JP4413600B2 - 異方性成形体の製造方法および異方性成形体 - Google Patents

異方性成形体の製造方法および異方性成形体 Download PDF

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Description

本発明は、例えば導電性、熱伝導性、膨張率、光透過性、磁性、硬度、弾性、吸水性などの性質を、マトリックス内で特定方向に発現する異方性を有する異方性成形体とその製造方法に関し、特に、マトリックス内で特定方向に導電性や熱伝導性を有する異方性成形体とその製造方法に関する。
特定方向に異方性を発現する異方性成形体の例として、電子部品と、プリント基板やLSIなどの回路装置との電気的接続や、回路装置相互間の電気的接続、あるいはまた、回路装置の電気的検査に用いられる異方性導電シートが知られている。異方性導電シートは、絶縁性のシート中に、シートの厚み方向に連なった導電性の配向部を有しており、シートの厚み方向に導電性を示すが、シートの平面方向には導電性を示さないという異方性をもつ。この異方性導電シートは、はんだ付けや機械的接合などの手段を用いなくとも、圧接させるのみで簡単に回路装置相互間の電気的接続を可能とし、機械的衝撃や歪みを吸収することができるものである。
この異方性導電シートの一般的な製造方法には、磁性体でなるピンを林立するように埋込んだ金型に、磁性導電粒子を含む液状ポリマーを注入し、磁力によってピンの延長線上に磁性導電粒子を配向させた後、液状ポリマーを硬化させる製造方法がある。例えば、特開平4−151889号公報(特許文献1)には、磁性体のピンを埋め込んだ非磁性体の金型を用いた異方性導電シートの製造方法が記載されている。
特開平4−151889号公報
近年の電子機器に用いられるプリント基板や電子部品の小型化、薄型化に伴い、異方性導電シートもまた小型化、薄型化してきている。しかしながら、小型化、薄型化が進むと、異方性導電シートの機械的強度、剛性が悪化するため、反りなどの変形を防止するべく、硬度が高く強度が強い材料を用いることが要求される。ところが、高硬度高強度の材料を用いて配向部を保持するベース部を形成しても、導電性を有する配向部では押圧や位置づれに対応できる程度の柔らかさが必要となる。
しかし上述の従来の製造方法によれば、液状のポリマーに磁性体を分散させた材料を用いていたため、硬化後に高硬度高強度となる液状ポリマーを用いると、ベース部としては適当でも、配向部としては柔らかさが失われて不適当であり、また反対に、硬化後に柔らかい状態を保つ液状ポリマーを用いれば、反りなどの変形の発生を伴う異方性導電シートしか得ることができなかった。
以上のような従来の導電性絶縁シートの問題点に鑑みなされたのが本発明である。すなわち、マトリックス内で特定方向に発現する異方性を具現化する配向部と、マトリックスとなるベース部との間で、硬さなどの性質が異なる異方性成形体を得ること、およびその異方性成形体を簡単に製造する方法を得ることにある。
この目的を達成すべく本発明は、磁性体を所定方向に配向した配向部と、配向部を保持するベース部とを備える異方性成形体の製造方法について、金型内に、硬化後にベース部をなす第1の液状ポリマーを注入し、第1の液状ポリマーよりも高粘度であり、硬化後に配向部をなす磁性体を含んだ第2の液状ポリマーを、第1の液状ポリマーの配向部形成箇所に対して局所的に注入し、第2の液状ポリマーに磁場を印加し磁性体を配向することで第1の液状ポリマーに第2の液状ポリマーを貫通させ、第1及び第2の液状ポリマーの硬化処理を行うことを特徴とする異方性成形体の製造方法を提供する。
本発明の異方性成形体の製造方法によれば、金型内に、硬化後にベース部をなす第1の液状ポリマーを注入し、第1の液状ポリマーよりも高粘度であり、硬化後に配向部をなす磁性体を含んだ第2の液状ポリマーを、第1の液状ポリマーの配向部形成箇所に対して局所的に注入し、第2の液状ポリマーに磁場を印加し磁性体を配向することで第1の液状ポリマーに第2の液状ポリマーを貫通させ、第1及び第2の液状ポリマーの硬化処理を行うこととしたため、第1の液状ポリマーと第2の液状ポリマーとがほとんど混ざり合わずに、磁力によって、磁性体を含んだ第2の液状ポリマーが第1の液状ポリマー中を移動し、所定の方向に配向する。したがって、ベース部と配向部の性質の異なる異方性成形体を一対の金型で簡単に製造することができる。
