JP4416296B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機あるいはファクシミリなどに用いられる電子写真法を用いた画像形成装置に関するものであり、特に、非磁性一成分系現像装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一成分系現像剤を用いる画像形成装置として、像担持体(「感光ドラム」ともいう)に現像剤担持体(「現像ローラ」ともいう)を接触させる、所謂、接触現像装置が提案されている。この様な画像形成装置を提案するものとして、特公平2−26224号公報、特開平3−261978号公報等が挙げられる。
【0003】
図5に非磁性一成分系現像剤(以下、「現像剤」を「トナー」ともいう)を接触現像装置にて画像形成を行う画像形成装置の従来例の一形態を示す。図5に示すように、従来、この種の画像形成装置は、図中X方向に回転する像担持体である感光ドラム100の周囲に、一次帯電装置としての帯電ローラ101、静電潜像形成装置としての露光器102、現像装置である現像器103、転写装置としての転写ローラ104、クリーニング装置105が配設される。
【0004】
現像器103は、感光ドラム100に接触し、図中Y方向に回転しながら現像を行う現像ローラ107、図中Z方向に回転することによって現像ローラ107に非磁性一成分系現像用トナーΤ′を供給するトナー供給手段である供給ローラ108、現像ローラ107上のトナーΤ′の塗布量及び帯電量を規制するトナー規制手段である現像ブレード110、トナーΤ′を供給ローラ108に供給するとともに非磁性一成分系現像用トナーを攪拌する攪拌部材109等からなる。
【0005】
ここで、剛体の感光ドラム100を用い、現像ローラ107が接触して現像を行う接触現像装置では、現像ローラ107は弾性体を有する現像ローラ107であることが望ましい。
【0006】
従来、弾性体を有する現像ローラ107としては、金属の芯金上にシリコーンゴムやNBRゴム等を成型した、所謂ソリッド単層の弾性現像ローラが使用されている。また現像ブレード110としては、ステンレス等の薄板の現像ローラ107との当接部にウレタンゴム等のゴム部材を貼り付けたタイプの現像ブレードが一般に使用されている。
【0007】
次に、画像形成装置の画像形成動作について説明する。
【0008】
外部からのプリント信号により感光ドラム100は矢印X方向に回転し始める。まず感光ドラム100上は帯電ローラ101により一様に帯電される。次に、露光器102による露光により感光ドラム100上には静電潜像が形成され、感光ドラム100の回転により静電潜像が現像器103との接触部に到達する。
【0009】
上記動作と連動して現像器103は以下の動作を行う。
【0010】
攪拌部材109により攪拌されたトナーΤ′が、Y方向に回転する現像ローラ107と、Z方向に回転する供給ローラ108との摺擦によって、現像ローラ107上に供給される。現像ローラ107上のトナーΤ′は、現像ブレード110によって所望の帯電量が付与されるとともにトナー量が規制されて、現像ローラ107上にトナーが担持される。
【0011】
現像ローラ107上に担持されたトナーが感光ドラム100と接触する部位、即ち現像領域に到達すると、電源(図に示さず)により現像ローラ107に現像バイアスを印加することによって、感光ドラム100表面に形成された静電潜像を、現像ローラ107の表面に担持されているトナーΤ′で現像し、可視化する。現像に寄与せず現像ローラ107表面に残留したトナーは供給ローラ108を介して現像装置103内に回収される。
【0012】
感光ドラム100上のトナーは感光ドラム100の回転により転写ローラ104の対向部に到達して、転写ローラ104により転写紙P′上に転写される。転写紙P′は定着器106により熱溶融され永久画像となる。
【0013】
転写ローラ104により転写紙P′上に転写されずに残ったトナーΤ′はクリーニング装置105により回収される。
【0014】
上記動作を繰り返すことにより、画像形成が繰り返される。
(1)現像ローラとして、電子導電系を用いた場合
現像ローラとして、シリコーンゴムを用いる場合には、カーボン粒子や金属粒子をシリコーンゴム中に分散させ所望の現像ローラ抵抗を得る。このような、分散粒子により所望の抵抗を得る導電形態を一般的に電子導電系という。しかし、1×104Ω程度の低抵抗の電子導電系の現像ローラを用いた場合には、現像特性が2値的になり、所望する階調特性が得られない。2値現像特性を有するということは、文字画像(所謂、線画像)に対しては有利に働くが、写真画像(所謂、面画像)においては、ハイライト画像の表現ができなくなり、不利に働くことになる。
【0015】
このように、電子導電系を有する現像ローラにおいては、出力画像において、十分な階調表現を得ることは困難である。
【0016】
一方、1×106Ω以上の高抵抗な現像ローラとすることで、階調特性が緩やかになる。だが、電子導電系の現像ローラにおいて、抵抗値を高くすると、理由は定かではないが、長手の画像印字幅が変わった場合に同じ潜像条件でも現像される濃度が変化してしまうという問題点が生じる。この現像は、特に低濃度であるハイライト画像にて顕著であり、画像幅が狭いときには所望する濃度を得ることができるが、画像幅が広いときには所望する濃度まで濃度の値が達しない。即ち、長手幅いっぱいにハイライト画像を出力した場合には所望する濃度が得られないことになる。
【0017】
また、電子導電系では、印加電圧が低い場合には弾性体の抵抗値が増加するという電圧依存特性を有しており、極端な場合には3オーダー以上も抵抗値が変化し、所望の画像形成が困難となる場合も生じる。
(2)現像ローラとして、イオン導電系を用いた場合
現像ローラとして、NBRゴムやウレタンゴム等にイオン導電のためのイオン導電剤を添加して、材料自身がイオン化することで導電経路をつくり、所望の現像ローラ抵抗を得るものがある。このような、イオンの働きによる導電系は、一般的にイオン導電系といわれる。イオン導電系の現像ローラを用いた場合には電子導電系と異なり、印加電圧に対してほぼ一定の抵抗値が得られる。そのため、面画像のような階調を有する画像形成においては、電子導電系より有利である。
【0018】
しかし、イオン導電系においては、材料のイオン化により電流経路が発生するため、周囲の環境によりイオン化の度合いが異なってくる。そのため、高温高湿環境下においては現像ローラ抵抗が低下し、逆に低温低湿環境においては現像ローラ抵抗が上昇してしまう。
【0019】
その結果、環境の変動により現像ローラに流れる電流が異なるため、高温高湿環境下においては、画像濃度が高くなり、画像が全体として暗い画像となる。低温低湿環境下においては、画像濃度が低くなってしまい、画像が全体として明るくなりすぎるという不具合が生じる。
【0020】
このように、イオン導電系を有する現像ローラにおいては、周囲の環境により画像濃度が変動してしまい、安定した画像濃度を得ることは困難である。
【0021】
以上のように、電子導電系又はイオン導電系における単層の現像ローラにおいては、所望の階調を得ることは困難である。
【0022】
更に、近年になって省スペース化などを目的として、転写後の感光ドラム表面に残存している現像剤をクリーニングすることを主な目的とするクリーニング部材を有さないクリーナーレス方式を採用した画像形成装置が種々提案されている。このような装置の一形態として、導電性粒子を介して帯電ローラを感光ドラムに接触させて、該感光ドラムの帯電を行い、更に現像ローラと感光ドラムとを当接するように配設し、現像工程において該導電性粒子を含有する現像剤を用いて現像を行うと共に、感光ドラムのクリーニングを行う現像兼クリーニング方式を採用した装置も提案されている。
【0023】
