうち、当選状況信号の伝送路(配線)だけが副部105bの外部出力端子150bに接続されており、他の信号の伝送路(配線)は、主部105aの外部出力端子150aに接続されている。
市場投入前の試験時においては、外部出力基板105は、副部105bを折欠くことなく用いられ、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、SCT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号は、それぞれの伝送路から外部出力端子150a、150bを介して試験装置に出力することができる。
しかし、市場投入時には、副部105bが折り欠かれ、当選状況信号の伝送路は、外部出力端子150bに接続されなくなる。つまり、伝送路が主部105aの外部出力端子150aに接続された、レギュラーボーナス中信号、ビッグボーナス中信号、CT中信号、SCT中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、及びメダルOUT信号だけしか、ホールの管理コンピュータに出力することができるようになっている。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2の賭け数に応じて設定された有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の内部当選フラグが設定されている必要がある。また、入賞に伴ってメダルが払い出され、遊技状態が変化させられる。図5は、このスロットマシン1において入賞と判定される役の種類、それぞれの内部抽選における当選確率とを示すテーブルである。
通常の遊技状態またはCTにおいて、いずれかの有効ライン上に「BAR」が3つ揃った場合には、レギュラーボーナス入賞となり、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、1枚賭けのレギュラーボーナスゲーム(JACゲーム)と称されるゲームを所定回(例えば、12回)だけ行うこと、または所定回(例えば、8回)だけ入賞する(中段の有効ライン上に「JAC」が揃う:JAC入賞)ことにより終了する。遊技制御基板101のRAM112には、レギュラーボーナスのゲーム数及びその入賞数をカウントするカウンタが設けられている。レギュラーボーナスに移行しているときには、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定される。
通常の遊技状態において、いずれかの有効ライン上に「赤7」が3つ揃った場合には、ビッグボーナス入賞となり、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。この小役ゲームでは、比較的高い確率で有効ライン上に「JAC」が揃い(JACIN入賞)、JACIN入賞すると、前述したレギュラーボーナス(JACゲーム)が提供される。ビッグボーナスは、ビッグボーナスにおいて払い出されたメダルの枚数が360枚に達したときに終了する(レギュラーボーナス中であれば、これも終了する)。
遊技制御基板101のRAM112には、レギュラーボーナスのゲーム数及びその入賞数、並びにビッグボーナス中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。ビッグボーナスに移行しているときには、RAM112にビッグボーナス中フラグが設定される。JACINによりJACゲームが提供されているときには、レギュラーボーナス中フラグも合わせて設定される。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「白7」が3つ揃った場合には、CT入賞となり、遊技状態がCTに移行する。CTにおいては、左のリール3Lについての最大停止遅延時間が通常の190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、通常の4コマではなく、現在の図柄位置から引き込める図柄の範囲が1コマだけとなり、この範囲で引き込み制御や外し制御が行われるものとなる。また、後述する自動停止モードにより左のリール3Lの回転が停止される場合には、CT中であっても190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で入賞図柄の外し制御を行うものとしている。
CTは、内部抽選においてレギュラーボーナスに当選することにより終了する。また、CTにおいて払い出されたメダルの枚数が253枚に達したときにも終了する。遊技制御基板101のRAM112には、CT中に払い出したメダルの枚数をカウントするカウンタが設けられている。CTに移行しているときには、RAM112にCT中フラグが設定される。
通常の遊技状態において、賭け数に応じた有効ライン上に「赤7−白7−白7」の組み合わせが揃った場合には、シングルCT(以下、SCT)入賞となり、遊技状態がSCTに移行する。SCTにおいても、左のリール3Lについての最大停止遅延時間が通常の190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、通常の4コマではなく、現在の図柄位置から引き込める図柄の範囲が1コマだけとなり、この範囲で引き込み制御や外し制御が行われるものとなる。また、後述する自動停止モードにより左のリール3Lの回転が停止される場合には、SCT中であっても190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で入賞図柄の外し制御を行うものとしている。SCTに移行しているときには、RAM112にSCT中フラグが設定されるが、1ゲームのみでSCTは終了して、SCT中フラグが消去されるものとなる。
レギュラーボーナスゲームまたはJACゲーム以外のゲームで、いずれかの有効ライン上に「スイカ」または「ベル」が3つ揃った場合、或いは左のリール3Lについて上中下段のいずれかに「チェリー」が現れた場合には、それぞれスイカ、ベル、チェリーの小役入賞となる。CT中及びSCT中においては後述するように必ずスイカ当選フラグが設定され、CT中には抽選によりリプレイ当選フラグも併せて設定されることがあるが、いずれの場合においても、どの種類の小役にも入賞することができる。
ビッグボーナス期間中において提供される小役ゲーム及びJACゲーム、レギュラーボーナスゲーム、SCTのゲームを除き、いずれかの有効ライン上に「JAC」が揃った場合には、リプレイ入賞となる。それ以外の表示態様が可変表示装置2に導出表示された場合には、いずれの役にも入賞しなかったこと、すなわちハズレとなる。
なお、この実施の形態において「小役」といった場合には、スイカ、ベル、チェリーの小役だけではなく、特に説明した場合においては、リプレイ等(リプレイ、JAC及びJACIN)を含むことがあるものとする。単に「ボーナス」といった場合は、特に断りがない限り、レギュラーボーナス及びビッグボーナスを含むものとする。また、「ボーナス」といった場合には、特に説明した場合においては、CT、及びSCTを含むことがあるものとする。役の種別だけではなく、入賞や当選フラグについて使用する場合も同様である。
以上説明した役のうち小役、JAC入賞があった場合に、それぞれの役に応じた枚数のメダルが払い出される(但し、クレジット数が50に達するまでは、役に応じた数のクレジットがデータとして蓄積され、この場合もメダルと同様に有価価値を払い出したこととなる)。また、メダルの払い出しの枚数は、チェリーの小役が上段または下段で4枚、中段で2枚、ベルの小役が7枚、スイカの小役が8枚、JACが15枚である。リプレイ入賞の場合には、次のゲームで遊技者が手持ちのメダルまたはクレジットから賭け数を設定しなくても、今回のゲームと同じ賭け数が自動的に設定されて、そのままゲームを開始可能となる。ボーナス入賞(CT入賞及びSCT入賞を含む)及びJACIN入賞は、遊技状態の移行を伴う入賞であって、ここではメダルの払い出しはない。
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、後述する各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートレバー11の操作時)に、決定するものであり、ゲーム毎にハードウェア乱数機能を用いて取得した内部抽選用の乱数、設定スイッチ91により設定された設定値、及び現在の遊技状態に基づいてROM113内に用意された当選判定用テーブルを参照することによって、CPU111が行うものである。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。内部抽選においていずれかの役に当選すると、当該ゲームにおいて当選役に対応した当選フラグが設定される。
内部抽選のための当選判定用テーブルは、設定値毎に異なるものが用意されているので、内部抽選における各役の当選確率は、設定値に応じて異なるものとなるが、図5では設定値が6である場合を例として示している。また、遊技状態に応じて異なる当選判定用テーブルが用意されているので、図5に示すように、内部抽選における各役の当選確率は、遊技状態に応じて異なっている。
ここで、遊技状態がCTにあるときにリプレイに当選する確率は、通常の遊技状態よりも高くなっている。CTは、遊技者に払い出したメダルの枚数が終了条件となるが、リプレイ入賞しても遊技者にメダルが払い出されることがないので、これによって遊技者の獲得メダル枚数が少なくなることはない。もっとも、通常の遊技状態よりもリプレイ入賞が発生しやすくなることから、CTを終了するまでのゲーム数が多くなり、遊技者の獲得メダル枚数の増加は緩やかなものとなる。
また、遊技状態がCT及びSCTにあるときには、スイカ、ベル、チェリーのいずれの小役も入賞可能であるが、これらの小役についての抽選は行われない(内部抽選により当選と決定されることがない)。もっとも、CT及びSCTにあるときには、CTにおいてリプレイ当選してリプレイ当選フラグが設定された場合を除いて(CTにおいてレギュラーボーナス当選すると、もはやCTでなくなる)、スイカ当選フラグがRAM112に設定される。
CT及びSCTにおけるスイカ、ベル、チェリーのいずれの小役の入賞も、このスイカ当選フラグに基づいて可能となるものである。もっとも、通常の遊技状態及びビッグボーナスにあるときにRAM112にスイカ当選フラグが設定されても、これに基づいて入賞可能となる役は、スイカだけである。CT及びSCTにおけるリプレイ当選フラグが設定されているときでも、リプレイ入賞しないことを条件としていずれの小役にも入賞可能となる。
CTにおいて左のリール3Lが第1リールとなる場合、リプレイ当選フラグが設定され、停止ボタン12Lの操作から75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「JAC」を有効ライン上に導出可能で「チェリー」を回避可能であれば、「チェリー」を回避して「JAC」を有効ライン上に停止させる。そうでなければ、「スイカ」>「ベル」>「チェリー」の優先順位で左のリール3Lを停止させる。ここで、「チェリー」を回避不能なときは、「チェリー」とともに「スイカ」を導出できればまずこれを導出させ、「チェリー」とともに「ベル」を導出できればこれを導出させるものとする。
左のリール3Lが第2リールとなる場合、リプレイ当選フラグが設定され、停止ボタン12Lの操作から75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「JAC」を有効ライン上に導出可能で「チェリー」を回避可能であれば、「チェリー」を回避して「JAC」を有効ライン上に導出させて、テンパイさせる。「チェリー」を回避不能であるときには「チェリー」を導出せざるを得ないが、他の役の入賞は、第3リールとなる中または右のリール3C、3Rの停止時に回避できるので、停止ボタン12Lが操作されたときの位置で左のリール3Lの回転を停止させる。リプレイ当選フラグが設定されていても「JAC」を有効ライン上に揃えることができない場合、有効ライン上にいずれかの小役図柄を導出させることができる(「スイカ」または「ベル」を有効ライン上にテンパイできる、或いは「チェリー」を導出できる)ときには、当該小役図柄を有効ライン上に導出させる。
リプレイ当選フラグが設定されてないときで、有効ライン上にいずれかの小役図柄を導出させることができる(「スイカ」または「ベル」を有効ライン上にテンパイできる、或いは「チェリー」を導出できる)ときには、当該小役図柄を有効ライン上に導出させる。いずれの小役図柄も導出できないときには、第3リールとなる中または右のリール3C、3Rの停止時で入賞を回避できるので、停止ボタン12Lが操作されたときの位置で左のリール3Lの回転を停止させる。
左のリール3Lが第3リールとなる場合、リプレイ当選フラグが設定され、停止ボタン12Lの操作から75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「JAC」を有効ライン上に導出可能で「チェリー」を回避可能であれば、「JAC」を有効ライン上に導出させて、リプレイ入賞させる。「JAC」を導出可能であっても「チェリー」を回避不能であれば、有効ライン上に「JAC」を揃えて停止させない、すなわちリプレイ入賞させずに「チェリー」のみを導出させるものとする。リプレイ当選フラグが設定されていても「JAC」を有効ライン上に揃えることができない場合、有効ライン上にいずれかの小役図柄を導出させることができる(「スイカ」または「ベル」がテンパイしている有効ライン上に「スイカ」または「ベル」をそれぞれ導出できる、或いは「チェリー」を導出できる)ときには、当該小役図柄を有効ライン上に導出させる。
リプレイ当選フラグが設定されてないときで、有効ライン上にいずれかの小役図柄を導出させることができる(「スイカ」または「ベル」がテンパイしている有効ライン上に「スイカ」または「ベル」をそれぞれ導出できる、或いは「チェリー」を導出できる)ときには、当該小役図柄を有効ライン上に導出させる。いずれの小役図柄も導出できなければ、いずれの役の表示態様も導出されないように、左のリール3Lの回転を停止させる。
なお、内部抽選は、SCT以外の遊技状態にある各ゲームにおいて行われ、その結果に応じて当選フラグがRAM112に設定されるものとなる。小役当選フラグ、リプレイ当選フラグ、JAC当選フラグ、及びJACIN当選フラグは、各ゲームの終了時において消去され、これに基づいて入賞が発生したか否かに関わらず、次ゲーム以降に持ち越されることはない。ボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)は、当該ゲームにおいて入賞しなかった場合には、次ゲーム以降にこれに基づいて入賞が発生するまで、次ゲーム以降に持ち越される。また、SCT当選フラグは、これに基づいて入賞が発生したか否かに関わらず、次ゲームの終了時において消去される。
前回のゲーム以前の内部抽選により既にボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)が設定されているときには、ボーナス(CT及びSCTを含む)の抽選が行われることがなく、複数種類のボーナス当選フラグ(CT当選フラグ及びSCT当選フラグを含む)が同時に設定されることがない。既にボーナス当選フラグ(CT当選フラグ及びSCT当選フラグを含む)が設定されていても、小役(リプレイを含む)の抽選は行われるので、小役(リプレイを含む)に当選したときには、ボーナス当選フラグ(CT当選フラグ及びSCT当選フラグを含む)と小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複して設定された状態となることがある。
なお、通常の遊技状態においてボーナス当選フラグ(CT当選フラグ及びSCT当選フラグを含む)と小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)とが重複して設定されているときには、後述するリール3L、3C、3Rの制御において、小役当選フラグ(リプレイ当選フラグを含む)の方が優先される。
次に、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。リール3L、3C、3Rは、それぞれ対応する停止ボタン12L、12C、12Rが操作されることによりそれぞれ停止条件が成立することで、停止されるものとなる。また、リール停止タイマが所定時間を計時することにより順次それぞれの停止条件が成立して自動停止モードに移行されることにより、停止させられるものとなる。リール3L、3C、3Rについては、停止させられる順番により第1リール、第2リール、第3リールと呼ぶものとする。