本発明では、磁性体の磁場配向することで高粘度の第2の液状ポリマーを低粘度の第1の液状ポリマー中で移動させるものである。よって、第1の液状ポリマーと第2の液状ポリマーの比重の大小によって、第2の液状ポリマーが移動するまでの時間に程度差はあっても、こうした粘度差と磁場配向を利用する限りにおいては本発明の製造方法に含まれるものである。
そして、第2の液状ポリマーの注入時から磁場を印加することとすれば、磁性体を含む第2の液状ポリマーが、第1の液状ポリマー中に注入されるとすぐに所定方向に配向し始めるため、第1の液状ポリマーと第2の液状ポリマーとの混合をさらに少なくしてベース部と配向部とを形成することができる。そのため、ベース部と配向部との性質が明確に区別しうる異方性成形体を得ることができる。
また、金型に磁性体でなるピンを備えることができる。金型に磁性体でなるピンを備えたため、ピンに対応する箇所に配向部を形成することができ、ピンの数や大きさなどを適宜変更することによって、ベース部中に所望の数、大きさの配向部を形成することができる。
第1の液状ポリマーの作業温度における粘度を0.1Pa・s〜30Pa・sとし、第2の液状ポリマーの作業温度における粘度を、15Pa・s〜200Pa・sであって第1の液状ポリマーの粘度の2倍以上の粘度とすることができる。作業温度における粘度が0.1Pa・s〜30Pa・sである第1の液状ポリマーに比べて、第2の液状ポリマーの粘度は15Pa・s〜200Pa・sであって第1の液状ポリマーの粘度の2倍以上の粘度としたため、磁性体を有する高粘度の第2の液状ポリマーと低粘度の第1の液状ポリマーとが互いに混ざりにくく、磁力の影響を受けて、第2の液状ポリマーが磁性体ごと第1の液状ポリマー中を移動することができる。そのため、磁性体を所定方向に配向した配向部と、配向部を保持するベース部との性質の異なる異方性成形体を一金型内で簡単に製造することができる。
そして、磁性体が磁性導電体であり、硬化後のタイプA硬度が60を超える第1の液状ポリマーと、硬化後のタイプA硬度が10〜60である第2の液状ポリマーとを選択して用いることができる。これにより、第1の液状ポリマーからなる部分と第2の液状ポリマーからなる部分の硬度が異なるとともに、所定方向に導電性を有する異方性成形体を製造することができる。
本発明はまた、タイプA硬度が60を超える高硬度弾性体でなるベース部と、タイプA硬度が10〜60の低硬度弾性体中に、所定方向に配向した磁性体を含んでなりベース部を貫通する配向部とを有し、磁性体が発現する所定の特性に配向方向に沿う異方性を持たせたことを特徴とする異方性成形体を提供する。
硬化後のタイプA硬度が60を超える第1の液状ポリマーと、硬化後のタイプA硬度が10〜60である第2の液状ポリマーとを用いれば、第1の液状ポリマーからなる部分の硬度を高くすることができ、第2の液状ポリマーからなる部分の硬度を低く柔らかくすることができる。さらに、ベース部を貫通する配向部を有し、磁性体が発現する所定の特性に配向方向に沿う異方性を持たせたため、磁性体の種類を適宜選択して用いることにより、導電性や熱伝導性などの種々の特性に異方性を有する異方性成形体とすることができる。
そして、磁性体を磁性導電体とすれば、ベース部は高硬度でありながら配向部は柔らかく、特定方向に導電性を有する異方性導電体とすることができる。この異方性導電体は、ベース部の硬度が高いため、薄型であっても反りなどの変形が生じにくいとともに、配向部の硬度が低く柔らかいため、電子部品や回路装置との確実な接触を確保することができる。
