JP4414983B2 - チタン材の製造方法および熱間圧延用素材 - Google Patents

チタン材の製造方法および熱間圧延用素材 Download PDF

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本発明は、チタン材の製造方法および熱間圧延用素材に関するものであり、特に、分塊工程を省略しても熱間圧延後の表面性状を良好に保つチタン材の製造方法および熱間圧延用素材に関するものである。
チタン材は、一般に、溶解工程から得られるインゴットを、分塊工程でスラブまたはビレット形状にして、表面を手入れした後、熱間圧延し、さらに焼鈍や冷間加工を施して製造される。溶解工程には、広く用いられている真空アーク溶解(VAR:Vacuum Arc Remelting)法のほか、鋳型とは別の場所で溶解を行い鋳型に流し込む電子ビーム溶解法やプラズマ溶解法等がある。前者では、鋳型が円筒型に限定されるため板材の製造には分塊工程が必須である。後者は、鋳型形状の自由度が高く、円筒型のほか角型の鋳型を使用できる。角型インゴットから板材を製造する場合や、円柱型インゴットから棒材や線材を製造する場合には、インゴット形状の点からは分塊工程を省略することができる。
しかし、工業的に用いられる大型インゴットの鋳造まま組織には、図1に示すように幅が数十mmに及ぶ粗大粒が形成される。このインゴットを、分塊工程を経ないで直接熱間圧延する場合には、粗大な結晶粒に起因して粒内および各結晶粒間の変形異方性の影響により、表面に凹凸を生じて表面疵となる。表面疵を取り除くには、酸洗工程での表面溶削量を増やす必要があり、コスト、歩留を悪化させる問題が生じる。このような問題に対し、熱間圧延用素材に加工や熱処理を施すことによって表面疵を低減する方法が提案されている。
特許文献1では、チタン材のインゴットを、分塊工程を省略して直接熱間加工する場合に、表層付近の結晶粒を細粒化するために、表面層にひずみを付与した後、再結晶温度以上に加熱して表面から深さ2mm以上を再結晶させる方法が提案されている。ひずみを付与する手段としては、鍛造、ロール圧下、ショットブラスト等が挙げられている。
特許文献2では、チタン材のインゴットを、Tβ+50℃以上に加熱後、Tβ−50℃以下に冷却した後に熱間圧延することで、粗大な結晶粒の変形異方性によって圧延中に形成される表面の波打ちやシワを低減し、表面疵を低減する方法が提案されている。
特許文献3では、チタン材において、分塊工程を経る場合の圧延製品の表面疵低減方法として、分塊工程終了時の温度をα域にする、あるいは、さらに熱間圧延前の加熱をα域で行うことにより、表面から60μm以上を等軸晶とする方法が提案されている。これにより、酸素リッチ層が部分的に深くなることを避けることができ、脱スケール工程で酸素リッチ層を除去できるようになり、硬度・延性の不均一な部分がなくなるため、冷間加工後の表面性状が改善するとしている。
特開平01−156456号公報 特開平08−060317号公報 特開平07−102351号公報
しかしながら特許文献1に記載の方法では、ひずみを付与する手段にショットブラストが挙げられているが、一般的なショットブラストで形成されるひずみの深さは300〜500μm程度以下であり、品質を改善するために必要としている深さ2mm以上の再結晶層を形成するには不充分である。したがって、実質的には、鍛造もしくはロール圧下により深い位置までひずみを与えることが必要であるが、鍛造もしくはロール圧下を、熱間圧延用の大型インゴットに対して行うには大きな設備が必要で、通常の分塊工程と比較してコスト低下になるものではない。
また、特許文献2に記載の方法は、β域への加熱により粗大な結晶粒が再結晶して細粒化する効果がある。しかし、分塊工程を経ない場合には加工ひずみが与えられていないため再結晶核が少ないことや、インゴット全体を加熱するため加熱後の冷却速度が遅く結晶粒が粗大化することにより、再結晶による細粒化の効果は限定され、変形異方性の低減は充分ではない。また、再結晶しても元の粗大粒の結晶方位の影響を受けることも、変形異方性の解消に至らない要因である。逆に、中程度の細粒化によって表面の凹凸の元となる粒界は増加する結果となり、表面疵の発生が増加する結果になり得る。
また、特許文献3に記載の方法は、分塊工程を経ることによって鋳造組織が壊されて細粒化および等軸化することを前提としており、分塊工程を省略する場合には意味をなさない。仮に分塊工程を省略して熱処理のみによって、表面から60μm以上の等軸粒を形成しても、単なる再結晶でありその結晶方位は元の結晶方位の影響を受ける。したがって、鋳造まま組織の粗大粒による変形異方性に起因する凹凸を防止するには不十分であり、表面疵による問題が生じることは明らかである。
そこで、本発明は、分塊工程を省略しても熱間圧延後の表面性状を良好に保つことのできる、チタン材の製造方法および熱間圧延用素材を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、インゴットから分塊工程を省略して熱間圧延を行ってチタン材を製造するに際し、インゴットの表層を一旦溶融して凝固させることで、表層部分に図2に示すような微細で不規則な方位を有する凝固組織を効率的に形成させたることができ、その結果、元の粗大な凝固組織の変形異方性の影響による表面疵が低減して、分塊工程を経る場合と同等な表面性状を得ることができることを見出した。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) インゴットの少なくとも圧延面にあたる面の表層を溶融再凝固させた後、熱間圧延を行うことを特徴とする、チタン材の製造方法。