CT及びSCTにおいて停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rを停止させる場合以外は、停止条件が成立したときの図柄位置から最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で停止可能な図柄の中から実際に停止させる図柄を選択することとなる。この190ミリ秒の最大遅延時間の間に現在位置の図柄と当該図柄から最大4コマ先にある図柄のうちの任意の図柄を選択して有効ライン上に引き込む引き込み制御を行うことができ、同じ範囲で入賞の表示態様とならない図柄を選択する外し制御も行うことができる(この制御を第1制御という)。
CT及びSCT以外の遊技状態において停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止条件が成立したときには、その操作時において当選フラグの設定されている役の図柄が引き込み可能な範囲にあれば、これを選択して有効ライン上に導出させるものとする。つまり、リール停止タイマが所定時間を計時するまでに停止ボタン12L、12C、12Rの全てが操作されたならば、その操作タイミングに応じて入賞となる役の表示態様を導出させることができる。停止ボタン12L、12C、12Rの操作により停止条件が成立したときであっても、いずれの役の当選フラグも設定されていないのであれば、必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。
CT及びSCTの遊技状態において停止ボタン12C、12Rの操作によりリール3C、3Rの停止条件が成立したときには、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で図柄を選択する第1制御によりリール3C、3Rの回転を停止させるが、停止ボタン12Lの操作により左のリール3Lの停止条件が成立したときには、最大75ミリ秒の遅延時間(1コマ以内の引き込み)の範囲で図柄を選択する第2制御によりリール3Lの回転を停止させるものとなる。
CT及びSCTにおいては、リプレイ当選フラグが設定されていなければ、左のリール3Lと中及び右のリール3C、3Rとについてそれぞれ定められた最大停止遅延時間の範囲で小役図柄を有効ライン上に揃えて(左のリールについては「チェリー」を導出させて)停止させる制御を行うが、小役以外の役の図柄が有効ライン上に揃わないようにすることを優先して制御を行うものとする。
CT及びSCTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていれば、左のリール3Lと中及び右のリール3C、3Rとについてそれぞれ定められた最大停止遅延時間の範囲で「JAC」を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行うものとする。もっとも、左のリール3Lについては、最大停止遅延時間が短縮されるので、停止ボタン12Lを操作したときの図柄位置によっては「JAC」を有効ライン上に引き込むことができない場合がある。
左のリール3Lが第3リールとなる場合(少なくとも「JAC」がテンパイしている)、「JAC」を有効ライン上に停止できなくても、「チェリー」を上中下段のいずれかに停止できれば、これを停止させて「チェリー」の小役に入賞させる。もっとも、ここでもリプレイ及び小役以外の役の図柄が有効ライン上に揃わないようにすることを優先して制御を行うものとする。
一方、リール停止タイマが所定時間を計時したことにより停止条件が成立したときには、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で図柄を選択する第1制御により、いずれの役の当選フラグが設定されているかに関わらず、入賞となる役の表示態様の導出させない図柄を選択して有効ライン上に導出させるものとする。つまり、リール停止タイマが所定時間を計時するまでに停止ボタン12L、12C、12Rのうちの一部でも操作されなかったものがあるならば、必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。
ところで、CTまたはSCTにおいて左のリール3Lが第3リールとして停止ボタン12Lの操作によって停止される場合には、引き込み可能な範囲が最大1コマしかないことから、次に説明するパターンで第2リールまで停止したときの表示態様と、停止ボタン12Lが操作されたときの図柄位置によっては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の表示態様の導出を回避するような図柄の選択ができなくなってしまう場合が生じることとなる。
また、リール3L、3C、3Rの一部でも停止ボタン12L、12C、12Rの操作によって停止された場合には、自動停止モードにセットされたときでも引き込み可能な範囲が最大4コマしかないことから、次に説明するパターンで第2リールまで停止したときの表示態様と、第3リールについて停止条件が成立したときの図柄位置によっては、入賞となる役の表示態様の導出を回避するような図柄の選択ができなくなってしまう場合が生じることになる。
図6(a)〜(g)は、第2リールの停止時の表示態様によって、第1制御または第2制御のそれぞれの制御で入賞の表示態様の導出を回避できなくなる禁止目の例を示す図である。ここでは、中及び右のリール3C、3Rが先に停止しており、左のリール3Lが最終停止させられる第3リールとなる場合を示している。中のリール3Cまたは右のリール3Rを第3リールとする場合には、第2制御で停止される場合はなく、また「チェリー」の単図柄が中または右のリール3C、3Rにおいて導出されても入賞とならないので、禁止目が生じることはない。
図6(a)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線の有効ラインに「ベル」が、下段の有効ラインに「スイカ」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の7番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「ベル」が右上から左下の対角線の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。
1コマの引き込みを行うと、「スイカ」が下段の有効ラインに揃い、しかも「チェリー」が上段に現れるので、同時入賞が発生してしまうこととなる。2コマまたは3コマの引き込みを行うと、「チェリー」が中段または下段に現れるので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。4コマの引き込みを行うと、「ベル」が右上から左下の対角線の有効ラインに揃うので、入賞の表示態様を導出してしまうこととなる。従って、CT以外またはSCT以外において小役の内部当選フラグが設定されていないとき、或いは自動停止モードで停止させるときにハズレの表示態様を導出できなくなってしまい、禁止目ということとなる。
図6(b)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線の有効ラインに「JAC」が、下段の有効ラインに「赤7」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の19番の「JAC」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が右上から左下の対角線の有効ラインに揃うので、リプレイ入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「赤7」が下段の有効ラインに揃うので、ビッグボーナス入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
図6(c)の例でも、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「JAC」が、左上から右下の対角線の有効ラインに「赤7」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の19番の「JAC」が上段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が上段の有効ラインに揃い、しかも「チェリー」が下段に現れるので、リプレイとチェリーに同時入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「赤7」が左上から右下の対角線の有効ラインに揃うので、ビッグボーナス入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
図6(d)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線の有効ラインに「JAC」が、下段の有効ラインに「BAR」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の5番の「JAC」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が右上から左下の対角線の有効ラインに揃うので、リプレイ入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「BAR」が下段の有効ラインに揃うので、レギュラーボーナス入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
図6(e)の例でも、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「JAC」が、左上から右下の対角線の有効ラインに「BAR」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の5番の「JAC」が上段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「JAC」が上段の有効ラインに揃うので、リプレイ入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「BAR」が左上から右下の対角線の有効ラインに揃うので、レギュラーボーナス入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
図6(f)の例では、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線の有効ラインに「JAC」が、下段の有効ラインに「白7」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の13番の「白7」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「白7」が下段の有効ラインに揃うので、CT入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「JAC」が右上から左下の対角線の有効ラインに揃うので、リプレイ入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
図6(g)の例でも、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段の有効ラインに「JAC」が、左上から右下の対角線の有効ラインに「白7」がそれぞれ揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、図2の13番の「白7」が上段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させると、「白7」が左上から右下の対角線の有効ラインに揃うので、CT入賞することとなる。1コマの引き込みを行うと、「JAC」が上段の対角線の有効ラインに揃うので、リプレイ入賞することとなる。従って、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき或いはSCTにおいては、入賞させてはならない役(当選フラグが設定されていない役)の入賞を回避できなくなり、禁止目ということとなる。
ここで、当選フラグが設定されているか否かに関わらず、リール停止タイマが所定時間を計時することにより第3リールの停止条件が成立するときには、必ずハズレの表示態様を導出させなければならない。従って、停止ボタンの操作に基づき第1リールを停止させるときには、その停止条件が成立したときにおける位置と当選フラグの設定状況に応じて図柄を停止させるものとする(従来と同じ)が、既に停止している第1リールが図6(a)〜(g)の禁止目を構成するときであって、停止ボタンの操作に基づき第2リールを停止させるときには、図6(a)〜(g)に示したような禁止目を導出しないように停止制御を行うものとする。
もっとも、禁止目以外のテンパイ態様でなければ、最大4コマまでの引き込み制御により第2リールを停止させて、可能な限りテンパイ態様を導出表示させるようにする。また、既に停止している第1リールが禁止目を構成するときであっても、禁止目以外のテンパイ態様を導出表示できるのであれば、これを導出表示させる制御が行われる。禁止目以外にテンパイさせることができる図柄が全くないときには、禁止目を導出しないように停止すべき図柄を選択して、第2リールを停止させることとなる。
また、禁止目とするものではないが、第3リールの停止によっては複数の有効ラインにおいて異なる役の入賞が同時に発生することとなってしまう表示態様もある。同時入賞では、当選フラグの設定されている役(或いはCT中の各種小役)の入賞は問題ないが、それと同時に当選フラグの設定されていない役の入賞も発生してしまうこととなる。そこで、このような可能性のある表示態様を制約目として定義して、第3リールにおいてリールの引き込み制御により同時入賞を回避するリール停止制御が行われる。
図7(a)〜(f)は、第2リールの停止時の表示態様によって、第3リールについて停止する図柄によっては同時入賞が発生してしまうこととなる制約目の例を示す図である。ここでも、中及び右のリール3C、3Rが先に停止しており、左のリール3Lが最終停止させられる第3リールとなる場合を示している。中のリール3Cまたは右のリール3Rを第3リールとする場合には、「チェリー」の単図柄が導出されても入賞とならず、また図2の図柄の配列から、制約目が生じることはない。
図7(a)の例では、通常の遊技状態でリプレイ当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、中段の有効ラインに「JAC」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の6番の「BAR」が中段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。リプレイ入賞させようとして3コマの引き込みを行うと、「JAC」が中段の有効ラインに揃うと同時に「チェリー」が上段に現れるので、同時入賞が発生してしまうこととなる。ビッグボーナス中の小役ゲームでJACIN当選しているときも同様の問題が生じ、通常の遊技状態と小役ゲームでの制約目ということとなる。
図7(b)の例では、通常の遊技状態でリプレイ当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線または下段の有効ラインに「JAC」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の6番の「BAR」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。リプレイ入賞させようとして3コマの引き込みを行うと、「JAC」が下段の有効ラインに揃うと同時に「チェリー」が中段に現れるので、同時入賞が発生してしまうこととなる。ビッグボーナス中の小役ゲームでJACIN当選しているときも同様の問題が生じ、通常の遊技状態と小役ゲームでの制約目ということとなる。
図7(c)の例では、通常の遊技状態でリプレイ当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、上段または左上から右下の対角線の有効ラインに「JAC」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の15番の「ベル」が上段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。リプレイ入賞させようとして4コマの引き込みを行うと、「JAC」が上段の有効ラインに揃うと同時に「チェリー」が下段に現れるので、同時入賞が発生してしまうこととなる。ビッグボーナス中の小役ゲームでJACIN当選しているときも同様の問題が生じ、通常の遊技状態と小役ゲームでの制約目ということとなる。
