JP4416930B2 - 画像情報の記録方法及び再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置に使用して好適な画像情報の記録方法及び再生方法に関する。詳しくは上述の再生装置において再生される画像情報で、水平または垂直方向に標準テレビジョン方式の画像信号の3倍以上に拡幅された画像情報の記録及び再生を良好に行うものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばフィールド上で行われる試合や舞台上のパフォーマンスの画像の収録においては、試合やパフォーマンスの内容を余すところなく収録する意味で、フィールドや舞台の全体の画像を収録することが望まれる。しかしながらフィールドや舞台の全体は、一般的に極めて横長なものであり、例えば標準テレビジョン方式の4:3の画面や、高精細度テレビジョン方式の16:9の画面においても、その上下に無用な部分が生じてしまうものである。
【0003】
このためこのような収録の行われた画像では、フィールドや舞台の部分の解像度が低下し、肝心の試合やパフォーマンスの内容の部分に求められる画質を得ることができないものである。これに対して従来の方法では、フィールドや舞台の一部分をクローズアップして、全体の画像に切り替えて収録することが行われているが、これではその間の別の部分が収録されず、試合やパフォーマンスの内容を余すところなく収録する目的に反するものである。
【0004】
また、例えば複数の撮影装置と複数の記録手段を用いて、横長や縦長のアスペクト比の極端に異なる画像を分割して並列に撮影記録し、これらを同期再生することにより、例えば横長や縦長な画像を良好に記録再生する方法も考えられる。しかしこれを実現するには極めて大掛かりな装置等が必要とされるものである。一方、例えば記録媒体を倍速再生することにより、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とした再生装置が実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この出願はこのような点に鑑みて成されたものであって、解決しようとする問題点は、従来の方法では、例えばフィールド上で行われる試合や舞台上のパフォーマンスのようなアスペクト比が通常より大きく異なる画像を、簡易な装置で良好に記録再生することはできなかったというものである。またこの出願は、例えば記録媒体の倍速再生を行うことにより、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされた再生装置を利用するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため本発明においては、充分な解像度で撮影された動画像情報から所望のアスペクト比の画像情報を切り出してこれを2フレームに縮小して記録し、また2フレームの画像情報を接続拡大してこれを任意に切り出して再生するようにしたものであって、これによれば、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を良好に記録すると共に、これを同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能な再生装置を用いて良好に再生することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置に用いられる画像情報を形成するための画像情報の記録方法であって、充分な解像度で撮影された動画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、この切り出された画像情報の水平または垂直幅を再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して再生装置で同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録してなるものである。
【0008】
また、本発明は、充分な解像度で撮影された動画像情報から再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、この切り出された画像情報の水平または垂直幅を再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録された記録媒体を再生する画像情報の再生方法であって、記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置を有し、同時に再生処理される少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の画像情報を水平または垂直方向に接続し、この接続された画像情報の水平または垂直幅を縮小の逆比率で拡大し、この拡大された画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出して再生信号を形成してなるものである。
【0009】
例えばプレイステーション2(登録商標)と呼ばれる再生装置においては、例えば記録媒体を倍速再生することにより、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされている。本発明はこのような再生装置を利用するためのものである。以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1は本発明を実施するためのシステム全体の1つの形態を示す構成図である。