(2) 表層の溶融再凝固層の深さが、インゴット最表面から1mm以上であることを特徴とする、上記(1)に記載のチタン材の製造方法。
(3) 表層の溶融を、誘導加熱、アーク加熱、プラズマ加熱、電子ビーム加熱、およびレーザ加熱のうちの一種または二種以上を組み合わせて行うことを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のチタン材の製造方法。
(4) 溶融部を真空もしくは不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする、上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のチタン材の製造方法。
(5) β変態点超から融点未満の温度に加熱後に空冷以上の冷却速度で冷却したインゴットを用いることを特徴とする、上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載のチタン材の製造方法。
(6) 少なくとも圧延面にあたる面の表層から深さ1mm以上が溶融再凝固した組織であり、下部が鋳造まま組織あるいは鋳造後β域に加熱後に冷却された組織であることを特徴とする、チタンの熱間圧延用素材。
本発明は、チタン材の製造に際し従来必要であった分塊工程を省略しても、分塊工程を経る場合と同等な表面性状を有するチタン材の製造を可能にするものであり、分塊工程省略による加熱時間の低減や表面品質向上による酸洗量の低減によって歩留の向上がはかられることから、製造コストの削減のみならず、エネルギー効率の向上にも大きな効果があり、産業上の効果は計り知れない。
以下、本発明について詳しく説明する。
請求項1に記載の本発明は、インゴットの表層部分のみを加熱することにより溶融後に急冷されて凝固するため、鋳込みままの粗大凝固組織にくらべて、極めて微細で不規則な方位を有する凝固組織を得ることができる。その結果、元の粗大な凝固組織の変形異方性の影響による表面疵を低減して表面性状に優れたチタン材が得られる。角型インゴットを使用する場合、インゴットの圧延面の他、側面に対して溶融再凝固を施しても表面性状の改善に効果がある。これは、熱間圧延中のメタルフローによって、圧延前に側面であった部位が圧延面に現れるためである。なお、表層に未溶融の部分があったとしても直ちに疵が発生するというものではなく、隙間なく行うことが必須の条件ではない。表層溶融処理中に、溶融のため加熱している部位以外を、送風による空冷や水冷によって冷却する場合もある。表層溶融再凝固の前後には、必要に応じて表面手入れを行う場合もある。熱間圧延前の加熱や圧延の条件は、従来と同じでよい。
請求項2に記載の本発明は、溶融再凝固層の厚みを1mm以上としている。これは、作業のばらつきなどによって未溶融の部分が残る可能性を抑制するためには、1mm以上とするのが望ましいためである。
請求項3に記載の本発明は、溶融の方法として、誘導加熱、アーク加熱、プラズマ加熱、電子ビーム加熱、およびレーザ加熱のうちの一種又は二種以上を組み合わせて用いるとしている。
誘導加熱は、インゴットを周回するように配置されたコイルによって加熱される。高周波誘導加熱では表皮効果によって、特にインゴット表層部が加熱され溶融する。処理時間は比較的短いが、設備費が高い特徴がある。アーク加熱は、溶接の方法として工業的にTIG(Tungsten Inert Gas)溶接が行われており、その方法や設備を用いれば良く、安価な方法である。TIG溶接は最大出力6kWで5mm程度の溶融層を得られる。プラズマ加熱は、最大出力15kWで10mm程度の溶融層を得ることができる。電子ビーム加熱は、高密度のエネルギーを付加することができ、最大100kWで200mm程度の溶融層を得ることもできる。一方で、通常10-5Torr程度の真空容器内で行う必要があり、設備の制約を受ける。レーザ加熱では、最大15kWで20mm程度までの溶融層を得ることができ、大気中での処理が可能である。
上記の方法を組み合わせて用いる場合、例えば、誘導加熱で予熱した後、レーザ加熱によって表層溶融することができる。これらの中から、コスト、インゴットのサイズ、処理時間などの条件を考慮して採用すればよい。
請求項4に記載の本発明は、溶融部を真空もしくは不活性ガス雰囲気とすることとしている。真空あるいは不活性ガス雰囲気とした容器内で行うか、溶融部に不活性ガスを吹き付けながら表層の溶融を行ってもよい。これによって溶融層内に酸素や窒素が浸入して品質が変化することを抑制できる。また、不活性ガスの吹き付けは、冷却速度を高めて再凝固組織をより微細にする効果もある。本発明でいう不活性ガスとは、アルゴン及びヘリウムを指し、チタンと反応する窒素は含まない。真空容器内で行う場合の真空度は、5×10-5Torr程度以上が望ましい。