図7(d)の例では、通常の遊技状態またはビッグボーナス中の小役ゲームで「スイカ」に当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、中段の有効ラインに「スイカ」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の15番の「ベル」が中段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。このまま左のリール3Lを停止させるときに「スイカ」に入賞させようとして1コマの引き込みを行うと、「スイカ」を中段の有効ラインに揃えることができ当該当選役に入賞することができるが、「チェリー」が上段に現れ、同時入賞が発生することとなるので、制約目となる。CTまたはSCTでは、任意の小役に入賞させることができるので、制約目とはならない。
図7(e)の例では、通常の遊技状態またはビッグボーナス中の小役ゲームで「スイカ」に当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線または下段の有効ラインに「スイカ」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の15番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。「スイカ」に入賞させようとして1コマの引き込みを行うと、「スイカ」を下段の有効ラインに揃えることができ当該当選役に入賞することができるが、「チェリー」が中段に現れ、同時入賞が発生することとなるので、制約目となる。CTまたはSCTでは、任意の小役に入賞させることができるので、制約目とはならない。
図7(f)の例では、通常の遊技状態またはビッグボーナス中の小役ゲームで「スイカ」に当選している場合において、第3リールとならない2つのリール3C、3Rについて、右上から左下の対角線または下段の有効ラインに「スイカ」が揃ったテンパイ状態となっている。この状態において、例えば図2の7番の「ベル」が下段に位置しているときに左のリール3Lの停止条件が成立したものとする。「スイカ」に入賞させようとして1コマの引き込みを行うと、「スイカ」を下段の有効ラインに揃えることができ当該当選役に入賞することができるが、「チェリー」が上段に現れ、同時入賞が発生することとなるので、制約目となる。CTまたはSCTでは、任意の小役に入賞させることができるので、制約目とはならない。
第3リールを停止させるときには、当選フラグの設定状況に関わらず同時入賞の発生を避けなければならない。リール停止タイマが所定時間を計時することにより第3リールの停止条件が成立するときには、ハズレの表示態様が導出されるので同時入賞が発生し得ないが、停止ボタン12Lの操作により第3リールとして左のリールが停止されるときには、同時入賞の発生を避けなければならない。停止ボタン12Lの操作により第3リールとして左のリール3Lが停止されるときに、中及び右のリール3C、3Rについて制約目が導出されているかどうかを判定する。制約目を構成すると判定したときには、当選フラグの設定された役の図柄を導出させるよりも同時入賞の回避を優先して、第3リールとしての左のリール3Lを停止させることとなる。
なお、ROM113には、図6(a)〜(g)に示した禁止目、及び図7(a)〜(f)に示した制約目を示すデータが予め記憶されている。CPU111は、いずれの停止条件が成立したときであっても第2リールの停止制御を行うときに、ROM113に記憶された禁止目のデータを参照して、禁止目の導出を避ける制御を行っている。CPU111は、また、停止ボタン12Lの操作により第3リールとなる左のリールの停止制御を行うときに、ROM113に記憶された制約目のデータを参照して、既に停止している中及び右のリール3L、3Cの図柄が制約目を構成する場合には、同時入賞を避ける制御を行っている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
図8は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域(各種フラグの設定領域を含まず)をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。もっとも、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイフラグが消去される)ので、そのままスタートレバー11を操作してゲームの開始を指示すればよい。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、設定値、賭け数及び遊技状態に応じて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選を行い、その結果に応じて当選フラグを設定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、遊技状態がCTまたはSCTにあるときは、抽選結果に関わらずスイカ当選フラグを設定し、CT中にレギュラーボーナスに当選したときには、当該CTを終了させる処理も行う。ここで前回以前のゲームからボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)が持ち越されて設定されている場合には、重ねてボーナス当選フラグ(CT当選フラグ及びSCT当選フラグを含む)を設定することはないが、小役当選フラグやリプレイ当選フラグを重複して設定する場合がある。なお、抽選処理の詳細については後述する。
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなり、ウェイトランプ61を点灯させることによりその旨をウェイト表示部31で報知する。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。このとき、当選フラグに応じて190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止図柄を選択するが、CT中またはSCT中では、左のリール3Lについては75ミリ秒の範囲で停止図柄を選択するものとなる。また、所定の条件が成立してからの経過時間が所定時間(例えば、30秒)となったときに、自動停止モードとしてリール3L、3C、3Rの駆動を強制的に停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた処理として、入賞した役に応じたメダルの払出枚数の設定、リプレイ入賞した場合のリプレイフラグの設定、ボーナス入賞した場合のボーナス当選フラグの消去及びボーナス中フラグの設定(CTやSCTについても同様)などが行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定メダル枚数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、ボーナス(CT及びSCTを含む)の終了の制御や小役当選フラグ及びリプレイ当選フラグの消去、自動停止モードの解除などの入賞に関わらない各種の処理も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
次に、上記したステップS3の抽選処理について詳しく説明する。図9は、CPU111がステップS3で実行する抽選処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112にSCT中フラグが設定されているかどうかにより、当該ゲームにおける遊技状態がSCTにあるかどうかを判定する(ステップS51)。SCTにあれば、内部抽選を行うことなく、RAM112にスイカ当選フラグを設定する。SCT中は、このスイカ当選フラグに基づいて、スイカ、ベル、チェリーのいずれの小役にも入賞することが可能となる(ステップS52)。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
SCTになければ、ハードウェア乱数機能を利用して内部抽選用の乱数を抽出し、当該抽出した乱数の値をRAM112に一時格納する(ステップS53)。さらに、RAM112に一時格納した乱数の値を、設定スイッチ91により設定された設定値、並びに現在の遊技状態(通常、レギュラーボーナス、ビッグボーナス、及びCT)に応じた当選判定用テーブルと比較する(ステップS54)。
次に、RAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTにあるかどうかを判定する(ステップS55)。CTになければ、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選したかどうかを判定する(ステップS56)。いずれかの種類の小役(リプレイ等を含む)に当選していた場合には、当該当選した小役(リプレイ等を含む)の当選フラグをRAM112に設定する(ステップS57)。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
いずれの種類の小役(リプレイ等を含む)にも当選していなかった場合には、前回以前のゲームにおいて既にRAM112にボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)が設定され、ボーナス入賞(CT入賞を含む)が発生せずに持ち越されているかどうかを判定する(ステップS58)。ボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)が設定されていなければ、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、いずれかの種類のボーナス(CT及びSCTを含む)に当選したかどうかを判定する(ステップS59)。
いずれかの種類のボーナス(CT及びSCTを含む)に当選していた場合には、当該当選したボーナス(CT及びSCTを含む)の当選フラグをRAM112に設定する(ステップS60)。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。前回以前のゲームにおいて既にボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)が設定されていた場合、或いはボーナス(CT及びSCTを含む)に当選しなかった場合には、そのまま抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
現在の遊技状態がCTにあれば、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、レギュラーボーナスに当選したかどうかを判定する(ステップS61)。レギュラーボーナスに当選していた場合には、レギュラーボーナス当選フラグをRAM112に設定する(ステップS62)。また、RAM112に設定されているCT中フラグを消去する(ステップS63)。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
レギュラーボーナスに当選していなければ、スイカ当選フラグをRAM112に設定する。CT中は、このスイカ当選フラグに基づいて、スイカ、ベル、チェリーのいずれの小役にも入賞することが可能となる(ステップS64)。次に、乱数の値を当選判定用テーブルと比較した結果、リプレイに当選したかどうかを判定する(ステップS65)。リプレイに当選していた場合には、リプレイ当選フラグをRAM112に設定する。このリプレイ当選フラグは、リール3L、3C、3Rの停止制御においてスイカ当選フラグに優先して参照されるものとなる(ステップS66)。そして、抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。リプレイにも当選していなかった場合には、そのまま抽選処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS5のリール変動停止処理について詳しく説明する。図10は、CPU111がステップS5で実行するリール変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず、リール3L、3C、3Rの回転が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRの全てが基準位置を検出するというリール3L、3C、3Rの停止を可能とする所定の条件が成立したかどうかを判定する(ステップS101)。
この所定の条件が成立していなければ、ステップS101の処理を繰り返し、この所定の条件が成立するのを待機する。この所定の条件が成立した場合には、リール3L、3C、3Rの回転を強制的に停止させるためのリール停止タイマの計時を開始する(ステップS102)。また、左、中、右の停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれの操作有効ランプ63L、63C、63Rを点灯する(ステップS103)。そして、ステップS104の処理に進む。
ステップS104では、ストップスイッチ42Lの検出信号に基づいて、左の停止ボタン12Lが操作されているかどうかを判定する。左の停止ボタン12Lが操作されていないと判定すれば、そのままステップS107の処理に進む。左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS105)。次に、左のリール3Lを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS106)。そして、ステップS107の処理に進む。
ステップS107では、ストップスイッチ42Cの検出信号に基づいて、中の停止ボタン12Cが操作されているかどうかを判定する。中の停止ボタン12Cが操作されていないと判定すれば、そのままステップS110の処理に進む。中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS108)。次に、中のリール3Cを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS109)。そして、ステップS110の処理に進む。
ステップS110では、ストップスイッチ42Rの検出信号に基づいて、右の停止ボタン12Rが操作されているかどうかを判定する。右の停止ボタン12Rが操作されていないと判定すれば、そのままステップS113の処理に進む。右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS111)。次に、右のリール3Rを対象リールとして詳細を後述するリール停止制御処理を行う(ステップS112)。そして、ステップS113の処理に進む。
ステップS113では、左、中及び右の全てのリール3L、3C、3Rが停止しているかどうかを判定する。全てのリール3L、3C、3Rが停止している場合には、リール変動停止処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。一方、リール3L、3C、3Rのうちで1つでも停止していないものがあれば、リール変動開始処理において計時を開始したリール停止タイマが所定時間(例えば、30秒)を計時したかどうかを判定する(ステップS114)。リール停止タイマが所定時間を計時していなければ、ステップS104の処理に戻り、ステップS104〜S114の処理を繰り返す。
リール停止タイマが所定時間を計時した場合には、リール3L、3C、3Rの停止モードを自動停止モードにセットする(ステップS115)。さらに、詳細を後述するリール停止制御処理を行い、リール3L、3C、3Rのうちで未だ停止していないものの回転を停止させる(ステップS116)。そして、リール変動停止処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS106、S109、S112、S116のリール停止制御処理について詳しく説明する。図11〜図14は、CPU111がステップS106、S109、S112、S116で実行するリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。リール停止制御処理では、まずリール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされているかどうかを判定する(ステップS200)。
自動停止モードにセットされていないときは、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によりリール3L、3C、3Rのいずれかの回転が停止される場合であり、ここでは、RAM112にCT中フラグまたはSCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTまたはSCTにあるかどうかを判定する(ステップS201)。
現在の遊技状態がCT及びSCTになければ、対象リールが第2リールであるかどうかを判定する(ステップS202)。対象リールが第2リールであれば、RAM112にレギュラーボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がビッグボーナス中のレギュラーボーナス(JACゲーム)にあるかどうかを判定する(ステップS203)。
