JP4413548B2 - カップ部を有する衣類 - Google Patents
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一方、就寝時にブラジャーを着けている理由は、「垂れて型崩れをさせないため。着けないとバストが移動して安定せず、落ち着かない。」等であるが、ブラジャーを着けていることにより、「アンダーの締め付け感がある。ワイヤーが肌に当たって不快感がある。」等の心配、不満があった。
上記要望を満たすには、締付感や窮屈感がなく、楽にゆったりとバストを保持できるブラジャーがあれば、このブラジャーを就寝時に着用することで、就寝中に生じるバストの垂れや型崩れを心配することなく、ぐっすると就寝することができることとなる。
さらに、バストが未発達でブラジャーを着用するには躊躇するジュニア世代においても、スポーツ時にはバストが上下左右に揺れることを目立せない肌着感覚のブラジャーが要望されている。
上記した一般的なブラジャーは、就寝時に着用することを意図していないため、就寝時に着用すると締付感や窮屈感が生じることとなる。
一方、スポーツ用ブラジャーやジュニア用ブラジャーは提供されているが、いずれも、運動時に生じるバストの上下左右に揺れを抑制しながら締付感や窮屈感を生じさせないブラジャーは提供されていない。
また、横向き側臥姿勢でも、バストの隆起部が上側に移ると共に、左右のバストは上下重なるように近接する。前記図10に示すブラジャーは左右のバストを近接させる方向に付勢しているため、横向き就寝姿勢になると左右のバストが接触してしまい、暑苦しさを感じることとなる。
さらに、図10のブラジャーも立ち姿勢でバストを保持するブラジャーであるため、伸縮帯1、2は仰臥姿勢で脇側に流れるバストに対する締め付け力は強いものとなり、就寝時にはバストを圧迫することとなる。
また、図11のブラジャーは、身体の動きに対して肩紐を追従させるものであるため、当然に活動時の立ち姿勢のバストを基準としており、かつ、弾性ネット生地に伝達するためにバストの上側に内縁片および脇側に外縁片を設けているだけで、就寝姿勢時のおけるバストのサポート力を強める作用はない。
さらに、寝返る際には、バスト隆起部は上側に移るため、上側サポート部で保持して隆起部の上側基部を移動しないようにしている。
このように、バストの隆起部の基部を移動しないようにサポート部でしっかりと保持しているため、就寝時にバストの形態変化を抑制でき、バストが型崩れする心配を無くすことができる。
上記バスト離間支持部の高さは、略カップ基底部最下端点の延長線上を下端とし、人体の胸骨中点を上端としている。
このように、左右カップ部の間の前中心部に1〜3cmの広幅で、かつ、上下長さを10〜15cmの長さのバスト離間支持部を設け、かつ、上記のように左右カップ部の前側サポート部のサポート力を最も大としているため、左右カップ部が近接しないように離間保持でき、就寝時で寝返りをうち時や横向きの側臥姿勢になった時に左右のバストが接触しないように安定保持することができる。
上記F1:F2:F3:F4は、8:2:2:1が最も好ましい。
横向き就寝姿勢時(側臥姿勢時)に、上側に位置するバストが左右のバストの中心を越えて下側に位置するバストと重ならないようにしっかりとサポートする必要があるため、中央前側サポート部を他の脇側サポート部および上側サポート部の伸縮力よりも強くして、サポート力を最も大きくしている。
脇側サポート部と上側サポート部の伸縮力は同等で良いが、脇側は就寝時にはバストの隆起部が流れるため、脇側サポート部による圧迫感を与えやすくなる点より、脇側サポート部を上側サポート部よりも伸び易くすることが好ましい。
就寝姿勢では、立ち姿勢時に生じる自重によるバストの垂下は生じないが、バストが大きな場合や横向き姿勢では、バストの下部もサポートし、バスト隆起部の基部全周をサポートすることが好ましく、また、着用者にバストの型崩れがしない安心感を与えることができる。よって、上記のように、脇側サポート部および前側サポート部を下部まで延在させてサポートしている。
また、サポート部でカップ部内の全外周を囲んでも、バストトップ(乳頭)を囲む中央部分は伸びを良くしているため、バスト中央部分はある程度自由に移動でき、圧迫感を与えない。