請求項5に記載の本発明は、β変態点超から融点未満の温度に加熱後に空冷以上の冷却速度で冷却する熱処理を施して、鋳込み凝固ままの粗大凝固組織を細粒化した後、さらに表層の溶融再凝固を行うこととしている。この方法によって、より変形異方性の小さい凝固組織が得られ、表面疵の発生を低減させることができる。
請求項6に記載の本発明は、表層に深さ1mm以上の溶融再凝固層を有し、その他の部分が鋳造まま組織あるいは鋳造後β域に加熱後に冷却する熱処理を施された組織である、チタン材の熱間圧延用素材である。この素材を用いることで、分塊工程を省略した場合でも、通常の分塊工程を経る場合と同等の表面品質を有するチタン材を得ることができる。
なお、本発明において分塊とは、インゴットを圧延用素材形状に加工する方法全般を指し、圧延のほか、鍛造やプレスを含む。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
Figure 0004414983
表1のNo.1から13に示す実施例および比較例において、チタンインゴットの製造は、電子ビーム溶解法で行い、角型鋳型にて鋳造した。厚さ200mm×幅1000mm×長さ4500mmのインゴットから、熱間圧延により厚さ4mmの板を製造した。酸洗後、目視にて表面疵の評価を行った。TIG溶接による表層溶融は、200Aで溶加材を用いないで行った。電子ビームによる表層溶融は、定格出力30kWの電子ビーム溶接装置を使用した。以下の実施例で特に記載しない場合は、TIG溶接により表層溶融を行った。
なお、No.1から13の実施例及び比較例のいずれも、インゴット製造後にインゴットの鋳肌を切削除去し、あるいはインゴットを加熱冷却後に表層スケール層を切削除去している。後述のNo.14から20についても同様である。
No.1の比較例は、工業用純チタン2種材を用いて、従来の分塊工程を経る方法で製造した場合である。
No.2の比較例は、工業用純チタン2種材を用いて、分塊工程を省略して熱間圧延を行った場合であり、熱延後酸洗を行った板には粗大な表面疵が観察された。
No.3の比較例は、工業用純チタン2種材を用いて、分塊工程を省略して、インゴットをβ域に加熱し30分保持後に冷却した後、熱間圧延を行ったものであるが、熱延酸洗板の表面疵は粗大で、疵頻度はNo.2よりも増加した。これは、β域加熱によってインゴットの粗大な結晶粒が中程度の粒径を有する多数の結晶粒に変わり、表面の凹凸の元となる粒界が増加したためと考えられる。
No.4の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを0.5mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。部分的にやや粗大な表面疵が見られたが、表層溶融無しのNo.2に比べて改善されていた。
No.5の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを表面から1mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。表面疵は軽微で大幅に改善されており、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.6の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表面から4mm深さまで溶融再凝固層を形成し、熱間圧延したものである。表面疵は軽微であり、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.7の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表面から20mm深さまで溶融再凝固層を形成し、熱間圧延したものである。表層溶融は電子ビーム溶接装置を使用して行った。表面疵は軽微であり、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.8の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、β域に加熱し30分保持後に冷却し、表層スケール層を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを表面から深さ1mmに調整し、ついで熱間圧延したものである。この場合でも、表層溶融再凝固の効果があり、表面疵は軽微で、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.9の比較例は、Ti−1%Fe−0.36%O合金を用いて、従来の分塊工程を経る方法で製造した場合である。
No.10の比較例は、Ti−1%Fe−0.36%O合金を用いて、分塊工程を省略して、熱間圧延を行った場合であり、熱延酸洗板には粗大な表面疵が観察された。
No.11の実施例は、Ti−1%Fe−0.36%O合金を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを0.5mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。部分的にやや粗大な表面疵が見られたが、表層溶融無しのNo.10に比べて改善されていた。