しかしながら、前記の如き画像形成装置を高温高湿下にて使用した場合には、現像ローラと感光ドラムの当接部において、静電潜像が乱されてしまうという現象がみられることがあった。この現象は、電圧が印加されている現像ローラが感光ドラムに当接しているため、感光ドラムと現像ローラの当接部において該導電性粒子を介して電荷の注入が生じ、露光部の電位が部分的に変動されることにより生じるものであり、結果、ハイライト画像等において画像ムラが発生したり、所望の画像濃度が得られなくなったりする場合があった。
【0024】
又、特開平8−73660号公報には、カーボンブラックとイオン導電剤とを含有する導電性弾性体層を表面に有する導電性ロールが提案されているが、本公報においては、該導電性ロールと接触帯電用の現像ローラとして適用することに関しては記載していない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明の目的は、上述の如き問題を解決することにある。
【0026】
本願発明の目的は、高温高湿又は低温低湿環境下においても、画像濃度幅による濃度の影響がなく、優れた階調性を有する画像を得ることのできる画像形成装置を提供することにある。
【0027】
本願発明の目的は、像担持体と現像剤担持体とが接触している系においても、画像ムラを生じず、良好な画像形成を行うことのできる画像形成装置を提供することにある。
【0028】
更に、本願発明の目的は、現像兼クリーニング方式を採用した場合においても、高品位な画像形成を行うことのできる画像形成装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、静電潜像を担持するための像担持体と、
該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電装置によって帯電された像担持体表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成装置と、
一成分系現像剤を担持する現像剤担持体を有し、該一成分系現像剤を該静電潜像に当接させて現像し、可視像を形成する現像装置と、
該可視像を転写材に静電転写させる転写装置と、
静電転写された可視像を転写材に定着する定着装置とを有する画像形成装置であって、
該現像剤担持体が、少なくとも導電性芯金と、該導電性芯金上に弾性体によって形成される電子導電層と、表層として該電子導電層上に形成される厚さ3〜50μmであるイオン導電層とを有し、
該現像剤担持体は、印加電圧100Vで測定した抵抗値が5×10 5 〜1×10 9 Ωであることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一つの実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
〈1〉現像剤担持体
本発明の画像形成装置の現像剤担持体は、、少なくとも、弾性体によって形成される電子導電層と、イオン導電層とを有することを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明の画像形成装置の現像剤担持体は、導電性芯金上に電子導電層を有し、該電子導電層上にイオン導電層を有することが、特に好ましい。
【0032】
本発明の画像形成装置は、現像剤担持体に担持された現像剤が、像担持体に接触された状態で現像が行われる画像形成装置であり、接触現像により画像形成を行う装置である。
【0033】
図1は、本発明の一つの実施の形態の画像形成装置に使用した現像剤担持体8(以下、「現像ローラ」という)を含む現像装置(以下、「現像器」という)の部分断面図である。現像ローラ8は、芯金8a上に弾性層を有する、所謂、弾性現像ローラである。つまり、現像ローラ8は、導電性芯金8a上に電子導電層8bを有し、該電子導電層8b上にイオン導電層8cを有することを特徴とする。図1中、1は像担持体、9は給紙ローラ、10は現像ブレードを表す。
【0034】
本発明において、導電性芯金としては、ステンレス、鉄、アルミニウムの如き公知の芯金が挙げられる。
【0035】
また、本発明の現像ローラに用いられる電子導電層は、弾性体に電子導電機構による導電性付与物質が分散されたものである。弾性体としては、シリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、アクリルゴム、EPDM(エチレン、プロピレン共重合体)又はこれらが混合されたゴムの如き一般的に用いられるゴムが使用可能である。
【0036】
電子導電機構による導電性付与物質としては、カーボン樹脂粒子、金属粒子が挙げられる。上記のゴムを弾性体として用い、それに上記の電子導電機構による導電性付与物質を分散させることで現像ローラの所望する抵抗値が得られる。
【0037】
導電性付与物質の含有量は、弾性体100質量部に対して、3〜40質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましい。
【0038】
本発明における電子導電層としては、シリコーンゴムにカーボンブラックを分散させたものが特に好ましい。シリコーンゴムを用いて弾性体を形成すると、ソリッドのままで低硬度化しやすく、カーボンブラックの分散性が良好であるためである。
【0039】
発泡体として低硬度化することも可能であるが、表層剤を塗工する場合に、公知の手段により発泡のセルを口止めする必要があり、製造工程が増えてしまうため、ソリッドのままで低硬度化することが好ましい。
【0040】
本発明の現像ローラに用いられるイオン導電層は、イオン導電機構による導電性付与物質が分散された樹脂バインダーからなる。
【0041】
過塩素酸リチウム、4級アンモニウム塩の如きイオン導電機構による導電性付与物質としてのイオン導電剤を樹脂バインダー中に分散させることで、イオン導電層8cを形成できる。また、上記以外のイオン導電機構による導電性付与物質(イオン導電剤)としては、Li、Na、Kの如き周期率表第1族の金属の塩、例えば、LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaCl、あるいはNH4 +の塩の如き電解質、又Ca、Baの如き周期率表第2族の金属の塩、例えばCa(ClO4)2やそれ等と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールの如き多価アルコール又はその誘導体との錯体あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルの如きモノオールとの錯体が挙げられる。
【0042】
イオン導電質の樹脂バインダーとしては、負帯電性トナーを用いる場合には、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂が好適に用いられる。また、正帯電性トナーを使用するのであれば、フッ素樹脂が好適に用いられる。更に、電子導電層との弾性への追従性を向上させるため、樹脂中に可溶性ゴムを混合しても良い。
【0043】
本発明におけるイオン導電層は、上記イオン導電剤0.1〜2質量部を樹脂バインダー100質量部中に分散することが好ましい。0.1質量部未満では導電性が発揮されないことがあり、2質量部を超えると、表層における抵抗の環境変動が大きくなることがある。
【0044】
イオン導電層の塗工厚さは、3〜50μmであることが好ましい。3μm未満では感光ドラムとの摺擦による削れが懸念され、50μmを超える塗工厚さを得るためには、何度も塗工を繰り返さねばならず生産するのに現実的ではない。環境変動に対する安定性の面から5〜30μmであることがより好ましい。
【0045】
本発明における現像ローラは、弾性体の硬度(「ゴム硬度」ともいう)が35〜55度(AskerC)のものが好適に使用される。55度(AskerC)超えると、現像ローラの摺擦によってトナーが溶融し、ブレード融着やローラ融着を発生させることがあるため好ましくない。また、現像ローラと感光ドラムとの当接状態が不安定となりやすいこともある。35度未満となると、圧縮永久歪みによる永久変形により、現像ローラとしての使用は困難となることがある。更に好ましくは、35〜45度であり、この範囲の低硬度にすることで、本発明の如き、現像ローラと感光ドラムとが接触している画像形成装置においても、トナーに過度なストレスをかけることなく、摩擦帯電をすることができる。