このように、サポート部により、ほどよいサポート感を与えることが出来ると当時にブラジャーを着用していないヌード感、開放感も与えて、リラックスさせることが出来る。
布から形成する場合、上記左右カップ部はカップ本体布とサポート布とから形成し、上記カップ本体布は緊締力の弱い伸縮性布から形成すると共にカップ部の全体を覆う形状とする一方、上記前側サポート部、上側サポート部、脇側サポート部は上記カップ本体布の裏面にサポート布を取り付けて形成している。
上記カップ本体布は伸びの良いベア天竺等を用い、上側サポート布、脇側サポート布もカップ本体布と同様な緊締力の弱い布を用いている。
一方、前側サポート布はカップ本体布より緊締力の強い伸縮性布、例えば、ヘムパワーネットを用いている。
このように、伸びの低い前側サポート布は内周縁のみ縫着してカップ本体布とは遊離させているため、仰臥姿勢から側臥姿勢へと寝返りした場合に、バストの隆起部の移動にカップ本体布を追従させること出来ると同時に、前側サポート布で近接するバストの基部をしっかりと押さえ、かつ、左右カップ布の間に支持布を一定幅で介在させているため、側臥姿勢になっても左右のバストが重なることなく離間保持することができる。
特に、仰臥姿勢ではバストは脇側に流れて中央前側は離れる方向となる一方、横向き姿勢ではバストの中央前側は近接して重なる方向となり、バストの形態変化が大きく生じるため、カップ部の本体布ではギャザーを設けると共に、前側サポート布はカップ部の布と遊離させ、バストを圧迫することなくバストが形態変化してもバストをサポートできるようにしている。
このように、ブラジャー全体を緊締力の弱い伸びの良い伸縮性布から形成し、しかも、ワイヤーも取り付けいないため、バストおよび脇部、肩部を含め、ブラジャーが当たる部分の全てを締め付けない。よって、ブラジャーを着用して就寝しても、生理的に悪い影響を与えないと共に、窮屈感や締付感を発生させず、ゆったりとした開放感を与えることができ、ぐっすりと睡眠できるようになる。
上記編地は、その編組織を密にする、編糸を変える等の方法で、部分的に変えて緊締力に強弱を設け、上記サポート部の緊締力をカップ部の中央部分よりも強めている。
前記織地から形成する場合にはサポート力を変えるためにカップ本体布にサポート布を取り付けているが、編地から形成すると編み上げていくだけで良いため、簡単に設けることができると共に、サポート力の強弱も微妙に相違させることも可能となる。
このブラジャーの場合には、背面部は連続させてかぶりタイプとし、留め具からなる別体金具を取り付けていないことが好ましい。
違和感を与えないためには、留め具等の金属部品は使用しない方が良く、よって、上記のように背面部は連続させてかぶりタイプのブラジャーとしている。
特に、就寝用ブラジャーとして最適なものであるが、バストが移動しないようにサポートし且つ締付感や窮屈感がないため、スポーツ用ブラジャーとしても好適なものとなる。通常のブラジャーではバストの上部を支持して移動を押さえているものは少ないため、ジョギング等の運動時に生じるバストの上下の揺れを効果的に押さえることができないが、本発明のブラジャーではバストの上部を締付感なく押さえて、上下の揺れを防止することができる。
また、ジュニア用とした場合にも、発達途上のバストを圧迫せず、生理的にも優れたものとなり、かつ、運動時にバストの揺れを防止してバストを目立たなくでき、ジュニアにとっで好ましいものとなる。このジュニア用とする場合、アンダーを延長すると、ブラジャーではなくシャツ等の肌着感覚となるため、ジュニアも躊躇せずに着用することが出来る。
特に、パジャマに設けると、パジャマの下にブラジャーを着用する必要がなくなり、バストを圧迫することなくバストの移動を抑制でき、安心感のあるパジャマとすることができる。
さらに、Tシャツとした場合には、高温となる夏季にブラジャーを着用する必要がなくなり、蒸し暑くるしくならず、爽やかに着用できる。
図2乃至図5は第1実施形態のブラジャーを示し、伸縮性を有する布よりブラジャーを形成している。
ブラジャー10は左カップ部と右カップ部をそれぞれ構成する左右のカップ本体布11(11A、11B)、該左右カップ部を囲む支持布12、背面布13、肩紐布14を備え、