本発明の異方性成形体の製造方法によれば、ベース部と、配向部の性質の異なる異方性成形体を簡単に製造することができる。すなわち、余分な金型を作成するための費用が削減でき、製造工程数も少なく、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の異方性成形体によれば、硬度などの性質をベース部と配向部とで異なるものとすることができる。そして、薄型であっても反りなどの変形が生じにくく、寸法安定性が良い異方性成形体とすることができる。そのため、小さな電子部品、回路装置間の接続に利用でき、電子機器自体の薄型化、小型化に大きく貢献できる。
本発明の異方性成形体および異方性成形体の製造方法について図面を用いてさらに詳しく説明する。
第1実施形態: 図1、図2には、異方性成形体の一例として、配向部となる導電部と、配向部を保持するベース部とで硬さが異なり、厚み方向に導電性を有する異方性導電シート1を示した。この異方性導電シート1の製造は、成形金型を用いた型成形にて行う。図3で示すように、下側金型(以下「下型」という)11は、アルミニウムや銅などの非磁性体からなる本体部12に、鉄や磁石などの強磁性体でなる下型ピン13を備えた構造をしたものである。下型ピン13は、異方性導電シート1の導電部2を形成する位置に対面して設けられるが、導電部2がベース部3の表面3aよりも多少突出した凸部2aを形成するように、下型11のキャビティ面が下型ピン13の位置で一段下がるように形成されている。また、下型11には、異方性導電シート1の四隅に設けた取付け孔4形成のための円柱状の突起14を本体部12と同一の素材で形成しておく。さらに、この下型11の下方には磁石15を予め配置しておく。
この下型11に、図4で示すように、注入口16から第1の液状ポリマー5を注入する。第1の液状ポリマー5は、型入れ後の硬化によりベース部3となるため、反りなどの変形を起こさぬよう、硬度が高く強度が強い材質が選択される。このような材質としては、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリエチレンナフタラート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニル系樹脂、フッ素樹脂、ポリアセテート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリベンザオキサゾール樹脂等の樹脂や、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの天然又は合成のゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ化系熱可塑性エラストマー、イオン架橋系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーなどから選択され、硬度が高く強度が強い材料が用いられる。すなわち、第1の液状ポリマー5の硬化後の硬度は、タイプA硬度で60を超えるものであることが好ましい。タイプA硬度が60を超えるものとしたのは、タイプA硬度が60を超えれば、薄型化した異方性導電体とした場合であっても反りなどの変形を起こさず、寸法安定性を保つ十分な硬さを有するからである。
第1の液状ポリマー5は、作業温度における未硬化時の粘度が0.1Pa・s〜30Pa・sであり、好ましくは、1.0Pa・s〜15Pa・sである。ここで「作業温度」とは、下型11に第1の液状ポリマー5を注入する作業を行うなどの硬化前の本発明の一連の作業を行う際の液状ポリマーの温度をいう。すなわち、通常は常温であるが、選択する液状ポリマーの種類によっては常温より温度が高いか低くなければ所定の粘度が得られない場合もあり、そのような場合は、目的の液状ポリマーが所定の粘度を有する温度で作業を行えば良いことを考慮したものである。
下型11への第1の液状ポリマー5の注入後、図5で示すように、磁性導電体6を含んだ第2の液状ポリマー7を下型ピン13の延長線上の真上位置に備えた注入口16から前記第1の液状ポリマー5上に注入する。すなわち、図6で示すように、下型11のキャビティ内にある第1の液状ポリマー5に対して導電部2が形成される箇所(配向部形成箇所)5aに局所的に第2の液状ポリマー7を注入する。下型11のキャビティ内は、磁石15により磁場が生じているため、下型ピン13を通じて働く磁力により、磁性導電体6を含んだ第2の液状ポリマー7は、下型ピン13に引かれるように第1の液状ポリマー5の中を移動して、磁場方向に配向する。