【0046】
また、現像ローラの弾性体の硬度を上記の範囲内にするには、例えば、シリコーンゴムであれば可塑剤の含有量を調整することにより行われる。可塑剤としては、例えば、比較的分子量の低いオルガノポリシロキサンが用いられる。即ち、可塑剤の量を減少させる弾性体の硬度が上がり、可塑剤の量を増加させると弾性体の硬度が低下する。
【0047】
弾性体の硬度は、AskerCゴム硬度計(高分子計器株式会社製)を用いることにより測定できる。
【0048】
本発明における現像ローラの表面粗さとしては、使用するトナーの粒径にもよるが、十点平均粗さRzで3〜15μmが好ましい。使用するトナーの粒径が体積平均粒径で6μm程度であれば、十点平均粗さRzで5〜12μmが好ましい。トナー粒径がより小さい場合は、十点平均粗さRzをやや小さくすることが好ましい。十点平均粗さRzが3μm未満であると、十分なトナー搬送力が得られないことがあり濃度不足となることもある。15μm超えると、トナーに十分な帯電が得られないことがあり、非画像部にトナーが付着する所謂「かぶり」が発生することがある。
【0049】
現像ローラの表面粗さを上記範囲内にするには、例えば、電子導電層の表層の研磨状態を変えることにより可能となる。即ち、電子導電層のシリコーンゴムの表面の研磨を粗く行えば、その表面に塗工されるイオン導電層の表面の表面粗さを大きくすることができ、表面の研磨を細かく行えば、その表面に塗工されるイオン導電層の表面の表面粗さを小さくすることができる。
【0050】
十点平均粗さRzは、JIS B0601に示されている定義を用い、小坂研究所製の表面粗さ試験器「SE−30H」を用いることで測定できる。
【0051】
本発明において、現像ローラの抵抗としては、表層であるイオン導電層の抵抗値を電子導電層の抵抗値より高くすることが、環境変動を抑制できやすく好ましい。更に、表層であるイオン導電層を下層の電子導電層より抵抗値を高くし、かつ、表層を薄層に形成することで、イオン導電系の欠点である抵抗の環境変動をより少なくすることができる。
【0052】
即ち、電子導電層8bは高抵抗になるほど抵抗値の電圧依存性(低電圧部での抵抗の上昇)があるため、全体の抵抗値を低く抑えることが好ましい。これにより、電圧依存性を減少させることができる。そして、表層であるイオン導電層の抵抗値を高くして、現像剤担持体の全体の抵抗としては、イオン導電層で調整することが好ましい。
【0053】
また、イオン導電層は薄層に形成されているため、環境が変動しても抵抗値の変動分は少なくおさえられることになる。このように、現像ローラの各層を機能分離することで、周囲の環境に左右されず、現像幅による画像濃度の変化もなく、ハイライトの画像を忠実に形成できる。
【0054】
実際の抵抗値は、後述する抵抗測定法にて求められ、電子導電層としては1×103〜1×105Ωが好ましい。さらに好ましくは、5×103〜7×104Ωである。1×103Ω未満となると、現像ローラが当接する感光ドラムに欠陥があった場合に、リークが発生することがある。また、1×105Ωを超えると、現像ローラの電圧依存性が強まり、低電圧領域での抵抗値の上昇が生じることがある。
【0055】
電子導電層に上記のような抵抗を持たせるには、弾性体中の電子導電機構による導電性付与物質の含量を調節することにより、実施できる。即ち、弾性体中の電子導電機構による導電性付与物質の含量を多くすれば抵抗が下がり、少なくすれば抵抗が上がる。
【0056】
イオン導電層の実抵抗としては、ほぼ現像ローラの状態での抵抗値の値となる。従って、現像ローラの状態での抵抗値として、5×105〜1×109Ωが好ましい。より好ましくは、1×106〜5×108Ω、特には1×106〜5×107Ωである。
【0057】
イオン導電層に上記のような抵抗を持たせるには、樹脂中のイオン導電機構による導電性付与物質の含量を調節することにより、実施できる。即ち、樹脂中のイオン導電機構による導電性付与物質の含量を多くすれば抵抗が下がり、少なくすれば抵抗が上がる。
【0058】
更に、現像ローラの状態での抵抗値が、電子導電層の状態(イオン導電層の形成前)での抵抗値より、2桁以上大きいことが好ましい。2桁未満とすると、上述のように低電圧領域において電子導電層の抵抗値が上昇することで、その影響が現像ローラとしての抵抗に現れ、現像ローラの状態における低電圧領域での抵抗値が上昇してしまうことがある。更に、2桁未満では、現像ローラの抵抗が1×106Ω未満となるため、所望する階調再現性に優れた画像が得られなくなってしまうことがある。
【0059】
上記、現像ローラ抵抗の測定として、以下の方法で測定することができる。25℃/55%RHの環境下において、直径30mmのアルミ円筒導体に上方向から現像ローラを当接させる。そのとき、現像ローラ両端には、それぞれ500gの加重としておもりを乗せる。同時に、アルミ円筒導体への侵入量を50μmにするため(現像ローラとアルミ円筒導体との当接領域を一定にするため)に、現像ローラの両端部に現像ローラの外径よりも100μm外径が小さい円筒形状をした侵入量保持部材をはめ込む。そして、現像ローラに電流計及び高圧電源を接続して、電圧を印加する。
【0060】
上記状態で、アルミ円筒導体を約50mm/secで回転させると、現像ローラはアルミ円筒導体により従動回転され、この状態において、電圧を印加し、上記電流計の測定値から抵抗値を算出する。
【0061】
本発明における抵抗値測定における印加電圧は、電子導電層の抵抗測定では30Vとし、現像ローラ全体の抵抗測定においては100Vの電圧を印加した。電子導電層の測定においては、抵抗値が低いため印加電圧が30Vより大きい場合にはオーバーレンジになりやすいためである。また、現像ローラ全体の測定では、電子導電層より抵抗値が高いため電圧の低い部分での抵抗の変化が大きく、100V程度以上となると抵抗値の変化量が少なくなるためである。
【0062】
<2>現像剤担持体(現像ローラ)の製造方法
以下に、本発明における現像ローラの製造方法の一例を述べる。
【0063】
芯金上にまずゴムの接着及び導電性の確保をする接着剤を塗布する。そして芯金の周囲に導電性付与物質を分散させた電子導電層である電子導電性ゴムを巻き付け、金型内に入れる。プレス機により金型に熱及び圧力を加えて加硫させ、加硫後に表面を研磨して、ソリッドの弾性ローラを得る。そして、イオン導電層は、イオン導電剤を塗工バインダー中に分散させ、ロールコーター法、スプレー法、ディッピング法の如き方法により形成することができる。イオン導電層の塗工厚さは、前述した如く、3〜50μmが好ましい。
【0064】
<3>現像剤
本発明において、非磁性一成分系現像剤(以下、「トナー」ともいう)は、少なくとも結着樹脂を主体として、必要に応じて着色剤、ワックス成分および電荷制御剤の如き添加剤を含有するトナー粒子及び外添剤とを有する。
【0065】
本発明におけるトナー粒子に使用される結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂が単独或いは混合して使用できる。
【0066】
本発明におけるトナー粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナー粒子の断層面観察において、ワックス成分が、結着樹脂と相溶しない状態で、実質的に球状及び/又は紡錘形で島状に分散されている、所謂、コア/シェル構造を有していることが好ましい。ワックス成分を上記の如く分散させ、トナー粒子中に内包化させることによりトナー粒子の劣化や画像形成装置への汚染等を防止することができるので、良好な帯電性が維持され、ドット再現に優れたトナー画像を長期にわたって形成し得ることが可能となる。また、加熱時にワックス成分が効率よく作用するため、低温定着性と耐オフセット性を満足なものとする。