上記左右カップ本体布11の裏面側には、上側サポート布15、脇側サポート布16、前側サポート布17の3つのサポート布を取り付けている。
上記カップ本体布11、支持布12、背面布13、肩紐布14、上側サポート布15、脇側サポート布16は同一の緊締力が弱く、良く伸びる伸縮性を有すると共に通気性も有する布より形成し、本実施形態ではベア天竺を用いている。前側サポート布17のみ布の種類を相違させ、ベア天竺よりも伸びが少ないヘムパワーネットを用いている。
なお、通常のブラジャーには立ち姿勢時の外輪線の下縁から左右両側縁にかけてワイヤーを取り付けているが、本実施形態のブラジャー10ではワイヤーを取り付けずに、テープ布19を取り付けている。
なお、上側サポート布15のサポート力F2は脇側サポート布16のサポート力F3よりも若干サポート力を高めてもよい。即ち、バストに対するサポート力は、F1>F2≧F3に設定している。また、サポート布15、16、17を取り付けていない部分のサポート力をF4とすると、F3>F4としている。
このように、伸びが良く左右バストの谷間に密着しやすい幅広のバスト離間支持部12aを設けると共に、その左右両側縁をテープ19、前側サポート布17およびカップ本体布11と縫着して、カップ本体布11との境界位置を確定していることにより、左右のカップ本体部11にカバーされる左右のバストが横向き側臥姿勢となった時に、左右のバストが上下で重ならないように離間保持できる構成としている。
この背面布13と、左右カップ布11の上端との間には肩紐布13を取り付け、この肩紐の部分にも長さ吊設用の金具は取り付けていない。
さらにまた、脇側サポート布16および中央前側サポート布17の下部でバスト下部を両側よりサポートとしている。カップ部の下部は、立ち姿勢では上方に押し上げる機能が必要とされるが、仰臥姿勢ではバストは垂下しないためバストを持ち上げる必要はないが、仰臥姿勢時にもバスト上部と同様に軽くサポートした方が良く眠れこととなる。かつ、仰臥姿勢から横向き姿勢になる時、バスト下部も移動、形態変形が発生しやすいため、バスト下部も上記サポート布で安定支持している。
さらに、仰臥姿勢ではバスト隆起部は脇側に流れるため、脇側サポート布を前側サポート布と同様な若干伸縮力が大な布で形成して、脇側へのバストの移動、変形をより強いサポート力で抑制してもよい。
さらにまた、背面布は中央で分割して、肌への当たりが柔らかい留具を取り付け、ブラジャーをかぶりタイプとせず、後ろ止めタイプとしてもよい。
全体形状は第1実施形態と同様であるが、丸編みにより左右カップ部11’、支持部12’、背面部13’、肩紐部14’を連続した編地より形成し、肩紐部14’の上端で前身頃側と後身頃側とを縫着している。
また、上記サポート部15’〜17’に囲まれるカップ部の中央部は若干膨出させた状態で編成していると共に緊締力を弱くしている。
他の構成は第1実施形態と編地に変えている点だけが相違し、作用効果は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ジュニアの場合は、特に、バストが未発達であるためバストを圧迫しない必要があると共に、バストを上げて前方に寄せる機能はブラジャーに要求されない。しかしながら、運動時に若干でもバストの揺れがあると、この揺れを防止したい要求はある。よって、バストを圧迫せず、窮屈感がないが、バストの移動、変形を抑制できる本発明のブラジャーはジュニア用としても好適なものとなる。
第1実施形態のブラジャーとの相違点は、支持布12’を下方へ延在させ、アンダー部31を大として点だけである。他の構成は同一符号を付して説明を省略する。
上記したランニングシャツ30は、ブラジャーを着用するには未だ躊躇するジュニアとっても着やすいものとなる。他の構成は上記実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
該パジャマ・トップは第2実施形態と同様に編地より形成し、半袖部分41を設けると共に、支持部12’をウエスト位置近くまで下方に延在させている。
このパジャマ・トップ40は同様な形状としてアウター用Tシャツとしてもよい。
他の構成および作用は第2実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