磁性導電体6には、例えば、粒子状や、繊維状、細片状で良導電性の磁性を有する金属が用いられる。具体的には、ニッケル、コバルト、鉄、フェライトなどの金属またはそれらを多く含む合金などが好ましい。この他にも良導電性の金、銀、白金、アルミニウム、ニッケル、銅、鉄、パラジウム、コバルト、クロム等の金属類やステンレス等の合金類に、磁性体でメッキをしたもの、あるいは樹脂、セラミック等からなる粉末等に磁性と導電性を有する金属でメッキしたもの、さらには、磁性と導電性を有する金属などに樹脂を被覆したものを用いることができる。これらの磁性導電体6は、第2の液状ポリマー7中の分散安定性や、場合により第2の液状ポリマー7中に添加する分散剤や充填材との適合性、さらには導電性など、種々の条件を考慮して選択して用いられる。
第2の液状ポリマー7は、磁性導電体6の保持媒体であり、磁性導電体6を含んで導電部2を形成する。導電部2は、電子部品や回路装置の接点部との十分な接合を確保するため、適度な柔軟性があることが好ましい。したがって、例えば、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどの天然又は合成ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ化系熱可塑性エラストマー、イオン架橋系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーなどから選択される硬化後の硬度が低いゴム状弾性体が第2の液状ポリマー7として用いられる。適度な柔軟性を要することから、第2の液状ポリマー7の硬化後の硬度は、タイプA硬度で10〜60であることが好ましい。タイプA硬度を10〜60としたのは、接触させる電子部品等の接点部との間で多少の位置づれが生じていても押圧すれば十分な接触が得られるだけの柔軟性を有し、割れ、欠け等を起こしにくくなるからである。上述の材料の中でも電気絶縁性、耐候性の観点からシリコーンゴムを用いることが特に好ましい。
磁性導電体6を含有する第2の液状ポリマー7は、作業温度における未硬化時の粘度が15Pa・s〜200Pa・sであって、第1の液状ポリマーの粘度の2倍以上の粘度である。そして好ましくは、第1の液状ポリマー5の作業温度における粘度が1.0Pa・s〜15Pa・sの際に第2の液状ポリマーの作業温度における粘度が20Pa・s〜100Pa・sである。作業温度の意味は、第1の液状ポリマー5の粘度について説明した意味と同様である。例えば、第1の液状ポリマーに常温で1.4Pa・sのシリコーンレジンを用い、第2の液状ポリマーに常温で20Pa・sの液状シリコーンゴムを用いることは好ましい組合せである。
第1の液状ポリマー5の粘度を0.1Pa・s〜30Pa・sとし、一方、第2の液状ポリマー7の粘度を15Pa・s〜200Pa・sであって第1の液状ポリマーの粘度の2倍以上の粘度としたのは、両者に適度な粘度差を設けることにより、第1の液状ポリマー5中で、磁性導電体6が第2の液状ポリマー7からほとんど分離せず、磁性導電体6が第2の液状ポリマー7ごと第1の液状ポリマー5中を移動することが可能となるからである。すなわち、磁性導電体6が分散した第2の液状ポリマー7は粘度が高く、一方、第1の液状ポリマー5は粘度が低いため、第1の液状ポリマー5と第2の液状ポリマー7は混ざりにくく、また、第2の液状ポリマー7は第1の液状ポリマー5の中を容易に移動することができ、磁性導電体6を第2の液状ポリマー7ごと下型ピン13に向けて配向させることができる。異方導電性シート1の製造上の観点からは第1の液状ポリマー5の粘度と第2の液状ポリマー7の粘度の差が大きいほど好ましい。厳密には、第2の液状ポリマー7は磁性導電体6を含んで用いるため、磁性導電体6を含んだ状態における第2の液状ポリマー7の粘度との差が大きいほど好ましい。