【0067】
本発明において、トナー粒子の断層面を観察する具体的な方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナー粒子を十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いトナー粒子の断層形態を観察する。本発明においては、コアを構成するワックス成分とシェルを構成する結着樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して、材料間のコントラストを付けるため、四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。
【0068】
コア/シェル構造を有するトナー粒子の断層面の一例を図3に示す。このように、本発明で用いられるトナー粒子は、ワックス成分が結着樹脂で内包化されていることが好ましい。
【0069】
コアの主成分であるワックス成分は、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時に40〜130℃の領域に最大吸熱ピークを有するものが用いられることが好ましい。
【0070】
上記温度領域に最大吸熱ピークを有することにより、低温定着に大きく貢献しつつ、離型性をも効果的に発現する。該最大吸熱ピークが40℃未満であると、ワックス成分の自己凝集力が弱くなることがあり、結果として耐高温オフセット性が低下し、グロスが高くなりすぎることがある。
【0071】
一方、該最大吸熱ピークが130℃を超えると、定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困難となることがあるため、特にカラートナー粒子に用いた場合には混色性低下となることがあり好ましくない。更に、水系媒体中で造粒・重合を行い重合方法により直接トナー粒子を得る場合、該最大吸熱ピーク温度が高いと、主に造粒中にワックス成分が析出する等の問題を生じることがあり、好ましくない。
【0072】
ワックス成分の最大吸熱ピーク温度は、「ASTM D 3418−8」に準じて測定することができる。測定には、パーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正は、インジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いて行い、測定サンプルには、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、1回昇温−降温させ、前履歴をとった後、昇温速度10℃/minの条件で測定を行う。
【0073】
上記ワックス成分としては、具体的には、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物が利用できる。
【0074】
本発明において、トナー粒子は、略球形を有していることが好ましい。
【0075】
また、本発明に使用されるトナー粒子は、画像解析装置で測定した形状係数SF−1の値が100〜160であり、形状係数SF−2の値が100〜140であることが好ましく、さらに、形状係数SF−1の値が100〜140であり、形状係数SF−2の値が100〜120であればより好ましい。また、上記の条件を満たし、かつ、(SF−2)/(SF−1)の値を1.0以下とすることにより、トナー粒子の諸特性のみならず、画像解析装置とのマッチングがきわめて良好なものとなる。
本発明に用いられる形状係数を示すSF−1、SF−2とは、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し、解析を行い、下記式1より算出し得られた値である。
(式1)
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100 SF−2={(PERI)2/AREA}×(1/4π)×100
(AREA:トナー粒子投影面積、MXLNG:絶対最大長、PERI:周長) トナー粒子の形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合を示し、数値が大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2はトナー粒子の凹凸度合を示し、数値が大きくなるにつれてトナー粒子表面の凹凸が顕著となる。
【0076】
前述の形状係数SF−1が160を超える場合には、トナー粒子の形状が不定形となるため、現像ローラへのトナーの付着力が増加することがある。その結果、ハイライト画像を出力するには適さないことがある。球形状になるほど、現像ローラへの付着力が低くなるため、微小潜像が再現しやすくなり、ハイライト画像をより再現することが可能となる。
【0077】
トナー粒子の形状係数SF−2は、100〜140であることが好ましく、また、(SF−2)/(SF−1)の値が1.0以下であることが好ましい。トナー粒子の形状係数SF−2が140より大きく、(SF−2)/(SF−1)の値が1.0を超える場合には、トナー粒子の表面がなめらかではなく、多数の凹凸をトナー粒子が有している傾向があり、SF−1と同様に、トナーの付着力が増すことがあるため、ハイライト画像の再現性が低下する可能性がある。
【0078】
更に、高画質化のための微小な潜像ドットを忠実に現像するために、トナーは、重量平均粒径が10μm以下(好ましくは4μm〜8μm)であることが好ましく、個数分布における変動係数(A)が35%以下であることが好ましい。トナー粒子の重量平均粒径が10μmを超える場合には、感光ドラム表面への融着が起きやすく、また微小ドットの潜像再現性に劣ることになる。トナーの個数分布における変動係数が35%を超えると更にその傾向が強まる。重量平均粒径が4μm未満のトナー粒子においては、トナーのチャージアップによる画像の不均一ムラの原因となりやすく本発明で使用するトナーとして好ましくない。
【0079】
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できるが、本発明においては、コールターカウンターを用いて測定することが出来る。例えば、測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。1%NaCl水溶液としては、例えば、ISOTON II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0080】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mgを加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして、例えば、100μmアパーチャーを用い、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、それから本発明に係る値を求める。
【0081】
トナー粒子の個数分布における変動係数Aは下記式2から算出される。
(式2)
変動係数A=[S/D1]×100
式中、Sは、トナー粒子の個数分布における標準偏差値を示し、D1はトナー粒子の個数平均粒径(μm)を示す。
【0082】
さらに、本発明で使用するトナーとしては、トナー粒子表面が外添剤で被覆されたものを用い、トナーが所望の帯電量が付与されるようにすることが好ましい。
【0083】
その意味で、トナー粒子表面の外添剤被覆率が、5〜99%さらに好ましくは、10〜99%であることが好ましい。
【0084】
トナー粒子表面の外添剤被覆率は、例えば、以下の方法で測定することができる。日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入する。得られる画像情報は、トナー粒子表面部分と外添部分との明度が異なるため、2値化して、外添剤部分の面積SGとトナー粒子部分の面積(外添剤部分の面積も含む)STに分けて求め、下記式3により算出する。