現在の遊技状態がレギュラーボーナスになければ、対象リールが左のリール3Lであるかどうかを判定する(ステップS204)。対象リールが左のリール3Lでなければ、左のリール3Lが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS205)。左のリール3Lが未だ停止していなければ、中のリール3Cと右のリール3Rとが第1、第2リールとなる場合であるので、先に停止している第1リールについて可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS206)。ここで、第1リールについて導出されている図柄が、図6に示した禁止目(CTまたはSCTのみで禁止目とされるものを除く)の一部を構成しているかどうかを判定する(ステップS207)。
禁止目の一部を構成していれば、禁止目が導出されるのを回避することを優先しつつ、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止操作を行ったタイミングで対象リールについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、対象リールの回転を停止させる(ステップS208)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
また、ステップS202で対象リールが第2リールでないと判定された場合には、対象リールが第3リールであるかどうかを判定する(ステップS209)。対象リールが第3リールであれば、さらに対象リールが左のリール3Lであるかどうかを判定する(ステップS210)。対象リールが左のリール3Lであれば、中のリール3Cと右のリール3Rとが第1、第2リールとなって停止している場合であるので、先に停止している中、右のリール3C、3Rについて可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS211)。ここで、中、右のリール3C、3Rついて導出されている図柄が、図7に示した制約目を構成しているかどうかを判定する(ステップS212)。
制約目を構成していれば、同時入賞が発生するのを回避することを優先しつつ(つまり、当選フラグの設定された役であっても、これを入賞させることによって他の役にも入賞するなら、入賞させない)、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止操作を行ったタイミングで対象リールについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、導出すべき図柄を選択し、対象リールの回転を停止させる(ステップS213)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS204で対象リールが左のリール3Lであると判定された場合、ステップS205で左のリール3Lが既に停止していた場合、ステップS207で第1リールについて導出されている図柄が禁止目の一部を構成していなかった場合、ステップS209で対象リールが第3リールでないと判定された場合、ステップS210で対象リールが左のリール3Lでないと判定された場合、及びステップS212で中、右のリール3C、3Rについて導出されている図柄が制約目を構成していなかった場合には、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止操作を行ったタイミングで対象リールについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて導出すべき図柄を選択し、対象リールの回転を停止させる(ステップS214)。ここでの停止制御は、従来のスロットマシンにおいて行われていたのと同じに行うことができる。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
なお、ここで対象リールが第1リールであれば、いずれかの役の当選フラグが設定されているときには、当該役の図柄を有効ライン上に導出できる位置(現在の図柄位置から4コマ先の位置まで)にあればこれを必ず導出させるが、そうでなければ任意の図柄を導出させればよい。対象リールが第3リールであれば、いずれかの役の当選フラグが設定されているときには、当該役の図柄がテンパイしている有効ライン上に導出できる位置(現在の図柄位置から4コマ先の位置まで)にあればこれを必ず導出させるが、そうでなければいずれの役の図柄も有効ライン上に導出させないものとすればよい。
また、ステップS203で現在の遊技状態がレギュラーボーナス(JACゲーム)にあった場合には、賭け数として1が設定され、中段の1本の有効ラインだけが設定された状態となっており、当選していない役の入賞を回避不能となることがないので、レギュラーボーナス中の入賞図柄を有効ライン上にテンパイさせるようにリールモータを制御して、対象リールの回転を停止させる(ステップS215)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS201で現在の遊技状態がCTまたはSCTにあると判定された場合には、対象リールが左のリール3Lであるかどうかを判定する(ステップS216)。左のリール3Lであるときには、対象リールが第1リールとなるかどうかを判定する(ステップS217)。第1リールとなる場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS218)。
リプレイ当選フラグが設定されている場合には、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に「JAC」を導出するように、左のリール3Lの回転を停止させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS219)。有効ライン上に「JAC」図柄を揃えて停止させることが可能であれば、「チェリー」が導出されるのを回避しつつ、左のリール3Lの回転を停止させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS220)。
「チェリー」が導出されるのを回避しつつ、左のリール3Lの回転を停止させることが可能であれば、「チェリー」が導出されるのを回避することを優先しつつ、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に「JAC」を導出させて、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS221)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS218でリプレイ当選フラグが設定されていない場合、ステップS219で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止させることができない場合、及びステップS220で「チェリー」が導出されるのを回避できない場合には、「スイカ」>「チェリー」>「ベル」の優先順位で図柄を導出するように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS222)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS217で対象リールとなった左のリール3Lが第1リールでないと判定された場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS223)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS224)。「JAC」を揃えて停止させることが可能であれば、「チェリー」が導出されるのを回避しつつ、左のリール3Lの回転を停止させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS225)。
「チェリー」が導出されるのを回避しつつ、左のリール3Lの回転を停止させることが可能であれば、「チェリー」が導出されるのを回避することを優先しつつ、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に「JAC」を揃えて、左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS226)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
「チェリー」が導出されるのを回避できない場合には、対象となった左のリール3Lが第3リールとなるかどうかを判定する(ステップS227)。第3リールとなる場合には、有効ライン上に「JAC」を揃えないように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS228)。この場合は、リプレイ入賞しないが、「チェリー」の小役に入賞するものとなる。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS223でリプレイ当選フラグが設定されていない場合、ステップS224で「JAC」を揃えて停止させることが不可能である場合、及びステップS227で対象リールが第3リールでないと判定された場合には、対象リールとなった左のリール3Lを75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲(第2制御)で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させること(「チェリー」を単独で導出させることを含む)が可能であるかどうかを判定する(ステップS229)。
小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、第2制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS230)。ここで、左のリール3Lが第3リールである場合において、「スイカ」または「ベル」を有効ライン上に揃えて停止させるときには、リプレイ当選フラグが設定されていないか或いは設定されていても「JAC」を有効ライン上に揃えられないことが条件であるため(ステップS223、S224)「JAC」が有効ライン上に揃うことはない。また、「チェリー」についても同様にステップS223、S224の条件により「JAC」を有効ライン上に揃えないようにして導出させることができる。また、左のリールが第2リールである場合には、第3リールとなる中または右のリール3C、3Rの停止時に、「チェリー」以外の小役やリプレイを入賞させる、或いは入賞を避ける制御を任意に行うことができる。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第2リールに「赤7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「JAC」のいずれも有効ライン上に揃って停止することがないように、また、「チェリー」が導出されることがないように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS231)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
また、ステップS216で対象リールが左のリール3Lでないと判定された場合には、対象リールが第2リールであるかどうかを判定する(ステップS232)。対象リールが第2リールである場合には、左のリール3Lが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS233)。対象リールが第2リールでないか、左のリール3Lが既に停止している場合には、ステップS241の処理に進む。
対象リールが第2リールであって、左のリール3Lが未だ停止していない場合には、先に停止している第1リールについて可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS234)。ここで、停止している第1リールについて導出された図柄が図6に示した禁止目の一部を構成しているかどうかを判定する(ステップS235)。第1リールについて導出された図柄が禁止目の一部を構成していなければ、ステップS241の処理に進む。
第1リールについて導出された図柄が禁止目の一部を構成していれば、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS236)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により有効ライン上に「JAC」を揃えて(すなわちテンパイさせて)、対象リール(第2リール)の回転を停止させる。ここで、「JAC」と他の図柄とがダブルテンパイしてもよい(ステップS237)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
リプレイ当選フラグが設定されていなければ、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に「スイカ」または「ベル」の小役図柄を揃えて停止させる(すなわち、テンパイさせる)ことが可能であるかどうかを判定する(ステップS238)。小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、禁止目の回避を優先しつつ、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて対象リール(第2リール)の回転を停止させる。ここで、禁止目でなければ、小役図柄と他の図柄とがダブルテンパイしてもよい。また、禁止目を回避するために小役図柄がテンパイしないこともある(ステップS239)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、禁止目を回避しつつ、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により対象リール(第2リール)の回転を停止させる。ここで、禁止目でなければ、いずれかの図柄がテンパイ(ダブルテンパイを含む)してもよい(ステップS240)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS241では、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する。リプレイ当選フラグが設定されていれば、対象リールが第3リールであるかどうかを判定する(ステップS242)。対象リールが第3リールである場合には、第1リールまたは第2リールとして既に停止している左のリール3Lについて「チェリー」が導出されているかどうかを判定する(ステップS243)。
停止している左のリール3Lについて「チェリー」が導出されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により有効ライン上に「JAC」が導出されないように対象リール(第3リール)の回転を停止させる。つまり、既に「チェリー」の入賞が確定しているときには、リプレイ当選していてもリプレイ入賞させない(ステップS244)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS242で対象リールが第3リールでないと判定された場合、及びステップS243で左のリール3Lについて「チェリー」が導出されていない場合には、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により「JAC」を有効ライン上に導出させて対象リールの回転を停止させる。もっとも、対象リールが第3リールである場合において、第2リールまでにおいて「JAC」がテンパイしていなければ、「JAC」を有効ライン上に揃えることはできない(ステップS245)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS241でリプレイ当選フラグが設定されていなければ、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させる(第1リールであれば上中下段のいずれかに導出させる、第2リールであればテンパイさせる、第3リールであれば入賞させる)ことが可能であるかどうかを判定する(ステップS246)。小役図柄を揃えて停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて対象リールの回転を停止させる(ステップS247)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第3リールである場合には「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」が有効ライン上に揃って停止することがないように、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により対象リールの回転を停止させる(ステップS248)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