【0010】
すなわち図1において、被写体としての例えばフィールドや舞台(図示せず)に対して、例えば高精細度テレビジョン(HDTV)方式用のカメラ1が被写体の全体を撮影するように固定で設置される。このカメラ1では、例えば1920×960ピクセル(アスペクト比16:9)/毎秒30フレームの画像信号が撮影される。このカメラ1で撮影された画像信号(動画像情報)が画像処理装置2に供給される。
【0011】
この画像処理装置2では、上述のカメラ1で撮影された動画像情報から、例えば1920×480ピクセル(アスペクト比12:3)/毎秒30フレームの画像情報が切り出される。さらにこの画像情報が、例えば1280×480ピクセル(アスペクト比8:3)/毎秒30フレームに縮小される。そしてこの画像情報が例えば水平方向に2フレームに分割されて、例えば640×480ピクセル(アスペクト比4:3)/毎秒60フレームの画像情報が形成される。
【0012】
さらにこの画像処理装置2で形成された画像情報が、例えばMPEG(Moving Picture coding Experts Group)2のエンコーダ3に供給される。そしてこのエンコーダ3でエンコードされた画像信号が、記録装置4に供給されて記録媒体(図示せず)に倍速記録される。なおこの記録媒体(図示せず)の形態は任意であり、この記録媒体に記録された画像信号から例えば頒布用のDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体5が作成される。
【0013】
このようにして作成された記録媒体5が、例えば記録媒体を倍速再生することにより同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされた再生装置6に装着される。
【0014】
そしてこの再生装置6では、例えば上述の記録媒体5の倍速再生とMPEG2のデコードが行われることによって、例えば640×480ピクセル/毎秒60フレームの画像情報がデコードされる。この画像情報の各フレームの左右の画像が例えば水平方向に接続されて、例えば1280×480ピクセル/毎秒30フレームの画像情報が形成される。さらにこの画像情報が、例えば1920×480ピクセル/毎秒30フレームに拡大される。
【0015】
また、再生装置6には任意の操作手段7が設けられる。そしてこの操作手段7の操作に応じて、例えば上述の1920×480ピクセル/毎秒30フレームの画像情報から、任意の例えば640×480ピクセル/毎秒30フレームの画像情報が切り出される。さらにこの画像情報から標準テレビジョン方式の画像信号(再生信号)が形成され、この再生信号がテレビジョン受像機8に供給されて、例えば640×480ピクセル/毎秒30フレームの再生画像が表示される。
【0016】
さらにこのシステムで、画像情報の処理は例えば図2に示すように行われる。すなわち図2において、上述のカメラ1から画像処理装置2には、例えば図2のAに示すように1920×960ピクセル/毎秒30フレームの画像信号が供給される。そして画像処理装置2では、まず図2のBに示すように所望の1920×480ピクセル/毎秒30フレームの画像情報が切り出され、さらに図2のCに示すように1280×480ピクセル/毎秒30フレームに縮小される。
【0017】
この縮小された画像情報が、それぞれ640×480ピクセルずつの左右の2画像に分割される。さらにこの実施形態では上述の分割された左右の2画像がそれぞれインターレースによる奇数フィールドと偶数フィールドとに分離される。すなわち画像を形成する水平走査線の1本置きの走査線からなる640×240ピクセルの奇数フィールドと、残りの走査線からなる640×240ピクセルの偶数フィールドとに分離される。
【0018】
そして例えば図2のDに示すように第1フレームの左画像の奇数フィールドと右画像の奇数フィールドとでフレーム1が形成される。また、第1フレームの左画像の偶数フィールドと右画像の偶数フィールドとでフレーム2が形成される。さらに第2フレームの左画像の奇数フィールドと右画像の奇数フィールドとでフレーム3が形成され、第2フレームの左画像の偶数フィールドと右画像の偶数フィールドとでフレーム4が形成され、以下順次各フレームが形成される。
【0019】
これによって、例えば640×480ピクセル/毎秒60フレームの画像信号が形成される。なお、このように左右画像の奇数フィールドと偶数フィールドとが交互に設けられた信号形態によれば、左右の2画像についてはそれぞれ640×240ピクセルの奇数フィールドと偶数フィールドとが毎秒60フィールドで交互に設けられることになるので、再生時に標準テレビジョン方式の画像信号を形成する場合に好適である。
【0020】
さらにこの図2のDに示す形態の画像信号が、MPEG2のエンコーダ3に供給されて図2のEに示すような信号にエンコードされる。なおこのエンコードは例えばDVDの仕様に沿ったもので、例えば15フレームごとにフレーム内圧縮によるIピクチャーが形成され、その間の3フレームごとにIピクチャーとの差分圧縮によるPピクチャーが形成され、さらにその間のフレームはI及びPピクチャーとの差分圧縮によるBピクチャーとされるものである。
【0021】
ただし上述の図2のDに示す形態の画像信号では、奇数番目のフレームと偶数番目のフレームとで水平走査線がインターレースされているので、MPEG2のエンコードを行う際にはこれらを一致させる処理が事前に行われる。このようにしてエンコードされた画像信号が記録装置4で記録されて、例えば頒布用のDVD等の記録媒体5の作成が行われる。そしてこの記録媒体5が再生装置6に装着されて再生が行われる。