(式3)
外添剤被覆率(%)=(SG/ST)×100
本発明に使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この外添剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
【0085】
外添剤としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック;シリカ;テフロン粉末;ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。
【0086】
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0087】
上記のような外添剤被覆率を有するトナー粒子を得るには、ヘンシェルミキサ等の混合装置により混合攪拌する方法が挙げられる。
【0088】
外添剤の添加量が0.01質量部未満の場合には、トナーの流動性が低下し、トナー個々が摩擦帯電されないことがあり、トナーへの電荷付与性が低下してしまい、非画像部にトナーが付着する、いわゆる「かぶり」を増加させる可能性がある。一方、外添剤の量が10質量部を超える場合には、過多な外添剤が感光ドラムや現像ローラに付着してトナーへの帯電性を低下させたり、画像を乱したりすることがある。
【0089】
また、本発明に用いられるトナーは、荷電制御剤をトナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)されていることが好ましい。荷電制御剤によって、現像装置に応じた最適な荷電量コントロールが可能となる。
【0090】
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ダイカルボン酸の金属錯体がある。芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類も使用することができる。
【0091】
また、正荷電性に制御するものとして下記物質がある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物が例示される)の如き高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0092】
また、実質的な悪影響を与えない範囲内で、更に他の公知の外添剤、滑剤粉末、研磨剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、導電性付与剤、着色剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0093】
また、本発明におけるトナー粒子は、一部又は全体が重合法によって製造されたものであることが好ましい。
【0094】
重合法とは、結着樹脂のモノマーからポリマーを重合する段階で、荷電制御剤等をポリマー粒子中に包含させ、トナー粒子とする手法である。
【0095】
本発明の画像形成装置に関するトナー粒子を懸濁重合法によって製造する場合には、一般に重合単量体中にワックス成分、可塑剤、荷電制御剤、架橋剤、場合によって着色剤等、トナー粒子に必要な成分およびその他の添加剤、例えば、重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、高分子重合体、分散剤等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機によって均一に溶解または分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。このとき、高速攪拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとする方が、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。
【0096】
重合開始剤添加のタイミングとしては、重合性単量体中に他の添加剤を添加するとき同時に加えても良いし、水系溶媒中に懸濁する直前に混合しても良い。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
【0097】
懸濁重合によりトナー粒子を製造する場合、分散安定剤としては、公知の界面活性剤や有機または無機分散剤が使用でき、中でも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナー粒子に悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。
【0098】
前記重合工程においては、重合温度は40℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。この温度範囲で重合を行うと、内包化されるべきワックス成分が、相分離により析出して内包化がより完全となる。
【0099】
さらにまた、本発明に関わるトナー粒子は、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法または水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合し、トナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いトナー粒子を製造する方法でも製造が可能である。
【0100】
本発明の実施例で用いる画像形成装置の形態を図2に沿って説明するが、本発明はこれに限定されない。また、本発明の画像形成装置は、現像ローラおよび非磁性一成分系現像剤を本発明の現像ローラおよび非磁性一成分系現像剤とした以外は、公知の装置と同じでよい。
【0101】
一次帯電装置としての帯電ローラ2は、X方向に回転する感光ドラム1表面を一様に帯電するように、帯電バイアス電源(図示せず)が接続されており、画像形成動作中は約−1300Vを帯電ローラに印加して、感光ドラム1表面を約−700Vに一様に帯電することができる。帯電ローラ2は直径12mmであり、感光ドラム1に対して従動である。そして、静電潜像形成装置として通常用いられる、例えば、レーザ又はLEDの露光器3によって、情報信号により感光ドラム1上を露光走査して、情報信号に応じた露光を行い、静電潜像を形成する。このとき、被露光部の電位は約−120Vとなる。
【0102】
本態様においては、感光ドラム1は直径30mmであり、矢印X方向に回転速度Vxで回転し、Vxを103mm/secとすることができる。
【0103】
非磁性一成分系現像剤(トナー)Tを収容する現像器4は、感光ドラム1と接触し、矢印Y方向に回転速度Vyで回転する本発明の現像ローラ8を有する。さらに、トナー規制部材としての現像ブレード10、矢印Z方向に回転する供給ローラ9、トナーTを攪拌する攪拌部材11を備えている。ここで感光ドラム1と現像ローラ9の回転速度の関係はVy>Vxであり、好ましくはVy>1.3Vxである。ここで、Vyは175mm/secで回転している。
【0104】
現像器4内に収容された本発明のトナーTを現像ローラ8に付着させるには、トナーTを供給ローラ9と現像ローラ8で摩擦させ、ある程度の電荷付与を行わなければならない。供給ローラ9の材料としては、発泡ウレタンゴム、発泡EPDMゴムの如き公知の材料が用いられる。本態様では、発泡ウレタンゴムからなる供給ローラ9を現像ローラ8に対してカウンター回転(回転方向矢印Z)で、速度Vz回転させる。回転速度としては、Vzは70mm/secである。供給ローラ9には、現像バイアス電源12と同電位が接続されている。また、本態様におけるトナーは、負極性帯電性を有するトナーを用いた。
【0105】