下型11と対になる図7で示した上側金型(以下「上型」という)21は、下型11の本体部12と同様の材質からなる本体部22を有し、下型11に設けた下型ピン13に対して上下方向で対向する位置に上型ピン23を設けておく。この上型ピン23の材質も下型ピン13と同じで良い。また、上型21の上側には磁石15と対になる磁石24を配置しておく。この上型21を、図8で示すように、原料が注入された下型11に重ね、型合わせを行って下型11の下型ピン13と上型21の上型ピン23とを繋ぐ磁力線上に磁性導電体6を含んだ第2の液状ポリマー7が配列して移動しなくなるまで放置する。その後、第1の液状ポリマー5、および第2の液状ポリマー7を、各液状ポリマーの種類に応じた方法で硬化させる。例えば、シリコーンゴムなどでは高温により架橋させ、熱可塑性エラストマーでは温度を下げて硬化させる。第1の液状ポリマー5と第2の液状ポリマー7とを硬化させた後、脱型することで異方性導電シート1を得る。以上のような本発明の製造方法によると、二種類の異なった材料を金型へ注入し、一度の金型成形を行うだけで製造することができる。
第1の液状ポリマー5と第2の液状ポリマー7との選択にもよるが、第1の液状ポリマー5と第2の液状ポリマー7とが全く混じり合わず、導電部2とベース部3との境界が明確な異方導電性シート1とすることもできるし、第1の液状ポリマーと第2の液状ポリマーが混ざりあっても僅かであるため、導電部2とベース部3との境界部分以外は導電部2とベース部3との性質が明確に異なる異方導電性シート1とすることができる。
この方法により得られた異方性導電シート1は、ベース部3の硬度が高く強度が強い材質で形成され、導電部2は、硬度が低く柔らかい材質で形成されている。そのため、肉厚が薄くても、反りなどの変形が少なく、また、接続する電子部品や回路装置との間に僅かな位置ずれがあったとしても、圧着させることで正確な接触を得ることができる。
以上の第1実施形態に対しては種々の変更が可能である。例えば、製造する異方性導電シート1の大きさ、形状、導電部2とベース部3の大きさ、形状、配置などは適宜変更することが可能であり、取付け孔4が無かったり、他の突起が付加されたりといったような変更ももちろん可能である。また、製造に用いる磁石15,24については、永久磁石を用いずに、下型11、上型21自体を電磁石などで生じる磁場の中に置くことも可能である。さらに、金型についても金型自体にピン13,23を設けなくとも、金型の外部にピン13,23に相当する部材を設けることもできる。
本発明で得られた異方性導電シート1の使用例を図9に示す。電子部品31の電極32と、異方性導電シート1の導電部2、そして、プリント基板33の電極34とが接触するように、電子部品31とプリント基板33の間に異方性導電シート1を挟み込んで組付ける。このとき、電子部品31のガイドピン35を異方性導電シート1の取付け孔4とプリント基板33のガイド穴36に通すことにより、位置決め固定が可能である。さらに、異方性導電シート1の取付け孔4は硬度が高く強度が強い材質で形成されているため、電子部品31が確実に固定され位置ずれが起こることが無い。また、異方性導電シート1の導電部2は硬度が低く柔らかい材質で形成されているため、組付けの際の必要荷重が少ない。
第2実施形態: 図10、図11では、本発明の異方性成形体のうち、所定方向に導電性を有する異方性導電体を、電子素子38を内包するホルダ39として製造した例を示す。ホルダ39の導電部2は、電子素子38の電極(図示せず)とホルダ39内で接触し、一方、ホルダ39の外部では、図示せぬ基板上の電極と接触するか、ホルダ39と電線(図示せず)を繋ぐホルダガイド(図示せず)に接触する。一方、ベース部3は、高い硬度を有し強度が強い材質でできているため、導電部2が動きにくくしっかりと固定され、電子素子38の電極との確実な接触状態を保つことができる。
第3実施形態: 第1の実施形態で示した下型11、上型21の代わりに、下型ピン13や上型ピン23などのピンを有しない金型を用い、強力な磁場の中で、第1の実施形態で示したのと同様の材料、方法で異方性導電シート1の製造を行う。得られる異方導電性シートは、第2の液状ポリマーの注入箇所から磁力が働く方向に沿って導電部を形成する。