【0022】
そこで再生装置6では、記録媒体5が倍速再生されると共にMPEG2のデコードが行われて、例えば上述の図2のDに示す形態の画像信号が復元される。そしてこの画像信号の各フレームごとに左右の画像が接続されることによって、この実施形態では例えば1280×240ピクセル/毎秒60フィールドの図2のFに示すような画像が形成され、さらに左右に拡大されて例えば1920×240ピクセル/毎秒60フィールドの図2のGに示すような画像が形成される。
【0023】
さらに上述の操作手段7の操作に応じて、任意の位置の例えば640×240ピクセル/毎秒60フィールドの画像情報が切り出され、この画像情報から標準テレビジョン方式の画像信号(再生信号)が形成される。なおこの再生信号は、いわゆるインターレース形式で形成される。そしてこの再生信号がテレビジョン受像機8に供給されて、例えば図2のHに示すような640×480ピクセル/毎秒30フレームの再生画像が表示される。
【0024】
こうして上述のシステムによれば、例えば1920×480ピクセル(アスペクト比12:3)/毎秒30フレームの画像情報を記録媒体5に記録することができると共に、この記録媒体5を同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされた再生装置6で再生することによって、例えば操作手段7の操作に応じて任意の位置の640×480ピクセル/毎秒30フレームの再生画像をテレビジョン受像機8に表示させることができる。
【0025】
これにより、例えばフィールド上で行われる試合や舞台上のパフォーマンス内容を余すところなく収録すると共に、再生時には、操作手段7の操作に応じてその中の任意の部分を切り出してテレビジョン受像機8に表示させることができる。すなわち操作によって希望の部分を取り出すことができると共に、その操作は、例えば左右方向を示す操作部を用いて容易に行うことができるので、操作者の意図に応じた再生を容易且つ良好に行うことができるものである。
【0026】
なお、上述のシステムにおいて、画像情報の切り出しや縮小拡大、分割、接続等の画像処理は既知の手段を用いて行うことができるものである。また、インターレースによる奇数、偶数フィールドへの分離や、標準テレビジョン方式の画像信号の形成等の処理も既知の手段を用いて行うことができるものである。さらに操作手段による切り出し位置の制御等の処理も既知の手段を用いて行うことができるものである。
【0027】
従ってこの実施形態において、充分な解像度で撮影された動画像情報から所望のアスペクト比の画像情報を切り出してこれを2フレームに縮小して記録し、また2フレームの画像情報を接続拡大してこれを任意に切り出して再生することによって、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を良好に記録すると共に、これを同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能な再生装置を用いて良好に再生することができる。
【0028】
これによって、従来の方法では、例えばフィールド上で行われる試合や舞台上のパフォーマンスのようなアスペクト比が通常より大きく異なる画像を、簡易な装置で良好に記録再生することはできなかったものを、本発明によれば、例えば記録媒体の倍速再生を行うことにより、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされた再生装置を利用することによって、これらの問題点を容易に解消することができるものである。
【0029】
なお上述の実施形態では、記録される画像信号をそれぞれインターレースにおける奇数及び偶数フィールドに分離し、フィールドごとに左右画像を合成して記録信号を形成するようにしたので、左右の2画像についてはそれぞれ640×240ピクセルの奇数フィールドと偶数フィールドとが毎秒60フィールドで交互に設けられることになり、再生時に標準テレビジョン方式の画像信号を形成する場合に好適である。
【0030】
また上述の実施形態では、画像信号の圧縮にMPEG2方式のエンコードを用いているので、例えば頒布用の記録媒体をDVDで作成する場合に好適である。ただし、本発明で使用される圧縮方式はMPEG2方式に限定されるものではない。また本発明で使用される記録媒体もDVDに限定されるものではない。
【0031】
さらに上述の実施形態では、元の充分な解像度で撮影された動画像信号の形成を高精細度テレビジョン方式用のカメラで撮影して行うようにしたので、この動画像信号の形成を既存の手段で容易に行うことができる。
【0032】
あるいはこの動画像信号の形成は、例えば撮影された銀塩フィルムを画像信号に変換して行うこともできる。その場合に、銀塩フィルムの解像度は極めて高いものであるので、例えば再生装置で再生処理される画像信号の垂直解像度に相当する垂直幅で切り出した場合には、例えば高精細度テレビジョン方式用のカメラでの撮影以上の水平幅を有する画像情報の切り出しが可能になる。
【0033】
またこの動画像信号の形成は、例えば標準テレビジョン方式用のカメラで撮影された3以上の画像信号を接続して行うこともできる。この場合に、例えばこれらのカメラで撮影された画像は連続したものである必要はなく、独立した画像が接続されたものでもよい。
【0034】