一方、ステップS200においてリール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされていると判定された場合には、ここで未だ回転中のリール3L、3C、3Rの回転を停止させることとなるが、このときの停止制御は最大停止遅延時間190ミリ秒の第1制御により行われることとなる。また、遊技状態がCT及びSCTにあれば、RAM112にCT中フラグ及びSCT中フラグが設定されていないもの(すなわち、通常の遊技状態)とみなして(それ以外の遊技状態では現在の遊技状態のまま)、停止制御を行うものとする。
ここでは、まずリール3L、3C、3Rの全てが未だ回転中であるかどうかを判定する(ステップS249)。リール3L、3C、3Rの全てが回転中であれば、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして(元々当選フラグが設定されていない場合を含む。以下、同じ)、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS250)、中のリール3Cの回転を停止させ(ステップS251)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS252)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ここで、「停止タイミングに応じて停止」とは、各リールにおいて停止条件が成立したときの現在の図柄位置と設定されている当選フラグに基づいて当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない(当選フラグが設定されていないものとみなした場合を含む)役の図柄が揃わないように外し制御を行ったりして、リールの回転を停止させることである。
全てのリール3L、3C、3Rの全てが回転中ではない場合には、左のリール3Lが既に回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS253)。左のリール3Lが回転を停止していなければ、中のリール3Cが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS254)。中のリール3Cが回転を停止していた場合には、さらに右のリール3Rも回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS255)。
右のリール3Rが回転を停止していた場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして(元々当選フラグが設定されていない場合を含む)、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS256)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
右のリール3Rが回転を停止していない場合には、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS257)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS258)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS254で中のリール3Cが回転を停止していない場合には、右のリール3Rだけが既に停止している場合であり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて左のリール3Lの回転を停止させ(ステップS259)、さらに中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS260)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS253で左のリール3Lが回転を停止していた場合には、さらに中のリール3Cが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS261)。中のリール3Cが回転を停止していなかった場合には、さらに右のリール3Rが回転を停止しているかどうかを判定する(ステップS262)。右のリール3Rが回転を停止していれば、中のリール3Cだけが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS263)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
右のリール3Rも回転を停止していなければ、中のリール3Cと右のリール3Rとが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて中のリール3Cの回転を停止させ(ステップS264)、さらに右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS265)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS261で中のリール3Cが回転を停止していた場合には、右のリール3Rだけが回転中ということであり、RAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなして、停止タイミングに応じて右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS266)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
以上のように自動停止モードにセットされている場合には、第3リールの回転が停止される際に(ステップS252、S256、S258、S260、S263、S265、S266)、いずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなされることから、可変表示装置2にはハズレの表示態様が導出されることとなる。
次に、上記したステップS6の入賞判定処理について詳しく説明する。図15は、CPU111がステップS6で実行する入賞判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、賭け数に応じて設定された有効ライン上に、遊技状態に応じて入賞の表示態様となる図柄が揃ったかどうかを判定する(ステップS301)。入賞の表示態様となる図柄が揃っていなければ、ステップS313の処理に進む。
入賞の表示態様となる図柄が揃っていた場合には、当該入賞の表示態様がボーナス入賞(SCT入賞を含む)の表示態様であり、対応するボーナス当選フラグ(SCT当選フラグを含む)がRAM112に設定されていなかったものであるかどうかを判定する(ステップS302)。当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていないボーナス入賞の表示態様であった場合には、エラー終了する。このときのエラー処理については、本発明と関係がないので説明を省略する。
当該入賞の表示態様が当選フラグの設定されていないボーナス入賞の表示態様でなければ、入賞の表示態様が導出表示された有効ラインに対応した1枚、2枚または3枚賭けランプ54〜58の点滅表示させる(ステップS303)。また、当該入賞の表示態様がいずれかのボーナス(CTを含む)の表示態様であるかどうかを判定する(ステップS304)。
いずれかのボーナス(JACIN、CTを含む)の表示態様である場合には、当該ボーナスの種類に対応したボーナス中フラグ(CT中フラグを含む)をRAM112に設定し(ステップS305)、RAM112に設定されているボーナス当選フラグ(CT当選フラグを含む)を消去する(ステップS306)。さらに、レギュラーボーナス入賞またはJACIN入賞であればRAM112に設けられたゲーム数や入賞数をカウントするためのカウンタの値を初期化し、ビッグボーナスまたはCT入賞であれば払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS307)。そして、ステップS313の処理に進む。
入賞の表示態様がボーナスの表示態様でない場合には、SCTの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS308)。SCTの表示態様である場合には、RAM112にSCT中フラグを設定する(ステップS309)。そして、ステップS313の処理に進む。SCTの表示態様でもない場合には、リプレイの表示態様であるかどうかを判定する(ステップS310)。入賞の表示態様がリプレイの表示態様である場合には、RAM112にリプレイフラグを設定する(ステップS311)。このリプレイフラグは、次のゲームで賭け数が自動設定されたときに、消去されるものとなる。そして、ステップS313の処理に進む。
入賞の表示態様がリプレイの表示態様でもなければ、小役またはJACの表示態様であり、メダルの払出を伴う役に入賞したものとなるので、当該入賞の表示態様に応じて定められたメダルの払い出し数(チェリーが4枚または2枚、ベルが7枚、スイカは8枚、JACは15枚)を払い出し予定数としてRAM112に設定する(ステップS312)。そして、ステップS313の処理に進む。
ステップS313では、入賞の有無、及び入賞した役の種類を示す入賞情報コマンドを生成して、これを演出制御基板102に送信する。そして、入賞判定処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図16は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS401)。
次に、RAM112にボーナス中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がボーナスとなっているかどうかを判定する(ステップS402)。現在の遊技状態がボーナスとなっていれば、RAM112の各種カウンタを用いて、当該ボーナスにおける払出メダル枚数(ビッグボーナスの場合)、或いはゲーム数や入賞数(レギュラーボーナス(ビッグボーナス中のものを含む)の場合)をカウントする(ステップS403)。
そのカウント結果として、ボーナスの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS404)。ボーナスの終了条件となっていなければ、そのままステップS413の処理に進む。ボーナスの終了条件となっていれば、終了したボーナスに対応したRAM112のボーナス中フラグを消去する。また、ボーナスにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値(ビッグボーナスの終了の場合)、ゲーム数や入賞数をカウントするためのカウンタの値(レギュラーボーナス終了の場合)を初期化する(ステップS405)。そして、ステップS413の処理に進む。
現在の遊技状態がボーナスになっていなければ、RAM112にCT中フラグが設定されているかどうかにより、現在の遊技状態がCTとなっているかどうかを判定する(ステップS406)。現在の遊技状態がCTとなっていれば、RAM112のカウンタを用いて、当該CTにおける払出メダル枚数をカウントする(ステップS407)。
そのカウント結果として、CTの終了条件となったかどうかを判定する(ステップS408)。CTの終了条件となっていなければ、そのままステップS413の処理に進む。CTの終了条件となっていれば、RAM112のCT中フラグを消去する。また、CTにおける払出メダル枚数をカウントするためのカウンタの値を初期化する(ステップS409)。そして、ステップS413の処理に進む。
ステップS406で現在の遊技状態がCTともなっていなければ、現在の遊技状態がSCTとなっているかどうかを判定する(ステップS410)。現在の遊技状態がSCTとなっていれば、RAM112にスイカ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS411)。スイカ当選フラグが設定されていれば、SCTで1ゲームが終了したこととなるので、RAM112のSCT中フラグを消去する(ステップS412)。そして、ステップS413の処理に進む。
現在の遊技状態がSCTとなっていないと判定された場合、或いはSCTとなっていてもスイカ当選フラグが設定されていない場合(SCT入賞したゲームということとなる)には、そのままステップS413の処理に進む。ステップS413では、RAM112に小役当選フラグ、リプレイ当選フラグ、JAC当選フラグ、JACIN当選フラグが設定されていれば、これを消去する。ボーナス当選フラグ、CT当選フラグは、当該ゲームにおいて対応する役に入賞していなければRAM112から消去しないで、次のゲームに持ち越させる。
次に、リール3L、3C、3Rの停止モードが自動停止モードにセットされているかどうかを判定する(ステップS414)。自動停止モードにセットされていなければ、そのまま払出処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。自動停止モードにセットされていれば、自動停止モードを解除する(ステップS415)。そして、払出処理を終了して、図8のフローチャートに復帰する。図8のフローチャートに復帰すると、そのまま1ゲーム分の処理が終了することとなる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、ボーナス、CT、SCTの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じて各種のコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、演出を行っている。このような演出としては、コマンドにより直接実行が指示された演出の他、入賞情報コマンドに基づいて行う入賞時演出があるが、これらの演出については本発明と直接的な関わりがないため、詳細な説明を省略する。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がCTまたはSCTにあるときのゲームでは、左のリール3Lについて停止ボタン12Lの操作から回転の停止までの最大遅延時間が190ミリ秒から75ミリ秒に短縮され、いずれの種類の小役も入賞させることができるようになる。このように遊技者の技量によって小役の入賞を発生させることができるので、技術介入性が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されているときであっても、左のリール3Lについての最大停止遅延時間は、75ミリ秒であってリプレイ当選フラグが設定されていないときと変わりがない。つまり、リプレイ当選フラグが設定されているか否かに関わらず、CT中における左のリール3Lの図柄のすべりコマ数は同じであるので、遊技者に違和感を感じさせることがない。
これに対して、CT中における左のリール3Lの最大停止遅延時間を75ミリ秒で統一したので、特に技量の低い遊技者にあっては、リプレイ当選フラグが設定されていてもリプレイ入賞させることができない場合が多くなってしまい、賭け数の設定で消費するメダルの量が多くなる。これに対して、リプレイ当選フラグが設定されているときにリプレイ入賞が不可能であっても小役入賞する場合もあるので、賭け数の設定のために減らしたメダルの量を小役入賞によって回復できるものとなる。これにより、技量の低い遊技者であってもCTにおける利益を十分に確保することができる。もっとも、リプレイ当選フラグが設定されているときでリプレイ入賞可能であれば、小役に優先して入賞させるので、リプレイの抽選そのものが無意味となってしまうこともない。
一方、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されているときであっても、左のリール3Lが第3リールとなる際にリプレイ入賞させると同時に小役入賞することが回避不能となる中と右のリール3C、3Rの表示態様は、制約目として定義されている。このように制約目を定義しておき、リプレイ入賞と同時に小役入賞を発生させることがないようにしている。このため、技量の高い遊技者であってもリプレイによる利益と小役による利益とを同時に得ることはできず、射倖性を抑制することができる。