この第5実施形態のブラジャー50では、支持布12の広幅とした前側中央のバスト離間支持部12aを挟む左右カップ部の前側にのみ前側サポート布17を取り付け、左右バストを常に離間保持できる構成としている。このブラジャー50では寝返りをうつ時に左右のバストが近接接触するのを防止でき、また、横向き側臥姿勢となった時に上下に重なるバストが接触し、重苦しさや暑苦しさを軽減することができる。
11 カップ本体布
12 支持布
12a バスト離間支持部
13 背面布
14 肩紐布
15 上側サポート布
16 脇側サポート布
17 中央前側サポート布
L1 仰臥姿勢のバスト隆起部の外輪線
L2 立ち姿勢のバスト隆起部の外輪線
Claims (10)
- 左右バストの各隆起部の外輪郭線を仰臥姿勢時の脇側広がりで且つ上広がりの外輪郭線で規定し、該外輪郭線に囲まれた左右の上記隆起部を左カップ部と右カップ部とし、該左カップ部の中央部および右カップ部の中央部をそれぞれ囲む前側サポート部、上側サポート部、脇側サポート部を設け、これらサポート部のうち前側サポート部のバストを支持するサポート力を最も大としていることを特徴とするカップ部を有する衣類。
- 上記左カップ部と右カップ部の前側サポート部に挟まれる前中央部にバスト離間支持部を設け、上記バスト離間支持部の幅は1〜3cmとすると共に、上下長さは10〜15cmとし、該バスト離間支持部と上記前側サポート部とで上記左右カップ部内の左右のバストを離間保持する構成としている請求項1に記載のカップ部を有する衣類。
- 上記前側サポート部の上記サポート力をF1、上側サポート部の上記サポート力をF2、脇側サポート部の上記サポート力をF3、カップ部の他の部分のサポート力をF4とすると、F1>F2≧F3>F4に設定している請求項1または請求項2に記載のカップ部を有する衣類。
- 上記前側サポート部の下端と脇側サポート部の下端の間に延在し、下側中央位置に向けて面積を縮小した下側サポート部を設けている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
- 上記左カップ部および右カップ部はカップ本体布とサポート布とから形成し、上記カップ本体布は緊締力の弱い伸縮性布から形成すると共にカップ部の全体を覆う形状とする一方、上記前側サポート部、上側サポート部、脇側サポート部は上記カップ本体布の裏面にサポート布を取り付けて形成している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
- 上記上側サポート布、脇側サポート布は上記カップ本体布と重ねて全周を縫着して取り付け、
上記前側サポート布は前側周縁を上記カップ本体布と縫着する一方、内周縁はカップ本体布と遊離させている請求項5に記載のカップ部を有する衣類。 - 上記左カップ本体布および右カップ本体布の各前側外縁にギャザーを付けている請求項5乃至請求項6のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
- 上記左カップ部、右カップ部、該左カップ部と右カップ部を囲む土台部、脇部、前中央部のバスト離間支持部は編地より形成し、該編地の編組織あるいは編糸を部分的に変えて、上記サポート力を設定している請求項3乃至請求項7のいずれか1項に記載の衣類。
- 左右バストの各隆起部の外輪郭線を仰臥姿勢時の脇側広がりで且つ上広がりの外輪郭線で規定し、該外輪郭線に囲まれた上記隆起部を左カップ部と右カップ部とし、該左カップ部と右カップ部にはそれぞれ前側サポート部を設け、かつ、これら左右の前側サポート部の間に位置する上記左右カップ部に挟まれる前中央部に所要幅のバスト離間支持部を設け、該バスト離間支持部および上記左右の前側サポート部で上記左右カップ部内の左右のバストを離間保持する構成としていることを特徴とするカップ部を有する衣類。
- 就寝用、スポーツ用、ジュニア用のブラジャー、ブラジャー付きのスリップ、シャツ、パジャマ、水着、レオタード、アウター用のTシャツからなる請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のカップ部を有する衣類。
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