さらに上述の実施形態では、主に充分な解像度で撮影された動画像信号が横長の場合について述べたが、縦長の動画像信号にも適用することができる。その場合には、例えば高精細度テレビジョン方式用のカメラを90度倒置して撮影し、例えば960×1920ピクセル(アスペクト比9:16)の画像信号から640×1920ピクセル(アスペクト比4:12)の画像を切り出し、640×960ピクセル(アスペクト比4:6)に縮小して記録することができる。
【0035】
また上述の実施形態では、カメラで撮影された画像信号(動画像情報)が直接に画像処理装置に供給されているが、この間にビデオテープレコーダー等の記録手段を設けて、一旦記録された画像信号が画像処理装置に供給されるようにしてもよい。そうすることにより、画像信号の撮影を、例えばカメラ及びビデオテープレコーダーの簡易な形態で実施することが可能になる。
【0036】
さらに上述の実施形態では、再生時に切り出す位置を操作手段で任意に制御することができるので、操作によって希望の部分を取り出すことができると共に、その操作は、操作手段の例えば左右方向を示す操作部を用いて容易に行うことができ、操作者の意図に応じた再生を容易且つ良好に行うことができる。
【0037】
また上述の再生装置において、例えば上述の操作手段で操作された内容を内蔵の記憶手段(図示せず)等に記憶させることによって、操作手段で操作された切り出し位置の制御を繰り返し再現することができる。これにより、例えば2度目からは操作手段の操作を行わなくても、操作者の意図に応じた再生を繰り返し行うことができる。
【0038】
さらに上述の再生装置において、例えば操作手段の操作に応じて切り出された画像を任意のズーム拡大率でズーム拡大して表示させることができる。このズーム拡大率の操作は、例えば操作手段の上下方向を示す操作部を用いて行うことができる。これにより画像が任意にズーム拡大されることで、さらに操作者の意図に沿った再生を行うことができる。なおこのような画像のズーム拡大の処理も、既知の手段を用いて行うことができるものである。
【0039】
また上述の再生装置において、切り出し位置の制御と切り出された画像のズーム拡大率の制御を、例えば操作手段の左右方向を示す操作部と、上下方向を示す操作部を用いて行うことができる。これにより任意の切り出し位置で任意にズーム拡大された画像を表示することができ、さらに操作者の意図に沿った再生を実現することができる。
【0040】
さらに上述の操作手段で操作された切り出し位置の制御と切り出された画像のズーム拡大率の制御を内蔵の記憶手段(図示せず)等に記憶させることによって、操作手段で操作された内容を繰り返し再現することができる。これにより例えば2度目からは操作手段の操作を行わなくても、切り出し位置と切り出された画像のズーム拡大を、操作者の意図に沿って繰り返し行うことができる。
【0041】
また上述の再生装置において、上述の任意に切り出された画像の表示を行うのとは別に、接続された画像情報の水平または垂直幅が再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅と一致するように全体を縮小して再生信号を形成することにより、最初に撮影されて切り出された画像の全体を表示することができる。これによって記録された画像の全体の把握を容易にすることができる。
【0042】
こうして上述の画像情報の記録方法によれば、記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置に用いられる画像情報を形成するための画像情報の記録方法であって、充分な解像度で撮影された動画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、この切り出された画像情報の水平または垂直幅を再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して再生装置で同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録することにより、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を良好に記録することができるものである。
【0043】
また、上述の画像情報の再生方法によれば、充分な解像度で撮影された動画像情報から再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、この切り出された画像情報の水平または垂直幅を再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録された記録媒体を再生する画像情報の再生方法であって、記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置を有し、同時に再生処理される少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の画像情報を水平または垂直方向に接続し、この接続された画像情報の水平または垂直幅を縮小の逆比率で拡大し、この拡大された画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出して再生信号を形成することにより、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能な再生装置を用いて良好に再生することができるものである。
【0044】
なお本発明は、上述の説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【0045】
【発明の効果】