また、CTにおいて左のリール3Lに「チェリー」が導出されている状態で中または右のリール3C、3Rを第3リールとして停止させるときには、リプレイ当選フラグが設定されていても「JAC」を有効ライン上に揃えないように制御している。これにより、リプレイ入賞と同時に小役入賞が発生することがなく、技量の高い遊技者であってもリプレイによる利益と小役による利益を同時に得ることはできず、射倖性を抑制することができる。
さらに、SCTまたはCTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないときに、左のリール3Lが第3リールとなる際にリプレイ入賞を避けるとビッグボーナスなどに入賞することが回避不能となる中と右のリール3C、3Rの表示態様は、禁止目として定義されている。禁止目は、第2リールの停止時において導出されないように制御されている。このように禁止目を定義しておくことで、リプレイ入賞を避けることによってビッグボーナスなどに入賞してしまうのを確実に避けることができ、一方、ビッグボーナスなどに入賞してしまうのを避けることによって入賞させてはならないリプレイに入賞してしまうのを確実に避けることができるようになる。禁止目を導出しないための制御は、CTにおいても最大停止遅延時間が190ミリ秒の中または右のリール3C、3Rについて行うので、その制御を容易に行うことができる。
また、遊技状態がCTにあるか否かに関わらず、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されないままリール停止タイマが所定時間の経過を計時すれば、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が停止される。つまり、1ゲームに要する時間が無限のものにはならず、遊技者が遊技を行っていても実質的に十分な稼働率を得られないということがなくなる。
ここで自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が停止される場合には、どのような遊技状態であっても、いずれの役の当選フラグが設定されていても、可変表示装置2の表示結果としては必ずハズレの表示態様が導出されることとなる。このため、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防ぐことができ、射倖性の抑制の担保を図ることができる。しかも、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rの一部でも操作することなく、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの一部でも停止されると、自動停止により停止したリールにおいては必ずハズレの表示態様が導出されてしまうので、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することを促すことができるようになる。
ところで、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がCTにあるときには、左のリール3Lの最大停止遅延時間を短縮するとともに内部抽選の結果によらずに小役入賞を可能とするというだけではなく、通常の遊技状態に比べてリプレイ当選確率も高くしている。この結果として、CTにおいては最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮されることからリプレイ当選していても取りこぼす場合が生じるが、リプレイ当選確率を高くすることでリプレイ入賞の発生が減らないようにすることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、自動停止モードにセットされてリール3L、3C、3Rの回転が強制的に停止させられるものとなっていた。自動停止モードにセットされると、必ずハズレの表示態様が導出されてしまうので、自動停止モードにセットされるまでの残り時間を報知したり、リール3L、3C、3Rが回転開始した後に所定の条件が成立してからの経過時間を報知して、自動停止モードにセットによるリール3L、3C、3Rの停止までの残り時間を遊技者が認識することができるようにしてもよい。これにより、遊技者は、残り時間を考慮して停止ボタン12L、12C、12Rを操作することができるようになる。
また、自動停止モードにセットされるまでの残り時間、自動停止モードにセットされるまでの残り時間が10秒(他の秒数としてもよい)を切ったこと、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出された旨の警告を液晶表示器4に表示して、遊技者に報知するものとしてもよい。これらは、液晶表示器4に表示して遊技者に報知するだけではなく、専用の表示器を用いて報知したり、スピーカ7からの音声の出力、或いはランプ類(遊技効果LED75A〜75M等)の点灯によって報知するものとしてもよい。報知するものの種類毎に用いる報知手段を変えてもよい。1つのものの報知に対して、複数種類の報知手段を用いて報知を行ってもよい。
ここで、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなかったがために可変表示装置2にハズレの表示態様が導出された旨の警告は、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されたゲームだけではなく、停止ボタン12L、12C、12Rの操作によってリール3L、3C、3Rの全ての回転が停止されたゲームにおいても、停止ボタン12L、12C、12Rを操作しなければ可変表示装置2にハズレの表示態様が導出される旨の警告を行うものとしてもよい。全てのゲームでこのような警告を行うことで、さらに遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rの操作を促すことができるようになる。
これらの報知の制御を演出制御基板102のCPU121が行うため、リール3L、3C、3Rが回転開始した後にステップS101で所定の条件が成立した旨を示すコマンドと、自動停止モードが解除されたときにその旨を示すコマンドを遊技制御基板101のCPU111が送信するものとすればよい。また、遊技制御基板101の接続された報知手段があれば、遊技制御基板101のCPU111が報知の制御を行うものとしてもよい。一部の種類の報知について遊技制御基板101のCPU111が制御し、他の種類の報知について演出制御基板102のCPU121が制御するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、自動停止モードによりリール3L、3C、3Rの回転が停止されるときに、最大190ミリ秒の遅延時間の範囲で停止対象のリールについて停止させるべき図柄を選択し、該選択した図柄を導出させるものとしていた。リール3L、3C、3Rのうちの全てが自動停止モードにより停止される場合であっても、一部だけが自動停止モードにより停止される場合であっても同じであった。これに対して、リール3L、3C、3Rの全てが自動停止モードにより停止される場合には、最大停止遅延時間の制約を受けることなく、いずれの役の入賞表示態様ともならない特定の表示態様(特定ハズレ目)を必ず導出させるものとしてもよい。
図17は、この変形例におけるリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。自動停止モードにセットされていないときの処理は、上記の実施の形態(図11〜図13)と同じであり、自動停止モードにセットされたときの処理が、上記の実施の形態と異なる。
ステップS249でリール3L、3C、3Rの全てが回転している場合には、最大停止遅延時間の制限なく、可変表示装置2の表示結果として特定ハズレ目が導出されるように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる(ステップS299)。ここでのリール3Lの停止は、左から右に順に行ってもよいが、他の順序で行ってもよい。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
また、第3リールの回転を停止させる場合、CTであれば通常遊技状態とみなす(それ以外の遊技状態では、現在の遊技状態に従って制御を行う)とともにRAM112にいずれの役の当選フラグも設定されていないものとみなす(元々当選フラグが設定されていない場合を含む)だけではなく、特定ハズレ目の導出を避けることを優先しつつ第3リールの停止タイミングに応じて回転を停止させる(ステップS256’、S258’、S260’、S263’、S265’、S266’)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
この変形例では、上記の実施の形態の効果に加えて、次のような効果を奏するものとなる。すなわち、全てのリール3L、3C、3Rが自動停止モードにより強制的に停止された場合には、常に特定ハズレ目が導出されるので、リール3L、3C、3Rの全てを自動停止モードにより停止させる場合には、190ミリ秒の最大遅延時間の制御を受けずに一定の制御を行えばよいので、ハズレの表示態様を導出させる場合の制御が簡単になる。
一方、停止ボタン12L、12C、12Rの一部でも操作されていれば、特定ハズレ目が導出されることはないので、停止ボタン12L、12C、12Rが全く操作されないと、いつも同じ特定ハズレ目が導出されて、必ずハズレになることを遊技者に認識させることができる。これにより、遊技者に停止ボタン12L、12C、12Rを操作することを促すことができるようになる。
上記の実施の形態では、リール停止タイマが所定時間を計時して自動停止モードにセットされると、それまでにリール3L、3C、3Rの一部でも回転を停止していたか否かに関わらず、当選フラグの設定状況によらずに必ずハズレの表示態様が導出されるものとしていた。これに対して、自動停止モードにセットされた際にリール3L、3C、3Rの一部でも回転を停止していれば、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び停止タイミングに応じて導出すべき図柄を選択し、未停止のリールの回転を停止させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、リール3L、3C、3Rの回転が自動停止モードにより停止される場合には、190ミリ秒の最大遅延時間の範囲内で停止図柄を選択するものとしていたが、このような制限を受けることなく、停止図柄を選択できるようにしてもよい。最大遅延時間の制限を受けることなく停止図柄を選択できるようにした場合には、図2の図柄配列では禁止目が生じないものとなるので、第2リールの停止時において禁止目の導出を避ける制御が不要となる。
上記の実施の形態では、CT及びSCTにおいては左のリール3Lについての最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮され、この範囲で引き込み制御や外し制御を行うものとしていた。これに対して、中のリール3Cまたは右のリール3Rについて最大停止遅延時間を短縮するものとしてもよい。また、CT及びSCTにおいて最大停止遅延時間を短縮するリールの数は、1つに限るものではなく、2つまたは3つとしてもよい。ここで、例えばCT及びSCTにおいて左及び中のリール3L、3Cについて最大停止遅延時間を75ミリ秒に短縮する場合には、次のような制御を行うものとすることができる。
図18、図19は、この変形例におけるリール停止制御処理を詳細に示すフローチャートである。遊技状態がCTまたはSCTにないときの処理は、上記の実施の形態(図11、図14)と同じである。遊技状態がCTまたはSCTにあるときの対象リールが左のリール3Lである場合の処理も、上記の実施の形態(図12)と同じである。この変形例では、遊技状態がCTまたはSCTにあるときの対象リールが左のリール3Lでない場合の処理が、上記の実施の形態と異なる。
ステップS216で対象リールが左のリール3Lでない場合には、対象リールが中のリール3Cであるかどうかを判定する(ステップS267)。対象リールが中のリール3Cである場合には、さらに対象リールが第1リールであるかどうかを判定する(ステップS268)。対象リールとなった中のリール3Cが第1リールである場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS269)。
リプレイ当選フラグが設定されていれば、75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に「JAC」を停止させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS270)。「JAC」を停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により「JAC」を有効ライン上に導出させて第1リールとなる中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS271)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS269でリプレイ当選フラグが設定されていないか、ステップS270で「JAC」を停止させることが不可能であれば、有効ライン上に「スイカ」>「ベル」の優先順位で図柄を導出するように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で第1リールとなる中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS272)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
対象リールとなった中のリール3Cが第1リールでない場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS273)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止させる(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS274)。ここで、左のリール3Lに「チェリー」が導出されて停止しているときであって中のリール3Cが第3リールとなるときには、「JAC」を揃えて停止させることは不可能であると判定されるものとなる。
「JAC」を揃えて停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により「JAC」を有効ライン上に導出させて中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS275)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS273でリプレイ当選フラグが設定されていないか、ステップS274で「JAC」を揃えて停止させることが不可能であれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS276)。小役を揃えて停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS277)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
小役を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第3リールである場合には「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」が有効ライン上に揃って停止することがないように、最大停止遅延時間が75ミリ秒の第2制御により中のリール3Cの回転を停止させる。中のリール3Cについて「チェリー」は入賞とならないので、導出させてもよい(ステップS278)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS267で対象リールが中のリール3Cでなかった場合には、さらに対象リールが第1リールであるかどうかを判定する(ステップS279)。対象リールとなった右のリール3Rが第1リールである場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS280)。
リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により「JAC」を有効ライン上に導出させて第1リールとなる右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS281)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