現像ローラ8上に供給ローラ9により塗布されたトナーは、次にトナー規制部材である現像ブレード10によりトナー量の規制及び摩擦によるトリボ付与が行われる。現像ブレード10は、ステンレス製の薄板(0.1mm)であり、板バネ弾性を有している。現像ブレード10の先端部から約2mmの位置を現像ローラと反対方向に折り曲げたものであり、該折り曲げ部より現像ローラ回転方向下流側が現像ローラ8に接触する状態で配設する。但し、これにとらわれるものではなく、ウレタンゴムブレードの如きの弾性ブレードも使用可能である。
【0106】
また、現像ブレードの接触圧は、線圧15〜35g/cmが好適である。15g/cm未満になると、トナーに対して適切な帯電付与ができず、「かぶり」となって画質を低下させる。35g/cmを超えると、圧力等によりトナーに混合されている外添剤がトナー粒子表面から剥離しやすくなり、トナーを劣化させ、トナーの帯電性が低下していくことになる。
【0107】
上記、現像ブレードは金属製からなるが、トナーへの帯電性付与向上のために、金属製の現像ブレード上に樹脂をコーティングしてもよい。該樹脂としては、トナーの帯電極性が負極性の場合は、ポリアミド樹脂が好適に用いられ、トナーの帯電極性が正極性の場合は、フッ素樹脂が好ましく用いられる。
【0108】
線圧の測定方法としては、引き抜き板として長さ100mm×幅15mm×厚さ30μmのステンレス薄板と、挟み板として長さ180mm×幅30mm×厚さ30μmのステンレス薄板を長さを半分にするように折ったものを用意し、挟み板の間に引き抜き板を挿入し、該挟み板を現像ローラ8と現像ブレード10の間に挿入する。その状態でバネばかり等で引き抜き板を一定速度で引き抜き、そのときのバネばかりの値(単位:g)を読む。バネばかりの値を1.5で除算して、単位をg/cmにした場合の線圧が求められる。
【0109】
現像ブレード10を通過し、現像ローラ8上に担持される単位面積当たりのトナー量は約0.3〜0.45(mg/cm2)であることが好ましい。
【0110】
また、現像ローラ8は現像バイアス電源12が接続されており、一方、感光ドラム1は接地されている。現像バイアス電源は負極性のDC電源であり、本態様においては、−350Vの電位を印加している。本態様においては、露光部電位が−120Vであるため、現像コントラストは230Vとなる。現像ブレード10により電荷を付与され、現像ローラ8上に担持されたトナーは、上記現像バイアスにより感光ドラム1上に供給されて静電潜像を顕像化する。
【0111】
現像バイアスの印加電位としては、被露光部電位(本実施形態では−120V)に対して、100〜400Vの電位差を有する電位であることが好ましい。この電位差を現像コントラストといい、本実施形態では、現像バイアスとして−220V〜520Vの電位を印加することが好ましい。現像コントラストを上記の範囲に設定した場合には、現像時において潜像を乱すことがなく、ハイライト画像の再現を良好に行うことができるようになる。現像コントラストが100V未満である場合には、十分な画像濃度を得るだけのトナーを感光ドラム側へ転移させることが困難になりやすく、逆に現像コントラストが400Vを超える場合には、感光ドラム上の非露光部の帯電電位との電位差が小さくなるため、非画像部にもトナーが付着してしまい、カブリが生じやすくなってしまう。
【0112】
搬送ローラ(図示さず)により搬送された転写紙Pが転写部に到達した時、感光ドラム1表面に形成された画像を転写装置である転写ローラ5により転写紙Pに転写する。転写ローラ5には転写バイアス電源(図示さず)が接続されている。転写バイアス電源では、約+2〜5kVの電圧が印加される。
【0113】
画像が転写された転写紙Pは定着装置7にて熱溶融定着される。転写帯電器5により転写紙P上に転写されず感光ドラム1上に残ったトナーはクリーニング装置6にて回収され、感光ドラム1は次の画像に使用される。
【0114】
現像ローラ8の感光ドラム1に対する当接圧としては、上記線圧の測定と同様の測定において、線圧20〜100g/cmが好ましい。線圧20g/cm未満となると接触状態が不安定となり、逆に線圧100g/cmを超えると圧力等によりトナーに混合されている外添剤がトナー粒子表面から剥離しやすくなり、トナーの劣化が生じやすくなる。そのためいずれの場合においても、現像ブレード10によるトナーへの帯電の付与力が低下し、トナーの帯電不足を引き起こす確率が高くなる。
【0115】
現像ローラと感光ドラムの当接部において、静電潜像が乱されるのを抑制するという観点からは、線圧20〜70g/cmがより好ましい。
【0116】
次に本発明にかかるその他の実施形態について説明する。前記実施形態と同様の箇所については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0117】
図6に示す画像形成装置は、現像兼クリーニング工程を用いた画像形成装置であり、帯電方式としては直接注入帯電方式を用いている。
【0118】
図6において、13は感光ドラム1に所定の押圧力をもって接触させて配設した帯電部材としての弾性ローラ(以下、帯電ローラと記す)で導電性を有するスポンジ部材からなる。
【0119】
帯電ローラ13は、その外周面に導電性を有する導電性粒子zを保持(担持)しており、感光ドラム1と帯電ローラ13との当接部(以下、帯電ニップ部)には、現像ローラ8を通して現像器4から供給される導電性粒子zが介在している。従って、現像器4に内包される非磁性一成分現像剤(トナー)T1は、トナー粒子、外添剤及び該導電性粒子zを有している。
【0120】
帯電ローラ13は帯電ニップ部において1の回転方向と逆方向(カウンター)に不図示の駆動源により回転駆動され、感光ドラム1周面に対して速度差を持って接触する。またプリンタの画像形成時には該帯電ローラ13に帯電バイアス印加電源14から所定の帯電バイアスが印加される。これにより、感光ドラム1の周面が直接帯電(注入帯電)方式で所定の極性・電位に、接触帯電処理される。
【0121】
実施例においては帯電バイアス印加電源16により、帯電ローラ13に対して、
DC電圧:−700V
の電圧を印加することにより、感光ドラム1周面が該印加DC電圧とほぼ等しい電圧(約−700V)に直接帯電される。
【0122】
また、実施例では導電性粒子zとして、比抵抗が約106Ωcm、平均粒径約1μmの酸化亜鉛を用いた。
【0123】
本実施形態の現像器4では、前記導電性粒子zを含むトナーT1を現像ローラ8に担持させ、現像バイアス電源12によって印加された現像バイアスによりトナーT1を感光ドラムに転位させ、静電潜像を現像する。
【0124】
このとき、本実施形態においては、現像ローラとして本発明に係る現像ローラを用いるため、現像時における感光ドラム1への電荷注入は抑制される。
【0125】
よって感光ドラム1と現像ローラ8との当接部において静電潜像が乱されることがなくなり、ハイライト画像を出力した場合においても画像の乱れの発生が抑えられる。
【0126】
更に現像ローラ8は前記実施形態と同様に、導電性芯金上に電子導電層を、該層上にイオン導電層を有しているので、画像幅による画像濃度の変化も発生することがない。
【0127】
そして前記実施形態と同様にして、感光ドラム上にトナー像が形成され、転写工程にて転写紙Pに画像が転写される。
【0128】
尚、転写後に感光ドラム1表面に残存した転写残トナーおよび上記の導電性粒子zは、感光ドラム1の回転により、感光ドラム1と帯電ローラ13の帯電ニップ部に搬送され、帯電ニップ部への導電性粒子zの供給と、帯電ローラ13への付着・混入が生じる。即ち、感光ドラム1と帯電ローラ13とが形成する帯電ニップ部に、導電性粒子zが存在した状態で感光ドラム1の接触帯電が行われる。
【0129】
尚、本実施例の画像形成装置ではクリーナレス構成を採るため、クリーニングブレード等のクリーナ(クリーニング装置)は配設されず、従って転写材Pに対してトナー像を転写した感光ドラム1周面に残留する転写残トナーは、感光ドラム1の回転に伴って帯電工程を経由して現像部位に至り、現像器4で現像兼クリーニングが行われることにより回収・再使用される。
【0130】
以下に、現像兼クリーニングについて図7を用いて説明を行う。