従って請求項1の発明によれば、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を良好に記録することができるものである。
【0046】
また、請求項2の発明によれば、記録される画像信号をそれぞれインターレースにおける奇数及び偶数フィールドに分離し、この分離された奇数フィールドを繋ぎ合わせて2フレームの画像信号の一方のフレームとし偶数フィールドを繋ぎ合わせて2フレームの画像信号の他方のフレームとして記録することにより、左右の2画像についてはそれぞれ奇数フィールドと偶数フィールドとが毎秒60フィールドで交互に設けられることになり、再生時に標準テレビジョン方式の画像信号を形成する場合に好適となるものである。
【0047】
また、請求項3の発明によれば、記録される画像信号をMPEG2方式でエンコードして記録信号を形成することにより、例えば頒布用の記録媒体をDVDで作成する場合に好適となるものである。
【0048】
また、請求項4の発明によれば、高精細度テレビジョン方式用のカメラで撮影された画像信号を充分な解像度で撮影された動画像情報として形成することにより、動画像信号の形成を既存の手段で容易に行うことができるものである。
【0049】
また、請求項5の発明によれば、撮影された銀塩フィルムを画像信号に変換し、当該画像信号を前記充分な解像度で撮影された動画像情報として形成することにより、例えば高精細度テレビジョン方式用のカメラでの撮影以上の水平幅を有する画像情報の切り出しが可能になるものである。
【0050】
また、請求項6の発明によれば、標準テレビジョン方式用のカメラで撮影された3以上の画像信号を接続して充分な解像度で撮影された動画像情報を形成することにより、例えばこれらのカメラで撮影された画像は連続したものである必要はなく、独立した画像が接続されたものでもよくなるものである。
【0051】
さらに請求項7の発明によれば、アスペクト比が通常より大きく異なる画像を、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能な再生装置を用いて良好に再生することができるものである。
【0052】
また、請求項8の発明によれば、拡大された画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出す位置を任意に制御して再生信号を形成することにより、操作によって希望の部分を取り出すことができると共に、その操作は、操作手段の例えば左右方向を示す操作部を用いて容易に行うことができ、操作者の意図に応じた再生を容易且つ良好に行うことができるものである。
【0053】
また、請求項9の発明によれば、切り出す位置を制御に従って記憶し、制御された切り出す位置の変化を再現して再生信号を形成することにより、例えば2度目からは操作手段の操作を行わなくても、操作者の意図に応じた再生を繰り返し行うことができるものである。
【0054】
また、請求項10の発明によれば、拡大された画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出された画像情報をさらにズーム拡大して再生信号を形成することにより、さらに操作者の意図に沿った再生を行うことができるものである。
【0055】
また、請求項11の発明によれば、拡大された画像情報から再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出す位置を任意に制御すると共に、さらに切り出された画像情報のズーム拡大率を任意に制御して再生信号を形成することにより、さらに操作者の意図に沿った再生を実現することができるものである。
【0056】
また、請求項12の発明によれば、切り出す位置及びズーム拡大率を制御に従って記憶し、制御された切り出す位置及びズーム拡大率の変化を再現して再生信号を形成することにより、例えば2度目からは操作手段の操作を行わなくても、切り出し位置と切り出された画像のズーム拡大を、操作者の意図に沿って繰り返し行うことができるものである。
【0057】
また、請求項13の発明によれば、切り出して再生信号を形成するモードに加えて、接続された画像情報の水平または垂直幅が再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅と一致するように全体を縮小して再生信号を形成するモードを設けたことにより、最初に撮影されて切り出された画像の全体を表示することができ、記録された画像の全体の把握を容易にすることができるものである。
【0058】
これによって、従来の方法では、例えばフィールド上で行われる試合や舞台上のパフォーマンスのようなアスペクト比が通常より大きく異なる画像を、簡易な装置で良好に記録再生することはできなかったものを、本発明によれば、例えば記録媒体の倍速再生を行うことにより、同時に2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理が可能とされた再生装置を利用することによって、これらの問題点を容易に解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのシステム全体の1つの形態を示す構成図である。
【図2】その動作の説明のための線図である。
【符号の説明】
1…カメラ、2…画像処理装置、3…MPEG2エンコーダ、4…記録装置、5…記録媒体、6…再生装置、7…操作手段、8…テレビジョン受像機

Claims (13)