リプレイ当選フラグが設定されていなければ、禁止目の一部を構成する図柄が導出されるのを回避することを優先して、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS282)。この段階で禁止目の回避を優先するのは、中のリール3Cの最大停止遅延時間も75ミリ秒となるので、中のリール3Cの停止時において禁止目の導出が避けられなくなってしまう場合があるからである。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS279で対象リールとなった右のリール3Rが第1リールでないと判定された場合には、RAM112にリプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS283)。リプレイ当選フラグが設定されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることができる可能性があるかどうかを判定する(ステップS284)。既に停止している左のリール3L或いは中のリール3Cにおいて「JAC」が有効ライン上に導出されていなければ、右のリール3Rにおいて「JAC」を揃えて停止させることができる可能性はない。
「JAC」を揃えて停止させることができる可能性があれば、対象リールが第3リールであるかどうかを判定する(ステップS285)。対象リールが第3リールである場合には、既に停止している左のリール3Lについて「チェリー」が導出されているかどうかを判定する(ステップS286)。「チェリー」が導出されていれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により有効ライン上に「JAC」が導出されないように第3リールの回転を停止させる(ステップS287)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS285で対象リールが第3リールでないと判定された場合、及びステップS286で左のリール3Lについて「チェリー」が導出されていない場合には、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御で有効ライン上に「JAC」を揃えて(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞させて)、対象リールの回転を停止させる(ステップS288)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS283でリプレイ当選フラグが設定されていなければ、対象リールが第2リールであるかどうかを判定する(ステップS289)。対象リールが第2リールである場合には、中のリール3Cが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS290)。対象リールが第2リールであって、中のリール3Cが既に停止している場合には、先に停止している中のリール3C(第1リール)について可変表示装置2に導出されている図柄の態様を調べる(ステップS291)。
ここで、停止している中のリール3C(第1リール)について導出された図柄が図6に示した禁止目の一部を構成しているかどうかを判定する(ステップS292)。既に停止している中のリール3C(第1リール)について導出された図柄が禁止目の一部を構成していれば、禁止目の回避を優先しつつ、有効ライン上に「スイカ」>「ベル」の優先順位で図柄を導出するように、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により第2リールの回転を停止させる(ステップS293)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
ステップS284で「JAC」を揃えて停止させることができる可能性がない場合、ステップS289で対象リールが第2リールでないと判定された場合、ステップS290で中のリール3Cが未だ停止していない場合、及びステップS292で既に停止している中のリール3C(第1リール)について導出された図柄が禁止目の一部を構成していない場合には、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御で有効ライン上に小役図柄を揃えて停止(第2リールではテンパイ、第3リールでは入賞)させることが可能であるかどうかを判定する(ステップS294)。
小役を揃えて停止させることが可能であれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により当該小役図柄を有効ライン上に導出させて対象リールの回転を停止させる(ステップS295)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。小役を揃えて停止させることが不可能であれば、いずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、すなわち第3リールである場合には「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」が有効ライン上に揃って停止することがないように、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により対象リールの回転を停止させる(ステップS296)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
以上説明したように、この変形例では、CTにおいて左のリール3Lと中のリール3Cの2つの最大停止遅延時間が190ミリ秒から75ミリ秒に短縮される。ここで、右のリール3Rは、第1リールとして停止されるときであっても禁止目の一部を構成する図柄を導出しないように制御される。このため、最大停止遅延時間を短縮した中のリール3Cを第2リールとして停止させるときに禁止目の導出を避けられなくなるということがなくなり、CTにおいて入賞させてはならない役の入賞(リプレイと小役の同時入賞や当選フラグが設定されていない役の入賞など)の発生や、自動停止モードにより最終停止される際に入賞の発生が避けられなくなるということがなくなる。
上記の実施の形態では、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていて左のリール3Lを第3リールとして停止させるときに、リプレイ入賞させると「チェリー」も同時に入賞されてしまう場合には、リプレイ入賞を避けるように図柄の選択を行っていた。もっとも、リプレイ当選フラグが設定されているときに、75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で有効ライン上に「JAC」を揃えて停止させられるのに、リプレイ入賞させないのは好ましいことではない。
そこで、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されているときに第3リールの停止でリプレイ入賞させると、同時に他の役にも入賞してしまう表示態様を特定禁止目と定義して、第1、第2リールの停止時において回避するようにすることができる。図20は、この変形例におけるリール3L、3C、3Rの図柄配列を示す図である。この配列は、図2に示した図柄配列と、左のリール3Lにおいて10番の「チェリー」が「BAR」に変更されている点で異なっている。図21は、この変形例における特定禁止目の例を示す図である。
図21に示すように、左のリール3Lよりも先に停止した中と右のリール3C、3Rの表示態様が、「JAC」の上段受けでのテンパイ態様となっているものとする。ここで、左のリール3Lの図柄が「スイカ」(16番)→「チェリー」→「ベル」→「JAC」となっている位置で停止ボタン12Lが操作されたものとする。リプレイ入賞させようとして75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で1コマ分の引き込みを行うと、「JAC」が上段に停止してリプレイ入賞することとなるが、「チェリー」(17番)が未だ下段にあって同時入賞してしまうので、禁止目の一態様として特定禁止目として定義されるものとなる。リプレイ当選フラグが設定されていないときには、そもそも「JAC」の引き込みの必要がないので、特定禁止目とはならない。
図22は、この変形例におけるリール停止制御処理を示すフローチャートである。この変形例では、ステップS235において第1リールにおいて導出された図柄が禁止目(特定禁止目を含む)の一部を構成すると判定されたときの処理と、ステップS242において対象リールが第3リールでないと判定されたときの処理が、図13のフローチャートと異なる。
ステップS235において第1リールにおいて導出された図柄が禁止目の一部を構成している場合には、当該禁止目が特定禁止目であるかどうかを判定する(ステップS2001)。特定禁止目でなければ、ステップS236の処理に進む。ステップS236以降の処理は、図13のフローチャートと同じである。特定禁止目であれば、リプレイ当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS2002)。リプレイ当選フラグが設定されていなければ、ステップS238の処理に進む。ステップS238以降の処理は、図13のフローチャートと同じである。
リプレイ当選フラグが設定されていれば、特定禁止目を避けつつ「JAC」が有効ライン上に導出されるように(すなわち、テンパイされるように)、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御で対象リールの回転を停止させる。より具体的には、右のリール3Rの上段または中段に「JAC」が導出されているときには、対象リールとなる中のリール3Cについて中段に「JAC」を導出させる。右のリール3Rの下段に「JAC」が導出されているときには、対象リールとなる中のリール3Cについて下段に「JAC」を導出させる。中のリール3Cの中段、下段に「JAC」が導出されている(上段には導出されない)ときには、対象リールとなる右のリール3Rについて、それぞれ中段、下段に「JAC」を導出させる(ステップS2003)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
また、ステップS242で対象リールが第3リールでないと判定された場合には、対象リールが中のリール3Cであるかどうかを判定する(ステップS2004)。対象リールが中のリール3Cではなく、右のリール3Rである場合には、ステップS245の処理に進む。ステップS245以降の処理は、図13のフローチャートと同じである。
対象リールが中のリール3Cである場合には、上段以外の中段または下段に「JAC」を導出可能であるかどうかを判定する(ステップS2005)。中段または下段に「JAC」を導出可能であれば、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により中段または下段に「JAC」を導出させて、中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS2006)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。上段以外に「JAC」を導出可能でなければ、「JAC」を上段に導出できるときであっても、これが導出されるのを避けて、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS2007)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。
以上説明したように、この変形例によれば、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されて左のリール3Lが第3リールとなるときに、リプレイ入賞させると「チェリー」の小役にも同時に入賞してしまう表示態様を特定禁止目と定義し、第2リールの停止時において特定禁止目の導出を回避するものとしている。これにより、制約目の制御によらなくても、リプレイ入賞とともに他の小役に同時入賞してしまうのを確実に回避することができ、射倖性を抑制することができる。また、特定禁止目を予め定義して制御を行うことで、リール3L、3C、3Rの図柄配列を特定禁止目を必ず避けられる図柄配列にしなくても特定禁止目が生じないので、特定禁止目が生じない図柄配列にすることによって生じるリール3L、3C、3Rの他の図柄配列の制約を避けることができる。
また、制約目の制御によらないことから、リプレイ入賞が可能な状態にあるのに、他の役との同時入賞を避けるためにリプレイ入賞させることができないという不都合を回避することができる。さらに、中のリール3Cの回転を停止させるときには、「JAC」を上段以外に導出させるため、さらに右のリール3Rの回転を停止させる際に特定禁止目を避けるため、「JAC」をテンパイさせられなくなるということがなくなる。
上記の実施の形態では、CT中にリプレイ当選フラグが設定されているときに左の停止ボタン12L(図18、図19の変形例ではさらに中の停止ボタン12C)の操作タイミングによっては75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲ではリプレイ入賞させることができないときであっても、この最大停止遅延時間の範囲で小役入賞させることができれば、小役入賞させるように左のリール3Lを停止制御していた。しかし、とりわけ技量の高い遊技者であれば、リプレイ当選しているときのリプレイ入賞を敢えて回避して、小役(特に払出メダル枚数の多い「スイカ」)に入賞させてしまうということも不可能ではない。
上記の実施の形態では、CTまたはSCTにおいてリプレイと小役の同時入賞は禁止されていたが、異なる種類の小役の同時入賞は、リール3L、3C、3Rが如何なる順序で停止される場合においても可能であった。もっとも、左のリール3Lが第3リールとなる場合以外は、異なる種類の小役が同時入賞しないように制御してもよい。左のリール3Lが第3リールとなる場合には、同時入賞を避けると小役入賞する場合が減ってしまうので、異なる種類の小役であっても同時入賞可能となるように制御してもよい。
図23は、この変形例におけるリール停止制御処理を示すフローチャートである。この変形例では、ステップS246において有効ライン上に小役図柄を揃えて停止させることが可能であると判定されたときの処理が、図13のフローチャートと異なる。また、リール3L、3C、3Rの図柄配列として、図20に示した図柄配列が適用されているものとする。
ステップS246において小役図柄を揃えて停止させることが可能であると判定されると、左のリール3Lが既に停止しているかどうかを判定する(ステップS2101)。左のリール3Lが既に停止していれば、第1リールまたは第2リールとして既に停止している左のリール3Lについて「チェリー」が導出されているかどうかを判定する(ステップS2102)。
既に停止している左のリール3Lについて「チェリー」が導出されていれば、「チェリー」以外のいずれの役の図柄も有効ライン上に揃えて導出されないように、最大停止遅延時間が190ミリ秒の第1制御により対象リールの回転を停止させる(ステップS2103)。そして、リール停止制御処理を終了して、図10のフローチャートに復帰する。左のリール3Lが未だ停止していないか、停止していても「チェリー」の小役が導出されていない場合には、ステップS247の処理に進む。ステップS247の処理は、図13に示したものと同じである。
以上説明したように、この変形例によれば、左のリール3Lを第3リールとすれば複数種類の小役に同時入賞させることができるが、そうでなければ複数種類の小役に同時入賞させることはできない。中または右のリール3C、3Rが第3リールとなるときに「スイカ」または「ベル」がテンパイしているときに、最大停止遅延時間が190ミリ秒あるので、4コマの引き込み範囲で比較的容易に「スイカ」または「ベル」の小役に入賞させることができる。特に左のリール3Lを第1リールとすれば、「スイカ」または「ベル」をテンパイさせるのも比較的容易である。もっとも、「チェリー」との同時入賞は避けられるので、複数種類の小役の同時入賞により大きな利益を受けることはできない。
複数種類の小役に同時入賞させるためには、「スイカ」を中段または下段受け、もしくは「ベル」を上段、中段または下段受けでテンパイさせた上で、「チェリー」の小役の並んで配置された16番の「スイカ」、もしくは18番の「ベル」(上段または中段受けの場合)、または15番の「ベル」(下段受けの場合)を75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲、すなわち1コマの引き込み範囲内で有効ライン上に揃うように、左のリール3Lを停止させなければならない。
特に8枚のメダルが払い出される「スイカ」と、4枚のメダルが払い出される上段の「チェリー」に同時入賞させる(下段の「チェリー」では「スイカ」と同時入賞しない)ためには、「スイカ」を中段受けでテンパイさせた上で、「チェリー」の小役の並んで配置された16番の「スイカ」を、左のリール3Lの中段に導出させなければならない。