【0131】
図7中、□は感光ドラム1表面に存在する転写残トナーを示し、○は現像ブレードを通過し現像ローラ8上に担持された新しいトナーを示す。記号中の(−)はトナーの帯電極性を示すものである。
【0132】
転写残トナー(転写工程において転写材Pに転写されず、感光ドラム1表面に残ったトナー)は感光ドラム1と帯電ローラ13との接触部において、感光ドラム1と帯電ローラ13との摺擦及び導電性粒子の作用を受けることにより、非画像部の帯電電位にまで帯電される。続いて露光工程により感光ドラム1表面の露光部(画像部)は−120Vとなる。更に現像工程では、前述露光部上の転写残トナーはそのまま感光ドラム1上に残存し、且つ現像バイアス(−350V)と前述露光部との電位差(230V)により現像ローラ8上に担持された新しいトナーが前述露光部に供給(現像)される。同時に非露光部(非画像部)の負帯電の転写残トナーは、感光ドラム1上の帯電電位(約−700V)と現像バイアス(−350V)との電位差により現像ローラ8上に転移する。この際、現像ローラ8上に担持された新しいトナーは、そのまま現像ローラ8上に残存することにより、現像兼クリーニングが行われる。
【0133】
現像兼クリーニング工程を行う場合には、バックコントラスト(帯電電位と現像バイアスとの電位差の絶対値)が150〜600Vとなるように帯電電位、現像バイアスを設定することが好ましい。特には、250〜500Vであることが良い。
【0134】
ここで、本実施形態における帯電ローラ13について詳しく述べる。帯電ローラ13は、芯金上に樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方された発泡体の半導電体層をローラ状に形成することにより形成される。
【0135】
一方、本実施形態の帯電ローラ13のローラ抵抗を測定したところ10kΩであった。ローラ抵抗は、現像ローラの抵抗測定方法と同様にして行った。
【0136】
以下に、本実施形態で使用する導電性粒子zについて更に詳しく述べる。
【0137】
導電性粒子zの材料としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物の導電無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したものといった各種導電粒子が使用可能である。
【0138】
導電性粒子の抵抗は、以下に示す通り比抵抗として算出した。比抵抗の算出は、底面積2.26cm2の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を入れ、上下電極に15kgの加圧を行う同時に100Vの電圧を印加して抵抗値を計測し、その後正規化した。上述の方法により算出した導電性粒子zの比抵抗は、導電性粒子zを介した電荷の授受を行うため1010Ωcm以下であることが好ましい。
【0139】
導電性粒子zの粒径は、光学あるいは電子顕微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出し、その50%平均粒径をもって決定した。
【0140】
上述の測定で算出した導電性粒子zの粒径は、後述するマイクロキャリアとして、または、スペースキャリアとして作用させるために、0.1〜3μmであることが望ましい。粒径が0.1μm未満の場合、一般に用いられる粒径のトナーに対して付着し易く、トナーの挙動に対して追従するために、スペーサキャリアとしての効果が薄れる。一方、粒径が3μmを上回る場合は、トナーの中に介在してトナーと充分接触することが困難となり、トナーを帯電させづらくなる。
【0141】
尚、導電性粒子zは、一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態でも存在しうる。どの様な凝集状態であれ、凝集体として導電性粒子としての機能が実現できればその形態は重要ではない。
【0142】
一方、導電性粒子が感光ドラム1上から記録材Pに一部転写されてしまうことを考慮すると、特にフルカラー画像形成装置において、白色または透明に近い粒子でなければ色再現性が損なわれる恐れが有る。また、導電性粒子を感光体の帯電に用いる場合には、潜像露光時に妨げにならない(遮光しない)ことが重要であり、やはり白色または透明に近い粒子を用いることが望ましい。非磁性であることが好ましい。
【0143】
導電性粒子zの混合量としては、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。
【0144】
導電性粒子zの添加量が0.01質量部未満の場合には、帯電ローラ13への導電性粒子zの供給が少なくなりすぎて帯電性を確保できなくなってしまう。一方、外添剤の量が10質量部を超える場合には、過多な導電性粒子zが感光ドラム1や現像ローラ8に付着してトナーへの帯電性を低下させたり、画像を乱したりする。
【0145】
以上述べたように、現像剤担持体として、導電性芯金、電子導電層及びイオン導電層を有する現像ローラを用いることにより、直接注入帯電方式を用いたクリーナレス画像形成装置においても、現像剤担持体から像担持体への電荷注入を防止しつつ、画像濃度の変化のない画像を形成することが可能となる。
【0146】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
【0147】
以下に示す現像ローラを試作して、画像形成装置において画出しを行った。
【0148】
<現像ローラの製造例1>
現像ローラとして、直径8mmのステンレス製の芯金上に電子導電層として、シリコーンゴム100質量部当たり15質量部のカーボンブラックを分散させたソリッドのシリコーンゴム層を4mm形成し、その上からイオン導電層としてポリアミド樹脂100質量部中に過塩素酸リチウムを1質量部を分散させたものを10μm形成して、直径16mmの弾性現像ローラ1とした。現像ローラ1のゴム硬度としては、42度(AskerC)であった。
【0149】
現像ローラ1の表面粗さとしては十点平均粗さRzで7.2μmであった。
【0150】
抵抗は、イオン導電層の塗工前は、6.2×103Ω(200V印加)、9.4×103Ω(100V印加)、4.6×104Ω(30V印加)であり、塗工後は、1.2×108Ω(200V印加)、3.2×108Ω(100V印加)、5.9×108Ω(30V印加)であった。
【0151】
<比較用現像ローラの製造例1>
従来例で述べたような現像ローラとして、直径8mmのステンレス製の芯金上に電子導電層として、シリコーンゴム100質量部当たり4質量部のカーボンブラックを分散させたソリッドのシリコーンゴム層を4mm形成し、現像ローラ2を製造した。表面粗さは十点平均粗さRzで6.8μmであった。抵抗は、7.9×106Ω(200V印加)、4.8×107Ω(100V印加)、8.6×108Ω(30V印加)であった。
【0152】
<比較用現像ローラの製造例2>
直径8mmのステンレス製の芯金上にイオン導電層として、NBRゴム100質量部当り2.5質量部の4級アンモニウム塩を分散させたNBRゴム層を4mm形成し、現像ローラ3を製造した。表面粗さは十点平均粗さRzで8.6μmであった。抵抗は、7.6×107Ω(200V印加)、8.0×107Ω(100V印加)、9.0×107Ω(30V印加)であった。
【0153】
<現像ローラの製造例2>
現像ローラの製造例1において、イオン導電層の層厚を38μmとすること以外は同様にして、現像ローラ4を製造した。
【0154】
現像ローラ4の表面粗さは、十点平均粗さRzで5.4μmであった。
【0155】
抵抗は、イオン導電層の塗工前は、6.2×103Ω(200V印加)、9.4×103Ω(100V印加)、4.6×104Ω(30V印加)であり、塗工後は2.6×107Ω(200V印加)、4.8×107Ω(100V印加)、7.6×107Ω(30V印加)であった。
【0156】