  1. 記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置に用いられる画像情報を形成するための画像情報の記録方法であって、
    充分な解像度で撮影された動画像情報から前記再生装置で再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、
    この切り出された画像情報の水平または垂直幅を前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、
    この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して前記再生装置で同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録する
    ことを特徴とする画像情報の記録方法。
  2. 前記記録される画像信号をそれぞれインターレースにおける奇数及び偶数フィールドに分離し、
    この分離された奇数フィールドを繋ぎ合わせて前記2フレームの画像信号の一方のフレームとし偶数フィールドを繋ぎ合わせて前記2フレームの画像信号の他方のフレームとして記録する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報の記録方法。
  3. 前記記録される画像信号をMPEG2方式でエンコードして記録信号を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報の記録方法。
  4. 高精細度テレビジョン方式用のカメラで撮影された画像信号を前記充分な解像度で撮影された動画像情報として形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報の記録方法。
  5. 撮影された銀塩フィルムを画像信号に変換し、当該画像信号を前記充分な解像度で撮影された動画像情報として形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報の記録方法。
  6. 標準テレビジョン方式用のカメラで撮影された3以上の画像信号を接続して前記充分な解像度で撮影された動画像情報を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の画像情報の記録方法。
  7. 充分な解像度で撮影された動画像情報から再生処理される画像信号の垂直または水平解像度に相当する垂直または水平幅で任意の水平または垂直幅を有する画像情報を各フレームごとに切り出し、
    この切り出された画像情報の水平または垂直幅を再生処理される画像信号の水平または垂直解像度の2倍に相当する幅に縮小すると共に、
    この縮小された画像情報を水平または垂直方向に2分割して同時に再生処理を可能な2フレームの画像信号として記録された記録媒体を再生する画像情報の再生方法であって、
    記録媒体の倍速再生により同時に少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の再生処理を可能とする再生装置を有し、
    前記同時に再生処理される少なくとも2フレームの標準テレビジョン方式の画像信号の画像情報を水平または垂直方向に接続し、
    この接続された画像情報の水平または垂直幅を前記縮小の逆比率で拡大し、この拡大された画像情報から前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出して再生信号を形成する
    ことを特徴とする画像情報の再生方法。
  8. 前記拡大された画像情報から前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出す位置を任意に制御して再生信号を形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の画像情報の再生方法。
  9. 前記切り出す位置を前記制御に従って記憶し、前記制御された前記切り出す位置の変化を再現して再生信号を形成する
    ことを特徴とする請求項8記載の画像情報の再生方法。
  10. 前記拡大された画像情報から前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出された画像情報をさらにズーム拡大して再生信号を形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の画像情報の再生方法。
  11. 前記拡大された画像情報から前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅で切り出す位置を任意に制御すると共に、
    さらに前記切り出された画像情報のズーム拡大率を任意に制御して再生信号を形成する
    ことを特徴とする請求項10記載の画像情報の再生方法。
  12. 前記切り出す位置及びズーム拡大率を前記制御に従って記憶し、
    前記制御された前記切り出す位置及びズーム拡大率の変化を再現して再生信号を形成する
    ことを特徴とする請求項11記載の画像情報の再生方法。
  13. 前記切り出して再生信号を形成するモードに加えて、
    前記接続された画像情報の水平または垂直幅が前記再生装置で再生処理される画像信号の水平または垂直幅と一致するように全体を縮小して再生信号を形成するモードを設けた
    ことを特徴とする請求項7記載の画像情報の再生方法。
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