第4実施形態: 第1〜第3実施形態は何れも異方性導電体についてものであったが、第4実施形態における異方性成形体は、熱伝導性に異方性を有する異方性熱伝導体である。異方性熱伝導体を製造するには、磁性体6として、ニッケル、コバルト、鉄、フェライトなどの熱伝導性のある金属や合金でなる粒子状、繊維状、細片状の磁性体を用いたり、これらの金属や合金にさらに熱伝導性の大きな金、銀、銅、アルミニウムなどを被覆したものを用いることができる。また、熱伝導性の大きな酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素などの粉末状セラミックスやカーボンブラックなどの表面に鉄やニッケルなどの磁性金属でメッキしたものなどを用いることができる。磁性体6の材料以外は、第1実施形態で用いた材料を用い、第1実施形態で示した方法と同様の方法により異方性熱伝導体を得ることができる。この異方性熱伝導体は、図1、図2で示した異方性導電シート1と同じ外観形状とすることができる。
以上の実施形態は、異方性導電体や異方性熱伝導体についてのものであるが、磁性体、第1の液状ポリマー、第2の液状ポリマーを適宜選択することにより、導電性や熱伝導性以外の、例えば膨張率などの特性について異方性を有する異方性成形体を製造することが可能である。
本発明の異方性導電シートの平面図である。 本発明の異方性導電シートを示す図1のSA−SA線断面図である。 本発明で用いる下型の断面図である。 本発明の製造方法の一過程を示す下型の断面図である。 本発明の製造方法の一過程を示す下型の断面図である。 第1の液状ポリマーが充填された下型の平面図である。 本発明で用いる上型の断面図である。 本発明の製造方法の一過程を示す下型と上型を組付けた断面図である。 本発明の異方導電性シートの使用例を示す外観斜視図である。 本発明の異方性導電体の平面図である。 本発明の異方性導電体を示す図10のSB−SB線断面図である。
符号の説明
1 異方導電性シート(異方性成形体)
2 導電部(配向部)
2a 凸部
3 ベース部
3a 表面
4 取付け孔
5 第1の液状ポリマー
5a 配向部形成箇所
6 磁性導電体(磁性体)
7 第2の液状ポリマー
11 下側金型(下型)
12 本体部
13 下型ピン
14 突起
15 磁石
16 注入口
21 上側金型(上型)
22 本体部
23 上型ピン
24 磁石
31,38 電子素子
32,34 電極
33 プリント基板
35 ガイドピン
36 ガイド孔
39 ホルダ(異方性導電体)

Claims (6)

  1. 磁性体を所定方向に配向した配向部と、配向部を保持するベース部とを備える異方性成形体の製造方法において、
    金型内に、硬化後にベース部をなす第1の液状ポリマーを注入し、第1の液状ポリマーよりも高粘度であり、硬化後に配向部をなす磁性体を含んだ第2の液状ポリマーを、第1の液状ポリマーの配向部形成箇所に対して局所的に注入し、第2の液状ポリマーに磁場を印加し磁性体を配向することで第1の液状ポリマーに第2の液状ポリマーを貫通させ、第1及び第2の液状ポリマーの硬化処理を行うことを特徴とする異方性成形体の製造方法。
  2. 第2の液状ポリマーの注入時から磁場を印加する請求項1記載の異方性成形体の製造方法。
  3. 金型に磁性体でなるピンを備える請求項1又は請求項2記載の異方性成形体の製造方法。
  4. 第1の液状ポリマーの作業温度における粘度が0.1Pa・s〜30Pa・sであり、第2の液状ポリマーの作業温度における粘度が15Pa・s〜200Pa・sであって第1の液状ポリマーの粘度の2倍以上の粘度である請求項1〜請求項3何れか1項記載の異方性成形体の製造方法。
  5. 磁性体が磁性導電体であり、第1の液状ポリマーの硬化後の硬度が、第2の液状ポリマーの硬化後の硬度よりも高い請求項1〜請求項4何れか1項記載の異方性成形体の製造方法。
  6. 磁性体が磁性導電体であり、硬化後のタイプA硬度が60を超える第1の液状ポリマーと、硬化後のタイプA硬度が10〜60となりゴム状弾性を備える第2の液状ポリマーとを用いる請求項1〜請求項4何れか1項記載の異方性成形体の製造方法。
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