このように複数種類の小役に同時入賞させるためには、かなりの技量が要求されるものとなる。これにより、CT及びSCTにおいて、技量の高い遊技者ほど多くの利益が得られるというスロットマシン本来の技術介入性が高まり、遊技の興趣を向上させることができるとともに、偶然性によって遊技者が多くの利益を得てしまうことを回避できるので射倖性を抑制することもできる。
なお、図23の例において、左のリール3Lが第3リールになるときには、中と右のリール3C、3Rについて「スイカ」を有効ライン上にテンパイさせることができれば、「ベル」に優先して「スイカ」をテンパイさせることができる。「スイカ」のテンパイの態様としては、第3リールとなる左のリール3Lで下段受けまたは中段受けできる態様を優先する。「ベル」と「スイカ」をダブルテンパイさせられるならば、ダブルテンパイさせてもよい。このように左のリール3Lを第3リールとして停止させるときには、メダルの払い出し枚数が多い「スイカ」を優先してテンパイさせるので、技術介入性を高くした分だけ多くの利益を獲得できる可能性があり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の停止制御では、左の停止ボタン12Lを最初に操作して左のリール3Lを第1リールとして停止させる場合、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていれば、リプレイ、「ベル」の小役、または「チェリー」の小役のいずれかに必ず入賞することとなる。リプレイ当選フラグが設定されていないときであっても、「ベル」と「チェリー」のいずれも左のリール3Lに導出させることができないのは、配列上僅かにしかないので、多くの場合は「ベル」の小役か「チェリー」の小役に入賞することとなる。もっとも、複数種類の小役に同時入賞することはなく、最高でも「ベル」の小役による7枚のメダルの払い出ししか受けることができない。
これに対して、左の停止ボタン12Lを最後に操作して左のリール3Lを第3リールとして停止させる場合には、リプレイ当選フラグが設定されているときには「JAC」以外がテンパイしていることはない。「JAC」は必ずテンパイさせられるが、左のリール3Lについての最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮されているので、この範囲で「JAC」を有効ライン上に導出できなければ、よくても「チェリー」の小役に入賞させることができるだけである。リプレイ当選フラグが設定されていないときには「スイカ」がテンパイするが、左のリール3Lについて75ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で「スイカ」を有効ライン上に導出できなければ、よくても「チェリー」の小役に入賞させることができるだけである。もっとも、「スイカ」を有効ライン上に導出できるときには、「スイカ」の小役に入賞し、さらには「チェリー」の小役にも同時入賞させることができる。
このように停止ボタン12L、12C、12Rを操作する順番に応じてリール3L、3C、3Rの停止制御を行うことで、最大で得られる利益は少ないが入賞が確実になるように左の停止ボタン12Lを最初に操作するか、入賞は難しいが最大で得られる利益が多くなるように左の停止ボタン12Lを最後に操作するかを、遊技者が選択できるようになる。これによって遊技性が向上し、遊技の興趣を向上させることができる。CTは、払出メダル枚数が253枚に達したことで終了するので、1ゲームの払い出しが多けほど短いゲーム数で終了し、賭け数の設定にメダルを消費する量が少なくて済むようになる。つまり、難しい操作で遊技を行うと、CT中に獲得できるメダルの枚数が多くなるので遊技性を向上させるものとなる。なお、図23に示した変形例は、図22のフローチャートに対しても適用することができる。
上記の実施の形態では、CT中にリプレイ当選していても小役入賞させることができたので、技量の高い遊技者であれば、敢えてリプレイをハズシて小役入賞させることも不可能ではない。これに対して、CT中におけるリプレイ抽選を無意味なものとしないため、CTにおける遊技者の技量を判定し、判定された技量が一定レベル以下である場合に限って、CT中にリプレイ当選当選フラグが設定されているときにリプレイ入賞させられないときであって「スイカ」または「ベル」の小役に入賞が可能なときには、これらの小役に入賞させるものとしてもよい。もっとも、左のリール3Lに導出されただけで入賞となる「チェリー」の小役は、判定された技量のレベルに関わらずに入賞可能とすることができる。
また、遊技者の技量を3段階のレベルで判定する場合には、技量が最低レベルと判定されたときでリプレイ当選フラグが設定されているときには、「スイカ」と「ベル」の小役のいずれにも入賞可能なものとし、技量が中間レベルと判定されたときでリプレイ当選フラグが設定されているときには、メダルの払出枚数の少ない「ベル」の小役にのみ入賞可能なものとしてもよい。技量が最高レベルと判定されたときにリプレイ当選フラグが設定されているときには小役としては、「チェリー」のみに入賞可能になるものとしてもよい。
このように遊技者の技量のレベルに応じてリプレイ当選フラグが設定されているときであっても、所定の場合に小役入賞も可能となるようにすることで、技量の高い遊技者が敢えてリプレイをハズシて小役を狙うといったことができなくなる。これにより、CT中におけるリプレイの抽選がメダルの急激な増加を抑制するものとして適切に作用するようになり、射倖性の抑制の担保を確実に図ることができる。
なお、CTにおいて遊技者の技量を判定するために、例えば、CTにおける各ゲームで入賞が発生したか否かと、入賞が発生したときにおける停止ボタン12Lが操作されてから左のリール3Lが停止するまでのスベリ量(遅延時間)とをRAM112に履歴として記憶しておくものとすることができる。RAM112に記憶されたCT中のゲームの履歴に基づいて、入賞が発生したゲームの割合が高いほどレベルが高いものと、左のリール3Lが停止するまでのスベリ量が小さいほどレベルが高いものと、遊技者の技量を判定することができる。技量の判定は、CT中のゲーム毎に行っても、所定ゲーム数(例えば5ゲーム)毎に行って、次の5ゲームは同じ判定結果を用いるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、CT及びSCT以外の遊技状態では、リール3L、3C、3Rのいずれも190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で、すなわち4コマまでの引き込み範囲で停止されるものとなっていたが、CT及びSCTでは、左のリール3Lの最大停止遅延時間が75ミリ秒に短縮され、1コマまでの引き込み範囲で停止されるものとなっていた。もっとも、CT及びSCTにおける最大停止遅延時間の短縮により引き込み可能なコマ数が減少して、これによってリプレイ当選しているときに取りこぼす可能性があるならば、CT及びSCTにおける最大停止遅延時間は、75ミリ秒に限らない。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態で入賞可能な小役及びリプレイ以外の役として、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、CT、SCTの4種類があったが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスのいずれか一方、及びSCTはなくてもよい。また、小役の種類は、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」の3種類に限られるものではなく、他の種類の小役があってもよい。「チェリー」の小役のように、一部のリールに導出されただけで入賞となる単図柄入賞はなくてもよい。
上記の実施の形態では、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、予め停止位置が記憶されたリール制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも適用することができる。
テーブル方式によりリール3L、3C、3Rの停止制御を行うスロットマシンでは、停止条件が成立したときの現在の図柄位置では選択可能な範囲にある図柄であっても、遊技状態と当選状況の設定状況に応じて禁止目(特定禁止目を含む)を導出させる位置は、図柄の停止位置として選択できないものとしてリール制御テーブルに登録している。例えば、前述したとおり、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき、或いはSCTにおいて図6(b)、(c)の態様が禁止目となる。
CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されていないとき、或いはSCTにおいて、図24(a)に示すように先に右のリール3Rが停止しているときに適用されるリール制御テーブルの例を図24(b)に示す。図24(b)のリール制御テーブルにおける「図番」の欄の数字は、停止操作時において中段に位置している図柄(表示中識別情報)の図番であり、「左リール3L」、「中リール3C」の欄の数字は、実際に中段に停止される図柄の図番(導出識別情報を特定する情報としての図柄ナンバー情報)を表している。
例えば、左の停止ボタン12Lが2番目に操作されたときには、左のリール3Lについて禁止目を導出させ、選択し得ない図柄というのがないので、小役として「スイカ」を中段にテンパイさせることを優先し、これが不可能なときは「チェリー」を導出させるように、中段に停止される図柄の番号が登録されている。
中の停止ボタン12Cが2番目に操作されたときには、0番の「JAC」、11番の「赤7」、12番の「JAC」、及び20番の「赤7」を中段に停止させる図柄として選択し得ない。図24(b)のリール制御テーブルでは、これらの図番が登録されているところはない。なお、図2の配列では190ミリ秒の最大停止遅延時間であれば全て「スイカ」を中段に停止させられるので、停止ボタン12Lが操作されたときの位置から最も近くにある「スイカ」が中段に停止される図柄として登録されたものとなっている。
他の禁止目(特定禁止目)についても、図24(b)に示したのと同様に、停止条件が成立したときの図柄位置に応じて選択する図柄として禁止目を構成しない図柄を登録したリール制御テーブルを用いて、これを回避する制御を行うことができる。なお、リール制御テーブルは、選択可能な図柄が2つ以上あれば、それらの全てを登録し、最終的にいずれを選択する図柄を抽選によって選択してもよい。また、選択する図柄の番号自体を登録したものでなくても、例えば図24(c)のように送りコマ数を登録したものであってもよい。
また、テーブル方式によりリール3L、3C、3Rの停止制御を行うスロットマシンでは、CTにおいてリプレイ当選フラグが設定されているときに、停止条件が成立したときの現在の図柄位置では「JAC」を有効ライン上に揃えることが可能であっても、これによってリプレイ入賞させると同時に他の役にも入賞してしまう場合には、「JAC」を有効ライン上に停止する図柄として選択できないものとしてリール制御テーブルに登録されている。
図25は、リプレイと他の役の複合入賞を避けるためのリール制御テーブルの例を説明する図である。図2の図柄配列では(図20の図柄配列でもそうであるが)、リプレイとの複合入賞となってしまう役は、「チェリー」の小役しかない。左のリール3Lが第3リールとなる場合であると、図25(a)に示すように中段受けで「JAC」がテンパイしている場合、図25(b)に示すように下段受けで「JAC」がテンパイしている場合、図25(c)に示すように上段受けで「JAC」がテンパイしている場合の3通りのテンパイ態様がある。
図25(d)は、中段受けの場合において図番を登録したリール制御テーブルを、図25(e)は、中段受けの場合において送りコマ数を登録したリール制御テーブルを示す。図25(f)は、下段受けの場合において図番を登録したリール制御テーブルを、図25(g)は、下段受けの場合において送りコマ数を登録したリール制御テーブルを示す。図25(h)は、上段受けの場合において図番を登録したリール制御テーブルを、図25(i)は、上段受けの場合において送りコマ数を登録したリール制御テーブルを示す。なお、図25(d)〜(i)のリール制御テーブルは、図2の図柄配列に対応している。
「JAC」が中段受けでテンパイしているとき、「JAC」を中段に導出させても17番の「チェリー」が導出されることはないが、9番の「JAC」を中段に導出させると10番の「チェリー」が上段に導出されてしまう。従って、左のリール3Lについて8番の「スイカ」(9番の「JAC」が上段)または9番の「JAC」が中段に位置しているときに停止ボタン12Lが操作されたときには、図25(d)、(e)に示すように、それぞれ8番の「スイカ」、10番の「チェリー」を中段に停止する図柄として選択する(それぞれ「JAC」が上段、下段に導出される)ように、図番または送りコマ数を登録している(斜体字が対応)。
他は、「JAC」を中段に導出させることができれば、これを中段に停止する図柄として選択するように、「JAC」を中段に導出させることができなくても「チェリー」を上中下段のいずれかに導出させることができれば、上段または下段を優先して「チェリー」を導出させ、「チェリー」も導出させることができなければ、停止ボタン12Lの操作時に表示されている図柄を選択するように、図番または送りコマ数を登録している。
「JAC」が下段受けでテンパイしているとき、「JAC」を下段に導出させても17番の「チェリー」が導出されることはないが、9番の「JAC」を下段に導出させると10番の「チェリー」が中段に導出されてしまう。従って、左のリール3Lについて9番の「JAC」または10番の「チェリー」が中段(9番の「JAC」が下段)に位置しているときに停止ボタン12Lが操作されたときには、図25(f)、(g)に示すように、それぞれ9番の「JAC」、11番の「ベル」を中段に停止する図柄として選択する(それぞれ「JAC」が中段に導出される、「JAC」が導出されない)ように、図番または送りコマ数を登録している(斜体字が対応)。
他は、「JAC」を下段に導出させることができれば、これを下段に停止する図柄として選択するように、「JAC」を下段に導出させることができなくても「チェリー」を上中下段のいずれかに導出させることができれば、上段または下段を優先して「チェリー」を導出させ、「チェリー」も導出させることができなければ、停止ボタン12Lの操作時に表示されている図柄を選択するように、図番または送りコマ数を登録している。
「JAC」が上段受けでテンパイしているとき、「JAC」を上段に導出させて10番の「チェリー」が導出されることはないが、19番の「JAC」を上段に導出させると17番の「チェリー」が下段に導出されてしまう。従って、左のリール3Lについて17番の「チェリー」が中段(19番の「JAC」が上段のさらに1つ上)または18番の「ベル」が中段(19番の「JAC」が上段)に位置しているときに停止ボタン12Lが操作されたときには、図25(h)、(i)に示すように、それぞれ17番の「チェリー」、19番の「JAC」を中段に停止する図柄として選択するように、図番または送りコマ数を登録している(斜体字が対応)。
他は、「JAC」を上段に導出させることができれば、これを上段に停止する図柄として選択するように、「JAC」を上段に導出させることができなくても「チェリー」を上中下段のいずれかに導出させることができれば、上段または下段を優先して「チェリー」を導出させ、「チェリー」も導出させることができなければ、停止ボタン12Lの操作時に表示されている図柄を選択するように、図番または送りコマ数を登録している。
なお、中または右のリール3C、3Rが第3リールになるときであって、左のリール3Lについて「チェリー」が導出されていると共に「JAC」が有効ライン上にテンパイしているときにも、第3リールについてテンパイしている有効ライン上に「JAC」を停止させると複合入賞が発生してしまう。そこで、中または右のリール3C、3Rが第3リールになるときについても、「JAC」をテンパイしている有効ライン上に停止させる図柄として選択しない情報を登録したリール制御テーブルを用いて、停止図柄を選択するものとしている。
また、テーブル方式のスロットマシンにおいて図17に示した手法を適用する場合には、リール3L、3C、3Rの全てが未停止で自動停止モードにセットされたときには、特定ハズレ出目を導出する制御を登録したリール制御テーブルを参照して、図柄の停止位置を決めればよい。リール3L、3C、3Rの一部が未停止で自動停止モードにセットされたときには、上記で設定されていないものとみなされた当選フラグに対応した役がハズレていることに対応するリール制御テーブルを参照して、図柄の停止位置を決めればよい。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。