No.12の実施例は、Ti−1%Fe−0.36%O合金を用いて、インゴットの鋳肌を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを表面から深さ1mmに調整し、ついで熱間圧延したものである。表面疵は軽微であり、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.13の実施例は、Ti−1%Fe−0.36%O合金を用いて、β域に加熱し30分保持後に冷却し、表層スケール層を切削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を切削して溶融再凝固層の厚みを表面から深さ1mmに調整し、ついで熱間圧延したものである。この場合でも、表層溶融再凝固の効果があり、表面疵は軽微で、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
表のNo.14から20に示す実施例および比較例において、チタンインゴットの製造は、電子ビーム溶解法で行い、円筒鋳型にて鋳造した。直径170mm×12m長のインゴットから、熱間圧延により直径13mmの線材を製造した。酸洗後、目視にて表面疵の評価を行った。表層溶融はTIG溶接で行い、200Aで溶加材を用いないで行った。
No.14の比較例は、工業用純チタン2種材を用いて、従来の分塊工程を経る方法で製造した場合である。
No.15の比較例は、工業用純チタン2種材を用いて、分塊工程を省略して熱間圧延を行った場合であり、熱延後酸洗を行った板には粗大な表面疵が観察された。
No.16の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を研削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を研削して溶融再凝固層の厚みを0.5mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。部分的にやや粗大な表面疵が見られたが、表層溶融無しのNo.15に比べて改善されていた。
No.17の実施例は、工業用純チタン2種材を用いて、インゴットの鋳肌を研削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を研削して溶融再凝固層の厚みを表面から1mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。表面疵は軽微で大幅に改善されており、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
No.18の比較例は、Ti−3%Al−2.5%V合金を用いて、従来の分塊工程を経る方法で製造した場合である。
No.19の実施例は、Ti−3%Al−2.5%V合金を用いて、インゴットの鋳肌を研削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を研削して溶融再凝固層の厚みを0.5mm深さに調整し、ついで熱間圧延したものである。部分的にやや粗大な表面疵が見られたが、表層溶融無しのNo.18に比べて改善されていた。
No.20の実施例は、Ti−3%Al−2.5%V合金を用いて、インゴットの鋳肌を研削除去した後、表層を溶融再凝固し、さらに表面を研削して溶融再凝固層の厚みを表面から深さ1mmに調整し、ついで熱間圧延したものである。表面疵は軽微であり、従来の分塊工程を経る方法と同等のレベルであった。
チタンインゴットの鋳造まま組織を断面図で模式的に示す図である。 チタンインゴットの表層を溶融再凝固した組織を示す断面図である。
符号の説明
1 インゴット表面

Claims (6)

  1. インゴットの少なくとも圧延面にあたる面の表層を溶融再凝固させた後、熱間圧延を行うことを特徴とする、チタン材の製造方法。
  2. 表層の溶融再凝固層の深さが、インゴット最表面から1mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載のチタン材の製造方法。
  3. 表層の溶融を、誘導加熱、アーク加熱、プラズマ加熱、電子ビーム加熱、およびレーザ加熱のうちの一種または二種以上を組み合わせて行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のチタン材の製造方法。
  4. 溶融部を真空もしくは不活性ガス雰囲気とすることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のチタン材の製造方法。
  5. β変態点超から融点未満の温度に加熱後に空冷以上の冷却速度で冷却したインゴットを用いることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のチタン材の製造方法。
  6. 少なくとも圧延面にあたる面の表層から深さ1mm以上が溶融再凝固した組織であり、下部が鋳造まま組織あるいは鋳造後β域に加熱後に冷却された組織であることを特徴とする、チタンの熱間圧延用素材。
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