次に、現像ブレード(厚さ0.1mmのステンレス製の薄板)及び感光ドラム(直径30mm)を有する上述した画像形成装置に、上記の現像ローラを取り付けた。該画像形成装置において、現像ローラと現像ブレードとの線圧を28g/cm、現像ローラと感光ドラムとの線圧を35g/cmに設定した。
【0157】
現像剤としては、懸濁重合法によって製造され、形状係数SF−1が112、SF−2が116であり、ワックスを内包化したコア/シェル構造を有するトナー粒子に、外添剤として疎水性シリカ微粉体をトナー粒子100質量部当たり1質量部添加したものを用いた。
【0158】
上記画像形成装置及び上記トナーを用いて、常温常湿環境(24℃/55%RH)下において、600dpi出力における4×4の集合画素のうち1ドットのみを点灯させた画像をプリントアウトし、画像幅に対する画像濃度の変化を調べた。結果を図4に示す。
【0159】
現像ローラ1を用いた本発明の画像形成装置においては、画像幅に対する画像濃度の変化があまり見られなかったのに対し、現像ローラ2を用いた画像形成装置においては、画像幅が大きくなるに従って画像濃度が低下した。また、現像ローラ3及び4を用いた画像形成装置においては、画像幅に対する画像濃度の変化はあまり見られなかった。現像ローラ1及び2を用いた場合の画像幅に対する画像濃度の変化を図4に示す。
【0160】
更に、低温低湿環境(14℃/11%RH)下において、該画像形成装置を用いてベタ画像の画出しを行ったところ、現像ローラ3を用いた場合に、所望の画像濃度を有する画像が得られなかった。現像ローラ3を取り出して抵抗を測定したところ、6.4×109Ω(200V)、5.3×109Ω(100V)、3.2×109Ω(30V)であり、常温常湿環境下における抵抗値に比べ、高抵抗になっていた。また、現像ローラ4においても、若干ではあるが同時の傾向が見られ、画像濃度の若干の低下が見られた。
【0161】
他の実施形態を以下に示す。
【0162】
画像形成装置として、現像兼クリーニング工程を有する上述の図6の装置を用い、現像剤としては、上述の実施例で用いた現像剤に導電性粒子としてトナー粒子100質量部当たり2.5質量部の酸化亜鉛粒子を加えたものを用いた。
【0163】
また、現像ローラとしては、現像ローラ1と、下記の如くして製造した現像ローラ4及び5を用意した。
【0164】
<現像ローラの製造例3>
現像ローラの製造例1において、イオン導電層中に分散させる過塩素酸リチウムの量をポリアミド樹脂100質量部に対して、1.8質量部とすること以外は同様にして、現像ローラ5を製造した。
【0165】
現像ローラ5の表面粗さは、十点平均粗さRzで7.6μmであった。
【0166】
抵抗は、イオン導電層の塗工前は、6.2×103Ω(200V印加)、9.4×103Ω(100V印加)、4.6×104Ω(30V印加)であり、塗工後は2.6×106Ω(200V印加)、3.8×106Ω(100V印加)、5.6×106Ω(30V印加)であった。
【0167】
上記の画像形成装置及び上記現像剤を用いて、ハイライト画像の出力を行ったところ、現像ローラ1を用いた場合には、画像濃度のムラも発生せず、良好な画像が得られ、且つクリーニング不良も生じず、優れた結果が得られた。
【0168】
また、現像ローラ5を本装置に装着し、同様のハイライト画像の出力を行ったところ、現像ローラ1と同様に画像濃度ムラも発生せず、良好な画像が得られた。
【0169】
次に、現像ローラ1或いは現像ローラ5を装着した画像形成装置を用いて、ベタ画像の出力を行ったところ、現像ローラ1を用いた場合には最大画像濃度が1.44であったが、現像ローラ5を用いた場合には最大画像濃度が1.56であった。即ち、現像ローラ1と現像ローラ5とを比較すると、現像ローラ5を用いた場合のほうが、色再現範囲が広く、より高画質画像が再現可能であるといえる。
【0170】
【発明の効果】
本発明によれば、導電性芯金上に電子導電層及びイオン導電層を形成した現像剤担持体(現像ローラ)とすることにより、各環境で現像幅による画像濃度の変化が抑制された画像を形成することのできる画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に用いることのできる現像器の1つの実施形態の断面概観図である。
【図2】本発明の画像形成装置の1つの実施形態の概略構成図である。
【図3】コア/シェル構造を有するトナーの断面を表わす模式図である。
【図4】実施例における画像幅に対する画像濃度の変化を示すグラフである。
【図5】従来、用いられている画像形成装置を示す図である。
【図6】現像兼クリーニング工程を有する画像形成装置の模式図である。
【図7】現像兼クリーニング方式の原理の説明図を表わす。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 露光器
4 現像器
5 転写ローラ
6 クリーニング装置
7 定着器
8 現像ローラ
8a 芯金
8b 電子導電層
8c イオン導電層
9 供給ローラ
10 現像ブレード
11 攪拌部材
12 現像バイアス電源
100 感光ドラム
101 帯電ローラ
102 露光器
103 現像器
104 転写ローラ
105 クリーニング装置
106 定着器
107 現像ローラ
108 供給ローラ
109 攪拌部材
110 現像ブレード
Claims (9)
- 静電潜像を担持するための像担持体と、
該像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電装置によって帯電された像担持体表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成装置と、
一成分系現像剤を担持する現像剤担持体を有し、該一成分系現像剤を該静電潜像に当接させて現像し、可視像を形成する現像装置と、
該可視像を転写材に静電転写させる転写装置と、
静電転写された可視像を転写材に定着する定着装置とを有する画像形成装置であって、
該現像剤担持体が、少なくとも導電性芯金と、該導電性芯金上に弾性体によって形成される電子導電層と、表層として該電子導電層上に形成される厚さ3〜50μmであるイオン導電層とを有し、
該現像剤担持体は、印加電圧100Vで測定した抵抗値が5×10 5 〜1×10 9 Ωであることを特徴とする画像形成装置。 - 電子導電層は、印加電圧30Vで測定した抵抗値が、1×103〜1×105Ωであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 該電子導電層には、導電性付与物質が分散されており、該導電性付与物質がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 該電子導電層が、シリコーンゴムにカーボンブラックを分散させた弾性体によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該現像剤担持体の印加電圧100Vで測定した抵抗値が、1×106〜5×10 8 Ωであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該現像剤担持体の印加電圧100Vで測定した抵抗値が、1×106〜5×107Ωであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該イオン導電層が、イオン導電機構による導電性付与物質が分散された樹脂バインダーを有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該イオン導電層が、層厚5〜30μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 該現像剤担持体と該像担持体との当接圧が、線圧20〜100g/cmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
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